■議事録一覧■

環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する
基本方針の作成に向けた懇談会(第1回)会議録
 



○ 平成16年5月10日 10:00〜12:00
○合同庁舎5号館22階環境省第一会議室


<議事次第>
  1. 開会挨拶
     環境大臣  小池 百合子
     文部科学大臣政務官  馳  浩
     
  2. 環境教育に関する副大臣会議について
      環境副大臣      加藤 修一
     
  3. 議事
    (1) 環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本方針の作成に向 けた懇談会について
    (2) 環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律について
    (3) 自由討議
    (4) 今後の予定について
       
  4. 閉会挨拶
      環境副大臣      加藤 修一

午前10時05分開会

○渋谷環境教育推進室長 委員の皆様、おそろいのようでございますので、ただいまより環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本方針の作成に向けた懇談会を開催させていただきます。
 委員の皆様方には、本日は大変お忙しいところ、また足元のお悪いところ、ご出席いただきありがとうございます。
 本日は、環境省から小池環境大臣、加藤環境副大臣、文部科学省から馳文部科学大臣政務官がご出席でございます。議事に先立ちまして、初めに、小池環境大臣より一言ごあいさつ申し上げます。

○小池環境大臣 皆様、おはようございます。
 まず何よりも、本日、足元のお悪い中、こちらの方までお出ましいただきましたこと、感謝いたします。また、環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本方針の作成に向けた懇談会、どうしてこんなにいつも長いタイトルになるのか、申しわけございませんけれども、皆様、それぞれの分野で大変お忙しい皆様でいらっしゃいますのに、今回の私どもの趣旨にご賛同いただいて、この懇談会のメンバーにご就任いただきましたこと、心から御礼を申し上げたいと存じます。
 環境問題は、ご承知のように大変幅の広い課題を抱えているわけでございまして、また、現代生活がますます便利になる一方で、環境問題も、その大きさ、そして複雑さを増しているところでございます。つまるところ、やはり環境教育ということを年齢を超えて広く進めていかなければならないということ、さらにはヨハネスブルグサミット、平成14年でございますけれども、小泉総理の方からパートナーシップや環境のための人づくりの重要性を訴えているということで、環境問題で我が国がリードをしていく、世界をリードしていくということからも、この環境教育というのは非常に重要な位置づけとなっているところでございます。
 私も子供のころは、母から、またおばあちゃんから「もったいない」というようなことを常日ごろ言われまして、食事にしても、物を簡単に捨てようとするようなときにも、それはもったいないということをいろいろな日常生活の場におきましていつも言われていたというのは、これもまさに環境教育の基本の基本ではないかなというふうに思うわけでございます。ところが、残念ながら最近は、そういうふうな家族の会話がどこまで実際にあるのかどうか。それから、子供がもったいないと思うようなことでさえ、親がどんどん物を捨てたりしているのではないか。そんなことを考えますと、改めて環境教育をどのようにして広げていくのか、どのような形で進めていくのか、これを今、真剣に決めていく、道筋を立てていくというのは早過ぎることはなくて、むしろ遅過ぎるぐらいなのかもしれません。
 法律面からでございますけれども、環境保全活動の基本となります環境教育、環境学習の推進や環境の保全のための意欲を高めるための措置などを盛り込んだ環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律、こちらが昨年の7月に議員提案で成立をいたしておりますので、この法律を受けまして、具体的で、そして実効性のある施策を講じていく。そのためにはどうしていったらいいのかということで、環境行政を担います私ども環境省と、そして教育行政を担います文部科学省との連携教育をさらに進めていく必要があるということで、環境省からは環境大臣である私、それから、本日都合によりご出席がかないませんけれども、文部科学省の河村大臣から、この環境教育の問題について造詣の深い皆様に委員の就任をお願いして、本日の懇談会になったところでございます。
 きょうは、おそろいの皆様方に、環境行政、そして教育行政のむしろ枠をどんどん超えていただいて、幅の広いご議論を行っていただくことを期待をいたしているところでございます。どうぞこの環境教育という、環境問題の一番の根本の原点の部分であり、また、教育そのものが百年の計であるということから、委員の皆様方の活発なご議論を私も大変期待をさせていただきたいと思います。
 まずはご就任の御礼、そして本日お越しいただきましたことに対しまして深く感謝をいたしたいと思います。どうもありがとうございました。

○渋谷環境教育推進室長 ありがとうございました。
 続きまして、馳文部科学大臣政務官にごあいさつを賜りたいと思います。

○馳文部科学大臣政務官 おはようございます。大臣と並ぶと美女と野獣のようでありますが、気合いを入れて取り組みますので、よろしくお願いいたします。
 昨年、この法律が通りましたとき、私、たまたま国会対策の仕事をいたしておりまして、大臣がおっしゃったように、議員提案でこの法律が全会一致に近い形で成立をいたしました。その議員提案の趣旨は、温暖化の問題も廃棄物処理の問題も環境保全全般の問題も、どうしても国民各界各層の基本的な知識、認識、ご理解いただかないと政策としても進めていくことはできないので、この法律をてこにもっと国民に訴えていこうと、あらゆる段階において訴えていこうということで、法律に基づいて措置をした方が、各省庁の横の連携をとりながら政策を進めていくことができるだろうということで、法律が提出され、成立をしたという経緯がございます。でありますから、きょう懇談会にお越しいただいた皆さん方は、まさしく各界各層を代表される方々でございますので、それぞれのいわゆる学識経験、体験などを、この懇談会で国の基本方針に近い形でしっかり取りまとめていただいて、それをもとに我々文部科学省としても現場で取り組んでいきたいと思っております。
 ちなみに、きょう私のこちら、左隣ですね。取りまとめの役が生涯学習政策局の局長の銭谷でございます。そして、その隣が折原と申しまして社会教育課長で、銭谷局長のもとでの取りまとめでございます。隣の大槻さんは学校教育全般にわたっての担当です。それから、清水さんは青少年課長ですから、体験学習などを中心に取り組ませていただきます。
 文部科学省と環境省では、これまでもこどもエコクラブなどで連携をとって進めてまいっておるところでございますが、この皆さん方の懇談会の方針に従って、その方針が地方自治体の方にも、いわゆる学校現場の方にもおりてまいりますので、そういった支援もしっかりとするということをお約束をいたしまして、ごあいさつとさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○渋谷環境教育推進室長 どうもありがとうございました。
 ただいま文部科学省の担当の馳政務官の方からお話がありましたので、環境省側の出席者について、私の方から簡単にご紹介させていただきます。
 まず、松本総合環境政策局長でございます。
 続きまして、小林大臣官房審議官でございます。
 続きまして、瀧口民間活動支援室長でございます。
 なお、私、最後になりましたけれども、本日の司会進行をさせていただきます環境省環境教育推進室長の渋谷と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事次第の2にございます環境教育に関する副大臣会議についてに移らさせていただきます。
 この件につきましては、加藤環境副大臣の方からご説明をお願いしたいと思います。

○加藤環境副大臣 環境副大臣の加藤修一でございます。
 本懇談会の開催に先立ちまして、ことしの1月15日、2月5日、それから2月12日の3回にわたりまして開催されました副大臣会議、これは今22名おりますけれども、その副大臣会議で環境教育をテーマに議論を行ってまいりました。そういう成果を「今後の環境教育の充実強化について」という形で取りまとめましたので、ご紹介をしたいと思います。
 着席してご紹介いたしたいと思います。
 皆さんのお手元に資料1がございますと思いますけれども、まず1ページ目でございます。前文になりますけれども、前文として、私たちの社会自体を持続可能なものに変えていくようにしなければいけない。そういった場合、それぞれの主体が環境に対する責任を自覚し、みずからの行動を律すると、そういった中で持続可能な社会の構築に向けた取り組みに対しても積極的に参加して、その役割を担うことが必要であり、さらに、そういった取り組みを促進するために、環境教育を推進していくことが極めて重要である。この辺の観点につきましては大臣からも、また馳大臣政務官からも話があったとおりでございます。
 2ページ目になりますけれども、各府省が積極的に取り組む点といたしまして、ほかの関係機関に協力を呼びかける点を、1つは全体的な事項と、もう一つは個別的事項に分けて取りまとめてございます。全般的な事項につきましては2点を盛り込んでございます。総括的な事項でございますけれども、先ほど長い法律の名前であるというふうに話がございましたわけですけれども、環境教育推進法、今年の10月に完全施行に向けて基本方針、そういった意味での懇談会がきょうのことになるわけでございますけれども、その基本方針の策定等を進めて円滑な運用に努める。特に民間の指導者による学校等での環境教育、この参加の推進を図ることが極めて重要である。教育現場等への周知徹底に努めると、そういうことを積極的に進めていく。
 それから、これは先ほど話がありましたように、2002年のヨハネスブルグサミットで日本国が発信したことになるわけでありますけれども、国連の「持続可能な開発のための教育の10年」、これの概念の整理をきちんとやっていかなければいけない。環境教育と教育の関係、そういった面についての概念整理ということになりますけれども、あるいは、さらに推進計画等の検討を図る、そういったことを同時に進めていく。さらに開発途上国の環境教育の支援を図ることも、これまた今後の成長、発展していく中で環境汚染が増大する可能性が十分あるわけでありますので、そういったことがなるべくならないように、環境教育の支援というのをきっちりとやっていかなければいけない。
 実は、せんだってOECD環境大臣会合がありまして、私も行ってまいりました。その後にユネスコに行ってまいりまして、ユネスコが、この教育の10年のリーディングエージェンシーになっておりますので、松浦事務局長にもお会いいたしまして、この教育の10年について世界実施計画を当然つくらなければいけないということで、現在鋭意努力して進めている最中でありますけれども、こういった面についての積極的な取り組みを、より一層強化拡充ということでぜひやっていただきたいということで、そういう申し入れも環境省といたしましてはしたところでございます。
 それから、3ページ目になりますけれども、新たな個別の取り組み事項といたしまして、今後さらに積極的に取り組んでいかなければいけないということで、4点を盛り込んだところでございます。
 その第1点がエコスクールの充実・普及に向けた関係省の連携強化ということになるわけでございますが、現在、文部科学省、それから経済産業省、農林水産省が連携して行っている事業として、エコスクールパイロット・モデル事業がございますが、やはり環境省などほかの関係省も、こういう事業に参画・協力をしていくことが非常に大事である。具体的な中身といたしましては、校舎の改修や校区ぐるみの環境学習、あるいはさらにハード、ソフトの両面からの事業内容を充実を図っていくということが、我々ももっとやっていかなければいけないことではなかろうか。そういうふうに考えて決めた内容でございます。それから、こういった事業を全国的に一層の普及を図っていくということも極めて重要でありますので、そういった点についても鋭意努力していかなければいけないということに取り決めをしたということでございます。このエコスクール事業でありますけれども、全国に幼稚園、小学校、中学校、高等学校、そういう点で考えてまいりますと5万4,718校あるわけでありますけれども、エコスクールをやっている、そういうところは全体で238校しかない。構成率でいいますと0.43%という極めて低い率になってございます。そういった意味でモデル事業というふうになっていることなんですけれども、さらにこういったモデル事業から、さらに事業というふうに展開していくことも極めて重要だということで、これをさらに進めていきましょうと、そういうふうに考えてございます。
 それから、2番目の点でございますけれども、国等の公共建築物のグリーン化に向けた営繕関係職員に対する環境教育ということで、国等となっていますのは、独立行政法人も当然入りますし、さらに立法府、司法府、ここも入れていかなければいけない。どうしてもこの辺に関しましては、なかなか取り組んでいることがわかりづらいような状況になっていますので、立法府におきましても司法府におきましても積極的にやっていくことが必要である。とりわけ営繕の関係職員に対する環境教育を強化充実していくことが重要であろう。公共建築物のグリーン化を図るためには、そういった取り組み、さらに新たな省エネ等の取り組みは、木材、樹木の積極的な活用、あるいはそのほかの環境対策について、営繕関係職員を対象にした教育を進めていく。また、さらに地方公共団体の営繕関係職員を対象にしました環境教育につきましても必要な協力を求めていく。そういう内容をさらに我々は申し合わせたところでございます。
 それから、次に4ページ目でございますけれども、国等の職員に対する環境教育の充実と職員の余暇活動を通じました環境保全への貢献ということで、国等の職員が十分な環境教育を受けられるように、各府省の初任研修等を通じて行われております環境教育をなお一層充実をする。特に環境基本計画、これを踏まえました実質的な環境配慮の方針を各省庁が策定することになっておるわけでございますが、そういう環境配慮の方針をもとにいたしまして、職員に対しての環境管理システムについての必要な教育を行っていく。ここがなかなか見えない部分もありましたので、やはりもっと見えるような形で具体的な行動というものをとっていただきたいということについて、改めて申し合わせをしたところでございます。それから、職員による環境ボランティアを支援するために、いわゆる環境ボランティア研修の実施、あるいは、ボランティアを派遣していくための窓口を具体的に設置を進めていくと、そういうことなども第3番目の中に入っていくわけでございます。
 それから、最後の4点目でございますけれども、子ども霞ヶ関ツアー等におけます環境配慮の取り組み紹介ということで、さまざまな形で霞ヶ関の行政の、例えば国土交通省とか環境省とか、お子さんたちがそういうツアーを組んで来られるような形で1年に1回やっているようでございますけれども、そういうツアーにおきましても、やはり児童の環境教育のための、いわゆる国等が行っている取り組みを紹介するように、各省で積極的に取り組む。あるいは、国会見学が相当数毎日あるわけでございまして、そういった中で、また、国の行政機関以外の場で行われております児童向けの普及啓発のことにつきましても大いに機会を設けまして、環境配慮の取り組みが紹介されるように、必要な協力を積極的につくり上げていかなきゃいけない。そういうことが4点目の内容になります。
 以上、まとめてまいりますと、極めて副大臣会議でこういった形でまとめられるのは異例なことでございますが、そういった意味では、やはりこういう法律ができたこと、さらに環境教育に対する国民全般の皆さんの意識が相当高いという、機運が盛り上がってきていると、そういうふうにとらえることもできるんではなかろうかと思います。こういった申し合わせの中身につきまして、立法府におかれましては議員運営委員会の委員長に対しましても申し入れをしたところでございますし、あるいは司法府に関しましては、総務局長にこういった面についての説明をしてまいりまして、積極的に取り計らうように我々進めてきたところでございます。
 概括的な内容の話になりましたけれども、以上でございます。こういった取り組みを積極的にやってきているということでございます。以上でございます。

○渋谷環境教育推進室長 どうもありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 まず、資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元にある資料は1つでございますが、まず、懇談会の議事次第の裏に資料の一覧というのがございます。通し番号がすべてついておりまして、全部で49ページございます。資料の1がただいま副大臣からご説明があった資料、資料の2が5ページになりますけれども、懇談会についての資料でございます。資料の3が7ページでございますが、法律の概要と背景という1枚の紙でございます。資料の4が9ページ、法律の概要で各条文が細かく書いてあるものでございます。資料の5がプレゼンテーション用の資料が数ページついてございます。それから、資料の6が施行後の国の動きというもので表になったものでございます。それから、資料の7が民間の動き、資料の8が今後の予定、資料の9がヒアリングについての資料でございます。それから、資料の10が意見募集についてのお知らせの案でございます。
 それから、その次以降が参考資料になりまして、参考資料の1が法律の本体、参考資料2が39ページからになりますが、各省におけます予算の概要でございます。それから、教育の10年のための仮訳が3と4についてございまして、最後に資料の5として地球憲章に関するUNESCOの支援という仮訳がついております。
 以上でございますが、皆さん、落丁等がございましたらお知らせいただきたいと思いますが、もし途中でお気づきの点がありましたら、またお知らせいただきたいというふうに思います。
 それでは、まず最初に、議題の(1)の当懇談会について概要をご説明したいと思います。
 5ページ、資料の2をごらんいただきたいと思います。
 懇談会の設置につきましては、平成16年4月14日に環境大臣と文部科学大臣、両省で決定したというものでございまして、まず第1に、趣旨といたしましては、この法律では基本方針の案を環境大臣及び文部科学大臣が関係省と協働して作成し、閣議決定を行うということになっております。また、その際に広く一般のご意見を聞くこととされておりますところから、この懇談会を設置いたしまして、専門的見地からのご意見をいただき、基本方針案の作成の参考とさせていただくものでございます。このほか、パブリックコメントなど、さまざまな方法で広く意見を聞くこととしております。
 次に、検討事項ですが、法律によりまして、基本方針では環境保全の意欲の増進、環境教育に関する基本的な事項、(2)といたしまして政府が実施すべき基本的な方針、それから、その他重要な事項の3つを定めることとされております。
 次に、組織でございますけれども、懇談会は環境大臣及び文部科学大臣が委嘱する委員をもって構成するとされておりまして、次のページでございますけれども、各界各層から成る21名の方が委嘱されておられます。本日は16名の方にご出席をいただいているというところでございます。また、委員の中から互選によって座長を置くこととなっております。それから、庶務につきましては、環境省及び文部科学省が両省共同で行うということとしておりまして、また、この懇談会は原則公開とされているというところでございます。
 以上が当懇談会の概要でございますが、何かご質問等ございましたらお答えいたします。
 特にございませんようですので、次に、ただいまご説明いたしましたように、本懇談会の座長は委員の互選によって定めるというふうになっておりますけれども、座長について、皆様方の中でご推薦等ございましたらお願いいたします。
 特にないということでありましたら、事務局の方でまことに僣越ではございますけれども、本懇談会の座長といたしましては、環境教育がご専門でございます小澤委員が適任ではないかというふうに考えておりますが、いかがでございましょうか。ご承認いただけますでしょうか。
 ありがとうございます。それでは小澤委員、座長の方をよろしくお願いいたします。

○小澤座長 皆様、初めまして。座長を務めさせていただきます小澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 専門といいましても、私が環境教育に取り組み始めましたのは70年代からでございます。今、私が環境教育学会などにもかかわりながらやっておりますと、きょうというのか、昨年7月にこの法律が通りましたときに、第5期目に向かっているのかなというふうに思っております。特にきょうの懇談会の委員の方は、各省庁から推薦されていらっしゃっていると思いますけれども、やはり非常に環境をめぐる問題というのは多次元的ですので、さまざまな角度から検討していかなくちゃいけないと思いますので、この法律の21条にありますように協働の取り組み、コラボレーション、この法律をつくる過程では、初めに珍しい法律だなと思っておりました。片仮名で書かれておりましたけれども、最後は漢字になりましたけれども、こういった協働をまず霞ヶ関から始めていくということで、きょうは画期的な日になっていくと念じて座長を務めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、きょう初めてこの法律のことを伺っているのではないかと思いますので、長いんですが、環境の保全、環境教育の推進と言わせていただきたいと思いますけれども、この法律について事務局よりご説明をお願いいたしたいと思います。

○渋谷環境教育推進室長 それでは、法律の概要について簡単にご説明いたしたいと思います。
 資料の3から5でございますが、法律の全体は参考資料の1につけてございます。時間もございませんのでパワーポイントで、資料の5になりますけれども、11ページから同じものがついておりますので、ごらんいただきながらご説明したいと思います。
 まず法律の背景でございますが、近年地球温暖化を初めとするさまざまな問題が発生しておりまして、これらに対処するためには、各界各層の自発的な環境保全活動が必要になってきたということがございます。また、一方で、先ほどもお話がありましたけれども、国際的な機運の高まり、環境に対する高まりがございました。このため、下にありますように、国民、NPO、事業者などによる環境保全への理解と取り組みを高める必要性や、環境の振興、あるいは体験活動とか情報の提供が必要であるとの認識が非常に高まってまいりまして、本法律がつくられたということでございます。
 次に、法律の概要でございます。この法律は、その名のとおり環境保全の意欲の増進と、そのための環境計画の推進という2つの大きな部分から成っておりまして、これらを進めるために、さまざまな施策を進めることによって国民の環境保全への理解を深め、また意欲を高めるということによりまして自発的な環境保全活動を進め、持続可能な社会の形成に資するという構造になっているということでございます。
 次に目的でございますけれども、まず、持続可能な社会の構築のためには、環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育を各界各層が進めていくことが重要であること、それから基本理念、責務、基本方針、それから各種の支援施策を定めまして、最終的に現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するということを目的としております。
 次に定義でございますが、環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育について、それぞれそこにあるような法律における用語の定義をしております。
 次に基本理念でございますが、ごらんのように、4つの民間の自発的な意思を尊重しようといった、4つの環境教育などを行う際の基本的な理念と配慮すべき事項が定められているというところでございます。
 次に各主体の責務でございますけれども、国民、事業者、民間団体は、環境保全活動、環境教育をみずから進んで行うよう努めること、また、ほかの人たちが行う環境保全活動、環境教育に協力するように努めるというふうにされております。また、国などは、国民あるいは民間団体等との連携に留意しながら、基本的かつ総合的な施策の策定に努めるというふうにされております。
 次に基本方針でございますが、この本懇談会でご議論いただくものでございますが、今後の環境保全の意欲の増進、環境教育の方向を定める非常に重要な事項でございまして、閣議決定を行うこととされております。また、広く一般の意見を聞かなければならないというふうにされております。また、下にありますけれども、これが基本となりまして、参考として地域の特性に応じた方針、計画を都道府県等も作成するよう努めるというふうにされております。
 次に、ここから具体的な施策になりますけれども、学校教育等における環境教育に関する支援等ということで、学校教育や社会教育における体験学習などの充実や教員の資質向上等の措置を講ずるよう努めるというようなことが定められております。
 次に、職場でも同様に環境保全の意欲の増進と環境教育を進めるようにということで、民間団体、事業者、国、地方公共団体も含めて、その雇用者の環境保全に関する知識、技能を向上させるよう努めるというふうにされております。
 次に、人材認定等事業の登録というものがございます。これは、この法律による新しい制度でございまして、民間団体や事業者などが行っております環境保全に関する指導者を育成・認定する事業を登録する制度でございます。例えば、ある団体が自然などを解説する指導者を育成・認定する事業を行っている場合に、その育成・認定する事業を登録するものでございまして、これも広く国民に公表するということでございまして、その登録した一人一人の資格を登録する制度ではないということをご理解いただきたいと思います。この制度は、登録によりまして民間の人材育成制度の信頼性を高めることと、それから、一般の国民が指導者を探しやすくするということをねらいとしております。
 次に、拠点としての機能を担う体制の整備ということですが、環境保全の意欲の増進を図るためには、人材や情報、交流の場などが必要となります。環境省では、既に青山の地球環境パートナーシッププラザを整備しておりまして、このような機能を持った拠点を、地方にはまだまだ少ない状況がございますので、これらを整備していこうというものでございます。
 次に、民間による土地・建物の提供に関する措置ということでございますが、これは、民間が所有しております土地や建物を自然体験の場などとして自発的に提供していただくことが、環境保全の意欲、あるいはその活動に重要なことだということで、こういったことを促進するための措置を講ずるように努めるというふうにされております。例で言えば、例えば里山の管理とかリサイクル工場などを見学させていただくといったものが挙げられるんじゃないかと思います。
 それから、最後になりますが、協働取り組みのあり方の周知等ということが定められております。また、情報の積極的公表、それから財政上の措置、国や地方公共団体が配慮すべき事項などが定められております。
 以上が法律の概要でございます。
 続きまして、19ページ、20ページでございますが、昨年法律が一部を除きまして施行されておりますけれども、その後の状況についてでございます。
 まず、資料6は法律制定後の国・地方公共団体の主な動きでございまして、全国的にこの法律の周知徹底を図っております。これは主なものを書いたものでございまして、このほかにも、NGOなどからの求めに応じて説明会を開いたりといった細かな対応もあわせてしております。
 資料7は民間の動きでございます。このように、民間の方でも、この法律についての関心は非常に高くて、さまざまなところで勉強会やシンポジウム、意見交換会などが行われている状況でございます。
 以上でございます。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまご説明がありましたように、この法律の基本方針について自由討議に入りたいと思います。今回は第1回目でございますので、青木委員より順番に、簡単に自己紹介と、環境教育について日ごろから考えていらっしゃること、そして基本方針に盛り込むべきことなどについてご意見をいただきたいと思います。
 なお、本来ならば、青木委員から順番にご発言いただきたいんですが、宮林委員がきょう途中で退席されるということですので、まず宮林委員にご発言いただいて、その後、青木委員から順番にご発言いただきたいと思います。
 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

○宮林委員 東京農業大学の宮林でございます。ちょっと電車のおくれによっておくれて来ながら、先に帰るということで大変失礼いたします。
 ふだんから、私は森林関係でございまして、環境教育側面につきましては大変古くからといいますか、もう20数年間、子供たちやら都会の皆さんを一緒に森林に連れてまいりまして、ボランティア作業を続けております。そういう意味で、大変最近は森林だとか自然だとか、あるいは環境というキーワードが大きいんですけれども、それとのかかわりが非常に薄れてきている。恐らく日本の文化といいますのは、自然だとか森林だとか木材だとか水だとか、言ってみれば環境材とのかかわりが非常に強い国民性を持っているわけなんですけれども、それが非常に薄くなってきているんではないかということを感じておりまして、そういう中で、こういう環境教育の推進というようなことに法律化されるということは、大変グッドなことであろうというふうに思っております。
 そういう中で、私、今、大学に実は環境教育支援センターを置きまして、総合的学習の時間の支援をしております。先生方も、自然だとか農業だとか林業だとかというものに対する関心はあるんですけれども、実体験はなかなかないというような中で、どう進めていくかというのが課題になっていると思いますので、私は、基本方針の中でなくてもいいんですけれども、いろいろな省庁との絡みという中も1つあるんですけれども、人の絡みといいますか、実はこの4月に東京農大は食と農の博物館を開設いたしました。その中でいろいろな展示物が置いてありますけれども、余り説明をしてございません。その説明の中身は、実はおじいちゃんとかお父さんが来まして子供に説明してあげるということが、そこの時点が一つの教育の視点ではないか。つまり、子供のころ、我々、いろいろな自然だとか川だとか森をだれに教わったかといいますと、考えてみますと、おやじ、おふくろが大変忙しくて、怒られた記憶はあるけれども、余り教わった記憶がない。じゃ、だれに教わったかというと、じいさん、ばあさんに教わっていたんではないか。つまり、そういうようなコミュニケーションをうまく図っていくような、いろいろな今の説明の中にもあるんですけれども、より具体的にその辺を重視していくような側面も必要になってくるんではないかなというような感じを受けております。
 ちょっとトップバッターなものですけれども、とりとめのないことを言いましたが、よろしくお願いいたします。以上でございます。

○小澤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして青木委員からお願いいたします。

○青木委員 千葉県総合教育センターから参りました青木と申します。よろしくお願いいたします。
 千葉県総合教育センターと申しますところは、先生方の研修を主にやっているところでございます。その中で私の担当しているところは、理科、それから環境になります。特に私は個人的には理科の生物が専門でございまして、小・中・高等学校の先生方の生物の研修を通して、もともとは環境教育にかかわってまいりました。特に小学校では、総合的な学習の時間の導入等に伴いまして環境教育が盛んに行われて、小学校の環境教育という中で非常に生物のかかわりに関するものが多いものですから、そういったことで、先生方と環境教育について考えたり体験をしたりしてまいりました。
 その中で特に最近強く思うのは、やはり毎回言われていることなんですが、特定の教科、理科だけで行うということは、もう非常に難しい状況だなということと、それから、学校の先生、あるいは学校の中だけで行うことも非常に難しいなということを特に最近強く感じております。そういったこともありまして、私どもの部署、科学技術教育部という部署なんですが、もともと理科と技術家庭なんですが、そこにこだわらずに、もう少し環境教育を広げてやろうということで、昨年度より環境教育に関するいろいろなシンポジウムだとか、それから、少し理科以外の部分、エネルギーとか資源だとか、そういったことも含めた環境教育を行っております。また、その中で特に学校以外の方とのつながりですね。それを強めるような活動、企業の東京電力さんのご協力をいただくとか、あるいは民間のいわゆるNPOさんの協力をいただくとかというような形で環境教育の方を進めております。ただ、ちょっと最近懸念しておりますのは、どうしても環境教育の盛んなのが小学校に偏りがちで、なかなか中学、高校に広がっていかないということがあるような気がします。それから、小学校の環境教育も、一時は非常に総合的な学習の時間等で熱心に取り入れられた部分もあるんですが、最近学力もちょっとシフトしている。その分やや弱くなっているのかなというような感じがします。
 いずれにしましても、やはり特に環境教育を進める上では、小・中・高の12年間でどういうような指導をするかということが極めて大事であろうということで、我々の責任も痛感しているところです。
 まとまりませんが以上です。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして大野委員、お願いいたします。

○大野委員 川に学ぶ体験活動協議会の代表理事をさせていただいております大野と申します。
 僕も個人的なことから言いますと、新聞の見出し程度の知識しかなかったんですが、こういういい法律ができているというのは、きょうは非常に目のうろこが落ちるような思いで聞かせていただきまして、非常に元気の出る思いをしております。
 川に学ぶ体験活動協議会は、平成9年に河川法の改正に基づいた流れで生まれた団体です。今までの河川行政は、治水、利水に偏っていた河川行政が行われてきたけれども、これからはそういうわけにいかないという審議会の答申を受けまして、流域の環境、あるいは流域に生きている人たちにとって、本当に365日川に付き合ってよかったと思うような環境行政に転換しましょう、広げていきましょうということで、治水、利水にプラスして環境というのが加わりました。それから、もう一つ、ただいまご説明のあった法律と全く同じなんですけれども、自分たちだけでやるんじゃなくて、流域の人たちの意見をよく聞きながら河川の管理に当たることになりました。基本法が変わってから、日本じゅうの川べりの雰囲気ががらっと変わってきております。気がついてみたら、北海道から九州までの川べりで、もうさまざまなテーマを持って活動していた人たちがたくさんいらっしゃいました。これをばらばらで活動するんじゃなくて、1つにまとまって、みんなで励まし合ったり情報交換したり助け合ったり何かするような活動にしましょうと、平成12年に7団体で立ち上がったのが川に学ぶ体験活動協議会です。4年たった現在、きょう現在で123団体にふえております。そして、ことし中に多分200を超えると思います。
 さらにすばらしいことは、もう既に省庁連携も行われているんですが、子供のにぎわいを川にもう一度取り戻そうという、そういう共通の目標がありまして、環境庁、それから文部科学省、それから国土交通省が一緒になって、3省連携の「子どもの水辺サポートセンター」が立ち上がっております。川べりで活動している人たちを3省連携の枠の中でどんどん応援していきましょうという仕掛けが既に動き始めております。そういう流れと今回のこういう動きとは、まさに一体化されておりますので、我々にしてみれば、強力な援軍を広いスケールで得たという感じがしております。
 川での活動も、やはりイベント型が多い。イベントだけでは本当のパワーにはならない。イベントというのは、デパートでいえば試食会みたいなもので、試食会で本当にいいと思ったものは、やはりメーンディッシュにどんどん切りかえていかないとならない。試食会からメーンディッシュへという言葉は、イベントから、そういうすぐれた活動の常設化を図っていきましょうということがみんなの共通の目標認識になっております。それから、今のご説明の中にありました、じゃ、常設化といったっていきなりできるわけじゃないので、人材育成ということだとか、その場の設定だとか、それから、そこに要する資金繰りをどうしたらいいのかとか、いろいろな問題がかかわってきております。事故の報道では、川が注目され世間をにぎわしたりするのですが、特に安全に留意した人材育成講座を進めていきましょうということで、我々の団体では、お隣にいらっしゃる岡島先生のご指導をいただきながら、指導者の育成と、それから認定制度を立ち上げております。そういうところで認定を受けた人たちは保険とも連動していきますし、そういうすぐれた指導者がいるプログラムに関しては、みんなが安心して参加できるというPRもしていきましょうということで、一歩先に進んでいるのかなという感じがしております。いずれにしても、そういうことが川べりだけの問題でなくて、日本全国のいろいろなフィールドで、それから、そこで蓄積されたノウハウが、世界じゅうのいろいろな各地でそれを必要とする人のところまで、やはり届けていかないとならないという段階に来ているということは、私たちも承知しております。
 活動拠点の問題にしても、これから議論になるんでしょうけれども、新しいものを建てていくというやり方よりも、国土交通省絡みでいけば、川べりに防災センターをつくったり、それから、流域センターというのをつくろうとしております。それぞればらばらにつくっているんじゃなくて、そういうものをお互いに生かし合って、そういうものをこちらで全部同じようなことだと認定していくというふうな形にすればいいのかなと思ったりしております。人材育成とか拠点の問題とか、それから、人材を育成するための基本的なファンドをどうしたらいいのかというふうな問題については、次の段階で提案させていただきたいなというふうに思っております。
 ありがとうございました。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは、引き続き岡島委員、お願いいたします。

○岡島委員 岡島でございます。
 肩書は大学の先生になっておりますけれども、参加している気持ちとしてはNGOの代表のような気持ちで参加させていただいております。日本環境教育フォーラムという団体を、もうそろそろ20年に近くなるんですけれども、仲間と一緒にやってきました。それから、今、大野さんがおっしゃったように、それから多少発展して、これは文部科学省さんの多大なご支援で、自然体験活動推進協議会というものをつくりまして、野鳥の会やボーイスカウトや大野さんのところの団体、さまざまな団体が260団体集まっていろいろ活動しております。その代表理事としていろいろ仕事をしている関係から発言させていただきたいと思います。
 今度の法律は、私ども、もっと前は新聞記者として環境問題について20年ぐらい報道してきた経験もあるんですけれども、そのころから私個人としては、ぜひ日本の国に定着させたいと思っておりました環境教育ということと、それからNGOと、この2つにつきまして大枠で非常にいい形ができたなと思っております。このような形で認められると言うと言葉は悪いんですけれども、位置づけられるというのは、かなりこれから大きな影響力を持ってくるんではないかと思っています。1条、2条で目的や定義がかなりはっきりして、3条、5条あたりでは明確に市民団体等、「等」というのがくっついていますけれども、市民団体の役割を位置づけていただいています。そして、いろいろなところの条文のところに隠れているんですけれども、その他必要な措置とか、いろいろ全部入っていて、さらにはいろいろな、多分つくられた方々も努力されたと思うんですけれども、発展性を、そこの穴を突いていくといろいろなことができるという可能性を秘めた法律になってきているんではないかと思います。また、22条などでもかなり見逃せない財政上、税制上の措置などというのもちゃんと入っていまして、この辺も少しやっていかなければいけない、そのように感じております。
 具体的な事例では人材育成と拠点整備などが挙がっておりますけれども、人材育成につきましては、先ほど大野さんからお話がありましたように、民間でもかなり進んでいる部分があります。ただ、1点だけ、この基本方針をつくるに当たって、人材育成などについてちょっと気をつけておきたいなと思っておりますのは、実は民間で今、私も大野さんも自然体験の部分でやっているんですけれども、自然体験ということになりますと、全省庁、関係省庁が大変ふえてきます。自然ですから、川もあれば海もあれば山もあれば里山もあれば、いろいろなところがあるので、それを管理している役所が全部違うということで、今ご説明がありましたように、主務大臣が5つに分かれて登録制度をするということなので、この間の連絡をどのような形でやるか。自然体験活動推進協議会の方では全省庁一緒にやっていただいています。そうしませんと、国民の方が使うときに使いづらいということになりますので、そこのところを、登録は各大臣が別々にやるんだけれども、その連携ですか、その辺のところを留意するというか、何らかの形で基本方針で示していただけるとありがたいなと、そのように思っております。
 一言で言いますと、先ほど申し上げましたように、この法律に関しましては、やろう、何かしようというような人にとっては使い勝手が出てくる。国とか地方公共団体が何かしてくれるんじゃないかな、お金をくれるんじゃないかなとか思っているところでは余り使えない。そういう意味で、そのような性質だと思っております。現時点ではまだ気候変動枠組み条約のような形になっていますけれども、これから中身が、基本方針、あと地方公共団体の計画等が詰まってくると動き出してくる。そのようなことで非常に期待しております。期待と同時に、これはつくる人たちがかなり踏ん張らないと生きない法律じゃないかなと、そのように思っております。
 以上です。

○小澤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして小関さん、お願いいたします。

○小関委員 和歌山県教育委員会の小関でございます。
 知事部局で環境行政を担当している環境生活部長と懇談をする機会がありました。そのときに、私としては、和歌山県の環境教育は活発に行われているとも思えないんだ、何とかしなきゃいけないというある種の問題意識がありまして、環境生活部長と話をしておったわけですね。そうしたら、彼が言うには、環境省の中に環境教育という名称を付したセクションがありますよ、一度訪ねてみたらどうですかというアドバイスを得ました。3年ぐらい前になりますか、この建物の、環境教育推進室ですか、そこをお訪ねをして、いろいろごく初歩の段階からご教示を願ったことがあるんですね。その中で、私としては非常に強く印象に残ったのは、環境教育が盛んな県というのは、やはり幾つか既にあるんです。そのほとんどはかつて深刻な公害問題を経験した県で、そういう現実の問題があって、必要に迫られてということがやはり大きいんだろうということですね。和歌山県というのは、そういう意味では深刻な公害問題を経験した県ではないわけです。どちらかといえば自然豊かな田舎です。そういうところが環境教育に力を入れるということは、普通の県がこういうことができますよという一つのお手本にもなるかもしれませんねということをおっしゃっていただいたんですね。普通になかなか見えにくい環境問題を意識的に取り上げる中で、できることが幾つか発見できるだろうということだったと思うわけです。それであればということで、戻りまして、それ以後いろいろなことを取り組んでいるわけです。
 どうしても指導者といいますか、学校の教員などが意識なり意欲なり方法論なりを身につける必要がありますので、その一端として、毎年派遣している教員の海外派遣で、昨年の秋は20数名を、ドイツにあえて送りました。その方面の方にはよく知られているフライブルクを中心にした学校なり地域での環境問題に取り組む具体の様子を見てきてもらったわけです。それぞれ戻ってから、自分たちの地域で何ができるかまず考えてくださいということです。それから、遅まきながら環境教育指針も策定し、「きのくにエコプログラム」というかなり体系的なプログラミングを完成させまして、それに基づいて今、幾つかのプロジェクトが動いているわけですね。
 和歌山県は紀伊半島の山がちなところですから、森林は非常に豊かなんです。県の面積の約77%が森林という状況です。そのことで県民は意外に木の大切さに気がつかないということがあるんですね。どこにでも木がありますから、結果として街中や学校のキャンパスには余り木がない。今、グリーンキャンパス構想と名付けまして、キャンパス内の植樹を猛烈に力を入れて進めております。それから、光熱水費の節減ということを具体的な目標に掲げて、1年間に何%カットするかという数値目標を出しながら、それを達成したところには、それに見合う金額を配当するということもやりまして、7%ぐらい節減できましたね。CO2に換算して約5%ぐらいのカットができたということなどなど、幾つかのことをやっておりますのは、環境教育がいわゆる狭い意味の教育にとどまって、知識・理解で終わってしまってはならないんではないか、環境保全活動にどう結びつくかという、そこにポイントを置かないと、やりましたよというだけに終わってしまうのではないかということです。学校での活動が家庭に持ち帰って、家庭の中につながるように、身近なところで余分な電気は消すとか、ごみの分別をするとかということから始まって、できることを家庭でもやる。それをさらに地域社会に広げていくというふうに、最近の教育は地域や家庭との連携ということが言われるわけですけれども、環境問題に関しては、まず学校が発信源になって行動の出発点にしてもらおうかなということで、かなり意図的にやっているところです。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして加藤委員、お願いいたします。

○加藤(清)委員 都市と農山漁村のかけ橋のお手伝いをいたしております都市農山漁村交流活性化機構の加藤でございます。
 都市と農山漁村が相互に行ったり来たりすることによって共存共栄を図っていくことが大事だということで、環境省も文部科学省もご参画した形で、関係副大臣のご指導のもとに、現在オーライ・ニッポン会議というものを昨年スタートさせていただいております。きょうご出席の川勝委員もその副代表をされておりますけれども、この活動の事務局を私どもがいたしております。この都市と農山漁村の交流を進めていくことによって、それぞれの現場におきまして棚田の保全や里山の整備、あるいは水や森林というものを守っていくという、そういう老若男女を問わず、実際の体験活動を通じて、もちろん農業や林業ということも体験するわけでございますけれども、環境の大事さということを知るということで、全国的な展開をいたしております。
 さらに私ども、現地での指導者というものが非常に大変だ、大切だということで、各地域におきまして現地での指導者の育成ということも行われておりますけれども、私どもの機構自体としてもインストラクターですとかコーディネーターですとか、そういった各種の指導者層というものをスクールを開いて一生懸命、教育と言ったらおこがましいんですけれども、それぞれ習得をされていただくような努力をいたしておりまして、その中でも環境というものを重大な項目として入れて、皆さんに学習をして、そしてそれぞれ全国で指導をされていくようにお願いをしております。
 今回、この環境教育、そして国民の意欲を高めていくということを、大事な委員会でございますので、私たちの仕事を通じましていい基本方針が生まれますように一生懸命努力してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは、もうお一方の加藤委員、お願いいたします。

○加藤(三)委員 佐藤三郎と申します。
 私は、環境文明21というNPOといいますか、NGOの代表を務めております。団体としては約11年の活動があります。何をやっているかというと、日本の社会だけじゃありませんが、世界全体もそうですけれども、今のままではとても、環境面から見ても、あるいは社会的な面、あらゆる面から見て到底持続可能ではないというふうに思いまして、持続可能な社会をつくってほしいという観点から、いろいろな活動をしております。
 現在やっています活動は主として3つほどありますが、その第1がきょうのテーマの環境教育、それから2つ目が、持続可能な社会をつくる、維持するための経済というのは一体どんなものなのか。今、私どもはグリーン経済と呼んでいますけれども、そのグリーン経済というのはどういう姿をしているものなのか。それをどうやってつくったらいいのか、そういったプリンシプルを考えようということをやっております。それから3つ目は、これからまさにやろうとしていることですが、この持続可能な社会をつくるためには、特に日本の政治、行政の枠組み全体を変えていかなくちゃだめなんじゃないか。そういう変えるための議論のきっかけとして、憲法の改正をやはり呼びかけようじゃないか。日本の憲法の中に持続可能性という、そういったもの、要するに日本の国というのは一体何のためにあるかということは、持続可能な社会をつくるという観点から憲法をもう一回見直したらどうだという、そういう運動をしているわけです。
 この環境教育につきましては、実は私たちも議員立法の呼びかけ人の一人となりまして、私ども、余りなれないことでしたけれども、与野党の議員の先生に一昨年ぐらいからアプローチをしまして、かくかくしかじかの内容を含む環境教育推進法のようなものをつくってほしいということを、いわゆるロビーイングをいたしました。いろいろなところで活動もいたしましたが、おかげさまで昨年の7月にこういう法律になったということで非常に喜んでおります。そのロビーイングする過程で、むしろ環境教育を一生懸命熱心にやっている方々から、かなり批判を受けました。その批判のポイントは、環境教育なんていうものは法律でやるものじゃないんだと。それから、せっかく今、いろいろないいことをやっているのに、法律なんかつくられると、またまた官製の環境教育になるんじゃないかということを非常に心配をされて、むしろ環境教育を熱心に進める方々から、私ども、言い出しっぺとしてはご批判を受けました。
 それにもかかわらず一生懸命進めたのはなぜかといいますと、やはり先ほど来繰り返して言っていますように、日本だけじゃなくて世界も含めてですが、まさに崩壊に進みつつある。そういう中で、単に熱心なグループだけが立派な活動をしているだけではもう足りないんだ、間に合わないんだと。熱心でない──例えば非常に熱心にやっている学校もあるかと思うと、すぐ隣の学校はもう全くやっていない。校長先生がかわってしまえば全くやらないというようなこともあるわけで、やはり法律という枠組みをつくって、そして熱心な校長先生がいようといなかろうと、熱心な市長さんがいようといなかろうと、少なくとも最低レベルの環境教育といいますか、環境学習は進めてほしいと。そのためにはどうしても法的な枠組みが要ると、そういう思いで私どもは熱心に法律をつくってくれという呼びかけをいたしました。これが実際に本当にそうなるかどうかというのは、先ほど岡島さんもおっしゃったように、我々自身、それから関係者全員の努力を本当にするかどうかということだろうというふうに思っております。勝負どころはこれからというふうに私どもは思っておりまして、環境教育の基本方針づくりに非常に期待をしているわけです。
 往々にして、この基本方針というのは、私もいろいろな方針を見ておりますけれども、はっきり言って、大抵どうでもいいことしか書いていないわけですね。よく言えば大所高所から立派なことが書いてある。よく言えばそうですが、よく見ればどうでもいい、ほとんど役に立たないことが書かれている場合が多いわけです。基本方針というのは、皆さん方、いろいろな法律に基づく基本方針というのをごらんになればおわかりいただけると思います。この環境教育に関しては、少なくとも中身のあるものにしてもらいたいというふうに思っております。中身というのは、こんなことまで基本方針に書くのと、通常の霞ヶ関とか永田町の常識では考えられなかったような細かいこと、そういうこともむしろ書いてほしい。そうしないと、この法律は、よく批判されているように「努めるものとする」「努めるものとする」とばかり書いてあって、結局何もしないということになってしまうということだと思います。ですから、私は、この基本方針の中に、おや、こんなことまで書くかというぐらいのことをぜひ書いてほしいなと思うし、またそういうつもりで意見を出したいというふうに思っております。
 実は、私どもの団体は、既に基本方針にこういうことを盛り込んでほしいということも公にして、ホームページとかそういうところで環境省の方にも申し上げておりますけれども、そういうものも含めて、ぜひ実行できる。この法律が、単に法律ができましたと、一応立派な基本方針、抽象的な基本方針が書かれていますと、それで実際何もしていないということにならないようにぜひやってほしいし、私も委員の一人として、そのつもりでご意見を申し上げたいというふうに思います。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは、川勝委員、お願いいたします。

○川勝委員 川勝平太です。国際日本文化研究センター、通称「日文研」に勤務しております。専門は経済学と歴史でございます。
 意見を申し上げます。これまでの学校の教育と、これからの環境教育とは、それぞれ基づくべき価値が違うものなると考えるのがよいと思います。価値というと、抽象的に聞こえますが、それを大きく真・善・美と分けるといたしますと、真に対しては偽りが、善に対しては悪が、美に対しては醜というマイナスの価値が対応します。これまでの教育の立脚していたのは真偽を見分けるものでした。たとえば、大学の学長が入学式などで、大学とは「真理を追求する場である」と言うのが式辞の常道ですね。小学校でも、国語・数学・理科・社会、中学では英・数・国・理・社で、英語と国語を除きますと、数学・理科・社会とは、錯覚、独断、迷信を排して、古今東西どこにでも成り立つ真理を追求することを原則としてきたと思います。
 しかし、たとえば、真理を追求し、核分裂で巨大なエネルギーが生まれることが分かり、それを悪用する場合もでてきました。そこで、真理の追求だけでは不十分で、それに加えて、善悪を教えることが同じように大切だということが気づかれました。道徳が大事だということです。それを受けて、戦後日本の学校教育では道徳教育が欠けているということに気づかれて、もっと道徳教育を重視しようという動きがでています。道徳教育は善・悪という価値に立脚しています。これは重要です。
しからば、環境教育がもとづくべき価値は何か。ある環境をとりだして、それが真か偽かと問いかけるても意味がありません。また、その環境が善か悪かと問いかけるのも不適切です。環境にかかわる価値は真偽、善悪ではありません。では、問いとして何が適切でしょうか。それは、環境はきれいか、あるいは、汚いか、また、美しい環境を取り戻すにはどうしたらよいか、美しい環境を保全する方法の探求になる。つまり、環境教育は美醜という価値に立つということです。
 どういう価値に立脚して教育をするかは、国づくりとかかわっています。戦前ですと強い国、万国に対峙する一等国になるという目標、西洋列強の一画に食い込むことが目的でした。戦後は経済大国という、経済力の強い国にしていくことが目標でした。軍事力・経済力は技術の発展に基づいており、技術は科学的真理の適用ですから、戦前から戦後の教育は真理の追究という価値に立脚していたといえます。
環境教育は美醜という価値に立脚しているのでら、それにふさわしい国の理念をあわせて立てることがきわめて大事です。その理念について私見を申し上げます。
環境教育が美という価値に立脚することを踏まえて国土をみますと、日本は、北は亜寒帯、南は亜熱帯、そして7,000近い島から成り、生態系が豊かです。それを保全し、コントロールしていくことが課題です。野生の自然に対して人間が関与する自然を広く「ガーデン」と呼べば、「ガーデンアイランズ」が国の目標になるのではないでしょうか。日本をガーデンアイランズにしていこうという目標です。地球も表面積の7割が海で、そこに大小さまざまな陸地が浮かんでいますから、「日本ガーデンアイランズ」構想は、地球をガーデンアイランズにするというグローバルな目標にもなります。そういう美しい地球づくりのモデルになるためにガーデンアイランズをつくっていこうという国の形についての理念をつくり上げると、環境教育も非常にやりやすくなると思います。
 先ほど青木委員から、小学校では総合学習で環境教育がなされているが、中・高・大学になると、ボランティアを除けば、環境教育が希薄だという指摘がありました。それを改善するには、教育の最高学府における学位も環境にふさわしいものがあるのが理想です。理学、工学、経済学などの従来の学位と異なる新しい学位です。例えばアメリカではMBA(マスター・オブ・ビジネス・アドミニストレーション)といいかにもアメリカらしい学位をつくりました。それに対して、日本が環境教育を重視するというのであれば、例えばMEA(マスター・オブ・エンバイロメント・アドミニストレーション)という環境経営の学位を創設してみせればいいと思います。そうしますと、今度はそれが小・中・高校に波及し、総合学習にも身が入るでしょう。ボランティアの人たちもMBAという学位を持っている人は専門家として尊敬されることにもなるでしょう。
 日本には既にそういう環境教育に従事している人たちがいます。海外青年協力隊がそうです。過去30年間の実績があって、低開発地域の地域開発に従事し、大体年間1,000人の青年たちが、2年間その活動に従事しています。その累積数は数万人になります。それは外務省の管轄ですから、文科省は余り関与していないのですが、縦割りを乗り越えて、環境教育の先駆的試みとして再評価し、MEAという学位を差し上げることが突破口になるのではないかとも思います。
 日本の国の形としては、副大臣が公共建築では、日本の木材を用いる「地産地消」をやらなくてはならないと言われました。近代日本の国会議事堂が石づくり、霞ヶ関もコンクリートでつくられている。これを壊すのではなくて、新しい国の顔、つまり、仮に首都機能が別天地に移ったとすると、それを大型木造建築にすれば地産地消の突破口になります。国会議事堂には、北海道の原生林から南は屋久杉まで、47都道府県の樹木を床柱のごとくに並べ、それをガラスで覆って腐食から免れるようにした森の議事堂、あるいは森の官庁街をつくって範をたれれば日本の風土も一新するでしょう。
 環境教育を身近になる河川、海、あるいは山で環境への意識を高めることとあわせて、日本の国の価値が、従来の真・善を踏まえた上で、美に移す。美しい国、美しい地球をつくっていくのが日本の新しい理想であるという骨太の基本方針を定めるのがふさわしいと考えます。
 以上です。

○小澤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、絹谷委員、お願いします。

○絹谷委員 絹谷幸二でございます。絵をかいております。東京芸術大学の教授と肩書はなっているんでございますけれども、ほとんど意識的には絵かきということでございます。
 絵描きがこういう場で話す場合は、できるだけ常識から外れていた方がよろしいかと思いますので、そういう発言をさせていただきたいと思うんですが、そうはいえ、ほとんど芸術家は美しい山、美しい形、美しい川、そういうものをかいておりますので、どなたもほとんどすべて環境に対して絶大な関心を持っております。そういうことが時々私自身、芸術家は、いわゆる組織化はされていないんですけれども、一人一人が環境というものに対して学生から──東京芸術大学の学生のほとんどのコンセプトは環境と、あるいは美しい自然、美しい心、そういうところにコンセプトがございます。
 そういう学生自身もそうでございますので、先生も教育という立場に立ったときに、こういう努力をしております。例えば何年か前の東京芸術大学の入試、これは国技館で3,000人ぐらい入試いたします。そういうときに、当時、今は畜産工業大学の理事長だと思うんですが、ヤマモトさんからヒノキの苗木を4,000本ぐらい調達いたしまして、それを第1次試験でかかせる。かかせた後、それをみんな持って帰ってもらう。こんちくしょうと言って上野の山に捨てる人もいるかもしれないんですけれども、それをうちに持って帰って植えたと。私も残った苗木を持って帰って、うちの空き地に植えましたら、最初、これぐらいの苗木なんでございますが、それがもうこんなに大きく育っております。そういうこと、大体都市の受験者が多いものですから、ヒノキが4,000本中1,000本ぐらいは都内に根づいているんじゃないかなと、そういうことをやっていたり、それから、私、文教出版というところで高校生の教科書を書いております。いわゆる責任者として編集しているんですが、今までの教科書ですと、ほとんど絵のかき方というふうな項目立てだったんでございますが、そこに、例えば川の変容というふうな、今、川の先生もいらっしゃいましたけれども、そういう絵があったら、その絵をどういうふうにしてかくという、そういうことじゃなくて、画家が川の美しさをどういうふうにとらえているかという、その心の問題ですね。そういうもの、それから、例えば山をかきます。山をかいた場合、今までだと、山をうまくかくというのは、そういう技術的なことでございましたんですが、そうじゃなくて、例えばこの山の高さを物差しにした場合に、空を見ておりますと、どこまでも広い空というふうに見えるんですが、私たち生物、人間、そういったものが生存できる宇宙というのは富士山のちょっと上ぐらいまでだよと。つまり、だから汚しちゃいけないんだよというふうなことを美術でも教えることができるわけですね。
 それから、例えば筆を洗うというのがあります。絵かきは大体社会的に何も役に立っていないような感じなので、余りほかの動物たちに害を与えていないようなんですが、例えば筆を洗うということがあります。この筆の中にはカドミウムとか、顔料の中にはそういった動物を傷つけるものがあります。そういった場合は、今まで筆洗油というのは1つだったわけです。1つの筆洗油で全部の色を洗う。そしてそれをダーッと流してしまう。こういうことをしちゃいけないんだよと。筆洗油は少なくとも3つ用意しなさいと。赤、青、黄色ですね。そして、その絵の具がたまったら、それを下塗りか何かに使いなさいと。そして、その絵の価値を高めれば、その絵は捨てられませんよというふうなことを言っているんですけれども、加藤先生がおっしゃいましたけれども、そういう細かいこともこれから書いていただきたいと思います。
 それから、例えば今、川勝先生がコンクリートという問題でおっしゃいましたけれども、コンクリートも全く悪いということじゃないんですね。コンクリートというのは石灰岩というものからできておりますから、CaCO3というものからできております。ですから、コンクリートが固まっていくと、途中にCO2を石が抱え持つということがあります。ですから、例えば酸性雨を降らせますと、いわゆるアルプスですね。例えばマッターホルンですね、ああいうものはほとんど石灰岩からできております。そこからずっと雨が流れて、それがエビアンの中に入っていたりしていまして石灰が入っておりまして、それがまた私たちの骨に還元される。あるいは貝殻に還元される。その貝殻が造山活動で空気中のCO2を取り込んで固まっていくということもございますので、コンクリートを全面的に悪いというふうに考えてもらったら、ちょっと困るかなというところもあるんですね。
 それとか、もう一つ、こういう環境保全ということになってきますと、意外と注意しなきゃいけないのは、例えば国立公園なんていうのがございまして、環境保全ということだけに凝り固まると、もっとリスクテーキングしていく上で、リスクマネージメントぐらいなら保全ということでよろしいかと思うんですけれども、これからはそういう環境に対してリスクテーキングしていかなきゃいけないといった場合、意外と反語関係にあるような言葉を両方とも取り入れていかなければいけない。例えば国立公園を保全するといった場合、そこはもう絶対手を入れちゃいけないというふうにとらえますと、例えば国立公園のほとんどのところに火山がございます。この火山を、我が国は世界でもまれに見るほど火山があって、地面の下にエネルギーがあるにもかかわらず、取りに行っていないというところがありますね。火力発電所みたいなことでちょっとはやっておりますけれども、強烈に取りに行っていない。あるいは風力発電といった場合、例えばこの会の文部科学省、経済産業省、農林省と、こういうふうになっておりますけれども、僕はここに当然、財務省ですか、そういうものをこそ入れないと、例えばエネルギーを取りに行くといった場合、取れないと思うんですね。それで、そのエネルギーが、原子力ももっとやってもらったらいいと思いますが、そのほかの例えば風力だとか、それから火力、いわゆる地熱とか、そういう莫大な、もう本当にフーバーダム級のお金が要るというような構えを日本ならとれるんじゃないか。科学や技術が非常に発達しておりますから、それを国立公園は手をつけないんだというふうな環境行政ですと、取りに行けない場合があるんですね。そんなところに工場をつくってどうするんだ。地熱なんていうのを利用しているのは卵をゆでているだけというふうなことでございますので、これはちょっともったいないなというふうな感じがしております。
 長くなりましたので、これぐらいで終わります。失礼しました。

○小澤座長 ありがとうございます。
 それでは、引き続きまして鈴木委員にお願いします。

○鈴木委員 ボーイスカウト日本連盟の鈴木でございます。
 ボーイスカウトといいますと、名前はよく聞くけれども、何をやっているものかよくわからない。あるいは、どうもリュックサックを背負って歩いているのでキャンプに行く団体なのかなと、あるいはまた募金活動をしているので奉仕団体なのかなというようなことをよくお聞きいたしますが、ボーイスカウト運動は教育運動でございます。学校教育、そしてまた家庭教育と並ぶ社会教育の中の一翼を担っていると自負いたしております。その特徴といたしますのはグループ制教育ということで、異年齢集団、年齢の異なった子供たちを数名ずつグループにいたしまして、そのグループの中で一人にリーダーシップをとらせ、他の一人ひとりはグループの運営のために自分に与えられた役割を果たすことによって、指導力と責任感を養成していきます。世の中に出た場合に、自分に与えられた役割を遂行できるよう小さいうちから教育をするということと、もう一つ特徴的なことは一貫教育ということで、小学校入学前の幼稚園の年長組から大学生年代の25歳ぐらいまでの青少年を対象といたしておりますが、その成長にあわせ興味をもつようなことを具体的に定めまして、これをなし遂げることによってバッジを授与し、社会人として必要な資質をひとりずつ身につけさせていくというシステムをとっております。
 さて、ボーイスカウト運動は1907年にイギリスで始まっておりますので、間もなく100年を迎えますが、もともとこの「スカウト」という言葉は斥候という意味でございます。斥候というのは、事前に観察力をもって状況を調査するというような任務を持った者でございますが、自然の観察、推理やキャンプ生活、グループでの活動を通して青少年に自立心や協調性、リーダーシップを身につけさせようという平和の目的のために転じられたということがボーイスカウト運動の始まりです。そういう意味で、ボーイスカウトの教育は常に自然とともに、自然に対して尊敬と畏怖の念を抱くということが根本にございます。スカウト教育の基本が自然の観察、そして推理、理解、保全というものと非常に深く関係しておりますので、まさに私たちのやっていることは、この環境教育そのものではないかなと思います。
 スカウト教育の原則としまして3つございまして、1つが神・仏への務め、2つ目が他への務め、3つ目が自分への務めという3つを持っているわけでございますけれども、他というのは他人だけではなくて、動物あるいは、いろいろな器物、もしくは自然そのもの、そして地球上のあらゆるものに対して優しい心で接しましょうということが基本に入っております。そういうことをただ単に知っているだけではなくて、具体的に幼児期から青年期のスカウトまで、実際に自分の体に身につくように、これを実践。展開いたしております。知る、行う、呼びかける、即ち、知識と理解、態度と行動、そして働きかけということ、この3つが環境教育プログラムのポイントになろうかと思います。
 そういう中で私たちは、世界で216の国と地域、2,800万人以上がボーイスカウトの活動を展開しておりますが、これは1974年ですけれども、そのうちの半分以上の国がWWF(世界自然環境保護基金)との協力によりまして、環境にいつも認識を持つという意味で、こういうパンダマークのバッジを幼稚園の年長組のスカウトから私たちリーダーまで胸につけて、活動をいたしております。そういう意味で、この会議でいろいろとこれから議論される中で、ただ単に一つの決めごとを作るだけに終わることなく、実際の具体的な活動に結びつくということが大事であると思います。「鉄は熱いうちに打て」と申しますので、小さいうちから、小学校に入る前から、この環境についての認識をもち、そしてまた、その行動がとれるようにしていくことが大事ではないかなと考えております。
 以上でございます。ありがとうございました。

○小澤座長 どうもありがとうございました。
 続きまして橋委員ですが、きょうは代理の池田さんにお願いしたいと思います。

○高橋委員(代理:池田) 日本経団連事務局の池田三知子でございます。本来であれば環境技術本部長の高橋が参加させていただく予定でございましたが、本日は所用がございまして、私が代理で出席させていただきます。
 今回、環境教育推進法が制定されたということ、大変意義深いものであるというふうに考えております。といいますのは、産業界はとかく環境問題においては悪者にされがちでございますが、現在では企業もさまざまな取り組みをしております。その一端をご紹介いたしますと、日本経団連では、温暖化対策と廃棄物対策につきまして環境自主行動計画というのを毎年フォローアップ、策定をしておりまして、CO2の排出抑制でございますとか廃棄物の最終処分量の抑制に自主的かつ積極的に努めており、それ相応の成果を上げているというふうに自負をしております。ただ、環境問題の取り組みにつきまして、産業界の役割が大きいということは認識しておりますものの、産業界がやれることは限られているということも事実ではないかと思います。現に温暖化対策につきましては、CO2排出抑制について民生部門、運輸部門の抑制が大きな課題となっておりますし、廃棄物対策につきましても、ごみの分別回収を一人一人がきちんとやるということができなければ、真の循環型社会の形成ということは難しいのではないかというふうに考えております。そういったことから、環境問題の解決に当たって国民一人一人の理解を深め、実際に実践をしていくということが不可欠であると思います。その実現のために、国民の行動を法律の規則等で縛るのではなくて、教育の推進ということによって自発的にそういう行動を促していくんだという施策は大変すばらしい取り組みなのではないかなというふうに考えます。
 ただ、今回も委員の方から非常に幅広い問題提起、ご意見を拝聴させていただきましたが、環境教育といっても大変幅広いものが含まれているというふうに思います。本来教育というものは、多岐にわたって幅広く、また志のあるということが大事なんだというふうに思いますけれども、今回、ここで国の施策として議論をする際には、国として国民に求める行動として最低限何を求めるのか、何を優先的に取り組むのかといったことも若干視点に加えながら議論をしていくことが必要なのではないかなというふうに感じました。
 以上でございます。

○小澤座長 ありがとうございました。
 続きまして竹下委員、お願いいたします。

○竹下委員 皆様、こんにちは。肩書は女優ですが、きょうは、2人の子供がおりますので、子育ての中で感じたことなどを申し述べさせていただければと思って参加をさせていただいております。
 子供を育てるということの中で、私自身ももう一度自分が生まれ直して、また育っているというような感慨を持った時期がありました。それで、子供というのは自然そのものという感じがしますし、もっと言えば本来野生のものであるということを感じたんですが、都会の中の子育てですと、なかなか子供が本来持っている野性味というのを発揮させてやるということは難しいなということを日ごろ感じておりました。多少ぐちっぽくなるかもしれませんが、お許しください。
 それで、いろいろ地域の学校に子供が通った中で、体験学習のような機会もありまして、そのときに1つ感じたのは、都会の子供ばかりが自然と切り離されているのでは決してないなということでした。というのは、1つ、川遊びを例にとっても、こちらから出かけている側はもちろん初めての体験になるんですが、受け入れてくださった山村の家庭の子供たちも、年に1回、2回しか川に入れない。それはやはり水難事故が危ないということで、決して子供だけでは入れない。以前のように大きい子供が小さい子供の面倒を見るということも最近はないようで、そうすると、大人が付き添っていなければいけない。そういう機会はたまにしかないということですね。そんなことで大変自然から切り離されていて、私の日常などを見てみても、うちの近くにはとてもきれいな桜の、もう古くから育っている桜並木があるんですが、あるとき、その桜の木に登った児童が木から落ちて、大変重大なけがをしたことがありました。そのときに、学校でもすぐに木には登らないようにという注意があって、しかも区の公園課の方で、もう二、三日たつかたたないかというときに、「木には登らないように」という札が一斉につけられたんですね。それは、もちろん子供の命というのは親にとってはかけがえのないものなんですが、そうやってどんどん子供が転ぶ前に何だか大人の方で一歩も二歩も先に手を打ってしまうことで、どんどん子供自体が生きる力を弱くしているし、また、もっと言えば、環境に対する関心というのもなかなか持ちづらくなってしまうんではないかと、保護者の側ではそんなふうに思いました。
 環境の問題、関心がありますかと言われて「はい、あります」というふうに答えると、「あっ、ごみですね」とよく言われるのはそういうことです。ごみも確かに生活している者にとっては切実なので、これを抜きにしては考えられませんが、でも、それよりももっと先に、環境というのは、言ってみれば、今私たちが空気がなければ生活できないのと同じように、環境のことも考えずにはもう今は過ごせないということを私自身も思い始めています。本当ならば子供自身は自然の中に入って遊ぶのが好きですけれども、そういうことを、じゃ、大人がどうやってサポートしていけばいいのかというと、大人自身も今、なかなかその方法を探しあぐねている状況のような気がします。ですので、入り口として、もちろん小さいころから、ごみから入ってもいいと思うんですけれども、子供を自然な形で森なり川なり自然の豊かなところに遊ばせるということが、今なかなか難しい以上、もちろん安全も考えた上で、大人たちがどういう対処をしてやるかということから始めないと、環境教育というのも言ってみれば一方通行になってしまうんではないか。ぜひそうではない形での、子供を含めた周りの大人たちも一緒になって生き生きと活動のできるような形のものをつくっていただきたいと思います。
 その意味で学校というのは大変大事な場所ですし、そこで教えてくださる先生方の役割も大変重要だと思います。学校の先生方の声なども時々伺いますが、今あることに縛られて、本来自分がしたいと思うことまでなかなか行き着かないというところもおありになるようです。ですから、子供たちが今どういうところに関心を持っているか、何をやりたいかという、言ってみれば、この環境問題に対しても、1つのプロジェクトをクラスで、学年で、もっと言えば学校で、そういう形で、望むらくは小学校だけで終わらないで、小さな段階からある程度の年齢になるまで一貫した形で、子供たちが自発的に学習の中でも環境を考えていただけるような大きな枠組みというのも、この場でだけではもちろん決定できないこととは思いますが、あわせて考えていただきたいと思います。
 学校というのは大変子供たちの意識づけにとっては欠くことのできない場所ですし、子供たちが持ち帰った情報というのを、今度は定着させるのが家庭の力だと思います。家庭が機能するためには、もちろん地域の力というものも必要になってまいりますので、家庭と学校、地域というものの連携もあわせて機能できるような──言うのは簡単なのでいろいろ言っておりますが、そういうことをあわせて考えていただければ、一市民としては本当に頼もしい法案、施策になるんではないかと期待をしております。どうぞよろしくお願いいたします。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは、次に広瀬委員、お願いいたします。

○広瀬委員 ホールアース研究所の広瀬と申します。
 今回、この懇談会のメンバーとして、先ほど座長の小池大臣が申しましたように、名称が大変長ったらしくて、一言で言えないということが一番最初に感じました。何事も呼びやすい名前、人の口に上りやすい名前が普及の第一条件だとすると、ぜひ簡単な呼び名を、この委員会の共通語をつくれればいいかなというふうに思います。私の個人的な意見としましては、持続可能な社会推進法とかがいいんじゃないかなというふうに思っておりますが、またご検討いただければと思います。
 私はホールアース自然学校というのを23年前から行っておりまして、岡島委員にしりをたたかれながら、自然学校を広める活動をずっとやってまいりました。現在、自然学校は、一昨年環境省の調査で全国どのぐらいあるのかということで調べましたらば、約1,440、その調査から漏れた小さな団体も含めると2,000はあるだろうというふうに考えられております。そういう自然学校が果たす環境教育及び環境の保全の活動の推進の力は大変国内で大きくなっているだろうというふうに考えられます。私は、その立場から、いろいろこの委員会ではお話しさせていただきたいというふうに思っておりますが、私自身もさまざまな人材育成にかかわっておりまして、例えばエコツアーガイドの養成ですとか、それから田んぼの学校の指導者の養成ですとか、あるいは自然観察会のリーダーの養成、自然学校の指導者の養成、さまざま全国各地でやっております。そうした指導者という言葉をきょうからつけることになった人たちと大変数多く接しているわけなんですが、指導者という名称に大変ためらいやちゅうちょを持っている方が多く、自分が指導者になった暁に何ができるんだろうか、そんな人の上に立てるようなことが自分の身を振り返ってもできるんだろうかということがよく話になります。私は、リーダーになりたいというタイプの人はもちろんいるわけなんですが、そうでないもっともっと多くの人たちにとっては、指導者というよりも、むしろごく普通の大人として、先ほど来各委員のご発言にありますように、20世紀をつくってきた私たち大人が、これから子供たちにバトンタッチをしていく世の中をどういう世の中にしていきたいのか、それは母親の立場から、あるいは会社員の立場から、さまざまな大人の立場からいろいろなコミットができるだろう。そういう人たちをたくさんふやしていきたい。あえて肩書をつけるような指導者じゃなくてもいいんだというふうに思っております。
 さらに、そうした人たちをたくさん国内にふやしていきたいということと同時に、もう一つは、きちんと目的意識、責任を具体的に体現できるようなスキルを持った指導者をふやしていきたい。これは、今の社会がこれからますます人の顔と顔を接した形での教育という形に、非常に大きい役割を期待しているんだろうというふうに思うからなわけですが、つまり私は、その指導者はできればプロとして、職業としてやっていけるような指導者の人たちをふやしていきたい。それによって日本の社会の中に、こうした環境保全のために活動する人が、それを自分の生涯の役割としてできるような一つの社会、あるいはそのための仕組みを定着させていきたいというふうに考えています。それがないと、指導者という名前が、あるいはリーダーという名前がたくさんあっても、なかなかそれが社会化しづらい。あるいは何のためにやっているんだかわからないというような意見がいつまでも消えないだろうというふうに思うからです。そうした意味で、私たちがこの法律を通してやっていかなければいけないことは、日本の社会の中に環境保全や環境教育を推進するための具体的な推進役となる人たちをいかに多くふやしていくか。そして、その人たちの中で、特に各地域において具体的に力を込めてやっていただける人を、どのように私たちがその人の活動を支えていくことができるか、そうした仕組みづくりについて、しっかりこの法律の中でつくっていければいいなというふうに思っております。よろしくお願いします。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは丸田委員、お願いいたします。

○丸田委員 私、環境情報科学センター理事長となっておりますが、環境情報科学センターができましてから30数年たっており、今までシンポジウムも環境教育について3回やっております。今から27年前に第1回をやりまして、その後、5年後、それから82年にもやりました。環境庁の後援をいただいてシンポジウムをやったんですが、全国から70人が集まりました。そして、沼田先生という環境教育に大変ご熱心な方がいらっしゃったんですが、あの先生に私、「君、よく集めたね」と。やはり70人全国から集めるということがどんな時代だったかというふうに今思い出しているわけでございます。機関紙でも同様に環境教育を3回ほど特集を、1977年から3回ほど組んでおります。皆様方には大変ご厄介になっていると思います。また、千葉大の方にも26年おりまして、緑を中心に環境問題を研究しておりましたし、それから、地域社会の方の環境審議会というような形でもいろいろなところに参加したり、また、ここ7年、杉並の教育委員というのをやっていまして、それこそいろいろ環境と教育問題を絡めまして楽しんで、この五、六年過ごしております。
 それで、きょうはちょっとしたことだけ申し上げますけれども、3点申し上げます。
 1つはパークシステムと環境教育ということです。2年ほど前に千葉市の全小学校に対しましてアンケートをやりまして、近くの公園をどういうふうに活用しているのかということをしました。そうしましたら、先生方、80%が近くの公園を使っている。近くというのは文学的ですけれども、大体歩いて10分以内という、子供たちの足で10分以内の公園を使って、植物の観察とか昆虫の観察とかネイチャーゲームとか、いろいろな形で使っております。ですから、今後ともそういうふうな近くの公園の整備というものが欠かせないんじゃないかと。それから、遠くには国土交通省、国営公園整備というのを行っておりまして、今16カ所ございますけれども、公園緑地管理財団という、財団が人材養成の講座などもやったりもしています。もちろん他の社会教育も行っておりますが、そういう広域圏を対象にした公園というものも、環境教育にとって非常に必要だなと思います。
 それから、2点目は地域社会の拠点づくりということ。先ほど渋谷さんの方からも拠点整備という法の方でのお話がございましたが、東京の23区を見ていましても、例えば新宿であるとか杉並であるとか、環境NPOがかなり活発に活動しておりまして、ご承知のように指定管理者制度ということも、法律で制度化されました。そういう公設民営というような形で、民の方にNPOというのが参加して活躍できる機会というものが出てまいりました。したがいまして、そういったことを支援する必要性というのが当然出てまいりまして、方針あたりに盛り込めたらなと思います。
 それからあと、3点目には、学校教育と、環境施策との連携ということで多少事例を申し上げたいと思います。杉並区では、例えば区の事務所の方でISOの14000というのを取得したんですが、それと同じぐらいのレベルのISOというのを教育委員会も取得すべきだということを私もかなり主張しまして、全国では厳しい方だと思いますが、昨年から取得して、それが実効を得るものになっております。地域社会で環境教育を行っていく際に、地域社会ぐるみ、あるいは組織ぐるみのそういう資格の取得ということは、意欲を高める上、あるいはレベルアップを図る上でどうしても必要じゃないかなというふうに、私は現在見ていて思います。
 それからあと、学校ビオトープという話がよく出てくるわけなんですが、私は余り好きな言葉じゃないんです。ただ小さな池をつくって、ぽんぽんと置いていくような規格品みたいなもので、もうちょっと多様性あるビオトープづくりというものが必要だというふうに言いまして、杉並で余り安易につくらせないようにしているんですけれども、学校の校庭の全面芝生化ということを和泉小学校などで作りました。そのつくったときは専門業者の手助けというものが必要になりましたが、その管理の面で、先ほど竹下委員からもお話がございましたけれども、地域社会とか、それから子供たちが一緒になってそれを管理するということ。それが軌道に乗ってまいりまして、それが本当の環境教育だし、作文などを書かせても、第一に自分たちの学校の芝生というものがどういうものだというのが情感のところにまで身についてきているというふうに思います。学校の、それこそ登校拒否というのは芝生化になりましてからゼロになったし、それから、冬の風邪なども引いている方が少なくなった。適度な湿気というものがある。夏は、気温を私ははかりましたけれども、もちろん1度とか2度が低温化されております。ヒートアイランドの軽減ということにも役立つし、こういう何か仕掛けみたいなものも必要になってくるかなと思います。
 もう一つの事例というのは、エコスクールの補助というものはいただけませんでしたけれども、屋上庭園というものと風力発電と太陽光パネルとワンセットにしまして、区費を中心に支出して作っております。それによって小さな噴水を屋上で上げてみたり、あるいは卵焼きをつくってみたり、子供たちはすごく喜んでおります。先生たちだけじゃなくて、子供たちも含めた形で環境教育、環境学習というものが一体感を得るものになってくればというふうに思います。
 きょう、後でのご説明になると思いますが、ヒアリングのときに、できましたら子供たちのそういう実感というものもあわせてもらえるような機会をつくりますと、環境教育とは本当にこういうものだなというのがわかってくると思います。
 以上でございます。

○小澤座長 どうもありがとうございました。
 ちょっと時間が押しているんですが、山本委員、お待たせしました。よろしくお願いします。

○山本委員 私は筑波大学で社会教育中心の生涯学習論をやっていたんですが、3年前定年になり、大学評価学位授与機構に行きまして3年間試行をやってまいりました。試行が終わったものですから、この4月から新設の通信制の社会人対応の大学なんですけれども、八洲学園大学生涯学習学部という、インターネットだけで授業をやるところに行っております。環境関係の問題なんですが、1つだけ例を最初に挙げてみたいと思います。
 私ども、よく出かけることが多いんですけれども、青森へ行きましたときに、社会教育総合センターの所長が「青森でもキャンプができなくなりましたよ」と言うんですね。先ほどの竹下委員の、山村でも川に入るのが少ないというような話。それと同じで、青森でもキャンプが必要なんです。ところが、そのキャンプができない。どうしてかというと、山の上の方が牧場になっていまして農薬を散布するものですから、水が汚れてしまっていて、水を探すのに大変でキャンプができないというような状況だそうでございまして、環境問題というのは非常に大変だと思います。
 今回のこの案について、私は大変いいと思います。特に人材養成、認定とか、そういうところで民間のところを活用してくださる、焦点を合わせてくださるというのはいいと思うんですけれども、この資格とか認定とかというのは無慮、100万あるんですよ。しかし、ほとんど生きていない。実を言いますとみんな死んでしまっています。あるいは眠っているんです。どうしてかというと、つくるときに、それをどう活用するかということをあまり考えないでつくりっぱなしにするからなんですね。ですから、今回の場合もそういう資格とか、あるいは研修をしたら、その学習成果をどう活用するかというところを具体的に考えておかないと、二、三年したらもうポシャってしまうというようなことになりかねないんですね。
 さっき青森のことを言いましたから青森でいいますと、今、地域では地域学というのが盛んです。例えば青森ですと、県民カレッジというところで青森学というのをやっています。これをやって、その後学習成果を生かしたいとみんな思うわけですよ。どこで何をやるか。やはり大変厳しい地域ですから、観光立県で観光案内人をやってもらおうと、ここまではよかったんですね。それで一般行政のところへ行ってそう言ったらば、観光関係はオーケーした。ところが、環境所管課から待ったがかかりました。案内して連れていってくれるのはいいけれども、自然を破壊するのは困る。それだったら、まず環境のことをきちんと勉強してからやってくれと言われて、それはそうだという話になりまして、それを加えることになりました。そういうように、具体的にどこかで活用するというようなことを結びつけてやってもらわないと、ただつくりっぱなしでは困ると思います。ですから、アフターケアをぜひお願いしたい。
 以上でございます。

○小澤座長 ありがとうございました。
 時間が押していますが、私自身の自己紹介をさせて下さい……。私自身はもともと建築出身です。工学出身で建築をつくること自体が環境を破壊しているのではないかと、60年代に思っていたものです。民間の企業を経て、そのときはコンピューターで汚染がどのように広がるかというシミュレーションをやっていたわけですけれども、今の大学に職を得ましてから、イギリスの環境教育のことを研究しております。私は、日本というのは多様性に富んでいる国だということをここ数年は特に実感しております。地域で自立しながら資源循環型でやっているところを多く視察させていただき、かつ、自分もかかわっていたものですから、「総合的な学習の時間」をなるべくそういった成功していそうな「総合的な学習の時間」の現場に行って、いろいろと先生、あるいは子供たちの活動、地域の方とお話を伺わせていただきますと、非常に日本は多様性に富んでいるし、かつ人材も豊かであるということを実感しております。
 「外なる自然」の破壊というのはよく見えるんですが、特に75年以降、やはり子供たちを取り巻く環境が変わってきているんじゃないかと思います。そういう意味で、大人も含めてですけれども、「内なる自然」の破壊にどう向かうか。これは表裏一体だと思います。「外なる自然」破壊と「内なる自然」の破壊、そこのところがこの法律、それから環境の保全ということを通して、我々が豊かな生活世界、あるいは社会を築いていかれればいいと願っております。
 なお、今の私の所属しております大学では、80年代、数名の教官がボランティアで、毎年環境教育という授業科目を学長に申請して認められ開設しておりました。それをもとに数人で分担していたのですが、90年に日本教育学会が発足して、そして今では我が大学では夜間、今年からは総合教育開発専攻というところに現職の先生も受け入れて環境教育の指導者を養成しております。そして学部ではことし3月で第1期生が卒業されました。学部には環境教育課程をつくりまして、それぞれ学生が企業を初め、いろいろなところで就職ができるようになりましたので、何とかこれを充実させていかなければいけないと考えております。
 この法律につきましても、環境教育、環境学習の質の転換が、日本では迫られていると思いますので、一緒に皆さんと考えていきたいと思っております。どうもありがとうございました。
 それでは、ちょっと時間をオーバーしておりますけれども、今後の予定につきまして事務局よりご説明をお願いいたします。

○渋谷環境教育推進室長 それでは、今後の予定についてご説明いたします。
 資料8をごらんいただきたいと思います。簡単にご説明いたします。
 今後の予定でございますが、この懇談会はきょうを含めて6回予定しております。次回、その次は関係者からのヒアリング等を議論を交えまして行いたいと思っております。先ほど丸田委員のお話もありましたので、そういったことを参考に、これから人選を進めてまいりたいとは思っておりますけれども、4回以降で事務局として基本方針案をつくりまして、それをご議論いただきまして、パブリックコメント等を行った上で、最終的には8月中に確定できればというふうに考えております。その後、10月1日から完全施行になりますので、全国周知を図っていきたいと思っております。
 委員の皆様方には、大変タイトな日程になり申しわけありませんけれども、今後の日程につきましては、委員の皆様方の日程を考慮しながら、第2回目以降の日程調整を進めてまいりたいというふうに考えております。
 続きまして、今のヒアリングの件で資料9でございますが、現在2回目、3回目はヒアリングを考えておりますけれども、大体1にありますようなさまざまな分野の方、先生方以外の分野の方々の対象の方をお呼びしてヒアリングをし、またご議論をしていただきたいというふうに考えております。ヒアリングの対象者につきましては現在選考中ということで、できましたら座長の方とご相談しながら決めてまいりたいと事務局としては考えております。
 続きまして、資料10でござます。これはご提案なんですが、意見募集ということで、いろいろな方法で意見を募集したいということなんですが、この懇談会として、今後の議論の参考になるように、一般の国民から意見募集をしてはどうかというふうに考えております。本日ご了承いただきましたら記者発表をし、意見を募集していきたいと考えておりまして、約2週間ほどの期間で募集しまして、第4回の懇談会までに取りまとめて、この懇談会にご報告したいというふうに考えております。
 以上でございます。

○小澤座長 ありがとうございます。
 ヒアリングの対象につきましては、先ほど資料9でご説明がありましたが、もしご意見がありましたら事務局の方にでも、お願いしたい方をおっしゃっていただければありがたいと思います。
 そのほか、ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 時間が押しましたので、これで私の方の司会は終わりにして、事務局の方にお返ししたいと思います。よろしくお願いします。

○渋谷環境教育推進室長 座長、どうもありがとうございました。
 それでは、閉会に際しまして、加藤環境副大臣より一言御礼のごあいさつを申し上げたいと思います。

○加藤環境副大臣 委員の皆さんには、大変有益なご意見をいただきました。大変ありがとうございます。
 このように、非常に国民各界各層からご意見をいただいて基本方針を作成していかなければいけない。基本方針につきましては、先ほど委員の方からもお話がありましたように、恐らくこういったことに集約されるんではなかろうかと思っておりますが、やはりその中身をどういうふうにするか。実効性ある中身にして、要するに効き目のある中身をつくっていかなければいけないということでございますので、我々環境省といたしましても、そういう方向性をしっかりと確定していけるように最大限の努力をしてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 私、学生時代に非常に衝撃的な本に出会いました。それは「成長の限界」、ローマクラブが発表した「成長の限界」という本がございます。これはローマクラブをつくり上げましたアウレリオ・ベッチェイ博士が支援して最終的な報告書という形になったわけでありますけれども、最初のころは「成長の限界」ということで、どっちかというと環境の制約、人口の制約、エネルギー資源の制約という話でありましたけれども、最終段階として私の記憶するところでは、限界なき成長といいますか、限界なき仕組みという、そういう方向性が私はあったのではなかろうかと、そういうふうに思っております。それはどういう話かといいますと、内的世界をいかにカルティベートするか、耕していくかという、そういう教育の問題が極めて重要であると、そういうレポートの中身になっていたように思います。そういった意味では、この教育の問題というのは極めて重要だなというふうに考えておりまして、地方なんかを回っていったとき、最近よく聞かれる言葉は、身土不二ですか。身土、それが不二であるという考え方でございますけれども、要するに主体と客体である環境というのは一体不二の関係にある。客体である環境が汚染される、破壊されるというのは、内的世界が充実していないといいますか、そこをいかに掘り下げて、もっと深化させていく、品行あるそういう人間のあり方を考えていかなきゃいけない。そういうことにつながるんではなかろうかなと、そんなふうに非常に感心してそういう言葉を聞いているわけでございますけれども、そういった意味では、環境教育というのは非常にこれからますます重要になっていく分野でないかなと、このように考えてございます。
 そういった意味では、先ほども申し上げましたように、基本方針をいかにしっかりとつくり上げていくか。そういった意味では、皆さんに有益な意見をさらに出していただき、我々もそれに十分対応していくように最大限努力して頑張ってまいりたいと思いますので、今後とも皆様の多大なるご協力よろしくお願いを申し上げまして、私のあいさつにかえさせていただきたいと思います。
 本日は皆さん、大変にありがとうございました。

○渋谷環境教育推進室長 これをもちまして、第1回目の懇談会を終わらせていただきます。
 どうも皆さん、ありがとうございました。

午後0時20分閉会