■議事録一覧■

「環境ビジネスウィメン 環境と経済の好循環を語る」(第3回)の概要



○日時 平成16年6月9日(水)16時−18時
○会場 環境省省議室
○出席者  崎田構成員、枝廣構成員、鈴木構成員、善養寺構成員、薗田構成員、染谷構成員、 堤構成員、安井構成員、小池環境大臣、松本総合環境政策局長、小林審議官、 谷環境計画課長
○オブザーバー 金融機関の方々
 
【議事要旨】
  1. 小池環境大臣から挨拶

    ○ これまでの会合でいただいたご意見をふまえて、懇談会として発信すべきメッセージの案を作成している。目を通していただいて、ご意見をいただければと思っている。今日は最後になるが、思い残すことなくお話をいただいて、これから続く我々の仲間を増やしていき、結果的に日本の環境が良くなる、地球が良くなるというふうな、ちょっと壮大な目標をもって、皆さんでいい知恵を結集していただきたい。

  2. 懇談会報告(メッセージ:元気な女性が創る環境ビジネス)案について意見交換

    (薗田構成員)

    ○ 今、GRI日本フォーラムというところで、「2020年の日本を考える会」という研究会を立ち上げた。その中で、食糧自給率とエネルギー自給率を増やしていこうということを言っている。いきなり100%というのは難しいかもしれないが、具体的な数字を挙げることによって、実現に向かって動いていく流れがきっとできるはず。この報告にも、明確な数値目標を入れることはできないか。
     また、先般環境省が発表した「環境と経済の好循環ビジョン」について、是非タウンミーティングのような形で話し合い、色々な方々の意見を集めていく中で、ビジョンや政策を実現できればいいと思う。

    (小池環境大臣)

    ○ 数字については、「環境と経済の好循環ビジョン」の中で、目標値を掲げている。環境誘発型ビジネスで100兆円、雇用で200万人ということで、これを実現するための施策をこれから一生懸命やっていく。それも、ここに盛り込んでもいいかもしれない。

    (枝廣構成員)  

    ○ 環境分野で仕事をやっていきたい女性に向けて、という意味合いが強いと思うので、働き方についての提案を入れられないか。会社に勤めてフルタイムで働くという働き方だけでなく、例えば、この仕事をやるといったときに、それぞれの分野の人たちが集まってチームをつくる。その仕事が終わったら解散して、またそれぞれの場所に戻る、という形がこれからは多くなるのではないか。
     また、実際にやってみたいと思っている人たちにとって、一番知りたいのは具体例だと思う。付録等の形でもよいので、各自のビジネスにおいてどのような苦労があり、どう切り抜けてきたか、難しいのはどの辺りなのかというようなことについての事例があればもっとよいのではないか。

    (染谷構成員)

    ○ これまで2回の会議は、すごく興奮した。それに比べて、これは少し弱い気がする。もう少し踏み込んで、未来をイメージしたものが欲しい。例えば、「環境先進国」よりも「環境大国」というように。乱暴かもしれないが、環境問題というのはどうしても理念がベースになっていく部分が必要。健康に生きられなければいくら仕事をしても意味がないわけで、新しくやる人たちが勇気づけられるように夢を書いて欲しいと思う。

     (善養寺構成員)

    ○ 中国が今のまま経済成長すれば、日本でいくら環境配慮をしても大きな問題が起こる。日本から、技術やソフトの輸出をすることにより、環境配慮を進めることができると思う。日本の中だけで考えるのではなく、アジアというマーケットを考えたとき、日本はまだまだ輸出できるものがあって、アジアの中でリーダーシップを取れるのではないか。日本の資源が女性であるという意味からすれば、巨大な資源を世界に向けて抱えているという状況だと思う。環境と経済を考える上では、世界的な視点を入れるべき。

     (枝廣構成員)

    ○ NHKが世界に向けて出している番組で、日本の色々なことを英語で伝える番組があるが、今日本で広がっている取組として、てんぷら油を回収してディーゼルにして使うという話をしたところ、アメリカの方から詳しく教えて欲しいというメールが入っていた。多分、ビジネスとして考えたとき、国内だけでなく、世界的に売れるものを私たちは沢山もっているのではないか。

     (鈴木構成員)

    ○ 環境と経済というのは対立しないと思う。元気なビジョンをもう少ししっかり記しましょうというのは大賛成。企業は商品開発の一部として、環境というものを入れ始めている。環境を良くしようとすること自体は、経済の中に組み込まれているのではないかと思うが、そのような話も入れられないか。
     また、市場も一緒になって育てなければならないと思う。色々な調査でも環境意識は高いことが示されているのに、行動に結びついていないことが多い。何をすれば環境貢献になるのかということがわからない人が多いのではないか。環境情報に関しては、相手が何を知りたいのか、本当に求めている情報をわかりやすく伝えて、市場を育てることが必要。

     (崎田構成員)

    ○ この報告案では、金融や投資について、皆さんの思いをうまく込めてもらったと思うが、この辺に関してはどうか。

     (染谷構成員)

    ○ お金の流れを変えることが大切だが、本当にこういうことを育てていこうという国の方針のようなものがなければ、金融機関は動けない。一人一人の認識が変わっていくことも当然必要だが、やはり国の方針が、そういうところを育てていくということを示すことが必要ではないか。金融機関は公的な性格が強い組織であるから、支店長をつかまえて文句を言ったところで、「私の力ではどうにもならないんですよ」ということで終わってしまう。

     (崎田構成員)

    ○ 金融に限らず、環境政策はリーダーシップあるいはビジョンづくりと、現場のボトムアップの両方のバランスが重要。きちんとしたリーダーシップやビジョンがないと方向性が出てこないし、ビジョンだけが強すぎても国民は動かない。両方の信頼関係が必要。

     (堤構成員)

    ○ 環境問題というものは、男社会がつくった経済社会のようなところに生活者の視点を入れていく変革のようなものだと思う。お話を聞いていると、そういう意味では包囲網ができつつあるという気がする。ただ、私が関わっている廃棄物処理の分野では、大きな企業が先導して環境に取り組んでいるが、わが国全体の資源の循環などを考えると、やはり道程は遠いという気がする。どこの企業の中にもしっかりした女性がいて、岐路に立ったときにきちんと生活者の視点をもって判断できるような状況になっていくことが必要だと思う。

  3. その他意見等

    (安井構成員)

    ○ 環境大国をつくっていくために、雇用という部分は欠かせない。グレイスは女性から始まって男性に後から参加を許したという会社なので、女性の力は十分に自負している。女性には色々な働き方があり、それぞれ能力や自信のある部分で仕事ができるよう、評価する側の認識を考える必要があるのではないか。
     また、環境省にも色々指導してもらいたいが、さて雇用と考えると、これは厚生労働省の管轄です、というふうになっていくと、私たちのビジネスはどこへどうもっていけばいいのだろうということになる。グリーン雇用ということを私は自信を持って進めていきたいが、これについてもっと掘り下げ、もっと深く話ができるような場をつくっていただきたい。
     人材派遣という本来の仕事では融資はしていただけるが、こういう部分で環境関連の人材を育てるための融資ということになると、「利益が出るんですか」というふうに、腰が引けてしまう。私は女性だからということで難しかったことはないが、新しいビジネスに向かっていく際にもう少し金融機関に理解をいただけるよう、環境省と厚生労働省に応援していただきたいと思っている。

     (薗田構成員)

    ○ 環境報告書等をつくっていて、企業の社長にインタビューすることが多いが、エコライフを企業のトップ自身が実践しているかを聞くと、答えに困る方もいるし、すらすらと答える方もいる。トップが市民感覚をもってエコライフを本当に理解しているかは非常に重要。私の会社で環境報告書をつくった松下電器の例を言えば、環境や社会のことをきちんと考えて地域に発信することが重要ということで、環境家計簿をつける活動を地道に行い、3万人くらいに広がっている。エコライフは楽しくなければ続かない。家庭の中はもちろん、企業でも社員を巻き込んでエコライフを推進していくような仕組みがもっとあってもいいのではないか。
     また、前回、エコスクールのような話があったが、せっかく優秀な皆さんが集まっているので、どこかでモデルをつくって具体的にやってみるというようなことができないかと思う。

     (堤構成員)

    ○ 都市郊外にある住宅地の一画の並びを、バラ屋さんが指導してどの家もきれいにバラを咲かせて、その通りを歩くと皆が楽しくなるという試みがあった。このような大小さまざまの取組が合わさって、全部で100兆円というようなイメージがいいと思う。

     (善養寺構成員)

    ○ この報告にはとてもきれいな言葉や内容が入っているが、これを読んだ人たちは、それぞれ発言をした人たちが、一足飛びにそこに至ったように思うのではないか。そこに至るまでのケーススタディを知らせることによって、これから環境ビジネスを目指す人たちが、自分にもできるのではないかという気持ちにさせられるのではないか。大変だったことも含めてケーススタディとしてすべて見せることで、次につながる人たちが出てくると思う。

     (染谷構成員)

    ○ 個人個人が変わらなければ、社会は変わっていかないし、環境問題の解決はあり得ない。自分自身が変わっていくことで、身近な人たちや社会が変わって欲しい。皆さん社長が多いが、そういったリーダーになっている一人一人に自覚があれば、世の中は変わっていくのではないか。

     (鈴木委員)

    ○ 市民が環境問題に取り組むことに関して、費用対効果ということで考えると、費用は自分の生活の中での労力や努力した時間であるが、効果というのは正当な対価ではなく、正当に評価されることだと思う。表彰するなどは非常にいいことで、市民を巻き込む効果的な方法である。
    また、環境家計簿運動の話があったが、環境省あたりが企業間コンペのようなことをやれば非常に面白い。大企業が数社集まるだけでも、そこに雇用されている人数は膨大であり、効果は大きいのではないか。

     (枝廣委員)

    ○ 私の関わっているNGOも会社の方も、比率は一切定めていないが、なぜか女性の方が多い。能力、やる気、視野の広さを見たときに、女性の方が今、優れている人たちが多いのではないか。
     この懇談会には非常に気持ちよく参加できた。ここに参加している方は、だれもやらされているという意識はないと思う。自分がやりたくてやっている。だから大変なことだってやるんだというところを、メッセージや何かで伝えられればと思う。

     (崎田構成員)

    ○ 私は生活者の視点ということで、ジャーナリストとして活動しているが、市民あるいは暮らしに影響を与えることが大事だと思い、政策や社会の大きな動きと暮らしをつなぐつなぎ手と思ってやってきた。これからはそういう仕組みの中にビジネスの視点も必要だと思うので、色々な場での連携が広がると社会全体が環境に配慮したものになると思う。

     (小池環境大臣)

    ○ 新しく起業しようという場合、社会は生やさしいものではないので、皆さん色々なご苦労があったことと思う。その意味では大変な経験のかたまりがあるわけで、皆さんの経験を資料としてまとめれば、次に続こうという人に参考になる。
     今、起業ということは簡単にできるが、ランニングコストが続かずにガス欠になってしまうケースは山ほどある。特に女性はそうである。銀行等も、儲からなければ金融機関としての最も基本的な部分が果たせないことになるので、シビアにならざるを得ない。したがって、そういう女性の起業家たちを支えるシステムが必要だと思う。女性ベンチャーのためのインフラ整備のようなものがあると、もっと後に続く人たちが出てくるのではないか。
     また、SRIというものを国としてもっと進めていく必要を感じる。SRIを進めていく方が、国民の健康が守られ、雇用を生むということなどを考えると、結果的に国家としてのコストは安くなるのではないか。金融機関としても、例えば銀行での紙や電気の使用量ということもさることながら、どのような企業を育てたか、ということが最大の環境報告書であり、それがまさに社会的責任を金融機関が果たすことになるのではないかと思う。傍聴いただいている金融機関の皆さんに心から感謝するとともに、そういう発想でこれからもっと取り組んでいただきたいと思う。