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エコツーリズム推進会議(第5回)幹事会議事要旨(案)



○日時 平成16年5月21日(金)13:30〜15:30

○会場 東京都千代田区霞が関第5合同庁舎 環境省第1会議室

○出席者 幹事会委員24名中23名出席(石川委員欠席、5名代理出席)
*随行者、傍聴者、マスコミ関係者等を含め、出席者総数65名
 
○議題   1)エコツーリズムの推進方策

【議事】

エコツーリズムの推進方策について
 事務局による資料説明の後、フリーディスカッション
           

【委員からの主な意見】

  1. エコツーリズム憲章について
    • やさしい表現で内容が良く伝わると思う。末尾の「ずっと続くことを目指します」という文言については、「持続的」という意味なのだろうが、日本語としてわかりにくいので、工夫が必要。憲章としては前文+主文の形の方がよいので、文学的な部分を短めにし、末尾の3項目をもう少し憲章的に格調高く書き込んではどうか。

    • トーンは非常に良いと思うが、自然そのものに視点が傾いているという印象を受ける。また、オーストラリアやアメリカ型の荒々しい自然と日本の自然では、人と自然の関わり方に違いがある。モデル事業への応募も類型[3](里地里山の身近な自然、地域の産業や生活文化を活用した取り組み)がのべ33件と最も多かったことからもわかるように、昔の人々の生きる知恵や文化の部分まで視野を広げて表現したほうが日本型エコツーリズムの表現として、より実態に即した憲章になるのではないか。

    • 旅行者が見ている自然の多くは、実は人手が加わっている自然である。エコツーリズムでは、自然を通して人の営みや文化が見えてくる。観光立国や美しい国土づくりの考え方にも関わるところがあるが、本会議はエコツーリズムと地域づくりを結びつけようという試みでもあり、日本の自然が人との関わりでつくられてきたことを強調するとともに、地域の魅力発信についてもふれてほしい。

    • 旅情を誘い五感を刺激するものになっている。日本は島国なので海と関係が深い。文章に海の視点を入れてほしい。また、四季が感じられるものにしてほしい。

    • 前文+主文という形で基本理念と行動指針を示すとのことで検討してきた経緯もあり、このようなやわらかい表現であっても、何らかの行動指針を入れられないか検討をお願いしたい。また、末尾の「元気な地域」とあるが、地域の活性化とその持続性の両方が必要なので、ニュアンスとして入れてほしい。

    • 古い神社仏閣を訪ねる旅もエコツーリズムの考えの中に入るのであれば、現案は自然が中心の記述なので違和感がある。


    (事務局)現案は詩的なタッチを活かし、エコツーリズムの理念をわかりやすく示すことに重点を置いたものとなっている。行動指針を入れると堅い表現になってしまうため、行動指針はマニュアルなどを参照してもらうことを考えていた。いただいたご意見については事務局預かりとし、執筆者と事務局で相談して修正を検討する。


  2. エコツアー総覧について
    • 掲載要件の例示「地域の自然や文化などの情報提供」(資料P4参照)の3項目目以降は、パンフレット、資料室等による情報提供があげられているが、どこの自治体でも実施していることであり、掲載対象が余りに広がりすぎではないか。「エコツアーに関する情報が提供されている」など、エコツアーに関する取り組みに焦点を絞った方がよい。また、事業者独自のルールやガイドラインについても、掲載要件に含める必要があるのではないか。

    (事務局)「地域の自然や文化などの情報提供」の3項目目以降については表現を再検討する。事業者の自主的なルールについては、「地域の自然や文化の保全に配慮した設計や運営」の3項目目に該当する。


  3. モデル事業について
    • 53件の応募案件の中から8箇所選定とのことだが、選定されなかったから、やる気をなくしてしまうといったことがないよう何らかの支援をお願いしたい。

    • 8箇所以外の提案の活用方法も考えてほしい。

    • 幹事会には応募主体の関係者も入っているので、この場では検討は行わない方が公平性が保てるのではないか。類型[3]が多く出てきたが、日本型エコツーリズムとして地域文化や伝統的な農林水産業と結びついた地域おこしが重要ということの現れである。1ヶ所当たりの予算は減っても、できるだけ箇所数を増やしてほしい。

    • 公平性を確保するため、幹事会では方向性を決めるだけにとどめ、箇所の選定自体はここでは行わない整理にしたい。来年以降の予算増額検討を含め、なるべくモデル地域の数は増やしてほしい。

    • 資料P38の3つ目の類型とモデル地域応募に当たっての類型[3]の文言が若干異なっているが、応募実態に合わせて、応募要項の文言に合わせてはどうか。

    • 本会議の成果としては、憲章の策定やマニュアルの整備など全国的な方向性を出すことが重要であり、本来はそれを受けてそれぞれの地域が努力して主体的に取り組んでいくべき話である。農村と都市の共生・対流分野では国交省や農水省も各種施策があるので、それらと連携させることによって、エコツーリズムをすみやかに定着させていくことが必要。

    • それぞれの地域の考え方を大切にしつつ選定することも重要だが、モデル事業として選定するからには、様々な仕組みを試験的に実施する意義も大きい。例えば、専門的なガイドからボランティアガイドまで多様なガイドの育成、地域資源保全への受益者負担の導入などが考えられる。関係府省連絡会議を活用し、日本全体のエコツーリズムの新しい形が見えてくるような戦略づくりが必要。

    • 地域の資源管理と観光を両立させるモデル、各省と連携するモデルなどの視点が必要。


    (事務局)予想以上の多くの自治体から応募があり、本会議を開催した意義は大きかったと感じている。予算的な制約もあり、事業実施箇所数は限られてしまうが、事務局としては選定されなかった案件に対しても何らかの支援を検討したい。今後関係各府省とも相談しつつ具体策を検討していく。

  4. エコツーリズム大賞について
    • モニターツアーをすることで、たくさんの人にエコツアーを体験してもらおうという考えは良いが、受賞がマスツアーのきっかけにならないよう、それぞれの取り組みが良い形で伝わるようにしてほしい。

    • 特別賞の中に、将来を担う子どもを対象とした賞を設けてほしい。

    • 子どもの世代に良い環境を残せていない責任は大人にある。子どもだけではなく、働き盛りの親世代の意識を変えていくことも大事。年齢層を分けて賞を設けてもよいのではないか。

    • 日本のエコツーリズムは、人づくり、地域振興といろいろな面で効果が波及し始めている段階にある。大賞はツーリズムに限定せず、文部科学省の子ども長期自然体験村や農林水産省の田んぼの学校など、ツーリズムの要素を持つ他省庁の事業とリンクさせることで、エコツーリズムの普及につながるのではないか。



  5. その他
    • エコツアー総覧、エコツーリズム大賞への応募を促す戦略について検討することが必要である。

    • 本会議では笑い話になるが、巷の認識は「エコツアー」を「エコノミーツアー」(激安ツアー)と誤解している人も多いというレベルである。推進施策について、一般に普及する方法をしっかり検討する必要がある。

    • 個々の地域の盛り上げも重要だが、国民一般においてエコツーリズムを理解している人はまだ限られている。エコツーリズムの概念について、マスコミを含め広く普及するような方策も考えてもらいたい。

    • 最近3名の死傷者を出す事故に直面する厳しい経験をした。エコツーリズムの展開の上で、安全確保の配慮を怠ってはいけないことを実感した。

    • 白神山地のエコツーリズムはこれからであり、今後展開を図っていくにあたって、本会議の成果を活用してやっていきたい。林道における安全確保や関係各省の施策との連携が課題であると考える。

    • 本会議により、エコツーリズム展開の支援ツールができたことは成果である。一方、環境省は今後何をするのか。保護地域外の地域で日本型エコツーリズムに取り組むことも重要だが、保護地域におけるエコツーリズムも大事。国立公園は本来自然を学ぶ場であることを示すチャンスであり、公園計画の再検討の際にエコツーリズムを位置づけるものもつくってほしい。

    • 環境省が今後「新・生物多様性国家戦略」とエコツーリズムをどうリンクさせていくのか興味を持っている。モデル事業の応募案件を見ても、今までのエコツーリズムの概念、「環境保全型」のツーリズムという枠を超えたものになっており、利用と保護のバランスの問題をどう取っていくのかが課題となると思う。

(終了)