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エコツーリズム推進会議(第2回)議事要旨



○日時 平成16年3月10日(水)14:00〜16:00

○会場 東京都千代田区麹町 東条インペリアルパレス4階「吹上の間」

○出席者  委員27名中21名出席(小池議長、稲嶺委員、高橋委員、中谷委員、西村委員、溝尾委員の6名欠席)
  *随行者、傍聴者、マスコミ関係者等を含め、出席者総数85名

○議題 [1] エコツーリズムの推進方策について
  [2] その他
【議事】
※小池議長欠席のため、小林幹事会座長が議長代理
  1. 環境大臣挨拶(代読)

  2. エコツーリズムの推進方策について
    事務局から5つの推進方策等について説明の後、フリーディスカッション

  3. <委員からの主な意見>

    ○初出席委員からの発言
    日本では「川をきれいにしましょう」という立て看板が立ち並ぶことでかえって景観を乱すといった自己矛盾の現象が見られ、エコツーリズムのシステムが上からつくられることに対して不安を感じる。地域コミュニティーに残された知恵を見直す時期にあり、地域からエコツーリズムの気運を押し上げていくことが必要ではないだろうか。いかに地域と共に進めるか、地域住民の知恵をどのように取り入れるかを考えるべきである。
    エコツーリズムは、エコロジー(環境整備)の面だけではなくビジネスとして成り立たないとトータルな意味でエコツーリズムとはいえない。観光業に結びつくような支援も必要。ビジットジャパンキャンペーンとして国をあげて外国人観光客誘致に取り組んでいるところであるが、エコツーリズムについても国内のみでなく、海外向けのプロモーションをしてはどうか。また、国立・国定公園の管理等既存の施策の見直しも必要。
    エコツーリズムは総合的にとらえることが大切である。まずは密猟者から自然や観光客を守るといった治安が大切である。そのためにはレンジャーの権限を広げることが重要である。エコツーリズムで利用が増えれば環境負荷も増大する。水の利用方法やゴミ問題、景観等について認識を高める必要がある。日本は文明国で最もガラクタの多い国であると認識している。
    フィールドワークで様々な土地を訪れることが多いが、日本は隅々にまで都会のにおいがすることに落胆している。エコツーリズムの取り組みが進むのは良いことだが、上からの押しつけにならないか、現場の状況をきちんと把握した上でマニュアルが作成されるのか、不安な面もある。エコとビジネスが前面に出ているが、日本各地に残された多様な地域文化もエコツーリズムに活かすべきであり、地域住民への配慮や参加体制が重要である。
    もっとNPOが主体となる推進方策にできないか。公共事業官庁は環境破壊をしてきたが、地元も一緒になって推進してきたことも事実。公共事業が環境保全の方向にシフトしている現在、地域でも環境保全やエコツーリズムについて考える必要がある。また、エコツーリズムを進めながら一方では環境破壊をすることのないよう、関係省庁で話し合いを進めてもらいたい。
    この10年間で環境問題への取り組みは大きく前進したが、まだ環境と開発の間で悩んでいるのが現実。沖縄では観光が主要産業の一つであり、観光資源である自然環境の保全が進んでいる。平成14年に制定された沖縄振興特別措置法において全国で初めてエコツーリズムの定義を行い、実践を進めているところである。
    ○エコツーリズムの推進方策について
    ガイド資格の検討は後回しとのことだが、エコツーリズムを始める前にガイドのルールをはっきりさせておかないと、後からの導入は難しい。また、東京都が小笠原で独自のレンジャー制度を実施することになり、現地で地域住民と意見交換を行う機会があったが、これまでの都と地元とのコミュニケーション不足を実感した。環境省はもっとレンジャーに資金と人員を確保すべきであり、レンジャーのコーディネートを核としてエコツーリズムの推進を目指してほしい。
    推進方策を進める前に、ベースとなるガイドラインを決めておくことが必要。
    本会議で目指すエコツーリズムとは、体験観光の域を越えて社会の変革を促す可能性もあるものと認識している。海外の一部の国では、エコツーリズムは富裕層の観光と認識され、地域の参加が得にくい状況にある。ごく普通の人々が参加できるしくみづくりこそがエコツーリズムだということを強くアピールするために、エコツーリズム大賞を活用すべき。ツーリズムが地域でどのようにつくられたかという視点を持って大賞を選んでほしい。
    エコツーリズムは誰が参加するかにより、その意味合いが異なってくると思われる。きめ細かい配慮が必要。今回示された推進方策では、遊びの部分がなくなっていき、マニュアル化されていく印象を受ける。
    モデル事業8箇所とあるが、8箇所に限らず日本には守らなくてはならない自然が多くあり、かつ各地で観光がすでに行われている。既存の観光との調整を図りつつ、日本全体に対して何かできるような方策も(モデル事業において)考えてはどうか。
    時代の流れとともに事業における環境のウェイトは高まってきている。各地でどのような取り組みがされているのか把握が重要であり、エコツアー総覧はその出発点となるものだが、本会議の考え方をふまえているもののみを掲載するという啓蒙的なもので良いのか。やる気のある活動の芽をつぶさないことが大事。推進方策は実施しながら柔軟に改良を加えていく必要がある。
    エコツーリズムは進め方によっては対極にあるマスツーリズムになってしまうという懸念を持っている。エコツーリズムのエッセンスは商売(利益)と保全の両立にあり、推進施策でもこれを明確に打ち出すべきである。エコツアー総覧の掲載基準として、保全の仕組み(努力ではなく)をあげてほしい。また、一般旅行者がエコツーリズムを難しいものと感じてしまうのではないかと懸念している。最終的には楽しい旅行であると感じてほしいので、教育より楽しみの面を打ち出してほしい。地域によりエコツーリズムの取り組みや商売のあり方は様々である。地域の創造性を活かすべきであり、(全国一様な)ガイド資格制度の制定には反対である。行政は環境保全の仕組みという消費者には見えにくい部分の評価を行ってほしい。
    清掃や植林などの環境保全自体を目的としたエコツアーも成立可能なのではないか。
    環境保全活動のエコツアーはビジネスにはなりにくいが、よりハイレベルのインタープリテーションにより付加価値をつけることにより商品化は可能と思われる。
    エコツーリズムの実践者やガイドが増えてくることにより、手法の違いが表面化し調整しきれなくなっている状況が各地で生じている。自分の考え方を押しつけるのではなく、客を楽しませるノウハウを身につけたガイドが必要であると感じる。
    エコツアー業者のすべてが良心的ではなく、悪貨が良貨を駆逐するような状態になってエコツアーによる環境破壊が問題となっている。まず保全を第一に考え、次にビジネスを考えるべき。このことから、エコツアー総覧に掲載されたツアーは事後チェックが必要である。ガイドの資格制度も最低限ものは必要だと考える。地域と関係を持たないビジネス一辺倒の業者が多い中で、いかに地域と協調し支援を得ていくかが課題。
    日本の歴史を振り返れば、ターニングポイントでは外国の技術や考え方を取り入れている。エコツーリズムは日本人だけではなく、外国からも参加するようになるべきである。オーストラリアやニュージーランド、カナダといったエコツーリズム先進国と人材交流を持ってほしい。
    モデル事業においては、エコツアー実施前に自然環境や地域文化、地域社会等に対してアセスメントを実施し、また継続的なモニタリング・評価を行っていくことが重要である。
    西表島の仲間川では動力船やカヌーによる利用圧が問題となっているが、沖縄振興特別措置法に基づく保全利用協定を初めて締結した地域。地元関係者で徹底的な話し合いを行った結果、地域全体で監視・評価を継続的に行っていくことになった。このような取り組みが生まれてきたことは評価できる。
    人間が自然に踏み込めば何らかの負荷を与えることを認識すべきであり、そのような環境の外部性をどのようにエコツーリズムにも組み込んでいくかが今後の課題となるだろう。経済循環の見直しや地域の社会システムの転換も必要である。モデル事業において新たな地域像を示していけるかが大事。関係府省連絡会議に大いに期待したい。
    地域活性化の取り組みの一つとして、グリーンツーリズムやエコツーリズムに取り組んでいる。各地域によってその主体や内容は多様であり、環境を守ることと観光客を受け入れることのバランスの違いも見られる。エコツーリズム大賞やモデル事業で示した取り組みが全国でそのままそっくり鵜呑みにされるのではなく、どこを見習うべきなのか明確に示すべきである。