■議事録一覧■

エコツーリズム推進会議(第1回)議事要旨



○日時 平成15年11月12日(水)10:00~11:50

○会場 東京都千代田区麹町 東条インペリアルパレス4階「吹上の間」

○出席者 推進会議委員(加藤、高橋、ニコル、西村、マクドナルド、吉野の6委員欠席)
  *随行者、傍聴者、マスコミ関係者等を含め、出席者総数95人

○議題 [1] エコツーリズム推進会議の設置について
  [2] エコツーリズムに関する国内外の取組みについて
  [3] 今後の進め方について
  [4] その他

○進行 会議は公開とし、小池大臣が議長
  進行は盛山総務課長、事務局説明は中島自然ふれあい推進室長が担当
  1. 環境大臣挨拶

  2. 委員紹介

  3. 議事
    1) 趣旨説明
      小野寺局長からエコツーリズム推進会議の趣旨を説明
    2) 議題
      [1] エコツーリズム推進会議の設置について
         「エコツーリズム推進会議」開催要領
           推進会議を設置
         幹事会の設置
           議長が幹事会座長に小林委員を指名
      [2] エコツーリズムに関する国内外の取組みについて
        エコツーリズムの経緯、概念、利点などについてパワーポイントを使って説明
      [3] 今後の進め方について
        エコツーリズムの課題及び推進方策の検討スケジュールを説明


    〈委員からの意見〉
    エジプトの砂漠で植林事業を行っているが、ここでは自然を守りたいというモチベーションのきっかけ、知的好奇心と充足感、参加意欲につながる。これらを通じて地域経済に資することになり、好循環をもたらす。国内では自然のすばらしい環境だけでなく、廃棄物問題を抱える豊島の事例のようなマイナスからの出発への参加、プラスをプラスとして維持するという発想も必要で、これが新しいエコツーリズムの定義につながる。
    海外からの観光客を増やすという意味においてもエコツーリズムに関心をもっている。
    今回会議は時代に合ったもの。沖縄振興特別措置法の中でエコツーリズムの推進が明記されており、法に基づく沖縄県観光振興計画においては、やんばる、西表島、慶良間諸島を重点推進地域として指定し、地域毎の事業者による保全利用協定の締結・認定に向け取り組んでいる。自然と開発のバランスの取り方が課題。
    ポイントはガイドの質にある。ガイドの育成、認定においては、知識だけでなく、考え方、哲学も考慮すべき。その意味で環境教育法の指導者登録制度の行方に関心がある。
    エコツーリズムは単なるニッチマーケットではない。環境とのつきあい方を考えるという大きな視点で取り組んでいくべき。地域の魅力を発信できるメリットもある。エコロジーとエコノミーが両立するというのはもはや世界の常識。
    エコツーリズムの裾野を広げるためには、普通の観光に組み入れていく必要がある。また、若い人が自然関係の仕事につけることも世の中の「元気」に結びつく。
    エコツーリズムは時代の流れ。エコツーリズム協会では今年からエコツアーの推奨制度を始めた。エコツーリズムは受け入れ側も参加側にも継続性が重要。いきなり広がるものではない。
    業界で平成10年に「地球にやさしい旅人宣言」を作った。エコツーリズムは、地域の自然・文化を大切にしながら、負荷を軽減するサスティナブルな旅行のことであり、地域への経済的効果、社会的貢献をもたらす。いかに概念を浸透させるかが課題。業界としても、自治体との連携や一般への普及啓発に取り組んでいきたい。
    外部からの資本や人材と地元が一つの方向にまとまることが重要。由布院は滞在型保養温泉を方針として掲げているが、近年滞在型が増える傾向にあり、地元も一過性の観光受け入れから変化の兆しが見えてきている。我々のスローガンは、風景に責任を持つこと。
    学生に環境問題に関心をもたせるため、修学旅行にエコツーリズムを取り込むことを検討してはどうか。エコツーリズムへの取り組みは自然環境保全と地域振興の両立につながるのではないか。全国旅行業協会としても全面的に協力したい。
    エコツアーは少人数にガイドが付くツアーでありお金がかかるため、ガイドの質が顧客の満足度に大きく影響する。ガイドの育成に力を入れるべき。また、エコツーリズム推進により、環境保全では食えないというイメージを変えられる。
    今回の会議は非常にタイムリー。体験型観光において質の維持、持続可能性をどのように実現していくのかまだ見えない。哲学をきちんと持ったガイドの育成が不可欠であり、、広く一般が参加できること、環境学習の受け入れ先を整えることが重要。マスツーリズムを少しずつエコ化していくことが観光地にとっても大切。
    ガイドが採算をとれる市場は日本にはまだない。官民の役割分担としては、民間側はビジネスモデルを創造・開発していくべきであり、ガイドの質も市場にゆだねるべき。行政側では、自然環境保全への貢献度をチェックし、適合しない業者にはエコツーリズムを名乗らせないなどフリーライダーを防ぐべき。
    このような会議は画期的。今後エコツーリズムへの便乗がたくさん出てくる。逆に自然を破壊するケースもあるため、指導者の資格が必要ではないか。観光立国や過疎化対策にもエコツーリズムは有効と考えられる。
    地元がどれだけコントロールできるか、旅行者がどれだけ意識を持って来るかにかかっている。普段から身近な自然に接していることが重要。いきなり原生自然に行くとつきあい方がわからず影響が大きくなる。
    沖縄振興特別措置法の中で、エコツーリズムの定義、保全利用協定の認定スキームの創設等の規定を設け、補助事業として、その推進事業を実施。来年度は、ガイド養成、県全体の推進協議会の立ち上げなどを検討している。
    都市・農山漁村交流又はグリーンツーリズムの取り組み、過疎地域自立活性化優良事例表彰等を行っている。地域の取り組みの多様性を大事にしていくことが重要。地方自治体への支援を通じてグリーンツーリズムやエコツーリズムを支援していきたい。
    文化の面では、世界文化遺産地域は自然と文化の関わりの中で形成されたものであり、まさにエコツーリズムの対象になるものと考える。また教育の面では、環境教育推進法の成立や修学旅行における自然体験学習の増加などがある。
    里地里山や漁村をフィールドとしたグリーンツーリズム、子どもたちが身近な自然に親しむ「田んぼの学校」、都市と農山漁村の共生・対流(オーライ!ニッポン会議)等を進めている。エコツーリズムについては、これらとの連携を念頭におきつつ進めていきたい。
    観光立国行動計画の策定、離島振興の取り組み等を行っており、さらに質の向上を図る所存。この会議においては、規制緩和の必要性等、事例や体験に基づく率直なニーズを聞きたい。官としてなすべきことを考えていく。市場が環境に値段をつけることは重要であり、市場形成の必要性を感じた。
     
    3) その他
      事務局から、会議資料及び議事要旨はインターネットで公開すること及び第2回推進会議は翌年3月に開催する予定で、それまでに幹事会で推進方策を検討することを説明