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環境基本問題懇談会(第4回)議事要旨


<日時> 平成16年4月7日(水)10:00〜12:00
<場所> 環境省第1会議室

○ 環境問題への対応は地方の取組から始まったものが多いが、地球環境問題への対応は 国でやることだと考えられがち。しかし、温暖化対策では家庭での取組をどうするか が課題となっており、まさしく地域で取り組んでいかなければならないもの。国がど う働きかけていくかという視点が大事。

○ 地域の環境問題に取り組む温度差は激しい。先進的な地域については規制等で抑え付 けるのではなく、バックアップをするという態度で臨むべき。

○ 地方での取組であってもすべて県レベルで決まるわけではない。ディーゼル規制も首 都圏のような広域的な地域の視点が大切であり、水問題であれば流域管理の視点が必 要。

○ 地方には環境技術関係の研究所が66ある。今、環境技術の研究はこうした地域の機 関が支えている。また、NPOの育成等を通して、地域と一体となった取り組みを進 めていることを評価すべき。

○ 温暖化問題に対する地域ごとにおける課題は違うので、その地方の実情に応じた温暖 化対策の計画づくりを行うべき。その際には、国、地方自治体を巻き込み、行政、企 業、NPO等が参画し、関係者が関与した実効性のある計画とするべき。

○ 自然エネルギーの活用が重要だが、RPS制度も目標が低すぎる。地域ごとに目標を 高く持ち、企業と住民がコストや空間利用で役割分担、コスト分散をうまく行い、計 画を実行する仕組みができないか。

○ スウェーデンでの取組があるが、環境の復帰可能性(地域の環境容量がどの程度回復 可能か)を地域ごとに研究するべき。

○ 欧州では自治体が都市同盟、自治体同盟を組んで温暖化問題に対して高い目標を掲げ て取り組んでいる(ヨーロッパ気候同盟(約600自治体が参加))。日本でも様々な 環境問題に取り組む「都市同盟」をつくるべきではないか。また、クリチバやフライ ブルグのように、海外から観光客を呼び込む「環境観光都市」をつくってはどうか。

○ 地域によっても温度差があるので、行政、企業、民間、NPO等が一体となって環境 問題に取り組むモデル地域を選定し、様々な問題を検証していくべきではないか。

○ 水素エネルギー社会の到来に向け、水素の製造・保管・流通の仕組みを如何に整備し ていくか、モデル地域を設定して取り組めばどうか。

○ 地域の取組でNPOを高く位置づけられたことを評価したいが、一方で責任も感じて いる。NPOもまだまだノウハウ不足。行政に参画する中でNPOも育っていく面も あり、そういう機会を増やすことが大切。

○ 国はビジョンを示す、地方自治体は地域のコーディネーターとなる、NPOは様々な 関係者をつないで活動するという役割分担がよいのではないか。

○ 若い人が職業として働ける場としてNPOが役立つ。そのためには、NPO活動がい かにコミュニティビジネスとして継続することができるかが課題。NPOはもっと地 域に密着していくことが重要。

○ 地域環境力について、個々が役割分担の下に取り組むと紹介されているが、それぞれの取組を繋げて統合化し、再構築することが重要と考える。

○ 企業との協力は地域の経済的安定に限定されない。SONYの工場は、大量の地下水 を汲み上げるたが、自社で使用する米その分を地域の休耕田を活用して作ることで水 田とし地下水の涵養に努めていただいている。

○ 外交に関しては今までは国のものという意識であったが、例えば九州は東アジアと直 結している意識を持っている。地域も直接海外と向かい合うようになっている。

○ 全国で市町村合併の動きが加速化しているが、効率性の観点だけでよいのか、1万人 ぐらいの規模が適切ではないか、広域化すると県の役割はどうなるのか、また、広域 圏や道州制が導入されると環境行政で国の役割はどうなるのか、など地方制度改革の 影響について検討が必要。環境行政が自治体の体制の変更への対応に追われ、動きが 5,6年停滞してしまうおそれ可能性がある。

○ 補助金が削減されていくことによって、必要な環境対策が地方でできなくなる可能性 がある。補助金削減が進むことによって、環境のような直接目に見えた利益のでない 分野にしわ寄せがくるであろう。環境には熱心だがお金がないのでできないという事 態がもう数年でくる。

○ 地方分権の進展に伴う地方交付税の削減、補助金の削減が環境行政にどのようなイン パクトを与えるのかを検証しておくべき。事務局で資料を整理してほしい。

○ 温暖化問題に対する地方での取組は、まだまだ実効性がない。温暖化センターなどを 通じ、温暖化対策について国と地方の新たな協働関係をつくるべき。

○ 国レベルの環境影響評価は新事業のみでアセス法施行前の事業には適用されず、熊本 の川辺川ダムについても同様の扱いである。しかし、種の保存、環境への影響という 重要な問題をはらんでいることから、観点から、国と地方との関係だけではなく、中 央の関係省間で調整をお願いしたい。また、熊本では全国初となるダムの撤去を行う が、生態系への影響を考える全国的なモデルケースとして捉え、国も関与するべき。

○ これからは社会の一部ではない主体としての「個人」がどれだけ意識を高めることが できるかに期待したい。皆がその中でどのような意識を持って行動するかということ が民生対策の鍵である。

○ その中でも、「家庭人」として捉えることが大切。そのために環境教育が重要である。 サマータイムも考えてよいのではないか

○ 家庭の中での環境負荷を低減するためには、家の改築などにインセンティブを持たせ ることが重要。

○ 情報共有がまだ浸透していない。特に取組に関する言葉である「3R」、「環境報告書」、 「環境アセスメント」などが思った以上に浸透していない。取組のあり方を成功例と ともにメッセージとして発信していくことが必要。

○ 改善点を洗い出すために、もっと国際比較を行うことが大事。OECDの環境政策レ ビューなどは有効な比較評価の機会となっている。

○ アメリカの絶滅危惧種保護対策では、強い法的枠組みがあるとともに、NGOが取組 に参画したり、訴訟で行政に種の指定など取組を促すことによって、地域・社会から制度の中身を前進させるメカニズムがある。

○ 地域において環境問題に対する関心が高まってきていることも事実。ただ、まだまだ 本心から価値観の転換がなされてきているとはいいがたい。レッドデータブックのた めの調査も自治体によっては、軽く扱われている

○ 日本ではNGOがアメリカほど強くないので、強い法律を作るとともに環境教育で意 識を高めることが必要ではないか。

○ 地方においてはNPOよりむしろコミュニティの方が社会において重要である。市町 村合併で広域行政が進展すれば、さらにコミュニティの役割は重要になる。豊岡市で は公民館を核にコミュニティレベルの活動を進めようとしている。

○ かつては人間が生きるための経済活動によって二次的自然がは経済活動で維持されて きたが、生活の変化でこうした活動が廃れてしまった中でどう取り組むかが大きな課 題。例えば農民が農地で水田耕作や、バイオマス生産、ビオトープ管理を行えば一定 の支払をするお金を出す“デカップリング”の考え方を中山間地だけでなく平地農業 についても導入するべきではないか。また、バイオマスエネルギー利用によって森や 農地を守ることも必要。

○ 地球環境問題に代表される環境問題を考えると焦燥感ばかりが募りやすいが、声高に 主張を述べるのではなく、それぞれの立場を考えながらむしろじっくりと腰を据えて 話し合うい、“発酵熱”の姿勢で地域から価値観を変えていくことが大切と考えている。

○ 環境を守るためには、自然を守る文化・価値観が重要。我が国から世界へのメッセー ジとして、自然とどのようにつきあっていくかという理念・価値観を提示すべき。

○ 温暖化による緩慢な環境破局、急激な気候変化に対する危機意識が少ない。例えば、 ペンタゴンレポートにおいて、将来、気候変動から「環境難民」が生じると言われて いるが、日本でも今から戦略的に考えておく必要がある。

○ 国際的にみて、リーダーシップ、産業界の競争力、技術開発など日本の役割は大きく、 日本の国家戦略をできるだけはやく明確にし、進めていっていただきたい。