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第2回環境基本問題懇談会(11月25日開催)における
主な意見(議事要旨)


<日時> 平成15年11月25日(火) 13:00~15:00
<場所> 環境省第1会議室
○科学技術は環境保全と関わりが深い。先進国では環境対応が産業界の勝負の決め手になっており、環境制約を技術革新の梃子として環境と経済の両立を実現するという視点が重要。

○開発だけではなく、いい技術の普及も考えていかなければならない。今どういった技術があり、何が足りないか総ざらいすることも必要ではないか。

○ゴミ対策など出口、川下の部分に資金があまりにも集中している。市場にどういう製品を投入するかという入口、川上部分の対策も進める必要がある。

○そのためには環境への取組が企業の利益につながるよう、規制とインセンティブのベストミックスを考える必要がある。

○環境分野で日本がリーダーシップを取っていくためには、今後20~50年間を視野に入れた具体的なビジョンと、それを実現させるためのロードマップを示し、これを実施することが大切。税制、ベンチャー支援、ITなど、大胆な戦略が必要。抽象的な考え方ではいけない。

○各種の計画や大綱の進捗状況をきちんと点検し、進捗していない政策はその原因をきちんと把握し、反省点は次につなげていくことが重要。計画やビジョンを作るに当たっては、どうロードマップを描き、どうチェックするかという視点も入れ込んでもらいたい。

○人間活動は環境の制約を超えることはできないこと、また、不適切な活動は環境制約を逆にきつくしてしまうことを認識しなければならない。この認識なしには持続可能性は単なるスローガンとなる。制約を科学的にしっかり見定めることなくして環境との調和はありえない。

○生態系は均衡の取れた安定なものであり、多少の負荷は吸収するという見方もあるが、制約ぎりぎりのところで無理をすると、他の相に転移し、好ましくない均衡点で安定してしまうことがあることに注意しなければならない。

○現在のライフスタイルによる人間活動は全体としては既に環境容量を超えており、持続可能ではない。化石燃料は過去の生物生産性の産物であり、現在は過去の生物生産性で食いつないでいる。

○現在の人間活動がいかに大きく環境の制約を超えているか、またそれがもたらす危険を、我々はなかなか実感できない。データを示すとともにそれを実感するための学習の機会や場を設ける必要がある。

○環境教育は様々な対策のベースである。環境問題の視座として、未来社会への責任が最も大切。環境教育を義務教育の必須科目に入れることも考えるべき。

○環境教育にとどまらず、環境について考えるゆとりを持てるような本当の意味の豊かさを実現するような、知的レベルの向上を図ることが重要。物質に頼らないような人づくりが大切ではないか。

○国際的な取組のためには、枠組やルールに加え、国際的な協調関係の基盤となるような共通の知識、指標を作り、共有していくことが必要。

○途上国での持続可能な開発の実現は容易ではない。先進国がまずモデルとなるような取組を進め、これを途上国に示していくことが大切。

○大都市の大気汚染はいまだに力を入れて対策を取るべき問題。目に見えるような改善につながるような思い切った手を打つことが必要ではないか。