有明海・八代海等総合調査評価委員会 生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会(第3回)

1.日時

平成25年3月1日(金)午後1時~3時

2.場所

イイノホール&カンファレンスセンター RoomB1+2

3.出席者

小委員会委員長 有瀧真人委員長
委員 岩渕光伸委員、古賀秀昭委員、速水祐一委員、本城凡夫委員、山本智子委員
専門委員 梅崎祐二委員、大村浩一委員、松山幸彦委員
事務局 環境省水・大気環境局水環境担当審議官、水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室長補佐

午後1時01分 開会

○名倉閉鎖性海域対策室長 では、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会第3回生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会を開会いたします。
 最初に、本小委員会は、公開の会議となっておりますことを申し上げます。
 本日の委員の出席状況ですが、欠席のご連絡を田添委員、福留委員からいただいております。大村委員は、着席されていませんが、欠席の連絡はいただいておりませんのでどういう状況になるかわからないんですけれども、現在8名の委員に出席いただいております。また、評価委員会の岡田委員長にもご出席いただいております。それから、本日午前中に開催されました海域再生対策検討作業小委員会から山口啓子委員がオブザーバー席に着席されております。
 続きまして、水環境担当審議官の平岡よりごあいさつを申し上げます。

○平岡大臣官房審議官 環境省の水環境担当審議官をしております平岡と申します。本日は、大変お忙しい中、多数の委員の方にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。有明海・八代海等総合調査評価委員会のもとに置かれております生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会第3回の開催に当たりまして一言ご挨拶を申し上げます。
 今回の小委員会におきましては、委員から有明海のタイラギに関連した最新の研究成果のご報告などをいただく予定とさせていただいております。また、これまでの小委員会での取り組み状況の整理等、議論していただく予定にしております。
 有明海及び八代海等再生特別措置法が制定されまして10年超経っております。有明海では、昨秋、関係県で行われた調査で、特産の二枚貝、タイラギ成貝の生息が確認できないということで、潜水器漁業が行われなかったと聞いておりますけれども、豊かな有明海・八代海等に再生していくためには、克服すべき課題が山積していると承知しております。課題の克服には、環境悪化の要因を特定する、あるいは再生に向けた再生像、その再生手順の提示といったことが必要なわけで、その意味では評価委員会の役割が非常に重要になってまいります。
 特に本小委員会では、問題の原因・要因の特定、さらに効果的な対策の検討という大変難しい課題についてご議論いただいておりますが、委員の皆様は豊富な知識、経験をお持ちでございますので、ぜひ忌憚のないご意見を賜りまして議論していただき、有明海等の再生を先に進めていただければと思ってございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

○阿部室長補佐 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。
 お手元の資料をご覧ください。議事次第、それから資料1といたしまして委員名簿、資料2-1、生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会から依頼のあった事項について(経過報告)というもの、資料2-2、有明海産タイラギの生態特性と漁場形成要因、古賀委員からの提出資料です。続いて3-1、有明海の有用二枚貝に係る整理分析方針(案)、資料3-2、小委員会におけるこれまでの取組等の概況について(案)、資料3-3、有明海の有用二枚貝類に係るこれまでの検討状況のとりまとめ(たたき台)(案)です。
 あと、参考資料の1といたしまして、今日の午前中に行われました海域再生対策検討作業小委員会の資料の共通資料を除いた部分をお付けしております。あと、委員限りといたしまして、前回の生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会(第2回)のパワポの資料、資料2-1、2-2、2-3を付けさせていただいております。
 ちなみに、傍聴の方に申し上げますけれども、この委員会の資料2-1は、午前中に行われました海域再生のほうの小委員会の資料3-2と同じものです。また、こちらの委員会の3-2の資料が午前中の会議の4-2の資料と一緒です。どちらかがついていれば一式ということになりますので、ご承知おきいただければと思います。
 続きまして、報道取材の方がいらっしゃいましたら、これ以降のカメラ撮影はお控えいただきますようよろしくお願いいたします。
 これ以降の進行は有瀧委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○有瀧小委員会委員長 有瀧でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 それでは、早速なんですけれども、お手元の議事次第をご覧ください。本日の議題については3つ用意しておりまして、1番目が(1)有明海の有用二枚貝類の現況、問題点、問題点の原因・要因でございます。これについては、ただいまから大体2時を目処にして、中身についてご検討いただきたいと考えております。それから(2)これまでの検討状況の整理、とりまとめについて、これは大体2時から3時ちょっと前ぐらいまでで検討していきたい。それから(3)その他としていきたいと思っております。
 まず(1)の内容についてなんですけれども、この前の第2回の委員会を振り返ってみますと、松山委員から有明海の有用二枚貝のいろいろな現状について整理していただきまして、事務局から検討内容の整理分析方針案というものを出させていただきました。その過程で、午前中にやりました海域再生対策検討作業小委員会に我々の小委員会から、有明海に流入する土砂とか栄養塩について海域再生小委員会でご検討くださいということで宿題を渡しておりました。午前中にその中身についてお答えを用意していただきまして、それについてまず経過報告をしていただくということが1点。
 それから、前回の有用二枚貝類の中で特にタイラギというのはモデル魚種になるということで、今日は古賀委員から、有明海産のタイラギの生態特性と漁場形成要因について情報提供いただけるということでございます。
 それでは、まず事務局のほうから、海域再生対策検討作業小委員会からの経過報告について、ご説明をよろしくお願いいたします。

○阿部室長補佐 それでは、お手元の資料の2-1をご覧ください。「生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会から依頼のあった事項について(経過報告)」ということです。
 「第2回本小委員会において有瀧委員を通じて情報提供要請のあった「有明海の陸域からの土砂及び栄養塩の供給」という事項については、本委員会の所掌である「有明海の環境特性の把握、課題整理」の主要項目の1つであると考えている。本小委員会において、今後、国及び関係県から収集した調査・研究等の報告書等を基に、有明海の環境特性の把握に係るとりまとめを進める中で、貴小委員会からの情報提供依頼のあった事項についても検討し、結論が得られた段階で改めて、正式に回答させていただきたい」ということです。基本的には今の段階では回答できる段階に無いということを記しています。
 「なお、有明海への陸域からの土砂供給に関しては、第29回委員会に国土交通省から「土砂に関する知見の蓄積」と題して、有明海に流入する河川の中で最大の流域面積を占める筑後川からの流出土砂量の推計に関する報告が、また、有明海への栄養塩の流入負荷について環境省から資料が提出されており、本委員会では、当該報告をベースとして、さらに他の調査結果等による知見を踏まえ、総合的に判断していくこととなる」という回答をいただいておりますので、ここに報告させていただきます。
 それで、添付資料として、国土交通省が第29回の委員会に提出した資料ほかがついております。ここの中で、簡単にまとまっている部分でいきますと、1枚めくっていただきまして、4ページ目の調査の背景・目的・概要というところの結果概要のところで本当に端的に触れているのですけれども、筑後川については、流域全体の土砂収支計算から、筑後大堰の通過土砂量を大体年間で13万立米と推計したということで、これぐらいの土砂が通過しているのではないか。また、筑後川下流域の土砂動態調査(観測)より、下流域の土砂の分布、移動を確認した。筑後川下流域の河床変動解析より、平成21年におきましては年間10万立米を超える土砂が流出したものと推計したということで、それぞれについて5ページ、6ページ、7ページ、8ページで根拠となる資料がついておりますので、ご参照いただければと思います。
 いずれにしましても、こちらについては、まだまだ検討が及んでいないので、検討した上で回答するということです。
 続きまして、9ページ目を見てください。「有明海への流入負荷量の推移について(COD、T-N、T-P)」という資料をつけております。これは、環境省が東京湾・伊勢湾・瀬戸内海におきまして栄養塩類、汚濁物質の総量削減をやっておりまして、あわせて有明海・八代海でも同様の調査をしておりますので、その結果でございます。
 結果を見ていただきますと、河川別に分けさせていただいております。筑後川、嘉瀬川、六角川、塩田川、本明川、矢部川、緑川、菊池川、白川ということですけれども、いずれも、年ごとの変動はあるにせよ、この結果COD、T-N、T-Pに関して、極端に増えているとか、減っているとか、そのような傾向はこちらの環境省の流入負荷量の集計では確認されなかったということでございます。
 ただ、こちらについても、先ほどの土砂の話と同様で、重要テーマの一つだと海域再生の小委員会のほうで考えており、今後検討していくということですので、その結果についてご報告させていただくということになっております。
 報告は以上です。

○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございました。
 ただいまの報告について、何かご質問、ご意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしいですか。
 私の方から関連して。現状で提出いただいたものについて今後また海域再生小委でご検討いただくと言うことですが、現在取りまとめ中の有用二枚貝類について、何か問題がが出てきた場合、今後追加のリクエスト等というのは、随時事務局のほうに挙げていけば、やっていただけることになるのでしょうか。

○阿部室長補佐 海域再生の今日の午前中の検討の結果から言いますと、海域再生の委員会のチームは、これから海域区分を分けて、それごとの問題点を整理して、仮説を立てた上で今あるデータから検証していこうという手続をしております。そういう中で、これが大きなテーマになっているというものであれば、すぐに取りかかれるのでしょうし、また今後いただくオーダーが、なかなかそれとの関連もなく、データもないというものであれば、時間がかかるのかなと思います。とりあえずその内容によるのではないかと判断されます。

○有瀧小委員会委員長 ありがとうございます。
 ほかには何かございませんか。よろしいですか。
 それでは次に行きたいと思いますが、次の議題ですけれども、先ほどちょっと触れたのですが、前回の2回小委員会で有用二枚貝類について松山委員で取りまとめていただいたのですが、タイラギについては重点的に検討しないといけないということでした。今日は、古賀委員から追加の情報提供として、有明海産タイラギの生態特性と漁場形成要因についてお話しいただけるということです。よろしくお願いいたします。

○古賀委員 有明水産振興センターの古賀と申します。初めに、今日このような発言の機会を与えていただきました有瀧委員長及び事務局に深く感謝をしたいと思います。
 まず、今日私がこれを話すという経緯をちょっとお話ししておいたほうがいいかということで、お話しします。12月にありました小委員会のときに、松山委員から、タイラギを含めてこれまでの知見等々をよく取りまとめていただいておりました。その中で一部タイラギについての報告の中で、もともと泥質に向かない生物ではないかとか?、そういうことに対しまして私が、ちょっとそれについては違和感があるということで、反論といいますか、そのときに意見を申し上げましたけれども、その点を含めてデータを示しながら皆さんと同じベースに立って検討することが必要だろうということで、今日はお話をさせていただきたいと思います。
 それでは、今日は、有明海産タイラギの生態特性と漁場形成要因ということでお話をしたいと思います。
 まず、生態特性ということで、漁業生産の歴史と生息環境についてお話しして、その次に一般論としてのタイラギ漁場の形成要因、それと、平成21年度につきましては13年ぶりの豊漁とになりましたので、その要因についてお話ししたいと思います。
 まず、タイラギの漁業の歴史というのを基本的には知っておかないと議論ができないと思いますので、文献を調べましたので、その内容をここに書いております。基本的には、干潟での徒捕りと、じょれんと、ヘルメット式潜水器、この3つでございます。
 まず、干潟での徒捕りにつきましては、これは多分、大昔からされてきたと思いますけれども、基本的には筑後川の河口沖合の水深がマイナス0.4~プラス1メートルぐらいの範囲で行われていまして、昭和25年前後の漁獲量は8トン~26トン程度であったということです。1945年の佐賀県水産試験場の報告書ですけれども、そのときの評価が原始的零細漁業という評価になっています。これについては、多分昭和30年代ぐらいには、佐賀県ではもうおかず捕りぐらいで終わっているということです。福岡県では一部まだ佐賀県よりも遅くまで徒獲りはされていたと思っています。
 次にじょれんなんですけれども、これについては水深がゼロ~5メートルぐらいのところで、このときは2人乗り込んで、かなりの熟練と労力が要るということで、1日1隻当たり最高でも1,000個程度ということで、貝柱が10グラムとしますと、10キロ程度が最高であったということでございます。この形態の漁業では、相当数が損傷を受けて死ぬということで、漁場を荒廃させる、排斥すべき漁業という評価となっています。
 ヘルメット式潜水器につきましては、基本的には1914年~16年ぐらいに朝鮮の麗水のほうから導入されてきていまして、1919年に正式に漁業として認められています。大正の中盤くらいから開始されて、昭和30年代に非常に豊漁のときには1分間に100個とっていたということで、1日1隻当たり漁獲が150~240キロぐらい。そのように非常に効率が良い漁業と言えると思います。評価については、導入してから相当経っていますけれども、このときでも、新規大規模漁業で効率は大、ただ、豊凶の差が著しいということでございました。このような漁業の歴史があるということでございます。
 漁獲量につきましては、基本的に通常よく見ますのが昭和30年代ぐらいからの漁獲量でしかありません。今回ちょっと調べてみました。1900年以降、明治33年以降の漁獲量をここに示していますけれども、この辺でヘルメット式潜水器を導入しております。それ以前はせいぜい100トンぐらいの漁獲があったということですけれども、導入以降は非常に豊凶の差が大きい傾向を示しております。昭和30年代で、これは13年間ほぼ5,000トン以上が連続して獲れておりまして、最高3万トンと非常に豊漁が続いた時代もあったということです。これを見ておわかりのように、2000年以降は、もう完全にこれまでの歴史とは違う漁獲の実態がある。少なくとも、くしの歯が抜けたような漁獲ということで、これ以降東部海域での立ち枯れへい死、漁場の縮小等々があった結果、このような状況になっているということでございます。基本的には、この2000年前後に何かがあった、明らかに前とは違うという認識が必要だと思います。
 これが佐賀県の許可の隻数ですけれども、一番多いときでもほぼ300隻ということで、当然のことながら、近年は基本的に少ないということです。
 これが湾奥部の底質環境ですけれども、ここでは泥分率で示しております。基本的には、佐賀県海域と筑後川の河口沖合で非常に泥分が高い海域がある。それ以外は比較的砂分が多い海域が広がっているのですけれども、この非常に狭い海域で、昔は、佐賀県の船だけでも250~300隻で、福岡県150~200隻で、300~400隻がここに固まって獲っていたわけです。ということは、基本的には卓越年級群があってもほぼ獲り尽くされる。そういう状況ということもあって、ヘルメットというのは効率が非常に大で、その結果として、豊凶の変動が大きいと言えようかと思います。
 これは、1980年代頃の漁場別の漁獲というか、資源量を示したものです。先ほど言いましたように、こちらは非常に泥分が多い海域でございますけれども、沖神瀬(漁場名)というところでも全く資源がなかったということはないということです。逆に、このアサイ(漁場名)とか、峰ノ洲(漁場名)、この辺は非常に砂分が多い海域なんですけれども、毎年立っているかというと、そうでもないわけです。そういったことで、タイラギというのは昔は泥分が多い海域でも常に漁場となっていたということも確認する必要があろうかと思います。そういうことで、基本的にはそんなに底質に左右されず満遍なく生息していた。
 もう1点、泥分に適していないという根拠の一つとして、卓越年級群しか存在しないというような意見がありましたけれども、実際にはそうではないです。これは1982年・1983年のタイラギの殻長組成ですけれども、これは実際にはもうちょっとこの辺は区切られると思います。こちらもです。3群以上の年級群がその当時はあった。要するに大きなものでは300ミリぐらいまでのタイラギが実際に生息していた。だから、こういった卓越年級群を獲って、次の部分は翌年と獲るとか、そういう順調な漁業生産であったということでございます。
 これは少し時代が下がりますけれども、80年代の後半です。これも全く一緒で、この年はこの年級群が非常に多かったんですけれども、少なくとも3つ以上の年級で構成されていたということでございます。
 次に底質の関係です。これは、この前、松山委員からもご紹介がありましたけれども、基本的には、生息密度は、中央粒径値が小さい、つまり底質が粗いほど多いということと、ILについても有機物量が少ないほど多いという結果でございます。確かにそうですけれども、私から言いますと、基本的に中央粒径値Mdφが7というのは、8ミクロンしかないのです。そういったところでも非常に分布が高いところも結構ある。有機物が非常に多いような、ILが10%以上あるようなところでも結構分布しているということがあります。これは少し後のデータですけれども、基本的にはそういう傾向にはあります。
 その次に、これは僕が調査しました1989年のメガロベントスの生息密度と底質環境との相関を示したものです。タイラギは確かにMdφについては5%水準で有意差があります。基本的には粒径が粗いほど生息は多いという結果ですけれども、逆に言うと、モミジガイとかグミ、サンショウウニなど、基本的に砂地にしか生息しないこういう種類よりも明らかに適応範囲が広いと言えると思います。スナヒトデは泥が多いところにも結構生息していますけれども、タイラギはこれ(スナヒトデ)よりも粗粒への傾きはもっと小さい。そういったことが言えようかと思います。
 最後に、ケンとか、ズベとか殻表による区分、そういったグループがどこに多かったのかということを示しています。平均の密度を示していますが、泥質、砂質、砂泥では、6個と8個、8個とそんなに変わらないということです。そういったことから、タイラギというのはむしろ広い範囲に適応できるような貝ではないかと私は思っております。
 そういったことで、これをまとめますと、まず、100年以上の漁業生産の歴史の中で、ヘルメット式潜水器の導入もあって、豊凶を繰り返してきましたけれども、2000年以降の大量斃死による漁業不振は極めて特異的な現象であるということを認識する必要があると思います。
 次に、2000年以前のタイラギについては、卓越年級群を含めて少なくとも3つ以上の年級群が存在して、そういったことが豊凶の中でも安定生産に寄与していたということも認識する必要があろうかと思います。
 タイラギについては、底質の粒径が粗いほど生息密度は高くなる傾向にはある。統計解析しますと、こういう傾向にはあります。ただ、その傾向というのはそんなに大きくないということで、むしろ砂質から泥質まで広く対応できるような貝であると思います。
 次に、一般論としてのタイラギ漁場の形成要因についてお話しします。基本的には、漁場が形成されるためには、大量の浮遊幼生が着底する必要があります。それが速やかに稚貝への変態をして、生き残っていく必要があります。それが健全な成長と生残をすることによって、翌年に漁場形成というか、資源として加入していくのですけれども、2000年以降というのは、立ち枯れへい死とか貧酸素といった部分があって、ここがうまくいっていないため漁場を形成されていないということでございます。
 まず、浮遊幼生ですけれども、年によって少し状況は変わりますけれども、基本的には7~8月がピークです。平成20年度に豊作漁になったときの前年の浮遊幼生はこれです。比較的多い水準にあったということです。これは、幼生がどうも負の走光性を持っているらしいということで、昼間は底層に多い。それが夜中になると全層に分布するといったことで、これも着底する機構の一つなのかなと思っています。
 これは、幼生の量と当該年度の貝柱の漁獲量との関係、親貝の量と幼生の量というのはどういう関係があるのかということを示したものです。要するに、親貝が多くても少なくても、密度的にはそんなに変わらないということです。これを統計的に見れば、親貝が少ないほど浮遊幼生量が多いというように見えますが、多分そういうことではなくて、そんなに変わらないということです。ただ、幼生が多ければ翌年の漁獲量は基本的には増えてくるということは、幼生がある一定数以上ないと次の漁獲にはつながっていかないということも言えます。幼生というのはそういう特徴があります。幼生が着底するときのサイズは大体500~800ミクロンぐらいですけれども、変態し、1日で1ミリ以上に成長し、入水孔と出水孔が形成されます。
 これは、着底するときに付着基質が本当に必要かどうかという実験です。これは結構有名な図ですけれども、干潟の泥だけの区、砂と泥を混合した区、これは海水区、こういったところに幼生を入れた結果どうなったかというと、着底と変態はどの区でもします。ただ、生き残ったのは砂泥区のみ、要は砂分が入っている区でしか生き残らないという結果でございます。ということは、着底するときには基質の選択性はないけれども、着底後の生残については基質が必要だと。それは、体を保持して呼吸をするために、そういった理由だろうと思っています。
 これは補足なんですけれども、昭和50年代後半に佐賀県有明水産試験場がタイラギの付着基質に関する研究をしています。こういう容器にこういう基質を入れて、稚貝がどのぐらい付いたのかという試験をしています。結果としては、砂とか、モジ網とか、カキ殻の細片とか結構色々な基質に付いています。ただ、基質がない場合には付いていないということです。
 次の年については、結果の良いものばかりでもう一回やったということで、このときはカキ殻細片というのが非常によい結果になっていました。要するに、そういう基質というのが、先ほど言いましたように、着底後、生残していくためには必要だという結果です。
 この結果を受けて、佐賀県は資源回復のため、覆砂事業に進みました。ただ、このカキ殻細片というのは非常に入手が困難ということもあって、貝殻まじりの砂粒でも良いということで、福岡県と共同でそういう覆砂事業を実施したという経緯でございます。
 以上のことをまとめますと、底質が泥でも、砂でも、着底して変態はします。ただ、基質がないと、自分の体を固定できずに、呼吸もしづらくて、死んでしまうということでございます。そういったことで基質の存在というのが非常に重要ということでございます。
 最後に、着底のサイズは殻長0.7~0.8ミリですけれども、それ以降の成長・生残はどうなるのかということです。殻長5ミリ以下では遺骸群が非常に多かったということで、要するに、着底・変態が成功して生き残ったとしても、5ミリくらいまでに非常に大きな減耗があるということです。そういったことで、この初期稚貝のステージを生き残って、後、順調に成育することによって初めて漁場として形成されるということでございます。
 次に、平成21年度に13年ぶりに豊漁になりましたけれども、その要因についてお話ししたいと思います。これは評価委員会の報告にもあるように、漁場は湾奥の広い範囲であったけれども、近年は大牟田沖にしか漁場が形成されない。漁場の縮小ということで、その原因は何かということで議論がされています。そういう中で、佐賀県のセンターでは毎年こういう調査定点でタイラギの状況を調査しています。
 これは、2011年以前、15年分のタイラギの稚貝の分布を示していますけれども、確かに湾奥東部でしか稚貝が発生していない。ただ、2008年に久々に西部海域にも立ったということでございます。それが1年後、2009年に順調に成育して、この海域で漁場が形成されたということでございます。
 最初にも見せましたけれども、この海域というのは90%と非常に泥分が高い海域でございます。泥分が94%の泥をふるった結果がこれなんですけれども、63ミクロン以上の砂分、貝殻成分というのは結構入っています。これがタイラギです。こういった感じで、海底表面にこういう貝殻部分があるということです。
 先ほどの漁場の縮小の一つの要因として、細粒化ということを言いましたが、こういった海域が細粒の方向に行っている。これが漁場が縮小した原因ではないかと言われています。私個人としては、細粒化してどうしてタイラギが減るのだろうかと昔から思っていました。そういう中で浮泥の堆積もひどくなったという声が実際にあります。そういったことで、当センターでは浮泥分については昔から調査してきていました。
 これが海底に塩ビパイプを3個1組で置いて、浮泥の絶対的な堆積について調べた結果です。7月中旬から8月上旬に入れておいた間に、1個は0.1ちょっと、もう1個は0.17ぐらい、もう1個は0.2、要は1日1平方センチ当たり0.1ミリぐらいの浮泥の堆積が必ずある。要は、こういった原地盤の上に浮泥がたまっている。でも、大潮になりますと、流速が速くなって、これは飛んでしまいます。そういったことで、この当時は、浮泥が堆積しても、大潮になれば再懸濁していくということです。
 その浮泥について、2007年に400点調査ということで目視で調査をしてみました。その結果はどういうことかというと、泥分が多い海域だからといって、必ずしも浮泥が堆積しているわけではないということがわかりました。
 それで今回、2008年分の稚貝分布と浮泥の量との関係、浮泥については九州農政局で調査をしていましたので、そのデータをいただいて、稚貝分布と浮泥の堆積部分を重ねてみました。そうすると、浮泥が堆積していないところに非常に稚貝が多い。次の2009年はどうかといいますと、ここがちょっと一部例外的ではありますけれども、これも概ねそういう傾向にあるということで、浮泥の堆積というのがタイラギ幼生の着底に関係しているのではないかということでございます。
 そういったことで、2008年~2010年の3カ年について、8月の3回分の浮泥のデータを平均し稚貝の密度との散布図を書いてみました。そうすると、非常に密度が高いところは基本的には浮泥厚が2ミリ以下であったということです。この辺がちょっと見にくいので、もうちょっと大きく見てみますと、基本的には平米1個以上あれば漁場として形成されますが、どうも浮泥厚が6ミリ以下でないと稚貝は立っていなかったということがわかりました。基本的には着底時期に浮泥が少なかったということもあって大量の幼生が着底した。翌年の夏については、北風が卓越して、貧酸素というのも非常に軽微だったということと、シャットネラについても非常に小規模、局所的であったといったことで、漁獲される直前の夏は非常に生息しやすい環境であったということが言えます。
 全体をまとめますと、2008年夏には、この数年の中では多くの浮遊幼生が発生しており、それが結果として西部海域に大量に着底したということです。多分これは風の影響もあったのかなと思っています。その時期にはたまたま海底表面の浮泥が少なくて、基質が海底表面に表れていたことで、変態がうまくいって順調に成育することができた。さらに、翌年の夏については、貧酸素等も軽微で生息しやすい環境にあったということが13年ぶりの豊漁につながったものと思っています。
 なお、東部海域で発生します立ち枯れについては、現在のところ西部海域ではまだ認められていません。
 最後に、底質の細粒化についてお話をしたいと思います。佐賀県有明水産振興センターは、底泥については表面から5センチの深さまでを分析に供しています。それが、潮流が弱くなったりして浮泥が堆積傾向となり、圧密で浮泥部分が原地盤と一緒になった場合については、浮泥分を含んだここからここまでの5センチを分析します。そうしますと、中央粒径値は細かいほうに向かうというのは当然の話です。そういったことで、細粒化というのは、私は浮泥がたまった結果がそのように見えていると思っています。
 最後に、2008年の成貝の分布と、佐賀県がやっています海底耕耘の実施海域を重ねています。たまたま海底耕耘をやった海域にタイラギが発生していることがわかります。これは漁業者がよく言うんですけれども、「台風が来ないとタイラギは発生しない」と。それはどうしてかというと、強風で底泥が攪拌されることにより付着基質が海底の表面に表れることなんだろうと思います。この海底耕耘は、そういった台風の一つの役割も担った可能性があると考えています。
 最後の最後ですけれども、湾奥東部海域の立ち枯れへい死の状況ということでまとめてみました。実際、この当時のことを知っている人が今非常に少なくなってきているのですけれども、この表は、2000年、2001年は要するに6月から8月までに中範囲でほぼ全滅したことを示しています。これについては1~2カ月以内にほぼ全滅したということを書いていますけれども、この辺の立ち枯れへい死というのは、急性毒みたいな感じで一気に死んでいたんです。だから、餌不足とかということも当然この辺ではあるかもしれませんけれども、それだけでは急激に死ぬことはあり得ないと思います。
 一昨年、漁獲サイズだった1歳貝が、漁獲中もずっとだらだら死んでいった。そのときにはほぼ同じ海域にいた当歳は全然死んでいなかったのです。それが、6月になって一気に死んでしまいました。これは1~2カ月と書いていますけれども、大牟田沖といっても、この分布群というのは幾つもあるわけです。だから、ある分布群というのはほぼ1週間で死んでしまう。その範囲が広がって、全体として見ると、6月に発生して8月に終わり、3カ月もかかったように見えますけれども、実際はそうではなくて、劇的に死ぬということもあるかと思えば、このようにだらだらだらだら死んでしまうこともあるということで、年齢も当歳から1歳、ばらばらです。時期も、冬から死に始めるときもあるし、産卵期の前に死ぬこともあるし、秋に死ぬこともあります。死に方もさまざまです。
 ということで、これを一くくりにして議論することは、私としてはどうなのかなと。だから、こういうことをわかった上で、立ち枯れへい死について検討していきましょうということが必要ではないかなと思っています。
 以上でございます。

○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございました。過去の漁場形成、漁業の形態、タイラギの特性、それと豊漁だった近年の2008年級群の着底状況、最後には立ち枯れ斃死の状況についても2000年以降について取りまとめていただきました。どうもありがとうございました。
 本日こうやってお話しいただいたのは、二枚貝類の現状や問題点を考えていくにあたって、長い間その現場に立たれて、現場を見ながらデータ整理をされているものをみんなの共通認識として周知しながら検討していかないと、なかなか前に進まないのではないか思ったからです。本日は本当にどうもありがとうございました。
 何かご質問、ご意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。山本さん。

○山本委員 もしかしたら前にもお話ししたかもしれないのですが、44ページの下の図の海底耕耘されたエリアと2008年の発生分を比較されているのですが、この海底耕耘が行われたのは2008年だけではないですよね。2007年まで。

○古賀委員 はい。ここに書いていますように、2001年から2007年までこういった海域で実施したということです。

○山本委員 32ページの上の図を見ると、稚貝の分布としては、その海域に稚貝が立っているのは2008年だけですけれども、むしろ幼生の浮遊状況というか、浮遊ルートの問題で、2008年だけここに着底したということはないんでしょうか。

○古賀委員 幼生の浮遊期間というのが20日から1カ月ぐらいあります。基本的には、垂直移動はしますけれども、自分で泳ぎ回ることはできない。最後は、海底が泥であろうが、砂場であろうが、着底してしまう。そのときにうまい具合に基質があれば生き残る。そのときに、幼生もある程度パッチをつくっていますので、そういった部分がどこに落ちるかというのはわからない。だから、20日から1カ月間の浮遊期間で多分探しているのだろうと思いますけれども、どこに落ちるのかがわからない。だから、そういう条件をつくってやるということが必要なんだろうと思っています。いつ着底しても残る可能性があるような条件を整備していくということも必要なんだろうと思っています。答えになっていないかもしれませんけれども。

○山本委員 いいえ、わかります。できるだけ多くのエリアで着底しても生き残れるような状況にしておくということですね。

○古賀委員 そうですね。基本的には、砂分が多いところについてはそういうことをする必要はないと思うんですけれども、泥質で浮泥が多いような海域についてはそういったことが必要なんだろうと思います。

○本城委員 本城でございます。後ろから3番目か4番目ぐらいのところに「底質の細粒化とは」という図があって、ここで印象的な話をなさったわけですけれども、昔、水産資源保護協会の原武史さんたちが研究されたのとよく似た図がここに出てきています。浮泥がこうしてたまる、そういう場所になってくると、タイラギがすみにくくなると。このようなたまり方をするのは、たしか数字は確実ではないかもしれませんが、20cm/sec、このくらいのところから浮泥がたまってくるのだといったデータを出されております。僕はこの小委員会でその水産資源保護協会のデータもここに加えて、そしてまた整理していただければありがたいと思っておりますが、よろしくお願いしたいと思います。

○速水委員 3点あるのですけれども、1つ目が、先ほどの山本先生の質問に関連するのですけれども、浮遊幼生の発生量が効いているのか、それとも着底初期の稚貝のへい死率が効いているのか、それを判断できるような調査データというのはお持ちですか。

○古賀委員 その分については、持っていません。でも、基本的にはタイラギは、産卵数が1億個もあります。基本的には数で勝負する貝です。だから、幼生から着底するときに、ものすごく死んでいると思いますし、着底しても、5ミリサイズぐらいまでにものすごく死んでいると思います。だから、そういうリスクを踏まえて数で勝負する、1億個も卵を産む、そういった生態ではないのかなと思います。

○速水委員 わかりました。

○古賀委員 だから、そのデータはなかなか難しいんですけれども。

○速水委員 2つ目ですけれども、立ち枯れへい死の機構に2つあるようだというお話でしたけれども、このうち急性毒のようなへい死と形容された2001年のようなパターンについては、これは水研で研究された硫化水素の影響との関連についてはどうお考えですか。

○古賀委員 基本的には、この場所は大牟田沖です。死んだ時期は6月ですから、もともと貧酸素の発生が少ない海域ということもありますし、そういったことからすると、硫化水素が発生して立ち枯れへい死が生じたというのは考えづらいなと個人的には思っています。

○速水委員 わかりました。
 3つ目ですけれども、浮泥の分布については、これは時間的にどのくらい継続するものなんですか。割と浮泥の分布というのは短時間の間に変化しているような印象も私にはあるんですけれども。

○古賀委員 確かに、浮泥のデータを見てみますと、ものすごく変化が大きいです。年によっても違いますけれども、先ほどお見せしました、例えばこれはこの辺に浮泥がたまっているというデータなんですけれども、これは1カ月すると全然違います。要は、これは8月のデータです。基本的には、着底が中心となる8月のデータと一緒に示していますけれども、そういった軽い部分の浮泥と、ずっと年月がたって圧密で原地盤と一緒になった浮泥とはまた違うんです。だから、こういう動きやすい浮泥というのは、非常に変化が激しいと思います。

○速水委員 そういう意味では、単に浮泥が堆積しているかどうかということではなくて、浮遊幼生が着底している時期に浮泥がどういう分布をしているのかという、そのタイミングが問題だという理解でよろしいですか。

○古賀委員 浮泥の状況がそういうことということであれば、そういうことも非常に言えるかもわかりませんね。

○速水委員 ありがとうございました。

○有瀧小委員会委員長 ほかにはございませんか。松山委員。

○松山委員 前回第2回の委員会で私が取りまとめた結果を発表させていただいたのですけれども、取りまとめ時間もない中で、えいやでまとめたところもたくさんあって、いろいろなミッシングリンクがあったと思っています。今回の発表でそういう空白の部分をいろいろと新しいデータで埋めていただいたということで、まずお礼を申し上げたいと思います。
 その上で、底質との関係に関して委員から細かな指摘があったと思うんですけれども、私自身も前回の取りまとめで、得られた既存のデータの中では負の相関があるといった発表をしました。基本的に底質の細粒化がダイレクトにタイラギの生息密度を決定付けているとは、私も思っておりません。恐らく底質が細粒化するような周辺環境、当然上層の濁りとか、有機物の負荷とか、流速とか、そうした水質環境がここの底質の数値に履歴として反映してきて、結果的にその数値が悪くなるような水質環境というのは、当然タイラギを減少させているのではないかと理解しております。
 ただ、基本的なタイラギの生活史を考えた場合に、今日も古賀委員からご指摘があったように、着底時及びそれから目視が始まるような初期の段階で、ものすごい減耗が起きているわけです。それは今、表層の薄い堆積物の中の有機物の挙動と関係があるとおっしゃったと思うんですけれども、まさにそこで初期の稚貝というのは大きな影響を受けていると思うんです。ですので、着底した稚貝の生残率とこのごく表層の底質のデータを突き合わせると、もっとクリアにいろいろなものが見えてくるのではないかなという気はしておりますけれども、残念ながら豊漁だった70年代・80年代のデータというのを今から収集するのは非常に難しいというところで、その部分が長期の解析にはちょっと使えないかなというところで、寂しいところではありますけれども、今後とも調査をしていく必要があるのではないかなと私自身は思っております。
 それと、今回、西部漁場でのところが話の前半に非常に多かったと思うんですけれども、東部漁場の立ち枯れへい死に関してはまだ我々の委員会でも整理し切れていないと思っておりますので、今日の最後のところというのは、ちょっと現段階では原因までは踏み込めないかなという気はしております。
 ただ、長期的に見たときに、西部漁場が漁場として機能しなくなっているというところは、どうしても長期的な資源の凋落傾向を考えたときには指摘せざるを得ないので、そういうところの観点からすれば、西部漁場は、海底耕耘の効果はありましたけれども、漁場としてはかなりきつい海域であるということは、私としては指摘せざるを得ないのではないか。もちろん、そういった中でも、ある程度稚貝期を乗り越えてしまえば、そこから先はかなり生残を残すということも、2008年級群で経験がありますので、そうした関係をどうやって誘導していくことができるかというところにもう少し我々は知恵を絞らなければいけないと感じております。
 ですので、いずれにしても、初期の着底から目視に至るまでのところのタイラギの挙動というところと環境要因との関係をうまく我々が評価していく必要があると、私は今日の発表を聞いても再び感じました。

○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございました。
 ちょっと時間も過ぎてきましたので、これで終わりにしたいのですが、今日のお話を聞いて、2000年以降の不漁というものが劇的に起こっているわけで、その部分については、我々の共通認識として、詰めていかなければいけないということ。それから、浮泥というお話が今日あったんですけれども、浮泥とは一体何なんだという点で、このところは我々だけではなくて、海域再生の小委員会のほうにも問題を投げかけながら、浮泥とか細粒化というものの定義付けをやっていかなければいけないなと思いました。
 それと、最後にお話があったんですが、立ち枯れへい死、これは我々の委員会の中で、今日の古賀委員のお話のように、さまざまな現象をまとめて立ち枯れへい死と称しているということは共通認識として固まりました。しかし、その中から仮説を立てて、絞り込み一個一個つぶしていくということを委員会としてやっていきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは続きまして(2)になります。これまでの検討状況の整理、とりまとめについてということで、事務局のほうで資料を用意していただいていますので、事務局、説明をよろしくお願いいたします。

○阿部室長補佐 それでは、準備した資料といたしましては、資料3-1、資料3-2、資料3-3でございます。それで、位置付けといたしましては、資料3-1、こちらは整理分析方針ということで、第2回のときにも出させていただいた資料がさらにバージョンアップされたものになっております。資料3-2、3-3というものにつきましては、実はこの第3回までの検討の結果を親委員会のほうに経過報告をしたいと思っておりまして、その案として、たたき台として事務局で考えたものでございます。
 まず資料3-1です。今まで議論された内容、また問題点、今後やるべきことを、この委員会の委員間で共有したいと言うことで整理させていただいております。一つ一つ貝ごとに見ていったほうがいいのかなと思いますので、まずタイラギについてご説明します。
 タイラギですけれども、先ほどの議論にもありましたとおり、非常に資源量の変動が大きくて、また卓越年級群の発生というのが寄与している。ただ、年々その振幅は小さくなって、周期も長くなってきているということですけれども、卓越年級群については引き続き発生はあり得ると考えられているということです。
 また、タイラギを生息条件等から、海域別にある程度3つに分けて検討しましたということで、3つの海域ごとの検討を述べます。
 [1]、干潟域につきましては、成長も生残もよい。あと、母貝群として重要であると推察されます。減少要因としては、当然岸に近いということがありますので、淡水流入などの影響を受けやすいと考えております。
 [2]、有明海西部につきましては、平成18年の委員会報告の提言で、底質の泥化、細粒化について指摘がなされています。ただ、この報告を受けて以降、これまでいろいろなところで調査している結果から見ると、細粒化が、例えば広がっているとか、ひどくなっているとか、そのような状況は確認されていないということです。ただ、貧酸素水塊の発生が生残率に大きく影響しているということを確認しました。
 なお、細粒化については、先ほどの古賀委員からの話にもありましたとおり、稚貝の着底とか着底後の生残を阻害する要因であると考えられるということであります。
 [3]、有明海東部海域につきましては、貧酸素水塊はほとんど発生しないだろうと。冬から夏にかけての餌料環境の悪化や、第2回のときに松山委員から話があったとおり、濁りが悪いのではないか、それが摂餌障害を起こして、生残率低下に影響を与えていると考えられるのではないかということで、今後明らかにしていく必要があるということでございます。
 以上のほか、ウイルスの感染、寄生虫、底質中の硫化水素などの影響も一要因の可能性はありますけれども、今の[1]~[3]ほどは重要性が高くないと判断するということでございます。また、シャットネラ属プランクトンについては、斃死の直接要因ではないということも今回確認しております。
 [5]です。タイラギの干潟域での生息状況、幼生期・着底初期(供給源・浮遊ルート、発生量・飼料など)、また生理特性(摂餌条件、環境耐性、特に着底直後の生残と浮泥の動態など)の情報がまだまだ不足している。また適応生息環境についても、情報もまだまだ足りないということで、共通認識を持ちたいと整理しております。
 (2)今後の整理分析方針。今後やるべきことです。上記(1)を踏まえまて、次のとおり整理するということです。
 [1]、干潟域など、想定される母貝集団については、分布状況や環境要因に対するリスクの度合い、沖合漁場等の資源への加入寄与度を整理して、特に重要な生息場所を特定しないといけないであろう。また、その場所においてタイラギ生物量を維持していくための具体的な方策についても整理・分析していかないといけないということです。
 また、モデル海域を定めた上で、干潟域などにおいてタイラギ母貝集団の分布状況や再生産寄与度を明らかにする、また環境リスクの評価を行うということもやっていかないといけないであろう。この括弧で「(水産庁・環境省・関係県)」と書いてありますけれども、あくまでもこの小委員会の検討において想定し得る関係先ということで書かせていただいておりまして、特定してここがやるという意味ではありません。
 次ですけれども、天然稚貝の移植等により積極的な母貝資源の保護・維持の手法を検討する必要がある。
 [2]、有明海西部については、貧酸素水塊の発生による影響を受ける。それを前提とした対策が絶対必要になってくるでしょうと。ただし、平成21年のように貧酸素水塊の影響を受けずに、好漁場が形成される可能性も想定されるので、そのような状況が生じたときの対応についても整理・分析しておく必要があるでしょうと。
 また、貧酸素水塊のモニタリングを高度化したり、発生機構、長・短期動態予測の技術開発、広報システムの構築などもやっていく必要があるであろう。
 着底稚貝や成貝の詳細なモニタリングを実施するとともに上記情報に基づいた資源管理手法並びに対応マニュアルを作成していく必要もあるでしょう。
 また、発生資源(特に稚貝)は貧酸素の被害軽減及び積極的な母貝集団造成・維持の観点から干潟への移植や養殖種苗への利活用を検討していく必要もあるでしょう。
 貧酸素水塊対策の数値目標として、タイラギにおける環境閾値(サイズ別や水温別の貧酸素耐性:濃度、期間等)を明らかにしていく必要があるだろう。
 次に、有明海東部については、現時点で潜水器漁業がタイラギをとる最も主要な漁業ですけれども、こちらの漁業者にとって今考えられる最も有望な漁場であることを前提に、生残率の減少(立ち枯れ斃死)を食い止めるための対策、幼生の着底を促進させるための対策等タイラギの生物量を増大・維持させる方策について今後も整理・分析していく必要があるでしょう。
 立ち枯れへい死の原因究明について、優先事項とそれらの順位を明示した上で、その発生機構を明らかにする。上記については特に発生年、被発生年のデータをきちんと精査していきましょうということです。
 [4]ですけれども、上記(1)[5]について、具体的な調査手法・調査体制を検討していく必要があるでしょう。対象海域の母貝集団の探索、リクルートの解明を最重要課題に位置づける。
 具体的には、既存の浮遊幼生、着底地貝モニタリング並びに幼生の日周鉛直移動のデータも整理していきましょうということです。
 以上の情報をもとに、産卵、移動分散、着底等リクルートの動態並びに母貝集団を推定できるシミュレーションモデルを開発していく必要があります。
 広域の幼生調査を実施し、モデルの整合性を確認するとともに環境条件と着底・生残の関係を検討していく必要があります。
 以上の[1]~[3]の方策の整理・分析に当たっては、効果の発現性のみならず、実施方法の難易度、実施による環境変化への影響なども十分考慮した上で整理・分析内容を詰めていく必要があります。
 また、底質の細粒化の問題や浮泥の挙動に影響を及ぼす潮流の現況については情報提供を海域再生対策検討作業小委員会に求めていく必要があるということでございます。
 以上です。

○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございます。
 まずはタイラギについて、何かご意見、ご質問等ありましたら、よろしくお願いします。
 これについては、前回投げていただいた後、この小委員会のメンバーの中でもんで、中身については検討済みということで私は認識しているのですけれども、よろしいでしょうか。どうぞ。

○速水委員 1点だけ。今日の古賀さんの発表にもありましたように、(1)の最初の段落の部分に、「ただし、2000年以降の漁業不振は極めて特異的な現象である」という認識は書き込んだほうがいいように思います。

○有瀧小委員会委員長 確かにそういうところはあるので、事務局は追加記述をよろしくお願いします。

○阿部室長補佐 はい、了解いたしました。

○有瀧小委員会委員長 それでは続きまして、サルボウについて、よろしくお願いいたします。

○阿部室長補佐 まずタイラギのところで言いますと、あくまでもこれは、この小委員会の中で必要なこと、今まで確認したこと、今後やっておくべきことというのを羅列しているわけです。それで、例えば環境省はこれをやるべきだみたいに書かれているわけですけれども、いろいろな課題をやっていなくてはいけないというのもありますし、多分この項目ごとの優先度合いとかもあると思うんです。だから、そこら辺も含めて今後ある程度議論してもらわないと、もしこれが環境省の立場で、これだけやれと言っているではないかと小委員会は言っていますと言われても、なかなか適応できないので、そういう意味では、項目としてやるべきことはこういうことがあるということは委員会の中で確認させていただいたと。ただ、今後の対応については、このようなものを踏まえて、さらに小委員会のほうで絞り込みをしていただいて、特にこういう順番でやるべきだとか、これは絶対やるべきだとか、何かそのようなものを例えば行政部局のほうに提示できるような形に今後ブラッシュアップしていただければと思います。次、サルボウの説明をさせていただきます。
 これまでの結果についてですが、サルボウは、泥質環境への適応能力が高い、また干潟域において環境浄化能力を担っているという意味でも、主要な生物です。タイラギ、アサリ等で漁獲量が低迷しているのに比べれば、まだまだ漁獲量もある程度確保できているという意味では、貴重な水産有用種である。
 サルボウについて、主要な生息海域別の検討結果については以下のとおりということです。
 [1]、有明海西部海域です。こちらは、サルボウが好む泥質海域で、成長・生残も良好で、高密度の生息域となっている。減少要因としては、貧酸素です。また、陸域からの淡水流入の影響を受けやすいこと等が複合的に作用して、夏季に大量斃死が発生しています。また、冬季の低水温によるろ水活動の低下とか、餌料発生量の減少による肥満度低下が資源変動に少なからず影響を及ぼしているだろうというまとめでございます。
 有明海東部海域です。こちらについては、西部海域ほど環境も悪くないし、平成23年に大量斃死が発生したことを除けば、安定した漁場で、資源量も維持しているということです。
 [3]、有明海西部や東部では、平成23年度の秋季に、鰓の壊死を主症状とする、これまでの報告にない大量斃死現象が観察されて、一次的に資源が激減しました。この原因として、冬季の低水温によるろ水活動の低下、冬季から夏季にかけての著しい餌不足、夏季の貧酸素・低塩分ストレス、秋口の餌料不足といったものが一連のプロセスで発生したことが大量の斃死につながったのではないかということで確認しました。
 以上のほか、ナルトビエイによる食害も生残率の低下に寄与しているものの、現状として[1]~[3]の重要性が高いと判断しておりますということです。なお、シャットネラ属のプランクトンは斃死の直接要因ではないということを確認しました。
 情報が不足している部分として、秋季に発生する大量斃死、産卵期前後の餌料環境変動要因を解明する必要があります。また、漁場におけるナルトビエイなどの捕食に関する影響の情報というのはまだまだ不足しているので、確認していく必要があるということです。また、資源状態の把握に不可欠なリクルートの部分の情報が他の二枚貝と同様に不足しておりますということです。
 今後の整理分析方針ですけれども、[1]、有明海西部海域については、貧酸素水塊の発生や夏季の低塩分化による影響を受けることを前提とした対策について整理・分析する。生息場所別に分布状況や環境要因のリスクの度合いを整理して、特に重要な生息場所を特定し、当該場所において生物量を維持していくための具体的な方策(貧酸素・低塩分化発生前の一時避難策など)について整理・分析していきましょうということです。
 死亡状況を調査し、衰弱・死亡を示すサルボウの指標を把握するとともにリスクレベルを設定していく必要があるということでございます。
 サルボウにおける環境リスク要因と死亡等について室内実験により詳細なデータも収集していく必要があるだろうということでございます。
 漁場環境のリスクを数値化し、漁場のゾーニング並びにリスクマップを作成していくこともいいでしょうということです。
 上記に沿った管理手法及び対応マニュアルも作成していく必要があるでしょうということです。
 [2]、次は東部海域です。継続的に発生する大量死亡は認められない。しかし、平成23年度の突然の大量斃死というものがあるので、引き続きモニタリングをしていく必要がある。
 [3]、平成23年度秋季に発生した鰓の壊死を主症状とした大量斃死について、再発防止のため、因果関係の解明、成熟期前後の餌料環境改善対策、夏季の低塩分化等についてもう少し整理・分析していく必要があるでしょうということです。
 餌料環境、特に春季及び秋季のブルームの動態とサルボウの状態(肥満度、産卵等)と死亡状況について過去のデータを精査するとともに継続的なモニタリングを行う必要があるだろうということ。
 上記(1)[5]について、具体的な調査方法・調査体制を整理するということです。
 ナルトビエイの捕食の影響については、これまで実施してきた生態調査や駆除の効果等についてきちんと評価していく。
 秋季の大量斃死及び餌料環境変動については上記[3]を参照してください。
 リクルートの解明については1.(2)[4]を参照すること。
 以上[1]~[3]の方策の整理・分析に当たっては、方策の実施による効果の発現性のみならず、実施方法の難易度、実施がもたらす環境変化等の影響なども整理・分析内容には加える必要がある。
 また、これらに関して、情報の提供を海域再生対策検討作業小委員会のほうに求めていこうということでございます。
 以上です。

○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございます。
 サルボウについては、何かございませんか。中身については、関係県の方々がもうかなり着手したり、それから準備されたりしていることも含めているので、これはかなり具体的な例としては、進むべき道が示されている例だと思うんですが、よろしいでしょうか。どうぞ。

○梅﨑委員 先ほどのタイラギの説明と関連するのですが、2009年は貧酸素が少なくて成長がよかったということですけれども、とすれば、サルボウにとっても好適な状況であったということで、例えば、今の減少原因を軸に、タイラギとサルボウとの西部海域における整理はこれからだと思いますけれども、今の状況でどのように思われているのかと思いまして。つまり、貧酸素が影響したから減っているのだけれども、2008年は貧酸素が少なかったからタイラギもサルボウもよかったという状況なのか、ちょっと教えていただきたいのですけれども。

○有瀧小委員会委員長 現況として、2008年・2009年のサルボウ漁場に関する漁獲状況ということですか。何かございますか。

○古賀委員 基本的にはそのように考えてもいいと思いますけれども、一番違うのが、再生産のレベルが違うんです。サルボウというのは、むちゃくちゃ浮遊幼生も多いし、どういう海況にあっても付着稚貝もむちゃくちゃ大きいんです。だから、それが貧酸素になって死ぬことも当然ありますけれども、全滅するということはないんです。だから、タイラギとサルボウは、全体からすると貧酸素というのはものすごく効いているんですけれども、サルボウについては、貧酸素で全滅するということはほぼありません。基本的には、それだけ資源量が多いというか、再生産量というのは半端ではないですね、今のところ。でも、貧酸素とか低水温、餌不足、いろいろな部分があって、前のように、平成10年以前のように1万トンが継続してとれるような状況にはなっていない。非常に不安定な状況であると考えていいと思います。

○有瀧小委員会委員長 よろしいですか。
 それでは、次にアサリについて、よろしくお願いします。

○阿部室長補佐 続きまして、アサリです。
 アサリは、有明海において最も生産量の多い二枚貝の一つです。これまで卓越年級群の発生により資源が維持されていたが、昭和50年代後半から資源量が激減。熊本県の調査によれば、浮遊幼生は、年によって発生量、発生パターンが大きく変動していることが確認されています。
 アサリも、生息環境等から3つの海域区分に分けて検討したということです。
 [1]、有明海中部海域、これは熊本県海域ということです。底質が安定し、アサリの主要漁場として評価されてきた。資源量は平成10年前後に最低値を記録したけれども、平成15から19年にかけて漁獲調整・覆砂等の努力により回復基調となり、9,000トンを超える漁獲が見られた。しかし、その後急激に資源量が低下していることを確認した。資源状態の悪化に先立ち、秋季の幼生発生量の低下が確認された。また、餌料環境の悪化に起因すると推定される肥満度低下と、幼生発生量の減少(特に秋季発生群)が、資源量変動に大きく影響している可能性が示唆された。加えて、今年度7月に発生した九州北部豪雨による広範囲の泥の堆積が大きな被害を及ぼした。
 [2]、有明海西部海域。これは長崎県です。諫早湾周辺ということです。こちらについては、泥質干潟に覆砂を行って、秋季に殻長20ミリ以上のアサリを移植する。また、地先で発生する稚貝も使って養殖しているというスタイルです。過去には数度シャットネラ赤潮に起因する著しい貧酸素水塊によって大量斃死が起きました。最近は、秋から春にかけての餌料環境の悪化に起因すると推定される身入りや成長の不良により生産が低調に推移している。
 [3]、有明海東部海域。こちらについては福岡沖ということです。有明海中部と同様に、平成15年から19年にかけては資源が一時的に増大。また、この時期は覆砂域で高密度に稚貝が着底したことから、安定した底質による着底基盤の形成がアサリ資源の増加に寄与したということを確認しました。これは、有明海西部海域と共通した現象です。また、有明海中部と同様、九州北部豪雨による影響が確認されています。
 [4]、3海域の全てでホトトギスガイの発生が確認され、本種がアサリ漁場で物理的な閉塞、底質の悪化を引き起こして、アサリ資源量を低下させていることを確認しました。また、ナルトビエイの食害は特に有明海中部で依然大きな影響を与えています。
 [5]、平成18年の委員会報告で提言された「細粒化とアサリ資源の低下」については、委員会報告が出されて以降、主要漁場で漁業者等の努力により一定の底質が保たれており、細粒化が進行している状況にはなく、平成21年度以降の著しい資源量低下を引き起こしている主要因とは判断できなかった。また、有明海西部を除いては、貧酸素水塊の発生による影響は認められていない。
 以上のことから、現状としては[1]、[2]、[4]の重要性が高いと判断した。なお、シャットネラ属プランクトンやマンガンなどは、アサリ資源減少の直接要因でないということはこの前確認しました。
 幼生期・着底初期の情報、肥満度に影響する餌料環境の情報が不足していることを確認しました。
 今後の整理分析方針ということです。
 [1]、現状におけるアサリ資源の最大の不安定要因は、浮遊幼生発生量の変動である。このため、浮遊幼生の有明海全体における発生量や移流機構について解明を進め、アサリ漁場への加入寄与度の高い海域=母貝団地を特定し、該当する場所において積極的な保護・増殖対策や環境維持・底質改善対策などを整理・分析する。
 [2]、有明海中部については、[1]の候補地であると推察されることから、生息場所別に寄与状況を整理・分析した上で、母貝集団としての役割を評価する。また、それらの分布状況や環境要因のリスクの度合いを整理して、特に重要な区域を特定するとともに、当該場所のアサリ生物量を維持していくための具体的な方策(捕食や競合生物による閉塞被害対策など)について整理・分析する。
 母貝団地の解明については1.(2)[4]を参照。
 母貝団地の現状評価と維持・増殖を検討し、優先順位をつけ、維持・増殖対策を整理・検討する。
 なお、ナルトビエイによる食害軽減を重要な対策事項として位置づけ、現状調査・対策を評価、継続する。
 [3]、資源の回復・安定化には、アサリの成熟促進を図ることが喫緊の課題であることから、肥満度低下の主因であると推察される成熟期前後の餌料環境の変動要因やそれらの改善策を検討する必要がある。また、突発的な生育環境の悪化を引き起こすホトトギス貝などの対策について整理・分析する。
 餌料環境については2.(2)[3]を参照。
 ホトトギス貝については、漁業者及び行政による積極的な漁場管理並びに保全・整備を実施するとともに、甲殻類等捕食生物による発生抑制手法の開発を検討する。
 [4]、上記(1)[7]について、具体的な調査方法・調査体制を整備する。
 リクルートの解明については前述1.(2)[4]を参照。
 [5]、アサリ生息域では生産基盤の整備が進んでいるが、今後、当該基盤の経年的な機能劣化により資源量変動に影響を及ぼす可能性がないか整理・分析する。
 覆砂等漁場整備を相対的に評価し、それに基づいた維持整備を検討する。
 以上[1]~[5]の方策の整理・分析に当たっては、方策の実施による効果の発現性のみならず、実施方法の難易度、実施による環境変化等の影響なども整理・分析内容に加えることとする。
 また、河川からの砂の供給状況の変化とアサリ資源量との関係の有無を検討するために必要となる河川からの砂の供給状況の変化に係る情報の提供を海域再生対策検討作業小委員会に対して求めることとする。
 以上です。

○有瀧小委員会委員長 ありがとうございます。
 何かご意見、ご質問等ございませんか。
 よろしいですか。
 それでは、すみません、急ぎますが、4について、その他はまとめて、よろしくお願いいたします。

○阿部室長補佐 その他、有用二枚貝類です。その他の貝類として、ハマグリ、アゲマキ、カキ、クマサルボウ、ウミタケ等ということで挙げています。
 まず、ハマグリです。これまでの情報収集結果から、個別検討を行うだけの情報量が不足してしいると判断した。有明海のハマグリは、国内でわずかに残された大きな個体群の一つとして貴重な資源であるとともに、漁獲量の過去10年程度の統計データを見ても、平成6年の583トンから18年には106トンにまで減少しており、資源水準は低迷を続けている。このようなことから資源回復が求められている。ハマグリは河口域及びその近傍干潟で生息することから、アサリと餌料環境等の共通性があり、アサリの餌料対策の効果がハマグリにも影響を及ぼす可能性があることを考慮し、当面の個別事項としての取り扱いは見送る。
 アゲマキ。これまでの情報収集結果から、今回、個別検討を行うだけの情報量が不足していると判断した。有明海のアゲマキは、国内で個体群として生息が確認できる唯一の資源とされており、種の保存の意味においても非常に貴重であるが、現状では、昭和55年代後半以降はほとんど漁獲がなく、早期の資源回復が期待されている。佐賀県において種苗生産の技術がほぼ確立されており、同種苗の放流試験がなされることで多くの情報が得られつつあり、今後、十分な情報が得られた段階で個別検討することとする。
 カキ。有明海には、マガキ、シカメガキ、スミノエガキの3種が固有種として生息して湾奥干潟等に広大なカキ礁を形成する。他の有用二枚貝類のような資源量の減少が認められないこと、また、現在、同カキ礁の優れた懸濁物除去能力による底層への有機物負荷量の軽減等の環境改善効果について調査が進められていることを考慮し、水産物としての有用二枚貝類ではあるものの、今回の対象とせず、赤潮、貧酸素水塊を対象とする際に取り上げることとする。
 [4]、クマサルボウ、ウミタケ等。有明海・八代海等を代表するその他の貝類についても、多様で豊穣な有明海・八代海の象徴として位置づけ、その実態を精査するとともに回復に向けて取り組まなければならない。この項目に関しては海域再生対策検討作業小委員会に検討を委ね、その結果をもって当委員会で再度水産資源としての再生像を取り上げることとする。
 (2)有明海の有用二枚貝類に係る整理分析方針の重点事項。
 上記のとおりタイラギ、サルボウ、アサリを主対象として現況を取りまとめ、再生に向けて課題を整理分析してきた。その中で、貧酸素水塊、餌料環境、リクルート(母貝集団)が共通項として列記され、重点的に取り組まなければならない事項として認知した。
 [1]貧酸素水塊。
 有明海西部における貧酸素水塊発生の問題については、タイラギ、サルボウ、アサリなどの有用二枚貝類の減少に共通した最優先課題であるとともに、魚類等の幼仔などの生残率を左右する有明海の生物資源悪化の主要因である。このため、今回の整理・分析の中では取り扱わず、有明海有用二枚貝類の検討終了後、本小委員会の優先検討項目とする。
 [2]餌料環境。
 二枚貝全体において肥満度の低下、再生産の不調等が共通して生じており、その要因の一つとして餌料環境の変化=基礎生産の低下が挙げられた。この事項は、夏場の赤潮や冬場の赤潮の発生とも大きく関係するため、今回の整理・分析の中では取り扱わず、有用二枚貝類の検討終了後、本小委員会の優先検討項目とする。なお、今後有明海・八代海における基礎生産の状況を評価・解析する際には、海域全体の栄養塩の収支及びノリ養殖の現況についての整理・検討は欠かせない事項であると位置づける。
 [3]リクルート(母貝集団)。
 二枚貝類の資源を再生するときに、その供給源の検索や保護・増殖並びに資源への加入過程や環境要因との関係把握は不可欠である。しかし、主要な対象種においても不明な点が多く、今回の整理・分析の過程で極めて重要な課題として浮かび上がった。この項目は早急に取りかかるべきものとして、関係省庁と連携し調査研究を実施できるように検討する。
 [4]卓越年級群発生時の対応。
 資源を回復させていくためには、卓越年級群の発生を有効に利用することが効果的であるが、事前に予測することはできない。
 有明海中部・有明海東部海域のアサリについては、アサリ資源の回復とアサリ漁業の経営安定を両立させるため、良好な稚貝着底等卓越年級群発生を確認した際には、同資源を長期的・計画的に利用するため量的資源管理措置の導入の効果について検討する。
 他方、有明海西部海域のタイラギについては、現状では、夏季の貧酸素水塊発生による生残率低下が避けられない状況にあることから、良好な稚貝着底等卓越年級群発生を確認した際の母貝生息域への移植、干潟域への避難、養殖用種苗への利用等についても検討する。
 以上です。

○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございました。
 何かご意見、ご質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。

○岡田委員長 ちょっと全体を通じて、今までの有明海・八代の委員会は私もお手伝いをさせていただいてきたのですが、それに比べると話が大分絞れてきたことは、大変深く感謝いたします。絞れてきたからこそですが、お願いしたいというか、確認したいことが幾つかあります。
 例えば、7ページの一番下のところで、貧酸素水塊が極めて重要であるとわかったとして、今後、優先検討項目とすると。この優先検討というのは、今後何をするということをイメージされていますか、具体的に。

○阿部室長補佐 優先検討項目ということで、まず発生の状況を確認して、それで、どういう発生機構なのか、それが実際の生物との関係でいくと、どういう関係性があるのか、またそれを、その関係の要因のところを解明し、そのような貧酸素水塊が発生したときにどういう対策を講じていったらいいのかということに、この生物のほうの検討では、そのようなことになっていくのだろうと思っております。

○岡田委員長 そうですか。発生のメカニズムも生物の委員会でやると。

○阿部室長補佐 両委員会の共通事項かなと思っております。

○岡田委員長 それは委員長がどうお考えになるかは別にして、それ以前に、ぜひお願いしておきたいところがあります。というのは、ここでいろいろなことが確認されたとか、わかったとなっていますが、それが確認されたという明確な、もちろん全て明確になれとは言いませんが、具体的なデータがあるもの、それから専門家の先生がエキスパートジャッジメントとして合意したもので、多分全て合意していることはないだろうと、物によっては思いますが、いろいろ見解があるものは見解があるものということを明確に整理していただきたい。この一つ一つの文章について、本来は全て証拠を求めたいんですが、そこまでは無理かもしれません。ただ、それは証拠を整理していかないと、外に出したときに、今後全く一般国民なりいろいろな方々にご説明できない。ですから、スタートの段階でここのエキスパートジャッジメントも含めた結論は結構ですが、これをぜひ補強していただく作業を継続的に努力していただいた上で、貧酸素水塊の先ほどのお話の優先検討というのをぜひお願いしていただきたいと思います。
 そもそも貧酸素水塊とはここではどういう定義なのか。事務局もご承知のように、環境省では一方では、貧酸素水塊というか、溶存酸素の環境基準の目標を今考えています。下は2.5から、上は種類によっては4とか、そういう高いものがありますから、ここで一言、十把一絡げで「貧酸素水塊の発生」と言われても、これはどういうことを意味するか。もちろん、貝類ですと、継続期間も多分影響してきますし、浮遊幼生のことを考えたら、とてもではないけれども、そんなことまで言うと、余り要求すると、ふざけるなと言われそうですから、でもそういうところはやはりきちんきちんとわかっているところとわかっていないところを整理していっていただいて、次の再生とか全体の委員会につなげられるようにしていただければありがたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

○有瀧小委員会委員長 委員長からのご指摘に沿って今後進めていきたいと思っておりますし、まだまだ足りないところもいっぱいあるので、今おっしゃったように、この文言に関しては、先ほど事務局から、このグループの共通認識のメモだということがございましたが、当然のことながら、次に向かうときには、この文章に対しては重みづけをして色分けをしながら、今のようにバックデータがあるかどうかも含めて、基本的には各県さんからいただいたデータに沿ってこの文言をつくっているので、それを貼りつけていって、その色分けをするという作業はありますので、またよろしくお願いいたします。
 ほかには何かございませんでしょうか。

○速水委員 7ページの[4]なんですけれども、クマサルボウ、ウミタケ等について、これは私が問題提起して、結論として、海域再生対策検討作業小委員会のほうに検討を委ねるということは、これはこれで結構なんですけれども、非常に多様な二枚貝の漁業があるということも有明海の大きな特徴なので、そういう多様な二枚貝漁業が成り立たなくなってきているという視点も含めて、ぜひもう一つの委員会で検討していただければと思います。

○有瀧小委員会委員長 よろしくお願いいたします。
 ほかには何かございませんか。
 よろしければ、もう一つ、3-2のほうについて、よろしくお願いします。

○阿部室長補佐 資料3-2、資料3-3をまとめてご説明します。先ほど冒頭に申し上げましたけれども、資料3-2、資料3-3を今後開催されます評価委員会に報告していきたいという案としてご提示させていただくものでございます。
 まず資料3-2ですけれども、これについては、第1回目の小委員会からここまでの部分を整理したものです。それで、例えば1.の「当面の作業の進め方等の確認」については第1回目にやったものです。2.の「情報の収集方針に基づく情報収集について」、このようなものも含めて事務局でやってきた内容です。また、3.で生物小委の部分として、こういう検討をやりましたということを簡単に整理しています。それで、「これまでの検討状況については、資料3-3のとおりである」ということで、資料3-3がここで出てきまして、これが検討した具体的な内容ということになります。
 それで、すみません、先に資料3-2のほうを説明いたしますと、今後の部分について、特に見ていただきたいのは5.です。「当面の検討スケジュール案について」ということで、今後のスケジュールを、決めていないので、ここで決めていただいて、委員会に報告したいと思っております。生物問題小委員会、これはこちらの委員会ですけれども、有明海の有用二枚貝類というのは、検討をここ第2回、第3回とやってきましたけれども、検討の継続をしていきたいと。それで、赤潮(有明海、八代海等)ということで、これは共通で、第4回、第5回あたりでやりたい。また、貧酸素水塊、こちらは有明海の部分についての貧酸素水塊について、第5回、第6回でやりたい。それで、それに係る中間とりまとめを第7回でやります。
 開催時期ですけれども、1枚めくっていただいて4ページにありますとおり、来年度は4回、小委員会を開催したいと思っておりまして、来年度の小委員会でここら辺をある程度整理したいということです。
 それで、先ほど岡田委員長からもありましたとおり、貧酸素水塊の問題とか、そういう問題については、海域再生グループで、例えばその発生機構のメカニズムの関係でいきますと、物理的な部分とか、そのようなところでかなりご意見がいただけるようなところもあるので、本委員会だけで検討するのではなくて、向こうの海域再生の委員会とも連携しながら、貧酸素水塊についてどうかということを整理していきたい。特にこちらについては、生物問題小委員会では、生物との関係での部分で、ある程度まとめられる部分があるのではないかと思っております。そのようなことを説明するものが資料3-2でございます。
 資料3-3が、個別の有明海の有用二枚貝類に係るこれまでの検討状況のとりまとめ(たたき台)(案)ということでございます。まだ検討の緒についたところでございますので、たたき台という形で委員会には提示したい。その案ということでございます。
 内容については、先ほどの整理分析方針にあるような内容、またこれまで検討いただいた内容、あと各委員からいろいろいただいた情報等々を考慮し、事務局でこういうことで報告したいということで考えているのですが、資料3-1の整理分析方針の内容で報告すると、一体何なのかというのが見えてこないので、ある程度内容に強弱をつけて報告させていただくということで、たたき台としてつくったものです。今日はもう時間がありませんので、具体的な説明については省かせていただきますけれども、この中身についてご意見がございましたら、できるだけ早目にいただきたいというのが、まず一つでございます。
 それで、実は親委員会を、まだ具体的な日程は明らかにしておりませんが、近日中、それほど遠くない先で開催したいと思っておりますので、本たたき台へのご指摘、修正のご意見はできる限り早目にいただければと思います。
 それと、一番最後に補足ということでつけさせていただいたのですが、この小委員会では、非常に活発なご議論をしていただいて、内容の濃い部分が出てきているなと思っているのですが、いかんせん、親委員会の岡田委員長がおっしゃられるとおり、あくまでもこのグループの中ではそうだよねということで確認ができても、これを一旦外に持っていったときに、これは何ですかみたいな話になるので、そこは、この報告の内容の部分については、先ほど岡田委員長がおっしゃられたように、この言葉は何ですかとか、用語の統一、用語の意味とか、あと抽象的な表現になっている部分については、ある程度具体的な数字を盛り込みながら、こういう状況なのですということが整理できるような形に改めたい。
 また、先ほど岡田委員長がおっしゃられたように、データに基づく内容なのか、エキスパートジャッジメントで、本小委員会で判断しているのか、あくまでもまだまだ推察の域を超えていないものなのか、推測のレベルを超えていないものなのか、そのようなものも全て網羅する形で今盛り込んでいます。これが並列になっているので、そこら辺がわかるような形にしていただきたい。
 また、当然これを説明する上では、ある程度説明するだけのデータが必要なので、それについては、具体的に説明につながるようなデータをつけるということと、あと引用文献などはきちんと整理していく。
 以上のものが整理されていれば、この中間報告と中間的なたたき台として評価委員会のほうに提出できるのかなと事務局のほうで思っておりますので、実はこの案についても、この文言についても、今これが足りないとか、これはちょっとという話もあるのでしょうけれども、それ以外にも、これを評価委員会に上げていくためには、もう少しそのような部分でチェックしていただいて、これをブラッシュアップしていただいて、評価委員会の委員もしくは対外的なほかの人が見たときにも、このような整理をされているんだな、今こういう状況なんだ、こういう問題があるんだということがわかるように、もう少しこの委員会の中でしていただければと思っております。
 以上です。

○有瀧小委員会委員長 ありがとうございました。
 ただいまの資料説明の中で、資料3-1については問題ないということになりましたが、ただ、要検討事項がかなり多い。それと、近々に開かれるという本委員会に対して、近々なので、これは早急に対応しなければいけない事項になってきますね。なので、今おっしゃったように、中身の文言は当然そうなんですが、これは3-1に基づいて、それを抜粋しながら取りまとめたものなので、全然ガラガラポンになるわけではなくて、細かい指摘はあるし、それから差し込み事項が足りないというところはあるでしょうが、その点以上に、先ほど委員長のほうからお話があったように、ではこれについてのバックボーンはどうなのかというところのデータ出し、それから用語の統一等々を補足説明に従ってやるということをこの委員会でやっていかなければいけない。まずは各水産関係の委員の方々に関しては、データの提供をもう一遍お願いしたい。それからこれを取りまとめられた松山委員がかなり汗をかかれておりますので、彼のところにデータはある程度そろっていることが多いと思います。ただ、足りないもの、それからそれは足りないかどうかも確認しなければいけないので、それをまずやっていきたい。
 ある程度たたき台が出た段階で、これを第三者に近い目から、しっかりといろいろな方々に対応できるものかということを整理、それからトリミングしていかなければいけない。この辺については、水産関係の委員の方々というよりは学識経験者の方々にやっていただくのが適当だと思うので、そちらについては、事務局のほうから適任者を選んでいただいて、依頼していただけないかと考えております。
 それと、近々に行われる本委員会には、取りまとめたものについて、本小委員会の委員長であるの私のほうで中身を拝見して、最終的な版として提示しながら報告させていただきたいと思いますが、どうでしょうか。何かご意見等ございましたらよろしくお願いします。
 よろしいでしょうか。
 押しつけたようで申しわけないですが、では、皆さんも大変でしょうけれども、この委員会の一人目の我が子を送り出すわけなので、もう一汗かいていただいて、いいものをちゃんと本委員会に出していきたいと思いますので、ご協力方よろしくお願いします。
 それでは、この項目については以上として、その他について、事務局、よろしくお願いします。

○阿部室長補佐 その他の事項ですけれども、2つほど予定しております。
 1つは次回のスケジュールですけれども、資料3-2で書いてあるんですけれども、次回は6月ごろに、また海域再生小委と同じ日の組み合わせでやらせていただければと思っておりますので、また日程の調整をさせてください。
 あと、議事録です。毎度のことながら、議事録、速記が上がってきましたら、各委員にチェックをお願いしたいと思いますので、そのお願いの依頼が行ったときにはご協力をお願いしたいということと、くれぐれも資料の3-3について、すみません、かなり評価委員会に上げるということは、言い方からすると、学識だけのメンバーで集まっているので、そういう意味からそういう視点での指摘もかなり受けると思うので、そこのところは、先ほど有瀧委員長がおっしゃっていたように、そのような相手とのやりとりをかなり経験なされているような学識経験者のがいいのではないかという部分と、あとデータを提供してもらう部分では、現場のデータを一番持っている水産試験場の方などに場内の資料などを集めていただくのがいいのかなということで、分担してお願いしたいと思いますので、作業についてはまたこちらからもお願いすることになると思いますが、その節はよろしくお願いします。

○有瀧小委員会委員長 ありがとうございました。
 何かご意見、ご質問等はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、繰り返しになりますが、年度末のお忙しい中、また作業をお願いすることになると思いますが、皆様方にはよろしくお願いいたします。
 何もなければ、これで第3回の生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会を終了したいと思います。どうもありがとうございました。

午後3時01分 閉会