有明海・八代海等総合調査評価委員会 生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会(第2回)

1.日時

平成24年12月21日(金)午前10時~12時

2.場所

熊本市国際交流会館6・7階ホール

3.出席者

小委員会委員長 有瀧真人委員長
委員 岩渕光伸委員、古賀秀昭委員、速水祐一委員、本城凡夫委員
専門委員 梅崎祐二委員、大村浩一委員、田添伸委員、福留己樹夫委員、松山幸彦委員
事務局 水・大気環境局水環境課長、水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室長補佐

午前9時58分 開会

○阿部室長補佐 10時よりも少し早いですけれども、これから始めさせていただきます。
 ただ今から、有明海・八代海等総合調査評価委員会第2回生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会を開会いたします。
 最初に、本小委員会は公開の会議となっておりますことを申し上げます。
 また、本日の委員の出席状況ですけれども、山本委員から欠席のご連絡をいただいておりますが、山本委員以外の委員は、全員出席いただいております。また、評価委員会、本小委員会の親委員会の岡田委員長にも、今回、ご出席いただいております。さらに、本日午後に予定されております海域再生対策検討作業小委員会より滝川委員長が、後ろのオブザーバー席に座っていらっしゃいます。
 続きまして、会議資料の確認をさせていただきます。本日の資料ですけれども、まず配席図、その後に議事次第が1枚、資料1として「委員名簿」、資料2-1「有明海の有用二枚貝類の整理と検討 タイラギ」、同じタイトルの「サルボウ」が資料2-2、同じタイトルの「アサリ」が資料2-3。それで資料3の「九州北部豪雨による影響について」というタイトルの資料。すみませんがこの資料に一部ミスがございまして、資料を見ていただくと32、33ページのところに測量地図が付いているのですけれども、こちらに表を付けて、堆泥量のデータを付けているのですが、こちらの一番右側の堆泥量の数値については、十分に精査されていない数字ということで、ご承知いただきたいと思います。これが資料3です。
 「有明海の有用二枚貝類に係る整理分析方針(案)」が資料4です。あとは参考資料といたしまして、「情報収集方針に基づく報告書等・収集整理状況について」の1枚紙と、は午後に開かれます海域再生対策検討作業小委員会で使われる資料で、今回の会議と共通の資料も中にあるものですから、それ以外の資料を全て付けさせていただいております。これがお手元にお配りした資料でございます。
 もし資料に言ったものがなければ、事務局までお申し付けください。
 よろしいでしょうか。今回、マスコミの方が来られていると思いますけれども、カメラ撮影については、ここまでとさせていただきます。
 それでは、これ以降の進行は、有瀧委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○有瀧小委員会委員長 西海区水産研究所の有瀧でございます。本日はよろしくお願いします。
 まずは年末のお忙しい中、各委員におかれましては、本小委員会にご出席いただきまして、本当にありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。
 今日の議題は、有明海の有用二枚貝類の現状、問題点ならびに原因・要因についてです。
 ご存じのように、有明海には広大な干潟が広がっておりまして、今日、お話ししますタイラギやアサリ、サルボウ、ハマグリ等、二枚貝が豊富でそれらの有数の産地となっておりました。ところが、その多くが1980年代以降、漁獲量が減少しまして、その後、資源が回復しておりません。このため、平成15年に有明海・八代海総合調査評価委員会が設置された当初より、この二枚貝類の資源低迷の原因究明が評価委員会の大きな使命の一つに挙げられてきました。
 ご存じのように、平成18年度の委員会報告では、当初の知見から、資源悪化の原因・要因と思われるものも整理されております。しかし、それ以降も漁獲の低迷は続いておりまして、多くの現場の業者から二枚貝類の資源の回復等が求められているところでございます。
 この二枚貝については、水質の浄化機能が高いことから、有明再生に向けては、最初のテーマとして非常にふさわしいものとして、今回、取り上げたものでございます。
 その中で、特に今日お話ししますタイラギ、サルボウについては、非常に重要種として注目されておりますので、本日はよろしくお願いします。
 今日の説明の順番ですが、まず最初にタイラギを説明して、質疑等をしていきたいと思っております。その次にサルボウ、それからアサリの順番で行きたいと思っております。
 最後になりましたが、本日の資料をまとめるに当たりましては、関係県の方々に非常にお世話になりました。ここにお礼を申し上げます。
 それでは、説明は松山委員にお願いします。ただ、資料を見ていただいても分かるのですが、非常に膨大になっておりますので、コンパクトにまとめながら定刻に終わるようにしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 まずタイラギについては、おおよそ30分ぐらいで説明、それから質疑。そしてサルボウとアサリについては、おおむね20分ぐらいをめどにして同じようにやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○松山委員 よろしくお願いします。水産総合研究センターの松山でございます。
 それでは、まず私からタイラギに関する資料の収集状況および取りまとめの結果について、ご説明いたします。資料が多数に及ぶ関係で、どうしても早口になってしまいますけれども、その辺、ご協力のほど、よろしくお願いしたいと思います。
 前回の第1回小委員会におきまして、①から⑨までの項目について、資料収集を行うことがすでに決定されております。
 二枚貝の減少要因、今からご説明申し上げますタイラギに関しては、この①から⑨の項目のうち、赤字で反転した項目について、今回、収集することができております。これは収集した資料の取りまとめ結果です。多岐にわたっておりますので、以下の4項目に大分(たいぶん)いたしましてご説明を申し上げたいと思っております。
 今回、ご説明に入る前に、平成18年の委員会報告書の内容を踏まえた上で、ご説明したいと思っています。
 ここに報告書の指摘内容を簡単に要約したものが3項目に分けて書かれております。一つずつ確認していきたいと思います。
 まず第1に、タイラギの減少に関して、中西部漁場での底質悪化が指摘されております。それと浮遊幼生の発生海域と着底稚貝の分布が、この中西部で合致しないということ。タイラギの着底稚貝が泥の基質ではへい死するという室内実験結果を踏まえまして、底質がタイラギの稚貝に何らかの影響を与えている可能性が委員会で指摘されております。
 次に、北東部漁場です。こちらで発生しておりました立ち枯れへい死問題です。2000年以降、主要漁場である有明海の北東部におきまして、タイラギが海底から浮上して死亡する現象を立ち枯れへい死と呼んでおりますが、これが大変問題となっておりました。
 次に、ナルトビエイによる食害です。この生物も近年、有明海に多数来遊するようになりまして、二枚貝を食害することが問題視されておりました。
 次に、長崎県海域でのタイラギの減少要因。長崎県海域では、こちらにありますように、佐賀県・福岡県の漁獲が減少し始めるよりも先にタイラギの漁獲が減ったということで、これらの要因について精査することが求められておりました。
 さらに、タイラギの輸送に及ぼす潮流の影響です。湾奥の干拓、諫早湾の閉め切りなどにより潮流が変化したのではないかという指摘がありまして、これがタイラギの浮遊幼生に与える影響についての情報が不足しているのではないかという指摘もございました。
 こうした要因を挙げた上で、報告書では2000年以降に北東部漁場で確認されております成貝の立ち枯れへい死のメカニズムについて最も問題視しておりまして、この大量へい死の発生メカニズムの解明が求められております。
 以上が、平成18年委員会報告の内容でございます。やはり主要な二枚貝の中でも、このタイラギの減少要因が最も課題として大きく取り上げられていたことが分かります。この背景は、現在に至っても変わっていないと言えます。
 それでは早速、①資源の近況に関する調査結果の説明に入らせていただきます。
 この図は、1958年から2010年までの有明海におけますタイラギ漁獲量の変動を示した図です。これは熊本、福岡、佐賀、長崎県の県別に漁獲量が分かるように色分けを行っているものです。縦軸の単位は、殻付きの重量になっております。
 ご覧のとおり、タイラギの漁獲量は、もともと豊漁だった時代も含めて、非常に変動が大きいことがお分かりかと思います。ただ近年、1980年以降は、この山が非常に小さくなって、しかも、ほとんど明瞭な振幅も見えないということで、タイラギ資源が著しく減少していることは、これを見ても分かるかと存じます。この件については、前回の報告書で指摘されたとおりであります。ただし、後ほど説明いたしますけれども、2009年から2010年にかけて比較的大きな漁獲が認められております。
 この図は、佐賀県から提供いただいた資料に基づいたものですけれども、漁獲効率、CPUEの値を示しています。このCPUEは漁業者が同じ漁法で操業した際に、どれだけ効率的にタイラギが漁獲できるかという指標です。これを見ますと、データが示すとおり1980年以降、漁獲量とCPUEで、CPUEは線グラフですけれども、漁獲量とよく相関しております。当然ですけれども、タイラギがたくさん生息しておれば漁獲の効率も上昇するという関係にあるわけです。
 しかし、このCPUEは1998年、この辺りぐらいから急激に低下いたしまして、ずっと低い状態が続いております。漁業者の方のタイラギが採れないという実感は、まさにこの低い数値が示しているかと思います。
 ただし、特に2009年に突然高いCPUEが得られた年がありました。この資料は、第15回の有明・八代総合調査評価委員会の資料ですけれども、1976年から1999年までのタイラギの成貝の水平分布を示しております。これは前回報告書でも指摘されていますが、非常に資源量が多かった時代は、有明海の中部・西部にもタイラギが分布している結果が得られておりますけれども、その後は、もっぱら北東部と呼ばれます東側に小さくタイラギが偏在するようになっています。漁場自体が縮小していることが分かっております。
 前回委員会以降、2000年から2012年までのタイラギの分布のデータを再度整理し直したのが、この図になります。これを見ますと、1996年以降、北東部漁場に漁場が形成されていった傾向は、その後も変わらず、ほとんど東側に漁場が形成されています。ただ2009年だけが例外的に西部のほうに漁場が突如として形成されまして、この年は豊漁になったという現象がありました。これは後ほど説明をいたします。
 この図は、平成17年から平成21年の年級群ごとにタイラギの殻長のデータを月ごとにプロットしております。ここが着底直後の夏の稚貝の状態で、これが1年かけて成長していく図を示しております。
 タイラギは、最低水温期の冬場に成長がいったん低下し、その後、また春から夏に増えていくという特徴を示しておりました。着底サイズが年によって違いますので、ある特定の時期で見た場合の大小は、どうしてもばらつく傾向はあるのですけれども、成長の速度は特に平成17年から平成21年の間だと同じようなパターンを示しております。ただし、この赤字の丸、平成20年年級、これが2008年年級群ですけれども、これは春から夏にかけて急激にほかの年級群に比べて、急スピードで成長したことがよく分かります。
 これは貝柱の重量データです。これに関しては2008年と2009年の年級群の比較だけになりますけれども、やはりこの西部に着底した2008年年級群は、8月の下旬を境に、ぎゅっと良好に成長いたしまして、これが漁獲につながったということです。おそらく何らかの正の要因があったのではないかということが明白であります。
 このように長らく漁場が形成されていなかった西部の海域に、2008年に突然大量のタイラギが着底いたしまして、減耗することなく、翌年、漁獲に結びついたわけです。
 後ほど申し上げますけれども、特にこの海域では貧酸素水塊が非常に発達しやすく、タイラギの主なへい死要因となっております。実は2009年の夏は、ここに底層の溶存酸素飽和度が20%以下になった日数を2006年から2011年までプロットしておりますけれども、タイラギが西部海域に大量に着底した翌年の夏は、非常に底層の溶存酸素濃度が高く、貧酸素水塊がほとんど発達しなかったという年でした。
 この理由として、これは佐賀市の8月の風向風速をこちらに図示したもので、矢印が上側に出ているものが南よりの風、下よりが北よりの風ということになります。通常は太平洋高気圧に覆われている時期ですので、矢印がずっと上を向いていることが普通ですけれども、この年は非常に長期間、2度にわたり北風が卓越しております。おそらくこれにより、表層の水が沖合に流出いたしまして、それを補うように沖の底層から酸素に富んだ海水がタイラギの生息域に流入し続けていた。これが貧酸素が発達せずにタイラギが残った最大の要因ではないかと考えられているところです。
 前回委員会で、タイラギ稚貝の生残について調査を強化すべきとの指摘がございました。ただ残念ながら前回委員会以降に、着底直後のタイラギの生残については、まとまった調査は行われておりません。
 こうした少ない知見を見ますと、1カ月ぐらいでこちらが8月の調査、9月の調査ということで、非常に小型のタイラギの生残率を見ているのですけれども、わずか1カ月で一桁ほど減っていることを考えますと、やはり着底直後にも相当いろいろな大きな減耗が発生していることが推定されております。
 次に、資源の低下要因に関する調査結果をご説明申し上げます。
 この図は佐賀県が行っております、底質の一斉調査の結果を示したものです。この後に同じような図が続きます。まずこれは泥分率ですけれども、濃い青になるほど泥化が進んだ海域ということになります。ここで見ますと、有明海の西部の海域は非常に泥化しているところがよく分かるかと思います。ただ、この経年変化を見てみますと、年変動がありますので、そういう部分を差し引きますと、特に急激に泥化が進んでいるという結果は得られていない感じです。
 次に、中央粒径値の同様な分布です。これも青い色ほど中央粒径値が高い、泥化しているという図になります。これを見ますと2010年、2011年は、中央粒径値は下がっているということで、むしろ粗粒化しているようにも見えます。
 これは酸揮発性硫化物です。底質の有機物含量の一つの指標になりますけれども、これも数字が高いほど底質の悪化を示しております。これを見ましても、西部で高いという傾向は変わらないですけれども、近年、急激に全域で悪化しているというデータは得られておりません。
 最後に強熱減量です。これは2000年に西部で高い値が出ておりますので、この年と1989年を比較すると、非常に悪化したような印象を持ちますけれども、その後の調査を見ますと、あまり変化がないということです。
 以上の結果の平均値を年度ごとにプロットしたものがこの図になりますけれども、1989年以降、大きな変化は特に認められない。むしろこの砂分率に関しては右肩下がりで、若干底質は改善傾向にあるのかなと考えております。
 次に、有明海でしばしば、特に西部の海域で問題となります、貧酸素水塊の経年変化です。1972年以降、データが整理されておりますので、それを図にしたものです。上の図は観測データをそのままプロットしたものです。これを見ますと、溶存酸素4ミリのところにラインを引いておりますけれども、上下、年の変動はありますが、低下上昇傾向はこれではよく分かりません。
 速水ら2007年におきまして、調査日の直前に淡水の流入がありますと、成層強度が一時的に高まって変動が大きくなる。その部分を差し引いて補正をかけた底層溶存酸素濃度の推定値が白丸の図になります。この値を見ますと、1970年代から有明海の溶存酸素濃度は上に行くほど低下していると見ていただきたいのですけれども、徐々に徐々に貧酸素化は1970年代から進行し、1990年代の初頭ぐらいに一番低くなって、以後は、ほぼ横ばいという状況になっています。
 タイラギが西部海域から姿を消し始めたのは、1996年ぐらいからということで、貧酸素が悪化していった時期とは5年ぐらい位相はあるのですけれども、だいたい貧酸素が進行しタイラギ量が縮小したものということの可能性は十分にうかがえるデータではないかと思います。
 これは2010年から2012年に有明海の全域におきまして、貧酸素の発生を一斉に観測した調査結果の図になります。ここで底層の溶存酸素濃度を示しているわけですけれども、紫あるいは濃い青に近いところは底層の溶存酸素濃度が低い海域になります。飽和度が10%を切る状態も多々見られますので、これは二枚貝にとって致死的な濃度に達していることが分かります。これを見ますと、有明海の西部と諫早湾付近におきましては、ほぼ毎年のように酸素濃度が貝にとって致死的なレベルまで低下しております。
 先ほどの結果と合わせましても、前回、報告書で指摘されております西部漁場での漁場の縮小、へい死、あるいは諫早湾での資源の低迷は、やはり貧酸素水塊の発達が主因であると推定されるところです。
 次に、立ち枯れへい死です。先ほどの溶存酸素の図を見ましても、西部は著しい貧酸素水塊が発達しておりますけれども、東部では海底に酸素が十分にある。それでも立ち枯れへい死をしていることが問題視されております。
 ここで1999年、3カ年の調査結果の資料を持ってきております。1999年と2000年のデータの黒い塗りつぶしのゾーンがタイラギの立ち枯れへい死が発生している時期ですけれども、立ち枯れへい死が発生する前に、これは肥満度が低下していくということがうかがえます。つまり痩せているということです。真ん中は、立ち枯れへい死の前の減少は見えないですけれども、肥満度そのものがずっと低く推移している年ということで、やはり立ち枯れへい死が起きる直前は、貝が痩せているということが共通項目としてあります。
 これは中腸腺の色素量、餌をどのくらい食べているかという指標になります。立ち枯れへい死が発生しているときは高いですけれども、その前の段階で低い。餌をあまり食べていない時期が見受けられます。
 同様に、これはグリコーゲンのデータです。塗りつぶしゾーンが立ち枯れへい死が起きている時期で、やはりグリコーゲンも直前に下がる。こちらもそうですね。へい死が発生する前にグリコーゲンが非常に低い時期があるということで、やはり立ち枯れへい死の問題を考えていくときに、この痩せていくという現象、餌を食べずに痩せていくというところが共通して見られます。そしてへい死は産卵期に起きていることが、この図で分かるかと思います。この図で3から5と書かれたところが産卵期になります。そういうところを中心に組織の病変が見えるというところです。立ち枯れへい死を起こす前段の段階で痩せていくときも、少なからず組織の病変は見えることが分かりました。痩せによる疲弊と産卵期のショックがうかがえるわけです。
 あと、前回委員会で底質とタイラギの関係について指摘されておりますけれども、これは資源量が好調だった1970年代の調査結果です。一番左の図だけをまず見ていただきたいのですが、強熱減量が増える、つまり有機物含量が非常に増えてきた泥化の海域で、タイラギの生息密度が右肩下がりになることが、漁獲が好調だった1970年代の時点でも得られています。だいたい強熱減量12%辺りを境に急激に落ちていくことがうかがえます。タイラギは基本的に泥場を好まない性質がうかがえます。
 2000年以降のデータで同じ図をプロットしたものがこれになります。タイラギの出現密度自体が低くなっておりますので、こちらを対数表示にさせていただいておりますけれども、やはり強熱減量が12%前後ぐらいから出現密度が下がるという傾向は、何となくうかがえます。ただ昔と違うのは、強熱減量が低い砂っぽいところでも、あまりタイラギが出ていないということが、かつてとはちょっと違うところです。立ち枯れへい死の影響がこういうところに出ているのかなと考えています。
 底質が比較的いいところでタイラギが痩せて死んでいくのを考えたときに、まず一つは、漁業者の方が浮泥と呼ばれておりますけれども、海底の表層に粘土シルト分が堆積しているような現象が、この立ち枯れへい死海域では観察されております。そういったものがタイラギにどういう影響を与えるのかを室内実験で調べた資料がこれになります。
 ここでカオリン、ベントナイトという無機懸濁物を曝露したタイラギは、飢餓実験をした懸濁物なしと同じか、それ以上に痩せていく、グリコーゲンが落ちていくことが分かっております。現場の堆積物は有機物が含まれていますので、無機に比べれば、まだ減少幅は少ないですけれども、プラスにはならないということで、やはり濁りはタイラギにとってよくないということが実験的にうかがえます。
 あとはタイラギの立ち枯れへい死の問題を考えたときに、これが浅い干潟域では発生しないというような指摘があります。時間の関係で簡単にしか説明いたしませんけれども、干潟域と沖合漁場のクロロフィルの量を表しておりまして、こことここが干潟域です。ほかは潜水漁場になりますけれども、クロロフィルは基本的に干潟域で高めに出ます。
 干潟域の表層堆積物は、この図を見ていただきたいのですが、干潟の表面に生息する底生性の珪藻が非常に多数検出されるわけです。そういうところに生息しているタイラギと沖の潜水漁場にいるタイラギ、立ち枯れへい死するようなところのタイラギの胃内容物を見てみますと、やはり干潟域のタイラギは底生性の珪藻、こちらのスケレトネマ以下は浮遊性の珪藻ですけれども、非常に底生性の珪藻をよく食べていることが分かりますので、浮遊珪藻だけではなく、底生性の珪藻も食べていることが、干潟域のタイラギの餌料環境をよくしている要因ではないかなと考えているところです。
 それでは、餌環境の長期変動についてのデータが福岡県のデータでございましたので、ご説明申し上げます。
 1965年から、この六つの定点の資料を図にしたものをこれからお示しします。
 結果はこのようになっております。大変興味深いことに、このプランクトン沈殿量、植物プランクトンの一つの指標になるわけですけれども、調査開始をした1965年から1980年代にかけて、急激にどの定点も増えております。この時期に植物プランクトン量が増えていったことが分かるかと思います。これはタイラギの漁獲量が多かった時代に相当します。
 この初期の1965年から1980年にかけて、このようにプランクトンが増えていった原因は分からないですけれども、この時期に有明海で何らかの大きな環境変化があったことが推定されます。
 その後は緩やかに減少に転じまして、1995年辺りから、5年ほどもう一度上昇に転じた後、2000年ぐらいからまた減少に転じているということで、有明海のプランクトンの出現は二峰性を示していることが分かりました。
 このプランクトン沈殿量の値は、冬から春先への大型珪藻類が主体ですので、これが減っているということは、春先のタイラギの餌が少ない一つの指標に、ある意味、痩せていっていることの一つのバックボーンになっている可能性は推定されております。
 次に、タイラギ等二枚貝減耗について検討した結果をお示しします。これまでご説明しましたように、タイラギは過去から大発生と大絶滅を繰り返しやすい生物ということが言われています。そういう状況で、さらにナルトビエイなどの影響も指摘されておりますけれども、現状、ナルトビエイの食害についてのデータは十分に得られておりません。ただ、全体の資源量を左右するほどの食害ではないだろうというのが、おおかたの見方であります。
 またウイルスや寄生虫に関しても、基本的には日和見感染、タイラギが痩せていく段階で付随して進行するものであって、そもそも痩せること自体はまた別の要因ではないかということで、病気説も断定はできていない状況です。
 こうしたタイラギの置かれている環境を簡単なポンチ絵にしたものが、この図であります。かなり雑ぱくな図ですけれども、主要漁場土は貧酸素と沖合の細粒化です。こちらは東部の海域を想定して書いているのですが、立ち枯れへい死あるいは何らかの濁り、高濁度水でへい死している。そして唯一残っているのは、干潟域。餌環境がよくて濁りも少ない干潟域がタイラギの生息域になっている状況ではないかと思います。
 少し時間が押していますので、スライドを飛ばせていただきます。
 今後、取り組む調査研究に関して、まだまだ幾つかタイラギに関しては不明な点が多数ございます。タイラギはほかの二枚貝とちょっと生理特性が異なるのではないかという部分です。あとは幼生から着底稚貝の調査に関してもかなり不足しております。底泥のいい泥と悪い泥はどう違うのかという評価です。そうした泥が再懸濁したときの濁りの影響評価も、もう少し取り組みを強化していく必要があると考えております。
 ここで、今まで申し上げてきた内容を、タイラギをめぐる連関図で総括したいと思っています。ここからの図は、タイラギをめぐる諸環境とタイラギが置かれている立場を海域ごとに図示したもので、赤字が負の要因、三段階ぐらいに太さを変えているものです。これは有明海の西部のタイラギが置かれている状況を連関図にしたものです。この色が付いている部分が、今回検討できた内容になっているのですけれども、西部では貧酸素水塊が非常に大きく影響している。それに加えて底質あるいは局所的でしょうけれども、ナルトビエイの食害等も影響しているだろうということで整理させていただいております。
 これは同じ図ですけれども、有明海の東部になります。こちらは立ち枯れへい死が起きるけれども、冬から春にかけて痩せていっていることを考えますと、餌が少ないのか、あるいは何らかの濁りの影響等によって摂餌障害が発生しているとか。いずれにしても餌料環境の悪化が非常に大きく作用しているのではないかと考えられております。
 最後に干潟域は、そういった負の要因が少ないですので、結果的にタイラギが比較的残っていると考えられる状況です。
 以上の解析結果は、この表に総括しました各種要因との関連性を参照しながら考察したものです。先ほどの連関図はあくまでも取りまとめるためのたたき台ですので、これをたたき台といたしまして、タイラギのへい死要因について論議いただければと考えております。
大変長くなりましたけれども、これで発表を終わらせていただきます。

○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございました。
 では今の松山委員の説明に関して、ご質問・ご意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。
 最終的には海域ごとに分けて、大きく貧酸素と餌料をうまく取れていないということ。それから干潟域はそれらが少ないということで、資源が比較的残っているという取りまとめでした。
 何かご意見等はございませんか。どうぞ、古賀委員。

○古賀委員 基本的には非常によくまとめられているものと思っています。感謝したいと思います。
 その中で、ちょっとだけ疑問があるのが、もともとタイラギ自体が泥質海域に向いていないというか、濁りがマイナスになっているのではないかということですけれども、私は昔、調査をずっとやっていて、非常にそれは考えにくいのです。
 基本的には、今、報文をちょっと書いているところですけれども、大正10年ごろからヘルメット潜水器が導入されて、ほぼ100年近く漁業として成り立ってきている。そういう現実がある中で、タイラギ自体が泥質、濁りには向いていないということは、非常に私としては考えにくい感じがします。
 先ほど、佐賀県の報告書の図ですけれども、中央粒径値やIL(強熱減量)、生息数の関係の図がありました。結果だけで捉えて検討をしますと、当然、ああいう結果になります。基本的に砂分が多いほうが生息も多いですよという結果にはなりますけれども、実際にあの図を見ていただいても分かるように、例えばILが15%とか、そういう有機物含量が多くて泥質の海域であっても密度が非常に高いことはまれではなくて、ちょくちょく起きることなのです。
 だから、そういったことを踏まえても、濁りにタイラギが弱いというところで、非常に疑問を持っています。
 それともう1点ですけれども、今、全体を見てみますと、明らかに2000年ごろを境に環境が変わってきて、そういう中で西部海域の底質は細粒化しているということですけれども、基本的にこれは浮泥の堆積傾向により細粒化という数値に表れていると思います。その結果、付着基質が海底表面に出ないで、着底がなかなか成功しづらくなり、東部海域の方にだけ漁場が形成されるようになってきた。そういう状況の中で、東部海域では稚貝は立つけれども、漁獲までには至らない。これは立ち枯れへい死が原因ですけれども、いろいろな調査結果からしますと、当然、死ぬ前には痩せていく。それは餌不足も当然あるでしょうが、われわれが調査をしますと、何か分からないけれども、底質に何か問題があるなど、そういうところがやはりあるわけです。だから、濁りや餌だけではなくて、底質の部分で何かがあるのではないか、着底直後から何かそういう変なことが起きていないかということは、やはり調べる必要もあるのかなと思います。
 着底直後の調査が行われていないということでしたけれども、これについては、佐賀県では昭和50年代後半に調査はしています。基本的には当然、着底直後の減耗は、その当時も極めて大きい。少なくとも殻長5ミリぐらいまでのへい死率が非常に高い結果となっています。でも、その後が今と決定的に違う。だから、立ち枯れへい死をするのは、殻長5ミリ程度の小さな段階から、濁りや餌も含めて、ほかの要因も必ずあるのだろうと思います。だから、そういった部分の調査が絶対に必要ではないかなと思います。
 基本的には、中西部については、漁場とならない原因については、おっしゃったように貧酸素、底質でございますけれども、東部海域についてはなかなか分からないということを含めて考えますと、そういったことも今後、必要になってくると思っております。

○有瀧小委員会委員長 ありがとうございます。何かコメントはございますか。

○松山委員 貴重なご意見を、どうもありがとうございます。
 私も基本的に似たようなことを考えておりまして、先ほど、取り組むべき調査課題で、タイラギはおっしゃるとおり、ずっと有明海に生息し続けてきている。いろいろな環境変化は途中であったと思いますけれども、結果としては、ずっと種を維持しているということは、やはりここの海は当然、タイラギにとって何らかのアドバンテージがあると考えております。
 一方で、ほかの二枚貝と比較しまして、非常に変動幅が大きいことも考え合わせますと、タイラギは本来、底質がいい砂っぽいところを好むという性質を持ちながら、泥化した海域でも大量に発生するという2面性を有している貝なのかなと考えております。
 そういうこともありまして、ここにタイラギ特有の生理特性を解明すべきではないかということを少し入れさせてもらったところです。
 おっしゃるように、おそらくタイラギが環境に対する応答は、着底直後と、ある程度のサイズに達した後で、その耐性が強くなったり弱くなったり。要は生活史の全てのステージで、底質だ、あるいは溶存酸素度だという単純なものではないのではないかと考えています。ですので、このステージではこういう環境要因が影響している。逆にこれ以降は、むしろ餌や酸素など、タイラギをそうした一つの切り口から眺めるのではなくて、ステージごとに眺めていく作業をやっていくことを、先ほど古賀委員からありましたご指摘の内容は、少しずつ解明されていくのではないかなと考えてはいるところです。

○有瀧小委員会委員長 ありがとうございます。
 ちょっとすみません。時間も押してきましたので、もし何かありましたら、また最後のところの総合討論でやりたいと思います。
 続いて、すみませんけれども、サルボウについて、よろしくお願いいたします。

○松山委員 続きまして、同じく水産総合研究センターの松山でございます。サルボウに関する資料の収集状況と、取りまとめ結果についてご説明申し上げます。
 これは、先ほどのタイラギのところでお示しした収集方針案です。サルボウに関しては、この赤字で反転させた部分が資料として収集できております。
 前回委員会報告での指摘内容を踏まえた上でご説明を申し上げますけれども、サルボウに関しては、タイラギほどのスペースを割いて内容が指摘されているわけではございません。ここに書いたような内容が、前回指摘されております。1970年代の原因不明のへい死、資源が近年、徐々に減っている。あるいは貧酸素水塊やナルトビエイ、赤潮の影響等が指摘されております。
 収集した資料の概要を、この三つに区分いたしまして、ご説明したいと思います。
 最初は資源の近況に関する調査結果でございます。この図は1980年から2009年までのサルボウの漁獲量の変動を示した図でございます。県別に漁獲量が分かるように色分けをしています。単位は殻付きの重量です。ここで10と書いてあるところが千ですので、ここが1万トンということになります。
 ご覧のとおり、サルボウの漁獲量は、1980年代から1990年代の後半に、常に1万トンを軽く超える漁獲量が見られております。近年は、やや漸減傾向ではありますけれども、常に2,000トン以上の漁獲量が見られていることから、ほかの二枚貝に比較しますと高い資源量を維持していることがうかがえます。
 サルボウの基本的な生理特性を見るために、これは浮遊幼生の出現と水温、比重との関係の資料を示しております。底層の水温が25度を超えるところで幼生のピークが見える、つまり産卵期が真夏であることが分かりますし、幼生自体の出現は比重が高いところです。比較的、干潟域の生物であるのですけれども、塩分が高いところで出てくるということで、低塩分側での出現が非常に少ない。これは後ほど説明いたしますけれども、親貝への低塩分の影響も関連がありそうです。
 もう一度、漁獲量の図に戻ります。これは佐賀県海域のサルボウの漁獲量の長期変動、1938年以降のデータを図示したものです。
 サルボウの漁獲量が増えた1950年代は、天然採苗技術の向上、漁具・漁法の向上によるところが大きいと考えられております。1950年代には、早くも1万トンを超える漁獲量となっておりますけれども、1979年から1985年の辺りに大きな谷間、漁獲量が凋落する時代がありました。
 前回の報告書では、この資源の減耗時期に何が起きていたのかということの解析の必要性についても述べられているところです。
 実はその時代に調査はなされております。これは報告書から持ってきたデータですけれども、昭和56年から昭和62年まで、毎年の稚貝の夏場の減耗率を示しております。こちらは%です。大量に資源が凋落した時代は、7月以降に急激にサルボウが大量へい死して、資源量が8割以上へい死する現象が毎年のように観察されています。このへい死直前の貝を瀬戸内海などほかの海域に移植しても、移植した先でへい死が止まらないということが記録されていて、必ずしもへい死時点の環境だけでは説明できないようです。死に始める時期には、すでに何らかの環境が悪化していることが、当時の報告書に書かれております。
 次に、資源の低下要因に関する調査結果です。前回委員会報告書の中のうち、このナルトビエイによる食害に関しましては、沖合漁場ですので、食害の影響調査はなかなか行われていないわけですけれども、後に述べますように、サルボウの減耗自体は、主に環境要因によって左右されることが分かりつつありますので、食害の影響はゼロではありませんけれども、資源の全体を左右するほどではないと判断されております。
 それと有害赤潮、特にシャットネラ属ですけれども、これはサルボウに対する致死作用は認められていないことが、近年、分かっております。ですので、同様に資源量全体には影響していないだろうと考えられます。もちろん、この赤潮によって貧酸素水塊が誘発され、たびたび起きておりますので、二次的作用としての影響は当然、考えられております。
 実は、この委員会が開催される直前になりますけれども、平成23年10月に有明海の東部と西部で、ほぼ同時でしたけれども、サルボウの大量へい死現象が認められました。この大量へい死現象により、4割から7割のサルボウが死にまして、資源量がその年、急激に5分の1まで低下しました。死んでいくサルボウは、エラが溶けるように壊死していく現象が観察されました。これはかつての大量へい死を彷彿させる現象でしたので、この時に関係機関で調査データを持ち寄って、いろいろな調査項目を精査したところです。
 一応、作業仮説としてこのようなものを立てまして、へい死を検証したわけです。低水温による春先のろ水能力低下、あとは餌環境ですね。さらに夏場の貧酸素、低塩分。産卵。秋口の餌不足、最終的にそれによって力尽きていくことを検証いたしました。
 これを過去の大量へい死現象に適用できるかどうかについても、後段、説明をさせていただきます。
 この図は、佐賀県から提供いただいた資料ですけれども、こちらは昭和58年、大量へい死が起きている時期の7月から12月までのへい死率です。これは平成22、23、24年度のへい死のデータであります。基本的に7、8月に多いときで半分近く、常時、2割から3割のへい死が発生することは、過去も現在も同じようなパターンです。後ほど申し上げますように、これは貧酸素であったり低塩分であったりという影響が出ているのですけれども、平成23年に関しては、10月に入っても、平均で10、多いところで40%のへい死が見られていて、これだけ大量な減耗が起きているわけです。そういった意味では、この年は非常にほかの年度に比べて長期間へい死するということで、異常な年でありました。
 これは平成23年の夏場の漁場別のへい死状況です。黒丸が大きいのは、資源量が多いところです。このように矢印で示した部分を中心に一か月で急に減耗しています。こちらは水深5メートルよりも深い深場の漁場で、あとは岸寄りのところです。こういうところで急に減耗しています。
 これは例年よく発生する現象でして、深いところは貧酸素の影響、浅いところは低塩分の影響と考えられています。実際にデータを見ましても、こちらが貧酸素水塊の発生状況で、深いところは非常に低い貧酸素濃度に襲われております。干潟域は低塩分が乗っかっているということで、まずは第一段階の減耗があったわけです。
 貧酸素の影響は、この現場の溶存酸素観測データで、ほぼ1ミリグラムを切るような区間が、こういうところやこういうところで発生しているのですけれども、やはりへい死率が高い。溶存酸素濃度が比較的高かったときには死んでいないということで、これはかなり明確に関係が見えます。
 これは室内実験的に再現した結果で、詳細は割愛いたしますけれども、ほぼ現場で観測された貧酸素の濃度とへい死率は、おおむね再現できていることが分かりました。
 あとは低塩分の影響ですけれども、実は平成23年は、これは平成12年から平成23年の塩分が15%以下になった時期と10%以下になった時期を、それぞれ累積日数を年ごとに書いているのですが、平成23年は最も干潟域が低塩分化した年であったことが分かっております。
 この低塩分と貧酸素の二大ストレスの相乗作用について検討した結果がこれです。時間の関係で詳細は省略させていただきますけれども、基本的に同じ貧酸素の曝露であっても、塩分が低いほど組織の障害率は高い数値が出てきます。こちらの塩分が低いほど高い障害率である3というのが出てきます。
 水温とも、こういうスロープが変わってくるということで、高水温という状況で、それがより強化されることも分かっております。
 平成23年の場合は、この夏場のへい死。ここで第1弾のへい死とあえて呼ばせていただきます。これは例年、今、言ったような貧酸素と低塩分で発生するわけですけれども、その後、8月以降にさらにへい死が進んで、こちらの第2段階のへい死が非常に大きくて、資源量を大きく減らしたのですけれども、当然この時期は貧酸素は出ておりません。実際に資源量が第2段階で減ったときは、干潟域を中心に減耗が発生したことが分かっております。
 これは肥満度のデータですけれども、平成24年の10月に大量へい死している時期は、肥満度が10%少し、翌年の同じ時期は、もう20%近い値で、大量へい死の後の平成24年3月は、もう20%を超えているということで、かなり痩せていたことが分かっております。
 環境データをこの後、幾つか示しますけれども、ちょっと時間の関係で、こちらは資料でご確認いただきたいと思っております。
 これまでの状況で、当初の作業仮説の部分は、ほぼ現場観測によって確認されているということで、へい死したことが分かりました。要するに、この年は、先行する冬が非常に寒い。なおかつその後、春先に餌が非常に少なくてずっと痩せていた。結果として、産卵が遅れるし、夏の貧酸素、低塩分も強く、結果的にへい死したという状況でした。
 こういうことを受けまして、今後、この効率的な資源管理手法に関して、最後にご説明を申し上げます。
 先ほど、平成23年の異常年の解析によりまして、偶然ですけれども、サルボウの減耗要因がリストアップされました。そこでこれが過去のへい死を推定できないかどうか検討した状況です。
 この図は、上が低水温です。冬場の低水温の発生6度以下が赤、8度以下が黄色になります。そして後ろに見える青い図がサルボウの漁獲量のデータで、ここが大量へい死が発生した1970年代ですけれども、これを見てみますと、先ほど申し上げた平成23年は低水温が際立った年ではあったのですけれども、過去に大量発生が起きた時期は、冬場が非常に寒い年が続いていたことが見てとれます。
 塩分に関しては、この当時はそれほど低塩分は見えていなくて、最近のほうが低塩分はよく見えているという状況です。
 昭和50年代の漁獲量の減少要因として、寒い冬が引き金となって、その年の夏のいろいろなストレスが相加的に資源量を低下させた可能性が推定されているところです。
 ちなみにサルボウは、水温が8度を切りますと、ほぼろ水量が急減いたしまして、6度ではまったくろ水しない。そういう低水温が過去に有明海で観察されていたことが分かっております。
 ここで低水温、貧酸素、低塩分、餌料環境の四つの項目に着目しまして、漁獲の減少リスクを佐賀県が評価した資料を、最後にご説明申し上げます。詳細は省略いたしますけれども、この四つのストレスを1から10に重み分けをいたしまして、その年の観測値によって数値を入れていきます。その四つのストレスを合計したものを評点として表しているものが、リスクの評価点になります。この上図の赤い線グラフが年ごとのリスクの評価点になります。高いほどリスクが高いことになります。
 そうしますと、平成23年の大量へい死は、当然、再現できているわけですけれども、同じ高いリスクが昭和50年代に観察されている。実際に漁獲の減少率とリスクをプロットしますと、よい相関が得られるということで、平成23年である程度、解明された内容で過去を推定いたしますと、この四つの負の要因で、サルボウの資源量が推定できるのではないかと考えられているところです。
 これは漁場ごとにリスクを色分けしてゾーニングしたものになります。これは環境データは毎年変わりますので、同様に変動していくのですけれども、これによってある程度リスクが予測できることが分かりつつあります。
 これがどのように役に立つかということですけれども、一つの管理手法です。天然資源の維持と漁業を両立させるためには、ある程度、死ぬ可能性が高いと分かっているリスクのある漁場でリスク発生前に漁獲を行い、他方、リスクの低い漁場にでは、できるだけ次世代の親あるいは環境、生態系を保全するという意味で、できるだけ資源管理を徹底することで、両者の両立ができるのではないかということが分かりつつあるところです。
 これで、雑ぱくですけれども、サルボウに関する発表を終わらせていただきます。

○有瀧小委員会委員長 松山委員、どうもありがとうございました。
 ただ今のサルボウの説明に関して、何かご質問・ご意見等、ございますか。はい、どうぞ。

○岩渕委員 すみません。図の確認ですけれども、8ページの下の図で日付が「平成23年7、8月の貧酸素発生状況」というタイトルになっています。そして下のグラフと下の図ですが、平成24年7月23日のDO(溶存酸素)と塩分になっていますけれども、ここに表示してある図は、平成23年が正しいのか平成24年が正しいのか、ちょっと確認をしたいのですけれども。

○有瀧小委員会委員長 松山さん、これは24ですか。

○松山委員 8ページですか。

○有瀧小委員会委員長 これは24ですよね。今の横のところにも九州北部豪雨と書いてありますから、平成24年の7月ですよね。今年の話ですものね。

○松山委員 24ですね。

○有瀧小委員会委員長 はい。よろしいでしょうか。
 そういうことになりますと同図の上の図、8ページの上図も平成23年と書いてありますけれども、これは平成24年になります。
 ほかには何かございませんか。はい、どうぞ。

○古賀委員 ひょっとして、佐賀のデータなのかもしれませんので、質問をするのが妙なのですが、15ページの上のサルボウの漁獲量と昼間満潮時の低塩分延べ日数との関係の図がありますけれども、これを見て非常にびっくりしたというか、平成12年ぐらいから非常に前の十数年に比べて低塩分になる日数が激増している。これは特に何か考えられる理由などはあるのでしょうか。

○松山委員 実は、私もこのデータをあらためて眺めてみて、平成12年ぐらいから干潟域の低塩分化がかなり顕在化している。この委員会では、実はこういう雨の降り方や河川からの淡水の流入の仕方、あるいは潮流との兼ね合い、成層の強度、こういうところに関しては、本小委員会では苦手なところですので、できれば海域再生委員会で、こういうところを少し視野に入れて解析していただけると非常に助かるなと思っています。これだけを見れば何か変化が起きている可能性は十分に考えられます。

○有瀧小委員会委員長 ということで、午後の委員会もございますので、そちらにも私から情報提供はしたいと思います。よろしいでしょうか。
 ほかには何かございますか。先ほどのタイラギと連携して、貧酸素、それからいろいろな餌料環境に関わるようなところがサルボウについても大きく関わっているということで、またこれについても最後に3種まとめて、またご意見をいただきたいと思います。
 それでは最後になりますが、松山委員、すみません、アサリをよろしくお願いします。

○松山委員 再度、水産総合研究センターの松山でございます。最後にアサリに関する資料の収集状況と取りまとめ結果についてご説明をいたします。
 アサリの収集項目はこのようになっております。赤字で反転したものが収集できた資料になります。
 平成18年の委員会報告書の内容は、このようになっております。タイラギに続きまして、このアサリが当時も重要な指摘項目として、記述が多数出されている状況です。
 平成18年委員会の指摘内容のうち、まず、漁獲圧に関するものであります。これは文書をそのまま引っ張ってきているのですけれども、「前年加入した稚貝の98%が1年後には漁獲される」という、過剰漁獲に関しての指摘がなされています。またタイラギ同様に、これは緑川河口域のアサリの密度と覆砂をした漁場と、しない漁場の貝の出現密度の違いですけれども、覆砂をすることによって底質が改善される。逆にそのことによって底質が悪化しているのではないかという指摘がなされております。
 その具体的なデータとして、ここにアサリの漁獲量の推移と中央粒径値の変化、この年を100としたときの減少率、1割ぐらい中央粒径値が悪くなっているということも委員会で指摘がなされているところです。
 これもほぼ同様な傾向でありまして、粒径値の細粒化が指摘されたときの図になっております。
 アサリにつきましても、収集した資料の取りまとめ結果は多岐にわたっておりますので、このように四つの項目に区分いたしましてご説明を申し上げたいと思っています。
 まず、資源の近況に関する調査結果です。これも有明海におけるアサリの漁獲量を、各県(4県)で色分けをして図示したものです。1952年から2011年までのデータです。
 ご覧のとおり、アサリの漁獲量はタイラギ、サルボウ同様に1970年代辺りから1980年代に大きな山があります。1984年以降、これは前回委員会でも指摘されている部分ですけれども、急激に資源量が低下していることが分かります。
 前回委員会が活動していたのは、2000年から2003年の辺りになるのですけれども、アサリの資源量が最低レベルになった時代に委員会は活動していたのですが、実はその後に、小さいながら増加に転じておりまして、9,000トンを超える漁獲が見られております。
 どうしてもこの1970年代、1980年代の漁獲量があまりにも多いので、この山は小さく見えてしまうのですけれども、熊本県や福岡県の漁業者の当時の意識としては、アサリはかなり戻ってきたことが実感として得られたほど、アサリは回復した状況です。
 ただ、後ほど説明いたしますけれども、2008年ぐらいから、これが急激にまた低下いたしまして、今はもう過去にないレベルの深刻な状況に陥っています。
 ここで有明海のアサリの主要生息場であります緑川河口を中心に状況を見ていただきたいと思います。
 これは緑川河口におけます殻長が10ミリ以下の稚貝の出現密度になります。1平方メートル辺りの密度です。アサリの成長速度から考えますと、10ミリ以下のサイズというのは、調査をした半年前の秋に着底した稚貝だとご理解ください。ですので、ここで春の調査と書いてある貝は、その半年前の秋に着底したアサリである。逆に秋の調査で見えるのは、その年の春に生まれたものだとご理解をしていただきたいと思います。
 近年、漁獲量が回復しておりました平成15年から19年にかけては、この春期調査、つまり秋に生まれた稚貝が非常に多いということが続いたときです。これが平成19年以降、急に秋生まれが少なくなってくるのですけれども、そうすると漁獲量が大きく低下するという大変興味ある結果が得られています。実は過去に有明海でアサリが大量に取れていた時代も、この秋生まれの貝がほとんどだったという記述もあります。
 これは熊本県海域の浮遊幼生の2004年以降のデータをプロットしたものです。四つの海域で得られた生データをそのままプロットしているわけですけれども、先ほど、平成15年、ここでいうと2003年になりますが、この辺からアサリの回復が始まって2007年ぐらいまで資源量が多かったわけですけれども、やはり回復段階は浮遊幼生の出現密度も高かったことが分かります。
 この図は、もう一つ面白いことに、熊本県の複数の海域で幼生の出現パターンが、ほぼ連動していることが分かります。つまり、幼生の出現パターンが連動しているということは、少なくとも熊本県の海域ではアサリの漁場間で幼生のネットワークが形成されている可能性が考えられるデータではないかと思います。
 次に、資源の低下要因に関する調査結果でございます。これは委員会報告で指摘された細粒化、一つの指標であります中央粒径値の平成13年から平成20年までのデータをプロットしたものです。右側に図がずれるということは粗粒化している、左側に行けば細粒化していると判断できるわけです。確かに平成13年は、この青いラインになりますので、粗粒化していることは分かるのですけれども、途中、年変動がありますが、平成20年も同じようなところに来ていますので、報告書で懸念されていた細粒化は、この緑川河口のデータで見る限りは、それほど進んでいないことが分かります。漁師さんも最近は、底質はいいけれども、稚貝そのものが立たないということをおっしゃっております。
 あと委員会報告で指摘されました赤潮、特にシャットネラの影響ですけれども、これは室内試験結果がありましたので、ここにデータを引用しています。これを見ますと、有明海で観測される最大密度、2万という数字がありますけれども、1ミリリットル当たり2万細胞という濃い赤潮にアサリを48時間曝露しても、その間、へい死はない。その後、二日間様子を見ると1割ぐらいへい死はありましたけれども、少なくとも全滅はないということで、この結果から考えますと、少なくともこのシャットネラの赤潮でアサリが減少していることは考えにくいということです。ただ、この赤潮は、死滅期に貧酸素水塊を誘発する特徴があります。例えば諫早湾で、貧酸素水塊でアサリが死ぬことがまれに観察されていますけれども、そういう時は、この間接的な貧酸素の影響が考えられるのではないかと思います。少なくとも緑川の河口では、この種は濃厚な赤潮をほとんど起こしませんので、減少要因としては、ちょっと考えにくいです。
 さらにマンガンの影響についても数多く記述がなされております。最近のこのデータ、堤ら2002、高橋ら2011年のデータをこちらに引用させていただいておりますけれども、そういうデータを照合いたしますと、それまで影響があるとされていたマンガンの濃度であっても、アサリが現場で着底して成長している事実がありまして、現段階では直接的な影響はほとんどないというところに落ち着きそうな感じです。
 熊本県海域では、幼生や稚貝の出現密度自体が下がってきているということでしたけれども、これは諫早湾のデータを示しています。アサリの稚貝の2006年から2012年までの出現状況です。ここは覆砂をされて、よく整備された漁場ですけれども、熊本県で資源量が急激に低下したのは2008年ですので、この辺りですけれども、2008年以降も熊本県海域で観察されている密度の5から20倍のアサリの生息が確認されておりますので、減少傾向は見えない。同調はしていないという状況です。
 諫早湾のアサリの生息密度と稚貝の生息密度です。この赤い字は底質のAVS(酸揮発性硫化物)の値を示しております。覆砂漁場ですのでAVS自体がもともと低く推移しているのですけれども、特に底質の悪化と稚貝の分布は必ずしも連動はしていないということです。
 おそらく、諫早湾は覆砂漁場でありますが、餌料環境がよいところが、アサリ資源を安定化させている要因の一つではないかと考えています。
 3番目にアサリの主漁場でありました熊本県の海域での減少要因について検討いたしました。これは河口干潟で大量に発生した二枚貝の一種、ホトトギスガイです。ここに小さなつぶつぶが見えると思いますけれども、これは全てホトトギスガイが大量発生したものです。この生物はお互いに足糸を分泌して、われわれは通称「マット」と言っていますけれども、群棲する特徴があります。このように干潟表面がくまなく覆われると、これは実際に漁業者が駆除しているところだと思いますけれども、ホトトギスガイが大量に発生したマットの直下は、底質が急激に悪化している。このように還元層が出てきます。これに覆われてしまうとアサリは当然死滅してしまうので、こういった大量発生が、アサリの漁場で近年よく観察されていて、これは当然、アサリ資源を減らしている一つの要因となっております。
 これはアサリ資源の状態のところで触れたのですけれども、河口干潟、これは緑川河口での浮遊幼生の春と秋の出現パターンを平成8年から平成23年までプロットしたものです。先ほども稚貝のところで少し申し上げましたけれども、この資源回復期に当たります平成15年前後、秋の幼生の発生が非常に多かった。資源が底だった平成10年前後は、幼生で見ると特に春に関しては結構出ているのです。ただ、やはり資源が増えているときは、秋と連動があることが分かっております。
 なぜ春生まれと秋生まれで差が出るのかは、実はよく解析ができていないのですけれども、河口干潟を多く持っておられる熊本県海域では、秋に発生するアサリの幼生が、その後の資源状態を大きく左右していることが示唆されるものです。
 これを肥満度で少し整理してみようとしたデータがこれになります。先ほど、秋の発生が資源量を大きく左右していると申し上げましたけれども、秋の肥満度を平成10年からプロットしてみて、例えば秋の幼生が多い時期は、よく肥満しているデータが得られれば説明がしやすいのですけれども、必ずしもそういう傾向は見られておりません。親の資源量、絶対量がそもそも違うところもあるので、一概に比較はできないですけれども、幼生の発生量が成熟度だけでは簡単に説明できないということになりますと、生まれた幼生の浮遊している間の生残率の変化も視野に入れおく必要があるのかもしれません。
 あと、熊本県の河口干潟のアサリを見てみますと、総じて肥満度がほかの海域のアサリと比較して低めに推移していることが特徴です。そこで餌料環境がどの程度影響しているかを調べるために、連続観測でクロロフィル濃度および流速を測定いたしまして、流速とクロロフィル濃度を掛けたものを餌料フラックスとして図示しております。青字は潮下帯、赤字が潮間帯となります。常に青い部分が上に来ることは分かるかと思いますけれども、要は沖の深いところが餌は多い。潮間帯は少なめに出るということになります。
 ですので、河口干潟のアサリは、当然潮間帯におりますので、常に餌環境的には少ないところで実測されている可能性を、これは示唆しているかもしれません。
 そこで、タイラギのところで比較しましたプランクトン沈殿量のデータを見てみますと、これは平成6年以降、緑川河口の沖のデータを整理したものです。アサリ漁場の場合は、浮遊珪藻だけではなくて、底生性の珪藻も餌として重要ですので、この沖のデータだけでははっきりと断定することはできないですけれども、平成21年以降は、春先のプランクトン沈殿量が少なく推移しているのかなという、餌料環境はよくはなっていない、悪くなっているのではないかということは、何となく推定されます。
 植物プランクトンの発生量低下については、あまりデータが多くはないのですけれども、プランクトンの成長に必要なDIN、溶存態無機窒素の経年変化を参考までにお示しします。
 近年の状況は、この紫色で示した月別の平均濃度ですけれども、特に大きな変化は見えにくいのですが、確かに3月や10月で見てみますと、過去にない低い濃度が出ていることがうかがえます。もしかしたら、これが春先、秋口の餌料環境を悪化させている要因なのかもしれません。
 この図はアサリとハマグリの漁獲量の推移を示したものです。熊本県ではアサリとハマグリが同所的に生息しておりますので、アサリの漁獲量の低下とハマグリの低下が連動していることは、これで分かります。どちらも資源管理に近年は積極的に取り組まれている状況ですけれども、近年の同調的な漁獲量の低迷の主因としては、やはり河口干潟全体の基礎生産能力が低下している可能性が考えられます。
 ここで全体を総括するための、先ほどのタイラギで見えました相関図をこちらに整理しました。
 これは河口干潟、熊本県海域を想定しているのですけれども、こちらのアサリで起きている連関図です。一番影響しているのは、春あるいは夏の餌が大きいのではないか。あるいは局所的ではあるのでしょうけれども、ホトトギスガイです。底質の問題あるいはナルトビエイの問題もあると思うのですけれども、やはりこの矢印の大きい二つの餌の問題。当然、餌と幼生の発生量は連動しているのですけれども、これが大きいのではないかと考えておられます。
 隣接する福岡県の東部漁場ですけれども、これはタイラギで指摘されました春から夏の珪藻類を主体とした餌が少ないことがタイラギで指摘されておりますが、そういった餌料環境の低下がアサリでも、もしかしたら影響しているのかなと。ホトトギスガイに関しては、ちょっと資料が少ないですけれども、隣接する海域ですので、同じようなものが想定されるのではないかと整理をさせていただいております。
 有明海西部、ここは長崎県の諫早湾海域を想定して連関図を描いているのですけれども、こちらでは、赤潮の末期に発生します貧酸素水塊の影響が大きいのではないかと考えております。諫早湾では餌料環境が非常にいいということで、近年はそれほど問題になっていなかったのですけれども、ここ1、2年ほど、やはり餌料環境が悪化することで、肥満度が著しく低下することも観察されているので、ここにちょっと矢印を入れたのは、そういうことなのです。熊本県海域より遅れまして、今後、そういうことが追随して発生する可能性は否定できませんので、ここに矢印を入れさせていただいております。ただ、全体としては、ほかの海域に比較して、アサリの資源が安定している海域の一つではあります。
 以上の解析結果は、この表に示した各種要因との関連性を参照しながら考察したものです。あくまでもこの連関図は一つのたたき台ですので、これをベースにしてアサリをめぐる減少要因をさらに解明していくことが必要かと考えています。以上です。

○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございました。
 今のアサリの部分に関して、何かご質問・ご意見等がございましたら、よろしくお願いします。速水委員、どうぞ。

○速水委員 2点質問させてください。一つが13ページの上の図の餌料フラックスの図ですけれども、このフラックスの向きは、どちらからどちらの向きでしょうか。

○松山委員 つまり沖から岸、あるいは岸から沖ということですか。そうではなくて。

○速水委員 そうです。

○松山委員 これは原図だけを収集いたしまして、流行流速の向きなどに関しては、生データを持ち合わせておりませんので、それはまた持ち帰ってから調べてみたいと思っています。

○速水委員 分かりました。
 もう1点ですけれども、サルボウについて指摘されたような淡水の影響です。塩分低下はアサリについて影響はどうなのでしょうか。

○松山委員 実は、今年の豪雨などは典型だと思うのですけれども、あまりにも強烈な淡水の滞留はアサリにとって悪影響を与えます。実は今回、有明海を中心とした解析ではあったのですけれども、八代海の奥部などでは、そういった影響が見られていることを指摘されておりますので、当然、考慮に値する現象であると思いますが、今回の収集した値では、近年の干潟域の淡水化の影響は、ちょっと解析が間に合っていない状況です。

○速水委員 分かりました。どうもありがとうございました。

○有瀧小委員会委員長 田添委員、どうぞ。

○田添委員 長崎ですけれども、先ほどの説明のホトトギスマットですが、諫早湾でもカキ養殖でも非常に被害を及ぼして困っているのですけれども。あとは熊本県も発生していることなのですけれども、これが有明海全域で発生しているものなのか、今後もこんな大量発生が予想されるのか、この2点を、もしお分かりでしたらお教えいただければと思います。

○松山委員 もともとこの生物がいたか、いなかったかというところで言いますと、これは日本在来種の貝ですので、西日本に広くいたことは間違いないと思いますけれども、なぜ急激に近年大量発生するようになったかというのは、まだ解析ができていないと思っています。
 例えば、瀬戸内海や外国にも移入していって、現地で悪影響を及ぼすということで、よく問題になる生物ではあるのですけれども、一時大発生した後に、いろいろな生物に捕食されてまた減っていくということで、発生自体が恒常化するというよりは、大発生そのものは、かなり初期に大発生した後、徐々に減っていくパターンが、ほかの海域では指摘されています。これが有明海で恒常的に続くかどうかの予測は難しいのですけれども、もともとそういう特徴を持った生物であることは理解した上で進めたほうがいいかなと思っています。
 やはり基本的に柔らかい浮泥が滞留したような場所に集中的に生息域を広げていくような特徴があるようです。

○有瀧小委員会委員長 よろしいですか。

○田添委員 有明海のほかのところは。福岡や佐賀など、そういうところは発生しているのでしょうか。

○有瀧小委員会委員長 どうでしょうか。大村委員、よろしくお願いします。

○大村委員 福岡でもホトトギスマットはあるのですけれども、極端にそれで覆われているということは、今のところありません。

○有瀧小委員会委員長 佐賀県はどうでしょうか。

○古賀委員 佐賀は昭和60年代ぐらいから、もう普通にありましたけれども、それが急激に増えているとか、そういうことはちょっと今のところでは確認しておりませんけれども、まあ普通の生物だなという感じはしています。

○有瀧小委員会委員長 先ほどのマットのように、こんなに分厚くということはないわけですか。

○古賀委員 あります。そういうのは昔からありました。

○有瀧小委員会委員長 あるのですか。はい。よろしいでしょうか。
 ほかには何かございませんか。はい、どうぞ。

○本城委員 前の委員会でも指摘があったことですが、覆砂をすれば、アサリが立つという事実があります。なぜこのような効果が表れるのか。そして今の漁場は、覆砂とどう関係していて悪いのかという情報はありませんでしたでしょうか。

○松山委員 今回の資料に関しては、実は覆砂効果のデータも収集しておりましたけれども、委員会の時間の関係上、今回は減耗要因の解析に絞らせていただいて、そのデータは今回ご紹介できておりませんが、やはり初期の稚貝を着底させる効果は、やはり覆砂は劇的なものがあると思います。ただそれが成長に伴って、徐々に多少、覆砂していないところとの差が見えなくなってくるという経時的な変化はあるのですけれども、やはり基盤をきちんと作って、稚貝を着底させる効果が一番大きいのかなと考えております。

○本城委員 アサリの減少は砂の供給不足のためであるという情報はありませんでしたか。

○松山委員 これは各県の委員の皆さんからいろいろな資料をいただきながら水産のほうで解析をしている状況でして、陸域からの砂の供給は、われわれの生物小委ではデータを持ち合わせていないので、できれば海域再生委員会の方でで、そういうところを含めて情報提供をいただけると、われわれの解析にも役に立つのかなという気はしております。

○本城委員 覆砂によってアサリの定着や生育が良くなるということであれば、陸域からの砂供給の不足がアサリの減少に関係しているのではないか。委員長から、午後の委員会での検討をお願いしいただきたいと思います。

○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございます。では、私は午後から出席しますので、そのことは伝えておきたいと思います。よろしくお願いします。
 ほかには何かございませんか。よろしければ、ちょっと時間をいただいて、3種類、タイラギ、サルボウ、アサリと説明がありました。それぞれのところでは、若干、時間も少なかったのですけれども、ご質問等をいただいたのですが、全体を通して、二枚貝類の減少等について、何かご意見・ご質問等がございましたら、よろしくお願いしたいのですが。
 ざっと話を聞いてくると、キーワードとしては、やはり貧酸素水塊、赤潮による貧酸素の助長、漠然とした餌料環境、餌、再生産というところがキーワードとしてそれぞれのところにぶら下がっていくような気がします。それから海域ごとに起きている現象、魚種ごとに起きている現象は若干違うのですけれども、根底に流れているものは、何か横串が刺さりそうな気もしてきました。
 何かその辺りについて、ご意見・ご質問等はございませんか。はい、どうぞ。

○岩渕委員 私は福岡なものですから、有明海東部の状況になると思うのですけれども。意見ですが、タイラギでは20ページにプランクトン沈殿量の経年変化ということで載せています。これは縦軸が対数になっていますので、非常に数字でグラフ上はそれほど大きくはないかもしれませんけれども、実際のところ、感覚的には昔に比べるとプランクトン沈殿量は激減しているという感覚を持っています。昔ですと、ネットを引くとプランクトンがたくさん入ってくるものですから、ネットにかかったプランクトンを全て落とすのに何回も洗わなければならなかったのが、今はもう1回洗えば全部落ちてしまうという状況ですし、沈殿管に入れれば、沈殿管が2本必要だったのが、今はもう1本の本当に下のほうにプランクトンが少しいるぐらいになってしまった。
 一方、アサリの14ページの上にDINの変化がありますけれども、DINがあまり変わっていないような、それほど大きな変化がないような感じです。昔はプランクトン沈殿量が多くて、今は非常に少なくなっているという状況でDINが変わっていないということですから、基本的には、プランクトンが増えればDINは少ないという関係がありますので、今はプランクトン沈殿量が減っているのに、DINとしては昔と変わらないか、昔よりもDINも減っているというふうに変わっているというイメージを非常に持っています。
 有明海東部の傾向なのかもしれないですけれども、そういう印象が非常に大きいということです。

○有瀧小委員会委員長 ありがとうございます。要するにDINは食べ残しであって、そのトータルと考えると、減少傾向にあるというご意見でございますね。
 松山さんは、何かございますか。

○松山委員 おそらく今後、ノリをめぐる海域の環境変化のところでも同じようなことが述べられていくのではないかなと思います。やはり本来であれば、おっしゃったように激減しているのであれば、むしろDINは余らなければいけないのに、それさえも低く出ているということは、もしかしたら、われわれはまだよく解析はできていないですけれども、少なくとも有明海東部では基礎生産に必要な栄養環境は、昔に比べて低下している可能性は考えられるのかなと意識はしています。

○有瀧小委員会委員長 ありがとうございます。ほかには何かございませんか。はい、どうぞ。

○田添委員 今の岩渕委員の指摘にも関連するのですけれども、瀬戸内海が特措法(特別措置法)で下水道などを整備したために栄養源が減って餌料環境が悪くなったことは大きな問題となって検討しているのですけれども、有明海も、先ほどのアサリもそうですが、今、おっしゃったように、栄養状況がここ数年、ちょっと悪くなっているのが何なのか。今から特に調べなければいけないということではありましたけれども、その点は特に今後の生産に関係してきますので、要望というかたちですけれども、ぜひ原因を明確にして、何か対策があるのであれば、その対策を採っていただきたいのが今の思いです。以上でございます。

○有瀧小委員会委員長 たびたび出ていますが、漁場環境という観点だけでは計り知れないので、後段、今日の午後から出る委員会等で、また検討していただくことにもなろうかと思いますので、問題点としては挙げておきたいと思います。ありがとうございます。
 ほかには何かございませんか。はい、どうぞ、速水委員。

○速水委員 横串という意味では、今回、3種類とも関係してきている部分で、今後の課題の要因に含まれる部分として、主要な幼生供給の源になっている母貝集団がどこにあるのかが、やはりポイントになってくるのではないのかなと思いました。
 特にタイラギの場合は、2008年に大量に久々に採れた実績があるわけですけれども、この時の幼生の供給が主にどこからあったと考えておられるのかを教えていただけたらと思います。

○有瀧小委員会委員長 松山委員、お願いします。

○松山委員 幼生の発生は、漁場を中心に一部データはあるのですけれども、やはりタイラギだけを見ても浮遊期間が3週間ありますので、3週間全ての漂っているルートをきちんと抑えておかないと、今の速水委員からのご指摘の内容はうまく答えることができないのではないかなと思います。そういった意味では、まだ、われわれは漁獲されている漁場で生まれた子どもがそのまま漁場に着底している前提で話をしておりますけれども、場合によってはまったく違うところから来ている可能性もありますので、今後はそこを調査する必要は感じているところです。

○速水委員 タイラギについては、もう一つ不思議な点があって、湾奥部、諫早湾は確かに底質の細粒化が進んでいて、貧酸素の影響もある。それから冬場の低温の影響も受けやすいところですけれども、もっと南のほうは底質は砂っぽい状態が保たれていますし、貧酸素の影響も少ない。しかし、漁場ができない。なぜなのかが非常に不思議なのです。
 この辺りがもしかしたら、母貝からの幼生の供給に何か関係してくるのかなと思うのですけれども。

○松山委員 有明はやはり南のほうに大きく展開していますので、その生息密度が高い低いに関係なく、有明全体にどのようにタイラギが分布しているのかという調査が今後必要なのではないかなという気はしております。

○有瀧小委員会委員長 今のご指摘は、古賀委員からもお話がありました、いろいろな生活史の各段階で考えること、検討内容、今後の対策も違うと思いますので、今のご指摘の生活史の検討、守るべき海域・場所の検討は、今後の課題として串を刺していきたいと思います。ありがとうございます。
 ほかには何かございませんか。はい、古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 湾奥のことを言いますと、基本的にやはり、今、一番大きな問題は、貧酸素だと思います。その貧酸素は、先ほどもちょっと質問しましたけれども、本当に50ミリぐらいの雨が降れば、もう確実に貧酸素になる状況が今あるわけです。
 だから、先ほど、低塩分になる日数が劇的に最近増えているということも、やはり貧酸素が増えている要因なのかもしれませんし、ぜひ、貧酸素が増えている、増加している原因等についても検討する必要があると思っております。

○有瀧小委員会委員長 ありがとうございます。
 それともう一つは、やはり、何か回復していかなければいけないので、目標値が欲しいですよね。どれぐらいであれば、タイラギやサルボウが耐えられるのか、その数値はどれくらいなのかということについても、やはりわれわれが検討して、将来的な目標をこの会から発信していくことが必要だと思います。どうもありがとうございます。
 誠に申し訳ありません。時間が押しておりますので、第1段階の議題としての「有用二枚貝類の現況、問題点、問題点の原因・要因について」は、ここで閉めさせていただきたいと思います。
 それでは次に、今日の二枚貝類の中でもデータが出てきたのですが、7月に九州北部豪雨がございました。こちらについてもいただいたデータを取りまとめておりますので、事務局からご説明をよろしくお願いします。

○阿部室長補佐 それでは、資料3をご覧ください。「九州北部豪雨による影響について」ということでございます。すみません、パワーポイントは準備しておりませんので、手元の資料3を見ていただければと思います。
 九州北部豪雨につきまして、3ページ目辺りから、九州地方整備局のホームページの報道発表に出ていた資料を付けさせていただいていますけれども、非常に短期間の間に、これまでに経験したことがないような雨が局地的に降った。それがある程度の期間、1日だけではなくて、第1波が終わったら、また第2波、第3波のような感じで来たということでございます。
 例えば5ページにありますとおり、1級河川ごとの流量などを1カ月雨量、3カ月雨量で見てみますと、比率として1.6倍、1.4倍というような雨が降っています。
 特に1枚めくっていただいて6ページ目です。有明海に流れ込む河川である筑後川、あとは八代海に流れ込む河川であります球磨川の流量で、これは速報値でございますけれども、速報値から日別の平均値、平均流量をホームページより抜き出したものでございます。
 これを見ていただきますと、筑後大堰直下のデータが水資源機構のホームページに出ておりました。これを見ますと、7月3日、4日辺りに、平均流量で2,000ミリを超えるものが出ておりますし、また7月12日から16日の間に、5日間連続で1,000ミリを超える平均流量が続いてまして、特に7月14日については、日平均で5,000立米近いものが流れているという途方もない量が陸域から流れてきた状況になっております。
 資料の最後のほう、資料で言いますと34ページ辺りから、その被害の概況を各省庁からデータをいただいておりますけれども、例えば水産庁がまとめた報告によると、漁船や養殖施設、水産物、漁具のようなものにいろいろな被害も出ておりますし、国交省(国土交通省)からいただいているものでも、河川や海域において立木が流れてきて、その作業をしたとか。その後で、36ページ以降に各県からいただいたデータを付けておりますけれども、佐賀県、熊本県、福岡県の辺りでいろいろな被害が出ている、とてつもない災害だった状況がおわかりいただけるかと思います。
 本小委員会におきましては、九州北部豪雨による有明海・八代海等への影響を科学的に分析するということで、九州北部豪雨に関して調査したデータや、一般的なルーチンの調査からそのような傾向が見えているものを事務局から各省庁、各県にお願いして提出していただきました。それを載せたのが、またページがさかのぼりますけれども1ページ目、2ページ目でございます。
 1ページ目は九州北部豪雨の影響を確認するために実施した調査です。九州北部豪雨があったから、その影響を調べましょうということで実施したものです。1枚めくっていただいて2ページ目の調査は、毎年、このような調査はやっています。そのような中で九州北部豪雨の影響が見られたものでございます。
 1ページ目ですけれども、「九州北部豪雨の影響把握のために実施した調査」ということでして、環境省と福岡県、熊本県からデータが寄せられました。それぞれデータを付けているのですけれども、環境省のデータにつきましては、この資料の7ページ目以降をご覧ください。
 九州北部豪雨関連の調査の実施状況ということで、有明海懸濁物等長期変動把握調査という調査の中の一環で、九州北部豪雨の影響を調べております。これを見ていただくと有明海の湾奥部ですけれども、数多くの点で粒度分析や含水比分析をするということになっております。もう1ページめくっていただきまして8ページですけれども、有明海の中に定点を10点設けておりまして、そこで年2回ですけれども底質の調査をしておりまして、そのような中で7月後半にちょうど調査の日程がセットされておりましたので、九州北部豪雨の影響が非常に色濃く出ているであろう結果が認められております。
 結果ですけれども、9ページ目を見てください。これで見ていただくと、堆積物の堆積厚を示したものでして、左の図は昨年、2010年1月から2011年1月、1年間の差分はどうなったのかということを記したもので、その隣が今年の5月に調べたときと7月に調べたときの差を採ったものでございます。
 これを見ていただきますと、左は湾奥の六角川観測塔や早津江川観測塔のところで堆積はしていますが、その他の海域、やや沖側においては堆積は認められなかったのですけれども、右の図を見ていただくと、今まで認められなかったところの点で堆積が認められておりますし、早津江川の河口域の部分でも堆積が認められているということです。
 1枚めくっていただいて10ページ目です。粒度組成を調べた結果ですけれども、過去に比べて中央粒径値がどうかということで調べております。これを見ていただきますと、湾の奥の真ん中辺りの浜川東や地点102、地点10、地点52のところではMDφ(中央粒径)が増加しておりますし、その他のそれよりも沖側では、減少している傾向が見られました。
 続いて、それ以降、11ページ目から16ページ目まで、先ほどの定点での底質調査をしている部分の結果を付けています。申し訳ないのですが、例えば11ページ目のところで噴き出しで、Afk-1で豪雨後に上昇と書いてあります。Afk-1が青い塗りつぶしの四角になっていて、それを実は前回2012年の2月ぐらいの値から2012年7月に向けて矢印を引っ張っていたつもりなのですが、その矢印がちょっとずれてしまいまして、実際に矢印を引きたかったのは、2012年の一つ手前のデータから一番右端のデータに線を引きたかったということで理解していただきたいのですけれども、Afk-1で豪雨後に上昇という項目と、Akm-2で豪雨後に上昇という項目がございます。
 このAfk-1という場所につきましては、先ほどの8ページ目の地点図でいきますと、Afk-1は筑後川の河口域の部分です。Akm-2は熊本の干潟域の沖合の河口域のところです。
 それで見ていただくと、上昇している値が、例えば粘土シルト分でありますとか、MDφでありますとか、含水率というところが、その河口域のところのAfk-1やAkm-2で上昇しているという結果が出ておりまして、これは九州北部豪雨の影響が出ているのではないかと、こちらでは推測して付けさせていただいております。
 続きまして資料の17ページを見てください。数値シミュレーション結果を付けております。これは実は平成23年度までの環境省の事業で、いろいろな環境条件を与えて、その時に懸濁物がどのように移動するのかをモデルを使ってシミュレーションしました。その時の条件で、参考になるかと思いまして、筑後川のところで流量をある程度1,000ミリ立方、2,000ミリ立方、3,000ミリ立方など、計算条件を変えて計算したときにどうかということを調べたときの結果のうち、3,000ミリ立方と一番雨が降るパターンで計算したときのデータを参考までに付けさせていただいています。
 1枚めくっていただいて、18ページのところに計算結果がありますけれども、これを見ていただくと、河口域から出たところ、また中央部の湾奥、また西側の湾奥などに堆積するという結果です。全体的に下のところで数字があるのですけれども、3,000立米のケースだと、基本的に有明海湾奥は、全体的に泥がたまりますという計算がされています、ということです。
 それですみません。資料18ページ、19ページ目のところですけれども、ここについては、その後に発生した台風の話をさせていただいています。この台風につきましては、1枚めくっていただいたところで、実はこの台風のときも堆積したということで、情報を付けさせていただいております。
 続きまして、21ページ以降です。これは貧酸素水塊広域連続観測をしていまして、その中で低塩分の傾向が採れています、というデータを付けさせていただいています。説明は割愛させていただきます。
 資料の28ページ目、29ページ目、30、31ページ目は福岡県のデータでございます。福岡県で採ったデータでございますと、土砂などが矢部川河口域で10センチ以上堆積しただとか、またはアサリが3分の1に減少している、サルボウも減少しているというような影響がデータで得られておりますし、また熊本県からは土砂の堆積についてデータをいただいております。
先ほど、一番最初の資料確認のところで修正をお願いした部分でございますけれども、こちらを見ていただいても白川河口域、33ページ目でございますと、最大値、赤い塗りつぶしのところですけれども、こちらで50センチの堆積圧が確認されると、やはり九州北部豪雨の影響が大きかったということでございます。
 すみません。もう時間がないので、ここまでの報告にさせていただきます。

○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございました。
 それでは今の事務局の説明に対して、何かご質問・ご意見等はございませんか。よろしいでしょうか。
 この資料については、午後の小委員会でも説明されるということで承っております。それでよろしいでしょうか。
 それでは次に行かせていただきますが、議題1の検討した内容について、事務局のほうで整理分析方針(案)を作っていただいておりますので、そちらのご説明をよろしくお願いいたします。

○阿部室長補佐 資料4です。これは、先ほど委員長から説明がありましたとおり、議題1の検討結果を事務局で整理をして、今後、第3回に向けてどういう方向でやっていきますか、ということをまとめたメモ的なものでございます。今回の委員会で確認した内容をメモしたという位置付けで整理しております。時間もありませんので全貌は言いませんけれども、例えば資料、タイラギ、サルボウ、アサリについて、今回の検討結果と整理分析方針ということで付けています。この整理分析方針が、次回に向けての作業をこのように進めていこうということで整理したものでございます。
 時間がありませんので、この説明は割愛させていただきます。本来、ここでの議論を踏まえて、会議後に作成すべき性格のものですけれども、たたき台として、われわれが提出する資料をもとに作成したものでございますので、これにつきましては、次回の会議の検討事項と大きく関係してきますので、委員におかれては、今日はもうご意見を承る時間がほとんどないので、持ち帰っていただいて、中身をもう一度、環境省で一方的に書いている部分もありますので、中身を見ていただいて、修正すべき点は修正し、関係委員にもう一度配って、次回の資料の準備を進めていきたいと思います。
 ただ、こちらが予めまとめさせていただいた意図としては、小委での検討が、言いっ放しになってしまって、まとめる方向に行かないとそれはそれで困るので、あえて事務局でこういう問題が一番問題ではないかというところにポイントを絞ったかたちで、次回にある程度、話が結びつくようにと作っておりますので、もしかしたら、もう少しこういう問題もあるのではないかという部分が、抜けてたり非常に弱く書かれているかもしれませんけれども、事務局として重点的に次回やったほうがいいのではないかということをまとめさせていただいております。
 また実は今回、議論のなかった貝類についても整理させてもらっていまして、ハマグリ、アゲマキ、カキについての方針もまとめさせていただいています。これがいいのかどうなのかは、本来ここで議論すべき話ですので、このようなものについても委員の方で持ち帰っていただいて、われわれにご意見をいただければと思っております。

○有瀧小委員会委員長 了解です。資料4については、本日の整理、次回の3回に向けての検討内容についてのたたき台ということで、今、事務局からお話がありましたが、お持ち帰りの上、ご検討をしていただいて、事務局に意見を上げていただくということで、よろしくお願いいたします。
 何かございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、その他というところに移りたいと思います。何かございますか。

○阿部室長補佐 最後のところが慌ただしくなって申し訳ございません。事務局といたしましては、幾つかあります。まず一つは、参考資料1として、海域再生のグループの資料を付けております。その前に「情報収集分析方針に基づく情報収集状況について」というものを付けさせていただいていますけれども、これについては第1回小委のときに情報を集めますというところの進捗状況です。事前にメールでもお送りしているとおり、報告数がかなりあるのですが、事務局でまだ取りまとめられておりませんので、取りまとまってある程度の報告書をDVDのかたちで各委員には配布させていただきたいというところでございます。
 あと、次回スケジュールですけれども、すでに日程調整ということで送らせていただいて回答もいただいています。ただ、何名かの委員からまだ回答が届いておりませんので、その委員の日程を確定した上で、今日も午後に海域生成小委員会をするのですけれども、次回も連動したかたちで、できれば東京でさせていただきたい。そして日程を年内には各委員のところにご報告したいなと思っておりますので、すみませんが、各委員、もし日程票を出していない委員がいらっしゃいましたら、至急、メールで回答いただきたいと思います。
 あと、議事録の確認ですけれども、今日の会議の結果については、速記を業者さんに頼んでおりますので、速記が上がってき次第、各委員にご覧いただいて確認させていただいて、その結果についてはホームページに載せることと、あとは各委員に提供させていただくということをしていきたいと思っております。以上です。

○有瀧小委員会委員長 ありがとうございます。何かご質問はございますか。よろしいでしょうか。
 それではこれで、本日、予定していた議題は全て終了しましたので、これにて第2回生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会を閉会いたします。どうもありがとうございました。

午後12時5分 閉会

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