第9回有明海・八代海総合調査評価委員会小委員会 会議録

1.日時

平成18年9月11日(月) 14:00~16:15

2.場所

共用第8会議室(中央合同庁舎5号館6階)

3.出席者

小委員会委員長 荒牧軍治委員長
委員 須藤隆一委員
専門委員 岩下徹委員、川野田實夫委員、古賀吾一委員、小林信委員、中村武弘委員、野口敏春委員、濱口博彦委員、弘田禮一郎委員
事務局 環境省水・大気環境局水環境課長、水環境課閉鎖性海域対策室長、閉鎖性海域対策室長補佐

午後2時02分開会

○環境省水環境課閉鎖性海域対策室長 それでは、大変お待たせいたしました。委員の先生方におかれましては、お忙しい中、ご出席賜りましてまことにありがとうございます。
 定刻になりましたので、ただいまから第9回の有明海・八代海総合調査評価委員会小委員会を開催させていただきます。
 本日は、本城委員、荒木委員のご両名を除く先生方にご出席いただいております。須藤委員も間もなくいらっしゃると思います。ちょっとおくれておられます。
 それから、議事に入ります前に、7月付で私どもの幹部が変わりましたのでご紹介させていただきたいと思います。まず、水環境担当審議官でございますけれども、前任の坪香にかわりまして寺田が着任いたしました。寺田審議官はきょうはちょっと所用で欠席でございますけれども、よろしくお願い申し上げます。それから、水環境課長でございますけれども、前任の紀村にかわりまして望月が着任をしております。望月水環境課長は間もなく出席の予定でございます。よろしくお願い申し上げます。
 議事に入ります前に、まず、配布資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元でございますけれども、資料1から4までございます。資料1といたしましては委員名簿でございます。それから、資料2-1といたしまして、問題点と原因・要因との関連についてというものがございます。2-2といたしまして、同じく問題点の原因・要因フロー図でございます。それから、2-3といたしまして、アサリ・タイラギに関する知見の整理と。それから、2-4といたしまして、底質の泥化等に関する資料でございます。ご不足がございましたらお申し出いただければと思います。
 では、以後の進行につきましては、委員長の方によろしくお願いいたします。

○荒牧委員長 皆さん、こんにちは。どうもお忙しい中、ご出席いただきまして本当にありがとうございます。
 それでは、最初の議題から順を追っていきたいと思います。きょうは、問題点の原因・要因の検証についてというのがメインのテーマであります。水産資源の減少とか、それから環境悪化というものの要因・原因については、これまでもたくさん議論されてきたわけですけれども、その考えられる可能性というものを含めて、相関図がつくられています。その相関図について、現在、評価委員会、親委員会の方では、岡田委員と細川委員が中心になって、要因の絞り込みという作業が行われています。現場に近い小委員会の先生方にもこの作業に加わっていただきたいということで、この小委員会でご意見を伺うことといたしました。
 残念ながら、作業を進めておられます岡田委員は、ちょっと都合が悪くて出席できませんので、事務局の方から資料の説明をお願いしたいと思います。
 順番は少し変えますが、資料の順で2-1と2-3の方から説明をいただいた後、質疑をお願いしたいと思います。
 では、事務局の方でお願いいたします。

○環境省水環境課閉鎖性海域対策室長補佐 それでは、事務局の方から説明します。
 まず、資料2-1でございますけれども、1ページ目のところでございますが、先ほど荒牧委員長からご説明のあった趣旨が少し詳しく書かれております。この(試案)につきましては、前回の小委員会の方でご議論いただいたかと思いますが、その後、次のページをめくっていただければ経緯が書いてございますが、第20回から第22回までの評価委員会において、この(試案)についていろいろご議論いただきまして、多くのコメントをいただきました。そのコメントを踏まえた見直しというものを3ページ目以降に整理しております。
 さらに、このご意見を受けて、AからCまでの区分について見直しを行った結果、ほとんどの事項につきましてB、すなわちデータがなくて判断ができないというようなカテゴリになりましたものですから、こういったBとされたものを中心に、さらに短期的な影響であるとか、実験的なレベルでの結果を踏まえて、多少でも長期的な変動要因の可能性が高いものが選べないかということで、新たに「B+」というカテゴリ、2ページの下の方にございますけれども、こういった判断ができないかというようなことで、岡田委員にご検討いただきまして、今のところ「二枚貝の減少」と「底質の泥化」の要因について、抜き出してさらに検討を行ったというようなことでございます。
 表にございますように、3ページ目以降太字で書いたものが、こうした作業を行った結果、見直しをした原因・要因でございます。それぞれアサリのところが3ページにございますし、それから、5ページ目はタイラギのところです。それぞれ底質についての関連ということで「B+」というのがここで見直しを行っております。それから、底質の泥化への直接的な影響というところで、6ページ目以降、それぞれの要因について再度知見の整理を行っております。
 以上が資料2-1でございまして、続きまして、資料2-3のところでございますが、アサリとタイラギに関する知見の整理という資料について、概略をご説明いたします。  まず、1のアサリと底質のところでございますけれども、場所としてはアサリの生産量が最も多くて、さらに1980年代以降からの落ち込みが大きい漁場として緑川漁場を選定しています。この海域については調査事例も多いことから、この生育の対象としては適当かと考えております。
 まず、着底稚貝のところですけれども、浮遊幼生から稚貝の着底・生育というのは、海域によってかなり大きく異なるというようなことが言われておりまして、安定的な着底の稚貝生育というのが、アサリの資源加入であるとか持続的生産にとって重要であるということが指摘されております。稚貝についての調査研究を以下のとおり整理しております。
 まず、(1)ですが、室内実験結果としては、まず殻長2mm以上になれば、生産が今はない、以前はあって今はない天然漁場であっても、覆砂を行った泥質でも、両方の底質で育つということが実験結果で確認されています。
 それから、緑川漁場の経年的な底質データということですが、これは熊本水試の方からデータを提供いただきまして、緑川干潟の中央粒径値のみのデータでございますけれども、1981年の数値、1996年から2003年までの数値ということでデータをいただいておりまして、若干ですけれども、細粒化の傾向が推測されるということで、これにつきましては4ページをご覧いただけば、表1.2という形で中央粒径値の経年的な変化ということをお示ししております。
 ただ、この測点につきましては全く同じではなくて、少し違う測点もあるので、そういう点については留意が必要かというようなことで県の方からご指摘をいただいています。
 続きまして、稚貝の着底と粒径との関係でございますけれども、一般的に稚貝の着底には粒径が0.5mm以上のものが適当ということが言われております。ですから、一般的に0.5mm以上の粒の割合というのは、稚貝の着底に重要だということが考えられるということでございます。ですから、単に中央粒径値だけではなくて、こういった粒径分布を見ていくことも重要ではないかと考えております。
 それで、実際に緑川漁場の粒径分布についての情報でございますけれども、これにつきましては、1996年の緑川の河口干潟の粒径分布をとったものがございまして、これによりますと、着底に適当と言われている0.5mm以上の粒というのが2~3%しかないというようなことでございまして、その他のアサリの生産性が高い漁場と比べても非常に低いということが言われております。
 粒径分布につきましては、同じく4ページの図1.2に示してあります。点線のところが緑川漁場でございまして、実線なり破線のところがその他の生産性の高いアサリ漁場での粒径分布ということになっておりまして、0.13~0.5mmぐらいのところにかなり粒径の分布が集中しておりまして、細かくて均質な粒で構成されるのが緑川漁場の特徴ではないかと思っております。
 それから、実際に覆砂の効果ということで、緑川漁場で行われた覆砂の効果の調査につきましては、5ページにありますように、図1から4に示してありますけれども、非常に効果があって、一方、生産のない天然漁場では稚貝の着底がほとんど見られないというような結果が示されております。
 それから、その他の情報としては、一般的に言われているのは、中央粒径値0.25mm以下の底質ではアサリの生産が少ないというような報告もあります。
 めくりまして、整理のところでございますけれども、緑川干潟を事例にとったわけですけれども、この干潟粒径は、稚貝の着底に適した粒径と言われる0.5mm以上の粒の割合が近年低下しているということ。ですから、着底に適切でないような小さい粒子が増加した可能性が高いというようなことが考えられます。
 さらに、粒径分布というのが緑川干潟の場合はかなり均質なものということから、中央粒径値が若干でも減れば、稚貝が着底できるような大きさの粒の割合が大きくできるのではないかといった可能性があるというようなことから、こういった粒径の変化というようなことについて、緑川干潟のアサリ生産減少について取り上げるべき重要な要素の1つと特定できるというような考察を行っております。
 以上が、アサリのところの知見の整理です。
 続きまして、タイラギのところですけれども、6ページになりますが、タイラギの減少要因としては、伊藤委員が既に詳細に報告を行っておりまして、ここでは伊藤委員の報告と最近の調査結果を踏まえて、知見の整理を行っています。
 まず、漁場としては、有明海の北部漁場ということで地域を取り上げております。まず、有明海の北部漁場のうちの中西部漁場と言われる漁場についての整理でございますけれども、この漁場は現在は漁場価値がないという漁場でございます。
 まず、粒径の変化ですけれども、1989年から2000年の調査、2つの調査を比較しますと、Mdφ7の分布が中央に拡大して、底質の細粒化が推測されるというようなことが報告されています。それから、浮遊幼生と着底稚貝の分布ですけれども、1981年の調査では、浮遊幼生、着底稚貝ともに中西部漁場に分布をしたということですけれども、2003年の調査では、浮遊幼生は見られるものの着底稚貝が西側に見られず、東に偏って分布したというようなことがわかっております。
 このことから、中西部漁場では、浮遊幼生が着底しなかったのか、もしくは着底後に死んだのかというようなことが推定されるということから、[3]のように、稚貝着底時の室内実験を行った結果、浮遊幼生から着底のプロセスでは、底質の選択性はないというようなこと。それで、特に観察の結果こうした稚貝が底質に着底後、足糸を出して砂粒にくっつくというふうなこと、さらに砂がないような泥の基質では、匍匐運動を続けて死亡するというようなことから、中西部海域では定着はしたけれどもその後死亡したと推測されるということでございます。
 [4]でございますけれども、これにつきましては最近の知見でございますけれども、浮遊幼生、稚貝に関する調査結果ということでございます。これはまず、浮遊幼生というものは7月から8月、北部海域に広く分布するということ。それから、2003年には諫早湾周辺にも多く見られたということ。出現量については、2003年に比べて2004年、2005年に減少傾向にあるというようなことでございまして、資料として図2.3に示してあるような結果でございます。
 それから、さらに着底稚貝につきましては、図2.4に示してございますように、西側よりむしろ東側に偏って分布しているというような結果を得ております。それから、着底稚貝の分布ですけれども、図2.5でございますけれども、酸揮発性硫化物(AVS-S)であるとか、強熱減量の少ないところに着底が多く見られるということで、それぞれ図2.5に、底質環境のパラメータということで、稚貝の着底の頻度という形で示しております。
 それから、[5]でございますけれども、覆砂効果の実証試験ということで、2005年に福岡県、佐賀県で行われました実験結果でございますけれども、この結果もやはり佐賀県の覆砂区では密度が低下するというような結果が得られているわけですけれども、これにつきましては、佐賀県の覆砂区域ではシルトが多く堆積したということから、底質での細粒化と稚貝の生産ということの因果関係が示唆されると考えられているということでございました。
 それから、ここまでは稚貝でございましたが、[6]の今度は成貝の分布というところでございますけれども、これも以前、伊藤先生が発表されたとおりでございまして、図2.7でございますけれども、年とともに成貝の分布というのが東に偏っていくと。特に1996年前後に生息場が次第に東へ寄っていくというようなことです。また、諫早の干潟域においても、泥質にはほとんど分布しないということが観察されています。
 それから、次のページの[7]でございますけれども、こちらは室内実験結果でございますけれども、成貝に泥をかぶせる実験を行った結果、生残率の低下と体内のグリコーゲン含量も低下するというような結果が、図2.8が生残率でございますけれども、グリコーゲン含量の変化としては図2.9ということで示しております。
 これまでの知見の整理としては、まず、タイラギの漁獲量というのがピークを持ちながら減少してきていますけれども、漁場が東側に偏りだした1996年前後までの間の減少の重要な要因としては、底質の泥化が挙げられるのではないかというようなこと。また、1996年以降、タイラギの分布というのが大牟田沖の東側に偏りだしたということで、96年に漁獲のピークを示しましたが、その後2000年に大量斃死――これは立ち枯れによるものですけれども――が確認されておりますが、この原因については不明であるということ。もう1点、諫早湾口のタイラギ漁場の消失については、現時点では調査不足などにより原因は明らかでないというようなことでございます。
 事務局からは以上でございます。

○荒牧委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、今、アサリとタイラギについて特に説明をいただきましたけれども、きょう、ご出席の委員の方々は皆それぞれの現場で、一番近いところにおられる方々ですので、ぜひ、今のような分析といいますか、分析・整理が妥当なものであるのか。データに従って分析をするということがもちろん重要なのですけれども、それ以外でももちろん構いませんので、今、分析された事柄というのが、日常お考えになっていることとそう矛盾のないことであるかどうか、あるいはもうちょっとつけ加えるべき視点があるかどうか、そういうことも含めて教えていただければありがたいなと思いますけれども、いかがでしょうか。
 まず、アサリの方からいきましょうか。
 熊本の報告を。

○岩下委員 資料の方は熊本県の方でお出ししていますので、お手元の資料の中で、補足的に説明する部分と、熊本県が今考えています部分について、若干ご説明したいと思います。
 まず、資料2-3の1ページをあけていただきますと、アサリと底質のところで書いてございますが、これの着底稚貝の(1)から(6)までございますが、この(2)の経年的な提出データというところですが、確か4ページだったと思いますが、4ページの方にうちの方からお出ししました緑川河口のアサリの漁獲量と干潟の中央粒径値のデータが、昭和47年から平成15年までございますが、この中で昭和52年をピークとしまして、実際に昭和56年の0.212、ここはもう既にピークを過ぎまして、どんどん漁獲量が落ちてきている段階でございます。その後、平成6年から粒径値のデータがございますが、これは実は粒径値のサンプルの数が56年度はたしか260点ぐらいとっておりますが、近年はずっと少なくなっております。
 それで、ここにお出ししています粒径値の、過去の0.212とその後の0.18~0.20、これぐらいで細粒化の傾向があるのかというところがどうなのかなというのが1つございます。全体のヒストグラムとか、そういったものがあればもっと詳しくできるのでしょうが、この平均値で細粒化と言えるのかどうかというのが、うちとしてもちょっと疑問がございます。
 で、ここの部分につきましては、今、各県とも覆砂が効果があるのではないかということでされておりますので、覆砂の粒径値のデータというのを各県持っておられるところがあるのではないかというふうに思っています。うちも、覆砂をするときの粒径値とその周りの粒径値といったデータも若干持っておりますので、この辺のところからの比較というのも1つ必要ではないかというふうに思っています。それが1点です。
 もう1点、1番(1)の室内実験結果でございますが、殻長は2mm以上の稚貝であれば育つという確認を国がされているということですが、これをうちがやりましたのは、その稚貝のサイズを検討したものではなくて、これをやるときに底質にいろいろな問題があるのではないかというようなご意見がございまして、では実際に現場の底質に含まれる何らかの物質の影響といったものを見ようではないかということで、殻長2mm前後の稚貝を使ってこういった実験をやったものでございます。
 それで、第三者委員会で殻長6mmとされていますので、ちょっとねらいが違うのではないかというふうに思っております。うちがこれをやりました段階で、逆にそういった閉ざされた水域の中でこういったものをやりますと、2mm前後でもそこの底質の基盤が安定していれば2mmでも十分成長するということがわかったと。むしろそちらの方が正確だというふうに思っております。それが2点目です。
 (3)の稚貝の着底と粒径の関係。これで0.5mm以上の粒の割合が稚貝着底に重要と思料されると。粒径分布を見ていく必要があるのではないかということでございますが、実は、うちはこの粒径はもちろん大切な要因ではないかと思っておりますが、むしろこの資料2-1に書いてございますように、基盤の安定といったところが1つ大きな要因としてあるのではないかというふうに考えて、そういったところを今しきりに攻めているところでございます。
 実は、そういったものに至った経緯というものをお話ししますと、担当者が現場に行きまして、非常に多い時代と今とどこが違うかというのを、その現場の中で見てみますと、1つは、昔は非常にこの有明海、特に熊本県の有明海岸には小型の定置がございました。昭和50年から55年当たりは、約30経営体程度の小型定置がございました。それが今非常に減りまして、昨年度で6経営体まで減っております。そういった定置漁場の構築物が非常に多かったこととか。
 今、現場に行って見ますと、見渡す限り非常にフラットな漁場でございますけれども、以前その多かったところは非常に起伏が多かったということもございます。あるいは、昭和52年に4万トンとれていたころは、非常に層をなしてアサリが漁場にいたと。そういったことでアサリ自身、そのアサリの貝殻も含めてでございますが、そういったものが地盤の安定というものに寄与していたのではないかと。  今の覆砂の効果というものが、うちの平成7年から10年間の覆砂の効果のところがありますが、そういったところを毎年調査いたしましても、必ずしも毎年同じようなところにいるのではなくて、覆砂の形状も変わりますし、そういうときにアサリの分布密度も、例えば傾斜の部分に多いとかといったことで、毎年同じ覆砂の中に残っていても密度の高いところというのは違ってきております。
 そういったもの、あるいは昔はそういったところに構築物と言いましょうか、ノリのやった後の棒杭とか、そういった構築物が大変多くございました。そういった周りに多いということもありまして、やはり小型定置とかといった隆起の問題とか、アサリ自身が地盤の安定に役立っていたのではないかということで、やはり粒径も1つのファクタではあるかもしれませんが、それとともにやはりそういう地盤の安定というのも非常に大事ではないかということで、今年度も地盤の安定に関するデータの収集ということを国とも一緒にやっておりまして、そういう面から、粒径だけを問題にしていくとちょっとほかの要因というのが見えなくなるのではないかという気がいたしております。
 それとあわせまして、資料2-1の3ページの問題点、アサリ減少への直接的影響という表がございますが、この中で、今お話ししましたようなところで、底質の泥化という言葉を使われておりますけれども、泥化と言いますともっと小さなシルトの部分の話になってくるのではないか。そうしますと、泥化というよりも、ここの言葉で使われていますような細粒化とか、そういった段階でとどめておいた方がいいのではないかという感じがいたします。
 以上です。

○荒牧委員長 どうもありがとうございました。
 今のことで何かご質問はありませんか。岩下委員さんに何かありませんでしょうか。
 どうぞ。

○川野委員 言葉で「基盤」とおっしゃった、基盤というのは……。

○岩下委員 基礎の基に盤です。

○川野委員 海の底にある基盤ではなくて。

○岩下委員 アサリ漁場ですね。そういう意味で基盤という言葉を使っております。

○川野委員 はい、わかりました。

○荒牧委員長 では、私の方から。
 今、岩下委員さんが言われた、「安定」というのはどういうイメージで調査をされようとされたのですが。

○岩下委員 基盤の安定というものは、科学的なデータが必ずしも十分そろっているわけではございません。ただ、着底いたしまして、0.2か0.23 mmぐらいの稚貝が着底いたしますね。それから、そこは見解が分かれるところかもしれませんが、4~5mmまでの、その間の密度といいましょうか、そういったものが非常に変化が大きいものがございます。それが5~6mmなのか、もっと大きいものなのかはちょっとはっきりしないところがありますけれども、それまでのいわゆるアサリが潜ったりすることの能力がつくまでの間、それの減耗が非常に大きいのではないかと。そこは、着底する稚貝は非常に多くても、例えば春に生まれた分について着底が非常に多くても、秋に調査してみると非常に減っているということで、そこの何らかの物理的要因とか、そういったものが非常に大事ではないかというふうに思っています。
 で、そのときに、春の嵐とかあるいは潮流とか、そういったものによって吹き流されたり、あるいは穴に落ちたり泥に埋まったりして、そういったものによる減耗が非常に大きいのではないかと。
 で、その段階で、今うちがやっていますのは、例えば13mmから40mmぐらいの小石といったものを使ってやると非常に稚貝の残りが大きいとか、そういったことで、そういった意味の基盤の安定という言葉を使っていますが、その言葉自体が果たして妥当かどうかというのはわかりませんが、そういった意味でお話ししているところでございます。

○荒牧委員長 ほかにどうぞ、何か質問はありませんか。
 どうぞ、お願いします。

○小林委員 資料2-3の最後の4ページ目、表1.2、熊本県緑川河口のアサリの漁獲量と干潟の中央粒径値とありますけれども、このアサリの漁獲量は熊本県の緑川河口域だけの分なのですか。熊本県全体ではなくて……。

○岩下委員 緑川河口域の漁獲量です。

○小林委員 そうですか。
 緑川河口というのが漁場の中心ですよね、熊本県では。

○岩下委員 この当時、一番とれていたときは、たしか熊本県の7割ぐらいとれていたと。昭和52年に6万5,000トンとれておりますけれども、そのうちの4万トンとれています。

○小林委員 それで、大体平成七、八年、九年ぐらいを底として、やや増加傾向で15年が5,000トンをちょっと超えていますけれども、16、17は多分統計資料が出てないと思いますけれども、感触としてはかなりふえてきている傾向にあるのでしょうか。

○岩下委員 たしか16、17、この3年間で5,000トンか7,000トンぐらいの生産だと思います。

○小林委員 そうですか。わかりました。
 と申しますのは、福岡県でも平成10年ぐらいまでは四、五千トンあったのですけれども、それ以降はほとんどとれないような状況が続いておりまして、一昨年ぐらいからやや増加傾向にあり、ことしは数千トン、うまくいけば1万トンぐらいの漁獲があるのではないかと期待しています。
 過去からよく言われているのですけれども、熊本がふえ始めますと、二、三年たって福岡のほうもふえるとよく言われていまして、熊本がふえてきているから福岡県もふえてきたのかなというふうに思っております。
 このような傾向を、統計資料、昭和47年ぐらいからありますが、減ったりふえたりしているわけですけれども、今後は増加傾向にあると熊本県さんの方では考えていらっしゃるのでしょうか。

○岩下委員 将来ふえていくかどうかというのは、ちょっとよくわかりませんけれども、そういった覆砂の効果というのがある程度見られているとか、小石を使ったそういうものの効果というのは少しわかってきておりますし、それからもう1点は、アサリの資源管理マニュアルというのをつくりまして、例えばサイズの問題とか、とる量の問題とか、あるいはナルトビエイの駆除の話とか、そういったものを総合的にやっておりますので、少しそういった効果があらわれてくるのではないかというふうには思っています。

○小林委員 どうもありがとうございました。

○荒牧委員長 ほかにどうぞお願いいたします。何かご質問はありませんでしょうか。
 古賀委員、お願いします。

○古賀委員 基盤の安定というのは、砂が動いたりとかそんなふうな意味ですかね。

○岩下委員 そうですね。いわゆる表面が潮流の影響とか、あるいは逆にいろいろなものが隠されたり、そういったものの影響というのは、特にサイズ的にある程度大きくなった場合は今の状態でも十分生育するというのはわかってきていますので、ある一定のサイズのときの管理と言いましょうか、その物理的な条件というのは非常に影響が大きいのではないかなというふうにうちは見ています。

○古賀委員 鹿児島の場合、アサリ漁業というのはほとんどなくて、そういう知見は余り持たないのですが、私どものところも昔はアサリがおって、今は余りいなくなったという、たくさんあるわけです。そういった比較的外海のところに見ていますと、有明海とかをイメージしますといわゆる静かな砂地の泥地のという感じですけれども、外海のところに行きますと結構石の多いところにアサリがたくさんいるのです。石を掘り返してみんなとるようなところが結構アサリがたくさん残っている事例が結構各地にあるものですから、やはり1つはそういうふうな地盤が余り動かないというのですか、安定しているというのは、何か1つ大事なような気がします。
 ただ、きちんとした試験をしたわけではないですけれども、そういう鹿児島に残っているアサリの漁場を見てみますと、浦々でとれているところは、現実的にそういうところが結構多いものですから、そういうところも1つ大きな影響があるのではないかと、要因になるのではないかというふうに感じております。

○荒牧委員長 ほかにどうぞご質問をお願いします。
 はい、どうぞ。

○環境省水環境課閉鎖性海域対策室長 今の基盤の安定性ということなのですけれども、それを定量的に示すような指標とか、データとか、それが変化しているとかという何かありますでしょうか。

○岩下委員 ことし、国と一緒になって砂面計等を使いまして少しやっておりますので……。余り今のところ地盤の安定というのを、今おっしゃいましたように科学的にどういうデータがあるかということになると、非常に弱いものがございます。もう少し試験をしていかないといけないのではないかというふうに思っています。

○荒牧委員長 野口委員さん、どうぞ。

○野口委員 佐賀の方のアサリ漁場と条件が大分違うだろうと思うのですけれども、佐賀の場合で西の方に、狭いところなのですけれども、澪筋みたいなところに小さな漁場があるのですけれども、その辺の状況を見ていたら、先ほどの底質の安定化という話の中で、時々波浪等でかなり腐泥のような感じで堆積する場合があるのですけれども、そのときにかなり大量斃死ということが起きることがあるのですけれども、熊本の場合はそれは考えなくていい状況ですか。

○岩下委員 いや、うちも例えば大雨の後に非常に腐泥などがたまりますと、そのときに非常に高温が続きますと、大量斃死する場合というのは当然あります。

○荒牧委員長 ほかにどうぞ、ありませんでしょうか。
 1つ教えてもらいたいのですけれども、資料2-3の4ページのところで、図1.2と表1.2を並べてみると、先ほど0.50mmのところ以上でないと着底が難しいということで、しかも緑川の河口の粒度分布は0.5~0.13の間にほぼ入ってしまうという非常に均質な状況なのですけれども、これは平成6年から以降のアサリの漁獲がまた復元してきたように見えるというのは、これはほとんどすべて覆砂の効果、覆砂がないところでは起こり得ないということですか。
 例えば、このデータだけ見ると、相当粒径の小さなところにいて、条件を満たしてないように思うのですけれども、熊本県さんがいつもおっしゃって情報をいただくのは、やはり覆砂をしないと今はもうアサリは育たんというのは常識でいいのですか。

○岩下委員 いわゆる地盤、これは私自身のあれですけれども、地盤の安定といったものを見ますと、必ずしも覆砂ではなくてもいいのではないかと思っています。
 例えば、有明海はノリのポールがたくさん立っていますね。あるいは海床路と言いまして、昔アサリが非常にたくさんとれていたときに人が人力的に、労力的にあれがあるものですから、海の中にコンクリートの道をつくっているのです。それを海床路と熊本で言っていますが、それの周辺などにも非常にアサリが立つのです。あるいは、土嚢とかなどいろいろなところで積んだりしますと、平面にそういった構築物がありますと、その周りに非常に立っています。稚貝が立ちます。
 そういったことを経験的に地盤の安定という言葉を使っていますけれども、そういったことである限られたサイズのときに非常に地盤の流動、地盤の動きというものがなければ必ずしも覆砂でなくても、そういったものをすることによって稚貝が残っていくのではないかということを思っていますし、それをことし、細石だけではなくて海の中にいろいろな構築物を立ててそれの効果とか、そういったものもあわせてことし見ています。

○荒牧委員長 しかし、例えばある一定の粒径は持ってないと、動かない場所でも無理だということはあり得るのですか。

○岩下委員 ですから、そこもやはりサイズの問題だと思います。

○荒牧委員長 そうですよね。例えば、先ほど言われたコンクリートの道があったとしても、その周りに立つときの条件は、泥では無理というのはありますか。

○岩下委員 ですから、海床路のところに合わせまして小石で漁場をつくりますと、やはりそういったところに非常に残るのです。

○荒牧委員長 いや、言いたいのは、粒径がある程度上でないといけない。小さいいわゆる泥的な、シルト的なところでは着底できないということが、前の方の(3)のところで説明されているわけですけれども、それが事実であるかどうか。今の話だと、動かなければ泥のところでも育ち得るのかということが知りたいのですけれども、いかがですか。

○岩下委員 ですから、そこのシルトでもいいかという話になると、そこはやっていませんからわかりません。

○荒牧委員長 難しいですね。わかりました。

○野口委員 佐賀の例から言いますと、かなり浮泥が周りにあるところでもある例があるのです。だから、やはりそういうところは覆砂を1回やっておいて、そこに浮泥がたまらなかった場合は残っています。
 ただ、今、岩下委員が言われた海床路というか、佐賀県の方もあるのですけれども、どちらかといえば佐賀県の場合も小規模にずっと持続しているというか、安定して生産を上げているところはそういう海床路の横のところなのです。
 そこはどちらかといえば、佐賀の場合ですと――熊本は漁場が広いですから多分それは当てはまらないだろうと思うのですけれども――かなり澪筋、結局そこはどちらかといいますと運んでくるのは礫的な、浮泥ではなくどちらかというと砂粒のようなのを運んでくる漁場ですけれども、そこは案外安定したような感じになっていますけれども、やはりどうしてもすぐその沖の方には浮泥があるものですから……。
 さっき岩下委員に確認したのはそのあたりなのですけれども、かなり稚貝が発生したときでも、浮泥が沖から来たときはそこが全滅してしまうというような感じの現象は、佐賀県でも小規模ですけれども見られております。

○荒牧委員長 ほかにどうぞ、何かご質問ありませんか。もしよければタイラギの方に移って、タイラギの方について今の説明で何か問題、あるいは疑問な点がありましたらご質問願いたいと思います。
 これは、伊藤委員さんが説明されたことに尽きると思うのですけれども、我々が聞いた説明とほとんど変わらないと思いますけれども、[5]の覆砂のところで少し付加的なデータが説明されていると思いますけれども、野口委員さん、何かコメントがありましたらどうぞ。

○野口委員 1つは、やはりタイラギの着底の場合は、ここに示されていますように、着底するときは下の底質は選ばれないのではないかという、そういう人工種苗での確認があるわけですけれども、もう一つ、漁業者がよく言われるのが、ふんわりしたような浮泥がかなりたまっているのだということでよく言われるのですけれども、それがなかなか我々のところでは確認できてないということです。
 今回、ここに書いてある漁場を造成した後の浮泥というのは、多分、水産庁か何かの実証試験の結果だと思うのですけれども、以前我々のところでやったときにも、そういう現象のときにはそこには全然立たないという現象が起きています。
 ただ、私もよくわからないので、そういう浮泥の堆積というのが突然起きて、それがそのままずっと継続しているものなのかどうかです。結局、途中でなくなったりまた堆積したりという、そういう繰り返しみたいなのが起きているのかどうかという、そのあたりの確認も実験的なデータとして必要なのではないかという感じはしたところです。

○荒牧委員長 野口委員さんが先ほど言われたのは、着底のときには選ばないのですか。下を見ていないと。

○野口委員 そのまま着底で、種類によっては、例としてウミタケの人工種苗生産、これは実験的にうちの方でやった例があるのですけれども、そのときにはかなり浮遊しているのが、べラムというか繊毛を動かして、それを引っ込めた形で下におりるのですね。それで、潜るような感じがするのですけれども、それで気に食わなかったらまたべラムを出して浮上するということをするのですけれども、そういうことではなくて、あくまである程度大きくなったらおりるのではないかという、今のところ考えているところです。

○荒牧委員長 選択性がないということです。

○野口委員 そうですね。
 そして、そこの泥がもし適していたら……。

○荒牧委員長 適してなかったら、先ほど言ったように移動して死んでしまうと。

○野口委員 そうです、死んでしまうのではないかという、今のところ我々の考えでおります。

○荒牧委員長 はい。ほかにどうぞお願いします。

○小林委員 タイラギの減少要因ですけれども、有明海の北部潜水器漁場についてはここに記載されているとおりと思いますけれども、これはあくまで深場におるタイラギの話で、もう一つ干潟に生息するタイラギというのがあるのです。干潟に生息するタイラギというのは、福岡県では比較的安定的にとれています。
 一昨年あたりは500トンぐらいです。史上最高の豊漁というふうに言われております。しかし、直線距離にしたら1キロとか2キロ離れた深場では獲れておりません。干潟域のタイラギについては、多分データは非常に少なく、まとめられてないと思うのですけれども、そういった状態にございます。

○荒牧委員長 我々も、地元にいるとその話はよく聞くのですけれども、そのときの底質といいますと、そのとれている場所の砂っぽいというか――言い方が正しいかどうかわかりませんが――底質の関係は、現場の方々は何か感じられるところがありませんか。

○小林委員 福岡県の場合、昭和62年から覆砂事業をやっておりまして、干潟域についてはかなりの部分、底質改善を行っています。粒径としては、中央粒径値で0とか1とか、そういった粒径の砂を水深-1mから+1mぐらいの範囲のいわゆる干潟域に撒いてきております。そういうところを中心にタイラギが発生しております。

○荒牧委員長 ほかにどうぞ、何かありませんでしょうか。
 ほぼ、この要因分析というのは妥当というか、現時点ではこの程度であると考えてよろしいでしょうか。
 1つだけ。また先ほどのアサリに戻って問題点ということではないのですけれども、熊本県さんが発表されたときに、資源管理ということを強調されておられたように思うのです。すなわち、あちこち走り回って、いわゆる最初のふるい分けのところで殻長管理をやっているということをおっしゃっていたような気がしますけれども、そういう人間が行う資源の管理の方法というようなことが、持続的な育成というか、漁獲にとって不可欠であると熊本県さんは思っておられるように記憶しているのですけれども、そのことについてちょっと教えてもらえませんか。

○岩下委員 いわゆるアサリ、ほかの栽培漁業とか資源管理を進めるとき、そういう生産基盤と言いましょうか、そういったものをきちんと整備していくということは非常に大きなことなのですけれども、やはり最終的には漁業者がそれをいかに管理してやっていくかというのが非常に大きいと思うのです。特にアサリなどの場合ですと、先のことを考えて母集団をいかに残していくかというのは非常に大事だと思うのです。
 今、荒尾から三角、非常に長い距離がございますけれども、そこで殻幅が4分貝~4.5分貝、4分貝といいますと拡幅が12mmです。5分貝といいますと15mmですか、ぐらいで、そこに4分貝をとる漁協と4.5と5分貝をとる漁協がございます。16漁協ぐらいございます。
 そこで、やはりきちんとそこを何分貝でできるだけ大きなのでとっているところは、やはり量的なものは多くなくても毎年継続的、安定的にとっているところがございます。4分貝でとる場合と5分貝でとる場合は、産卵回数が1回ふえるのです。ですから、そういったものを漁業者の方たちが自分たちで考えながらとるという、そこをやらないと幾ら覆砂で漁場造成をしていっても、長い目で見ますとなかなかふえていかないのではないかというのがうちの考え方です。
 やはり、漁業者の方たちがそこを考えながら、やっていくというところを、特に熊本県の場合は大事にしないといけないのではないかと思っています。

○荒牧委員長 そのときに発表されて以降、2年くらい前でしたか、最初のころに熊本県さんからお聞きしたと思うけれども、その資源管理は今でもやられていて、うまくいっているところといってないところというのが大体分かれてきているのですか。

○岩下委員 そうですね。分かれてきているのと同時に、今まで4分貝でとっていたところが4.5とか5でとりますと単価が全然違います。5分貝ぐらいになってとりますと、単価が5,000円から6,000円ぐらいになります。4分貝でとりますと3,000円ぐらいです。ですから、そういったものを周りで見てみますと、やはりできるだけ大きくとらないといけないという意識に少しずつ変わってきていると思います。

○荒牧委員長 ほかにありませんでしょうか。質問はよろしいですか。
 それでは、またもとに戻っても構いませんので、お気づきの点がありましたら後でお聞きしたいと思います。次の要因分析のところに行ってからまたもとに戻ってみたいと思います。
 それでは、資料2-4についてご説明をお願いしたいと思います。

○環境省水環境課閉鎖性海域対策室長補佐 資料2-4でございますけれども、これは、底質の泥化の要因として考えられているものの知見の整理ということでございます。
 まず、1ページ目でございますけれども、河川からの土砂供給の減少ということでございまして、このことにつきましては農林水産省のいわゆる第三者委員会の報告の中で指摘されている事項でございまして、底質の細粒化の原因としては、流入と底泥の動きの2つの変化が考えられているということ。河川からの懸濁物質の粒度組成の変化については明らかではないけれども、何らかの原因で粗粒の流入が減少したとすれば、底質の細粒化の一因となろうというような指摘がされております。
 これにつきましては、評価委員会の福岡委員の方から筑後川についてのご報告がされまして、それを中心に知見の整理を行ったところでございます。
 まず、ア)でございますけれども、流域での土砂生産量ということで推計がされておりまして、筑後川流域の土砂生産量は、年間約32万m3とされています。うち、ダム流域内での生産量が10万m3/年ということになっております。  それから、イ)でございますけれども、河床の低下と土砂持ち出しでございますが、筑後川については1953年から50年間にいろいろな事業により砂が持ち出されまして、3,300万m3の河床低下が生じたと推定されております。この内訳ですけれども、ダム堆砂が7.7%、砂利採取が72.9%、河川改修であるとか干拓などが19.4%とされておりまして、特に砂利採取につきましては、最盛期には年間200~300万m3と言われておりまして、近年の土砂生産推定量年間32万トンをはるかに上回る傾向となっております。
 ウ)でございますけれども、この人為的な砂持ち出しの結果、筑後川の河床材の砂の割合が大きく減少しまして、シルト・粘土が増加するということが言われております。それから、流砂量、実際に川を流れていく砂の量でございますけれども、年ごとにばらつきがあるものの、減少傾向が見られておりまして、理由としては砂の現存量自体の減少であるとか、河床の勾配が緩くなったことによって、砂が出にくくなったというようなことが指摘されております。
 資料につきましては、7ページのところでございますけれども、資料1の図1が砂の人為的な持ち出しの内訳でございます。それから、図2が河床の変動量でございます。
 それから、1枚めくっていただきまして8ページ、河床材の組成の変化で示してございますとおり、シルト・粘土がふえて砂が減ったというようなところが示されてございます。それから、下の方でございますが、河床変動の推移ということで、赤い線が平成15年のものでございます。
 それから、実際に川を流れていく砂の量でございますけれども、これにつきましては推計値でございますけれども、首都大学東京の横山先生の方が数字を出してございまして、これにつきましては9ページの資料3に示してございます。
 1ページ目の本文に戻らせていただきまして、エ)でございますけれども、シルト・粘土の海域への流出というところでございますが、ここは短期的なイベントなのですけれども、感潮域に堆積したシルト・粘土が出水時に侵食されて、河口の沖合域に堆積するというような報告もなされておりまして、これにつきましては10ページの資料4でございます。河床の横断図であるとかそれぞれの地点での河床材の組成が示されておりまして、結果としては、平水時に高濁度水塊によって形成された上流域の泥質の河床が出水で侵食されて、河床に輸送されたというような推定を行っております。
 2ページに戻らせていただきまして、●整理としては、1950年代から1960年代の砂利採取であるとかダム堆砂によって、筑後川からの砂の供給が大きく減少したことは明らかと思われるということ。それから、土砂のうちシルト・粘土の挙動については、1つの事例として出水時の浸食、沖合域への堆積というような報告があるというようなことでございますけれども、これにつきましては、出水の規模などにより土砂の挙動というのはそれぞれ、1回1回出水規模ごとに変わるということから、これはあくまで参考というようなことかと考えております。
 それから、結論でございますけれども、筑後川における人為的な砂の持ち出しというのは、有明海の底質の低下の要因の1つとして考えられる。ただ、一方でその程度の把握については、筑後川の感潮域から河口沖合域における土砂の組成であるとか、それぞれの挙動についての調査が必要ということで整理させていただきます。
 その次の、(2)潮流・潮汐の変化でございますけれども、これにつきましては、経年的な潮流・潮位差の低下や平均潮位の上昇と、底質の泥化を直接結びつけるような文献はなかったというようなことでございます。これにつきましては、別途、潮流のワーキンググループの方で検討いただけるというふうになっておりますので、ご参考までに紹介させていただきます。
 ただ参考として、海底の堆積物のコア分析を行ったものがございまして、11ページになりますけれども、これは小委員会の方で審査いただいた文献でございまして、評価1ということで位置づけをされたものでございます。
 これにつきまして、簡単にご紹介させていただきますと、底質のコアサンプルの中から特に亜鉛(Zn)を抜き出しまして、特に筑後川河口域で亜鉛濃度が多いということから、筑後川起源の堆積粒子として亜鉛を位置づけまして、これが時代とともにどのように変化していったかということをコアサンプルを幾つかとりまして分析したものでございます。この結果、筑後川河口沖の底質では、時代とともに亜鉛濃度が減少する一方で、これを補完するような形で湾奥の西側の方で亜鉛濃度が増加するというような関係が認められるということから、筑後川起源の亜鉛を含む粒子の堆積場が時代とともに西に寄っていったのではないかというようなことを示唆した文献でございます。
 この文献につきましては、小委員会のコメントとしては、「有明海における長期にわたる環境変化の解釈に貴重な知見を与えるものと考えられるけれども、堆積環境は潮汐であるとか恒流と関係があるため、これらの情報により解釈が変わり得ることもあるので留意すべき」というようなコメントをいただいております。
 また、現地観測の調査結果から、これは佐賀大で行われた調査ですけれども、有明海の湾奥部では、上層で流出、下層で流入のエスチュアリー循環型の流動構造となっているので、懸濁物質が湾奥にたまりやすい構造になっているというような報告もなされております。
 次、3ページですが、底質中の有機物・硫化物の増加の要因でございます。まず、栄養塩の流入、有機物の流入でございますけれども、これにつきましては、まず有明海の流入負荷量については環境省の方から以前評価委員会でご報告しましたけれども、これは経年的に減少傾向にあるということでございます。
 ただ、一方で実際の底質中の有機物、硫化物につきましては、1990年~2000年の経年変化であるとか1989年の比較から、濃度が高くなっている地点が見られるということで、これにつきましては資料9、10に示しております。資料9が15ページ、資料10が16ページでございます。
 資料9については、特に佐賀県沖の底質をとったところ、強熱減量等が増加傾向にあるというようなことでございます。また、これは底生生物との関係で調査となったものでございますけれども、1989年と2000年の湾奥での酸揮発性硫化物量を比較したところ、濃度が全般に高くなっているという傾向が報告されております。
 整理といたしましては、有明海の流入負荷量というのは経年的に減少傾向であるにもかかわらず、底質中の有機物や硫化物の濃度が高くなっている地点があるということでございます。
 それから、2つ目のノリの酸処理や施肥による影響ということでございますけれども、これにつきましては、ノリ漁場で通常見込まれるような濃度の酸処理剤については、底泥への移行が認められないというような室内実験を行った事例がございます。
 また、参考までに、ノリの酸処理剤の窒素・燐の負荷量につきましては、13年度調べておりますが、結果は年間窒素が30トン、燐が85トンということで、養殖によるN、Pの取り上げというのは、それぞれ937トン、103トンでございますので、負荷よりも取り上げが上回っているというような結果があります。
 また、その施肥については、佐賀県の資料によりますと、約82~373トン/年程度の窒素として負荷があるというようなことでございます。
 整理でございますけれども、4ページでございますけれども、酸処理剤に含まれている有機物は、海水希釈であるとか分解等のため、海底に蓄積される可能性は少ないと推察されるということであります。また、酸処理剤・施肥のT-N、T-P の負荷量というのは、それぞれ112トン/年あるいは85トン/年程度でありまして、養殖ノリによるN、Pの取り上げ量がそれぞれ937トン/年、103トン/年程度であることから、酸処理剤・施肥が底質の有機物なり硫化物の増加の主たる要因とは考えにくいというような整理をしております。
 次、(3)赤潮の発生でございます。これにつきましては、[1]として、まず有明海湾奥部と諫早湾の堆積物ということで、特に有明海の表層の堆積物中の有機物というのが、鹿島沖や諫早湾で高いというようなことでございまして、特に諫早湾では有機炭素安定同位対比が他の海域よりも高いということが指摘されております。有機炭素安定同位対比というのは、注書きにありますように、海産植物プランクトン種で高い値を示すということから、有機物の起源の指標として使われているものでございます。
 また、鹿島沖や諫早湾では、クロロフィル色素量の値が非常に高いというようなことからも、海底にたまっている有機物への植物プランクトンの寄与というのが示唆されるということでございます。
 また、諫早湾のクロロフィル色素量というのが非常に高いというようなことから、調整池からの植物プランクトンの流入であるとか、小長井を中心とした赤潮の増大、潮受堤防による流速の減少によるものと指摘された文献もございます。これにつきましては、資料12ということでございまして、上の図が炭素安定同位対比の数値でございます。諫早湾であるとか鹿島沖で数値が低くなっているということでございます。また、その下の図がクロロフィルの濃度ということになっております。
 それから、戻りまして4ページでございますけれども、諫早湾内の底質のコア試料の分析ということで、これは底質のコアサンプルの分析結果から、渦鞭毛藻シストが1960年代までは独立栄養群が多かったものが、1960年代以降従属性の栄養群がふえ始めて、90年代には逆に65~80%を占めるということが指摘されておりまして、これは珪藻類などがこの時期に増殖をしたのではないかということから、富栄養化がこの1960年代から80年代後半にかけて進行したということで、そういった富栄養化の状態を追跡した資料でございます。
 次のページ、5ページ目でございますが、赤潮の発生件数ですが、これは「九州海域の赤潮」のデータによりますと、1984年以降、福岡県では横ばい、佐賀県沖では1990年代中ごろから増加傾向、長崎県沖も増加傾向ということが言えると思います。
 整理でございますけれども、海域の富栄養化であるとか、赤潮の発生の増大によりまして、植物プランクトン由来の有機物が鹿島沖、諫早湾などの海域に沈降、堆積したものと推測されまして、底質中の有機物の増大の主たる要因の1つである可能性が高いものと考えるということでございます。
 なお、諫早湾におきましては、そもそも浮泥が堆積する傾向にあるということ、調整池の水質中に含まれる淡水性植物プランクトンというのは、諫早湾の中央部に至るまでに沈降することが報告されているということでございます。
 それから、貧酸素水塊の発生ですけれども、これにつきましては、佐賀県の湾奥部の有機炭素濃度が高い海域の浅海定線調査のDO濃度が低下傾向にあるということでございまして、資料16に表が出ておりますけれども、まず、18ページ資料12を見ていただいて、特に有機炭素濃度の高いような海域ですけれども、特に佐賀沖の20とか22とかです。そういった有機炭素濃度の高い海域の付近の浅海定線の諸地点をとりまして、これがそのS1とS9とS10になりますけれども、ここの6月と7月の底層のDO濃度の経年変化を示したものでございまして、ほとんどの地点でDOの低下傾向が見られるというようなことでございまして、この結果、佐賀県湾奥の一部海域において、貧酸素水塊発生の増加とそれに伴う底質中の硫化物の増加の可能性が疑われるというのが出ています。
 次のページの6ページでございますけれども、ベントスの減少ということでございますけれども、これにつきましては、原因・要因としては底生生物の減少に伴いまして、底質の生物的攪乱が低下して、有機物の分解能力が低下しているというような指摘がございまして、これについて知見の整理を行いました。有明海の湾奥における1989年と2000年の調査結果から、2000年のマクロベントスの平均密度、5,000個体/m2を超えるような調査点というのが1989年よりも少ないということが報告されていますけれども、一方で種によっては大幅に個体数をふやしたものもいるということでございます。
 また、その実験室レベルで白河河口干潟域の底泥を使ったカラム実験を行ったものがございますけれども、これにつきましてはイソゴカイが分解する量と排泄の関係で、底泥中の有機物が多ければイソゴカイを入れればその有機物は減るけれども、その一方で有機物が少ないと、イソゴカイの排泄物の関係で逆に有機物は増加するというような結果が得られております。
 整理としては、1989年と2000年の調査結果から、ベントスは減少したと考えられまして、有機物の分解に作用する生物攪乱が低下した可能性があるということでございますけれども、ただ、2カ年のみの比較ですので、経年的にこういった底生生物の減少が見られたかどうかということは不明であるということです。
 また、実際に底生生物による底質の有機物の分解につきましては、それぞれ底質の有機物量であるとか、酸化還元電位等の性状、生息している生物種の摂餌量であるとか排泄量等の分解状況が非常に複雑でございまして、検討内容が多いということでございます。
 ですから、まとめとしては、ベントスの減少というのは、底質中の有機物、硫化物の増加の要因の1つになるとは考えられますけれども、その程度を把握するには、ベントスの種類であるとか生態、生息環境の状況を踏まえた有機物分解に関する調査が必要になるということでございます。
 以上です。

○荒牧委員長 はい、どうもありがとうございました。
 底泥の泥化、有機物、硫化物の増加というのが、1つの有明海の現象としてあらわされていて、このことについては余り疑いがないというか、確かにこういうことが起こっているよということについてはそうだと思うのですけれども、それの要因・原因と考えられるものの分析という、先ほどアサリであるとかタイラギであるとかという、我々が主として見張っているというとおかしいですけれども、見ようとしている水産物の中の特に有用水産物と言われているものの、その減少の原因の1つとして、いわゆる泥化であるとか有機物、硫化物が増加するということですので、それが一体どういう形で起こったのかということは、有明海の異変を考える際に非常に重要な分析になると思いますが、現場でこれまでずっとやってこられた委員の皆さん方が、これまでの分析について何かご意見、あるいはご質問という形で言っていただけると、多分、本委員会の方に非常に有益な情報になると思いますので、教えていただければと思います。いかがでしょうか。
 見てもらったらわかるように、これといって確定的なことを言うものがなくて、先ほど坂本さんの方から説明がありましたように、一番最初の資料2-1のところでも、見てもらったらわかるように、ほとんどがBという形で行われていて、これぞというのがない。むしろ逆に、ノリの生産活動による酸処理・施肥というのは、どうも証拠が挙がらない。むしろないとみなしてもいいのではないかというところで、積極的にこれがというようなものが見つからない。特に赤潮と貧酸素がB+だろうということはあっても、そのことが泥化とか有機物化というものを増長させたというようなことにまで至っていない。
 そういうところで、一番現象としては大きかろうと思われていることからが、なかなか要因が見つからないでいるというところだと思うのです。日常的にやっておられた中で、何かご意見がありましたら、ぜひ教えていただければと思います。
 弘田委員さん。

○弘田委員 赤潮の件ですけれども、これは21ページの資料14で赤潮の発生件数の経年変化ということで、赤潮との関連があるのではないかということだろうと思うのですけれども、長崎、熊本は多少ふえていますけれども、ほかのところは余りふえてはいないという、これを見ればですけれども……。ただ、これはあくまでも件数なので、結局赤潮が出たときの、例えばこのクロロフィルaの値だとか、あるいは細胞数だとか、そういうものの記載がもしあれば、赤潮とかその植物プランクトンの増加というのが底質の有機物にかなりプラスになっているというふうなことにはなると思うのですけれども……。
 件数だけではいかにもそれと結びつかないというふうな気がするので、何かもうちょっとデータを加えて、細胞数とかクロロフィルaとか、その当時の記録があれば、それを足されると少しは有効になるのではないかと思います。

○荒牧委員長 ボリュームの話もありました。いわゆる量ですよね。件数だけではなくて。それは水産庁が毎年確定させているというふうに聞いたことがあるのですけれども、それはありましたか。

○弘田委員 そちらのデータがあれば、そちらの方を使われた方がいいと思いますけれどもね。そうしないと、件数だけではその度合いが、細胞数は大きくなくても被害が起これば赤潮でしょうから。

○荒牧委員長 それぞれ水産センターの皆さん方は、大体そういうのを見張っておられると思いますけれども……。データあるいは考え方といいますか……。
 福岡は、件数だけで見るとそれほど顕著にふえているとは思えない。大規模化したかどうかというのが問題。これはもう毎回言われているのですけれども、熊本と長崎は件数もふえてきたよと。そしてしかも大規模化しているということは、データとしていつも言われるのですけれども、それはどうなのでしょうか。皆さん方の日常的にご覧になっているデータと合致しているかどうか。
 古賀委員さん、お願いします。

○古賀委員 赤潮は観測していますけれども、その日で細胞数は物すごく上下していくわけです。そして、海域も非常に変わってくる。その範囲は大まかに出るでしょうけれども、どこで線を引くかというのは非常に難しい話があって、それを数値化して、何かで落としていくというのはちょっと難しいような気が私はするのですけれども……。
 そういうデータは、ほかの県で持っておられるところがあるのですか。どうですか、岩下さん、ボリュームで出せるような……。件数はもちろん出すわけですけれども……。

○荒牧委員長 継続日数掛けるの件数。1件当たりの継続日数と件数を掛けて足し算していくというやり方でデータを見たことはありますけれども、それ以外に、今古賀委員さんが言われたように、ボリュームをあらわす数量というのが計測可能なのか。
 弘田委員。

○弘田委員 なかなか難しいでしょうね。

○濱口委員 よろしゅうございますか、長崎です。
 確かに非常に難しいなと思っています。珪藻のスケレトネマみたいなものと、ほかのカーレニアみたいなものが出るときに、それが海域によってダブっている場合があるのです。それがまた延べ件数になっているのか、日にちの実件数になっているのか、ちょっと不明確な部分がありますので、さらに量的なものとなりますと非常に難しいかなと思っています。
 それから、ちょっと長崎の分の事情を申し上げますと、水産庁の方の報告では昭和54年から59年、1979年から1984年、ゼロなのですが、これはいわゆる珪藻赤潮は有明海で当時見られておりまして、私どもの水産試験場としては把握していましたけれども、九州漁業調整事務所の方には参考値として報告していまして、実際にはカウントされてないという状況がございます。
 それで、特に熊本県さんはどうかわかりませんが、事象のいろいろなものが起こっていますが、注目度によって漁民の方の通報度合いがありますし、それに伴う確認数でかなり変動があるのではないかと思っています。
 例えば、私どもは隣の橘湾あたりで、魚類養殖で平成2年でございましたか、シャットネラによる大量斃死を見たときには、その翌年にはすごく件数が、あちこち有明海の中からも通報がありました。際立ってポコッと出ているのですが……。したがいまして、そういういろいろなことが起こることによって、果たしてそのままの件数をながめていいのかなという危惧はございます。ただ、感覚的にはやはり増えているのではないかということと、もう一つはラフィド藻みたいな有害種が平成元年ぐらいから出ていますけれども、それは私どもも件数としてはふえているのではないかという感じはいたします。
 21ページを見させていただいたときに、福岡県と佐賀県さんの部分がかなり昔から報告が赤潮はあるのですが、やはりノリの養殖がかなり盛んで、プランクトンの増殖に関してはかなり注目度が高くて、海域の監視の度合いが強かったのではないかという感じがしないではありません。
 ノリの色落ちが、お聞きするときころによりますと、1985年ぐらいから出ているということですが、佐賀県さんの方の報告にもたしかあったと思いますけれども、赤潮とまでは聞いていませんけれども、ノリの色落ちがプランクトンの大増殖というようなことで報告が、川村さんの文献にも出ておりますので、そういった産業との兼ね合い、あるいはいろいろな特異的な部分での注目度によって変わってくるのではないかと思っています。非常に難しいなと思っています。

○荒牧委員長 ほかにどうぞ。
 野口委員さんからお願いします。

○野口委員 先ほどの弘田委員さんのお話の中で、プランクトンの表現という話だったのですけれども、やはり我々もどうやってこの赤潮の発生というか、特に先ほどの濱口委員さんのお話にもありましたように、ノリと非常に関係があるということで、どういうふうに表現したらいいかということでやっていたのですけれども、結局、種類による沈殿の量の出方が違うとか、それとまたサイズによって、結局クロロフィルにしても種類によって含有の量が違うとか、そういうのがあって、一応大まかな把握の仕方ということで沈殿量という形がいいのではないかということでやっているのですけれども……。
 ただ、その中で、多分、平成12年だったと思うのですけれども、そのときにはノリに異常芽というか、それが出たときには沈殿量として全然出てないのです。というのも、プランクトンのネットを今のところやっているのは、100ミクロンの目合のものでやっているものですから、そのとき出たのがラフィド藻のフィブロカプサというのがあったのですけれども、そのときには全然沈殿が出ないということで、今現在は、クロロフィルの方も測定しているのですけれども、逆に今度は珪藻あたりはうまく表現できても、ラフィド藻とか鞭毛藻類関係、そちらの方はどう表現できるのかということで、また今後その辺も含めて検討は必要かなというふうには感じているところです。

○荒牧委員長 では、岩下さん、どうぞ。

○岩下委員 うちも有明海につきましては、例の12年のノリの色落ちの問題、不知火海につきましては本県の魚類養殖の中心なものですから、どうしても赤潮の被害というのは非常に大きゅうございますので、それより以前から見ていますけれども、いずれにしましても、同じようなやり方でかなりきめ細かい赤潮の調査というのは余り歴史がない。例えば、きちんと1週間に1回とかというような間隔でずっと調査をやっているようなのは、余り長くないのです。
 それで、過去のを見ますと、弘田先生などご存知のように、八代海などは御所浦という魚類養殖の中心に非常に発生件数が多いという結果に終わっていますけれども、それは果たしてそこかといいますと、今はそれよりももっと北の方とか、東南の方向とか、その辺がどうも発生源ではないかというようなことが言われていまして、そういったものを系統立てて調査してないものですから、いわゆる産業的に大きな被害があると、漁業者からも非常に声が大きくなるものですから、そういったものに対応するような形で赤潮調査というのを以前うちの場合はやっていたと思うのです。
 ですから、それを長いスパンで比較しようとすると、ちょっと無理があるのではないかという感じがします。

○荒牧委員長 底泥とかという、今度は他の要因として赤潮の発生件数を見るところまでいくと、データとして少し精度が落ちているというニュアンスでよろしいですか。いわば、最近になってくると、少し系統的にはかれる可能性が出てきて、まだそれでも濱口委員さんが言われたように、やはり通報といいますか報告が上がってくるのが関心が高いときとか、例えば先ほどあったように、ノリの養殖時期については非常に頻度が上がってくるけれども、それがないときには余り報告がないとかという、社会的な現象的な問題の方があり得るとすると、トータルとしては底泥への影響まで表現し切っているかどうかということは、ちょっと問題があるのかもしれませんね。データの取り方の問題として非常によく理解できますけれども……。
 ほかに、今この底泥のいわゆる細粒化、あるいは有機化、硫化といったことについて、何かふだんからお考えになっていらっしゃることがありましたら教えていただけませんでしょうか。
 これは、地元の研究者ですから地元の人間として申し上げすけれども、地元では、例えば酸処理剤とか施肥というのは、結構怪しいと思っている人たちが、素人にはいっぱいいるのです。だけれども、プロの会議のときに出てくると、それはほとんど余り考えなくてもよいのではないかというニュアンスになると思いますけれども、それは大体そんなものでいいと。科学的に考えると、そういうところでよろしいのですか。ここだけがCとつけてありますので、そんなことかなという感じがしないではありませんけれども、いかがですか。
 特にご意見がなければ、このことについては、地元の方の方が非常に詳しいでしょうから、何か意見がありましたらお伝えしますが……。

○野口委員 ここに書いてあるように、水産庁の方で一応、酸処理関係について言えば全体の取りまとめをされたということで、一応の安全性というのは確認されているということで我々解釈しているのですけれども……。
 佐賀県の場合は、平成5年から開始したわけですけれども、そのときにやはり一番心配されるのが、特に漁船漁業者の方です。それで、そういうのに対応するために、やはり変化が起きたらだめだという話で、一応一番基本には浅海定線というのがありますけれども、それ以外にやはりかなりの頻度でpHをはかっていこうということで、急激な変化というのをまずとらえなければいけないだろうということでやっていますし、それともう一つは、それが分解されずに底質に反映される心配はないのかということで、これについても普通ですと季節ごとといいますか年に4回ぐらいやっていたのを、ノリ時期については1カ月に1回という底質の調査をやりまして、AVSとかそのあたりのCODを含めて調査をしてモニタリングをやってきたということで、今のところそれについては我々としてはそんなに変化が起きてないという考え方です。
 ただし、それをでたらめにしてもいいですよということではなくて、それは決め事で、できるだけ少なくしなさい、効率的にしなさいということで指導しているわけですけれども、そのあたりは注意するという形ではやっているところです。

○荒牧委員長 はい、わかりました。
 ほかに何かありませんか。よろしいでしょうか。
 これから先も、多分、この有明海の問題を論じるときに、この底泥の変化・変動、そのためのデータの取り方、皆さん方が現地で見ておられる1つの物の見方、そういうものがこの中に反映されてきて、議論の中心に座るのではないかと思っているのです。
 佐賀大学でも、この前報告させてもらいましたけれども、非常に重要な視点として、底泥がどう変化しつつあるか。今、我々始めたところですので、昔のことはなかなかうまくとれない。それから、やってみると非常に難しいなと思うのは、例えばはかったときから10日ぐらいたったところでその同じ場所に行ってみると、中央粒径値が変わってしまっているとかというようなことが頻繁に起こると、その日というのが非常に重要なのか、それとももうちょっと長い目で見たときにどういう測定法があり得るのかというようなことまで議論しておかないと、なかなかうまくいかないのだなということを感じています。
 例えば、ちょっとした強い北西の風が吹いたり、北東の風が吹いたりしたときに、有明海の中の特に泥の部分が相当違うところに移動してしまって、中央粒径値が変わってしまっている。それから、ここ砂だったっけというようなところに砂が見えてくるというようなことが起こりますので、どういうふうに泥の堆積があるか。ここの分析の中にも書いておられますけれども、相当系統だった分析をやらないとよくわからないということもあると思います。
 それから、有機化、いわゆる強熱減量などをはかったときに、粒度みたいなものと強熱減量とに関係があることがわかりますけれども、それが経時的にそうふえてきたのか、いつの時点のことをあらわしているのかという時間的なこともまだつかまえ切れないでいるというようなこととかですね。
 我々は、有明湾北部にいる人間として、泥化したということが有明海の悪化であるというのであれば、我々が一番近いところにいるわけですから、我々近いところが相当詳しく分析することによって、有明海の泥がどういう影響を与えていくのかというようなことのデータを与えるのではないかと思っていますので、水産センター等、現場で行っておられる方々も、ぜひそういう日常的な知見をここに出していただけると、有明海の変動の影響の大きな要因分析になるのではないかと思いますので、ぜひご協力をお願いいたします。私たち大学の研究者としても、その辺に非常に着目しておりますので、また現場の方で何かありましたら教えていただければと思います。
 須藤委員。

○須藤委員 どうも委員長、おまとめをいただいてありがとうございました。私、委員の交替の時期に多分欠席したと思いますので、初めてお目にかかる所長さんもいらっしゃると思いますが、評価委員会をお預りしております須藤でございます。
 そろそろ、ご承知のとおりまとめをしなくてはいけない時期に参ってきておりまして、底質の泥化の原因となるもの等をきょういろいろご議論をいただいたわけでございますが、きょう、ここにお示ししましたのは、大筋でいうとそう誤りはないのでしょうかということがまず1つです。大筋では誤りがないのでしょうかと。
 しかしながら、そうかといって全部Bで出してしまいますと、今まで4年間の作業をしてきて、何もわからなかったのかというようなことがあってはこれはならないわけでございまして、政府機関としての仕事として、何らかの形である程度の方向性を出していかないと、これは許されるものではないだろうという認識を持っております。そのために、岡田、細川両委員には無理を言いまして、「B+」などという枠をつくっていただいて、きょう、そのご説明をさせていただいたというのが本音のところでございまして……。
 きょう、お話を伺っていますと、現場で見ていらっしゃる先生方の知見というのは大変ありがたくちょうだいをしたわけでございますが、そうかといってこれで何かまた結論が新たに加わるかどうかというのは、今のところまだ見えないわけでございます。
 今、伺ったところですと、やはりこれから長期的にいろいろやっていくからには、研究方法や調査方法や、あるいは例えばさっきのプランクトンのところなどですと、どういうふうにまず識別をし、そして量を調べ、それから変化を調べるか、そういうところまで言及をしなければいけませんね。ですから、今までのところは今までのところで、今後こうすればもっとわかるのだということを述べていく必要があるのではないかというふうに感じております。
 有明の再生法は、これは私が決めるわけではございませんが、さらに継続していろいろ再生を実際にやる段階のところまでこの法律が動くのであろうという理解はしているのですが、そういう中で、新たに今後のモニタリング等も、あるいは解析手法もやっていく必要があるのではないかと思います。
 先ほど委員長が、プロだとおっしゃっていただいたのですけれども、最終的には私はこういう問題というのは自然現象なのですね。プロの中のプロの皆さんがこうだとおっしゃっていただいたら、私はもうそれでいいと。とりあえずはです。そう考えております。そうでないと何もできないので、プロの皆さんがこうだとおっしゃっていただければ、私はプロではないかもしれませんので、プロの監督者としては皆さんを信じようと思っていますので、ぜひお力を貸していただいて、まとめの段階の結論のところの部分のところへどう近づけるかというところには、ぜひお力添えをいただきたいということをお願いしたい。
 これは、きょうが最後ではないと思いますので、先生方のぜひお力添えをお願いして、非常に苦慮しているということだけまずは申し上げて、評価委員会との間を荒牧委員長にやっていただいているので、ぜひお力添えをいただきたいということです。
 できれば、もう少したったら一緒の議論もしたいなと、これは前から私が言っていることなのですが、今度の報告書の時点では、もしかしたら間に合わないかもしれませんが、次の段階に移る時点では、もう少しゆっくりした両者の検討なり協力関係も持っていきたいというふうに考えていますので、これはまた事務局と相談させていただきます。
 どうもありがとうございました。

○荒牧委員長 それでは、最後の資料になりますが、資料2-2のフロー図について、事務局の方からご説明をいただきましょう。

○環境省水環境課閉鎖性海域対策室長補佐 資料2-2でございますけれども、まず、2ページ目でございますけれども、この相関図につきましては、中間取りまとめでつけておりますフロー図でございます。この後、評価委員会の中の検討の中で、若干文言が変わったところがございまして、それは3ページ目の緑色で書いたところでございますけれども、主に、文言をもう少しわかりやすくすべきだというようなことで、緑色の部分が修正されております。現在では、相関図というものは3ページのものをベースに、今、議論がなされているというところです。
 それから、4ページ目をめくっていただきまして、今ご説明しました知見の整理のところで提案されているものが赤い太い線になっております。それぞれ二枚貝と底質の泥化、あるいはその泥化の要因であるところの河川からの土砂供給であるとか、そういったものにつきまして太い線で引かれております。
 ただ、これはあくまで可能性が高いというものでラインが引かれておりまして、程度の、寄与度の大小を示すものではないということで、その点ご注意をいただければと思います。
 それから、5ページ目、6ページ目については、それぞれアサリとタイラギについて、余計な線を除いたものを示しておりまして、わかりやすく見ていただくという点で、アサリ、タイラギということで、余計なものを除いたものをお示ししております。
 事務局からは以上です。

○荒牧委員長 はい、どうもありがとうございました。
 これは、初期の段階で、先ほどご説明ありましたように、2ページの図が示されて、大枠自体は変わってないと思いますけれども、それに対する討論の深化によって文言を変更したり、それから、1つの目標について書くときには、それと直接関係なさそうなものは省いてみたと。そういう形で整理がなされていて、これを1つの我々の根幹に据えて議論をしていくということです。
 何かご質問、ご意見がありましたらお願いいたします。
 特に、5ページと6ページ、きょうの議論の中心になりました、アサリとタイラギに影響を与えているものとしては、どういうことがあるのかということをこういうまとめで大体よろしいかと。大体こんなものかなと考えられる要因は、須藤委員長が先ほどおっしゃったように、大体こういうところが原因になって、アサリ・タイラギが減少したというふうなことが考えられるのではないかということでよろしいでしょうか。

○弘田委員 質問ですけれども、いいですか。
 この2ページと3ページと4ページの図は、これは有明海全体図なのですが、次々に修正が行われた結果、こう変わってきたという図ですか。これは大体同じ図ですよね。

○荒牧委員長 今、4ページを使って見ています。

○弘田委員 2ページと3ページと4ページですね。

○環境省水環境課閉鎖性海域対策室長補佐 岡田先生、細川先生のご提案に基づいてラインを引きましたところこうなったというようなことでございまして、まだ、それぞれ専門の先生方のご意見を聞きながら、適宜つけ加えるものはつけ加え、直すものは直していくというような段階のペーパーでございます。

○弘田委員 ですから、最初2ページだったのが3ページにと。加えてと。

○環境省水環境課閉鎖性海域対策室長補佐 そうです。3ページをもとにそれぞれの要因についてご議論いただいているというところです。

○環境省水・大気環境局水環境課長 2と3は、真ん中の潮流と長期の変化というところを、わかりやすい形にこう書き直したという差です。で、4ページと5ページは、4ページは赤い線が入っているのですが、寄与率みたいな可能性の高さをあらわしていますね。それで、5ページは、二枚貝のアサリとベントスだけに限って線をつけたと、そういう区分けです。

○弘田委員 そうですか。

○環境省水環境課閉鎖性海域対策室長 ちょっと事務局から補足させていただきます。
 整理いたしますと、今、荒牧委員長からこんなものでしょうかねというお話があったのですけれども、私どもとしては非常にまだ途中段階ということで、この太くなっているところが比較的データがあって、ある程度説明ができたということできょうご紹介しましたけれども、この赤くなってないところが、では重要ではないのかというと、そういうことでは必ずしもなくて、余り今直接的に説明できるデータがなかったということなのですけれども、そういうものの中でも重要なものがある可能性は十分あると思いますので、そういう意味で、むしろそういうところ、これは細いけれどももう少しこの辺があるのではないかとか、これは明らかに寄与度は低いのではないかとか、そういうコメントをぜひ今後ともいただければ大変ありがたいと思っています。これはまだ非常に作業の途中段階ということでご理解いただければと思います。

○須藤委員 先ほど私が申し上げたのは、今、室長がおっしゃったのと同じ意味で、データがないから、余り十分ではないから、この線は余り関係ないという結論では、最終的によろしくないので、プロ中のプロがいらっしゃるのだから、ここは変だよと、こう言っていただいた方が私はよろしいのではないかと。そういう皆さんの体験なり研究なり、今までのいろいろなお仕事を信じて、そういう方向でまとめていきたいと思っていると、こういう意味でございますので、ぜひそのご理解をいただきたいと。文献の上だけの、あるいは調査報告書だけの感覚ではよろしくないのではないかという認識を持っております。

○荒牧委員長 はい。
 ということで、この図を見ていただいて、もう少しこの部分を強調するというようなことがあったらぜひご発言いただけませんでしょうか。

○弘田委員 1つ細かいことなのですけれども、5ページのフローで、赤潮から二枚貝(アサリ)減少というところに矢印が行っているんですよね。これは、もう一つの資料を見せていただくと、資料2-1を見せていただくと、被害があったというのは主にシャットネラだということが書いてありますので、ほかにまだいろいろな資料があるかもしれませんが、一応その資料があるのであれば、赤潮全体ということでなくて、そのシャットネラが影響があるというふうに、この場合はそういうふうにされた方がいいのではないでしょうか。
 赤潮が起こればとにかくアサリが減少するというのではなくて、その中でシャットネラが影響があるのだというふうな形に。

○荒牧委員長 皆さん方、どうですか。赤潮全般ではなくて、下の方に(有害プランクトン赤潮の発生)という括弧書きで書いてあるところがありますけれども。それから、二枚貝の減少というところに向けても矢印で全部行っています。

○弘田委員 そうそう。そこが、これはある程度特定された種類ということであれば。

○荒牧委員長 それ以外には、今のアサリの減少に赤潮の発生が余り影響を与えてないだろうということであれば、もちろん(有害プランクトン)ということですかね。

○弘田委員 はい。あるいは種類をシャットネラと限定されてもいいのですけれども、そういうふうにされた方がいいのではないかという気がするのですけれども。

○荒牧委員長 「ナルトビエイ等の食害」とかということは、「等」とつけていますけれども、何かそういう表現の方があってもいいかなということですね。

○弘田委員 これだと、全体的に赤潮が多かったらアサリが少なくなるという感じがしないでもない。

○荒牧委員長 有害の部分が、むしろ影響が大きいということですね。
 どうぞ。

○濱口委員 佐賀県さんの方にもお聞きしたいのですが、ことし諫早湾の方は、アサリは今のところ大きい被害はないのです。と言いますのは、今まで報告がありますように、高水温、貧酸素、それからシャットネラの発生、これが基本的な要因が3つほど出ているのですが、これまで貧酸素は非常に今年度も出ております。ところがシャットネラが、有明海全体だと思いますが、9月に入って初めて報告があったのは、ml当たり1個程度ではないかと思います。現在シャットネラがそういう状況で、シャットネラによる赤潮が出てないので、そういった意味でアサリが死んでないのではないかなという感じをしております。
 したがいまして、逆に、今先生がおっしゃいましたように、今まで諫早湾で大量斃死があったときにはシャットネラがかなり効いているのではないかと思います。

○荒牧委員長 野口さん。

○野口委員 佐賀の方は、逆に今から継続的に調査しなければいけないのですけれども、今言われたシャットネラについての被害は今のところ、我々のところでは確認しておりませんので出ていませんけれども、平成18年については、どちらかといいますと低塩分の方が結構長く続いているというのと貧酸素、これによって少しサルボウの方で斃死が見られるかなという、そんなひどくはないですけれども、軽い斃死が起きています。
 まだ水温が高い状況がありますので、今後、特に心配しているのは、逆にここは赤潮の発生件数ということで話があったのですけれども、17年度の年末ぐらいからずっと珪藻プランクトンの量が少なかったということで、貝の身入りが非常に悪くて、その辺も含めて低塩分とか貧酸素が影響してこないのかなということで、逆に心配しているところです。

○荒牧委員長 赤潮ではなく、基礎生産物としての珪藻類の発生量はずっと見ておられるのですか。

○野口委員 大体1週間に1回程度の、それも沈殿量と細胞数の関係から見ていますけれども、今年度3回ぐらいですか、赤潮は発生しておりますけれども、持続的に多かったかといえば余り多くなかったということです。特に春先にサルボウ関係は取り上げが多いですから、その時点では身入りが悪かったという現象は起きております。

○荒牧委員長 ほかの委員さんから質問というか、何かありますか。情報がありましたらお願いします。

○小林委員 今、佐賀県さんがおっしゃったとおり、赤潮の発生時期と種類によっては非常に大事なもので、例年は2月の下旬からいわゆるスプリングブルームで、珪藻赤潮が爆発的にふえて、それが二枚貝のえさとなって成長が始まるのですけれども、ことしは少なかったということで身入りが悪い状態が続いております。
 シャットネラについては、福岡県海域では発生しておりません。今、このフロー図を見て、アサリの減少ではなくて、熊本県さんもふえつつある、福岡県もアサリがふえております。では何がアサリ資源の増加に効いたのかなと、逆の発想でこのフロー図を見ていたのですけれども、有害赤潮の発生とか底質の泥化とか、これらが改善されたからアサリがふえたのかなというような形でこのフローを見させていただいておったのですけれども。

○荒牧委員長 岩下委員さん、何か情報がありましたら。

○岩下委員 うちも例年に比べて非常に珪藻の赤潮が、密度もそうですけれども、期間的に非常に長く出ています。そういったこともありまして、シャットネラとか八代海のコックロとか、そういったものがほとんど出ていません。出ましても、ml当たり1細胞とかで、非常に出ていませんので、非常に特異な年なのかなという感じがします。
 それと、もう1点、うちもタイラギの漁場は県北の荒尾地区の1カ所だけなのですけれども、タイラギが非常に残っているということで、漁獲をしようかなしまいかなというようなところまで今いっているのですけれども、よその佐賀県さんとかほかの県さんもタイラギがたしか残っているというふうに聞いていますけれども。貧酸素が例年よりも程度がひどいのかなと思っていますけれども、そこでことしタイラギが残っているのがどういうあれかなという、その辺が例年と比べてちょっと違うのではないかという気がします。

○荒牧委員長 福岡県の方は、先ほどタイラギがいわゆる干潟域のところ、覆砂をやっていって漁場管理をきちんとしたところで立っていて、先ほど言ったように浅海域というか、ちょっと深めのところにはほとんど立たないと。

○小林委員 いや、今年度は昨年発生した稚貝が、今大体14cm、もう少しで漁獲サイズになるのですけれども、それが9月の初めまで残っております。ですから、これが今月末まで斃死しなければ漁獲につながるというふうに思っております。

○荒牧委員長 それは、先ほど言われたように、あくまでも干潟域のことですか。

○小林委員 いえ、深場の方です。大牟田沖の深場の所で毎年稚貝が立つのですけれども、夏前に立ち枯れするという現象が続いていました。しかし、ことしは9月上旬に調査をやったのですけれども、その時点まではまだ生残していたということで、今月をうまく乗り切れば、漁獲につながるのではないかというふうに期待しているところです。

○荒牧委員長 野口さん、どうぞ。

○野口委員 同じですね。大体入り合いになっていますので、同じような条件はあります。

○荒牧委員長 東側の漁場ですね。

○野口委員 そうです。

○荒牧委員長 ほかに何か。今、この状況といいますか、今は要因のところに話が行っていますけれども、現状分析としてことしについては二枚貝類が少し前のところよりも復活した。その辺を分析すると要因の分析の1つになるのではないかという小林委員さんのサゼスチョンといいますか、ご提案だったと思いますけれども、ほかに何か現場の方で今動いている、今の情報というのをご存知でしたら教えていただけませんでしょうか。
 今、調査体制に入れるようになってきましたので、今、小林委員さんがおっしゃったように、浅場のところでの立ち枯れ斃死が起こらなかったときと、貧酸素であるとかいろいろな物質的なものとの相関が見つかると、これまでなぞとされてきた立ち枯れ斃死とはそもそも何だったのかというようなことが、少しはヒントにつながるのかもしれませんね。
 今、逆に言うと測定しておかなければいけない項目がいっぱいあるのではないかと思いますけれども。
 もし、ことし乗り切って、おっしゃったように斃死しないで漁獲というところまで浅海域でつながれば、今データがとられ始めていますので、いろいろなものとの相関が出てくるかもしれません。
 ほかに何かこのことについて、関連して構いませんけれども、ありましたら教えていただけませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、この要因分析ということではなくて、これまで議論したことで補足的に何か追加しておきたいということがありましたら、ご発言いただけませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局の方からは、何か補足的にありませんか。
 それから、その他の方に移りたいと思いますが、評価委員会の方としましては、年内に報告書を出そうということにしております。委員会報告の方では、前に議論をいたしました原因・要因の検討に加えて、再生策というところについても盛り込まれることになっております。
 評価委員会においては、関係省庁から再生の取り組みについての発表が行われていて、今後各委員からも再生についての報告も行われるというふうに聞いております。この小委員会でも、有明海・八代海の具体的な再生策ということについても議論をしてくださいということのようですので、何かありましたら。
 先ほど、岩下委員さんからは、この小委員会はどうしても漁業資源というところを主として取り扱っておられる方々が多数おられますので、そういう再生に向けた取り組みを具体的になさっていると思いますけれども、再生に向けた取り組みとして今何が必要であるか、あるいはどういうことをなさっているかの報告でも構いませんので、何か教えていただけませんでしょうか。
 岩下委員さんから何か。

○岩下委員 ちょっとずれるかもしれません。その前に1つだけ。これは熊本県の方にも非常に責任があるのではないかと思いますが、八代海の方のこういったものは、どういうふうに進んでいるか、ちょっと教えていただければと思います。どういうふうにお考えなのでしょうか。

○環境省水環境課閉鎖性海域対策室長 八代海につきましては、非常にデータが少ないということでご指摘がありまして、熊本県立大学の大和田先生に八代海のグループを評価委員会の中につくっていただきまして、当然、有明海に比べると受けは少ないのですけれども、できるだけ情報を集めて整理をしていただいておりまして、次回、9月27日を予定していますが、次回の評価委員会でその成果を発表いただくということに今準備をしていただいております。

○荒牧委員長 岩下委員さん、多分、行政関係、各県の方はむしろ原因の分析ということももちろんですけれども、再生に向けて何かやらないといけないというお立場だと思うのですけれども、今、中心的におやりになっていることをご紹介いただいてもありがたいのですが。

○岩下委員 さっきアサリのところで、初めにちょっとご説明しましたように、アサリの増殖のために、覆砂が非常に効果があるということは熊本県だけではなくてよその県も大体そういう方向にあるかと思うのですけれども、残念ながら、覆砂の海砂が熊本県の場合も入手が非常に難しいということもございまして、覆砂にかわるものがないかということで、例えば砂利、小石で覆砂の代替ができないかとか、あるいは先ほどちょっとお話ししましたように、海の中に構築物、ポールを立てるとか、そういったものがアサリの再生産にどういう影響があるかという、覆砂に代替するような方法をうちの1つの大きな課題として今取り組んでおるところでございます。

○荒牧委員長 県の方に、私、興味があるからお聞きしたい。古賀委員さんと小林委員さん、ちょっと教えていただけたらと。各県の、今、再生に向けた取り組みとして、どんなことをお考えになっているか教えていただけませんでしょうか。

○古賀委員 鹿児島県は八代海だけなものですから、八代海での大きな問題というのは、岩下委員もご承知のとおり、魚類養殖の赤潮被害なのです。以前、熊本で大きな被害が出たこともあって、八代海も有明海並みに環境の方もきちんと調べて再生をということでこの法律の中に入れられたと考えているのですが。
 魚類養殖の場合、赤潮の発生をどうして抑えるかというよりも、今の県の段階では、熊本と連携をしながら赤潮の予察なりどういう状況にあるかという情報を早く現場の方でつかんで、それに対する漁業者の対応策を指導しているところです。
 漁場環境的に見ますと、私どもは年に2回各全漁場から底質等のCODなどの報告を毎年もらっていますけれども、それを見てみると、養殖漁場で極端に底質なりが悪化している状況が見られてないものですから、特にそれに対してのいろいろな方策というのは今はとっておりません。どちらかといいますと、昔からとっております生けすの台数制限をきちんとやっておりますので、違反がないよう台数を調査していますから、そうして管理していくというとか、その養殖の管理のところで徹していく程度です。特にうちの県では魚類養殖の方が問題なので、その部分だけでほかの貝類とかについては、特別な対策はとってない状況です。

○荒牧委員長 小林委員さん。

○小林委員 福岡の方でも、ノリに関してはやはり今の海域状況に合ったような、例えば栄養塩は毎年下がっていっておりますので、低栄養分でも育つようなノリとか、水温もやはり高くなっていますので、高水温でも育つノリとか、そういった品種改良の研究をやっている。もちろん、漁期中は徹底した海況調査をやっています。
 魚貝類につきましては、まず福岡の場合は、非常に干潟域の底質が悪くなっているということで、以前からやっているのですけれども、平成12年からは緊急的にかなり大規模に覆砂による底質改善事業を行っております。
 それで、先ほど熊本県さんからもお話しがありましたように、底質改善については覆砂材の問題とかありますので、これは県内の瀬戸内海側の方ですけれども、例えば干潟に石を置いてみたり、あるいは杭を差したり、あるいは鉄鋼スラグといった物を代替的に使用してアサリとかタイラギ等を早く増殖させないかといった、いろいろな研究を行っているところです。

○荒牧委員長 佐賀県さん。

○野口委員 ノリについては、今小林委員さんの方から説明がありましたように、同じように品種改良、それともう一つは、やはりノリにとって非常に重要ですけれども、海況関係の調査。これは頻度を上げるということでやっているところです。それと、特に最近の高水温とか、また高水温になったということでかなり長くまで赤腐れ病という病気が出るのですけれども、これにいかに早く対応するかということですので、そのあたりの調査関係に力を入れてやっているということで考えております。
 また、やはりノリだけではなくて以前からよく言われるのが、ノリの方をよくしようと思ったら貝類資源回復が一番重要ではないかという形で行っているわけですけれども、その中でも我々が今やっているのは、タイラギとサルボウ、アサリ、アゲマキです。
 特にアゲマキについては、先生のところの佐賀大学の方と連携しながら、いろいろ底質改善を含めて今実験をやっているところで、少し人工種苗生産を、我々のところでは人工種苗生産とは言いながら実験レベルの種苗生産しかできないのですけれども、それを使った実験では、少し歩どまりが、以前ですと1年間で10%ぐらいの歩どまりしかなかったのが、どうにか30%程度までなってきたかなということで、それについては今後少しずつ地点をふやしながらやっていけたらというふうに思っております。
 それと、特にアサリ、サルボウについては、特に佐賀県の場合ですと福岡県寄りというか、筑後川寄りのところと、六角川から西の方、長崎県寄りについては全然底質が違うものですから、筑後川寄りの方をアサリ、西寄りの方をサルボウということで、今現在もサルボウ養殖についてはずっとやってきているところですけれども、やはり少しおかしいなという話がございまして、先ほど岩下委員さんからも資源管理という話がございましたけれども、その辺を含めて今後漁場管理というか資源管理、漁場管理の方が強いでしょうけれども、そちらの方を取りまとめて、安定生産ということに結びつけていけたらというふうに思っているところです。
 それが主なところでございます。

○荒牧委員長 どうもありがとうございました。
 濱口委員さん。

○濱口委員 私どものところは、諫早湾とそれからその外側の多以良から島原にかけてという広い海域がありますが、基本的には大きな問題になっております諫早湾の水産振興という立場の中から、代表的なものをご紹介しますと、やはりタイラギの斃死の原因究明、それからどうなっているのかという再生機構、これにいろいろ西海区水研のお力も得ながらやっております。
 それから、アサリにつきましては、毎年あちこちから種貝を買ってきて、それを移殖して大きくするというような増殖、小長井は養殖でございますけれども、これにかわる手法を今取り組んでおります。
 といいますのは、諫早湾全域に稚貝が発生をしております。これをそのまま飼いますと夏場高水温、貧酸素、先ほどのいろいろな要因で短期的な、ほんのわずかな時期に殺してしまうものですから、そこを何とか乗り切れないかというようなことで、現在、他の地域に移殖をして、それで生息がどうなのかというようなことにも取り組んでおります。
 昨年度の結果では、他の地域に移殖した結果、非常に歩どまりがよくて、そしてそれをまた小長井地区に戻すというようなことで、コストをどうするのかという問題はありますけれども、手法としてはある一定の成果が見られているという状況でございます。
 それから、限られた海域でございますので、そこから漁業生産を伸ばすという意味では、カキの養殖の安定的な生産につなぐ技術改善を、漁業者と一緒にやっております。
 それから、もう1点は、佐賀県さんもございましたけれども、クマサルボウの種苗生産をやっていまして、それが諫早湾の沿岸域にどう住み着くかというような実験をやっております。
 それから、もう1点は、水産庁の公募型提案研究で、西海区水研が中心となってやっていらっしゃいますが、タイラギの垂下養殖について今年度から取り組んでおりまして、長崎県の方はタイラギの種苗生産に取り組んでおり、ある程度手法が見えてきております。以上でございます。

○荒牧委員長 どうもありがとうございました。
 再生についても、それぞれ各県さんが取り組んでおられると思いますので、これもまたどこかで報告をされてまとめられると思いますけれども、その節にはぜひその成果を我々に教えていただきたいと思います。
 時間は4時までというふうになっていたのですが、私の興味でたくさんの発言をお願いしましたので過ぎていますけれども、弘田先生、中村先生、川野先生、何かこれまでの議論で補足的に、あるいはご発言いただければありがたいのですが、何かありませんでしょうか。

○川野委員 私、須藤先生のプロ中のプロの結論とは、行政機関の報告書として、やはり何か得たものがないといけないということで、学会の報告書ではないのですよという意味にとらえればよろしいわけですね。
 そういうわけで、私は、この会議の中でちょっと埒外の瀬戸内海を向いた人間としまして、やはり報告、きちんとした結論を出さないといけない、プロ中のプロの結論でないといけないのですが、だからといって余り狭い範囲の結論の場合は、瀬戸内海の問題の場合はかなり大きい時間の問題があったのですが、今回の結論というのは、ちょうど大変な時期に議論を始めて、そして結論が出るころは、ノリの生産もちょっとよくなったし、貝も少しふえた。出した結論の受け取られ方が微妙になるのではと心配が……。
 間違ってはいけないと思いますので、具体的なものを目指さなければいけないのだけれども、何とか詰める程度という、両方のスタンスが必要かなということが気になりましたので、一言申し上げます。

○荒牧委員長 ありがとうございました。
 中村先生。

○中村委員 須藤先生のお話の中でもあったのですけれども、今までのデータというのはいろいろばらつきがあったのですね。それが、こういう議論をし合う機会があって、これからはデータが均質化されて出てくるのですごくいいのではないかというふうに思っています。
 それで、今から再生のことについてもやっていかれるのだと思うのですけれども、私も物理の方面ですけれども、水温などいろいろなデータをずっととっていただいておくと、後々役に立ってくるのではないかと思うのです。それが、認識として一致してきたから、これからはうまくいくのではないかと思っております。大変でしょうけれども、お願いしたいなと思っております。

○荒牧委員長 弘田先生。

○弘田委員 私、この会議でも何回も申し上げましたけれども、赤潮の件で、珪藻赤潮とか鞭毛藻の赤潮とか、その赤潮を区別していろいろご議論願いたいということを前から申し上げていたのですけれども、少しずつ修正されてきておりまして、そのようなことを続けていただきたいというのが1つ。
 それから、有明海・八代海の再生問題につきましては、水産サイドのお話だったのですけれども、環境サイドで実は「有明海・八代海干潟等沿岸域再生検討委員会」、本委員会の滝川先生が委員長で一応そういうふうな委員会をつくっていろいろ議論をしまして、一応有明海・八代海の6つの漁協単位で場所をある程度選定しまして、それでそこでの再生方策というのを探りまして、この5月ぐらいに最終報告を実はつくっておりますので、こちらの方にも報告書が届いているかと思いますけれども、そういうことで一応県の方ではそういうふうな再生方策として1つの方向性を、ちょっと総花的になっていますけれども、そういうふうなことも取り上げてやっておりますので、1つの参考にさせていただければと思っています。

○荒牧委員長 どうもありがとうございました。
 時間が15分ほど過ぎてしまいまして申しわけありません。私が、皆さん、現場のところで海を見ておられる方々の意見を聞きたいというのがあって、少し長くなりました。お許しください。
 これで、当初予定しておりました議題については議論を済ましたと思いますが、事務局の方で何かありましたらお願いします。

○環境省水環境課閉鎖性海域対策室長 どうもご活発な議論をありがとうございました。今後の私どもの作業にもぜひ反映させていきたいと思いますし、きょう、ご発言の中でいろいろな調査について言及されましたけれども、それについてまた場合によってはこちらからデータなどもお願いするかもしれませんのでよろしくお願いいたします。
 須藤委員長からもございましたように、今後、評価委員会におきまして、年内をめどに委員会報告の取りまとめを行うわけでございますけれども、なかなかこういう形でお集まりいただくのは難しいかもしれませんが、ぜひいろいろ案ができた段階で各小委員会の委員の皆様方にもお配りをして、ぜひまた詳細なコメントをいただければと思っております。
 今の予定ですと、次回、9月27日には目次案程度でございまして、10月16日、次々回の評価委員会では、評価委員会の報告書の素案というものをご議論いただくことにしておりますので、そういう段階になりましたらばぜひ皆様方のご意見をまたいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 以上でございます。

○荒牧委員長 きょうの議論については、須藤委員長もお越しになっていますけれども、簡単ですが、毎回報告をしておりますので、次回も簡単にこの議論を報告させていただきます。詳細な内容については、議事録が公開されていますので、委員の先生方、あるいは特に取りまとめを行われている先生方は詳細にご覧になっていますので、この議論については議事録をお読みになっていただいているということを報告をしておきます。
 それでは、これできょうの小委員会を終わりたいと思います。どうも、皆さん、ご協力ありがとうございました。

午後4時18分閉会

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