第37回有明海・八代海等総合調査評価委員会 会議録

1.日時

平成28年1月7日(木)10:0012:00

2.場所

環境省第1会議室

3.出席者

委員長:
岡田光正委員長
委員 :

岩渕光伸委員、上田直子委員、古賀秀昭委員、小松利光委員、

滝川清委員、樽谷賢治委員、内藤佳奈子委員、中田薫委員、

中村由行委員、西村修委員、速水祐一委員、山口敦子委員、

山田真知子委員、山本智子委員

午前10時00分 開会

○束原室長補佐 ただいまから第37回有明海・八代海等総合調査評価委員会を開会いたします。

 最初に、本委員会は公開の会議となっておりますことを申し上げます。

 初めに、環境省水・大気環境局長の高橋よりご挨拶申し上げます。

○高橋水・大気環境局長 皆さん、おはようございます。水・大気環境局長の高橋でございます。

 本日は新年早々の折でございますけれども、ご参加いただきまして誠にありがとうございます。また、本年もよろしくお願い申し上げます。

 今日は第37回になりますけれども、評価委員会の開催に当たりまして一言ご挨拶を申し上げます。

 有明海・八代海の再生につきましては法律に基づき国が基本方針を定めまして、関係各県におきましては県計画に沿って、関係省庁と連携のもとにさまざまな対策を推進していただいております。しかしながら、現状を見ますと、本年度も赤潮や貧酸素水塊の発生が確認されております。また、これは水温の上昇とも関連があると言われておりますけれども、ノリ養殖での病害の発生なども見られているということで、環境の状況は予断を許さないというふうに認識してございます。

 今回の委員会は、昨年3月に第35回の委員会を開催以降、このようにお集まりいただきますのは約10カ月ぶりになります。この間、昨年9月と11月に小委員会を開催させていただきまして、海域の区分の考え方でございますとか有明海の各海域での問題点等についてご議論いただいてきたところでございます。また、昨年11月には評価委員の皆様の任期が満了となりまして、委員の改選をさせていただきました。詳細は後ほど事務局からご説明いたしますけれども、評価委員会、この本委員会につきましては引き続き岡田委員に委員長を務めていただくことになっております。海域再生小委員会につきましても、引き続き滝川委員にお願いいたします。また、生物小委員会につきましては、新たに樽谷委員に小委員長を務めていただくことになってございます。

 岡田委員長を初め委員の皆様方におかれましては、私ども、一応この平成28年、今年を目途にこの報告書の取りまとめをお願いしたいと思っておりますので、何とぞご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

 今日の委員会のテーマとしては、有明海での環境特性、あるいは二枚貝類の減少等について各海域での問題点とその原因・要因につきまして、ご審議をいただくこととしてございます。活発なご議論を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

○束原室長補佐 続きまして、先般の評価委員改選についてご報告いたします。

 ただいま局長からのご挨拶にありましたとおり、昨年11月の評価委員の任期満了に伴い、委員の改選を行いました。その結果、青野委員の後任といたしまして国立研究開発法人水産総合研究センター西海区水産研究所有明海・八代海漁場環境研究センター環境保全グループ長の樽谷委員、本城委員の後任といたしまして県立広島大学生命環境学部環境科学科准教授の内藤委員のお二方が新たに評価委員に就任されました。

 新しい名簿を資料1に掲載しておりますので、ご参照ください。

 また、書面により第36回評価委員会を開催いたしまして、委員長には岡田委員が全会一致で再任され、岡田委員長から委員長職務代理として滝川委員が指名されるとともに、各小委員会の委員が指名され、海域小委の委員長には滝川委員が、生物小委の委員長には樽谷委員が指名されたところでございます。

 続きまして、本日の委員の出席状況ですが、欠席の連絡を秋山委員、久場委員、清野委員、中田英昭委員、山口啓子委員、清水臨時委員よりいただいており、本日は15名が出席しておりますので、有明海・八代海等総合調査評価委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしていることをご報告いたします。

 続きまして、配付資料を確認させていただきます。

 議事次第の下のほうに一覧がございますけれども、この議事次第の次に座席表、次に資料1といたしまして委員名簿、資料2といたしまして「問題点とその原因・要因の考察の基本的な考え方」。資料3につきましては、3-1から3-8までの8分冊となっておりまして、各海域ごとの問題点と原因・要因の考察となっております。

 この他、参考資料といたしまして参考資料1「有明海・八代海等総合調査評価委員会 委員会報告 目次(イメージ)」、参考資料2といたしまして「第11回海域小委員会における委員意見及び対応(案)」、参考資料3といたしまして「第11回生物小委員会における委員意見及び対応(案)」、参考資料4といたしまして「《参考基礎データ》有明海全体における生物に係る環境変化」を配付しております。

 不足の資料がございましたら事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。

 それでは、報道、取材の皆様方、これ以降のカメラ撮影はお控えいただくようよろしくお願いいたします。

 それでは、これ以降の進行は岡田委員長、よろしくお願いいたします。

○岡田委員長 議事を始める前に、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

 本委員会、37回になりました。委員の改選がございまして、先ほどありましたように全員一致ということで委員長をご指名いただきまして、ありがたいというか、非常に責任を感じております。

 この委員会はご承知のように、先ほど高橋局長からもお話ございましたが、国が方針を定めて有明海・八代海の再生を目指す、そのために、今日の議論にも出てまいります問題点とその原因・要因を整理していくことが第1ステップになるかと思います。そのために、去年1年間かけて小委の滝川先生、前委員長の青野先生、今回、樽谷先生に引き継いでいただいていますが、精力的にデータの整理、解析等をしていただきました。深く感謝いたします。

 本日はその結果を、完全にというわけにはもちろんまだいきせんが、取りまとめたものを全体の委員会でご議論いただいて、2つの小委員会で議論したものを整合性あるような新しい認識に持っていきたいと考えておりますので、ぜひ忌憚のないご意見をいただければと思います。

 それと、今年が報告書を取りまとめる年になっています。これからご報告いただくデータ、決して両委員長に文句を言うつもりはないんですが、完璧ではございません。だからといって完璧なものをずっと待っていますと、多分何も報告書は出ないということになりますので、その辺のところも踏まえながら、ここの専門家の先生方の、ある意味では科学的知見が不十分なところもある程度合意という形で取りまとめたいと考えておりますので、ぜひご協力のほどをよろしくお願いいたします。

 それでは、議事を始めさせていただきます。

 本日の議題は、議事次第にございますように、海域毎の問題点とその原因・要因の考察等について、その他の2つがございます。よろしくお願いいたします。

 議題の進め方でございますが、前回の委員会で参考資料1にあります委員会報告の目次の、いわゆるイメージをお示ししております。その後の小委員会では、目次の4章にございます「問題点その原因・要因の考察」についてずっとご検討いただいておりますので、その内容について事務局からご報告いただき、ご議論をいただければと考えております。

 4章の1、基本的な考え方、2、環境特性に当たる部分は資料2にまとめてあります。4章の3、問題点と原因・要因の考察については、たくさんございます資料3に海域毎にまとめられております。

 まず、資料2について事務局からご説明をお願いします。

○根木閉鎖性海域対策室長 環境省閉鎖性海域対策室長、根木でございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

 資料2の前に少し、岡田委員長にもご説明いただいた参考資料1をご覧いただければと思います。

 委員会報告の目次(イメージ)であります。

 平成26年12月に開催した第34回評価委員会において、平成28年を目途に評価委員会の報告を取りまとめる旨、方向性を出していただきました。その際に目次イメージを示したものでありますが、これはこれでかっちり固めたというものではなく、今後の議論でまた修正を加えていければというものでございます。

 1点、その際に示したものから追加しておりますのが、3章、有明海・八代海の環境等変化の9番に「生物」というのを加えております。例えば有用二枚貝ですとか魚類の推移といったところをここに記載することによって、4章、5章へのつながりがよくなるのではないかということで、つけ加えております。

 いずれにしても、目次のイメージについてはこれで固めたいというものではございませんので、今後ともご意見などいただければと思っております。

 これから説明します資料2は、この第4章、問題点その原因・要因の考察の1、2の部分を念頭に記載したものでございます。昨年9月、11月に開催しました海域再生対策検討作業小委員会でご検討いただいてきているものでございます。

 それでは、資料2をご覧ください。

 1、基本的な考え方とありまして、これが1ページ、2ページでございますが、先ほどの目次(イメージ)の4章第1節を念頭に記載したものでございます。

 有明海・八代海においては、自然環境自体の長期的変化とともに人為的な働きかけを受けつつ、その海域環境や生態系を変遷させて今日に至ったものと考えられる。両海域が抱える諸問題の原因・要因を可能な限り的確に把握した上で、両海域の再生に取り組むことが望ましい。そして、こうした原因・要因の考察については有明海及び八代海の再生に向けた措置に資するとの観点から、評価委員会としての見解を示すものである。

 ここまでは、平成18年に出しております評価委員会報告に記載されている内容でございます。

 「なお」として、「今回の検討では、基本として1970年頃から現在までの有明海・八代海等の環境変化を対象として整理を行う」と記載しました。

 (1)海域区分の意義でありますが、有明海・八代海等はさまざまな環境特性を持ち、生物の生息状況も異なっており、問題点とその原因、要因も海域ごとに異なるものと考えられる。このため、環境特性により区分した海域ごとに問題点及びその要因考察を進めることにより、各海域の再生に係る適切な評価、再生への取組の方向性を見出すことにつながることが期待できるということでございます。

 そして(2)海域区分の方法であります。

 1つ目の視点として、水質環境からみた場合としまして、水質データのクラスター解析により海域をグルーピングした。これについては8ページ、参考資料の図4が過去にご議論いただいております有明海のグルーピングの結果で、これは9つに分けております。そして14ページが八代海をグルーピングしたものでありまして、5つに分けています。これは水質の観点から区分したものでございます。

 1ページにお戻りください。

 2つ目の観点として、底質環境からみた場合として、クラスター解析などによりグルーピングをした。これについては10ページが有明海のグループ分けの結果、15ページが八代海のグルーピングとなっております。

 そして3つ目の視点としまして、有明海については生物の生息状況からみた場合として、重要な有用二枚貝、タイラギ、サルボウ、アサリの生息状況等を勘案してグルーピングした。これはまた飛びますが、12ページをお開きいただきますと、タイラギ、サルボウ、アサリ、それぞれの図を掲載してございます。1970年以降、各二枚貝の生息が確認されていた主な海域ということでマッピングしております。

 この3つの要素を踏まえて、「本報告において海域ごとに再生への取組の方向性を検討するに当たっては」ということで、①としまして各グループの特性を整理して、問題点と直接的な環境要因との関係に関する考察を行うためには、グループ分けをあまり細分化することは適当でない。

 次のページになりますが、②としまして、再生に向けた評価を行うため、水環境の特性を踏まえつつ重要な生物の生息状況を勘案すべきであるということから、水質のクラスター解析によるグルーピングを基本としつつ、重要な二枚貝の生息状況を勘案して一部線引きを修正したということで、海域区分の案については(3)に示したとおりでございます。有明海については図1の7区分、八代海については図2の5区分で今後の検討を進めていきたいということであります。

 この基本的な考え方と海域区分案については、海域再生対策検討作業小委員会でご了承いただいております。

 続きまして、3ページから6ページは目次(イメージ)の4章2節、環境特性(海域区分ごと)の部分を念頭に記載しております。

 基本的には、この表につきましては水環境の現在の状況を念頭に記載しております。一方、後ほどご議論いただく4章3節、問題点と原因・要因の考察(海域区分ごと)については、1970年ごろからの変化に着目して整理したい、そのような性質の違いがございます。

 時間の都合上、表の個々の説明は割愛いたしますが、3ページはA-1からA-4の有明海の4つの区分について、水質・負荷、流況・流動、懸濁物の挙動、水塊構造、水質環境、そして4ページには赤潮の発生状況、貧酸素水塊の発生状況、そして有用二枚貝、タイラギ、アサリ、サルボウの状況を整理しております。5ページ、6ページは有明海のA-5からA-7について整理しております。

 八代海については、作業小委員会の議論を経た上で次回以降にお示ししたいと考えております。

○岡田委員長 ただいまのご説明に関しまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。

○小松委員 まず参考資料1、目次の3章なんですが、1から9まで項目が並んでいるんですけれども、並べ方で、1が汚濁負荷、2が河川、3が水質、そして底質、潮流・潮汐となっているんですけれども、最初がインプット、それから原因、それから結果みたいな並べ方のほうがいいと思うので、5番の潮流・潮汐を3に入れたほうがすっきりするのではないかという気がします。これは提案です。

 それから、今の海域区分の方法で、水質環境からみた場合、底質環境からみた場合、それから生物の生息状況からみた場合ということで、こういう3つの視点は大事だと思うんですが、最初の1、2に比べて、3番目の生物の生息状況というのは割と変化が激しいのではないかという気がするんです。その変化の時間スケールがひょっとしたら違うのかなという気がしたんですが、その辺はいかがでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 1点目につきましては、今、お示ししている目次(イメージ)はあくまでまだイメージでありまして、まさにいろいろご意見いただければと思っております。

 3章の構成につきましては、1から8は平成18年に作成したものと同じ構成でとりあえず置いていて、そこに先ほど説明した9番をつけ加えたということでありまして、どうすれば一番わかりやすいかということになると思いますので、いただいたご意見も踏まえて今後、検討していければと思います。

 2点目、有用二枚貝については変化が激しいのではないかということでありますが、資料2の11ページをお開きいただきますと、考え方としましては、タイラギ、サルボウ、アサリについて基本的考え方のところで少し述べたところと関連しますが、1970年以降、各二枚貝の生息が確認された主な海域ということで、12ページのエリアをお示ししている。エリアもしくは種類によっては、今現在はほとんど見られないとか、そういったことも含むと思われますが、この報告書の基本的な考え方ともあわせまして、そのようなことで海域区分の基礎としてはどうかという考え方で整理しております。

○岡田委員長 他にございますか。

 特段よろしければ次に進めたいと思いますが、まず、今の基本的な考え方のうち特に今、ご質問がございました海域区分につきましては、一応本日の資料のとおり取りまとめていくということでよろしいですね。

(異議なし)

○岡田委員長 ありがとうございます。

 それでは、続きまして4章の3、問題点と原因・要因の考察に当たる資料、これはたくさんございます。海域ごとに分けて取りまとめられておりますが、内容が多いため2つに分けて議論させていただきたいと思います。

 最初に、A-1からA-3について事務局からご説明をお願いします。

○根木閉鎖性海域対策室長 資料3-1の前に、参考資料を少し紹介できればと思います。

 参考資料2は昨年11月に開催された海域の小委員会、そして参考資料3は生物の小委員会においていただいたご意見、そしてその対応(案)を記載しております。11月以降、小委員会を開催しておりませんので、これは小委員会の先生方にまだご確認をいただいたものではございませんが、案として本日の議論の参考までに記載しております。

 「対応(案)」の欄で、例えば参考資料2の一番上で「検討する」と書いてあるところは、今日の資料にはまだ反映できておりませんが、今後検討したいという部分もありますし、意見をいただいて既に今日の資料に反映している部分もございます。これは参考までに紹介させていただきました。

 参考資料4をご覧ください。

 「有明海全体における生物に係る環境変化」ということで、これから説明いたします資料3-1から3-8には出てこないけれども、本日の議論にも関係するであろう有明海全体のデータについて、参考的にお示ししております。

 一つ一つの説明は割愛いたしますが、例えば2ページをお開きいただきますと、タイラギの有明海における4県合計の漁獲量を示しております。3ページではサルボウについて、4ページではアサリについて同様のデータを示しております。特にタイラギとサルボウにつきましては、4県合計のデータはこのようにお示しできるのですが、A1とかA2といったエリアごとに分割するのはなかなか難しいということもあり、資料3にはこのようなデータは記載していません。その点、ご留意いただければと思います。

 参考資料4のデータ、例えば今、申し上げたようなタイラギとかサルボウとかアサリの全体の漁獲量についても、報告書のいずれかの部分に位置づけることが必要ではないかと考えております。

 それでは、資料3-1をご覧ください。

 A1海域と名付けておりますが、有明海湾奥の中でも奥部のエリアで、図の赤い点で囲まれた部分でございます。

 この海域の特性としては、既存の文献からわかる水の流れですとか懸濁物、栄養塩の流れといったところについて記載している。また、底質については西側では泥質干潟、東側では砂泥質干潟で形成されているということも記載しております。

 2ページは、A1海域のいわゆる連関図を示しております。問題点を緑色で示しておりまして、ノリの色落ち、魚類等の資源量の減少、ベントスの減少、二枚貝の減少、タイラギ、アサリとして、そこに関連する主な原因、要因について線で示しているものでございます。この図では、可能性のある線は全て引くという方針で記載しております。

 3ページ、まず、有用二枚貝の減少のうちタイラギについてであります。

 ①現状と問題点の特定ですが、A1海域では潜水器漁業によるタイラギの漁獲は認められない。A1海域の東部は砂質干潟で干潮時に広大な干潟が現れ、人が歩けるようなところでありまして、徒取り漁業が営まれているが、長期的な統計データがほとんど収集されていないことから、漁獲量や資源量の変動要因について整理するのは難しいということであります。

 下のほう、3ページから4ページにまたがっては2014年にA1海域東部で行われたタイラギの資源調査結果を示しております。

 4ページの一番下では、A1海域のタイラギは、資源量こそ少ないものの大型の個体が多く生息しているといったことも記載しております。

 次に5ページ、アサリでございますが、A1海域における主要な生息地は東側に限られているということです。そして、A1海域では覆砂が施されていることに留意する必要があるということでありまして、覆砂の状況については6ページにデータをお示ししております。これはA1海域だけに限ったことではありません。

 7ページ、アサリに関する現状と問題点の特定です。アサリは1970年代半ばから年に1万トンを超える漁獲量を記録したが、現在は過去最低レベルの漁獲量に止まっている。下のグラフで1980年頃から漁獲量が非常に高まっているところがありますが、これについては「なお、」として記載しておりまして、1982年から84年にかけての漁獲量の大幅な増大については、例年ではあまり漁獲が見られない峰の洲、これは実際A2海域に該当するところでありますが、こちらで漁獲が見られるためでございます。

 アサリについては基本的に沿岸域で漁獲されますので、海域ごとにデータをお示しできるかなということで、お示しもしておりますが、それでも、このようなこともあるということでございます。

 ②要因の考察であります。

 1980年代には大きな漁獲圧が生じたことが推定されるということも記載しております。

 8ページでありますが、ナルトビエイがたびたび出現している。これらによる食害は、近年のアサリ資源の減少の一因と考えられるということ。また、シャットネラ赤潮については発生の頻度が低く、かつ細胞密度も高くないことから、直接アサリ資源に影響している可能性は考えにくいということでございます。

 9ページはベントスであります。

 ベントスの現状と問題点でありますが、A1海域ではデータのある2005年以降の調査結果を確認したということです。モニタリングポイントが何点かありますが、このうちAsg-2及びAfk-1というモニタリングポイントでは、種類数、個体数ともに明確な増減傾向は見られなかった。Asg-3というポイントでは節足動物門の種類数が減少傾向であった。環形動物門の個体数は増加傾向であった。これ以外の動物では種類数、個体数ともに明瞭な増減傾向は見られなかったということでございます。

 こちらのグラフについては、10ページから記載しているところであります。

 13ページに表を記載していますが、これは2005年から年に4回ほどベントスが出現、採取した。3つのモニタリングポイントがありますので、それぞれのポイントで個体数が最も多い種をここに記載している。それで種の変遷を見たいということでございます。

 コメントとしましては、2005年から2011年までは主要種としてサルボウガイがいたが、2012年からは以前には出現頻度が低かった節足動物や環形動物に変わっているということであります。

 14ページをお開きください。

 ベントスについて要因の考察を加えておりますが、ポイントを申し上げますと、調査内容は2001年以降の調査になりますが、ベントスと同じ時点で実施している浅海域での調査結果によると、現時点では明瞭な泥化、いわゆる砂泥化の傾向は見られなかったということで記載しております。

 A1海域については以上でございます。

 次に、資料3-2をご覧ください。A2海域、有明海湾奥東部の海域でございます。

 こちらについても環境の特性について記載しています。説明は3ページから始めさせていただきます。

 有用二枚貝の減少でありますが、まず、タイラギでございます。

 A2海域では、2011年まで潜水器漁業によるタイラギ採捕が行われていましたが、2012年から14年にかけて3年連続の休漁に追い込まれているということであります。

 図3は、タイラギ成貝の1976年からの分布の推移でありますが、4ページがその続きのような感じになっておりまして、2011年までの成貝の分布の推移でございます。

 5ページの図5では、タイラギの着底稚貝の分布の推移のデータも掲載しております。

 6ページをご覧ください。

 要因の考察であります。

 2000年以降の減少要因と長期的なものに分けて記載しておりますが、近年のタイラギ資源の減少の要因として、前回の委員会報告書では立ち枯れへい死が主要因であると述べています。大量へい死のメカニズムについては不明であると指摘されているということであります。

 本報告書においては、次の2点を満たすものを立ち枯れへい死と定義したいということでありまして、イ、稚貝から成貝にかけての短期大量へい死現象(食害や淡水ショックによるへい死を除く)、ロ、改定から殻体を突出させたままへい死する現象、このいずれもを兼ねるものを立ち枯れへい死として扱いたいということでございます。

 7ページをご覧ください。

 図7は、2009年から2010年にかけて発生したタイラギの大量死の現象でありまして、A2の海域については2010年に大量死が起こっている。そしてその後、出現がなくなってきているということであります。

 そして8ページの図8に示すように、A2海域においては、貧酸素水塊の発生時期と大量死の時期はほとんどの年で一致していない。A2海域では貧酸素水塊がタイラギの資源変動に強く影響しているとは判断されないということで記載しております。

 8ページの真ん中に、A2海域における底質とタイラギの分布の関係についてのデータも幾つか記載しております。

 次に、長期的な現象要因についてでございます。

 9ページをご覧ください。

 1981年、82年、84年の調査では、浮遊幼生・稚貝ともに広範囲に分布していたのに対し、2003年の調査では、浮遊幼生は広範囲に見られるけれども着底稚貝はA2海域に偏って分布している。A3海域では見られなくなってきたということもございます。

 その辺りについて、具体的には10ページの図11をご覧いただくとその様子がわかるかと思います。

 A2海域におけるタイラギ着底稚貝の減少要因として、いわゆる浮泥と呼ばれるシルトの堆積が影響しているとの報告もございます。ただし、後に説明いたしますが、2001年から2013年において底質の細粒化について、単調に増加したり単調に減少するという一方向の変化は見られていないことにも留意する必要があるということでございます。

 また、その他の要因としまして、ナルトビエイについてはタイラギ資源の減少要因の1つと考えられるということも記載しております。

 次に、11ページをご覧ください。ベントスについてであります。

 1989年夏季と2000年夏季の調査によると、平均密度が減少している。そして多毛類、甲殻類、クモヒトデ類は増加して、二枚貝類、その他の項目は減少しているということでございます。

 また、2005年以降、毎年のモニタリングを行っております。13ページからがそのグラフになりますが、種類数では総種類数、軟体動物門、節足動物門について減少傾向が見られ、個体数では節足動物門に減少傾向が見られた。これ以外の動物では、種類数、個体数ともに明確な増減傾向は見られなかったということでございます。

 時間の都合上、グラフなどの説明は以上とさせていただきまして、15ページをご覧ください。

 ベントスに関する要因の考察でございますが、まず、底質の泥化については細粒化の観点から整理を行うこととしたと記載しています。1989年から2009年の調査結果を中心に、要因の考察を行うこととしたということでありまして、この内容については、これまでの評価委員会でもご議論いただいてきている部分でありますが、考察に当たっては泥化の判定をア、イ、ウ、エの4つの観点から行ったということでございます。

 表3にあるように、A2海域では一方向の粒径変化は見られないのではないかということを記載しております。

 図表をいろいろつけておりますが、説明は割愛させていただいて、代表的なものとして20ページをご説明します。

 中央粒径と粘土シルト含有率の分布の変化でありまして、上の図が1989年から2000年の差、下の図が2000年から2009年の差でありまして、赤色は細粒化、青色は粗粒化の傾向を示しておりますが、中央粒径で見た場合、そして粘土シルト含有率で見た場合、いずれも一方的に粗粒化、細粒化しているといった方向は見られないのかなというのがこのデータでございます。

 次に、27ページをご覧ください。

 別の調査で、2008年から2013年の含泥率の調査結果であります。含泥率の増減が見られますが、地点によってその変化傾向が異なっているということを、特にこの図は示しております。

 28ページをご覧ください。

 底質中の有機物、硫化物についても確認しましたが、1989年から2010年において一方向の変化、単調増加とか単調減少傾向は見られていないということでございます。

 以上がA2海域であります。

 次に、資料3-3をご覧ください。

 A3海域でありまして、これは有明海湾奥の西部でございます。

 3ページからご説明します。

 A3海域も課題としては、まず、有用二枚貝、タイラギの減少が課題となっているということであります。近年では、2009年から2010年に成貝の大量生育が認められましたが、翌年から大量へい死が生じ、以降、再び低迷しているということでございます。

 4ページ、その要因の考察でございますが、2009年夏季のA3海域における貧酸素化は比較的軽微であった。これは稚貝から成貝に成長する期間におけるへい死の抑制につながったものと考えられる。一方で、2010年の夏季には貧酸素水塊の発達に伴ってタイラギ成貝の大量へい死が発生した。このことから、この海域では貧酸素水塊がタイラギ資源変動に影響を与えていることが推定されると記載しております。

 その関連のデータを4ページから6ページ辺りに掲載しております。

 次に、6ページをお開きください。

 貧酸素水塊以外の減少要因としまして、ナルトビエイの胃の内容物からタイラギが確認されている。ナルトビエイについては引き続きタイラギ資源の減少要因の1つと考えられるということも記載しております。

 そしてb)としまして、より長期的といいますか、1970年頃から2000年代にかけての減少要因を分けて整理しておりますが、1990年代前半まではタイラギの分布が見られた。しかし、1990年代後半以降は、2009年を除いてまとまった量の生育は見られなくなった。2003年の浮遊幼生の分布を見ますと、1980年代と大きく変わらない密度で出現しているということであります。その辺りについては、先ほども少し出てきましたが、7ページの図8をご覧いただければと思います。2003年には浮遊幼生はあるけれども、着底稚貝についてはA3海域では減少してきているといったことでございます。

 このような状態は、2003年から2011年まで確認されている。したがって、この期間は着底後の死亡率の上昇が起きたと考えられるということでございます。2010年以降については浮遊幼生の発生量も極めて低位で推移していて、浮遊幼生供給量の減少も影響しているのではないかということを記載しております。

 8ページをご覧ください。

 着底後の死亡については、浮泥が影響しているとの報告も見られるということでございます。タイラギ稚貝が固着する基盤が浮泥の堆積によって覆われてしまうと、タイラギ稚貝の生存に悪影響を及ぼすと推定される。

 そのことを示唆するデータを図10にお示ししております。浮泥の厚さがないところにタイラギ稚貝の着底が見られる、そのようなデータもあるということでございます。

 ただし、下に書きましたが、A3海域の大半は、もともと中央粒径値が7を超える軟泥域であるということ、そして底質の泥化については、これも後ほどご説明しますが、1975年から現在にかけて一方向の変化(単調増加、単調減少傾向)は見られていないことに留意する必要があるということでございます。

 9ページには、長期的なタイラギ資源の減少には貧酸素化の長期的進行が影響していると考えられるということを書いております。

 10ページをご覧ください。

 図12は、赤い線が底層の溶存酸素、これは成層強度の影響を取り除いたものと理解しておりますが、これが長期的に減少傾向であるということ。そして図13は、これは1999年以降でないとデータがないということですが、データがあるところで見比べますと、2009年はタイラギが大量に漁獲されたんですが、2010年には大量へい死。この黒いバーが大量へい死した時期でありますが、大量へい死している時期が底層の溶存酸素が3を下回っている時期と重なっている部分も多いということであります。近年のデータしかないので、これ以上のデータはなかなか得られないということでありますが、得られるデータを示したということでございます。

 次に11ページ、サルボウについても記載しております。

 サルボウは、低酸素環境下でも生存しやすいという特性も有しておりますが、低酸素に伴って底質中に硫化水素が増加して、へい死を引き起こしているのではないかといったことを記載しております。

 12ページでは、サルボウ資源についてナルトビエイの食害も発生していると推定されると言うことも記載しております。

 13ページからはベントスの減少でございます。

 ベントスについて、1989年夏季と2000年夏季の調査を比較すると、全マクロベントスの平均密度は減少しているということであります。

 時間の都合もありますので少し説明を割愛させていただければと思います。

 22ページをお開きください。

 先ほども少し説明しましたが、A3海域は水質の細粒化、粗粒化の方向について一番長期間のデータがとれております。図22はこれまでもご覧いただいている表でございまして、幾つかの方法で細粒化、粗粒化の傾向を確認しようということで、青い線は粗粒化方向、赤い線は細粒化方向でありますが、長期間にわたる一方向の変化は示していないと考えられるということであります。

 23ページの図も先ほど出てきましたが、「ただし、」ということで、地点によって変化傾向が異なり、場所によっては含泥率の増加傾向を示す地点もあることに留意が必要であるということも記載しております。

 A3海域までのご説明は、以上とさせていただきます。

 資料3-1から3-8については作業小委員会でご検討いただいておりますが、まだ検討中のものでありまして、作業小委員会でご了承いただいたという状況ではないことに触れさせていただきます。問題点と原因・要因の考察について、今後とも明確化していきたいと思っておりますので、そのためにも本日、ご意見やご知見をいただければと思います。

○岡田委員長 ただいまの事務局からの説明に関して、ご意見、ご質問等いただければと思います。

○山本委員 底質の変化について質問があるんですが、例えば資料3-3の22ページに非常にわかりやすくまとめていただいているんですけれども、これを見ると、底質は基本的に、1970年代の状態を一つのモデルと考えたら、70年代から80年代末までの間で1つ変化があって、その後、89年から2000年ぐらいまでで細粒化とかそういうものがあって、その後はまたあまり変化がない、あるいは逆の変化をしている。

 そうすると、データがないので仕方ないかもしれませんが、例えば資料3-1の15ページのようなデータは基本的に2001年以降のデータなので、これに、参考であっても何でもいいので、80年代とか70年代の点が何個か加わると変化がわかるのかなと。というのは、例えばA1海域はタイラギに関してはあまりデータがないということでしたが、アサリの減少等についてはある程度はデータからも言えそうなので、そのことと─つまり90年代に入ってからというか、80年代終わり以降、アサリがあまり状況がよくないと考えたら、やはりそこの間での底質と何らかの関係はないかという議論ができたりするのかなと。2001年以降のデータが幾ら細かく出ても、例えばA1海域だったらもうほぼシルト化してしまった後の変化なので、その前はどうだったのかなというのがちょっと気になるんですけれども、何か対照できるようなデータはないんでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 そこは環境省としても、ぜひデータがあればと思っておるところでございます。基本的に、1970年頃から現在までの変化を比較対象としたいということでございますが、例えば資料3-1の16ページ、説明は割愛してしまいましたが、ベントスについてのまとめ、もしくは底質についてのまとめということで書いておりまして、底質については2000年以前のデータがないということで、やむなしで、データがあるところで現在記載しているということであります。これについては完全にデータを集め切れているかということもありますので、「こういう使えるデータがあるよ」ということがあれば、ぜひご提供いただきたいと考えております。

○小松委員 今の山本委員のご質問にちょっとだけ関連するんですが、例えば資料3-2の20ページ、これは1989年から2000年までの変化と2000年から2009年までの変化ですが、こういう物理現象は、何か定常的な状態で少し揺らぎがあるという現象と、大きな人工改変があったときにある程度タイムラグがあって、その後、変化していくという現象と、大きな2つの傾向があると思うんです。そういう意味では、この2000年から2009年というのは割と揺らぎの範囲かなという気がするんですね。そして、2000年の前ぐらいに大きな人工改変があったわけですが、タイムラグを考えると、1989年から2000年の比較はなかなか難しいなと。

 何が言いたいかというと、現象のタイムラグを考えると、1989から2009年の比較、直接的な比較のデータは今までありましたかね。もしなければ、それをしていただきたい。1989年から2009年の変化です。というのは、1989年から2000年の変化と2000年から2009年の変化であまり統一的な傾向はないということですが、人工改変、それからタイムラグのことを考えると、そして乏しいデータということを考えると、1989年から2009年の変化を見てみるのが一番長期的な変化を見ることになるのかなということで、それから何が言えるかはまだわかりませんけれども、そのデータも示していただけると、もう少し何か見えてくるのかなという感じがします。

○根木閉鎖性海域対策室長 資料3-2の17ページからをご覧いただければと思います。

 小松先生に小委員会でもアドバイスいただきまして、入れてみたデータでありますが、絶対値のデータを入れております。17ページは上の段が1989年の中央粒径ですとか粘土シルト含有率、下の段は2000年、ページをおめくりいただいて、18ページの上の段が2005年、下の段が2009年で、19ページが2010年であります。このようなデータをどう評価していくかということかもしれませんが、ぜひいろいろとご意見をいただければありがたいと思います。

○岡田委員長 よろしいですか。難しいところだと思いますが。

○古賀委員 関連なんですけれども、資料3-2の19ページに「覆砂等の人為的な影響と考えられることから」「評価の対象外とする」という表現があります22ページの図19で、四角で囲まれた地点については評価の対象外ということだと思いますけれども、これを見ると、A2海域ほとんどが対象外ではないかと思います。

 23ページ以降、評価対象外となった不自然な粒径加積曲線が示されていますけれども、これを見ると全体が粗粒化というか、砂分が多くなった地点ばかりではないんですね。

 何が言いたいかと言いますと─その前に、覆砂実施地点の図が26ページにありますけれども、A2海域は確かに水産庁の現地実証などの事業で覆砂はされていますけれども、事業ベースでは多くはないと思います。覆砂は基本的には福岡県海域の干潟域であるA1が中心なんですよ。粒径の曲線だけから多くの点を評価の対象外にしたというのは非常に違和感があります。実際のところ、このステーション番号は佐賀県が実施しているタイラギの調査点ですね。私の認識からいくと、こういったところではほとんど覆砂はされていないと思います。佐賀県、福岡県の漁場整備担当に正確な地点を教えていただいて、もう一回これについて検討する必要があるのではないかと思います。

 細粒化とか粗粒化とかいう言葉が多数使われていますけれども、水産庁が作成した26ページの図21は非常に大まかな覆砂実施位置図なんですね。現状がどうなっているかを把握することが非常に重要と考えますので、担当県にぜひ精確な地点を教えていただいて、再度検討していただければと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長 この点については小委員会でも類似のご指摘をいただいております。少し精査してみたいと思います。古賀委員にもいろいろお伺いできればと思いますので、よろしくお願いします。

○岡田委員長 今の古賀委員のご指摘、先ほどの小松委員のご指摘、再度データの精査をよろしくお願いします。

○上田委員 私は長い間、堆積物をやっているんですけれども、洞海湾とか瀬戸内海とか見ても、堆積物というのはなかなか短期間で変化しない。100年ぐらいたってもなかなか変化が見られないという現状があります。それに比べてベントスというのは結構感度がよくて、変化が見られるんですね。

 それを示すのがA3海域の資料の13ページですけれども、確かに大きな粒度の変化は見られないというか、見にくいんですけれども、13ページのベントスの変化で見ると、1989年と2000年を比べると二枚貝が減って、クモヒトデが減って、多毛類が増えて甲殻類が増えている、そういった生物指標的な結果が見えています。ですのでコメントを述べたりするときに、ベントスをそういうふうにちょっとの扱いとか考察のときに入れないのではなくて、生物指標として見られる観点を少しつけ加えてもらえば、どう言うんですかね、底質の科学的、物理的な判定以外の生物的なことを見る意味が出てくるのではないかと思います。ただ貝類とかだけではなくて、ベントスそのもののマクロベントスとしての意義とか、何か結果を出しているものについてもう少し触れていただきたいと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長 データとしましては、ベントスについて13ページ以降いろいろ触れておるつもりでありますが、このような観点で考察をということを、この場でも後ほどでもぜひアドバイスいただければと思います。

 説明は割愛しましたが、26ページにベントスについてのまとめも入れておりますが、この部分も含めて、今後ともアドバイスいただければと思います。

○岡田委員長 では、今の件は上田先生とご相談しながら、少し記述を追加していただければと思います。よろしくお願いします。

○中田(薫)委員 海域ごとにこのように分けると、こういう書き方になるのかなとは思うんですけれども、例えば浮遊幼生の数が減ったとか着底して……、要は、この海域で規定されるのはもう着底してしまったもので、浮遊幼生というのはよそにソースがあって、それが変化しなければ浮遊幼生の数は変化しない可能性もあるわけですよね。その辺の書きぶりが結構曖昧で、ちょっと難しくて混乱を招く要素になっているかなと、読んでいて感じました。

 なので、海域ごとの書き方はこれで仕方ないとしても、まとめとして、例えばタイラギならタイラギでシンクがどの辺にあって、重要な海域にはどのように運ばれていって、それがどう変化したみたいなまとめが必要だろうと感じています。

○根木閉鎖性海域対策室長 海域ごとに記載したほうがいい部分と全体で記載したほうがいい部分があるというご指摘だと思います。その辺りについて、今後、必要な部分を検討していきたいと思います。

 今日の資料でも、資料3-8には少し全体にまたがる部分を書いているところもありますし、浮遊幼生についても考察できるところは考察していきたいと思っておりますので、この点についても今後ともアドバイスいただければと思います。

○岡田委員長 たしか水産庁で浮遊幼生の調査をしているはずですので、その辺が今、根木室長がおっしゃった資料3-8、全体の取りまとめのところに生かされるようにお願いします。

 他にございますか。

 よろしければ、まだたくさん資料がございますので後半に進ませていただきます。

 ここまでのご意見を踏まえて、事務局として引き続き取りまとめの作業をお願いします。

 それでは、A4からA7まで、それから今、ご指摘がございました有明海全体に関わる部分のご説明をお願いします。

○根木閉鎖性海域対策室長 資料3-4をご覧ください。

 A4海域、有明海中央東部の海域であります。

 3ページをお開きください。

 有用二枚貝の減少で、まずアサリでございますが、このグラフのとおり、現在、過去最低レベルの漁獲量にとどまっているということであります。

  要因の考察でありますが、2000年以降はアサリの資源管理が実施されて、このグラフのとおり2003年以降、1度資源が回復基調に入り、2005年には比較的高い生産状態に至った。しかしながら、2009年以降に漁獲が低迷しているということであります。浮遊幼生の加入が少ない、また、着底した稚貝が成貝に残らないという現象が指摘されているということです。

 底質環境の変化については、漁場に覆砂を施すことにより稚貝の生育が認められ、生産が回復するということがございます。前回の委員会報告においては、緑川河口域の粒径分布からアサリ稚貝の着底に適した大きさの粒子が減少した可能性が示唆されて行くということでありますが、これについても近年のデータを見ますと、後ほど説明いたしますが、細粒化については変動の範囲内にとどまっているのかなというところもあります。これについては後ほどデータをご説明いたします。

 また、ナルトビエイの食害がアサリ資源の減少の一因と考えられるということも記載しております。

 5ページ、ベントスであります。

 まず、このページで述べているのは以下のナンバー1から8の赤い測定点に関することでありますが、1993年から熊本地先においてモニタリングしております。種類数は、軟体動物門は増加傾向が見られた、これ以外の動物では明瞭な増減傾向は見られなかった。個体数では棘皮動物門に増加傾向が見られ、これ以外の動物では明瞭な増減傾向は見られなかったということであります。

 グラフは次のページからのとおりであります。

 7ページは熊本地先の少し沖合側のポイントで、2003年以降、別途ベントスのモニタリングも行われているということであります。これについても解説を加えております。

 9ページは、そのベントスに関して要因の考察でありますが、1993年以降行われている底質のモニタリングでは、データについてはナンバー1のポイントで泥化(粘土シルト分の増加傾向)が見られたが、他の地点では一様な増加・減少傾向は見られなかったということであります。

 他にも幾つかの項目について記載しております。

 そのデータも何枚か入れておりますが、次に12ページ、熊本地先沖合のポイントでは、2001年以降のデータでありますが、粘土シルト分が増加傾向であるということであります。

 資料3-4は以上であります。

 次に、資料3-5をご覧ください。

 A5海域場有明海湾央部であります。

 3ページでありますが、有用二枚貝については主たる漁場がないので、本委員会では議論しないことでいかがかということであります。

 次に4ページでありますが、ベントスにつきましては、種類数は軟体動物門及びその他動物で増加傾向が見られている。個体数では、その他動物で増加傾向が見られているということであります。これ以外については明瞭な増減は見られないということでございます。

 次に、7ページをご覧ください。

 要因の考察、底質の考察でありますが、2003年以降の調査結果からは、泥化は進んでいないと考えられるということであります。

 駆け足になりますが、次に、資料3-6をご覧ください。

 A6海域、諫早湾であります。

 3ページからご説明します。

 アサリについて、過去には1,000トンを超える漁獲量が見られたが、徐々に減少して、近年では300トン以下で推移しているということであります。

 その要因の考察でありますが、底質についてはもともと泥質干潟が広がる海域であって、アサリの生育には厳しい環境である。しかしながら、覆砂を施すことにより稚貝の着底と生産が認められている地域でございます。

 また、ナルトビエイによる食害もアサリ資源減少の一因と考えられると記載しております。

 次に5ページ、ベントスについてであります。

 2005年以降のモニタリング結果でありますが、種類数、個体数ともに明瞭な増減は見られなかった、主要種も大きな変化は見られなかったということでございます。

 8ページをご覧ください。

 ベントスに関しての要因ということで、底質でありますが、2001年以降の調査結果からは、粘土シルト分に一様な増加・減少傾向は見られなかったということであります。

 次に、資料3-7をご覧ください。

 A7海域、有明海の湾口部であります。

 3ページからご説明します。

 アサリについて、漁獲量を記載しております。本海域は岩礁性の海岸線が多く、砂質干潟の面積が小さい。このため漁獲量が少ないということであります。資源調査もほとんど実施されていないため、資源変動要因については考察が難しいということであります。

 次に4ページ、ベントスでありますが、2005年以降のデータが─の3ポイントで行われているということであります。長崎のAng-3のポイントでは、その他の動物の種類数に増加傾向が見られた、それ以外は増減傾向は見られなかった。熊本のAkm-3というポイントでは、総種類数、そして節足動物門で減少が見られた、個体数は節足動物門に減少傾向が見られた。Akm-4というポイントでは、種類数は全ての動物で増加傾向が見られた。個体数では軟体動物門に増加傾向が見られたということでございます。

 グラフが何枚かついておりますが、次に9ページをお開きください。

 ベントスに関する要因の考察でありますが、底質の泥化については各地点とも一様な増加・減少傾向は見られなかった。泥化傾向は見られないと考えられるということでございます。

 続いて、資料3-8をご覧ください。

 有明海全体に係る問題点と原因・要因の考察であります。

 この資料についても目次イメージで言うところの4章の3、問題点と原因・要因の考察の中で記載していくことを想定しております。先ほどいただいたご意見にも絡みますが、区域を分けることに馴染まないと思われるものを、ここで整理して記載しているものであります。

 まず、有用二枚貝の減少に関係しまして、エイの話を記載しております。図1にありますが、ナルトビエイについては例年5月から10月ごろ南からやってきて、有明海に滞在するというとでございます。

 2ページの図2は九州農政局が整理したグラフでありますが、各年の左欄にナルトビエイの漁獲量、そしてナルトビエイによる食害量の推定値を右欄に記載しているものでございます。ナルトビエイによる被害のボリュームはこの程度ではないかということを示す一つのグラフであると考えております。

 幾つかグラフを掲載しておりますが、時間の都合上、割愛しまして、5ページ、ノリの色落ちについてでございます。

 有明海の福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県の4県で、我が国のノリの生産枚数の54%、生産額の55%を占めている。この円グラフのとおりであります。

 現状と問題点の特定でございますが、かい摘んでご説明します。

 6ページをご覧ください。

 図6に、4県のノリの生産枚数が棒グラフで、生産額が折れ線グラフで示されています。2000年にはノリの色落ちの被害がありまして、それは有明海・八代海の特措法の制定にもつながっておりますが、有明海で実施されているノリ養殖は、近年概ね好調であるが、安定した生産を維持するには至っていない。特に養殖ノリの色落ちが安定したノリ養殖の生産を阻害している重要な要因の1つとして位置づけられているという記載をしております。

 そして、その要因の考察であります。ノリの色落ちのメカニズムについて、全容は明らかにされていない。海水中の栄養塩濃度の低下が重要な役割を果たしているだろうと考えられている。そのような文献があるということであります。秋から冬の有明海湾における海水中の栄養塩濃度の低下をもたらす要因の1つとして、珪藻類による赤潮の発生が挙げられる。

 有明海において10月から翌3月の珪藻赤潮の発生件数についてデータが整理されておりまして、1985年度以降の推移が7ページの図8に示されています。灰色の棒グラフが珪藻赤潮の発生件数、赤色のバーは被害件数でございます。

 7ページの上の文章でありますが、ノリの色落ちと珪藻赤潮との関係を検証するため、有明海の福岡県海域を例に1985年度以降のノリの色落ちの発生期間と珪藻赤潮の発生期間を対比した。

 これは8ページの図をご覧ください。ノリの色落ちの発生期間がオレンジのバー、珪藻赤潮の発生期間が矢印でございます。多くの場合、ノリの色落ちに先行する形で珪藻赤潮が発生しています。珪藻赤潮の発生とノリの色落ち被害が密接に関係していることが示唆されるということであります。珪藻類が赤潮を形成することによって海水中の栄養塩濃度が急激に低下して、養殖ノリに必要とされる栄養塩が減少する結果、ノリの色落ちが生じているものと推察されるということでございます。

 9ページをご覧ください。

 有明海で大規模なノリの色落ち被害を引き起こした3種の珪藻類、RhizosoleniaEucampiaAsteroplanusについて、有明海における赤潮の発生状況と発生機構について説明を加えております。

 ポイントのみにさせていただきますが、1)はRhizosoleniaであります。本種は2000年度に有明海で発生したノリの大不作、色落ちの原因種と推定されている。その発生機構について平成18年の委員会報告では、10ページの図11のように整理しているということです。しかしながら、2000年度以降、有明海においてRhizosoleniaによる赤潮が発生したという報告はなされていないということであります。

 2)がEucampiaでございます。11ページをご覧ください。

 有明海でのEucampiaによる赤潮の発生機構については、いまだ十分に解明されておらず、断片的な知見にとどまっているということであります。関連する文献を下に記載しております。

 13ページ、3)Asteroplanusであります。これについても文献を記載などしまして、発生の状況や発生の要因についての考察を記載しています。

 以上でありますが、これについても先ほどご意見いただいた部分を含めて、この要素だけということではなく、有明海全体に係る問題点と原因・要因の考察で他にも必要なものがあれば追加をと思っています。

 また、魚についても次回以降、追加できればと思っております。

 あとは資料3-8全体を通して、今日は有明海の説明をしておりますが、八代海についても資料2で5つの海域区分をしておりますので、次回以降、資料を用意できればと思っております。

○岡田委員長 ただいまのご説明に関しまして、ご質問、ご意見お願いいたします。

○小松委員 例えば資料3-6、A6の諫早湾の中の海域ですね。これを見るとデータがないから、2005年以前とか2001年以前のデータがないからということで、2001年とか2005年以降のデータの比較をされていて、これはもう仕方がないことなんですが、ただ、2005年以降、例えばベントスに変化がないとか底質の環境に変化がないとか、そういう記述になっています。これだけ見ると「あ、諫早湾の中も特に変わっていないんだ。悪くないんだ」という印象を持ってしまうんですよね。これは気をつけなければいけなくて、これはデータがないためにこれ以上言えないよということなんですが、では、どうしたらいいか。

 例えば、諫早湾の中は確かに2005年以降は変化がないだけれども、それは決していい状態ではないわけですよね。だけれども、変化がない。それ以前との比較はできないから仕方がないんですけれども、何か一工夫欲しいなと。でないと読むほうは、これは2005年以降のデータしかなからこういう書きぶりにならざるを得ないんだというところまで、なかなか読みとれないですね。

 では、どうしたらいいのかということで、例えば、難しいとは思うんですが、資料3-3の22ページ、いろいろな指標に対してA1海域、A2海域、A3海域と横か縦に並べして、そして年代を並べして、そしてここからここまでの間は変化がなかったとか、あったとか、こっちはデータがないから空欄だと、何かそういう整理をしていただけると、例えばA6海域はこの期間は変化がなかったんだねというのがよくわかるわけですよね。でも、それ以前はデータがないから何も言えていない。それに対してA5は、例えばそれ以前のデータがあるから何かの指標に対しては上がったとか下がったとかそういうことが言えるというようなことで、何かそういう工夫がないと、いわゆるデータがないということの限界性と物が言える、言えないの限界性の対応がなかなか読みとれない。そこに何か一工夫、大変とは思いますが、何か知恵を出していただきたいと思います。

○岡田委員長 おっしゃるとおりだと思うので、いいですよね。

○根木閉鎖性海域対策室長 ご意見の趣旨はよくわかります。先ほどいただいたご意見にお答えしたとおりでありまして、環境省としてもデータがないところで、なかなか難しいなと思っているところでありますが、いろいろアドバイスをいただければと思います。

○岡田委員長 ご指摘の趣旨に従って、整理の仕方をまた考えていただければと思います。

○速水委員 小松先生のコメントに関連して、A6海域に関して2つ質問があります。

 1つは、この報告書、1970年頃からの変化を扱うということであれば、A6海域は、かつてはタイラギの漁獲がかなりまとまってあったものがなくなったということは、やはり取り上げるべきではないかと思うんですけれども、どうかということ。

 2つ目としましては、ここでは底質に関しては諫早湾口の1点しかないですし、二枚貝の餌料環境とか貧酸素に関してはデータが示されていませんけれども、諫早湾内では農政局による非常に精力的な調査が行われていまして、点数も多いし期間も2005年以前からあります。そういったものも今後、取り上げていくべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 1点目のご指摘につきましては、タイラギのことでありますが、小委員会でも少しご意見をいただいております。第31回の評価委員会で二枚貝の取りまとめの方向性という資料において、諫早湾は1993年以降、漁業が行われていなくて今回の評価対象から除外したという記載がありましたので、今回の資料はそれを踏まえて記載していないということであります。

この点についてはそれで確定したということではありませんので、引き続きご意見などいただければと思っております。

 2点目については、有用なデータがあるというご助言をいただきましたので、今、記載しているデータ以外使うつもりがないということでは全くありませんので、検討させていただければと思います。

○上田委員 資料3-4の5ページですが、A4海域については1993年からベントスのモニタリングが行われているとありますので、できましたらこの一番古い、1993年のデータと一番新しい2014年ですか─のデータとの比較というか、照らし合わせを1つ入れていただくと、少し環境の変化を見ることができると考えるんですけれども、いかがでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 A4海域の5ページからのところでご指摘いただきましたが、1993年以降のデータについて、具体的には、6ページを見ていただくとデータを載せております。例えば別のところに出てきます1989年と2000年のデータの比較というのは、その2点しかデータがなかったのでその2点のデータを端的に記載したものでありますが、こちらは1993年以降、経年的にデータをとっておりますので、その変化傾向を見るということでありまして、グラフなど説明を省略してしまいましたのでわかりにくかったかと思いますが、そういうデータについては掲載しているところであります。

 また、そのデータの傾向を見て、5ページで少し説明しましたが、「増加傾向である」とか「増加傾向は見られなかった」とか書いておりまして、さらに、説明は割愛しておりますが、最後のまとめのところにもそのような記載をしているという整理でございます。

○上田委員 すみません、質問の趣旨がちょっと違います。

 書かれているんですけれども、種類数とか個体数とか動物門とかで書かれているので、優勢種が何であるかちょっとわかりにくいんですよね。それに比べて資料3-1、3-2、3-3では、そういうデータがあったのかもしれませんけれども、そういう表現がされていますので。要するに、過去のことがわからないとなかなか変化があるのかないのかわからないので、1993年の優勢種ですね。そして同じ地点で一番新しい、2014年ぐらいのものがあればそれと比較したものが欲しいという趣旨です。

○根木閉鎖性海域対策室長 出現主要種については、資料3-4だと8ページになります。ここについては2005年からしかデータが得られていないところでありまして、2005年以降のものについては、例えばA4海域であれば1つのポイントでやっておりますので、ここでは各モニタリングしたときの個体数で多い順に3種並べて、そして8年間程度ですが、変遷を見ているということであります。この前のデータもあれば加えていきたいという思いはありますが。

○上田委員 こういうふうに書いているから、あるんじゃないですか。

○根木閉鎖性海域対策室長 

 幾つかベントスのモニタリングがありまして、少し書き方が正確ではないということかなと、今、認識しましたが、6ページのものは。もう一度確認もしてみますが、6ページのようなデータは1993年からあるんですが、さらに細かいところまでいくと2005年からということだったかと思います。そこについてはいま一度確認いたします。

○岡田委員長 多分先生がおっしゃりたいのは、種によって、同じ個体数は同じ指数でも種構成が違えば環境が違うはずだから、その辺をきちんと調べてくれという意味かなと理解したんですが、よろしいですか。

○上田委員 はい。

○岡田委員長 では、そういう形でもう一度見ていただければと思います。

○西村委員 考え方としてコメントさせていただければと思うんですが、最初に室長からご説明いただいたとおり、今回の資料は海域区分ごとの環境特性を環境の現状で区分しているということで、それをかなりクラスター分析なり、完璧ということは当然ないわけですけれども、納得できるような区分がなされていると思っております。

 その次の問題点とその原因・要因を考察していく、これをどのようにやっていくかというときに、環境の変化を見ていくんだというご説明があったんですが、まずはその問題点は何かがもうちょっと明示的になされる必要があろうかと思います。

 例えばということで、いい例かどうかはちょっと、極端な言い方をしてしまうかもしれませんが、ノリの色落ちのデータがございますね。有明海全体の資料でノリの色落ちが問題だと。それは確かに大きな問題点だと思うんですが、6ページに示されている生産枚数ですとか生産額の変化を見ていくと、これをどのように問題点として捉えるのかがまず明確にならないと、その原因・要因の考察は非常に難しいと思うんですね。明らかに2000年から2001年のノリの漁期に色落ちして、非常に落ち込んでいる、これは問題点だと思うんですが、では、その後をどう見るか。その後2000年代、上下に変動しているようにも見えますし、あるいはここのデータでは示されない色落ちという問題点があるのであれば、まずはそういうことをきちっと出していただいて、そして非常に大事なのは、もうかなり議論されておりますが、例えば2000年以降とそれ以前で分けて問題点として捉えて、その原因・要因を考察するのかどうか。もしそのように、要は環境変化を見ていくということであれば、必ずそういう時間的な捉え方が必要になるので、毎年毎年変動していることが問題といったこともあるかもしれませんし、長い年代で見れば1990年代、80年代、そのような捉え方もあるかと思いますが、どこに線を引いて、その前後で変わった、それがまず問題点として示されると、その原因・要因の考察がかなりやりやすくなるのではないかと思います。

 例えば、先ほどからデータがないということもあるんですが、2000年代以降に問題が起こっているものをそれ以前と以降で比較しようとしたときに、もし2000年以前の底質のデータがないとすれば底質のほうから原因・要因を探ることは多分できない。一生懸命やっても難しいだろう、そんなふうに考えることができると思うんですね。

 なので、平面的な区分はこれでよろしいと思うんですが、今度は時間軸的なところで一体問題点をどう捉えるのかをもう少し整理していただくと、かなりデータとして理解しやすくなって、そしてその原因・要因について何かしらアドバイスができるのではないかと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長 全体的なところについてご指摘をいただいたと思います。データがなかなかないというのが、やはり難しいところだと思っておりますが、その中でもできるだけ整理していくことが重要だと思いますので、今後、具体に進めていく中で引き続きアドバイスをいただければと思います。

○内藤委員 資料3-4、A4海域の3ページ、アサリの要因の考察のところでアサリの減少の要因としてA4海域のみ底質中のマンガンの影響が挙げられております。このマンガンの影響がA4海域でのみ測定されているのか、それとも他海域でも測定されているけれどもこの海域での要因の特徴として挙げられているのかというところ、データが挙がっていなくてよくわからないので、よろしくお願いします。

○根木閉鎖性海域対策室長 ここは平成18年報告のアサリの部分の記述を掲載しているということであります。マンガンが主要因ということはないのではないかというところが少しありまして、その後の記載をしておりませんが、そこについては次回までに事実関係を整理してお示ししたいと思います。

○岡田委員長 では、調べておいてください。

 他にございますか。

 特にご意見ございませんでしたら、今までいただいたご意見を踏まえて、引き続き取りまとめの作業を続けていただければと思います。

 次に、議題(2)その他ですけれども、事務局から何かございますでしょうか。

○束原室長補佐 特にございません。

○岡田委員長 本日の委員会全体を通して、最初の資料から今までのところで何かご指摘、もう一度何かお気づきの点、ございますでしょうか。

○中村委員 本質は場所ごと、クラスター分析の結果として場所ごとに特性が整理されていて、その中で特に底質の変化がどれぐらいあるのか、ないのか、データがあるのか、ないのかというところがネックになっていたような気がいたします。

 こういうデータがどれぐらいあるかわからないんですけれども、私も底質に関心を持っている人間として、コアサンプルの底質のデータ、これは活用できないのかなと今日のご説明を聞いて感じました。もちろん面的に非常に多くの点でとられるデータはないと思いますけれども、数点でも深さ方向の記録として過去の状態がある程度保存されているものとして、コアサンプルのデータを分析する、そういうデータがあれば過去を類推するいい材料になるはずだと思いますが、その辺りはいかがでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 アドバイスいただきましたので、検討してみたいと思います。具体的には追ってまたご相談させていただければと思います。

○岡田委員長 できれば多分価値があるデータになると期待しています。ご検討ください。

○山田委員 各海域ごとに図2というものがついています。これは各要因の関係が書かれていて、かなり重要であったものの、今回、説明からは外れましたが、海域ごとの特徴がこれを丹念に見ていけば詳しくわかるのではないかと思います。海域ごとにどこがどういうふうに違うのかといったことも今後、説明していただければと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長 海域ごとに連関図を掲載しております。この連関図は今、A1からA7までありますが、例えば緑色の問題点のところ、二枚貝の減少で主にターゲットになっている種類、タイラギとかアサリとかそういったものが違ったり、その海域の外からの要因、例えばその海域は河川の河口に面していないけれども隣り合っている海域からの間接的な影響は考えられるという部分について※をつけたりといった違いがありますが、今、図としてはほぼほぼ同じようなものになっております。

 まさに1970年頃から現在までの要因として、可能性のある線は引くという考え方でこの図はかいておりまして、そういう意味では過去のデータがないということがここでも効いてくるところはあるかもしれませんが、可能性としては、なかなか線を削りにくいところもありまして、この図としては似たものになっております。

 そういったところで、文章のほうでその海域のポイントになると思われるところに重点を置いて整理するということではいかがかなと思っております。

○山田委員 そうすると、重点的に見られるところの線を太くしていただくとか、何か印をつけていただけると、少し見やすくなるのかと思います。ありがとうございます。

○根木閉鎖性海域対策室長 そうですね、線を太くする云々が定量的にどこまでできるかというところがあるかと思っておりまして、まず文章のほうの議論を優先的に進めるということではいかがかなと。その結果として、そのようなアウトプットが出せるのか、出せないのかということかなと思いますが、まず文章のほうを進めることが現実的かなとも事務局としては感じているところでございます。

○岡田委員長 これは小委員会でもいろいろ議論のあるところで、これからの課題だと思いますので、今後の出方を見ていただければと思います。

○小松委員 全体的な話なんですが、今、報告書を意識してこういう作業をしているわけですね。今、有明海の問題でこういうことを検討している公的な委員会は、もうこの場だけなんですね。有明海研究をやっている人たちの間で、前回の有明海・八代海の評価委員会の報告書が我々が想像していた以上に権威あるものとして評価されているんですね。「あの報告書にこう記述されているから」というのが前提になっている。ということは、今、走っている公的なものはここだけということで、今後、発出する報告書も非常に権威あるものとして評価されるというか、生きていく可能性が強いので、私自身も含めて、ぜひいい報告書をつくっていきたいなと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○岡田委員長 コメント本当にありがとうございます。気をつけてつくっていくべきだと改めて思います。ありがとうございました。

○古賀委員 確認ですけれども、昨年3月のこの委員会の一番最後辺りにあった資料なんですけれども、海域ごとにある年の条件を入力して、海域相互間の、例えばSSの流入、流出、そういう図があったと思います。今回、この海域区分が変わったことによって改めてそういった部分についても示されるものと理解していますけれども、いかがでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 昨年3月の評価委員会で「こういった作業をしています」という資料を1度お示ししております。水とか懸濁物とか栄養塩の流れについてシミュレーションモデルも活用してということでありまして、今回、区分が変わったことによってその作業が無駄になるということはありませんので、今回はまだお示しできておりませんが、次回以降、そういった内容についてもお示しして、ご議論いただきたいと考えております。

○山本委員 これは最終的には対策というか、施策を提案するとか、それに結びつくものを出すのが目的だと思うので、スケジュールについて伺いたいんですけれども、これから今度は八代海の海域区分ごとの整理がなされて、それから今日の資料3-8には魚類等の情報も加えてというご説明はあったんですが、目次によると5章に対策というところが出てくるんですが、その対策の議論はいつ、どういう形で始めることになるのか、目処があればお願いします。

○根木閉鎖性海域対策室長 議論のコアになるかなということで、4章の部分から議論をしていただいておりますが、順次そういった、5章、再生への取組のところも含めて資料を提示できればと考えております。

 今年度も2月に作業小委員会を開催したい、そして年度末になりますが、3月にもう一回評価委員会をやりたいと考えております。来年度に入りましても小委員会、評価委員会を重ねる必要があるかと思っております。

 その中で、今「このタイミングで」とかちっと申し上げられないんですけれども、5章の部分についてもなるべく早い段階でご提示して、御議論を開始いただきたいと思います。

○岡田委員長 他にございますか。よろしいですか。

 それでは、本日予定されていた議事につきましては全て終了いたしました。

 本日たくさんのご意見、励まし、ご注意の言葉もいただきまして、深く感謝いたします。

 今のようなことを踏まえて、事務局におかれましては取りまとめ作業、各小委員会においてもさらに検討を進めていただければと思います。

 本日は本当にありがとうございました。事務局に進行をお返しいたします。

○束原室長補佐 ありがとうございました。

 事務局から2点連絡がございます。

 今後のスケジュールでございますけれども、本日ご議論いただきました内容も踏まえまして、今年2月に生物、海域の各作業小委員会でご議論いただいた後、次回、本委員会を今年3月、もう日程調整していると思いますが、開催して、さらにご議論いただきたいと考えております。

 また、後日事務局より議事録の確認依頼を行いますので、よろしくお願いいたします。内容確認後、環境省ホームページにて公表させていただく予定にしております。

 それでは、これにて第37回有明海・八代海等総合調査評価委員会を閉会いたします。

 ありがとうございました。

午前11時57分 閉会

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