第34回有明海・八代海等総合調査評価委員会 会議録.

1.日時

平成26年12月16日(火)午後2時~午後4時

2.場所

環境省第一会議室

3.出席者

委員長:
岡田光正委員長
委員 :
青野英明委員、岩渕光伸委員、上田直子委員、小松利光委員、古賀秀昭委員
滝川清委員、中田薫委員、中田英昭委員、西村修委員、速水祐一委員
山田真知子委員
専門委員:
松山幸彦委員

午後2時00分 開会

○高山閉鎖性海域対策室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第34回有明海・八代海等総合調査評価委員会を開会いたします。

 最初に、本委員会は公開の会議となっておりますことを申し上げます。

 初めに、環境省水・大気環境局長の三好より挨拶申し上げます。

○三好水・大気環境局長 水・大気環境局長の三好でございます。委員の先生方には、ご多忙のところお集まりをいただきまして、ありがとうございます。会議の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

 本年3月に第33回評価委員会を開催し、それ以降、9カ月ぶりの開催ということになります。この間、本委員会のもとに設置していただいております2つの小委員会において、青野、滝川両小委員長のもと、6月と11月に小委員会を開催いたしておりまして、委員の先生方には活発に議論していただいているところでございます。

 私から今改めて申し上げるまでもございませんけれども、有明海・八代海の再生につきましては、再生するための特別措置法に基づきまして、国が基本方針を定めまして、関係各県は県計画に沿って関係省庁と協力し各種対策を実施するという体系になっているところでございます。現状では、本年度も赤潮の発生や貧酸素の状態が確認されているということでございまして、特措法の目的にございます貴重な自然環境や水産資源の宝庫である有明海及び八代海等を豊かな海として再生していくためには、取り組むべき課題がまだまだ山積しているというふうに考えているところでございます。

 本日の評価委員会におきましては、評価委員会報告の考え方、関係省庁の取組として、今回は農林水産省さんの取組の状況について、それから、先ほど簡単にご紹介いたしました小委員会からの報告について議論していただきたいというふうに考えているところでございます。このうち、評価委員会報告につきましては、小委員会での議論がある程度進んできたということもございますし、また、関係県、関係団体などからも一旦取りまとめをしていただきたいという要望もありますので、本日は事務局からその報告をどのような形で打ち出すか、その時期も含めまして、基本的な考え方をご提示させていただきたいというふうに考えておりまして、この辺もご議論をいただければというふうに考えているところでございます。全体を通じまして、忌憚なくご意見をいただければというふうに考えております。どうぞよろしくお願いをいたします。

○高山閉鎖性海域対策室長補佐 続きまして、委員の変更についてご紹介いたします。

 有瀧委員の異動に伴い就任していただきました、水産総合研究センター西海区水産研究所の青野委員です。なお、青野委員には、岡田委員長の指名により、生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会の委員長に就任していただいております。

 また、事務局にも異動に伴う変更がございましたので、ご紹介いたします。

 まず、平岡大臣官房審議官にかわりまして、早水大臣官房審議官がご就任しております。早水審議官は所用のため3時ごろご出席の予定となっております。

 次は、根木閉鎖性海域対策室長です。

○根木閉鎖性海域対策室長 根木でございます。よろしくお願いします。

○高山閉鎖性海域対策室長補佐 本日の委員の出席状況ですが、欠席の連絡を、秋山委員、久場委員、清野委員、中村委員、本城委員、山口敦子委員、それから山口啓子委員、山本委員よりいただいております。本日は12名のご出席をいただいております。有明海・八代海等総合評価委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしていることをご報告いたします。

 また、本日は、生物・水産資源・水環境問題作業検討小委員会から松山専門委員が、関係省庁からの報告者として農林水産省農村振興局の豊調査官、それから水産庁漁場資源課の江口生態系保全室長にご出席いただいております。

 続きまして、配付資料を確認させていただきます。まず、資料1といたしまして、委員会名簿がございます。次に、資料2といたしまして、「『有明海・八代海等総合調査評価委員会報告』について」。次に、資料3といたしまして、「有明海・八代海等の再生関連事業について」。次に、資料4といたしまして、「八代海における夏期赤潮の発生に関する検討状況について」。資料5といたしまして、「諫早湾干拓事業の潮受堤防の排水門の開門に伴う環境変化を把握するための調査 調査結果の概要のポイント」。参考資料1といたしまして、「諫早湾干拓事業の潮受堤防の排水門の開門に伴う環境変化を把握するための調査 調査結果の概要」についてでございます。なお、参考資料1につきましては、委員のみの配付とさせていただいております。資料等の不足がございましたら、事務局のほうまで申しつけください。

 報道、取材の皆様、これ以降のカメラ撮影はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それでは、これ以降の進行は、岡田委員長、よろしくお願いいたします。

○岡田委員長 はい、かしこまりました。

 雨が降って寒い中、お集まりいただきましてありがとうございます。それでは、早速、議事を始めさせていただきたいと思います。

 最初の議題、先ほど三好局長からのご挨拶にもございましたように、特措法の改正により本委員会が再開して約3年が経過しました。今回で7回目の開催となるということになります。そろそろ、委員会としての検討結果の取りまとめの方向性について整理しておく必要があるかと思います。そういう意味で、事務局におかれまして、有明海・八代海等総合調査評価委員会報告について基本的な考え方を整理していただきましたので、ここでご審議いただきたいというふうに思います。

 それでは、事務局からご説明をお願いいたします。

○根木閉鎖性海域対策室長 はい。それでは、資料2をご覧ください。資料2は有明海・八代海等総合調査評価委員会報告についてでございます。

 まず、1番、委員会の経緯でございますが、平成23年8月に有明海・八代海を再生する特別措置法が改正されました。改正法の委員会の所掌事務としまして、国及び関係県がその法律の規定により行う総合的な調査の結果に基づいて有明海・八代海等の再生に係る評価を行うということとされています。平成23年10月に改正法の下で初めて開催された第28回の評価委員会において、いつまでに再生に係る評価を打ち出すかについては、審議を進める中で、評価項目の具体化、審議体系等とともに決定していくこととされたということであります。

 その次の第29回の評価委員会におきまして、評価委員会が求められる役割について、①生物・水産資源を巡る問題点にかかる原因・要因、発生機構の究明を進める。②有明海・八代海等の再生に向けて、再生像を具体的に提示する。そして、その再生像を実現するために効率的、現実的な再生手段を明らかにするという整理を行いました。

 その次の第30回の評価委員会におきまして、生物小委員会、海域再生小委員会の2つの小委員会の設置を決定したと。現在に至るこれまでにおいて、生物小委員会では二枚貝の減少、赤潮、貧酸素水塊の原因・要因、発生機構について検討してきていると。また、海域再生小委員会では再生の評価にかかる情報の収集・整理・分析のために、環境特性から海域を区分しまして、その区分した海域ごとの問題点とその要因・原因の整理を進めているということでございます。

 次に、2番、評価委員会報告について(案)ということでございますが、まず、評価委員会は、平成14年に成立しました特措法に定められた委員会の所掌事務としまして、その特措法の施行5年以内の法案の見直しに役立てるために、有明海及び八代海の再生状況を評価するということとされておりました。この法の規定に基づいて、評価委員会は平成18年に評価委員会報告を取りまとめて、主務大臣などに提出したという経緯がございます。

 改正特措法の施行以降、小委員会を初めとしまして22回の評価委員会を開催して審議を進める中で、まず第1点に、有明海・八代海等で生じている生物・水産資源を巡る問題点の原因・要因及び再生に向けた評価項目の現状の議論が進んできたということ。また、2番目の理由としまして、関係県、関係団体等から早急に議論を進めて委員会報告を取りまとめてほしいという要望があるということから、評価委員会としての再生の評価報告を打ち出す時期を明確にする必要があるのではないかと考えておるところでございます。

 このようなことから、改正特措法施行から5年となる平成28年を目途に、前回の委員会報告以降の調査結果等を整理した委員会報告を取りまとめることとしたいというように考えております。

 参考ということで、評価委員会の報告の目次のイメージというものを次のページにつけさせていただきました。こちらについては、今日これを決定したいということではございません。イメージというものを今日初めて提示させていただいて、今後の議論については、この委員会報告を策定していくというところを念頭に置いていただいて、ご意見いただいたり議論を進めていただいたりすると非常にありがたいというふうに思ってお示ししたものでありまして、今後、必要に応じて追加とか修正などを行っていきたいというものでございます。

 第1章、有明海・八代海等総合調査評価委員会。第2章、有明海・八代海等の概要。第3章、有明海・八代海の環境変化ということで、こちらの章立て、そして、その中の細目について、これは18年に出した委員会報告と基本的に同じものをここに記載させていただきました。こちらについて、新たな知見などを追加したりなど、必要なことを追記、バージョンアップしていくのがよいのではないかというふうに考えております。

 第4章が問題点とその原因・要因の考察ということでありまして、1番として、基本的考え方。2番として、海域区分ごとの環境特性。これまで有明海について、環境特性に応じて8つ、八代海において5つに区分した議論を進めてきていただいておりますが、その海域区分ごとの環境特性をきちっと整理するということではいかがかということであります。3番としまして、海域区分ごとの問題点の原因・要因の整理ということで、こちらについても、いわゆる連関図という名前で検討を進めていただいておりますが、この新しい最新の知見に基づいて、この連関図を例えばここに記載していくことは考えられないだろうかということであります。

 第5章で、再生への取り組みとしまして、1番で再生目標、2番でケーススタディと書かせていただきました。こちらについても、有明海でまず二枚貝の産地というところで、いわゆるA4とA5という海域をまず検討の俎上に上げさせていただいておりますが、そういったケーススタディをここに記載していくということでいかがということであります。3で再生方策と評価、4で解明すべき課題ということで書かせていただきました。

 以上、説明を終わらせていただきます。

○岡田委員長 はい。どうもありがとうございました。事務局から、平成28年を目途として取りまとめということで、ご説明をいただきました。今までのところで、何かご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。

 どうぞ。

○古賀委員 目次については、イメージということですけども、生物関係の小委員会で、これまで二枚貝については相当議論してきたんですが、この目次だけを見ると、基本的に生物というのが入っていません。その辺については検討していただければと思います。

○岡田委員長 どうぞ。

○根木閉鎖性海域対策室長 生物小委でご検討いただいている内容についても、この委員会報告に盛り込めるものを盛り込んでいくということで、もちろん考えておるところであります。生物小委で議論いただいているその中身にもよるかもしれませんが、例えば第3章ですとか第4章といったあたりに、生物小委で議論していただいてこの評価委員会でもまとめていただいたあたりを位置づけていくということが考えられるのかなというふうに思っています。そのあたりも、例えば第3章の項目立ては、まず現行のというか、18年の委員会報告のものをそのまま記載しておりますが、先ほど申し上げましたとおり、もうこれで固定したいということでありませんでして、そのあたりも適宜バージョンアップしていく、完成に近づけていくということではどうかなと思っております。

○岡田委員長 よろしいですか。ご指摘の件はもちろん入れるという前提で、ちょっとその章立てをどうするかというのは、まだ若干意見というか考えがまとまっていないところがありまして、古賀委員ご指摘の、どこに入れるんだというご疑問が出るのはある意味でしょうがないと思います。ただ、入れないというわけでは全くないというふうに私は理解していますので。よろしいですね。ありがとうございました。

 どうぞ。

○中田(薫)委員 多分これから明らかにされると思うんですけど、第3章の環境変化というこれは、前回18年度のときにもう既に問題となっている環境変化、プラス、その後起こっているものと両方対象とするというような考え方でいいんでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 この、今日ご説明させていただいた28年を目途にというものが、ご説明の文章の最後のところにも少し入っておりますが、前回委員会報告以降の調査結果等を整理してまとめるというところが主眼だと思いますので、新しい知見も盛り込めるものは盛り込んでということを基本にご検討を進めていただければというふうに思います。ご検討を進めていく中で目次のほうもブラッシュアップしていって、ご検討も、報告書をまとめるということを常にご意識いただいてご検討いただけるとありがたいかなというふうに思っております。

○岡田委員長 はい。

 ほかにございますか。

(なし)

○岡田委員長 それでは、こういう形で報告書を取りまとめようということにご異論は多分ないかと思いますが、そういう形で、具体的な点はまだ詰まっていないところがいっぱいあるかと思いますが、このような形で取りまとめに向けて検討を進めていくということでよろしいでしょうか。

(了承)

○岡田委員長 はい。ありがとうございました。じゃあ、事務局、よろしくお願いいたします。

 それでは、先に進めたいと思います。今後、委員会報告を取りまとめるに当たり、各省での再生等の取組について把握する必要があります。本日は第1回目として、農林水産省農村振興局並びに水産庁から報告をいただきたいというふうに思います。本日は、お忙しいところ、農村振興局の豊調査官、それから水産庁の江口室長がいらしております。

 じゃあ、よろしくご説明のほどお願いしたいと思います。

○江口水産庁生態系保全室長 水産庁漁場資源課生態系保全室長の江口でございます。

 ご承知のとおり、有明海・八代海等再生特措法につきましては、環境の保全及び改善と水産資源の回復等による漁業振興という、この2つの目的がございます。本委員会におきまして、18年度に取りまとめられました報告書の中に具体的な再生方策ということがございまして、その中で、底層環境の改善、貧酸素水塊等への対策、貝類、魚類等の資源管理及び増養殖ということが掲げられており、農林水産省といたしましては、この目的、再生方策の提言、これに沿った形で対策事業を進めております。

 なお、本委員会におきまして、今後改めて再生に係る評価の取りまとめが行われると思いますけれども、取りまとめの際の提言に当たりまして、今回の農水省の取り組み内容のご説明、これを参考にしていただければと思います。

 まず、本日の説明でございますけれども、ここの目次にございますとおり、これまでの取組、それと今後の取組ということで2つに分けておりまして、これまでの取組といたしまして、大きく3つ、海域環境などの調査、それから魚介類の増養殖対策、それから漁場改善対策ということで、この3つに整理してご説明させていただきます。

 それでは、まず海域環境の調査ということで、これまでの取り組みについてご説明させていただきます。

○豊農林水産省農村振興局調査官 農林水産省農村振興局の豊と申します。本日はよろしくお願いいたします。

 1ページ目、パワーポイントが出ておりますが、こちら、農村振興局で、主に有明海で取り組んでいる各種環境調査でございます。ちょっと字が小さくて恐縮でございますが、1つ目が貧酸素の現象の調査。そして、2つ目、赤潮の調査。そして、3つ目が底質環境の調査。そして4つ目が二枚貝類等の生息環境調査と、こういった形になっております。それぞれ、次のページから1枚ずつまとめてございますので、それに基づきましてご説明さしあげます。

 1ページおめくりいただきますと、まずは貧酸素の現象調査でございます。こちらに平成17年度、ちょっと古うございますけれども、貧酸素の状況の地図を載せてございます。

 この貧酸素水塊の形成メカニズム、これについて平成17年から平成26年、もうかれこれ10年近く私どもは調査をいたしてきておりますけれども、貧酸素水塊の発生のメカニズムでございますけれども、こちらは私がご説明するまでもなく委員の先生方にはもう既にご承知のことかと存じますが、水温上昇する7月から8月にかけて形成されて、大きな降雨後に表層の塩分濃度の低下により、塩分躍層が形成された状態で発生しやすいということが判明しているというところでございます。あと、もう一つ、有明海の湾奥部のこの佐賀沖辺り、それと諫早湾の堤防の前面ぐらいでございますけども、これ、ほぼ同時期に別々に形成されるということが調査でわかってきているというところでございます。

 また、次の2ページ目でございます。赤潮調査でございます。赤潮調査につきまして、23年7月の、衛星から撮ったもので、画像データをこちらに示させていただいておりますけれども、こちら、赤潮、これにつきましても降雨により河川から栄養塩の流入後、晴天が続いた場合、高濃度のクロロフィルa濃度が増加し、赤潮となっているということが判明したということ。それから、クロロフィルa濃度の分布調査結果を見ますと、こちらも先ほどと同様、有明海の湾奥部と諫早湾、それぞれ独立して増加していることが見受けられるということでございます。

 また、右側、こちらは赤潮の発生日数でございますが、有明海におきまして、こちらは一番左が昭和55年度になっております。平成14、5年度ごろまでこちらは増加傾向にあったということが見受けられます。この15年度以降、まあ19年度以降ですね、こういったところになりますと、横ばいということになっているということがわかっているというのが現状でございます。

 それから、次の4ページ目でございますが、底質環境調査というところでございます。各海域におきまして、ちょっと見にくくて恐縮でございますけれども、底質の調査をさせていただいています。底質特性によって、このような海域区分図をつくっているというところでございます。また、私ども、底質環境調査とあわせまして、底質攪拌調査というのもやっております。これは海底耕耘でございますけれども、底質攪拌、海底耕耘をやれば、底質改善の効果が上がるということも判明しているというところでございます。

 そして、浮泥でございます。筑後川から流入する懸濁物質の量に影響を受けて、河川流量が増加する夏期に厚く分布して、また10月以降に薄くなるというものが見受けられると、こういった特徴もわかってきているというところでございます。

 次の5ページ目でございますが、「二枚貝類等生息環境調査」という名を打っておりますけれども、ナルトビエイによる二枚貝類の捕食に関しまして調査をしているというところでございます。

 もう、こちらにつきましても7、8年調査をしてきておりますけれども、ナルトビエイ、こちらについては、5月から11月頃まで有明海全域に大体10数万から40万尾ぐらい来ているのではないかなということを推定しているというところでございます。23年度以降、こちらの表になりますけれども、個体数が減少しているというような減少傾向が見られるというところでございます。

 それから、ナルトビエイが食べている二枚貝類ですが、年によっていろいろ変動があります。24年度はアサリがあって、そしてカキ類という形が、こういった形をしていますが、25年度についてはサルボウが主ということでございます。有明海でとれるといいますか発生しているこの貝の種類によって、ナルトビエイが食べている貝もいろいろ違うのかもしれませんけれども、ただ、貝を食べていると。その摂餌量ということも推定いたしておりますけれども、ここの場合は800トン程度という形で推定させていただいているというところでございます。

 それから、次のページが、生息環境調査という、形としては調査という形になっておりますが、実際的には、各県さん、あるいは各県漁連さん、漁協さん等のご要望を受けて、実験事業的なそういった取組をやっているということでご紹介させていただきたいと思います。

 1枚おめくりいただきますと、まずは福岡県でございます。福岡県はタイラギ、こちらのタイラギがうまく育つような環境をつくるにはどうしたらいいだろうかというようなことで、実験事業的に一部にやっております。

 まず、覆砂でございますね。どういった覆砂の方法をするとよくタイラギが着底するんだろうかというようなことをいろいろと試して、これは平成21年からやっておりますけれども、今年で6年間やってきているというところでございます。現在の調査によりますと、この斜面への覆砂、こういった斜面覆砂をすると5メートルから7メートルの水深帯で、タイラギ稚貝の着底効果があるのではないかなということがわかってきたというのが福岡県のタイラギのための生息環境調査というところでございます。

 続きまして佐賀県でございますが、佐賀県においてはサルボウとタイラギ、こちらで実験的なことをやっております。

 まず、1つ、サルボウのほうにつきましては、生息環境調査というところでございますけれども、こちら、貧酸素関係とサルボウの生息関係、これについて調査しているというところでございます。岸側漁場よりも沖側漁場が貧酸素が起こりやすく、サルボウのへい死率が高い。それから、貧酸素と低塩分の状況が重なると大量へい死が発生しやすい。サルボウの生息密度が低いほど生存率は高い。こういったことが調査としてわかってきていると。もう一つは、サルボウ殻をまぜて散布して耕耘することによって、タイラギの稚貝が着底しやすい、こういったことがわかってきていると。実験的にやっていただいているというところでございます。

 特に、泥質の海域で稚貝の着底効果が大きく、散布厚5センチでも有効であるということでこちらを進めているところでありまして、今後ともまた佐賀県さんとご相談しながらやっていきたいということになっておりますし、こちらのほうにつきましては、水産の公共事業のほうでも事業化を進めているというところでございます。

 続きまして長崎県さんでございますけれども、長崎県は諫早湾内においてアサリのための高濃度酸素水、これを供給して貧酸素対策をやっているというところでございます。このような高濃度酸素水の供給装置を入れております。平成21年度からやっておりますが、平成21年度以降、諫早湾においては強い貧酸素状態というものを確認されていないということでございます。

 それからもう一つ、こちらの右側になりますが、被覆網によって、稚貝の着底を促進するというようなことでございます。被覆網を設置いたしますと、アサリの生息密度が高く、またナルトビエイとか魚類からの食害もなくなるということで、効果があるというようなことがあるというところです。

 それから、次のページ、熊本県でございますが、熊本県は主に海底耕耘をこういった位置でやっています。海底耕耘をいたしまして、主としてクルマエビの生息環境をよくしようということですが、先ほど申しましたが、海底耕耘をやることによって、硫化物、これが分解なり減少するということで、一時的にではありますけれども、底生生物なり水生生物の個体数が増加するということが、右側にあるような形の表でわかっているというところでございます。

 今までこの4県におきまして、いろんなご協力をいただきながら、ある意味、ちょっと試しにやってみようというような形で、漁業者の要望等を踏まえながら、このような調査をやっているというところでございます。

 続きまして、水産庁さんのほうの。

○江口水産庁生態系保全室長 それでは、赤潮・貧酸素水塊対策推進事業ということで、水産庁の取組について、ご説明させていただきます。

 本事業は、赤潮貧酸素水塊による漁業被害の防止のために、広域的なモニタリング調査体制を構築して、発生機構の解明、発生予察の研究、被害防止、軽減、技術開発、モニタリング情報の提供といった調査研究等を行っているものでございます。なお、本事業は全国を対象とした事業でございますけれども、本資料では、特に有明海・八代海等で行っている調査内容、研究内容についてお示しをさせていただいております。

 取組につきましては、資料の左上のほうに書いてございますけれども、まずモニタリングということで、資料左下のほう、「赤潮・貧酸素水塊の発生監視」ということが書いてございますけれども、現在、水産総合研究センターと有明海・八代海関係県の水産試験研究機関等と連携したモニタリング体制を構築して行っております。

 観測項目は、有明海のほうにつきましてはノリの色落ちもあるということで、夏場に加えて冬場の赤潮・水質モニタリングを行っております。

 なお、赤潮調査におきましては、赤潮プランクトンの種類、細胞数など、また水質につきましては、水温、塩分、クロロフィル等々の調査を行っております。また、この調査につきましては、環境省、それから九州農政局と連携して観測を行っております。

 次に、資料右上のほうでございますけれども、発生機構、発生予察研究・開発について、有明海におきましてはノリの色落ちが問題となっているということで、その原因珪藻の出現特性と発生予察技術の開発を目指した研究を行っております。現在、色落ち原因珪藻の動態把握を行っているところでございます。

 なお、八代海におきましては、シャットネラ等の夏場の有害赤潮の発生メカニズムの解明の研究を行っており、現在、調査データや他の情報、知見をもとに考察しているところでございます。そのほかに、シャットネラ、赤潮の橘湾等の周辺海域への分布拡大機構の解明等の研究も行っているところでございます。

 次に、資料右下のほうに書いていますシャットネラ等の漁業被害の防止・軽減技術の開発について、キャビテーション装置などにより、生け簀の内部の赤潮プランクトン濃度を下げる技術や、防除剤を用いた防除技術の開発も行っております。

 次に、情報収集提供システムの開発につきましては、沿岸海域の赤潮広域分布情報システムについて、本事業で得られたモニタリング情報のほか、他の国の機関とか関係県等の赤潮調査情報を収集いたしまして、公表するシステムを開発するものということでございまして、現在、改良を加えながら運用を行っております。25年度現在で八代海に3基、有明海の大浦沖に1基、ブイを設置しておりまして、今年度には有明海の沖神瀬西に1基、このブイを設置する予定としております。これらから得られた情報につきましては、現在、水産総合研究センター西海区水産研究所のホームページからアクセスできるようになってございます。

 資料のとおりこういう形で、ホームページのほうに情報を提供させていただいております。

 次の資料をお願いします。2つ目の魚介類の増養殖対策をご説明をさせていただきます。

 まず、有明海漁業振興技術開発事業という事業がございます。本事業は、有明海の特産魚介類の種苗生産・育成技術の確立、放流技術等の改善等ということを目的にいたしまして、平成21年度より有明4県への補助事業として実施いたしております。各県の試験研究機関が中心となって行う技術開発に対しての支援というようなものでございます。

 取組の状況といたしましては、資料に掲げてございますけれども、21年度から取り組んだもの、あるいは24年度から開始したものがございますけれども、本年度におきましては、タイラギ、アゲマキ等の貝類5種類、それからクルマエビ、ガザミの甲殻類2種、ホシガレイ、エツ等の魚類5種類について取り組んでいるところでございます。

 主な成果といたしましては、例えば資料の表の中にございますタイラギにつきましては、長崎県のほうで人工種苗生産、餌料開発というものに取り組んでおられ、今年度は人工種苗として約400個体の着底稚貝が得られております。また、佐賀県のほうではタイラギの垂下試験と、これにより、夏季の減耗が著しいんですけれども、垂下養殖の可能性が示されたという結果を得られております。

 また、アゲマキにつきましては、佐賀県のほうで120万個体の種苗生産、それから放流適地の条件をいろいろと調査しておられて、例えば放流適地として含水率が60%以下で放流時の泥の温度が8度以上といったような、条件の絞り込みも行われております。

 また、クルマエビ、ガザミにつきましては、4県共同で実施しているものでございます。これらは、種苗生産はできますが、脱皮による標識の問題というものがございますので、DNAを標識として放流技術の開発を行っております。その結果、現在のところ、クルマエビでは放流時期は6月、サイズは50ミリ、なぎさ線や夜間に放流した場合の回収率が高いというようなことが確認されております。また、ガザミでは10ミリ程度、C3サイズの放流効果が高いということが判明しております。

 また、特産魚ということでエツでございますけど、福岡県のほうで、人工種苗生産、放流技術の開発、佐賀県のほうで、年齢、成長、成熟等の産卵環境の把握等を実施されております。

 また、ハマグリにつきましては、中間育成のためにクルマエビの養殖場を昨年使って有効だったということを受けまして、今後も、今年も引き続いて適正な収容密度等の調査を行っているということでございます。

  次の資料をお願いします。二枚貝資源緊急増殖対策事業ということで、資料に書いてありますが、タイラギ資源の減少に対応するため、人工種苗生産技術の開発というものを平成26年度から行っております。特に、人工種苗生産の技術が確立していない、それと、天然採苗も難しいという貝類を対象ということで、このタイラギ資源を対象にやっておりまして、技術開発の内容といたしましては、タイラギ親貝養成と良質卵の確保技術を開発するために、海域での仕立てやその成熟度調査。有明海におけるタイラギ親貝の分布と性状調査、それから、人工種苗生産手法を開発するために、効率的な採卵技術の開発、再現性ある幼生飼育技術の開発、高率な着底条件の精査、タイラギ人工種苗からその成貝までの育成技術を開発するために、垂下飼育の実施、移植試験、も行っております。

 これらの技術開発によって、タイラギ稚貝の安定供給、それからタイラギの成熟度と環境要因との関係解明、母貝生息域造成等への貢献が可能というふうに考えております。

 なお、本事業は、水産総合研究センターを中心に、関係4県の研究機関と連携して実施いたしております。

 本年度の成果ということでご説明しますが、福岡県の親貝を用いまして、親貝の養成、それから人工種苗の技術開発を行ったところ、西海区水産研究所のほうで二十数万個体の着底稚貝を得ることができたということでございます。また、得られた着底稚貝につきましては、各県に分与し、移植試験や室内飼育に活用いたしておりまして、今後は着底稚貝生産の再現性の確認や着底稚貝入手後の育成等の技術開発につなげていくということになっております。

 次に資料をお願いします。続きまして、漁場改善対策についてご説明させていただきます。資料に2つございます、有明海漁場造成技術開発事業、それから各地域の特性に応じた有明海の漁場環境改善実証事業、この2つについてご説明させていただきます。

 この2つの事業におきましては、浮泥対策とか底質の改善、あるいは貧酸素水塊の対策、それからホトドギスガイの駆除対策の技術開発を、現地実証を通して行っているものでございます。

 まず有明海漁場造成技術開発事業でございますが、これは平成20年度から24年度までの5カ年間で、主に土木的な、あるいは機械的な手法の実証試験を通して、開発を行ってきたものでございまして、25年3月に、ガイドラインとして、この成果を取りまとめております。水産庁のホームページ等でも見られるようにさせていただいております。

 それから、もう一つの各地域の特性に応じた有明海漁場環境改善実証事業。こちらのほうでございますけれども、これは平成25年度から29年までの5カ年間で、現在、実証を行っているものでございます。これは主に漁業者の方々が漁船とか漁具等を活用して実施できる漁場改善の手法を開発するというものでございます。

 次に資料をお願いします。資料は開発した手法、概略等について載せたものでございます。左のほうは、どこでどういうものをやっているかというものを図示させていただいたものでございます。右側の上のほうに帯状覆砂による底質改善・基質供給技術というものがございますけれども、これはアサリの漁場造成の手法といたしまして、海砂を利用した覆砂がよく用いられているわけでございますけれども、現在、全国的にこの海砂の採取が制限されたり禁止されたりという方向にございまして、覆砂における海砂の効率的な使用方法やその使用量の縮減ということが求められております。

 そこで、ここに図示しておりますように、適切な間隔で帯状に覆砂するということによって、覆砂後に潮の流れとか波浪の影響で移動することを利用して、広い面積のアサリ漁場を少ない量の砂で造成する、こういった技術を開発しているものでございます。

 次に、その下、砕石による代替覆砂材活用技術につきましては、砕石を有効活用できないかということで、それを実証試験を通して開発したものでございます。

 次に資料をお願いします。それから、次に、砂止潜堤による覆砂材の流出低減技術。これは、覆砂によってアサリ漁場を造成しても、強い波浪を受けるところでは次第に流出するということで、砂をとめるという潜堤を設置して、覆砂材やアサリの流出を防いで、アサリの生息環境に適した漁場を確保する技術を開発しております。

 また、その下、貝殻覆砂技術でございますけれども、これは、例えばホタテとかカキ、加工場でのむき身の処理過程で大量に発生した大量の貝殻、こういうのを利用して漁場造成に有効活用すると。これについてはガイドラインということで既にとりまとめられております。北海道などではそれを有効活用した漁場造成も行われておりますけれども、有明海におきましてはサルボウガイ、これが加工場でのむき身の処理過程で大量に発生するということで、ホタテとカキと同じような形で漁場造成へ有効活用できないかという観点から、この実証試験を通して技術開発を行ったものでございます。

 次に、右上の微細気泡装置によるアサリ漁場改善技術につきましては、これは、諫早の小長井地先沖で、地先で実証試験を行っておりまして、干潟の上に人工的に覆砂をいたしまして、アサリの養殖場、地まきの養殖場を造成して、アサリの養殖が営まれているというのがこの小長井沖でございますが、夏に貧酸素水塊の発生によって養殖アサリがへい死するという問題も生じていましたことから、ここで、示していますように、まず貧酸素水塊の被害を防止するということで、防除幕、これを囲いまして、その中で微細気泡を装置で曝気すると。それで、この中の溶存酸素の濃度を一定以上に保って、アサリの被害、へい死を抑制する手法というものの開発を行っております。

 それから、その下のほうですけれども、微細気泡装置によるカキ養殖漁場の環境改善技術ということで、これも同じく小長井地先のほうで行っているものですが、同地区では垂下式のカキ養殖が行われております。このカキは地元でも名物になっております。これもアサリと同じように、夏の貧酸素水塊の発生によってカキがへい死するというような問題が生じております。そこで微細気泡装置の曝気によるこの技術ということで、下の図のような形で技術開発を行っています。

 次の資料をお願いします。また、ここに揚水式曝気装置によるカキ養殖場の環境改善ということで、これは佐賀県の太良町のカキ養殖場での実験を行ったものでございます。この地区も同様、たびたびカキのへい死が起こっているということで、この貧酸素水塊に加えて、夏の高水温というのが主な原因であったというふうに考えられ、この対策のために行っているものでございます。

 貧酸素水塊は、通常、底層に存在しておりますけれども、カキが垂下する海面近くまで達することもあると。また、有明海のカキの養殖の水温が30度を超えるということもあり、カキにとって30度を超えるような高水温、これは非常に厳しいということで、ここでは表層に比べて低温となっている底層の海水を揚水して曝気することによって、貧酸素状態を解消しようというものと、海水温もあわせて低下させて対策を講じようというものでございます。

 以上、簡単にご説明しましたけれども、技術の概要でございますけれども、こちらのほうにつきましてもガイドラインとして取りまとめておりまして、水産庁のホームページにも掲載させていただいておりますので、ご参考にしていただければというふうに思います。

 次の資料をお願いします。ここからは各地域の特性に応じた有明海の漁場環境改善実証事業、25年度から行っているものでございます。本事業では、先ほどもご説明しましたが、漁業者の方々が漁船や漁具等を活用して実施することができるものとして、泥土、浮泥の対策、あるいはホトドギスガイの対策、貧酸素水塊の対策など、漁場環境改善の実証事業を行っているものでございます。

 まず右側のほうに、ちょっと見づらいですけども、「浮泥の抑制、除去による二枚貝保護育成地造成技術の開発」ということで、福岡の柳川とか大牟田地先のほうで、実験、実証を行っているものでございますが、泥土の堆積を抑制、除去してアサリの母貝を保護して、写真にあるように、これは高台というか、ちょっと高くしているところでございますけれども、高台の造成技術の実証試験というものを行っております。

 次に資料をお願いします。左側のほうでございますが、これは砂の有効活用によるアサリ漁場の機能維持・回復技術ということで、漁業者が漁船を使って自らアサリ漁場に砂を散布する方法について開発を行っているものでございます。

 右側の「噴流式貝桁を用いた漁場の機能維持・回復技術の開発」と、これも浮泥対策といたしまして、ちょっと写真の中にございますけれども、噴流式の貝桁を用いて海底を攪拌することによって、底質をアサリの生息に適したような環境に改善しようというものでございます。

 次のページをお願いします。左のほうでございますけども、「コンポーズ(のり支柱)を用いた漁場機能維持・回復技術の開発」ということで、コンポーズ、いわゆるノリの支柱に使われているものでございます。これを用いて浮泥の除去等の対策をできないかということで、浮泥を沖側に流出させることができないかというところで実証を行っているものでございます。

 それから、広域かつ集中的な貧酸素水塊対策。これは右側のほうでございますけれども、これは24年度に佐賀県の水産振興センターのほうで、1日1時間以上貧酸素水塊を解消させることによって、サルボウガイのへい死が大幅に軽減する可能性というのが報告されております。それを受けまして、夏の貧酸素水塊を常に改善させなくても、わずかな時間改善させ、息継ぎのような形で対策をとれば、サルボウガイのへい死の軽減が図れるのではないかというような考え方に基づいて実証を進めているものでございます。

 次の資料をお願いします。「漁船を用いた有害生物対策とアサリ漁場維持・回復技術の開発」でございますが、これは小長井地先のほうで実証試験を行っているものでございますけれども、この地域は覆砂漁場でアサリ養殖業が行われていますが、ホトドギスガイが大量に発生して、現在、これを人力で駆除しているというのが現状なのですが、漁業者の非常に大きな負担になっているというところで、漁場耕耘などによってその労力の軽減ができないかということで、このアサリ養殖場のホトドギスガイの駆除による漁場機能の機能維持の回復技術、こういうものを行っております。

 なお、25年度におきましては、漁場耕耘によってホトドギスガイが減少する、抑えることができるということがわかったという結果が出ております。

 右側のほうの「海底設置物による有害生物対策技術の開発」というもの。これもホトドギスガイの対策でございますけれども、ここでは海底にチェーンとかロープやノリ網を設置することで、ホトドギスガイの形成が抑制できないかということで、こういう手法を開発しているものでございます。

 次の資料をお願いします。「紐状素材等を用いた有害生物防除と漁場機能維持・回復技術の開発」というものでございまして、これもホトドギスガイの駆除目的で、この図の中にあるような紐状のもの、あるいはマットを使って駆除する手法、これについて開発を行っているところでございます。

 次に、有明海水産基盤整備実証調査ということで、こちらについてご説明をさせていただきます。この実証調査につきましては、沖合のタイラギ漁場におけます覆砂の効果実証を平成17年度から実証してきております。

 大きく3つございまして、まずは覆砂による漁場環境の改善。これにつきましては、現在、漁場造成の規模が小さかったということもあって、経済効果に関する解析や評価が不十分であったということを踏まえて、事業化を見据えた調査が必要ということで、今後の取組として事業規模の、大きな規模ですね、事業規模の実証調査をしていくというものでございます。

 また、その管理手法の開発、2つ目でございますけども、これは、現在、ジェットポンプを使ってメンテナンスをやっていると。また、今後新たなメンテナンス方法の検討なりを検討していこうというものでございます。

 それから、タイラギへい死原因の究明ということで、これも着手したばかりでございますけれども、現在、仮説を立てて、その検証をしていくという形で、これも今後取り組むということにしてございます。

 具体的な中身については、次のページです。まず覆砂による漁場環境改善、効果の実証ということで、これまでいろいろな覆砂の仕方、形状といいますか、やられております。表の中にございますように、薄まきとか凹凸覆砂、それから2層型、多山型、畝型とかという、いろいろな形状等でやってきております。それぞれ各年度いろいろな取組をやってきておりますけれども、どんなタイプでいつ覆砂をしたかということがこの中に書いてございます。

 ちょっとここをご説明しますと、薄まき覆砂は本来30センチぐらいの覆砂の厚さのところを、15センチぐらいということで、省資源化ということで取り組んでいます。また、凹凸覆砂の多山型というものがありますけれども、この富士山みたいな形を、円錐形のような山の形をしたものをたくさん並べたもの。2層型というのがその横のほうにございます。それから、このようなことをいろいろと、どういう形の形状がいいかというのを、調査をやってきております。

 次の資料をお願いします。「覆砂による漁場環境改善、効果の実証」ということで、タイラギへの効果ということにつきまして、いろいろな位置に対照区を置きまして調査しております。結果のほうにつきましてはまた詳しくご覧いただければと思いますが、こういう形で比較対照を行っております。

 次の資料をお願いします。その覆砂の件につきましては、タイラギの潜水漁以外への漁業への効果ということについても、例えば、かに網、かに篭、いか篭等の効果という形でも見て、調査をやってございます。

 次の資料お願いします。「覆砂漁場の管理手法の開発」ということで、実際に潜水士の方が潜ってポンプを使う漁場管理手法というものを開発しているところです。図に描いてありますとおり、船のほうからおりた潜水士の方が、造成した漁場のところの浮泥をジェットポンプで飛ばすと、こういう方法も開発しております。

 次の資料をお願いします。最後には「タイラギへい死原因の究明」といったところで、これは東部のほうでタイラギの立ち枯れへい死があるということで、この原因について、いろいろと仮説を立てながら取り組んでいるというところで、まさに事業を始めたところでございます。今後もいろんなへい死原因の究明に取り組んでいくということにしてございます。

 最後に水産基盤整備事業、こちらの取組でございます。水産基盤整備事業、公共事業でございますけれども、有明海再生特措法に基づきまして、従来であれば補助率が50%でございますけれども、この特措法に基づき概ね55%に嵩上げされるといった措置が講じられております。これまで有明海において行った漁場整備事業については、この右側に描いてあります図に示したとおりでございますけれども、関係4県に漁場整備を取り組んでいただいているところでございます。

 26年につきましては、福岡県では覆砂、佐賀県さんにおいては海底耕耘、長崎県さんにおいては海底耕耘、着底基質設置とか、こういうものに取り組んでおられます。それから、佐賀県で行われているモガイの貝殻散布耕耘と、こういうものも現地実証で得られた成果をもとに行われているところでございます。

 なお、課題といたしまして、有明海再生のためにこれまで各県が個別に行ってきた漁場整備、これを有機的に連携させる必要があるということ。そういうことで、漁場環境改善に係る共通の課題につきまして、各県が連携して効果的・効率的に推進していくことが必要ではないかというふうな考えのもと、現在、新たに漁場整備に関する総合計画を策定した上で、漁場整備と併せて行うモニタリング等、これを新たな補助対象とするような内容の総合対策を、事業ということで新たに要求させていただいているというようなところでございます。

 次の資料をお願いします。これから今後の取組ということでご説明をさせていただきます。先ほどのこれまでの取組と同じように、3つのカテゴリーに分けてご説明をさせていただきます。

 先にちょっと水産庁のほうを続けてご説明させていただきたいと思いますが、魚介類の増養殖対策ということで、この赤を囲ったところが今後の新たな対策と。赤以外のところは、これまで取り組んでおり、また今後も継続していくものということでございます。

 ここに書いていますとおり、赤潮からの被害の軽減を図るため、人工衛星を活用した赤潮の発生、分布状況の把握等の手法の開発。ホトトギスガイの効率的駆除を図るため、無人小型ヘリコプターを活用した広域的なホトトギスガイの発生、分布状況の把握手法の開発。それからもう一つの柱として、ノリ色落ち対策として、カキ等の二枚貝の増養殖と組み合わせたノリ養殖試験、これを行うという、この大きな2つの対策を今後の取組として予定しております。

 もう一つ、漁場改善対策ということで、この3つ目の一番下のところでございますけれども、ここに赤字で書いてございますように、平成27年度においても、各県の要望を踏まえた事業を行うこととしておりますが、関係県による連携した漁場整備の実施を行うために、「有明海・八代海等における広域的な漁場整備のための総合対策事業」、この新規というものを、現在、概算要求中ということでご説明させていただきます。

○豊農林水産省農村振興局調査官 はい。恐れ入りますが、2枚お戻りいただきまして、海域環境などの調査でございます。

 農村振興局所管分でございますけれども、上にあります国営干拓環境対策調査、これにつきましては、引き続き、有明海の環境変化の要因解明ということで、先ほど申しました貧酸素なりナルトビエイの話なり、あるいは赤潮なりと、そういったものの調査を継続してまいります。

 それから、下にあります、ちょっと赤色になっておりますが、こちらは先ほど平成21年からやっています特産魚介類生息環境調査でございますけれども、これにつきまして、少し、もっと効果的にやっていこうというような感じで、これまで実施してきた生息環境調査は引き続き継続するという考えでおりますけれども、プラスして、ここに赤字にありますように、有明海沿岸4県が協調して、産卵場、生育場の生育ネットワークに配慮して、海域環境の改善を推進するための調査を行いたいというようなことを考えて、今、概算要求をしているところでございます。

 どういうことをやりたいかというのは、一番右側のほうにポンチ絵がございますけれども、実は私どもが持っています会議の場で提供した資料がございますので、それに基づいて、ちょっと若干ご説明させてください。

 それは36ページになります。「(2)4県協調の取組について」ということで、実はこういった4県協調の取組について、26年10月21日に九州農政局が事務局となっております有明海漁場環境改善連絡協議会、4県さんとそれから4県漁連さん、それから今日もご出席いただいておりますが、西海区さん等々にお入りいただきまして、私ども九州農政局でやっている会議でございます。この場においてご提案させていただきました4県協調の取組について、あくまでも今回は検討素案という段階でのご説明でございますが、若干ご説明させていただきます。

 次の37ページでございますが、これまで、私ども説明してきたもの、それから水産庁さんからご説明してきたもので、いろんな事業なりいろんな取組というのをやってきたというのが真ん中のこれまでの取組でございます。もちろんこれらを使って二枚貝類等の生息環境等の整備をやったり、あるいは種苗生産なり生育技術、こういったものの事業を確立してまいりましたが、こういった成果も踏まえつつ、今後は4県が協調して、産卵場、生育場のネットワーク等に配慮して、二枚貝類などの資源回復に資する取組を実施できないかということでございます。

 38ページに、これの例でございますが、クルマエビ放流、こちらはもう、有明海においてかなり昔から4県が協調して、自分の県の地先で放流し、それをとれた割合によって負担していこうというような仕組み、放流計画が確立されております。また、右側、これは有明海ではなく東京湾でございますけれども、アサリの資源回復対策のイメージということで、アサリですね、東京湾のアサリネットワークと、こういったものがあるのではないかという知見が整理されているところでございます。

 こういったのを踏まえつつ、私どもといたしましては、39ページにございますけれども、アサリ、タイラギ、ガザミなどを対象といたしまして、何か4県協調の取組ができないかということを、今、有明海沿岸4県に提案させていただいているというところでございます。

 39ページにありますこちらは、もう、アサリ、タイラギが低迷してきて長年たっていますよという資料でございます。ガザミも、ピークに比べますと、2,000トンぐらいものが、今、百数十トンというようなことで、10分の1、ないし、そういったことになっているというところでございます。

 次のページでございますが、40ページでございます。アサリにつきまして、じゃあ、どういうことをやっていこうかというところでございます。

 生息環境調査で、アサリでいろんなことをやっています。それから水産庁さんのほうでも、いろんな現地実証なりいろんな環境整備なりで、いろいろやっています。覆砂とか、いろいろなこともやってきておりますが、私どもと4県、27年からこういったことができないかということで、今4県さんとお話しさせていただいているのが、一番上にあるように、4県で、例えば浮遊幼生の分布調査、これを一緒に連携してやっていただいて、分布実態と移動経路を把握しようではないかと。それを分析して、産卵場や生育場はどういった形になっているかというのを有明海で解明していこうと。

 そういった調査をやりつつも、現時点でアサリ資源は非常に低迷しています。また、アサリ漁業者さんなり養殖者さんのほうでは強くご要望がございますので、これとあわせて増養殖技術開発ということで、天然採苗をしたり、母貝集団の養成をしたりということ。それから、生息環境の改善ということですね。今の時点で、産卵場ではないか、生育場ではないかと思われる地点において、部分的でありますけれども、生息環境の改善を進めつつ、アサリの資源の回復に努めていただけないかということを、今4県と話をさせていただいているということです。

 タイラギにつきましても同様でございます。同じように浮遊幼生の分布実態と移動経路の把握調査をしながら、どういったところで成育し、どういったところで産卵があるのかというのを把握して、そういった水産庁さんなり各種水産試験場さんにお願いしている垂下養殖の研究、種苗の放流等々とも相まって、生息環境の改善としてタイラギの資源回復につなげないかということを考えているというところ。

 それから、次のページ、ガザミでございますけれども、ガザミ、先ほど10ミリぐらいのものもどこで放流すれば良いかといったことがわかってきているということを言っております。そういったことも知識としてわかっております。4県で、こちらについては資源管理の方針、指針というものが既にでき上がっているものがございますので、そういったものを踏まえながら、種苗放流等、そういった、あるいは海底耕耘等をあわせながら、ガザミの資源回復につなげられないかということでございます。

 また、その他の特産魚介類についてもいろいろございますが、各県さん、各県の漁業者さん等のご要望を踏まえながら、何か4県で取り組めるものはないかということで、今、各4県の水産関係者、水産課、それから西海区さんのご指導を仰ぎながら、いろいろと、こういった4県協調の取組をつくり上げているところでございます。

 実施に当たりましては、またこの委員会にご知見なりお知恵なりをお聞かせいただきながら、また逆に私どもがこういった実験なり調査でわかったことをこの委員会にもご提供させていただきながら、有明海の再生に向けてどういったことが必要なのか、どういったことをやっていかなければいけないのかということを、今後とも27年度以降までに実施していきたいと、このように考えているところでございます。

 以上でございます。

○岡田委員長 はい。どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの報告について、ご質問を受けたいと思います。

 じゃあ、どうぞ、小松先生。

○小松委員 3点ほどお尋ねします。

 まず最初に、今度この評価委員会報告を出すということで、1つは関係県、関係団体から早急に議論を進め、委員会報告を取りまとめてほしいという旨の要望があったということですね。それに応えるという形だと思うんですね。今、いろんなことを試されている、いろんな再生策を試されているんですが、これらの再生策がこの関係各県とか団体の要望に応え得るものとなっているのかどうかということです。まず、全体的な話としてこれが1点目。

 それから、2点目は、いろんな策を今試されているんですが、中には必ずしも現実的じゃないなというのがあるんですね。例えば、防護幕をして、その中を曝気して、溶存酸素の濃度を高めるとかというのがありますよね。こういう実験というのは、一時的、局所的には必ずいい結果が出てきます。だけど、ずっと、有明海全体とか、もっと広い海域に当てはめるとなると、必ずしも現実的じゃない。ましてや、この防護幕というのが実は随分くせ者かなという気がするんですよ。というのは、台風なんかで大きな長周期の波が来ると、こういうところ、波によって引き起こされる流れの速度は結構早くなるので、もたないんじゃないかなという気がします。そういうふうに、一時的、局所的にはいい結果が出るだろうけど、本当に現実的な案なのかというのが2点目。

 それから、3点目は、貧酸素水塊それから赤潮の発生が、諫早湾の中とそれから有明海の奥部でインディペンデントに発生しているというふうにここで断定されているんですが、その根拠は何なんだろうかということです。1つは、例えば赤潮の優占種が違っているとかというんだったら、ああ、そうかもしれないなと思うんだけども、もし優占種が同じだったら、有明海は潮汐の振幅が非常に大きいですから、諫早湾から出てきたのが奥に行ったり、それから有明海の奥から引き潮で出てきたのが諫早湾の中に入ったりというような、潮汐、潮流による入れかわりというのは結構あるわけなんですね。そういう中で、独立だというふうに断定される根拠は何なんだろうかということです。この、以上3点です。

○岡田委員長 はい。じゃあ、お願いします。

○江口水産庁生態系保全室長 各県さん、各漁連さんから要望されているものに、ご期待に応えているかという面はございますけれど、技術開発等の面ですと、有明海、タイラギの資源がもう非常に悪いということで、例えば今、水産庁の事業で、西海区水産研究所のほうにお願いして、タイラギの稚貝、タイラギの増殖ということでやっておりまして、一定の成果が出つつあるという状況でございます。そういうものに関しては地元のほうでも非常に切望されているものでございまして、今後の増殖対策、それから、あるいは新たな形態として漁業の養殖とか、そういうところへの展開にもつながっていくのかなというようなことで、そういう面では、漁業者の切望されていますタイラギ等の対策を頑張っています。けれども、個別個別の事業が直接漁業者のご要望につながっているかというと、試行錯誤で今やっているところもございまして、必ずしも十分とは言えない面もありますが、ご要望を伺いながら対策を講じているという現状でございます。

○豊農林水産省農村振興局調査官 はい。今、水産庁さんからもお話がありましたけれども、私どもも有明海の漁連さんなり、あるいは漁業者さんなり、いろいろとお話をさせていただいている中で、やはり、まずは、現時点でいろんなことがわからないけれども、やっぱり水産の関係は非常に厳しいというようなお言葉を聞いております。いろいろと漁業者のご要望に応えるような形で、いろんな取組をやっております。小松先生ご指摘のとおり、必ずしも現実的ではない、これを将来どういったことに応用しようかということについて、いろいろとまた今後、漁業者さんとお話をして、より効率的な方法、より効果的な方法というものをもちろん見出していくことが必要だと思っております。それについても、今後ともやっぱり漁業者さんとお話をしながら、いい案というのをつくっていきたいと考えているということで、この形で最終型まで行けるというのはなかなか難しいものもあるのではないかなということを考えているというところでございます。

 それから、3点目の貧酸素水塊なり、あるいは赤潮、これが別々に諫早湾と有明海の湾奥部で発生しているという、その根拠というような形でございました。今日の資料といたしましては、一番最初の3ページでございますね。非常に少ないデータで恐縮でございますけれども、これは平成23年7月9日から17日までのデータについて、記載させていただいているところでございます。

 赤潮の発生の衛星画像データよりクロロフィルa濃度というものがこちらでわかるわけでございますけれども、これが同時期に増えていくというものは、こういった衛星調査なりから、私どもは有明海の奥、そして諫早湾が同時期に発生していると。流れていったというよりは、同時期に増え、同時期に減っていくというものが概ねわかるのではないかということで、先ほどのような言い方をさせていただいたということでございます。貧酸素についても、同様に、2ページにございますけれども、B3とD地点、これについても、どういった時期に起きているかというのをグラフなりから分析して、そのように申させていただきました。

 ちょっとこの2ページなり3ページなりというところのデータではなかなか説明がしづらい点もありまして、また私の理解不足もございますので、また、小松先生のほうなり、もっと詳細のデータなり、私どもの根拠というものをもっと丁寧にご説明する必要があると思いますので、そちらについては、宿題というような形で、申し訳ございませんけれどもお願いしたいと存じます。考え方は、基本的なところはそういうことでございます。申し訳ございません。

○岡田委員長 はい。ありがとうございました。

 ということでよろしいですね。多分細かいデータを見てから、お互いご判断いただいて理解していただいたほうがよろしいかと思いますので。じゃあ、それはある意味で個別にお願いしますということで、よろしくお願いいたします。

○豊農林水産省農村振興局調査官 承知いたしました。

○岡田委員長 はい。

 ほかにございますでしょうか。

 じゃあ、どうぞ。最後に。時間が押しているので。

○速水委員 4県連携の取組が始まったということで、これは効果的な海域環境の改善に向けて非常によき一歩だと思うのですが、これに関してちょっと質問です。これは、資源の回復とそれから環境の改善と、両方が必要だと思うのですけども、環境改善のほうが、どちらかというと対症療法的な対策に偏っているイメージがあるのですけども、長期的な貧酸素の改善、あるいは浮泥の堆積を長期的に減らしていくといった、こういったことに関してはどういうプランを考えておられるのでしょうか。

○豊農林水産省農村振興局調査官 はい。現時点で、先の先まで速水先生のおっしゃるようなところまでは、現時点ではちょっと想定しにくいなというのが実際でございまして。実はこの4県協調の取組につきましては、ちょっとすみません、戻りますが、33ページの、私どもの有明海特産魚介類生息環境調査委託事業ということで、予算要求して実施したいと考えているものでございます。

 21年から実施してきて、実は予算の節目で、27年度に再度拡充要求というのをさせていただいて、3年間の事業になっております。この3年間の中で、私どもができる範囲内でとりあえず考えていきたいというのが、まず浮遊幼生調査。こちらで、アサリなりタイラギの浮遊幼生の分布実態と着底稚貝等も調査して、その移動経路なり分布実態なり、そういったものをまずは把握しようと。これが、私どもとしては27年からの3年程度でそういったものを把握したいと思っております。

 その結果を待って、産卵場なり生育場はここだと決め、なおかつそこで大規模に環境の改善というものができれば、それはそれでよろしいとは思うんですけれども、先ほども申しましたとおり、やはり漁業者さんのご要望等々いろいろございます。まずは昔のデータなり昔の生息域なり、そういったものにおいて、生育環境の改善というのが対症療法ではあるかと思いますけれども、まずは部分的に限られた範囲でさせていただいて、そこで少しでも効果が見出せる、また、浮遊幼生調査とか、そういったネットワーク調査においていろんなことがわかってくれば、その地点に将来的に集中投資をする。そういったことをやりたいと思いながら、まずはネットワーク調査を第一に、そして環境改善調査というものについては部分的にというものを、とりあえず3年間はさせていただきたいと思っているというところでございます。

 その後については、この調査結果を見ながら、また、この委員会でのご議論、いろんなこともあるかと思います。いろんなご報告も出ると思います。そういったことも参考にさせていただきながら、今後、構築をさせていただきたいと考えております。

 すみません。答えになっていないかもしれませんが、今の考えはそういったところでございます。申し訳ございません。

○岡田委員長 はい。よろしいですね。

 ありがとうございました。まだあるかもしれませんが、少し時間が押していますので、次に進みたいと思います。

 その前に、早水審議官が到着されましたので、一言ご挨拶をお願いいたします。

○早水大臣官房審議官 水・大気局の担当の審議官の早水でございます。局長とともに本件を担当してまいりますので、よろしくお願いいたします。

○岡田委員長 はい。それでは、農水省のご説明、お忙しい中、本当にありがとうございました。また、今後とも同じような形で、ご報告、ご議論を一緒にさせていただければありがたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

 それでは、次に参りたいと思います。本委員会のもとに設置されている2つの小委員会のうち、生物のほうの小委員会では、二枚貝の減少、それから赤潮、貧酸素水塊の発生機構等の原因について検討していただいております。先月開催された生物のほうの小委員会において、八代海における夏の赤潮の発生についてご検討いただきました。本日は、その内容について、生物小委員会の松山委員のほうからご報告いただくことになっております。

 じゃあ、松山先生、よろしくお願いいたします。

○松山専門委員 はい。ご紹介ありがとうございます。水産総合研究センターの松山でございます。ちょっと時間が押しておりますので、早口になりますけども、八代海における夏期赤潮の発生に関する検討状況ということで資料の説明をさせていただきます。

 今回は、これまでの小委の活動で不足していたもの、特に八代海における赤潮の発生が大変問題になっているわけですけども、有明海と比較しますと、資料の収集と解析がかなり遅れておりました。そこで、抜けていた部分について、さらに資料の収集・整理・解析を行ったということで、私のほうから一括して説明させていただきます。

 ここに有明海・八代海で夏場に発生する代表的な赤潮生物の写真を示しております。ちょっと時間がありませんので詳細は省略いたしますが、最も問題となるのは上の2種類、シャットネラとコクロディニウム。これが、この両海域での重要な赤潮生物で、魚介類のへい死を引き起こすことが知られております。

 この写真は、上空から撮影されたシャットネラの赤潮の写真。こちらの八代海で発生したものですね。この赤潮が起きまして、養殖漁場にこの赤潮が流入いたしますと、もう、早い場合は、ものの数時間でこのように魚がへい死してしまいます。

 お手元のこの資料はちょっと数字が間違っておりましたので、ご訂正をお願いしたいと思っています。これは、過去、日本沿岸で発生した赤潮被害の上位5種を示しておりますけれども、被害内容の1番目のところですけども、こちらが資料では「1,400万尾」になっていますけども、「1,428万尾」のほうに数字を変えていただきたいと思います。それと、この4番目の平成12年の被害ですけども、養殖マガキ、ここが、お手元の資料が「851億枚」となっておりますけども、これは大きな間違いでして、「8,518万枚」ということで、訂正をお願いします。この発表スライドのほうは、正しい数字になっております。どうも、申し訳ありません。この赤字で示したように、平成22年に54億、平成21年に33億という大きな被害が八代海を中心に発生いたしまして、これが大変社会的な問題となって、特措法の改正にも強く影響したということは皆さんご存じのことだと思います。

 平成18年委員会報告におきましては、赤潮の発生に関して、この5つのシナリオが示されております。1番目として、冬季の水温上昇。2番目として、透明度の上昇。透明度が上昇することによる基礎生産の増大ということですね。3番目として、富栄養化・貧酸素化。あと、4番目に二枚貝類の減少等による浄化能力の低下。それと、潮流の低下です。本日は八代海に関するご説明ですけども、八代海に関しては、この①②③が概ね想定されるシナリオとなっているところです。

 この図は、有明海、八代海それと橘湾におけます、1978年から2012年まで届け出があった赤潮発生件数を水産庁の資料に基づいて図示したものであります。

 この赤潮の発生件数がよくいろんなところでグラフが出てくるわけですけども、有明海につきましては1984年からのデータとなっております。1990年代の後半、98年ぐらいから、有明海においては赤潮の発生件数が急に増えているということが特徴として言えます。実は、八代海におきましても、若干位相はあるんですけども、2000年ぐらいから、同じように赤潮の件数が急に増えているというようなところがありまして、両海域とも近年、赤潮の件数が増えています。ただし、近接する橘湾ではそのような傾向は見れないというようなことになっております。

 八代海における2000年以降のシャットネラ赤潮発生頻度の増加要因ですけども、平成18年の委員会報告書を見ますと、98年以降の有明海におけるシャットネラ赤潮の増大に関しましては、潮流の低下と海底の無酸素化というものが示唆されております。ただ、八代海でのシャットネラ赤潮の増大要因に関しては、全く明確にされていないということです。

 第4回の生物小委では収集しました資料の過不足部分について言及されておるわけですけども、98年付近を境としたいろんな長期変動、赤潮があるまとまった期間に連続したり、続いたりする現象というものが記録されているんですけども、こういった長期変動要因について、もっと気象や外海側の潮汐変動も見据えた解析が必要ということで、宿題としてまとめておりました。

 そこで、八代海における2000年以降の赤潮発生頻度の増加に関して、連動していると環境項目はないのかということを調べてまいりました。そうしますと、この園田ら(2013)の資料が出てまいりました。

 これは一番上のほうに書いてあるのが、赤潮の発生件数ですね。先ほどのように近年上昇傾向にあるんですけども、実はこの海域の底層の水温、これの上昇と、あと、東シナ海北部海域という、外海側の水温の上昇というのが、どうも赤潮のこの件数とよくトレンドが合っているというようなことが資料としてありました。有明海側でも冬季の水温上昇が指摘されておったわけですけども、八代海では夏の水温上昇というものがどうも顕著のようです。あと、水温変動にこれは連動しているというふうに推測されるんですけれども、潮位のデータであります。これもやはり2000年ぐらいから高い潮位の状態が続いているということが両海域で観察されております。2000年ごろが最高潮に達しています。こうした外海側の水温変動と潮位の上昇というのがこのシャットネラの近年の赤潮発生にどのように作用しているか、細かいメカニズムはまだ判明しておりませんが、今後解析がより必要と考えております。

 これは生物小委の八代海側の沿岸2県、熊本県と鹿児島県の担当者と各種の論議をした過程で、本海域を幾つかの海域に分けて論議する場合ということで、概ねこのような4つぐらいの海域に分かれるのではないかと生物小委のほうでしておりました。

 北部海域というものは、この球磨川が流入する奥部のほうですが、大変水深が浅くて、河川の影響を受けて、非常に内湾、成層が発達する海域ということで、有明海の奥部によく似た海域となっています。こちらの南部海域、西部海域、こちらは外洋水の影響を非常に受けておりまして、水質としては良好です。結果として、こういうところに養殖漁場がたくさん配置されています。その両海域に挟まれた中部海域というところは、内湾の水と外海の水が出合う潮目であります。こういうところが実は赤潮の頻発地帯になっておりまして、ここでのいろんな動向というところが全体に影響を与えているということが最近よくわかってきております。

 先ほどの中部、北部というところの赤潮の発生件数をここに抜き出しておりますが、こちらがシャットネラ、こちらがヘテロシグマという種類ですけども、上が発生日数、下が最大密度となっております。近年問題になっていますけども、2002年から2012年まで、非常にこのシャットネラが集中的に発生した時期がありました。ただ、2011、12、13、あと今年14年もそうですが、4年間は発生していないということで、この期間、なぜかシャットネラが大変発生したということがよくわかります。ヘテロシグマではそういった傾向は見られません。

 これはコクロディニウム、カレニア ミキモトイなんですけども、コクロディニウムというのは昔からよく発生していますけども、大体3度ほど山があるというのがわかると思います。シャットネラが出る近年は、逆に少なくなっているという状況です。カレニア ミキモトイに関しては、この海域ではほとんど問題になっていないということがわかります。

 実は、この発生環境を見る場合に、まずは水温というものが大変重要なファクターになってきます。これは既に第32回の総合調査評価委員会でお示しした資料ですが、丸の大きさが、これがシャットネラの細胞密度の大きさを示しております。それと、右側が水温、縦軸が塩分をとっております。いわゆるT-Sダイアグラムというものになりますけども、水温を見ますと、大体25℃から29℃の範囲で高い細胞密度が見られます。実は、これは培養試験によって求められた最高増殖温度とほぼ一致する結果になっています。これは有明海側での観測データであります。

 八代海で同じような整理がこれまでなされておりませんでしたので、熊本県さんと鹿児島県さんから観測データをいただきまして、水産総合研究センターのほうで同じような図を整理してみたところです。

 これが、左側が2009年の発生時のT-Sダイアグラム、右側が2010年、2カ年、大発生があったわけですけども、やはり水温で言うと、2009年は25℃から29℃、2010年は22℃から29℃ということで、やはり有明海とほぼ同様な水温、特にこの海域での年間の最高水温付近で赤潮が発生していることがわかりました。したがって、この種の赤潮が発生する予察をする上では、水温というのは非常に重要な因子でして、水温から言えば6月下旬から9月上旬までが本州の赤潮発生時期ということがわかると思います。

 あと、平成21年、22年に大赤潮があったわけですけれども、実は先ほども水産庁さんのご説明でありましたように、赤潮貧酸素水塊被害防止対策事業でずっと観測が行われていまして、この大赤潮発生年を捉えられております。各種のデータはまだ整理しているところではありますけども、これは報告書から持ってきた図で、上が各年度の水温の発生パターン、下が塩分の発生パターンというようなものが示されております。

 実は大発生した平成21年、22年、特に21年は顕著なんですけども、この塩分の下がりが低い年、あまり降雨がなかった年に赤潮が発生しやすいというような傾向が捉えられておりました。

 これは、溶存酸素の変化図であります。これは赤潮の発生した年、発生していない年、全部これにプロットしておりますけども、通常、魚類養殖場で問題となる溶存酸素、いわゆる貧酸素というのは4ミリグラム以下というのが定められていますけども、赤潮の発生している年、発生していない年、いずれも4ミリグラム以下を下回ったということはありません。有明海側では、貧酸素というのは大変な漁業被害をもたらす環境変動として知られているわけですが、八代海におきましては、このような貧酸素というのは、少なくとも沖合のほうでは全く観察されていません。有明海で見られるような、ある海域を覆い尽くすような大規模なものというのは観察されていないということで、やはり魚類の大量へい死というのは、赤潮による直接の魚毒性で死んでいます。貧酸素によって間接的に死んでいるのではないということが観測の結果でわかりました。

 あと、有明海側の観測におきまして、珪藻類との種間競合というものが発生に大変重要なファクターであるということが示されておりました。有明海でも同様な資料の収集が必要ということで、今回、資料の収集に努めました。そうしますと、一応各海域ごとにデータがありまして、このように5カ年のいろんな有害種、シャットネラを含む有害種と珪藻類その他のほぼ各種のデータを集めることができております。これは、最終報告書に向けて、もう少し図を整理する必要がありますが、概ね有明海同様、珪藻が優勢な年は赤潮が出にくく、珪藻が優勢ではない時期、年に、シャットネラ等の赤潮が出るというような傾向は捉えられておりました。

 あと、これは長期の赤潮の発生の予察というところが漁業者のほうから大変求められておるわけですけども、有明海側におきましては、シャットネラの赤潮につきまして、複数の知見があります。その中でこれは代表的なものを抜き出していますが、こちら側が日射量、こちらが降水量のデータをお示ししております。これは判別関数で図示して、赤潮が発生したものを赤でプロットしています。このラインから左上側に赤潮の発生年がほとんど来ています。イレギュラーな年も1年あるんですが、こういった特徴があります。すなわち降水量が少なくて日射量が多い年にシャットネラの赤潮が出やすいというような傾向が出ております。

 有明海側は、このように降水量が平年より少なくて、赤潮の直前に日射量が多い。あと、底層から栄養塩が供給される。こういう3つのファクターが重なりますと、シャットネラの赤潮が出るというようなところが整理されております。

 八代海側におきましては整理がちょっと遅れていましたが、幾つかの文献を収集することができました。その中で、折田ら2013年が示した資料がわかりやすいということで、ここに資料を持ってきております。上側が、これが、赤潮が発生する年のパターンと、こちら、あまりしないパターンです。

 ファクターとしては、風と日照時間と梅雨入りの時期、それと、シャットネラと珪藻の関係をフロー図にしています。赤潮が発生する年というのは、日照時間が初期に多くて、なおかつ雨があまり降らない。結果として珪藻類の出現が低密度で、シャットネラが後半に出てくると。その後半に増えたときに降雨があると、栄養がシャットネラに行って、赤潮が発生しやすい。逆に、初期に降雨量が多くて、最初から珪藻類の発生が多いと、どうもシャットネラは抑制されて、赤潮があまり出ないと。各因子間の説明要因としてこういうものが示されているということが、資料として集まりました。

 同様なものは、ここに斎藤ら(2012)のDCA分析によるSIモデルも出ておるわけですけども、やはり塩分であるとか、河川から流入する栄養塩のDIN、あるいは先ほど言った珪藻類との関係がやはり因子として影響しているということが示されております。

 最近、八代海におけるシャットネラ赤潮に関する4つ目の文献が出ております。この文献は、1988年から2013年までのデータを解析して、気象の面から発生パターンを類型化しています。その気象の要因というのは、これは冬期の平均気温、それと、先ほども折田らの論文でありましたけども、梅雨入り日ですね。ほぼ入梅日と見なして構わないんですけれども、そうしますと、この右上のほうに赤潮の発生年がプロットされるというようなことがわかってきておりました。

 異なる複数の文献におきまして、このように類似したファクターが抜き出されるということは、かなり学術的には重要なポイントだと考えます。我々は、漁業関係者から、「今年そもそも赤潮が発生しやすい年なのかそうでない年なのか」とよく質問を受けて、気象要因はさすがに予測ができませんので難しいということをいつも申し上げています。しかし、こういった知見が集まってきますと、少なくとも赤潮がポテンシャルとして出やすい年なのかそうでないのかというものがもしわかってくれば、大変現場にとっては大変ありがたい知見ということになります。今後こうした因子の作用と赤潮発生機構について深掘りを進めまして、さらに科学的な因果関係を明確にしていく必要があると思っています。

 八代海におきますシャットネラ赤潮の発生に関する因子としては、このような既往知見から、春先の風であるとか日照、栄養塩、競合プランクトン、あと、先ほどから何度も申しますけど梅雨入りのタイミング、こういったものが大きく影響しているということが委員会の活動の中でわかってきました。そういうものをこうしたフロー図にいたしまして、最終的にはこういったポンチ絵ですね、有明海でも同様な絵を作成しているところであります。最終的には、これは18年委員会資料の連関図の部分に、各海域ごとのそれぞれの赤潮の発生パターンというものを図示していきたいというふうに考えております。

 まとめですけども、八代海における赤潮発生機構につきましては、出現時の気象、海象、競合生物との関係につきまして、有明海側で整理されておりました項目と比較検討いたしまして、ほぼ合致する部分が多いということがわかりました。2000年以降の赤潮増加につきましては、連動する環境因子、水温の上昇でありますとか潮位というものは特定されましたけども、これが具体的にどのように赤潮発生件数に作用しているか、より詳細な検討が必要であると考えています。あと、発生予察に関しましては、複数の因子間の相互作用というものが提案されておりますので、今後も科学的整理を進めていきたいというふうに思っております。

 一応、こういったものを、報告書に向けて、鋭意また整理していきたいというふうに思っております。

 ちょっと早足でしたけども、以上であります。

○岡田委員長 はい。どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご質問等があればお願いしたいと思います。よろしいですか。じゃあ、先生、いいですか。

○中田(薫)委員 じゃあ。最後の鬼塚さんたちの論文の紹介などを見ますと、ある程度、経験的なものではあるけれども、冬の段階で予測できるというふうに考えられると思うんですけれども。これ、2010年までの結果ですけれども、近年あまり出ていないというのは、この条件にここ数年も合致しているというふうに考えていいということでしょうか。

○松山専門委員 ここ二、三年のデータの整理というのは依頼しておりませんけども、事業の報告会の中では、例えば昨年であるとかというところは、この予測式では赤潮が出ない年ということで合致していたと伺っています。

○中田(薫)委員 ありがとうございます。

○岡田委員長 はい。ありがとうございました。まだあるかもしれませんが、大分時間が押していますので、次の議題に行きたいと思います。

 次の議題、「その他」ということで、本日は先ほどと同じ農村振興局から、諫早湾干拓事業の潮受堤防の排水門の開門に伴う環境変化を把握するための調査結果についてご報告いただきます。先ほどと、もう一度、申し訳ございません、農村振興局の豊調査官からご報告をお願いいたします。

○豊農林水産省農村振興局調査官 はい。お手元にA3判の資料5というものを配付させていただいております。タイトルが長くて申し訳ございません。「諫早湾干拓事業の潮受堤防の排水門の開門に伴う環境変化を把握するための調査」、その概要のポイントということでございます。概要のポイントということで、概要のほうは、委員の皆様には、2アップ判の両面コピーではございますけれども、こういった、ちょっと厚い、百七、八十枚の資料をお渡ししておりますが、その中でも、特に、ある地点を抜粋いたしまして、また、ある項目を抜粋いたしましてまとめたのがこのポイントというところでございます。こちらについては、今年の6月30日にありました海域再生対策検討作業小委員会でご報告させていただいたものと全く同じでございます。したがいまして、今日は12月でございますけれども、あえて「6月」というタイトルを出させていただいていること、これは前回と一緒でありますよということで、あえて「6月」というタイトルをつけさせていただいておりますことをご了承いただきたいと存じます。

 この開門に伴う環境変化を把握するための調査というものにつきましては、私ども開門というものを25年の12月20日ということで実施する予定でございました。裁判の判決等々から、まだ、いまだ開門できていない状況ではございますけれども、24年当時では25年12月20日までには開門する予定でありましたので、こちらは開門の事前調査ということで、24年の12月から調査をしたものでございます。この1年間分の調査をまとめたものを6月に報告をさせていただいたというところでございます。

 この開門事前調査につきましては、調査計画につきましては、25年7月8日、この総合調査評価委員会でご説明して世の中にも公表いたしておりますし、また、この、今日ご説明する調査結果の詳細、バックデータ等につきましては、九州農政局におきまして配付いたしております。ものすごい膨大な量なので、ホームページ等には掲載できませんけれども、九州局のホームページに申請の手続等を掲載いたしております。恐れ入りますが、そちらのほうで申請をいただきますと、九州農政局のほうからバックデータ等に関しましてご送付をさせていただくということになっておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、1ページ目でございますけれども、調査の目的と内容でございます。非常に、大きくしても見にくくて申し訳ございませんけれども、こちらにつきまして、目的は、開門のいわゆる環境変化、これを把握するために、約100地点におきまして調査をやっているというところでございます。この調査につきましては、先ほど申しましたが、ここにありますように、ちょっと小さくて申し訳ございません。開門の事前調査というデータになるというところで、現況把握の調査でございます。調査の内容は、恐れ入ります、表にございますので、説明は割愛をさせてください。

 調査地点でございますが、例えば下をご覧ください。水域の調査でございます。このように、多数の地点、例えば、潮位・潮流は25地点、水質は58地点、底質は50地点等々でいろんな調査をやっているというところでございます。

 資料について簡単に概要を申しますと、右側が排水門からの排水状況でございます。24年の12月から25年の12月にかけまして、約3億4,000万トン排出いたしております。排水回数は184回というところでございます。25年の9月に、豪雨の関係で6,000万トン程度ということがありますけれども、大体年間3億4,000万トンというのは、通常年はそういった形でございます。

 現地調査の実施状況というところでございますけれども、右下の表に各月に実施した調査の項目を書いてあるというところでございます。ご覧いただければと思います。

 恐れ入ります、2ページでございますけれども、気象・潮位・潮流でございます。気象につきましては、諫早湾の干拓堤防のすぐ脇の湯江というところで気象データをとっているということでございます。24年12月から25年12月までは特にお話しするような気象状況はあまりなかったということです。台風が3回来ているというところでございます。

 それから、左下、潮位等でございます。まず諫早湾の調整池でございますけれども、常に大体マイナス1.2からマイナス1の範囲で管理いたしておりますので、平均はマイナス1.11となります。ただ、豪雨の関係で9月、マイナスの0.26まで上がったということがあったということでございます。それから、潮位。諫早湾と有明海については、ご覧いただいたような波形になっているというところでございます。

 それから、右でございますけれども、流向別の速さなりの出現の頻度というもの。上が冬季、下が夏季という形になっているところでございます。表層と底層、冬季でございますけれども、概ね同様な動態でございます。Stn6、筑後川の下流よりもちょっと南部でございますけれども、そこを除きますと、概ね湾軸方向、北北西から南南東という形で一応流れているということでございまして、夏季についても同様です。潮流が若干弱いというような形になっているというのがこのデータから見れるというところでございます。

 3ページ目でございますけれども、3ページ目は水質でございます。水質については、代表4地点ということで、諫早湾調整池の中、諫早湾の真ん中のB3、そして、有明海の湾の真ん中のS29、それから有明海の湾奥部のStn4というところについてご説明をさせていただきます。

 水温について、いずれも年間を通じて例年と同様の傾向ということでございます。クロロフィルaでございますけれども、例えば調整池におきましては、こちらにございますけどもクロロフィルa、2月から5月に高いような状況が出ているということです。また、諫早湾のほうのクロロフィルa、それでこの8月、こういったところで高くなっているというところです。また、有明海は湾奥部のStn4、こちらでございますけれども、クロロフィルa、ここで見ていただきますと、表層部で7月と10月に高い状況となっているというような形でございます。それから、DOにつきましても、Stn4においてかなり低下しているのが見られるというところが見れるというのが特徴点でございましょうか。

 4ページでございます。恐れ入ります。4ページは、赤潮発生、それから夏季の貧酸素でございます。赤潮とか貧酸素、恐れ入りますが、こういった形で発生しているということ。25年2月と8月について示しております。それから、25年の8月の貧酸素状況についてでございますけれども、データが一部とれていないときがありますが、8月14日とか8月19日の状況をこちらに示させていただいているというところでございます。

 次のページの底質でございますけれども、底質は、これも今の4地点、一緒でございます。底質につきまして、粒度分布それから強熱減量、硫化物、こういったものについて、調査させていただいております。粒度分布でございますけれども、有明海の湾央部、こちらのほうで砂分が多いという以外はシルト分が多いというところでございます。硫化物におきましても、有明海の湾央部ではほとんどございませんけれども、ほか、一番高いのが例えば有明海のStn4というところで見られるというところでございます。例えば、そういう結果になっているというところでございます。

 それから、恐れ入ります、植物プランクトン、6ページでございますけれども、水生生物のうちの植物プランクトンでございます。調整池ではスケレトネマサブサルサムが主な種、それから、諫早湾、有明海では海水性のスケレトネマ属が主な種となっているというところでございます。種類の数でございます。20種から40種程度ということです。調整池の5月のプランクトン数が最大で、15万個程度と。海の部分ではStn4の7月の1万個というものが最大になっているというところです。

 それから、次のページが動物プランクトンでございますけれども、動物プランクトン、これも代表4地点でございます。調整池では淡水性のワムシが多いと。それから、諫早湾とか有明海ではノープリウスとかが主な種になっているというところです。種の数も、大体、調整池は若干少ないですが10から20、海のほうでは20から30種と、そういった形になっているということでございます。個体数は、調整池の3月のプランクトン数、これが最大でございます。387万個/?、海の部分ではStn4の8月の50万個という形になっているというところでございます。

 それから、8ページ、恐れ入ります。魚卵でございます。魚卵については、調整池ではエツ、これがとれているというところでございます。それから、諫早湾と有明海ではサッパとかカタクチイワシということで、有明海の湾央部の5月、これが、カタクチイワシで約1万個というものが大体とれているというのが最大でございます。

 それから、次の9ページでございますけれども、9ページは水生生物の稚仔魚について整理をしているというところでございます。稚仔魚について、調整池でもやっぱりエツとハゼ、諫早湾と有明海ではコノシロとかカタクチイワシというものが見受けられるというところでございます。

 10ページは調整池の中の魚介類関係でございます。調整池でエツ、ギンブナ等々が主となっております。干拓地の排水路等でも、ギンブナ、オイカワと、そういったものが見受けられるという形でございます。

 11ページが水生生物のうちの底生生物でございます。調整池の中ではイトミミズということです。あと、海のほうにまいりますと、種類が大きく増えてまいります。ヒメカノコアサリそれからビロウドマクラガイと、そういったものが見受けられるというところでございます。

 それから、12ページでございますけれども、干潟の生態系である鳥類のポイントセンサスでございます。干潟の生態系の鳥類は、季節によって確認できる種、個体数は大きく変わります。諫早湾の区域の調整池と海域では、冬季、圧倒的にカモ類が見られるというところでございます。筑後川の河口域、右側でございますけれどもハマシギ、それから、荒尾区域ではオナガガモやハマシギ、そういったものが見られるというところでございます。

 ということで、開門の事前調査というような形の調査結果についてご報告させていただきました。早口で申し訳ございませんでした。

○岡田委員長 はい。どうもありがとうございました。

 それでは、ご質問等がございましたら。ご希望でも結構かと思いますが、どうぞ。

○古賀委員 調整池の水質の件で、ちょっと1点質問です。

 CODの説明はありませんでしたけども、大体10ppmぐらいの結構高い数値が続いているようですが基準というか目標というのは5ppmだったと思います。

 どうしてこういうことを言うかと言いますと、調整池からは、今日説明もありましたように、年間3億数千万トン、海域のほうに流出しています。ちなみに筑後川は年間36億トンなんですね。筑後川の10分の1に過ぎないということになります。筑後川河口のCODは通常2ppm程度だと思いますが、そうすると、2ppmと10ppmですから調整池の方が5倍ほど高いということになります。そうしますと、CODで表せる有機物の調整池から海域への流出量というのは、筑後川の半分ぐらいにまでなってしまうんですね。だから、そういったことを考えると、調整池の水質の浄化は非常に重要だと思います。調整池等水質委員会というのがあって、平成19年12月に取りまとめをされており、そこで水質浄化が必要だというふうに書いてあったと思いますけども、現在の水質浄化の取組について聞かせていただけたらと思います。

○岡田委員長 はい。どうぞ。

○豊農林水産省農村振興局調査官 ご指摘のとおり、こちらの調整池の水質、目標値、COD5という形になっております。そういったことを達成するため、私どもは例えば流域対策といたしまして、関係県や長崎県諫早市、雲仙市等におかれましては、下水道あるいは集落排水施設等々の整備を進めていただいて、汚水をなるべく流域から流れ込ませないということで検討いただいています。

 また、私どもでできる対策といたしましては、例えば農業関係。農地とか耕地から、雨が降ったときに、いわゆる窒素とか、燐分だとか、そういったものがなるべく流れて出ていかないように、例えば水田の代掻き期のときにはそういったものを排出しないような取組、あるいはジャガイモの裸地が、雨が降ってそういったものが流れ込まないように、例えば植生を生やす、そういったもの。あるいは、調整池なり諫早湾の干拓地の潮遊池、そういったところにおいても、除去するための施設の設置等々をやっているところでございます。

 現段階で、たしか、去年のCODが、すみません、75%値で年9.幾つという形になっています。一番低い時期でもまだ7.幾つということでまだまだ低い状況にありますけれども、関係の県それから市町、それから農業者さん等のご協力を得ながら、今、水質浄化等の対策等をやっているところでございます。原因についても、いろいろと先生方のお知恵をお借りしながら、どうやったらCODなりそういったものが下げられるかということについて、今、検討を進めているというところでございます。まだまだ目標達成には至っておりませんけれども、今、努力しているということでご理解を賜ればと存じます。よろしくお願いいたします。

○岡田委員長 よろしいですか。はい。ありがとうございました。

 じゃあ、最後にどうぞ。

○山田委員 教えてほしいのは6ページです。ここに植物プランクトンのことが載っています。調整池の中と諫早湾そして有明海と両方で優占的なプランクトンがスケレトネマということになっております。調整池の中だけではスケレトネマサブサルサム、調整池以外ではスケレトネマ spp.となっておりますけれど、サブサルサムをspp.と区別したのはどういう点にご留意されて同定されたのでしょうか。

○農林水産省農村振興局職員 ご指摘のとおり、スケレトネマは今混乱があって、海域のほうは全てspp.でまとめました。しかし、これは開門を想定した事前調査ですので、調整池に関しては、特に塩分の指標となる種が大事だろうと考えまして、スケレトネマサブサルサムは、形態によって、ほかのスケレトネマと区別しております。以前、先生のところにお伺いして、DNA、遺伝子レベルでは同じ種だということもお伺いして理解した上なんですけれども、もし開門したときの塩分の指標となるように、サブサルサムだけ低塩分の種であるということで、指標種として分けております。

○山田委員 はい。それで、サブサルサムとspp.の差異は、形態学的には細胞と細胞がくっついているのがサブサルサム、細胞と細胞の間に連結棘が認められるのがspp.だとおっしゃられるんですかね。

○農林水産省農村振興局職員 くっついている、離れているということではなくて、細胞の太さ、細さ、そのあたりで。

○山田委員 太さ、細さは、同定のキーとはなりません。

 これのもととなる論文を拝見させてもらったんですけれど、その論文では細胞と細胞がくっついている場合はサブサルサム、それから離れている場合をspp.としたと書いておられたんですけれど、このサブサルサムという種類は、淡水から海水まで生息が可能な種類です。このサブサルサムという種類は、淡水のときには細胞と細胞がくっついて存在しますが、だんだん塩分が高くなっていくと、このspp.のように隣接している細胞と細胞が離れて連結棘が認められるようになります。

 なぜこれを申し上げているかというと、九州農政局のホームページにも、やはり調整池からの排水の影響を見るバイオインディケーターとしてサブサルサムを用いると書いてあるんですが、サブサルサムをバイオインディケーターとして用いる場合、この連結蕀の長さというのは塩分に対応して長さが伸縮しますので、これをインディケーターとして用いられる場合には、もう少し調査研究が必要じゃないかと思いました。

 ちなみに、当研究室で調整池のスケレトネマを平成22年に調査いたしました。そうしますと、それはスケレトネマコスタータム s.s.という種類でした。コスタータムというのは、皆さんご存じのようにスケレトネマ属で一番有名なプランクトンですけれど、これが最近8種に細分化されました。その8種の中で1つだけ残って、コスタータムという種名称が残されたんですけれど、これについてはs.s.という文字をつけて、従来の種と区別するようにしています。

 この、私たちが調整池で見つけましたこのスケレトネマ コスタータム s.s.という種類も、淡水から海水まで、十分生育できる種類です。そのコスタータム s.s.という種類は、佐賀県さんにご支援いただきまして、有明海のスケレトネマの調査をいたしました結果、有明海の優占種の1つでした。ということから、私たちは調整池の中のスケレトネマは調整池の外の有明海のプランクトンと同一種である可能性が強いと思っています。

 サブサルサムという種類は、現在のところ、世界で1株しか存在しておりません。これはイギリスの研究所に1株保存されているんですけれど、確かに有明海に流れ込む最大の河川である筑後川の感潮域で、私どもの研究でサブサルサムを1株ほど報告したことがございます。しかし、それは私たちの報告から1年後に、遺伝子データバンクにスケレトネマポタモスという陸水性のものの塩基配列が報告されまして、それと塩基配列が全く一緒だったので、私たちがサブサルサムとしていたものがポタモススケレトネマ ポタモスであるということがわかりました。したがって、サブサルサムの遺伝子配列がきちっと解明されているのは、世界中でただ1株ということになっております。諫早湾でサブサルサムが出るということになりますと、世界から注目が集められると思いますので、サブサルサムなのかコスタータム s.s.なのかポタモスなのか、ご検討をお願いしたいと思います。

○岡田委員長 はい。じゃあ、これはここで議論すべきことではないと思いますけども、重要なことですので、後で事務局とそれから山田先生と相談していただいて、具体的にどうするかという結論を出しておいていただければというふうに思います。ありがとうございました。

 じゃあ、最後に。どうぞ、先生。

○小松委員 先ほど古賀委員のほうから、調整池からのCODの排出量が結構大きいんだという話がありました。有明海の改善策で農水省さんがいろいろなことをやられているんですが、人工のエネルギーを使って、例えば高溶存酸素水を送るとか瀑気をするとか、いろいろやられていますよね。ところが、我々土木の世界からいくと、せいぜいダム湖ぐらいまでの大きさだったら人工エネルギーを使っても何とかなる。だけど、実海域でははっきり言って無理だというのが、もう、ほぼ常識になりつつあります。

 それで、逆に言えば、調整池は、あの規模ですから十分扱えるんですね。仮に人工エネルギーを使ってでも。ですから、調整池を改善するということをもっともっと――どういう具体的な方法があるかというのはまた別問題ですけど、調整池の水質を改善するということをもっと真剣に考えられてもいいんじゃないかなというふうに思います。

○岡田委員長 はい。ありがとうございました。これはよろしいですね。

○豊農林水産省農村振興局調査官 はい。

○岡田委員長 はい。それでは、ちょっと時間を過ぎていますので、農水省からの報告は以上にさせていただきます。豊調査官、本当にありがとうございました。

 それでは、これで本日予定されていた議事は全て終了しましたので、最後に事務局のほうから何かございますでしょうか。

○高山閉鎖性海域対策室長補佐 連絡事項が2点ございます。

 まず第1点といたしまして、次回の委員会のスケジュールでございますけれども、来年の3月23日の午後に予定をしております。会場は未定でございますので、また後ほど、委員の皆さまにはご連絡を差し上げたいと思っております。

 それと、後日、本日の議事録の確認を事務局よりご送付いたしますので、ご確認をよろしくお願いいたします。

○岡田委員長 はい。

 それでは、以上をもちまして、第34回有明海・八代海等総合調査評価委員会を閉会させていただきます。議事進行へのご協力に御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

午後4時10分 閉会

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