第31回有明海・八代海等総合調査評価委員会 会議録

1.日時

平成25年3月28日(木)13:30~15:30

2.場所

環境省第1会議室

3.出席者

委員長:
岡田光正委員長
委員:
有瀧真人委員、岩渕光伸委員、上田直子委員、楠田哲也委員、清野聡子委員、滝川清委員、中田薫委員、中田英昭委員、中村由行委員、西村修委員、 速水祐一委員、本城凡夫委員、山口敦子委員、山口啓子委員、山田真知子委員、山本智子委員
臨時委員:
清水晃委員
事務局:
環境省水・大気環境局長、水環境担当審議官、水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室室長補佐

午後1時30分 開会

○名倉閉鎖性海域対策室長 それでは、ただいまから第31回有明海・八代海等総合調査評価委員会を開会します。
 まず最初に、委員の出席状況ですけれども、本日は古賀委員、小松委員、福岡委員がご欠席されており、委員17名及び臨時委員1名の計18名が出席していただいておりますので、有明海・八代海等総合調査評価委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしていることを報告いたします。
 また、本日の会議は公開となっておりますことを申し上げます。
 それでは、議事に先立ちまして、小林水・大気環境局長からご挨拶申し上げます。

○小林水・大気環境局長 水・大気環境局長の小林でございます。
 本日は、本当に年度末も年度末、大変押し詰まりまして、ご多忙な委員の先生方にお集まりいただきまして大変ありがとうございます。
 通算いたしますと第31回目の有明海・八代海等総合調査評価委員会の開催ということになります。改めまして一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
 昨年6月に第30回の委員会を開催していただきまして、これがそれ以来7カ月ぶりということになります。この間、前回の委員会では小委員会を2つ設置すると、こういうことをお決めいただいたわけでございます。これを受けまして、有明海及び八代海などの問題についていろいろな科学的な整理をしていただくということで、それぞれの委員会を3回ずつ、大変お忙しい中を精力的な会議を持っていただいたところでございます。
 一方で、有明海及び八代海などの状況でございますが、昨年も夏季に有明海の湾奥西部などの海域では、無酸素に近い貧酸素の状態が発生したと、こういうように聞いているところでございます。その影響もあるのかもわかりませんが、昨秋の関係県による調査におきましては、有明海のタイラギについての漁獲量、その対象となる成貝についてはほとんど確認できなかったというような厳しい状況というように認識をし、お話も伺っているところでございます。
 この特措法の目的にもございますように、貴重な自然環境や水産資源の宝庫である有明海及び八代海などが、豊かな海として再生していくという大変大きな課題を持っているわけでございます。これに対して取り組むべき事項というのは大変山積している状況にあるのかなと、こういうことを改めて痛感しているところでございます。このような中で今日、委員会を開いていただきまして小委員会での検討状況についてご報告いただくと、こういうことにしているところでございます。
 特に有明海の二枚貝につきましては、生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会でいろいろご検討いただきましたので、今日は有瀧委員長からデータを用いて詳しく現況のご報告をいただくと、こういう予定になっているところでございます。
 この評価委員会の委員と小委員会の先生方はダブっていらっしゃる方も多いわけでございますが、今日は全体的な幅広い視野でご検討いただく場ということでございますので、改めてこういったデータを踏まえて忌憚のないいろいろなご意見をいただきまして、新年度大きな進展ができるように私どももしっかりやってまいりたいと思いますので、それに向けましていろいろなご指摘をいただければ大変ありがたく思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○名倉閉鎖性海域対策室長 報道取材の皆様におかれましては、これ以降のカメラ撮影はお控えいただきますようよろしくお願いいたします。
 では、議事に入る前に、配付資料を確認させていただきます。資料1としまして「委員名簿」がございます。資料2-1で「小委員会におけるこれまでの取組等の概況について」、資料2-2で「有明海有用二枚貝類の整理と検討」、資料2-3で「有明海の有用二枚貝類に係るこれまでの検討状況のとりまとめ(たたき台)」、あと参考資料としまして、委員会の小委員会の設置についてというもの、それから参考資料2としまして、評価委員会の運営方針について、をつけております。不足はございませんでしょうか。
 それでは、ここからの進行は、岡田委員長によろしくお願いいたします。

○岡田委員長 かしこまりました。
 年度末のお忙しいところお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。
 それでは、早速議事を開始させていただきます。
 本日ご議論いただくことは、議題に書いてございますように小委員会におけるこれまでの取組の概況についてということになっております。先ほど小林局長からご挨拶をいただきましたように、昨年6月に開催しました前回の委員会で2つの小委員会を設置するということをお決めいただきました。そこで本委員会で審議するのに必要な情報の収集、それから整理、分析を行っていただくということになりました。
 2つの小委員会を同時に設置するということになりましたが、結果的には本日お集まりの委員の先生の大半の方に、どちらかの委員をお願いするということになりました。特に有瀧先生、それから滝川先生、それぞれの両委員には小委員会の委員長を、快くお引き受けいただいたことを深く感謝申し上げます。
 その後それぞれの両小委員会の委員長のもとで、先ほど申し上げました情報の整理、収集、分析ということを進めてきていただいておるわけです。これまでどういう取組がされてきたかというのを本日ご報告いただくということになります。
 というわけで本日の議題、小委員会のこれまでの取組という経過報告になっていますが、前半、それから後半に2つに分けてご検討いただければというふうに思っています。前半のほうはお手元の資料であります資料2-1、事務局から小委員会設置の経緯、それからこれまでの検討状況の概況をご報告いただきたいというふうに思います。後半のほうでは、生物問題のほうの小委員会で検討が進んでおります。先ほどご挨拶にもございましたが、有明海の有用二枚貝類について、詳細なご説明を、これは有瀧委員長のほうからお願いすることになっておりますが、それに基づいて議論を進めていきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速事務局から資料2-1の説明をお願いいたします。

○阿部室長補佐 環境省閉鎖性海域対策室の室長補佐をしております阿部と申します。
 それでは、資料2-1に基づきまして、これまでの小委員会における取組につきまして概況報告をさせていただきたいと思います。
 資料2-1をご覧ください。これを見ていただくと添付資料がいろいろついていますけれども、添付資料の1の裏ページの別添資料の2を見てください。昨年6月の委員会で小委員会の設置を決めました。それに基づいて2つの小委員会を設けるとことにさせていただいたんですが、まずその2つの小委員会のメンバーにつきましては委員名簿をつけさせていただいております。
 まず生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会でございます。メンバーですけれども、先ほど岡田委員長からご説明がありましたとおり有瀧委員が委員長ということになっておりまして、そのほかこの名簿で言いますと左肩に委員とついている方は、本委員会のほうから小委員会に参加していただいているメンバーでございます。その後に専門と左肩についている委員が、小委員会のために専門委員として参加していただいている方でございます。
 これを見ていただきますと計11名、専門委員を見ていただきますと、例えば梅崎委員でありますと熊本県の水産研究センターの所長、大村浩一委員でございますと福岡県水産海洋技術センター有明海研究所の所長と、専門委員になっていただいた方は各関係県の水産試験研究機関の場長の方に参加いただくとともに、一番最後の松山委員、この人は西海区水産研究所で実際に赤潮問題だとか、タイラギを含めた二枚貝の問題だとかの担当している研究者ということで参加していただいております。
 もう一枚めくっていただきまして別添2です。海域再生対策検討作業小委員会、こちらにつきましては、またこちらも有瀧委員には参加していただいているんですけれども、委員長といたしましては滝川委員に委員長をしていただいておりまして、こちらに本委員会から参加していただいている方に委員という左肩に肩書きがついています。清水委員におきましては臨時委員でこの委員会に参加していただいておりますので、臨時委員という肩書きとなっている。あと専門ということで専門分野の方に別途参集いただいておるわけですけれども、こちらの専門委員につきましては、例えば白谷委員でありますと農村工学研究所の所属でございますし、橋本委員におかれましては九大で河川工学の研究をなされている。古川委員におかれましては国総研の沿岸海洋新技術研究官、牧委員におきましては国環研、松野委員につきましては九大からとそれぞれ、分野を多分野から専門家を招集しているという状況になっております。
 本文に戻ります。まず1ページ目の1ですけれども、当面の作業の進め方の確認ということで第1回目に両方の小委員会のときにやりました。それで、作業方針ということで両小委員会ともに同じ作業方針内容を決めましたということです。方針は3つあります。委員会―これはこちらの親委員会のことですけれども―委員会が平成18年12月に作成した委員会報告の整理をベースとしながら、自然環境や水産資源について整理する。[2]委員会の審議の流れに沿って作業を進めることとする。また、作業の進捗状況等は随時委員会に報告し、委員会の指示を受けつつ作業を進める。[3]両小委員会が作業を進める上で生じる重複について、収集する情報に関わる重複は事前に両小委員会間で調整し収集する情報の重複を避ける。一方、分析の段階での重複は両小委員会間では調整は行わないという確認をしました。
 続いて、作業の流れについて確認しております。生物問題小委員会、海域再生小委員会が行う作業については、便宜上の整理ということで別添3ということでついておりますけれども、先ほどの委員名簿の後についておりますが、生物問題小委については水産資源関係、海域再生小委につきましては、自然環境の関係という分担で集める整理をいたしました。
 それとともに当面の作業の流れとして別添4になりますけれども、まず作業方針を確認し、どういうふうに情報収集していくか情報収集の方針を決定して、それに基づいて情報収集状況を確認しながら集めた情報から整理、分析を進めると、整理、分析を進めるに当たってはある程度方針を決めて進めていきましょうということです。それで、ある程度整理ができた段階で取りまとめ案を検討して、それを委員会に上げていくという形にしましょうということで確認をさせていただきました。
 続いて、情報の収集ということでございますけれども、本文の1ページ目の終わりから2ページ目でございます。小委員会が収集すべき情報項目について確認したということで、こちらが別添5、別添6についているものについてそれぞれ集めましょうということで確認したと、それでなおかつ事務局において同方針に基づき、特措法第18条第1項に基づいて主務省及び関係県の調査結果について精力的に収集するということといたしました。それが第1回目の両小委員会の概況でございます。
 続きまして、2ポツですけれども、情報収集方針に基づく情報収集です。先ほどの情報収集方針に基づきまして、特措法の主務省及び関係県が調査した調査結果の中から、特に平成18年の委員会報告で提言された内容の中の具体的再生方策、解明すべき課題に対応する調査結果の収集を行いました。これまでに延べ453件の報告書を収集し、2月中旬に小委員会委員に収集した報告について配付したということにしております。どういう報告を収集したかということにつきましては、別添7の一覧表で数字だけで入っておりますけれども、国及び県から延べこれほどの情報が集まったということでございます。
 続きまして、生物問題小委員会における情報の収集、整理、分析についてということで、生物問題小委員会が第2回、第3回委員会において行ったことについて述べさせていただきます。生物問題小委員会においては、情報収集方針の中から当面の情報収集優先項目として有明海の有用二枚貝類を、また、その次の優先項目として赤潮ということで優先的に情報を収集するということにしました。
 それで、先ほどの2ポツのところで、集めた報告書を2月中旬に小委員会委員に配付したところでありますけれども、当初の予定では9月に第1回の小委員会を開催し速やかに収集した上で、第2回目の小委員会を開催していくという形で考えていたのですけれども、結局、情報の収集が事務局のほうの不手際になるんでしょうか、遅れましてなかなか集まらなかったと、その中で小委委員が関係県等の協力を得て別途自主的に収集した情報をもとに有明海の有用二枚貝に係る現況、現況の問題点、問題点の原因・要因等について調査検討を進めるという形でさせていただいております。詳しい中身につきましては、資料2-3ということでまとめたものをつけさせていただいております。これにつきましては、先ほど岡田委員長から説明がありましたとおり後半部分でやらせていただきます。
 4.海域再生小委員会における情報収集、整理、分析についてということでございます。海域再生小委の第2回、第3回の結果でございます。海域再生小委においては、情報収集方針の中から当面の情報収集優先項目として海洋構造、水質環境、底質環境、生物生態系の4項目について地区別に収集するという方針であったのですけれども、先ほども言いましたとおり事務局のほうの情報がなかなか集まらないということで、第2回、第3回の小委員会におきましては環境省からの事例報告、国土交通省、熊本県からの事例報告ということで、情報収集した報告をもとにどういう流れで今後具体的な審議を進めていくのかという、その手順の確認を中心に検討させていただきました。また、今後の検討の進め方といたしまして有明海と八代海につきましては、先ほど優先項目と決めました海洋構造、水質環境、底質環境、生物生態系という項目を中心に、[1]から[5]の手順で作業、検討を進めるということを確認しています。
 [1]です。環境省及び国土交通省から調査結果として示された有明海・八代海の底質状態、底生生物の状態で分類し、分類ごとに環境特性を整理した整理表、同分類等をもとに区分けした海域区分図を、今後の検討のベースとするということです。
 これは何かというと別添の8と9を見ていただきたいのですけれども、こちらがそのベースとなる海域区分図で、その後ろについておりますA3の折り畳みにしているものが環境特性の整理図でございます。こちらにある別添8の海域特性図でございますけれども、こちらについてはこの印の中にある点々の囲みの海域を5つ設けまして、5つのグループで区分けをしてやりたいということです。
 その点々の中に含まれている点々ですけれども、こちらにつきましては環境省と国土交通省の海洋環境整備船が調査点において底質、底生生物の調査を行った結果がございますので、過去からの調査結果に基づいてこの図の下のところにあります底質の7項目、底生生物の3項目、これでクラスター解析をしてグループ分けをして、それで底質項目でグループを4つ、底生生物の項目でグループを3つに分けました。この底質環境項目のグループの4つ、底生生物の環境の3つが、実際どういう組み合わせになって現場に出てきているのかということを記したのがこの丸の図でございまして、丸の内側の部分が底質の区分、外側が底生生物の区分ということで、これの組み合わせで7つの区分けにしております。
 この区分けの中身につきましては細かい説明が今はできませんというか、時間があれですので参考資料の3ということで、この資料の一番後ろから2枚めくっていただいたところから、こういう考え方で整理しておりますというのをつけさせていただいております。先ほど言いましたとおり、環境省の調査と国交省の整備船のデータを使ってグループ分けをしたということと、あと海域区分につきましては、水質の特性から見た海域区分というのを、海域再生の小委員会の委員長である滝川先生から資料をいただき、また、特措法改正の直前の評価委員会において提示した貧酸素水塊の発生状況から見た海域図なんかを参考に、この底質、底生生物との測点と合わせて、このように5つの区分けをさせていただいたということでございます。これはあくまでもベースということでして、今後情報を整理していくという中でここについては、こだわらずにどんどん変えていいものにしていきたいと思っております。そこがまず[1]のところの説明でございます。
 それでまた3ページ目の[2]以降を説明いたしますけれども、[1]の区域ごとの現況の問題点、問題点の原因・要因について海域再生小委員会の委員の意見とか、あと生物問題小委員会の整理を参考に事務局において仮説を立てていきたいと、その仮説についてこれまで事務局が収集した情報から仮説の検証を行います。
 その仮説の検証の結果、必要があれば海域の区域の見直しだとか現況の環境特性の修正、この整理表の修正なんかを加えながら、今の有明海・八代海がどうなっているのかをきちんと整理して、その段階で問題点だとかそういうものをきちんと洗い出していきたいと考えております。
 そして整理できた段階で区域別に連関図、これは評価委員会が18年の委員会報告で出しました原因・要因の関係図、こちらの見直しをしていくと、ここまでを作業の目標としてやっていくということでさせていただいております。これが有明海・八代海についてでございます。
 橘湾等ですけれども、こちらにつきましては平成23年の特措法の改正におきまして、その特措法の対象海域として新たに加わった海域でございます。こちらにつきましては情報がないということがある程度事前にわかっておりますので、同海域で実施される調査をもとに、引き続きデータを集めながら問題点のあるなしも含めて判断していくという考え方でございます。
 (3)ですけれども、生物問題小委員会の協力依頼への対応ということで、生物問題小委員会につきましては後半の部でも説明がありますけれども、ある程度水産試験場の場長等が集まっておりまして、水産試験場などではかなりのデータの蓄積があるというところもあります。また、西海区水産研究所におきましてもかなりの調査をやられておりますので、その中である程度整理ができていく部分もあるかと思うんですけれども、ただ、いかんせん専門分野が偏っているというところもありますので、有明海の全体、八代海のバランスよく物を見ていくときに専門的知見、情報が足りないということがありますので、そういうふうなものについては、海域再生小委員会としても積極的に協力をしていくということを確認しております。
 続いて5ポツです。当面の検討スケジュール案ということでございます。まず生物問題小委員会のほうでございますけれども、こちらにつきましては有明海の有用二枚貝類というのを、第2回、第3回の小委員会において検討してきたんですけれども、これにつきましては、まだまだ整理が足りない部分がありますので引き続き検討を継続していきます。
 [2]です。赤潮です。これは有明海・八代海を含んで赤潮全体につきましては第4回、第5回である程度の整理を進めます。
 [3]です。貧酸素水塊、こちらにつきましては有明海で特に問題になっております貧酸素水塊でございますけれども、こちらを第5回、第6回で検討していきますということでございます。それで、[1]から[3]に係る中間の取りまとめを第7回でするということでございます。
 続きまして、海域再生小委員会のほうでございますけれども、有明海及び八代海の海域区分別の環境特性の整理、問題点の洗い出しを第4回から第6回でして、それに基づく中間取りまとめを第7回でするということでございます。両小委員会とも第7回までである程度の中間的な取りまとめができるということで考えております。
 その第7回目までのスケジュールでございますけれども、見通しといたしましては第4回を25年6月、第5回を9月、第6回を12月、第7回のまとめが大体来年度の2月ごろに開催する小委員会でできるというふうな考え方でございます。
 資料2-1につきましては、説明は以上とさせていただきます。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご報告に関しまして、ご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。
 どうぞ。

○楠田委員 楠田でございます。小委員会の委員の先生方におかれましては、いろいろご審議をいただきましてありがとうございます。
 大枠に関するところでちょっとお教えをいただきたいんですが、今、阿部さんのほうから因果関係の科学的な知識を収集するということのお話をいただきました。その結果が出てきたときには、どうやってそれを現実の施策に移していくかということも考える必要があると思います。そのときにその結果とそこをどういうふうにつなぐかということを先に決めておきますと、大もとの資料の整理方針がより明確になって無駄が省けるんではないかと、そこの姿がちょっとよくまだ私には理解ができていないということと、いつまでにそれを出してくるかという、中間が来年の2月ですと本結論はもうちょっと先になりそうな気がします。有明海が早くよくなってほしいと思っている人にはちょっと長過ぎるような気もするんです。よろしくお願いいたします。

○岡田委員長 どうぞ。

○阿部室長補佐 ご意見どうもありがとうございます。
 まず施策をある程度前提に考えた上でアプローチしていったほうが早いんじゃないかということにつきましては、それはおっしゃるとおりでないかと思います。ただ、有明海・八代海について再生をしていく上で、言い方からすると委員会が設置された当初平成15年のときには、ある程度期間を決めてわかる範囲の中でどんどんやっていかなければいけないという、期限も決まっていましたし、そういう中でやっていったんですけれども、今回の再開後の委員会につきましては、逆に時間の制約もないところで、もう一度問題点を確認しながら、情報がどこがないのかどこがあるのかを含めてきちんと見通した上で、それに対する対策を次に考えて、その原因・要因と対策とをセットで提示して、その後の有明海の再生をどういう形でやっていったらいいのかということを、決めていくというアプローチでやらせていただきたいということで思っておりますし、そういう進め方をしておりますので、多少時間がかかるかもしれませんけれども、逆に言うと、対策ありきでやってしまいますと、わからない部分がありつつそちらのほうに走ってしまうみたいなこともありますので、逆にそういうことがないように注意しながらやっていきたいというつもりでこういう順番になっております。

○岡田委員長 対策も念頭に置きながらやっていってくださいというのが楠田先生のご指摘だと思います。先生、よろしいですね。

○楠田委員 はい。全く因果関係がわかっていない問題を扱っているわけではありませんで、おおよそどこに原因があるかということは大体把握できているんではないかと、そういう意味で全く無駄な対策を打つ状況にあるという認識には少なくとも私はありません。

○阿部室長補佐 はい。心得ました。それはそのとおりであります。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 どうぞ。

○中田(英)委員 少し細かいことで、別添8の海域区分の案についてですけれども、これは先ほど説明がありましたように、主に底質とか底生生物の特性に基づいてこういう区分を設定したということで、今後の情報の収集・分析の結果を見ながら、必要に応じて少し見直すこともあり得るというようなお話だったんで、これはこれでいいと思うんですが、参考のほうの3の3ページ目を見ていただくと、私が1つだけ気になるのは、湾の中央部です。水質特性から見た海域区分の図と、5つの海域に再構成したところで若干違いが出ています。
 湾の中央でも熊本の沿岸というのは、例えば透明度の上昇傾向が非常にはっきりしているとか、赤潮の発生件数が明らかに増加しているというような報告が出ているので、湾の中央部を一くくりにしてあるんですけれども、熊本の沿岸のところは少し注意をしていく必要があるんじゃないかというふうに思います。区分でそこを独立させるというのは今は必要ないと思いますけれども、その点だけ今後の検討のときに注意をしていただきたい。

○岡田委員長 ありがとうございます。
 今のご指摘はよろしいですね。ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 どうぞ。

○清野委員 先ほど楠田先生のほうから調査結果の政策への反映の話がございました。それで、特措法の関連で予算がついている事業というのはあると思うんです。今日の資料にはないんですけれども、今までは特措法に関係して各県の事業も含めてこういうことをやっていますというリストがございました。これに関してはやっぱりそういう趣旨でやっていることもありますので、ぜひその中からケーススタディーというか、ほぼ同時並行で政策的に何ができるかというのを出していただいたほうがいいんだと思うんです。
 科学的な検討が終わってからそれを政策にとか現場にというと、またさらに何年もたってしまって、平気で10年とかいうスパンがたってしまう可能性があるので、ほぼ両輪でこういう議論の結果を反映させる社会的な仕組みのほうも動かしていったほうがいいと思います。
 これは全部の事業についてやるというのが難しければ関係される県とか国の、あるいは港湾、河川、いろいろな管理者がいると思うんですけれども、そこからこれだったら小委員会が出された情報から自分たちがやってみられるんだけどというのを、呼びかけられたらいかがでしょうか。私自身は有明海の流域の自分が関わっているフィールドで、そういうことがあればやってみるということは専門家としてお手伝いしたいので、そういう社会実験的でも反映する仕組みをそろそろ動かしたほうがいいかなと思います。意見です。

○名倉閉鎖性海域対策室長 そのようにさせていただきたいと思っておりますけれども、この検討につきましては小委員会の検討も含めまして公開でやっておりますし、関係省庁とも連絡をとりながらやっております。すべていろいろなところでいろいろな対策をやっておりますけれども、この検討が済むまでは全く何もやらないというわけではなくて、こちらのほうでやっております検討の状況を見ながら関係省庁も動いておりますので、この委員会の中での整理としてこういうことをやっていこうというのは、ある一定の段階で因果関係を整理するかというふうに思っておりますけれども、それぞれのところはそれぞれで現在でも動いているというふうに思っております。

○清野委員 そうするとやっぱりちょっと堂々めぐりになる感じもあるんですけれども、この検討がどういうふうに生かされるのかというのはさっき楠田委員からもご意見があったので、そこをもうちょっと詰めたほうがいいような気がするんです。どういうふうに管理のやり方とか事業のやり方が改善されるのかが見やすいような形で、次回までに何らかの情報収集なり取りまとめをしていただくといいかと思います。
 つまり、今までの施策のやり方じゃだめだから小委員会をつくって、もっと有機的に合理的にやろうという話になったので、その政策効果みたいなのはやはりはかる必要があると思うんです。ですからそういうふうなことでご配慮いただければ、従来までのやり方よりもこういうふうに合理的になったとかいうことが見えるようになるんじゃないかと思います。

○岡田委員長 ありがとうございます。
 よろしいですね。
 ほかにございますか。
 それでは、最後にもう一度ご意見があれば伺いたいと思います。やはり具体的な情報に基づいて議論したほうがよろしいかと思いますので、とりあえず次の議題に進ませていただきます。
 続いてですが、冒頭に申し上げましたように、生物問題の小委員会で検討していただいている有明海の有用二枚貝類、これについて取り上げたいというふうに思います。
 生物問題小委員会では第2回、第3回の小委員会で有明海の有用二枚貝類の現況の問題点、それから、その原因・要因ということで、タイラギ、サルボウ、アサリ、この3つを主なモデル種に取り上げて、各委員の先生方がお手持ちのデータを持ち寄っていただきました。それに基づいて具体的な検討を進めてきたということだそうです。初めに、どのようなデータに基づいてどのような検討がなされてきたかということに関しまして資料2-2がございます。これにつきまして委員長をお願いいたしました有瀧先生からご説明いただきたいと思います。その後、続けて事務局から生物問題小委員会での現時点での整理ということで資料2-3、有用二枚貝類の現況の問題点、問題点の原因と要因についてという取りまとめのたたき台を、ご説明いただきたいと思います。その後、質疑応答というふうにさせていただきたいと思います。
 それでは、最初に有瀧委員のほうからご説明をお願いいたします。

○有瀧委員 有瀧でございます。
 お手元の資料の2-2をご覧ください。ちょっと細かくて申し訳ないんですが、今日の資料は左側の上から下、それから右の上から下というふうに説明をさせていただきたいと思います。座って説明いたします。
 まず今日の説明する内容なんですけれども、先ほど岡田委員長のほうからお話がありましたが、この後、資料2-3で生物・水資源・水環境問題検討作業委員会の検討結果の取りまとめのたたき台をご説明します。私はなぜその取りまとめに至ったかということがわかるように資料の説明をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
 まず説明に先立って、本日のデータ等は関係県の方々に多大な努力、それから時間をいただいて取りまとめたことをここで申し上げます。どうもありがとうございました。
 では、早速いきます。1ページをご覧ください。1ページの下のところに前回の委員会で出されました関連図がございます。その一番左の端の上のところが二枚貝類の枠になっております。ご覧のように二枚貝類というのは有明の問題のいろいろなものが関わっているということで、今回も重点項目の第1番として取り上げられました。
 2ページの上に行きます。先ほど事務局のほうからお話がありましたが、小委員会、これを今まで3回やっておりまして、第2回、3回でタイラギ、サルボウ、アサリをモデルとしていろいろな情報を収集しながら検討してきたわけでございます。その下が、一番最初に事務局のほうからございましたが、この小委員会で収集すべき項目というのが[1]から⑨まで指示されましたので、それに基づいてデータを収集しております。
 1枚めくって裏側をご覧ください。収集したデータを検討しまして1番から4番について取りまとめを行ったということでございます。今回はタイラギ、サルボウ、アサリをやったんですが、すべて話していると時間が足りませんので、タイラギを中心にしてご説明をした後にサルボウ、アサリについての結果のところのみを、かいつまんでお話をさせていただきたいと思っております。
 タイラギなんですが、有明海のほうでは、そこにありますようにズベとケンというタイラギの2種類が漁獲されているんですが、現在漁獲の中心となっているのはケンのほうでございます。
 次に参りますが、18年の委員会報告の中でいろいろ検討がなされまして指摘事項がございました。そこに[1]から[3]で取りまとめているんですけれども、タイラギについては長期的減少の要因が西部漁場での底質環境、特にこれは先ほどからお話しになっていた貧酸素が中心になっているということなんですけれども、それが原因であろうということです。
 それから2番目、短期的な減少の要因としては、北東部海域の立ち枯れへい死と、それからナルトビエイによる食害であろうということがありました。解明を要することとして、特に大量へい死のメカニズムについて検討を加えなさいということが指摘されておりました。これを受けて今回の取組になったわけでございます。
 まず1番の資源の近況に関する調査結果についてお話をさせていただきたいと思います。お手元にタイラギ漁獲量の変動ということで、1958年から2010年までのタイラギの漁獲量のグラフを示しております。ご覧のようにもともとタイラギというのは非常に漁獲変動が大きいものでした。しかし、このグラフのように2000年以降というのは底をはうような状況で、後で申し上げますが、2009年級群というのは若干漁獲があったんですが、ほかはほとんど漁獲がないような状況だったということでございます。
 その次のグラフがCPUEの変動なんですけれども、やはり同じように漁獲に対応して2000年以降は地をはうような状況で、2009年のところがぽこんと出ているということでございます。
 次なんですけれども、1976年から99年までのタイラギの成貝の分布、これは前回の委員会報告のデータなんでございますが、ざっと俯瞰して見ていただきますと1970年代から90年代の初めというのは、全域にタイラギが分布していたというのがご覧いただけると思います。ところが、それ以降になるとだんだん漁場が、西側が消えていって東側のみ出てくるということになりました。現在はどうなのかということで次のグラフになるんですが、そこに1996年から2012年までの漁場を示しております。
 やはり漁場形成としては東部海域のみであるということ、それから、ぽつんぽつんと全く漁場が形成されない、要するにタイラギが立たない年が出てきているということが近況でございます。その中で2009年をご覧いただきたいんですが、これは特異的に西側にタイラギが立ったということでございました。
 2番目として資源低下要因に関する調査結果ということなんですが、なぜ西側に立たなくなったかということを再度考えてみたわけですが、そこに2010年から2012年までの8月を中心とした奥部の貧酸素水塊の発生状況、これは底層の溶存酸素の飽和度で示しているんですけれども、それを見ていただきたいんですが、色の濃いところ、それから特に紫色に塗りつぶしたところは酸素飽和濃度が10%以下もしくはゼロに近いところでございます。現在の漁場は赤い点々で囲っているんですけれども、現在の漁場というのはそういう貧酸素水塊以外のところでしかできないということで、西側で漁場が形成されないのは明らかに貧酸素水塊が原因であるということになりました。
 次に行きます。先ほど言いましたが、なぜ2009年に漁獲加入したかということなんですが、上のグラフがタイラギの浮遊幼生の密度でございます。そこに2008年から2011年までの状況を示しているんですが、横軸がカレンダーになっておりまして縦軸が密度です。ご覧のように2009年、10年、11年というのは、大体6月の後半から8月の前半にかけて浮遊幼生の分布がピークに達しているんですけれども、2008年というのはこれがずれて後ろのほう、9月の頭ぐらいにピークが出ています。一方、西側の貧酸素水塊の状況はどうだったかというのを示したのが下なんですけれども、先ほど示したピークが後ろに出ていた2008年を見ていただきたいんですが、黒い点々のところで底層の酸素濃度のカレンダーごとの状況が書いてありますが、赤く塗りつぶしたところが40%の貧酸素状態だと言われるところです。
 ご覧のようにこの年は、やはり7月の中盤ぐらいから8月の後半ぐらいにかけて貧酸素状態が続いたんですけれども、先ほど申したタイラギが着底するような時期、9月の頭になりますとこの貧酸素状態が解消したということで、めでたくこの後ろにずれた幼生が着底したということでございます。
 一方、着底した幼生が2009年成長して漁獲加入するんですけれども、2009年の状態が赤い実線で描いてありますが、ご覧のようにこの年は非常に冷夏でございまして、かつ北寄りの風が吹いて貧酸素水塊が発達しにくい状況が続きました。ということで、ほとんど貧酸素を経ずにタイラギが漁獲加入したということでございます。
 その下はそれを端的に表したものなんですが、2009年というのは酸素飽和濃度20%以下の比率が近年では極めて低かったということで、これらを合わせても2009年は特異的にタイラギが立ったけれども、西部海域でタイラギが立たないのは貧酸素が原因になっているということで、これは前の委員会の指摘事項と全く同様でございました。
 一方、東側の海域は立ち枯れへい死ということが言われているんですけれども、それがどういう状況でなっているかということは今まで未解明でございました。今回それについて若干検討を加えましたのでお話をさせていただきます。
 次の図を見ていただきたいのですが、上がほぼ立ち枯れへい死をしそうなタイラギの貝です。それから下が正常な貝ですが、一目瞭然で立ち枯れをする前というのは、貝柱はもとより外套膜も萎縮してしまってものすごくやせているという状況でございます。その右側にあるのが、佐賀県さんがやられた立ち枯れへい死したときのタイラギの肥満度の状況なんですけれども、上から1991年、2000年、2002年になっておりますが、黒く塗りつぶしたところで立ち枯れへい死が起こっているんですけれども、肥満度を見ますと、いずれも立ち枯れへい死する前はタイラギの肥満度が下がっているというのがご覧いただけると思います。
 その次ですが、なぜそのように肥満度が下がっていくかということですが、左から強熱減量とタイラギの分布密度との関係のグラフ、それから中央粒径値と、タイラギの貝柱の歩どまりの関係をプロットしたもの、一番右が、中央粒径値と寄生性多毛類の寄生率の関係なんですが、いずれを見ましても、粒度が細かく泥っぽくなって有機物が多くなるとタイラギが住みにくくなるということで、立ち枯れは泥化が進んでいることが原因じゃないかということも言われましたので、そこについて関連を調べてみました。
 関連したようなグラフが4個続くんですが、泥分率の経年変化、それから中央粒径値、AVSと強熱減量等をそこに示しております。ざっと見ていただくとわかると思うんですが、1989年から2011年までを見ているんですが、どれを見ても顕著な底質の悪化を示すような傾向は認められませんでした。したがって底が悪くなってタイラギが立ち枯れへい死をしているということは、なかなか言えないんじゃないかなという状況でありました。
 じゃ、なぜなんだということで検討を加えたんですけれども、立ち枯れへい死と中腸腺の色素含量という要素です。要するにやせているわけですから餌を食っているか食っていないかということを、中腸腺に含まれる食べた植物プランクトンの色素量を調べてみたんですけれども、上のところに矢印で死亡と書いてありますが、ここが立ち枯れへい死をしたという時期でございます。その前を見ていただきますと明らかに中腸腺の色素含量が減っておる。餌を食べられていないということがありました。
 関連してその次のグラフなんですけれども、グリコーゲンの量も見たものがございます。これは佐賀県さんと水産総合研究センターのデータなんですけれども、いずれもそこに示したように立ち枯れへい死をする前にはグリコーゲン含量、要するに貝の栄養状態も極めて悪くなっているということで、どうも餌を食べなくなってやせているんじゃないかということがありました。
 次に、立ち枯れへい死と成熟の関連ということで1つの表を出しているんですけれども、四角で囲ったところがタイラギの成熟、産卵をするところ、大体6月の後半から9月の頭なんですけれども、そこを囲っています。やせてくると合併症としていろいろなところに病変が出てくるんですけれども、それの出てきたところをプラスで示しています。
 そうすると赤く囲ったところ、もしくは赤く囲う前、要するに産卵するかそこに至るところの過程で弱って病変が出ているということで、どうも産卵、成熟も関連しているようです。つなげて考えてみますと、餌を食べなくてやせている。それでなおかつ産卵に突入していって立ち枯れへい死を起こしているんじゃないかということが考えられました。
 福岡県さんにプランクトンの沈殿量というずっと長い間データをとられているものがあって、それが餌料生物である植物プランクトンの指標とならないかということで提供していただきました。これを見ていただきますと、1965年から近年までのプランクトン沈殿量の各地点の傾向を示しているんですけれども、やっぱり近年になるとプランクトン沈殿量は下がってきている、要するに餌不足が疑われるということでございました。
 もう一つ、なぜ東部海域で立ち枯れへい死が顕著に起こるかということに関しましては、海域特性があるんじゃないかということで、東側の海域というのは流入河川の大きいのがございますので、極めて濁った水が出てくる海域でもございます。そういうところを調べてみたんですが、実験室内でタイラギに浮泥を追加して餌を与えたもの、それから無機懸濁物、カオリンだとかベントナイトを加えて餌を加えたもの、それから飢餓にさせたものとを、15日間程度飼育をして中腸腺のグリコーゲン量を調べてみたところ、特異的に無機懸濁物を加えたところが餌を食べられていないということでした。どうも海域の濁り、特に向きの濁りというものが、タイラギの摂餌に影響しているんじゃないかということもわかってきました。
 こういう仮説は立てたんですけれども、その次の表をご覧いただきたいんですが、これは佐賀県さんが立ち枯れへい死の状況を取りまとめられたものです。例えばそこにへい死の時期というのがございますが、冬場から夏、春、秋、ずっと立ち枯れへい死というのはございます。それから立ち枯れへい死する貝の年齢も当歳貝、これは当然成熟しないわけなんですが、当歳貝から1歳貝と幅広い貝で起こっているということもございます。
 それから範囲についてもいろいろなところで起こっているし、状況もかなり違うようだということで、我々は仮説を餌不足だとか海域特性ということに今は置いているんですけれども、今後はさまざまなことをこういうデータの中から分析、分解していきながら、立ち枯れへい死については多面的に取り組んでいく必要があるんじゃないかということで結論づけました。
 続きまして、資源回復策の検討ということですけれども、冒頭にいろいろな委員の方々から施策についていろいろご意見もございました。現在までにもさまざまな方策がされております。そこには例として覆砂を挙げたんですけれども、まず覆砂をするとどうなのかということなんですが、1番目の図が諫早湾の覆砂をした結果でございます。青く塗りつぶしたところが覆砂をしたところのタイラギの分布の量です。それから赤いところがその対照区となっております。
 ご覧のように覆砂をすると明らかにタイラギの量が増えるということは諫早湾でわかりました。その次のグラフなんですけれども、これは福岡県の海域で同じように覆砂をしたところなんですが、白抜きのところが対照区で赤く塗りつぶした丸と青い丸が覆砂区なんですけれども、ここでもやはり覆砂をするとタイラギが立つということがわかってきました。ただ、グラフをご覧のようにタイラギは立つんですけれども、成熟していくと立ち枯れへい死を起こしていなくなってしまうということで、現場の漁業者の方の落胆が大きいのは変わりはございません。
 こういうようにタイラギが覆砂をすると立つということがわかってきたんですけれども、何とかそれを有効利用することができないかということで、西水研のほうで垂下養殖ということを、海底から切り離してタイラギを養殖してみようということでやったのが次のグラフでございます。
 黒い線で囲ったところが垂下養殖したタイラギの貝柱の重量で、その下のところが天然のタイラギなんですけれども、写真にも表しましたが、左側が垂下養殖をしたタイラギの貝柱、それから右側が天然、同サイズで比較しているんですけれども、明らかに底から切り離して垂下をすると極めて短期的に2カ月から3カ月で貝柱が太ってくるということで、健全な貝に近いような状態になってくるということがわかりました。今後せっかく立ったタイラギであれば、このように垂下養殖をしてみたり干潟に移植したり有効活用をして、なおかつ健全な母貝をどこかにストックしていくということも必要じゃないかということを考えております。
 それからその次なんですけれども、先ほど泥っぽいところにはタイラギは立ちにくい、生息しづらいということを挙げたんですけれども、ご覧のように赤いところが非常に泥分の高い海域で、西側というのはタイラギが立ちにくい状況になっています。
 しかし、2008年にはタイラギが立ったということで次のところを見ていただきたいんですが、泥っぽい海域でも原地盤の上にたまる浮泥の量を見てみますとかなりばらつきがある。泥の上に浮泥がたまったりたまらなかったりしているところもあるということで、なおかつどれぐらいの浮泥密度のところでタイラギが立っていくのかということをプロットしたのが、その下のグラフなんですけれども、浮泥厚が6ミリを超えるとタイラギの稚貝は立たないんですけれども、それ以下であればタイラギが立つということで、泥場でもこのように浮泥があるかないかによって随分とタイラギの分布に影響してくるということもわかりました。海底の浮泥を含めた状況を好転させることについては、海底耕うんということをやられるんですが、その次のところがそうなんですけれども、海底を耕うんすることによって先ほどの浮泥等を、すき込んだりまき散らしたりして海底の状況を好転させようという試みなんですけれども、やはり海底耕うんをするとタイラギが立ってくるということで、こういうことも必要なんじゃないかなということが示されたわけです。
 次は、タイラギが着底直後にどういうふうになっているかということを調べたんですけれども、左側が着底直後のタイラギの稚貝の分布、これは2.5センチ以下です。それから右側のほうが2.5センチ以上のタイラギの分布なんですけれども、この2.5センチ以下、2.5センチ以上という時期、ごく短期なんですけれども、この時期にオーダーが違うぐらい分布密度が下がるということで、ここで極めて急速な減耗が起こっている。しかしながら、ここで何が起こっているかということについては、まだ全然わかっていないということがわかりました。
 そもそも、そこに書いたように、幼生や稚貝を供給する母貝集団はどこにあるのかということ、それからリクルートの経路はどうなるかということも全くわかっていません。こういうことがわからないと母貝の状況を確認したり、それから効率的な対策の検討をするということもできないので、今後こういうことについてもやっていかなきゃいけないということになりました。
 最後になりますが、以上のことをまとめていきますと、やはり西部海域というのは貧酸素水塊によって漁場の悪化が起こっている、それから東部海域については立ち枯れによってかなりの減耗が起こっているということが、改めて明らかになったというわけです。それから先ほど申し上げましたが、リクルートを解明していかないと、なかなかこういういろいろな状況を改善していくことにもつながっていかないということもわかってきました。こういうふうにタイラギはまとめましたが、サルボウ、アサリについても同様な検討を行った結果を、ごくかいつまんでご説明したいと思います。
 続きまして、サルボウの資料に入っていきます。サルボウなんですが、そこに漁獲量を1980年から2009年までのところを示しておりますが、ご覧のように1995年をピークとして近年減少傾向なんですが、先ほど申し上げましたタイラギ、それからこの次にご説明しますアサリに比べますと漁獲量の減少については、軽度でおさまっているということで比較的安定した漁獲を保っています。
 しかしながら、近年おかしなことがぽつぽつ起こっておりまして、2011年は大量へい死が起こりました。そこに状況が説明してあるんですけれども、湾奥部の全域で大量のサルボウが死ぬということが起こりました。資源量の約5分の1が死んだんじゃないかというふうになっております。状況としてはその右側に写真が載っているんですけれども、上を見ていただくとほとんどやせて身の無い状態です。なおかつえらが、くしの歯が抜けるように壊死して抜けているということで、そういう状況でサルボウが死んでいました。
 なぜそういうことが起こったかということについて我々は仮説を立てて検討しました。その仮説のプロセスを書いてありますが、まず冬場の低水温が起こったんじゃないか、それから春先の餌不足があったんじゃないか、夏場に貧酸素と低塩分のストレスがあったんじゃないか、それによって状態が悪いまま産卵に突入していって疲弊して死んでいったんじゃないかということを仮定したわけです。この仮定に沿ってデータを検証していきました。
 そこに2011年の特徴として書いてあるんですけれども、まず左の上をご覧ください。赤いプロットは2012年、翌年の水温、それから黒い実線が平年の水温なんですけれども、2011年が黒丸で示してあります。ご覧のように春先から夏場にかけて低水温が続いたということがございました。
 それからその隣がプランクトンの沈殿量を1月から12月までプロットしたんですが、やはり2011年に関してはプランクトン沈殿量が非常に少なかった。春先のブルームが起こらなきゃいけないところ、それから秋のブルームが起こらなきゃいけないところも、例年それから翌年に比較すると非常に少なかったということで、餌不足が起こっていたということでございます。
 それからその下の段になりますと、これは2011年の湾奥の貧酸素水塊の発生状況、8月のデータなんですけれども、ご覧のようにやはり湾奥というのはべったりと貧酸素水塊に覆われていたということがございます。それと、その隣は2002年から2011年までのある地点の、塩分濃度が10%以下と15%以下の極めて低塩分になった日数を示しているんですけれども、2011年というのは低塩分の状態が続いた期間が長かった年だったということでございます。
 では、こういう状況が続いて本当にやせたり、えらが壊死したりするのかということで、それを室内実験でやったわけなんですけれども、えらの壊死の状況をレベル1からレベル3に区分しまして、次になりますが、水温25度で塩分を10から25、そのような状況の中で貧酸素に当てるものと当てないもので、それぞれの実験区のえらの損傷レベルがどうなったかということを示したのが、一番右の1、2、3というのがレベルでございます。それから、その下の数字というのがそのレベルのパーセンテージになっていますが、ご覧のように貧酸素水塊に当てて低塩分10%だと7割近くえらが損傷するということで、今まで挙げてきた天然海域で起こったことによってえらの壊死が起こるということがわかってきました。
 その次のところが今まで確認したところですけれども、我々の仮説のプロセスが、一応野外のデータとそれから飼育実験によって確認されたということで、ぽつぽつと起こるサルボウの異常なへい死というのは、貧酸素水塊や餌不足によってサルボウが疲弊して起こっているんじゃないかということがわかってきたわけです。サルボウに関してもリクルートが全然わかっておりませんので、タイラギと同じようにここのところをちゃんとやらないと、なかなか重点的な対策がとれないということもわかってきました。
 最後になりますが、アサリのほうに入っていきます。見ていただきますと、有明海におけるアサリの漁獲量というのは1952年から2010年までそこにプロットしてありますが、ご覧のように1970年から80年のピークを境にしまして2000年ぐらいまで激減しております。一時期いろいろな対策を講じたところ2002年あたりから2007年ぐらいまで回復期があったんですが、最近また減少して底を打っているという状況でございます。
 一体これはどうなのかということで、供給が本当にされているかということを示したのが次なんですけれども、左のほうに回復とそれから右のほうに激減という矢印がありますが、先ほど2002年以降の回復期のときの浮遊幼生の出現状況、これは熊本県海域なんですが、ここのところは比較的浮遊幼生の出現が見られたということです。ところが、資源が減少して底を打っているときになると、この幼生の出現に関してはだんだんと少なくなってきたということがございます。
 その次のところは長崎県の諫早湾の同じような浮遊幼生の分布の状況なんですが、同様に近年浮遊幼生の分布は非常に減ってきているんですが、左のグラフのオーダーを見ていただくとわかるんですが、オーダーが全然違うということでこちらのほうは、熊本県海域に比べると比較的幼生の供給は安定的に行われています。ただし、貧酸素水塊が諫早湾は先ほどからありますように極めて顕著ですから、そういうものによって資源の減少が起こっているという部分も見てとれました。
 熊本県海域の幼生が先ほど減少してきたということがあったんですが、なぜ起こっているかということを検討してみました。次が春と秋に着底した稚貝を調べたものなんですけれども、殻長10ミリ以下の稚貝の出現状況を1990年から2011年までプロットしておりますが、ご覧のように先ほど回復期と言った2002年から2007年ぐらいのところは、春先にたくさん稚貝が着底しておりましたが、近年それが極めて減少しているということで、特に春後の着底、いわゆる秋に発生する浮遊幼生の減少が原因じゃないかということが疑われました。
 次は、同じ漁場のアサリの肥満度の比較をしたんですけれども、青いプロットが先ほど言った回復期のアサリの肥満度、それから赤いところが激減期のアサリのプロットなんですけれども、明らかに卵を産んで供給する母貝集団の肥満度が下がっているということでございました。
 なぜそういうことになっているかということで先ほどから度々申し上げておりますが、指標としてプランクトンの沈殿量を調べてみたんですけれども、そこに1994年から2012年までのプランクトンの沈殿量をプロットしておりますが、明らかに右肩下がりで、なおかつ春と秋のブルームの時期に特にそれが出てこないというような状況が見られました。すなわち餌不足で貝がやせていって卵を産む量が減って、幼生の供給量が減ってきているという状況が見てとれたわけです。
 もう一つ、前からホトトギスガイの異常発生というのが非常に大きな問題になっておりましたが、そこに写真を示しておりますが、やはり漁場にホトトギスガイが異常発生してマット状になっているということで、幼生の着底も阻害しているという現状も確認されました。
 以上、まとめますとアサリに関しては、諫早湾周辺は比較的安定した供給があるんですが、熊本県沿岸から、それから福岡県のほうも含めてなんですが、東側の海域というのは幼生の供給が非常に細っているということが挙げられました。これに関してはどうも餌不足があるんじゃないかということでアサリのところを取りまとめております。
 最後になりますが、以上のモデル貝種3種を取りまとめまして共通課題、横ぐしを刺してみますと、そこの2つになるんですが、1つは先ほどから言っているように餌不足があるんじゃないかと、全湾的な基礎生産力の低下というものと、それから貧酸素水塊が長期に毎年出るということで、その海域に関しては二枚貝を含めたベントスが生息できるような状況がないということもございました。
 それから母貝集団がどこにあるのか、それからリクルートがどうなっているかということが、全くわからないのがこの3種でございましたので、今後に関してはこういうことをちゃんとやっていって、幼生の減少がどういう現状でそういうのが生じているかも含めて検討していかなきゃいけないということで取りまとめを終了しております。
 以上でございます。

○岡田委員長 続いてどうぞ。

○阿部室長補佐 続きまして、資料2-3について説明させていただきます。先ほど有瀧委員のほうから詳しいデータに基づいた説明がございましたけれども、その内容も含めて生物問題小委員会のほうにおきましては、その他発表にもない部分も含めて現時点でのまとめということで、たたき台という形で整理しておりますので、これにつきまして事務局より説明させていただきます。事務局の説明が足りなくてなかなか説明が行き届かない部分については、小委員会に参加していただいた委員のほうからあとでフォローをいただければ非常にありがたいです。
 見方ですけれども、非常に内容が多いものですから本文とデータ、図表集と、あと平成18年の委員会報告の連関図風に整理したものと3種類が同時並行で見えるように、別々のホチキスとじにさせていただいておりますので、それを見ながら内容を見ていただきたいと思います。
 それでは、資料2-3の説明に入ります。有明海の有用二枚貝類に係るこれまでの検討状況の取りまとめ(たたき台)、生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会。
 1.情報の収集、本委員会では有明海の有用二枚貝類のうち特にタイラギ、サルボウ、アサリの3種に関わる情報について、水産総合研究センター及び有明海沿海の水産研究機関が実施した調査研究の成果を中心に情報を収集した。
 整理・分析の方針でございますけれども、タイラギ、サルボウ、アサリについて現況の問題点を抽出し、それに基づいて平成18年の委員会報告に提言された複数の原因・要因を再評価していく方法で整理・分析を進めました。また、具体的な対策の検討、再生目標等の策定に役立てるためにタイラギ、サルボウ、アサリについて、漁場利用状況等を考慮した海域区分をした上での整理・分析をしたということでございます。なお、それ以外にも有明海ではいろいろな二枚貝がとれるわけですけれども、ハマグリ、アゲマキについては当面の小委員会での個別検討はしません。カキについては水質改善効果への寄与にも着目しまして次に取り上げる赤潮、貧酸素水塊の検討のときにやりたいと、また、クマサルボウ、ウミタケ等につきましては、生物生態系の中の分野で検討していただけないかということで、海域再生小委員会と調整しながら、生物問題小委員会での検討が必要となった段階で取り上げるということとしました。
 それでは、個別の話に移ります。タイラギでございます。過去からの漁場利用やその他の生息可能域を含めると有明海を、東部、西部、湾奥干潟域、諫早湾、有明海中央部以南の5海域に分けられると小委員会では思っております。そのうち今回は有明海東部海域、有明海西部海域、湾奥干潟域について整理をしました。なお、諫早湾につきましては、1993年以降実際の漁業が営まれておりませんので評価に必要な情報が得られなかったため、今回の評価対象から除外するとともに、有明海中央部以南については今まで漁場として利用されていなかったんですけれども、今後の幼生供給源として期待されるということで位置づけております。
 [1]でございますけれども、過去からの資源変動ですけれども、タイラギにつきましては卓越年級群を含む3以上の年級群により維持されてきた。ただし、立ち枯れへい死などで卓越年級群が形成されなくなるなど資源が減少傾向にあると、また、2008年の発生群については浮遊幼生密度とか西部海域を中心とした稚貝の分布密度が、高密度で成長速度も良好であったということが確認されておりますので、これらに基づけば2008年級群は卓越年級群であったと判断しております。また、直近の2012年におきましては、東部海域、西部海域とも成貝がほとんど確認されていないという非常に厳しい状況であったということで確認しております。
 [2]です。有明海東部海域の現況の問題点、問題点の原因・要因について、先ほど有瀧委員のほうからも説明がありましたとおり、やはり立ち枯れへい死ということが問題でありますということを確認しております。また、立ち枯れへい死の原因・要因につきましては、要は餌不足、濁り、その他の要因も含めて因果関係、原因究明の特定にしていかないといけないという可能性があることを推察しております。
 [3]西部海域ですけれども、先ほど有瀧委員からも説明がありましたとおり、底質の泥化という部分については、まず着底直後の稚貝の生残率を低下させるということでは確認されておりますけれども、その泥化がこの西部海域で起こったかどうかといいますと、高泥分域が拡大したような状況は確認されていないと、泥分率の高い底質状況でタイラギの稚貝というのは生息密度が低下する負の関係が確認されていると、底泥の表面に0.1ミリ以上の着底するための基質が存在すれば生残率の低下が軽減できるということと、また、浮泥によって着底基質が覆われることが幼生の着底を阻害している可能性が高いと推察いたしております。また、2008年以降も貧酸素状態を観測しておりまして、その後に生残率が急激に低下する傾向がありまして、底質の貧酸素化というのが西部海域の生残率低下の一番の問題であるということを確認しております。
 湾奥干潟域でございますけれども、こちらにつきましては貧酸素の影響を受けない。タイラギが付着藻類を中心に利用していて餌も環境が安定しているということで、総合的にはこのタイラギの主要地域の中では最も安定していると考えております。
 現況の問題点、問題点の原因・要因等のまとめですけれども、以上の[1]から[4]の問題点、問題点の原因・要因等を整理しましたということで、図の18とあと関係図の1から3ということでまとめさせていただいております。
 そこの中で特に18年の委員会報告では、ウイルス感染だとか寄生虫による影響だとかそういうふうなものが挙げられておりますけれども、それについては要因の一つではあるけれども、取り組むべき項目としては優先課題としては低いのではないかということを、この委員会の中では確認しております。
 また、ナルトビエイの食害ですけれども、こちらにつきましてもかなり駆除が続けられてきておるんですけれども、その駆除量が少なくなってきているのではないかという判断もありますので、今はこれを重要性が高いという判断はしなくてもよいのではないかということでございました。
 また、シャットネラ属のプランクトンは生残率低下の直接要因ではないと考えているということで推察しております。
 今後の検討の進め方についてでございますけれども、直近のタイラギの生息状況が非常に悪かったということです。特措法の目的であります水産資源の回復等による漁業の振興という観点を考えると、やはり漁業を続けながら効率的かつ計画的に回復させるという方策を考えていかなければいけないだろうということを、小委員会のほうでは思っておりまして、次の2つの視点に基づいて情報の収集、整理、分析を重点化しながら進めるということをさせていただいております。
 2つの視点の1つですけれども、漁獲対象となる成貝の確保です。これにつきましては先ほど有瀧委員のほうからの紹介もありましたけれども、東部海域が当面の主要漁場でございますので、こちらの立ち枯れへい死の原因・要因について早く特定し、その対策について検討していきましょうということです。
 2つ目ですけれども、有明海全体を見通した資源回復の方策、安定維持ということでございます。こちらにつきましては、まず有明海全体を見たときの母貝集団だとか幼生の発生供給ルートがわかっていないということがあり、母貝場だとか着底場の保護並びに環境改善をしつつ解明しながら進めていこうということでございます。
 また、濁りの原因となるような浮泥だとか浮泥の挙動だとか影響評価、浮泥からの影響回避対策についても検討していかなければいけないと、また、貧酸素水塊発生対策、貧酸素水塊被害対策も検討していきましょうということで、今後の検討について確認させていただいております。ただ、貧酸素水塊につきましては、海域再生対策検討作業小委員会からも当然ながら情報を求めながらやっていくということで考えております。
 続きまして、サルボウでございます。過去の漁場利用状況やその他の生息可能域まで含めると有明海におきましては、西部海域、東部海域、中央部以南及び諫早湾の3つのグループに分けられるのではないかということで小委員会で整理しております。このうち今回の整理におきましては西部、東部についてまとめましたということでございます。有明海中央部以南及び諫早湾については、今回の対象としては除外しております。
 資源の状況でございますけれども、傾向としては減少傾向ですけれども、タイラギ、アサリに比べると、その減少度合いは軽度であるという判断をしております。また、2011年に東部、西部両方の海域で秋季に大量へい死が発生しております。
 西部海域における問題点、問題点の原因・要因ですけれども、貧酸素水塊の発生による大量へい死、これが生残率減少の根本であると確認しております。局所的には淡水流入による影響、低水温による影響、餌料発生量の減少による肥満度低下が生残率の減少に影響を及ぼすと推察しております。
 東部海域の問題点ですけれども、こちらにつきましては2011年にへい死が確認されましたけれども、比較的安定した資源が維持されていると判断しております。2011年の大量へい死につきましては、冬季の低水温によるろ水量の低下だとか餌料の減少に伴う肥満度低下が、生残率の減少に影響を及ぼしたと推察しております。
 また、続きまして、現況の問題点、問題点の要因・原因ですけれども、タイラギと同じく海域別の整理、平成18年の委員会報告に基づく連関図上の対応ということで、図24、関係図4・5ということで整理させていただいております。
 また、委員会報告で指摘のありましたナルトビエイの食害につきましては、先ほどのタイラギと同じような理由によりまして、生残率低下の要因ではあるけれども、そのほかの要因から比べると重要性は低いと判断しました。また、シャットネラ属プランクトンは生残率低下への直接要因ではないと推察しましたということでございます。
 今後の検討の進め方でございますけれども、サルボウ資源については、タイラギ、アサリに比べると漁獲量の落ち込みは軽度であるけれども、盛期に比べると資源は大幅に減少していると、また、西部海域では夏季に発生する貧酸素で結局かなり死んでいることと、2011年に西部海域、東部海域両海域での大量死が起こっていることもありますので、同種については生残率低下のリスクの改善や資源の維持・管理を図るための情報の収集、整理、分析を、引き続き重点的に行うということでございます。
 その項目ですけれども、貧酸素水塊発生対策、貧酸素水塊被害軽減・回避対策、冬季から夏季にかけての餌不足の原因・要因の特定対策、資源を維持、管理するための母貝集団、稚貝供給ルートの解明と、母貝場、着底場の保護及び環境改善ということでございます。貧酸素水塊対策は、先ほどと同じように海域再生対策検討作業小委員会からも情報を求めながら進めるということでございます。
 続きまして、アサリでございます。アサリですけれども、漁場利用状況や生息可能域を含めると有明海沿岸浅海域、湾奥干潟域、諫早湾、有明海中央部以南の4海域に整理されると考えております。このうち今回は熊本県の沿岸浅海域、有明海湾奥干潟域、諫早湾について整理いたしました。有明海中央部以南ではアサリの漁業もほとんど行われておらず情報もないので、対象から外したということでございます。
 資源の状況でございますけれども、着底稚貝の発生が資源量に大きく影響するなど資源変動の非常に大きな種であるということと、有明海湾奥部及び熊本県沿岸浅海域では、2003年から2007年の間は資源は一時的に増大していたけれども、それ以降は低迷しているということを確認しました。
 熊本県沿岸浅海域の現況の問題点と原因・要因ですけれども、資源が増大した2003年から2007年に見られるような良好な秋季の幼生発生、稚貝着底が減少しておりまして、資源状況の低迷を引き起こしていると考えております。特に緑川河口干潟域は、有明海の主要な浮遊幼生の供給源である可能性があると考えております。
 産卵親貝の肥満度低下が確認されておりまして、幼生発生量の低下に影響していると推察されます。この要因としてプランクトン沈殿量の低下が確認されておりまして、秋季から春季の餌不足の可能性が考えられます。局所的、一時的な障害として浮泥の堆積による着底障害や、ホトトギスガイの繁殖による稚貝の成長阻害、底質環境の悪化なども確認されております。
 有明海湾奥干潟域の問題点、原因・要因等でございますけれども、熊本県沿岸浅海域からの浮遊幼生量の減少が生産量低下に影響している可能性があると考えております。昨年7月の九州北部豪雨によっても土砂の堆積が起こっておりまして、それで生残率が低下したということを確認しています。
 諫早湾の現況、問題点、問題点の原因・要因ですけれども、こちらにつきましては、泥質干潟を覆砂してアサリを移植するということで漁場が形成されているわけでございますけれども、夏季の貧酸素や低塩分によって生産量が低下しているということです。また、秋季から春季の餌不足によると推察される成長不良も確認しています。また、局所的にはホトトギスガイの影響、底質環境の悪化もございます。
 現況の問題点、問題点の原因・要因等のまとめでございますけれども、整理しましたということで図の32、関係図6から8ということでございます。委員会報告で指摘されましたナルトビエイの食害についてですけれども、こちらはアサリにおきましては熊本県沿岸浅海域を中心にまだまだ被害が出ておって、ほかの貝に比べればこちらの影響というのは気にしながらやっていかないといけないということです。また、シャットネラ属プランクトンは、アサリの生残率低下への直接要因ではないと確認しております。
 また、過剰な漁獲圧については、県等からの漁業者への資源管理指導の徹底が図られているということが確認されております。また、底質の細粒化については進行は確認されていませんけれども、アサリ着底への影響は依然として続いているという判断はしております。
 今後の検討の進め方でございますけれども、特措法制定以降アサリについては、覆砂による着底基盤の整備が推進されてきておりまして漁場の底質は安定しています。だからこちらにきちんと幼生を供給していくということが大事だということでございます。特に秋季から春季の餌不足が原因と見られる成長不良によって、幼生の発生が低下していると推察されていますので、秋季から春季の餌不足の原因・要因の特定、改善について情報の収集、整理、分析を進める必要があります。また、母貝群の所在や幼生供給ルートの解明についてもきちんとやっていかなければいけないということです。諫早湾につきましても餌不足の改善、夏季の貧酸素水塊の発生対策の情報収集、整理、分析をしていく必要があるということでございます。
 重点課題でございますけれども、秋季から春季の餌不足の改善対策、資源を回復させるための母貝集団、幼生供給ルートの解明、母貝場及び着底場の保護及び環境改善、貧酸素水塊発生抑制対策、貧酸素水塊被害軽減・回避対策を進める必要があるということでございます。
 次ですけれども、これまで個別の検討をしたわけですけれども、それを踏まえますと、共通項が多いですねということが分かったということでございます。[1]ですけれども、餌不足です。タイラギ、サルボウ、アサリ、それぞれで確認されているということで、特に3種の主生息域が分かれているにもかかわらず同じような現象が見られているということで、これは共通課題であろうということでございます。特に餌、プランクトンの発生は他方で赤潮の発生とも関係しますので、赤潮の検討の中で取り組んでいく必要があると考えております。また、赤潮の検討、貧酸素水塊の検討を特に並行して検討を進めていく必要があると考えております。また、貧酸素水塊の具体的な検討に当たっては、生残率の低下の機構解明と生息限界の閾値の特定も、あわせて行っていく必要があると確認しております。
 また、母貝群ということでございます。二枚貝について主要なタイラギ、サルボウ、アサリについてまだ主たる母貝群の存在というのが、十分解明できていないことが明らかになりました。タイラギ、アサリでは幼生数や着底稚貝の減少が問題になっているということもありますので、母貝群の状態を早急に確認する必要があると判断しておりますし、母貝群集団の探索を最優先課題とする必要があるということを確認しました。
 続きまして、卓越年級群の発生時の資源管理ということです。タイラギは卓越年級群の発生から次の卓越年級群の発生の周期が長期化し、また、その規模も縮小しているということを確認しておりますし、アサリにおきましては2003年から2007年の資源増大、タイラギにおきましては2009年の漁獲増、これがいずれも卓越年級群の発生がもたらしたものと推察されております。
 この後、熊本県沿海浅海域、有明海湾奥部のアサリについては、高漁獲圧の影響などで漁獲量は低迷するとともに、有明海西部のタイラギも貧酸素水塊の発生によりほとんどがへい死したと考えておりますけれども、この熊本県の沿岸浅海域、有明海湾奥干潟部のアサリについては、卓越年級群の発生が長期化、規模縮小するという中においては、現存する資源を長期的・計画的に有効利用していく、また、量的管理の導入の必要性について確認しております。
 他方、有明海西部海域のタイラギにおきましては、一度貧酸素水塊が発生すれば二枚貝の生残率を大きく低下させることが避けられないことを踏まえまして、卓越年級群の長期的・計画的な利用が困難であると判断せざるを得ないことから、卓越年級群が発生したときには母貝生息域への移植や干潟域への一時避難、養殖用種苗としての利用等も検討していく必要があるということを確認しております。
 また、関係者の連携による資源状態、生息環境モニタリング体制の構築ということでございますけれども、有明海において二枚貝類は母貝群、浮遊幼生、主要漁場が広域にまたがり分布するんですけれども、現状では国・県の連携した資源状態、生息環境のモニタリング体制がなかったという状況にあり、各ステージごとの生息状況、生息環境情報が共有されておらず、結果として各県単独での資源管理・資源回復方策が行われてきた。このため二枚貝類ごとで生活史の各ステージの生息域を抱える関係県と国が、共同で各ステージごとの生息状況、生息環境をモニタリングする体制についての検討も必要であるということを、まとめさせていただいております。
 以降、用語の説明といたしまして浮泥でありますとか濁り、基礎生産力、貧酸素状態、アサリの肥満度について説明をさせていただきましたし、あと引用文献もつけさせていただいております。
 説明は以上です。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 それでは、今ご説明いただきました資料2-2、2-3、あわせてご質問等がありましたらお願いしたいと思います。
 どうぞ。

○清野委員 資料2-2の中で最終的にどういうふうに選んでいくかということを伺いたいんですが、例えば重点海域の探索ということで、母貝集団を把握してそれをきちんと守っていくために、もうちょっと箇所を特定しようということとかが入っているかと思います。そのあたりの見通しとか選定の方法、そして、特に環境省さんのほうに伺いたいのは、現在、生物多様性の検討の関係で、生物学的・生態学的重要海域の選定作業というのを進められていると思うんですが、そういったものとの連関とかそのあたりを、特にモデル箇所の選定が大事だと思いますので教えていただけたらと思います。

○岡田委員長 有瀧先生、どうぞ。

○有瀧委員 まず方法論なんですけれども、ご存じのように浮遊幼生の場合は現状では極めて種判別が難しいということがございまして、そこのところについては水産総合研究センターのほうで、PCRであるとかモノクロであるとか、それで判別するような技術開発を行っております。近日中にそういう方法論を確立して、関係県の方々とモニタリングをやっていこうということで、現在進行形で進めているところです。
 よろしいでしょうか。

○清野委員 重要海域というのは選べるんですか。要するに浮遊幼生だけじゃなくて、稚貝みたいなもうちょっと場所に着底しているものだったら可能かもしれないんですけれども。

○有瀧委員 そういう調査も計画していて、あとシミュレーションモデルによって逆戻りをしていって母貝集団の検討をしようということもやっておりますので、シミュレーション作業である程度の目処をつけて、現地の調査をしていくという算段になるんじゃないかというふうに思っております。

○速水委員 小委員会委員の速水ですが、まずここでは母貝の話が大きく出ていますけれども、母貝の集団とそれから浮遊幼生期間の生残率の問題、それから着底率の問題、それから着底直後と稚貝の初期減耗と、段階としては4段階あって、どこの部分が大きな問題になっているのかという実態がまだわかっていないのです。それで、こうしたことを浮遊幼生の調査や稚貝の分布なんかを通じてこれから進めていくと、これが1つです。
 それから母貝集団については、必ずしも多くの母貝がいなくて漁獲対象になっていないようなところでも、ある程度の年齢の母貝がぽつぽつとあって、それが母貝集団になっている可能性があるという判断をしています。そうなると今漁業が行われている海域以外にも母貝が分布している可能性がありまして、それについてはまだどこがということは判明していないので、これからモデルと現場調査をあわせて検討していくという状態です。

○清野委員 そういう非常に精緻な進め方というのもとても大事だと思います。その精緻な進め方とする前の時点で今日いただいている資料の中だけでも、何とか海域と大きいゾーニングがあるだけじゃなくて、結構この干潟のこの箇所は重要な場所かもしれないとか、もうちょっと空間的に絞り込めるような場所があるような気がするんです。それを傷めないように注意をしていくというのはあると思うんです。
 具体的には私が今見る範囲で言うと大牟田の三池港の周辺というのは、予想以上に重要な海域なんだなというのが今日の資料でわかったんです。その場合は例えば今、三池漁港の航路管理とか今後の防波堤の延伸だとかというときに、ここはやっぱり重要な海域なので殊さら注意されたしということを港湾管理者に言うとか、港湾がこちらのほうで多分航路埋没とかの調査もしているので、そういう泥のダイナミクスみたいなものを含めてここの海域を、重点的に管理者と一緒に検討していくとかそういうことが多分可能だと思うんです。だから、かなり大きなゾーニングをしていただいてここまで迫ってメカニズムもわかってきて、かつ有瀧委員や速水委員がおっしゃったような方法論的な目処もついてきているということで、その作業を引き続き進めていただくことは重要だと思います。
 一方で、今日これだけの材料があったら私自身は、幾つかの港湾とか河川とかに対して、この部分に関しては要注意だから、その管理者の中で認識するということは、そういう場を伝えながら多分現場の水産試験場とか研究者と一緒にそこの海域の重要性等を認識して、さっき私が前の発言で言ったような動きに移ることというのは十分可能だと思います。
 ですから今日こういった情報をいただいて非常に有用でしたし、また、逆にそういった精緻な検討をされる側も、沿岸域管理の中でこの海域は誰がどういう行為を行っているかということは漁業以外の情報も入れていただいて、ぜひそういう関係者にも本当に重要な海域だから注意してくださいというのをどんどん言っていただければ、そういった管理者だとか事業者というのも十分注意することはできると思います。
 以上です。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○名倉閉鎖性海域対策室長 そういったことを言っていくためにも、どこでどういうことが起こっているかということを解明するのが重要であると思っております。
 それから生物多様性の件につきましても、どこの部分をどういうふうに重要海域として特定することが可能なのか、可能じゃないのかということも含めてこういうところで明らかにしていきまして、また、生物多様性についてはほかの部局でやっておりますので、そういうところと連携をとっていくことが重要であると思っております。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○中田(薫)委員 資料2-2の一番最後に、主要3種における共通課題を大きく2つに分けていただいています。このうち、餌がトレンドとして全体的に減っている。これは多分貝類全体に言える。けれども、貧酸素水塊についての応答は多分貝によって違う。例えば2008年にタイラギはすごく大きな影響を受けたけれども、ほかは貧酸素の影響がそれほどクリヤーでない。なので1番について、ざっとくくってしまうんじゃなくてもう少し丁寧な見方が必要ではないかと思いました。全体のトレンドの話とイベントに対応した個々の種類の話というのを、もう少し分けて検討し、その上でもう一回まとめ直していただくとわかりやすいかなと思いました。

○岡田委員長 いいですか。

○有瀧委員 おっしゃることは十分理解しました。事務局と一緒にやりとりしながらやっているときにそういう意見も出ました。今回はこういうことでまとめさせていただきましたが、本委員会の意見を入れながら継続的にやっていくということにしております。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。
 楠田委員。

○楠田委員 楠田でございます。
 幾つかお願いとお教えいただきたいことがあります。この中で1番目が秋から冬、春にかけての餌不足というところがかなり強調されていたんですけれども、記載されていますようにノリとの競合があると思われるんですけれども、ノリを減らせば増える可能性があるという判断でよろしいのでしょうか。それが1番目です。
 2番目のお願いは、リクルートのラインがよくわからないというご指摘を繰り返しいただいたんですけれども、シミュレーションである程度推察がつくんではないかということですので、この小委員会の結論が完全に出る前に実施していただくことはできないでしょうか。そうするとかなり保全が進む可能性があると思います。
 それから3番目は、沿岸の各県で相談するシステムをつくる必要があるというご指摘だったんですけれども、関係県の知事の会議というのができ上がっていて機能していない部分がありますので、それを活用するということはかないませんでしょうか。他部局だと言われるかもしれませんけれども、一応は県の間でそういう組織があるように伺っています。
 それと次はちょっと難問なんですが、ここでは有用二枚貝類というのを対象にされています。有明海全体の環境保全、水質保全を考えますと、無用の貝類も機能が結構高いので、有用二枚貝がいわゆるろ過食者の何%ぐらいなのかというのをお教えいただけますと、全体を勘案するときのシステムの中の計数として入れることができるんではないかというふうに思います。
 あと細かいことはまた個別にお教えいただけたらと思います。ありがとうございます。

○岡田委員長 今4点いただいたご質問のノリ、母貝のシミュレーション、それから最後の有用二枚貝のほうは、まず有瀧先生のほうからお答えいただいて、県知事会議のほうは環境省のほうがいいかと思いますので。

○有瀧委員 お答えできる範囲でお答えしたいと思います。
 基礎生産のところでどういう具合でそういうふうになっているか詰めていくべきだと、それには海域の中での漁場管理というところも検討していくというご指摘だと思います。これについてはまず1つお断りしなきゃいけないのは、今回データのベースとなっているのがプランクトン沈殿量という漠とした値なんです。現状で長期のスパンで基礎生産を検討する情報としては、それしかなかったので現在これでやっておりますが、今後さまざまなデータをまだ各県さんが持っておられますし、いろいろなところにございますので、それを検討しながら詳細にどういうことが起こっているかということを、まず確認したいということが1点です。
 それを明らかにした上で、なおかつ漁場管理自体をどうするかということが検討の俎上にのってくるので、今後ノリも含めて有明海をどう使っていくかということは、関係者が検討すべき重要案件だということは認識しております。
 それからシミュレーションに関しては、現状でやればできることなんだからやりなさいということなんでしょうけれども、我々もそういうことは考えておりまして、関係者の間でそういう要望を上げて各所にお願いをするということを現在進行形で行います。
 それから有用、無用という言葉がございましたが、ベントス全般の中で水産生物がどういう機能をしているかということを明らかにしなさいということだと思うんですが、これについては海域再生のほうでベントスの調査も十分やられておりますので、そちらのほうで全体を含めた収支のほうが検討されるんじゃないかというふうに私どもは期待しております。
 私のほうは以上です。

○岡田委員長 じゃ、あと環境省のほうから簡潔にどうぞ。

○阿部室長補佐 ご指摘のありました各関係県の情報のやりとりという意味ですけれども、今回小委員会を開催するに当たりましてかなり県が、自分のところの情報を持ち寄って代表委員を出しているということもありまして、協力していただいている体制があったからこそここまでのデータがそろったというふうなことで思っております。
 それで、今後この検討をまだ続けていかないといけないという状況の中にあっては、引き続き県からの情報を小委員会の場なんかを使って共有しながら、自分たちの漁場に有用な情報、有明海全体に対して有用な情報を、お互いに出し合うというふうな体制を構築していくという体制づくりも、その中でやっていくべきであるとは思っております。

○速水委員 ちょっと補足をよろしいですか。

○岡田委員長 まず楠田先生のほうからどうぞ。

○楠田委員 情報の収集では確かにそのとおりだと思うんですけれども、各県独立の施策を打っているときに、連合的な1つのシステムとしての施策の打ち方に対しては、知事さんなりがちゃんと話を決めて全体で実施していく必要があると思っています。ですから眠っている組織を生かしていただける可能性はないかということなんです。

○阿部室長補佐 この評価委員会の結果である程度協調して、ある程度の対策を打たなければいけないということになれば、当然国の機関、関係県が協調しながらやっていく体制を、行政府として整えていかなければこの評価委員会の結果が生かされないということになりますので、そこにつきましては、今後の対策の検討をしていく手順の中で評価委員会のほうからも示していって、そういうふうなものの体制を行政府側に提示していくということでしていかなければいけないと思っております。

○岡田委員長 どうぞ。

○速水委員 先ほどの有瀧委員の説明に対して少し補足しますと、環境省の有明海貧酸素水塊発生機構実証調査事業という事業の中で、ノリと植物プランクトンの有明海奥部における生産量の大ざっぱな見積もりの比較がされていて、植物プランクトンの生産量のほうが1オーダー大きいということです。ですのでバルクで見た場合にはノリを減らしてもそれほどはきかないだろうと思います。ただし、細かく海域別に見たり、あるいは細かく時期別に見ていった場合にはきいている可能性があるので、今後そういった検討をしていく必要があると思います。
 次に、浮遊幼生のリクルートに関してですが、これはシミュレーションでの検討は1年ぐらいかけて答えを出すつもりでいますけれども、同時にモデルで幼生を流した源のところに本当に貝がいるかどうかというような検討も必要ですので、そちらと同時並行でしていきたいと思っています。
 それから、有明海全体の水域保全に対する「有用ではないベントス」の影響ですけれども、バイオマスベースで見た場合には圧倒的にサルボウ、アサリ、タイラギ、主にそんなところですが、こういった有用二枚貝の寄与が大きいのです。ですから、これから先、定量化していく必要はあるのですが、オーダー的にはそれほど大きいものではないだろうと思います。有明海奥部の場合は大型の貝類はそれ以外のものはほとんど今は死に絶えているという状態ですので、影響は小さいだろうと考えています。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 ほかによろしいですか。
 どうぞ。

○山田委員 さっきからおっしゃっておられる資料2-3の8ページの餌不足のところです。さっき漠としたというふうにおっしゃられて、まさにそのとおりだと思います。沈殿量と書いてあるんですけれども、この沈殿量が多くなるのは、植物プランクトンでしたらキートセラスやユーカンピア、そういうふうに空間的にボリュームを持っている種類が、増殖すると沈殿量が多くなるという傾向がございます。それで、やはりここでそういうふうな減少傾向が見られているんでしたら、そのように組成が変化しているかどうかの確認を一度なさったほうがいいと思います。それで、今後のシミュレーションにつなげることを考えますと、やはりクロロフィルと非常に関連の深いCNPで評価していただくほうが、もっと説得性があると思います。
 それと、植物プランクトンの密度が落ちてくると、沈殿量が減ってきて餌不足になるということを類推するのならば、これは有明海の透明度の増加だとかいろいろな環境要因の変化にも結びついてきますので、ぜひここは植物プランクトン組成の変化をきちっと押さえていただければと思います。

○有瀧委員 どうもありがとうございます。
 このプランクトン沈殿量のデータは、ある県ではサンプルをずっと置いておられるので、それについては中身について今おっしゃったような組成について、今検討されて論文を出されているところもあります。冒頭に事務局のほうから赤潮が次の課題になるとありましたが、赤潮のところで詳細な内容については、ご指摘いただいたクロロフィルの量であるとか透明度も含めて、漁場環境の中で検討していきたいというふうに思っております。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 まだまだたくさんご意見等があるかと思いますが、最後に委員長。

○滝川委員 再生小委員会の委員長の滝川ですが、今お話を聞いていて生物のほうの小委員会のほうでは、いろいろな有用二枚貝類を例にとられて、それの物理的な要因と競合種あるいは、生活史に応じた非常に細かいご検討をなさっているというふうに思います。ただし、ずっと一つ一つの説明項目について仮説がかなりたくさんあって、わからないところは我々の再生小委に任せますというふうな表現になっているので、非常に責任が大きいなというふうにお伺いしております。
 その点で幾つかコメントを申し上げたいと思いますが、今、要因・原因を分析されるときの仮説を、いかに科学的に根拠として求めていくか、そこが非常に大事なことで、最終的にくくると一番最後に書いてあるこの2つの項目ですよと、そこも非常に粗過ぎるというご意見はもっともだというふうに思います。
 そういった意味で、数値シミュレーションでやりますということと同時に統計学的なデータをとられているので、それをもう一度再整理して要因・原因をきちっと明らかにするような分析をやる。何がきいているのかということを、もう一度分析するということも含めてやっていく必要があるなというふうに思います。それをベースに我々の委員会のほうと生物のほうの委員会との連携を図りながら、何が大事かということを海域ごとにまたやっていく、そうすると、ここの海域はこういう特徴だからこういうことが打てますね、という対策にきっとつながっていくだろうなというふうに思っています。そのような方向で協力しながらやっていかなきゃいけないなというふうに思っていますので、また今後ともよろしくお願いしたいと思います。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○有瀧委員 ご指摘のとおりです。
 今日は先ほど申し上げたように、本委員会で我々の取りまとめのたたき台を出して、皆さんにご意見をいただきながらまた詰めていくという姿勢でございますので、ぜひ滝川先生の小委員会と一緒にやらせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 今、有瀧委員長、それから滝川両小委員長のお話がありましたけれども、有瀧先生の委員会でも、ある意味でデータが十分でないところは百も承知の上で仮説というほどではない、場合によっては仮説に近いものも全部出してご意見をいただくということをとられました。そういう意味では、多分真剣に見ていくと100も200もご質問があるのではないかというふうに思います。
 それをお受けしていますと、今日は5時になっても6時になっても多分会議が終わらないと思いますのでお願いがございます。お気づきの点は、ぜひメールなり何でも結構ですので、お気づきの点、それからご質問、これはおかしいというのももちろん大歓迎でございますので、ぜひ事務局のほうにご意見等をお寄せいただければありがたいというふうに思います。
 最後にそれをお願いして終わる前に、資料2も含めてぜひ何かご意見、ご質問等ございますでしょうか。全体を含めて。
 1点だけ、どうぞ。

○清野委員 休眠しているとは申しませんが、環境省の九州事務所さんのほうにできたらもうちょっと汗をかいていただいて各県の取りまとめとか、さっきのような沿岸の管理者がいろいろな分野にわたっていますのでそういう場を、会議を持っていただく連絡調整だけで結構ですのでしていただけると助かります。さっき私が提案したことも誰が呼びかけるのかとか、知事会の何とかというのがちょっと不鮮明だったので、ぜひそういうのを要望ということでよろしくお願いいたします。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 これはよろしいですね。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議題は、ちょうど時間になりましたのでこれまでというふうにさせていただきます。くどいようですけれども、ぜひご意見をお寄せいただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題、その他ということで事務局のほうから何かございますでしょうか。

○阿部室長補佐 その他でございますけれども、まず2点ございます。1つは次回のスケジュールでございます。小委員会での検討結果を、この本委員会でさらにもんでいくというスタイルをとります。それで次回のスケジュールにつきましては、実は委員会が再開しましてから今年の10月で2年が来ます。委員の任期が2年間ということになっておりますので、次回については小委員会の検討の結果も報告したいので、任期の2年を超えた11月ごろに1度お集まりいただいて報告をさせていただきたいと思います。小委員会の結果の報告をさせていただきたいと思っております。ということで次回のスケジュールは11月ごろと、そのころには例えば生物小委員会のほうの赤潮の検討もまとまっているでしょうし、そういうふうな報告をさせていただけるのではないかと思います。
 続いてですけれども、議事録の確認です。議事録の速記が上がりましたら各委員のほうにご確認のメールをさせていただきますので、ご確認をよろしくお願いします。
 以上でございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 よろしいですね。
 それでは、これで本日予定されていた議題をすべて終了いたしました。
 以上をもちまして、第31回の有明海・八代海等総合調査評価委員会を閉会させていただきます。議事進行へのご協力に御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

午後3時32分 閉会

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