第18回有明海・八代海総合調査評価委員会 会議録

1.日時

平成18年1月30日(月) 13:30~16:00

2.場所

中央合同庁舎5号館22階 環境省第1会議室

3.出席者

委員長 須藤隆一委員長
委員 相生啓子委員、荒牧軍治委員、伊藤史郎委員、大和田紘一委員、岡田光正委員、楠田哲也委員、小松利光委員、三本菅善昭委員、滝川清委員、原武史委員、細川恭史委員、本城凡夫委員、森下郁子委員、山田真知子委員、山本智子委員
臨時委員 菊池泰二委員
事務局 環境省水・大気環境局水環境担当審議官、水・大気環境局水環境課長、水環境課閉鎖性海域対策室長、閉鎖性海域対策室長補佐

午後1時31分 開会

○環境省閉鎖性海域対策室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第18回の有明海・八代海総合調査評価委員会を開催いたします。
 先生方におかれましては、毎度のことでございますけれども、お忙しい中、ご出席を賜りましてありがとうございます。
 若干遅れておられる先生もおりますが、本日は、中田先生から事前に欠席というご連絡をいただいております。山口先生、清野先生、お二人からは今日どうしても急遽都合がつかなくなったということで、ご欠席ということで、都合3名の方がご欠席でございますけれども、18名の委員の方にご出席いただくことになっておりますので、定足数は満たしております。
 議事に入ります前に配付資料の確認をさせていただきたいと思いますけれども、お手元に資料1から資料5までございます。議事次第のあと、資料1が「委員名簿」、資料2といたしまして「平成17年度版文献概要リスト一覧表」、資料3といたしまして「平成17年度版文献シート」、資料4といたしまして「今後の小委員会の活動について」、資料5といたしまして評価委員会の「中間取りまとめ(素案)」というものでございます。それから、参考資料として「国内外の閉鎖性海域における再生に関する取り組み事例の整理」というものがございます。それから、リストには載っておりませんけれども、国土交通省の方から「中間取りまとめ(素案)に対する意見」ということで1枚提出されております。
 以上でございます。不足がございましたら、お申し出いただければと思います。
 それでは、以後の議事進行につきましては須藤委員長の方によろしくお願いを申し上げます。

○須藤委員長 皆様、こんにちは。委員の先生方、大変ご多用の中をお繰り合わせ、ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。また、環境省の事務局の皆様、それから関係4省の皆様、及び関係5県の皆様には、同じようにお繰り合わせ、ご出席いただきましたことをお礼申し上げます。また、本日も大変多くの方に当委員会の傍聴においでいただきましたことも、重ねてお礼を申し上げたいと思います。
 それでは、本日の議事の予定でございますが、先ほど環境省の方からお話がございましたように、本日は、その他まで含めて3議題ございます。そして、終了時間は16時を予定しております。大体この程度を目途に議事を進めていきたいと考えておりますので、議事進行にもどうぞよろしくご協力をお願いしたいと思います。

小委員会における作業について

○須藤委員長 それでは、早速議題に入らせていただきます。
 最初の議題は「小委員会における作業について」でございます。小委員会の委員長をなされております荒牧委員からご報告をお願いいたします。
 荒牧先生、お願いいたします。

○荒牧委員 それでは、報告をさせていただきます。
 平成17年度の小委員会の作業成果として、お手元に配付しております「平成17年度版文献概要リスト一覧表」と「平成17年度版文献シート」を作成いたしました。小委員会では、平成16年7月から平成17年5月の間に、大学などから発表された文献を収集整理してリスト化を行いました。
 資料2の「文献リスト」の1ページにありますように、文献は我々の方で分類しております8分野で、総論文数が109編ということです。小委員会の先生方に専門に応じて109の文献を精査していただきました。その中から評価委員会の参考になると思われる文献について、資料3の「文献シート」を作成いたしました。資料3の2ページから分野別にシートの一覧を掲載しております。シートの内訳は、干潟に関するものが5、潮流・潮汐に関するものが10、汚濁負荷に関するものが3、流入河川が1、赤潮、貧酸素水塊が6、水産資源が4、その他が4ということで、5番目に分類しました土砂採取については該当するものがありませんでした。
 今後、この評価委員会の審議においてぜひご活用をお願いしたいと思います。
 ただ、この小委員会の中で、この評価のあり方といいますか、これをどうしようかということで2回ぐらい同じテーマでもめたわけですけれども、それは私の方からこの評価委員会に報告するということを前提に挙げていただいた文献がございます。特に申し上げますと、資料2の36ページの「干潟の底質環境の変化とベントス群集への影響-有明海の砂質干潟を例として」という副題がついておりますが、そのことについては、右側の備考にありますように、審査をされた委員の方は、このことが本当に原因だろうかということは疑わしいところがあるけれども、アサリという非常に大きな水産資源の、いわゆる減少に関係すると思われる原因を挙げているというところでは、今後の研究の成果についてチェックをお願いしたいということを前提に、この評価シートの方に挙げるということで、必ずしも評価者との意見は一致していないということが前提だということでならば挙げていただくことに賛成であるというふうに評価をいただきました。そういうふうなものがあることを承知の上、右側の備考の欄も読んでいただきまして、どういう評価でこのことが採用されたかというか、上の方に挙げてきたかということもご参考にしていただきたいと思います。
 それから、参考までに、小委員会の委員の方々にこの論文を読んだときのそれぞれの感想といいますか、考え方をお聞きしました。そこで主なものを紹介させていただきたいと思います。
 まず、有明海で赤潮の増大、透明度の上昇、干満の差の減少が言われているけれども、八代海の方でも同じ現象が生じている。広い範囲で見ていく必要があるのではないか。例えば有明海に比べて八代海は潮位の観測点が少ない。例えば三角の次は枕崎にしかないとかといった状況で必ずしも観測体制が十分でない。もっとデータを集めていかないと間違うおそれがある。すなわち有明海の方だけを見ていては八代海との関係で間違うおそれがあるのではないかという意見が出ました。
 それから、潮流・潮汐については、観測結果が出てきて議論が深まっているけれども、まだわからない点が多い。調査が個々にやられている印象があって、いろいろな機関が集まって大々的な観測をした方がいいと感じている。それは論文を読まれた方の印象です。それから、潮流というものが巻き揚げ、透明度、それから底質の細粒化に関係があるという話をするけれども、それを計測しようとしても気象、海況の影響によって把握ができないということがある。県ではそこまでできないので、それを確認するには底質調査、それに伴う気象であるとか、海況であるとかというデータが相互に関連していなければいけないけれども、それを県単独でやることは非常に難しいということが言われました。それから、海域全体の流れに関する研究が望まれていて、特に冬期の水温の上昇と生態系への影響についても、あまり手がつけられていないのではないかということがありました。これからそういうことも研究を続けていっていただきたいということです。
 それから、参考のためにもう一つ紹介をしておきます。これは有明海・八代海関係の4県と西海区水研との会合で意見が出ましたので、それを紹介させてくださいということがありましたので、ここでも紹介させていただきたいと思います。
 各県が特措法に基づき再生事業に取り組む一方で、調査によるデータ収集と原因の探究も行うことは難しいという意見がある一方で、各県は、原因を想定しながら漁業ができるように覆砂などの具体的な対策事業を行っています。原因と対策は密接で不可分、片手間で対策をやっても効果が期待できない。原因をもっと整理して対策と結びつけなければいけないのではないか。
 それから、原因は非常に複雑で総合的なものである。これという原因がなかなか出ないということは十分理解できる。だけれども、ここに幾つかの要因は出ていると思われるから、それをもとに再生対策事業を詰めていきたい。
 すなわち、いずれの意見も原因と再生策をつなげるという作業について現場は非常に苦労している。対策をやりなさいということで対策をやって、それと原因とがどうつながっていくのか。原因の方を分析しようとして対策の方が先に来たりということで、現場の方は対策と原因との関係で非常に苦労しているという意見が出されました。
 それ以外にも各委員の先生から意見が出されましたので、小委員会の議事録をご参照いただきたいと思います。
 それから、今後の小委員会の作業予定をまとめましたので、報告させてください。
 主な作業の内容としては、平成17年6月から12月まで、ちょっと半端な期間ですけれども、この評価委員会の取りまとめがありますので、それに参照するにはこれまでが限度であろうということで、平成17年6月から12月までの文献について、引き続き同様の作業を行うこととしました。
 それから、この評価委員会の取りまとめに関して、小委員会においても検討するということについて承諾を得ました。
 次回の第8回の小委員会を、文献の精査作業を終えた今年の4月または5月に開催を予定しておりますので、18年度版の文献概要リスト、文献シートの承認、評価委員会の最終報告に向けた意見交換を行う予定です。
 これは私の意見ですけれども、小委員会と評価委員会との会合、あるいは小委員会委員の評価委員会への出席といったことも、小委員会で検討してきた事項を反映させる方法としてこの委員会でもご検討いただければと思います。
 以上で私の報告を終わります。

○須藤委員長 荒牧先生、ご説明、どうもありがとうございました。
 私は、小委員会にも出席をさせていただいておりますので、荒牧先生がご説明されたとおりでございまして、特に後半で述べられた問題、原因と対策の部分等については、大変多くの委員がおっしゃっておられた点でございまして、今日の取りまとめの中でも議論をしなければいけない問題かというふうに考えております。
 また、最後の方でおっしゃっていただいた、小委員会の意見を評価委員会にどういうふうに反映させるのかということについては、しばしば議論になっている問題でございまして、私としては、小委員会との合同の委員会、あるいは評価委員会にご出席をいただくとか、いろいろなやり方があろうと思いますが、いずれにしましても、小委員会のメンバーの先生方と一緒に議論をしていく場というのは必要であろうと感じておりまして、ただいま荒牧先生がおっしゃったことについては、小委員会においても私から発言をさせていただいているところであります。
 しかしながら、そうは言っても、時間の制約やらその他いろいろな制約もございますので、中間報告の取りまとめぐらいのところまではご一緒にさせていただく余裕はあまりないのかなと思っておりました。次の最終取りまとめに向かってはそういう場を持つような機会を持ちたいということで、事務局にもお願いをしているところでございます。そういうことで、もしそのことについてもご意見があれば、また委員の先生からおっしゃっていただければと思います。
 それでは、荒牧委員からのご説明と、私も多少追加をさせていただきましたが、その問題につきましてご質問なりご意見があればどうぞお願いいたします。

○須藤委員長 ただいま事務局からご説明がありましたが、荒牧先生から先ほどおっしゃっていただきましたように、小委員会の先生方には、また引き続き大変な作業をお願いするということになったわけでございまして、荒牧先生を通して、小委員会の先生に、どうぞよろしくお願いをしたいということをここでつけ加えさせていただきたいと思います。
 どのように小委員会の意見をこの評価委員会に、最も効果的に反映させるのかということにつきましては、先ほどのような合同委員会のようなものもあるのですが、事務局と十分に相談して、効率よく反映させられる方法を考えていきたいと思っております。
 ほかにご質問なりご意見がありましたら、お願いいたします。
 よろしゅうございますか。
 それでは、ここで合同委員会をやるということを決めるのは、いろいろなことで制約もありますでしょうから、そういう方向を目指して事務局と相談させていただいて、中間報告の取りまとめ直後ぐらいからやって、最終報告では必ずそのような合同の会が持てるように委員長としても努力をしたいと思いますので、よろしくご配慮いただきたいと思います。

中間取りまとめ(素案)について(1~3章)

○須藤委員長 それでは、次の議題に参ります。「中間取りまとめの素案について」でございますが、素案では、1章から3章がこれまでの整理、4章が最終報告に向けた検討課題となっていますので、2つに分けて議論をお願いしたいと考えて思います。
 まず、1~3章を事務局からご説明願います。どうぞお願いいたします。

○環境省閉鎖性海域対策室長 それでは、資料5につきましてご説明をいたします。今委員長からお話がございましたように、まず、第1章から第3章まで、これは基本的にこれまでの評価委員会でいろいろ報告されたものをベースにつくっておりますので、まずそれを説明させていただきます。
 なお、この資料につきましては委員の先生方あるいは関係機関には事前にお送りさせていただきまして、若干ご意見、コメントをいただいたものについて、修正できるものは修正しておりますし、関係省庁の方から、この委員会でもう少し議論をしていただけないかというコメントもいただいておりますので、それにつきましては、この資料の説明の中で適宜ご紹介をさせていただきたいと思います。
 早速資料をごらんいただきたいと思いますけれども、最初は「検討の背景」ということでございますので、簡単にしたいと思います。1ページ目は位置でございますけれども、2ページ目に諸元ということで、ほかの東京湾、伊勢湾、大阪湾等と比較をして有明海・八代海の特徴はどうかということで若干書いてあります。規模的には同じ程度ですけれども、有明・八代につきましては干潟が大きいとか、潮位差が大きいとか、閉鎖度もかなり大きい、それに対して流域人口は比較的少ない、その辺が特徴になっているかと思います。
 3ページ以降、水質と漁獲量等の変遷でございます。この辺も詳しい経年変化は第3章の方で解析がありますので、ここでは簡単に概要を述べております。水質につきましては、公共用水域の水質調査の結果、関係県による最近のものを整理しております。ここにありますように、有明海については湾の奥の方がCODが若干高くなっているということですけれども、経年的には横ばいということでございます。
 4ページ目ですけれども、実は八代海についてこれまで評価委員会であまり水質をきちんと報告していませんでした。今回整理をしておりますけれども、ここにありますように、若干測定方法などが違っていて比較しにくい部分もありますけれども、場所による差はあまりないのですが、熊本県水域1というのがCODに山がありますけれども、これは沿岸の大規模な事業場の局所的な影響が出ているのではないかと思っております。全体的にはこういう傾向でございます。窒素、リンについては八代海の湾の奥の方が高いという傾向が若干見られるということであります。
 5ページからが底質ですけれども、これは環境省で平成12年から年4回の底質調査をやっておりまして、中央粒径、強熱減量について整理しております。資料がたくさんありますけれども、一言で申しますと、有明海につきましては、有明海湾奥部、諌早湾湾口部、菊池川河口部といったあたりが粒径が細かい、シルトになっているということです。八代海についても、湾央部がシルトになっているというように、地域的な傾向が見られるということでございます。
 8ページ目からは、前回委員の方からご指摘がありましたけれども、いわゆる有害化学物質とか、重金属についてのデータがこれまであまり提出されておりませんでしたので、今回、環境省等でやっているものを整理いたしました。
 9ページに表がありますけれども、有害化学物質、環境ホルモンと言われているものですけれども、ここにありますようなトリブチルスズ等ですが、ここにある項目については不検出で、ほかの水域に比べて低い濃度範囲にあったということがいえるかと思います。
 10ページ目に重金属、農薬がありますけれども、これらについても、例えば東京湾、伊勢湾、大阪湾等と比べて同程度あるいはそれ以下、農薬についてもほとんど不検出であるとか、ほかの水域と比べて特に高くないということで、有明・八代について、ほかの水域と比べて特有の問題があるということはどうもないのではないかという感じがいたしております。
 11ページ目からは漁獲量です。これも3章で詳しくありますので、全体的な傾向だけですが、有明海については、60年代以降ほぼ横ばいの傾向である。ただ、中身を見ますと、海面漁業についてはかなり減ってきている。それに対してノリの方は増減を繰り返しながら増加傾向があるということでございます。
 12ページが八代海ですけれども、全体の生産量としては、昭和50年から平成6年ぐらいまでは増えておりますけれども、それ以降減少傾向にある。特徴的なのは、養殖が昭和50年から平成6~7年まで増えてきていたものが、それも頭打ちになってきているということでございます。
 13ページ目からはいろいろな経緯でございますので、これは省略いたしますけれども、13ページ目はノリ不作問題からの第三者委員会をはじめいろいろな調査等の経緯、14ページ目からは、有明特措法ができましてこの評価委員会が設置された経緯、皆様方のメンバー表も含めて掲載しております。
 15ページからは、この委員会で第1回からいろいろ報告があった事項を、だれがどういう内容を報告したかということを簡単に表にまとめております。国、関係県の報告がありまして、18ページ目は各委員の先生方、ワーキンググループ、あるいは外部の専門家の方々のご報告のリスト、19ページは、今ご紹介がありましたけれども、小委員会の作業の成果、21ページ目には、今回、第18回についても報告があったということをつけ加えることにしたいと思っております。22ページが関係者からのヒアリングということでございます。
 以上までがどんな報告がなされたかということを全般的にリストアップしたものでございます。
 23ページ目から内容に入ってまいりますけれども、第3章、主な論点に関する議論の整理ということで、第10回から第12回のあたりの評価委員会で、それまでにいろいろ報告、指摘があった事項を踏まえまして、両海域の問題点、その原因、要因としてどういう事項が指摘されているかということについて岡田先生を中心に整理をしていただきまして、論点の整理表のようなものをつくっていただきました。それをもとに主要な論点について、専門家の方あるいはワーキンググループに議論をお願いいたしまして、報告をしていただき、議論をしていただいたということでございます。
 24ページに、その当時整理をした全体の要因の関係図のようなものをつけております。25ページ以降、各論点について報告があったものをベースに説明の資料をつくっております。
 論点の並べ方もいろいろあるかと思うのですが、一応ここでは、24ページで見ていただくと、下の方から要因があって、環境の変化があって、水産資源等の問題点が出てくるという下から上に上がるような順番で、これはどちらでやってもいいのでしょうけれども、一応ここではそういう整理をしております。
 25ページからは水質ですけれども、水温、塩分、COD、栄養塩、SS、透明度ということで、これは第9回に環境省から報告をしたものでございます。ただ、そのときは有明海しか報告をしておりませんので、今回は八代海も含めてまとめております。基本的には、関係県で実施されております公共用水域の測定結果を使いまして、1978年度から2002年度までの範囲で比較できるものを使ったということで整理をしております。すべて表層の値です。この統計処理の仕方としては、各測定点の年平均値について、その変化傾向があるかどうかということを、まず有意水準5%で検定を行いまして、さらに、回帰式によってその傾きを見たということでございます。
 28ページから結果が整理してあります。有明については29ページに表がありますが、水温については、福岡県、熊本県の測点で増加傾向が見られている。塩分については佐賀県の測点で増加傾向が見られる。CODについてはプラスマイナス両方ありまして、福岡県では増えているけれども、熊本では減っているという傾向が見られております。窒素、リンにつきましては、どちらかといいますと減っている点があります。SSについては、ほとんどすべての点で減少傾向が見られている。透明度については公共用水域の測定では測っておりませんので、ここでは分析されておりませんけれども、28ページに書いてありますように、第三者委員会では、佐賀県沖の透明度の上昇傾向が見られるという指摘がされております。
 30ページ以降は細かい具体的なデータでございますので、後ほどご参照いただければと思います。
 35ページからが八代海です。測点が4つだけですが、水温についてはここでも増加傾向が見られているということです。CODについては、熊本の方は減少傾向、鹿児島では増加傾向ということです。透明度は3地点で減少傾向が見られるというようなことになっております。
 以上が水質でございます。
 39ページから河川の影響ということですけれども、これは第13回の委員会で、今日は福岡先生、残念ながらご欠席でございますが、福岡先生から報告があったものをベースにしております。
 まず、有明海に流入する河川について、さまざまな河川のデータを比較しておりますけれども、筑後川が非常に大きな影響を有明海に与えているということが最初に書いてあります。
 41ページからは、特に筑後大堰の機能あるいは影響について整理されております。昭和60年から管理が開始されておりますけれども、流域外への導水(水道用水)の量については、年間の平均の総流出量に比べますと相対的には少ないのではないか。それから、堰の管理についても洪水時に全開するということで、上流の堆砂は解消しているということで、堰自体の下流に対する悪影響というのはほとんどないのではないかという指摘がされております。
 42ページは河床の変動ですけれども、いろいろ図もありますが、特に50年間で見ますと河床の低下が大きい。その大部分が量的には砂利の採取によるものであるということであります。42ページの中ほどにありますように、砂利の採取によりまして、特に下流でシルトとか粘土が増加するということ、それから、砂利の採取によりまして下流側が緩やかな勾配になることによって土砂の流出が停滞するというような指摘されております。
 今後の課題としては、筑後川流域の総合的な土砂管理、土砂の海域への流入経路、海域内での挙動の把握も含めて、そういうことが重要ではないかというご指摘でございました。
 45ページからは汚濁負荷の変遷ということで、これは第15回に環境省の方から報告させていただいたものでございます。両海域への陸域からの流入負荷量の変遷を把握するということで、流入負荷量については、河川のデータがあるものについてはL-Q式、その他は原単位法、排出負荷量については原単位法でやっております。一応念のために申し上げますと、この原単位、どんなものを使っているかということにつきましては、いろいろなものがありますけれども、ここでは13年度と14年度に実施をした国調費の調査、関係省庁が協力してやった調査で使ったものをベースにしているということでございます。
 まず、流入負荷量ですけれども、有明海については、各項目、昭和50年代に高い傾向があるけれども、その後減少傾向にある。それから、豊水年では流入負荷量が高くなってくる。筑後川の影響が大きい。八代海についても、有明海とほぼ同じ傾向ですけれども、球磨川の影響が一番大きいということでございます。
 48ページに排出負荷量、これは発生源別に見たものです。まず、有明海について書いてありますが、BODは生活系、自然系、CODは自然系の割合が大きい。窒素については産業系の割合が過去に高かったわけですが、その後産業系が減りまして畜産系の割合が増加している。リンについても畜産系が高い。経年的には、先ほどの流入と同じように、50年代に高い傾向が見られるけれども、その後減少傾向にあるということです。八代についてもデータを整理いたしましたけれども、ほぼ有明と同じ傾向が出ているということございます。
 51ページが干潟・藻場ですけれども、これは大分前になりますが、第3回に環境省の方から自然環境保全基礎調査のデータを報告しておるものでございます。干潟・藻場については、ちょっとデータが古いのですが、過去の自然環境保全基礎調査のデータを比較いたしますと、78年度あたりと90年前後の比較ですけれども、干潟については有明海で6%、八代海で4.3%、藻場については、それぞれ20%強、1.4%というような減少が見られるということでございます。
 52ページが自然海岸がどうなっているかということで同じように調査結果を出しておりますが、両海域とも自然海岸の延長は減少しております。ここの数字では、昭和53年と平成8~9年の比較ですけれども、有明海では100.4kmだったものが88.6km、八代海についても350kmだったものが315kmということで、自然海岸の延長が減少しているということでございます。
 54ページからは潮流・潮汐ということでございます。潮流・潮汐についてはワーキンググループで議論をいただきまして、これは第16回の評価委員会で、細川委員から検討結果の報告をしていただいたものでございます。ちょっと分量が多いのですけれども、簡単にご紹介いたしますと、最初の方は有明海の潮位の特徴ということで、我が国の内湾の中でも潮汐が非常に大きい。それからM2分潮が卓越しているという特徴が書いてあります。
 55ページには、その潮位の変動を解析するための留意点ということで、まず、18.6年周期という自然の変動を考慮しなければいけないということ、それから、実際の潮位については風とか気圧等の気象要因が加わって複雑になってくる。それから、特に潮汐の振幅が減少しているという議論について、その要因がいろいろと指摘されているけれども、大きく3つに分けられるのではないかということで、ここにありますように、有明海内の埋立て等による海水面積の減少、平均水位の上昇、外洋の潮汐の振幅の減少、この3つの要因に分けて議論するのがわかりやすいのではないかということでございます。
 56ページ以降、具体的な文献を踏まえた整理があります。まず、潮位差の過去との比較ですが、56ページにありますように、有明海の潮位差は極小、極大を繰り返しながら変動してきている。その潮位差の減少と潮受堤防の影響という関連についていろいろな研究が出ておりますけれども、観測結果からは明らかな変化は読み取れなかったという報告がある一方で、数値シミュレーションでは、堤防の存在によって潮位差は減少し、その影響は湾奥に行くほど大きいという報告もあるということでございます。
 58ページからは特に18.6年周期を考慮した解析ということで、M2分潮の調和定数の変動と要因について書いてあります。調和定数が1980年代後半以降減少傾向にあるということがデータとして出てきております。この要因としては、諌早湾の干拓、潮受堤防を挙げている報告があります。その一方で、データ解析とか数値シミュレーションからはその工事前後における変化傾向は明らかでないという報告もあるということでございます。
 このM2分潮の振幅の減少要因として、先ほど申し上げた3つの要因、海水面積の減少、平均水位の上昇、外洋潮汐振幅の減少、このそれぞれの寄与度がどのくらいかということについてもデータ解析とかシミュレーションとかいろいろな研究が出ているということで、60ページにその代表的な4つの見解について整理をしております。例えば有明海の海水面積の減少の寄与度についても1割~5割と、研究によって幅があるけれども、こういうような解析がされているということでございます。
 61ページは潮位、これは広い範囲で85年以降、平均海面が上昇しているというデータが示されております。
 62ページには、ワーキンググループの中で議論された潮位に関する今後の課題を挙げております。簡単に申しますと、外海の潮位のデータをもっと観測しなければいけないのではないか。それ以外も含めて要因の状況を検知するための連続的な潮位データの取得、そのための観測体制の充実が必要ではないか。それから18.6年周期や気象変動等、そういうノイズを踏まえた分析が必要である。干拓事業以外のさまざまな要因についても定量的な検討が必要ではないか。シミュレーションの精度の向上、数値モデルの高度化、こういうものもシミュレーションの限界を踏まえた上ですけれども、必要ではないかということでございます。
 63ページからが潮流についてのまとめでございます。63ページは一般的な有明海における潮流の傾向、一番下のポツが全体を整理していると思いますけれども、非常に大きな潮位差に伴って卓越した潮流が特徴的である。島原半島側の南下流というものがある。それから、湾全体として反時計回りの恒流があるということでございます。
 64ページは潮流の比較ということで、まず、有明海全体の潮流の変化を見たもの、観測したものについて2つの調査結果が報告されております。
 1つは、65、66ページでありますが、海上保安庁のもので、1973年と2001年の2回の潮流の観測結果を比較しております。これについては64ページの頭にありますように、場所によって若干流速値が大きい傾向があるが、ほぼ同等の潮流を示しているということでございます。ただ、これにつきましては、64ページの中ほどにありますように、この新旧の調査結果の違いは、淡水の流入条件が違っているということによって、重力循環(密度流)の違いによる可能性が大きい。淡水の流入の状況は日々、季節、年によって大きく変わってくるので、今回の観測結果の違いというのが経年的な長期変化を示しているかどうかについては判断ができないということがこの研究者によって自ら指摘をされているということでございます。
 もう一つが67ページの西海区水産研究所のものでございます。全体的に25年前と2001年を比べると約12%潮流が下がっていたということですが、これについては測定方法の違い等があるので、単純な比較はちょっとできないというコメントがついております。
 68ページからは、もう少し細かく潮流の流速の変化、あるいはその要因を分析した研究を整理したものでございます。
 68ページの最初のところに少し一般論が書いてありまして、潮位・潮流については、海面の面積の減少、平均水位の上昇、それから海外の潮汐の振幅現象というのがまず挙げられているわけですが、特に近年有明海については干拓、埋立て等によりまして海表面積が減少している、あるいは潮位差が減少してきているということで、流体力学の法則からいって、有明海における潮流流速は平均的に見ると減少していくというご指摘がありました。具体的な平均断面の潮流の減速の傾向も少し数字で示しております。流れはそういうものに局所的な影響が加わって実際の流れが出てきているということでございます。
 最初が潮受堤防による潮流流速への影響ということについての文献の整理でありまして、68ページの中ほどですが、これまでのいろいろな研究成果を整理いたしますと、諌早湾の中では、観測結果、シミュレーション、いずれも潮流流速の減少が潮受堤防によって出てきている。諌早湾の外につきましては、湾口の北側では流速が増加するという結果がありますが、一方で島原半島沖については、潮流流速は減少しているというデータが出てきております。有明海全体で見ますと、潮流流速の変化は非常に小さいという報告もあるということでございます。
 71ページ以降は、全体的なものに加えまして局所的な要因ということで挙げられております。そういうものも重要であるというご指摘でございました。代表的なものとしては、ノリ養殖施設による潮流流速の影響ということで、数値シミュレーションによる結果がいろいろありますけれども、湾の奥ではノリの養殖域、あるいはその沖側の前面部分で流速が減少する。一方で、ノリ漁場のすき間では流速が逆に増加するというような報告が出てきているということでございます。具体的な数値も出ております。
 74ページには、それ以外のものとして、熊本港の建設による潮流流速への影響というものも指摘がされているということでございます。
 74ページの下から潮流分野での今後の課題ということが提言されております。先ほどの潮位のお話とも関連いたしますけれども、まずは、潮流の構造の変化というのを正確にとらえる必要がある。そのためには過去に実施された観測データも活かした比較観測でありますとか、点だけではなくて面的、線的な潮流の連続観測が必要ではないか、そのための観測体制の充実が必要ではないかということ。それから、シミュレーション、空間分解能の高い流れのシミュレーションをやっていく必要がある、いろいろな要因についての定量的な検討が必要であるということ。それから、潮流は変化をしているということがあるわけですが、それが環境あるいは水産資源にどういう影響を与えるのかということについての分析がまだ欠けているのではないかということが指摘されました。具体的には透明度、SS等と潮流との関係でありますとか、粒子の挙動にどういう影響を与えるか、いろいろな生物の生物史があるわけですけれども、そういうものと潮流がどう関係しているのかについての研究をさらに進める必要があるのではないかということでございます。
 それから、ここには書いてありませんが、今回は潮流・潮汐については有明海のみについて報告されており、八代海についての何らかの記述が必要ではないかと思っております。中間取りまとめ、来月までにどこまでできるかわかりませんけれども、既存の文献の中から委員ともご相談して、少し記述を追加できればと思っております。
 77ページから赤潮でございます。赤潮については、第12回に本城委員からご報告をいただいたものをベースにしてございます。本城委員から、まずは原因となるプランクトンの種類ごとに検討が必要だということで、種類別に整理されております。
 まず、小型珪藻、スケレトネマ、キートセロスですけれども、これについては、基礎生産者としての重要な生物ということで、ある程度の発生はやむを得ないようなものである。栄養塩、塩分、あるいは晴天の継続、透明度の上昇、こういうものが関連しているということでございます。
 78ページが大型珪藻、リゾソレニア属でございます。これについてはノリ不作の原因にもなったものですけれども、これ自体は、1950年代から何度か発生しているということで、2000年の赤潮というのは特別な、初めてとかということではないということです。これはどちらかといいますと、環境条件が整ったときに大発生する天災系の赤潮である。2000年のノリ不作のときに何が起こったかということについては、ここにありますように、11月に集中豪雨があって、その後極端な日照不足があった、12月初旬に栄養塩を多量に含む高塩分の海水が持続する条件で高い日照条件が重なりまして大発生を起こし、それによって栄養塩が吸収され、ノリが色落ち被害を起こしたという解析がなされております。
 79ページがシャットネラ属でございます。シャットネラについては魚類とか貝類に被害を与えるものでありまして、有明海の湾奥部西部水域とか諌早湾での発生が顕著であるということで、富栄養化の進行、あるいは貧酸素水塊の形成との関係がここで指摘されております。諌早湾については、貧酸素水塊の形成に干拓事業が関係している可能性が高いのではないかという指摘があります。
 その後、具体的な発生の情報について整理されておりますが、ここで一つ、本城先生ともご相談の上、追加をさせていただきたいと思っておりますのは、ここに書いてない、もう少し以前のものがあったということで、具体的には、有明海では1984年に佐賀県沖で初めてシャットネラ赤潮が出ている。それから、1988年にはシャットネラ・アンティクアによる赤潮が佐賀県の西部海域で確認されたという事実がありますので、これを追加したいと思っております。次が、1989年、平成元年に諌早湾で最初のシャットネラが確認されたということでございます。
 これにつきましては、農水省からもコメントがありまして、これは実際の調査をされた水産庁の漁業調整事務所でも確認をさせていただきましたけれども、正確に言いますと、1989年のシャットネラ赤潮については諌早湾そのものということではなくて、諌早湾湾口部の国見町多比良地先で確認をされているということが正確な情報であるということを確認いたしましたので、これを踏まえてさらにご議論いただければと思います。
 あとは、貧酸素水塊の形成が非常にきいているということで、その抑制が重要であるということ。それから、以前にお送りしたバージョンに加えましたのは、79ページの下ですけれども、八代海でも出ているということの記述を加えております。1988年にシャットネラ・アンティクアによる赤潮が観測されているということで、これを追加しております。
 80ページは渦鞭毛藻の赤潮ということで、これは主に八代海で養殖魚類に被害を与えるということで、栄養塩、これは陸上の負荷もありますけれども、養殖による負荷もあるだろうということで、こういうものの負荷が影響しているということが指摘されております。
 以上が赤潮でございます。
 82ページから底質環境でございます。これは第14回に滝川委員からご紹介のあったものをベースに整理しております。1957年からのデータから底質の泥化が進んでいるということが示されております。それから、海岸線の人工化等によりまして、水深が浅いところ、深いところ両方減って、水深が全体として平均化してきているということも指摘されております。時期としては、海底堆積物等の分析から、有明海の富栄養化は少なくとも40~50年前から進行してきているということで、それからしますと、底質の泥化も以前から始まっているだろうということでございます。
 これにつきましては、農水省の方からも、「底質の泥化は以前から始まっている」という「以前」というのをもう少し具体的に示されないかということでご質問が来ております。
 以下いろいろ図表がありますけれども、時間の関係で省略いたします。
 89ページから熊本沖の底質環境ということで記述してございます。これについては、泥化は20~30年前から進行していたということが示されております。
 91ページには八代海の底質環境ということで、これは分布図ということで八代海の底質の分布が示されております。
 92ページに底質環境の変化の要因について説明をした部分がありますけれども、ここでは80年代以降泥化が進んだ原因の一つとしては、筑後川水系からの砂の流入が減少したということが挙げられております。有明海全体で見ますと、泥化は、熊本沖では少なくとも20~30年前から進行しているということで、今指摘されております近年の潮汐振幅の減少が大きな影響を与えているということは考えにくいのではないかということ。それから、赤潮の発生が悪循環を起こしているということ、底生生物の減少が影響してきている、潮流との相互作用等、海岸線の人工化、内陸の都市化、農薬使用、ノリ養殖の影響、海砂利採取、かなり幅広い要因が挙げられております。これも今後もう少し絞っていく必要があるのかもしれませんけれども、この段階では非常に幅広い要因が挙げられているということでございます。
 93ページには底質の改善ということで、具体的な改善策についても言及されております。
 次に、94ページから貧酸素水塊の問題でございます。これは主として農水省、水産庁、環境省が協力して実施しております連続調査の結果をベースにワーキンググループでも議論していただいたものをまとめております。この3省庁の共同調査結果が最初に示されておりまして、平成16年度の結果ですけれども、貧酸素水塊は、湾の奥の西部の干潟の近くと諌早湾内、それぞれ別々に発生して、潮汐によって移動しているという状況がうかがえたということで、具体的なデータが示されております。
 97ページ以降、貧酸素水塊の発生機構について現在言われていることをまとめておりますけれども、まず、湾奥部の干潟縁辺域、水深が浅いところですけれども、ここは潮汐の影響を大きく受けるわけですが、夏に成層化して、それが小潮のときに流速が低下しまして、それにまた赤潮の発生というものが重なって、大量の有機物が底質に供給されて貧酸素が進むということが書いてあります。また、沖合につきましては、潮汐の影響は浅海域ほど大きくないわけですが、夏に成層が形成されると徐々に貧酸素化をしていく。それが台風による攪乱が起こるまで続くということが書いてあります。
 それから、過去からの経年的な変化傾向ということですが、これについては、過去からの溶存酸素の変化を測ったものが、浅海定線調査しかないということでありまして、ただ、これは比較的貧酸素水塊が発生しにくい大潮時に行われているということで、あまりはっきりした傾向が出ていないということでございます。ただ、貝類の減少傾向等のデータから見ると、夏の底質の還元状態が悪化傾向にあるということが推察されるのではないかということが書いてあります。
 99ページからは底生生物です。これは第14回に菊池委員の方からご報告をいただいたものをベースにしております。中ほどにありますように、1989年と2000年、10年を隔てた2つの調査から底質環境の変化、底生生物の組成とか分布の変化、そういうものを調べておられます。この10年間で底質の微細泥化、あるいは富栄養化が進んでいるということがまずございます。100ページには、それに伴ったベントスの変化ということで、これは有明海の北西部のものですが、総マクロベントスが減少している、二枚貝についても全体的に減少して、特に住之江川沖で激しく減っている。甲殻類については特定の種が増加をしているとか、多毛類については種の入れかえが見られたとか、そういうことが調査結果で示されております。
 106ページには、底生生物が底質の環境指標とならないかということで、中央粒径、あるいは硫化物のデータと微生物の分布の関係を見ております。一部の種類は非常に生息域が狭い、あるいは耐性が弱いというようなものも出ておりますので、そういうものが今後指標にならないかということでございます。
 八代海については107ページ以降ですが、これは有明海と違いまして、10年間の変化というようなもの、経年変化はデータがありませんで、ある時点での種の分布状況が、海水の流動とか海底の状況によってどう違っているかということについてのデータが示されているということでございます。
 それから、後ほど菊池先生からコメントがあるかと思いますが、底生生物については環境省の方でも2000年以降も調査をしておりますので、そういうものについても引き続き調査を続けていきたいと思っております。
 111ページからは水産資源ということでございます。ノリ、貝、魚と3つに分けております。
 まず、ノリですが、ノリについては第6回に当時の鬼頭委員からご紹介があったものをベースに資料を整理しております。ノリが最近増えてきている要因としては、ノリ養殖技術の進歩であるということで、60年代から2~3倍に増えてきているということ、それから、流れとか栄養塩等ノリの成長要因が整理されております。111ページの下の方では、水温が低い方が生産量が多い。それから酸処理剤についていろいろと報告がされております。その成分でありますとか、使用量、負荷量がどの程度になっているか、そういうものがどのくらい分解されるか。それから、ノリの収穫によってどのくらいの窒素、リンがその海域から取り上げられるかということについても書いてあります。ここで見ますと、酸処理剤として加えられる量よりも多くのものが海域から取り上げられているというデータになっております。
 酸処理剤につきましては、これは平成13年のものですが、私どもの方で追加の調査をしておりますので、最新の使用状況ですとか、そういうものについては今後報告をさせていただきたいと思っております。
 117ページが二枚貝でございます。貝、魚類につきましては水産資源の関係の先生方に検討グループを何回かやっていただきまして、検討していただきました。二枚貝につきましては第15回の評価委員会で伊藤委員の方から報告をしていただいております。
 これも種類別になっておりまして、まずアゲマキですが、図にありますような漁獲量の推移でありまして、1900年代前半にピークがあったわけですが、1992年以降はほとんど漁獲がないという状況であります。1988年には大量斃死も発生している。要因としては、ビルナウィルスというようなものも検出されておりますけれども、現在の資源がないので、原因の特定は難しいという状況でございます。
 118ページはサルボウでございます。これも右のページに分布量の推移等ありますけれども、1970年代初頭にはかなりものがとれたわけですけれども、その後激減している。ただ、1985年以降若干持ち直しているけれども、変動が非常に大きいということでございます。この変動の要因としては、シャットネラ赤潮、貧酸素水塊、気象環境要因、ナルトビエイの食害、こういうものが指摘されているということでございます。
 120ページがアサリでございます。アサリは、特に熊本県で過去において非常に漁獲が多かった。これが近年激減しているということがここに示されております。1980年代と2000年代で比べますと、漁場の場所が少し移動している、岸の方に寄っている。特に緑川の河口域、ここは非常に豊かな漁場だったわけですが、そこが大幅に減っているということであります。減少要因としては漁場の縮小、大雨や猛暑等の環境要因による大量斃死、過剰漁獲、食害、そういうものが指摘されているということでございます。
 122ページからがタイラキでございます。これについては特に北東部の海域の長期的な資源の減少とその要因についての最近の知見を取りまとめていただいております。タイラギの漁獲量も右のページに推移が示されておりますけれども、これまで数年置きに漁獲のピークが出ていたのですが、長崎県では1990年代にピークがなくなり、ほかの湾奥部でも2000年ごろからピークがなくなって、現在ではほとんどとれなくなっているということでございます。
 要因としては、122ページの一番下にありますように、底質の調査結果を見ると、底質の細粒化、泥化が進んでいる、こういう底質の変化が漁場の縮小の原因になっているのではないかという推測がされております。また、123ページに最近の知見がまとめてありますけれども、特に浮遊幼生と着底稚貝の分布域の調査を踏まえますと、着底後に斃死をしている、底質が生残に関与しているのではないか。干潟域では大量斃死は発生しない。ウィルス様粒子も確認されているけれども、まだ原因ははっきり特定されていない。ただ、どうも貧酸素が主な要因ではないようだということが言われております。また、ナルトビエイによる食害もあるということでございます。
 以上が二枚貝でございます。
 126ページからは魚類ということで、これは第17回に中田委員と山口委員、今日は残念ながらお二人ともご欠席ですが、両委員からご報告がありました。有明海の特徴としては、非常に生産性が高いだけではなくて多様である、非常に種類が多いということが最初に書いてあります。それらの漁獲資源量の変動でありますが、資源量そのもののデータはないので、漁獲量の動向で資源変動を見ようということがまずあります。127ページが全体の推移ですけれども、1987年をピークに減少傾向にあって、1999年には6,000トンという過去になかったレベルまで下がってきているということでございます。
 種類によってパターンが違うということで、128ページ以降、種類ごとに幾つか示してありますけれども、特に底質に依存するようなものが減少が大きいのではないかということでありまして、128ページ以降に整理されているものを簡単に述べますと、ボラ、クロダイ等については1985年ぐらいから徐々に減少傾向を示している。128ページの上の部分です。それ以外の傾向を示すものとして、128ページの下にあるようなウシノシタ、タチウオ等がある。特にタチウオについては1995年以降減少が激しいということ。それから129ページにある4つについては、ヒラメ、ニベ・グチ、カレイ、クルマエビですけれども、1990年代の後半以降、それまでの減少傾向よりもさらに急激に減少しているのではないか、そういうような発表がございました。
 これにつきましては農水省の方から若干コメントが来ておりまして、この辺の魚種別の変化傾向についてはもう少し詳細な評価が必要ではないかということでありまして、例えばヒラメなどを見ると、90年代の前半からももう既に減少しているのではないかとか、ウシノシタ、コウイカ、ニベ・グチ、カレイ等については1980年代前半から減少傾向があるのではないかということで、変動の傾向についてはもう少し注意深く見ていただきたいというコメントが来ております。
 129ページには、1990年代後半に特に減少が著しいとされたものの特徴を少し解析をしていただいております。シログチ、クルマエビ等ですが、非常に底生種であるということと、流れを利用して卵とか稚魚が湾奥の方に輸送されて湾奥で育つということで、その輸送経路の貧酸素化とか潮流の変化、成育場の減少、そういうものが影響しているのではないか。特に初期減耗、卵から稚魚の段階での減少というのが非常に大きく資源量に影響してくるということが指摘されております。
 131ページからは、その他特徴的な魚類についての推移ということで幾つか挙げられております。特にエツという特産種でありますけれども、これは河口域とか流入河川の感潮域、そういうところで稚魚が育つということで、感潮域の存在が非常に重要だということですが、エツについては1983年から1994年にかけて大幅に減少しているということで、堰の建設等による淡水域の縮小が影響しているのではないかという指摘がございます。
 これにつきましては、ペーパーでも配られておりますけれども、国交省の方から若干コメントが来ておりまして、エツの漁獲量については、福岡県のデータだけではなくて佐賀県の方でもデータがあるということで、その両方を見ると、堰の建設後大幅な減少をしているとは必ずしも言えないのではないかという指摘が来ております。この辺もさらにご検討いただければと思っております。
 それから、エイについてもご紹介がありました。ナルトビエイ等ですけれども、1995年から2000年以降の推移を見ると、エイとかサメとか、こういう軟骨魚類というものの占める割合が増えてきているということが一つ特徴として挙げられております。これについては捕食者であるサメの減少でありますとか、競合する魚の減少、あるいは水温上昇による生物相の変化、そういうものが影響しているのではないかということが指摘されております。
 134ページには、今まで申し上げましたような水産資源の変動に関与する可能性のある要因を整理していただいておりますけれども、ここにありますように干潟の減少、感潮域の減少等のいわゆる生息場の減少・縮小、それから潮流とか貧酸素、砂利の流入量の減少、赤潮、水温の上昇、酸処理剤等の影響による生息環境の悪化、それから種苗放流やエイの駆除とか、そういう人為的なコントロールとか外来種、あるいは漁獲圧というようなことで非常に幅広い要因が考えられるということでございます。この辺ももう少し細かく見ていく必要があるだろうと思います。
 それから、ここでも先ほどの潮流等と同じですが、今のところ有明海についてしか記述がありません。これについては前回中田先生もおっしゃられましたように、次回までに八代海についても、非常に文献は少ないのですけれども、今出ている文献から整理をしていただくことになっておりますので、来月までにはこの部分についてもう少し追加できればと思っております。
 以上が第3章まででございます。ここで一度説明を切らせていただきます。

質疑・意見交換

○須藤委員長 膨大な情報を要領よくご説明いただきまして、高橋室長、どうもお疲れさまでございました。
 大変要領よく説明していただいたので、大体の概要というか、全体像はおわかりいただけたと思いますが、今3章までということでございまして、そのうち1章は背景ですから、それほどご異議はないと思いますし、2章は当評価委員会の経緯を説明しておりますので、これは客観的事実のみ書いておりますので、これもそう問題はないだろうと思います。しかし、3章につきましては、先生方のご発表、ここでの議論、それからいろいろなヒアリングあるいは小委員会の文献等を総合的に整理をいたしまして、順番にまとめ上げたものでございます。特に室長からもお話がございましたように、八代海についての情報が非常に乏しいし、例えば水産のことについてはほとんど触れられていないという問題もあるので、今後、短い期間でありますが、可能な限り八代海についてはデータを追加していただきたいと思うわけでございます。
 その中で、幾つか各省からのコメント、先生方からのご追加等と伺っておりますので、これから順番にお伺いをいたしますが、各省からのご意見については、正確な情報に基づいて、当方の評価をしていく段階で不十分なものであるならば、それは当然修正されるべきであろうと思いますし、先ほどの高橋室長のご説明を伺っていて、ここはこうした方がいいだろう。例えば赤潮など、発生の時系列的な問題の何年前とか、そういうようなことについて正しいものであれば、それは直した方がいいということですし、それから「以前から」という言葉も、「何十年前」ということであるならば、それは「何十年前」と書いた方が多分よろしかろうと思います。
 これは全体的に岡田委員に整理をしていただいたのですが、とりあえずはこんなものでよろしゅうございましょうかということから始めて、順番に、各論に入りたいと思います。
 岡田先生、いかがでございましょうか。

○岡田委員 今のところは特段ございません。ただ、表現されていることが必ずしも定量的になっていない部分がまだ残っておりますので、それにつきましては、今後の検討の段階で精査をすることが必要だと思っております。そこのところだけご注意いただいてこれからの議論をしていただければありがたいと思います。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、お名前が出て、ご追加があるというふうに伺っておりますので、菊池先生から、水生生物になるのでしょうか、あるいは水産も含めてでしょうか、どうぞお願いいたします。

○菊池委員 この前のときには10年間で大きく変わったということを、佐賀の水産センターのデータでまとめたものだけを出したのですけれども、この前報告しましたときに環境省のデータは出さないのかと言われまして、実際には、平成13年から毎年ベントス全体の調査を有明・八代で、環境省の委託でやっていらっしゃいます。私もちょっと気になりまして、先日室長と補佐にお電話しまして、もしつけ加えられるものならと言ったら、まだ時間があるでしょうということでしたので、環境省の水環境調査検討委員会というところでやっていらっしゃる、非常にきれいな、カラーで染め上げた図がいっぱいあるのですけれども、あまりたくさん入れるわけにもいかないと思いますので、できれば4~5ページ、そういうグラブベントス調査についてのやり方を追加いたしたいと思っております。
 それから、八代海については水産動物と一般ベントスと両方ですけれども、これもこの数年に関してはベントスなどの調査もございます。それから、有用水産動物については10年、20年前からの聞き書きみたいなものも入れたものが、熊本の環境政策課の方でおまとめいただいたものがありまして、これは今中田先生にお貸ししております。ですから、お使いになるとしたら、熊本県の方に私から一言お断りしようと思っておりますけれども、この前の発表のときには、それを読みこなすまで時間がなかったので、八代海の方は省きましたというお話でした。ですから、八代海の方の漁船漁業の場合と、養殖漁業が非常に盛んなところですので、そういうものの10年、20年ぐらいの範囲で、飼育魚類が変わってきたのか、そして、それを出荷することと赤潮の頻度みたいなものに関連があるかないかとか、そのあたりのところは中田先生の方で多分おまとめいただけると思います。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。ただいまの水生生物及び水産関係の生物の問題については、資料を整理して、特に八代海などについては追加をしていただくということで、事務局の方もその辺フォローをしていただきたいと思います。お願いいたします。
 次は、本城先生の部分の赤潮の時系列とか、幾つか問題になったようですけれども、お願いいたします。

○本城委員 資料の79ページです。チャットネラ属ということで、少し年代に誤りがあります。先ほども環境省の方から説明がありましたけれども、黒ポツの上から4番目、「1989年に諌早湾で最初のチャットネラ赤潮が確認されたが」とありますが、これは第三者委員会の資料をもとにしたのですが、これは間違いということになります。その後、農村振興局の方から、2か所でその前に2年間発生した記録がありますという指摘がありました。佐賀県にそれを聞きましたところ、確かにその資料がございます。それでこの文言は誤りであるということで修正をしたいと思います。
 あと、1989年の発生が諌早湾湾口部国見町多比良沖だということです。諌早湾内ではないということから、この後ろの文言とのかかわりは非常に難しいところがございます。ただ、この1989年の時代に人為的な攪拌があったかどうかということは農村振興局側に確かめてみたいと思います。この委員会を通して聞いていただきたいと思います。それは過去においてチャットネラの赤潮というのは、台風による泥の攪拌とか、貧酸素水塊の崩壊というところに非常に相関があります。ですから、国見町多比良でなぜこういうチャットネラの赤潮が急に出たのかというところが、私としては原因をなかなか求めることができない。ですから、この4番目を削るということにしたとしても、私は事前工事で人為的な泥の攪拌があったのかどうか、それだけは確認したいと思います。
 以上です。

○須藤委員長 これは本城先生からということよりも、事務局に正確に聞いていただいて、そうすると、この表現ぶりがこのままで生きるのか、あるいは削除するのかということは決まりますよね。

○本城委員 はい。

○須藤委員長 それは環境省としてきちんと確認をした方がいいですよね。個人でやる問題ではありませんので、それでは、高橋室長、今のところの確認をした上で、この文章の訂正があるならば訂正をしてください。

○本城委員 よろしくお願いいたします。

○須藤委員長 あとの間違っている部分は、年代は正確にするということでよろしゅうございますね。
 それから、私から言ってはいけないのですが、細かいことで、この辺のところはみんな学名を片仮名で書いているので、学名の読み方によって、今先生は「チャットネラ」とおっしゃったのですけれども、ここには「シャットネラ」と書いてあります。「アンティカ」は「アンティクア」と書いてあります。この辺の生物の名前というのはどこかに学名を入れておいてくださいませんか。そうしないと、それはどういうふうに読んでも、英語読みしようが、ラテン語読みそのままでもよろしいのですが、統一した方がいいので、和名のついている生物はそれでいいのですけれども、ここのところで「・」を入れている表現などもちょっと変です。生物学的にはあまりよろしくないので、ここには生物学者がたくさんいらっしゃるので、学名を1か所入れておいていただかないと誤解を招くと思いますので、1か所学名を入れておいてください。細かいことで恐縮です。
 それでは、大和田先生、どうぞお願いいたします。

○大和田委員 私は、これを見せてもらったときに、やはり八代海のことが出ていないということで、今日コメントしようかと思ったのですが、これから大分やっていただくということで、やはりデータが少なくても、「有明海・八代海総合調査評価委員会」ですから、なければないとか、これからやっていくとか、そういうことは記載していただきたいと思います。
 あとは、120ページから122ページのところで有明海のアサリですが、ここのところの書き方が、今熊本県の水産研究センターで表にして出しているものと大分トーンが違うのです。といいますのは、平成15年ぐらいから大分立ち出しまして、15、16、17と8,000トンぐらいまではとれている。ただ、県の方が強調しているのは、非常に立ってきたわけですが、資源管理が大事だと、これは非常に強調しております。ここでも資源管理が大事だということは言っていますが、ちょっとトーンが違うので、ぜひ詳しいものを載せていただきたいと思います。
 これで見ますと、かつての6万トンから、まるきりガタッと落ちているような印象を受けるのですが、大分立ってきている。それはもちろん覆砂が大分きいているのだろうと思います。これから我々も非常に期待はしているところです。

○須藤委員長 今のご意見は回復している状況がわかるようにということでよろしいですか。

○大和田委員 はい。

○須藤委員長 それが追加できるものであるならば、これも室長、お願いいたします。
 それでは、三本菅委員、お願いいたします。

○三本菅委員 私、意見は後ほど述べさせていただきますが、24ページのフロー図です。当時私委員ではなかったので、1回から12回に主に議論されたというお話ですので、確認させていただきます。
 1点目は、ノリ養殖そのものが12年度の不作要因になっているというような読み込みができますけれども、そういう議論になったのか。

○須藤委員長 平成12年度のノリ不作ですね。

○三本菅委員 これが、ノリ養殖そのものが一つの要因になっているという議論があったのか。もう一つは、そのときに、ノリ養殖そのもののウエイトと、栄養塩の流入というのがありますけれども、そのウエイトが、富栄養化にどれだけ量的に貢献したのかというあたりの分析はなされたのでしょうか。これをお伺いしておきたいのですけれども。

○須藤委員長 栄養塩の不足がこういうことであるということの、これはあくまでも要因と原因の、今日も同じものが後で出てくると思いますが、それを見やすくするための作業図、関連図を示したもので、全部一つ一つについて、これが非常に密接な関係があるというところまでの議論はありません。特に今先生のご指摘の部分は、一緒にといいますか、先に第三者委員会が走っておりましたので、その部分のお話は多分この辺のことを受けているのだろうなという気がしますが、まずこの作業図は皆さんが認めたというわけではございません。
 それから、下の富栄養化との関係のところが、これとどちらがどういうふうになっているということも詳細に議論しているわけではありませんということで、この図が前提であるということではなかったように思いますが、岡田先生、それでよろしいですか。

○岡田委員 はい。これはあくまでも作業のための、今まで言われていることを因果関係にまとめただけであって、どちらが重要であるとか、ひょっとしたらそれは全く関係ないというものの評価をこれからするためのスタートの図でございますので、一切そういう意味の評価はされておりません。

○須藤委員長 先生もしご意見があれば、今日は別に質問だけでございませんので。

○三本菅委員 取りまとめの方で申し上げたいと思います。

○須藤委員長 第4章のご意見ということでよろしいですか。

○三本菅委員 はい。

○須藤委員長 それでは、そういたします。
 今の高橋室長のご説明の中で一応指摘のあった部分については伺ったような気がいたしますが、先ほど小松先生が手を挙げておられましたので、どうぞお願いいたします。

○小松委員 潮位・潮流のまとめのところで、私もこのワーキンググループの一員でこの取りまとめに参加しているのですが、数か月前だったということで、今見るとバランスが非常によくないなという思いがしています。例えば潮流のところで14ページ分、割いているのですが、そのうち、海上保安庁の観測結果というのが3ページ強占めているわけです。これは前回私もお話ししましたように、なかなか比較できないデータになっているということなのですが、それに3ページ使っていて、例えばノリヒビとか、熊本新港等の関連に4ページ割いているということで、潮流の全体の問題のウエイトから見てバランスがどうもいまいちだなということです。以前、ワーキンググループの取りまとめのときはあまり感じなかったのですけれども、数か月たって今見てみると、バランスがよくないなという気がしますので、この辺も見直しの必要があると考えております。

○須藤委員長 わかりました。全体のボリュームの中でのそれぞれの研究成果の紹介の仕方が、バランスがあまりよろしくないと、こういう理解でよろしいですか。

○小松委員 はい。

○須藤委員長 これは場合によってはまたワーキンググループでご議論をいただくということもあるいはあるかもしれません。これは時間のこともございますので、今後事務局と相談をさせてください。
 ほかによろしいですか。
 どうぞ、原先生、お願いします。

○原委員 80ページあたりに有機態のリンを赤潮が要求すると、それが魚類養殖からも負荷されていると思われると、こういうふうに書いてあるわけですが、これは我々水産人にとっては常識的な話ですけれども、それ以降大分餌の改良が行われて、要するに生餌の給餌からオレゴンタイプというものに変わって、それからペレットに変わってきている。これは大分古い話のように思われますので、その辺のところ、水産庁から、八代海で養殖されているのはハマチ、ブリ、タイだと思いますけれども、そういうものの餌の変化というようなものを少し資料として提出していただいた方が、解析をするのによりよろしいのではないかと思ったということが1点目でございます。
 もう1点は、潮の流れの関係で、ノリ網がかなりディスターブしている面があるよという話もありますけれども、かつて第三者委員会でノリ網を2~3割削減しようというふうにしたときに、たしかそのときは収穫量は落ちなかったということもあるわけです。このごろの沿岸各県のノリの柵数というようなものも数字として挙げておかれた方がいいのではないかと、こんなように感じました。
 以上でございます。

○須藤委員長 ありがとうございました。今の問題、最近の状況をできるだけデータとして取り上げた方がよろしいとおっしゃっておられるのですが、中間報告でございますので、ある時間を決めて可能な範囲でデータとして取り上げられるべき点は多分取り上げた方がよろしかろうと思います。餌の問題とか、酸処理剤が数年前厳しく議論されて、栄養剤が含まれているからということもあったのですが、最近が本当にそうなのか、環境省が調査してくださるということになっていたようなので、そういう問題が、前はこうだったけれども、今はこうであるとか、そういうようなことを取り上げていただけるのであるならばそうした方がいいし、最終報告には少なくともそういうものが全部入るようにということにさせていただきたいと思います。
 ほかによろしいですか。
 本城先生、どうぞ。

○本城委員 今の原委員のお話ですが、有機態リンのことです。これは私が言うよりも大和田先生から言っていただいた方がいいのかもしれませんが、確かに餌の質は変わってきております。溶けにくくなる、あるいは海の方から魚の方へと転化される、効率が非常に高くなってきておると思いますけれども、しかし、現実、水の中にはかなりのトータル・リンがあって、そのかなりの部分を有機態リンが占めている。それが八代海の現状だというデータがあったと思います。大和田先生、いかがでございましょうか。

○須藤委員長 今の問題は、今のご理解でよろしいですか。

○大和田委員 はい。

○本城委員 ですから、そういう意味もあって私はここに書かせていただきました。

○原委員 ですから、間違いだとか、そういうことを言っているわけではなくて、理解をする上での資料を出していただきたいということです。

○須藤委員長 ですから、データがあるものは載せましょうと今私が申し上げたわけです。その中の解析はその後の、もしかしたら本報告というか、最終報告の前にまとめていきたいので、それはここで当然ご議論させていただきたいと思います。
 ほかはよろしいですか。
 それから、水産のエツの漁獲量などについて国土交通省からコメントをいただいているのですが、これは、この前ワーキンググループとして中田先生をヘッドとしてご議論いただくということにしておりますが、今日は山口先生もいらっしゃらないし、今ここであった議論とコメントを伝えて、最終的にはどういうふうに取り上げたらいいかということについて、国土交通省がおっしゃっておられる件は検討していきたいと思いますので、これは事務局からきちんと伝えていただきたいと思います。ご議論をしていただくので、環境省から言われたら変えたとか、そういうのではちょっとぐあいが悪いので、やはり委員の先生方のご議論を経て決めていただくということで、高橋室長、よろしいですか。

○環境省閉鎖性海域対策室長 はい。

中間取りまとめ(素案)について(第4章)

○須藤委員長 それでは、あまり時間もなくなったのですが、ご議論していただくことが大切だと思いますので、次の第4章について、この部分についても多分各省からのご意見があるだろうと思いますので、それも含めて室長からお願いいたします。

○環境省閉鎖性海域対策室長 それでは、138ページ以降でございますが、第4章、最終取りまとめに向けた検討課題ということでございます。この部分はこれまでまだ評価委員会の中で十分議論がされておりませんので、あくまでもこれは事務局の方でつくったたたき台、骨子ということですので、議論の材料ということでごらんいただきまして、今日いろいろとご議論をいただければと思っております。
 まず、4.1として、「要因相互の関連及び重要性の分析」という表題にさせていただいております。140ページ、141ページですが、第3章までいろいろとご説明してきたものを踏まえまして、現時点で水産資源、生物にどういう問題が起こっていて、どういう要因が関与している可能性があるかということで、可能性があるものはすべて載せるということで整理をいたしました。先ほどご質問があった、以前につくったものをさらに新しくしたものということで大分線も増えておりまして、前回との大きな違いは、魚について、前回はなかったものが右上に加わっております。
 また、ちょっと見にくいのですが、赤い四角で囲ってあるものがございます。貧酸素水塊とか赤潮とか、これは「日照、風、降雨(台風)」とありますけれども、こういう気象条件、自然変動、こういうものに影響を受けるものはどれかということで赤い枠で示しております。また、外来種とか漁獲圧とか、人為的なものもいろいろと加えたりしております。
 ただ、これは先ほど岡田先生からもありましたけれども、可能性のあるものを全部結んでおりますので、当然この中には定量的な、あるいは定性的なデータの裏付けのあるものもあれば、現時点では推定にすぎないものでありますとか、あるいはある特定の場所とか、ある時期には成り立つけれども、そうでなければ成り立たないとか、いろいろなものがありますのでご留意いただければと思います。今後議論をするための材料としてつくったということでございます。
 138ページに戻っていただきまして、こういう整理を踏まえまして、今後再生方策の検討に向けて各種要因の精査、あるいはどれが重要かというようなプライオリティの評価が必要でしょうということであります。ここでは、今後そういう検討を行っていく上でどういうことに注意して、あるいは配慮してやっていったらいいかということを書いてみたということで、一つは、確実性あるいは不確実性の評価、今申し上げたような根拠があるかどうかということについてやはり精査が必要だろうということ。
 それから、ここにあるいろいろな要因もすべてが同じではなくて、いろいろと性格が違うということで、その辺も少し配慮してはどうかということであります。ここにありますように、3つに大きく分類しておりますが、直接水産資源とか生物に影響を与えると思われるもの、泥化とか貧酸素とか、こういうものもあれば、そういうものを通して間接的に影響を及ぼすような要因もある。土砂の減少とか、潮流・潮汐の変化とか、栄養塩とか、それから、そもそも水温の上昇とか、外海の潮位上昇とか、大きな自然システムの変動であって、これはもうコントロールできないというものもあるということで、それぞれに応じた評価が必要ではないかということでございます。
 これにつきましては、国交省から、この分類の仕方がこれでいいのかということについて若干コメントをいただいております。私どもこれで断定しようとかということではなくて、今後分析をするときに効率的にできるようにということで書いてありますけれども、若干コメントをいただいておりますので見ていただければと思います。
 それ以外に社会経済的な要因ということで、環境要因だけではなくて、これもこれまでの議論で若干ご指摘があったかと思いますけれども、漁獲努力でありますとか、水産物の価格でありますとか、社会経済的な要因も見ていく必要がある。
 138ページの下の方には、今後さらに分析すべき事項の例ということで、できればこれまでの議論の中である程度重要と思われる、今後解析が必要であるというものがあれば少し整理してはどうかということでちょっと書かせていただいております。
 例えば二枚貝については底質の泥化というのが非常に重要な要因だということだけれども、これについてメカニズムをきちんと解明することが重要ではないかというご指摘もこれまでございました。それ以外にも、貧酸素水塊の発生が非常に大きな要素になってきているということで、これの機構・要因をさらに分析する必要がある。あるいは赤潮についてもかなり詳しくご紹介いただいておりますけれども、その機構・要因についてさらに明らかにしていく必要があるのではないか。それから、先ほど申しましたように潮流・潮汐については、これがどういう影響を及ぼすかというところの研究がもっと必要ではないか。これも若干これまでの指摘を踏まえておりますけれども、むしろご議論いただいて、これに限定するわけではありませんけれども、今後の作業の一つの重要な項目として挙げられるものがあれば挙げていただければと思っております。
 142ページは4.2ということで、「再生に向けた対策オプションとその評価」ということであります。この部分は、これまでの評価委員会でほとんど議論されていない部分で、むしろこれから中間取りまとめ以降、最終取りまとめに向けて議論をする必要がある部分でありまして、具体的な提言に向けた検討ということでございます。
 ここに幾つか留意点ということで書かせていただきましたけれども、1つは、既に関係省庁、関係県あるいは大学等において、両海域の環境の改善、水産資源の確保・回復等についてさまざまな対策、あるいは実証試験、研究等が行われておりますので、こういうものの成果とか、どういう課題が出てきているかというようなものは報告していただきまして、そういうものを踏まえた検討が重要ではないかということであります。
 再生目標のあり方ということで、将来のあるべき姿について目標を設定していく必要があるのではないかということであります。この委員会で目標そのものを設定するということが適当かどうかというのは議論があるかと思いますけれども、少なくとも目標のあり方、指標はどういうものがあるかということについて議論を深めていただくことが有益ではないかということであります。
 不確実性への対応と書かせていただきましたが、非常に複雑な自然系でありますので、問題点と要因の間には一定の不確実性が残るという中で、その環境管理をどう進めていくかという議論も必要ではないかということでございます。
 4.3、これは項目だけでございますけれども、調査研究、監視の総合的推進ということで、これもこれまでいろいろな分野ごとの検討の中で、共通で挙げられている課題ではないかということで書かせていただきました。非常に幅広い分野の情報を評価していく必要があるということで、関係省庁、自治体の連携、情報の共有でありますとか、再生方策を進めるためにはどういう調査研究とか監視が必要かという議論が必要ではないかということでございます。
 4章については熊本県の方からもコメントをいただいておりまして、1つは八代海についてもきちんと調査研究が進むように提言してほしいということと、今後継続して調査研究を総合的に進めて、それを施策に反映していく必要があるだろうということ、それから国、関係県のいろいろな調査研究が総合的に行われるような、例えば総合計画の策定とか、そういうことについても検討していただきたいと、そういうコメントをいただいております。
 以上でございます。

○須藤委員長 ご説明、どうもありがとうございました。

国内外の閉鎖性海域における再生に関する取り組み事例の整理

○須藤委員長 前回の評価委員会で、評価委員会での取りまとめに当たりましては、ほかの海域も参考にした方がよろしいというご意見もあって、細川委員に少し調べてくださいということで指名をさせていただきました。細川委員から、ほかの海域の取り組み例について情報をいただきたいと思います。お願いいたします。

○細川委員 前回取り組みなさいというご指示がありまして、少し着手したというご報告をさせていただこうと思います。お手元には参考資料として横長A4で、「国内外の閉鎖性海域における再生に関する取り組み事例の整理」という資料があると思います。今日の報告はパワーポイントで4~5枚、3分か4分ぐらいでご報告しようと思っています。あまり深い話ではないのですけれども、とにかく着手しましたというご報告でございます。
 岡田先生のもとで作業をしましょうということですが、岡田先生との議論もそれほど深まっていません。ほかの湾と比較するというときに、ほかの湾を見聞きして、それと同じものをこの有明海・八代海に導入しようという態度はきっと成り立たないのでしょう。今日は比較の視点そのまま、比較のときにどんなふうに比べていったらいいんだろうという考えを少しご紹介して、そんな考え方でいいのかどうか、ご意見をいただければと思います。
 前回、楠田委員から幾つか重要な指摘をいただきました。私なりに整理すると、1つは『状況の調査はあるけれども、修復の知見が不足しているのではないか』という視点、それから、修復の知見をほかの湾に見に行くときも気をつけたらいいのではないかという4つの視点がありました。この4つの点は留意事項として、先ほど高橋室長の方からご説明がありました中間取りまとめの4章のところにかなり書き込まれているところです。この視点を自分の気持ちの中に持ちながら、ほかの湾の様子を比較しに行きましょうと思っております。それが1番目の比較の視点のパワーポイント・シートです。
 2番目ですけれども、有明・八代と同じ海は世の中に二つとないのですけれども、違うところもあれば、似ているところもある。それをどんなふうに見比べていったらいいんだろうということです。これはお手元の参考資料の取り組み事例の整理の2ページ目、有明・八代とチェサピーク湾と東京湾と大阪湾と並べて書いてありますけれども、こういった湾を比べるときにどんなふうに見比べていったらいいんだろうというところです。
 人口を水面積で割るという整理の仕方をまずしてみます。海が大きい・小さいという差はあるのですけれども、違う大きさの海同士を比較するときのインデックスとしてよく用いられております。有明とか八代ですと、水面積1km2当たりそれぞれ2.0千人、0.4千人の人が背後にいる。この指標で見ますと、東京湾とか大阪湾は有明・八代に比べて非常に大きな負荷を引き受けている湾です。水面積あたり人口負荷に大きな開きがあることは、水質や生態メカニズムの中には、直接比べられる類似部分もあれば、異なる現象として比べられない部分もあるので、ここら辺は気をつけましょうねという事が解ります。ただ、アメリカの例ですけれども、チェサピーク湾というのは有明・八代と似ている負荷の受け方だなというところが読みとれます。
 水面積あたりの負荷が表現として、窒素とかリンの栄養塩の濃度にどう出てくるのかということを表にしました。湾の口と湾の奥の濃度を一桁か二桁ぐらいでまとめたものが、参考資料の2ページ目の表に書いてあります。窒素、リンの負荷、水質の濃度で比べるとチェサピーク、東京湾というのはかなり富栄養化が進んでいるというようなところがわかります。ですから、かなり富栄養化が進んでいる湾での対策とか、いろいろな解析とかは、直接は有明・八代に持ち込めないかもしれないということです。
 これは横軸に水面積当たりの負荷をとって、縦軸に濃度をとった図です。中央環境審議会の答申に載っていたので引用させていただきました。総量規制によって、横軸・水面積当たりの負荷が減っていくと、縦軸・濃度が少しずつ減っていくというグラフでした。このグラフ上に先ほどの東京湾、チェサピーク、有明・八代の海を何とかプロットしたいなと思いまして、1人1日当たりのリン負荷が1gみたいな原単位をかけて、水面積あたりのリン負荷に換算しました。比べると、例えば東京湾では右側の辺になって、大阪湾では中間になって、チェサピーク湾が左側に寄り、有明と八代はチェサピーク湾の近くになるということです。海の様子が湾ごとに少し違うということを踏まえた比較がこれで少し見えてくるかなと思います。なお、1人1日あたりの負荷原単位の値はほとんど概略値ですが、湾の相互の位置関係を見比べるためだけに用いているので多少粗くても比較には耐えられます。
 あとは資料を集めましたというご報告です。先ほどの対策と原因究明と一緒にやるのは苦しいねという悩みもチェサピークでは持っておりまして、再生対策20年の歴史の中でいろいろな組織をつくっているらしいということがわかります。東京湾では、共通の目標を立てているのですけれども、非常に総括的な目標を立てていながら、この部分からやっていきましょうというゾーニングみたいなことをやっています。目標の立て方に工夫がありそうですねという例です。
 それから、東京湾でも原因究明と対策とその対策の様子のモニタリングとを組み合わせた格好で施策を意識しています。というところまで情報を集めておりますということでございます。
 以上でございます。

○須藤委員長 ご説明、どうもありがとうございました。十分に勉強しているというのは皆さんわかっていただけたと思いますので、岡田先生と十分ご議論をしていただきたいと思います。お願いいたします。

質疑・意見交換

○須藤委員長 それでは、先ほどの高橋室長の第4章のご説明と、ほかの湾と有明・八代との比較といいますか、その見方、視点、そういう問題について今細川先生からご説明をいただきました。それについてこれからしばらくご議論をいただきたいと思います。先ほど三本菅先生が意見がございますと予約をしてくださったので、そこから参ります。

○三本菅委員 140ページ、141ページのフロー図ですけれども、タイトルだけを見ますと「検討の結果こうであります」と読めます。でも、先ほどのご説明では、可能性のあるものを整理するということになると、タイトルと随分違うんじゃないですかということが1点です。
 それから、ノリの生産活動の、特に酸処理剤が資源減少に結びついています。矢印がずっと行っています。魚介類と漁獲量の減少というところに酸処理剤の一番外側のラインが延びています。これは先ほど3章でご説明いただいたところでは全くそういうことはなくて、前回中田先生たちからお話があったときに、可能性について検討する必要がありますというところだけが出ていたのであって、これに結びついているラインは3章ではあまり述べられていないと私は理解しておりますので、ラインの引き方はいろいろあると思いますけれども、このラインはほかと同じではないのではないかという感じがいたします。ご検討をよろしくお願いいたします。

○須藤委員長 わかりました。今おっしゃっておられるのは第3章の取り扱いとこの関係ですよね。わかりました。
 それでは、本来ですと順番にお一人ずついただく方がいいのですが、あと30分ぐらいでお一人お一人はちょっときついかなと思いますので、もしもご意見があればお願いいたします。
 それでは、小松先生、どうぞ。

○小松委員 ただいまの140ページの図ですけれども、私はいろいろな要因をうまく取り上げて、非常によく書かれているなと思うのです。下の陸域、河川の影響のところで、干拓、埋立てという項目があって、ずっと右の方に感潮域の縮小というのがあって、その左上に干潟・藻場の減少とあります。こういうふうに取り上げられているのであれば、干拓、埋立てのところから「海表面積の減少」という項目を是非入れてほしいという気がします。感潮域の縮小みたいなことを取り上げるのであれば、それはそれでいいのですけれども、干拓、埋立てによって海表面積が減少するということが非常に大きな要因になるので、そういう項目を是非入れてほしいというのが一つです。
 それから、細川委員の先ほどのお話で、他の海域ですが、よかったら韓国の始華湖、そこも取り上げて議論をしていただくわけにはいかないものでしょうか。要望ばかりで申しわけないのですが。

○須藤委員長 今先生がおっしゃったのは水門をあけて水質改善したところですね。わかりました。
 では、楠田先生、どうぞ。

○楠田委員 最後にまとめるときのお願いですけれども、今いろいろと調査をされていて、そのデータのご報告を頂いていますが、それでは、有明海の全体を見渡したときにどうなっているのかというまとめの報告が必要ではないか。そういう意味で、例えば有明海の物質収支が一体どうなっているのかという図が出てくると大分状況がわかるのではないかと思います。特に外部との境界条件になっています生物による取り出しですとか、底泥側への蓄積など、境界のところで一体どういう動きになっているのかというところの答えが出てきますと、原因のプライオリティをつけるときのかなり有力な資料になるかと思います。

○須藤委員長 先生おっしゃったのは、要するに物質収支をとるわけですね。例えば底泥に行ったとか、あるいはCO2に分解されたとか、外に流れたとか、そういうことですね。

○楠田委員 系外排出です。

○須藤委員長 取り出し、系外排除ですよね。そういうふうに量として全体のバランスを見るということですね。

○楠田委員 例えば水産の場合は現在に焦点が当てられているのですけれども、昔そこらにあった牡蠣のコントリビューションがどの程度だったとか、という比較が、もう少しダイナミックな、時間の流れの中で比較されることが必要ではないかと思います。

○須藤委員長 今ではなくて、過去はこうであって、今はこうで、将来こうなるだろうとか、そういうことですね。これはここの評価委員会とは直接関係ないのですが、先生の方のご研究ではそれは進んでいるんですか。先生はそういうことをおやりになっていらっしゃいますよね。必要だとおっしゃっておられるのは私もよく理解するのですが、今でなくてよろしいのですけれども、先生はたしかこの辺のご研究をお進めになっていますよね。

○楠田委員 一部進めておりますけれども、最終取りまとめに向けての視点として、必要という認識でいます。

○須藤委員長 そうすると、それは先生から、別に今度の中間ではなくて、もう少し研究が進んだ段階でご発表いただくということにして、それを取り込んでいくということも必要だろうと思いますので、取り上げる視点としては物質収支の視点というのは私も大切だろうと思いますし、多分環境のこういうことを論じるときの一つの基本の問題だろうと思います。

○楠田委員 物質収支の視点というのは一つの例として申し上げたのですが、あと、各役所がそれぞれの役割分担の中で出てきたものを、有明海の再生というときにどう横につないでいくかというところのファンクションがここの委員会ではないかと思います。

○須藤委員長 どうもありがとうございます。今の行政的な問題については後で高橋室長からお聞きしますが、私はそれでよろしいかと思います。
 ほかに、森下先生、どうぞ。

○森下委員 私も楠田先生と同じように、これから計画を立てていくときに何が大事かというと、やはり野生生物のすんでいる、それから人間が一番大きくかかわっている水界ですから、生態系そのものがどういうふうになっているかということを詰めて、そして、その上に物質収支があって、それから人間が活用することでどういうふうに変わってきたんだということの説明をつけていかないと、人間が活用することは、片方ではそれをどうやってうまく管理をしていくかということにつながっていくわけですから、自然といいながら自然ではない、そういう生態系のつき合い方というのが見えてくると私は大分うまく進むのではないかと思うのです。
 そして、例えばベントスなどですと、泥になったということに非常に中心が行っているけれども、泥になったということで増えるものもありますし、減るものもありますし、そのバランスをそれではどうするかということを含めると、例えば泥になったことが問題ではなくて、ひょっとしたら水深の変動みたいなものがすごくきいてくるとか、それは東京湾の例ですとか、大阪湾の例ですとか、これまで30年湾口とつき合ってきたそれぞれの歴史を見ると、そういうことというのは一般の人にもわかりやすいし、とにかく住んでいる人がわからないことを言ってはいけないと思うのです。ですから、そういうふうな一番基礎のベースになるものをやはりどこかで押さえておかないといけないというふうに思っております。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。一言で言ってしまうと、生態系としてどういうふうにとらえるかということの必要性だろうと思うのです。生物を介在して、最終的にはそれが物質収支ということにつながるわけで、そこに人が絡んでくるわけでしょうから、そういう視点も、先ほどの物質収支と同じように、これから何をやるか、最終まとめについてどういうふうにしていくかということの議論ですので、項目を挙げておく必要はあるだろうと思いますので、その辺は抜けているかもしれません。
 大和田先生、どうぞ。

○大和田委員 140ページと141ページを見て、あまりにも落差があって、これなら私は出さない方がいいと思うのです。これはあまりにも単純で子供が書いたような絵です。出すのであれば、もう少し何とかしてほしいと思います。

○須藤委員長 先生、今までにわかって、これからわかるものもあるのですが、とりあえず今の段階ですと、後で岡田先生に追加をしていただいてもいいのですが、これ以上なかなか書き込めなかったのでこうしたということです。

○大和田委員 赤潮の発生、貧酸素水塊の発達、これは前に坂川室長がいたころ、環境省でも貧酸素水塊を大分八代海で調べているというお話があったのですが、その後何かやっておられるでしょうか。私が知っている範囲では、貧酸素水塊が発達というほど検出されているのでしょうか。それもありますし、あとは干潟・藻場の減少、こういうのは富栄養化の方とも絡んでくるような話で、こういう一本の線で単純に書くような話ではないのではないかと思います。ご検討をお願いしたいと思います。

○須藤委員長 確かにこの2つの絵を比較して、本来ですと、類似の線が書けないといけないだろうと思いますが、多分今までの小委員会などを含めての情報からすると、このくらいのことしかいえなかったので、あえてこうしたということです。それから、先ほど三本菅先生からもおっしゃっていただいたのですが、これはもう検討した結果に見えるよとおっしゃったので、これは本来ですとこれからの検討の方向とかということなので、これでやったというふうにとれるとタイトルが変ではないかと先ほどおっしゃられたので、意味はそういう意味だということにさせていただきます。
 今のところは岡田先生からコメントをお願いします。

○岡田委員 コメントを申し上げるというよりも、申しわけございませんとしか言いようがないのですが、それは今日の委員会の最初の議論からございますように、八代海については情報が著しく不足している。不足している段階でこちらが勝手に書くということはもちろんできませんので、現時点ではこういう状況であるということをご確認いただいて、もちろん考えればもう少し線が引けるのですが、やはり線を引くに値するそこそこの情報がない限り、ここで勝手に引くべきではない。少なくとも事務局原案として引くべきではない。もちろん委員の先生が引けとおっしゃられれば引くべきだと思いますが、そのかわり、線を引くなら線を引くとおっしゃった根拠情報を後からお送りいただければ、だんだんこの議論が詰まっていくというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○須藤委員長 岡田先生、こちらが非常に多くて、こちらが少ないのは、これまでの情報とかによればとか、何か誤解を招かない表現はつくれますよね。先ほどの検討結果もそうですが。

○岡田委員 確かにタイトルの「検討結果」というのは不適切だと思います。すみません。

○須藤委員長 ですから、それはおっしゃられるとおりです。それは直します。それから、今のようにこれまでの情報だけでやるということであれば、「これまでの情報による」とか何かしないと、この2つの違いというのが歴然とし過ぎているので、報告書をつくるときはその辺注意しましょう。ありがとうございます。
 滝川先生、どうぞ。

○滝川委員 今の点に関してですけれども、八代海の方は非常にデータが少ないということですが、ここの一番最初にも参考文献が出ておりましたけれども、八代海については「八代海域環境調査検討委員会」というのがありまして、それにモニタリング委員会がありまして、もう少し書き込めるようなデータがその中にもあると思っております。そういった意味ではもう少し調べていただければありがたいと思います。

○須藤委員長 それは以前にここで発表していただきましたよね。

○滝川委員 どこだったかわかりませんが、多分あるはずです。

○須藤委員長 この会でしたか。

○滝川委員 弘田先生が委員長をなさっておりましたので、そういう意味で少しはご発表なさったか……。

○須藤委員長 資料もそのときにいただきましたよね。

○滝川委員 あるはずです。大和田先生と何人かのグループで……。

○須藤委員長 大和田先生もそのときいらっしゃいましたか。

○大和田委員 私はちょっと……。

○須藤委員長 では、それは、あまりこれに入れられていなければ取り込むようにいたします。弘田先生が委員長をされた委員会ですよね。

○滝川委員 その後も調査が進んでおりますので……。

○須藤委員長 今もあるんですね。その情報がもしかしたら当委員会としては乏しいかもしれません。ありがとうございました。

○滝川委員 それともう一点、今最後に細川委員からご説明いただいて、ちょっと教えていただきたいのですけれども、ほかの湾との比較の中で、有明・八代海は東京湾、大阪湾に比べると、というご発言があったのですが、こういうものを比較していくときに、単なる人口比だけでいいのかなというのがちょっと気になりました。要するに、閉鎖度みたいなものがあって、積分値みたいなもので海の中にたまり込んでいく。それが海水交換みたいなものが悪ければ、そういったことも加味していかないと、単純にそういう数値だけでどうかなという気がしております。ちょっとご検討いただければと思います。

○須藤委員長 比較をするときの視点ですが、どうぞ、細川委員。

○細川委員 閉鎖的な内湾の比較論みたいな議論というのは、ここ20年ぐらいいろいろな格好で行われてきています。比較をするのを科学的に詳細にしようとすればするほど、一つ一つの湾は別の湾と違いますという議論にしかならなくなって、どこかで割り切って、どういう視点で比較するのかというところが大事だと思います。湖沼の場合、Vollen Weider型の整理というのが富栄養化の研究でかなり昔からあって、それに類似した指標として滞留時間が永い閉鎖的内湾についてこういう指標を使いましょうという議論が古くからありました。
 日本では、今まで政策的な検討にこういった指標が使われにくかったのですけれども、今回、中央環境審議会などでこういう整理をしてみて、変遷とか、他湾との比較というのが比較的見やすいというようなことになってきたようです。いろいろな制約はありますけれども、日本の内湾の相互比較みたいなときに使える一つの指標だと私は思っております。これだけですべてではないというのは確かです。参考資料には閉鎖度も表に掲げております。ただ、これで見るといろいろなことが比べやすくなりますね、という指標として使うということではないかと思っております。

○須藤委員長 比較のときには何かを基準にしてやらなければいけないので細川先生のおっしゃられるとおりかと思いますが、もし滝川先生がこういう視点で比較した方がよろしいのではないかというご意見があったら、どうぞお願いいたします。今のは人口とか面積当たりとか、そういうことですよね。

○滝川委員 今ご説明いただいたのでわかりましたが、やはり閉鎖度が非常に高いということで、年々積分値として累積されているものが多いでしょうから、そういったものを加えると非常に難しくなるといいますか、広範な議論になってしまうということですが、やはりここで対象にしているのは有明・八代海なので、そこはそこなりの見方を、ほかの湾との比較ではないのですが、個々を議論して、最終に向けていくときにそれも考えていく必要があるのかなというふうに思っているということございます。

○須藤委員長 滝川先生もご存じかもしれませんが、窒素とリンの規制をするときに、閉鎖度指数1.0以上ということで日本の88海域を決めているのです。当然有明も八代も入っているし、東京湾も入っています。そういうことで比較して、その数値などは、私はっきり覚えておりませんけれども、そういう閉鎖度の指数などでの比較はできると思います。類似だとか、類似でないとか。

○滝川委員 底質の変遷などを見ますと、非常に悪いものが何十年とたまっている。そういうものがどうも私自身は非常に気になるものですから、積分値として見る方向性がないと、というのが気になっているということでございます。

○須藤委員長 では、細川先生、森下先生と順番にお願いします。

○細川委員 ご指摘ありがとうございます。十分配慮して、比較のときに考えていきたいと思います。
 滝川先生のご趣旨は、楠田先生の物質収支をとれというご指摘とよく似ているような気がします。湾全体の仕組みをざっとつかむというようなことしないと、この湾はどういう湾ですかという説明がしづらいです。そういう意味で楠田先生とか滝川先生のご指摘は大事なご指摘だと思っています。特に、この中間取りまとめの原稿を見ますと、第4章は留意点は書いてあるのですけれども、目次立てが書いてありません。こういう内容で書き込みましょうということがうまく書いてないので、お二人の先生のご指摘を踏まえたような中身づくりをして、そのときに4.1に書いてあるような留意点を踏まえながらまとめるというのがいいのではないでしょうか。
 以上です。

○須藤委員長 細川先生、東京湾がお詳しいことを私よく理解しているのですが、例えば窒素でも、リンでも、有機物でもいいのですが、物質収支というのは大ざっぱにどういうふうになっているかは大体とられているんですよね、東京湾については。

○細川委員 はい。

○須藤委員長 見通しとして、今までのここのデータからして、有明海・八代海が、例えば東京湾レベル程度のことが行けそうですか。今でなくて本報告までには。

○細川委員 楠田先生もご存じの上でのご発言と思うのですけれども、有明海における物質収支の1979年と1999年の比較という論文が最近出ました。ともかく初めての物質収支をとった研究論文なので、ここに何か数字があるということでよりどころになると思っております。

○須藤委員長 どうもありがとうございます。そういうことで方向性は見えているということのようです。
 森下先生、どうぞ。

○森下委員 魚とか底生動物という生物の問題は、環境要因とものすごくかかわっていて、大阪湾とここと違うというのは、浅い部分がどれぐらいあるかというような決定的な環境の違いがあるのです。大阪湾は魚ですから、水深が深くても浅くても、必要なのは産卵のときだけですけれども、有明・八代というのはそこでベントスが生産されるという大事な場所なので、ベントスが生産される面積がどういうふうにあるかというのがはっきりしてこないと、チェサピーク湾と一緒になると、あそこはそれで間違ったのです。大阪湾の検討のときも、平均水深とVollen weiderでいったんですけれども、大阪湾も東京湾も特殊な水域で、ベントスということにあまり重きがなかったんです。それが有明・八代のときにものすごく大きくきいてくるということがないといけないので、泥になったかどうかということではなくて、そういう物理的な環境の条件がどうそろっているか、もともとそれが生物相に反映しているわけです。
 そういうところで大事なのは、要因としては、どういうところで、どんな工事が行われていて、そのことによってどういうファクターが生物にあるかということも詰めていかないと、例えば大阪湾のようなところだったら、関西空港をつくったことによって魚が増えてしまったというようなこともたくさんあって、環境の変化が何時間かして、時間的な変化をして、そして生物相に反映してくるというのは事実ですから、そういうような生態系を動かすものを整理する必要は基本的にあると思います。

○須藤委員長 ありがとうございました。やはり先ほどの底生生物の生息域というか、生息面積というか、そういうものとしてとらえておくということも大切だろうと思います。
 それでは、山田先生、山本先生、順番にお願いします。

○山田委員 最初に提示していただいた図3.1.1からすれば、今回示していただいた新しい図は進化していて、現状をよく反映されていると思いました。これをもとに、今後これを詰めていけば何らかの道ができてくるのではないかと思いました。
 あとは、ここに書かれておりますように、確実性、そしてどこにプライオリティを置いていくのか、そして、本当にどうすれば再生に向けて私たちが道筋を類推していくべきか、本当に個々のプライオリティのつけ方、今後の調査の仕方にかかっていると思います。

○須藤委員長 わかりました。プライオリティはこれからの議論の中でやらせていただきます。
 それでは、山本先生、どうぞ。

○山本委員 図4.1.1ですが、国交省の方でコメントされています要因の分け方がおかしいのではないかということは反映されてはいないですね、今の段階では。

○須藤委員長 まだしておりません。

○山本委員 赤い線で囲ってある部分は「日照、風、降雨」の影響を受けている項目であると、これは国交省のコメントに出ている人為的にどうかできる、コントロールできないものであるということを暗にほのめかしていると思うのですけれども、この調子で赤い線を引いていくと、多分全部天候の影響とかを受けてしまうので、これは可能性があるものは全部挙げてあるので、ちょっとでも人為的にコントロールできないものがかかわっているものについては全部線が引かれてしまっているという状態だと思うのです。
 私は、国交省のコメントはすごくごもっともだと思うのですけれども、その辺を反映してこの図を整理した方が誤解が少なくなるのではないか。間接的にきいているか、直接的にきいているかというのはこの矢印で十分反映されますので、プラスどの部分は人為的に非常にコントロールができて、どの部分はできないということを考慮してまとめた方がいいのではないかと思いました。

○須藤委員長 ありがとうございます。要するに、人為的に制御できるかできないかというファクターでつなぎ方も考えてみたらどうですか、そういうことがわかるようにしてほしいということですね。これは後で岡田先生にも考えてもらいます。
 それでは、相生先生、伊藤先生、何かございましたら、一言ずつお願いいたします。

○相生委員 このフローについては、今の山本先生と同じような意見を持ちました。あと、先ほど森下先生がおっしゃった生態系がどうなっているかということ、その中に、このチェサピーク湾の取り組みなども、東京湾にしても、大阪湾にしても、一般市民の参加というのが不可欠であると。その場合に、物質循環だけですとわからない人がほとんどであろうと。ヨーロッパの地中海の取り組みなどを見てみますと、実はモニタリングをやっているのは一次生産者である海藻とか海草、そのモニタリングをやっているのです。でも、根本にあった問題というのは、やはり高次の、栄養段階の一番上のレベルの哺乳動物です。アザラシとか、そういった動物たちが激減してきた。一体何が起こっているんだろうということを調べていくと、やはり食物連鎖、低次のベントスとか、あるいは魚とか、その上の大きな魚、そういったものの食物連鎖ということが浮かび上がってきて、では、地中海全体を見ていく上で一番重要なのはやはり一次生産者ではないかということで、地中海の周辺の国々を取り込んで、フランスが中心になって、今モニタリングを10年以上やっています。そういう取り組み方というのが、私は一番一般市民にわかりやすく説明していく上では大事なのではないかと思いました。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。上位者ではなくて一次生産者をモニタリングすることによってわかりやすさを市民に伝えるというご意見をいただきました。
 では、伊藤先生、どうぞ。

○伊藤委員 私の方からは、138ページの検討課題ということで、プライオリティの評価が必要であるということで、これについては先ほどから意見が出ておりますので、図4のフロー、八代海も含めてですけれども、例えば確実性のあるもの・ないもの、その辺の仕分け、例えば破線で書くとか、太線で書くとか、そういうところの強弱をつけることによって、今後の再生プログラムをつくる過程、もしくは調査の方向性を出す上で重要な図になってくると思いますので、そのことが今後早急にやられるべきだと思います。

○須藤委員長 ありがとうございます。
 荒牧先生、これは次に小委員会でもご議論いただかなければいけないのですが、今の段階で先生の方から何かお話しいただくことがございましたら、お願いします。

○荒牧委員 小委員会の方から出てきた意見の繰り返しになりますけれども、この142ページの再生に向けた対策オプションとその評価というのは、多分今現場でおやりになっている人たちがわからない、原因と再生という形ではなくて、むしろ再生の方から先にやって、原因の方と齟齬をきたして悩んでおられると思うので、順番に行けば原因がわかって、再生に向けた取り組みというのが普通の考え方なんだろうけれども、現場ではむしろ再生の方から先に取り組まざるを得なくなっていて、そこから出てきた矛盾点とか考え方の齟齬というのは、むしろ小委員会のメンバーである水産センターの所長さんたちとか、そういうところにたくさんあるのではないかという気がしますので、そういうところから少し意見を聞いていただければと思います。
 この第4章は、順番に行けば多分逆になると思いますけれども、ぜひそのことが、失敗も含めて参考にして、それを直していくような形で再生の取り組みをやらないと、今のところまだ再生に向けたものをこの委員会では一回も聞いていないので、先ほどの小委員会の皆さんの意見を取り入れていただいて、小委員会のメンバーの主要なメンバーである県の水産センターの人たちの意見を聞いていただければ非常にありがたいと思います。

○須藤委員長 もちろん先ほど申し上げたように、それが原則ですし、できれば会議を一緒に持ちたいと考えておりますので、逆とおっしゃいますけれども、いろいろな方向からの議論が必要なので、今の再生をやって、それから原因を調べていく、結果としてはそうなるのかもしれませんけれども、そういうところではいろいろな問題点にぶち当たっている、各県の水産の所長さんがそうおっしゃっておられるのも、私も実際の委員会で聞いておりますので、ぜひその辺の議論を十分にしていただいて、ここで反映させるようにいたします。次の小委員会のときにはこの議論もあるんですよね。

○荒牧委員 あります。やりたいと思います。

○須藤委員長 ぜひそれはお願いいたします。これをどこまで修正してお渡しできるかは後で事務局から伺いますが、その上でぜひ議論をしていただきたいと思います。
 それでは、楠田先生、どうぞ。

○楠田委員 今荒牧先生がおっしゃられましたように、有明海では、国にしろ、県にしろ、小規模ながらいろいろな改善のための施策を打っておられます。どんなものが打たれていて、それは多分モニタリングをかけられているはずですので、そこのデータをこの場で一度お教えいただけますと、かなり対応策のとり方の姿が見えてくると思うのですが、いかがでしょうか。

○須藤委員長 ありがとうございます。各省、各県のやっている対策と、あとの経過、そのことをここで説明していただくということですね。これも時間的な制約もあるとは思いますが、後で高橋室長から、今いろいろ事務局へのご要望が多くなってきているので、可能な限り、最終的には、今先生おっしゃったことは本報告には載せられるように当然するわけですが、今度の中間報告でどこまでできるかということは後で高橋室長からお答えいただきたいと思います。
 ほかに何かご質問ございますか。滝川先生、どうぞ。

○滝川委員 142ページの再生に向けたプログラムの件ですが、ここに書いてありますように、いろいろなサイドからあるべき姿というのをつくり上げて、そして、それに向かった方向性、これをつくるのは非常に大事なことだと思いますし、実は熊本県の方でもそれは非常に率先的にやっているところです。そういうふうにして出てきた再生策、具体的な方策をどうやって実地に移していくのかということも、ここの委員会としても非常に大事なことかなと思っております。
 一番最後のところに、4.3で調査研究・監視の総合的推進という項目を挙げてあるのですが、これを具体的に実施に向かって、どういう方向性があるのかということも文献なり、調査論文といいますか、そういうのがあるのではないかと思っております。そこで荒牧先生に教えていただきたいのですが、文献リストの一番最後のところにその他という文献項目がございますが、この中に、そういう再生方策の実施に向けた、あるいはそういったものに関する調査といいますか、文献等があれば、もしそういった視点からでも調べていただけるとありがたいという気がいたします。

○荒牧委員 スタートした時点から、いわゆる各県が取り組んでおられる、それから省庁が取り組んでおられるところは、環境省としてここのところに直接出していただく。いわゆる構成グループですので、そこをやっていて、それから外れたものと言ったら悪いですけれども、大学の先生たちが個々にやられていた論文というのが、ここにおられる方々は主立った方々で、その意見は反映されるけれども、それ以外のものが救えないというところでやっておりますので、どちらかというと、今滝川先生おっしゃったことは、この委員会が直接命じてと言ったら悪いですけれども、依頼して、挙げていただいて整理するという作業の方がもともと委員会の構成にあっているのではないかという気がします。

○滝川委員 わかりました。そういう文献がありますよということはここで申し上げればいいわけですね。

○荒牧委員 そうです。

○滝川委員 わかりました。

○須藤委員長 細川先生にもお勉強していただいているということですから、ほかの海でそういう総合的な政策などもレビューされているものがあればいずれご紹介いただくとか、それは可能だろうと思いますので、また今日宿題を与えてしまうとよろしくないのですけれども、そういうことも可能ではないかと思います。
 まだご意見があると思いますけれども、事務局へのお願いのような部分も結構あるので、高橋室長から、それぞれの、こうした方がいいというようなこともありましたし、間に合わない部分もあるのですが、幾つか宿題があったかと思いますので、高橋室長、まとめてお願いいたします。

○環境省閉鎖性海域対策室長 難しい質問には、なかなかこの場では答えられないものもございますが、まずいろいろなご指摘をいただきましたので、できるだけそれを反映して、次回お示ししたいと思います。特に140ページの図については表題も含めて大分誤解を招く点があるということですが、これはあくまでも可能性として指摘されていることを整理したということでございます。私ども、最初は点線と実線と分けて、可能性の高いもの・低いものということでできないかと考えたのですが、とても今の段階では難しいということで、そこは今後やっていきたいと思っておりますので、現段階では、可能性として指摘されているものを整理したということでご理解をいただければと思います。
 それから、八代について非常にシャビーだということについても、当然そういうご指摘もあるかと思いますが、先ほどありましたように、あくまでも現段階で出されているものをベースとしておりますので、これについては大和田先生はじめご指摘いただければ、できるだけ中間まとめの段階でもう少しまとまるものにできればと思いますし、当然最終まとめに向けてはこういうものを充実していくという意味で、あえて今回出させていただいたということでございますので、ぜひ具体的なご指摘をいただければと思います。
 それから、中間まとめまでにどこまでできるかということですけれども、当然再生方策につながる話は、むしろ中間まとめ以降、まさにそういう取り組みについてどんどんこの場でも取り上げていって議論していただくということで、中間まとめの段階で、そこを今からやるというのは難しいと思いますので、それはむしろ次のステップとしてぜひ幅広くそういう情報をいただいて、検討の俎上に上げていければと、体制も含めて、それは次の話ということでご理解をいただければと思います。
 それから、こちらからお願いでございますが、今日いろいろと第3章も含めて具体的なご指摘をいただきましたので、もちろん私どもで調べるものは調べますけれども、先生方でご指摘いただいたものについて、もし具体的な修文意見とか、あるいはこういう資料があるから、これを見てやれというようなことがあれば、赤潮とかアサリとか、具体的なお話がございましたので、あまり時間もございませんので、該当する資料等をいただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

○須藤委員長 室長、どうもありがとうございました。
 一応時間も近づいてまいりましたので、中間取りまとめに向けた議論はこの程度で終了させていただきたいと思います。当然これからごらんになってご意見がございましたら、今週中に事務局にいただくようにというメモがありますが、今週中というのはちょっと無理かもしれませんので、来週早々までにご意見をいただくようにお願いしたいと思います。
 それから、先ほどから何回も繰り返しているように、八代海についてのいろいろな資料については追加をさせていただくということで作業をしていただきたいと思います。
 それから、追加的なご意見がいろいろありましたら、これも中間取りまとめ案に間に合えば、次回の評価委員会で新たな中間取りまとめ案をつくってご審議をお願いしたいと思います。
 それから、先ほど楠田先生から再生案の各省、各県のということがありましたので、これは次回というよりも、今後そういうことをやれるように、今日各省の皆さん、あるいは各県の皆さんいらっしゃっているので、今からどうぞ資料をつくっておいてくださって、いずれ近々にそういう議論をしたいと思いますので、各省、各県の担当の皆様、特に再生方策について現実におやりになっていること、あるいはモニタリングしていることについてはおまとめをいただきたいと思います。
 次はその他でございます。何かございますでしょうか。

○荒牧委員 少し気になっていることといいますか、前回も話題になりましたけれども、公調委の専門委員会の報告があって、そこはいわばいろいろな原因とそれに関連した、どう関係するかということまで論議をされている。前回は、これは別の組織なのでという組織論の問題があってなかなか参考にしにくいのではという話がありましたけれども、既に公開されていて我々は読むことができますので、そういうものを参考にしてやるべきではないか。私たちの小委員会ですぐということにはなりませんけれども、この本委員会で取り上げていただけると、いろいろな方々の考え方というのがそこで述べられておりますので、論文だけではなくて、そこでどういう解釈をすべきかということも含めて、表現されているものは非常に貴重な参考資料になるのではないかと思いますけれども、ご検討いただけないでしょうか。

○須藤委員長 ありがとうございます。
 細川先生、どうぞ。

○細川委員 私もできればいろいろな情報は集めたらいいと思っております。ただ、公調委としては、公調委のご判断もあるので、もう一度聞いてみて、どうしても非公開ということであればしようがないと思うのですけれども、聞くだけ聞いてみるというのはいいのではないでしょうか。

○須藤委員長 ありがとうございます。私からあの当時お願いをしてみたら、非公開でありますということを関係省を通してお話をいただいたものですから、前回はああいう判断を私自身はしたのですが、それ以後いろいろ伺ってみますと、現実的にはいろいろな方がごらんになっているという資料のようでございます。しかし、委員会で取り上げるということになると、それなりに了解をとる必要があろうと思います。そういうことでございますので、あのときは私個人でございましたが、今回は改めてこの評価委員会から、今、両先生からおっしゃっていただいたので、公調委にお願いしてみたいと考えているわけでございますが、この方針でよろしゅうございましょうか。特にご異議がなければ、事務局を通して、この委員会の一つの決定というか、お願い事項として公調委にお願いしたいと思います。そういう判断でよろしければそうさせていただきます。
 それでは、特にご異議がないようですので、公調委にそのようなお願いを事務局からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 今のように、事務局に、非常に大役ですが、お願いをしておきまして、あと何かほかにございますか。

○環境省閉鎖性海域対策室長 特にございません。次回の評価委員会については2月23日の午後、場所は未定でございますけれども、2月23日の午後を予定しておりますので、次回は中間取りまとめの案につきまして再度ご議論をいただいて、まとまれば、その後パブリックコメントということで予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○須藤委員長 ちょうど16時になりました。議事進行にご協力いただきまして、ありがとうございました。
 これにて第18回有明海・八代海総合調査評価委員会を閉会とさせていただきます。皆様、どうもありがとうございました。お疲れさまでございました。

午後4時03分 閉会

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