第15回有明海・八代海総合調査評価委員会 会議録

日時

平成17年9月12日(月) 10:00~12:30

場所

中央合同庁舎第5号館22階 環境省第1会議室

出席者

委員長 須藤隆一委員長
委員 相生啓子委員、荒牧軍治委員、伊藤史郎委員、大和田紘一委員、岡田光正委員、 楠田哲也委員、
小松利光委員、三本菅善昭委員、清野聡子委員、滝川清委員、 中田英昭委員、原武史委員、
本城凡夫委員、森下郁子委員、山口敦子委員、 山田真知子委員、山本智子委員
臨時委員 菊池泰二委員
事務局 環境省環境管理局水環境部長、水環境部水環境管理課長、
水環境部閉鎖性海域対策室長、閉鎖性海域対策室長補佐

午前10時00分開会

○環境省閉鎖性海域対策室長 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第15回有明海・八代海総合調査評価委員会を開会いたします。
  本日は、福岡委員、細川委員の2名の先生方からご欠席というご連絡をいただいておりますけれども、19名の先生方にご出席いただいておりますので、定足数を満たしております。また、岡田先生、清野先生からは若干遅れるというご連絡をいただいております。
  議事に入ります前に、7月末から8月頭にかけまして,事務局の環境省水環境部に人事異動がございましたので、それを紹介させていただきたいと思います。
  8月2日付で新しく水環境部長に就任いたしました坪香でございます。

○環境省水環境部長 坪香でございます。よろしくお願いいたします。

○環境省閉鎖性海域対策室長 続きまして、水環境部水環境管理課長・企画課長併任で着任いたしました紀村でございます。

○環境省水環境管理課長・企画課長 紀村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○環境省閉鎖性海域対策室長 申し遅れました。私、坂川の後任といたしまして、閉鎖性海域対策室長として、この評価委員会の担当として着任いたしました高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
  では、部長から一言ごあいさつを申し上げたいと思います。

○環境省水環境部長 ただいまご紹介いただきました環境省の水環境部長に8月2日付で着任いたしました坪香でございます。
  当評価委員会に多くの先生方にご出席いただきましてまことにありがとうございます。評価委員会も平成15年2月に初会合をいたしまして、これまでに14回開催しているわけでございます。その間、委員の先生方には活発なご議論をいただきましてまことにありがとうございます。改めて感謝申し上げます。
  現在、委員の先生におかれましては、個別の論点につきまして、整理、検討していただいておりますけれども、中間取りまとめに向けて、さらに議論を促せるところよろしくお願いいたします。
  本評価委員会は、有明海・八代海の再生に係わる評価を行うという極めて重要な任務を担っているところでございます。私ども事務局といたしましても、円滑な運営に遺漏のないよう万全を期すつもりでございますので、引き続きよろしく活発なご議論をお願いいたします。
  甚だ簡単でございますが、冒頭に当たりましてあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○環境省閉鎖性海域対策室長 それでは、議事に入ります前に配付資料の確認をさせていただきます。お手元の「議事次第」の裏の配付資料をごらんいただきたいと思います。
  まず、資料1といたしまして、委員の名簿をつけております。
  資料2-1といたしまして、有明海・八代海における底質環境について、滝川先生のお名前の入ったものでございます。
  資料2-2として、横長でございますけれども、問題の概況、論点等(底質の関係)でございます。
  資料2-3、有明海・八代海における底生生物について、菊池先生のお名前の入った資料でございます。
  資料2-4といたしまして、これも横でございますけれども、同じく論点等の整理ということで、生物のベントスの関係の論点がございます。
  資料2-5といたしまして、有明海における貧酸素水塊の資料でございます。
  資料2-6といたしまして、同じく論点の整理、横長でございますけれども、貧酸素水塊の部分でございます。
  それから、カラーでございますけれども、資料3といたしまして、有明海における二枚貝について、伊藤先生に用意していただいた資料でございます。
  最後が、資料4として、有明海・八代海への汚濁負荷の変遷についてというものがございます。
  以上でございますけれども、不足等ございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。
  それでは、以下の議事の進行につきましては、須藤委員長にお願いいたします。
  よろしくお願いします。

○須藤委員長 かしこまりました。
  本日は、早朝から、また、大変ご多忙の中をお集まりいただきましてありがとうございます。委員の先生方及び関係省庁、それから関係県、それから傍聴の方々もたくさんお出でいただきましたことを感謝申し上げます。
  それでは、本日の議題でございますが、お手元の議事に書いてございますように4つございます。有明海・八代海における底質環境、底生生物及び有明海における貧酸素水塊について、それから、有明海における二枚貝について、有明海・八代海への汚濁負荷の変遷について、その他、以上4つでございます。本日は13時までということで議事を予定しております。これまでやってきた委員会に比べて少々時間が短いわけでございますので、休憩をとらずに13時まで続けてやらせていただきたいと思っております。議事が円滑に進むよう、どうぞよろしくご協力をいただきたいと思います。
  それでは、早速、本日の議事に入ります。1つ目の議題は有明海・八代海における底質環境、底生生物及び有明海における貧酸素水塊についてでございます。前回の第14回評価委員会で、底質環境について滝川委員から、底生生物については菊池委員から、それぞれ報告をいただきました。また、貧酸素水塊に関してはワーキンググループで議論をしていただきまして、一定の整理がなされたと伺っております。
  そこで、両委員からの前回の説明とその際の論議、また、ワーキンググループでの議論の結果などを踏まえて、3つの各論点について整理したものを事務局から説明をお願いしたいと思います。
  それでは、事務局から、資料2-1から資料2-6に基づきまして、論点について整理してものをご説明ください。室長補佐、お願いします。

○環境省閉鎖性海域対策室室長補佐 それでは、座ったままで失礼します。
  資料2-1から資料2-6に基づきまして、前回まで行われてきた議論の整理をしたものについてご説明したいと思います。
  まず資料2-1ですが、これは、前回6月の第14回の評価委員会で滝川委員から底質環境についてご説明をいただきまして、その内容を事務局で整理して滝川委員にもご確認いただいたものです。
  前回の評価委員会で行われたのは、有明海の底質環境がどのようになってきているのか、また、有明海のうちでも熊本沖と大浦、諫早湾口といった局所的なところについて状況がどうなっているのか、それから八代海の底質環境はどのような状況にあるのか、そういったことの説明がありました。
  八代海については、調査が十分ではないということもあって、分析、原因・要因の決定が難しいんですが、有明海についてはある程度変化の要因が挙げられるのではないかということで、滝川先生からここにあるように11項目について要因として説明を受けたところです。
  最後に、では、そのような状況になっている底質を持続的に改善するためには、どのようなことが具体的な方策として挙げられるのかということで、以下のようなことをご説明いただいたと理解しておりますし、事務局としてそういうことで整理をさせていただきました。
  資料2-2をごらんいただきたいと思います。これは、以前それぞれの問題点ごとに問題の概況と、原因・要因として指摘されている事項、それから論点、課題ということで整理をしたものです。それの底質の部分について前回の滝川先生からの説明を踏まえて整理し直しました。特徴として挙げられるのは、問題の概況で、水深が全体的に平均化しているということ、それから海底堆積物の変化を見ると、有明海の富栄養化というのは40~50年前から始まっていて、それに伴って底質の泥化は以前から進行しているんだと、近年起きたことではないということが概況として挙げられております。
  それから、その原因、要因として指摘されている事項が幾つかありますが、滝川先生が強調されておられたのは貧酸素水塊や赤潮の発生に伴って、底質の有機物、硫化物が増加してきていることが大きいのではないかという説明を受けたというふうに理解しております。
  それから、論点、課題として新たに上がってきたのが、泥化が以前から進んできているので、近年の潮汐振幅の減少と底質の泥化というのは余り大きな関係はないのではないかということ。それからもう1つ、改善策としてはさまざまな具体的改善策を複合して実施することにより、海域特性、目的に応じて環境を改善させ、その効果を持続させることが必要だという提言をいただいたところです。
  裏にいきますと、八代海について状況を整理いたしております。先ほども言いましたように、八代海は余り調査が十分ではなくて、原因・要因として指摘されている事項が挙げられていない状況にあります。これは今後の課題という形で一番右の欄に整理しました。ただ、滝川先生からは、1980年代後半から赤潮が発生するようになった八代海の湾奥においては貧酸素状態になりやすく、それに伴って流れが淀みやすくなっており、シルト状の堆積物が分布するようになっているという説明があったと思います。
  底質に関してはこの2枚で整理をいたしました。
  引き続き、資料2-3について説明いたします。前回の評価委員会で菊池先生から底生生物についてご説明を受けました。そのときの先生の説明は、10年間の変化、1989年の夏と2000年の夏の調査を比較して、底質環境、それから底生生物の組成、個体数の分布がどのように変化をしてきているかという説明を受けたところです。
  1)の底泥の属性という部分については、先ほどの滝川先生の説明とも重複するんですが、細泥化、富栄養化の進行が見られるということです。それから、ベントスに関して、二枚貝、甲殻類、多毛類、それぞれについて変化傾向を説明していただきました。総じて減少傾向にあるということと、それから優占種の交代が見られるというようなことが、2年の調査の比較から明らかになったということです。
  それから、有明海の底生生物について、それぞれの分布域の説明がありました。諫早湾口から多以良-長洲ラインのところ、それから東岸、西部、それぞれについてどのような種類が見られるかというご説明を受けたところです。
  裏にいっていただきますと、それぞれの底生生物の環境指標性ということでご説明を受けました。硫化物が多いところに多い種類、それから中央粒径が小さいところに多い種類、それからAVS耐性が強い種類がいるところ、それぞれについてご説明を受けたところです。
  以上は有明海に関してですけれども、IVとして、八代海は特徴的にどうなのかということで、それぞれの分布域がどのような状態で、どういう種類が出現するかという説明を受けたところです。
  最後に、最近の調査結果ということで、今まで有明海にしか見られていなかったような種類が八代海の方でも分布していることが報告されたということが紹介されました。
  それらに基づきまして、論点等の整理ということで資料2-4をつくったところです。今、説明したことと重複しますけれども、10年間の調査の結果を比較して、総マクロベントス数の減少、それから二枚貝、甲殻類、多毛類でそれぞれどのような状況が見られたか、指標生物としてどのような状況が見られたか。それから、八代海で有明海特産とされていた希少種の分布が新たに確認されたということで、問題の概況を整理しております。
  それぞれの原因・要因として指摘されている事項は、底質の泥化、それから富栄養化、貧酸素水塊の影響もあるのではないかということ。
  問題の論点、課題としては、今回菊池先生からご説明を受けたのは2000年の9月の調査結果までです。それ以降については言及されておりません。調査が十分ではないということもあるかと思います。ですから、そういったところで経年変化をより明らかにする必要があるということと、それから指標生物、単純に底生生物ということだけではなくて、その中で指標生物や希少種等についても考慮して、生物多様性の減少に関する検討も必要ではないかということが課題として残っていると考えています。
  続きまして、資料2-5です。これはちょっとご報告が遅くなったことは事務局の不手際でした。申しわけありません。2月に第1回の潮流・潮汐のワーキングを開催するのとあわせて、貧酸素水塊のワーキングを開催いたしました。その中で、今、環境省と水産庁、それから九州農政局と3省庁共同でやっている広範囲の連続観測調査の結果なども踏まえて議論を行って、貧酸素水塊に関する一定の整理を行ったところです。その状況を整理して1枚のペーパーにまとめたのが資料2-5になります。
  今申しました3省庁連携の連続観測結果で、有明海の貧酸素水塊の現状として、湾奥の西部の干潟縁辺域と諫早湾内で別々に貧酸素水塊が発生しているということが16年度の調査結果から明らかになっております。それはその前の年に行った調査からも同じような結果が得られていまして、別々に発生するということに関しては、これは明らかではないかということが言えると思います。
  それから、発生機構についてそれぞれの海域ごとに整理をいたしました。湾奥の干潟縁辺部、水深が浅い海域では潮汐による影響が大きいと。それから発生機構として、夏季に成層化した際に小潮になると流速が低下します。そうすることによって海水の移動・混合が減少して、そのときに赤潮が発生すると底質に対して大量の有機物が供給されます。そうなると底質が還元状態になって、底泥・底層水の酸素消費が急速に進行して貧酸素化すると。そうすると底生生物が死んでしまって一層貧酸素化が進行して、最終的には無酸素状態になるということです。
  一方、水深10mぐらいの深さがある程度ある沖合域でどのように発生するかというと、このときも夏季に成層化して、底泥・底層水の酸素消費によって溶存酸素が低下して、最終的に貧酸素化すると。こういうところでは潮汐の影響が余りないので、台風などによる攪乱が起きるまで貧酸素状態が持続してしまうということが挙げられます。
  それから、貧酸素水塊がどのように移って拡散していくかということについては、まず小潮時に浅海域で貧酸素水塊が発生して、それが潮汐に伴って沖合に移動していくということが調査結果から明らかになっています。
  また、貧酸素水塊に関しては、過去に比べて発生しやすくなっているのかどうかということが論点の1つとして挙げられておりました。そこで昭和47年から平成14年までの佐賀県の浅海定線調査に基づいて経年変化のグラフを作成して、回帰直線の傾きを求めて検討を行ったところです。そうしたところ、場所によっては7月の溶存酸素濃度が減少傾向にあるところもあるのですが、全体として明確な増減傾向は見られなかったというのが事実でした。これは本調査が貧酸素水塊調査が発生しやすい小潮時ではなくて大潮時に行われているということも影響していると思います。
  ただ、過去からの継続的なデータというのは浅海定線調査の結果以外ほかにないので、別の視点からさらなる検討を行うことは困難であるということで結論づけられました。過去に比べてどうなのかということよりも、今行われています3省庁連携の広域連続観測調査の充実を図ることによって、現在どのように発生しており、どういった形で動いていっているのかということを明らかにすることの方が重要だということが、このワーキングでの結論でした。
  これらに基づいて論点等の整理ということで整理したのが資料2-6です。今説明したことがそのまま問題の概況、それから原因・要因として指摘されている事項、論点、課題ということで整理されております。
  これまで行われてきました赤潮の発生について、それから河川の影響についてと同じように、今回、底質の環境、底生生物、貧酸素水塊に関して整理を行ったところです。事務局からの説明は以上です。

○須藤委員長 どうも簡潔にご説明いただきましてありがとうございました。
  それでは、ただいまの事務局からのご説明につきましてご質問を伺いたいと考えていますが、まずは前回ご発表いただいた滝川先生と菊池先生からそれぞれコメントをいただいた後に、各委員からご質問、ご意見をいただきたいと思っております。
  それでは、滝川先生からどうぞ。

○滝川委員 それでは、コメントということでもございませんが、前回6月16日に発表させていただきまして、事務局の方でまとめていただきました。大体資料2-1にございますように、私が発表した項目に従ってまとめていただいていると思います。
  まず最初に有明海の底質環境ということがございますが、これは有明海全体について過去からどういうふうに泥化の傾向が進んでいるかというようなことと、それと水深そのものがかなり平均化されている、あるいは、泥化の傾向と言いますか、富栄養化の傾向からして、かなり以前から底質の悪化現象が進んできているのではないかということは最初に申し上げたとおりでございます。
  それから、熊本沖における底質環境の特性、特に最近泥化が激しいということと、堆積層厚、非常に泥層と言いますか、浮泥層の厚みが20~30mmあって、堆積速度が1年に1mmというように言われていることから、少なくとも熊本沖では20~30年前から泥化が進行していたというように考えられるということを申し上げました。
  それから、これは大浦沖あるいは諫早湾口部での観測調査結果からですが、かなりの浮泥層が堆積していて、ここのところはどうも浮泥が堆積しやすいような地形であるといったことが研究の結果からわかってきたということをご報告させていただきました。
  それから、八代海の環境については、これといった系統だったと言いますか、過去からのデータがたくさんあるわけではございませんが、特に赤潮等の発生が最近1980年代から多発して、しかもそれが長期化の傾向にあるということが報告されております。
  あとは、湾奥部の方がやっぱり浅いということもありますし、潮流の流れというものも遅いものですから、過去から進んでいたかとは思われますが、泥化の傾向が非常に大きいというふうなことがわかりました。
  それに関連しまして、有明海の底質環境の変化要因ということをまとめさせていただいて、たくさんございますが、いろいろなものが考えられます。ここに挙げてあるようなことが大体言えるのではないかと考えております。
  それから、最後に底質の改善ということでまとめさせていただきまして、基本的には内陸からの人為的な負荷と言いますか、それを減らすのは当然でありますが、そういったことから底質環境を改善していくには、1つの方法と言いますか、従来から行われている覆砂とか浚渫とか澪筋をつくるとか、そういったことだけにとどまらず、複合的な総合的な考え方、あるいはその管理と言いますか、そういった管理漁業というようなことも含めて対応していく必要があるのではないかというようなことを申し上げさせていただきました。
  ここに書いてあるのはよくまとめていただいていると思います。私からのコメントとしては
以上でございます。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。
  それでは、菊池先生、どうぞ。

○菊池委員 論点というのも、閉鎖性海域対策室の室長補佐たちと電話でお話しして、余りたくさん項目を私は挙げませんでしたので、大体こんなようなことでよろしいと思います。ただ、少し私自身物足りないというか、きっちりお話しできなかったのを残念に思っていますのは、1つは、私がこの前皆さんにお目にかけたデータは、佐賀の方で非常に広範に精密な調査をなさっていましたので、それでその10年間をおいての変化というのを主にしてお話し申し上げました。
  実際には平成13年以降ですか、各省庁協力しての調査がございますし、今も農林水産省も環境省もそれぞれ調査をなさっているので、ベントスのデータとしてはかなり精密になってきていると思います。例えば、前の佐賀水試でおやりになったのは10年間をおいて、夏のある1つの期間だけのベントスの調査で、それが食用貝の場合とその他のベントスということでやっていますけれども、現在は大体年に3回ないし4回の調査でございます。
  これのマップができて、私も整理をしかけているところなんですけれども、それでベントスの群集に動きがあるかどうか。季節変動というのは当然あるわけですけれども、その季節変動で1年目のデータと2年目のデータで、春から夏にかけて増えたのか減ったのか、春、夏だけ出てきて、秋、冬にはいなくなる種類というのもございますし。そういうものを1年目と2年目と比べて変わったと思うと、3年目にはまた1年目のフェーズに戻ったりしているものですから、一般論としてこの3~4年のシーズナルな調査をやったものから結論を出していいものかどうかとちょっと迷いまして。それと時間の問題もあって、前回は佐賀水試のお仕事をメインにして説明したわけです。
  ですから、種類相、決して多様性が減っているとは思いません。あとは人に役に立つ種類が減ったのか増えたのかということ。あるいは、多様性自身は変わらないけれども、大型の種類が減って小さい魚介が増えたとか、そういう意味では大きなノリ被害で、それから一斉の調査が始まりまして、この3~4年の間のデータをフォローしていった場合に、一定の方向へ変わっているのか、年によって、非常に凪の年で酸欠が著しくなった年もあれば、昨年のように台風がたくさん来て、そのたびに攪乱されてという年もありますので、それらを考慮して整理するのはもう少し後になると思います。
  その分が非常に簡単に、後ろの方にまとめてあります。論点、問題点とか、余り問題を追求するところまでいっておりませんけれども、そういう意味では今進行中ということでございます。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。
  滝川委員、菊池委員、どうもコメントいただきましてありがとうございました。
  それでは、ただいまの両委員からのコメントと、先ほどの事務局からのご説明をあわせて、委員の先生からご意見、ご質問をいただこうと思います。何かございますでしょうか。
  はい、どうぞ、小松委員。

○小松委員 滝川先生の前回のご発表と今日のまとめをあわせて2点ほどご質問させていただきます。
  前回のご発表、それから今日の取りまとめもそうなんですが、諫早湾口から奥の部分、それから島原の南、それから熊本沖、こういうところで貧酸素化とか泥化、それから硫化臭がするようになった嫌気化、また、有機物が増加してきているというようなお話だったわけです。局所的にこのようになっているというお話だったと思います。こういうことは以前から起こっていて、1991年以降だけの話ではないというお話なんですが、その根拠として全体的に1997年以降もあまり潮流は変わっていないということがあげられています。
  このことは海上保安庁のデータ、それから、ご自身のシミュレーションの結果等から言われているのですが、まず1つは、海上保安庁のデータは今、潮流ワーキンググループの方でこのデータは諫早締め切り前後で比較してはいけない不正確なデータだということが明らかになりつつあるわけなんですけれども、全体的にはあまり潮流は変わっていないという言い方を局所的な話と結びつけて、潮流の変化はあまり関係ないんだというふうに言われているのですが、潮流も局所的には大きく変化してきているわけなんです。ですから、局所的な話には局所的な話で対応させないとおかしいのではないでしょうか。
  それから、こういう現象の悪化というのは以前からあるから、最近だけの話ではないんだという論法なのですが、今、私がお話ししたように局所的な対応ということを考えると、確かにこういう現象は以前からあるのかもしれませんが、加速して悪くなっている可能性は十分にあるわけです。ですから、余り影響はないのではないかということは当然断定できません。
  例えば先生が前回のご発表で示された貧酸素化のデータで、1983年と1998年で比較されて貧酸素は余り大きな変化がないと言われています。ところが、1983年はいいとしても、1998年というのは締切りの後1年後ですので、当然、底泥の変化とかいろいろなものはタイムラグがあるわけですので、締切り後すぐのデータと比較して余り大きな違いはなかったとしても、それで締切りの影響がない云々ということは言えないのではないでしょうか。それを言うのであれば、最近のデータと1983年のデータを比較して大きな変化がなければそういうことが言えるかと思うんですが、締切り直後のデータと比較してもそれは言えないと思います。
  以上の2点、お願いします。

○須藤委員長 それでは、今、2点お話がありました。全体と局所的、それから時間的な変化の評価の仕方。
  どうぞお願いします。

○滝川委員 ここでまとめていただいたと言いますか、私が発表させていただいた泥化の傾向というのをまず全体としてどうとらえるかというようなことで、論点と言いますか、まとめさせていただいたということであります。全体として、ここにありますように地形が減ってきているし、あるいは、過去の富栄養化のデータと言いますか、シスト等の種類からして、全体的には泥化の傾向というのはかなり以前から進行しているというデータが出ているということを申し上げさせていただきました。
  それと先生がおっしゃっている場所によって違うという議論を含めまして、局所的な特性というところを、例えば先生がおっしゃっているのは、潮流の変化があるから、潮流の変化とあわせて泥質の悪化というのを議論する必要があるということだろうと思います。確かに私もそうだろうと思いますけれども、少なくとも熊本の沖のところでは諫早の締切りによって潮流の変化の影響があるかもしれない。しかしながら、それよりも以前からこのところにおいては泥化の傾向というのは起こっていますということを申し上げさせていただいた。
  ですから、潮流の変化がどの程度底質に、あるいは、流れそのものの影響が底質の泥化と言いますか、悪化というものに結びついているのかということについては議論の余地と言いますか、どの程度影響があるかというのは今後明らかにしていく必要があるというように考えております。ですから、ここでそれを影響がないというようなことではなくて、以前からそういう影響はあると。ですから、急激に潮流の変化、潮汐の振幅の減少というものが過去からの泥化の影響を説明できるというところまではなかなか考えにくいのではないか。ただし、最近における泥化の急激な進行と言いますか、その進行速度の違いということについては、詳しくデータを取っていってどういうようになっているのか。これは粒度と底質、あるいは貧酸素水塊等の発生の関連というものが明らかにならない限り、そこまで突っ込んだ議論ができるのかというようなことをちょっと疑問に思っております。
  以上でございます。

○須藤委員長 よろしいですか。

○小松委員 今の滝川先生のお話だと締め切りの影響について、明確なことは言えないということでよろしいですね。

○須藤委員長 ええ。

○小松委員 ただ、前回のご発表のときも、それから今日のこのまとめにしても、締め切りが大きな影響を与えているとは考えにくいとか、そういうふうに常に否定的に言われているんですよね。

○滝川委員 ですから、過去のデータから見る限り大きな影響を与えているとは考えにくいということです。どの程度影響があるかということが明確になればそれは書けると思いますが、明確でないという趣旨でございます。

○須藤委員長 ちょっと表現の問題もありますが、今日も議事録を取っていただいていますので、その言葉の意味は今の滝川先生のご説明ということでご理解をいただきたいと思います。
  それでは、ほかにご意見ありますか。前回の問題なので、とりあえずはよろしいですか。本日はさらに新たな議題で議論をさせていただきたいので、とりあえずはこれらの3つの論点につきましては、一応今のような表現ぶりの部分についての問題についてはこれからも議論を要しますが、評価委員会においては一定の整理がなされたということでございますので、今後、中間取りまとめを行うわけでございますので、その中で今までの議論は整理をしていきたいと考えております。
  それでは、2番目の議題、有明海における二枚貝についてということでございます。これまで赤潮とか河川の影響、そして、今ご説明いただきました底質環境、底生生物、貧酸素水塊と、5つの論点について議論を行い一定の整理がなされたわけでございます。本日は2つの論点について説明をしていただきたいと思います。そして、先生方にまた議論を行っていただきたいと思います。
  まずは、タイラギを中心とした二枚貝について伊藤委員にご説明いただき、次いで汚濁負荷の変遷について、環境省からデータの整理をした結果を報告していただきます。
  伊藤委員には、大変お忙しい中、資料の準備をしていただきまして、大変ありがとうございました。心から感謝申し上げます。
  それでは、最初に伊藤委員、どうぞよろしくお願いいたします。
  大体お話は40分程度ということでお願いしてございます。

○伊藤委員 ただいまご紹介いただきました伊藤でございます。
  今日は有明海における二枚貝についてということでテーマをいただいておりますので、それに関しまして、有明海における主要な二枚貝でありますアゲマキ、サルボウ、アサリ、タイラギの漁獲量の減少の原因・要因として指摘されている事柄につきまして、私自身が携わってきました調査結果や、もう既に報告されています調査結果をもとに、自分なりに整理し考察していきたいと思います。
  今回の論点整理の方法としましては、漁獲量の経年変化とそれぞれの魚種ごとの漁場の変化を切り口に種類別に地域別に、そして、それぞれの問題を個別に整理して内容をお示しし、現在進められている調査で既に取りまとめられている調査についてお話をしてみたいと思います。
  まず最初にアゲマキについてお話しいたします。この図は佐賀県の有明海におけるアゲマキの漁獲量の推移を示しております。有明海におけるアゲマキの漁獲は佐賀県でほとんど行われておりまして、データ的にも1901年ですか、明治のころからずっとデータがありまして、かなり大昔から水産資源として重要な役割を示しておりました。
  近年のアゲマキの状況をお話ししますと、こちらの図ですけれども、1988年、約800トン近い漁獲があったんですが、この漁獲のピークを最後に急激に減少しまして、1992年以降につきましては漁獲がほとんどない、資源状態としては皆無の状況が続いております。
  この原因につきまして、まず1980年代のアゲマキがたくさん採れていたときの漁場を示しておりますが、佐賀県の西部海域から筑後川、福岡県の矢部川、こういったところにアゲマキは主に生息しておりました。また、この図では示しておりませんけれども、熊本県の白川河口域、それから八代海におきましてもアゲマキは生息しておりまして、漁獲をされていたというように聞いております。
  先ほどのアゲマキの急激な漁獲量の減少ですが、アゲマキの漁場に異変が見られたのは1988年、昭和63年の8月と9月、この場所ですね。これは佐賀県の海域ですが、こういった場所で大量死が起こりまして、短期間のうちにこのあたりの漁場でアゲマキの大量死が広がっていった。ここは1988年ですが、1990年の夏には佐賀県の筑後川の支流の早津江川の河口域まで斃死が拡大しまして、これを見る限りでは時計回りに斃死が広がっていったということです。
  この原因につきましては、1998年、私ども水産試験場の職員の吉本の文献でこの状況について詳細な報告を行っております。当時の報告としましては、生理障害等も指摘しておりますけれども、同じ関連で当時の高知大学の鈴木先生と実験を行った結果、アゲマキの斃死した個体からビルナウィルスを検出しておりまして、その後ビルナウィルスを使った攻撃試験も行っております。ただ、資源状態としてはほとんどいませんので、現時点でこの急激な斃死原因を特定するには困難かと思っておりますが、こういった報告例があるということです。
  次にサルボウについてお話ししいたします。これはサルボウの漁獲量の推移を示したものですが、上の図が佐賀県と福岡県、佐賀県が黒いバーです。下が熊本、長崎の漁獲量を示しております。サルボウもアゲマキと同じように漁獲のほとんどが佐賀県で行われております。この図からおわかりのように、佐賀県におきましては、1970年の初めから1980年の後半にかけて、こういった著しい減少が見られております。その後急激に回復しまして、佐賀県でみますと、1万トン台の漁獲で推移しておりましたが、近年やや減少傾向にありまして、変動幅も大きくなっております。
  これはサルボウの1990年代の生息漁場を示しておりますが、佐賀県を中心とした海域、それから福岡県の一部の海域で漁場が形成されております。佐賀県の場合はこの漁場は区画漁業権漁業により養殖業を行っております。こういう場所でサルボウの養殖を行っているわけですが、この漁場におきまして、先ほど漁獲量でお示ししましたように、1980年代前後に漁獲量の減少が見られておりますが、同じ時期に瀬戸内海の岡山県、それから山口県におきましても、漁獲量の減少が見られております。
  この減少原因を解明するために、昭和56年から62年にかけまして、佐賀県、それから岡山県、山口県の各水試、そして、当時の南西海区水産研究所で斃死原因に関する共同調査を行っております。これはそのときの最終報告書の抜粋を示しておりますが、ご紹介しますと、有明海での斃死は、昭和40年代の後半から夏場に発生するようになった。そして、岡山県、山口県でも、これは瀬戸内海の方ですが、同様な斃死が見られまして、斃死貝というのは注目すべき点ですが、有明海から養殖用として持ち込まれたものであったこと。それから、有明海での斃死は昭和60年を境に収束して、同様に同じ時期に岡山県、山口県でも斃死が収束していったこと。
  これらのことから有明海産の種の活力低下が斃死につながった可能性があるというふうに報告されております。また、活力が低下した稚貝につきましては、いろいろな実験が行われておりますが、通常の環境変化、夏場にありますような高水温とかいったような変化に対応できなかった可能性があるということで、活力の低下の原因については不明ですけれども、報告書の中では、いろいろな実験をされておりますが、成熟・産卵との関係が示唆されております。
  この調査結果から推察しますと、当時の漁獲量の減少というのは、佐賀県海域で発生した稚
貝が何らかの要因によって活力が低下したことに起因していると思います。ただ、その低下の原因については現時点でははっきりわからないということになろうかと思います。
  また、近年の漁獲量の変動ですね、かなり変動幅が大きくなっておりますが、これにつきましては、まだ詳細な調査が進んでおりませんけれども、夏場のシャットネラ赤潮による斃死、それから昨今の貧酸素の問題。それから、養殖業ということでやっておりますけれども、採苗時期ですね、これは夏場なのですが、採苗時期の気象環境要因、それから区画漁業権ということで養殖業が行われておりますけれども、その漁場内での漁場管理などが指摘されております。そしてまた、これは山口先生の専門分野になりますけれども、近年のナルトビエイの食害についても、影響があるのではないかというように考えております。
  次にアサリについてお話しいたします。これは上の段が熊本県のアサリの漁獲量の推移を示しております。下が残りの3県の推移を示しておりますが、有明海におけますアサリの漁獲量は、皆様ご承知のように熊本県の漁獲が大半を占めております。熊本県の漁獲を見てみますと、これは既に報告されておりますけれども、1977年をピークに急激に減少しまして、2,000トン前後で推移をするようになっています。ただ、2003年につきましては、約8,000トンの漁獲がみられたということで、ここに示しておりませんが、やや回復傾向にあるというふうに聞いております。残りの3県につきましては、福岡県で1983年にたくさん採れた年がありますが、総じて2,000トンから6,000トンの間で福岡県の場合は推移しております。
  次にそのアサリの漁場について見てみますと、これは1980年代、先ほどの熊本県でピークが見られた当時の漁場と、それから最近の漁場の変化を示しておりますが、これが1980年代です。そして、○で囲んだ方が2000年代の漁場ですけれども、湾奥部で見てみますと、筑後川の河口域のこういったところのアサリ漁場の縮小と言いますか、減少が見てとれます。
  また、アサリの漁獲の大半を占めます熊本県を見てみますと、4大漁場と言われております荒尾地先、それから菊池川河口域、白川河口域、それから緑川河口域の漁場における漁場の縮小が見てとれます。
  次に、アサリにつきまして、熊本県の調査結果をもとにお話しますけれども、熊本県の主要漁場であります4大漁場と言われております荒尾、菊池川、白川、緑川の河口の漁獲量、たくさん採れていた1970年代の漁獲を見てみますと、荒尾地先では約7,500トン、それから菊池川河口域が1万4,500トン、白川が5,200トン、そして緑川河口域が4万2,000トン。この4大漁場の中でも緑川河口域が漁獲の大半を占めていたということがこのデータからおわかりになるかと思います。
  これは先ほどの熊本県の漁獲量の推移を4大漁場別に分けたものです。緑のバーで示しております緑川河口域の占める割合が先ほど示しましたようにほとんどですが、熊本県の急激なアサリの減少というのは、この緑川河口域の減少がそのまま熊本県のアサリ減少に影響していることがこの図からわかると思います。
  これは同様に熊本県の水研センターの資料をお借りしたものですけれども、漁獲量と、この○はキログラム当たりのアサリの単価を示しておりますが、1970年代の半ばぐらいからアサリの単価が急激に上がっております。その急激な上昇に伴って漁獲量が減少していることがこの図から読み取れます。すなわち単価の高騰に伴って漁獲圧が高まった可能性がこの図から推測されます。
  熊本県を中心としたアサリの減少要因について考えてみますと、この図は熊本県水研センターの那須主任技師がまとめられた図ですけれども、緑川河口域のアサリ稚貝の分布状況です。稚貝というのは大きさが1cm以下の貝でございますが、それの経年変化を示しております。この図から読み取れるのは、他の貝類と同じなんですが、毎年アサリの稚貝の発生量は異なるんです。同じ量が常に加入しているわけではなくて、年によって加入量が異なるということがこの図から言えるということです。その年の幼生の発生量や漁場に加入後の気象条件等の環境条件によって、加入量は異なりますということが熊本県のたくさんの報告例から読み取ることができます。
  このことを前提に熊本県のアサリ減少要因を考えてみますと、まずは背景にはアサリ漁場の減少。そして、環境要因による大量斃死と書いてありますが、これはそれぞれの河口域で大雨が降ったり猛暑のときなどに大量斃死が起こっておりまして、これにつきましては、熊本県から各年の詳しい調査結果が事業報告という形で出ておりますので、その報告書を見る限りそれぞれの年によって、いろいろな要因によって大量斃死が起こっているという現象がつかまれております。また、先ほど単価の話をしましたが、1つには乱獲も背景にあるのかもわかりません。また、これにつきましても、先ほど少し触れましたが、ナルトビエイを中心とした食害も最近の減少傾向に影響している可能性も否定できません。
  それでは最後にタイラギについてお話します。タイラギにつきましては、私自身、長年調査に携わってきておりますので、少し踏み込んでお話をしたいと思います。これは同様に4県のタイラギの漁獲量の推移を示しておりますが、上の段が長崎県の漁獲量、下が残り3県、福岡、佐賀を中心とした漁獲量です。タイラギの特徴としまして、漁獲のピークが数年おきに起こっているというのが一つ背景にあります。この図から言えますのは、長崎県の漁場におきましては、1990年代の初めに入りますと、こういったところで漁獲のピークが見られなくなり、漁獲がなくなっていく。福岡、佐賀を中心とします湾奥部につきましては、2000年ごろからこのピークが消えまして漁獲がなくなったと、今の不漁につながっているということがわかります。
  これは1990年代のタイラギの潜水器漁業におけます漁場を示したものですが、こちらは福岡と佐賀の漁場です。福岡県の方に近い位置に漁場が形成されています。この漁場に隣接しまして荒尾地先の熊本県の漁場が形成されております。長崎県におきましては、諫早湾口のこういったところに主要な漁場が形成されております。
  今日のタイラギのお話は、これは既にいろいろなところでお話ししておりますけれども、一番データがそろっております北東部海域と呼んでおりますが、こちらが佐賀県海域、こちらが福岡県海域、そして、この三角形で囲んだところが福岡と佐賀の入会となる漁場です。いわゆる大浦漁協と大牟田を結んだ以北の漁場について、タイラギの資源はどうなっていたかということをお話ししたいと思います。その話につきまして、大きく論点を2つに分けまして、1つは背景になります長期的な資源の減少、そして、2番目としましては2000年以降の知見というふうに問題を整理してお話ししたいと思います。
  これは、先ほど農林統計でタイラギの漁獲量をお示ししましたが、佐賀県の場合、大浦漁協、これは潜水器漁業、漁船漁業が中心の漁協ですが、この漁協がほとんど潜水器漁業によってタイラギを採っております。この漁協におけますタイラギの漁獲の特徴としましては、1日の漁獲物ですね、いわゆる貝柱、閉殻筋ですが、1日の操業終了後にすべて漁協に集荷されます。毎日の操業実態が事細かくデータとして残っておりますので、それを漁獲量としまして、年度で漁獲量の推移を示しております。1970年代は貝柱重量で1,500トンを超えているということですが、その後300トンから400トン前後でこういったデコボコの豊凶を繰り返していく。この図から1つには長期的に資源が減少していっているということがおわかりかと思います。
  この図につきましては、よく見られている図だと思いますけれども、佐賀県の有明水産振興センター、当時の水産試験場ですが、1976年から佐賀県海域といわゆる三角形で結んだ入会の漁場におきまして調査点を設けまして、毎年秋を中心にタイラギの生息量調査を行ってきました。その結果を1976年から99年まで並べたものです。この大きな赤丸が先ほどお示ししました大浦漁協での漁獲のピークが見られた年を示しております。
  1990年につきましては調査を行っておりませんけれども、89年と91年のデータから推測しますと、似たような分布状況であろうと思います。この図から読み取れますのは、この時代につきましては広い範囲でタイラギが生息していたと、すなわちタイラギは広い範囲で漁獲対象となるような漁場が形成されていたことがわかります。これが徐々にと言いますか、90年前後を境に96年(平成8年)に最後の漁獲のピークがありますけれども、このときになりますと東側に偏っているということがこの調査結果から読み取れます。
  長期的な資源の減少、これはあくまでも湾奥部の福岡、佐賀の話ですけれども、かつての漁場を模式的にこういうふうにかきますと、現在残っている漁場としましては福岡、佐賀の入会、それから福岡海域、そして、隣接します荒尾漁場、こういったところに漁場がずっと集約されていったと。そういうことで、漁場の縮小がこの背景にあるのではないかというふうに考えています。その原因としましては、底質の変化が一つの大きな要因を占めていると考えております。
  これは、前回の委員会で菊池先生が報告されておりますが、私どもの1989年と2000年の底質の調査結果の中央粒径値の水平分布の一例を示したものです。詳細につきましては、菊池先生の方でまとめられておりますので、省略いたしますけれども、赤で示しております中央粒径値7の部分が、89年に比べて2000年は中央部に広がっていることがこの図から推測されます。すなわち底質の細粒化、泥化が進んでいっていることが読み取れます。
  このような漁場の変化、そして、漁場の変化に伴うタイラギの生息分布の変化の原因を調べるために、2003年度から3年間、今年度までですけれども、西海区水産研究所を中心にしまして、有明沿岸4県で産卵期にあわせまして浮遊幼生と着底稚貝の分布調査を行っております。あわせて底質の調査も行っておりますが、この図は佐賀県の同じ調査点で調査を行いました1981年のデータと比較したものです。こちらが浮遊幼生、こちらが着底稚貝です。23年前と比較してみますと、浮遊幼生の分布は中西部と言いますか、このあたりで23年前と同様に見られている。ただ、違うのは着底稚貝が1981年では浮遊幼生の分布と似ておりまして、この中西部といった部分でもたくさんの稚貝が見られておりましたが、2003年の結果ではやはり東側に偏っているということがこの調査結果からわかりました。
  では、この違いが何に起因しているかと言いますと、浮遊幼生はいたけれども着底しなかったか、もしくは浮遊幼生はいたけれども着底して死んだか、その2つに大きく分けることができると思いますが、これに関連しまして私どもの試験場で室内実験を行いました。その結果、タイラギの浮遊幼生というのは、浮遊幼生から着底稚貝に至る過程におきまして、底質ですね、基質というか底質の選択性はないという結論を得ております。ただ、その後の生残には底質が大きく影響するということは室内実験で確認しております。
  また、この4県調査、西海区水産研究所を中心とした調査の中でも、こういったところに西海区水研が付着器を入れております。その詳細は省略いたしますけれども、付着器に付着した分につきましては生残を確認しております。ただ、その付着器を設置していない部分につきましては生残を確認していないということで、この違いというのは着底した直後に斃死した可能性が高いというふうに考えております。
  これはタイラギの生活史を示したものです。その生活史と斃死発生時期について整理してみますと、有明海の場合、タイラギの産卵期は主に7月から9月、夏場を中心に産卵期が形成されます。雌雄同体で、浮遊期間が他の貝類と比べますと非常に長くて、約1カ月以上浮遊しております。浮遊期から着底期に至るいわゆる成熟幼生の大きさが非常に大きくて、0.6mmから0.7mmの大きさになりますと着底していくわけですが、この過程で先ほどお示ししましたような底質が生残に非常に大きく関与しているように考えられます。この過程が加入量への影響、資源量への影響に生活史の中では大きくかかわってくるのではないかというふうに考えております。
  それから、近年問題となっておりますいわゆる大量死につきましては、生活史で言いますと、夏場に生まれた貝が約1年たちますと、殻長、殻の長さが12~13cmに成長しますが、5月から8月を中心に大量死が起こります。この現象を私ども、4県と西海区水産研究所は立枯れ斃死と表現しておりますが、こういった時期に大量死が発生いたします。そして、一たん収束するんですが、最近の調査研究によりまして、秋口にまた再発するということもわかってきました。
  これは大量死の特徴を示したものですけれども、こういった感じで底泥から抜き出て急激に死にます。これは正常な個体ですが、衰弱した個体は、これは閉殻筋の部分ですが、軟体部が非常に萎縮します。そして、急激に衰えていって立枯れ斃死が起こります。
  こちらの図は調査ポイントとしておりました2000年の斃死状況を示したものですが、縦軸が殻長組成を示しております。横軸が殻長で組成を示しておりますが、赤が生きている個体、白抜きが死んだ個体です。8月にまさに大量死が発生したときの斃死状況を示しておりますが、この図からおわかりのように、大きさに関係なく大量死が起こっていることがわかります。また、一たん収束しました12月の同じポイントを見てみますと、この白抜きは斃死した殻ですけれども、大量の殻が同じようなモードで残っておりました。
  このことから、大量死というのは大きさに関係なく急激に発生するということが1つわかりました。それから、その殻が残っておりまして、1976年からずっと調査をやっておりますが、今までの調査記録にはこういったような状況は記載されておりません。ですから、いかに今起こっている大量死が特異的なものかということがこの調査からわかってきました。
  タイラギの成貝の大量死についてまとめたいと思います。いろいろな調査から成貝の立枯れ斃死の時期がわかりまして、これが現在の福岡、佐賀を中心とした北東部漁場の不漁の大きな要因になっているというふうに認識しております。
  この斃死原因につきましては、西海区水産研究所、それから、養殖研究所、長崎大学、水産大学校、九州大学、それから、沿岸4県が共同調査をし、生理、病理、生育、環境に関するさまざまな調査を行っておりましたが、結論から言いまして、現在のところ原因を特定できておりません。わかったこととしましては、この漁場におけます斃死というのは少なくとも貧酸素が主因ではないということですね。
  それから、タイラギの酸素消費量を指標としました活力を見てみますと、着底ですね、いわゆる夏場に発生した貝が約3カ月後には、11月ぐらいですが、既に活力が低下して酸素消費量の低下を確認しております。
  それから、この斃死の特徴としましては、潜水域漁場ではこういう斃死が起こるわけですけれども、隣接した大牟田や荒尾の干潟ではこういう斃死は起こっておりません。それと、これは最近の研究で明らかになりましたけれども、鰓や腎臓にウィルス様粒子を確認しております。ただ、現在のところ、繰り返しになりますが、原因を特定するには至っておりません。
  最後に、もう1つ問題をややこしくしているのが成貝の消失というふうに表現しておりますが、立枯れ斃死ではなくて、立枯れ斃死が起こらない漁場でも突然成貝がいなくなるという現象が観察されました。これにつきましては、山口先生を中心に私どもと調査をやりましたけれども、夜間観察や胃内容物調査の結果から、ナルトビエイによる食害が主な原因であるという結論が得られております。これにつきましては、資源量に与える影響につきましては、山口先生から改めてご報告があるというふうに考えております。
  以上です。

○須藤委員長 どうも簡潔にご説明いただきましてありがとうございました。
  ただいまの二枚貝に関するご説明につきましては、菊池委員、中田委員、原委員、山口委員、それから西海区水研の山崎部長をメンバーといたします作業部会での議論を踏まえまして、本日、伊藤委員が代表してご報告いただいたものと聞いております。この場を借りまして、各委員に感謝申し上げます。
  それでは、ただいまのご発表につきまして、何かご質問なりご意見なりございますでしょうか。どうぞお願いいたします。
  どうぞ、滝川委員。

○滝川委員 コメントと言いますか、教えていただきたいところがあるんです。4枚目の有明海のアサリの漁場がかなり縮小してきたという図面、8枚目ですか、漁場がかなり狭くなってきたというのに何か原因があるんでしょうか。

○伊藤委員 これにつきましては、いろいろなシンポジウム等、それから、ペーパーになっていますけれども、底質の変化とか。底質の変化というのは漠然とした表現ですけれども、底質環境がかなりきいているというような論文もありますが、先ほど須藤委員長がお話しされた作業部会の中ではそこまで踏み込んだ話はできておりません。

○滝川委員 ちょっとコメントになるのかもしれませんけれども、実は熊本県で漁民の方々等のアンケートあるいは意見交換をかなりやっていまして、荒尾、あるいは白川、緑川の漁場について聞きますと、荒尾沖のところは、ちょうどこのグリーンが塗ってあるところは少し浅瀬になっていますが、ここのところは以前は洲というんですか、洲と、エゴと言われますけれども、澪ですね、それが以前はかなりはっきりしていたんだけれども、それがなくなって洲が詰まったようになっていて平坦化してしまっている。だから、潮の流れが非常に悪くなったんだというようなお話があって、そこに細かい浮泥がたまってきているというようなご意見があったのが非常に興味深かったものですから。
  そういったところと同時に、岸の方の水深が深くなってきて、全体が平均化している。それに伴って背後地からの淡水と言いますか、水の流れが悪くなって、環境がかなり変わったというようなことがございましたので、もしご検討に加えていただければありがたいのかなということ。それと、緑川河口付近はアサリ漁場が以前に比べたら1kmぐらい岸の方に寄ってきているというご意見を聞いたものですから、「その原因は何ですか」とお尋ねしたりしてはいるんですけれども、どうもそれがよくわからなくて、沖からの塩分濃度の高い海水が岸の方に入ってくるんだと。あるいは、大出水に伴う河川からの淡水の出水が余り沖までいかなくなったとか、そういうようなご発言等がございましたので、流れあるいは底質環境との関連というものが密接に関係しているのかなというようなことが、漁民の方々からの意見聴取の中で出てきたものですから、ちょっとコメント的なことで申し上げました。

○須藤委員長 ありがとうございました。
  ただいまのコメントに対して何かございますか。

○伊藤委員 滝川先生のお話は非常に参考になると思います。私たちも初めてこういうふうに漁場を比較してみまして、漁場変化というのが明らかに起こっていることが改めてわかりましたので、これにつきましては、他の専門の先生、先ほどお話になりましたような流れとかいろいろな方面から考察すべき重要な問題だと思っております。

○須藤委員長 ぜひお願いいたします。
  ほかに。どうぞ清野先生。

○清野委員 質問をさせていただきたいんですけれども、一番最後のこれまでわかったことという、12ページの上の方で、タイラギの成貝の大量斃死の中で干潟域で起こらないというふうに書いてあるんですが、干潟域でなぜ起こらないかとか、あるいは、逆に起こる場所の底質とか地形の波、流れの違いというのを教えていただければと思います。

○須藤委員長 では、どうぞ。

○伊藤委員 タイラギにつきまして、特に福岡、佐賀、熊本を中心とした漁場で起こっていることにつきましては、今日お話ししましたようにかなり問題が整理されまして、今、清野先生が言われたように干潟域はなぜ起こらないのか、そこを中心に今調査をやっております。具体的には、昨年発生した貝の量が少なかったこともありまして、熊本県の荒尾の潜水器漁業、そして、荒尾地先の干潟域の底質環境、それから漁場環境と言いますか、それと貝の状態、病理的な面、生理的な面いろいろな面で比較をやっております。
  今後、熊本県の干潟だけではなくて、福岡、佐賀といったところの干潟域と沖合域の環境、それから貝の生理状態、いろいろなものを調べることによって、どうしてその両者で差があるのかというのがわかれば、沖合域で起こっている大量死の糸口がつかめるのではないかと考えています。これにつきましては、原因としては現在不明というふうに書いておりますけれども、かなり問題は整理されて、今後も西海区水研を中心に沿岸4県でさらに調査を強化して原因がかなりクリアになってくるのではないかと考えています。
  ですから、今、清野先生が質問されたことについては即答はできませんが、そういった視点で今調査をやっております。

○清野委員 もう1点の質問で、着底した稚貝が、着底する時点をまず自分で選ぶという選択性がなくて、たまたま着底してしまったところのいろいろな環境が悪いということによって斃死していくという仮説だと思うんですね。その際に酸素消費量の低下ということで、これは底質とかの水質の環境と酸素消費量の低下とか、それによる、生理学の方では酸素消費量が低下すると免疫力の低下とか、ここで示されているようにいろいろな病気へのかかりやすさとかいうようなことが一般に言われておりますけれども、そのあたりに関しては、酸素消費量とか生理活性のあたりの話を整理していただけたらと思います。

○伊藤委員 そうですね、今日はちょっと言葉足らずでしたけれども、かなり整理されておりまして、それについても論文になっておりますので、もし必要ならばそういう専門の実際にやられた方のコメントをいただくのが正確だとは思います。ただ、かなり整理は進んでおります。

○清野委員 ぜひお願いできたらと思うのは、この委員会の課題としては、こうやって項目で出てくると、タイラギというのはウィルスが問題であって環境じゃないんだというふうに短絡的に解釈をされるかというか、必ずしも研究者の方だけではなくて、そういうことがあるので、要するに項目間の関係性みたいなものをわかりやすく、ご専門の方も含めて次回に、わかっている範囲で結構ですので、整理していただくと、その辺の短絡的な受け取られ方がなくなって、要素間の関係がわかるかなというふうに思いました。
  次にコメントなんですが、先ほど滝川先生が言われた荒尾の漁業者の方のヒアリングは、有明海の特別措置法の評価委員会ができたときに福岡でヒアリングをしましたが、その際に荒尾の漁師さんたちが大きな干潟の環境の変化が起こっているということを証言されまして、その一部始終が議事録にも残っております。それに対して、熊本県の方で、やっぱり現場を見てきた方のヒアリングが重要だということで、干潟再生の委員会をつくられて、現地に赴いて直接伺うということをしております。
  その際に、滝川先生、菊池先生、私も同席しておりましたけれども、気づいたのは同じ現象ですね、澪筋が埋まって、底質が泥化してというのを、東京湾のタイラギ漁師で今80歳ぐらいの人たちも同じようなことを言っております。そういった有明海の漁業者が見ている現象というのが、東京湾で埋立てが激しく起こった時期に、海域が狭められて澪筋がなくなっていくとか、潮流・潮汐の変化があったとか、そういうときとかなり連動してタイラギがいなくなっておりますので、ぜひ東京湾の知見も含めて、時間を経て同じような現象を証言されているので、その部分も含めて東京湾の知見をこの有明海・八代海にも活かしていただけたらと思っております。

○須藤委員長 どうもコメントありがとうございました。
  ほかの水域との関連というのも総合評価の中では多分必要だと思います。
  何かほかにございますか。
  それでは、森下委員。

○森下委員 8ページのタイラギのグラフを見ていただきますと、6年ごとぐらいに小さな山があるように見えるんですが、タイラギが変化をしてなくなってから再生していく、その期間というのはどれぐらいみたらいいんでしょう。素人目にというか、我々底生動物をやっている者からすると、このグラフは、例えば1979年の突出したものを別にすれば、小さな6年ぐらいの間隔で幾つかの山が常にあるように見えるんです。減ってきたが、急に減ってきたのではなくて、山がなくなったというふうに見れるんです、このグラフからは。
  それともう1つは、アサリのようなものは、普通、今ほとんどのところで稚貝をまいて資源確保というようなことで管理をされておりますね。それが有明海とか八代海ではどういうふうになっているのか。というのは、貝という優良な生産物に対する人間の活動というのが変化があったのかなかったのか、そういうことが社会の背景にあるのではないか。例えば、内水面の琵琶湖のようなところですと、セタシジミが減少していくというのは、セタシジミを採る業者が産業を転換するとか、そういうことで人間の関係の方が環境の変化よりもすごく大きいことがあるんです。そういうことをわかるように整理をしていただくと大変ありがたいなと思います。

○須藤委員長 どうもコメントありがとうございました。
  今の問題、社会活動と水産業との関係ですよね。
  どうぞお願いします。

○伊藤委員 1つはタイラギの豊凶ですね、山、谷につきましては、これは76年からしか載せておりませんが、それ以前のデータもありまして、それを見ていただくとやはり右肩下がりというのが1つあります。それと大きな特徴としましては、皆さん見ておわかりのように豊凶の差が激しいですね。この豊凶の差というのは、年級組成と言いますか、殻長組成から見てみますと、年によって卓越群という稚貝が大量発生する場合があります。それが漁獲に結びついていって漁獲のピークを迎えます。そのときに漁獲圧がかかって、いわゆる取り過ぎですね。その結果減っていくというのが過去から繰り返されてきたように思います。
  ただ、言えるのは、そのような状況ですね、発生して、漁獲圧が加わって、また減って、発生してということを繰り返していたことが、ここ数年は起こらなくなっているということははっきりしていると思います。

○森下委員 それは資源量が減少してしまって回復が不能になったということでしょうか。

○伊藤委員 いや、それはちょっと私の説明が舌足らずだったと思いますが、この山というのは、当然ここに出てくるように私どもは考えております。そういった稚貝の発生が見られておりました。ただ、それは先ほど少しご説明しましたように、大量死という形で漁獲に結びつかなかったということが、今ここに山が消えてしまった大きな要因になっていると思います。
  もう1つ、アサリにつきましては、漁場管理という点では熊本県の方が非常に力を入れられておりまして、それにつきましては本当に重要なことだと思いますし、その効果が随分あらわれてきていると思っております。

○須藤委員長 それとデータをあわせられるともっとよくわかるということを森下先生は指摘されていますので、またそちらの方のデータもあわせて見て考察していただきたいと思います。

○伊藤委員 はい。

○須藤委員長 ほかにどうでしょう。
  では、菊池委員、どうぞ。その後、相生委員にまいります。

○菊池委員 今のアサリの資源管理の話ですけれども、熊本県は今漁民自身も随分そういうことに気を使うようになってきております。それから、底質が泥っぽくなると貝が育たなくなるということで、沖合の砂をまきたいと。これには当然労力とコストがかかるわけですけれども、今、熊本県の沿岸再生ということで環境政策課と水産振興課とか、県と市というような形で随分バックアップもされております。
  この間、私、滝川委員と一緒に荒尾を見まして、その後つい5~6日前に白川の河口の松尾という、いわゆる漁村としては小規模なところだと思いますけれども、ここは徹底して資源管理をやって、それから、海底から採ってきた砂をまいたところを流出しないようにとても気を使って。前に私がよそで聞いたのでは、砂をまいたものの3年ぐらいで駄目になるというように聞いたんですけれども、そこで伺いましたら、何回か覆砂はしているけれども、十何年前に砂を入れたところはちゃんとアサリが立っているということで、単位面積当たりのアサリの漁獲量は少なくともこの5年、6年は非常に安定して、そして覆砂をしなかったところに比べて非常に成績がいいんですね。
  それは1つは小さい貝を採らせない。これも、昔、私、20年以上前には有明海の漁業調整委員をやっていたことがあるんですけれども、そのころの非常にたくさんアサリが採れていたころですが、ミニマムサイズで管理しているのにもかかわらず、それより小さいものがたくさん入ってくる。それを途中でトラックを検問して、「これは小さ過ぎる、どうしてこんなのを」というと、「おれは運転手でただ運ぶだけだ、文句言うならあんたらがより出して海へ返してくれ」ということで、結局、警察権みたいな権力はなしということで随分たくさんアサリが採れたころには雑な扱いもあったと思います。
  それから、3年ぐらい前ですか、やはりアサリ関係のシンポジウムをやりましたけれども、そのときに伺ったら、熊本県の緑川干潟あたりで満1年で採られてしまうものが80~90%あると。これは資源からいうと非常にもったいない話なので、そこのところをきちんと漁協がリーダーシップと、それから理事会ですか、そういうものが合議をして、組合員に全部徹底しているところは毎年続いて、そんなに大きい波がなくて採れているということです。そういうことがだんだんに徹底してくれば、組合の業績が上がれば周りにもそれは浸透していくんだと思います。
  ただ、よく言われましたのが、覆砂はすごく効果があると。だけどお金もかかるのと、沖合の砂もどこでもいいわけではなくて、適度に貝殻があったり、少しは粗くないと、砂の上に細かい泥が被って、その上にまた下の砂をまくわけですけれども、そのときの粒の粗さによって、非常に効果がある覆砂とそうでないものとあると。で、効果があるところの砂ばかりをもらうわけにもいかないというお話もありました。ですから、資源管理と環境管理というのは対になってあることだと思いますけれども、熊本県の場合は既にかなりそちらの方向に踏み出していると思います。あとは、際限なく沖合の砂を採るわけにはいかないということがあります。
  それからもう1つは、松尾漁協の場合には、入ってきた幼生が散らからないように、竹をたくさんノリひびのように立てている。これはアサリの幼生の浮遊着底期に、そういうものを立てるとアサリの着底がいいようだと。大分の水試が以前にノリひびの竹をアサリの漁場に立てておくと着底がいいという報告があります。ですから、ちょうど着底期に風がどっち側から吹くかによっても、主に下りる場所は違ってくるものなので、努力しても来ない年もあるんだと思いますけれども、そういうことが、だんだん因果関係がわかってきたところで、どれだけ労力とコストを投入するかということで違ってくるんだと思っております。

○須藤委員長 どうもコメントありがとうございました。
  伊藤委員、ただいま菊池委員から漁場管理の大切さというご指摘もあったわけですので、今後の考察の中で今の二枚貝の生産の問題はまた改めて考察をお願いしたいと思います。
  それでは、相生委員、どうぞ。

○相生委員 今、アサリの問題にお2人の先生方からコメントがあったんですが、私もアサリの問題はちょっと気になっていて、覆砂と漁場造成というものをセットであちこちでおやりになるそうなんですが、東京近郊ではやっぱり稚貝を外国から持ってきて放流したりするものですから、それと一緒に入ってきたツメタガイの食害ですね。6ページにはナルトビエイというご説明があったんですが、ツメタガイによる食害というのはかなり大きくて、浜名湖ではツメタガイの一掃ということを漁民がやったりしています。その辺のことはどうでしょう、熊本県では。

○須藤委員長 今のあわせて入ってくる外来種というか、侵入種はあるんでしょうか。

○伊藤委員 これは菊池先生の方がお詳しいと思いますが、サキグロタマツメタですかね、あれは有明海ではもともといた種類ですね、有明海の固有種と言いますか。それにつきましても、熊本県で資源管理の中で、私の聞いた範囲では漁場管理という意味で取り除かれているというように聞いていますけど。

○菊池委員 それは大陸産の稚貝を入れているんですか。

○伊藤委員 いや、それは把握しておりませんけれども、関東でよく言われている、外から持ってきたことによって、サキグロタマツメタだと思いますが、急に増えて食害に遭っているということですけれども……。

○菊池委員 それは東北ですね。

○伊藤委員 東北ですね。太平洋側ですか。有明海については特にそんなに問題になっているとは認識しておりませんけれども。

○菊池委員 この間ヒアリングしました荒尾と松尾の2カ所では、よその種苗は入れていないように聞いております。だから、あとは種苗が満1年になれるような環境ということと、1年目で採ってしまわないということですね。ですから、ぎりぎりの境目のところで、これは採ってもいい方だというふうにみんな揚げてしまうのか、ちょうどそのあたりを境目にピークが来たら若いものは一応我慢すると。
  さっき相生先生からお話のあったサキグロタマツメタというのは、本来、アジア大陸の砂干潟、泥干潟一円にいるツメタガイの仲間なんですけれども、それが今被害で騒がれていますのは東北の万石浦とか、そのあたりなんです。韓国から大量に入った種苗を現場でまいていまして、石巻専修大学の大越教授、東北大におられた方だと思いますけれども、非常に熱心にそれを調べておられます。今からまくというのを差し押さえて、「今から1時間、混じっている貝をピックアップするから待ってくれ」といってやったら、こんな山になって。有明海では昔からの大陸沿岸性遺存種ということで、生物地図的には貴重な種ということになっているものが、突然、東北の方でいっぱい出てきて。それは船一隻に積んだ何トンかのアサリの中に何百匹といる。このごろはそれの子どもも増えているので、間違いなく捕食者もそこで継続していると。ですから、外国からの種苗を入れるということは全部それがついてくることだと思います。

○須藤委員長 わかりました。ありがとうございます。
  これは今日の本題ではないにしても、これからの再生を我々が考える中で種苗を外国から入れるということについて慎重を要すというようなことについては、当然、また議論をしなければならない問題かと思います。

○森下委員 水産がかかわる実態みたいなものも、研究者としてはどうなっているかという動きを見るだけだけれども、その人間的な背景がとっても変わってきているので、それでずうっと昔のデータと今のデータを比べてどうこうということの問題もあるし、それから、それを環境が変わったせいにだけしてしまったらいけないと思うのです。人間が変わったことによって生物が変わっていくことの、例えばタイラギとサルボウガイでもそうだけれども、種が生息する場所が全く違うところのものが競合しながら生きていく学術的な問題と、人間の問題と、それから、人間が引き起こした環境の問題というのは整理をしないと、やっぱり説得ができなくなると思います。

○須藤委員長 どうもご指摘ありがとうございます。
  それでは、ほかにご意見。では、小松委員、それから、滝川委員ですか。大体その辺ぐらいにしておきます。お願いします。

○小松委員 簡単な質問なんですが、アサリの漁獲量と単価の推移の関係で、単価が非常に上がっていますよね。漁獲量が下がってきたから単価が上がったというのならわかるのですが、逆に単価が先にぐっと上がっている、そしてその後、漁獲圧が加わって漁獲高が上がったということなんでしょうけれども、この単価がこんなに急激に上がった理由というのは何だったのでしょうかというのが1つ。
  それからもう1つは、覆土してしばらくはもつけれども駄目になるとか、アサリや、ほかの貝についてもそうなんですけれども、全国的に減ってきているということ、また覆土をしてもしばらくするとまた駄目になるということから考えても、やっぱり汚染みたいなものが原因なのかなとも思われます。私、この分野は素人なんですけれども、すぐそういうふうに思ってしまうんですが。
  例えば、熊本県立大学の堤先生はマンガン説を言われていますけれども、ああいう重金属とか化学物質が原因になっているという可能性みたいなものについてはいかがなのでしょうか。また、それに対するアプローチみたいなものは今やられているのでしょうか。この点についてもお願いします。

○須藤委員長 どうぞお願いします。

○伊藤委員 アサリの単価につきましては、正直言いまして解析を行っておりません。菊池先生の方がお詳しいと思います。

○須藤委員長 菊池先生、それお答えできますか。

○菊池委員 アサリの問題については、私はこれは完全に人間社会の問題でごく簡単に説明できることだと思います。なぜかと言ったら、1970年までは日本には余り長距離生きている水産物を運ぶすべがなかったわけです。まだ主な高速道路もありませんでした。ですから、例えば有明海で採れたアサリはせいぜい熊本とか福岡、あるいは、広島で採れたアサリはせいぜい隣の県ぐらいまでしか持ち運びできなかったわけです。それが一気に有明海のアサリが関西まで行くようになりました。
  そのころに東京まで持っていったらもつかどうかというテストも熊本水産試験場でやって、私もそういうデータを見ておりますけれども、東京までだとやっぱり弱ってしまうと。現に途中に伊勢湾、三河湾といった大産地があるし、東京湾にも産地があるから、九州のアサリが売れるのは関西圏までだなという結論だったように覚えています。
  それから、みそ汁とか佃煮ぐらいにしかならなかったものが、洋食で、特にイタリア料理で大量にボンゴレ(イタリア語でアサリ類の総称)を使う、これは1年中を通じて需要があるわけです。それに1970年ぐらいから高速道路が延びコールドチェーンが整備されるにつれて、大都市域での売れ行きが伸びて、出荷額が減るにつれてますます値段がつり上がってきたというのは人間社会の方の問題だと思います。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。
  それでは、2番目の問題、どうぞ。

○伊藤委員 重金属とのかかわりですけれども、アサリに関しましては、私どもというか、私自身アサリに関する重金属との関係については調査をやっておりません。ただ、堤先生のデータがありますし、室内実験でもかなり実験をされているということですので、そのデータの公表をまたないと、私自身コメントすることはできません。
  タイラギに関しましては、西海区水研と4県、それから、九州大学の本城先生の研究室でそういうアプローチをやっております。ただ、これは重金属も含むと思いますが、底質と先ほどお示ししましたような立枯れ斃死との直接的な関係は今のところキャッチできておりません。ただ、今後その点については十分検討する課題だとは思います。アプローチはしておりますが、今のところ明確な答えは出ておりません。
  アサリについては、堤先生のデータがオープンになって、それについて討論すればいいのではないかなと思います。

○須藤委員長 化学物質については今後の課題の一つであるということでよろしいですね。

○伊藤委員 そうですね。

○須藤委員長 滝川先生、どうぞ。

○滝川委員 ヒアリングに関します追加情報と言いますか、ちょっとコメントさせていただきたいと思いますけれども、緑川の河口あるいは白川の河口付近のところでの環境の変化ということにかかわるとは思うんですが、以前アサリとハマグリが採れている場所は全然底質の環境が違っていたんです。ところが、それが最近同居してきて、どうも一緒に採れちゃうというような話がございます。我々、ちょっとそこら辺のところはわからないもので、今後そういったことのご研究を進めていただければということ。
  それから、それを称して漁民の方々は河口付近の環境がよくなったというふうにおっしゃるんですね。ちょっとよくわからないのですが、とにかく河口付近の淡水のところにちょっとでも砂の部分があれば、5cmでも数cmでもあれば、そこにアサリとハマグリが一緒に採れるようになったというふうなお話をなさっていました。
  それともう1つは、魚類の魚種というのですか、それも非常に変わってきて、以前はいろいろな種類のものが季節毎にいたのだけれども、最近は非常に限られてきていると。「それはなぜなんでしょう」という質問をしましたら、卵を産む場所がないのだろうと。産卵の場が減らされていると。かなり人工化になってきて、浅場というのですかね、そういう藻場、浅場を含めたところが見るからに減ってきているというようなことがございましたので、また環境の変化、あるいは、環境の変化に伴う生物相の変化と言いますか、そういったものも同時にあらわれているのかなということを感じましたので、一応コメントさせていただきました。

○須藤委員長 伊藤委員、今のは先生からコメントがあったということで、特にお答えはよろしいですか。
  ほかはよろしいですか。
  それでは、もう1つ議題があるんですが、先ほど私が少し急ぎ過ぎちゃいまして、本城委員が質問があるのをうっかりしました。貧酸素水塊の部分でご質問をいただくということだったのですが、隣だったものですから、私、うっかりしました。
  それでは、ちょっと戻りますけれども、ご質問なり、資料の2-5の部分ですね。
  はい、どうぞ。

○本城委員 このワーキンググループでは貧酸素水塊の検討をなさっておられ、その際に諫早湾は除いて、鹿島市側の湾奥だけを問題として検討されたというように見受けられます。その取りまとめ文章は赤潮の発生による大量の有機物の底質への供給、その結果として貧酸素水塊が進行しているというようになっているんですね。確かに赤潮発生後の有機物の供給は貧酸素水塊形成の大きな原因の一つだとは思いますけれども、赤潮生物の種類によっては赤潮が発生する前から底層水は貧酸素になっていることが多くあります。例えば、シャットネラ赤潮の多くは8月に形成されます。過去の経年的な変化傾向では7月にはDO濃度がすでに減少しているデータが多々あります。そうであれば、赤潮の発生の後に大量の有機物の何々という前から既に貧酸素水塊は形成されていて、貧酸素水塊が解消して赤潮になった後にドーンと再度貧酸素水塊が形成されるというようなニュアンスの文章にしていただければと思います。

○須藤委員長 どうもありがとうございます。
  室長補佐、いかがですか、今の部分のところ。

○環境省閉鎖性海域対策室室長補佐 今、本城先生から言われたとおり確かに赤潮が出る前から貧酸素の状態になっているというデータはあります。ですから、ちょっとここは言葉足らずだったなと今改めてご指摘をいただいて思いました。今の先生からの指摘を踏まえて文章を直したいと考えております。その書きぶりについてはご相談させてください。

○須藤委員長 そうですね。それは。
  はい、どうぞ。

○森下委員 追加しますと、それは海が持っている特性なんですよね。淡水では絶対にないんです。要するに、淡水では低酸素になると赤潮にならなくて、アオコのようなものに変わるんですけれども、海というところは何でかわからないのだけれども、低酸素になってくると赤潮が出るんですね。だから、考え方をきっちりと整理しておかないと、とても難しいことです。

○本城委員 わかりました。どうもありがとうございます。

○須藤委員長 ご指摘ありがとうございます。
  それでは、もう1つ議題がございます。次に有明海・八代海への汚濁負荷の変遷についてということで、これは環境省にまとめていただいていますので、環境省からご報告をお願いいたします。
  資料4に基づきお願いいたします。

○環境省閉鎖性海域対策室長 それでは、資料4に基づきまして、有明海・八代海への汚濁負荷の変遷についてということで、私どもで資料を整理いたしましたので、簡単にご報告をさせていただきたいと思います。
  まず、今回の作業の目的でございますけれども、今後の再生の検討に資するために、両水域への陸域系の流入負荷量を算定すると。できるだけ過去にさかのぼって変遷を見ようということで作業をいたしました。項目といたしましては、BOD、COD、T-N、T-Pということでございます。
  算定方法でございますけれども、基本的には流入負荷量につきましては、L-Q式が使えるところはL-Q式を使うということで、具体的には一級河川の流域と塩田川につきましては水質と水量両方を測っている基準点がございましたので、その上流域についてはL-Q式を使うと、それ以外の水域については原単位法によって算定をしております。それらをあわせまして、全流域の排出負荷量を原単位法によって算出しているということでございます。
  ちょっと具体的に流域図で見ていただきますと、有明の場合にはここにございますようになっております。ちょっと画面が見にくいですけれども、資料で見ていただきますと、青い部分については、水質基準点よりも上流域でございますので、L-Q式を使って流入負荷量を算定していると。黄色い部分については、原単位法によって排出負荷量を出しまして、その排出負荷量はそのまま流域に入るという形で流入負荷量を算定しているということでございます。
  八代海はこういうことで、L-Q値を使っているのは球磨川だけでございますけれども、こういう形で算定をしております。
  算定年度でございますけれども、先ほど申しましたようにできるだけ過去にさかのぼって推移を見ようということで、ここにございますように昭和40年度から基本的には5年おきに、それから、50年度については少し詳細に、それから、若干渇水年とか豊水年も加えまして、それから、平成10年度以降はまた少し密に計算をするということで、○をつけたところについて流入負荷量、排出負荷量を算定しております。
  流入負荷量につきましては、先ほど申しましたようにL-Q式を使っておりますけれども、本来であればL-Q式を各年度ごとに出しまして負荷量を計算するということで、経年的な変化を見るということで、そういう計算もしてみたんですけれども、各年度のL-Q式を計算してみますと、年度によって大きな経年的な変化は見られなかったということでございましたので、ここでは比較的データが整っております平成3年度から平成12年度までの実測値を使いましてL-Q式をつくりまして、そのデータをすべての年度について使っているという形になっております。
  それから、原単位法につきましては、原単位とフレーム、人口、出荷額、家畜頭数等のフレームについては過去の値がある場合はその値を使いますし、過去の値がない場合にはその前後の経年変化などを使いまして、内挿したり外挿したりという形で推定をして計算をしております。
  以上のようなやり方に基づきまして計算をした結果をご説明いたします。まず、流入負荷量の方から先にご説明いたしますけれども、最初が有明海流域のBOD、CODの流入負荷量でございます。デコボコしておりますけれども、全体で見ますと、BOD、CODは若干ばらついておりますけれども、昭和50年代に少し高まりが見える、その後やや減少しているというような傾向が出ております。それから、昭和55年度、それから平成5年度にちょっとピークが出ておりますけれども、これはこれらの年が豊水年だったということで、そのために流量が増えて負荷量が増えているのではないかと思われます。
  それから、色になって分かれておりますのは各流域、赤がその他流域ということで、流域別に書いてございますけれども、筑後川流域が全体の2~3割を占めるということで一番大きな負荷の経路になっているということでございます。
  次が同じく有明海流域のT-N、T-Pでございます。これも傾向としては先ほどのBOD、CODとほぼ同様でございまして、50年代に流入負荷量が多くなる傾向が見られる。それから、昭和55年度、平成5年度に負荷量のピークが出ているということで、これも同じような原因かと思います。それからまた、筑後川流域が一番大きな割合を占めているということでございます。
  次に八代海流域でございます。これは先ほど申しましたように、L-Q式を使っているのが1流域だけですので、シンプルな絵になっておりますが、傾向としては経年的な傾向は有明海と同じような傾向が見られておりまして、有明海に比べるとちょっと明確ではありませんけれども、50年代に流入負荷量が高くなっている傾向が見られるかなと。昭和55年度、平成5年度にやはりピークが見られるというのも同様でございます。
  T-N、T-Pにつきましても、同じように書いてございますけれども、傾向としては先ほどと同じようなことでございます。ちょっと特徴的なのは、T-Pにつきましては、その他流域が非常に大きいというところが少しあらわれております。
  次に、排出負荷量を算定したものでございますけれども、最初のグラフが有明海流域のBOD、CODの排出負荷量でございますが、ここにございますように、自然系、畜産系、産業系、生活系というふうに分けて表示をしております。生活系は下水道とか生活排水、産業系は工場排水、それから、畜産系はここではウシとブタを算定しております。それから、自然系としては水田、畑、市街地等からのいわゆる面源負荷でございます。
  有明海のBOD、CODを見ていただきますと、これもほかの部分も大体同じような傾向なんですけれども、いずれも昭和50年代に排出する負荷量は高くなって、その後少し減少しているというような傾向が見られております。この減少については、見ていただきますと、下のブルーと赤い部分、いわゆる生活系と産業系の部分が50年代に比べると近年減少してきていると。当然、下水道とか排水処理の効果ということが想定されますけれども、そういう傾向が見られております。
  それから、発生源別の割合で見ていただきますと、BODにつきましては、生活系が約4割から5割、自然系が3割から4割ということで、多くを占めております。特に最近自然系の割合が比率としては高くなってきているかなと。CODはBODに比べましても、自然系からのいわゆる面源からの排出が非常に大きいという傾向が、6~7割を占めているという傾向が見られるわけでございます。
  引き続きまして、有明海のT-N、T-Pが次のグラフでございます。これも経年変化で見ますと、先ほどと同様に50年代が少し高くて、その後減少してきているということでございます。発生源別に見ますと、T-Nについては面源、自然系が非常に大きい、4割から6割程度を占めている。T-Nについて見ますと、特に赤い産業系の部分が、50年代に比べますと、最近減ってきているという傾向が明らかに見えております。それから、T-Pにつきましては、畜産系の割合がもともと大きいんですけれども、これも産業系が減ってきている分、比率として最近非常に高く、多くの割合を畜産系が占めるというような形になってきております。
  それから、八代海のBOD、CODでございますけれども、これも傾向としては同様に50年代が少し高くなっております。やはり同様にBODで見ていただきますと、生活系あるいは産業系については昭和50年代に比べまして最近減ってきているということで、これが全体の減少に寄与しているという傾向が見られます。また、BOD、CODについて、生活系、面源、特にCODについては自然系、面源からの排出量が7~8割を占めているという状況になってきております。
  次のグラフが八代海流域のT-N、T-Pでございます。これも先ほどの有明海と同様の傾向でありまして、やはり50年代が少し高くなってきている。T-Nについては自然系の割合が大きくて、産業系については50年代から少し減少してきていると。それから、T-Pについては、特に畜産系の割合が高いと、産業系についてはやはり減少してきているという傾向が見られます。
  以上、結果を見ていただきましたけれども、これ全体を見てどんなことが言えるかということを結論的にまとめてみたのが最後のスライドでございます。まず最初にお見せした流入負荷量につきましては豊水年で非常に高くなると。特に昭和55年度と平成5年度に高くなるという傾向が見られて、当然と言えば当然でございますけれども、降雨の影響が出てきているということでございますが、それを頭に入れて全体を見ると50年代以降減少傾向が出ていると言えるのではないかと。どの程度降雨の影響があるかという定量的な分析はまだ十分できておりませんけれども、傾向としてはそういうことかと思います。
  それから、排出負荷量につきましては、有明海、八代海いずれもCODとT-Nについては自然系が非常に大きい、それからT-Pについては畜産系の占める割合が大きいという、分野別の特徴がございます。また、BOD、CODについては、いずれも50年代に比べて排出負荷量が近年減少傾向にあるという傾向が見てとれたわけでございますけれども、その要因としては、BOD、CODについては生活系、産業系が50年代に比べて減ってきている。それから、T-N、T-Pについては産業系が減ってきているということで、このような50年代以降の減少傾向というのがあらわれているのではないかということでございます。
  簡単ですけれども、以上で説明を終わります。

○須藤委員長 どうも簡潔にご説明いただきましてありがとうございました。
  委員の先生方、ご質問がありましたら、どうぞお願いいたします。あるいは、ご意見でも結構でございます。
  楠田先生、どうぞ。

○楠田委員 1点お教えいただきたいんですが、排出負荷量の農地からの算出の原単位法によっている部分の算出方法をお教えいただけますでしょうか。施肥量の変化が入っているかどうかというのを知りたいんです。

○環境省閉鎖性海域対策室長 細かい算出方法は今すぐはあれでございますけれども、数字的に言いますと、水田、畑等からの原単位につきましては基本的に同じ値をずっと使っておりますので、施肥とかの工夫、そういうものは入っておりません。今回、原単位そのものが変化しておりますのは、1つは50年代の洗剤の無リン化によるT-Pの減少、それから、あと大きいのは産業系の排水処理が進んだということで、全般的に原単位が減ってきているというところが大きゅうございますので、その2つが大きいかと思っています。

○須藤委員長 よろしいですか。
  ほかはよろしいでしょうか。
  ここでのデータの整理は平成12年までですよね。

○環境省閉鎖性海域対策室長 13年です。

○須藤委員長 それ以後のはまだ。もう少しやればできるんですよね。

○環境省閉鎖性海域対策室長 はい、それは可能かと思います。

○須藤委員長 だから、報告書にしたとき、余り古いと。古くはないんだけれども……。

○環境省閉鎖性海域対策室長 はい、それは中間まとめ、最終まとめの段階で適宜新しくしていきます。

○須藤委員長 そのときには直近のデータを入れるようにしてください。全体的には減っているということだけはこれで認識できる、負荷量は減っているということが認識できるわけですね。

○滝川委員 ちょっと教えていただけますか。

○須藤委員長 どうぞ、滝川先生。

○滝川委員 このデータですけれども、自然系、畜産系、産業系、生活系と書いてあるものの中で八代海域の養殖漁業はどこに入っているんですか。

○環境省閉鎖性海域対策室長 すみません、大事なことを一点忘れました。今、先生ご指摘なったような、例えば酸処理剤とか、養殖による残餌負荷、こういう海域に直接流入するものについては今回入れておりません。これはまた別途検討して。

○滝川委員 陸域からだけ。

○環境省閉鎖性海域対策室長 あくまでも陸域経路ということで今回お示ししております。

○滝川委員 わかりました。

○須藤委員長 それについても、当然、負荷は直接的なものもありますから、どういう形になるかは別にしても。これは陸域からに限ってということに限定した方がよろしいですよね。
  ほかの先生方、よろしゅうございますか。
  室長、どうもありがとうございました。
  それでは、ここまでで、先ほど伊藤委員からご説明のあった二枚貝と、ただいま室長からご説明の汚濁負荷の変遷についても、本日のご説明と議論を踏まえまして、問題の概況、原因・要因、課題と論点の再整理をしたいと考えております。なお、その結果につきましては、次回の評価委員会で今回と同じように説明をさせていただきます。
  また、現在、潮流・潮汐と水産資源について少人数で議論を行い、報告に向けた取りまとめの作業を行っているというふうに聞いております。そこでの議論の進捗状況を見つつ、事務局と調整の上、次回の予定を決めさせていただきたいと思いますので、先生方の日程調整、後で事務局からお願いすると思いますが、どうぞよろしくご協力のほどお願いをしたいと思います。
  それでは、その他ということで、委員の先生からもご質問なりご意見あるかと思いますが、先に事務局から次回の評価委員会、ただいま申し上げたことについて最初にお願いをしたいと思います。

○環境省閉鎖性海域対策室室長補佐 はい。今、須藤委員長からもご説明ありましたが、次回の評価委員会で潮流・潮汐と、今日二枚貝をやっていただきましたけれども、それ以外の水産資源全般についてご発表いただいた上で議論をしていただきたいと思っております。次回その2つをやってしまえば、個別の論点についての議論は一通り終了することとなります。
  ただ、先ほど須藤委員長からもご説明がありましたように、現在、各論点について少人数で議論を行っていただいて報告に向けた取りまとめの作業をしていただいているところです。そこでの議論の進捗状況を見つつ、委員長とも相談した上で次回の日程を決めたいと思っております。
  本日、委員の皆様方に日程表をお配りしていますので、ご記入いただいて、できれば今日お帰りになる前に提出していただければと思います。それが難しければ、今週の水曜日までに事務局までお送りいただきますようよろしくお願いいたします。
  事務局からは以上です。

○須藤委員長 ありがとうございました。
  多数の先生の日程を調整しなければいけませんので、速やかに日程調整をしたいと思いますので、水曜日の14日までに予定表をご提出ください。
  ということで、あとは先ほど議論をした中で委員の先生から言い残されたこと等を含めまして、全体を通して何かございますでしょうか。
  はい、どうぞ清野委員。

○清野委員 この総合調査評価委員会は、例えば学会とかあるいは関係する方にとってどういうふうな結論を出すのかということが注目されているところです。私もワーキンググループを含めてできる限りの努力はしておりますが、学会の多くの人たちがやっているような研究とか
レビューも含めたものを反映させるには、どうしても力不足のところがございます。
  それで幾つかお願いというかご提案があるんですけれども、中間取りまとめに際して、例えば潮流・潮汐について、それから、今日の提出の問題についても、ここで話し合われているレベルよりもはるかに密な議論をされていて、本や論文を書かれている方々がおられます。その方々のお話をきちんと大人数で伺いたいと思います。もちろん個別には研究者同士のコミュニケーションで教えていただいたりしてはおりますけれども、具体的には日本海洋学会というところの海洋環境問題委員会で有明海についてのレビューを中心とした本を出します。その本の著者の方々は非常に徹底してご専門の中で検討されておりますので、ぜひその著者、あるいは、それにかかわった編集委員の方から、特に論点が分かれる部分についてはお話を伺うようなことをお願いできればと思っています。
  これは基本的には評価委員会の中の専門家でいろいろ判断すべきものだと思いますけれども、この評価委員会は過去15回行う中で、地元の漁業者の方、それから行政の方、いろいろな方に、専門家に準ずる形でお話を伺っております。ですから、なおさら研究者として、論文を書かれたりレビューをある学会のオーソライズの下に書かれている方にご発表いただくということについては、異議がありましたら、この場で教えていただきたいということです。
  それからもう1点、この評価委員会の中で専門家とか学識経験者という中でかなり幅広く考えるということで、以前、行政のOBの方も含めて行政の専門家であるということの話を伺いました。
  もう1つ、私は司法の専門家の話を伺ってみたいと思います。これは農水省の農村振興局の方から8月30日に委員あてにいただいているFAXでございますが、「諫早湾干拓事業に係る公害等調整委員会の原因裁定について」というFAXをいただいております。この中で公害等調整委員会の委員長さんの書かれている談話というのが1ページありまして、委員の方は持っておられると思いますし、報道その他によっても状況はご存じだと思います。この書いている意味が、私が知識不足であることと、理科系の科学でいうロジックと法律の方が思われるロジックがどうも食い違うように思いまして、この談話の意味についてもうちょっと詳しく伺いたいと思います。
  これは、例えば委員なり研究者個人としてこういう方にお話を伺うということもあり得ると思いますが、せっかく先方の方のお時間をいただくのであれば、多くの方の前で司法の専門家としてこういった環境問題に関する物事の考え方というのをこの文書に即してお話を伺いたいと思います。これは幾つかそういうテクニカルタームとか論文の書き方が司法の方に十分伝わっているかどうかということに対して、自然科学の研究者は多くの不安を持っております。
  自然科学の論文のスタイルというのは、完全に白黒つけるのではなくて、最後にこれこれの課題もあるということは一つのフォーマットとしてあるわけです。その部分を多く取り上げられてしまいますと、科学研究を幾ら行っても環境問題において結論が出ないということになります。ですから、その部分の科学のスタイルというものをどういうふうに社会の方に判断していただくかについての議論をここの評価委員会でさせていただきたいと思います。私は、こういう問題が環境問題については必ず起きるので、委員の中に社会科学なりあるいは文科系の方の違う分野から、こういう環境問題の文脈を取り入れていただけるようにということで、既に評価委員会でもご提言しておりますが、今に至っておりません。
  ですから、基本的にこの評価委員会は自然科学の人で構成されておりますので、違うような分野の方の科学に対するお考え、それから、環境問題に対する見方をお願いしたいと思います。それが実現しないと、科学者が幾ら研究しても問題が解決しないということで、多くの徒労感を研究者と若い学生たち、あるいは調査をしている人たちにもたらせています。環境省におかれましても、あるいは、日本の科学技術においても、幾ら研究しても結論が出ないとか、先が見えないというようなことを続けてしまうことは非常に問題があると思います。ですから、こういう海に関しての特別措置法に基づく評価委員会において、こういうことについてきちんと一度は議論をしておくべきことだと思いますので、ここでご提案をします。
  これについて異議がありましたら、ここで言っていただきたいと思いますし、これは私が個人で思うだけではなくて、学会あるいは多くの漁業の方、市民の方、そしてメディアを通じてよくわからないということが言われておりますので、その結果に関しては多くの人に共有する意義があると思っております。
  以上です。

○須藤委員長 どうもコメントありがとうございました。
  2つおっしゃったかと思います。1つは、海洋学会の専門家がここの先生方以上にというか、よくレビューをされているので、その方の代表者のお話を伺いたいというのが1点目かと思います。何人もいらしていただいてやるというのは評価委員会の性格上問題があろうかと思いますが、それは今後の整理していく段階でお話を伺うということは、事務局と相談しますが、可能だろうと思います。
  それから2番目の問題は、委員の先生方にもこの前の8月30日の裁定についての文書は事務局からお送りしているので、大方の先生はごらんになっていただいていると思いますが、あそこに書いてございますように、漁業者の漁業被害と、それから農水省からの陳述をもとに、諫干と漁業被害の因果関係の判断をしたというものであろうかと私は理解しております。ここに司法の担当者をお呼びして、いらしていただくかどうかはともかくとして、司法の問題をこの場で議論するというのは、総合的に考えて不適切であろうかなと思っています。
  委員の先生方の多くにそういうご希望があれば、それはまたこれからの時間で議論させていただきますが、前段としては、私どものやっているものは7つ項目を挙げて評価を総合的に行うということなので、司法の役割と私ども研究者の役割というのは異なるので、それを同一してここで議論をするというのは委員長としては不適切であろうと、こういうふうに考えていたわけでございます。
  1番の問題はよろしいですね。
  2番目の方のこの間の裁定のことについて疑義というか理解がしにくいと、この問題についての議論をここでさせてほしいと。しかも、その担当者からのヒアリングをしたいというふうに受け取ったんですが、この問題について環境省なり農水省なりの方のご理解なりご認識なりは一応伺った方が、委員長だけで判断するのはよろしくないので、お願いをしたいと思います。
  今の問題はどなたがやられますか。農水省の方がよろしいですか。これは被申請人になるんですから、農水省がよろしいですか。それとも環境省がいいですか。

○環境省閉鎖性海域対策室長 一言、私から申し上げますと、基本的に今、須藤先生がおっしゃられたことと同じ認識でおります。この委員会の場で裁定の中身についてご議論いただくというのはちょっと適切ではないのではないかと。ただ、もちろん、今の我々の検討と関連を持ちますので、資料については先生方にお送りをしたということでございます。

○須藤委員長 ということなんですが、もう一度ご意見があるんですよね。どうぞ。

○清野委員 私自身はこういった議論事態が議事録に残ることが大事だと思っている部分もあります。ですから、この評価委員会がこの問題に、こういう沿岸の環境についてどういうふうに考えているのかということは多くの期待もあるわけですから、やっぱり特別措置法にかかわる評価委員会というのは非常に重要だと思いますので、今のご見解は私なりに承らせていただきます。
  今、ここで行政の方も含めて結論をいただきたいということを言うのは難しいとは思いますが、これに関して、委員としてなぜこれを聞く意味があるかというと、多くの研究者の論文を片端から読むことというのが委員には求められていますけれども、それの中でレビューに関するものとか集中して討論されたものをエッセンスとして読みたいということがあるわけです。その一つが海洋学会から今度出る本であります。
  もう1つは、この原因の因果関係についての調査を4人の専門家の先生がなさっております。これは水産資源の清水先生、海洋生物の石丸先生、海洋環境の灘岡先生、海洋生物の朝倉先生と4人の方がされています。この報告書につきまして、その報告書本体を委員の人で希望のある方で結構だと思いますので、本体を見せていただきたいと思います。いただいたFAXだと裁判所の側で抜粋されて解釈されたものについてのコメントをいただいているわけで、私自身は原著と言いますか、このエッセンスとなるような報告書の4人の専門家による報告書のエッセンスの原著に当たりたいと思います。
  ですから、最低それについては研究者のレビューに近いものだと思いますので、お願いしたいと思います。それが難しい場合には、一般的な情報公開請求をさせていただくなり、その方法を教えいただきまして、入手させていただいて、多くのこれにかかわる研究をしている方々と共有させていただきたいと思っています。以上です。

○須藤委員長 どうもコメントありがとうございます。
  私もこの間の裁定については、専門委員の4人の先生がいらっしゃって、それによる専門委員会の報告書に基づいてあのような裁定がなされたということは事務局から聞いておりまして、読みたいと思いましたが、申請人、被申請人以外にはあの報告書は公開をしないというふうに伺ったので諦めたわけです。
  その点で今の問題いかがでしょうか。見たいとおっしゃっておられるわけですが。

○環境省閉鎖性海域対策室長 私どもとしても公害等調整委員会に確認いたしましたけれども、専門委員報告書については、ほかのさまざまな資料とあわせて原因裁定に関連した文書ということで、これはルール上非公開となっているということなので、こういうオープンな場に出してお示しすることはできないというふうに理解しております。

○須藤委員長 ということなんですね。それは事前に私もそう思ったのでやりました。が、非公開だということなんです。裁判の資料なので多分そうなんだろうというふうに理解はしているんです、それが司法の問題なのだという理解はしているんですが。先生が今度は個人でそれをおやりくださるのは、公開請求とか何とかいうのは可能かもしれませんけれども、もともとこういうものは非公開ということでございますので。事前に私もそれを事務局にお願いしました。ですから、一応この問題はこれでよろしいですか。

○清野委員 基本的にそういう仕組みであるということは了解しました。ただ、これは沿岸環境の研究者にとってものすごく深刻な問題ですので、ぜひそれについては。その本体というのはなかなか見ることができなかったとしても、これにかかわられた司法の方も含め何らかの議論の場を、この委員会でなかったとしても、応答していただけるようにお願いしたいと思います。以上です。

○須藤委員長 ありがとうございました。
  1番の問題については事務局と相談させてくださいね。
  ほかの先生方、いかがでございましょうか。清野先生にかかわる部分はよろしいですね。
  それでは、予定した時間は13時までと言いましたけれども、少し議論が長引くと思ってそういたしましたが、幸いに少し余裕をもって終了することができました。
  これをもちまして、本日予定されているすべての議題は終了いたしました。これにて第15回有明海・八代海総合調査委員会を閉会とさせていただきます。議事進行にかかわる皆様のご協力を感謝申し上げます。どうもありがとうございました。お疲れさまでございました。

午後12時22分閉会

ページ先頭へ