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環境と経済活動に関する懇談会(第6回)議事要旨


1. 日時 平成15年6月16日(月) 14:00〜16:00

2. 場所 環境省第1会議室

3. 出席者
天野 明弘 財団法人地球環境戦略研究機関関西研究センター所長
栗和田榮一 佐川急便株式会社代表取締役会長
崎田 裕子 ジャーナリスト 環境カウンセラー
佐々木 元 日本電気株式会社代表取締役会長
庄子 幹雄 鹿島建設株式会社代表取締役副社長
手納 見枝 株式会社デルタポイントインターナショナル代表取締役
若松 幹人 JFEホールディングス株式会社専務
(半明JFEスチール会長代理)
ピーター
D・ピーダーセン
株式会社イースクエア代表取締役社長
平野 浩志 株式会社損害保険ジャパン取締役社長
深尾 典男 株式会社日経BP日経エコロジー編集長
安原  正 株式会社サンシャインシティ代表取締役会長
八端 憲明 株式会社東北エコシステムズ代表取締役社長

弘友環境副大臣、中川環境事務次官、松本大臣官房長、炭谷総合環境政策局長、飯島廃棄物・リサイクル対策部長、一方井大臣官房政策評価広報課長、山崎総務課長、鷺坂環境計画課長
 

4. 議事 :
環境と経済活動に関する取りまとめについて
 
5. 議事概要 :
(1) 事務局より、資料1に沿って、1.はじめに、2.これからの時代の環境と経済、3.環境と経済の統合のための施策の基本的方向に関する提言、4.国家総合戦略の策定に関する提言、5.むすびについて説明した。
 
(2) その後、自由な意見交換が行われ、各メンバーより、資料1について概要以下のような発言があった。
  • 2(1)[2]に「日本の産業競争力は近年大幅に低下し」とあるが、産業競争力という表現は避け、価格競争力といったような表現を使った方がよい。また、「環境と経済の好循環」という表現は、この報告書の中心となるものであり、循環型社会の実現を含んだ固定名詞として使っていけばよいのではないか。
     
  • 1(1)[2]の「世界第1位であった日本の産業競争力」という表現は主観的なものも含まれており、削除した方がよい。
     
  • 2(2)[2]にある「環境対策のための環境対策であってはならない」という前提を分かりやすくするために、環境と経済の両立には関係者のコンセンサスが必要であるということを盛り込んでほしい。
     
  • 本報告は、環境と経済の統合や環境と経済の好循環といった新しい経済社会システムをつくろうといった趣旨である。部分的に環境と経済の両立という話をすると議論が違ってしまう。
     
  • 環境と経済の好循環という将来的な方向は問題ないが、現状認識を含めて関係者が議論していくことが必要である。前回お話した、水生生物の件についても現状の技術をベースとして検討をお願いしたい。
     
  • 経済と環境の両立は必要であり、決められた環境基準を守るのは当たり前だが、環境基準値の設定等において、生態系の観点からだけで基準を定められると産業界としては困ってしまう。
     
  • 先日、スウェーデンで化学物質対策について取材してきたが、規制が厳しくなる中で、産業界としては悩みながらも戦略的に取り組んでいた。
     
  • 関係者間のコンセンサスを得るためにも、中長期の戦略性をもったビジョンが必要である。戦略的な方向性があれば厳しい規制も将来につながるものと捉えられるのではないか。
     
  • 日本の環境指標は欧米と比較して絶対値で非常に厳しい。京都議定書で全世界に厳しい目標を課したのは非常に意味がある。
     
  • 1に「環境省が今後の施策を立案、推進する」とあるが、関係省庁との連携についても記述し、各省へ呼びかけてほしい。2(1)[1]に「生産基盤」とあるが、より広い意味である「生存基盤」という言葉で表現することも検討してほしい。2(2)[1]で太字になっている部分があるのはなぜか。
     
  • 新しい視点なので太字にしたが、検討したい。
     
  • 3に「民間の活力を積極的に活用していく」とあるが、原案では既存の民間の活力の話だけであり、新たな民間活力を生み出すためにも「更に新たな活力が生み出されるよう」といった表現も加えてほしい。
     
  • 3(1)[1]に「環境に対する費用を負担と考えるより投資と考える」とあるが、他で環境対応は基盤や費用とも書かれているので、投資というのは違和感がある。
     
  • 3(1)[1]の「社会的責任を踏まえた環境経営の推進」の中にあるように、環境経営の一要素としてCSRをとらえていることは重要であり、積極的な政策のリードを期待したい。また、3(1)[2]の「環境教育・環境学習の徹底」に関連して、企業が若い人材に学習の機会を与える努力をしていく必要があると実感している。さらに、3(1)[3]に関して、企業が情報を広く公開し、消費者等の受け手がそれを正しく評価することで、企業と消費者の情報の交流でも好循環が進んでいくと思う。
     
  • 環境教育に関しては、子どもに対して行うものと捉えられがちだが、大学生等、すぐにこれからを担う人材に対して行うことも重要ではないか。
     
  • 3(1)[2]に「マーケティング戦略も取り入れ」とあるが、具体的に何を行うのか分かりにくい。消費行動の中に環境配慮を反映させていくことは重要であり、そのためには情報の提供と税制等の優遇策の実施等が考えられ、具体的な表現とすべきではないか。
     
  • サービスとしての機能を享受するためエネルギー負荷を下げていくことまで踏み込んで記述してもよと思う。「経済活動」には、産業、サービス、これらを享受する生活者の3つの視点が含まれていることをはっきりさせる必要がある。
     
  • 3(1)[2]の「環境教育・環境学習の徹底」の中に、文部科学省と連携した環境教育・環境学習といったものも入れた方がよい。
     
  • 環境ビジネスの部分で、ベンチャー企業などの新産業の創出、雇用の創出といった側面を、前面に出したらどうか。また、環境教育について、日本では近年大学に環境学部が多数設置されたが、卒業生を受け入れる企業が少なく、このような人材の供給過多をどうするのかが重要な観点ではないか。
     
  • 3(1)[1]に「健全な環境ビジネスの育成」とあるが、「健全な」とはどのようなものなのか分かりにくく、「環境ビジネスの積極的な推進」や「独創性のある環境ビジネスの育成」に書き換えた方がよいのではないか。
     
  • 報告では、あるべき姿は書かれているが、現状の取組がほとんど書かれていない。エコアクション21や文部科学省で実施している環境教育・環境学習、既存のラベリング制度など現在取り組んでいることを踏まえた記述としてはどうか。
     
  • 3(3)の「選択的・集中的な技術開発」の中の国際的に見て我が国が競争力を持ち得る有望な分野の例示に水素エネルギーが入っていない。水素の製造についても触れてほしい。
     
  • 3(2)の「政策のベスト・ミックスに向けた政策手法の開発」の内容は、抽象的で新味がない。短期的あるいは中長期的に、どのような仕組みで手法を開発するのか具体的に書いてほしい。
     
  • 3(3)の「選択的・集中的な技術開発」というのは、国が分野を決めてしまうという意味で従来型の発想である。国が行うのは新産業創出の土台づくりであり、市場で淘汰されて残るものが国際競争力のある技術というのがあるべき姿である。
     
  • 中小自治体の先進的な取組が社会的に評価される仕組みの構築が重要である。
     
  • 3(4)の「地域が求めるものの的確な把握」に関連し、NPOの役割に非常に期待しているが、組織的、財政的に十分とはいえず、産官学が連携して育成していく必要がある。
     
  • 地方の製造業、工場、研究所等が中小自治体の取組の展開の力になると考える。
     
  • 3(4)では、特区制度や地域クラスター等の制度を含んだ仕組みについても取り込んでいくことが大事である。
     
  • 大きな自治体に比べ、環境保全に熱心な中小自治体の方が機動的に対応してくれるとの印象があり、環境保全に熱心な中小自治体を拡げていくことが重要ではないか。
     
  • 国際社会において発言力やリーダーシップを増すためには、まず日本の国内でモデルケースをつくり、身をもって示していく必要がある。
     
  • 3(5)に「国際的な環境整備」とあるが、この分野における環境省の役割には非常に期待している。日本の環境技術は世界一であり、各国に技術を示すなど具体的な行動をとっていけば、日本の環境標準が世界の標準になっていくと思う。
     
  • 日本が、環境に貢献している企業を表彰するなどして評価していけばよいのではないか。
     
  • ISO、CSR、温室効果ガスの企業報告などにおいて、環境省が標準化のための提言をしていくべきだと思う。
     
  • 4の「中長期的ビジョンの必要性」の中で、環境基本計画が消極的に評価されているが、この記述は必ずしも必要ないのではないか。また、目標を含んだビジョンと国家総合戦略の関係はどのようなもので、策定の主体はどこになるのか。
     
  • 事務局として、まず戦略のもととなるビジョンを打ち出し、国家総合戦略は、政府の戦略であるなら、政府の計画である環境基本計画の中に取り込んでいくことも考えられる。
     
  • 国家総合戦略を策定しても実効性がなければならない。幅広い分野の内容を含んでいるため、政府として決定した方がよいと思う。
     
  • 国家総合戦略は省庁横断的な政策にしてほしい。4に「国民、企業、行政が一体となって共通の方向を目指して取り組んでいく」とあるが、取組ではなく実行していくことが大事である。
     
  • 都道府県の役割が触れられていないが重要である。
     
  • 4に「国民、専門家の参加」とあるが、数値目標を策定する際には産業界や地方自治体の参加も必要となる。
     
  • 様々な主体が持っている情報を広く活用し、また様々な主体が意志決定過程で参加することが重要である。ベスト・ミックスの具体案を策定する際にも様々な主体が参加することが重要である。
     
  • 世界各国では幅広い主体が参加し様々な国家総合戦略が策定されているので参考にしてほしい。国家総合戦略には日本が先駆けてできるものを盛り込んでいくことが大事である。
     
  • 環境対策というと、総論賛成、各論反対であまり進んでいないの現状である。報告の中でも具体的なものが見えてこない。縦割りの中で環境省がどれだけリーダーシップを発揮できるのかがポイントである。
     
  • 国家総合戦略をいつ、誰が策定し、どのような効果を発揮するのか位置付けが不明確である。
     
  • 報告の中心は4の国家総合戦略であり、1〜3はガイダンスとしての意味合いにすぎないという気がする。
     
  • 生活者の視点に立つと、国民や町の企業に分かりやすいビジョンを立てて実施してほしいと思う。
     
  • 本懇談会の議論からも環境施策の根本を変える必要があると感じている。経済だけでなくあらゆるものと環境を融合させる必要があり、今後、関係省庁とも連携しながら、新しい環境政策を創り出していきたい。
     
  • 昨年12月から6回にわたり委員の方の貴重なご意見を聞くことができ感謝している。日本では依然として省庁間の壁があるが、総理のもと国家総合戦略を策定していくことで壁を克服していきたいと考えている。
     
(3) 事務局より、本報告は、本日のご意見を含めた最終案の内容について改めて確認いただいた上で、公表したいとの発言があった。

 

6. 照会先 :
照会先 環境省総合環境政策局環境計画課
TEL 5521−8232
 
7. 配付資料 :
資料1 環境と経済活動に関する懇談会報告(案)
資料2 第5回懇談会議事要旨
参考資料1 環境と経済活動に関する懇談会報告(案)の概要
以上