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環境と経済活動に関する懇談会(第4回)議事要旨


1. 日時 平成15年4月9日(水) 10:00〜11:30

2. 場所 環境省省議室

3. 出席者
天野 明弘 財団法人地球環境戦略研究機関関西研究センター所長
栗和田榮一 佐川急便株式会社代表取締役会長
小林陽太郎 社団法人経済同友会代表幹事
富士ゼロックス株式会社代表取締役会長
佐々木 元 日本電気株式会社代表取締役会長
崎田 裕子 ジャーナリスト 環境カウンセラー
庄子 幹雄 鹿島建設株式会社代表取締役副社長
手納 見枝 株式会社デルタポイントインターナショナル代表取締役
半明 正之 株式会社デルタポイントインターナショナル代表取締役
平野 浩志 株式会社損害保険ジャパン取締役社長
深尾 典男 株式会社日経BP日経エコロジー編集長
安原  正 株式会社サンシャインシティ代表取締役会長
八端 憲明 株式会社東北エコシステムズ代表取締役社長

鈴木環境大臣、弘友環境副大臣、中川環境事務次官、松本大臣官房長、炭谷総合環境政策局長、飯島廃棄物・リサイクル対策部長、小林大臣官房審議官、一方井大臣官房政策評価広報課長、山崎総務課長、鷺坂環境計画課長
 

4. 議事 :
環境と経済活動に関する委員からの発表及び討議
 
5. 議事概要 :
(1) 今後の進め方について、事務局より、第5回及び第6回の懇談会では本懇談会の取りまとめをお願いしたい、また、第5回懇談会の前には取りまとめの骨子のようなものを配付するので、それに基づいて議論していただきたい旨の説明があった。
 
(2) 平野構成員より、要旨以下のとおり発表があった。
  • 損害保険ジャパンでは、[1]環境負荷の低減、[2]社会への貢献、[3]商品・サービスの提供という3つの視点に基づいて環境保全の取組を実施している。
     
  • エコファンドの最も重要な意義は、社会的責任投資(SRI)を日本に紹介したことである。また、英国を始めヨーロッパでは、企業の社会的責任(CSR)が投資に影響を与えることによって企業競争力とも関係してきている。
     
  • 日本においても、環境や社会性、情報開示等を基準に企業を多面的に評価する動きが確実に広まってきている。
     
  • 環境と経済の両立のため、政府には企業に環境保全へのインセンティブを与えるような施策を求めたい。具体的には、SRIの拡大や保険機能の活用を促す政策が考えられる。また、金融業界の責任としての側面から、環境大臣と金融業界トップとの懇談会を設置してほしい。
     
(3) 半明構成員より、要旨以下のとおり発表があった。
  • JFEグループの環境経営の3本柱は、[1]すべての事業活動における環境負荷低減、[2]環境に配慮した技術・商品の提供、[3]環境ビジネスの推進である。
  • JFEグループにおける環境保全の取組の特徴としては、[1]製鉄とエンジニアリングで永年培った環境技術の融合、[2]都市型製鉄所の優位性の徹底追及、[3]政府、自治体との連携による環境調和型まちづくりへの貢献が挙げられる。
  • JFEは、次世代クリーン燃料であるDME(ジメチルエーテル)に関するプロジェクトを実施している。DMEの魅力な点は、[1]クリーンな燃焼特性、[2]セタン価が高い、[3]水素へ改質が容易、[4]容易に液化、[5]安価などである。
  • JFEは、技術革新による環境保全と環境ビジネスの推進を通じて循環型社会に貢献するとともに、企業として発展していくことを目指している。
(4) 小林構成員より、要旨以下のとおり発表があった。
  • 経済同友会では、企業の社会的責任(CSR)とそれを担保するコーポレート・ガバナンスの両面から、会員企業が自主的に評価していく仕組みを目指している。
     
  • 日本でも、環境をコストと考えるより投資と考える企業が増えてきているが、環境以外の人間的・社会的側面に関してはいまだコストと認識している企業が多い。
     
  • 経済同友会では、平成16年の春頃に地球温暖化対策の具体的提言を行うことを予定しているが、民間のイノベーションを促す方策が重要と考えている。
     
  • 環境問題に対する政治的なコミットメントの表明として環境税の導入はあり得るが、その前提として、既存のエネルギー関連税制の抜本的な見直しを行うことと、一般財源化し民間のイノベーションを促す制度にすることが重要である。
     
  • 富士ゼロックスの基本戦略として、徹底した循環型企業グループの実現、卓越した環境配慮型商品と環境ソリューションの提供を掲げているが、最も大切なのは、[1]環境意識の向上、[2]環境管理システムの構築、[3]環境マネジメント体制の整備など、環境経営の基盤整備とその維持である。
     
(5) その後、自由な意見交換が行われ、各メンバーより、概要以下のような発言があった。
  • 資源循環型社会の構築は重要であるが、一企業だけでは達成できないので、どのような産業構造にしていくか考えていく必要がある。また、運輸・民生部門の地球温暖化対策としては、全国民の理解を深めることが重要と考えている。
     
  • 環境大臣が環境税について発言したことで、企業経営では既に環境税の導入を取り込んだ動きが出始めている。政治が関与することで市場を動かしていくことが重要である。
     
  • 金融機関全般の環境保全取組の潜在力は非常に強いと考えている。環境省の「金融業における環境配慮行動に関する調査研究報告書」に書かれているような取組を行っていくべきであると思う。そのためにも、金融業界トップと大臣の懇談会が必要と考えている。
     
  • 企業経営の立場から考えると、環境問題はそれだけで独立しているわけではなく、企業の社会的責任と不可分であり、その中の重要な問題の一つであることに注意していく必要がある。
     
  • 環境と経済の問題を考えるに当たっては、産業構造だけではなく毎日の生活について目を向けることが大切である。また、企業の社会的責任について国民が身近な問題としてとらえることができるように、情報発信を行っていく必要がある。なお、日本の産業の国際競争力を弱めるような施策は避けなければならない。
     
  • 今回の発表で、企業に、環境のマネジメントシステムだけでなくサスティナビリティに係るマネジメントシステムに取り組む動きが出てきていることが分かった。また、金融業だけでなく社会全体で多面的に取組の成果を評価する方向に持っていくことが大切である。
     
  • 環境に関する情報を消費者に伝えることで、消費や投資行動につなげていくことが大切と考えている。
     
  • 消費行動に影響を与えるためには、波及効果も計算に入れてセンセーショナルな施策を打ち出していく必要がある。
     
  • 新エネルギーが出てこない限り、地球温暖化問題の抜本的な解決は難しいということを念頭に置きながら取組を行っていくべきである。
     
  • 環境と経済の両立・統合を考える上では、新エネルギーの問題に真正面から取り組み日本の方向性を示す必要がある。また、技術をできるだけ早く普及させていく方策が有効である。
     
  • 損害保険会社が土壌汚染のリスクを保証することで建設業における土壌汚染関係の特許出願が増えた例に見られるように、単一の業界だけではなく産業界全体で環境ビジネスを考えていく必要がある。
     
  • EUや米国ではイノベーションを促進する仕組みが施策に盛り込まれている。環境省もリーダーシップを発揮して、技術・政策手法・組織の3つを融合してイノベーションを誘発させる仕組みをつくってほしい。
     
  • 企業が消費者のニーズに対して過剰サービスを行う社会は、環境に悪影響を与えている面もあり、これで本当によいのかという矛盾を抱えながら経営を行っている。
     
  • 地方の企業の間でも、ISO14001や取引先選定などで環境保全の動きが増えてきている。まずは自分のできる範囲で積み重ねていくことが大切である。
     
  • 静脈産業を健全に形成していくことが大切である。また、企業の社会的責任(CSR)でも、今のところ環境・経済・社会のトライアングルがばらばらなので、サスティナビリティの理念の下で3つの融合を図っていく必要がある。
     
  • 企業の社会的責任(CSR)の中で環境が重要な柱として定着しつつある。今後は、努力している企業を社会的にどう評価していくのか考えていかなければならない。現在行われている表彰制度などだけではなく、年金の運用や融資の際に環境に配慮している企業を優先させていくような仕組みを検討していく必要がある。
     
(6) 事務局より、次回は5月14日に開催する旨の説明があった。

 
6. 照会先 :
照会先 環境省総合環境政策局環境計画課
TEL 5521−8232
 
7. 配付資料 :
資料1 平野委員発表資料
資料2 半明委員発表資料
資料3 小林委員発表資料
資料4 天野委員第3回懇談会追加資料
資料5 第3回懇談会議事要旨
以 上