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庄子構成員より、要旨以下のとおり発表があった。
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- 建設業界では環境自主行動計画を策定し、廃棄物の削減に努めてきているほか、建設リサイクル・パイロットプラント事業の構築、現場における分別の推進などを行っている。
- 鹿島建設としては、温暖化対策として、土木・建築現場におけるアイドリングストップや車輌・什器の適正整備を進めるなど、省エネ施工に努めているほか、太陽光発電評価システムの研究に協力している。また、ホテルの屋上緑化なども進めてきている。
- 廃棄物削減・リサイクル対策として、建設現場で使うための分別ステッカーを作成し、分別の徹底を図っている。その結果、建設廃棄物のリサイクル率は向上している。また、36分類においてグリーン調達を行っている。さらに、ゼロエミッション解体を実施するようにしている。
- 森の中に自然環境と調和した形での21世紀型工場を建てるなど、生態系保全のための取組も進めている。
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八端構成員より、要旨以下のとおり発表があった。- 企業では、「環境経営」を心がけなければ、消費者や投資家からも相手にされなくなる時代になってきた。ゼロ・エミッション社会は、循環型産業の成長なくして達成できない。
- 東北エコシステムズでは、[1]化石燃料に代替する新エネルギーである、[2]廃食用油のリサイクルである、[3]バイオマス燃料であるため、地球温暖化防止に直結する、[4]資源循環型社会実現のモデルとなりうることから、BDF事業を進めている。
- 国がBDFを活用して、「県単位での資源循環型社会のモデル事業」とし、地域指定をしてはどうか。
- この提言を実現するためには、[1]プラントに対する補助策、[2]ハード・ソフト面の研究開発の支援、[3]エコ事業者に対する金融面での制度充実、[4]自動車メーカーのBDFへの対応、[5]EU並みに軽油引取税の全面的非課税化、[6]BDFで公道を走るための陸運事務所での記載変更手続の撤廃、[7]環境性の高い国産エネルギーの使用促進が効果的であると考える。
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手納構成員より、要旨以下のとおり発表があった。
- 産業界は、環境先進国日本を目指し、国は、国家の最優先中期目標として、地球温暖化の抑制、持続的環境の保全にあたるべきである。
- 企業は、法規制などの圧力に対応する「環境対応」、地球市民としての使命感から自主的に取り組む「環境保全」から、環境保全と利益創出が両立する「環境経営」を目指していかなければならない。
- 環境保全活動としては、製品づくり、事業運営における環境負荷を最小にするとともに、顧客のもとで発生する環境負荷を最小にすることを考えていかなければならない。
- 我が国の企業のCO2削減は自主努力に委ねられているが、このままではEUなど政府の金銭的優遇のある国の企業に対し
て競争上不利となるので対応が必要である。また、単独企業の努力では、製品、サービスの出荷までは対応できても、回収、循環の整備は困難であり、静脈流に光を当てた国家レベルのグランドデザインが必要である。
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(4) |
その後、自由な意見交換が行われ、各メンバーより、概要以下のような発言があった。
- 総合戦略のような情報が、企業や国民に十分伝わっていないことが問題なのではないか。
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米国やEUでは、環境政策の中にイノベーションを取り入れ、技術革新といったハード面だけではなく、社会システムなどのソフト面の変革を一緒に進めようとしている。日本も、環境イノベーションの支援を第一優先順位とし提言することで、環境技術立国に踏み出していけると思う。
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庄子構成員の発表に関する質問。[1]建設業界の環境保全の取組には、企業間等でどの程度の差異があるのか。[2]現状の取組で建設リサイクル法の基準は遵守されているのか。[3]現在でもコンクリートの型枠のために熱帯雨林の丸太を輸入して捨てているケースはあるのか。
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[1]日本建設業団体連合会等に加盟している企業の取組は進んでおり、業界としても地方自治体許可の企業とジョイントベンチャーを組んだ際に環境について広めていこうという指導方針で行っている。[2]できるだけ廃材を利用するようにしているがコストが高いので、公共事業の際には必ずリサイクル材を使うことを義務付けて支援してほしい。[3]コンクリートの型枠にはプラスチックを利用するようにしている。
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国の環境戦略を世界基準にしていくことなど、懇談会としてアウトプットを考えて大局的な議論をしていく必要があるのではないか。
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次回懇談会までは、企業経営者の委員からの発表とそれに関する自由討議を行い、その後、2回程度で、大きな骨組みの部分と具体的な部分をまとめていければよいと思う。
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環境省を中心に省庁横断的に検討し、環境技術立国に向けて明確な指針を持ってほしい。工学的な技術だけでなく、排出権市場などにおいて日本がどのように国際競争に勝っていくかということを考える必要がある。
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技術には、イノベイテイブなものとイノベイテイブではないものがある。日本の場合、先端技術に加え、イノベイテイブでない既存技術の現場での秀逸な応用が省エネルギー環境面で効いており、これらの広い意味の産業応用技術の輸出指導も立派な技術立国の一端である。
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環境保全に関し日本市場が世界の登竜門となるように、日本のスタンダードが世界のスタンダードになっていけばよい。今までは、排出ガス規制などが技術革新のインセンティブになってきたが、今後は排出権取引など市場の中で技術革新を進めていくような国家戦略が必要であり、環境省がイニシアチブをとっていきたい。
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事務局より、次回の開催は4月9日であり、小林構成員、半明構成員、平野構成員に発表をお願いしたい旨の説明があった。
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