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環境と経済活動に関する懇談会(第2回)議事要旨


1. 日時 平成15年1月31日(金) 17:00〜18:30

2. 場所 環境省省議室

3. 出席者
栗和田榮一 佐川急便株式会社代表取締役会長
小林陽太郎 社団法人経済同友会代表幹事
富士ゼロックス株式会社代表取締役会長
佐々木 元 日本電気株式会社代表取締役会長
崎田 裕子 ジャーナリスト 環境カウンセラー
庄子 幹雄 鹿島建設株式会社代表取締役副社長
手納 見枝 株式会社デルタポイントインターナショナル代表取締役
若松 幹人 日本鋼管株式会社常務環境ソリューションセンター長
(半明社長代理)
ピーターD・ピーダーセン 株式会社イースクエア代表取締役社長
平野 浩志 株式会社損害保険ジャパン取締役社長
深尾 典男 株式会社日経BP日経エコロジー編集長
安原   正 株式会社サンシャインシティ代表取締役会長
八端 憲明 株式会社東北エコシステムズ代表取締役社長

鈴木環境大臣、中川環境事務次官、松本大臣官房長、炭谷総合環境政策局長、岡澤地球環境局長、飯島廃棄物・リサイクル対策部長、小林大臣官房審議官、一方井大臣官房政策評価広報課長、山崎総務課長、鷺坂環境計画課長
 

4. 議事 :
環境と経済活動に関する委員からの発表及び討議
 
5. 議事概要 :
(1) 会議冒頭、鈴木環境大臣より、要旨以下のとおり挨拶が行われた。
 本日、国会で行われた施政方針演説でも、小泉総理は環境問題に言及し「環境と経済の両立」が大切との話があった。環境と経済の問題は、今後の経済の在り方を考えていく上で重要な課題になると思っている。昨年に引き続き、懇談会での活発な御議論を期待したい。
 
(2) 栗和田構成員より、要旨以下のとおり発表があった。
  • 佐川急便では、1997年のCOP3を契機に天然ガス自動車の導入や輸送の効率化等を推進している。これらの取組は、将来の消費者ニーズを見据えた投資ととらえている。
  • モーダルシフトにより、運送事業者はコストの削減が可能になるほか、新たな環境ビジネスへの展開にもつながっていくと考えている。
  • サービスにも環境配慮を求める声が大きくなればグリーン輸送は必要不可欠であるという考えから、WWF(世界自然保護基金)と協働でCO2を削減する「クライメート・セイバーズ・プログラム」を実施している。
  • 政府には、天然ガス自動車の普及促進、CNGスタンドの設置推進、国と地方自治体の連携による規制の統一化等を期待している。
     
(3) 佐々木構成員より、要旨以下のとおり発表があった。
  • 拡大生産者責任に対応するため、エコ製品の開発促進では部品・素材メーカーとの連携、使用済み製品のリユース・リサイクルの推進ではメーカー、地方自治体、流通・販売店との連携が重要である。
  • ヨーロッパでは使用済み製品のリサイクルや有害物質の使用禁止の動きが進んでいることから、環境に配慮した製品開発が必要と認識している。
  • 関係者の努力により、行政と産業界のコミュニケーションは従来に比べ改善してきたと認識している。
  • 今後は、環境問題に対する温度差が各国にある中で、資本主義経済システムの中に環境をどのように取り込んでいくのかが課題となる。
     
(4) ピーダーセン構成員より、要旨以下のとおり発表があった。
  • 環境と経済の両立を図るためには、国に、[1]しっかりとした哲学(ビジョン)、[2]総合的かつ長期視点に立った戦略(総合戦略)、[3]具体的年号を盛り込んだ実行計画(ロードマップ)が求められている。
  • 日本にも環境関連計画や戦略は存在するが、実行力において弱い。スウェーデンの総合戦略「サスティナビリティ・イン・ワン・ジェネレーション」などが参考になる。
  • 総合戦略を策定する際には、[1]環境省と経済産業省が共同作業として進めること、[2]まずはビジョンの目標年号を定めた上で、具体的な目標とロードマップを定める戦略分野を決めること、[3]日本を持続可能な社会のケース・スタディと考え、国内外の専門家に呼びかけること、[4]国民が参加できる「緑の国民会議」を開催し、広く情報共有と伝達を図ること等が重要となる。
     
(5) その後、自由な意見交換が行われ、各メンバーより、概要以下のような発言があった。
  • 総合戦略のような情報が、企業や国民に十分伝わっていないことが問題なのではないか。
  • 従来型の省庁ごとや業種ごとの積み上げではないやり方でビジョンなりアウトカムの目標を決め、それを実現するためにはどのような戦略が重要かということを議論していくべきである。
  • 第1次環境基本計画の内容が抽象的であったとの反省から、現行の第2次計画では11の戦略的テーマを取り上げるなどかなり具体化してきている。しかし、具体的な数値目標を定めている分野が少ないこと、各省庁において実施計画が策定されていないなど、その実施の仕組みが不十分であることは事実であり、改善の余地がある。
  • 現在、パブリックコメント中の循環型社会形成推進基本計画案では、循環型社会のイメージが盛り込まれているが、そのための具体的ロードマップ、実行計画は不十分な感が否めず、市民の実施を促すための仕組みが必要であると感じている。
  • 環境基本計画は分かりにくく、日本を世界最先端の環境立国とするためのビジョンを描ききれていない。「環境」を、環境基本法の枠内ではなく景観、歴史、文化などを含めた広い視点でとらえ、環境と経済の両立の問題を考えていく必要がある。
  • 地方公共団体における地球温暖化に関する実行計画の策定が進んでいない。国の取組が地方に浸透していかない理由には、地方では何をしてよいのか分からないという実状もある。
  • 学者を中心とした現在の中央環境審議会の委員構成では抽象論になりやすい。国会議員と行政官庁の公務員で委員の半数を占め、そこに産業界が加わって議論することで、具体的な議論が可能となるのではないか。また、環境省は他省庁との対話と連携により、省庁間の壁を取り除く努力をしてほしい。
  • 世界的には「環境」という言葉は狭くとらえられており、「サスティナブル・デベロップメント」という大きな考え方でとらえてブレイクダウンしていく必要がある。実施の段階では、以前は都道府県別の民度をレーティングすることなどがなされていたが、こうした形でしていくことも、環境意識の向上に効果的ではないかと考えている。
  • 環境分野の技術開発に関しては、総合科学技術会議の議論でも、きちんとした心棒がない気がする。こうしたところまで巻き込んだ議論を行い、骨太のグランドデザインを示していくことが必要なのではないか。
  • 行政が環境経営に関する具体的な努力目標を定め、企業に取組へのインセンティブを付与することが重要である。
  • 目標を具体化するためには、環境省と経済産業省が連携をとりながら目標値を設定してほしいと思っている。
  • 循環型社会の構築と景気の回復が政策の対立軸になると考えている。その意味で、明確な目標を設定し発信していくためには、環境省が行う経済産業省との間の調整が非常に重要だろう。
  • さまざまな計画がこれまで策定されてきたが、それを実施する政策手法がヨーロッパと比べて不足している。今後は、市場原理を活用した政策手法などを取り入れていく必要がある。
  • 本日議論になった国家戦略のようなものが必要であるならば、単に各省庁の対策をつなぎ合わせるではなく、環境省がリーダーシップを発揮して各省庁に方針を示しまとめあげていく必要があると感じた。
     
(6) 事務局より、次回の開催は2月20日であり、庄子構成員、手納構成員、八端構成員に発表をお願いしたい旨の説明があった。
 
6. 照会先 :
環境省総合環境政策局環境計画課
TEL 5521−8232
 
7. 配付資料 :
資料1 栗和田委員発表資料
資料2 佐々木委員発表資料
資料3 ピーダーセン委員発表資料
以 上