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■議事録一覧■


平成24年度 中央環境審議会 自然環境・野生生物合同部会
生物多様性国家戦略小委員会(第6回)

議事録


1.日時

平成24年6月11日(月)14:00〜16:52

2.場所

全国町村会館 2階ホール

3.出席者

(委員長)
武内 和彦
(委員)
磯部 雅彦 小泉 透 櫻井 泰憲
佐藤友美子 下村 彰男 白幡洋三郎
辻本 哲郎 土屋 誠 中村 太士
吉田謙太郎 吉田 正人 鷲谷いづみ
(環境省)
自然環境局長
大臣官房審議官
自然環境局総務課長
自然環境計画課長
生物多様性地球戦略企画室長
生物多様性地球戦略企画室長補佐
生物多様性地球戦略企画室長補佐
生物多様性施策推進室長
野生生物課長
自然ふれあい推進室長
動物愛護管理室長
生物多様性センター長
鳥獣保護管理企画官
外来生物対策室長

4.議題

1 次期生物多様性国家戦略(素案)の検討

2 その他

5.配付資料

生物多様性国家戦略小委員会名簿・座席表

資料1−1
次期生物多様性国家戦略 前文、第1部(理念、目標)(素案)
資料1−2
次期生物多様性国家戦略 第2部(素案)
資料1−3
次期生物多様性国家戦略 第3部(素案)
参考資料
生物多様性国家戦略2010(冊子・パンフレット)
生物多様性条約COP10の成果と愛知目標(パンフレット)
第5回生物多様性国家戦略小委員会議事要旨(未定稿)

6.議事

【事務局】 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会第6回生物多様性国家戦略小委員会を開催いたします。
 委員名簿につきましては、お手元の資料の中にお配りさせていただいておりますが、本日は21名の委員のうち、13名の委員にご出席いただく予定となっております。
 次に、本日の資料について確認させていただきます。
 議事次第の裏面にあります資料一覧をご覧ください。まず、名簿と座席表を最初にお付けしております。
 その後、資料1−1としまして、次期生物多様性国家戦略の前文と第1部の理念・目標の素案、さらに資料1−2といたしまして、第2部の素案、さらに、資料1−3といたしまして、第3部の素案をお配りいたしております。
 また、第1部につきましては、現在、委員の先生方からいただきましたご意見を整理しておりまして、今回は、前文と理念と目標のみをお配りいたしております。
 前回の資料につきましては青色のファイルの中にとじてありますので、適宜ご覧いただければと存じます。
 資料の配付漏れ等がございましたら事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。
 それでは、これよりの議事進行につきましては、武内委員長にお願いいたします。

【武内部会長】 それでは、ただいまから第6回生物多様性国家戦略小委員会を開催させていただきます。
 今日は会場が違って、皆さんは、すぐに来られたでしょうか。私は、このあたりに何ちゃら会館というのがたくさんあって、よくわからなくて、白幡委員と2人で迷っておりましたが、ちゃんと案内を出していただいて大変助かりました。
 この台本によりますと、次回もまた流浪の旅を続けるようで、どうも大変勉強させていただきましてありがとうございます。
 本日は、次期国家戦略の前文と理念など第1部の残りの部分、第2部、第3部について議論をさせていただきたいと思います。
 まず、事務局から一通り説明をいただきまして、その後、部、または幾つかの単位で議論を行いたいと思います。途中、休憩を挟みまして、また17時までに可能な限り議論を続けて、終了させていただきたいと思います。
 また長時間にわたる議論となりますけれども、議事の進行にご協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局より素案について説明をお願いいたします。

【生物多様性地球戦略企画室長】 それでは、生物多様性地球戦略企画室長の奥田でございます。資料に沿って説明させていただきます。
 まずは資料1−1というのをご覧いただきたいと思います。こちらは先ほど事務局からお伝えしたとおり、第1部の本文全体につきましては、一部の委員の先生方から追加のご意見もいただいておりますので、前回の議論を踏まえて修正をかけております。
 そこで、今回は前回お示しできなかった部分、資料1−1では目次の網かけになっている部分ですけれども、まず前文、それから第1章の第3節、いわゆる理念の部分、それから第3章の第1節の目標の部分について、今回は素案ということでお示しをさせていただいております。
 それでは、ページをめくっていただいて、1ページ目、前文からご説明を差し上げます。
 現行戦略である国家戦略2010の前文では、最初に生物多様性の意味の説明ですとか、後ろのほうには各主体の役割等が書かれておりましたけれども、本文で丁寧に書き込んでございますので、重複のある部分は思い切って割愛するということで、分量の削減を図っております。
 そして、1ページ目から2ページ目の7行目までですけども、最初にまず、今次計画策定の重要な二つの背景。大きく二つに分かれると思いますけれども、一つはCOP10の成果、特に、人と自然との共生を掲げる戦略計画、愛知目標というものが採択されたこと、そして、その愛知目標の達成に向けて必要な国別目標を設定し、戦略の中に組み込んでいくこと、そういうことが最初の一まとまりの中で記述してあります。
 それから、第2に、東日本大震災の経験を踏まえた人と自然との関係の再構築が必要であるということ。そして、またその経験を今後の人と自然との共生の実現の契機としていかなければならないといったことを二つ目のまとまりの中で記述してございます。
 なお、2ページ目のほうで、上から4行目に、前回お示しした本文に記述のある「地域共生圏」という言葉を用いていますけれども、これにつきましては、現在、委員のご意見も踏まえて修正を検討しておりますので、それに沿って書き直させていただきたいというふうに思っております。
 それから、2ページ目の9行目からは、背景と役割を簡潔に整理して述べております。
 続きまして、その下、19行目からは国家戦略の歩みについて、条約の制定から、また、これまでの戦略の策定の歴史、特徴、さらには生物多様性基本法の制定なども含めて簡潔に記述させていただいております。
 なお、20行目に「1992年」に多様性条約が発効と書いてありますけど、これは93年の誤りですので、申し訳ありません、この場で訂正させていただきたいと思います。1993年に発効したということで直していただきたいと思います。
 そのほか、ここら辺の部分は現行戦略の前文の記述というのをベースにしながら、本文との重複はできる限り避けて、表現の簡潔化を図るなどによって分量の削減を図っております。
 続きまして、3ページ目の23行目からは、今次戦略の、今回の戦略の全体構成について、3部構成にしたということを含めて簡潔に説明しております。ここでも、29行目に「科学的認識と[慎重かつ柔軟な態度]」という本文の見出しのタイトルが書いてありますけれども、これについては、前回お示しした案の際にご議論がありましたので、これについても修正を検討しておりまして、それに沿った形で書き直す予定にしております。
 それから、3ページ目の38行目以降には、点検と見直しの方法について記述してございます。ここでは、最初の総合的な点検を2014年3月に、条約に基づいて国別報告書というのを提出するということになっていますので、これに合わせて実施する、最初の点検はそこで実施するということ。それから、全体の計画期間は2020年までということをターゲットイヤーにしているということです。
 それから、3番目に、2014年又は2015年に開催が予定されているCOP12での愛知目標の達成状況の中間評価、それを踏まえて、必要に応じて見直しを実施するということが書いてあります。
 また、計画期間終了の2020年度までには2回目の総合的な点検を行うということ等々について記述しております。
 前文については以上でございます。
 続きまして、資料1−1の5ページ目、第1章第3節に挿入する部分が、理念のところでございます。これまでは「生物多様性の保全及び持続可能な利用の理念」という、現行戦略ではそういうタイトルで生物多様性の重要性を示す理念を四つ記述しておりましたが、今回の計画では、タイトルを「生物多様性に支えられる自然共生社会の実現に向けた理念」と、標題を変えております。そして、5番目の理念として、「自然の理(ことわり)に根差した真の豊かさを感じられる社会をつくる」という理念を加えております。
 これまでの四つの理念については、現在の戦略を、タイトルをそのまま引き継ぐ一方で、実は、この第2節までの、前回お示しした記述の中で、具体例をかなり細かく示して、生物多様性の重要性についての詳しい説明を行っております。そこで、ほぼ書き込まれているので、それぞれの説明の記述ぶりは、今回簡略化を図っております。
 恐らく、この四つというのは、例えば、言いかえると生態系サービスの分類の考え方、理念として言いかえたようにもとれると思います。
 すなわち、上から基盤サービス、供給サービス、文化的サービス、調整サービスの考え方というのをここで示しているというような解釈もできると思います。
 その上で、この四つの理念の下に、「自然共生社会を実現するための理念」として、新たな理念、すなわち、自然の持つ恵みと脅威という二面性を踏まえて、一つには自然への感謝と畏敬の心を持って自然のことわり、理に沿った活動を選択するということ。そして、そうした自然との健全な関係を社会に広げることで、また将来にわたって自然の恵みを得ることで享受できる真の豊かさ、と書いてありますけども、そういったものを感じられる社会をつくっていこうという理念をこの五つ目の理念として書き込んでございます。
 続きまして、資料の6ページに移ってください。こちらは、第3章で生物多様性の保全及び持続可能な利用の目標の第1節に挿入する部分でございます。前回は「P」という形でつけていました。
 わが国の目標については、現行の戦略と同様、2020年を目標とした短期目標、それから、2050年を目標とした長期目標に設定しております。
 このうち、短期目標については、愛知目標の達成に向けた、わが国における国別目標、この後ご説明しますけども、その達成を目指して効率的・効果的緊急な行動を実施することというものを掲げまして、愛知目標達成に向けた国別目標の具体的なところは第2部で整理することとしております。
 また、長期目標につきましては現行戦略の記述をベースとして、生物多様性の維持回復と持続可能な利用を通じて、わが国の生物多様性の状態を現状以上に豊かにするということで、生態系サービスを将来にわたって享受できる自然共生社会を実現するということを掲げてございます。
 続きまして、資料1−2に移りたいと思います。
 こちらのほうは、第2部、愛知目標の達成に向けたロードマップ(素案)ということで、前回、1ページ目、2ページ目の上まである本文のほうの一部は示させていただいたので、この文章そのものは前回どおりでございます。
 ただ、前回、ここで十分な議論の時間がなかったため、ここについても再度お示しをさせていただいております。
 また、国別目標の具体的な中身は2ページ目の下段、真ん中より下以降に、それぞれ整理して、取りまとめて素案という形でお示しをしています。今日はその内容を中心にご説明させていただきたいと思います。
 本文の冒頭は、繰り返しになりますけれども、1ページ目では第2部の位置付けというのを明記させていただいて、COP10で採択された愛知目標の達成に向けたロードマップとして、わが国の国別目標、主要行動目標、そしてまた関連指標等を示すことというのが第2部の目的であるということを書いてあります。
 続きまして、その下のほうには戦略計画2011-2020(愛知目標)について、愛知目標採択の経緯ですとか、その目標の概要、さらには締約国が国別目標を設定して、各国の戦略の中に組み込んでいくといったことが求められていることなどを記載しております。詳細については省略をいたしたいと思います。
 続きまして、2ページ目真ん中以降、行の番号が消えていきますけども、わが国の国別目標の設定についてご説明したいと思います。
 愛知目標では、お手元にパンフレットもございますけれども、あと、参考資料として愛知目標と今回お示しした資料との対比表も付けてございます。愛知目標では、個別の目標の内容を包含するものとして五つの戦略目標というものを掲げていますけども、わが国の国別目標は個別にどういったものを入れるかということを検討する過程において、それらをうまく包含して、また、わが国の生物多様性を取り巻く状況に応じて、よりわかりやすい適切な表現になるよう、それぞれの戦略目標自体も書きかえてございます。そして、目標の数自体は五つの戦略目標というものを設定しております。
 また、個別目標の定め方については、2ページ目の上のほうにも一部記述してございますけれども、愛知目標が採択された際のCOP10の決議の中では、自国への貢献というものも考慮しながら、各国の状況に応じて独自の目標を定めるということ、また、必ずしもすべての目標について定める必要はないということが決議の中でも書かれております。
 こういったことを踏まえまして、13の国別目標、A-1ですとかB-1、2ですとか、そういった形で、アルファベットと数字一つあるものが国別目標というふうに呼ばせていただいておりますけども、それを13定めております。また、そして、それをさらにブレークダウンして、A-1-1ですとか、B-1-2ですとか、そういった形で示した48の主要行動目標というのを設定してございます。
 なお、さらに実際には、この下に、行動目標に沿って個別の施策というのをやっていかなければいけませんが、これはこれまでどおり第3部において記述していくということになりますので、念のため、ご説明しておきたいと思います。
 それでは、個々の目標について説明していきたいと思います。
 まず、2ページ目、戦略目標A関連と書いてありますけれども、戦略目標Aに関して、言葉は若干変えております。生物多様性の損失の根本原因に対処するために、愛知目標では、この下に目標1から4までという国別目標が定められていましたけれども、これは多分、入れ子になって、さまざまな形で施策を考えていかなきゃいけないだろうということで、わが国の国別目標としては、一つの目標にまとめております。いわゆる生物多様性の社会における主流化というものを達成するということで整理させていただいております。
 それで、その下に主要行動目標A-1-1からA-1-4までを掲げてございます。A-1-1では、広報・教育・普及活動を充実・強化するということ。これは主に個別目標の1に対応しているかと思いますけれども、掲げまして、個別に担当省庁名を明記したものをここに書き込んでおります。
 また、A-1-2は多様性の価値の経済的な価値の評価の推進ということで、これは個別目標2に対応しているかと思います。
 また、A-1-3については、国や地方自治体における戦略や計画の策定等の奨励を書いてございます。
 A-1-4につきましては、事業活動のための方針の設定・公表とその実施の奨励ということを掲げてございます。
 その下に、関連指標ということで、現段階で考え得る指標について、リストアップするとともに、一番下に関連する愛知目標の個別目標の数字というのを示してございます。
 続きまして、4ページ目に移っていただきまして、戦略目標のB、愛知目標でいうと生物多様性の直接的な圧力を減少させ、持続可能な利用を促進するという目標に関連するものとして、ここでも少し言葉を補って、「人為的圧力等の最小化に向けた取組を進め、持続可能な利用を推進する」というような書きぶりの目標にしております。
 その下では、国別目標のB-1からB-5まで目標を定めてございます。ページ数で言いますと7ページ、8ページのところまで戦略目標Bの関連でございます。
 国別目標B-1に関しては、個別目標に主に対応したものでございます。主要行動目標としてブレークダウンした個別の目標を書いてあります。自然生息地の損失の速度とか、そういったものの劣化の状況を把握するための手法を検討する、また、現時点としてベースラインの設定や達成状況を把握するための指標を設定するという、実際には、まだ今の段階ではなかなか設定できない部分について、指標について検討していこうといったこともここでは含めております。
 また、B-1-2のところでは、生息地の劣化と分断を顕著に減少させるために必要な取組を実施するということを定めてございます。
 B-1-3においては、特定の鳥獣による農林水産漁業が発生している、顕在化しているということを前提で、それに対する対応について、促進等を行う対策を行うということを書いてございます。
 それから、B-1-4につきましては、野生鳥獣による森林被害対策の推進というものを書いてございます。
 続きまして、5ページ目、B-2に移ります。B-2では、2020年までに生物多様性の保全を確保した農林水産業が持続的に実施されるということで、個別目標6、7あたりに対応するものでございます。
 B-2-1では、持続可能な農業生産関連活動と生物多様性の保全を両立させるということ、B-2-2では、森林の整備・保全、多面的機能の持続的発揮、森林の生物多様性に関するモニタリング調査の推進等を目標に掲げてあります。
 また、B-2-3では、漁業関係です。持続的な漁業と生物多様性を両立させる取組の促進、B-2-4では、自然と共生しつつ、人の手を適切に加えることにより里海の創生に向けた取組を実施するといったことを書いてございます。
 関連指標も、ここに書いてあるさまざまなものを、今とりあえず考えられるものをリストアップして個別目標の対応を書かせていただいております。
 続いて、B-3に移ります。6ページ目です。主に個別目標8に対応しているかと思いますけれども、GBO3でも、栄養素、窒素とリンですとか、その他の汚染源からの汚染というのが、陸水生態系や沿岸生態系の生物多様性に対し、増大し続ける脅威となっているということは指摘されているところでございます。
 わが国の陸水や沿岸の生態系においても、さまざまな負荷により栄養塩類等が蓄積し、依然として赤潮やアオコの発生が見られるとともに、貧酸素域が生じているということを踏まえてB-3というものを設定させていただいております。
 主要行動目標の中には、B-3-1、流域からの栄養塩類、有機汚濁物質を削減するということで、これは多大な負の影響を及ぼす生態系機能の障害になる赤潮やアオコを貧酸素水塊等の発生を抑制するための、その原因となるものを流域全体で削減していこうという目標でございます。
 また、B-3-2につきましては、閉鎖性水域の水質等の改善という取組の実施を目標に掲げてございます。これにつきましても閉鎖性水域ということで同様の対応によって、また、藻場・干潟等の保全・再生などの取組に加えて、しゅんせつ、底質改善などを実施していこうということで水生生物の生息環境の確保を持続可能な利用の上での望ましい水質を維持していこうということを目標にしたものでございます。
 B-3-3につきましては、自然共生社会の構築に資する調査研究ということで、実際、先ほど来申しておりますような問題につきましては、沿岸生態系への悪影響を及ぼす栄養塩類は、それだけじゃなくて、多様な生物を育む栄養素であるということもありますので、円滑な水循環、物質循環を通じて生物多様性にとって望ましいレベルを確保するというための調査研究を実施していこうということで掲げたものでございます。
 続きまして、国別目標B-4でございます。こちらのほうは侵略的外来種が制御され、根絶されるというものに対応した目標でございます。
 B-4-1では、侵略的外来種のリストとして、ブラックリストの検討を進めているところでございまして、それに関する情報を整備するというものを掲げてございます。
 また、B-4-2では、外来種の被害防止行動計画ということを策定するということ。
 それからB-4-3では、既にマングースをはじめとして、さまざまな種の制御・根絶について計画的に進めるということがありますけれども、これを具体的に進めるための目標として掲げてございます。
 それから、B-4-4につきましては、まず、国内への、海外からの特定外来生物の導入・定着を防ぐということで、非意図的な導入について十分管理ができていないという前提のもとに、その定着経路に関する現状把握等ですとか、水際対策について検討を進め、必要な対策を実施していくということを踏まえて掲げたものでございます。
 関連指標については、ここに書いてあるとおりでございます。
 それから、B-5でございます。B-5は7ページ目の下に書いてありますけども、個別目標10について、わが国のサンゴ礁の気候変動ですとか海洋酸性化の影響を受ける脆弱な生態系への影響を最小化するということを書いてございます。これについて、B-5-1は一つだけの目標ということで、人為的圧力を特定して、その許容値を設定して、その対策をとっていくということを目標に掲げてございます。
 続きまして、8ページ真ん中から戦略目標Cの関連でございます。
 Cそのものは、生態系、種及び遺伝子の多様性を守ることにより、多様性の状況を改善していくという簡潔な書きぶりになっておりますけども、ここでは言葉を補って、具体的なわが国としての書きぶりに直しております。
 国別目標のC-1につきましては、個別目標11を、愛知目標の11を踏襲するような形で書かせていただいております。
 主要行動目標はC-1-1からC-1-3ということで、自然環境・生態系を保護するための地域指定、保全・管理の充実、それから、生態系ネットワークの計画書や実現性を検討していく、それから、そのための事業実施に向けた条件整備をしていくということ、さらには2020年までの17%、10%というものを、これについての状況を把握するための手法とベースラインを確立するということを1-3に定めているところでございます。
 続きまして、9ページ、C-2をご覧ください。こちらのほうは絶滅危惧種の絶滅・減少の防止ですとか、作物・家畜の遺伝子の多様性の維持、損失の最小化に対応したものをまとめて書かせていただいております。今年、環境省ではレッドリストを改訂する予定にしておりますけど、それを基準として、新たな絶滅種を生じさせずに、2020年までにランクダウンする種を増加させること等を目標にしております。
 また、ここではC-2-1からC-2-5まで書かれておりますけども、こちらについては、昨年度に実施した絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する点検会議においていただいた提言を加味して検討させていただきました。
 C-1-1では、情報の共有ですとか活用の体制整備を進める、またレッドリスト見直しの作業を着実に行うといったことを書いております。
 また、C-2-2では絶滅のおそれの高い種について、国内の希少野生動植物の種の指定を進めるということ、それからその事業を着実に進める、またそれぞれの保全手法・技術の改善を図るということを書いてございます。
 C-2-3では、絶滅種の対策として、地域での合意形成、基盤整備を進めるということ、そして、2-4については生息域外保全、もしくは飼育下での繁殖個体の野生復帰の取組を進めるということ、それから、C-2-5では作物の遺伝資源についての目標というものを定めさせていただいております。
 続きまして、10ページ目真ん中から戦略目標Dの関連でございます。
 これは、ほぼ愛知目標の記述と変えてございませんが、生物多様性及び生態系サービスから得られる恩恵を強化するということでございます。
 こちらのほうでは、国別目標はD-1からD-5まで定めてございます。D-1につきましては、森林経営による森林の多面的機能の発揮、それからD-1-2では、生態系サービスと生物多様性の保全の、人間の福利向上を図る取組であるSATOYAMAイニシアチブを国内外で推進するということで書いてございます。
 それから、D-1-3では、震災復興公園、三陸の復興公園の創設を核としたグリーン復興プロジェクト等を地域によって推進するということ、それから1-4では、伝統的生活文化の智恵とか資源利用技術を再評価し、継承・活用の促進を図るということ、1-5では里海の創生等について定めております。
 続きまして、D-2に関しましては、こちらのほうは劣化した生態系を15%以上、保全と回復をして、気候変動にも対応していこうという目標を定めております。これは愛知目標に沿った形で書いてございます。
 ここでは、三つの主要行動目標を定めておりまして、2-1で、まずはそのための状況を把握するための手法及びベースラインを確立する。そこから始めなければいけないだろうということで、これは2015年までに定めるということにしております。
 それから、D-2-2では、生態系の保全と回復対策によって気候変動の緩和と適応に貢献する対策を推進するということを定めております。
 それから、D-2-3では、森林吸収源対策の推進や緑の回廊の設定等における対応ということを掲げてございます。
 それから、12ページ目、D-3でございます。こちらのほうは名古屋議定書を締結し、2015年までに国内で実施することを目指すということが書いてあって、それに基づいて行動目標も定めてございます。
 12ページ下のほうになります。ここから戦略目標Eの関連でございます。参加型計画立案、知識管理と能力開発を通じた実施というのが愛知目標に書いてありますけども、それより具体的に書き込みつつ、科学的基盤というものを加えて書いてございます。ここではE-1からE-1-4まで書いてございます。
 E-1では、国家戦略の実施状況の点検について書かせていただいております。
 それからE-1-2では見直し、それからE-1-3では2020年までの総合的な点検、そして1-4で生物多様性の日本基金等を活用した世界全体での愛知目標達成に貢献していくといったことを書いております。
 最後、13ページ目、国別目標E-2では、2020年までに科学的基盤が強化されるということ、それから愛知目標の達成に向けた必要な資金が効果的・効率的に動員されるということを目標に掲げてございます。
 ここでは、E-2-1から2-6まで掲げてございまして、自然環境データの充実ですとか、国別目標に関する中間評価、それからIPBESへの貢献、それからCOP10での決定に基づいた資源動員状況の把握ですとか、事務局への報告の体制の整備、愛知目標の達成に向けた効果的・効率的な資金動員、それから海洋生物と生態系に関する科学的知見の充実といったものを掲げているところでございます。
 とりあえず、資料1−2に関する説明は以上でございます。
 最後に、資料1−3をご覧いただきたいと思います。
 こちらのほうも前回に同じ資料をお示ししておりますけれども、ご議論いただく時間がなかった、説明のほうもかなり割愛したので、今回、再度お示しさせていただいております。
 前にお示しした構成案は、第4次環境基本計画の重点分野の施策体系をベースとして掲げさせていただいたんですけれども、それは第4回小委員会でお示ししたものですけども、そのときに大きな意見として、全体として並びの整理がよくない、それから生態系サービスを含めた社会的・経済的な取組の扱いについて考えるべきではないかということがご意見としてありました。
 今回、縦長の資料1−3というものの、A3のところをご覧になりながら見ていただきたいと思うんですけども、今回お示しした構成案というのは全体を、現行計画に近い形で、国土空間的施策と横断的・基盤的施策に分けて、それに加えて東日本大震災からの復興・再生という、その3章立てとさせていただいております。
 横断的・基盤的施策では、まず主流化の推進を挙げるというところでは第4回のときにお示ししたものと基本的には変えておりません。
 それから、社会経済的な取組については、前回は主流化の一部として経済的措置としていましたけれども、わかりやすく示すために、具体的内容がわかるような名称にして、項目を経済的価値の評価というものと事業者と消費者の取組の推進の二つに分けてあります。生態系サービスの具体的な施策は事業者と消費者の取組の推進の中に含まれるものというふうに理解しております。
 また、ABSの書き込みが無いんではないかというご指摘もありましたけども、これにつきましては、第2章の横断的・基盤的施策の、第6節、生物資源の持続可能な利用の中で項目を立てさせていただいております。
 構成については以上でございます。
 本文に関しましては、資料1−3の最初のところに記述方針が書いてございますけども、構成案に沿った形で3章に大きく振り分けた上で、その下に施策のまとまりごとに節を設けるということで整理していこうというふうに考えております。この節というまとまりを一つの単位としまして、目指している方向性や重視する視点などを基本的考え方として示していこうと考えております。
 具体的施策は、さらに節を分けて項を設けて示していくことも考えております。
 2枚目、裏のページには、現行戦略の記載イメージを示してございますが、構成は基本的に同じというふうに考えてございます。変わるのは基本的考え方の役割でございまして、現行戦略では基本的考え方、施策の概要、今、例文を示してあるのは現行戦略の記載例なんですけども、現状と課題と、その三つに分けて書いてあるんですけれども、かなり重複が多いことや、具体的施策がほとんどそのまま記述されていることもあることから、この三つを統合して、新しい戦略では基本的考え方と一本化して記述したいというふうに考えております。
 また、具体的施策の記述方針も、達成状況をわかりやすいものとするために、可能なものについては数値目標をできる限り設定する。それから、目標年次も必要に応じて記載する。ベースラインとなる数字についても、現状として記載していこうというふうに考えております。関係省庁の役割分担を明確化するために、現行の戦略と同様、担当省庁名を併記していきたいというふうに考えております。
 第3章については、今回、具体的なものをまだお示しできていませんけれども、次回までの間にお示しできるようにしたいというふうに考えております。
 事務局からの説明は以上でございます。

【武内部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは皆さんにご議論いただきたいと思います。また、前回と同様、幾つかに分けてご議論いただきたいと思います。
 今回も個別にご回答させていただくということではなくて、回答が必要なものについては、後ほど事務局からまとめて回答していただくことにさせていただきたいと思います。
 それでは、前文及び第1部の理念と目標、ここの部分についてご意見、ご質問のある方はお手元の名札を立てていただきたいと思います。
 磯部委員。

【磯部(雅)委員】 前文の1ページの下の東日本大震災のパラグラフなんですけれども、34行目に「人と自然との関係をいま一度見つめ直し、自然を活かすことにより人々の安心安全が守られてきた場所」という、「活かすことにより」というのが、実は、お答えを聞いたほうがいいかもしれないんですけど、「活かす」という言葉がよくわからなくて。
 私は、もしこれが、例えば津波でいえば、高台に住んで、低いところは農業のみを行うということであったり、そういった高所に住むというようなことも含めて、あるいは河川の洪水であれば、農業地域で、利根川の氾濫地域についても水塚といって高いところに家を建ててと、そういうイメージであるとすれば「自然を知り、理解することにより」というような、そういう表現なのか、「活かして安全安心が守られる」というのは、私としては理解できなかったということがあります。ひょっとしたら、ちゃんと活かすということで説明がつくのかもしれません。
 それからもう1点は、次のページの最初のところですけれども、「地域の中で循環して持続的に活用していく自立分散型の地域社会を目指していくことが重要ですが、それが困難なものについてはより広域の視点で捉えることも必要です。」と書いてあって、これは曲解すると、国際的な分業体制というのを真っ向から否定するというのに近いような読み方もできなくはないということでして、私の理解は、脆弱性をより少なくするために自立分散型の地域社会を目指すことも必要だけれども、でも、やっぱりそれでは解決しない部分もあるので、そこは広域的な視点も必要であるというような、そんな趣旨で、例えば、言い方として、「自立分散型の地域社会を基本としながら、国内・国外を含む、より広域的な視点でとらえることも必要であります。」とか、何か、そんな感じなのかなと。
 全体の社会というものが、地域を基本としながらも国際分業に象徴されるような、国内も含めて、そういうことでつながっているというのは、はじめから、真っ向から否定するわけにはいかないのではないかということで、そのぐらいの書き方なのかなというふうに思いました。
 その後の地域共生圏に関わるようなところは、それでも素直につながっていくんじゃないかというふうに思います。

【武内部会長】 ありがとうございました。
 白幡委員。

【白幡委員】 理念のところなんですが、前回、第1章、第2章のところを出されて、ここだけ抜けてたんです。悩んでおられるんじゃないかと思って、かなり書きぶりがどうなるのか、何の理念かというのを考えてというか、議論になるのじゃないかと思ったんですけど、2010年の国家戦略とあんまり変わってない部分があるんです。
 1から4までは、ほぼそれと同じ理念なんです。この理念は、今度新しく書かれたのは、タイトルを見ますと、自然共生社会の実現の理念みたいに書いてあるんです。ちょっと違うんじゃないか。1から4を含めて、これは、生物多様性という考え方をいかに社会に浸透させるかというか、それの価値というものを大きくうたい上げるということじゃなかったのかなと思うんです。
 ここの書きぶりは多分、ですから、まだまだ悩ましいところがあると思うんですけど、人間にとって有用な価値を持つというのは、何が、どのようにというのがよく読めないんです。
 本文を読みますと「私たちの生活は」とありまして、最後に「有用な価値を持っています」となると、主語は「生活は大事だ」という、そういう話なので、生物多様性というものがどういうふうに理解されて、こういうふうに社会に浸透すべきではないかというような理念を書くには、この主語と述語の関係というのはわかりにくいなという感じがします。
 それで、この四つと、それからもう一つは、最後の5番目です。これは日本社会というか、日本の何か宗教的自然観みたいなものを評価するというような姿勢に見えるんです。それで、これの全体のトーンは科学的基盤というか、そういうものをどう評価するかというトーンで戦略があるので。
 確かに日本の宗教的心情を背景とする自然観、環境観というのは大変評価すべきというか、尊重すべきであると思うんですが、それを同じように書くのは、行動目標だとか、具体的な方法を示すには、工夫が要るというか、もう少し工夫が要るんじゃないかなという気がするんです。これは微妙な文章のニュアンスみたいなところなので、こういうところで議論できるかどうかがわからないんですけれど、おまえさん、個別にちゃんとメールで送れと言われると、それはやってないんで申し訳ないんで、謝らざるを得ないんですけど、という印象です。

【武内部会長】 今の点は大事な点だと思うんですけれども、特に自然共生社会というのは、これはCOP10の議論の中で、今おっしゃったように、宗教的というふうに言うと、やや語弊があると思うんですけども、東洋的な自然観に立ったものの考え方で、基本的には人間と自然を不可分のものとして捉えるという前提に立つわけですけれども、そのことと、科学的な評価の仕方というのも当然あるとは思うので、そこのフィルターを通せば大丈夫ではないかという、そんなぐらいですかね。
 多分、いきなりそういうふうに、仏教みたいな話をストレートにこういうところにつながってくるというふうな印象を与えるということは、非常にまずいというふうなことであって、その辺、これまで説明してきませんでしたかね、COP10や何かでも。少し対立はありましたよね、議論の中でも。そういうものと、それから割と生態系サービスみたいな、西洋的な価値観と経済の価値観を結びつけたような話と、どうやってうまく整合をとって、大きな理念にまとめ上げていくのかというところが、まだ練られていないということだろうと思うんですけれども、ほかの皆さんからもご意見いただきたいと思います。
 今の点は大変大事なので、できれば、皆さんから個別にコメントをいただければと思いますが、下村委員、お願いします。

【下村委員】 また違った側面での、ただの質問ですが。目標の掲げ方のところで、短期目標と長期目標というのが掲げられていて、長期目標というのが、この中で、いかに扱われるのかなという、単純な質問です。
 それで、COP10のほうでも、こちらのほうでは、長期目標が先に掲げられて、短期目標になっていて、こちらは、順番が変わったりしているわけですよね。それで、長期目標のほうは、COP10の説明の中でも、日本のほうで今の共生の話が提案されて、それが受け入れられて長期目標になったということもあって、かなり大切にされているのかもしれないんですが、単に文章表現でとどめられるのか、それとも何か、もう少し施策だとか何かも含めて、短期のほうは、とりあえずこの国家戦略が目標とするところなので、達成をされるための施策だとか何かを並べていかれるんだと思うんですけれども、長期目標のほうは、共生という今のような言葉の理念というか、そういったものにとどめられるのか、もう少し踏み込まれるのかというところをお伺いしたいと思います。

【武内部会長】 ありがとうございました。
 鷲谷委員、お願いします。

【鷲谷委員】 理念に関するところで、表現上のささいなことなんですけれども。
 5ページの1と3ですが、1が「基盤を整える」となっていて、3が「基盤となる」という表現になっているんですけれども、「基盤をなす」とか「基盤となる」という日本語は割合なじみがありますが、「整える」という言葉は人の作為的なものをイメージしてしまって、「生物多様性が」という主語だとすると、多少違和感があるんですが。
 わざわざ、「基盤となる」とせずに「整える」という言葉を使ったことには積極的な意味があるんでしょうかということを伺えればと思います。
 もし、3と合わせて、「基盤となる」にするとしたら、1の一番最後のところも「できない基盤となります。」というふうにすればシンプルになるんではないかと思いますが。

【武内部会長】 ありがとうございました。
 吉田正人委員。

【吉田(正)委員】 ここのところ、前文や理念のところは、言葉の問題になるんですけども、5ページの5番の「自然の理(ことわり)に根差した真の豊かさを感じられる社会をつくる」、この部分だけ非常に長いということもあるんですけれども、覚えやすいものにしたほうがいいし、それから、あまりにも急に説明のないまま出てくるというよりは、比較的、その前文で説明されているものが出てきたほうがいいんじゃないかという気もいたします。
 そうすると、前文のほうの2ページのところでは、3行目で「自然の恵み(生態系サービス)を供給する」とか、そういう言葉が出てくるので、例えば「自然の恵み(生態系サービス)を享受し、真の豊かさを感じられる社会をつくる」とか、ページをくるごとに新しい言葉が出てくるというんじゃないほうがいいんじゃないかなというような感じがいたします。

【武内部会長】 お二人の話をまとめてみると、生態系サービスという、割と世界的な概念と、それから自然共生社会という、世界には認められたけども、ややそういう人間主体関係についての理解が従来とは違うという考え方と、そこをうまくつないで、それをつなげることは今回の戦略の中での基本的な立場だということが明確になればいいんじゃないですかね。
 土屋委員、お願いします。

【土屋委員】 同じ理念のところなんですが、白幡先生がほとんどおっしゃっていただいたような気がしますが、別の言葉でいうと、ゴシックで書いてある1番から5番までは、何となく理念という言葉で表現できるもののような気がするんですが、その後の説明が、何となく理念っぽくない表現になっている。「こういうふうにしていきましょう」というような意思表示をしたほうが理念のような気がするので。例えば、1番の「整えています」とか、2番で「価値を持っています」というまとめ方ではなくて、今すぐ出ないんですけど、理念のような表現というのは工夫できないかというふうに感じましたので、コメントさせていただきます。
 以上です。

【武内部会長】 どうもありがとうございました。
 そうですね、私も、そのほうがいいように思いますね。それから、ここには出ていないですけれども、例えば自然資本というふうなとらえ方によって、新しい経済の価値とか豊かさみたいなものを考えるとかというのを、吉田謙太郎さん、何かうまい言葉ないですか。この間の。
 多分、そういう、今回のやつの中で、かなり特徴的な議論をエッセンス的にまとめたら、さっき白幡さんが言われた「前回とあまり変わらないね」というふうな話を超えられるような気がするんですけど。
 従来でいうと、二項対立的に捉えて、経済で捉えるか、非経済的な価値を捉えるかという、そういう考え方に対して、経済という概念を広くすることによって、自然資本を含めた形の新しい豊かさとか、あるいは資本というものを捉えていって、それが、実は、自然生物多様性と経済成長の矛盾しないような、そういう自然共生社会につながるというところに持っていこうというふうな、そういう話になって、割と、そうすると例えば世界的にいうとRIO+20のグリーンエコノミーというふうな考え方にもつながるという、理念的に、これずっと世界との関係が広がってきますよね。あまり、「わが国にはアジアの風土に育まれた自然のとらえ方が独特のものがあります」みたいな、そういう話じゃなくて、つまり我々が今考えているのは、そういう世界の中でのいろんな考え方を統合して、すべてをうまくつじつまをつけながら、かつ日本の社会にとっても、あるいは国際的なこれからの途上国を含む社会づくりのあり方にとっての共通の理念なんだというものがここで出されるというイメージですね。
 従来の考え方というのは、割と日本は世界的な要請があって、それで国内の生物多様性国家戦略をやってきたというふうな、そういうスタンスに近いものがあると思うんですけれども、それに対して、COP10を契機に、日本がそういうことについての先導的な役割を世界に対して果たすべきだということも非常に大きな考え方なので、そういう方向につながるような話にするといいんじゃないかと思いますけどね。
 磯部委員、お願いします。

【磯部(雅)委員】 今、委員長がまとめてくださったところも含めて、それから、理念の1から5までというのを含めて、前文の一番最初にそれらしいまとめを入れておく必要があるんじゃないかというのを感じています。
 前文というのは、読み始めるとCOP10が開催されたとか、生物多様性ありきという書き方になっていますけど、一般の人が読むと「これは、何でそういうところから始まるんだろう」ということがあるので、そこは前回のものにも、なぜ必要なのかということが最初、書き出しにありましたから、今回、理念を議論し、また委員長にも今のようにまとめていただいたので、そのエッセンスのようなものを前文の一番最初のところに置くべきじゃないかというふうに思います。

【武内部会長】 ありがとうございます。
 これは第3節も、むしろ、5が頭に来て、あと1、2、3、4みたいな、そんな感じですね。
 はい、どうぞ。

【佐藤委員】 今、委員長がおっしゃったんですけど、5はリード文的な感じがすごくしてしまって、そうすると自然に入って、私たちがこういう感覚を持っているからこういう話が出てくるんだというところで、かえってつながりやすいのと、それから1、2、3ですけど、全部、「基盤となる」みたいに、「人間にとって有用な生活の基盤となる」というふうに、逆に1、2、3、三つとも、「基盤となる」と言い切ったほうが、かえってわかりやすいんじゃないか。「有用な価値を持つ」と、わざわざ強調していらっしゃると思うんですけど、それがかえって違和感を持ってしまうので、もうすべては基盤なんだと、それと、将来にわたるという。現在のすべての基盤であるとともに、将来というふうにつなげていったほうが、そもそもというのが、さっきの5のところがあって、そうすると時間軸としてもうまくいくのではないかなという気がしたんですけど、いかがでしょうか。

【武内部会長】 ほかに。はい、どうぞ。

【櫻井委員】 今さらかもしれませんが、Living in harmony with natureの”harmony”を、今は「共生」という言葉で置かれていますけども、我々がよく使うんですけども、いわゆる「調和」するという、生態系そのものというのは非常に不安定なんですけども、どこかが崩れると、またそこを修復しようとする。それが、共生というよりは、むしろ同調性を持って動くような意味を使うんです。生物多様性が持っている力というのは共生ではなくて、生態系全体の動きをうまく調和する、ハーモニアスなものという意味があるので、どこかにその辺があっていいのかなという気がするんです。
 例えば、1個のバクテリアでも物を有機物から無機物に変えていくという、そういう形で、また自然に輪廻するわけです。そうすると、調和するための生物多様性というのは意味があるので、「共生」と使っちゃうと、人と生物の共生とか、自然との共生という形ですけども、生態系を考えた場合に、調和というのは非常に重要な意味じゃないかなと思いました。
 以上です。

【武内部会長】 ありがとうございました。
 自然共生社会を変えるというのは難しいと思いますので、中身の中で、そのようなことについて記述が入るということのご要望だったというふうに承りました。
 よろしいですか。それでは、どうですかね、事務局のほうで。

【生物多様性地球戦略企画室長】 それでは、まず最初、前文のところで磯部委員のほうからご指摘のあった「自然を活かす」というところですけれども、言葉はもう少し考えさせていただきたいと思いますけれども、趣旨としては、実際には、例えば尾根筋とか谷筋の林を残しながら生活していくとか、要は、海岸部分における、ある程度、緩衝地帯となるようなところを残したり、うまく人が土地を利用しながらも、そこのところの自然がうまく緩衝地帯としての役割を果たす知恵みたいなものが、東北の今回の場所という意味ではなくて、さまざまなところで多分あるので、そういったことというのは、いわゆる「活かす」という言葉で表現できるのかなというふうに思って使わせていただいたんですけども、確かに「自然を知り、理解する」というような中にそういうような知恵みたいなものというのが含まれるかもしれませんので、もう少し考えさせていただきながらご相談させていただけたらというふうに思っております。
 それから、理念の部分については、もう本当に皆さん方のご意見を踏まえながら、科学的なことも考えながら、特に理念の部分というのは、自然共生社会というのを具体的に、前文に書いた二つのCOP10ということで長期目標、自然共生社会というのを掲げたということ、それから、震災というものを受けて、我々が今、人と自然のあり方を考えたと、その中でどういったものを新たに、この中で今まで生態系サービスという形でだけ重要性を示してきたものにプラスアルファで何が付け加えられるかなと思ったのが5番で、いろんなご指摘の中で、確かに表現的にもつたないし、わかりにくい部分があるので、そこは新しい考え方みたいなものも踏まえながら、委員長からもご指摘のあったような自然資本の考え方とか、最近はインクルーシブウエルスというものがあるというのもお聞きしましたけれども、要はストックみたいなものを踏まえながら、その豊かさというのを考えていくべきじゃないかというところを、そして、場所についても、佐藤委員、委員長のほうからご指摘のあったとおり、最初に持っていったほうがすっと入るというのは、お聞きして、そのとおりだと思いますので、多少変えながら、言葉についても、もう少し選んでいきたいと思います。
 あと、櫻井委員のほうからご指摘のあった、まさに調和の部分についても、実はこの中では「共生と循環に基づく自然の理に沿う」というのが、まさにこの表現的には調和、調整的な部分です。その中のシステムとして一つ考えていくべきということを書き込んだつもりだったんですけども、言葉についても選んでいきたいというふうに思います。
 また、理念的な書きぶりでないというところはあるんですけど、一つ、ベースにあるのは、あまりこの理念のところは、他の四つの部分については、なるべく今までも積み上げてきてここまでつくってきたものがありますので、それは大切にしながら直すところは直していきたいなというふうに思っています。
 それと最後に、下村委員からご質問のあった長期目標のところで、どこまで踏み込むのかというところですけども、恐らく、長期目標のところは、これは施策の最終ビジョンとしての目標で、理念の部分とはまた一線を画すものではないかなということではないかと思っています。
 ただ、2050年を目標とした施策というのは、その後ろの部分にも書き込まれてこないんですけども、基本方針の頭のところでは、わが国の目標をグランドデザインの実現に向けてというふうに書いてあるのと、基本戦略は2020年のみならず、2050年を視野に入れながらやっていくということで考えていますので、恐らく、この辺のところは、実は愛知目標なんかのビジョンのところでも、具体的に、自然と共生する社会というのを掲げながら生物多様性が評価され、保全され、回復され、また賢明に利用されて、そのことによって生態系サービスが保持されていくというような書きぶりも書いてありますけれども、そこら辺は、ここの全体の中の既にグランドデザインのところでも大分書き込んであるところがあると思いますので、全体をもう1回見直しながら考えていって、また皆さんに読んでいただければありがたいというふうに思っております。

【武内部会長】 今回、一つ大きなポイントは、これは国内向けの国家戦略として使うということで、特に愛知目標の採択を踏まえて直しているという面と、それから、国家戦略を、世界に先駆けてCOP10以降に日本が示すという、もう一つの大きな目標があって、そのために、今、COP10に間に合わせるように作業しているわけですよね。
 そうすると、エッセンスのこういう部分というのは、多分英語で表現されるということになると思うんだけど、そのときに、「日本人は特有の文化がありました」というのは、これを英語にしたときには困りますよね、そういうところは。
 それはもちろん、本文の中で、いろんな細かいところで日本を例に挙げてみれば、さまざまな文化があり、地域の知恵があるということは言えるわけだけれども、ここで言わなきゃいけないのは、「SATOYAMAイニシアチブ」に通用するような、世界にはそれぞれの地域でそれぞれの地域の文化と、それから伝統的な知識に裏づけられた人々の自然とともに生きる知恵があるということをむしろベースにして書いておいたほうがいいですよね。そうすると、そのまま英語にすれば、これは日本からの発信だけども、世界が共有できる面が非常にあるねという形の共感につながりますよね。
 だから、何となく「東洋では」とか、「日本では」というのを排他的に議論するというのは、やめたほうがいいと思う。むしろ、科学的な裏付けも伴いながら世界の潮流になっていくような、そういう方向に軌道修正したほうがいいんじゃないですか。奥田さんが言われたように、今まで蓄積したものを捨てる必要はないので、それをさらに発展するという意味で、今のような考え方をこの際とったほうが私はいいと思いますけどね。
 ほかによろしいでしょうか。
 それでは次に、第2部、愛知目標のロードマップについてご議論をいただきたいと思います。
 まず、戦略目標A、Bについて、ご意見、ご質問のある方は、お手元の名札を立てていただきたいと思います。これは初めて出るものですよね、今回。いろいろとご意見があろうかと思いますが。
 それじゃあ、鷲谷委員。

【鷲谷委員】 二つあるんですけれども。
 一つは、愛知目標の中で、あまり取り入れられていないのが愛知目標の3、有害な補助金等の奨励措置の廃止等というのが、国の目標には、それらしい反映がなされていないように思うんです。
 生物多様性の保全と、ほかの分野の政策の間に矛盾がある場合、これまでは後ろに引くのが生物多様性のほうだったと思うんですが、主流化ということになると、対等に対峙して議論するとか、場合によっては有害なものは奨励措置については廃止という、強いですけれども、かなり、そういうこともあり得ると思うんですが、全く反映させないのではなくて、生物多様性の保全や持続可能な利用ということと矛盾するような補助金等奨励措置が存在しないかどうか、検討するぐらいのことはした方がいいのではないかというふうに思います。それが1点です。
 それから、個別目標B-4の外来種に関わるところなんですけれども、主要行動目標を見て感じるのは、現在の外来種対策の積極的な面というのが幾つか出てきていると思うのですが、それを発展させるという観点が少ないのではないかと思います。積極的な面というふうに申し上げますのは、地域で自発的な参加型の取組、モニタリングや外来種を制御したり、廃絶を目指した活動というのが地域で盛んになっているんですね。それを、「各主体に関することを促す」という言葉はあるんですが、ために何か計画をつくるという書き方になっていて、しかも、優先度の考え方とか、優先度の高いというふうに、中央集権的なにおいのする言葉で、せっかく地域で盛り上がってきている、そういう動きに関して、目を向けていない印象というのが大変残念な気がするんです。
 表現ぶりを少しずつ変えていって改善できるのかもしれませんけれども、そういうトップダウンの取組だけではなくて、ボトムアップの取組というのは、生物多様性を保全し、持続可能な形で利用していく上では、とても重要な要素であって、それは絶滅危惧種の保全でも外来種対策でも変わらないように思いますので、そういうニュアンスを入れていただければと思います。

【武内部会長】 愛知目標のハードルが高いんで、かなり警戒して書いている面が多分あるんじゃないかと思うんで、そこを逆に、今おっしゃったように、地元のいろんな取組をすることを目標の中に入れていくことによって、むしろ、非常にポジティブにその問題を捉えていくというふうな考え方になるんだと。それほど悪気があって中央集権的に書いているわけではないと思うんですね。
 それでは、吉田正人委員。

【吉田(正)委員】 Bの最後までよろしいですか。

【武内部会長】 お待ちください。B、結構です。

【吉田(正)委員】 じゃあ、1ページの、まず、愛知目標全体の書きぶりのところなんですけども、DPSIRモデルに基づいて五つの戦略目標ができていることは、そのとおりなんですけれども、インパクトのところだけ、愛知目標にするに当たっては、その書きぶりが、戦略目標D、生物多様性及び生態系サービスから得られるすべての人々のための恩恵を強化するというような書き方になっていて、もちろんマイナスであるインパクトを減らすというだけじゃなくて、プラスになれば恩恵が増えるわけですから、そういう書き方になっていて、これが影響便益だったか、それで英語ではimpact/benefitというふうになっていたと思うんです。
 ですから、その辺を入れて書かないと、愛知目標のほうと整合性かつかなくなってしまうかなと思いますので、その点をご検討いただけたらと思います。
 Aについては、先ほど鷲谷先生が言われたとおり、私もそれを申し上げようと思っていたんですけれども、生物多様性に有害な補助金の見直し。これはCOP10の直前のWGRIで大きな問題になって、それで日本政府代表団からは有害な補助金の見直しだけではなくて、正の奨励措置に変えていくんだという、そういう積極的なご提案が日本政府からあって、それでこの文章がまとまったという経緯がありますので、ここは是非、有害な補助金の見直しだけじゃないと思います。正の奨励措置へ転換していくという面で、是非とも1項目入れていただきたいというふうに思います。それは3ページです。
 それから、5ページに飛びますが、B-2のところですけれども、人為的圧力の最小化の中で、特に漁業に関係した部分ですが、ここでは持続的な漁業、あるいは里海の創生ということが書いてあるんですけれども、公海についてはどうなのか。この国家戦略は、あくまでも領海とEEZのところまでなんでしょうかね。そこら辺が問題なんですけれども、ほかの場所で書いてあったと思うんですけど、わが国の経済が世界の生物多様性に大きな影響を与えているということを書かれていますので、公海の海洋資源、あるいはほかの国の領海やEEZの中で捕られた物を日本で流通するということに関して大きな影響を与えているわけですから、そこについてどうするのかということは行動目標として必要な気がします。そうすると、単に農水省だけの問題とかではなくて、流通の問題というのは非常に大きな問題になってくるんではないかなというふうに思います。
 Bについては以上です。

【武内部会長】 ありがとうございました。
 中村委員、お願いします。

【中村委員】 全体にわたってしまう発言になっちゃうかもしれないんですけど、それは全体を議論する上でというふうでご理解いただければと思うんですけど。
 指標なんかを見ていて、例えば、私が見逃しているのかもしれないんですけど、河川生態系みたいなものに対する評価指標が水質ぐらいしか、ほとんど見当たらない。JBOで、日本の生物多様性の総合評価の中で、例えば陸水域はすごく問題だというふうに訴えられていて、そういうものに対するつながりみたいな、つまり、この指標を例えば生態系別に置いてみると重要な指標が抜けてくるんじゃないかなという感じがします。その辺、JBOからつないだ形でこういった関連指標がきちんと示されて、改善目標ができるといいなという感じがしました。
 それから、多くの場所に「手法、指標及びベースラインを確立する」という、そのベースラインという言葉もわかりにくくて、それがまた2015年になっているんです。ということは、あとそれからまた5年で達成しなくちゃいけないということになって、最後のほうを見ると、実施状況について総合的な点検を実施するのが2014年になっています。手法や指標のベースライン、そのベースラインが何なのかということも説明していただきたいんですけど、それが2015年で果たして、そんな総合点検評価が2014年にできるのかというのが、非常にその辺のタイムスケジュールが甘いんじゃないかなという感じがしたので、もっと早急に手法なり指標、もしくはそのベースラインが何かということも含めて、もっと早く基盤づくりをしていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思いました。
 それから、湿地と干潟については「再生」という言葉が必ず使われているのは、なぜなのかなという。「保全」という言葉がほとんどなくて、ほとんど「再生」になっている、これも気になりました。
 それから、森林計画の対象面積ということだけで書かれてしまうと、森林計画を立てることが本当に生物多様性の保全につながるのかということは、きちんとチェックしていかないと、ただ、計画を立てるとその面積が増えるというのが指標として挙げられているのはどうなのかなという感じがしました。この辺はA、Bから、ずっと多分そうなっているような気がします。
 以上です。

【武内部会長】 ありがとうございました。
 土屋委員、お願いします。

【土屋委員】 最初の質問は全般的にわたることなんですが、COP10の個別目標か20個あって、それを幾つかに今度はまとめた形になっているんですが、その理由がよくわからないというか、伝わってこないです。
 Aのところでは、個別目標の1から4がすべてまとめられています。Bは幾つかに分かれていますが、あるところは一つの個別目標が、今度の国別の目標になっていますが、別のところでは二つの個別目標がまとめられています。そのあたりをうまく説明しないと、読む人は、あるいは、愛知目標を知っている人は混乱するような気がします。
 むしろ、愛知目標をしっかり議論してつくったわけですし、大変わかりやすいと私は思っているんですが、それに対応して日本ではどうするんだということを20個つくったほうが、対応がうまくできてわかりやすいという感じがしましたけれども。
 特に、こういうふうにまとめられた理由があるのであれば教えていただきたいと思います。
 それから、先ほど話題に出たニーズとか優先度、言葉は出てきましたけれども、それがどういうふうに考えられて、この形になったのかというのが伝わってきませんでした。
 その二つをさらに発展させて言えば、日本では、愛知目標でこういう議論をしたけれども、もっといろんなことをやるんだという積極的な表示をしたほうが、評判はよくなるのではという感じがいたしましたので、ご検討ください。
 以上です。

【武内部会長】 桜井委員、お願いします。

【桜井委員】 まず、6ページのB-3です。ここで、これは前にもお話があったと思いますけど、「閉鎖性水域」という言葉が、どうも私はあまり好きじゃなくて、本来は、「閉鎖性の高い水域」とか、本当は「セミクローズ」ですね。完全に閉じてはいないので、だから、閉鎖性水域というよりも、「閉鎖性の高い水域」と書いて、「以下、閉鎖性水域と略す」でもいいですけど、どこかで定義してから使っていただけると、湾のところが全部生きてきます。
 それから、もう1件は、国別目標のB-5ですけれども、「サンゴ礁などの気候変動に脆弱に生態系」、ここではサンゴ礁だけを取り上げているんですけれども、果たしてこれでいいのか。例えば、日本海で、今、非常に深刻なのが、磯焼けの問題があります。これは、栄養のない暖流が沿岸を覆って、どんどん磯焼けが起きている。それに対していろんな対策をとられて、生物多様性を復元するとかということもやられていますけれども、具体的に事例がありますので、サンゴだけにとどまらないで、ここについてはもうちょっと、まだ事例があると思いますから、関連資料ということで、その前のサンゴだけにとどまらないで、行動目標のところに何かそういったものを幾つか入れてはどうかと思います。
 以上です。

【武内部会長】 ありがとうございました。ほかに。2回目ですね。吉田正人委員。

【吉田(正)委員】 すみません。2回目で。ちょっと忘れていました。
 7ページの侵略的外来種のところなんですけれども、目標のところが、もう既に入ってきた侵略的外来種については制御もしくは根絶というのがあるんですけれども、それによってどういう効果が出てきたかとか、そういうようなところもうまく書かないといけないんじゃないかという気がいたします。
 関連指標も奄美・沖縄のマングースが書いてありますけれども、小笠原諸島なんかに関しては、外来生物の制御・根絶によって非常に効果が上がったり、あるいは世界遺産の登録というものが実現したりと、そういうことがあるわけですし、マングースに関しては、民主党の事業仕分けで抜本的改善という非常に低い評価が出てしまったということも聞いたんですけれども、その辺が、どういうふうなプラスがあるのかということがきちっと書けていないと、そういうことになってしまう。幾らやってもマングースじゃなくてイタチごっこじゃないのという話になっちゃうので、もうちょっとわかりやすい書き方というのができないものかなと思います。

【武内部会長】 小泉委員。

【小泉委員】 個別のところに入っていって大変恐縮なんですが、4ページのB-1-3とB-1-4、野生鳥獣の管理問題について、環境省と農林水産省との仕分けが明瞭ではなくて、両方どういうことをやるのかが、もう少し明確に記述したほうがいいのではないかというふうに思います。
 私は、環境省は所掌している法律の関係から個体数の管理、それに伴う捕獲の人材の育成というのが中心になりますし、農林水産省は、当然、生物産業を扱っておりますので生息環境の管理、それに基づいて経済的被害の軽減というようなものを中心に進めていくというふうに明確に書き分けたほうがいいのではないかと思います。

【武内部会長】 ありがとうございました。ほかに。はい、どうぞ。

【佐藤委員】 C-2の辺だと思うんですけど、絶滅危惧種のトキとか、そういう話がありますけれども、こういうものというのは、生物として守り育てるだけではなく、地域全体としての関わりというのはすごく大きいと思うのです。だから、生物のその種をどうするという問題ではなくて、それを契機に地域全体としての再生というか、そういうのがどこかに、そこまで目標にしたほうがいいんじゃないか。あまりにも物的に生物を捉えているのではないかなという気がしたので、できればそういう形でどこかに入れていただければと思います。

【武内部会長】 磯部委員、どうぞ。

【磯部委員】 関連指標について気がついたところで、3ページにA-1の関連がありますけれども、どれだけ人がいるかという意味で、レンジャーの数とか、生物多様性を守る人の数というのがどのくらいいるのかというのがあれば望ましいというふうに思います。ここに書いてあるのは団体の数とか、そういうことなので、もう少しストレートに人の数というのもあるといいなというふうに思いました。
 それから、4ページにB-1の指標がありまして、ここは生物生息場に関係したところなので、砂浜の面積というのもあってもいいのではないかというふうに思います。ただ、これ、指標としては毎年出るというようなものではなくて、たまに調査をすると出てくるというものなので、調査をした時に書きかえるというようなことだと思いますが、これは、生息場という意味では、非常に重要な指標の一つではないかというふうに思います。
 それから、5ページ目にB-2の関連指標があって、水産生物資源ですけれども、これが、恐らく下から四つ目の「わが国周辺水域の資源水準の状況(中位以上)」とかとある、それに反映されているんだと思いますけど、せっかく漁獲高という指標があるのに何も使わないのかなというふうに思いまして、漁獲高が、ただ多いということが意味あるわけじゃなくて、持続可能、持続性を担保された上で漁獲高が高いというのは非常に重要な指標になり得るというふうに思います。
 これは、行政的にやっていく意味で、中位以上とかというようなことでやらざるを得ないということであれば、まあそれはそれでいいのだと思います。
 それから、6ページ目にB-3の指標がありまして、これは「青潮」という言葉が入っていますけれども、これからやろうと環境省もしておられる、もっと直接的に貧酸素水塊の発生頻度というのか、あるいは、強度というのか、そういうものをもし調べられる予定があるのならば、そういうものがもっと直接的なものとして入ったほうがいいのではないかというふうに思います。青潮は、気象とも非常に関係していて変動性が激しいので、もうちょっと変動性の少ないもので指標にしたほうがいいだろうと、そういう趣旨です。

【武内部会長】 吉田謙太郎委員。

【吉田(謙)委員】 今の発言にも少しかかわりのあるところがあるんですけれども、3ページ目の関連指標、ここに入れるのが適切かどうかわからないんですけれども、生物多様性の価値の主流化という観点でいくと、既にもう経済的な価値を持っている部分、特にツーリズムですとか、いろいろな自然環境を見に行ったりとか、そういったところに関連する指標があまりないような気がしまして、2ページにある、教育とか学習体験とかというのとも近いところがあると思うんですけれども、何かそういうような指標がもう少し見える化されていたほうがいいのかなと。
 当然ながら、観光客が増え過ぎれば増え過ぎるほど、自然に対する圧力というのはあるわけなんですけれども、ある面、いろいろな自然環境、豊かな自然環境に対して人々が関心を持つということは、非常に大事なことですので、そういった観点からさまざまな指標があるといいなと。それに伴って経済活動というのがあるわけですから、A-1-2の経済的な評価というところで、単純に量・価値の評価をするだけではなくて、市場価格で評価できるようなところの指標にもなってきますので、そういった指標があるといいというふうに考えております。
 非常に些末な点なんですけれども、前回も指摘させていただいたんですけれども、1ページ目の14行目「tipping point」です。これは、臨界点なのか転換点なのか、今まで転換点というふうに使われていたように、2010のほうとかで見ているとあるんですが、ここを統一されたほうがよろしいのかなと。臨界点でもよろしいんですけれども。
 あと前回から気になっていたんですけれども、36のDPSIR、DPSIRモデルはいいんですけれど、これ、並びがDPISRになっているんで、これは説明の順からいくといいんですが、読んでいると、間違いじゃないかと感じてしまって、DPSIRで間違いないし、この順番に変えても問題はないんですけれども、何となく気になるところがありますので、もしうまい説明があれば順番に並べていただけるというふうに感じております。

【武内部会長】 よろしいですか。
 それでは、事務局のほうで。

【生物多様性地球戦略企画室長】 まず、大きなところで、土屋委員のほうから、個別に目標を20で並べたほうがいいんじゃないかというご指摘がありました。これ、実際には、施策の目標として、関係省庁とも相談しながら具体的に入れ子になっているような部分もあったり、今、個々にご説明することができればいいんですけれども、さまざまな形でわが国としてのいろんな形の施策を講じる際に、目標を設定しやすいという形で、あえて1対1対応じゃない形でさせていただいて、というのは、最初にご説明したように、決議の中でも、それは国ごとに考えていけばいいんだというような内容があったので、そういう意味で、今回、少し見やすくしていただくためにも、若干表みたいなのもつけてみましたけれども、もう少し、どうしてこういう組み立てにしたのかというのは、どこかの段階ではきちっと説明できるようにさせていただきたいとは思っております。
 いずれにせよ、それぞれについては、日本は何をやっているなんていうことはわかるようにはしていかなければいけないとは思っていますので、それは、必ずしも1対1での目標設定をするのがいいのかどうか、実際には、ここに書いてある目標もそのほかの目標の関係する部分もありますので、そこはもう少し検討させていただけたらありがたいと思っております。
 それから、個別の話でいきますと、最初にご指摘いただいた吉田委員、鷲谷委員のほうから、個別目標3、愛知目標3の補助金の問題でございますけれども、これ自体、今、実際には、何かしらのものが立てられないかということで、関係省庁の中で検討しているところでございます。
 今回はそれが実は間に合わなかったということで、あえて抜いて出してしまったんですけれども、次にお示しするときには、その辺も含めてお示しできるようにしたいというふうに考えております。
 それから、質問でいいますと、ベースラインの質問が中村委員のほうからございましたけれども、ベースラインというのは、指標を設定したときにもともと、例えば、今よりどれだけ増やすというところの改善のときの、最初にはかるべき地点というのをどこにとっていくか、例えば、保護地域の17%といったとき、今どれだけあるんだということを、これとこれが保護地域として認められるということをきちっと定義を付けないと、ベースラインがないと、17%まで増やすといったときに、何%あと増やせばいいかということがよくわからないという、そこは確かにおっしゃるとおり、なるべく早くやらなければいけないというのはそのとおりなんですけれども、かなり整理を慎重にやらないと、そこのところというのは、今後、我々の施策をしていく上で一番大事なところですので、安易に決めたり、そこのところをしっかり関係省庁間でも合意形成と議論をしないと、恐らく施策として実行力がなくなってくる目標になってしまうと思いますので、そのところについては、できるだけ早くやる方向で検討したいと思うんですけれども、ご理解いただけたらありがたいというふうに思っております。
 それから、ご指摘で、例えば吉田委員のほうからいただいた、例えば侵略的外来種の効果みたいなものがどう出てきたかというのを、どう書くかというのは、非常に私自身も沖縄にいて、ヤンバルクイナとマングースの因果関係というのを本当に具体的に示すというのは非常に難しいということで、見せるときには両方の後退前線みたいなものを見せますけれども、そこは、明確な形で指標化するというのはかなり難しいと思いますので、いいアイデアで、こういう書きぶりとか、こういうものを示していけばいいんじゃないかということがあれば、ぜひご提案いただきたいというふうに思っております。
 それから、吉田謙太郎委員のほうからご指摘いただいた臨界点につきましては、実は、ついこの間、閣議決定した環境基本計画のほうでピンポイントに「臨界点」ということでしますので、今後は臨界点という形で使っていきたいというふうに思っております。
 そのほか、あと3号のところで「等」という形、愛知目標そのものは3号その他の生態系ということでやっていたので3号にしてますけど、これは検討させていただきたいというふうに思います。
 あと、吉田正人委員のほうからいただいた公海の問題の点ですけれども、これは、多分、全体として海外の生態系まで持っていった場合に、どこまで日本の施策として目標を書き込めるかというのは、多分、熱帯林の問題にしてもさまざまな形での問題が出てくる、重要な問題であるということは我々も認識をしていますけれども、それが本当に、先ほど言った公海の部分というのは漁業なので、日本の施策の中で、どこまで目標を立てられるかというのは、そのほかのものに比べれば、その他の要因が少ないかもしれないのでわかりませんけれども、かなり慎重にその辺、どこまで何が必要で、どこまで立てられるかということは考えていかないと、簡単には立てられる目標ではないかなというふうに思っていますので、それはまた関係省庁とも相談させていただきながら、その辺については、さらに検討を進めていきたいと思います。
 非常にそういった、特に日本のテリトリーを超えたところにまでの目標を立てるということについては、いろんな意味で慎重に考えていかなきゃいけないかなというふうに思っております。
 そのほか、個別具体のご指摘をいただいたところについては、個別にまた修正ができるかどうか検討を進めていきたいと思いますけれども、もし質問に対するお答え漏れ等、今ここでクリアにしておかなければいけないということがあれば、さらにご指摘いただきたいと思いますけれども、  逆に事務局の側から補足があればお願いしたいと思います。

【武内部会長】 何か。どうぞ、吉田(正)委員。

【吉田(正)委員】 最後の海外あるいは他国の資源に関しての部分なんですけど、ほかの既につくっているヨーロッパの戦略だとか、そういったところでは参考になるものがあるんじゃないでしょうか。
 大体この目標の部分というのは、自国のものよりは、海外において持続可能でない形でとり過ぎになっているというのは、森林に関しても漁業に関しても、この2点について問題なので、わざわざこの目標をつくったという点がありますので、それが書けないとなると、一番の問題解決になることが書けないということになってしまいますので、何か工夫が必要な気がします。

【武内部会長】 はい、どうぞ、辻本委員。

【辻本委員】 一つは、今の話なんですけれども、行動目標といったときに、行政、特にここでは環境省、農水省、国交省が挙がっているんですけれども、行政的な行動目標以外に、この戦略の中に市民的な、先ほどトップダウンの話なのか、ボトムアップな話かという話も出ましたけれども、今の海外のさまざまなことに対する行動方針の中に、流通の問題とか消費の問題とか、市民的な行動に対する目標としてもし書く、いわゆるボトムアップのものを書くのであれば、そういうふうな意味での、流通を控える、あるいは、消費を控えるというような形の行動目標も書く気があれば、そういう形でいけるんじゃないか。
 もともと海外のエコロジカル・フットプリントみたいな話のところでは、むしろそういうところを何らか考えていこうとしていたのじゃないかなと。ほかのところのいわゆる国土管理といったようなものに口を出すのではなくて、自らの国での消費そのものであるとか、流通形態みたいなものに行動的な目標を掲げるということではなかったのかなと気がしました。
 それで、それとも関連していると思うんですけれども、指標がリストアップされているんだけれども、ある方からおっしゃったように、一つ一つの例えば外来種の撲滅みたいなものが、ほかの生態系にどんなふうに関与しているかとか、指標をただ単に並べるだけじゃなくて、その指標の関連性みたいなものの分析みたいなものは、この中に、今までなぜそういうことを言ってこなかったのかということが、ここにどんなふうに、指標だけ書き並べればいいというふうな形で見過ごしてきたんですけれども、指標の構造性みたいな、目標に対する指標の寛容性みたいな構造を、しっかりというのはできないかもしれないんだけれども、少し検討してみる必要があったのではないかというのが、今日じっくり聞かせてもらっていて、個別の意見を申さないで勝手な意見を述べるのは非常に行き過ぎているかなと思いましたけれども、述べさせていただきました。

【武内部会長】 桜井委員。

【桜井委員】 先ほど公海の話が出ましたけれども、恐らく5ページの国別目標の「農林水産業が持続的に実施され」のところで、広域回遊魚のようなものですね。マグロとかウナギとか、かなり国がまたがっているもの、それからサケ、マスもそうですけれども、こういったものについては、具体的にもうやられています。
 ここにありますように、他国間漁業協定数というのがありますので、恐らく上のBの何らかの項目の中に一つ、いわゆる公海と領海をまたがった回遊する生物のようなものについての扱いについては書き込んで、それについて実際に協定もありますし、新たな協定もありますから書き込めると思いますので、多分ここに入れたほうがいいかもしれません。コメントです。

【武内部会長】 どうもありがとうございました。ほかによろしいですか。
 予定どおりに今進行しておりまして、ここで休憩をとりたいと思います。55分までということで。
(15時45分 休憩) (15時57分 再開) 【武内部会長】 すみませんが、そろそろ再開したいと思いますので、ご着席をお願いいたします。
 それでは、引き続きまして、愛知目標のロードマップの戦略目標のCからEまでについて、ご意見、ご質問のある方は名札を立てていただきたいと思います。
 はい、鷲谷委員。

【鷲谷委員】 10ページの上から半分ぐらいのところの関連指標ですけれども、トキの野生個体数という指標がありますが、ここにコウノトリも加えたほうがいいのではないかと思います。広域的に見守っている人たちも多いですし、野生復帰が一歩先んじているということと、もう3代目も誕生しているということもありますので、トキ・コウノトリぐらいにしていただくとバランスがいいように思います。
 それから、戦略目標D-1-3なんですけれども、ここのところ、生物多様性の保全の視点を重視したというような言葉をどこか、例えば「『みどりのきずなの再生プロジェクト』による海岸防災林の復旧・再生」というあたりを、「海岸防災林」の前あたりに修飾語を入れたほうがいいような気がします。庭木を集めて植えているようなところとかもないわけではないようですので、同じ樹林をつくるにしても、生物多様性の視点に立ったつくり方というのもあると思いますので、一言、注意書きのようにあったほうがいいような気がいたします。

【武内部会長】 これは文章を分けたほうがいいですね。

【鷲谷委員】 分けてもいいかもしれませんね、一つには。

【武内部会長】 それで、ここは割とセンシティブな話もいろいろありますよね。

【鷲谷委員】 そうですね。すごく研究者の中では話題にもなっていることでもありますし、単に、何もなしに、それを推進するというふうなことが戦略にあるとどうなのかなという気もします。
 それから、次、国別目標D-2の主要行動目標のD-2-2の表現なんですけれども、「生態系の保全と回復対策を推進し」と書いてあるんですが、これは素直に自然再生という言葉を使ってもいいんじゃないでしょうか。「生態系の保全と自然再生を推進し」というふうにしたほうがいいように思います。
 そして、行動の例なんですけれども、「土壌に有機炭素をためる効果の高い湿地の保全再生」というようなことを行動の例に入れるといいと思います。国際的にもそういう議論というのが高まっていると思いますし。
 以上です。

【武内部会長】 ありがとうございました。吉田正人委員、お願いします。

【吉田(正)委員】 まず、戦略目標Cの愛知目標11のところですけれども、8ページです。
 ちょっと気になるのは、生態系ネットワークのところで、「都市におけるエコロジカルネットワーク」というので、エコロジカルネットワークって、都市というふうな、そういうイメージがあるんですけれども。これは、この保護地域から、その周辺につないだエコロジカルネットワークということが、この目標11には書かれているんだろうと思います。ですから、どちらかというと「流域のエコロジカルネットワーク」とか、原生的な自然から二次的な自然、それから都市に向かって、その流域に沿ってつないでいくとか、そういったことが求められていると思いますので、都市だけ突出して書かれるのはどうかと思います。
 それから、保護地域の面積目標に関してのところと関係してくるんですけれども、当然、まずベースラインを確立しないと、今の海の保護地域が8.3%でいいのかどうか、そういう問題が前回出ましたけれども、ベースラインを確立した上での話なんですが、そのときに、もう一つこの目標11に書かれていることというのは、より広域の陸上景観または海洋景観に統合されると、これは重要なところだと思うんです。ただ単に保護地域が孤立した島のようになっているのではなくて、その周辺の陸上の農業景観だとか、それから水産業も行っている海洋景観だとか、そういったところとつながっていく。つながっていくことによって、保護地域で増えた魚も水産業を行っているところに増えていったりということがあるわけですから、そこが非常に大事なところで、そこを、我が国の場合ですと自然公園の数地域というのは、そういうのに当たるところじゃないかなと思うんです。
 そういったものをもうちょっと整理して、我が国が行ってきたことでいい面は、そこをもうちょっと強調して入れて書いてもいいだろうし、そうすると、特別地域の面積だけだと、陸上も陸水域も、それから海域も、とてもその面積にはいかないんでしょうけれども、そういった、きちっとした保護をしていくところはどのぐらいにして、それから、その周辺の景観とどうつなげてというようなあたりを書いていくことが、この目標11に合致することなんではないかなというふうに思っています。
 それから、次に9ページ、10ページの種の保存、絶滅危惧種の保存のことについてなんですけれども、10ページの関連指標のほうでは、国内希少野生動植物種の指定数などの指標というのがありますけれども、指定数というのは、悪化していけばどんどん増えていくというので、むしろマイナスなので、もちろん指定しているという努力を表すという面での指標としてはいいんでしょうけれども、それと同じに、保全努力によってダウンリストされた数というのを指標にしなくてはいけないのではないかと思います。
 また、ここには生息地と保護区の数や面積の指標が入っていないんですけれども、なかなか指定するのは非常に大変なんですが、生息地と保護区の数や面積というのも指標にすべきだし、それから、もう一つは、当然、規制されるのは誰も嫌なんですね。だからなかなか増えないだろうと思うんですけれども、捕獲規制以外に種の保存のためにやることはあって、それが保護増殖事業ということなんでしょうけど、この「保護増殖事業」というふうな名前は、本当は変えたほうがいいと思うんですが、保護回復事業とか、そういうふうにしたほうがいいと思うんですが、二次的な草地を管理することによって増えていく種とか、そういうのがあるわけです。
 そういったものについての計画区域がどれだけ増えているかというような、そういうプラスの面での捕獲規制以外の計画区域の数とか、そういったものも一つの指標として重要なのではないか、二次的自然に住む絶滅危惧種が多いことを考えると、そういったことが必要なんじゃないかと思います。
 以上です。

【武内部会長】 ありがとうございました。中村委員、お願いします。

【中村委員】 11ページの、例の15%の回復をどうするかという議論の中で、関連指標が例えば、「自然再生推進法における」というまで、わざわざただし書きがついていて、多分、それ以外の再生事業、結構実際にはあって、国交省、農水省も多分、むしろ自らの法律の中でできる自然再生を随分やっていると思うので、わざわざこれを自然再生推進法に限る必要はないんじゃないかという感じがします。
 それから、その下の「国立公園内」というふうに、またこれも国立公園内に規定しているのがわからなくて、例えば、釧路の事例なんかでも、むしろ国立公園の外側からの影響が国立公園内のコアに対して影響を与えるというケースのほうが相当多くて、国立公園内でどんどんやっていくという議論ではないと思うんです。そういう意味では、これも別に国立公園内に限る必要はないんじゃないかという気がしました。
 全体を通じて、コアとコリドーとか、そういった議論が強く、この保全とか再生の議論の中に出てくるんですけど、むしろマトリックスの部分というか人為的な、さっきの里山もそうだと思うんですけど、そういったものがコアに対してきちんと、あまり影響を及ぼさないような形でうまくどうやっていくかという議論が日本の着地点としては重要なんじゃないかなというふうに思いました。
 以上です。

【武内部会長】 ありがとうございました。土屋委員、お願いします。

【土屋委員】 どこというわけではないのですが、主要行動目標の記述の中に、行動の例が書いてあるところと、書いていないところがあるのは、何か意味があるのでしょうか。書くのであれば、全部書いたほうが頑張っているということがよくわかるような気がしますのでご検討ください。
 ただ、Dのところで「生物多様性と生態系サービスから得られる恩恵を強化する」という部分は、ある特定の生態系サービスだけを強調し過ぎると、生物多様性をおろそかにしているのではないかと見られる面も出てこないとは限りませんので、注意深く記述をお願いしたいと思います。
 以上です。

【武内部会長】 ありがとうございました。下村委員、お願いします。

【下村委員】 私は、全般的なところになるんですけれども、関連指標というのをどんなふうに考えておられるかというか、我々も考えればいいのかということについてお伺いしたいと思っているんですが、数もそれぞれの目標に対してばらばらですし、例えばDのところなんかを見てますと、まだ少し足らないというか、恐らくD-1なんかでも、私の専門にかかわるところですけれども、先ほど出たエコツーリズムの話ですとか、あるいは福祉関係のものとか、セラピーですとか、いろいろあると思うんですけど、まだあまり、必ずしもここを、我々のアイデアを求められている段階かなとも思うんですけれども、行動目標のほうにも恐らく指標というのが出てきますよね。前回の行動目標でも指標を設定されていたと思うんですけれども、そういうものとの関係とか、それから、あるいは先ほど今回、経済的なところも少し踏み込んでというような話があって、例えば森林なんかの経済効果に関しても、こじつけに近い形ですけれども、いろいろひねり出しているような指標もありますよね。そういったことも含めて、こういうところで考えていったほうがいいのか、こういう関連指標というのをどういうふうに考えるといいのかなと。
 具体的に、質問としては、例えば、行動目標とか、あるいはGBOとかでもありますけれども、そういったものとの関連をどういうふうに設定されているかということと、それから、もう少しドライビング・フォースとの関係だとかを含めて、あるいは、新しい考え方を出すに当たって、ここをもう少しひねるようなことも考えておられるというか、我々もアイデアを出したほうがいいのかなというところについて、お伺いできるといいなと思います。

【武内部会長】 それでは事務局のほうから。

【生物多様性地球戦略企画室長】 大分個別の関連指標についてのご指摘というか、ご提案も多かったようなので、それはまた必要に応じて個別の担当課室から補足をしてもらいたいと思いますけれども。
 まず、土屋委員のほうから、例のある・なしというところのご指摘がございました。これにつきましては、今回整理の中で十分検討し切れなった部分があって、そういう意味で、ハイライトを、逆にここのところについては、今の段階で明らかにこの目標を達成するものとして例示できるというものを例示したということですので、これについては、もう少しそのほかのところでも出せないか等々について、検討していきたいというふうに思っております。
 それから、下村委員のほうから、行動目標の指標と、この指標との関係についてのご質問がございました。できれば、行動目標そのものごとに指標を設定していくというようなやり方も考えたり、行動計画そのものとの関係という意味では、行動計画に書いてあっても、ここの必ずしも愛知目標にダイレクトに、どこにどういうふうに関係するというもの、関連づけられないものもあるので、そういう意味では、第3部の行動計画のところで書いてあるものすべてが、こっちのほうに拾い上げられてくるかどうかというと、必ずしもそうではないというふうに思うんです。
 そういう意味で、今回、とりあえず行動計画のほうも今整理している作業の中で、明らかに、先ほどの例とも同じになりますけれども、関連したものとして、今示せるというものをここに挙げたというものとご理解いただけたらというふうに思います。
 ですから、むしろ、先生方の中からも、こういったものが、ここの中で掲げられるのではないかといったところは、ご提案があれば、またいただきたいと思いますけれども、そういった形での整理としてご理解いただけたらと思います。
 そういう意味で、必ずしもGBOでの整理とも1対1になるものでもありませんし、これは、あくまでも愛知目標に沿った形で国別目標というのを、今回こういう形で掲げさせたときに、それを推し量る指標として、どういったものが考えられるかという、明らかに現段階で関係省庁の中で自信を持って出せるものを示したというところでございます。
 ですから、今日のご指摘も踏まえて、もう少しこの辺はブラッシュアップさせていただけたらありがたいというふうに思っております。
 それから、中村委員のほうから自然再生のお話として、特に法律に基づく限定的なところのお話が、そういう限定されるものではないというご指摘があったんですけど、これ、実際、関連指標のところでそういう書きぶりを書かざるを得なくなっていて、主要行動目標としてはもう少し広く、そこに限定したものをやって、そこに限定してやろうということではない、目標としては。ただ、実際にじゃあ指標として示せる場合に、じゃあどこまでが、そこの自然再生として位置づけられるかというのが、現段階でそこのところの整理が十分できていないものですから、今明らかにクリアな境界がわかっているというものについて示すということで、法律であったり、国立公園内であるということで、ここで関連指標というのを示しているというご理解をいただけたらありがたいというふうに思っております。
 個々のご指摘については、さらに検討を進めていきたいと思いますけれども、特に担当の各課のほうで補足的な説明があればお願いをしたいと思います。

【武内部会長】 はい、どうぞ。

【下村委員】 例えば、さっきのD-1あたりの生態系サービスのところでいえば、指標って、もっといろいろ出てくるんだと思うんですよね。
 例えば、エネルギー関係なんかも、バイオマスなんかだと直接すぐ出てきそうですし、まだ、大分抜けてそうだと思うんだけど、そういうのは、個別に思いついたものをどんどん言っていくようなイメージでよろしいですか。それとも、伺っていると、かなり他省庁との調整も含めてかなり苦慮して設定もされていて、なかなかあまりアイデアを出しても仕方がないのかなという、その辺の難しさが。恐らく、そういうところで、行動計画の指標というのは、その調整の中で出てくるんだと思うんですけれども、先ほどの質問は、ですから、我々何か思いつくものをどんどん挙げていいのかどうかという質問に近いんですけど。

【生物多様性地球戦略企画室長】 そういう意味では、行動計画のほうが出てきた段階で、その中からご指摘いただいたほうが、多分、入れ込みやすくなるかもしれないとは思うんですけれども。ただ、逆に関連指標があまり多くなり過ぎると、実際に達成度をはかっていく上で、じゃあどれが一番これに影響していくのかということで、果たして本当に何でもかんでもここに入れるのがいいのかというのも検討していかなきゃいけない。ある意味では、少し絞り込んでクリアに見えてくるものをここには掲げておいて、あと、それに関連するものというのは、当然、行動計画のほうでも愛知目標のどこに関係するかというのは、関連付けができるところは示していく予定にしていますので、それはそれで、個別に第3部のほうで確認していただくというのもありかなというふうに思っております。
 ですから、当然、調整は必要ですから、あまり軽々には言えないんですけれども、ぜひこういうのはという話があれば、ここでもご指摘をいただければ、我々として持ち帰って検討させていただきたいというふうに思っております。

【武内部会長】 ほかに何かご意見ございませんか。
(なし)

【武内部会長】 そしたら、先ほど来からのも含めて、今日ご指摘いただいた以外で、こういうものがあるのではないかというご意見がございましたら、時間を限ったほうがいいですよね。
 次回が6月26日ですので、そのときには、もうかなりきっちりとしたものになってないと困りますよね。例えば今週一杯とか、それもきつい。

【生物多様性地球戦略企画室長】 そうですね。できれば今週の前半と言っては失礼ですけれども、今週一杯ぐらいを目途に早目に出していただければありがたいというふうに。

【武内部会長】 そういうことで、一応、そういう、今日これを皆さんに見ていただいて、後でまた眺めていただいたら、これは大事じゃないかという話が出てくる可能性もありますので、その余地は残しておきたいと思いますので、もしそういうご意見がございましたら、今週中に事務局のほうにお申し出いただければと思います。
 これは欠席の方にもお話ししてくださいね。むしろ欠席の方のほうが大事かもしれない。
 それでは、次に移らせていただきたいと思います。
 第3部、生物多様性の保全及び持続的可能な利用に関する行動計画についてということで、これは、まだこれから書き込んでいくということで、まだ全体の構成と記述の方針、それから、現行戦略での参考記述の例ということでお示しさせていただいているだけのものでございますけれども、これについて、ご意見、ご質問等がございましたら、お願いしたいと思います。
 はい、吉田正人委員。

【吉田(正)委員】 国土空間的施策の生態系ネットワークのところあたりについて、前回、私は、生物多様性地理区分に従って書けないかというようなことを申し上げたんですけれども、なかなかそこまで全部国土計画のように書けないというのであれば、この間、前回は桜井委員からだったと思うんですけれども、その地域ごとにどういうようなネットワークが本来あったのかというようなお話があったと思うんですけれども、本来、こういうつながりで、山から海へという生態系のネットワークがある。これを取り戻すように目指すというようなことが、北海道であれば、こういうような例とか、それから、本州の太平洋側であれば、こういうような形とか、そういうような事例を挙げるような、そのぐらいは書けるんじゃないかなと思うんですけれども。
 できる限り、生物多様性国家戦略というものを、地べたについたようなそういうものにしていきたいんですけれども、どこまでできるかという問題点がありますが、できたら、そういった、望むべくは、こうしたほうがいいというネットワーク、生態系ネットワークなどを地理的にある程度明示していくというオーダーができないものかなと思います。

【武内部会長】 ありがとうございました。今の点について。

【生物多様性地球戦略企画室長】 恐らく、前回のご指摘は、第1部のところでの記述ぶりのときにご指摘いただいたかと思うんですけれども、ご指摘も踏まえながら、第1部のほうを今、修正をかけてございます。
 この第3部のところは、逆に、どういった施策を講じることができるのかと、具体的に、施策オリエンテッドというのですか、この目標に従って、どういうふうにやっていくかという形をうまく整理しながら、その基本的な考え方を整理していくということなんで、もちろん、そこで整合を図っていく必要はあろうかと思いますけれども、今言った理想的な目標みたいなものというのは、どちらかというと、第1部のほうで書きつつ、より具体的なところというのを、アクションに関して、うまく、何を今後具体的にやっていくのかというところを束ねて整理したものというのを、この第3部の基本的な考え方で書いていくということですので、全体も、前の書きぶり等も踏まえながらどこまで書けるかは、今のご意見は参考にさせていただきながら、検討させていただきたいと思います。

【武内部会長】 中村委員。

【中村委員】 さっきの下村委員の話と重なるのかもしれないんですけど、この行動計画が、ある意味きちんとやっているかということが指標で確認されなくちゃいけないということと考えてよろしいですか。
 となると、それぞれのこの内容に関して、うまく指標がばらつくというか、整備されるような形になるのかなと思うので、さっき私は、生態系区分ごとのきちんとした指標になっているか、そのアンバランスが気になったので、例えば、この地域空間施策、第1章、その部分について、それぞれうまく指標が合っていれば、前との整合性もつくんじゃないかなという感じがしました。
 それから、第3章第1節があって、僕は、どういう経緯でというか、この前、早退したからなのかもしれないんですけど、第3章があって第1節があって、第2節も何もないというのも変な切れ方なので、これはまだ途中であるから第1節だけになっているのか、この辺の整合性というか、並びがよくないという感じがするので、検討いただければと思います。
 以上です。

【武内部会長】 今の、どうぞ。

【生物多様性地球戦略企画室長】 最初の、地域空間施策ごとにきちっと指標が出せるかどうかというところは、できる限り努力はしていきますけれども、なかなかデータ的に示せる、示せないというものはあると思いますので、その指標ではかっていくものとか、もしくは、地図化の作業みたいなものをいろいろやっていますから、そういう中で見えてくる、見える化を図っていくものとか、さまざまなツールを駆使しながら、具体的な進捗状況をわかるようにしていきたいなというふうに思っています。
 それから、第3章の第1節、確かにここだけ目立ってしまうんですけれども、実は、ここのところは、これ以上の節を立てるという形で分けていくような章立ては現段階で難しいかなというふうに思ったものですから、そういう意味で、節立てを1章1節という整理にしたところです。

【武内部会長】 これは東日本大震災のやつでということだけれども、これは全体としていくと震災復興、自然共生社会づくりを加速化させる、そういう機会として捉えるという考え方だと思うんです、例の復興国立公園の考え方にしても。
 ですから、例えば、第2節は、いわゆる被災地の復興だけではなくて、そこでの経験を、むしろ、これからの日本の自然共生型国土づくりに展開していくというふうな、そういう話だとか、それから、今度、私はリオで話をするんですけど、震災復興の話をジャパンデイで。
 それは、だから、まさに国際社会に向けた発信ですよね。その話もここに入るので、例えば、それが3節ということになれば、2節、3節はそれほど量がなくてもいいので、つまり、日本の中における被災地以外のところでの広がり、それから世界に対するアピールですよね。その辺を入れていけば十分、あと二つは立つんじゃないかと私は思ったんですけれど。

【生物多様性地球戦略企画室長】 第3部で施策の行動計画ということになっているので、個別のこういうことをやりますというところが、考え方とか方向性を示す中で、どこまで書き込めるかというのは、また関係省庁とも相談しながら検討していきたいと思いますけれども、なかなか、このタイトルのもとでやっていくものを、施策をここに並べていくという整理の仕方が、節立てするのが、今の段階では、まだ玉が足りないかなというふうに思っていまして。

【武内部会長】 例えば、今のやつを二つまとめて節にして、要するに行動計画的なものにできるようなものについて限定していくとか、いろんな工夫のしようがあると思うので、1節だけじゃなくて、そういう部分が多少あったほうが私はいいと思いますけどね。
 磯部委員。

【磯部委員】 第3部と第2部をあわせて行動計画的なものが書いてありますけど、その中に「地球温暖化」という言葉が恐らくどこにも出ていないのではないかという気がしますが。まだ、ロードマップとか行動計画に直接どのような適応策をとっていくのかという段階ではないかもしれないけれども、地球温暖化に配慮しながらとか、注目しながらとか、特に沿岸域で自然再生をやろうというふうになったときに、海面上昇が相当効いてくるので、その辺のことは忘れていないという意味でどこかに書いておかないといけないのではないかと思います。

【武内部会長】 そうですね。

【生物多様性地球戦略企画室長】 第3部に関しては、統合的取組という第2章の第9節、10節のところですね。9節で地球温暖化の緩和と影響への適応の推進という項を立てているのと、その下の低炭素社会の統合的な取組の推進というところでは温暖化対策について書き込む形になろうと思います。

【武内部会長】 白幡委員、どうぞ。

【白幡委員】 今の磯部委員からの意見と重なるところがあるかもしれませんが。
 私は、2010年の国家戦略と比較しながらというか、あまり無理しないようにというか、磯部委員が言われたように、施策の連続性からいうと、ここから離れた構成というよりは、これを着実にやっていく上で新しいものを出すということだったと思うんですけれども。
 それで見ますと、話が、これも蒸し返してはいかんかもしれないですけど、生物多様性をめぐっての危機がある。危機は、私は、しつこいんだけど、三つでいいと。第4の危機は、あれは、つまり、人為的な部分のみを取り出して本当に第4の危機というのか、その辺が、なかなか自分でも結論が出なくて、むしろ、ここの今日の提示された目次は、1から3の危機については、ずっと施策として出てきているわけですけど、かつて、つまり2010年国家戦略で出ていた温暖化に対する対策については、科学的基盤の強化、統合的取組と東日本大震災への対応というところに、第4の危機に対する対処が書かれているような、私自身はそういう受けとめ方をしたんです。
 そうすると、東日本大震災というのは、一体、温暖化と人為的な結果における危機なのかというと、これはもっと地球的規模における、一種地球物理的な変動のせいであるということは随分たくさんあるわけですね。それに対して、生物多様性というのは人間社会にとって危機があるけれど、生物多様性は別の形で実現されるようなところもあって、生物多様性の危機としてどうとらえるかというのは、第4の危機というとらえ方にすると非常に説明しにくいように私には思われるんですね。
 その結果、ここの第4の危機に対処する取組みたいなものは、後半のほんのわずかしか書けないというか、書けないというよりも、そういう性質のものであろうと考えられるんです。
 とすると、それを第4とするよりは、三つ、明らかに人間活動が大きく影響している部分の生物多様性に対する危機と、それからまた、結論的には人間活動のみにきせられないような、今回使われた言葉でいうと、地球環境の変化。それに対する、どういう対処をしていけばいいかという、一種、答えはまだわからないけれども、それに対しても対応していかなければいけないんだという心構えを書くというところが、後半、ここの最後のところですね、目次の、そこにあるのではないかなと思うんですけれども、そういうふうな形で入れ込むというように考えるのがいいのかなというふうに思っていますけど、この件については、どんなふうにしたらいいでしょうか。
 委員長は困ったなと思うんで、第4の危機は、それは生き残るというか、あってもいい、私は少数意見としてでいいんですけど。整合性をばっくり言ってもらわないと。

【生物多様性地球戦略企画室長】 ぜひ委員の先生方のガイダンスをいただければというふうには思っております。
 もう一回繰り返しの説明になってしまうかもしれないんですけれども、かなり生物多様性条約の世界でも温暖化の問題というのは取り上げられるようになってきて、それに対して、どちらかというと適応という形でその状況を把握しながら、それに対する対策をどう講じていくかという議論の中でもあろうかと思いますけれども、そういう意味において、そろそろ、ある程度日本の中でもその辺はきちっと、温暖化は温暖化の別の話で生物多様性は生物多様性の話という形じゃなく認識してもらうためには、何かプラスワンでとってつけたようなイメージがあるよりは、4という形で整理してしまったほうがいいのではないかなという、それから、温暖化のみならず、地球的な規模の変化、それが人為起因によるのかどうかというのはいろいろあると思いますけれども、そういう中で物事を考えていく必要性を示す意味では、これまでのご議論の中でも、かなりそこにハイライトするご意見が多かったものですから、今回、事務局としての判断は3プラス1といいながら、実際には、これまでも普及啓発の場では、プラス1というと、これは何なんだという形になるので、4番目の危機みたいな形で整理して説明しちゃうことも多々あったものですから、今回それを、もう事実上、四つの危機だという形で整理したほうがいいかなという我々の考えだったんですけれども、ぜひほかの先生方のご意見もお伺いしたいと思います。

【武内部会長】 今の点について、もし何かありましたら。

【白幡委員】 統合的取組のところでは、かなり地球温暖化というのをはっきり明示して、それに対する取組というのは書いてあるんですよね。
 だから、従来から、地球温暖化への取組という形での施策を具体的に考えるということは当然やってきたわけで、それはあるんですが、第4の危機という、かなりほかの三つの危機以外のところは全部入っていますよというのに対する取組としては、なかなか書きにくいというか、書きづらいことがあるだろうと思うんです。その辺の整合性はどうするか。

【武内部会長】 吉田委員、今のことに関連してということで、お願いします。

【吉田(正)委員】 私は、2007年の生物多様性国家戦略の改定の時から第4の危機というふうに入れたほうがいいという意見を持っていますので、入れていただきたいと思います。
 というのは、もう既に地球温暖化による、温暖化が一つの要因ですけれども、野生生物が高山のほうに上がっていったり、あるいは、海洋の酸性化の影響だとか、そういったものが非常にこれから大きな問題になってくるわけです。それで、ミレニアム・エコシステム・アセスメントなんかでも、今後50年の中で生物多様性に大きな影響があるものとして、この地球温暖化というのが、外来種や、それから窒素などの栄養塩・栄養物の海洋への影響と並んで非常に大きなものとして挙がっていますので、これはぜひ四つ目の危機として入れたほうがいいと思います。

【武内部会長】 土屋委員、お願いいたします。

【土屋委員】 今のこと以外でもいいですか。

【武内部会長】 はい、以外でいいです。

【土屋委員】 今議論されていることに関して意見を申し上げると、沖縄に住んでいますと、サンゴ礁のさまざまな問題、それから海面上昇によるマングローブの影響ですとか、海洋酸性化の問題、今、吉田委員がおっしゃったような多くの問題を目の当たりに見ますので、入れておいたほうがいいという意見を私も持っております。
 それから、日本全体にしても、生物の移動ですとか、多様性に直接かかわるさまざまな問題が気候変動と関連して起きておりますので、整理しておくことは悪くないと思っております。
 それから、別のコメントというか質問ですが、この第3部は、項目しか今、挙げられておりません。前回のものを示していただいておりますけれども、なかなか先生方も意見が言いにくいところだろうと思います。
 それで、先取りした質問になって恐縮ですが、恐らく次回が最後になるわけですね。この第3部というのは、前回のものを眺めると200ページ以上の非常にボリュームのあるものになるはずなんですが、次の委員会1回でそれを全部見ろというのは非常に酷な話だと思うんです。とは言いつつ、今まで2部までのもの約100ページ強でしょうか、それだけ読むのも大変だったわけですから、たたき台は明日にでも届かないと委員の皆さんは読めないという状況になろうかと思いますけれども、今後のことも含めてどうなるのかをお教えいただければと思います。
 以上です。

【武内部会長】 スケジュールと、それから、どこまで次回を最終回としつつフォローができるか。これは、あれでしたよね。確か、ここで終わって、あれをするんでしたっけ。パブリックコメントはどこでするんでしたっけ。

【生物多様性地球戦略企画室長】 予定としては、次回26日が最終の委員会になります。もちろん、次回の委員会でいただいたものを反映させて少し修正を加えさせていただいてパブコメ案をつくるということで。

【武内部会長】 パブコメは、合同部会の後ですか。

【生物多様性地球戦略企画室長】 いえ、パブコメは7月に、合同部会の前にやることになっています。

【武内部会長】 ですから、パブコメでぜひ積極的に意見をいただけるといいという、冗談ですけれども。少なくともパブコメと並行して意見を受け付けるということは、このスケジュールでやっているわけですから。

【生物多様性地球戦略企画室長】 それは、そうさせていただきたいと思います。

【武内部会長】 ですよね。つまり、パブコメでインプルーブする可能性があるわけだから、その間にじっくり見ていただいて、コメントを出していただく。

【生物多様性地球戦略企画室長】 特に、パブコメをかけながら、いろいろ宿題をいただいた部分の整理については、個別にまたご相談させていただかなければいけない部分があろうかと思いますので。できる限りパブコメまでに整理したいというのが、もちろん我々の希望ですけれども、残った部分についてはパブコメというプロセスを経て修正をかけなければいけない部分もありますし、また、最後には合同部会にかけるというプロセスがあって、その中でも多分ご意見をいただくことになると思いますので。

【武内部会長】 恐らく、ここでほとんど原案ができるわけですけれども、形式的に言えば、部会を開催して部会で審議いただくというところがオフィシャルなプロセスになりますので、あまり、ですから我々がここで最終回をやったから、それでどうこうという、そうでもないか。これは専門委員会だから、ここの・・・、でも、部会でやるからいいわけですよね。ここでの最終的な決議ではないということですよね。
 そういうことですので、今のような形でやらせていただくということでお許しいただきたいと思います。多分、急いで明日出せと言われても、まずできないと思いますので。
 磯部委員は2度目でしょうか。

【磯部委員】 結構です。失礼しました。

【武内部会長】 多分、今日はあまり具体性がないので皆さんも意見を出しづらい状況じゃないかと思いますので、次回が最終と言いながら、次回でこの議論は本格化するというふうな気もしないでもありませんが。しかし、ないものはないわけで、それはしようがないということですね。最近の政局のようなスケジュールですけれども。
 ということで、次回には成文になったものをお出しさせていただく、できるだけ早目に皆さんのお手元に届くという形にさせていただければとは思います。
 ほかに何かございますか。
 なければ、15分ぐらい早いのですけれども、小委員会については、これでそろそろ終了にさせていただきたいと思いますが、局長、何か。

【自然環境局長】 今日もたくさん貴重な意見をありがとうございました。さっきスケジュールの話が出たわけですけれども、今日いただいた意見を受けて、事務局として26日、次回に向けて作業をしていきたいと思います。
 先ほども指標に関連してありましたけれども、今週中ぐらいに追加的に指標も含め、お気づきの点があったらコメントを事務局に送っていただいて、次回、26日は、今まで議論してきたことプラス第3部も含めて、全体について文書にしたものをご議論いただくということでお願いしたいと思います。
 明日にでもというリクエストがあったわけですけれども、できるだけ早く、目標としては1週間前ぐらい、26日の1週間前ぐらいを目指して、その26日の会議の資料を皆さんにお送りして見ていただいて、26日にコメントをいただけるような形で作業していきたいというふうに思います。
 小委員会としては26日が最終回ということですけれども、その後、パブリックコメントと並行して、今まで国家戦略をつくってくる過程でも、このパブコメの期間中、小委員会の委員の皆さんから並行して意見をいただきながら、案の修正作業をしていったということをやってきましたので、今回もそういう形で、パブコメの意見、そして、皆さんからいただく意見も踏まえて、パブコメ後の修正案を事務局及び各省でつくって、2回の合同部会をそのパブコメの後に開く。その最終的な合同部会でさらに必要な修正を加えて策定につなげていくと、こんなスケジュールで進めていきたいと思いますので、ぜひご協力いただければというふうに思います。
 今日ご議論いただいたところは、今回の戦略の中で今までにないというか、今までの戦略にはない部分をどう付加していくかというところで、大変重要な部分でのご意見をいただいたものというふうに思います。
 理念に関しては、2002年の新国家戦略のときに、今ご覧いただいている四つの生物多様性をなぜ守る必要があるのかということで、当時、審議会で議論をしていただき、事務局も悩んで四つの理念を示しました。それをずっと継承してきたところですけれども、愛知目標及び東日本大震災ということも受けて、自然と共生する社会実現のために、自然とどういう姿勢で接していけばいいかというようなことを追加した形で理念を示せないかという意味でのチャレンジができればということで、今日もいろんな意見をいただきました。世界とも共有できて、世界の潮流をつくり出せるような理念を付加していくことができたらというふうに思います。
 また、第2部も、全く今までの戦略とは違うというか、今までの戦略にはない部分で愛知目標を受けた具体的な国別目標なり行動目標なり、その達成状況をはかる指標ということで、今回、新たに示したいということで作業をしてきた部分です。
 今日もたくさんここについてはご意見をいただきました。各省とも協議をしていかなきゃいけない部分ということで、今日いただいた意見を受けて、この第2部のところが指標群も含めて、指標群もどういう指標があるだろうかということで各省ともどもアイデアを出してつくってきたというところで、まだまだ構造的になっていない部分なり、この分野は指標が薄いというようなところもあろうかと思います。この辺、委員の皆さんから意見もいただきながら、今回の戦略の中で可能な範囲で充実させていきたいというふうに思います。
 ここで、こういった形で具体的な目標なり指標を出すということに不十分な面があっても、それを出すことで、さらに今後、それが施策の前進につながったり、指標の改善につながるというようなことになるというふうに思っています。そういう気持ちで、ただ、できるだけ中身を充実させた形でつくっていければという気持ちで作業していきたいというふうに思いますので、この辺についても、ぜひいろいろなコメントをいただけたらというふうに思います。
 次回に向けて、また個別に各委員の皆さんと連絡をとらせていただく場面もあると思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

【武内部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは、事務的な連絡をお願いします。

【事務局】 次回は最終回となりますが、第7回の小委員会でございます。6月26日火曜日の3時から5時半まで、スタンダード会議室、虎ノ門HILLSでございます、2階ホールということで、また別途開催のご案内をお送りさせていただきますが、今回と違う場所となりますので、お間違えのなきようお願いいたします。
 なお、本日お配りした資料につきまして、郵送のご希望の委員の方々、封筒にお名前をお書きいただければ後日郵送させていただきます。
 以上でございます。

【武内部会長】 それでは、次回もお間違えのないように、どうぞご参集をお願いいたします。これにて散会とさせていただきます。どうもありがとうございました。