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■議事録一覧■


平成21年度 中央環境審議会 自然環境・野生生物合同部会
生物多様性国家戦略小委員会(第4回)

議事録


1.日時

平成21年11月24日(火)9:30〜12:00

2.場所

三田共用会議所 大会議室 3階

3.出席者

(委員長)
熊谷 洋一
(委員)
有路 信 石坂 匡身 磯崎 博司
川名 英子 桜井 泰憲 中道 宏
西岡 秀三 浜本 奈鼓 福田 珠子
森本 幸裕 鷲谷いづみ  
自然環境局長
大臣官房審議官
参与
総務課長
自然環境計画課長
生物多様性地球戦略企画室長
国立公園課長
自然環境整備担当参事官
野生生物課長
鳥獣保護業務室長
外来生物対策室長
生物多様性センター長

4.議事

【事務局】 それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会、自然環境野生生物合同部会第4回生物多様性国家戦略小委員会を開催いたします。
 本日の審議のためにお手元にお配りしている資料につきましては議事次第の下にございます配付資料一覧のとおりとなっておりますので、ご確認をお願いいたします。配付漏れ等がございましたら事務局にお申しつけください。
 なお、ご発言の際は机の上のマイクのボタンを押していただきますとオンになりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、これよりの議事進行につきましては熊谷委員長にお願いしたいと存じます。
 熊谷委員長、よろしくお願いいたします。

【熊谷委員長】 かしこまりました。
 おはようございます。それでは、ただいまから第4回生物多様性国家戦略小委員会を開催いたします。
 本日で小委員会は最終回となります。7月28日の第1回小委員会から、毎回中身の濃いご議論をいただきまして誠にありがとうございました。感謝を申し上げます。
 本日の議題は生物多様性国家戦略2010(案)の検討でございます。本日で小委員会としての案を取りまとめたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず事務局から説明をお願いいたします。

【鳥居生物多様性地球戦略企画室長】 おはようございます。生物多様性地球戦略企画室長の鳥居でございます。
 まずお手元の資料1の別紙をごらんください。間が開きましたので、もう一度、繰り返しになりますけれども、今回の見直しのポイントを説明させていただきます。左側が現行の第三次生物多様性国家戦略、右側が今回改定を予定している生物多様性国家戦略2010(案)でございます。
 この横長でございます資料1の別紙というものでございますが、現行の戦略、「いのちと暮らしを支える生物多様性」。ここで生物多様性の重要性とか、3つの危機+温暖化による危機という課題、そして長期的な視点、多様な主体の参画というものが掲げてございますけれども、これらにつきましては基本的に現行の三次戦略に必要な修正を施すにとどめております。
 それから、それを踏まえました、生物多様性を社会に浸透させる、あるいは地域における人と自然の関係を再構築するなど4つの基本戦略を掲げてございますが、これを今回の改定では右側の方で「主な追加ポイント」と書いてありますように、これらの点につきまして第三次戦略からの、平成19年11月以降の事柄を踏まえまして修正を施しているというものでございます。
 それから、今日初めて第2部をご紹介いたしますけれども、約660の具体的施策の実施省庁を明記して34の数値目標というのを掲げてございますが、これを改定案では約50ほどの施策、これは出し入れがございますので、トータルとして増えているものが約50ぐらい増やして、約710の施策にするということで改定案をまとめております。
 それでは、お手元の資料1に基づきまして一つ一つ見ていきたいと思いますけれども、時間の関係もございますので前回の第3回小委員会で先生方からいただいた意見を踏まえまして、直した箇所を中心にご説明をさせていただきます。
 目次の次に前文というのがありますけれども、この辺は変えてございません。
 2ページに若干時点修正とかを行っておりますけれども、改定後の国家戦略の呼び方を、「生物多様性国家戦略2010」と。以後、今後改定した際には、そこに西暦年を入れていくということを考えてございます。
 次に、修正箇所は23ページでございます。前回の小委員会の際、磯崎委員から炭素収支だけに偏らず、温暖化による生物多様性への影響と、温暖化を防止するための対策というものが生物多様性にどういう影響を与えるかということを考えて、その両立というものを目指すことが重要であるというご意見をいただきました。それを踏まえまして、この網かけの部分にありますように、「総合的な観点から推薦する必要があります。この際、温暖化対策は生物多様性に与えるプラス影響とマイナス影響を考慮し、短期の効率性や一方の側面のみが重視されることのないよう留意することが重要です。」というふうに記述いたしました。アンダーラインのところは現行の国家戦略からの見え消し、そして網かけのところが前回の小委員会のご意見を踏まえて直したところでございます。
 次に33ページにまいります。今日はご欠席ですけれど、大澤委員からレッドリストの種の盗掘については深刻であるという認識をもう少し持つべきであるというようなご意見もございまして、ここにこのような記述を追加させていただきました。また、第2部ですけれども、国立公園における盗掘防止についてのパトロールの実施等については、既に記述がなされているところでございます。
 次に41ページにまいります。同じく磯崎委員から森・川・海をつなぐ取組の例ということで、この3行を追加して書かせていただきました、「森林、河川、海岸などの多様な環境の体系的な保全・再生に取り組んだり、河川と流域に着目して、生態系や景観を保全し、流域における人と自然の共生に取り組んだりといった動きも見られます」、これは前のページを見ていただきますと、地方公共団体による取組の項でございますので、こういった森、川、海をつなぐ地方公共団体の取組を、より記述を強化させていただきました。
 その下に大久保委員からのご意見で、JBIBの構成する企業のことだけではなくて、滋賀県経済同友会の記述もここでつけさせていただきました。
 次の43ページにいきまして、山岸委員からの「大学と北海道の共同で」ということで、大学名を削除してございます。一般の大学という形にして記述しております。
 それから次に58ページの方へまいります。中静委員の方から国際的な視点に関して持続性、安全性あるものを輸入することが輸出国の生物多様性にも貢献する、それから大澤委員からはプランテーションなどの海外の開発にも日本は輸入に頼っているので、日本も責任を持つ必要があるというご指摘をいただいたところでございます。そういったことも踏まえまして、「海外の生態系に多大な影響を及ぼしうる」という記述を追加しております。
 引き続きまして62ページの方へまいります。ここはいろいろご意見をいただいたところでございますが、まず岡島委員からリオの地球サミットのように、メディアとの連携が重要ということで、62ページの上の方、2行目から4行目にかけて「広報にあたっては国民に広く情報提供を行うため、各種のメディアとも連携・協力しながら、丁寧でわかりやすい情報提供・情報発信に努めます」という記述を加えました。それから中ほどですが、土野委員から「市町村も生物多様性の保全と持続可能な利用について取り組んでいる」ということでございましたので、都道府県というのではなくて「地方公共団体」というような記述に直してございます。
 右側の63ページにまいりまして、ここは言葉の使い方を精査いたしました。事業者あるいは企業という使い方ですけれども、より広く取る場合を事業者というふうに直してございます。
 次の64ページでございます。子供の教育や学習のところでございますけれども、浜本委員から5行目の「放課後に」というところにご指摘をいただいたのですけれども、ここは文科省の具体の事業を念頭に置いて記述をしておる関係上、「放課後に」という記述は残させていただきますけれども、それ以降、例えば15行目以降とか、その辺の記述を一部修正加筆させていただいております。
 それから岡島委員の方から自然公園を利用した生物多様性教育が必要というご意見に対して、20行目以降、国立公園などにおける自然環境教育のような記述を追記してございます。
 次に65ページにまいります。「里地里山の保全や野生鳥獣との共存」のところですけれども、鹿野委員から二次林を自然林にしていくことを積極的に位置づけることも考えていくべき、これは国土保全の観点からという文脈でございますけれども、そこで、この網かけの部分、「里地里山を構成する二次林のあり方についても、このような前提に立ったうえで考えていくことが重要です。森林の有する生物多様性の保全、水源の涵養、国土保全などのさまざまな機能を考慮し、地域の自然的・社会的条件に応じて、二次林としての適切な管理を推進する場合と、自然の遷移を基本として、森林の機能を維持・発揮できる森林への移行を促進する場合とを総合的に判断していくことなども検討が必要です」。こういう記述をつけ加えさせていただきました。
 それから66ページから67ページにつきましては鳥獣の広域的な保護管理に関する記述を追記させていただきました。
 それから70ページの方へ飛びますけれども、有路委員の方から都市の視点を強化、これはCOP10で都市と生物多様性というのがいろいろ議論されるということが背景にあったかと思いますけれども、この70ページの14行目から17行目に関する記述、あるいは71ページから72ページにかけて「都市緑地の保全・再生」というところで、いろいろ緑地に関する記載というものの充実をさせていただいてございます。
 例えば、「都市における水と緑のネットワークの形成」というようなことだとか、「民有地も含めた緑化を推進し、緑地や水辺空間などを生態的回廊により連続させ、面的な緑の空間を確保」、こういったような記述を追加させていただきました。
 それから71ページの9行目から11行目にかけて、これも先ほどご説明しました磯崎委員からの自治体における森、川、海の視点の取組をどう支えるかという点を踏まえまして、「生物多様性地域戦略づくりや地域におけるネットワークの形成、自然再生などの取組を支援します」という記述をつけ加えさせていただきました。
 それから24行目から7行目にかけて中静委員からの林業は配置やネットワークが大切であるというご指摘につきまして、「人工林、二次林、自然林、それぞれの適切な整備・保全を通じて、地域の自然的条件や地域のニーズなどに応じて、さまざまなタイプの森林が配置されることや、生態系ネットワークの形成上重要な地域に森林が適切に配置されることなどが重要です」という記述をつけ加えさせていただきました。
 それから、この次にまいりますが、都市の部分の記述の充実に加えまして、75ページまで飛びます。石坂委員から生物多様性条約のポスト2010年目標というのがCOP10で主要な議題になるわけですけれども、その方向性を明示するべきではないか、あるいは中静委員からABS、またはカルタヘナ議定書の責任と救済にも言及すべしというご意見がございました。そのご意見を踏まえまして、この網かけの部分を追記させていただいてございます。例えば、ポスト2010年目標につきましては、「日本からの提案では、世界が広く人と自然の共生を実現することを目指し、目標の進捗状況を測るための指標と併せて、個々の目標の具体的な達成手法を示します。また、この目標が広く共感、共有されて、生物多様性の社会における主流化が図れることで、その達成に向けて多様な主体が自ら行動する社会の実現を目指します」という記述です。
 なお、ポスト2010年目標の日本提案につきましては、次の議題で概要を説明させていただきたいというふうに思っております。
 それから、岡島委員からNGOやメディアの取組を記述してはどうかというご意見を踏まえまして、75ページの36行目から38行目にかけての記述を追記させていただきました。
 1点ここで訂正でございますけれども、37行目に「幅広い関係者間が」とありますけれど、この「間」という次を削除いただけますでしょうか。「幅広い関係者が参画するCOP10円卓会議を開催したり」というようにご訂正願います。
 次に76ページの方ですけれども、下の方に「持続可能な」というふうに、以前は「持続的な」というような記述になっていたのですけれども、ここはすべて「持続可能な」というような表現に改めてございます。
 77ページにまいりまして、上の方ですけれども、石坂委員から里山の共通理念というのは具体的に何を指すのかというご指摘を踏まえまして、この3つの考え方を書いてございます。すなわち、「人と自然の共生と循環に関する知恵の結集」、それから2番目が「伝統知識と現代の科学知識の融合」、そして最後が、「地域の人々などが資源の共同管理を行う「新たなコモンズの創造」」と、この3つの考え方を基本とした世界共通理念を取りまとめるというふうに記述を追加してございます。
 以上で第1部の方のご意見を踏まえた修正のご紹介でございます。
 引き続きまして第2部の方の説明にまいりたいと思います。第2部は非常に大部にわたる資料で恐縮でございますけれども、基本的には第1部で修正・記述を加えたようなところにつきまして具体的な施策を書いてございますので、同じような記述が出てくるところもあると思いますけれども、ご容赦いただければと思います。
 まず、81ページで訂正がございます。81ページの13行目でアンダーラインが引いてあるところですけれども、「循環型社会、自然共生社会の形成に向けた取組」とありますのは、「循環型社会、低炭素社会の形成に向けた取組」の誤りでございます。これは、それぞれの節の題名を列記しているのですけれども、第7節のタイトルは「循環型社会、低炭素社会の形成に向けた取組」でございますので訂正させていただきたいと思います。
 それから、次の修正箇所は87ページでございます。89ページも同じでございますけれども、今年の6月に自然公園法とあわせて自然環境保全法が改正されました。ということで海域の保全の強化、あるいは生態系の維持回復事業、そういったものにつきまして追記をさせていただいております。これが87ページと89ページでございます。
 次に114ページをごらんください。ここでは農林水産省の施策でございますけれども、「生物多様性保全を重視して生産された農林水産物であることをあらわすいきものマークの活用」というような施策を追加してございます。
 116ページにいきますと、森林に関して平成20年12月に森林における生物多様性保全の推進方策検討会というものが設置されまして、今年の7月に取りまとめが行われましたので、そういったものも追記させていただきました。
 118ページも同じく平成20年12月に国有林野の管理経営に関する基本計画が改定されましたので、その点についても入れております。
 それから136ページにまいりますと、上から2つ目の○ですけれど、「野生生物の生息地として好適な水田の環境を創出・維持する農法や管理手法などについて事例を収集」云々というようなものは、ラムサール条約の締約国会議などを踏まえた内容として追記してございます。
 それから137ページは平成20年2月に施行されました鳥獣被害防止特措法についての記述でございます。
 続きまして140ページの方にまいります。「全国の里地里山保全活動の取組の参考とするため」云々ということで、里地里山保全に関する記述を追記させていただいております。
 それから続きまして、間が飛びますけれども178ページにまいります。ここは海洋生物多様性の保全のための記述でございますけれども、真ん中あたり、「2004年の国連総会決議により、国家管轄権外の海洋生物多様性非公式作業部会が設置され、これまで2回の会合が開催されています」とか、「わが国においては、平成20年3月に策定された海洋基本計画において、海洋保護区の設定のあり方を明確化した上で、その設定を推進するとしています」。こういった最近の流れを紹介させていただいております。
 それから179ページにいきまして、「国立・国定公園の総点検事業により、・・・(中略)・・・広域的な生物多様性保全の核となる藻場・干潟・サンゴ礁の分布や海流、陸域とのつながりを考慮したうえで、海域における国立国定公園の指定・再配置、海域公園地区の指定を進めます」ということを記述してございます。
 次に190ページへまいります。平成21年、今年の7月に海岸漂着物処理推進法というものが議員立法によって成立いたしました。この法律に基づきまして、海岸漂着物対策に関する基本理念を明らかにし、国や地方公共団体、事業者、国民の責務、あるいはその対策を推進するための必要な規定というものが盛り込まれておりますので、今後、この法律に基づいて対策を進めるということを記述してございます。
 次に199ページにまいります。「希少野生動植物の保存」の部分です。下の方に「レッドリストの見直しなどに基づき、絶滅のおそれのある種の状況の把握と減少要因の分析を行い、その状況を改善するために必要な措置を種ごとに明らかにします」。また、「種の保存法に基づく国内希少野生動植物の指定による捕獲などの規制、生息地等保護区の指定、保護増殖事業の実施などの保護の効果を評価して、その効果が認められるものはその措置をさらに推進し、十分な効果が上がっていないものについてはその要因を分析して効果的な保存対策を種ごとに明らかにするなど、種の保存法の施行状況の評価を踏まえ、必要な対策を講じます」。第1部にも同じような記載をしてございましたけれども、第2部の施策としても記載させていただいているというものでございます。
 次に206ページの方へまいりまして、鳥獣被害防止特措法を踏まえた施策を追記させていただいております。
 それから213ページの方へまいりまして、カルタヘナ法の施行から5年経過したので、既に見直しが行われましたけれども、運用方法や情報提供に関しての改善の検討が必要とされました。この結果を受けての対応について記載をしております。
 それから、外来生物法も見直しの時期がきているということで施行状況について検討し、必要に応じて主要の措置を講じますという記載を明記しております。
 次に217ページへまいりまして、これも平成21年に愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律というものが施行されましたので、この法律にのっとってペットフードの製造、輸入または販売というものを法にのっとって対応していくということでございます。
 それから221ページの方へまいります。ABSについてですけれど、第2節は遺伝資源などの持続可能な利用の記述でございますけれども、ABSに関する記述を追加させていただいております。
 それから235ページの方へまいりまして、ここは生物多様性の主流化に関する記述がしばらく続くところでございますが、来年が国際生物多様性年であることも踏まえて、さまざまな主体に働きかけをしていきますということを記載させていただいております。
 それから、次のページもそうですけれども、236ページから237ページにかけましては、今年の8月に環境省が発表いたしました生物多様性に関する民間参画ガイドラインだとか、それに関連するいろんな取組が紹介されております。
 241ページ以降、自然との触れ合いの活動の推進ということで、241ページには平成20年4月にエコツーリズム推進法が施行されたということで基本方針について紹介をしてございます。それから自然に親しむ活動についての記述の充実がその後続いております。
 続きまして253ページに飛びます。COP10に関連する内容でございます。ポスト2010年目標、あるいは国際協力などについての記述を追記しているところでございます。
 それから255ページは「SATOYAMAイニシアティブの提案・発信」でございます。この255ページから次のページにつきまして、SATOYAMAイニシアティブを世界に発信していきますということで、関連する記述等を追加しております。
 257ページの下の方、1−5以降につきましては、生物多様性保全に関する情報の整備ということで、モニタリングや情報ネットワークについての記述を追加させていただいております。257から、それ以降でございます。
 それから258ページの下の方からカルタヘナ議定書についてでございます。責任と救済に関する記述を追記してございます。
 そして266ページの方へまいりまして、気候変動枠組み条約、このあたりは個別の条約への対応の記述でございますけれども、ここにつきましては昨年7月に閣議決定された低炭素社会づくりの行動計画において低炭素社会を目指し云々ということですけれども、さらに、今年鳩山総理が表明されました25%の削減についても記述を追加させていただいたところでございます。
 それから272ページでございます。ここは、生物多様性と生態系サービスに関する政府間プラットフォーム(IPBES)と言われる、気候変動におけるIPCCのような機関を生物多様性の枠組みのもとにつくるということについて積極的に取り組んでいくということを書いてございます。
 それから277ページ、ここにつきましても情報科学的基盤の強化についてです。地球観測に関する政府間会合(GEO)のもとの取組の強化のようなことを記載しております。
 それから291ページにまいりまして「研究技術開発の推進」ということでございます。環境分野における調査研究についても幾つかございますけれども、例えば292ページの生物多様性関連技術開発等推進事業費というものが今年度より開始してございます。予算的には非常に少ない額でございますけれども、引き続きこういう事業を活用して調査研究を進めていくということを記載させていただきました。
 それから最後の方になりますけれど、301ページにまいりまして、「循環型社会、低炭素社会の形成に向けた取組」ということで、ここは1つ節を起こしまして、自然共生社会、循環型社会、低炭素社会というものが統合的に進んでいくことが重要であるということを、例示も踏まえて記述をさせていただいたところでございます。いずれも第1部で既にご紹介しているような文章が改めてここでも出てきているというものでございます。
 それから最後ですけれども、306ページのところで、戦略的環境アセスメントの導入ということで306ページの中ほどにガイドラインについての記載がございます。この辺は最近、今年の3月に取りまとめられましたものだとか、昨年の4月につくられたガイドラインだとか、そういったものを追記させていただいているものでございます。
 非常に大部な第2部を、かなり端折りながらでございますけれども、主な改定の点をご紹介させていただきました。
 最後に今後のスケジュールにつきまして、資料2をもとにご説明をさせていただきます。生物多様性国家戦略2010策定のスケジュール、資料2、縦長の紙をごらんください。本日11月24日、小委員会といたしましては今日が最後でございますけれども、ご検討いただきまして、今日いただいた意見を踏まえまして一部修正を施しまして、12月から1月にかけて30日間のパブリックコメントに付したいと思います。このパブリックコメントではこの改定案のほか、以前にご紹介をさせていただきました現行の三次戦略の実施状況の点検結果についてもあわせてパブリックコメントに付したいと思っております。それを踏まえまして、修正をしたものを今後は合同部会で2回審議をさせていただきまして、最終的には3月までに、本年度内に生物多様性国家戦略2010を閣議決定したいというように考えてございます。
 事務方からの説明は以上でございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 それではこれより、ただいま説明がありました生物多様性国家戦略2010についての案につきましてご意見をいただきたいと思います。時間が多少ございますので、幾つかに区切ってご議論をいただけたらというふうに考えております。
 まず初めに第1部の戦略についてご議論をいただきまして、次に第2部の行動計画についてご議論をいただきたいと思っております。最後に残りの時間でもう一度全体を振り返ってご議論いただけたらと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、まず初めに第1部についてご意見等お願いしたいと思いますが、本日で案をまとめたいと考えておりますので、修正意見の場合にはできるだけ具体的にご意見をいただけたら幸甚と存じます。
 それではよろしくお願いをいたします。
 それでは鷲谷委員、お願いいたします。

【鷲谷委員】 会議に何度か出られなかったものですから、具体的な修正意見よりは、やや全体にわたるようなことでもよろしいでしょうか。

【熊谷委員長】 結構でございます。よろしくお願いいたします。

【鷲谷委員】 生物多様性の要素と影響を与えている要因の間の関係について、もう少しダイナミックにとらえて、「効果的、効率的な対策」というのが幾つか出てくるのですけれども、そういうことについて、もう少し具体的に記すことができればいいのではないかということなのです。
 何にかかわることかと言いますと、温暖化との関係とか、あと侵略的な外来種などのところともかかわりが出るのですけれども。ここの全体を読ませていただきますと、生物の影響要因とか温暖化も含めた環境の変化に対して、移動することによって対応をするということをとても重視しているようで、生態系ネットワークが温暖化の適応策の主要なものとして取り上げられているように思うのですが、もっと一般的な生物の反応というのは適応進化と、それがうまくいかなければ絶滅するということになると思うのです。
 それに関しては、個体群が大きいというか数が多い、遺伝的変異が豊かにある種でしたら適応進化をして、幾らでも人間によって変えられた環境の中で増えていくわけですけれども、既に数が少なくなっていて遺伝的な多様性も失っているようなものは、そういう環境変化に対して適応できず、絶滅する可能性が非常に高いという視点が1つ。だからこそ、絶滅危惧種が今かなり厳しい状態に陥っていくものがある一方で、侵略的外来種の中には日本全国制覇と言えるように蔓延しているものがあるというのは、そのごく基本的な生物学的な原理によっているものなのです。その視点が1つ。
 もう一方で、生物多様性への影響というのは、ある影響要因に対してある1つの変化が対応しているというよりは、すべてが複合的な影響。要因間がどういう役割を果たしているかというのは、平等に同じように効果を与えているわけではありませんけれども、じわじわと生息生育条件を失わせたり、個体数を失わせるものと、最後のとどめをさす要因などもありますが、いずれにしても複合的な要因であるということに注目する必要があると思います。複合的要因というのは、1つの要因を取り除けば、足し算ではないわけですから、その一つの要因の分以上の効果を上げられる。対策の効率的、効果的ということを考える際には、複合的な影響というものがそういう性質を持っているがゆえに、地域などで協働の実践などで取り組みやすい要因について、まず注目して緊急の対策を立てるということが重要なのではないかと思います。
 今後、里地里山、水辺の生態系サービスを確保していくに当たって、今の2つの視点から言うと、一番キーになるのは侵略的外来種の対策。もちろん、これからホットスポットを見出して、そういうところにはそういうことを重視していくのだろうと思うのですけれど、そうではない場においても、既にそういうことをしっかり理解されて、地域で協働の実践なども各地で始まってはいますけれども、それは温暖化の適応策としても重要なこと、地球全体で力を合わせて緩和策を進めるということも今は重要な社会としてのテーマになって、数字などを出されていますけれども、ある程度時間がかかることなのです。
 今の、例えば一番不健全化が著しいと思われる淡水域水生態系などの現状を見ますと、数年の間に局所的な絶滅が次々に起こって、生態系の不健全化が目で見える形で進行しているという状況だと思うのです。そういうところで複合的な影響ということを理解した上で対策を立てるとしたら、扱いやすくて効果が参加する方たちにも見える、侵略的な外来種対策というのがキーになると思われるのですが、あまりそれがこの戦略の中には書き込まれていなくて、外来種対策のところを見ましても、「検討する」とか「対策方法を開発する」とか、そういうことがあって、実際に実践を応援するというか、それを促すような、地域でいろんな主体の方たちが力を合わせて頑張っていらっしゃるところが結構あると思うのですけれども、それを社会としてサポートするような姿勢が余りあらわれていなくて、外来種は外来種の問題としてそれにかかわる法律の範囲内で対策が立てられるという印象があるのですけれども。今の自然環境の現状を見ると、一刻も早くそういうものをサポートするということも必要ではないかと思います。
 長くなりまして申しわけございません。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。ご意見をまず一通りお伺いしてから、事務局の方でお答えできる範囲で整理してお答えしたいと思いますので、どうぞご意見をいただきたいと思います。
 いかがでしょうか。今日ご欠席の委員の方もいらっしゃいますけど、先ほど、特に1部については磯崎委員、それから浜本委員、有路委員、石坂委員、皆さんからいただいたご意見もございますし、それ以外にもおありかと思いますので、どうぞご発言をいただきたいと思います。
 石坂委員、お願いをいたします。

【石坂委員】 今度の、この2010の国家戦略は第三次戦略を受けて日がないわけですけれども、法律が定まって、こういう戦略をつくらなければいけないという事情のもとにつくられたという性格を持っているわけです。そういう意味で、この戦略をつくるに当たって、第三次戦略策定後の大きな事情の変化とか、政策の変化とか、そういったものを反映し取り込みながらつくっていくけれども、基本的なポイントについては2年たったからといって変わるところはないというご説明があって、そのもとに作成されたと思います。その作成方針については私どもも了としたわけでありまして、そうしたことをもとにして作成されているという観点からこれを見ますと、過不足なくそれは取り上げられていると私は思います。
 私が意見として申し上げた点も、それなりに記載をされているということで、それは評価するのですけれども、ただ、この2010国家戦略が公表されたときに、「じゃあ、この2010の戦略のポイントは何ですか、特色は何ですか」と言われたときに、「第三次戦略の見直しであります」というだけかは、やや残念なことでありまして、そういうことからいきますと、大きなポイントになるのはCOP10の問題だろうと思うのです。COP10で新たな世界的な戦略が決まって、またそれに応じた2010国家戦略というものも考え直していかなければならないという事態も出てくるのだろうと想像されます。
 そうしたことも踏まえますと、このCOP10で我が国がどういう提案をするのか、そして、どういう方向に世界の生物多様性戦略を動かしていくのかということを、「具体的に記述してはどうか」と申し上げています。ただ、具体的と言っても書ける限界というものがあるだろうということも申し上げましたけれども、もう少し、この戦略の目玉として説明できるほどの書き込みをした方がいいのではないかと思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。どうぞ、ご意見をいただきたいと思います。
 森本委員、お願いいたします。

【森本委員】 よく書けていると思います。1つだけ希望ですけれども、基本戦略で「生態系ネットワーク」とか「保護地域及び自然再生」ということで書き込まれているところを拝見していて思ったのですけれども、生態系ネットワークというのは大変大事なキーワードで、保護地域というのも大事なキーワードなのですけれども、いろいろなキーワードの中で「氾濫原」というキーワードが見当たらなかったので、どこかに入っていた方がいいのかなと思いました。
 先ほど鷲谷先生がご指摘なさったように、淡水、汽水というのが結構大事だとかという話も、それぞれの生態系が静的な形で担保されていて、つながっていたらいいというのではなくて、氾濫原というのはダイナミックにいろいろ変動するところで、そういう環境がなくなっているというのが、かなり危機的な状況をつくり出している要因だと思います。これからの保全・再生・創出を進めていくときに、かつてのそういった環境というのに配慮できるように、氾濫原というふうなキーワードがどこかにあったらいいなと思いました。それだけです。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 特にご指摘の場所はございますか。全体的に。

【森本委員】 今の70ページとか71ページの網かけの部分です。例えば、「かつての氾濫原の自然環境に配慮したネットワーク」とか。要するに、何もないところに勝手にネットワークをつくるというようなイメージではなくて、もともとの自然の環境で氾濫原というのは大事なところだと思います。そういうものに配慮したネットワークの形成というのが要るのかなと思いました。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。ほかに、どうぞ、ご意見賜りたいと思いますので。
 それでは福田委員、よろしくお願いいたします。

【福田委員】 11ページです。暮らしの基礎というとこですが、「食べ物や木材」ということになっていますけれども、これは「衣」ということは関係ないのでしょうか。麻・絹・木綿などみんな自然素材です。今は化学繊維が多いかもしれませんが。今、アトピーなどが多くなっている時、自然のものを求めている人は多勢います。食と住があるのなら、衣も入ってもよいのではないかと思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。今のご質問にも後ほどお答えをいただきたいと思います。
 どうぞ。浜本委員、お願いいたします。

【浜本委員】 今の福田委員のご指摘と少しかぶるところもあるかもしれませんが、全体的に読んでみて、温暖化に対する対策とかというものは、具体的に「こういうふうにします」ということが書いてあるのですけれども、1部の中で私たちが生態系サービスのところで、今もあったように食べ物とか木材とか、そういうのが国際的に移動しているというのは全体的に書いてあるのですが、温暖化の一番の原因になっているエネルギーに関することも国際的に動いていて、それは化石燃料と言われているものですが、これも自然の生態系の中の一部であることに変わりはないのではないかと思うのです。
 11ページの暮らしの基礎のところにも、「バイオマス」という言葉では出てきますが、一言もエネルギーに関することが具体的なものは出てきていませんし、64ページの23行のところで、「また、食料や木材などの多くの自然資源を輸入し、消費して」ということが書いてあるのですが、この中にも「エネルギー資源」という言葉を入れると、その後の温暖化に関することであるとか、そういうこともより具体的になってくるのではないかなと思いながらずっと読むのですが、なかなかそういう言葉が具体的に入ってこない。これは、この国家戦略の中では触れないことになっているのかなと。一言も出てこないので、言葉を入れる場所というか、エネルギーに関することはもっと別なところで考えるから、直接生き物に関することだけをもし書くのであれば、温暖化に対することの生物多様性への関わり方であるとか、直接的な生活の中での生態系サービスの中の一番重要な部分が実は抜けているような、何か足りないなと思うところはそこではないかなと思いましたので。バイオマスエネルギーに関することは出てくるのですが、化石燃料に関することが全く出てきていないのはどうしてなのかなと思って、もし書けるところがあったら言葉だけでもつけ加えるべきではないかなというふうに感じました。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。ほかにどうぞ、ご意見ございましたらお伺いしたいと思いますが。
 では西岡委員、お願いをいたします。

【西岡委員】 後ろの方で発言するべきところかもしれませんけれども。吸収源としての国土保全と言いましょうか、山林と言いましょうか、自然環境。このあたりが実はあまり書かれていないと思います。
 今ちょうど中期計画までやっているのですけれども、その中で森林分がどれだけいくだろうかということが非常に重要な役目を負っているのですけれども、そのことについて、これは多分、私は後ろの方の2部の方で具体的に政策があるにもかかわらず書かれていないのではないかという心配があって1部の方を見てみると、そういう意味でははっきりと書かれていないところが足りないなということで意見を述べさせていただきました。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。

【鷲谷委員】 今のことに関して、よろしいでしょうか。

【熊谷委員長】 鷲谷委員、お願いいたします。どうぞ。

【鷲谷委員】 緩和策との関係で植生とか土壌が有機炭素のプールであるということはしっかり書く必要があると思うのですが、森林だけを強調せずに泥炭湿地などの問題もバランスよく取り上げておくことが重要ではないかと思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。それでは、とりあえず、ここで、今いただきましたご意見に対して、中にはご質問もございましたけれど、事務局の方からお答えできる範囲で回答いただきたいと思いますが。
 それでは渡邊審議官の方から。

【渡邊大臣官房審議官】 たくさんの貴重な意見をありがとうございました。
 今回いただいた意見、各省と案をつくってきた今回の案でございますので、今回の意見をどんなように反映できるか、各省とも相談をして、パブコメまでにできるだけ反映するような作業をしていきたいと思っています。
 幾つか、いただいた意見で現時点で少しご説明できるところをお話ししたいと思います。
 まず鷲谷先生からあった、特に温暖化の影響についての対応策ということで、19ページのところに鷲谷先生がおっしゃったような形で、34行目に温暖化の影響を受けたときに生物がどう反応するのかというところで、その場所で進化するか、あるいは生息できる場所への移動、その両方ができない場合は絶滅してしまうというようなことをここで記述をしています。そのときに、先生から話のあった、個体数が減ってしまっている生物というのは特に影響を受けやすい、あるいは外来生物については逆に分布を拡大しやすいのだというようなご指摘だったかと思います。
 そういった点も含めて、どこに書けるかどうかは別として、そういった温暖化についての生物の影響特性というようなものを受けた効果的な対策、特に温暖化の対応策としても外来種対策は大事なのだというようなつながりのところもご指摘がありましたので、その辺、全体を通じてどこかで反映できないかどうかということで考えてみたいなと思っています。
 それから、石坂委員からありましたポスト2010年目標について、もっと具体的にということで、後ほどの議題で「ポスト2010年目標に対する日本提案」と。今、これも並行してパブリックコメントを11月27日までの日程でやっている最中なのですけれども、このことについて、もう少し踏み込んで提案の特徴なり、提案のポイントなりが出せないかどうか。この辺も各省と相談をしてみたいなというふうに思います。
 それから、森本先生の氾濫原。70ページ、再生とか生態系ネットワークとの関連で氾濫原の大事さということで、この点に関して前回、三次戦略をつくるときにここの部分で水系のネットワークの大事さであるとか、流域全体の生態系管理をこう考えていることが大事だという中で、水系の要素として湿原とか河川とか湖沼とかというのを挙げてみたところですけれども、その氾濫原について、その中で何かうまく触れられないかどうかということで考えてみたいと思っています。
 それから、「いのちと暮らしを支える生物多様性」という部分で、食とか住に加えて衣服というようなことであるとか、エネルギーの視点をこういうところで加味できないかというご意見があったと思います。この点についても、あわせてどんな工夫ができるか考えてみたいと思っています。
 それから、西岡委員からあった吸収源、2部の方ではかちっと書いている部分があると思うのですけど、1部ですと23ページのところで生物多様性の観点から見た地球温暖化の緩和と影響への適応というところが関係するところで、関連して鷲谷委員からありました森林とか湿地というのが炭素の貯蔵の機能を果たしているというあたりは、この部分で、例えば18行目あたりに書いてあるわけですけれども、その森林の吸収源対策というのでしょうか。その辺は十分書き込めてないかどうか、西岡委員のご指摘も含めて改めて考えてみたいと思っています。2部の方には森林の吸収源対策が重要であって、それを進めていくということが政策として掲げているところでありますので、それとの関連を見ながら1部の記述について考えてみたいと思います。
 以上です。

【熊谷委員長】 それでは室長の方から。

【鳥居生物多様性地球戦略企画室長】 補足をさせていただきたいと思います。
 順序が逆になってしまうかもしれませんけれども、先ほどの西岡委員からのご指摘のうち、吸収源の話ですと、78ページの30行目、多くの炭素を固定している森林・草原・湿原などの健全な生態系を保全することが、生態系からの温室効果ガスの放出を抑制し、地球温暖化を緩和することにも貢献するという観点を踏まえつつ云々という記載がございます。
 それから、浜本委員からのご指摘のエネルギーの部分ですけれど、65ページの9行目から関連する記述がございます。化石燃料の使用量を抑制し、自然の管理から得られる、ここもバイオマスが出てくるわけですけれども、こういう記述がございますけれども、さらに、より強く記述ができないかということについては、さらに検討をさせていただきたいというふうに思います。
 以上です。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。また、今の事務局からの答えに関して、さらにご意見なり、ご希望がおありでしたらご発言いただきたいと思いますが。よろしいでしょうか。
 それでは、第2部の方についてご意見等を承りたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

【桜井委員】 海洋の部分ですが、1つ前の方で言えばよかったか迷ったのですが、具体的な施策のところと前の考え方のところで見ますと、大変失礼ですけれども、具体的な行動計画が見えないのです。というのは、例えば、これは178、179のところでもよろしいのですけれども、海洋保護区の扱いについても、恐らくまだ議論は進んでないのだと思いますけれども、もう少し書き込めないのかなと。ということは、つまり調整ができなかったのかなという気がするのです。
 それで、例えば、179ページの20行目から「順応的管理」のところがばさっと切られています。この生物多様性にかかわるところで、環境省と関係省庁のところの部分です。こういったところがなぜ消えたのかわからない。
 それから海洋に関して、沿岸もそれから沖合も含めて環境省マターの事業はよく書かれているのですけれども、他のところがほとんど書かれていないというところで、今COP10に向けて非常に海洋のことが重要と言われながら、ここのところがまだしっくりいっていないのかなという気がするので、もし進捗のところで、言える範囲でよろしいですけれども、どういう方向なのかお聞きしたいと思いまして。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 ほかによろしいでしょうか。では、中道委員お願いをいたします。

【中道委員】 第2部の7節に「循環型社会、低炭素社会の形成に向けた取組」が新しく追加されたことを高く評価したいと思います。多分これは、第1部の69ページにあります「地域における人と自然の関係を再構築する」の内容を受けることだと思います。この第7節「循環型社会、低炭素社会の形成に向けた取組」の「自然共生社会、循環型社会、低炭素社会の統合的な取組」は、循環型社会と低炭素社会を自然共生社会にどう統合するかという趣旨で書かれたのではないかと思うのです。統合するということは考え方が難しい内容で、例えば、ここで具体的な施策を挙げられているのには、資源採取の問題や、廃棄物の問題、未利用資源の問題を扱われています。何となく自然共生社会との統合というニュアンスが具体的施策で抜けているような感じがします。これは書きようだと思いますし、例えば、そこの冒頭のところに、生命と物質の循環を健全な状態に維持するために循環型社会、低炭素社会をどうするのだ、そことどう統合するのだというニュアンスが生きてくると、さらにいいものになるのではないかなという感じがいたします。
 例えば、そういうものの具体的な例は何かというと、この本文に書かれていますのでは、SATOYAMAイニシアティブになるのではないかと思います。そういうことを具体的に取り組んだ例だと思います。20年にやられました国際ワークショップの報告も見させていただきますと、そういうふうになっています。あの中の議論を見ますと、こういうSATOYAMAイニシアティブがなぜ必要か。それでは、なぜ壊れたのだという議論を大分されております。統合するということは非常に難しい。生業の問題とか、それから利便性を追及することで、流されてしまうことを統合する仕組みですから。せっかく前段でいい作業をされていますので、少しそれが活かされるような格好になるといいのではないかと思います。意見です。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。ほかにどうぞ。ご意見を賜りたいと思います。
 西岡委員、お願いいたします。

【西岡委員】 今の7章のところなのですけれども、先ほどもご発言ありましたように、この第2部の方でも温暖化の問題、それから今、私が提起しました吸収の問題については、それぞれのところでは十分書かれているとは思うのですが、7節のところで、ずっと見てみますと必ずしも吸収源のことについての話が書かれてないように思います。
 例えば、302ページの具体的施策、22行、26行あたりにもあるのかなと思うのですけれども、これは要するにバイオマスとしてどう使うかという話は書いてありますけれども、使おうが使うまいが吸収をもう少し強めるという感じのものはここには含まれていないみたいです。だけど、ここに挙げたような、今もある具体的施策をどんどん入れていくという形になると、では、そういう意味でのことをやられるかと、これは国の方の京都議定書対応できちんとやられているわけで、それを書き込んでおく必要があるのではないかというのが具体的な提案であります。多分、私の見方は間違えてないと思うのですけれども。
 それから、このバイオマス等々につきましては、いつも問題になりますのが、いわゆる食料とのバッティングもありますし、生物多様性のバッティング等、いろいろあるわけであります。それにつきまして、301ページの35行のあたりに「生物の多様性保全に考慮しながらやりなさい」ということは書いてあるので、これでカバーされているのかもしれません。具体的施策のところにはそういう文言はあまりないので、これは具体的な施策の中でうたってないから書けないのかもしれないのですけれども。301ページの35行ぐらいの言い方でいいかな、弱いかなという感じがします。
 今の問題は、バイオマス等々で資源として使うときに生物多様性に対する影響に十分配慮してほしいということについて、もう少し述べてもいいのではないかということでございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 それでは森本委員、お願いいたします。

【森本委員】 都市のところなのですけれど、これまで近郊緑地保全区域とか歴史的風土の保存地区というのが果たしてきた役割というのは大変大きくて、都市地域における生物体制保全の大変大事な役割を担っていると思うのですけれど、最近、単にそこが確保されているというだけではまずい面が発生してきていて、モウソウチクの繁茂だとか、カシノナガキクイムシの繁殖だとかいろいろあって、どうやって管理していくかというのはすごい大きな課題になっていて、国有林野の方も含めていろいろ取組があるし、民間の取組も割合に始まっているところがあります。
 そのときに、拝見していますと、例えば149ページの具体的施策で、「土地の改良保全などを推進する施設の整備に対し、適切な補助」とかというのが出てくるのですけれど、マネジメントというか、そこの自然資源の持続可能な利用と言ってしまうと枠組みがなかなか難しいかもしれないのですけれど、適切な管理をうまくやるための施策というのが今後すごく必要になってきていると思うのです。京都周辺などを見ていると、まさにそういうふうな思いがあります。
 現実に、少し進めようというところもあるわけですので、こういう従来型の現状凍結型の施策を、新たに管理というか生態系のマネジメントというか、そういうものに転換していく方向性というのが今後は必要だと思っていまして、ここではそこまで言及できないとしても、管理という言葉が入るべきではないかなと思いました。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 それでは福田委員、お願いいたします。

【福田委員】 248ページの教員の指導力の向上という学校教育のところです。いろいろ基礎講座の開催・研修の実施ということを書いてありますが、授業として体験学習をするとき、学校側は結局ボランティア頼みになるのです。森林体験というものはそう簡単にできるものではありません。ボランティアはいいけれど、ボランティア頼みに結局なってしまうのなら、きちんと入れませんと授業として中途半端な教育になってしまうと思います。とにかく、大変危険なものですから、先生方が多少経験をしてもそれは体験にすぎない位のものです、きちんと学習の中にボランティアというかサブ的なものとして入れていただいた方がよいと思います。
 それからもう一つ、次の250ページなのですけれども、3行目から「さまざまなフィールドでの活用を想定した幼児向け環境教育プログラムを開発し、幼稚園・保育所への普及を図ります」というものは何で消えてしまったのでしょうかということを伺いたいです。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 それでは磯崎委員、お願いいたします。

【磯崎委員】 外来種についてです。18ページの下の方ですが、国外、国内、両方ということを触れているのですが、その後のところで国内関係があまり触れられていない点。少し前の方ですが、第1部、35ページ上の7行目ぐらいで、ここでも国内のことは触れられているのですけれども、第2部の方で具体的な対策として、これも第1部のところで自然公園法、自然環境保全法で特別保護対象地に国内外来種の持ち込みも禁止という措置が取られている。たしか、その文章が掲載されていたと思ったのですが、それに該当するような施策、環境省以外でも同じような対策を取っていると思われますので、この第2部の方でも国内外来種について、もちろん十分安全という形ではないですし、それから外来生物法そのものは、国内外来種は対象にしていないのですけれども、それ以外のところで部分的にこういう対策が取られているという、それについてはちゃんと書き込んだ方がいいのかなと思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 では有路委員、お願いいたします。

【有路委員】 235ページに国民的参画の推進というところが書いてあるのですが、国家戦略という点での制約上というか、国がこうするという方向性はかなり書かれていると思うのですけれども、国民がどうここに参画できるかというところの視点が何か抜けているような気がするのです。
 というのは、低炭素社会みたいな話ですと、自分の家でどうしたらいいかというようなことが最近、国民にわりと広く行き渡りつつあるのかなというふうに個人的には思うのですけれども、生物多様性ということに関しては我々個人として何をすべきかというところがあまり見えてこない。それで国民という視点でも、NGOとかそういう団体での活動の場みたいなことはかなり書かれているのですけれども、個人個人としてネットワーク全体を補完するというか、ネットワークの一部を自分たちが形成しているという意識を持つような施策の展開が必要なのかなと。
 例えば、237ページに「言葉の認知度を上げる、目標値を上げる」と書いてあるのですけれども、具体的に何をして上げるのかとか、どうも、そういう視点がないのかなというふうに思います。
 それで、2部全体を見ていると、例えば168とか169とか、河川のところはかなりそういう参加のプロジェクトのことが書かれているのですけれども、これは各省のいろんな施策をまとめているので、そこまでしっかりと書いた施策は書かれているけれども、ほかの事業でも同じようなことをたくさんやっていると思うのだけれども、そういうものが、それぞれの事業主体にある程度任せているという気がして。本当はもう少しいろんなことをやっていると思うので、そのあたりを、むしろもっとやっているのではないかという、積極的な意味での記述のあり方があるのかなというふうに思います。
 それは多分第1部のところでも、「多様な主体」と書いてあるのだけれども、個人個人で何をしたらいいかという部分の記述が全くないので、なかなか生物多様性というのが広がらない原因なのかなというふうに思いましたので。ある程度、具体的に何ができるのだということを示してあげることが国家戦略としても必要ではないのかなというふうに思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。それでは、この時点で事務局からお答えをいただきたいと思います。まず審議官からお願いいたします。

【渡邊大臣官房審議官】 2部の方への意見、ありがとうございました。
 2部についても1部と同様にいただいた意見を各省とも相談しながら、できるだけ反映の工夫をしていきたいというふうに思います。
 幾つか手分けして、現時点でのご説明をしたいと思います。海洋の関係は計画課長の方から後ほどご説明することにさせていただいて、301ページの7節のところで、今回、節として1つ追加した部分です。自然共生社会とその循環型社会、低炭素社会形成をどう統合していくか。その視点が大事だということで、環境省のほかの部局とも協議しながら、この節を追加したところです。
 中道委員からありましたように、自然共生とこの2つの循環と、低炭素社会をつなぐところのつなぎ方が、もう少しわかりやすく出せないか。そのときにSATOYAMAイニシアティブで議論しているようなことも踏まえて言葉を足していったらいいのではないかというご指摘だったと思います。その辺はぜひ工夫をしてみたいというふうに思います。
 それから、同じ場所で西岡委員の方から吸収源対策の話がありました。この1個前に、「地球温暖化に対する取組」というのが第6節であって、そこで297ページに32行目の丸のところですけれども、ここが温暖化対策で目標達成計画の中で森林吸収量を確保していくための施策の推進ということで直接的に言いかえているところであります。第7節は第6節と重複するところがあるのですけれども、その辺、第7節の方にも吸収源のことを重ねて書いていくのがいいのかどうか検討してみたいというふうに思います。
 それから、バイオマスの活用に当たってのプラスの面とマイナスの影響というのがあって、生物多様性へのマイナスの影響を小さくしていくことも大事な視点なのだということについて、もう少し明確に書けないかどうか考えてみたいなと思います。
 それから森本委員の都市の部分。都市緑地について、手をつけずに保存するだけではなくて、手をかけて維持管理をしていくという視点が大事だということ。都市緑地でも、そういう動きが出てきていると思いますので、その辺、その都市緑地の管理なり、手をかけて維持管理していくというところで表現について書き足すようなことができるかどうか、これは国交省の方ともご相談をしてみたいというふうに思います。
 それと、有路委員から国民参加で国民がどう参加していけばいいかわかるようにするということが大事ではないかということで、236ページのところであっさり書いているのですけれども、236ページの27行目からのポツと30行目からの丸のところで、国民一人一人がどういう行動をしていくことが生物多様性にとって効果があるのかというのを行動リストということで示していければという施策を掲げています。これは国が一方的に示すだけではなくて、国民の皆さんからも、こういう行動を私はしていくのが大事だと思うという意見をいただきながら、そのリスト化をして、そのリストを増やしていくというような取組をしていこうというものなのですけれども、この辺のことですとか、消費者としての行動が30行目から出ています。
 そういった形で書いているのですけれども、国民が実際生物多様性のために何をすればいいのかということに対してわかりやすく情報を提供していくということは、この基本戦略の一番に挙げた「社会に普及させる」という意味ですごく大事な視点だと思いますので、そういう点で記述としてもう少し丁寧に書けないかどうか考えていきたいというふうに思います。
 では、その他の点について幾つか。

【熊谷委員長】 それでは課長からお願いします。

【星野自然環境計画課長】 海洋の関係、自然環境計画課長の星野でございます。ご説明させていただきます。
 具体的な行動計画が見えないというご指摘を桜井先生からいただきました。海洋につきましては平成19年に海洋基本法ができまして、それを受けた海洋基本計画が平成20年3月にできております。現行の国家戦略策定後にこの海洋基本計画はできたということでございます。
 この海洋基本計画の中で、例えば、我が国における海洋保護区の設定のあり方を明確化した上で、その設定を適切に推進するといったような海洋の自然環境保全に関するさまざまな基本的な考え方が示されております。それに基づいて現在、関係省庁で検討を進めているところでございます。内閣官房を中心に日本としての海洋保護区のあり方、どういうものがいいのか。それについての検討を進めていると。桜井先生をはじめ関係する学識経験者の先生方から意見を聞きながら検討させていただいているというところでございます。
 また、海洋の生物多様性保全につきましては、環境省として保全戦略づくりを今始めているところでございます。これにつきましても現在は専門家の方々に集まっていただいてご意見を伺っているという段階ですが、来年、海洋の生物多様性保全戦略も取りまとめていきたいということでございます。
 したがいまして、海洋関するさまざまな点、関係各省と連携を取りながら検討を進めているところでございますけれども、現時点でこの国家戦略の案に書かせていただいた、非常に踏み込んだところまではまだ具体性が出てきていないという状況でございます。今後の課題として引き続き努力してまいりたいと思います。
 それから、具体的に179ページで順応的管理に関する記述の段落が削除されているのはなぜかというご意見でございます。これは先ほども申し上げましたように、第三次の戦略策定後に海洋基本計画が策定されました。178ページの一番最後の段落に書いてございますけれども、海洋基本計画に基づいてさまざまな取組を進める、順応的管理も含めて進めるという記述がございますので、そちらを受けるということで、今回は記述が古くなったということもございまして、こちらの方は削除させていただいたということでございます。
 関係各省と連携しながら海洋の保全について今後検討を進めてまいりますので、今後、国家戦略の中にどのようなものを入れられるか。また、現在の案の中でも現時点で書けるものがあるかどうかということは関係各省とも相談をさせていただきたいと思います。

【熊谷委員長】 それでは、引き続いて室長の方からお願いいたします。

【鳥居生物多様性地球戦略企画室長】 ばらばらとお答えして恐縮でございます。
 福田委員の方からご質問のありました250ページの3行目以下のところの幼児向け環境教育プロジェクト開発云々のところの削除の理由ですけれども、これは残念ながら予算がつかなかったということが理由でございます。
 このほか、委員からの、ボランティア頼みなのは、本来は制度できちんと対応すべきというご指摘につきまして、どのような記述が可能か検討させていただきたいというふうに思います。
 それから磯崎委員の方から、国内での外来種の問題についての指摘がございました。特定外来生物と明記されてございます部分については外来生物対策法に基づいての対応でございますけれども、それ以外の記述につきましては、国内での外来種のことも念頭には置いているのですけれども、さらに、よりきちんとした記述ができるかどうか検討させていただきたいというふうに思います。
 以上です。

【熊谷委員長】 事務局の方からのご回答できる範囲で説明をしていただきましたけど、どうぞ委員の方から、さらにご意見・ご質問があればいただきたいと思います。
 それでは、鷲谷委員、桜井委員の順でお願いをいたします。

【鷲谷委員】 今度は具体的な、こういう文言をつけ加えた方がいいのではないかという意見なのですけれども。90ページの、4行目から始まるところで「極めて自然度の高い地域について保護の対象とすること。優先度の高い地域から段階的に公園区域の拡充を図ります」とあるのですけれども、この後に、こういう原生的に近いところを孤立して守るという印象が、これだと強いものですから、その際、里山や里地との環境や生物移動の面でのつながりに配慮しますとか、そういうようなことを入れて、このことが国全体として原生的な自然を守るという意義ではなくて地域にも利益をもたらす視点のあり方というのを、多少はここににおわせる方がいいのではないかと思います。原生的な自然が残っている場所をしっかりと守っていくということは大変重要なことだと思うのですが、そこに地域が積極的にかかわる余地というのをしっかりつくっておくことが重要だという、そういう観点からの意見です。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 桜井委員、お願いいたします。

【桜井委員】 301ページ39、40行目と、それから次のページの1、2行目ですけれども、ここのところの施策を見ますとバイオマスのことはかなり書かれていますけれども、最後に書かれた4行については、これに対する具体的な施策が書かれていないのですけれども。こういったところがところどころありますので、もし、こういう書き込みをされるのであれば、施策の概要となっていますから施策そのものが入るべきだと思いますので。細かいですけれども、お願いいたします。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。今のはご要望ですので。室長の方から、もし対応策があれば。

【鳥居生物多様性地球戦略企画室長】 ありがとうございました。鷲谷委員からのご指摘につきましては、91ページの自然公園の保護管理のところで11行目以降、「多くの関係者の協働による魅力的な国立公園づくりを進めるため」というところで、管理に多様な主体に参画をしていただくという趣旨の記述を書かせていただいてございます。
 ただ、これで十分なのかどうかというのは、もう一回、吟味をして、さらに加えるべきところがございましたら指定のところでも記述を検討させていただきたいと思います。
 それから、桜井委員のご指摘につきましては確かに抜けている部分がございますので、記述を検討させていただければと思います。
 以上です。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 それでは、1部、2部、さらには全体を振り返って、ご意見を賜りたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 磯崎委員、どうぞよろしくお願いいたします。

【磯崎委員】 内容的なことではないのですが、言葉遣いで。75ページ32行目で引用しているカルタヘナ議定書なのですが、後ろの方では「バイオセーフティーに関する」という正確な書き方をしていますので。この「遺伝子組換生物」だと正確ではないので、後ろに合わせた方がいいと思います。
 それから、「持続的利用」というのを「持続可能な利用」に変えたということなのですが、今ちらちら見ていたら、幾つか第2部の方で「持続的利用」という言葉が残っていますので、これはワープロで修正ができると思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 ほかに、どうぞ、ご意見をいただけたらと思いますが。
 森本委員、お願いいたします。

【森本委員】 全体を通してなのですが、環境教育の話なのですけれども、実は、一番最後の7節の循環型社会、低炭素社会の形成に向けた取組で、いろいろ統合的な取組が大事だということ、これは大変もっともなのですけれども、後に出てきている具体的施策の対応を見ていると、やはり、これでやっていますということだけになるとまずいのかなと。
 この中で1つ、全くこれまで議論されてこなかったのが環境教育の視点なのかなと。環境教育というのは、確かに、これまでに自然体験だとか自然学習だとかエコツーリズムとかいろいろありまして、それはそれで大変有意義なのですけど、生き物だけの環境教育、あるいはごみを捨てない環境教育とかエネルギーを使わない環境教育、そういう環境教育というのは、やらないよりやった方がいいですよという、そういうレベルでどうもとらえられがちなところがあると思うのですけど、実は、本当は小さい子どもから大人まで、いろいろ統合的にとらえるシステム工学的な視点というか、そういう視点をちゃんと身につけるということ。それから、もう一つはリスクだとか、これから取り得るオプション、シナリオ、これをちゃんと考え得る能力がある人材をつくる。それから、実際にリスク0というのはあり得ないところで、統計だとか期待値だとかリスク評価がちゃんとできて、いろいろなオプションをつくっていける人材をつくっていくという、本当は大きな目標があると思うのです、環境教育というのは。その視点が、どうも個々の施策まで落ちていくと入ってこないというか。
 倫理観を求める、それから自然体験でいろいろボキャブラリーを増やす、これは大変大事なところなのですけど、そういう本当の思考のパターンというか、システム工学的な考え方をちゃんとやっていくという、それは、どこが実はやるべきで、指導要領にはどこまで書いてあるのだろうというのがいつも気になっていまして。生物多様性のものにとどまらないのです、これは。だから、この戦略に全部書けるということは多分難しいとは思うのですけど、最後に統合的な取組の推進というのが出てきていましたから、こういうようなところに、どこかそういう視点を取り入れられないかなと。今さらあれなのですけど、そう思いました。単に意見ですので、これから反映していただければと思います。

【熊谷委員長】 ほかにございますか。よろしいでしょうか。
 どうぞ、福田委員、お願いいたします。

【福田委員】 しつこいようなのですが、今、森本先生も環境教育が大切だということをいろいろ話されておられますが、それと同じように、大切だと思うのでいいたいのですが、消えてしまった幼児向けの環境教育のことです。幼い頃からの教育というものは本当に大事だと思います。ですから、私が非常に疑問で残念なのは単に予算がつかないからということだけで切ってしまうということです。私は、いつも子どもたちを山に連れていって思うことは、本当に山は自然は総合教育の場だということです。ですから、今までいろいろなことを皆さんで議論されていたことが凝縮されてあると思っています。ですから何とか、ここで簡単に切ってしまうのではなくて、何か考えていただきたいと思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 ほかに、どうぞ、ご意見がございましたら。よろしいでしょうか。
(なし)

【熊谷委員長】 大変、ありがとうございました。先ほど事務局が説明をいたしましたけれども、早々にパブリックコメントを行った上で、さらに合同部会で議論していく予定でございます。本日の議論を踏まえた修正については、今、最後にもご意見があったように、委員の方々のご意見を踏まえて十分に各省と折衝していただいて、できるだけいい方向に修正をしていただけたらと思いますし、事務局の環境省と私の方に今後の修正等についてはお任せをいただけたらというふうに思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)

【熊谷委員長】 ありがとうございます。それでは、そのように扱わせていただきます。
 なお、本日、言い残されたご意見もあろうかと思います。また、本日ご欠席の委員の方もいらっしゃいますので、パブリックコメント開始時に各委員にも国家戦略(案)を送付していただきますので、それを確認していただいて、ご意見があればパブコメ期間中に事務局までご提出をしていただければありがたいと思います。
 パブコメの意見とあわせまして戦略(案)を修正し、パブコメ終了後に開催する合同部会に提示していただこうというふうに考えております。
 本日は、もう一つ議題がございます。報告事項ではございますが、議題2、生物多様性条約ポスト2010年目標、日本提案(案)について、事務局から説明をお願いいたします。

【事務局】 それでは、お手元の資料3をごらんください。生物多様性条約ポスト2010年目標と銘打っておるものでございます。
 この目標でございますけれども、2002年にオランダのハーグで開かれました第6回の締約国会議で採択されてございます。これは、条約全体の目標といたしまして、世界、地域、国レベルにおいて、現在の生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減退させるという目標、ミッションでございますけれども、採択されてございます。
 期限が2010年までということでございますので、来年の名古屋で開かれますCOP10では、それ以降の新たな目標、それを「ポスト2010年目標」というふうに称してございますけれども、それが採択される予定でございます。日本は議長国として、今年中にポスト2010年目標に関する日本からの提案ということで、条約事務局に提出をしようというふうに考えている次第でございます。
 現在の2010年目標の問題点ですけれども、非常に抽象的で明確さに欠けるとか、客観的、あるいは、どこまで達成できているのかを把握するための数値的な評価手法が欠如しているとか、ここに書いてございますような問題点が指摘されております。また、2010年までに顕著に減退させるということ自体が非常に困難であるというふうにも言われております。
 ポスト2010年目標の基本的な方向性といたしましては、意欲的、現実的、計測可能、短期目標と長期目標の設定といったもの、さらに、わかりやすく行動志向的なものとするということがCOP9で決議されております。
 こういうことを踏まえまして、日本からの提案は多くの主体による条約の実施促進、人類の福利や経済的側面、自然との共生といった視点を盛り込むということを考えております。
 これまでの経緯でございますけれども、外務省や環境省などが中心になりまして5月から7月にかけ有識者ヒアリング、あるいは8月からはNGOや研究者の方々との意見交換会を月1回程度開催いたしまして、今年の10月に関係省庁連絡会議で日本提案の素案というものを取りまとめました。それを踏まえまして、10月15、16日の2日間にわたり神戸で海外からのゲストを招いた国際対話というものを催しまして、そのうちの1日に日本提案について議論をいたしました。
 内容につきましては、後ほど引き続いてご説明いたしますけれども、今後のスケジュールといたしましては、現在、この日本提案に対する一般の方々からの意見募集を行ってございます。11月27日――間もなくですけれども――の期限で行っておりますけれども、ここで出された意見、あるいは12月中旬にアジアの各国を集めて東京でポスト2010年目標に関するワークショップを開催する予定にしております。これは条約事務局と一緒にやる予定をしております。そこで出された意見などを踏まえまして、年内中に日本提案を条約事務局の方に提出する予定でございます。
 それ以降、来年の1月にはイギリスでもポスト2010年目標に関する国際ワークショップがありますし、ノルウェーのトロンハイムでも会合がございます。
 その後、5月にはSBSTTA(科学技術補助機関会合)がナイロビで開かれる予定ですけれども、ここで具体的な事務局からの提案というものが出されます。そこでの議論を踏まえて、来年10月のCOP10で案文が提示されるという運びになります。
 続きまして、次のページで日本からの提案の要点でございますけれども、わかりやすくするということで、構造は2050年を目標とする中長期目標。それから、それを達成するための2020年を目途とする短期目標というふうなものを設けました。さらに短期目標の具体化ということで9つの個別の目標を設定し、具体的な達成手法として32の達成手法を掲げてございます。達成手法の具体的な施策・手法を列記しておりますとともに、幾つかのものにつきましては、その達成度合いを数値的に把握できるような数値指標というものを設けました。ということで、できるだけわかりやすい構造に心がけたところでございます。
 それでは、中長期目標、短期目標について、ご説明をしたいと思います。
 中長期目標でございますけれども、右の方に全文が3ページに書いてございますので、これと見比べていただければと思いますが、ポイントは3つございます。人と自然の共生を実現、そして生物多様性の損失を止め、現状以上に豊かなものにする。さらに生態系サービスの恩恵を拡大していくというものでございます。
 背景となる絵がございますが、オレンジ色の帯のようなグラフでイメージを示しておりますけれども、生物多様性の損失というものを総合的にとらえた場合、現在でも非常にまだまだ損失が続いているわけでございますが、これを2050年までに回復に転じる。そして、2010年の時点と比べて、その時点より、より以上に豊かなものにしていく。どこで底を打つのかというところが必ずしも明確ではないのですけれども、できるだけ早い時点で底を打って上向きに向上させたいというものでございます。
 生物の種というものはいったん絶滅すれば、これはもう回復できないのですけれども、総合的にとらえる、例えば森林を増やしていく、あるいは絶滅のおそれのある種の絶滅要因を排除していくということで、トータルとしての生物多様性を回復させていこう、そして今より豊かなものにしていこうというものを目指そうというものでございます。
 短期目標は、その中長期目標を達成するためということで、2ページには掲げてございますけれども、3ページの方を見ていただきますと、中長期目標を達成するため[1]、[2]、[3]ということで3つの項目にまとめてございます。
 多様性の状態を科学的知見に基づき地球規模で分析・把握する。生態系サービスの恩恵に対する理解を社会に浸透させる。2つ目が保全に向けた活動の拡大、それから持続可能な利用の具体策を広く普及、そして悪影響を減少させる手法を構築というものです。3つ目が、多様性の主流化を図って多様な主体が新たな活動を実践するというものです。
 この短期目標の具体的な個別目標といたしまして5項目にわたり9つの個別目標を掲げてございます。
 まず1つ目が生物多様性への影響が間接的で広範な主体に関連する目標で、ここでは2つの個別目標を掲げております。Aといたしまして生物多様性の保全と持続可能な利用に対する多様な主体の参加を促進する。Bといたしまして開発事業、貧困対策と生態系の保全を調和させるための手法を普及・確立させる。この2つでございます。
 1ページめくっていただきまして、4ページをごらんください。
 今申しました例えばAを見ていただきますと達成手法が3つ掲げてございます。1つ目、国際機関、国、地方公共団体、企業、学識経験者、NGO、市民等の参画・協働・活動を推進するというものでございます。Ex、事例として掲げてございますのは、ここに[1]から[6]まで、こういう具体的な手法が考えられるということを提案しております。さらに、その下に数値指標A1と書いてありますけれども、このA1の達成手法の達成度合いを見る物差しといたしまして、例えば生物多様性戦略、企業、NGO等の各主体が自主的に策定する行動計画、そういったものの作成の数、そういったものが指標になるのではないかという提案でございます。
 この資料の9ページをごらんください。注書きがございます。日本提案の特徴にもかかわるものでございますけれども、「このExは達成手法の具体的な例示であり、以下の3つを想定しています」ということです。これは日本政府や自治体、NGO等の先進事例で他の先進国の実施も推奨されるもの。あるいは我が国のODA事業等により途上国での実施を資金面、技術面でも支援し得るもの。3番目が国際機関、国際的NGO等による国際的な取組が推奨されるもの。こういったものをEx、事例として例示させていただいたというものでございます。
 それから(注)2でございますけれども、達成手法や事例、数値指標については、必ずしも各国共通のものとして設定するのではなく、その実施、適用は各国、各組織の実態に応じて対応することも想定している。
 つまり、ここにたくさんの達成手法とか事例を掲げてございますけれども、それぞれの国によって、いろいろな社会的背景、経済状況とかが違いますので、もちろん共通のものが少しでも多くできればいいのですけれども、それぞれの国の事情によって、できるだけ多くの達成手法を具体的に国家戦略に掲げるとか、数値指標に沿って達成状況を把握してもらうということが重要ということを書いてございます。
 こういう報告を今後、条約事務局に数値指標の達成状況などを各国が提示することによって、この中長期目標に向けた動きがどれぐらいのスピードで進んでいるのかという傾向を把握することができるのではないかというふうに考えております。
 説明が長くなりましたけれども、3ページの(2)の方へ戻ります。
 2つ目の個別目標は生物多様性への影響が直接的で対象が限定される目標でございます。個別目標といたしましては2つ。
 まず1つ目が生物資源を用いる農林水産業などの活動において、持続可能な方法による生産の比率を高める。2つ目が生物多様性への脅威に対する対策を速やかに講じるというものです。
 5ページのDをごらんください。生物多様性への脅威に対する対策を速やかに講じるという個別目標につきましては、D1からD4までの4つの達成手法を記述してございます。1つ目が侵略的外来種について適切な対策を講じる。2つ目が気候変動の緩和・適応について適切な対策を講じる。3つ目が有害化学物質、その他の汚染物質を適切に管理し、その生物多様性への影響を最小化する。4つ目が絶滅のおそれのある種に対する脅威を軽減する。こういった内容でございます。
 これは生物多様性そのものへの脅威ということで、現行の2010年目標にも同様の記述がございますけれども、こういう形で位置づけをさせていただきました。
 3ページに戻りまして、3番目、生物多様性の状態、それ自体を改善するための目標でございます。これは個別目標Eといたしまして生物種を保全する活動を拡充し、生態系が保全される面積を拡大するというものでございます。
 Eのところを見ていただきますと、6ページでございます。ここではE1からE5まで5つの達成手法が書いてございますけれども、例えばE1を見ていただきますと、生態系保全の手法として、国有地化や国の直接管理に加えて、地域の多様な主体と連携・協力した保護管理システムに基づく保護区の面積を拡大する。これは日本における、例えば国立公園の管理で多様な主体が参画する保護管理というものを、より広く世界にも広めていきたいという思いから、このような書きぶりをさせていただいているものでございます。
 3ページに戻りまして、(4)生物多様性が人間にもたらす恩恵に関する目標でございます。個別目標は1つ。生態系サービスの恩恵を享受するための仕組みを整備し、人類の福利向上への貢献を図るでございます。
 これにつきましては、7ページにF1からF3まで3つの達成手法がございますが、例えばF3では二次的自然環境の持続可能な利用など、生態系サービスの恩恵を享受するとともに、その保全を図るための活動をさらに促進させるということで、COP10で世界への発信を考えておりますSATOYAMAイニシアティブなども、この中に事例として位置づけさせていただいております。
 最後に3ページへ戻りますが、上記の目標を効果的に実現するための目標といたしまして3つの個別目標がございます。伝統的知識の保護とABSの取組を促進するための体制の整備。それからHは地球規模で生物多様性、生態系サービスの状態を的確に把握、その結果を科学的知見に基づき分析・評価する。そして、それに対する認識を広め理解を促進するというもの。
 最後のIが、資金的、人的、科学的、技術的な能力の向上というものでございます。
 9ページの5で、この日本提案につきましての目標の実施、報告、見直しについて記載をしております。各締約国は本目標を踏まえ国家戦略を策定、または改定を行う。その際、可能な限り本目標の数値指標を盛り込む。それから報告です。各締約国は国別報告書の提出に加えて、国家戦略に目標として盛り込まれなかった数値指標を含め、本目標の数値指標を用いた進捗状況を定期的に締約国会議に提出する。見直し、達成手法、事例、数値指標は、新たな情報や技術の利用可能性に応じて追加・修正などの見直しを行う。2020年には個別目標の達成状況の評価を行い、今回定めた2050年までの目標達成に向けた2030年までの新たな目標の策定を行う。
 以上が、ポスト2010年目標に向けた日本からの提案ということで、現在、パブリックコメントに付されているものの内容のご紹介でございます。
 以上です。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 ただいまの報告について、ご質問等ございましたらお願いをしたいと思います。
 浜本委員、お願いします。

【浜本委員】 個別目標のところの(1)個別目標Aのところなのですが、そこの中の4ページの達成手法のA3のところの[4]に環境教育という言葉が出てくるのですけれども、環境教育は「手法」なのですか。日本からの提案として出される場合の、ここで言っている環境教育というのは、どういうことをイメージして書かれているのかなと、すごく疑問に思います。
 先ほど、森本委員の方からも前の戦略のところで出ましたけれども、すべてにおいて理解をしたり、かかわり方を決めたりというところにかかわってくるための教育全般的なこと、環境に関することを環境教育、私はその現場で仕事をしているのですけれども、手法で「環境教育」と書かれると、何か、やることが自然体験とかに限定されてしまうような感じがします。
 途上国に関することに関しても、モニタリングのところでも、すべてにおいて、そういうことを実践していく人材や、社会的な考え方をつくるために環境教育というものがあるという考えに基づいてのものであればわかるのですが、ただ単に情報の共有化をするための、住民の参加を促すための手法として[4]に環境教育という言葉を入れるのであれば、これは日本から世界に提案するということの中では非常に視野が狭いような気がするのですが、少しこのあたりをお聞かせ願いたいと思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。これも、ご意見、ご質問をいただいて、まとめてお答えをさせていただいた方がよろしいかと思いますので。
 鷲谷委員、お願いをいたします。

【鷲谷委員】 中長期的な目標についてなのですが、現実を直視し、とても線形とは言えない、つまり加速度的な生物多様性の衰退を目の当たりにしている者にとっては、かなり矛盾をはらんだ表現のような印象を受けるのです。
 説明の中でもおっしゃっておりましたけれども、2050年といったら、あるいは、その途中ぐらいの25年にしても、大変比率の高い絶滅というものが起こっていて、不可逆的な生態系変化も多く起こった後なのです。それで再生の努力をして豊かにするといっても、とても今まで以上に豊かというものができるわけはない。きっと科学的に評価しても、そういう結論を出さざるを得ないのではないかと思うのですけれども。このタイムテーブルとここに書いてあることが、なかなか現状からかけ離れた、持続可能な社会をつくるための目標というよりは、何か「達成した」ということを言えることだけを重視して、ややあいまいな形の表現にした目標のような印象を受けてしまうのですけれども。中長期といったときに2050年ということを目標にしないといけないのか。
 例えば、損失を止めるのは、もっと早く止めないと、とても、その後の豊かにするとか生態系サービスの享受を持続的な形で拡大させるということができなくなるのではないかと思うのです。だから、目標を2025年にして短期が2017年だったら、まだ、この文言も多少は生きてくるとは思うのですが。損失を止める年限と、それから豊かにして生態系サービスを拡大していくという目標とは別の次元を設定する方が適切ではないかとも思います。
 いずれにしても、読んだときにすごくわかりにくいし、現状を認識しているのだろうかというふうに思ってしまうような中長期目標になっているような気がいたします。
 以上です。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 ほかに、どなたかご意見はございますか。よろしいですか。
 それでは、ご質問をお考えいただく間に、今のお二人のご意見に対して。環境教育が手法かどうかというご指摘だと思いますけど、それと目標設定と内容について。
 では、室長の方からお願いいたします。

【鳥居生物多様性地球戦略企画室長】 浜本委員からの環境教育、4ページ、達成手法A3のところの事例の[4]のところでございます。確かに、環境教育という言葉自体がすごく概念が広いものを、ここの事例のところに入れてしまうということについて、もう少し考えさせていただいて、この言葉でない、それから環境教育自体を、もう少しどこかにきちんと位置づけた方が、むしろ、多分そちらの方のご意見かなというふうにも思いますので、そこは検討させていただきたいというふうに思います。
 それから鷲谷委員からの、現状をきちんと認識した上での中長期目標かということかと思いますけれども、それから、あと損失を止めるということと、より現状以上に豊かにするというものの時点が必ずしも明確になっていないということだろうと思います。
 これは第9回の締約国会議で、資料の1ページにありますようにポスト2010年目標の基本的方向性というのが示されているわけなのです。「意欲的で現実的」というところが相矛盾するような書きぶりにもなっておりまして、なかなか悩ましいところではございます。ただ、現状よりも豊かにするということで、どちらかというと意欲的ということに応えたいというふうに思いまして、そのような記述をさせていただきました。
 ただ、現状はまだまだ損失は進んでいるという、マイナスのベクトルで生物多様性の損失というものが進んでいるわけでございますので、これをどこかで止めないと、当然、今よりよくならないわけでございます。それを、どこで止めるのかということにつきまして、これは内部でもいろいろ議論があったのですけれども、2020年ぐらいをめどに止められないのかというような話もありました。
 なかなか、現状を見ると、そう楽観的には言えないのではないかというようなことで、そこは、必ずしも、どこで底を打つかということについては明確に触れられなかったというものでございます。ただし、回復には当然、損失よりもさらに時間がかかりますので、できるだけ早く底を打ち、生物多様性の状況をプラスのベクトルに変えて現状より豊かなものにしていこうということで意欲的な目標にさせていただいたというものでございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。これは2050年の長期目標、あるいは2020年の短期目標についてはCOP9で十分に締約国の、そういう国際的な意味での理解も得られている。ですから、必ずしも生物多様性が非常に危機的な状況にある場面に焦点を当てているのではなくて、世界全体での、地球規模での目標を2050年にしたと、こういう理解でよろしいでしょうか。それで、それは国際的な理解が得られて、中でも結構議論はあったのですか。今、鷲谷先生が言われたように2050年は少し長過ぎると。その辺は、いかがでしょうか。

【鳥居生物多様性地球戦略企画室長】 2段階の目標設定にすべきだという議論です。現在の計画というのは、これは2002年に策定したものですから、8年後を設定した。それだけだったのです。
 そうではなくて、やはり中長期の、どういう状態に置くかというものを設定した上で、より現実的な目標を設定すべきだろうということが前回の締約国会議でも議論をされて、その方向で進んでおります。
 あと、ポスト2010年目標が、どんな形で今後議論が進むのかということなのですが、条約事務局では世界各国、また国際機関の意見を聴取しております。日本が極めて具体的な意見を提出しようとしている、言ってみれば唯一の国です。正式な提案は12月末ということですけれども、最終合意はされていないけれども、こんなことを考えているのだということは条約事務局ですとか主要国には提示をして、各国からは、非常に具体的な提案を早い段階で、固まっていないにしろ出してくれていることを非常に評価するということが国際的に言われております。
 今後のプロセスなのですが、事務局では年末までいろいろな場面で各国の意見を聞きながら、年が明けて1月から2月にかけて事務局としての公式な提案を出すと言っております。事務局の提案の中に、いかに日本の提案を入れ込むかということが大事なものですから、パブコメも終わって、最終的な政府の提案になる前からいろいろな形で働きかけをしているというところでございます。
 事務局提案が出た後はそれを、資料にも書いてございますけれども国際的な会議の場、さらには5月にSBSTTAの会合が開かれますので、そういったところで議論をされて、10月の会議に向けた決議案という形ができ上がってきます。10月、さらに各国の議論を経て最終的に採択されるという流れで進んでいくということでございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。そういうことでございますので。
 どうぞ、まだ十分に検討に値する内容だということでございますので、ご意見があれば、
 森本委員、お願いいたします。

【森本委員】 個別目標Eのところで都市の問題が出てくるのですけど、都市というのは当然、生物多様性に関する保全のメインのフィールドではないのですけど、実際に取り組める人も多いし、あるいは、それに享受するところもあるわけで、外から持ってこられない生態系サービスという、そういうものを享受する場所でもありますので、そういうことを考えると、ここに書かれているのは緑地面積の拡大、それから水質改善というようなキーワードが出てきているのですけれども、確かに面積は大事なファクターなのですけど、もともとの都市が立地していた自然環境というのに配慮した生態系保全というような視点が本当はほしいなと実は思っています。
 というのは、都市が立地しているのは氾濫源とかが多くて、絶滅危機に瀕している生き物も、実は本来そういうところを生息地にしていたというのもかなり多くて、そういうようなものとうまくやっていくためには、単に緑地の面積というのを確保して、それを立入禁止型で保護するというのが、実はあまり戦略的には得策ではない面もあって、むしろ、うまくマネジメントしていくとか、要するに、自然性をうまく活かした緑地の保全を都市で進めるというのが、これから必要ではないかと思っています。
 例えば、極端気象の増加に伴う氾濫のリスクみたいなものもありますけれども、そういうものを一定程度、緑地で担保するとか、そういう意味もあって、排水の適切な処理・強化とあるのですけど、読めないこともないのですが、これは従来の生態系の機能を活かした形での意味なら同意できるのですけど、いわゆる水をすぐ海に流してしまう、人目につかないように流してしまうような設備をどんどん強化するというのはあまり生物多様性には関係ないわけで、緑地面積だけではなくて質の問題をうまく言う方法というのですか、それが工夫されればいいなと思っているのです。
 だから、読めないこともないのですけど、もう一つ、これだとわからないかなと。もともとの都市が立地していた自然環境というか、そういうものに配慮した緑地面積の確保とか、そういうようなことが実質的には課題になるのかなと思うのですけれども。
 あまりうまく説明できなくて申しわけありません。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 石坂委員、お願いいたします。

【石坂委員】 これが、そのまま国際的な合意になるかどうかというのはわかりませんけれども、我が国の考えた目標としては、1つの大変大切なアプローチをしていますので、それなりの評価はあると思います。
 2010年目標というのが、具体性のない、スピードを落とすという程度の目標でありましたから、新しい目標を、どういう角度で、どういうアプローチでつくるかというのは、いろいろな意見があるでしょうし、どういう合意を見るかというのはよくわからない、そういう面がにたくさんあるのだろうと思います。
 その中で、こういう切り口でもって、――切り口と申し上げるのは、今ご説明いただいた9ページの(注)のところにあるところです、これが日本の切り口であって、要するに、我が国がやっているもの、我が国が支援できるもの、そして、いろいろな国でやっている、あるいは、いろいろな機関がやっていることで推奨できるもの、そうしたものを集めながら、それで国際的に貢献できるものを構成していったものがこういうものだと、そういう切り口なのでしょう。極めていいと私は思います。
 ただ、これだけでいいのかという問題はあります。つまり、何らかの絶対的な基準というのが要るのではないだろうかと。絶滅のスピードを落とせというのでは基準になりませんけれども、例えば、緑地がどれくらいなければいけないとか、あるいは絶滅危惧種が、どのくらいのものでなければならないのだとか、そういう絶対的な指標も恐らく何らかの形で要るのだろうと思うのです。それが2020年になるのか、あるいは2050年になるのかというのは、これは議論しなくてはいけないでしょうけれども。日本提案は、僕はこれでいいと思いますけれども、しかし、同時に、そういうふうな問題も必ず議論の対象になるだろうと。それを、どういうふうに考えていくのかということは大事なところだと思います。
 それから、もう一つは指標とか目標をどういうふうに立てるにせよ、それだけではことはならないわけで、そこから世界全体として条約として合意できるものが、この分野ではこういうものがある、こういうものがあるというふうな形に進展していかないと実効性が上がってこないわけです。だから、そういうことに向けての戦略なり努力なり、そういったものを見極めたアプローチしていただく必要があると思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 よろしいですか。それでは、事務局から、ご質問に対するお答えをお願いしたいと思います。

【鳥居生物多様性地球戦略企画室長】 森本委員からの、都市の立地している自然環境を尊重した都市の開発なり管理ということだと思うのですけれども、ここにつきまして、今、具体的にどういうふうな書きぶりで対応できるかというのが思いつかないので、これにつきましては検討させていただきたいというふうに思います。
 それから、石坂委員からのご指摘につきまして、確かに、日本らしさ、議長国としての日本からの提案ということで、この注書きに書いてあるような視点でまとめているわけですけれども、当然これが国際会議の場になりますと、いろいろな意見が途上国、もちろん先進国からも出て、最終的には全世界に共通するような取組の方向、具体的手法なども盛り込まれたポスト2010年目標ということになると思います。
 そういうことで、最終的にできたポスト2010年目標というものを踏まえた、また国内での取組というのは、さらに平成24年を目途に、先ほどご議論いただいた国家戦略の見直しというものに発展させていって、日本としての、国内だけではなくて国際的な貢献にもつなげていきたいというふうに思っております。
 以上です。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 それでは、審議官、お願いいたします。

【渡邊大臣官房審議官】 森本委員からあった緑地の部分ですけれども、今、パブリックコメントをまさにやっている最中で、緑地について、面積だけではなくて質の面であるとか、あるいは機能の面をもう少し盛り込めないかという意見もいただきつつありますので、そういった意見も含め、どんな盛り込みができるか考えていきたいと思っています。
 今、室長からもありましたように、石坂委員の指摘のあった、世界で合意した目標なり指標を日本がどう達成していくか、アジアや世界がどう達成していくかという部分で、日本として、議長国として、そういう面でも国内・国際的な目標達成に向けての効果的な施策を打ち出していくということは、とても重要な課題だと思っています。
 以上です。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 磯崎委員、お願いいたします。

【磯崎委員】 先ほど説明された6ページのEのところで、自然公園法の場合の協力の話だけだったのですが、考えていらっしゃるのかもしれないですけれども、民間の土地所有者との間での緑化協定のようなものも、1つ事例としては使えるのかなと思います。
 それから、これは危惧するところなのですが、一番最後のIの目標との関連で、生物多様性条約の第1条が条約の目的達成の手法として、特にABSからの資金、それから知財と重なってくる問題ですがバイオテクノロジーを含んだ技術移転、それと資金供与、それらの手法を通じて目的達成をするという書き方がされていることとの関連で、もしかすると途上国からは、このIを、今の3つとの関連でもっとリンクをさせてというような意見が出てきたときに、どう対処するか考えておいた方がいいのかなと思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。ご意見として十分に承っていただきたいと思います。
 ほかに、何かございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
(なし)

【熊谷委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは、最後に事務局から何かございましたらお願いをしたいと思います。

【自然環境局長】 本当に、第1回の7月のときから、ほぼ毎月開催していただきまして、大変ご熱心にご議論いただきましてありがとうございました。
 最初にもお話ししましたように、今回の見直しというのは、生物多様性基本法ができたということによる時点の修正もありますけれども、我々としては、やはりCOP10を迎えるにふさわしい戦略をつくりたいという意気込みでございました。
 そういう意味で、まず第一は国内の施策を、この機に一層充実・強化したいということでございまして、今日もいろいろご指摘をいただきました。ものによっては、さらに関係省庁とも議論しないといけない点もありますけれども、国内の施策の充実については、できるだけ頑張っていきたいというふうに思っています。
 もう一つは、やはりCOP10ということで国際的な視野ということだと思います。生物多様性というのは、グローバルに見ますと途上国で急速に失われていっているということがございます。そういう意味で、今もご議論いただきましたけれども、目標につきましても途上国の多様性の損失がとまるように、そういう施策に結びつくようにということで目標も提案したいということで、ご説明したところでございます。
 ただ、目標ができただけでは困りますので、これから途上国において目標に沿ってきちんとした施策がつくられる、そのためには人的な支援も必要でしょうし、いわゆるキャパシティービルディングということが必要になってくる、そういうのをどうするのかという問題もございます。
 それから、それとリンクしていますけれども、モニタリングとか実際の生物多様性を把握する指標をつくろうと言っているわけですけれども、指標を実際に見る人材もいない、やり方もわからないというのが途上国の多数を占めているということがございます。
 世界各国には里山のような伝統的な手法でやっている持続可能な生産方法もありますけれども、現実には時代おくれという形で整理されて、どんどん失われていっている。やや短期的な利潤追求に走った中で持続可能性が失われるような生産活動とか生活活動が進んでいるという問題もあります。
 そうしたものを、少しでも日本もお手伝いして改善していきたいという国際貢献の観点を今回かなり強く盛り込んだつもりでおります。
 ただ、実際上、まだ議論が途上になっているものとか、幾つかのものについては予算要求を来年度しているのですが、明日、明後日と仕分けにかかっているという問題もございまして、これが実際、さっきもいろいろ議論がありましたけれども、予算的に措置をされるかという問題もございます。ただ、せっかくの開催国でありますので、国内施策を充実させるとともに途上国の施策もお手伝いするような形で取り組んでいきたいというふうに思っています。
 委員長から最初にお話がありましたように、こうしたところも交えて委員長とご相談しながら中身については必要な修正を行いまして、パブリックコメントの結果も反映させていただきながら、また合同部会でまたご議論いただいて、いいものをつくりたいというふうに思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

【熊谷委員長】 鈴木自然環境局長、どうもありがとうございました。本日で小委員会の方は終了ということになろうかと思います。大変ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして第4回小委員会を閉会とさせていただきます。本日は、誠にありがとうございました。
 事務局にお返しをいたしますので、連絡事項等がございましたらお願いをいたします。

【事務局】 長時間にわたるご審議ありがとうございました。本日で小委員会は最終回でございます。お忙しい中の小委員会へのご出席、誠にありがとうございました。
 次回は自然環境・野生生物合同部会の開催となりますが、1月下旬以降の開催をめどに日程調整をさせていただきます。何とぞ、よろしくお願い申し上げます。
 また、本日、委員の先生方のお机の上に、この「地球のいのち、つないでいこう 生物多様性」のバッヂを置いてございます。ご活用いただければ幸いでございます。
 なお、本日配付の資料につきましても、郵送ご希望の委員の方は封筒にお名前をお書きの上、机に置いていただければ事務局から郵送させていただきます。
 本日は、どうもありがとうございました。