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■議事録一覧■

平成21年度 中央環境審議会 自然環境・野生生物合同部会
生物多様性国家戦略小委員会(第4回)
議事要旨


1.日時

平成21年11月24日(火)09:30〜12:00

2.場所

三田共用会議所 3階大会議室

3.出席者

(委員長)
熊谷洋一
(委員)
有路信、石坂匡身、磯崎博司、川名英子、桜井泰憲、中道宏、西岡秀三、浜本奈鼓、福田珠子、森本幸裕、鷲谷いづみ(五十音順、敬称略)
(事務局)
環境省:
自然環境局長、大臣官房審議官(自然環境担当)、参与、自然環境局自然環境計画課長、生物多様性地球戦略企画室長他

4.議事要旨

(1)生物多様性国家戦略2010(案)の検討

生物多様性地球戦略企画室長より、資料を用いて以下について説明。

(主な質疑・意見)
○第1部
生物多様性の要素と影響を与えている要因の関係について、効果的・効率的な対策をもう少し具体的にすべき。例えば、温暖化の適応策として、生態系ネットワークのみが強調されているが、個体群の遺伝的多様性の確保は、適応進化による絶滅の回避という点から重要である。また、複合的要因等への対処を考えると、里地里山や水辺での対策がキーとなり、協働で取り組みやすい対策、効果が見える対策を盛り込んでいくことが重要であり、そういった観点から、外来種対策の地域での取組をサポートする姿勢が重要。
「進化による適応」の視点については、P19の34行目に記載しているが、外来種対策に関するご指摘など、全体を通じて反映できるか検討したい。
この戦略の一番のポイントはCOP10。COP10でわが国がどういう提案をするか、どういう方向に世界を動かしていくか、戦略の目玉とできるほどの書き込みが必要。(P75)
ポスト2010年目標の日本提案について、現在パブコメ中だが、もう少し踏み込んでポイントが出せないか各省と相談したい。
「氾濫原」というキーワードを入れたほうがよい。「氾濫原」にも配慮した生態系ネットワークの形成が必要。(P70、71)
水系のネットワークや流域全体の生態系の管理の大切さの中で、水系の要素として、湿原、湖沼などがあるが、氾濫原について、その中でふれられないか考えてみたい。
「暮らしの基礎」において、食と住はあるが、「衣」がないので、「衣」についても記載すべき。(P11)
どのように反映できるか検討する。
温暖化の原因の一つであるエネルギーについて、「化石燃料」という言葉を入れるべき。
エネルギーの視点については、P65の9行目以降に関連する記述があるが、さらに強く表現すべきところがないか検討してみたい。
重要な役割を果たしている吸収源としての国土保全の観点が足りない。
第1部で、指摘のとおり書き込めているか検討したい。なお、炭素固定の視点からの保全については、P78の30行目以降に一部記載がある。
バイオマスに関しては、森林だけでなく、泥炭湿地についても、バランスよく記載すべき。
○第2部
「海洋」の部分について、具体的な行動計画が見えてこない。もう少し具体的に記載できないか。P179の20行目「○順応的管理・・・」の記載を削除したのはなぜか。また、環境省の施策は書いてあるが、他省庁の施策が少ないように思う。(P179)
平成20年にできた海洋基本計画の中で基本的考えが示され、それに基づき各省庁で検討を進めているところ。引き続き検討を進めたい。海洋の生物多様性保全については、環境省として保全戦略づくりを始めている。P179の20行目の施策については、三次戦略後の海洋基本計画の策定を受け、P178の36行目の施策と統合した。
2章7節の循環型社会、低炭素社会の形成に向けた取組が追加されたことは評価するが、自然共生社会との統合という視点が、具体的施策では足りない気がする。生命と物質の循環を健全な状態に維持するために、循環型社会と低炭素社会をどう統合するのかというニュアンスが活きてくると、さらに良いものになる。
工夫してみたい。
温暖化の問題や吸収源の問題については、それぞれのところでは書かれているが、2章7節には書かれていないように思う。
2章6節が地球温暖化に対する取組であり、そこで吸収源対策について記載しているが、2章7節でも記載できないか検討してみたい。
バイオマスの活用については、食料や生物多様性とのバッティングがあり、そうした問題についてはP301の35行目「生物多様性に配慮しながら」という記述でカバーされているのかもしれないが、少し弱い気がする。(P301)
生物多様性へのマイナス影響を小さくする視点も大切だということを、もう少し明確に記載できないか考えてみたい。
都市緑地の果たす役割は大きいが、単に確保するだけでなく、どうやって適切に管理していくかという観点が重要。(P149)
維持管理することが重要であることは認識しており、何か書き足せないか国交省等と相談して検討してみたい。
「学校教育」について、さまざまな取組を盛り込んでいるが、「制度」として対応すべき点を盛り込まないと学校の取組は中途半端ものになる。(P248)
3行目の、「○さまざま・・・」は、なぜ削除したのか。(P250)
予算がつかなかったため。
幼児向けの教育は非常に重要。単に予算がつかなかったからといってやめるのではなく、何らかの対応をすべき。
第2部でも国内外来種についての記載を充実させるべき。
国内外来種についても、施策の記述の中で念頭にはおいているが、さらに記述ができないか検討してみたい。
国民参画について、国の方向性は分かったが、国民一人一人が具体的に何をすればよいのか分からない。(P236)
P236の「国民の行動リスト」の中で示していけたらと思う。国が一方的に示すのではなく、国民からも意見をいただきながらリストを増やしていきたい。また、消費者としての行動も書いているが、さらに丁寧に具体的に書き足せないか検討する。
4行目「○自然林と・・・」について、極めて自然度の高い地域についての記載があるが、原生自然に近いところを孤立して守る印象が強いので、里山とのつながりを配慮するなど、地域にも利益があるという視点を入れるべき。(P90)
P91の自然公園の保護管理のところで、管理に多様な主体が参加するという主旨で記載しているが、これで十分か検討してみたい。
バイオマスについて、施策の概要には記載があるのに、具体的施策には記載がないものがある。他の箇所にも当てはまる施策があれば追記すべき。(P301)
検討したい。
言葉の問題だが、P75の32行目のカルタヘナ議定書について、後段と同様に正式名称にすべき。また第2部に「持続的利用」という言葉が残っているので、第1部同様「持続可能な利用」とすべき。
環境教育については、たとえば、リスク評価をできる人材を確保することなどが重要である。もちろん自然にふれあったり、知識を増やすことも環境教育の重要な部分だが、思考パターンを教育するという視点も重要。

(2)生物多様性条約ポスト2010年目標日本提案(案)について(報告事項)

生物多様性地球戦略企画室長より、資料3を用いて、ポスト2010年目標日本提案について説明。

個別目標A2のEx[4]に「環境教育」とあるが、手法として書かれると、日本から世界に提案するものとしては非常に視野が狭くて、限定される気がする。
環境教育という広い概念をどう位置付けるかなど、もう少し検討させていただく。
中長期の目標だが、タイムテーブルと目標があまりにもかけ離れている。「生物多様性の損失を止める」と「生態系サービスの恩恵を持続的に拡大させていく」は分けて、別の時限を設定する必要がある。厳しい現状を認識するべき。
COP9において、ポスト2010年目標の基本的方向性として、「意欲的な」と「現実的な」という視点が示されているが、特に「意欲的」ということに応えたいという考えで記述した。なるべく早く損失を止め、生物多様性の状況をプラスに変えるという目標にした。日本は具体的な目標を提案している唯一の国であり、国際的に評価されている。条約事務局では、年明けから国際会議などで議論する予定。
都市の問題に関して、緑地面積を確保するというよりは、自然性をうまく生かした緑地保全を都市で進めることが必要。
検討してみたい。
ポスト2010年目標は、資料3のP9(注)の切り口で検討すると思うが、この切り口だけではなく、何らかの絶対的な基準が必要なのではないか。指標や目標を世界全体で合意できるものにしないと実効性がない。そういうことに向けて、戦略なり、努力なりを見極めてアプローチしていただきたい。
国際会議の場ではさまざまな意見が出て、最終的に全世界で合意できる目標になると思う。最終的な世界目標を受けての国内での取組は、国家戦略に反映させて、日本として国内外の取組を進めたい。
個別目標Eについて、民間の土地使用者との緑化協定のような事例が使えるのではないか。
個別目標Iについて、途上国から指摘があるかもしれないので、対応策も今から検討すべき。

(以上)