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■議事録一覧■

平成21年度 中央環境審議会 自然環境・野生生物合同部会
生物多様性国家戦略小委員会(第3回)
議事要旨


1.日時

平成21年9月30日(水)13:30〜16:00

2.場所

環境省 第一会議室

3.出席者

(委員長)
熊谷洋一
(委員)
有路信、石坂匡身、磯崎博司、大澤雅彦、岡島成行、川名英子、桜井泰憲、佐藤友美子、鹿野久男、土野守、中静透、中道宏、西岡秀三、浜本奈鼓、森本幸裕、山岸哲(五十音順、敬称略)
(事務局)
環境省:
自然環境局長、自然環境局自然環境計画課長、生物多様性地球戦略企画室長他

4.議事要旨

(1)生物多様性国家戦略(素案)の検討

生物多様性地球戦略企画室長より、資料を用いて以下について説明。

(主な質疑・意見)
○第1部第1章 生物多様性の重要性と理念
寄生虫など人間にとってやっかいな生きものをどうするのかについて記載するべき。
P17に事務局としての基本的考えを記載した。
○第1部第2章 生物多様性の現状と課題
生物学的な「適応」という言葉を置き換えたとのことだが、その場合の「適応」の本来的な意味は何か(P24)。
自然生態系分野においては、生物が環境の変化に対応して自発的に対応することや進化を通じて対応することを「適応」というと捉えている。温暖化への人の側の対応として使われる「適応」と混ぜると誤解を受けるおそれがあるので分けている。
生物多様性と地球温暖化との関連になるが、一つの環境問題を解決することが、別の環境問題を生むことがないようにしなければいけない。生物多様性とCO2の関係をもっと記載するべき(P24)。
生物多様性と気候変動の関係はCOP10でも重要な議題。記述が強化できないか検討したい。
具体的大学名があるが、書く必要があるのか。他の大学もいろいろな取組を行っており違和感がある(P44)。
○第1部第4章 生物多様性の保全及び持続可能な利用の基本方針
広報に関して、オゾン層や地球温暖化などそれまで知られていなかった言葉が、92年のリオサミットを契機として急速に知られるようになったように、報道の力は大きい。生物多様性についても、COP10を契機にメディアとの連携の強化を図るべき(P62)。
「生物多様性を社会に浸透させる」について、温暖化の問題と比べ、個人との関係や個人がなすべき取組が具体的に分かりにくい。ライフスタイルの転換を促すためには市民参加が重要であり、地域が主体となる具体的な取組が書き込めないか(P62)。
「すべての都道府県で早い段階で生物多様性地域戦略が策定されることが期待されます」とあり、都道府県が策定してからの方が市町村も参画しやすいという趣旨だと思うが、市町村の取組も重要と認識しており、表現を検討してもらいたい(P63)。
経済と生物多様性に関して、全体としてよく書けているが、生物多様性とオフセットというような視点についてどこかに記載できないか。また、戦略アセスは、オフセットのような取組と連動していないので、保全のための仕組みとしてはまだ機能していないことになると思うが、そういった点からも、どこかに戦略アセスのようなキーワードが出てこなくてもよいのかという認識がある。
教育に関しても、環境省の立場から、例えば自然公園を利用して生物多様性に関する一般的な教育を図るといった展開が必要ではないか(P64)。
「ビジネスと生物多様性イニシアティブ」とは何か(P64)。
ドイツ政府がCOP9で提案した企業の参加を促すためのイニシアティブ。日本でも民間参画ガイドラインを公表したが、これを社会に浸透させるためにどうすればいいのかを関係団体と検討していきたい。
環境教育のところで「放課後」とあるが、「学校教育」との対比で「それ以外の場所での教育」という意味だと思うが、限定的にも読めるので工夫が必要ではないか(P65)。
里地里山における二次林は、現在の社会では全部を維持するのは不可能という書き方だが、COP10後の改定を視野に入れ、より積極的な書き方はできないか。第2の危機の社会的構造は変わらない。これを受け入れたうえで、人手をかけないですむ森林の存在を積極的に位置づけ、もっと積極的に日本全体で国土保全に関して強い森林を作っていくということを重要視し、このような視点で勉強をしていくといったことを書いてもよいのではないか(P66)。
農業については、単に保全を重視するという視点だけでなく、生物多様性を確保することが安全性や持続性の点から農業の上でもメリットを生むということが国際的な流れになっており、それについてもっと意識した記載にするべき。また、林業については、間伐も大切だか、それよりも森林の適正な配置やネットワークが重要で効果があると思うので、これをさらに強調する必要があるのではないか(P67)。
「多様な野生生物をはぐくむ空間づくり」や「自然共生社会、循環型社会、低炭素社会の統合的な取組の推進」など、第1部で記載していることを、第2部で個々の施策にきちんと反映できるかどうかが重要。省内、関係省庁などと協力して、個々の施策とリンクさせ、国としての施策にするべき(P68、69)。
第2部行動計画にどう書き込んでいくのか、今回の意見を踏まえ、時間をかけて十分に検討していきたい。
種の保存法の施行状況の評価とあるが、レッドデータブックに記載された種が盗掘の対象になるなど、レッドデータブックが悪用されることもある。このような盗掘が、種を絶滅させる要因の一つではないか。こういう事態を認識していることについてあまり書かれていない。記載を強化するべき(P69)。
森・里・川・海のつながりを確保する取組については、条例を定めている自治体でも実際にはあまり動けていないところもある。広域的な取組も促していく必要があると思うが、こういうところも含めて、地域的なつながりを動かすための国家戦略の役割は何か(P70)。
「森・里・川・海のつながりを確保する」について、流域の視点が触れられているが、流砂系についても記載するべき。山から流れる砂が砂浜を形成しており、そういう物理的要因が生物多様性の基本となる環境を形成する場合もあり、このような視点も重要である(P72)。
都市緑地については、COP10でも「都市と生物多様性」が主要議題に挙げられており、ディフェンス的な思考ではなく、もっとインパクトがある前向きな書き方ができないか(P72)。
「沿岸・海洋域の保全・再生」について、排他的経済水域の外側についても記載するべき。また、例えばマグロやカツオなど国境を越えて移動する回遊魚の資源としてのあり方を具体的に記載するべき(P73)。
「地球規模の視野を持って行動する」について、日本はプランテーションなどで海外の自然を間接的に破壊している。国内だけでなく、海外の開発行為などについても責任を持つということを記載するべき(P74)。
「地球規模の視野を持って行動する」に掲げられた施策の中で、例えば、ポスト2010年目標を具体的にどういう目標とするかといった点や、SATOYAMAイニシアティブの共通理念とは何を意味するのかなどについては、交渉のため戦略上書けないところもあると思うが、もう少し政府としての基本的方針を書いた方がよい部分もあるのではないか(P74)。
ポスト2010年目標については、現在、関係省庁や団体などと日本の提案を検討しているが、中長期目標や、それを達成するための短期目標を掲げ、その具体的個別目標を設定し、進捗状況を図るための指標を設定することなどについて検討中。12月末までにある程度まとめたい。審議会でもなんらかの形で説明していきたい。
企業や科学者の例はあるが、NGOやメディアについても記載するべき(P75)。
ABSとカルタヘナ議定書の「責任と救済」については、COP10の重要議題であり、議論に貢献するということだけではなく、日本としてのある程度の方向性を出すような記述が必要ではないか(P75)。
SATOYAMAイニシアティブについては、世界に何を訴えるのかを明確にする必要がある。理念だけでなく、見通しをもって進めていかないと伝わらない(P76)。
現在、国際的な意見交換を進めているところであり、より分かりやすく、途上国が求めるものも踏まえ、ブラシュアップを進めていきたい。
国際的視点に関して、持続性、安全性のあるものを輸入することが輸出国の生物多様性にも貢献することを追記するべき(P78)。
途上国からの輸入などに関して、戦略のどの部分に記載できるか検討したい。
防災と生物多様性について、どういう風にとらえていくのか。例えば、生物多様性のためには、河川の氾濫もある程度許容するといった考え方も必要ではないか。
生物多様性とは何かについては、生命倫理、環境倫理に関わる話で、意見が割れる問題だと認識している。生物多様性の重要性について、国民が考えざるをえないように、投げかける時代がきたのではないか。パンフレット等では、一般市民が疑問を持つ点について、考えられるようなインパクトのある書き方を考えてはどうか。
生物多様性が浸透しないのは、他人事だと皆が思っているから。ゴキブリ、ダニなど日常生活と生物多様性といった切り口から浸透を図ってみてはどうか。

(2)その他

生物多様性地球戦略企画室長より、資料3を用いて、スケジュールについて説明。

(以上)