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■議事録一覧■


平成19年度 中央環境審議会 自然環境・野生生物合同部会
生物多様性国家戦略小委員会(第6回)

議事録


1.日時

平成19年9月6日(木)15:00〜17:00

2.場所

環境省22階 第1会議室

3.出席者

(委員長)
熊谷洋一
(委員)
石坂匡身、大久保尚武、岡島成行、川名英子、桜井泰憲、佐藤友美子、鹿野久男、高橋佳孝、土野守、中道宏、服部明世、浜本奈鼓、速水亨、三浦愼悟、森戸哲、森本幸裕、山岸哲、和里田義雄 (五十音順、敬称略)
(事務局)
環境省:
自然環境局長、大臣官房審議官(自然環境担当)、自然環境局総務課長、自然環境計画課長、国立公園課長、野生生物課長、自然環境整備担当参事官、生物多様性地球戦略企画室長、鳥獣保護業務室長、外来生物対策室長、動物愛護管理室長、自然ふれあい推進室長、生物多様性センター長ほか

4.議題

(1)
第三次生物多様性国家戦略案の検討
(2)
その他

5.配付資料

  • 小委員会 座席表
  • 小委員会 名簿
  • 生物多様性国家戦略見直しのスケジュール(案)
資料1 第三次生物多様性国家戦略案 第1部(事務局案)
資料2 第三次生物多様性国家戦略案 第2部(事務局案)
資料3 第三次生物多様性国家戦略(全体構成)
[参考資料]
  • 新・生物多様性国家戦略
  • パンフレット いのちは創れない
  • 生物多様性国家戦略の見直しに関する資料集
  • 中央環境審議会関係法令等
※[参考資料]は委員にのみ配付

6.議事

【事務局】 定刻となりましたので、ただいまより、中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会第6回生物多様性国家戦略小委員会を開催いたします。
 本日の審議のためにお手元にお配りしている資料につきましては、1ページ目の議事次第の下にある配付資料一覧のとおりとなっておりますので、確認をお願いいたします。
 また、委員の皆様のお手元にのみ、参考資料といたしまして、新・生物多様性国家戦略、パンフレット『いのちは創れない』、生物多様性国家戦略の見直しに関する資料集、中央環境審議会関係法令の4点をお配りしています。配付漏れがございましたら、事務局にお申しつけください。
 それでは、これよりの議事進行につきましては、熊谷委員長にお願いいたします。熊谷委員長、よろしくお願いいたします。

【熊谷委員長】 はい、わかりました。
 それでは、ただいまから、第6回生物多様性国家戦略小委員会を開催いたします。
 本日で小委員会は最終回でございますが、5月29日の第1回小委員会から3カ月以上の間、6回の小委員会を開催いたしましたが、毎回ご熱心にお集まりいただき、中身の濃いご議論をいただいてきたことに感謝を申し上げます。
 本日の議題は、第三次生物多様性国家戦略案の検討でございますが、本日で小委員会としての案を取りまとめたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、まず事務局から説明をお願いいたします。

【亀澤生物多様性地球戦略企画室長】 地球戦略企画室長の亀澤でございます。私から、資料1と2に基づいて説明をさせていただきます。座って失礼をいたします。
 議事次第を2枚めくっていただいたスケジュールの次に資料1、これは第1部の関係ですが、あります。それから、別冊で、資料2で第2部を用意しております。前回小委員会の場でいただきましたご指摘と、その後お寄せいただいたご意見を中心に、全体的に見直して修正作業を行ってまいりました。今回は主な変更点を中心に説明をさせていただきます。
 まず第1部の構成ですけども、「目次」をごらんいただきたいと思いますが、場所が変わったといった大きな変更につきましては、第1章第2節「いのちと暮らしを支える生物多様性」、そこの初めにありましたMAとそれに基づく生態系サービス、これにつきましては、第2節の導入としては内容的にかたいというようなご指摘もありました。それを踏まえまして、その部分は、第2章の第4節「生物多様性の現状」の中の「世界の生物多様性」のところにおさまるところがありましたので、そちらに移しました。それにより、第1章の生物多様性の重要性につきましては、地球上の生命の多様性を書いた第1節から、暮らしとの関係を書いた第2節にかけて、うまく流れるようになったのではないかと思います。
 それから、全般的なこととして、表現がわかりにくい、あるいは難しい用語があるというようなご意見もいただきました。岡島委員からは、第1部全体をチェックしたものをお送りいただきました。全体を通して、難しい用語はやさしい言葉で言いかえるようにしたり、括弧書きで簡単な説明を加えたりいたしました。その一環として、言いかえが必要な片仮名言葉については、ご指摘がありましたように、日本語を先に書いて、その後ろに括弧書きで片仮名を書くというような順番にそろえました。また、漢字の「等」も平仮名の「など」に変えるとともに、なくても意味が通るところは外したりしました。
 続きまして、内容の主な変更箇所について幾つか紹介をしたいと思いますが、まず2ページの上の方、「前文」の中ですけども、「いきものにぎわいの国づくり」の「いきものにぎわい」について、キャッチフレーズとしてふさわしいのかどうか、ただ生きものがいっぱいいるというだけでなくて、バランスを表現すべき、あるいは説明なしでいきなり使われているといったようなご指摘をいただきました。ただ、簡潔でインパクトがあるフレーズで、これにかわる妙案もなかなかないというのが正直なところでありまして、「いきものにぎわい」の前に「人と自然とのより良いバランスが確保され、人と自然が共生することを通して恵み豊かな生物多様性をはぐくむ」、そういうものだという簡単な説明をつけ加えております。
 続きまして11ページに行きまして、第1章の第2節「いのちと暮らしを支える生物多様性」の2の「暮らしの基礎」、その中の「食べものや木材」の関係ですけども、11ページの下の方、速水委員からのご意見を踏まえまして、食料6割、木材8割の輸入の後に、世界的に生物多様性の損失が進む中で、わが国の消費が輸出国の生物多様性の犠牲とまでは書けなかったんですが、その恩恵の上に成り立っているということにひとりひとりが気付く必要があるということを書き加えました。
 続いて17ページに参りますが、第2章第1節、危機の構造の柱書きについて、3つの危機の下の「また」以下のところですけども、3つの危機を深刻にしていることとして並べた多様性の理解が進んでいないこと、それから科学的知見が不足していること、分野横断的な取組が十分でないこと、これについては大事なので、説明を加えるようにという中道委員のご意見を踏まえまして、[1]から[3]として、それぞれの状況などについて簡単な説明書きを加えております。
 続きまして、ちょっと飛びますが、42ページ、第3章、目標のところですけども、第1節の1「3つの目標」についてです。素案のときには、1つ目の目標である地域固有の動植物や生態系の保全というのが2つ目に書いておりました種の絶滅の回避というのを包含しているので、整理が必要、それから、現行戦略で出した3つの方向というものがないというようなご指摘を石坂委員からいただいておりました。これについては、素案のときの1つ目と2つ目の目標をくっつけて、[1]を生物多様性の保全の目標としました。[2]を世代を超えた持続可能な利用に関する目標といたしました。さらに、新たに3つ目として、社会のあり方ということで、多様性の保全と持続可能な利用を国際的な視点も含めて社会経済の中に組み込んでいくということを新たに加えました。
 こういう3つの目標とすることで、施策の大きな方向として掲げました多様性の社会への浸透ですとか、地球規模での行動という基本戦略につながっていくのではないかというふうに考えております。その上で、この3つの目標が相互に関連していることですとか、「また」以下では、現行戦略で掲げた3つの方向、保全の強化、自然再生、持続可能な利用とも絡めて、それぞれの目標が持つ意味を書き、[3]の目標については、ライフスタイルの転換というテーマを含めて社会経済の仕組みを考えることが重要と書いたところでございます。
 続きまして44ページへ参ります。第2節、グランドデザインのところです。前回、ここについてはいろいろとご意見をいただきました。その後森戸委員から、最初に100年計画を出すのは唐突な感じがする、陸域を4つに分けることとのバランスを考えると、海も分けるべき、素案のグランドデザインは断片的なイメージにすぎないといったようなご指摘とともに、具体的にこうすればいいだろうというような提案も送っていただきました。そういうことも踏まえまして、節の中の構成を組み立て直しまして、まず1で「生物多様性から見た国土のとらえ方」として、地域の区分をまず記述いたしました。2で「基本的な姿勢」として、前回お示しした100年計画、3としてグランドデザインを示すという形に改めました。
 まず1の国土のとらえ方では、陸域を4つ、海域を3に分けました。[2]の里地里山・田園地域については、森戸委員のほか前回中道委員からのご指摘も踏まえて、中間地域という言い方のかわりに田園地域をつけました。奥山に近い方から書いているということで、里山を前に書いております。それから、中間的な地域であるということは右側に書いておりまして、人工林が優先する地域を含むということも右側に括弧書きで書いたところでございます。
 それから海の方は、桜井委員からもご指摘がありましたし、沿岸・海洋域で1つだったものを、海岸を含めた沿岸域とその外側に広がる海洋域に分けました。
 それから島嶼については、鹿野委員から書き分けるようにというようなご意見がありました。島は沿岸域にも海洋域にもありますし、島という陸地のことを書くというようなこともあって、沿岸域、海洋域のどちらかで書くよりは、1つ別の区分として立てました。
 それから、2の「基本的な姿勢」ですけども、100年先を考えて、人の手でつくられた明治神宮の森を例に、自然を相手にする場合、少なくとも100年という歳月で考えることが重要ということを書いた上で、100年先を見通して考える上での基本的な姿勢を前回お示しした100年計画として書いております。
 [1]から[4]までは素案のときと同じですが、次の45ページの[5]のところでは、[4]で書いた順応的態度には、データの集積と、100年の間の意識や行動の変化を見込むことが必要なこと、具体的には森林環境税が全国に浸透するなど、100年の間には現在普及していない行動様式や制度が実現している可能性を考慮すべきことということを書き足しております。
 それから、その次のなお書きでは、前回、人口と気温だけが前提ではないだろうというようなご指摘もありました。それも踏まえまして、前提という書き方をとって、人口についてはこう、気温についてはこうと、それぞれの想定を書く形にしております。
 さらに、その下の「100年計画」の第一歩として、当面する5年間に取り組む基本戦略が第4章にあること、それから行動計画が第2部にあること、それと、グランドデザインは100年間全く変えないというわけではなくて、5年ごとの戦略見直しの機会、そのほかに10年というような節目を設けて見直しも考えることを書き足しております。
 続いて、3では、7つの地域ごとのグランドデザインに入る前に、まず国土全体の姿というのを書いております。[1]から[5]までほぼ新しく書き加えておりますが、[1]は、国土全体の生態系ネットワークがしっかりと形成されていること、奥山から海までをつなぐ河川や道路沿いの緑地、海岸、その他で横軸となっていること、それから次の46ページへ参りまして、[2]は、国土全体では種の絶滅リスクは低下し、外来種による新たなリスクの拡大がないこと、[3]では、農林水産業や企業活動などが持続可能な方法で行われることや、国内の自然資源の有効利用が進んでいること、[4]では、地球規模の視点として国境を越えたネットワークが形成されていることや、海外の資源への依存が減っていること、それから[5]として、社会のあり方ですけども、多様性の保全と持続可能な利用が社会の仕組みの中に組み込まれていることや、教育の充実、市民生活の関係では寄付などにも触れつつ、新しいライフスタイルについて記しているところでございます。
 続いての7つの地域ごとのグランドデザインについては、「現状」をまず書いて、その次に、新たに目指す方向として、こういう方向を目指すというようなことを簡潔に並べました。その上で、グランドデザインとしていたところは断片的なイメージであるというようなご指摘もありましたので、言い方を「望ましい地域のイメージ」といたしました。
 まず(1)の「奥山自然地域」では、「現状」については素案のときと同じでありますが、47ページの「目指す方向」として、地域ごとにまとまりのある十分な広がりと人間活動による生態系への影響を必要最小限とすることを掲げております。それから「望ましい地域のイメージ」では、前回検討中だったところとして、2つ目の段落の中で西日本のことを書いておりますけども、西日本でも二次林がある程度自然の遷移にゆだねられ、まとまって存在すること、そういうことも含めて、人為の影響が少なく、大型哺乳類が生息する奥山自然地域が地方ごとにまとまって保全されていることを書いたほか、その次の段落では、高山で外来種が排除されていることを書き加えました。
 続いて、(2)の「里地里山・田園地域」ですが、「現状」のところでは、里地里山のほかに人工林や水田が広がる地域を含む広大な地域であるということを前の方に移しました。そのほかに、48ページですけども、「現状」の最後の段落のところで、シカやイノシシなどの分布の拡大や数の増加に伴って農業などへの被害が拡大していることを書き加えております。「目指す方向」としては、農林業の活性化を通じた人と自然のより良い調和、人と鳥獣のすみ分け、エコツアー、バイオマスを含めた地域の自然資源の有効活用、都市住民も含め地域全体で支える仕組みづくりを書きました。「望ましい地域のイメージ」では、次の49ページですが、上から2段落目、二次林について、かつてのような利用形態で維持管理される範囲が限られていることを書き足したほか、次の次、4つ目の段落、「このような」以下ですけども、維持管理されている里地里山でさまざまなタイプの生態系が混在する状態が復活していること、バイオマス利用なども通じて各地で草原が維持されていることを追加いたしました。さらに最後のところで、「また」以下ですけども、広葉樹林化や農地と人里との間に緩衝帯を設けることなどによって、シカやイノシシなどが人里に出てきにくくなっているというようなことを書き足しております。
 (3)の「都市地域」では、50ページへ参りますが、「目指す方向」として、豊かな自然に包まれ、水と緑にあふれる都市づくり、暮らしの中での自然とのふれあいの確保、地球規模の視点に立った持続可能な消費行動を記述いたしました。あとは素案と同じでございます。
 それから(4)、51ページですけども、河川・湿原のところでは、「目指す方向」として、河川空間の保全・再生、河川本来のダイナミズムの再生などにより生きものの生息・生育環境を保全・再生すること、流域の中、さらには国内・国際的なネットワークの実現、水質改善等、地下水、湧水を含めた豊かな水循環、地域の文化や生活と調和した日本らしい川を取り戻すことを掲げております。「望ましい地域のイメージ」では、前回、アユの遡上だけでは寂しい、もっと魅力的な姿にという和里田委員からのご指摘も踏まえまして、52ページにかけてですけども、フナやホトケドジョウ、ナマズ、ハゼなども加えて、全体としてより具体的なイメージがわくように書いてみました。また、最後の段落では、健全な水循環に都市における雨水の浸透なども書き足すとともに、暮らしの中の川のイメージも書いたところでございます。
 それから、52ページの真ん中、(5)の「沿岸域」ですが、「現状」では、最初のところに、沿岸域が、海岸や浅海域も含めて人のかかわりが深く、生物多様性も豊かな地域であること、それから、漁業などによって人の暮らしとのつながりが強いところは「里海」と呼ぶことや、流域からの負荷や河川による土砂運搬と砂浜の形成の関係など陸域の影響を強く受けていることを書き足しております。それから53ページ、沿岸域の目指す方向では、陸と海が接する沿岸域本来の豊かな生物相を取り戻すこと、人が近づき楽しむことができる海辺の復活、上流での森づくりも含めて持続可能な漁業の活性化を書いております。「望ましい地域のイメージ」は、素案の沿岸・海洋域の記述のうち、浅海域と海岸について書いた部分を書いております。
 (6)の「海洋域」については、54ページへ参りまして、「目指す方向」として、長距離を移動・回遊する動物の保全、海洋全般のデータ整備と持続可能な漁業、国際的連携による海洋汚染防止の強化を掲げております。「望ましい地域のイメージ」では、素案の海洋部分の記述に海洋汚染防止の取組を書き足したところです。
 その下の「島嶼地域」は、「現状」で、3,000以上の島々があること、それぞれに独特の生態系や生物相がみられることや、外来種を含めて人為的な影響を受けやすく、多くの種で絶滅のおそれが高くなっていることを書き、「目指す方向」として、独特の生態系、固有の生物相の保全、それと、島の独自性を活かした地域づくりを掲げております。55ページは「望ましい地域のイメージ」ですが、生きものの生息・生育域が豊かな地域づくりと結びついて保全されていることや、外来種の水際でのチェック、特徴ある自然を活かしたエコツアーなどを書いております。
 続きまして56ページ、第4章基本方針の第1節「基本的視点」ですが、ここでは、視点だけでなくて、手法とか施策がまじっているという川名委員のご指摘を踏まえまして、素案にあった基礎的研究の推進とか、情報システムの整備といった手法、施策的なものは削るなり修正するなりして、全体を視点らしい表現にそろえました。
 それから、三浦委員からご指摘がありました締約国会議で採択をされたエコシステムアプローチの考え方は、1の「科学的認識と予防的順応的態度」の中に、エコシステムアプローチの考え方として明示をいたしました。
 続いて60ページへ参りますが、「基本戦略」です。1番目の多様性を社会に浸透させるの「広報推進と官民パートナーシップ」のところでは、60ページの下から6行目ですけども、和里田委員からのご指摘を踏まえて、釣糸の放置や、飼いきれなくなったペットを野外に放つことを例示して、そうしたことのないよう、その影響について、具体例もあわせて広報していくことを書き加えております。
 それから62ページ。一番上、1段落目の教育の関係では、学校教育のことが書いていないという浜本委員のご指摘を受けまして、上から3行目のところに、学校での環境教育や子どもたちを教える先生たちの研修に取り組むことを書き足しました。それから、2段落目の社会教育の後段では、佐藤委員からの、純粋の専門家ではなくて、専門家と市民の間をつなぐ人材が足りない、専門性を生かせる職場がないといったご意見も踏まえまして、生物多様性分野での人材育成についても少し触れるようにしました。それから、社会の浸透の最後のところでは、国民ひとりひとりの行動やライフスタイルの転換は素案にも書いておりましたけども、それに、自然資源を輸入し、利用するという我々の消費行動が輸出国の多様性の上に成り立っているということを認識した上で行動する必要があるということをここにも書き加えております。
 それから、2の人と自然の関係の再構築では、2ページ先、64ページへ参りますが、64ページの一番上のところです。ここは野生鳥獣との共存を書いたところですが、3行目から6行目にかけて、草資源の利用を兼ねた緩衝帯づくりですとか、個体数調整を含む鳥獣数管理といったことを新たに書き加えました。
 それから65ページへ参りまして、一番下ですけども、外来種関係です。マングースに加えてアライグマ、オオクチバスを例にし、より効果的な防除方法の開発・普及を書き足したほか、最後の2行には、意図せずに持ち込まれる外来種、これにはツボカビも含まれると思いますが、その影響防止策の検討を盛り込んだところです。
 続いて68ページへ参りますが、ここは3の森・里・川・海のつながりのところですけども、68ページの下の方、沿岸・海洋域のところで、最初に沿岸域と海洋域に区分されることを書き、内容的にも両者を書き分けるようにしました。内容の追加としては、69ページの一番下の2行目から70ページにかけてですけども、海洋域における取組として、海洋全般のデータ整備や保全手法の検討、海鳥やウミガメについて繁殖地などの保全や混獲を回避するための技術開発や普及を具体的な例として書き足したところです。
 それから4の地球規模の視野では、72ページに参りますが、多様性の観点からの温暖化の緩和と適応のところで、前回検討中だったところですけども、「多くの炭素」で始まる2つ目の段落の3行目、後ろの方の「また」以下ですけども、吸収源としての森林などの機能と多様性の保全機能の両方をともに十分に発揮させるよう、森林の整備・保全を進めるということを書き足しております。
 以上が1部で追加をしたりしたところでございます。
 それから、続いて第2部についても説明をしたいと思いますが、資料2の第2部です。こちらでは、前回検討中のところが多かったわけですけども、前回検討中だったところや新たに数値目標を追加したところなどを、具体的施策を中心に、素案からの主な変更点について幾つかご紹介をしたいと思います。
 まず、第1章第2節「重要地域の保全」の関係。12ページですが、2.1の「自然公園の指定など」のところです。その具体的施策が並んでいますけども、その2番目は前回検討中だったところですが、自然林と自然草原という極めて自然度が高い地域については、国の他の保護地域制度と相まって、長期的に地方ごとにまとまりのある十分な広がりを持った地域を保護していくことを目指して、優先度の高いところから、公園区域──国としてということなので国立・国定公園ということになりますが、その拡充を図ることを記述いたしました。
 それから、続く3番目の○ですけども、海域について、海中公園地区の新規指定など国立・国定公園の保護を推進すること、サンゴ礁に偏っているとご指摘のあった海中公園について、その選定要件の見直しを行いつつ、区域の見直しや再配置を行うことなどを書いております。
 このほか、海域保護区のことについては沿岸・海洋のところに記述をしておりますが、それは後ほど説明をいたします。
 続いて23ページへ参りますが、8.1のラムサール条約湿地の関係です。具体的施策の1番目ですが、前回ご説明をしましたが、その後具体的な数値目標を入れることについてさらに検討いたしました。3年ごとに開催されている締約国会議の機会に登録が行われておりまして、今後5年の間には、来年2008年と2011年の2回の機会があるわけですが、4年後、2011年の第11回締約国会議までに新たに10箇所の登録湿地を増やすことを目標として掲げたところでございます。
 続きまして101ページへ参ります。第1章の第9節、沿岸・海洋域の関係ですけども、101ページは、1.2、海洋の生物多様性の保護区の関係ですけども、その具体的施策として、1番目の○は、前回ご説明をいたしましたけども、知床を先例として、漁業などと両立する海域保護区のあり方を検討するということ。2番目の○は前回検討中だったところでございますが、第1部にも書いた国立・国定公園の総点検の中で、生物多様性の観点も含めて海域の評価方法を見直し、海域における国立・国定公園の指定や再配置、海中公園地区の区域の見直しを進めること、あわせて、海域の適正な保全、利用を進めるために自然公園法の見直しを検討することを入れております。
 続きまして104ページですが、こちらは1.5の「島嶼生態系の保全」。これは前回のご指摘も踏まえまして、第2部でも新たに島嶼の項目を起こして、島嶼の生態系の保全、希少種の保護、外来種対策などを記述いたしました。
 「具体的施策」の1番目では、佐渡のトキ、対馬のツシマヤマネコ、沖縄のヤンバルクイナ、これらはいずれも島嶼に生息するわけですが、前回、飼育下繁殖のところで説明をいたしました野生復帰に向けた取り組みをこの島嶼のところにも記述をしております。2番目では、北海道の利尻や天売、石川県の七ッ島など海鳥の繁殖地として重要な離島における生息環境の保全を書いております。それから、「具体的施策」の下の方では、105ページにかけてですけども、世界遺産を目指す小笠原や琉球、奄美について、奄美ではマングース排除などの外来種対策、小笠原では保護担保措置保護区に加えて、その中の地種区分などですが、その充実を図ることや3年かけた外来種対策、琉球では保護区の設定拡充などを、重要地域の自然遺産の記述を再掲する形で書いたりしております。
 続きまして、第2章の第1節「野生生物の保護と管理」ですが、121ページになります。1.2の「希少野生動植物の保存」の「具体的施策」の1番目ですが、種の保存法に基づく国内希少種です。これは現在73種指定されておりますけども、これについて、新たに5年間で15種程度の指定を目指すというのを数値目標として今回新たに書き加えました。
 続いて126ページ、2.3「科学的・計画的な保護管理」というのは、ふえ過ぎたシカやイノシシ、あるいは西日本や四国のクマのように孤立して分布し、個体数が少ない野生鳥獣の保護管理の関係ですけども、127ページの「具体的施策」の5番目の○では、鳥獣保護法に基づく特定鳥獣保護管理計画について、現状の46都道府県89計画、これは現状のところに書いてありますけども、それを、技術マニュアルによる支援などを通じて、24年までに170計画とほぼ倍増させることを新たに数値目標として書き加えました。
 続いて133ページです。こちらは外来種の具体的施策ですけども、下から2番目、「遺伝子組換え生物等」の2つ上のところですけども、意図せずに持ち込まれる外来種の対策は素案のところでも書いておりましたが、それに、カエルツボカビについて、わが国の両生類に対する影響の調査を進め、その結果を踏まえて対応を検討するということを書き足しております。
 続きましては152ページに参ります。ここは「普及と実践」の関係です。152ページ、1.1「普及広報と国民的参画の推進」の「具体的施策」の4つ目と5つ目の○ですけども、COP10を契機にいろいろと広報を強化し、4つ目の「生物多様性」という言葉を「知っている」「聞いたことがある」という認知度について、16年の4月時点で30%という数字を、今から5年後には2人に1人という意味で50%に持っていきたいということ、それから5つ目の○では、国家戦略の認知度について、同じく6.5%を倍以上の15%を目指すという目標を入れました。
 続いて157ページ、同じく「普及と実践」の3.1「自然とのふれあい活動の推進」の「具体的施策」の1つとして、下の方にある「地域横断的な取組」の1番目の○ですけども、小学生を対象として農山漁村での1週間程度の宿泊体験活動を推進する総務、文科、農水、環境の4省連携のプロジェクトをここに新たに載せております。ここでいう120万人というのは全国の公立小学校の1学年の人数ということで、全国2万3,000の公立小学校での展開を目指して、5年間で受け入れ態勢の整備などを進めるというものでございます。
 それから、最後になりますけども、第2章第4節「国際的取組」。176ページでございますが、176ページ2.10の「ボン条約」については、前回三浦委員からのご指摘がありました。ボン条約というのは移動性の野生動物の保護のための条約ですが、二国間の渡り鳥条約やラムサール条約で対応している面もありますので、次のページの「具体的施策」では、それらはそれぞれ着実に実施していくとともに、条約本体の批准は難しくとも、条約に関連する協定や覚書というのは、条約に入っていなくても参加できるということなので、その協定や覚書も含めてという表現を現行戦略の記述に追加する形で、少しではありますけども、前向きな姿勢をにじませたところでございます。
 以上、簡単でございますが、第2部の一部を紹介いたしました。
 最後に今後のスケジュールでございますけども、最初の議事次第の2枚めくってもらった裏側にスケジュールがございますが、これは前回のとおりでございますけども、本日のご意見を踏まえまして、委員長ともご相談をして、直せるところは直した上で、できれば来週の末から10月半ばまでの1カ月間パブコメにかけたいというふうに思っております。その後パブコメ結果を整理して、それへの対応について各省とも調整をした上で、合同部会にお諮りしたいと考えております。
 合同部会は、このスケジュールには10月下旬とありますけども、日程調整の関係で11月に入ることになるかもしれませんが、2回開催をして答申をいただきたいというふうに考えております。少しこのスケジュールからはずれ込む形にはなりますけども、答申をいただいた上で、11月中には三次戦略を決定していきたいというふうに考えているところでございます。
 以上、私の説明を終わります。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、これより、今環境省から説明がありました第三次生物多様性国家戦略の案につきまして、委員の方々からご意見をいただきたいと思いますが、あと90分弱の時間がございますので、幾つかに区切ってご議論をいただけたらと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず初めに、第1部について約40分程度お時間をいただいてご議論いただいて、次に第2部の行動計画について、これは30分程度を予定させていただきたいと思います。最後に、残りました時間でもう一度全体を振り返ってご議論をいただきたいというふうに考えておりますので、どうぞご協力をお願いしたいと思います。
 それでは、まず初めに、第1部についてご意見をいただきたいと思いますが、本日で案をまとめたいというふうに考えておりますますので、修正意見の場合にはどこをどう直すのか、それから、具体的な形でご意見をいただきたいと思います。それ以外の意見もどうぞご自由にご発言いただきたいと思いますが、大変恐縮でございますが、ご意見については何人かずつお伺いをして、その都度事務局から回答する必要があるものについてまとめてお答えをさせていただくという形で進めさせていただきたいと思いますので、ご発言の方、恐れ入りますが、例によってネームプレートをお立ていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、大久保委員、そして岡島委員の順でまずお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

【大久保委員】 企業として入っているのは私だけだと思いますので、経団連の自然保護協議会の会長としての観点から主としてお話ししたいと思うんですけども、1992年のリオサミットのときに、経団連の中で、やはりこれからは経済活動と環境というのは切り離せないという観点からこの協議会ができまして、爾来15年間活動してきたわけです。
 それで、今具体的に何をやっているかといいますと、非常にたくさんの企業が、今や環境問題というのは非常に重要な課題として考えておりまして、その中で、1つは、経団連として寄付、浄財を集めて、それを保護活動をやっているNGOに支援するという活動をずっと毎年続けてきております。これはこれまでの15年間にもう700件程となっているわけですけども、そういう形でやってきている。これが1つ。
 それからもう一つは、このところ、企業が個別に行う環境保護活動というのは、多分皆さんが想像されている以上に多くなってきております。去年の実績なんですけども、経団連加盟の大企業の中の400社ぐらいの実態、どれぐらいやっているかといいますと、かけているお金が400社で150億ぐらい、自然保護というよりも、環境保全活動に各個別にかけているんです。
 要するに、我々として今そういう活動をやっているんですが、15年間ずっとやってきた中で特に感じておりますことは2つあるんですけども、1つは、企業だけではもうどうしようもないんです。間違いなく自然保護活動は、地域住民と、それからNGOと特に密接に協働活動にしないと効果は出ないなということは、この15年間の活動で非常に強く感じておりまして、NGOと企業との間の仲立ちといいますか、コワークということも非常に一生懸命やっております。これが1つ。
 それからもう一つは、第1部の61ページなんですけども、「基本戦略」の中で、61ページの真ん中辺から、企業による生物多様性保全の取組も増加しているという書き方があるんですが、そのもうちょっと下の方に、企業が本業のほか社会的責任としてさまざまな活動に取り組むという書き方をしているんですが、少なくとも今先進的なところは、本業のほかという意識はないんです。要するに、本業そのもので自然保護あるいは環境と共生するという形にならないと、持続的にはならないという意識は非常に強く持ち出していると思います。
 これは全部が全部ではないんです。もちろん、そこまで行っていないところもたくさんあるんですが、基本的に、CSR活動というのは本業とは別なんだという意識というのは今はもう違うと思います。要は、エコロジーとエコノミーというのが一体化するということが、これからの環境・自然保護活動であり、企業活動であるという意識を非常に強く持っておりますので、ここのところは、そういう意味ではぜひ直していただきたいなと思うのが1点でございます。
 それから、もう一点が、生物多様性のその下の方に書いてあります企業活動ガイドラインの作成、これをぜひやってくれという、やろうということで、これはまことにそのとおりだと思います。私ども、個別の企業、先ほど150億ぐらい年間かけていると申し上げましたけども、各企業がばらばらでやっていることの限界は非常に感じております。やはり、国家戦略ときちんとリンクしながらいけるという実感を持てれば非常にありがたいので、ぜひその辺のガイドラインづくりの中で、企業、NGO、地域住民の個々の活動が国家戦略の中でどういうふうにリンクしていくのか、それがどう貢献していくのか、そのあたりをガイドラインづくりをしっかりやるべきだと思いますので、私どもの経団連の自然保護協議会としても、そのためのチームといいますか、検討会はつくりますので、ぜひ協力しながら、そういう方向性をつくっていくということは非常に大事かなと、企業側としても非常に強く思っておりますので、そのあたりを今後ともよろしくお願いしたいし、私どもとしてはそういう考えでいるということを申し上げておきたいと思います。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。企業、経済界を代表して大変貴重なご意見をいただきまして、後ほど事務局からお答えできるかと思いますので。
 では、引き続いて岡島委員、お願いをいたします。

【岡島委員】 62ページの6行目ぐらいのところで、「地域の中で地域の協力を得て地域に固有の自然を学ぶ自然体験学習」というのがあるんですけど、ここに、自然の中で遊び学ぶというか、遊びというもの、もしくは自然に親しみ学ぶというか、学ぶだけだとついてこないんですよ、だれも。ですから、そこが、生物多様性の言葉を覚えたって意味がないわけですね。広報で新聞にいっぱい出すとか書いてあるんだけど、その言葉をみんな覚えて意味を覚えたって、基本的には意味がないことであって、それより自然の恵みを知ることが大事だと思うんですけど、そのときの取っかかりとなるのに、この木の名前は何ですよといって覚えていくよりは、この木が好きだ、楽しい、そして、それからその木の名前は何ですかっていった方がいいに決まっているわけですね。ですから、そういった姿勢を示すのにも、ちょっと遊びとか親しみ、どちらかの言葉をここに添えていただきたい。
 以上です。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、森本委員、お願いをしたいと思います。

【森本委員】 はい。66ページに「森・里・川・海のつながりを確保する」というところを書いていただきまして、これは大変よろしいかと思うんですけども、この意味合いの中で、一番上のところで、森林から供給される栄養塩類という形と、それから魚類の移動というふうな、こういう根拠があるんですけども、実はあともう一つ、土砂移動と申しますか、流域から出てくる土砂が沿岸の海浜あるいは干潟とか、そういう生息環境に貢献しているという視点が必要かなと思います。ダム等で土砂の移動がなくなったことが、沿岸域の浜欠けとか、そういうのに結びついているという指摘がございますので。
 例えば2部の方にも関係するかと思うんですけども、その後のつながりというのは、大変、皆さんはこれで総論賛成するんですけども、各論にいくと、上の方と下の方と連携した対策はなかなかとりにくいというところがございますので、そのときに注目すべき指標として、魚の移動というのは割合わかりやすくて、栄養塩類もいいんですが、あと土砂の観点をぜひ入れていただけたらと思います。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、引き続いて高橋委員、そして鹿野委員、お願いをしたいと思います。

【高橋委員】 2つほど。1つは鳥獣害に関するところなんですけれども、第1部にしろ、第2部にしろ、具体的な内容として、例えば個体数の調査であるとか、何かを設置するだとか、生育環境の整備ということなんですけども、現実問題としたら、えさのない集落をつくるということが一番大切なことなんです。それが完全に抜けてしまっているということじゃないですかね。
 例えば集落の中に冬にえさがあれば、当然、イノシシや何かが出てくるのは当たり前の話であって、それをどうするかという仕組みをやはり農水側もここには述べていないし、環境側も述べていないんじゃないか。その辺をぜひ入れてほしいということと、例えばそれにかかわることですけれど、放牧利用など草資源によるバッファゾーン。放牧によるバッファゾーンがいいか悪いか、実はいい面もあれば悪い面もあるということでして、果たしてここで入れていいのかなという気が若干しているところです。
 例えば大型動物による威嚇効果というのは、実は慣れによって消失していって、慣れると一緒に住んでしまう。例えばシカとウシが一緒に暮らしているという世界もやっぱりあるわけですね。ところが、もちろん効果があることも事実です。それは現場レベルでいろいろと聞き取りすればおわかりになると思うんですけども、要はそれを契機として、集落としてどういう形でみんなで防いでいくかというインセンティブにするということはとても大切だと思うので、それはいいと思うんです。
 もう一つ言わせてもらうと、例えばそこに外来牧草を植えてしまったら、また逆効果なんですよ。それはまたシカのえさになったり、イノシシのえさになったりして、個体数をふやす大きな要因になっていく。そうなると、外来種とのかかわりというのも重要になってくる。だから、一番大切なのは、冬場にえさを残さないという集落の取り組みをどうやってみんなでやっていくか、あるいは、そういう仕組みに対してどう支援していくか、あるいは科学的なあれをつくっていくかということが多分重要なんじゃないかと思います。
 それからもう一つ、私がこの前いろいろとお話しさせていただいたのは、いろいろな土地利用区分で分けているんですけも、実はその間が必要だということを言ったと思うんですけれども、自然というのは、固定化されたり安定化するばかりではなくて、動いていくことが非常に重要なことが多いですよね。例えば氾濫原だってそうなんですけれども。そうなると、実は生物多様性を守るというところは、その動く部分をどうやってつないでいくか、あるいは、そこをどうやっていくかということの方がかえって重要なことが結構多いわけですね。里地里山のシフティングモザイク、例えば時間的な動きであるとか空間的な動きというのは、そういうものを反映してくるわけですけれども、その辺が、素人がこれを読んだ場合には、コアになるような大きなところをちゃんと安定して守れば何とかなるんだというようなイメージを持ちやすいんじゃないかなという危惧を若干持っています。その辺が、多少考慮できるのであればしていただけたら。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは鹿野委員。引き続いて佐藤委員にお願いしたいと思います。

【鹿野委員】 国土のグランドデザインのところなんですが、今回、前回より分類をふやしていただいて、沿岸、海洋、島嶼という形で分けていただいたんですが、わかりやすくなったと思います。ただ、ちょっとそこを見ると、少し混乱があると思うので。例えば54ページ、海洋のところで、希少な海棲哺乳類、海鳥類の繁殖地、産卵地とありますが、これは島なんですよね。ですから、海洋のところに島が書いてあって、むしろ逆に島の中に、実は海鳥の繁殖地だとかそういうものも、日本の場合、特に北海道沿岸域だとか、そういうところに非常に多いわけですから、小笠原諸島とか南西諸島のような、そういうのだけじゃなくて、海鳥の繁殖地だとか、そういうことでも重要だと少し島嶼のところに加えていただきたいと思います。

【熊谷委員長】 はい。それでは、佐藤委員、お願いをいたします。

【佐藤委員】 前回から本当に随分膨らんできて、よくなっているなと思いますし、前回の新・生物多様性国家戦略のときには、ライフスタイルとの関係が出ていたんですけれども、まだそこのはっきりしなかった部分が随分はっきり出てきていると思います。きょうまた「いきものにぎわい」のところに少し加えていただいたので、生物とか動物側からではなく、人の問題であると、キーは人が握っているということが結構はっきりわかったのではないかと思います。
 それと、私が非常にいいなと思っているのは、100年というのが今まで余りはっきり出ていなかったんですね、前のときは。例えば一般の人にとって、外来種のことを考えるときに、どこから考えたらいいのかというのはよく聞く質問だったので、今回100年というのがはっきり出てきたところはとてもいい。できれば、前文にも100年前というのを入れていただいてもいいのではないか。100年後にどうしますということは書いてあるんですけど、どこに戻すということが書いていないので、前文にもそれを入れていただいてもいいのではないかというふうに思います。
 それから、もう一つなんですけれども、61ページの地方公共団体、企業、市民の参画のところなんですが、最後に市民のことが書いてあるのですが、モニタリングだけでいいのかということなんですね。逆に「など」という言葉がなくなったので、モニタリングというところになってしまっていて、市民の参加ってこれだけなんだろうか。もう少し膨らみがあって、逆に新しいものもあるのではないか。モニタリングは今もかなりやられていると思いますので、もう少し市民のアイデアとか、そういうものを生かすというふうなニュアンスをつけ加えていただいた方が、市民としては元気が出るのではないかと思います。
 以上でございます。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、浜本委員、お願いをいたします。

【浜本委員】 62ページのところ、学校教育現場のところを少し膨らませて書いていただいたのはとてもうれしいんですが、どうも何か、私が前回お伝えしたかったのはニュアンスが違うんですね。私が伝えたかったのは、環境教育の充実ではなくて、少なくとも週5日制が始まる前の段階ぐらいまでの学校、特に義務教育における生物や地学の時間をカリキュラムの中でもう一度充実させてほしいということを前回お話ししたんです。
 環境教育を学校教育現場で充実させるといいますと、これは受け取る学校教育の現場によって物すごく幅広くありまして、私どもも一生懸命そこの現場に入って指導をさせていただいているんですが、それでもやっぱり、通常の国語、社会、理科、算数、数学などというものにプラスアルファぐらいの感覚でしかないのが学校教育現場の現状なんです。そのレベルではなく、きちんとしたカリキュラムの中で、少なくとも理科教育の中での生物や地学、地質とか、それをもう少しきちんと、少なくとも義務教育内には充実させていただきたい。
 それができて初めて、生物の多様性だとか、前ページにもありますが、市民の参画とありますけど、その地域の中の生物多様性をいかに守って保全していくかは、そこの地域に住む方たちの責任だと私は思っておりますので、その自覚というものは、生きものや、自分たちの住んでいる土地のことをもう少し基礎的なところで学んでいない人たちが大人になったところで、社会運動的な感覚の中での環境教育というものしか広まらないのではないかなという懸念が、この分野に10年以上ずっとかかわっていて、いまだにすごく不安に思いますので、そのあたりのところをもし具体的に書けるのであれば、生物や生きものや地質、地学などにおけるものの充実というような書き方をしていただいた方がよりわかりやすいのではないかなというふうに感じます。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、山岸委員、お願いをいたします。

【山岸委員】 51ページの「河川・湿原地域」について、1つご意見を申し上げたいと思います。
 現状の中で日本の河川をだめにしているのは、真ん中ぐらいにあるような、流量の減少とか、それから攪乱の減退が生物多様性をむしばんでいるということが現状として書いてあるんですが、それであったらば、目指す方向は、流量の回復と流況の回復であるべきなんだけれど、多分「河川本来のダイナミズムの再生」という言葉の中に含まれているんだと思うんですけれど、もう少しはっきり書いた方がわかりやすいんじゃないでしょうか。自然の流量の確保と流況の回復というようなことは、いかがなものでしょうかね。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 桜井委員、どうぞお願いをしたいと思います。

【桜井委員】 地球温暖化の部分なんですけれども、19ページでは確かに現状でのIPCCのシナリオが載っているんですが、この後の100年後のグランドデザインのところでは、1.8℃でしたか、この温度を指標とした形で予測するというふうになっていますけども、これでよろしいのかどうか、私は非常に心配なんですね。100年後に1.8℃ですよというシナリオを書きますと言っていますけれども、現実には、一番シビアなシナリオでは50年後なんですね。100年後には4℃上がるというシナリオですから、この辺のところ、平均値として1.8℃を使っていいのかどうか。100年後ですね。この辺は少し検討されたらいかがかなと思いますけれども。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 よろしければ、このあたりで、大分ご意見をいただきましたので、事務局から、本日の段階で答えられる範囲でお答えしていただければと思います。じゃ、計画課長、お願いいたします。

【渡邉自然環境計画課長】 貴重なご意見たくさんいただきまして、ありがとうございました。
 大きく対応方針といたしましては、先ほど今後のスケジュールで申し上げましたようなことで、9月の半ばからできればパブコメに入って、1カ月間ぐらいパブコメをして、そこでいただいた意見も含めて修正事務局案について合同部会で議論していくという今後の流れということでございます。
 今いただいた意見につきまして、各省とも協議をしながら、9月中旬を目指すパブコメで提示する案の中に反映できる点は反映をさせ、修正を加えていきたいと思っていますし、その期間の間に反映できなかった点については、パブコメを受けて修正事務局案をつくる際に、さらにいただいた意見で反映できることがないか、もうちょっと工夫できることがないかというのをさらに検討していきたいなというふうに思っています。
 いただいた意見で幾つか、事務局の方からの現時点での考え方ということで、少しお話をしたいと思います。
 大久保委員からいただいた企業とのかかわりということで、本業の中で企業活動と生物多様性の保全の両立を図っていくことがまさに大きな流れというようなご意見、何らかの形で反映していけたらなというふうに考えます。さらに、個々の企業だけでは限界があって、NGO、地域住民も含めた全体としての連携、協働というのが、とても効果を上げていく上で大事だというような考え方も、何らかの形で少し書き加えられないかなというのを検討していきたいと思っています。
 岡島委員からいただいた、遊ぶ、楽しむということが社会への浸透にとってとても大事だという点、大事な点だと思いまして、この1部の中でもどこかうまく反映できないかどうか考えていきたいと思います。
 それから、森本委員からいただいた森・里・川・海のつながりの中での土砂の移動の面について、同じ森・里・川・海のつながりの中の河川のところで少し言葉を出しているんですけれども、ご指摘いただいた冒頭の柱書きのところが、まさに森・里・川・海のつながりの大事さを言っているところなので、そこの中でも何かうまく一言出していけないかどうか考えてみたいと思います。
 高橋委員にいただいた鳥獣害の起きにくい地域づくり、その場合の留意点ということについて、いろんな観点からの意見をいただきました。いただいた意見で足せることがないか、各省とも相談をしていきたいと思います。
 それから、鹿野委員の、グランドデザインのところの海洋に書いている部分と島嶼に書いている部分と場所を少し移動するような工夫をしていくことで、よりすっきりするのではないかというようなご指摘、その工夫について考えてみたいと思います。
 佐藤委員の、前文に100年計画の考え方をもう少し書き加えていくことですとか、市民参加の形態として調査だけではないという点、少し工夫できないかなと思います。
 浜本委員の学校教育。2部の学校教育のところで、学校教育のカリキュラムの充実でありますとか、さらに、教育基本法の改正を受けて充実を今後深めていきたいというような記述が少し書いてあるわけですけれども、その辺、2部のところも含めて、生物とか地質とか地学というようなことが入れられないか、各省とも相談をしてみたいと思います。
 山岸委員の、ダイナミズムの中に、流況とか流量の回復というような意味も含めてダイナミズムという言葉をちょっと使ってみたところですけれども、そこはさらに、ダイナミズムが意味しているところをはっきり出していった方がいいというご意見だと思います。表現について関係省庁とも相談をしてみたいと思います。
 それから、最後、桜井委員の温暖化の話で、19ページに「地球温暖化の危機」というのが出ていて、その中で1.8℃というのが出てくるんですけれども、IPCCの第4次の評価報告書の中で今世紀末についての記述があって、環境の保全と経済の発展が地球規模で両立する社会においての予測値ということで、1.1から2.9ということで、1.8℃という予測が出されています。あわせて、化石燃料に依存した高い経済成長を実現する社会では4℃という予測もあわせて示されているという形になっています。
 グランドデザインについては、考えるに当たって目指していくべき望ましい将来像ということをグランドデザインでは書くということで、このIPCCの今世紀末の予測の2つのシナリオのうち、よいシナリオの方をグランドデザインを書くに当たっての温度上昇の想定として1.8℃を想定しますという形でこれを引用して、グランドデザインの方の温度上昇の想定としては掲げたところでございます。桜井委員のご指摘も含めて、その辺ちょっと明確にする工夫ができるかどうか考えてみたいと思っています。
 以上でございます。

【熊谷委員長】 はい。今までいただいたご意見については、今事務局から、お答えできる範囲で回答させていただいていますが、ほかに第1部についてご意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、服部委員と速水委員の順でお願いをしたいと思います。

【服部委員】 どなたか先ほどおっしゃって、計画課長からお答えがあったのにちょっと似たような話なんですけれども、第4章の第2節2の「地域における人と自然の関係を再構築する」というのが62ページにありまして、その3が66ページにあります。3のところで、「森・里・川・海のつながりを確保する」というところの次のページ、「都市緑地の保全等」というのが67ページにありますが、これの3の前段のところに、冒頭ですけれども、「森林と海は、河川でつながっており」云々となっています。そこに都市緑地というのが入っておりまして、内容から言いますと、これを62ページにあります2の「地域における人と自然の関係を再構築する」というところに分けて記述してもらう方がいいのかなと思いまして、これは関係のところともご相談いただいて、67ページから68ページにかけて書いてある内容を2と3に分けてもらった方がいいんじゃないかなというふうに思いますので、ご検討方お願いしたいと思います。
 以上です。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、速見委員、お願いをいたします。

【速水委員】 ありがとうございます。67ページの「森林の保全・整備」のところの5行目から6行目にかけて、「伐採、更新を通じて多様な林齢の森林を造成する」と書いてございまして、伐採、更新というのは、木を切って多様性に貢献をするということが一般の方になかなか理解をしていただけないところは、特に人工林のことに限ってでも構わないんですけど、なぜ伐採、更新が生物多様性に寄与するのかというのを、短い言葉でも結構なんですけど、例えば生態の複雑さをつくることで生物多様性の保全につながるとか、ワンワード入れていただけると。ともかく一般の方は、切ることと多様性保全ということとのつながりがほとんど理解できないんですね。せっかくここまで入ったので、少し入れていただけると非常にわかりやすくなるのではないか。よろしくお願いいたします。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、再度山岸委員、お願いをいたします。

【山岸委員】 21ページですが、前回三浦委員から地球温暖化による生物多様性への影響の例がちょっとお粗末じゃないかという指摘があって、大分入れられたと思うんですが、僕ちょっと中座しちゃって、そのとき言えなかったんですが、日本の高山のライチョウが、今後温度が何度上がると何年後には何羽になってしまうだろうというような積算値が出ていますので、それこそ地球温暖化による生物多様性へのもろ影響の例なので、一度お調べになったらいかがかと思います。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 いかがでしょうか。それでは、高橋委員、お願いをいたします。

【高橋委員】 前回どなたかの委員から用語集をつけてはどうかという提案があったと思うんですが、それはどうなっているか。あるいは、普及版のようなときにそれをつけていくのか。例えば、私がやった阿蘇草原再生の場合、全体構想に用語集をつけたんですけれども、市民とか実際に活動している人にとって物すごく評判がいいというか、わかりやすいということがあって、学者さんは当たり前と思うかもしれないけれども、市民の方にとっては意外とそういうものがきっかけになるんじゃないかと思います。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 よろしゅうございますか。一応、第1部についての議論の時間が予定の時間になってまいりましたので、ここで、今追加でご意見いただいたことについて、計画課長、お願いをいたします。

【渡邉自然環境計画課長】 ありがとうございます。今いただいた意見の中で、服部委員、都市緑地の問題を「基本戦略」の2の人と自然の関係を再構築するという部分と、3の森・里・川・海のつながりを確保するということで、両方にまたがっている問題なので、うまく書き分けられないかというようなご指摘だったと思います。
 この1、2、3、4の中で、そういう関係にあるのは実はいろいろありまして、2回書くのをできるだけ避けて、どっちかにまとめて書くというような工夫をしています。そういう中で、都市緑地も同様の事情があるのかなと思います。片方にちょびっと触れるというような工夫ができないかどうか、そのあたり検討し、関係する省庁もありますので、相談をしていきたいなと思っています。
 速水委員の伐採、更新がなぜ多様性にとってもいい面があるか。ちょっとわかりやすいワンフレーズを考えてみたいと思います。
 それから21ページ、山岸委員の温暖化影響についての事例ということだと思います。この辺は、どんな事例を挙げるかということで、今後さらに私たちも事例に当たって、わかりやすいこんな影響のおそれがあるというようなことで、科学的にも裏打ちされたような事例が出てくれば、最終的な答申をいただくまでにその辺の充実ができないかということを考えてみたいと思いますし、前回鷲谷委員からご紹介があった学術会議の分科会が、この戦略改定に向けての提言を今まとめる作業をしていますけれども、その中でも温暖化の影響という記述が出てくる予定でございます。そういう学術会議から出された提言などの事例も参考にしながら、科学的なデータに裏打ちされたような事例で、うまく一般の人にも影響について伝えられるような事例が出てくれば、つけ加えることも考えていきたいなと思っています。
 最後に、高橋委員からいただいた用語集についてですけれども、戦略本体ということではないんですけれども、最終的に答申をいただいて、政府として決定する第三次生物多様性国家戦略の付録というか、参考資料という形で、一般の人にわかりにくい用語についての解説を用語集という形で付録としてつけられるようなことを目指して作業してみたいなと思っています。よろしくお願いいたします。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、第2部の行動計画の部分についてご意見をちょうだいしたいと思います。どうぞ、またご発言の方、よろしければネームプレートをお立ていただきたいと思いますが。
 それでは、まず山岸委員、お願いをいたします。

【山岸委員】 第1部で、第2章第2節で「地球温暖化と生物多様性」という項が立てられていますよね。これとリンクした行動計画というのはどこにあるのか、ちょっと教えてください。質問です、これは。

【熊谷委員長】 はい。ご意見いただいてからで結構ですか。十分にお答えできるように検討いただいて。
 それでは、森本委員、そして三浦委員の順でご意見、ご質問をいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

【森本委員】 先ほどの質問の続きにもなるんですけども、80ページ、81ページで、「河川・湿地などにおける連続性の確保」ということで、かなり書いていただいているんですけども、ここでもまだ土砂の観点がないのかなと思いました。
 僕、子供のころ木津川で泳いだことがあって、八幡水泳場というのがあったんですけど、もうかなり前になくなって、何でなくなったかというと、洪水とかがなくなって砂浜が維持されなくなった。そういうことなので、川で土砂がちゃんと動いていた時代も実はあったので、そういうものが浜欠けとか、先ほど言ったような海岸の保全とかにも寄与しますので、連携した取り組みというのが本当は必要なので、森・里・海・川の連環の再生というのを、個別具体的な事例だけだと、成果がそこだけで評価されやすいと思うんですけど、もう少し広域で評価するような仕組みと一緒に取り組みができればいいなと。港湾と河川と一体にあるとか、そんな事業がこういう戦略の中から、省庁連携であるいは部局連携でできてくればいいなと思いました。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 三浦委員、お願いをいたします。

【三浦委員】 第2部で、1部を受けた上で具体的な施策として、あるいは行動計画として十分かどうかという点を幾つか述べたいと思います。
 最初に7ページの「生態系ネットワークの形成」という部分なんですが、具体的施策が書いてありますけれども、「生態系ネットワーク」という言葉は、国土生態系ネットワークあるいはエコロジカルネットワークという格好で、今回のこの戦略案の中では非常に多くの言葉が使われているんですが、いざ具体的な施策となると非常に少ないのではないかということで、6ページの、あるいは7ページの中のアクションプランの中に──これは検討していただきたいと思うんですが、緑の回廊というのが森林の施策である。それから国交省の中で多自然型川づくりというのがある。それから環境省の方で国立公園、自然公園の整備というのもあるし、今後とも生物多様性のホットスポットを抽出していくということもあります。これらを総合して、第1部の目標、国土のグランドデザインを受けて、各省庁連携するような具体的なモデル地域を設定しながら、この国土生態系ネットワークをつくり出していく、そういうプロジェクトといいますか、具体的な案が書き込まれてもいいんではないかなというふうに思います。
 続いて各省庁のところを見ていきたいと思いますけれども、最初に52ページの「森林」、この中に保護林があって、その後に緑の回廊が入っているわけですが、この保護林について、具体的なアクションプランとしては「国有林野の維持及び保全」の中に書き込まれていますけれども、この保護林を将来どうしていくのかという方向性が書き込まれていないということで、ここの記述の中に連結して緑の回廊をつくるというのはあるんですが、将来とも原生的な自然地域としての保護林をどうしていくのかという記述を書き込んでいただきたいなというふうに思います。
 続いて、国土空間施策の中で田園・里地里山なんですが、ここを見ますと、生物多様性をより重視した農業生産の推進ということで、書き込まれている内容は、農薬、化学肥料等を使わないといったこととか、エコファーマーの認定とかいったことが書かれていますし、それから60ページの書き込みを読みますと、ため池などの、ここでも生態系ネットワークの保全の推進といったようなことがあります。しかしながら、これまでの農林水産省の施策の中で、農業生産を効率化する、省力化するという施策の中で、例えばため池についても、それから水のネットワークについても、構造改善事業といいますか、基盤整備事業というのがそれに反するような格好でこれまで従来行われてきたんではないかということで、58ページから60ページのこのあたりのことに関して、今後人口が大幅に減少していく中で、生物多様性と、それから基盤整備を一体どうしていくのかという書き込みをお願いしたいというふうに思います。
 それから、ちょっと断片で恐縮なんですが、107ページに、これも同じような文脈ですけれども、漁場の整備推進ということで、2番目の具体的な施策で、漁港の整備においては今後も推進していくという内容が2番目に書かれていますけれども、これも集落といいますか漁村の人口が急速に減少している状況の中で、非常にコンクリートを多く使うような漁港の整備を今後どうしていくのかという書き込みも、このまま続けるという方向なんですが、一体どういうことなんだろうかという、そういう気がいたします。
 それから、120ページのレッドリストについてなんですけれども、レッドリストは、これは19年度までに10の分類群についてリストが作成されているということで、今後もこの方向を続けるということが書き込まれていますけれども、特にレッドリストをつくって、非常に危機にあるといいますか、危惧されているものですね。特に危惧TA類といいますか、そういう種類については、環境省の施策で、ぜひ存続可能性分析といいますか、存続可能性が条件としてどの程度あるのかという定量的な評価をやっていただくといったようなことを書き込んでいただきたいなというふうに思います。
 以上、簡単ですけれども。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、速水委員、それから高橋委員、そして浜本委員の順でお願いしたいと思います。

【速水委員】 ありがとうございます。50ページ、「森林」のところの「施業現場における生物多様性への配慮」のところの「現状と課題」のところに、下段の方に森林認証のことがそれなりに書かれているわけですが、「具体的施策」のところには森林計画しか記述がないんです。今まだ面積的にはそれほどないんですが、今まで私が現場を見てまいりますと、例えば市町村だとかあるいは企業が、林業経営を主体としない企業が森を持っているような場合に、認証を取ると加速度的に森林管理がよい方向に変化をしていく状態が見られますし、今まで多様性というものを人工林の管理の中でなかなか理解できなかったところを、森林認証を取ることで、かなりはっきりと具体的な森林整備の中に織り込んでいくという形がかなり各地で見られるわけです。
 森林施業計画というのは長く続けてきた制度で、なかなか適切な制度ではあるんですけど、具体的にそういう顕著な変化というものを求めるにはちょっと難しいところがあって、そういう面では、もちろん森林計画制度は大事なんですけども、こういう民間の森林認証をもう少し広げていくというふうな点で具体策として取り出しておかないと、大分おくれていくんではないかなというふうに思います。
 以上です。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、高橋委員、お願いをいたします。

【高橋委員】 私の専門のところは63ページなんですけれども、草地の整備・利用というところで、例として、例えば阿蘇・久住のような大きな草原をイメージされている文言は入っているんですけど、実は田んぼのそばの畦畔だとか、田んぼと里山との間のバッファゾーンだとか、それから河川敷であるとか、ため池の斜面であるとか、意外と、さっきからお話ししているように、コアエリアとしてピックアップされないところに非常に大事な生物多様性保全の機能が果たされているわけですね。
 わかりやすい例で言うと、例えばヒゴタイという植物があるんですけど、阿蘇だけにあると思われがちかもしれませんけども、実は中国地方にもあって、限られた貴重な遺伝資源というのは、実は農家の庭先の田んぼのそばの草刈場にしか残っていないという状況がある。それから、カエルにとっても、移動経路としてそういうバッファゾーンが必要ですし、そういうのを考えると、なぜそこが残っているかというと、さっきからお話ししているように農業のあり方なんですね。
 そこの農家は、例えば田んぼの食味が悪くなったし、おいしくなくなったから、もう一回草を田んぼに入れようということで、刈り始めたところは、例えばそういうふうな形で保全されるということです。だから、循環型のきちんとした農業を成り立たせることで実は草地の植物が守られていくということになると、何も大きな草原だけではなくて、そういう小さなネットワークが実は重要ではないのかな。ここでは畜産だけしか、多分農水は放牧が好きなので放牧しか書いていませんけれども、そうではなくて、実は全国の里山の生物多様性、特に草原性の生物多様性を考えたときには、農地の周りのそういうところというのは非常に重要だと言えるんだと僕は思うので、その辺も1項目入れていただけたらありがたいなと。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 それでは、浜本委員、そして中道委員の順でお願いをしたいと思います。

【浜本委員】 先ほど三浦委員からも少し述べられましたが、2部のところの具体的施策などをずっと見てまいりましても、絶滅のおそれのあるものの中の、特に高い絶滅危惧TA類に判定されているものの中で、いろいろ例は出ているんですが、一番心配されているところで、海洋のところなどにも藻場とかアマモ類とかあるんですが、ジュゴンというものが全く出てきていないんですね。
 具体的施策もないのではないかと思われるほど、絶滅のおそれがあるものとか、105ページのところの「海洋生物の保護・管理」のところでも、鯨類などの大型生物であるとか、希少種であるトドは書いてあるんですが、一番沿岸部にいる哺乳類としてのアマモ・コンブ場などの保全のところなどにも関係するジュゴンについて何も書いていないというものがすごく気になりまして、具体策があるのかないのか、あったとすれば、どんな形で進めようとしているのか、環境省だけの問題なのか、水産省まで含めるのか、そのあたりのことも少し突っ込んで書いていただきたいなと思ったのと。
 もう一つは、ワシントン条約に関するところなんですが、ワシントン条約のところで、いまだに法以外のもので取引がなされているという書き方がしてありまして、それを強化するというふうには書いてあるんですけれども、実はこれは表面に出てきていないもの、わかりやすく言いますとネットで売買されているもので、秘密裏に行われているものというのは、実はある程度たくさん出てきているのではないか。日本はすごく市場になっているということも割とたくさんの方が知っているので、このあたりのところをもう少し強化するような書き方、罰則まで含めて、それにどれぐらい取り組むことができるのか。これは外来種の問題などにも含まれてくるかもしれませんので、そのあたりのことも、もう少し詳しく具体的なことまで含めて書いていただけるといいのではないかなと感じました。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、中道委員、お願いをいたします。

【中道委員】 第1部と第2部をちょっと見比べてみて、第4章の第1節に「基本的視点」というのを取り上げていただいているわけです。非常によくまとまっていると思うんです。それを第2部で実行していった場合、一番難しいのは、例えば統合化というのは、それぞれの事業をやる場合難しいと思いますよね。それから、紛争が起こりますし、調整が起こる。我々は失敗を記録するということは非常に下手ですよね。そういうことの科学的知見を集めるとか、整理するとか、研究するというのは大事なことではないかなという感じがするんです。今ごろ言って遅いなと思われると思うんですけど、何かそういうことの蓄積なり配慮というか、例えば第5節の3に「研究・技術開発の推進」とありますけど、例えばその辺にでも1項目、今から言って大変悪いんですけど、挙げられないかなという感じがいたします。
 それからもう一点ですけど、第6節に「環境影響評価など」と書いてあります。今からいろんな社会資本の整備をする分というのは、新しくつくるより、今ある施設をどうにかするという時代になると思うんですね。そうした場合、一度申し上げたこともあるかもしれませんけど、今ある機能を評価するというのが非常に大事だろうと思うんですね。各公共事業は今の機能を評価する仕組みをそれぞれ充実しようとしていると思いますけど、私は今後、環境影響評価より、今ある施設の機能をどう評価するかというのがより重要になる感じがいたしますので、それもどこか入らないかなという感じがします。今ごろ言ってまことに申しわけありませんけど、ご検討いただければいいと思います。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、岡島委員、そして森戸委員の順でお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【岡島委員】 152ページのところで、普及のところなんですが、「現状と課題」がありますけれども、これは私の直観みたいなものなので、余り説得力があるかどうかわからないんですが、やっぱり、言葉が浸透していないとか、知っていない人が多いということなんですよね。大きいところは、先ほど浜本委員も言っていましたけど、学校でほとんど力を入れられていないこととか、社会的に自然離れが進んでいることなどがあると思うんですね。ですので、いわゆる生物に対する基本的な知識の欠如が日本人が今あるんじゃないかという気がするんです。それが現状じゃないか。
 基本的なことが本当に欠如しているので、なかなか生物が云々ということにまず親しみを持ってこないしということがあるので、現状のところで、これはそうかどうわからないんですけどね。国際比較ではよくわからないんですけど、もう少し、基礎的な生物的な知識というか、自然の中での仕組みなんかは一昔前の人たちはみんな覚えているわけですね。知っているわけなんですけど、それが今だんだん知らなくなっている。生きものの仕組みみたいな、そういうものが全くわからないまま頭で生物を覚えようとする。この「現状と課題」の中で、そういう傾向が見られるというか、その辺のところはっきりした論文みたいなのがあるかどうかわからないんですけども、その辺の問題じゃないかと思うんですね。課題としては一番大きな問題じゃないかというので、そういったニュアンスがちょっとどこかに入らないかなというのが1つあります。
 それからもう一点なんですが、「自然とのふれあい活動の推進」、これは155ページから始まっているんですが、ほかのところも多少そういう傾向があるんですが、ちょっと縦割り的に書かれていて、私自身ももう20年来、子供たちの自然体験活動の推進という活動をNGOとして展開してきているわけなんですけれども、現在では、河川局がRACをやっているとか、港湾局がCNACという海の自然体験をやっているとか、文部科学省などが中心となってCONEという自然体験活動推進協議会をやっているとか、いろんなNGO活動が盛んに行われていまして、それらが今セットにならないと進んでいかないということで、ここでは、具体的な施策の中で、人材育成や場の提供、いろいろなものが項目ごとに入っているんですけど、これをどこか、「現状と課題」のところでもいいんですが、人材育成も必要、これも必要、これも必要ということで、トータルで概観できるような一文がどこかに入っていないといけない。
 これは既に、現在では人材育成プログラム開発とか、指導者の育成だとか、休暇の整備だとか、いろんなものをトータルで考えて、社会的なシステムとして自然体験活動が進むようにしていかないといけない。そこまでもう来ていると思うんですね。ですので、そこの部分を頭に入れておいて、そうすると、1、2、3、4、人材育成どこどこというのは頭に次から入ってくると思うんです。その大もとの整理がされていないまま、人材育成が4で出てきたり、学校教育がどこで出てきたりということで、ばらばらに縦割りで出てきてしまうと、読んでいて全体像が把握できないということがあるので、ぜひ、自然体験、ふれあいの活動の推進のところでは、現在では社会的システムみたいなことできちんとやらなきゃいけないんだ、もしくは、これとこれとこれとこれの要素があって、それらを総合的に展開する必要がある、そういうことでもいいんですけど、そういうことも少し考えていただければと思います。
 以上です。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 では、森戸委員、そして桜井委員の順でお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【森戸委員】 ありがとうございます。私は、「具体的施策」というところをぱらぱらと見ていたんですが、印象で言いますと、非常にたくさんあるんだけども、精粗ばらばらというか、記述の仕方も含めていろいろあるなと感じたんです。なぜかなと考えてみると、これは各省庁が生物多様性とか、もっと広いですね、自然保護にかかわりのありそうなものを抜き出してきたのかなという印象があります。これはやむを得ないのかなと。だから、これ以上いろいろ言っても直らないというふうに思いました。
 ここからは提案なんですけども、メリハリをつけるためにシンボルとなるような施策を、ですからシンボル施策と言ったらいいと思うんですが、平たく言えば、三次の国家戦略の目玉事業みたいなものを5本とか10本、どこかにしっかり出してもらった方がわかりやすい。そこに今回の戦略の基本的な思想ないし考え方が体現されている、そういうものを出してもらえばいいなと感じました。これはパブコメまでには間に合わないと思いますから、パブコメ後にゆっくり考えていただきたいと思います。
 その内容ですが、3つくらい考えられると思うんです。1つは、分野横断的、もう少し具体的に言えば、省庁連携型のリーディング事業みたいなものですね、そういうものが何本か。それから、現場を重視するという意味で、地方自治体とか、NPOとか、先ほど出ましたけど企業とか、そういうところの活動を元気づけるようなシンボル的な事業といいますか、施策というか、そういうものですね。それからもう一つは、国際的にアピールできるような、日本の主張としてはこういうものをこれから打ち出すんだというような、そういう事業ですね。そのくらいのものを、これが何本あるのかわかりませんが、5本から10本出したらどうかと思いました。
 それで、実は、そういうものがあるかなと「具体的施策」の中から見渡していたんですが、このままでは使えないという感じがしたんですよ。一つはやっぱりタイトルをつくらないとね。こういう事業名だったらわかるという意味ではわかりやすいタイトルにしなきゃならない。それから、もう少しアピールするように練り上げなきゃいけないということで、参考にするのは今ある「具体的施策」ですけども、それを種にしてもう一回作業してもらった方がいいのではないか。そうするとパブコメには間に合わない。だから、パブコメが終わってからゆっくりやっていただきたいという提案です。
 以上です。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、桜井委員、そして佐藤委員の順でお願いをしたいと思います。

【桜井委員】 先ほどから何回も出ていると思いますけど、2部での温暖化の扱いがどうも見えないんですね。131ページの横断型の部分で「生態系を攪乱する要因への対応」というところで、外来種と非生物的要因とありますけれども、むしろ生態系の攪乱の要因としては、非生物的要因の中には、今は汚染物質だけじゃなくて、温暖化も本来入るんですね。ただ、ここの小さなくくりの中に入れてしまっていいかどうかという問題がありますので、一つずつの項目に温暖化を入れると大変だと思いますので、どこかで温暖化に関する取り組みの骨子をつくられた方がいいんじゃないか。そうすると、別のところでまた温暖化に対するいろんな対策をやられていますから、そういったものとリンクするものをこの多様性にも置いておくという方がいいんじゃないかなと思います。
 以上です。

【熊谷委員長】 はい。引き続いて佐藤委員、お願いをいたします。

【佐藤委員】 森戸委員のご意見と私もよく似たようなことを思ったんですね。やっぱり市民にアピールしようと思ったら、ブランディングが必要だと思うんですよ。この生物多様性国家戦略の100年計画とは何ぞやというのを目に見える形にしていくということがすごく大事で、場所を幾つか選ぶというのもそうですし、先ほどおっしゃったように、施策で幾つか選ぶというのをして際立たせていかないと、全部あるけれども何か見えないみたいな状況になっているので、確かにこれから難しいのかもしれないですけど、ぜひその辺をやっていただくと、市民に見える形で、ああ、ここを見ていけばいいんだというようにすごくアピールできるのではないかというふうに思います。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、服部委員、お願いいたします。

【服部委員】 ありがとうございます。大変姑息というか、プリミティブな話で恐縮なんですが、第1章の部分、1.1とか、2.1とか、項のうちの細分ですかね、この順番がこれでいいのかなと気になりまして。例えば、2ページの第6節「田園地域・里地里山」というところですけれども、1部ではこれ逆転していまして、「里地里山・田園地域」になっているんですが、あえてこういうふうに変えられたのか、あるいは部分的にそうなってしまったのか。最初の説明のところでは、山の方からずっと里に向かって地域的に見てみたよというふうにおっしゃったと思うんですけれども、里地里山・田園地域にすると、この6節1.1から1.8までの順番がちょっと違うのかなという気がします。それぞれの節のところで、項のところがこの順番でいいのか。入れかえだけの話です。中身の話じゃないので、ちょっと検討してもらった方がいいのかなという気がいたしました。
 以上です。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 第2部について、大変貴重なご意見ありがとうございました。各省庁といろいろこれからの詰めをしないと、多分事務局で答えにくいご質問大変いろいろあったろうと思います。それから、最後に10分ほどですが、全体を振り返って最終的なご意見をいただきたいと思います。森戸委員とか、あるいは佐藤委員のご意見なんかも最後にまたご議論いただくということにして、現段階で事務局からお答えできる範囲でぜひお願いしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。計画課長、お願いいたします。

【渡邉自然環境計画課長】 ありがとうございます。1部と同様に2部の方も今貴重な意見をいただきました。2部は各省で分担して書いているところもたくさんございます。各省とも協議をして、パブコメまでの間に反映できるところは反映をさせて、森戸委員のご指摘にありましたように、少し時間をかけて磨いていくというようなところは、パブコメと並行して、パブコメを受けた事務局案をつくる中で、さらに反映できないかどうかを考えていくというような形で対応していければと思います。
 温暖化の影響の話、山岸委員、桜井委員からいただいています。現在の形、2部の中では、あちこちに結構分散して、例えばモニタリングの強化というところで温暖化の影響を見ていきます、強化していきますという話がありましたり、適応策の検討というところでサンゴ礁の温暖化に対する影響の適応策を研究していく、あるいは海岸の影響への適応策を考えていくというようなことがありましたり、バイオマス資源を化石燃料のかわりに使っていくことで、多様性の保全と温暖化の影響軽減を両立させていくというようなことが1部で出てくるわけですけれども、それに対応した施策が里山の取り組みの中に出ていたり、あるいはネットワークを強化していくことが温暖化のためにも必要だということが1部にあって、2部はネットワークというのが1つ項目として挙がっているということで、あちこちに分散をしています。なので、パブコメまでというよりは、最終的にかもしれませんけれども、温暖化への対応というので一つにまとめて再掲するような形で、まとめて1つ項目が立てられないかなということは考えてみたいなというふうに思います。
 それから、森本委員の土砂のお話は、2部では82ページに土砂の流砂系の統合的な管理ということで、関係する省庁が連携して取り組みますということが、1つ項目、柱を挙げて出されています。その辺でさらに充実が必要かどうかというあたりは、各省とも相談ということかなと思います。
 三浦委員からいただいたネットワークのこととか、森林のこととか田園のこと、漁港の整備、そういった各省にまたがるところについては、いただいた意見でどういう反映ができるかというのを各省とも検討していきたいと思います。同様に、高橋委員の草地の取り扱いでありますとか、速水委員の森林施業の現場での認証制度の浸透といったお話についても同様かと思います。
 中道委員からいただいたいろんな意味での統合の強化という点で、科学的な知見を、各省がばらばらではなくて、統合的にやっていくという意味の連携というところでありますと、197ページにデータの整備というところがあって、その中で、自然環境に関するデータの整備、あるいは知見の情報共有というのを、一省庁だけでなくて各省が情報を共有していくというような取り組みを1つ挙げさせていただいているところであります。
 それから、岡島委員からいただいた生物に対する基本的知識の欠如というような話を「現状と課題」に入れていくことについても、ちょっと工夫ができないかどうか考えていきたいと思いますし、ふれあい活動のところで、人材育成のプログラムのいろんな取り組みが、ばらばらではなくて統合的にしているんだというところを出していくようなことも、工夫を考えていきたいと思っています。
 森戸委員からいただいた、シンボル的な重点となるプロジェクトをこの中でうまく整理して出していくというような点についても、ここはちょっと時間をかけて各省とも相談をしながら、最終的な答申にご提案がうまく反映できないかどうかというようなことを考えていければというふうに思っています。
 それから、野生生物の関係で、CITESの関係ですとかジュゴンの関係でちょっとご意見をいただいたので、野生生物課長の方から補足させていただきます。

【星野野生生物課長】 私の方から、レッドリストの関係、ジュゴン、そしてワシントン条約にかかわるご意見についてご説明させていただきたいと思います。
 まず、三浦委員から、レッドリストTA類への対応ということで、存続可能性分析についてご指摘ございました。この第2部の中でも記述しておりますけれども、レッドリスト、先月までに10分類群について見直しを終了しておりまして、その結果として、絶滅のおそれの高いものについて個別に生息状況を改めて確認をして、必要であれば国内希少野生動植物種に指定するという取り組みを進めたいと思っております。その検討の中で、委員ご指摘の検討についても行ってまいりたいというふうに思っております。
 それから、浜本委員からご指摘のあったジュゴンについてでございます。ジュゴンという言葉自体は、第1部にちょっと出てきております。31ページ目になりますけれども、日本の生物多様性を説明した記述の中で、レッドリストの見直しの項目で書いてございます。今回レッドリスト全分類群について見直しを行いましたけれども、前回のレッドリスト、哺乳類に関するレッドリストでは、海域に生息する哺乳類は、上陸しないものについては対象としておりませんでした。ただ、今回の見直しの中で、ジュゴンは上陸はいたしませんけれども、極めて陸に近い浅い海をえさ場としている、陸の活動に密接に結びついているということもございまして、今回評価対象にいたしました。その結果、最も絶滅のおそれの高いTA類に評価されたということでございます。
 ジュゴンに関しましては、平成13年から5年間かけまして沖縄本島周辺海域の生息状況の調査をしておりますし、ジュゴンのえさ場となる藻場の分布状況も調べてございます。そういった結果に基づきましてジュゴンの生息数がかなり少ないということが明らかになってきておりまして、また、沖縄本島周辺の重要な藻場も浮き彫りにされてきたわけでございます。
 それらの結果を受けて、地元の漁師さん方と会合を何度も開きまして、ジュゴンの重要性、そして、ジュゴンが漁業活動の中で混獲された場合のレスキュー方法についての講習会をしたり、まず地域の方々にジュゴンの重要性をご理解いただく、そして、ジュゴン保護に向けた取り組みに協力していただくという取り組みをこれまで行ってきているところでございます。来年度もそうした取り組みを引き続きやっていきたいというふうに思っているところでございます。
 ワシントン条約につきましては、172ページに記載がございます。浜本委員おっしゃいますように、インターネットを通じた取引についても問題があると我々承知しておりまして、私どものスタッフ、人数には限りございますけれども、インターネットの関連の情報についても、いろんな方面から情報を入手して、違法取引を少なくする方向で検討をしていきたいと思っております。ここで書いた文章については、どのような修正ができるか検討させていただきたいと思っております。
 以上です。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、一応最後の10分程度、5分かそこらでございますが、全体についての何かご意見がございましたら、いただきたいと思います。できましたら、今までご発言のなかった委員の方からもいただきたいと思います。
 石坂委員、まずお願いいたします。

【石坂委員】 新しい意見というわけでもないんですけれども、今地球温暖化の記述についてのご指摘がありましたけれども、地球温暖化の問題は、地球環境部会で目標達成計画、つまり、−6%に対してどういう対策をとるかということを検討しているわけですね。5年計画というのは、それとまさにダブるところになります。それはこの生物多様性部会で検討していることと大分面が違うんですね。面が違うので、そこで落ちているものを拾うとか、ダブっても仕方がありませんから、もちろん矛盾しないようにはなきゃいけませんけれども、書くに当たってはそれなりの工夫が必要だと思いますので、そのご配慮をよろしくお願いをしたいということが1つです。
 それからもう一つは、いろんな具体的に施策の柱立てというのが必要だという森戸委員のお話がございました。それはそのとおりだろうと思うんですけども、この5本とか10本といっても、なかなか難しいと思うんですね。つまり、それはどういうことかといいますと、1つは予算の話。これは国の予算もあれば地方公共団体の予算もあるでしょうし、それに絡む話もあれば、全く民間企業がやっている話もあれば、NGOがやっている話もあれば、いろんなものがあります。
 それからもう一つは、何も新しいものばかりじゃなくて、既存のものでそういうことを踏まえた施策を大きな柱で何本かやっているわけですね。そういうことを全くネグレクトしてしまって新しいものだけを拾っても、これまたおかしいことになるというふうなことで、ご趣旨は全くそのとおりだと思うんですけど、なかなかこれは、どういう角度から取上げるかということによって大分違ってくる。つまり、新しい予算絡みの話として取上げるというなら、これは一つの取上げ方ですから、これはこれから来年度の予算要求をしていくとか、あるいは、5年間予算要求をしていかなきゃならないような柱立てをしていくということ、これは可能だと思いますけれども、いろんなものがありますから、これだというふうには、決め撃ちはなかなか難しいと思うんですね。そういう意味でご苦労のあることだと思いますけども、一工夫してみてください。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 速水委員、お願いいたします。

【速水委員】 ありがとうございます。特に「具体的目標」のところなどをずっと読ませていただくと、言葉なんぞはすごくよくわかるようになってきたとは思うんですけど、議論を起こそうと思うと、ある程度出せるところは、なるべく数値目標を本来もっと出していくべきだったんだろうというふうに今読んでみると思います。数値目標になじまないものもあるのかもしれませんが、読んでいると、案外数値目標を出せるんではないかと思うようなものも多々あるような気がいたしておりまして、他省庁との調整が難しいところは、それはよくわかるんですけど、少なくとも環境省の部分に関してはもう少し書けるんだろうと。腹をくくれば書けるんだろうと思いますし、そういうものを書くことで話題性をつくっていきますし、評価される。外からそういうものが達成できたできないという評価を受けることが話題になっていく。なかなか言葉だけで話題をつくっていく、注目されていくというのは難しいことだと思うんです。もろ刃の剣になるのはわかっているんですけども、今からでも数値目標を書けるものがあれば、1つでも2つでも書き入れていくという努力をしていただけると大変ありがたいなと思っております。
 以上です。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 いかがでしょうか。ほかに全体についてご意見をいただけますでしょうか。では、和里田委員、お願いをいたします。

【和里田委員】 先ほど森戸委員から具体的に柱になるようなテーマを出すようにというお話がありました。前の計画の成果というのは、自然再生の法律ができたということなのかもしれません。相当それを踏まえて、各機関ともいろいろな工夫、努力をなさっていると思いますけども、私はこの第三次を出すに当たって、国民総がかりでということだろうと思いますので、そういう観点で、先ほどの教育の問題もそうですし、それから、国民が総がかりでやっていくに当たって、先ほど財政当局の制約の議論もございましたし、あるいは、国民全体がお財布をあけて、さらに体も動かしながら行動していくというようなことを柱にしていただきたいと思っております。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 森本委員、お願いいいたします。

【森本委員】 すみません。本当はもっと最初に言っておくべきことだったので、今からですと聞いていただくだけでもいいんですけども、先ほど、環境と経済の両立というご視点のご発言もございましたが、実はもう一つ、この生物多様性を考えるときに、常に根っこのところで出てくるのが防災との折り合いのつけ方でして、治水にしろ、山地の防災にしろ、安全を確保するということが行き過ぎると要塞化しちゃって、攪乱依存型のそういうプロセス、シフティングダイナミクスで生きてきたやつの行き場がなくなる。農耕地、里山が評価されるのは、そういう攪乱をかわりに結果として人間がやっていたという、そういう面も実はございまして、がれ場の植物とか、そういうものの行き場所が、農耕地だとかそういうところに行っているという面があるわけですね。
 健全なあり方をこれから考えるのは、一般論じゃなくて具体的なことを提示していかなあかんので、なかなか大変なので、今ここで文章をどう変えるという話はちょっと言えないんですけど、先ほどの流域土砂管理という考え方も、流域総合土砂管理に含まれればいいんですけども、実は、がれ場とか、小規模な崩壊とか、あるいは洪水とか、氾濫原の問題とも関連するんですけども、そういう自然のプロセスをどの程度許容していくのかというのが必ず大きな問題として入ってきます。
 アメリカなんかでは、事実、老朽化したダムを撤去してみるという、そういう自然再生運動が、実はサーファーが結構支援しているというのがありまして、サーファーは、ワールドクラスの波が起こる海岸が、流域が、上流から運ばれてくる土砂で形成されているというのに気がついて、自然環境委員会をつくってダムの撤去に貢献するというような動きもございまして、大きな目で見ると、部分的にそういう流れが全体の位置づけとして位置づけられる場合もある。
 全体として、個別に考えていく必要がありまして、なかなかここで具体的にどこをどういうぐあいに書けと今ちょっと言えないので、聞き流していただいても結構なんですけども、防災と環境の問題という根本的な問題をもしどこかにうまく、そういう折り合いをつけていくのが大事ですよというような視点が入れば、考慮していただけたらと思います。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。高橋委員、何かございますか。じゃ、よろしくお願いいたします。

【高橋委員】 感想です。さっきのモデルについては、いろいろ自然再生事業というのをやっていると思うので、その辺からピックアップ、既存のものがあれば有効なものを利用されたらと思うんです。問題は、これができ上がった後の実効性だろうと思うんです。環境省大変だろうなと思うのは、やはり省庁間の調整だと思うんですけれども、例えばおまえのところが立ち入るべきではないという論理で向こうから来るかもしれませんけども、それは大変だろうと思うんですが、もう一つは、これは立ち入ったことをお話しして、本当に申しわけないんですけども、環境省の中にもそういうところがあるかもしれない。例えばここは環境省の枠組みであって、農水まで立ち入ることはできないとか、あるいは立ち入るべきではないという考えも一方であると思うんですけど、私は個人的な気持ちとして、環境行政すべてを取り仕切る上位の省であってほしいと思うんです、環境省というのは。
 そういう意味からも、もたもたしているようだったら、こっちがモデルをつくって先導してあげるとか、あるいは、どんどん引っ張っていくようなことというのは、この第三次国家戦略をまとめた中にも必要なものがかなりあるんじゃないのかなと思うんです。そうなると従来の、どちらかというと保全、保護する形の環境省の姿勢を一つ乗り越えたようなことを決意していただかないと、これが果たして実効性があるのかというのはまた国民にも問われてくると思うので、これはあくまで希望ですけれども、どんどん引っ張っていって、本当に上位省として確固たる地位を確立していただけたらなと思うんです。

【熊谷委員長】 はい。ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 大変ありがとうございました。大変貴重なご意見を伺いました。最後のご意見については、ここでお答えというよりも、十分にご意見を反映して、今後の作業にどれだけ生かせるかということで勝負かと思いますので。
 それから、本日の議論はあくまでも案でございますので、これからまだ先に合同部会でさらに詰めていくというようなことでございますので、できましたらしばらくご猶予いただけたらというふうに思います。
 まだたくさんご意見はあると思いますが、先ほど事務局より説明をさせていただいたように、早々にパブリックコメントを行う予定でございます。本日の議論を踏まえて、修正については、事務局の環境省とできましたら私委員長にお任せいただけたらというふうに思います。
 さらに、本日言い残したご意見もおありかと思いますが、パブリックコメント開始時に、事務局から第三次戦略案を各委員にもお送りさせていただきますので、それを確認していただいて、パブコメ期間中に事務局までご提出いただければと思います。パブコメの意見とあわせて第三次戦略案を修正し、パブコメ終了後に予定されている合同部会に提示していただこうというふうに思っております。
 それでは、最後に事務局から何かございましたら、お願いをいたしたいと思います。

【自然環境局長】 小委員会の終わりに当たりまして一言御礼を申し上げさせていただきたいと思います。
 5月29日に第1回を開きまして、本日まで3カ月という非常に短い期間に6回の小委員会を開催をしていただきました。委員の皆様方には、お忙しい中ご出席をいただきまして、大変ありがとうございました。
 本日の議論もそうでございますけれども、非常に貴重なご意見を賜り、きょういただいた意見も本当にこの中に生かす、あるいは今後のこの生物多様性戦略を環境省としてどう生かすか、もちろんこれは環境省だけではなくて、政府全体でございますけれども、貴重なご示唆に富むご意見をたくさんいただきました。小委員長におまとめいただきましたように、パブコメ期間中にもいただきましたご意見をそしゃくして、きちっとした案をつくり上げていきたいというふうに思っております。
 申し上げるまでもございませんけれども、この生物多様性国家戦略は我が国の自然環境行政を方向づけるものでございますし、また、2010年には生物多様性条約の締約国会合を日本で開くべく、今名古屋市が具体的に立候補しておるところでございますので、この生物多様性国家戦略は、その2010年のCOP10に向けても、我が国が世界にアピールしていくという基本的なドキュメントになろうかというふうに思っております。
 きょうのご意見にもいろいろ出てまいりましたけれども、国としてなすべきこと、いろいろ各省庁の施策も書いてございますが、それと同時に、やはり、地方公共団体、さらには民間の企業ですとかNGOの活動というのが非常に大きな役割を持ってきておるかと思います。単にそういった活動が重要であるということだけではなく、それをさらにどう進めていけるかというようなことも今後国としては大きな課題になってくるんだろうと思います。
 いずれにしましても、きょうのご意見、さらにこれからパブコメまでにいただきますご意見、さらにパブコメで国民の皆様からいただいたご意見を受けて、戦略案として、自然環境・野生生物合同部会に提出をさせていただきたいというふうに思っております。
 改めまして、ことし大変暑さが厳しい夏でございましたが、この夏の時期を挟んで活発にご議論いただきましたことに改めて感謝申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

【熊谷委員長】 はい。どうもありがとうございました。
 なお、本小委員会の上方針に基づきまして、本日配付の資料、議事録は公開することになっておりますので、ご承知おきいただきたいと思います。
 それでは、以上をもちまして第6回小委員会を閉会いたします。本日はありがとうございました。
 事務局にお返ししますので、連絡事項等ございましたら、よろしくお願いをいたします。

【事務局】 本日はありがとうございました。次回は自然環境・野生生物合同部会の開催となりますが、11月上旬をめどに日程調整中でございますので、決まり次第ご連絡をさせていただきます。
 なお、本日配付の資料につきましては、郵送ご希望の委員の方は、封筒にお名前をお書きの上机に置いておいていただければ、後日事務局から郵送させていただきます。
 それでは、台風が近づいておりますので、どうぞお気をつけてお帰りください。どうもありがとうございました。

(以上)