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■議事録一覧■

平成19年度 中央環境審議会 自然環境・野生生物合同部会
生物多様性国家戦略小委員会(第4回)
議事要旨


1.日時

平成19年7月17日(火)14:00〜17:00

2.場所

経済産業省別館1028会議室

3.出席者

(委員長)
熊谷洋一
(委員)
石坂匡身、川名英子、桜井泰憲、鹿野久男、高橋佳孝、土野守、中静透、中道宏、浜本奈鼓、速水亨、三浦愼悟、森本幸裕、山岸哲、和里田義雄
(五十音順、敬称略)
(事務局)
環境省:
自然環境局長、大臣官房審議官(自然環境担当)、自然環境局総務課長、自然環境計画課長、国立公園課長、生物多様性地球戦略企画室長、野生生物課長、鳥獣保護業務室長、生物多様性センター長ほか
(関係省庁)
農林水産省:大臣官房環境政策課長ほか
文部科学省、厚生労働省、国土交通省

4.議事要旨

第3次生物多様性国家戦略の骨子(事務局案)について検討した。

○「資料1 生物多様性国家戦略構成の比較」について
  • 現行戦略では明記されていた経済的措置が今回の骨子案ではではちりばめられている。現行の記載内容を発展させた形で明記してはどうか。

→第2部第2章第3節の「普及と実践」に項目を設け記載する予定。

  • 生物多様性でもCDMのような生物多様性の適切な利用と経済効果を検討できると良いと思う。

→難しいと思うが、わが国の総合評価の際に触れることができればと考えている。

  • 生物多様性の重要性を説明するにあたって、人間にとっての利用価値の観点に偏っている。生物多様性そのものの価値や、地球の歴史や国土の美しさなどから説明して、生物多様性が健全な地球のバロメーターであることを記載すべき。

→第1部第1章第1節の生態系サービスの現状の前などに追記することを検討する。

  • 100年後を見据えてとのことだが、短期的な目標も工程表などで記載すべき。

→第2部の行動計画で各省と相談して検討する。

  • 企業の活動や消費者の農産物購入の際に、生物多様性に配慮したものかどうか分かるような仕組みなどを戦略に記載することはできないか。

→政府だけでなく企業や地方自治体の参画を進めることが今回の戦略の重要な課題だと考えている。参加のための具体的な手段について各省と相談したい。

  • 資料3の第一次戦略、第二次戦略のレビューの内容を前文に盛り込み、どのように前進したかを記載しないと目標とするものが見えてこない。

→前文にわかりやすく記載したいと考えている。

  • 第二次戦略と比べてわかりやすい構成となっている。第三次戦略をPRするためにも、キャッチフレーズを織り込んでおいてほしい。
○資料2「第三次生物多様性国家戦略骨子(事務局案)」について
  • 前文で格調高く生物多様性の重要性を記載していただきたい。その際に、生物の働きにより古代の地球環境から今の地球環境が作られたということを記載すべき。
  • 温暖化に関する記載は影響を把握するためのモニタリングについて触れる必要があるのではないか。緩和や適応について、結論は単純には出ないが検討していくべき。
  • 第二次戦略策定後の5年間で3つの危機は解消されていないという評価を踏まえて考えていくことが大事。
  • 第1部第1章第1節は、このままだと生態系サービスの現状に関する記載となっている。人間からみた利用のみという視点で生物多様性の重要性を記述している印象を受ける。5項6項を前に持ってくるべきではないか。

→第1部第1章第1節は生物多様性自体の重要性をもう少し強調するよう工夫したい。順番についても、なるべく一般の人の身近なところからと考えていたが、重要性の記載とあわせて記載方法を見直したい。

  • 第1部第1章第1節の2の「生きもののつながりの中から生まれる食べもの」だと農林水産業から生産された食べものだけでなく、実験室で作られたものまで含まれるように感じる。「森林・水田・海から生まれる食べもの」とすべき。

→見出しのタイトルについてはなるべく簡潔なものとして考えたが、今後文章を作成するにあたって見直しを行いたい。

  • 第1部第2章第4節の3に世界とのつながりで渡り鳥を例に挙げているが、日本人にとって身近なウナギや回遊魚についても触れて欲しい。

→世界とのつながりでは、指摘のとおり日本人に馴染み深いウナギや回遊魚などについても触れたい。

  • 100年後の国土のグランドデザインについて、人口が半減することは予測されているが、高齢化は終わっているのではないか。

→2100年の年齢分布推計では高齢者は40%となっており、現在と比べれば高齢化社会であると予測される。

  • 第1部第4章第2節の基本戦略の3で「郷」という記載があるが、なぜ里山などで使っている「里」の文字でないのか。

→「郷」という字にしたのは環境立国戦略の「人と自然が元気な郷」にあわせたものだが、「里」の字でも差し支えない。

  • 第1部第3章第2節では里地里山等中間地域、第2部第1章では森林と田園地域・里地里山となっている。森の扱いをどうするか整合がとれない。扱いを統一できるように整理するべき。
  • 第1部第4章第1節に地域重視という記載があるが、生物多様性を考えたときに地域性だけでみてしまうことがある。このため、同節に記載されている広域的な認識というのが重要であり、地球規模での生物多様性への影響は大きい。木材を大量に輸入しており2割が違法伐採であることなどをどこかに記載する必要がある。
  • 第1部第1章第1節の7番目に「生きものに守られる私たちの暮らし」に防災などの記載があるが、害虫防除や病気のことが重要だと思う。生物多様性を重視した方が長期的にみたら得をすると書いたほうが説得力がある。
  • 第1部第2章第5節「生物多様性の保全の状況」では行政的な、あるいは法的な内容となっているが、他の仕組みについても記載すべき。

→地方自治体や民間企業の参画などについては、大きな流れのようなものを示したい。

  • 第1部第3章第1節において「2010年目標」とあるが、第3次戦略ができるのが2008年であるということを考えると、あまりにも近すぎる。もっと後のことを考えた記述にすべきではないか。

→2010年のCOP10においても、大きな議題として「ポスト2010年目標」の検討が挙げられている。これからの3年間で「2010年目標」の達成状況の評価と2010年以降の目標の検討をする予定であり、このことを記載したいと考えている。

  • 第1部第4章1節の2「地域重視」、第2節の2「地域における人と自然の関係を再構築する」とあるが、それぞれの地域で一律の取組をしないように気をつけるべきである。地域の固有性を重視するということを打ち出すべき。
  • 生態系ネットワークは重要であり、自然性の高い地域はネットワーク化し、生物生産のみの単純な地域はフラグメント化するべきだと思う。
  • 地球規模の視野を持って行動するということについて、食物等の生物材料の貿易に関して、生物多様性を考えたときにどうあるべきかというビジョンを示すべき。
  • 第二次戦略と比較して、分かりやすいものとなっていると思う。もう少し生物多様性自体の価値について記載しても良いと思う。
  • 第1部第2章第1節の1「深刻な影響」として地球温暖化による影響が挙げられているが、地球環境問題全般を深刻な影響とすべきではないか。砂漠化などの問題は日本ではないが、意識することは重要。
  • 第1部第4章第1節に「地域重視」、「広域的な認識」、「長期的な観点」とあるが、空間的なネットワークだけでなく人や組織のネットワークが重なって関連しているということに触れることはできないか。
  • 「統合的」とか「総合的」という表現について、具体的にどのような切り口から考えるかを明記すべき。
  • 第1部第3章第1節の2に記載されている「総合評価」は様々な指標を用いて具体的に評価するようにしていただきたい。
  • 「100年後のグランドデザイン」において、地球温暖化についてどのように盛り込むかは難しい。温暖化対策は温度上昇を2度までに押さえることができれば成功であるといわれているため、2度気温上昇したらどうなるかも念頭に記述すべき。
  • 第1部第4章第1節の6「統合的な考え方」で、自然共生社会・低炭素社会・循環型社会の3つを統合的に捉えていくのはもっともだが、この3つは同じところで議論されているものではないので、どのように統合するかの仕組みまで踏み込むべき。例えば、中央環境審議会で統合するなどの検討をしてはどうか。
  • 生物多様性がサミットでとりあげられるなど注目を集めているのを機に、生物多様性保全施策に必要な財源を確保するべき。
  • 地球温暖化を3つの危機とは別に「深刻な影響」としているが、危機の1つではないのか。3つの危機を上回る地球温暖化という深刻な危機があるとしたほうがわかりやすい目次構成となると思う。
  • 第1部第1章第1節で生物多様性をわかりやすく解説するということは良いと思う。さらに、生物多様性自体の価値、いきものは創れないといったことを追記すべき。
  • たとえば自然林は東日本に偏っているため、今後100年で西日本にも増やしていくなど、国土全体の配置のバランスも念頭にグランドデザインを検討すべき。また、少子・高齢化によって管理できない二次林の自然林への転換は重要であり、中山間地域から奥山自然地域へ移行することにつながる。都市についても、かつての鎮守の森のようなものがあってよいのではないか。海域については、陸域と比べて取組が遅れており、反省すべき点が多い。持続可能な漁業の確立と藻場・干潟の保全が並列されているが、これらは別々でなく連携をとるものだと思う。
  • 第1部第1章第1節の6「生きものがうみだすきれいな水と空気」について、陸から海への物質循環など大きな観点から記述すべき。
  • 温暖化は必ずしもマイナスに働くとは限らない。陸域生態系と海の生態系がどのように変化するのかをしっかり記述するべき。
  • 世界の生物多様性とのつながりについては、日本は島国だが空や海の生きものの通り道で外国とつながっているという認識が重要である。
  • 沿岸・海洋域に関する記載が漁業生産からみた記載になっている。戦略においては、環境・生態系という観点からエコ・リージョンの考え方をもって整理をする必要がある。
  • 生物多様性の変化を把握できるようなところをホットスポットとして設定し、モニタリングやモデリングを行うなどの取組についても記載できないか。
  • 第1部第1章第1節の5「日本の文化と生物多様性」において風土の問題に踏み込むべき。自然景観の保全などについても触れるべき。
  • 第1部第3章第2節「生物多様性からみた国土のグランドデザイン」については、もう少し細分するべき。農地とか平野部というカテゴリーを追加すべき。また、天然林についても原生的な天然林とそうでない天然林について分けて記述するべき。
  • 第1部第4章第1節の4「社会的な仕組みの考慮」については、市場や流通のメカニズムをどう構築するかを記載するべき。
  • 前文や4つの理念の中に生物多様性自体の重要性、「いのちは創れない」という考えが読み取れない。また、生命は創ることができないから1種たりとも絶滅させてはいけないという考えでは病原菌はどうするのかといった人間の都合も出てくるが、この点についての議論も必要ではないか。
  • 洞爺湖サミットに向け第三次生物多様性国家戦略の英語版を用意すべき。
  • 生物多様性という言葉は専門的であり、他の環境問題と比較すると国民の認識は浅い。国民が生物多様性の重要性を認識するための取組が重要。また、将来を担う子どもたちへの教育・啓発は重要である。
  • 国民にわかりやすく、具体的な戦略とすることが重要である。
  • 草地についての記載が必要。草地は全体面積としては小さいが、鳥獣害を防ぐためのバッファゾーンとしての役割やRDB種の4割近くが草地におり、ホットスポットとしての側面もある。
○第2部について
  • 第2部第1章「国土空間的施策」にあたっては空間の連続性だけでなく時間の連続性についても考慮し、また可能な限り具体的な記述とするべき。
  • FSCなどの認証制度はあるが、生活全体に適用できるようなものを考え、市場経済でwin-winの関係を作っていくことが重要である。
  • 自然再生については、氾濫原の再生に触れていただきたい。
  • 第二次戦略の行動計画では各省の取組が列記してあるだけだった。第三次戦略では役割分担を明確にし、国民を巻き込んでいくような取組が必要である。
  • 温暖化対策では、市町村や市民レベルでどのような取組をすべきか示されているが、生物多様性保全についてはそのような話がない。国家戦略はすべての省庁の上位計画であるという認識のもと、各省庁の連携を進める必要がある。
  • 国家戦略というからには、文部科学省に働きかけて学習指導要領に生物多様性を盛り込み、学校においてかならず教育がなされるようにすべきである。