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■議事録一覧■

平成19年度 中央環境審議会 自然環境・野生生物合同部会
生物多様性国家戦略小委員会(第3回)
議事要旨


1.日時

平成19年6月26日(火)9:30〜17:30

2.場所

東京国際フォーラム G701

3.出席者

(委員長)
熊谷洋一
(委員)
石坂匡身、磯部雅彦、大久保尚武、川名英子、桜井泰憲、佐藤友美子、
鹿野久男、篠原修、高橋佳孝、中道宏、服部明世、浜本奈鼓、速水亨、
三浦愼悟、森戸哲、山岸哲、鷲谷いづみ、和里田義雄
(事務局)
環境省:
自然環境局長、自然環境計画課長、国立公園課長、野生生物課長、生物多様性地球戦略企画室長、鳥獣保護業務室長、生物多様性センター長ほか
(関係省庁)
文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省

4.議事要旨

学会、地方自治体、NGO及び企業からのヒアリングを実施した。(敬称略)

○学会
(1)
日本生態学会 自然保護専門委員会委員長 立川賢一
「日本生態学会からの提案と要望」
  • 【速水委員】国有林等では以前よりも生物多様性への配慮に努力していると思うが、現場の実情はいかがか。

→ 伐採の計画があると、話を聞きに行ったり、要望したりするが、現場まではまだ十分理解されていない感触。

(2)
日本造園学会 会長 熊本県立大学理事長 蓑茂寿太郎、
総務担当常務理事 東京大学教授 下村彰男
「『第3次生物多様性国家戦略』の策定に向けた提言−『瑞穂(みずほ)と環(わ)の郷づくり』に向けて−」
  • 提言5について、市民参加型のモニタリングはお金がかからないという話があったが、実際はモニタリングの継続は、NGOが身銭を切ってやっている。専門家のみに予算を付けるのではなく、指導者の養成、仕組み作り、永続性の確保のためのしっかりした予算が必要。

→ 「公共」の「公」にのみに負担を強いるのではなく、NPOや企業等の「共」を含めた幅広い財源を考える必要がある。

  • [1]提言5で、わかりやすく持続性のあるモニタリングについて、学会から提案はあるか。
    [2]提言6の専門家の育成というのは、里地里山の観点から言うと農林業の担い手ということになると思うが、その連携について何か提案があるか。

→ 伐採の計画があると、話を聞きに行ったり、要望したりするが、現場まではまだ十分理解されていない感触。

→ [1]学会員の中には、一般の人に見てもらうためのモニタリングの指標について研究をしている人もいる。一般の人がデータを取って、それらを集約する仕組み作りにお金がかかるが、仕組みを作った後のランニングコストは下げられる。[2]担い手については、生業の現代の生活の中での再構築を考えている。また、「生業と自然との関わり」を、教育に反映することで、一次産業の担い手とのコミュニケーションが図れると思う。

○地方公共団体
(3)
豊岡市長 中貝宗治
『コウノトリとともに生きる 〜豊岡の挑戦〜」
  • [1]コウノトリの郷米について、消費者と市民だけでやっていけるのか。[2]コウノトリの郷米を、野鳥の会のようなところの人は購入しているのか。[3]税金の投入は必要ないのか。

→ [1]JAが最初から係わってやっており、最近では経済的に成り立つということが分かって積極的になっている。 [2]野鳥の会の人が購入しているかどうかは把握していないが、(日本野鳥の会会長の)柳生博氏はコウノトリファンクラブの会長で、あちこちでアピールしてくれている。また、コウノトリをロゴに使っている九州石油では1ヶ月社員食堂で使用。生活協同組合で購入する人の中には生きもの調査に参加する人もおり、結びつきが強まりつつある。お米の方が足りないのが現状。
[3]ビオトープ水田には10aあたり5万4千円、冬期湛水水田には4万円の補助金を出している(それぞれ半分は県から市への補助金)。冬期湛水水田については、補助金なしでもペイすると考えており、補助制度の撤退も考えている。マーケットの支持で成り立つ方向にしたい。

  • 県や市がこの取り組みにいくらくらいかけたか。

→ 正確にはわからない。コウノトリの郷公園の整備に50億円のほか、人件費をあわせると相当かかっていることは確かだと思う。

  • 【山岸委員】プレゼンをきいた人が、鳥は絶滅しても飼育して放せば大丈夫と思ってしまわないように、これだけうまくいった場合でも長い歳月と多額の費用がかかり大変だという話をプレゼンに入れて広めてほしい。
  • 【森戸委員】豊岡市では生物多様性という言葉は使っているか。

→ 使っていない。コウノトリの話は「種の保存」というところから始まり、環境問題、人間の環境、経済、を経て自分たちの誇りにつながるというところまで意識が広まった。あまり専門用語では考えないようにしている。

  • 平成16年の台風23号による洪水を経験されて、市民からはどのような質問や要望があったか。またそれに対して市はどういう対応をしたか。

→ 河川改修をしっかりしろという声がとても多かった。加えて、行政頼みではなく、自分でやらなければならないという認識が市民に芽生えた。市民、地域社会、行政が直接災害に向き合う取り組みが増加している。洪水もコウノトリも根は一緒という認識が広まった。母なる円山川の理不尽な振る舞いに、子である自分たちは腹が立つけど、やっぱり好きという認識が広がっている。

  • 湿地や遊水地をつくるという話はなかったのか。

→国交省の事業として、実際に湿地を作っている。農家との折り合いを付けていくのは大変で、この矛盾は抱えていかなければならないと思っている。

(4)
千葉県知事 堂本暁子
「『(仮称)生物多様性ちば県戦略』の策定について」
  • 多様な取り組みをされていると思う。生物多様性や温暖化は重要だと思うが、行政や公共事業などのシステムは未だに高度成長時代のもので、実際うまくいかないケースが生じている。それに対しては何かしているか。

→ 印旛沼に高速鉄道を通すという件では、知事はアセスの審査と工事の完成と両方の責任を負う立場であり、苦渋の決断を迫られた。印旛沼をはずすことはできなかったが、アシを植えて代替の生息地を創出するなど、配慮型の事業とした。徹底はしていないが、以前よりは生物多様性の視点を取り入れることができるようになったと思う。

  • 県を挙げて、生物多様性ちば県戦略を策定しようとしていることはすばらしいが、近隣の自治体の連携、反応はどうか。

→研究者、行政、市民が有機的に連携することが大事で、市民は県境を意識せずにつながっていると思うが、周りの知事に生物多様性の視点は少ないと思う。生物多様性が温暖化と同じくらい有名になるといいと思うので、国全体がそういうムードのときに役にたてるならばうれしい。

  • 里山条例の仕組みで、民間企業の積極的な参加の動きがあるという話について、税制上の措置があるのか、民間が自発的に動いているのか。

→臨海工業地帯の緑化率を20%にしていたところを国の基準である10%に下げたいという話が発端。工場の緑化率を10%に下げるかわりに工場外での緑化をすることになった。里山で活動しているNPOに財源を出す、実際に工場の職員が自ら作業をするというように、いろいろな形態が可能なようシステム化した。

  • 「ボトムアップ」を強調されているが、知事のトップダウンで進んだ取組と思う。知事にやる気がなければこういう取組は起こらない。環境省がどう対応したらいいか千葉県の例が参考になると思っていて、行政や専門家が「こうあるべき」というものを実施する際にはボトムアップの仕組みにしないとうまくいかない。このための行政・知事の役割はどのように考えているか。

→環境のタウンミーティングを始めたころには他の政策分野での実績ができており、それが県庁でも当たり前になっていた。福祉などでは計画の策定だけでなく、実施にも県民が取り組むようになった。国家戦略でも、国民参加の政策づくりができればすばらしいと思うが、国レベルではやりにくく、県、さらには市のように小さいほどやりやすいと思う。環境については、市町村が市民にモチベーションを持ってもらうような政策づくりをすることが重要だが、公害以来の環境対経済の対立の歴史から脱却することが課題。国において、ボトムアップを誘導するような制度を作ることが大事だと思う。

(5)
滋賀県知事 嘉田由紀子
「今、滋賀県が求める自然共生型の地域社会とは」
  • 公共事業のコストとベネフィットの評価で、生物多様性を数値化せざるを得ないときにどう考えているのか。

→行政としては、生態系サービスの金銭化もせざるを得ない。琵琶湖の水供給・生物・景観などの価値は数兆円という研究者の試算もある。

  • 金銭化をしていない現状では、どのように県民の合意をとっているのか。

→田んぼに魚がいたらよいという文化的共感で予算を付けている。大学や博物館を、共感の輪を広げるプラットホームとしている。

  • 「懐かしい未来」に共感。目標設定が昭和30年ということだが、他の時期にする議論はあったのか。

→滋賀県で急速に工業化したのが昭和30年代。昭和38年に名神高速道路が開発され、昭和40年代には工業の内陸化の影響が出始めた。目標とする時代はそれぞれの地域によって異なると思う。博物館で昭和30年代の生活について展示した際の反応や、家の中に湧き水を引いて利用している集落の価値が再認識されていることなどから、県民の合意は取れていると思う。

  • 滋賀県は、大学・研究所・博物館があり、専門家に恵まれ、市民の意識も高まっている。行政はその間をつなぐだけでなく、行政の内部にもスペシャリストを育てて配置していく必要があると思うがどうか。

琵琶湖博物館には、県の職員を学芸員として出している。田んぼのゆりかごプロジェクトはその中でできたものである。その2〜3年の間に影響を受けて帰ってくる。今後は博物館や大学から県に人を入れたり、5〜10年の期限付きの動きのきくスタッフをつくったりすることも必要と考えている。

○NGO
(6)
世界自然保護基金ジャパン 自然保護室次長 草刈秀紀
「WWFジャパンの生物多様性保全の取り組み」
  • 生物多様性と一次産業の関連についてどのように考えているのか。

→ 森林認証制度(FSC)、漁業認証制度(MSC)を積極的に使いながら、水産資源・森林資源を持続的に使っていくという方向性で活動している。

  • FSC、MSCは欧米のものであるが、日本にあったものをつくることは考えているか。

→日本の実情にあわせた認証制度を作るべきだという声があがり、現在手がけている。

  • WWFジャパンの新しい会員には、生物多様性をどのように説明しているのか。

→ホームページや機関誌の他、生物多様性についてのブックレットによる普及や、シンポジウムの開催などの取組みをしている。

  • 外来種問題学習教材「ピンチくん」は、学校で使用するのによいと思うが、どれくらい活用されているのか。

→普及啓発のモデル事業で作成し、モデル校となった沖縄と奄美の高校それぞれ1校ずつと、南西諸島における外来種対策のアンケートに協力してもらった小中学校に配布。また、沖縄や奄美のNGOで活用されている。いずれ南西諸島だけでなく、さまざまなローカル版を商品化したいと考えている。

(7)
日本自然保護協会 保護研究部主任 大野正人
「第3次生物多様性国家戦略へのNACS-Jの提言」
  • 環境行政の既存ツールを再構築するために「他の省庁が持つツールも含め大胆な整理統合も視野に入れ」とあるが、具体的にはどういうことか。

→たとえば、保護地域制度でいえば、自然公園、自然環境保全地域、林野庁の保護林など、それぞれ役割は違うが、もう少し整理をして、位置づけを明確にすべき。

  • (前発言に関連して)どうすれば、保護地域全体の枠組みを変えることが可能か。

→IUCNの保護地域のカテゴリーが参考になる。現在、保護林や国立公園のカテゴリーは様々であり、見直しが必要だと思う。

(8)
日本野鳥の会 自然保護室 室長 古南幸弘
「第3次生物多様性国家戦略に向けて:鳥類保護のための視点」
  • 油汚染や病原菌などに関する、省庁間の連携について具体的にどのような提言をしているのか。

→油汚染については、少なくとも、、野生生物の保護の責務に関して、国家緊急時計画に明記をした上で、関係省庁連絡会議をつくり、環境省・都道府県の関係者に海上保安庁からすぐ報告が入るようにすることが必要。疾病については、野生生物健康センターのようなものを設置するのが理想だが、少なくとも省庁横断的に定期的な会合を持つこと、国立環境研究所の機能の拡大などが良いと思う。

(9)
日本生態系協会 事務局長 関健志
「国土の再構築」

(質疑は特になし)

(10)
コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 代表 日比保史
「地球規模での生物多様性の保全に向けて」
  • 生物多様性国家戦略についてはどのような提言があるか。

→地球規模の生物多様性への対応についてもっと強力に打ち出していいのではないか。クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金(CEPF)のように、日本が貢献している例もあるのだから、その知見を生かして、ODAで生物多様性と貧困削減に関するプロジェクトを増やすなどすべき。
 また、企業と生物多様性の関係について、市民側からの厳しい目というものが日本にはない。市民側の啓発も、国家戦略の役割と考える。

  • 企業の協力に対する税制の措置についてなにか話はあるか。

→NGOへの寄付に関する優遇措置は存在するが、非常に小規模であるため、もっと社会全体で行えるような税制は必要ではないか。また、NGOへの寄付だけではなく、企業の活動自体についての措置も必要と考えるが、欧米でもまだあまり進んでいない。グリーン購入を生物多様性分野に広げていくという方法はあるのではないか。

  • 企業レベルでは二酸化炭素排出についてはかなり浸透してきたが、生物多様性という言葉はまだまだ浸透していない。サミットでも、生物多様性についてようやく議論されるようになってきたことを受け、個別の企業活動の中でどう取り組んでいくかというのがこれからの課題。生態系サービスへの支払いのような代替手段的なことでよいのか、本質的な生物多様性の保全という視点でしなければいけないことはあるのかという点について考えを詰める段階に入ってきたと認識している。
○企業等
(11)
日本電気株式会社
CSR推進本部環境推進部統括マネージャー 宇郷良介
「『NEC田んぼ作りpj』とは何か!?」
  • アサザ基金はどのような関係があるのか。また、今回の「NEC田んぼ作りpj」にかかった費用はどれだけか。

→アサザ基金には田んぼの管理を委託している。また年間5、6回の行事の企画についても相談して進めている。かかった費用はこの委託費の年間600万円である。

  • 社員の福利厚生、レクリエーションが環境保全の取組となっている例だと思うが、生物多様性保全と関連づけて認識されていないように感じる。生物多様性について、社員にどのように理解してもらえばよいと考えるか。

→この活動自体は、生物多様性を目的にしたものではない。事業が生物多様性とどう関係を持っているか整理・理解し、企業活動と生物多様性との関係の強さを認識することが本当の企業としての対応責任ではないかと思う。

  • 企業のCSRとしての取組に、企業活動に役立つのかという点で、社内から批判を受けたことはないのか。

→グループの活動計画に盛り込んだ時には、特に大きな批判はなかったが、実施の段階になって、経営層というよりは事業の最前線から、どういう効果があるのかという意見はあった。しかし、現在では社内でも高い関心を得ており、経営層においても、宣伝・広告効果やお客様とのコミュニケーションツールとして理解が深まっている。

  • 愛知万博で設置した気象観測システムを全国の環境NPOへ寄付もしくは貸与し、生物多様保全に役立つ情報を収集するような取組はできないか。

→単に寄付することで貢献するのではなく、ビジネスとして貢献することが本来の社会貢献と考えており、ビジネスモデルを活性化できるようなものなら協力したい。

  • アサザ基金だけでなく全国の他のNPOへ寄付することにより生物多様性保全に貢献するということは検討していないのか。

→単なる寄付では狭い意味の社会貢献にすぎず、安易に考えるべきものではない。

(12)
イオン株式会社 環境・社会貢献部 部長 橋晋
「生物多様性に関するイオンの取組」
  • イオン環境方針は、2006年にはじめてできたのか。また、どのような位置づけのものか。

→京都議定書が問題になった時にはCO2削減の社内目標つくった。環境はイオングループを結びつける最大の共通テーマとして重要な位置づけとしている。

  • 多くのお客さんと接するため、取組方次第では生物多様性について多くの人々にアピールできると思う。環境方針にも「生物多様性」について記載されており、なにか具体的な普及策を考えているか。

→企業としては、NGOとの交流の中から情報を得たり、企業として認証制度などの情報をいち早く取り入れて、長期的な企業活動の仕組みの中に盛り込んでいくことを考えている。例えば、ショッピングセンターの出店にあたって、当社の植樹など環境への取組が理解を得られて当社の出展案を採用してもらった。メセナ的な活動については、財団として独立して実施している。

  • 日本は食料資源を海外に頼っているが、国産品利用と日本の生物多様性についてどのように考えているか。

→有機農産物などは、食品商品部が品質基準を決め、それを担保するためのマニュアルを作って生産者へ働きかけている。

  • 減農薬商品と他の商品ではどれだけ価格差があるのか。

→2割以上価格差があると買ってもらえない。しかし、減農薬・有機農産物のニーズは年々高まっている。

  • NGOへの支援について、助成金の使途制限などはあるのか。また、担当スタッフは何名程度か。

→収支報告書をきちんと作成する団体であれば支援対象としている。また、財団には、イオンの社会貢献部とは別に、担当スタッフが10名程度いる。

(13)
サラヤ株式会社 商品開発本部商品開発企画室 研究調査員 中西宣夫
営業第一部リテール・マーケティング担当部長 代島裕世
「私たちの食・住の原料供給地、ボルネオの生物多様性を守るための活動」
  • 土地利用の規制でなく、土地購入という手法をとったのはなぜか。

→規制でできる部分は政府にやってもらうが、既にプランテーションが拡大しているという部分は購入が必要。

  • どんなタイムスパンで森林の再生を考えているのか。

→現在でもアブラヤシプランテーションの分布は拡大している。土地所有者との交渉次第ということもあり、全体を回復するのにかかる時間は予測不可能である。

  • サラヤ製品の原料のパーム核油がどこから来て、どのくらい使っていて、企業として経営を持続するにはどれだけの量を確保しなくてはならないかということとを活動と関連づけなければ誤解をうむのではないか。

→10月には原料の調達状況を消費者に公開する予定で、現在準備をしている。

(14)
パルシステム生活協同組合連合会
商品統轄本部産直事業部 次席 田崎愛知郎
「パルシステムの新農業政策及び事業の展開」
  • 産直が中心であることにより国産品の比率が高くなっているのか。

→基本的に国産品を扱っている。日本で生産できないものはバナナなど少数である。生産者と消費者の信頼関係を築くことで産直が成り立っているのだと思う。

  • 生きものの視点からの商品は、今後どの程度見込みがあるか。

→生物多様性というか生きものの循環を生かした農業の価値を経済的な価値と別のものとして組合員に理解してもらえるよう進めている。また、消費者が購入時に生産者の活動に寄付できるような仕組みも検討している。

○その他
  • 自治体ではボトムアップの取組がなされているが、それを実施するためにはトップの生物多様性に対する認識は重要である。個々の自治体でリードしてもらう大切さを痛感した。また、自治体に広めるなら国の制度的バックアップも必要という言葉が印象に残った。
  • 県民参加の事例について、どのくらいの人が、どういう意識を持って参加しているのか聞いてみたいと思った。
  • 今日発表のあった自治体の生物多様性への取組においては、生物多様性という言葉を使っていない。企業の取組においてはなおさらである。「生物多様性保全」というより、「生き物と一緒」といったほうが通りがよいとの話もあり、国家戦略の大きな課題を認識した。
  • 生物多様性に関わる主体が広がってきたと感じる。このことを評価して発展させてほしい。生物多様性をめぐって、今まで関わりのなかった分野が関わり始めることが、世界全体の活性化にもつながるのではないかと感じた。生産者と消費者のコラボレーションの中に、ナチュラルヒストリーの研究者などが協働することも重要。
  • 生物多様性という言葉には苦労しているという印象を受けた。もう少しかみ砕いた表現をしないと広がらないと感じた。現行戦略では、冒頭に生物多様性の定義が出てこないが、三次戦略では生物多様性とは何かを先頭に書くべき。危機を示して、それに対する緊急対応が必要、という書き方だけでなく、めざすべき最終形を示し、それに向かって何をするかという論理構成が必要。
  • 自然への親しみや安全な製品の選択などを通じて、一人一人が生物多様性保全につながる取組をしているが、その意味づけをしてあげることで、ライフスタイルに近づける視点が必要。大事にすべきものと気づけばすごく広がりを持った活動になるのではないか。また、最近の市民活動は皆がばらばらに動いているが、実はひとつの目的に向かっているという形に変わってきており、新しい組織のあり方に対応していかないと、市民に届かないのではないか。