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中央環境審議会 自然環境・野生生物合同部会
生物多様性国家戦略小委員会(第6回)


平成14年2月15日

午後2時02分開会


●事務局 それでは、中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会第6回生物多様性国家戦略小委員会を始めたいと思います。
 議事に入ります前に、まず資料の確認をさせていただきたいと思います。
 まず議事次第。次に、生物多様性国家戦略小委員会名簿、資料1−1、新・生物多様性国家戦略案(事務局案)目次、資料1−2、新・生物多様性国家戦略案(事務局案)第1部〜第3部、資料1−3、新・生物多様性国家戦略案(事務局案)第4部第1章、資料1−4、新・生物多様性国家戦略案(事務局案)第4部第2章及び3章、資料1−5、新・生物多様性国家戦略案(事務局案)第5部、資料1−6、図表一覧。その次に1枚紙で追加資料、第4部第1章第4節河川・砂防・海岸P 129〜P 130関連資料。次に、資料2、新・生物多様性国家戦略案フロー図、資料3、現行「生物多様性国家戦略」(平成7年10月策定)の概要、そして、最後に参考資料として生物多様性国家戦略案詳細目次でございます。
 以上でございますが、不備等がございましたら事務局の方にお申し出願います。
 次に、本日の出席状況でございますが、19名中14名の委員にご出席いただいております。小委員会は成立しております。
 それでは、議事の進行につきましては、辻井委員長、よろしくお願いいたします。

●辻井委員長 皆さんこんにちは。
 毎回、ご熱心にお集まりいただきましてありがとうございます。今回が小委員会として最終回の予定でございます。4カ月ばかりの間に第6回目までですから、大変密度の高い委員会でしたけれども、毎回ご熱心にお集まりいただいてありがとうございます。大詰めを迎えまして、今日これでまとめるということになりますので、よろしくお願いいたします。
 議事の (1)が生物多様性国家戦略案の検討ということですが、今申しましたように今回で小委員会としての案を取りまとめる必要がございますので、各委員のご協力を改めてお願いをいたします。
 まず、事務局から説明をしていただいてから始めようと思います。よろしくお願いいたします。

●生物多様性企画官(渡辺) 計画課、渡辺でございます。失礼して座ってご説明いたします。
 委員長からお話がありましたように、今回この小委員会としての新・国家戦略案、取りまとめでございますのでご審議よろしくお願いします。
 お手元の資料2のフローをちょっとコンパクトにしたものでございます。そのフローの下の部分にこの1年の見直し作業の経過をつけてございます。前回、1月28日の第5回の小委員会におきまして、事務局から素案(事務局案)を提示いたしましてご意見をいただいたところでございます。その中で、1部から3部につきましては、幾つかの点についてご指摘をいただきましたが、全体としては構成、あるいは内容について適切であるというご意見をいただいたところでございます。
 第4部、各省の具体的施策につきましてご意見をいろいろいただきました。それぞれの施策が生物多様性の観点からどのような意味を持つかを明確にすべき、生物多様性の観点からかかわりの余り深くない施策が含まれていて、記述内容の整理が必要、各省の施策がばらばらに策定、実施されるのではなく、生物多様性の観点から相互に調整を図って、一体的・総合的に推進されることが重要であるといった多数のご意見を4部に対していただいたところです。
 最後の第5部、戦略の効果的実施の部分につきましては、計画の最後のまとめというところで新戦略の特徴なり作成に当たって重視した点なりを整理して記述してはどうか、あるいは、国だけではなく、国民、事業者、自治体など多様な主体の参画によって戦略を具体化する必要があり、国は多様な主体の取り組みを積極的に支援することを記述していくべきではないか、戦略の着実な推進をフォローアップするための点検の仕組みについて、より具体的に記述をする必要がある、そういった記述の充実を求めるご意見を5部に対してはいただいたところでございます。
 幾つかの分冊に分かれていますが、主に修正した点、幾つかご紹介していきたいと思います。
 まず、資料の1−2でございます。これが1部から全文1部、2部、3部の部分でございます。ここの関係の主な修正ポイントを幾つかご説明をいたします。
 まず、第1部、生物多様性の現状を書いているところで、22ページから24ページにかけまして、分類群別の記述をしております。その分類群別の種数に関しての数、亜種の表記方法につきまして、阿部委員からいただいたご指摘を踏まえてここは修正を加えております。また、次の25ページ、生物種の現状の一番最後のところに、遺伝子レベルの多様性についての記述を追加いたしました。その記述の中で、種の将来にわたる安定した存続のためには、それぞれの地域の環境に適応したその種の遺伝的形質の多様性が保たれることが重要であるという点を示した上で、自然環境保全基礎調査の遺伝的多様性調査などによります遺伝子レベルの分析事例を追加してここに記述をしております。
 第2部、理念と目標のところでございます。ここでは35ページにグランドデザインの記述がございます。ここに関しまして、前回の委員会でもご意見をいただき、委員会以降に篠原委員、三浦委員からコメントをいただきました。そうしたコメントを踏まえまして追加・修正を加えております。前回、グランドデザインということで、7つの項目を並列的に記述をしておりました。その7つの中から初めに人間と自然の関係についての基本認識、基本方向ということで3つの点をまず挙げました。第1として奥山・里地里山・都市、こういった大まかな3つの区分、第2として道路・河川・海岸などの整備を通じたネットワーク化、第3として住民・市民の保全・再生への参加を通じた新しいライフスタイルの確立、この3つの点を初めに挙げました。その上で国土空間における生物多様性の将来像のイメージといたしまして、ここに挙げております8つの項目を示しました。前回に比べて加えたのは[4]から[8]の部分です。
 [4]は、奥山の自然林の保全、あるいは植林地の管理といった視点から、「うっそうとした奥山の森をカモシカがゆったりと歩き、植林地では若者たちの努力によって間伐がなされ、豊かな森が維持されている」という記述。
 [5]は、里地里山等の中間地域の方向ということで、「国土の中間に帯のようにつながっている田園地帯には、美しい水田が広がり、自然再生事業やNPO活動によって湿地やため池も復元されている。そこには、かつて絶滅の危機に瀕していると言われたメダカやタガメが豊かに生息している。子どもたちは魚をとり、トンボを追い、涼風の中を走る。近くの里山に目を転じれば、手入れされたコナラ林にギフチョウやカタクリが回復している」という記述を加えております。
 [6]としては、河川・水系の視点ということで、「蛇行して流れる川にはサケが遡上し、紅葉する岸辺をかすめてカヌーが静かに下っていく」という記述を足しています。
 [7]では、大都市や臨海部の改善、あるいは向上の方向としまして、「ビルのオフィスから外を眺めると、臨海部には明治神宮の森にならって全国の人々の参加により育てられた森が広がり、その先に再生された砂浜ではウミガメが産卵する。都心側に目を転じるとビルの屋上も豊かに緑化され、大都市とは思えぬほど野鳥のさえずりが聞こえてくる」。
 [8]では、地方都市の生物多様性、人々の情景ということで、「地方都市の鎮守の森ではフクロウが鳴き、皆で作った校庭の池で親子が生きものを観察している」、そういう表現を加えまして、「既存の都市、町や村に、生き物たちのにぎわいがあり、人々は彼らとのふれあいを通して生活のにぎわいを感じる」という記述につなげるようにしました。
 次の第3部第1章、基本方針の部分ですが、45ページをお開きいただけますでしょうか。45ページは生物多様性から見た国土の構造的把握の3つ目の構造ということで、都市地域の記述の部分です。ここでは和里田委員からのご指摘を踏まえまして、下から3行目のところで、都市の水循環の視点といたしまして「雨水浸透施設の整備等により地下水の涵養を進め、都市の水循環の健全性を回復していくことも重要な課題です」という記述をつけ加えております。
 次は、第3部第2章、主要テーマ別取扱方針の中ですが、57ページをお開きください。テーマ別の2つ目の里地里山の保全と持続可能な利用の部分です。この1つ目のパラグラフの最後の部分に水田の生物多様性保全上の重要性について記述を加えております。その上で、2枚めくって59ページ、里地里山の重点的な施策というのを挙げています。この3つ目のパラグラフの中で、農業関係の取り組みを挙げていますが、その中で農村地域の環境保全に関するマスタープランの策定を通じて多様な野生生物が生息できる環境の保全・創出への配慮を進める、その旨の記述を追加をいたしております。
 同じく主要テーマ別取扱方針の中で、71ページ、これは野生生物の保護管理の中の移入種の対応について記述しているところです。この移入種問題の対応の関係で、まず記述の冒頭のところに「国境を越えた人や物の流れの増大や国内における生物の利用の拡大に伴い、我が国に持ち込まれる生物は増加している」ということを追加して記述して、そのページ一番下のパラグラフの初めのところで、「移入種がひとたび定着した場合には根絶することがきわめて困難であり、進入の予防を重点に考えることが効果的な対策である」という認識を記述として加えております。
 これまでが第3部までで主な修正点でございます。
 次に、第4部でございます。
 第4部では、前回小委員会でいただいたご意見を踏まえまして、大きな修正方針としては第1に制度・施策の説明に入る前に、それぞれの施策分野における生物多様性の観点からの現状の認識を示していくこと、第2、その上で現状認識を踏まえた施策の今後の改善の方向を記述していく、第3にそれぞれの施策と生物多様性とのかかわりについて記述をする。同時に生物多様性の観点からの重要性によって記述にメリハリをつけることなどを修正方針として挙げまして、各省に改善のための作業を依頼いたしました。1月28日以降、限られた時間の中で各省の協力のもとで昨日まで修正作業を進めてきたところです。
 まず、この第4部の全体構成でございます。資料2のフローにありますように、前回は第4部第1節から10節まで並列的に記述をしていました。今回、このフローにありますように大きく3つに分けました。環境省を含めた各省の具体的施策につきまして、1つ目は森林・林業などの「国土の空間特性や土地利用に応じた施策」、それから、野生生物の保護管理などの「様々な空間やセクターに横断的な施策」という固まり、そして3つ目には調査研究、人材育成など「基盤的な施策」の固まりということで、3つに大まかに分けまして、1章、2章、3章ということで、章立てをいたしました。また、前回第8節に「社会資本整備における環境配慮」というのがありました。今回、その部分は第1章の中に統合をしております。
 第4部の記述内容の中で主な追加点、変更点について幾つか紹介をしたいと思います。
 まず、第4部の1章につきまして、各省の個別施策の説明に入る前に、第4部の1章は資料の1−3の中で84から85ページ、一番最初の部分です。この最初の2ページのところにつけましたように、まず国土の利用、あるいは国土の開発等に関する上位計画であります国土利用計画、あるいは全国総合開発計画、そして環境の保全に関する上位計画としての環境基本計画といった関連する上位計画における生物多様性保全の位置づけと、第1章に掲げられた各種施策とこうした上位計画との関係について最初に述べております。加えて平成13年度の省庁再編に際しまして、森林、緑地、河川・湖沼、海岸、そういったところの保全に係る計画や基本方針等の策定を環境省と関係府省が共同で所管することになりました。そういう共管事務など、環境省の発足に伴って環境行政と関係するさまざまな行政との間の連携強化を図る仕組みが設けられたことを加えて記述をしています。
 その上で、第1章に掲げられました国土空間における保全の取り組み、自然の再生・修復・創出の取り組み、持続可能な利用の取り組み、こういった各種施策がそれぞれが個々の省庁において策定・実施されるものでありますが、こうした国土利用計画や環境基本計画等の上位計画の規定、あるいは環境行政との調整、連携の仕組みを通じまして、またさらに施策のテーマに応じて省庁の連絡会議を設置したり、共同事業を実施するなどして各省がばらばらではなくて、連携して一体的総合的に取り組むことによって各省の計画なり各省の施策に生物多様性の観点を適切に位置づけて、効果的に施策を展開するということをまず冒頭の2ページのところで述べております。
 次に、第1章の各省で分担して記述をした中で、前回から主要な変更部分を幾つかご紹介をいたします。
 まず、資料1−3の87ページであります。ここは第1節の森林・林業の記述で、その中で下の方に「 (1)森林・林業基本計画における望ましい森林の姿とその誘導の考え方」という題がありますが、そこを示した部分です。この中では、生物多様性の観点を含む森林の多面的機能の発揮のために水土保全林、森林と人との共生林、資源の循環利用林の3つの区分をし、3つの区分ごとの望ましい森林の姿や、それに誘導するための森林施業の考え方をここで述べています。その記述の中で、原生的な自然や重要な野生動植物の生息地である森林等は、自然の遷移にゆだねることを基本として保全管理をすること、あるいは立地条件に応じて育成単層林を高齢級の森林に誘導したり、広葉樹の導入によって混交林化をするなど、複層状態の森林に誘導をしていくための育成管理を行うこと、また、それらの育成管理を通じて将来指向する森林の状態として現在の育成単層林、約 1,000万ヘクタールが将来的には半分以下に減少することなどをこの中で示しております。
 95ページ、同じく森林・林業の中で、 (8)都市の山村の交流等の中のイに里山林等の保全・整備・利用の推進の記述があります。この中で身近な里山林や都市近郊林について、人々の継続的な利用活動と保全・整備活動を一体的に推進することとし、具体的な施策として「里山利用林」の設定や「森林の育て親」の募集などへの支援の施策を挙げております。
 それから、続いて 103ページ、森林・林業の中の国有林における緑の回廊の設定・整備についての記述です。ここでは第3部で挙げました国土空間における生態的ネットワークを形成する上で重要な緑の回廊設定について述べられています。記述の中で多様な主体の参加による設定プロセスや東北地方奥羽山脈における10カ所の保護林をつなぐ9万ヘクタールにも及ぶ回廊設定の事例、さらに北上高地において民有林や県立自然公園と連携をして国有林と民有林の区別なく回廊の設定を進めている事例などが紹介されています。また、野生生物の移動や休息・採餌等の機能を発揮するための回廊の森林の維持・整備の考え方、あるいは的確なモニタリングの実施について述べておりまして、前回よりも具体的な記述がなされております。
 次は 111ページ、第3節、都市・公園緑地・道路の部分です。その中ほどの2番、都市における生物多様性の確保の基本的考え方というのが記述されています。その下から2つ目のパラグラフの中で、緑の保全、創出、活用に係る施策を総合的、計画的に実施するために平成6年に策定された「緑の政策大綱」に関して、省庁再編に伴い国土交通省として新たに策定する「緑の政策大綱」では、生物多様性保全を重要な要素と位置づけ、都市地域における生物多様性が保全されるよう、その生息・生育基盤となる緑の保全・創出の取り組みを積極的に進める旨、記述を追加しております。また、それ以降の具体的施策の中で、公園緑地空間、河川空間、道路空間等が一体となって都市地域におけるビオトープネットワークを構築することを記述をしております。
 次は 120ページ以降、ここから第4節の1番、河川・砂防の記述でございます。
 ここの部分は前回と比べて大幅に記述の修正が進められた部分です。まず、 (1)の河川環境施策の展開という中で、生物多様性の維持、生態系回廊、水循環系の軸、そういった河川の生態系形成上の重要な役割について記述をし、また、流域の変化に伴って水循環の分断や河川における生物生息環境の喪失などの河川環境の現状認識を示し、その上でこれまでの河川行政のレビューと今後の方向などについて記述をしています。
  124ページ、河川の中の (5)自然再生事業の推進の記述でございます。第3部、施策の基本的方向の1つとして掲げました自然の再生に沿った事業といたしまして、ここの部分では自然のレスポンスを確認しつつフィードバックを行う順応的・段階的施工による自然再生事業の創設について述べています。そして、具体事例として釧路湿原における自然再生事業を挙げ、その中で国土交通省と環境省などの関係省庁が連携をすると。また、住民、市民団体、学識経験者などの多様な主体と連携して実施をすること、過去に直線化された河川をその旧河道を利用して蛇行復元を行う事業に着手することなどをここで述べています。加えて、渡良瀬遊水池における湿地再生、あるいは全国各地で河口干潟の復元、蛇行河川の復元、湖岸のエコトーンの復元など、地域の自主性と創意工夫を生かした自然再生事業を実施する旨、述べられております。
  129ページ、これは河川の関係の (8)のア、河川水辺の国勢調査の記述です。ここでは、河川の自然環境に関する基礎的情報を把握するための定期的・継続的調査としての河川水辺の国勢調査を記述しています。この調査は5年を1つのクールとして、現在3巡目の調査に入っています。本文中の調査結果、数字が入っていない部分は、別途資料1−6の下に、図表集の下に1枚紙で表の形で整理した数字が入っています。ここではこれまでの調査成果についてレビューをし、その結果を示した上で本文中の 131ページの2つ目のパラグラフになりますが、この河川水辺の国勢調査の今後の方向ということで、水辺の国勢調査結果を電子化、GIS化した河川環境GISと自然環境保全基礎調査の結果を電子化した生物多様性情報システムとの連携を図っていくこと、あるいは定点における継続調査の実施に加えて、それぞれの河川が抱えている環境上の課題の解決を目指した目的志向型調査への展開の必要性などをここで挙げております。
 次に、 143ページ、第5節、港湾・海洋の2つ目の海洋の記述です。ここは前回記述がなかったところで、新規に記述を足した部分でございます。この中では、海洋の特性、現状や問題認識を述べました上で、閉鎖性海域における汚濁負荷の削減、藻場・干潟・自然海浜の保全や再生、船舶起因の廃棄物の排出の規制など、沿岸域、沖合域、広域という河川特性を踏まえた保全方策を示しています。また、近隣諸国と協調した海洋環境モニタリングの実施、あるいは海洋に関する各種データベースの統合の取り組みについて記述をしております。
 以上、第4部第1章関係の主な変更点でございます。
 第4部の第2章、第3章は、資料1−4にとじておりますが、ここは大きく内容を変えておりません。記述の重複の整理や項目の統合・整理などに努めたところでございます。
 最後の資料1−5、第5部でございます。別とじにしてあります。この第5部の中では、まず熊谷委員からのご指摘を受けまして、この戦略計画の最後のまとめということで、今回の戦略の特徴、作成に当たって重視した点を掲げました。 245ページの一番下のパラグラフのところから7つの項目を挙げています。ここは読み上げます。
 [1]トータルプラン。「自然と共生する社会」を実現するための、政府全体の中長期的なトータルプランとしての役割を担うこと。
 [2]理念の拡大。社会全体とのかかわりにおいて施策を展開すべきとの考えから、従来の「有用性」を中心とした意味づけに加えて、「安全性・効率性」や「地域文化」と生物多様性が密接不可分であることを明記するなど、多様性の理念を拡大し、整理をすること。
 [3]対象の拡大。山奥の原生自然や貴重種といった絶対的価値の高い特定の地域や生物に限らずに、里地里山など中間的、相対的な価値を持ち人の生活・生産活動とのかかわりの中で保全していくべきものにも積極的に光をあて、施策の対象を国土全体に拡大すること。
 その中で湿原、水辺地や浅海域の干潟、藻場など、減少・劣化の著しい湿地の重要性について特記すること。
 [4]自然再生。残された自然の保全に加えて、国土の空間特性に応じた自然環境基盤のポテンシャルを顕在化させ、国土全体の生物多様性の質を改善・向上させていく方向に転じること、その端緒として自然再生事業を提案すること。
 [5]連携・共同。各省連携、共同体制の強化について、自然再生事業、里地里山の保全・利用、生態的ネットワーク形成等における様々な連携や、自然環境データベースの共有化・統合の提案など、具体的に強調して述べること。
 [6]提案の具体性。法律改正や戦略的・モデル的事業の提案など、戦略策定を受けて新たに着手する具体的施策・事業を出来るだけ盛り込み、実践的な行動計画としての役割を持たせること。
 [7]多様な主体の参加。今回の策定作業は、インターネットの活用などにより、徹底した情報公開のもとで進めるとともに、パブリックコメント募集のほかにも、NGO、学会、地方公共団体はじめ様々な団体からの広範なヒアリングを実施するなど、開かれたプロセスの中で進めること。
 自然再生や里地里山保全などの具体的、実践的な取組の中で、国だけでなく、地方公共団体、専門家、住民、NGO、ボランティア等多様な主体の参加・連携を呼びかけること。
 以上、7つの点を挙げました。
 次に、第1節、実行体制と各主体の連携のところですが、ここでは国だけではなく社会の構成員であるすべての主体が参加、協力、行動することによって初めてこの戦略の目標が達成され、「自然と共生する社会」が実現される旨、述べています。
 その上で、 247ページの最初のパラグラフ、「国は」で始まる段落ですが、その中で関係省庁の連携・共同体制の強化について触れ、2つ目の段落、地方公共団体のところでは地域固有の生物多様性保全を目的とした地域レベルの計画づくりや取り組みの重要性、そして国が制度設計、指針や基準の作成、助成、情報提供などを通じて積極的に支援することについて書き加えています。
 3つ目の段落、事業者、国民、民間団体の記述の中では、こうした主体の自主的、積極的取り組みの重要性という点、そして国が施策テーマに応じて多様な主体の参加・連携の仕組みを設けることや情報の公開、情報交流などを通じて民間活動を積極的に支援することについて記述を加えております。
 また、 247ページ、最後のパラグラフのところでは、戦略の目標達成のために規制的手法、経済的手法などあらゆる政策手段を活用していくこと、必要な財政上の措置を講じること、さまざまな主体の生物多様性に関する知識や技術の向上、あるいは専門技術者や研究者の養成、登用、適切な関与の一層の促進を図ることを述べております。
 最後の 248ページ、第3節、戦略実施状況の点検と戦略の見直しの部分です。ここに関しまして、施策の着実な推進状況をフォローアップする点検の仕組みについて、より具体的に記述すべきとの渡辺委員からのご指摘を踏まえまして、第3節、2つ目のパラグラフを加えました。読み上げます。「点検にあたっては、関係省庁連絡会議において、各省庁の施策の進度を生物多様性の観点から出来るだけ客観的にフォローアップ(評価)するための効果的な手法を検討しつつ、関係省庁が自主的な点検を行い、その結果を連絡会議が取りまとめた上で、国民各界各層の意見を聴くとともに、中央環境審議会に報告します。その際、中央環境審議会においては、国家戦略に基づく関係省庁の施策の進捗状況について生物多様性の観点から点検し、必要に応じ、その後の施策の方向について意見を述べます。」
との記述を加えたところでございます。
 以上、前回の素案からの主な変更点についてご説明をいたしました。
 最後に資料2のフローをもう一度見ていただいて、下の見直しの流れのところの最後の方ですが、今後のスケジュールをご確認いただければと思います。本日第6回の小委員会で小委員会としての案を取りまとめていただいた上で、来週から3週間、審議会としてパブリックコメントを募集することを予定しております。この募集の中で提出されたパブリックコメントへの対応について、関係省庁で整理をした上で3月中旬に2回、自然環境・野生生物合同部会を開催し、最終の審議会答申を取りまとめていただければと考えております。開催日時、ここにも挙げましたが、3月18日、25日の午後を予定しております。改めて日時についてはご連絡をしたいと思います。そして、この最終の審議会答申を受けまして3月末を目途に地球環境保全・関係閣僚会議で新国家戦略を決定する予定でございます。そんなようなスケジュールになっているところでございます。
 事務局からの説明は以上です。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

●辻井委員長 どうもありがとうございました。
 今、渡辺企画官から説明してもらったように、主に第4部を中心にかなり変えたところがあり、皆さんの前々からのご意見をもとに変更した部分についての説明もありました。第1部から第3部までについては、前回の小委員会のときにもおおむねよくできているのではないかという大変ありがたい評価をいただいたわけですけれども、今申しましたように第4部、それから最後の第5部、これは非常に短いうえにエッセンスでもあるし結論でもあるわけだから、十分に書き込んだ方がいいのではないかというご意見がありまして、そこがかなり大きく変えられました。
 ということで、全体を通してで結構でございます。もちろん第1部から第3部にかけてもご意見をいただいて結構でございますが、差し当たって第4部なり5部についてのご意見を中心に伺えればと思います。
 どうぞ、どなたからでもお気づきの点ございましたらご発言ください。

●阿部委員 第4部はこの前の原稿ではかなりばらばらであったんですが、この前のものに比べますと、一本筋が通ったということが非常にはっきり感じられました。
 それから、ちょっと細かいことですが、第4部ではないのですが、先ほどの第1部、71ページの外来種問題ですが、「移入種がひとたび定着した場合には根絶することがきわめて困難であり、進入の予防を重点に考えることが効果的な対策である」という前提に立って幾つか書いてあるのですが、この前提に立った場合に、やはり外から入ってくる方の規制をきちんとしないと、それ以下に書いてある部分ではそのところがすこし抜けている。今すぐにそれは対策をできないとしても、少なくとも検討するというぐらいのことは入れておいた方がいいのではないかと思います。

●辻井委員長 ありがとうございます。
 もしできれば、修文はなるべくこの委員会中にやってしまいたいのです。

●阿部委員 今、一部の生物は農林業に関係するような、一部の産業に関係するようなもの以外、例えばペットや何かはほとんど自由に入ってきています。そういうものはそれで本当にいいのかという問題があると思うんです。日本の国内のものは全種類捕獲許可が必要となるのに対して、外からは自由に入ってくるというのでは。そこのところが一番問題で、それがなんとかならないか。

●辻井委員長 どこに入れたらいいでしょうね。ほとんどトップにということになるのではないかと思うんですけれども。今岩槻先生からもご指摘があったんですが、72ページの上から8行目の後半のところに移入種の導入を規制し云々という表現があるんですが、島嶼地域についてですからね。阿部先生がおっしゃるのはもっと全体について表現しろというご意見でしょう。

●阿部委員 外国から自由に入っていますね。ですから、それが、やはり一番の問題なわけですから。

●辻井委員長 それは重要なご指摘ですが、どこに入れたら……

●自然環境計画課長(小野寺) 検討するという方向であれば、多分工夫はできると思いますので、今ここで余りお時間をとってもなんですから、もしよろしければ委員長一任にさせていただいて。

●辻井委員長 ご意見はよくわかりましたので、事務局と相談いたします。

●自然環境局長(小林) 特に輸入のことをおっしゃっているんですね。

●阿部委員 そういうことです。

●辻井委員長 よろしいですか。
 わかりました。それではそういうことで、できるだけご意見に沿うような形で文言を入れるということにいたします。
 ほかにいかがでしょう。

●大沢委員 第4部第1章のそれぞれの省庁から出されてきた部分で、例えば 108ページに「環境アドバイザーの登録システムを構築し」ということがあるんですけれども、下から2つ目ぐらいです。こういうのは、例えばどこがやっているのかということをある程度わかるようにしていただいた方がいいと思うのですが。場所によっては農林水産省と国土交通省が連携して推進しますとか、 109ページ、それから、例えば 129ページの河川水辺の国勢調査とか、それは国土交通省ですか。それから 131ページ、河川生態学術研所。これも主体はどこがやっているのか。あるいはその次のページの自然共生研究センターというのがあるんですけれども、これも主体はどこなのか。わかる人はわかるのかもしれませんが、これをやります、ということを書くのであれば、やはりそれぞれの主体をはっきりさせて、責任がはっきりするような形にしていただきたいと思います。

●辻井委員長 注釈にするか何かでしょうか。

●自然環境計画課長(小野寺) 後でまとめて特に疑問が感じられるようなものについては注釈をつけるなり括弧をして書くなり、何か処理を工夫してみたいと思いますが、実際はここに書かれている施策がそういったものをつけるとすると、ひとつひとつ全部につけなくてはいけなくなるので、そうすると文章としては余りにもくどくなります。ご指摘の件は、はっきり実施するにあたっての固有名詞的なものが書いてなくてわかりにくい、混乱するものについては、必要最小限わかるようにしろ、という趣旨だと思いますので、それは工夫してみます。

●辻井委員長 大きい組織だとわかるのだけれども、環境アドバイザーというのはどこが管轄なのかとかという、まさに私もよくわからないところです。それは何か工夫してわかるようにする、ということにさせていただきます。ありがとうございました。

●鷲谷委員 もしかしたら第5部になるのかもしれませんけれども、せっかく多様な主体の参加でこういう国家戦略ができてきましたので、今度はこれを広く国民に知ってもらって活用していくということも重要だと思うのです。それに関して一言積極的に、こういうふうにしていく、というようなことを書かれるといいような気もするのですけれども、そういうのは出すのでしょうか。

●辻井委員長 ありがとうございます。
 これは、第5部のところにややそれに近い、 246ページのところの[7]なんかはどうなんでしょうか。

●鷲谷委員 これはつくる段階ではないですか。私が申し上げているのは、これからのことなのですけれども。

●辻井委員長 これはどうですか、今のご指摘ですけれど。

●自然環境計画課長(小野寺) つくった立場としては誠にその通りで、この戦略を何とか宣伝して理解していただいて、いろいろな国民各層、各主体の頭の中にそうした認識を持っていただくことが非常に大事だというふうに思っております。できましたら3月末に普及版みたいなものをつくってまいりたいと思っていますし、また、いろいろな形でこれがわかりやすく浸透するような方法はあれこれ準備をしているところです。この戦略そのものの中にも、ご指摘のようにどのように国民に知ってもらい、活用していくか、ということに協力しますよというのはあって全然おかしくないと思いますので、入れるように工夫したいと思います。

●辻井委員長 どうもありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。

●阿部委員 第4部の 106ページ、第2節、農地・農業のところの第4番目のパラグラフ「わが国の農村においては」というところです。これは現状を述べたものだろうとは思うのですが、全体としてはこの農業の部分も、例えば具体的な施策などの方ではほかのセクションと同じようになっているのですが、この106ページの現状認識は確かにこのとおりではありますが、これはむしろこういう状況が壊れたから改良するんだ、修復するんだということがどこかにないとまずいのではないかと思います。「現状はこうではない、もう既にここにかかれたような状態ではない」と思います。ほかの部分では、例えば河川などではそういうことが書かれています。過去の直線化とかいろんな問題があって、それを回復させるというような書き方になっているのですが、農業のところは、現在形で書かれていますけれども、これはむしろ過去形ではないのか。

●辻井委員長 雑木林などもちゃんと管理された状態で、というのが従来の農村だったんだけれども、今では必ずしもそうではないと。

●阿部委員 これは現状を一度認識して、そういう自然環境への問題があったから、改良するというような趣旨に書き直した方が良い。
 以上です。

●大沢委員 ちょっとそれに関連して。
 整理された成果が非常にいろいろ見えてきたというところもあるのですけれども、やはり農業の 108ページの「かんがい排水事業やほ場整備事業との土地改良事業は」、ずっと中抜いて、「自然環境の保全等の多面的機能の向上にも資するものです」と書いてあるのですけれども、これは大方の認識はそうではないと思うのです。ほ場整備とかかんがい排水事業で伝統的な農村景観もずたずたにして、壊しているのが現状です。こういうのは最初の全体の社会経済状況の変化などというところにもかかわってくるのですけれども、やはりGATTのウルグアイ・ラウンドとかそういうことを経由していろいろな補助金がその農村に注入されて、こういう事業がどんどん行われて、その結果として環境が壊れているというのが普通の認識ではないかと思うのですが、そういうところにこういう文体が入ってきていると、何か奇異な感じを受けるのですけれども。

●辻井委員長 少なくともこの「自然環境の保全等の」とやると、今の大沢さんのご意見では奇異になりますね。

●鷲谷委員 資するものになるように配慮しなければいけないとか、そういうような表現にしていただいては。先ほど阿部先生がおっしゃった件も含めて、必ずしもそうではない面があったということを書いていただいた上でそういう配慮を強めることの必要性などというような形で書かれるのが一番いいのではないかと思うのですけれども。

●辻井委員長 本来はそういうことも含めて環境が維持できるのが本来的なものである。しかし、必ずしもそうではない。

●鷲谷委員 ない場合もあった、ということを書いていただきたい。

●大沢委員 その方がポジティブだとは思うんですけれども。でも、現状で今でも盛んに行われているものですから、やはりそういうことも配慮するようになったというような言い方をされると、やはり余りに現実と齟齬があるのでは。

●自然環境計画課長(小野寺) 委員のご指摘は誠にもっともだと思います。ただ、農村地帯が構造改善事業その他で全く壊滅状態になっているから深く反省していこうというのも、なかなかそこまでの実態はないと思うし、また、文章の書きぶりとしては、完全に理想的な世界があって、「それをよりよくする」ということではない書きぶりにしろ、というご指摘だろうと思うので、これは私の一存でこういうふうに直しますというのは今は申し上げられませんけれども、農水省とも調整して、全体のバランスの中でおさまりがいい表現方法を考えてみたいと思います。ご指摘は十分認識いたしました。

●辻井委員長 お三方のご意見はほとんどつながっていると思いますので、どうぞ。

●大沢委員 参考のために 109ページの真ん中辺だと、水田の整備は、農地の区画整理を中心に面的な広がりをもった区画形質の変更を伴うことから、生態系の保全に関する云々というのがあって、そういうことを認識されているわけです。だから、そうだとすると、こっちの初めの方の文章というのは、むしろ「持続的な農業生産活動を可能とするためにそういうことをしています」ぐらいのことで、それが自然環境の保全等のこれこれに資するものですという結論にはならないと思います。一体としてのその文章の中でも、ちょっと後の方ではそういうことは配慮しなければいけないということを一方で言っているわけですから、その辺の整合性をすこしつけてもらったらいいのではないかということです。

●辻井委員長 では、そんな方向で検討するということにいたします。

●和里田委員 農地、農村に関係するんですが、前回もちょっと私は触れたと思うんですが、やはり農地等の生物多様性の観点から危惧されるのは、減反の際の農地の利用の仕方であります。

●辻井委員長 あるいは農地そのものですね。

●和里田委員 耕作放棄については一部ふれてありますが、基本的にもっと問題なのは、やはり減反に対してです。この間も東北の田んぼの話を申し上げましたけれども、ああいうような使い方で土地が劣化するのを防いでいくという努力をしている農民の方もおられる一方で、関東から西の方の人たちはみんなぼうぼうにしたままほかの理由を待っているような状態です。やはり農地の減反等に対応した農地の生かし方ということが相当大事だと思いますけれども、その辺何らか触れていただければと思います。

●辻井委員長 何かありますか。よろしいですか、今の伺っておいて。

●森戸委員 第4部のところは前に比べると大変よくなったと思うのです、全体として。ただ、今のお話で一部気になるところがあるので、例示的に気になったところを言ってみますから。
 資料の1−4だから、4部になるようなものなんですけれども、例えば第4節の国際的取組というのがあるのですが、232ページのパラグラフの一番最後には「今後検討していきます」という言葉が出ていますし、その次のパラグラフも「検討します」、次も「検討していきます」、またその次も「検討していきます」とこう並んでいるんですが、約束ではこれは1つですよね。僕はやや消極的というのか、腰が引けたような表現はなるべく避けてもらって、もう少し前向きな表現を、これは事務局でできる話ですから、あえて修文という問題ではなくてやっていただきたい。
 それともう一つは240ページ、ここの右側、イ、ウとありますよね。ア、イ、ウになっていますね。 239ページの一番下がアです。239 ページから 240ページにかけて。それからイというのがありますね、「戦略的な研究の」という。その次ウというのがありますね。私の記憶では、ちょっと前の記憶では、このウの国際機関との連携というのと民間団体の支援というのは別に項目が分かれていたんですよね。ある意味では見出しというので政策の柱を決めていくのだから、ここはむしろ一緒にしないでもとの形のように別にした方がよいのではないかというふうに思うので、これも事務局レベルで番号をつけかえながら、ちょっと見出しをつければいいので、ここで修文するほどではないと思うのです。ここは多分途上国向けには非常に大事なところですから、前の方に戻してもらった方がいいのではないかという気がします。

●辻井委員長 ちょっと私、今ここにその前のを持っていないんですけれども、わかりますか。

●森戸委員 僕は前に見ていたから記憶があるんです。ちょっと持ってきていないんですけれども。後でごっちゃになってしまっているんです。

●自然環境計画課長(小野寺) 前は別に分けて書いていました。理由が今ちょっと定かではないのですが、調整のプロセスの中でまとめ書きをしろという意見があってそういうふうにしたようです。どれだけの根拠があってそういうやりとりがあったのかというのは、今の段階ではわかりませんけれども。

●森戸委員 わかりました。
 それでは、ついでですから、これも事務局で対応できる話ですが、目次立てといいますか、章立ての件でちょっと気になったのは、一般的に章立てでいうと部というのがあって章というのがあって節という形になると思われます。一番最後に成果品として出すときには、もう一度事務局の方で点検してもらった方が良い。例えば第1部は章がなくてここで節から始まるんです。これは前も国家戦略を見たときに奇異な感じを受けたのですけれども、章というのは1つの題であり固まりを指すのだから、例えば問題意識みたいな概念になると現状分析などでは当然分かれる話だから、僕は節ではなくてこの上に章を入れた方が論理的にはすっきりすると思うのです。これは技術的な問題でできるからお任せします。
 もう一つ一番気になるとすれば、第5部というのは、5部という固まりになっているのか、後書きみたいなものではないかという感じがしないでもないです。5部の書き出しでいえば、ここでまたほかの部に相当するぐらいの展開があるような感じもするがそれほどでもない。4部とは確かに違うということで5部にしたんだろうけれども、これも前の踏襲しているんですよね。でも、見直しなのだから踏襲しなくていい部分もあるのではないか。この辺は少し事務局の方でこの項目立てをもう一度点検してもらった方がすっきりするなという気がしました。

●辻井委員長 ありがとうございました。
 目次、章立てをどう打ち立てるか。

●自然環境計画課長(小野寺) 一番初めに章立てをつくるときから実はそこは議論になっていまして、かなり悩んだ結果こういうことになったという経緯があります。確かに章の部分も含めて、一般的な整理とは違うことになっているんですが、実は新環境基本計画の中の整理も、ある種質的な問題、ある種量的な問題の中で、そういう整理があったという直近の計画があったものですから、その中で我々もそれに倣う形でこういう整理にしてみたんですが、ご指摘の点である部、章、節の関係については、まだ最終整理まで時間がありますので、もう一度考えてみたいと思います。

●辻井委員長 わかりました。
 では、そういうことでよろしいでしょうか。章、節はもう一度整理をしましょうということです。
 ほかにいかがでございましょうか。

●篠原委員 最後、ちょっと先走った話も含めて。第5部の 248ページ、第2節で各種計画との連携というのが書いてあって、「国の基本方針又は計画として」というので挙げてあって、自然環境保全法以下ずっと挙げてあるんですけれども、第4部の方では、例えば港湾の話があったり道路の話があったり、出てくるんですけれども、ここには、例えば港湾とか道路とか都市計画法というのは、今環境にかかわる基本的な計画がないからここでは書けないという意味なんでしょうか。何か、最後の方にきて急に連携のところが範囲が狭まってしまっているような気がして。

●生物多様性企画官(渡辺) 2つ目のパラグラフで例示的に挙げているいろんな基本方針とか基本計画は、環境省が自ら立てている基本方針及び基本計画で、それに加えて今日の説明の中でも第4部の頭のところにつけた各省と共管事務というのができました。それは計画の一部に環境の保全を目的とした部分を含んでいる計画については、環境省が関係府省と共管する、共同で所管するということで、河川、海岸なりが挙がったということです。ここで例示したのは、その共同で所管することとなった計画について例示としては挙げています。ただ、今ご指摘の道路なり港湾なりといういろんな第4部で出てくる各省の計画があるわけで、それはこの2つ目のパラグラフなり3つ目に「影響を及ぼすおそれのある国の計画・施策については」というパラグラフもありますけれども、そういう中でその多様性戦略と相互に連携を図りながら多様性への配慮を盛り込んでいくというものの対象には、当然道路、都市、農村などの計画がみんな対象になるということです。例示としては今申し上げたようなことで、2つ目のパラグラフの例示はちょっと限定的に書いたということです。

●篠原委員 レポートを読む人の気持ちになって考えると、4章のところは各省の人、あるいは自治体でそれの担当の人は直接関係するから細かく読むと思うのですけれども、それ以外の人は4章のところをそんなに一生懸命読まないですよね。そういう人達は5章のところを読むわけです。そこでそういうのがすぽっと抜けてしまうというのはちょっとまずいのではないかなと思っているんですけれども。
 今はその事業や計画の内部に環境の保全について方針や記述がないとしても、将来的には必要だというようなことがどこかで触れられないかなと思うんです。つまり、連携の対象を将来的にもっと広げていきたいという気持ちがどこかに出ませんかと、こういう意味なんですけれども。善処してくだされば結構ですけれども。

●辻井委員長 第5部というのは、最初に申しましたように、まとめでもあるとおり要約的な意味合いを含めるとすれば、ご指摘のようにここにある程度書き込んであった方が親切であると、こういうことかと思うのですけれども。

●自然環境計画課長(小野寺) 多様性国家戦略の思想ないし記述に基づいて、計画は都市計画、港湾計画、その他、その精神及び記述を全うすることと書けると非常に私もすっきりして気分がいいと思うんですが、実際はそれはちょっと難しいというのがここでの結論です。おっしゃっていることは非常によくわかりますので、努力はしてみます。

●篠原委員 それから、あともう2点あります。
 きちんと読んでいないので、もうそういうふうに書いてあったら失礼な言い方なんですけれども、第4部の第2章の横断的施策というのがあって、1から4まで挙がっているわけですけれども、これはこれで単独の部局ではできないというのが挙げてあって、それはそれでいいのですが、みんなでやらなければいけませんというと、往々にしてだれも責任をとらないということになるので、第1節の野生生物以下、どこが主管でやるのか、あるいはどこが中心になってやるのかというのは書いてありましたか。それが1つです。
 それから、もう1つは、これは先走った話なのですけれども、地方に行ってつくづく実感しているのですが、大都市の住宅地、特に近郊のここでいっている総体的に重要な緑ということについては、NPOとかNGOの人が相当重要だと思って一生懸命やっているのですけれども、地方に行くと人口の減少や経済の問題があったりしてそれどころではない、という話になっています。こういった場所でどういうところを突破口に戦略を展開していくべきかというのを少し皆さんにアイデアをいただいた方がいいのではないかなと思うんです。ほうっておいてもやるだろう熱心な地域からつくるべきなのか、他にも問題を抱えていてあまり関心のない地域からつくるべきなのか。
 以上です。

●辻井委員長 ありがとうございました。
 今のはご意見ということで伺っておきます。

●瀬田委員 国土利用計画の全国計画というのを引いて、都市計画であろうと森林であろうといいますよね。その環境保全に関するのは共管なんだから、そういう入れ方をしてしまうとぼやっとしているけれども、個々の都市計画だ、あるいは道路計画だといわなくてもいえるかもしれないなと思ったんです。

●自然環境計画課長(小野寺) そのとおりだと思います。それで、第4部の冒頭に、実は国土利用全国計画が環境省と国土交通省の共管であること、その他まとめて書いてありますので、ここでちょっと触れなかったという関係があったんですが、もう一度全体を見て配分が適当がどうかということについては検討したいと思います。

●服部委員 第5部の第3節、 248ページの3節の最後のところなのですけれども、ちょっと細かいことで恐縮ですが、第2のパラグラフの主語と述語、目的語がはっきりしないところがあって、「各省庁の施策の進度を生物多様性の観点から出来るだけ客観的にフォローアップする」、ここは前回も重要ではないかと申し上げたと思うのですが、「効果的な手法を検討しつつ関係省庁が自主的な点検を行い」の中で何に基づいて検討するのか、また「自主的な点検」というのは、効果的な手法を検討しつつだから、検討しなくてもそのままになってしまうし、それから「自主的な点検を行い」だから、もしも効果的な手法を検討されたのであっても、それに基づかないような自主的なとも読めますし。これは重要だから、こういう手法を検討し、それに基づいて各自が評価するというような読み方にしかできないような表現にしてもらいたい。
 それから、もう一つは、この戦略をどういう主体が報告するのか。中央環境審議会に報告するのは連絡会議が取りまとめてだれが報告するのか。そのあたりもはっきりしないし、それから中央環境審議会においては意見を述べますといっているのですが、この戦略の中に審議会が述べますというふうな言い方が適当なのかどうなのか。ちょっと違うのではないかという気がしましたので、そのあたりを私の言わんとするところを酌んでいただいて、文章表現をちょっと訂正していただいたらと思います。

●辻井委員長 これはやはり主語は連絡会議なんでしょうね。

●自然環境計画課長(小野寺) 連絡会議です。

●辻井委員長 服部先生のおっしゃるような形で整理をということですけれども、いかがですか。

●自然環境計画課長(小野寺) なかなかつらいところで、関係をきちっとすると、それだけ制約、条件などが厳しくなりますので、実際は実態に合わせてちょっと回った言い方になっているところがあります。これは趣旨は十分理解いたしておりますので、主要文で済む範囲では明確にすべきことがあれば、文章はもう一度検討したいと思います。

●辻井委員長 よろしゅうございますか。ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょう、お気づきの点がございましたら。何かございませんか。

●和里田委員 細かい字句などは後で事務局にお話しすればいいですね。

●辻井委員長 結構でございます。あるいは間違っているところがあるかもしれませんし、ご指摘何かございましたらおっしゃっていただいたらありがたいと思います。
 何かつけ加えてお話いただくことはございませんでしょうか。
 前の委員会でも、冒頭申しましたように、かなりよく書き込まれたのではないかという評価をいただいています。さらに第5部でまとめ、これも今服部委員からもご指摘のあったように、明確にしなければならないというようなこともあるかと思いますが、もしほかにご意見がございませんでしたら、このあたりで案についての検討を終わらせていただいてよろしいでしょうか。よろしゅうございますか。
 では、どうもありがとうございました。
 この今の修文の問題等ですけれども、先ほど、最初に渡辺企画官から説明がありましたように、スケジュールとしては来週からこのいわゆるパブリックコメントに回すということになっています。その段階ではまだあるいは全部の修文というのは終わらないかもしれませんけれども、基本的にこれを今日ご承認いただいたもので行って、パブリックコメントが終わった段階では完全なものにして、3月18日、部会に出すという作業になるかと思います。ということをこれもあわせてご承認いただければと思いますが、よろしゅうございますか。
 では、そういうスケジュールに沿って事務局で進めていくということにしたいと思います。
 なお、先ほど和里田委員もおっしゃいましたけれども、細かな字句、あるいは誤りがございましたらば、どうぞご遠慮なくまたおっしゃっていただいて、修正をするということにしたいと思います。
 それでは、今のパブリックコメントの問題ですが、ちょっと説明していただいた方がいいと思いますが。

●生物多様性企画官(渡辺) パブリックコメントの説明でございます。本日いただいた意見、できるだけパブリックコメントに出す際に委員長とも相談のうえ、直せるところは直した上でパブリックコメントの募集を行いたいと思っております。自然環境・野生生物合同部会事務局でパブリックコメントの募集をしたいと思っています。来週の初めからスタートをして、3週間の期間の間にインターネット、ファクス、郵送といった通信手段でご意見を受け付けたいと思っております。そこで提出された意見について取りまとめ、整理をし、対応について各省とも調整した上で3月開催予定の合同部会でパブリックコメントで集まった意見についてお示しすることとしたいと思っています。
 以上でございます。

●辻井委員長 今の説明についてのご質問、あるいはご意見もございましたら承りますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 では、今の形式方法でパブリックコメントを受けるということにいたしまして、約3週間の後で1週間それを取りまとめる作業がございますので、それを含めたものが来月18日の部会に提出されるということになろうかと思います。
 あと、よろしければこれで閉じますが、事務局の方から何か説明、報告がございましたらお願いいたします。

●自然環境局長(小林) この3月半ほどこの小委員会には精力的にご審議いただきましてたいへんありがとうございました。昨年の10月30日から、はじめから3日連続の各省ヒアリングをしていただきまして、今回で第6回。本当に毎回多くの委員の先生方にご出席いただきまして、真剣なご議論をいただいたことに改めて感謝を申し上げたいと思います。
 これからの自然環境行政の中心的な屋台骨になります戦略でございます。この計画戦略を核にして環境省ばかりでなく関係省庁、皆の力を合わせてやっていく屋台骨になる計画戦略でございますので、先ほどご説明申し上げましたように、来週早々からパブリックコメントで国民各層のご意見を賜りますけれども、多分、今日まだ言い足りなかったこともございますでしょう。3週間の間にできれば修文の形でお出しいただけますと、それもあわせて、新しく3月18日に予定しています部会の方に案をまとめて書けるということになると思います。部会になりますと、3月後半で18日、25日を予定していますが、余り時間もございません。できるだけ修文を少なくやりたいと思っていますので、先生方、またこの3週間ほど、お気づきの点があれば事務局におっしゃっていただければと思っています。
 本当に3カ月半、連日のように資料をお届けして、いろいろご迷惑をおかけしましたが、多くのご協力を頂いたことに改めまして感謝申し上げますとともに、今後政府が取り組みます生物多様性国家戦略、生物多様性の保全の推進につきまして目を光らせて叱咤激励賜ればと思います。
 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

●辻井委員長 どうもありがとうございました。
 これで本日の議事は終了いたしました。
 毎回申し上げていることでございますけれども、小委員会で配布された資料、議事要旨及び議事録は公開ということになりますので、このことをご承知おきいただきたいと思います。
 これで閉会といたします。どうもありがとうございました。

午後3時22分閉会