<総論> |
・ | 現行戦略との違いは何か。 →目標と具体的施策をつなぐものとして「基本方針」を明記するようにしたことが構成上工夫したところ。その中で、絶滅等への対応としての保全の強化に加え、里山等中間地域の保全の方針、失われた自然の再生の方針等を打ち出していることが特徴。 |
・ | 現行計画の成果・評価や、今回の戦略の作成方針をはじめに記述すべきではないか。 |
・ | 生物多様生保全のためには、国民の価値観を変えることが重要。利便性重視から生活の質向上への考え方の転換が望まれる。 |
・ | 地球環境問題、エネルギー問題、リサイクル問題と生物多様性との関連について触れる必要があるのではないか。 |
・ | 国際的視点としては、生物多様生保全に関する日本国内の施策を積極的に進め、外国の規範となることが重要。 |
・ | 戦略全体を、国民一般にわかりやすいものとすべき。戦略公表の際には、わかりやすい普及版やその英語版を作成してはどうか。
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<生物多様性の危機の構造について> |
・ | 「3つの危機」はよく整理されていてわかりやすい。第1の危機は経済性を、第2の危機は効率性を、そして第3の危機は快適性を、それぞれ求め過ぎたことによる危機と言えるのではないか。自然環境保全と経済性など他の価値基準との調整をどう図っていくかが戦略のポイントであり、3つの危機への対応方針が、「基本方針」等に反映される必要がある。 |
・ | 第2の危機は人為の管理が行き届かなくなったことの影響であり、移入種にも関連する。 第3の危機は科学技術による影響と言えるのではないか。 |
・ | 第3の危機はもともとの生態系になかった生物や物質のインパクトによるものであり、重大な影響を及ぼす恐れがある。この危機に注目した点は評価できる。その対応には、科学的知見に基づくリスク評価が重要。そのためには十分な調査研究が必要。
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<目標について> |
・ | 施策の進展の度合いが測れるように、なるべく具体的な指標(数値目標)を示すべき。 |
・ | 具体的な指標は重要だが、指標を示すことにはメリット・デメリットがあり、無理をして数値目標を作る必要はないのではないか。 |
・ | 指標化は慎重にすべき。恣意的指標ではかえって誤解を招くこととなり不適当。
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<理念、基本方針、具体的施策について> |
・ | 生物多様生保全の必要性・重要性について、できるだけ定量的に誰にでもわかりやすく書くべきではないか。 |
・ | 説明にあった「生物多様性を基礎とした国土のグランドデザイン」という考え方はわかりやすくてよい。 |
・ | 基本方針の大きな柱として「保全の強化」「里地里山等中間地域への対応」「自然再生」を挙げたこと、国土のマクロな捉え方として5つの要素を挙げたことはわかりやすくてよいと思う。 |
・ | 基本方針では、重点的なポイントについて具体的な政策の方向を明確に記述すべき。 |
・ | 原生自然を保護するための施策を十分徹底する必要がある。 |
・ | 今後の開発事業をどう持続可能なものに変えていくかの基本的考え方を明確にする必要があるのではないか。 |
・ | 湿地等については、渡り鳥の渡来地としての重要性だけでなく様々な生物の生息地としての重要性についても十分記述する必要がある。 |
・ | 生物多様性と観光の関係についても記述すべきではないか。 |
・ | 生物多様性に関する科学的な基礎情報を充実させることが重要。 |
・ | 科学的データに基づき自然を保全・モニタリングするという立場が環境省には必要。そのためには、人材・体制の充実が不可欠。 |
・ | 各省の事業を統一的に実施するモデル地域を設定する必要があるのではないか。 |
・ | 各省にそれぞれ執筆を依頼するだけではなく、各省が執筆したものを環境省がとりまとめて書く必要があるのではないか。
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<効果的実施について> |
・ | 環境基本計画と同じように、各省が自ら施策を評価し、その結果を毎年審議会に報告し議論するような仕組みが必要ではないか。
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