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中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会
第1回生物多様性国家戦略小委員会(1日目)


<日時>平成13年10月30日 午前11時〜午後17時30分

<場所>経済産業省別館共用会議室944号室

<議題>(1)生物多様性国家戦略小委員会における検討の進め方について
(2)生物多様性の現状と関連制度の概要について
(3)各省庁施策に関するヒアリング(1日目)
    農林水産省(林野庁を除く。)

<議事>会議は公開で行われた。
  1. 生物多様性国家戦略小委員会における検討の進め方について事務局より説明し、了承を得た。
  2. 生物多様性の現状と関連制度の概要について事務局より説明し、委員から次のような質問、意見があった。
    里山は人為的なかかわりを受け、変化しつつ多様性が維持されてきた脆弱な地域。管理や生活とのかかわりにまで踏み込んだ議論が必要。
    環境省は、バイオテクノロジーの問題についてどう対応するのか。
    移入種の問題は、国内や地域に入ってしまったものにどう対応するかだけでなく、これから入ってくるものをどう規制するかの議論が必要。
  3. 各省庁ヒアリング
    各省庁が資料に基づき説明し、委員から質問・意見等が出された。主なやりとりは以下のとおり。


    (1)農林水産省全般(農林水産省)
    (委員)生物多様性保全上の問題は、生息・生育地の消失・分断、乱獲、外来種の侵入の3つ。外来種の問題は、農林漁業の根本的なあり方と関わる。有効に使える生物資源が国内にあるのに、経済的な理由だけで外国産の生物資源を導入することについて考え直す必要があるのではないか。検疫制度に生物多様性の視点を入れられないか。
    (委員)バイオセイフティの審査体制は、外部の専門家に頼るだけでなく、内部の人材も養成していくことが必要。


    (2)農業・農村整備(農林水産省)
    (委員)農地を二次的自然環境と位置付けているが、農業はもともとあった自然を破壊して、つまり人手を加えることによって作られたものであり、人為の影響を受け変化しつつ   多様性が維持されてきた場所。それを前提として、今後、どのように生物多様性を確保するかを考える必要がある。
    →農業は自然に働きかけるものであり、環境との調和に配慮しつつ行うことが重要と認識。どのように行うかは、全国一律で決めるような性格ではなく、それぞれの地域で検討するべきものと考える。

    (委員)生産の効率性を重視した農業では、生物多様性が減少するとの認識が必要。
     →必ずしも両者はそうした関係にある訳ではなく、食料の安定供給や生産性の向上等と生物多様性の保全をいかにして調和させるか現実的に考えることが重要。 

    (委員)畜産・草地についての説明がなかったが、採草放牧地をどう維持していくかということは生物多様性の保全にとって大きな課題。生物多様性の観点からの畜産・草地の取扱方針に関する資料を出してほしい。

    (委員)水田・里山の維持・保全を担う人材がいなくなっていることが、問題であり、今後、誰が担うのかをきちんと検討する必要がある。休耕田を生物多様性の観点からどうとらえ、活用していくかも大きな課題。
     →農村環境が農家の多大な自助努力で維持されている点への理解も重要。就農者の高齢化は、農政上の課題の一つであり、新規就農者の確保や農村活性化による集落コミュニティーの維持が重要である。また、休耕田については、今後の検討課題である。

    (委員)田園環境整備マスタープランの予算はいくらで何年計画か。
    →予算化はないが、3ヶ年程度かけて毎年500〜700程度の市町村が自助努力で作成の見込み。
    (委員)計画作成のプロが少ない現状でこのような短期間に計画を作るとなると、全国一律の画一的な計画になってしまうのではないか。もっと計画策定に知恵とお金をかけるべき。
    →先生方のご指導をお願いしたい。

    (委員)農業農村整備事業では、施設を整備するだけでなく、良好な生息場となっている溜め池や水路に積極的に手を加えないという考え方も必要。水路の自然配慮事業については、環境省とも相談すべき。

    (委員)野生鳥獣と農林業被害の関係について十分な調査と有効な方策の検討が必要。

    (委員)生物多様性の視点からのデカップリングも検討すべきではないか。
     →環境支払いについてはECで取り入れられているが、社会背景等も異なるので、WTOでの議論等も踏まえ慎重に検討する必要がある。


    (3)水産庁
    (委員)水産庁の施策は、資源管理の観点が中心であり、生物多様性保全の視点からの施策はまだ少ないのではないか。ジュゴン、イルカ等海棲哺乳類の調査や保護も重要な課題。
     →水産資源保護法に基づき、ジュゴン、スナメリ等は採捕規制をかけている。

    (委員)干潟、藻場、サンゴ礁の保全のための取組について聞きたい。他省庁と連携しているか。
     →藻場、干潟は漁業の観点からも重要であり、回復、造成事業を行っている。データの面で環境省、国土交通省と連携している。

    (委員)混獲についてのデータはあるのか。刺し網による混獲防止に保護水面の設定など法的対応は可能か。
     →漁業者の理解が課題。

    (委員)サケマスのふ化放流事業については、他の種への影響や自然産卵系統の保存にも留意する必要がある。
    (委員)ブラックバスのような移入種は原則として根絶の方向であると考えてよいか。
     →原則的にはそう考えている。


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