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中央環境審議会 第2回自然環境・野生生物合同部会
議事録


1.日時

平成24年9月13日(木)13:30〜15:10

2.場所

ホテルフロラシオン青山 孔雀

3.出席者(敬称略)

(合同部会長)武内 和彦
(合同部会長代理)山岸 哲
(委員)加藤 順子佐藤友美子 
(臨時委員)石井  実磯崎 博司磯部  力
市田 則孝岡島 成行河田 伸夫
神部としえ小泉 武栄小菅 正夫
小長谷有紀桜井 泰憲佐々木洋平
敷田 麻実柴田 明穂下村 彰男
白山 義久高橋 佳孝高村 典子
田中  正田中 里沙辻本 哲郎
土屋  誠浜本 奈鼓速水  亨
福田 珠子マリ・クリスティーヌ三浦 慎悟
宮本 旬子涌井 史朗 
(特別委員)あん・まくどなるど
(環境省) 自然環境局長
自然環境計画課長
生物多様性地球戦略企画室長
生物多様性施策推進室長
自然環境局総務課調査官
国立公園課長
自然環境計画課長
野生生物課長
鳥獣保護管理企画官
自然環境局長
自然ふれあい推進室長
動物愛護管理室長
生物多様性センター長

4.議題

(1)「生物多様性国家戦略2012−2020」答申案について
(2)その他

5.配付資料

自然環境・野生生物合同部会委員名簿
座席表
資料1生物多様性国家戦略2012−2020(案)のポイント
資料2生物多様性国家戦略2012−2020(答申案)
資料3生物多様性国家戦略2012−2020の策定スケジュール
<参考資料>○平成24年度第1回自然環境・野生生物合同部会議事要旨
○生物多様性国家戦略2010(冊子・パンフレット)※
○生物多様性条約COP10の成果と愛知目標(パンフレット)※
※委員のみ配布

6.議事

【事務局】 それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会を開催いたします。
 開催に先立ちまして、本日の出席委員数のご報告をいたします。所属委員50名のうち、本日は33名の委員にご出席いただく予定です。まだお見えになっていない先生もいらっしゃいますが、既に過半数を超えておりますので、中央環境審議会令第7条第3項により準用する同条第1項の規定に基づき、定足数を満たしており、本部会は成立していることをご報告させていただきます。
 それでは次に、本日の資料について確認をさせていただきます。
 まず、ダブルクリップ止めにしておりますものが一部置いてあるかと思いますけれども、議事次第の裏面をご覧いただきますと、資料一覧がございます。名簿、座席表、さらに資料1としまして、生物多様性国家戦略2012−2020(案)のポイント、資料2といたしまして、答申案、こちらは、一番下に置いてあります白い冊子と合わせて資料2という形になります。資料3としまして、生物多様性国家戦略2012−2020の策定スケジュールということになります。あと参考資料として前回の議事要旨、さらにはパンフレット、冊子をお配りさせていただいております。資料の配付漏れ等がございましたら事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。
 それでは、これよりの議事進行につきましては、武内合同部会長にお願いいたします。

【武内合同部会長】 皆さん、お暑い中お集まりいただきましてどうもありがとうございます。ただいまから中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会を開催させていただきます。
 本日の議題は、生物多様性国家戦略答申案についてでございます。前回の合同部会において、各委員から出されたさまざまなご意見への対応と修正につきましては、前回の部会におきまして、部会長である私に委員の皆様方からご一任をいただきました。その結果に基づきまして、事務局と私のほうで、内容についてさまざまな面で検討させていただきまして、最終的に、本日配付させていただいておる答申案を作成いたしました。
 まずは、事務局より、前回からの修正点を中心に説明をお願いしたいと思います。
 なお、審議の過程においてもご意見が出ておりましたけれども、閣議決定後の生物多様性国家戦略の実施に向けてのアドバイスなどについては、この答申案のご承認をいただいた後、時間の許す範囲で皆さん方にさらにご意見をお伺いできればと考えております。
 それでは事務局より、答申案の説明をお願いいたします。

【地球戦略企画室長】 生物多様性地球戦略企画室長の奥田でございます。それでは答申案についてご説明を、座ってさせていただきたいと思います。資料のほう、資料1と2がございます。また、答申案の白い表紙の冊子がございますので、それを適宜ご覧いただけたらと思います。資料1については、今回の国家戦略のポイントを整理した資料でございます。資料2は答申案となります。
 本日は、前回と重なる部分もありますけれども、前回ご欠席だった先生方もいらっしゃいますので、資料1により、まず今次戦略のポイントを中心に再度ご説明させていただいて、前回の合同部会及びその後に、各委員からご指摘のあった点への対応につきましては、見直した部分を中心に答申案をご覧になっていただきながらご説明をさせていただきたいと思います。
 なお、前回の合同部会の終了後、白山委員のほうからエコパークとジオパークの関係の整理ですとか、ロンドン条約の記載の必要性など、追加的なご意見のメモをいただいております。また、山岸委員からは、生物多様性に配慮した取組の事例の追加といった提案をいただきました。また森本委員からは戦略アセスの課題、都市の生物多様性指標の利用の可能性、保全再生プロセスへの配慮の重要性等のご指摘をいただいております。さらに、涌井委員からも生物多様性に配慮したサービスですとか市民の取組としてのMY行動宣言の重要性、さらには、都市における緑地確保のためのミティゲーション的手法の重要性のご指摘をいただいております。この後、個別の部分で修正点等具体的にご説明を申し上げたいと思いますけれども、まずはご報告をしておきたいと思います。
 それでは、資料1をご覧いただきたいと思います。冒頭のボックスにあるとおり、今回の戦略では、COP10において採択された愛知目標の達成に向けた我が国のロードマップを示すこと、そして、昨年3月に発生した東日本大震災を踏まえた今後の自然共生社会のあり方を示すことを目的として改定を行ったものでございます。
 なお、前回の合同部会において田中委員より、名称についてのご指摘がありました。2020とした場合、2020年まで見直さないでよいのか、基本法を受けてからは2回目の戦略なので、そういった位置づけを示すべきではないかというご意見をいただきました。
 見直しについては、2014年または15年の初頭に予定されているCOP12での中間評価の結果を受け、必要に応じて見直す旨を前文の中に記載しております。また、多様性国家戦略としては、条約を批准して以降5番目のものということになりますので、既に第三次という名称も、そういったものを使った戦略もできている中で、今回第二次という表現は、混乱を来す可能性もあると考えられます。また、海外における策定事例も2020年までを計画期間としてタイトルに付しているものが多いということから、今回お示しした2012−2020というタイトルにさせていただきたいと考えております。
 ただし、田中委員のご意見も踏まえまして、前文の中で、具体的には2ページのところに書きましたけれども、国家戦略の背景と役割において、国家戦略が生物多様性の保全と持続可能な利用に関する基本的な計画であること、また3ページから4ページにかけては基本法の制定後、2番目の国家戦略となるという点を新たに明記させていただいております。
 それでは、資料1のほうに戻っていただいてご覧になっていただきたいと思いますけれども、第1部の部分は、戦略の部分でございます。こちらのほうは4章構成で、第1章の理念、第2章の現状と課題、そして第3章が目標、第4章、基本方針の順に記載をしております。第1章では、生態系サービスと人間生活との関わりから、生物多様性の重要性について記載するとともに、生物多様性によって支えられる自然共生社会を実現するための理念として、自然の仕組みを基礎とする、真に豊かな社会をつくるといったことを掲げております。これは本文では14ページの下のほうに書いてございます。
 また、第2章では、生物多様性の現状と課題として、COP10の成果概要、また世界と日本の生物多様性の現状や危機、保全と持続可能な利用の状況、課題などを整理してございます。なお、第2章では、私たち日本人が国内で消費する資源の多くを海外からの輸入に頼っていて、海外の生物多様性にも影響を与えていること、私たちの暮らしが、世界の生物多様性ともつながっていて決して無関係ではないこと、そういったことを認識する必要性があるということを、小委員会等でのご議論も踏まえまして、記述を強化してございます。こちらのほう、本文のほうでは26ページ辺りに書かせていただいております。
 また、第3節、こちらのほう、28ページからになるのですけれども、我が国の生物多様性の危機を四つに整理しております。これは、資料1の1ページ目に書いてございます。この中で、これまでは地球温暖化の危機というのを三つの危機とは別に整理をしていましたが、今回の改定では、地球温暖化や海洋酸性化といった地球環境の変化による危機というものを新たに第4の危機として位置づけております。なお、磯部委員からご意見をいただきました点、一つには、答申案の42ページに、沿岸海洋生態系に関するご指摘をいただいております。ここのところで自然海岸部分の記述というものを見直しをさせていただいております。
 また、答申案の66ページのほうでは、国土のグランドデザインにおいて、沿岸域に関する記述の中で、塩生湿地の記述を加えさせていただいております。
 また、同じ場所において、自然災害の例示として海岸侵食の追記を行っております。
 また、ちょっと戻りまして答申案のほう、50ページのほうになりますけれども、こちらのほうでは、下村委員のほうから、東日本大震災に関する記述というものが少し、第3部との整合性をとるべきではないかというご指摘がありましたので、それを踏まえて記述を見直してございます。
 それではちょっとあちこち行きますけれども、資料の1のほうでは1枚目の一番下のほうから二つ目の○になっています。本文では52ページから記述している部分でございますけれども、現在も生物多様性の損失が続いている現状というものに加えて、人口減少の進展やエネルギー・物質の生産・流通が一極集中した社会経済システムの脆弱性等の社会状況を踏まえて、今回の国家戦略では、生物多様性に関する課題を五つに整理をしてございます。これは52ページに、上の欄に書いてございます。この中で、課題の一つとして、「自然共生圏」という新しい考え方を書いてございます。これは53ページの下半分に書いてございますけれども、これは自立分散型の地域社会を目指していくことを基本としながらも、それが困難な場合には、より広域的な視点で生態系サービスの需給関係でつながる地域を一体的に捉えて、その地域間の連携や交流を深めていくことが重要であると、そういった考え方でございます。この自然共生圏のイメージにつきましては、お手元の資料の資料1の、少しめくっていただきまして3ページの後ろに、別紙1というものがつけてございます。この自然共生圏では、地球規模レベル、国土レベル、地域レベル、流域レベルといったさまざまな空間レベルで考え、それぞれの空間レベルに応じてお互いに支え合う仕組みをつくっていくことが必要であるということで考えております。
 また、その他の課題といたしましては、生物多様性に関する理解と行動を進めるという生物多様性の主流化の問題、また自然再生や里山保全、外来種防除の活動を担う人材の不足や、また主体間の連携・協働など、担い手と連携の確保の問題、さらには今後の人口減少に伴う無居住地化の拡大ということを踏まえて、国土の将来のあるべき姿を描いたりしていくことの必要性など、国土の保全管理の問題、そして生物多様性に関する基礎的な調査を長期間継続していくことや、総合的な評価をすることにより政策に反映させていくといった科学的知見の充実の問題を課題として整理をしております。
 続きまして第3章は、本文では56ページからになります。目標として、我が国の目標と生物多様性から見た国土のグランドデザインを記述してございます。これにつきましては資料1の2ページ目に記述してございますけれども、第1節の、我が国の目標では、COP10で採択された戦略計画の目標年を踏まえて、生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する我が国の目標として長期目標、2050年をターゲットした長期目標と、2020年をターゲットとした短期目標を提示しています。2050年に向けた長期目標の中では、生物多様性の維持・回復と持続可能な利用を通じて日本の生物多様性の状態を現状以上に豊かなものにするとともに、生態系サービスを将来にわたって享受できる自然共生社会を実現することを掲げています。また2020年に向けた短期目標では、生物多様性の損失をとめるために、愛知目標の達成に向けた日本における国別目標の達成を目指し、効果的かつ緊急な行動を実施することを掲げております。
 続きまして第4章、これは本文では、70ページからになります。ここでは基本方針として、3節の構成で基本的視点、基本戦略、各主体の役割等について記述してございます。これは資料の1では2ページ目の中で、ちょうど真ん中のところの○になりますけれども、生物多様性の保全及び持続可能な利用を目的とした施策を展開する上で、不可欠な共通の基本的視点として、ここに書いてあるような科学的認識と予防的かつ順応的態度、地域に属した取組、広域的な認識など、7つの基本的視点を掲げております。
 この中では、72ページになりますけれども、佐藤委員のほうから、社会経済的な取組、一番下のところですけれども、この部分に関して記述ぶりがネガティブなので少し見直す必要があるということ、それから事業者が自ら取り組んでいこうと思うような内容にすべきといったご意見をいただきました。この点につきましては、既に99ページで事業者の役割の記述で書いてありますけれども、72ページの部分についても、タイトルを見直して、内容についても技術開発等の必要性をはじめ、少しポジティブな書きぶりに直してございます。
 また、資料1に戻りまして、2ページ目の下から2番目の○になりますけれども、この戦略の計画期間である、おおむね2020年までの間に重点的に取り組むべき国の施策の大きな方向性として、生物多様性を社会に浸透させる、地域における人と自然の関係を見直し再構築するといったもの等々、5つの基本戦略を挙げております。戦略本文では75ページ以降に記述がございます。第2節のほうで記述しております。このうち、5つ目の科学的基盤を強化し政策に結びつけるというのは、今回新たにつけ加えた基本戦略でございますけれども、生物多様性版IPCCとも言われるIPBESの成立と設立、今年の4月にありましたが、これを踏まえて、我が国としても取組の必要性が高いと判断して、この国家戦略で新たに追加をさせていただいたところでございます。
 また、答申案の89ページになりますけれども、涌井委員のほうからご意見のありました、都市におけるミティゲーションに関する検討について、都市の緑地の保全再生などという項目が88ページの下のほうになりますけれども、ここで追記をしてございます。
 また、答申案の90ページからのところには、沿岸海洋域の保全再生という項がございますけれども、この中で白山委員のほうから、「Ocean Health Index」を意識して、海外のエコツーリズムについて記述できないかという点につきましては、92ページの上のところになりますけれども、若干記述を追加しております。
 また、ユネスコエコパークとジオパークの関係についても96ページのところで追記をさせていただいております。
 それでは、また資料1のほうに戻りまして、2ページ目の一番下のところになりますけれども、各主体の役割として期待される点についても、今回厚く記述をしております。この中では、国のほか地方自治体、事業者などの役割を記述しております。この中では101ページをご覧になっていただきたいのですけれども、涌井委員のほうから市民の役割の中でもう少し記述を厚くするべきではないかという点について、具体的な行動がとれるよう、これは102ページの真ん中辺りにありますけれども、MY行動宣言のアクションといったものの記述を追記をさせていただいております。
 それでは、続きまして第2部のほうに移ります。本文では103ページ目からになりますけれども、お手元の資料1では3ページの上に簡単にまとめてございます。今回の国家戦略の最大の変更点となるのは、愛知目標の達成に向けた我が国のロードマップを示すというところで、これが第2部で記述している部分でございます。
 愛知目標と同様に五つの戦略目標ごとに我が国の国別目標を設定しております。国別目標の達成に必要となる主要行動目標48の目標を設定するとともに、可能なものについては目標年次ですとか、国別目標の達成状況を把握するための指標、これは今トータルで81の指標を示していますけれども、これを設定しております。また国別目標の達成の鍵となる主要行動目標については、可能なものについては目標年がわかるような工夫に努めて、指標についても国別目標の達成状況、または効果を示す指標としてふさわしいもの、もしくは一般にわかりやすいものがあるかといった点、さらにはデータの有無等の状況も考慮の上、使えるものを検討いたしております。
 また、主要行動目標については2014年、または2015年の初頭に予定されている、先ほど申し上げたCOP12における愛知目標の中間評価の結果も踏まえて、必要に応じて見直すということにしております。また指標についても、その継続性に配慮しつつ、見直しや充実を図るといったことを記述してございます。
 それでは、本文の答申案のほうは104ページになりますけれども、高村委員及び武内部会長のほうからもご意見のあった科学的知見を踏まえて見直すという視点につきまして、記述のほうを少し充実させております。
 また105ページになりますけれども、中静委員のほうからご意見のあった企業の方の活動に対してサプライチェーンも含めて支援を書き込めないかという点につきましては、A-1-5のところで、若干の書き込みをさせていただいております。
 また108ページから109ページになりますけれども、鷲谷委員からご意見をいただきましたB-4-2の外来種防除について、実施省庁として国土交通省を追記してございます。
 それから112ページから、また114ページのところ、マリ・クリスティーヌ委員のほうから、愛知目標の14ですとか18、19、20に対応する国別目標では、D-1ですとかE-2の記述について、女性や地域社会などに対する考慮の記述が不足して、記述全体が不足しているのではないかというご指摘をいただいております。これを踏まえて、D-1の中では、女性や地域社会のニーズを考慮するといった記述を含めるなど、必要な見直しを図っております。
 また114ページになりますけれども、中静委員からのご意見を踏まえて、E-1-2に対応する指標として、生物多様性国家戦略を改定した国の数というものを指標群として追加をしております。第2部については以上でございます。
 続きまして、本文では116ページからになりますけれども、第3部、お手元の資料の1では、3ページの真ん中以降に記述しております。第3部では、おおむね今後5年間の政府の行動計画として、第2部で示した愛知目標の達成に向けたロードマップの実現をはじめ、生物多様性の保全と持続可能な利用を実現するため、約700の具体的な施策を記述しております。施策の達成状況をわかりやすいものとするために、可能なものについては数値目標、必要なものについては目標年次も記載することで、この具体的数値目標、今回は50の目標を設定しております。また数値目標を掲げないものについても、施策の進捗状況がわかるように、現状値というものをできる限り書き込むようにいたしました。こちらのほうは130の現状値を記載しております。答申案のほうでは、117ページ、118ページの国別目標と各節との関係のところについて、前回、土屋委員のほうからご意見をいただきました。表の欄外のところにある記述について、今回ご指摘を踏まえて、節の中に国別目標の達成に資すると考えられる施策があるものということで、正確な記述に直しております。
 また、155ページとなりますけれども、森本委員から文章でいただいたご指摘に関して、地方自治体による都市の生物多様性、都市の生物多様性指標の利用、こういったものの必要性がご指摘されたので、都市の基本的な考え方の部分に、若干その辺りの記述を加えさせていただいております。
 あと196ページとなりますけれども、山岸委員からご指摘のありましたトキの野生定着の目標値については分科会の結果を踏まえて直してございます。
 また、173ページに戻っていただきまして、1-6海洋生物の保護管理、それから176ページの希少生物の保護管理を踏まえた生物多様性の保全の推進、ここにつきましては、白山委員のご意見を踏まえて、希少生物に関する記述部分について修正を加えております。
 また、225ページには、同じく白山委員のご指摘を踏まえて、ロンドン条約に関する記述を追加するとともに、236ページでは、森林の整備や保全に関する技術開発について調査研究も含む点がわかるように記述を見直しております。
 以上で、ちょっと駆け足ではございましたけれども、今回の国家戦略2010−2020についてのご説明とさせていただきます。
 続きまして、資料のほう、資料の2のほうをご覧いただきたいと思います。本日の審議会で、この戦略の案を取りまとめていただいた際には、ここにつけてあるような文書でもって手続を進めさせていただきたいと思います。本件については、今年の1月27日付で環境大臣から中央環境審議会会長に諮問が行われて、同じ日付で審議会会長から自然環境・野生生物合同部会長宛てに付議がなされていたものでございます。このため、資料2の2枚目になりますけれども2枚目にある案のように、まずは武内合同部会長のお名前で、鈴木中環審会長宛てに報告を行うことになります。ここに書いてあるとおり、1月27日付によって、合同部会に対してなされた「生物多様性国家戦略の変更について(付議)」については、別添のとおり結論を得たので報告するということで、今回お手元にありますこの冊子をつけて報告をしていただくことになります。
 この報告を受けて、資料2の1枚目のほうに戻りまして、この案のとおり中環審の鈴木会長から細野環境大臣宛てに答申を行うことになります。答申の内容はここに書いてあるとおりでございます。これについても別添を付けてまして、別添のとおり結論を得たので答申するといった内容の文書で手続を進めさせていただきたいと思います。
 最後に、資料3のほうをご覧いただきたいと思います。今回の変更につきましては、全体のスケジュールをつけてございますけれども、今年の1月に中央環境審議会に諮問、そして2月9日に第1回のこの合同部会を開催して検討が始まりました。その後、3月から6月まで7回にわたって小委員会でご審議をいただいております。それで、小委員会で取りまとめていただいた改定案について、パブリックコメントを実施、また全国8カ所での説明会を実施いたしまして、前回8月29日の合同部会でご審議をいただきました。可能であれば、本日の合同部会でこのお手元の案を答申としてまとめていただければ幸いと思います。本日この合同部会で、無事答申をまとめていただけた場合には、鈴木会長の命を受けて、本日の夕方に武内部会長からこの答申案を細野大臣に直接手交していただくということができればというふうに考えております。その後、9月末には閣議決定を行い、10月にインドのハイデラバードで開催される生物多様性条約のCOP11、この機会に、我が国の新しい生物多様性国家戦略について世界に発信をしていきたいというふうに考えております。
 事務局からの説明は以上でございます。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございました。
 ただいまお聞き及びのように、答申案については皆さん方のご指摘、ご意見を可能な限り反映したものとなっているというふうに私としても考えております。特段のご意見がなければ、本日のこの答申案をもってご承認いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)

【武内合同部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは、これをもちまして、自然環境・野生生物合同部会の決定とさせていただきます。この間、ご審議に協力いただきまして大変ありがとうございました。
 先ほど事務局のほうから説明がございましたように、本日、鈴木中央環境審議会会長の同意も得た上で、本日夕刻でございますけれども、私のほうから直接、細野環境大臣に、この答申について、これを直接お渡しさせていただくことにしたいと思います。
 繰り返しますが、委員の皆様には、答申の取りまとめにご尽力いただきましたことを、この場をおかりして御礼申し上げます。
 それでは、まだ1時間弱でございますが時間がございますので、今回の審議に当たってのご感想や、普及啓発なども含め、今後の生物多様性国家戦略の実施に向けてのアドバイスなどについてお伺いしたいと思います。
 最初に恐縮でございますが、神部委員が途中退席されるということを伺っておりまして、先般開催されました韓国でのIUCNの総会についてのご報告をしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【神部委員】 私、神部と申します。イルカという名前で歌っておりますけれども、貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。
 IUCNの親善大使ということで、2004年からいろいろな活動をさせていただいておりますけれども、世界自然保護会議、4年に一度ということで、済州島で今年は行われまして、先生方の中にもいらした方もいらっしゃるのではないかなというふうに思っておりますけれども、私は6日間出席しまして、月曜日に帰ってまいりました。そして、今回もまた私、任期、親善大使延長ということの調印式もさせていただきましたので、まずそのご報告をさせていただきます。そして、昨夜なんですけれどもメールが入りまして、IUCNの中に、各いろいろな地域で理事長さんがいらっしゃいますけれども、その選挙も行われるということで、今回は、日本からの理事がちゃんと選出されるのだろうかということがかなり大変ではないかという選挙だったのですけれども、無事に北島理事が当選されたということで、今後私は、IUCNは国境のない連合ですから、どこの国ということはないのですけれども、言葉の問題、いろいろなことも考えましても、ずっと赤尾理事、そして小池理事、いろいろお世話になってまいりまして、今回またジュネーブでもお世話になってまいりました北島さんが地域理事に就任されたということなので、また国内においての活動も非常に活発にさせていただきたいというふうに思っております。
 そして、今回私はいろいろなところにいろいろな形で出席させていただきましたけれども、その一つに、この中にありますジェンダー&RED+ということで、気候変動とジェンダーに関するディベートのイベントで、最後に何か言葉というもので締めてくれないかということでございました。その中にはインドネシア、カメルーン、ガーナ、パナマ、それからUNEPからのコメンテーターがいろいろな発言をいたしました。やはり主に森林に関することで、女性の果たす役割がとても大きいのではないかということを主にたくさん語られまして、ロレーナさんとおっしゃる非常に女性のことで世界的に環境問題で駆け回っていらっしゃる方が中心となりまして、皆さんが活発な意見を交わされておりました。私は10分間も英語でスピーチはなかなかできないので歌わせていただいていいでしょうかという前に、去年は東日本大震災で、大変各国の皆様からご支援いただきありがとうございましたということを、そこに同席されていらっしゃいました堂本暁子先生とご一緒に、皆さんにお礼をまず述べさせていただき、その中でも、また私たちはいろいろな環境の問題を抱えておりますが、みんなでいろいろと活発に、日本国内も頑張りたいという話をさせていただいて、最後に「まあるいいのち」という私の歌を英語バージョンで歌わせていただきました。
 そして、今回私は、これは何でしょうか、随分前から自分の夢だったのですけれども、何かの一つの作品、歌とか絵本は出してまいりましたけれども、もっと皆さんにアピールできる形で生物多様性というものをアピールできたらいいなという夢がございまして、今年の春から京都に通いまして、自分の手書きの着物を描いて持っていきました。夏休み中ずっとかかって、やっと完成いたしました。生物多様性の子守歌というタイトルをつけたんです。それはやはり親子の愛というものは世界中どういう人間であっても、植物、動物であっても、皆、愛は同じではないかということを感じていただけたらというふうに思いまして、裾には海の中の生き物ジュゴンの親子とウミガメ、そして上のほうには空なので、トキということで、山岸先生に見ていただきたいと思っていますが、トキの親子が巣ごもりをして、そして飛んでいくという絵を描かせていただいたのを、レセプションや開会式にも着てまいりまして、韓国の大統領にもお会いいたしました。どう思われたかはわかりませんけれども。とにかくいろいろな方に本当に親切にしていただきまして、コンサートもKポップの皆さん、若い人たちが集まるということで、韓国の若い人たちが野外コンサート、1万人集まりました。そこで、親善大使の、モーリタニアからいらしたマローマさんという方と私が親善大使ということで、日本からやってきましたということで、私は、にわか勉強ではございましたけれども、ハングルを少し勉強していきまして、2曲ですけれど、「まあるいいのち」をハングルで歌いまして、会場の皆さんに一緒に歌ってくれるか、というふうに聞きましたらすぐに大きな声で歌ってくださいまして、行く前はとても不安もあった、いろいろな状況もありましたけれども、本当に一般の皆様はそういう意味では本当に大きな声でも歌っていただきましたし、そしてこの命をみんなで大切にしていきましょうということにものすごく大きな拍手で応えていただけたということが、私は大変うれしいことだなというふうに思いまして帰ってまいりました。これを、また今後、国内のいろいろな場所におきまして、マスコミの皆様、それから自分のホームページ、そしてコンサート、いろいろな形で何か生物多様性という形で、非常にいろいろな形に結びつけていかれたらいいなという大きな勇気をいただいて帰ってまいりましたことを報告させていただきました。ありがとうございました。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございました。また大変お疲れさまでございました。
 それでは、今後の進め方、あるいは普及啓発等についてご意見、あるいはご感想、アドバイス等ございます方は、お手元の名札を立てていただきたいと思います。回答が必要なものについては、後ほど、まとめてお答えをいただくということにさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 田中委員。

【田中(正)委員】 どうもありがとうございます。私は前回に、生物多様性基本法との関係で発言させていただきましたけれども、先ほどご説明いただきましたように、この2ページ、3ページ、それから4ページの後段辺りに、その辺の内容を反映していただきまして大変ありがとうございます。御礼申し上げます。
少し補足説明をさせていただきたいと思いますが、この生物多様性の国家戦略といいますのは、もうかれこれ約20年前につくられておりまして、この間、関係者の、非常に多くのご努力があったものと思います。ただし、前回の私の発言で言いたかったことは、国際条約に基づく国家戦略と、法律で義務化される基本計画、国家戦略では、意味合いが非常に大きく違うのではないかということがあります。特に法律で義務化された国家戦略、いわゆる基本計画ですけれども、これにはコンプライアンスといいますか、国民の側でもこれを順守する必要があると。私は法律の専門家ではありませんので、表現が正しいかどうかちょっとわからない、心もとないのですけれども、そういう意味でもって、国際条約に基づくものと、法律に基づくものというのをはっきりとわかるようにしてほしいというのが前回の発言の真意であります。その辺のところを、先ほど言いましたように、2ページ、3ページ、4ページ辺りに反映されておりますので、そういう方向が十分国民にわかるように、これから情報発信していただきたい。ただそのコンプライアンスというような考え方を使いまして、いわゆる生物多様性保全の実効性が上がるという方向に、ぜひこの国家戦略を、これからうまく運用していっていただきたいというのを希望といたしまして、意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、岡島委員お願いします。

【岡島委員】 ありがとうございました。一つは、英訳はするのかと思うのですけれども、できましたら全訳をしていただきたいと思っております。これはお金をかければできることだと思うんです。それはなぜかというと、結構いいことが書いてあるでしょう。それを日本語で書いても伝わらないですよね、外国には。結構この手のものは訳されていないんだと思うのです。ですから、この際せっかく何年もかけてつくった戦略なので、きちっとしたものをつくって、これはかなり途上国にも先進国にも、一つの日本の姿勢を示すためにいい機会だと思うのです。ですから、ぜひこれは、局長さんも新しくなられたことですし、ちょっとこの辺で奮発して、世界に向けて英訳本を配っていただきたいというのが第1点です。
 それから第2点は、ヨーロッパ各国などに対して通用するというか、物事に耳を傾けてもらえる一つの要素としては、もうここまで生物多様性で議論を進めてこられて、人間の生き方のようなところまで入ってきているわけですね。ですから、ここでやはり哲学とかそういう分野の方々との連携プレイも視野にこれから入れておいていただきたい。そうすることによって、本当の意味で、欧米各国ときちんとした形で渡り合えるのではないかということが第2点です。
 第3点は、聞かなかったことにしてくれて結構なんですけれども、これを読んでいますと、これはもう新しい省庁が必要ですねというような感じを受けました。環境省自然環境局がイニシアチブをとって、農林水産省、国土交通省、文部科学省、あらゆるところを引き回していける自信があれば結構ですけれども、こういうことをやりたいんだということが書いてあるんです。やることを考えていたら、何らかの手を、内閣直属の、これはたわ言ですよ、勝手に言っている感想ですから気にしないでいただきたいんですけれども、そういったセクションをつくって、各省庁の関係部署とかなり強い連携をもって進めていくと、そういった段階に入ってきたのではないかなというような感想を持ちました。
 以上です。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、次に石井委員お願いします。

【石井(実)委員】 ありがとうございます。私の意見は、参考資料についてでございます。ここに前回の議事要旨があるんですけれども、この6ページのところの下から二つ目の丸のところが私の発言を要約していただいたものなんですけれども、多分聞き間違えるだろうなと思っていたらちょっと聞き間違えられているので、これは残ってしまうとにとになると思いますので、ちょっと訂正をお願いしがてら少しコメントさせていただきたいと思います。
 IPMという文字が書いてありますけれども、総合的有害生物管理というふうな言い方をして、とにかく経済的に見合うようにすればいいので、害虫の完全な撲滅なんてはしなくてもいいというふうな考え方なんですけれども、最近はそれを一歩進めてIBMというのがあると言ったんです、前回。Integrated Biodiversity Management ということで、ABCのBと言ったつもりなんですけど、その2番目に書いてある生物多様性に配慮したIPMではなくてIBMとちょっと修正していただきたいということでございます。昆虫は、水田周りなんかでは、大体3つに分類するんです。人間の勝手な立場から言えば、害虫、益虫、ただの虫と言いますけれども、ただ、水田の場合は稲が大事ですので、稲を食べるものは害虫になるわけです。ですけれど、植物の次に植物を食べる害虫としての植食者の小さな虫がいますが、それを食べて暮らしている多くの肉食者がいるんです。例えば赤トンボ、この間例に出しましたけれども、そうだと思うのです。その赤トンボみたいな小型の肉食者がいるから、それを食べるまた鳥がやってくるということで、我々が好ましいと思っているような鳥とか、カエルとか、そういったものに水田周りにいてもらおうと思うと、害虫にもいてもらわなければいけない。そこで、キャッチコピーとしてよく言われるのは、害虫は天敵の食物であるというふうに授業で教えるんですけれども、薄い密度で害虫にもいてもらわなければ、いざ害虫が大発生したときに、天敵に活躍してもらうことができないんです。農薬で全滅させてしまうと、全ての生物をなくしてしまうと、次に害虫が入り込んで大発生したら、それを抑える天敵というのが水田周りにいなくなってしまうというわけなのです。そういうわけで、害虫、益虫、ただの虫、全てについて管理しておかないと、うまい生物多様性とともに考える害虫の防除はできませんよと、そういうことを言いたかったのです。ということで、今回はこの文字が入りませんでしたけれども、次回はぜひともよろしくお願いいたします。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、小長谷委員お願いいたします。

【小長谷委員】 本当にお疲れさまでした。既に煮詰まっていた計画をこれからまたさらにこれだけ書き込まれて、本当にお疲れさまだったと思います。ただ、それで、それをさらに英語にしたらどうかというご提案はとてもすばらしいご意見だと思いました。ただし、それは国際発信するという一つ手前で、自分たちの持っている論理的な誤りをチェックするということにおいて、これは英語にしたら、多分成り立っていないところが多々あると思います。例えば7ページに、生物多様性という言葉がわかりにくいから、それをつながりと個性という言葉に変えましょうというのがありますけれども、これは変えたら理解しやすくなるのではなくて、理解は混乱します。なぜなら、多様性という概念は種レベルの概念なのに、個性というのは種を解体する概念を持ってくるからです。多分これは英語にしたら、もう全然、英語の人はもう意味不明で翻訳不能な状態になると思います。そのように、自分たちが日本の、非常に内々のモードでロジカルシンキングしていないところというのをチェックするという意味で、英語にしてみるというのはとてもいいことだと思います。
 では、これは、例えばケチつけているだけではなくて、何が問題なのかというと、これは私の私見ですけれども、生物多様性という言葉自体がわかりにくいという、この言い方自体が間違っていて、本当はこれはわかりやすいものです。生物多様性自体は。ですけれど、それがどうして国家戦略になるのかということがわからないのです。なぜそんなものをわざわざ国の戦略にしなくてはいけないのかといったときに、ここにいる人たちはみんな法律的に決まっているからですとか、条約を批准したからですというふうに、そういうところに答えてしまうんだけれども、それも国民にとってはもっとわからないことです。では、なぜそんな契約をしてしまったのですかということになりますね。本来の目的は、多様性は目的じゃない、ここに、今回のロードマップの副題がちゃんと書いてあるように、豊かな自然共生社会の実現という、ここが目的であって、そのために、多様性というのは、それを非常にわかりやすく象徴するためというか、可視化されたものにすぎないということで、本末転倒になってきたものを、もう一度今回せっかくロードマップを今回この副題のあることによって目的、本当の目標がはっきり明示されたものになっていますので、そこからみんなが真似したくなるすてきなライフスタイルの提案なんだというようなところをもう一度戻って、ケーススタディみたいな形でこれから皆さんに提示できれば浸透するのではないかなというふうに思っています。
 私自体は、この文書をさわるのにはお手伝いあまりできていませんでしたので、実際にこれを一人一人の生き方に落としたときにどうなっていくかというところで、何か具体的に自分も手伝えればいいなというふうに思っております。
 ありがとうございました。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは宮本委員お願いいたします。

【宮本委員】 お時間いただきありがとうございます。私はこのような委員会に参加いたしましたのは初めてで大変勉強になりましたことを、まず皆様に御礼申し上げたいと思います。
 1点だけ質問がございます。第2部のロードマップのところに関連指標群というのがたくさんあって、非常にこれは意味のあることだと思うのですけれども、何年か後に、この関連指標群の数値、達成度がどのくらいであるとか、費用対効果がどうであったかというようなことを調査されて、例えば取りまとめて公表されるというようなご計画がおありかどうかということをお教えいただきたいと思います。
 以上でございます。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございました。
 小泉委員。

【小泉委員】 いろいろ大変だったと思うのですけれども、一言だけちょっと申し上げたい。
 実は、これを教育にやはりちゃんと使ってほしいというのがあります。今、日本では自然教育とかがやはり非常に貧弱ですよね。今日見ていても、例えば生物多様性は日本の場合非常にすごいものでして、世界的に見ても誇るべきところがあるのですけれども、そういうのが学校教育では全く出てこないんです。学校でやる環境教育というのは、ほとんど悪いことばかり、地球の悪いことばかり教えていまして、いいことはあまりやらないです。それは確かに温暖化とかいろいろあって大事なのですけれども、そればかりではやはりちょっと困る。日本の場合だと、やはりすばらしい自然が先にあって、それでいろいろ問題が起きているという感覚がやはり欲しいと思うのです。ここではちょっと触れていないのですけれども、例えば5ページから6ページ辺り、地球の成り立ちや生命の歴史とか、大絶滅と人類の活動、そういうものがありまして、その後にもう生物多様性になってしまうのですが、実は私ここを本当は、日本の地形、地質や気候の多様性、こういうものがやはり基盤環境としてすごく大事だということを大きく入れてほしかったのですけれども、前回出席できなかったので申し上げられなかったのですが、こういう話を教育で取り込んでいくと、いい意味で非常に地球の理解が進むと思うのです。それで、自然の理解も進むと思います。今は例えば本当に悪い話ばかりなものですから、では、大学で例えばジオパークの話とか、こういった多様性の話をするのですけれども、そうするとびっくりするんです。「えっ、日本の自然、そんなすごかったの」、なんていうのが結構います。それは悲観的な話ばかりずっとやっているものですから、いい話というのを聞いたことがないんです。あまり悪い話ばかりすると、やはり子どもを産まなくなってしまったり、マイナス面がいっぱい出てくると思うのですが、できたら、せっかくこういうものをまとめられたものですから、例えば文部科学省なんかにも働きかけて、やはり教育では日本の生物多様性のすばらしさとか、それを支える基盤関係のすばらしさとかですね。
 それから生態系サービスでちょっと、例えば地形・地質の話はあまり出てこないのですが、水とか大気をきれいにしてくれるという意味では、やはり基盤関係は非常に大事なんです。その辺から話をしていくと、非常に理解が進むと思います。子どもの理解も。今の場合は、まだばらばらした形で進んでいるわけですけれども、そういうのをみんな入れていっていただければいいなと思っています。実際に私なんかは、ジオツアーなんかで、基盤環境でこういう地質、地形条件があるから、ここは生物多様性が非常に豊かなんだとか、そういう話はちゃんと現場でするわけです。そうすると、参加したジオツアーだったりエコツアーだったりしますけれども、それに参加した人の関心の持ち方が物すごく違ってきます。そういうふうに、下から積み上げるような形で話を持っていくというのが大事だと思うのですけれども、今申し上げたように、日本全体の教育が非常に悲観的なほうばかりに行き過ぎていますから、そういうものを是正していく意味では、この辺のことをやはり関係する省庁に少し働きかけていただければなと思っています。感想と希望です。

【武内合同部会長】 ありがとうございました。
 土屋委員お願いします。

【土屋委員】 ありがとうございます。今後は、ここに整理されております数多くの施策を具体的に頑張っていくわけですけれども、それぞれの施策を実行する上で、各部署は必要な評価をし、反省をし、よりいいものに変えていくのだろうと思いますが、全体として、現在どうなっているかということを、どのようにこれから評価し、あるいは次に向けての整理をしていくのかという、何かアイデアがありましたらお伺いしたいと思います。
つまり、目標を立て、それがどの程度実現できたか、できなかったかということを整理することによって、次の戦略につなげなければいけないわけですけれども、各部局が、各省庁が行動するだけではなくて、国家としてこの戦略をどのように評価していくか、モニタリングしていくか、あるいは次につないでいくかということで、現段階で何かアイデアをお持ちであればお伺いしたいと思います。

【武内合同部会長】 ありがとうございます。
 山岸委員。

【山岸委員】 先ほど、国家戦略を将来的に広めていくのにどうしたらいいかという中で教育の問題が出て、それに関連して、私はやはりマスコミの問題を提案したいと思うのですが、マスコミは、トキがふ化したとか、コウノトリが3世をやったとか、カワウソが絶滅種になったなんていうと、もう答えたくないのに家まで電話をかけてきて取材を申し込むんですが、国家戦略の新しいものができたそうですねという取材なんか受けたことないですね。僕はこれは、この改定に3回携わっているのですが、携わるごとに良くなっていくんですね。良くなっていくけれども、こんな素晴らしいものができたというのに、今日来ているのはNHKの1社、それもイルカさんのところでちょちょっと撮ったら帰っていってしまうという、何かこれは間違っているなと僕は思いますね。マスコミに対して国家戦略ができたということを環境省が宣伝するときに、どこかが間違っているんだと思うのです。こういうことを考えると、将来はそんなに明るくない、またまた前回2回の変更のときと同じぐらいに終わってしまうのではないかと、非常に私は残念に思っているのですが、環境省はどういうふうにマスコミに呼びかけているんですか。こういう大事な日のことを。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございました。
 涌井さん何か、今度しゃべってくれませんか、テレビで。

【涌井委員】 可能な限り努力いたします。
 実は、私は私で危機感がありまして、2020年というのは、まさに国連生物多様性の10年の最終目標年。国連生物多様性の10年委員会の委員長代理という形でお預かりしながらいろいろ議論をしているのですけれども、本当にそこまで多様なステークホルダーの議論がもつのかなと、こういう心配を率直にしています。というのは、COP10があり、そしてかなり、私はこれは世界的にも類例がないほど、いわゆる日本の国内の自治体会合であるとか、さまざまなステークホルダーが濃密なことをやってくれているわけですけれども、それはそれで一つずつ進んでいくんだろうと思いますけれども、それを束ねていくテーブルがいつまで維持できるのか、これは今まさに山岸先生がご指摘になった、国民的関心がここに集中しない限り、非常に難しいのではないかと。お金もありませんし、一体どうしたらいいんだと。そういったときに、この国家戦略というものが軸になって、そういうステークホルダーをしっかりつなぎ上げていくことができるんだったら、多分2010年目標というのは、日本国においてはかなりの水準になる。
 世界的に見てもご案内のとおりで、必ずしも日本以上に努力をしているという気配はあまり見えない。個別のところでの努力はたくさんあったとしても、そうすると日本の取組というのが、ある種の世界モデルになり得る可能性があると。したがって、この国家戦略を基軸にして、どういうふうに多様なステークホルダーがこのプラットホームに結集して、ずっとこれが大事だということを標榜し続けられるかどうかということと、今の山岸委員のお話は表裏一体だろうというふうに思います。ですから、私は私でミッションとしての自覚はしますけれども、それ以上に、やはりこれをどう基軸にしていくのか、そしてその行動を長続きさせていくのか、未来の子どもたちにきちっとしたステージを与えていくのかということが今問われるのかなと、それを非常に懸念しています。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございました。
 福田委員お願いします。

【福田委員】 前回はお休みさせていただいてしまったので、ちょっと重複するかもしれないのですけれども、先ほどの先生のおっしゃったのと同じことになってしまうのですが、前回のときに速水委員がおっしゃってくださった、もっと民間人のほうにということなんですが、それと同じようなことなのです。教育のことにしても、本当に私はここに出させていただきまして、理解不能のところもあるのですけれども、とても素晴らしいことが書いてありますし、こういうことをするということがいろいろと書いてあるのですけれども、なかなか私たちのほうまでおりてこないというか、温度差があり過ぎまして、私たちは小さいところで環境教育とか森林教育をやっているのですけれども、その辺のところをきちんと、もっと大きく、始まったことを下のほうまできちんと降ろしていただくという方法を、どうにか情報を流していただくというやり方をもっときちんとしていただくと、こういうものも、本当にもっともっとうまく使えるといいますか、そうなるんじゃないかなと思います。それをよろしくお願いいたします。

【武内合同部会長】 ありがとうございました。
 速水委員お願いします。

【速水委員】 ありがとうございます。言おうと思ったことを先に皆さんに言われてしまって、三番煎じなんですけれども、前回私森林に関してもう少し民間の活動に注目したらどうだというふうに申し上げたのですけれども、やはり第3部全体に関して、やはり国の施策なんだから、国の施策を書いていくという、前回のご説明もそんなようなご説明だったと。それはそういう方針で間違いないんだろうとは思いますが、ただやはり生物多様性というものを大きな予算で何か物すごい、それに集中した予算投入ができるならばともかくとして、さまざまな事業がさまざまな形で生物多様性に絡めて動いていかざるを得ないときに、民間が動かない限りやはり全く実行が乏しいと思うのです。世界を眺めましても、やはりこの生物多様性に関しては、さまざまなNPOであったりNGOであったりという活動が生物多様性のさまざまな視点をつくり出していっているというのが今の時代だと思うのです。COP10なんかでももちろん政府は非常に重要な役割を果たしていましたけれども、やはりそこに集まる各国の民間団体の役割がなければ、COP10なんていうのは成功しなかったというふうに考えております。今、涌井委員が多様なステークホルダーというふうにおっしゃられたとおり、もっとステークホルダーを広く見なければいけないと思うのです。この生物多様性国家戦略のこの方針自体が。どこまでステークホルダーを広く見ていけるのかというのが、何か今後成功させる勝負なのだろうというふうに思っております。
 私は森林に特化した意見を前回申し上げさせていただいたのですが、森林だけでなく、全てにおいて、物によっては非常に民間活動をしっかりと評価をしていると思うのですけれども、目標は、この政府の施策自体が、いかに民間が使って、そのときに多様性を配慮しているのかということが多分目標だと思うのです。そこをしっかりとわかって書いていかないと、書き上がったのはこれですから、それを動かしていかなければいけないというふうに考えていますので、施策の一歩向こうというものをどう理解をして動かしていくかというのが勝負だというふうに思っております。
 以上です。

【武内合同部会長】 ありがとうございました。
 辻本委員。

【辻本委員】 ありがとうございます。一つ前も法定計画云々にこだわったのですけれども、そのことにもちょっと関連します。
 今までもこの生物多様性国家戦略が議論されてきたということは聞いていたのですけれども、今回議論に参加させていただきました。それまで、「ああ、生物多様性国家戦略というのはこんなもんなんだな」と思っていたのだけれども、今回議論されて、非常に立派な国の基盤づくりの基本計画ができたなという気がいたしました。非常に立派なものができました。国の基盤づくり。ところが国の基盤づくりということになると、もっとほかにもいろいろな中期計画もあるし、長期計画もある。国土形成計画なんかも多分その一つでしょう。このように国の基盤に関わる基本計画というのは、戦略だけではなくて、国としてやっていく、先ほどから話が少し出た法定計画で、どんなふうにして国の方針をきちっと国の整備に生かしていくのかという中の一つ。そうなると、どちらかが今おっしゃったんだけれども、これを統合的にやはり運用していかないといけない。一ついいものができたときに、これを実際にやっていくときに、どこかでやはり、ほかの国の基盤に関わる計画とどんなふうに関与しているのかというのをしっかり見るようなチーム、当然省庁だけでもできると思いますけれども、いろいろな省庁も関わるので、やはりいろいろな人たちの関わり、いろいろな人たちの知恵というものが多分入ってくるだろうと思いますので、そういう検討ができる場をつくられることが大事かと思います。いろいろな国の基盤に関わる基本計画というものはどんなものがあるかを調べられて、それがどんなふうに関与しているか、どんなふうに進めていけるかということも、決して検討して損ではないと思います。
 今回、この生物多様性国家戦略、それに関わる基本計画に他省庁のさまざまな政策というものを寄せ集められたんですけれども、他省庁にとっては、多分それが、それぞれの省庁で意図されている国の基盤づくりの一つのメニューであったかもしれない。ここをしっかり言うと、どういうほかの省庁の国の基盤整備の基本計画から出てきたメニューと、我々が今つくった生物多様性国家戦略のメニューがオーバーラップしているかという関連性といいますか、相関性を調べることは非常に重要な観点かと思いますので、ぜひやっていただきたいと思います。
 それから同じことが、同じ国の基盤だけれども、少し違った観点で、環境の基本的なものについても、生物多様性だけでなくて、温暖化に関係するもの、それから、それは循環の問題と低炭素の問題と、そういった問題とどんなふうに関与するのかということも、先ほどの統合的な政策を進めていくという中で、非常に重要な面があると思います。そういうことがしっかり見えてくることによって、次期の計画づくりのときには、生物多様性の主流化、国の基盤をつくっていく中での主流化というのがもっと見えてくるのではないかというのが持った感想です。
 それからもう一つ、すみません、長くなりました。国の政策についての基本計画であったんだけれども、実際、これで非常に私の言葉があまり適切かどうかわからないのですけれども、スマートな計画ができました。これを、やはり多分計画を持っておられると思うのですけれども、地方でもこういうふうなお手本というわけでもないのでしょうけれども見て、地方でもやはり同じような、地方の行政に関して、それから、同じようにいろいろな地域の行動主体に対しても同じようにマスタープランをつくっていただくということはありがたいことですし、企業につくっていただく、民間につくっていただくということもありがたいことだと。これは黙っていてできるものでもないし、強制するものではないのですけれども、そこのところをうまく、こういうふうな考え方を、いろいろなところでマスタープランというのをつくって行動できるんですよというふうな宣伝活動をどんなふうにやっていかれるのかということも、この計画を進めていく中での一つのフォローアップ的なことかと思います。
 以上、意見です。

【武内合同部会長】 ありがとうございました。
 敷田委員お願いします。

【敷田委員】 ありがとうございます。一言意見、感想めいた意見になりますけれども申し上げさせていただきます。
 でき上がった戦略を見ますと、資源側の記述、つまり自然環境側の記述が非常に厚いのですが、実際には、これに関わる人々、私たちといってもいいのですが、その部分というのは背後にあるはずで、この計画の中で述べられていることが、そこへどのようにして伝えられるか、つまりマーケティングの視点というのが非常に重要になってくると考えています。特に都市人口が今80%以上になった現状では、自然との関わりはそもそも原体験として持たない方々も非常に多く持っていますし、家族の中でお父さん、お母さん、それからおじいさん、おばあさんも自然体験を持たない、例えば三代東京で育ったという方も非常に多くなっています。そういうことを考えると、新たな自然環境とのつき合い方、多様性との新たなつき合い方というのを形成する時期に、次の戦略では来るのではないかと思います。そう意味から言いますと、エコツーリズムのようなものは、今までの関わりとは違う新たな関わりの形成に分類されていくのが次の段階になるのかと思います。
 以上です。

【武内合同部会長】 ありがとうございました。
 田中里沙委員お願いします。

【田中(里)委員】 本当に貴重なこの資料ができ上がって素晴らしいことと思いますし、あらゆる主体のよりどころになるというふうに思っています。
 先ほどの広報の件ですとか、いろいろな方にお伝えするという内容でお話が出ましたけれども、今回も、例えば183ページに生物多様性の新聞掲載数を目標として増やしていくというお話がありますけれども、やはりCOP10の時を見ましても、開催の時期にこの件数というのが、ほとんどここに出ていまして、普段の時はなかなかこの生物多様性という文字が新聞記事の中になかなか出てこないというふうなこともあったかと思います。もちろんテレビ番組をつくられたりということも効果としてあったと思いますけれども、今後このままですと、なかなかこういう言葉が一般の中に浸透していかないという懸念もありますので、CSR報告書とか、環境報告書を企業は皆さんつくっていて、低炭素への記述とかは、大体もうほぼ100%に近く書かれていると思いますけれども、必ずそういう民間、先ほど民間の活用ということもありましたが、そういう発信を企業がされるときにも、必ずこの生物多様性の冊子の理念を組んでいただいて、自分の会社で生物多様性に対して何を行うか、自分の会社主体でステークホルダーは何を行うかということの記述を是非いただくような働きかけと、あと意識を強く持っていただくという形ができればというふうに思っています。
 あと、やはり日常あまり深く自然との関わりがない人にでも、少しずつ、普段から薄くても、こういう情報を伝えていきたいというところがありますし、今回の自然共生圏のお話というのも非常に有益なところがあると思いますので、先ほど英語版のパンフレットのお話がありましたが、今回もこういう簡易版ですとか、いろいろなツールをもしもつくられるということであれば、こういうツールをつくっても、配布をして見ていただく方というのは、どうしても限りがありますので、もう少しカジュアルな感じでコンテンツをつくって、スマートフォンなり、ネットの情報、新しいメディア等で何かのきっかけで、全く関係のない人が、生物多様性にある切り口で触れられるとか、そういうふうな情報発信をしていただくと、いろいろな方に、この趣旨と理念と、正確な情報が伝わるというふうに思っていますので、ぜひ、そういう限られた広報機関、もしくはない広報機関かもしれませんけれども、それを活用いただければというふうに思います。

【武内合同部会長】 ありがとうございました。
 高橋委員お願いします。

【高橋委員】 すみません。質問になるかと思うのですけれども、世界農業遺産というのが最近ちょっと取りざたされているのですけれども、この記述が149ページのところにちょっとあるのですけれども、重要地域の中には入っていませんよね。まだそのレベルにはないということなのかどうか。
 それから、これはかなり情報が得られたり論議されているのかどうかということ。といいますのは、生物多様性自身もそうですけれども、例えばラムサール条約にしても世界遺産にしても、さっきおっしゃっていた地元の人たちが関心を持つというのは意外となくて、例えば文部科学省とか文化庁とか、学識経験者とかは盛り上がっているけれども、そのことについて実感を持ってやっていけないというのがあるのですけれども、それは自然再生についても同じようなことが結構あるのですけれども、私がやっている自然再生のところでは、農業遺産のことで、農家の方がものすごく集まってくるんです。そのことについて非常におもしろい論議を活発にやっているということなので、例えば田園地域とか里山というターゲットにしたときは、重要地域は指標というものもどういうものが最も効果的な指標のツールとして使っていくかというような戦略があってもいいのかなという気がいたしました。それで、今ちょっと漏れ聞いたところでは、現在、今年の登録に対しては、掛川の茶草場と、阿蘇は、いずれも草地草原の内容なのですけれども、そういうところが登録に目指しているというお話もあったのですけれども、これはまさしく両方とも生物多様性にとってはとても重要な地域でもあるわけで、そういう形の情報が現在、農業遺産に関してはどの程度重要視されているのかなというのがちょっとわからないので教えていただきたいと思います。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございます。私は結構それを直接やっていまして、昨日、茶草場に行ってきたのですけれども、ちょっと今のやつのことだけ私からお答えしますと、これは、もともと開発途上国でずっと伝統的な農業を大事にした仕組みを認証していこうという制度だったのですけれども、それをちょっと日本で提案できないかなということで、佐渡と能登を申請してうまく認められて、それで、最初はその地域の人も、これはなんじゃいみたいな話だったのですけれども、結構言葉がインパクトがあって、かなり地元の人は、地域の農業の再生と、それから伝統的な人々の暮らしの営みの再評価というようなところで、付加的には、観光にも少し振興につながっているよなんていうことでうまくいったということで、石川県知事が、今度来年の世界大会を誘致したいというふうに言っておられて、その流れで、もう少し日本でもというようなことで、今お話の佐渡と、それから掛川を候補地にできるかどうかというような作業を今進めているわけですけれども、やはり大事なのは、地元の人がそれをやりたいという、それをやることによって農業を中心としたさまざまな産業の振興にもつながっていくという面が非常に大事で、茶草場のように、それが同時に、日本で失われつつある草原的な生物多様性、これは阿蘇もそうなのですけれども、それの保全につながっているという面は、これは重要な評価の項目ではありますけれども、そういう意味で、今回の生物多様性国家戦略の話とは結びつきがありますけれども、メーンはFAOがやっているものですから、ベースとしては、従来FAOが進めていた大規模化で生産性を高めるという農業とは別の形の、むしろ少量でもいいから付加価値をつけて、経済的な社会の中に成り立つような仕組みを考えていくという、その延長線上でやられているということで、おっしゃるように、生物多様性とも非常に関わりの深い話で話が進んでいるというふうに私も理解しております。
 それでは、マリ・クリスティーヌ委員。

【マリ・クリスティーヌ委員】 大変長い文章をまとめるのが大変だったと思います。そしてみんなを満足させるのに大変苦労されたのではないかと思います。
 感想ですので、申し上げたいのは。先ほど英語に訳された時にはちょっと英語に訳しづらいのではないかという話が、私も本当に同じような意見であります。そして、この文章に出てくるものを読んでいても、私はもとの英文のアーティクルをずっと、生物多様性の名古屋の目標というのを、英語で読んでしまうので、どうしても日本語で読むと疑問を感じますのは、必ず一つ一つのアーティクルのところには、どういうふうに国が自分の国の戦略としてこれをちゃんと目標と言うんでしょうか、ちゃんと実行していくかということが書いてあるのです。日本語のほうは、ただ言いっ放しで、どういうチェック機能なのか、先ほどコンプライアンスという言葉が出てきましたけれども、それに応じてちゃんとやってもらっているかどうかということのモニタリング、またはチェックポイントというのがなく、ただ言いっ放しになってしまっているところが非常に、国家の実行計画としての役割がなっていないような気がします。ですので、今度改正するなり、いろいろしていく上においては、やはりこれをもうちょっとバランスよく書かれたほうがいいのではないかと思います。
そして、横文字言葉がたくさん出てくる中で、例えばREDDとか、ITTOとか、TEEBとかといろいろありますけれども、今回のCOP10の一番の原点はどこにあるかといいますと、地球温暖化によって、生物多様性がなくなってしまうことの大変さというか、恐ろしさについてこういう会議ができているわけなのです。この温暖化を、いろいろな方々の考え方というのがあると思うのですけれども、温暖化を起こしているのは大企業であったり、いろいろなそういう私たちが地球に負荷をかけている企業が結局温暖化を起こしているということを考えるとするならば、企業に対するいろいろ、もちろんCSRできちっとやられている企業もあるわけですけれども、そういうことをちゃんとやっていない企業をどのようにしてもっと抑制していくかということがすごく重要であって、そういうところのガイドラインが日本から出るということが非常に重要だと思うのです。ですから、言いっ放しではなく、むしろ、どういうふうにこれから解決していくかということがすごく大事だと思うのです。
それと日本国民として環境省を見たときに、以前も言いましたけれども、環境省というのは、やはり国民にとっての、ある意味で駆け込み寺なのです。地域地域が、みんな独自の環境問題を持っているわけで、もちろん似たようなものもあるのですけれども、私が神戸の大震災の後に、アスベストマスクを子どもたちにどうしても配りたいと思いまして、それでまず最初に連絡したのは環境省だったのです。なぜかといいますと、私は環境省というのは、アメリカのEPAみたいな機関だと思いましたので連絡しましたらば、当時はもう随分前でしたから、いや、私たちは、森を守り、自然を守る機関であって、アスベストは関係ありませんと、建設省に連絡しなさいと言われまして建設省に連絡しました。建設省に連絡しましたら、いや、私たちは建設する側であって、アスベストは産業廃棄物なので、あなたは労働省のほうに連絡しなさいと言われまして、そしてそちらのほうに連絡しましたらば、いや、私たちは大人の、そういう産業廃棄物と関わる方々に対してアスベスト問題をやっていますと。文部省に行きなさいと言われて文部省に行ったんです。そうしたらば、文部省に言われましたのは、不特定多数の子どもたちに関わる問題は私たちはやりますけれども、一定地域地域の神戸市だけの子どもたちのためにはやることはできませんので神戸市に連絡をしてください。神戸市はもうひっくり返っていたんです。ですから、そういうことで、やはり環境省というのは、やはり私たちが自分の自然や環境を守るために非常に重要な役割を担っているわけですので、私は今回出てくるこれが、下手にどこかが、どこかの企業やどこかの団体がビジネスにしようとする一つの引導に使われるのは、私はとても嫌なのです。ですので、そこのところのやはり文章の書き方や、こういうものの扱い方というものを、私はそれをきちっとモニタリングする環境省であってほしいと思いますので、それが私の今回のこの大変な努力されたまとまりの意見として、今後参考にしていただければと思います。

【武内合同部会長】 いろいろなご意見をいただきましてどうもありがとうございました。
 それでは、幾つかご質問のあった点に関して、事務局から説明をお願いいたします。
 どうぞ。

【小菅委員】 すみません、終わりそうなところ。
 私はいろいろな話を聞かせていただいていて、生物多様性ということがどうもわかりづらいとか、そういう議論が結構あったと思うのですけれども、僕は動物屋ですから動物のことを子どもたちに随分話す機会があるのですけれども、生物多様性については、子どもも地域の大人たちも結構意識はしていると思うのです。生物多様性という言葉がわかりづらいのではなくて、それについて何をしていいのかわからないというだけだと思うのです。
 そこで、先ほど山岸先生が、私のところに来るのはトキがどうなったとか、カワウソがどうしただとかそういうことを聞いてくるということを言っていましたけれども、マスコミの関心というのは、結局それを放映した時に、多くの人たちがどう食いついてくるかということに密着しているわけです。ということは、僕らがいろいろな場所へ行って動物の話をしても、例えば希少動物の話をする。希少動物の話をすると、多くの人は、それは、「えっ、それはそういう問題があるの」、「それはどうして」というふうになってくるわけです。ですから環境省はレッドデータブックでしっかりとしたさまざまな生き物の現段階というものをちゃんと把握しているわけですから、それこそ日本中の各地域で、そこにひっかかってこない地域というのは恐らくないのではないかと思うのです。そうすると、今、例えばカワウソが絶滅してしまったということに対して、過去にどういうことがあってカワウソが絶滅してしまった、その時点、その時点での多様性度というか、この時点にはこれだけの多様性があった、この時点では、これがこれぐらい失われてしまったということを、そういう話をしていけば、子どもたち、それから地域の人たちは、非常に多様性というものを理解しやすくなると思うのです。ですからせっかくつくった国家の戦略ですから、それは、国民一人一人が、それこそ民間だろうが公務員だろうが何から全て、一人一人がこれをどうやって将来に向かって進めていこうかという意識を、少なくとも底辺のところで持っていなければ、これは国としてだって進んでいかないというふうに感じています。ですからここは、それぞれのレッドデータブックに載った種について、多様性の問題をしっかりと整理して、それを国民の側に伝えていくことによって、非常に僕は、もう言ってしまえば、この会議というのは非常に高レベルで、ものすごい地球レベルの感じのことが話し合われて、皆さんの学識もものすごいけれども、しかしそれが、しっかりと地面まで届いていくかどうかというのは非常に疑問なんです。それをしっかりと届けて、この地面に住んでいる多くの人たちが、これに向かって日々の活動をしていくことをちょっと意識するということが僕はとても重要なのではないかというふうに考えています。
すみませんでした。以上です。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは、事務局のほうから。

【地球戦略企画室長】 いろいろと貴重なご意見をありがとうございました。
 では、ごく簡単にかいつまんで幾つかの点についてお答えをしていきたいと思います。
 まず、英訳についてはやる予定にしております。これは、第三次の戦略から全文英訳というのはしているところであって、まず、ちょっとCOP11には全文は間に合わないかもしれないので、COP11までには、少しエッセンスの部分にしながら、その後にきちっとしたものをつくっていこうというように考えております。
 それから、広報のパンフレット等も、もう少しわかりやすいものをきちっとつくろうと思っていますので、また多くの方にわかるようにしたいと思います。
 それとその広報の話で言えば、山岸委員のほうからご指摘のあった、マスコミへの問題、非常に重要ということは、我々も、実はこの後プレスブリーフィングを武内部会長にもご同席いただいてする予定にしております。それで、カメラが1社だったので、NHKさんしか来ていなかったのですが、あちらのほうに、奥の、日ごろ取材に来ていただけるマスコミの方たちがいらっしゃいますので、多分明日の新聞には大きな記事を載せていただけるのではないかなということを、もしくはニュースで報道していただけるのではないかということを期待しております。
 それから宮本委員、土屋委員、それからマリ・クリスティーヌ委員のほうからも、目標値の進捗状況ですとか見直し点検、それからチェックをどのようにするのかといったようなご意見がありました。これにつきましては、若干細かいところまでは記述しておりませんけれども、基本的に2014年、15年の見直し時に大きな点検を行うということで、この中でも、前文の中に書かせていただいておりますので、第2部、第3部で示した指標ですとか、もしくは目標値みたいなものを、きちっとした形で、その時点でどうなっているかということはチェックをいたして、その進捗状況を図っていくということをやりたいと思います。
 それに加え、具体的に現状値を示している部分がありますので、それにつきましては、例えば毎年環境白書というもので環境の現状を報告することになっておりますので、そういう中でそれを示すことによって、毎年ここに書いてあることはどうなっているのかというのがわかるような形でできればということで、これはちょっと、これからの検討ではありますけれども、具体的に国民に対しても、皆さんに対してわかりやすく示していくことをやりたいと思っています。またその中で、例えば2020年までにこのモチベーションをなくさないために、今、国連生物多様性の10年日本委員会というものもありますので、そういったさまざまなステークホルダーが参加する枠組みなどもうまく活用しながら、皆さんに今の状況というものをご説明をしていきたいというように思っております。
 また、速水委員のほうから、国の計画記述の部分で、やはりどうしても国の計画というと限界があるのですけれども、やはり民間ですとか、そのほかのステークホルダーをいかに巻き込んでいくかというのは重要だというふうに考えております。例えば、環境省でも、民間参画ガイドラインというものを示したり、あと辻本委員からのご指摘であったと思いますけれども、地方の自治体に対してこれをどうやっていくかというところについては、生物多様性地域戦略の作成の手引きというのをつくっております。これを今回踏まえて改定をすること、また民間参画ガイドライン、民間への働きかけみたいなものを、今はかなりビジネス的な部分が中心ですけれども、産業的な部分も含めた形でどう働きかけていくかというのは、もう少し検討が必要かと思いますので、ご意見を踏まえて、またその点は努力をさせていただきたいというふうに思っております。
 私のほうからは、とりあえず、抜けている部分もあるかもしれませんけれども以上のご説明とさせていただきます。
 もし、事務局のほうからほかに、各課でありましたらお願いいたします。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございました。
いただいたご意見を踏まえて、また今後の取組に生かせていただきたいと思います。
どうぞ。

【岡島委員】 私はマスコミ出身ですので、一言ちょっと申し開きをしたいと思いますけれども、世の中は、ここにいらっしゃる方は生物多様性とか非常に、それが今一番大事なことだとおっしゃいますけれども、まだまだいろいろな問題があるわけです。文部科学省に行けば教育の問題が大事だと言うし、1日のうちにたくさんのニュースが来るわけでして、基本的にテレビとか新聞の場合は、ニュースを追っかけているわけですので、山岸先生のイライラはわかりますけれども、トキはニュースなんですよ。しかし、生物多様性のこの問題は、報道はすることはするけれども、別な形で、特集のような形で組まないと、とても中身を伝え切れない内容なのです。ですから、その辺のところはちょっと釈明させていただきますけれども、テレビもそうなのです。基本的に、雑誌とかいろいろな媒体がありますけれども、速報性を有するところは、やはりニュースを中心としてやるものですから、トキのほうがおもしろいのです。尖閣列島だってあるし、いろいろなものがあるのです。毎日毎日。ですから、その辺のところはぜひちょっとご理解をいただきたいと思います。
 それからもう一言。生物多様性という言葉はみんなわかっているというお話がありましたが、それであればこんな苦労はしないと私は思います。やはり、先生方の周りの方はおわかりかもしれませんけれども、日本国民全部を見てみれば、ほとんどの人があまりよくわかっていないというのが現状ではないかと思います。そこにマスコミも報道しづらい理由がもう一つあるわけですので、その辺のところはぜひご理解いただきたいと思います。
 以上です。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、その他の議題については特段ないというふうに伺っておりますので、今回この合同部会は最後になりますので、伊藤自然環境局長にご挨拶をいただきたいと思います。

【自然環境局長】 自然環境局長の伊藤でございます。生物多様性国家戦略の策定につきましては、本日答申をおまとめいただき誠にありがとうございました。1月の環境大臣からの諮問以降、計7回に及ぶ小委員会と、本日を含めて計3回の合同部会においてご審議をいただきました。おかげさまをもちまして、この答申では、生物多様性条約第10回締約国会議で採択された愛知目標の達成に向けた、我が国のロードマップを提示していただいたこと、そして生物多様性版IPCCとも呼ばれるIPBESへの対応も視野に入れて、科学的基盤を強化し、政策に結びつけることを基本戦略の5つ目の柱として新たに付け加えていただいたこと、さらには、生物多様性の恵みである食料やエネルギーなどの生態系サービスの受給でつながる地域を自然共生圏として捉え、その中で、生物系サービスを生み出す側と受け取る側がお互いに支え合うという新たな考え方を提示していただきました。新しい国家戦略にふさわしい特色を打ち出していただけたものと考えております。本日の国家戦略につきましては、この答申を受けまして、今月中に閣議決定をしたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
 また、10月のインド、ハイデラバードで開催されるCOP11では、愛知目標の採択を受けて、国家戦略を見直したことを報告し、COP10議長国としての責務を率先して果たしているということをアピールしていきたいというふうに考えております。
 また本日は、今後の進め方につきまして、さまざまな観点からのご意見、非常に有益なご意見を賜りましてありがとうございました。
 岡島委員からは、環境省ではできないのではないかと、こういうふうなご意見も頂戴しましたが、これはもっと環境省が頑張れと、こういうことだろうというふうに受け取っているところでございます。
 それから、阪神大震災の折に、環境省にお話をしたらたらい回しをされたという、誠に申しわけなかったと思います。当時はまだ環境庁時代でありまして、廃棄物行政も、基本的には環境省は担当していなかったということもございますし、まだ地方事務所もできていなかったということもございます。今回の大震災におきまして、これはもう環境省が率先してやってきて、今回はそういうことはなかったのではないかと思いますが、もしあれば是非また教えていただきたいと思います。むしろこれまでは環境省の仕事ではないと言われていた放射性物質の問題、あるいは除染の問題を、むしろ環境省が中心になってやるということで、できるだけ少ない人数ではありますけれども、世界、あるいは社会から求められていることは率先してやっていこうということで環境省がやっておりますので、その点はご理解をぜひ賜りたいというふうに思います。
 また、このマスコミに十分取り上げていただけないという、これはある意味、私どもの、やはり打ち出し方の問題も当然あろうかというふうに思います。どうしても、新聞・テレビは、こちらが書いてほしいことはほとんど書いていただけなくて、その逆のことは多いのだけれども、今回は非常に中身的にも非常に充実したものになったということでございますので、我々も自信を持ってマスコミ、あるいは社会全体に対して訴えかけていきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
 また、この生物多様性の問題は、さまざまなステークホルダーの皆さんに十分認識をしていただいた上で行動いただくというのは、最大の鍵であろうというふうに思っています。そういった意味では、我々環境省はもちろん、あるいは政府としての責任は非常に重いわけですけれども、それぞれの場で委員の皆様方におかれましても、それぞれの立場で、この生物多様性の保全に向けた取組を、この戦略を核としながら、是非とも進めていただきたいと、私のほうからお願いするのはおかしいのですけれども、そういうことも是非お願いしておきたいと思います。
 いずれにいたしましても、今後この国家戦略を順次実施に移していく上で、着実な実施ができるよう、先生方の引き続きのご指導、ご鞭撻をいただきますようお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

【武内合同部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、自然環境・野生生物合同部会を閉会とさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
 事務局より連絡事項がございましたらよろしくお願いいたします。

【事務局】 本日は大変ありがとうございました。本年1月以降開催してきました国家戦略の変更にかかる合同部会につきまして、本日をもちまして一区切りをつけることができました。事務局といたしましても、この場をお借りして、厚く御礼を申し上げたいと思います。
 また本日の資料はちょっと量もございますので、机の上に置いておいていただければ、後日お送りさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 大変どうもありがとうございました。