本文へジャンプ

■議事録一覧■

平成21年度中央環境審議会 自然環境・野生生物合同部会(第3回)
議事要旨


1.日時

平成22年3月1日(月)13:30〜15:00

2.場所

経済産業省別館944号会議室

3.出席者

(部会長)

熊谷洋一

(委員)

有路信、石井信夫、石井実、石坂匡身、磯崎博司、磯部力、市田則孝、河田信夫、川名英子、是末準、齋藤勝、鹿野久男、高橋佳孝、高村典子、竹村公太郎、田中正、中川浩明、中静透、中道宏、浜本奈鼓、福田珠子、三浦愼吾、森戸哲、山岸哲、山極壽一、鷲谷いづみ(五十音順、敬称略)

(事務局)

環境省:自然環境局長、大臣官房審議官(自然環境担当)、参与、自然環境局総務課長、自然環境計画課長、生物多様性地球戦略企画室長 他

4.議事概要

(1)「生物多様性国家戦略2010」答申案について

生物多様性地球戦略企画室長より、資料を用いて答申案について説明。
熊谷部会長より、答申案について委員に対して意見を確認し、全員異議なく答申を決定した。
さらに熊谷部会長より、今後の戦略の実施に向けた意見などについて、随時委員からの発言を求めた。

(主な質疑・意見)

生物多様性EXPOが福岡で開催されたが、COP10の部分が一般市民に分かりにくかったと思う。COP10が保全活動や教育の現場にどう役立つかなどについて具体的な説明事項が見られなかった。実際に活動している企業やNPOにEXPOの情報が十分流れていたのか、懸念がある。また、NPOも含めて活動を広げるためには、税制上の措置など特例にも踏み込む必要がある。
福岡のEXPOは初の環境省が主催の展示会であり、呼びかけや好事例の紹介が十分でないところもあった。3月に大阪で開かれるEXPOやCOP10期間中のメッセ名古屋の展示などで、経済活動と生物多様性の関わりについて、国内外の人々に広く紹介していきたい。また、NPOや企業の活動が活発化するための経済的措置について、国家戦略を受けて、検討していきたい。
例えば、国立公園などにおいて具体的な種の状況の知見は不足しており、これらの保護地域をしっかり管理するためには、希少種や固有種に関する情報をはじめ、科学的知見を充実させることが重要。また、ホットスポットの保全の有効な手段がないのが現実だが、保護の手当をしてほしい。
国立公園や国定公園の生物種のデータ整備について、力をいれて優先的に取り組んでいきたい。ホットスポットについては、里山や島嶼など従来の保護地域だけでは守れない場所の保全にもチャレンジしていきたい。
戦略案はたいへんよくできていると思うが、縦割行政がまだ払拭されていないという感がある。単独の実施省庁が記載されている施策は、一見責任部局がはっきりしているようで、イニシアティブが見えにくい。生物多様性という概念を広めていくためには、様々な部署が協力する姿勢が必要で、環境省がイニシアティブをとるべき。国際的なイニシアティブだけでなく、国内のイニシアティブを明確にし、普及活動や教育などの取組について、様々な省庁と取り組む形を示して欲しい。
各省との連携も関係省庁連絡会議等で取り組んでいるが、まだ限定されている。今回の戦略を受けて、ぜひ深めていきたい。地域レベルの取組についても、横断的な取組が進むよう、環境省から働きかけを行いたい。
日本はMABの生物圏保存地域を少し誤解しているのではないか。MABの生物圏保存地域は、里山の思想と全く同じではないかと考えている。MABの思想は、持続的な利用や生産という観点から重要な視点であり、定着・発展させて欲しい。
1月にパリで開催したSATOYAMAイニシアティブ準備会合でも、MABの仕組みがSATOYAMAイニシアティブにも活用していける場面があるという意見をいただいた。国際的な議論を受け、日本の中でMABをどう活用していくかという点は重要な課題であり、今回の戦略の中にも、その点を少し記載した。
主流化や地域という視点は本当に大切であり、文章だけでなく、どのように行動するかが非常に重要。例えば補助金などが地域で多様な使い方ができるといったような柔軟なことも、主流化や地域の取組の推進のために、もう一度関連省庁で考えて欲しい。
主流化について、各省と議論することなどは、おっしゃるとおり力を入れていきたい。また、地域での戦略づくりもだいぶ動きが出てきた。手引きの作成に加え、モデル的な取組に対し資金的にも支援できる対策をとることで、地域戦略作りが加速するようにしていきたい。
国有林について多く書かれているが、国家戦略策定後は横の連携をもってやってほしい。
森林に限らず、それぞれの施策について、横の連携は非常に重要なテーマだと認識している。
今回の戦略は、法に基づく基本計画ということで、前回までの戦略と大分性格が異なる。関係省庁に関しても、横の連携を大切にしながら、全面的に施策を進めて欲しい。また、戦略の名前について、「第一次生物多様性基本計画」という言葉を入れてはどうか。
今回の戦略は、法律に基づく初めての基本的な計画。正式名称は「生物多様性国家戦略」を使用するが、PR資料等では、国の基本的計画であるということを強調したい。
依然として生物多様性とは何かという部分が分かりにくい。例えば中長期目標で、「生物多様性の状態を現状以上にゆたかなものとする」としているが、具体的なイメージを示した上で、国民に分かりやすいような形でのPRを進めてほしい。
戦略のPRパンフレットなどでは、少しイメージがわくような表現になるよう工夫したい。

(2)その他(報告事項)

自然環境計画課長より、資料を用いて小笠原諸島の世界遺産登録の推薦書の提出について報告。

(質問等なし)

総務課長より、資料を用いて、生物多様性保全のための民間活動の促進に関する制度の考え方に関する意見の募集について報告。

(主な質疑・意見)

例えば、自然再生推進法では協議会をつくって多様な主体が活動を推進するとあるが、その資金提供に関して難しい問題が生じていたりする。資金の手当ての問題が解決できないのならあまり意味がない。もっと緊急性を要する資金の必要なところはたくさんあり、多様な主体が努力しているところもあるので、そのあたりをもう少し説明して欲しい。
資料ではこの制度のイメージがわかない。もう少し分かりやすい説明を求める。
「保全のための民間活動の促進」とあるが、例えば持続的な生物多様性の利用という観点は入らないのか。
今、自然再生法や外来生物法など、関係する法令で必ずしも対象になっていないような活動について、市町村などが中心となって地元での取組をまとめることに意味があるのではないかと考え、検討を進めている。
 例えば、持続的な農業が制度の対象になるのかといった点については、現在検討・調整を進めている段階であり、これらの過程を経てから、具体的なものを示していきたい。
生物多様性という概念は非常に分かりにくい。具体的な活動を通じて説明する必要がある。県や市町村にホームページや組織を作ることや、COP10を契機として、全国の市町村に地域の特性を生かした取組についてキャッチフレーズとしてあげてもらうことなど、そういうお願いなり義務づけなりを全国的に広げて欲しい。
COP10開催時に、愛知県と名古屋市が中心となって国際自治体会議が開かれる。この会議に向け、自治体がそれぞれの取組を進めて発信することを検討しているので、環境省としても後押ししていきたい。

(以上)