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中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会
第9回グリーン税制とその経済分析等に関する専門委員会議事録


午後1時00分 開会

○石飛環境経済課長 定刻となりましたので、ただいまよりグリーン税制とその経済分析等に関する専門委員会第9回の会合を開催したいと思います。
 早速でございますけれども、議事の進行を神野委員長にお願いいたします。
 先生、どうぞよろしくお願いいたします。

○神野委員長 それでは、本年第1回目になりますが、第9回グリーン税制とその経済分析等に関する専門委員会を開催したいと存じます。
 委員の皆様方には、大変お忙しい中、わざわざご参集いただきましたことに深く御礼申し上げる次第でございます。
 お手元に議事次第が配られているかと存じますが、大きく3つ議題を準備しております。初めに平成22年度環境省税制改正要望の結果について、次いで地球温暖化対策に関する検討状況について、その他というふうに、3つの議題を今日の専門委員会では準備させていただいております。
 税制改正については、昨年末に税制改正大綱がとりまとめられました。環境省関係の税制改正の要望の結果について、特に地球温暖化対策税の創設については、最初の一歩を踏み出し得たのではないかと思われるものでございますけれども、地球温暖化対策税を含む税制のグリーン化に関する事項を中心にご報告をいただきたいと存じます。次いで、今後の検討の参考にするためにも、地球温暖化対策全体の最近の動向についてご報告をいただきます。残りの時間を、専門委員会として、地球温暖化対策税の平成23年度実施に向けて、どういう検討を重ねていったらいいのかということを議題にして、ご意見を頂戴し、それに基づいてご議論を頂戴してまとめていきたいと思っております。
 本日の会合は概ね14時30分までを予定しておりますので、議事運営についてご協力をよろしくお願いする次第でございます。
 それでは、第1番目の議題でございます平成22年度環境省税制改正要望の結果について、事務局からご報告いただければと思います。よろしくお願いします。

○石飛環境経済課長 それでは、資料2をご覧いただきたいと思います。「平成22年度環境省税制改正要望の結果について」という表題の資料でございます。
 前回の専門委員会、第8回、昨年の11月2日に開催いたしました。その段階で、温暖化対策税の骨子を含む環境省の税制改正の要望について、資料を配布してご説明申し上げ、ご審議賜ったところでございます。その後、環境省の税制改正の具体案、特に温暖化対策税の具体案を含めた要望を政府税制調査会に提出いたしまして、税制調査会でご審議いただいたわけでございます。その結果として、昨年12月に平成22年度の税制改正大綱が取りまとめられたわけでございます。その中で、私どもが要望させていただいた結果について、どのように反映されたかということにつきまして、資料2によりご説明をしたいと思います。
 なお、地球温暖化対策税の具体案につきましては、本日、参考資料1として、別に冊子として用意させていただいております。詳しくは事前に発表した段階で各委員の皆様方にはお送りしておりますけれども、3つの構成部分になっておりまして、1つが、これまでの環境省の考え方に沿ったCO2排出量に比例した炭素税的な税としてのもの、それから、ガソリン税について暫定税率が廃止されるということを前提にして、本則税率に上乗せする部分のもの、それから、石油石炭税の中での天然ガスと石炭のCO2排出量に応じた税率として見た場合の差分を上乗せすると、こういう3つの構成のものを地球温暖化対策税として提案したわけでございます。
 これにつきましては、税制調査会でいろいろご議論をいただきまして、この税収についてどのように使うとか、国民1人当たりの負担、または産業界への影響、そういった点についての議論もされたわけでございますけれども、多くの議題の中ですべてのことについて議論し尽くすということには至りませんで、最終的には、これから申し上げるような、来年度、平成23年度に向けてさらに検討を進めるという位置づけになったわけでございます。
 それでは、資料2をご覧いただきたいと思います。
 まず、1ページの税制改正大綱の最初の「はじめに」という部分でございますけれども、我が国を取り巻く環境の変化、鳩山政権での対応といった章立てで、この中で特に地球温暖化問題に関係するところを抜き出しておりますけれども、地球温暖化問題が非常に重要なまた深刻な問題であるという認識、それに対して現政権では2020年までに90年比で温室効果ガス25%の削減を目指すという「チャレンジ25」を提唱した。そして、その実現に向けて政策を総動員する方向で検討を進めているという現状が報告されております。
 また、2の(2)のところで、今後、中長期的な視点に立って成長戦略を策定する中で、世界最高の低炭素型産業・「緑の産業」の育成などの分野における新しい雇用と需要の創出などが重要という認識が示されております。
 次の第1章のところで基本的考え方が述べられております。その中で、2.税制改革の視点で、税制のグリーン化などの取組も求められているということで、特に温暖化問題をはじめとする地球規模の問題に対する税制のグリーン化ということがここで強調されております。
 次に、2ページをご覧いただきたいと思います。第3章の各主要課題の改革の方向性の7番の個別間接税というところでございます。
 (1)の基本的な考え方の中で、昨年度の専門委員会でもご議論いただいたものでございますけれども、いわゆる「グッド減税・バッド課税」という考え方が重要だということが述べられておりまして、地球規模の課題に対応した税制の中で「グッド減税・バッド課税」の考え方に立った検討も進めるという方向が示されております。
 次に、(3)の暫定税率、地球温暖化対策のための税等。ここが地球温暖化税を含む最も重要な部分になるわけでございます。
 まず、[1]の暫定税率につきましては、いろいろ議論があったわけでございますけれども、第3段落の「このような認識に立って」というところでございますが、現行の10年間の暫定税率は廃止することとします。他方、石油価格が安定しているんですけれども、化石燃料等が温暖化に与える影響を度外視できない。また、急激な税収の落ち込みによって財政事情も非常に厳しい状況にあるということを踏まえて、今回の税制改正では現行の10年間の暫定税率は廃止しますが、当分の間、揮発油税、地方揮発油税、軽油引取税について、現在の税率水準を維持することとしましたという結果になりました。
 次に、[2]の地球温暖化対策のための税というところでございますが、ここは太字にしておりますので、全文読ませていただきます。

 地球温暖化対策の観点から、1990年代以降、欧州各国を中心として、諸外国において、エネルギー課税や自動車関連税制などを含む、環境税制の見直し・強化が進んできています。
 我が国における環境関連税制による税収の対GDP比は、欧州各国に比べれば低いといえますが、今後、地球温暖化対策の取組を進める上で、地球温暖化対策のため税について、今回、当分の間として措置される税率の見直しを含め、平成23年度実施に向けて成案を得るべく更に検討を進めます。

 特にアンダーラインを引いた部分でございますけれども、引き続き更に検討ということにはなったわけでございますけれども、平成23年度の実施に向けてということで、再来年度に実施することに向けて成案を得るということで、具体的な目標年次が定められたことは、先ほど神野委員長もおっしゃられたとおり、一歩前進であるというふうに私どもも受けとめております。
 次に、3ページでございます。[3]の車体課税につきましても議論がなされました。まず、自動車重量税につきましては、やはり暫定税率を廃止した上で、当分の間、地球温暖化対策の観点から、次世代自動車、それ以外の自動車、さらに経年自動車、こういうものについてグリーン化の観点から、税制の段階的な差をつけるという結果になったわけでございます。
 4ページの上のほうに、自動車重量税の見直しの内容というので簡単な絵で示されておりますけれども、斜線部分の減税をするということで、段階的な税率の差をつけております。さらに現行のエコカー減税の措置については、免税75%、50%というのは基本的に維持しつつ、さらに若干の減税をするという措置に決まったわけでございます。
 3ページに戻りまして、同じく[3]の一番下の段落でございますけれども、自動車取得税につきましては、やはり暫定税率を廃止した上で、温暖化対策の観点から、当分の間、現在の税率水準を維持することとしますということになりました。
 次に、[4]の地方環境税につきましては、検討ということでございまして、何か方向性を打ち出したということではございませんけれども、地方税においても燃料や自動車に対して環境の負荷に応じた措置を行うことが必要である。また、地方における温暖化対策のための地方の財源を確保する仕組みが不可欠である。こういう認識が示されて、この点で引き続き検討する必要があるということにされたわけでございます。
 最後に、第4章の平成22年度の税制改正ということで、検討事項でございますけれども、(2)、これは先ほどと同じ文章でございますけれども、23年度の実施に向けた成案を得るべく、更に検討を進めますとなりました。車体課税についても、簡素化、グリーン化、負担の軽減等を行う方向で、抜本的な見直しを検討します。これらを法律において規定することとします。これが最終的な結果として位置づけられた地球温暖化対策税、その他の関連税制の結果ということでございます。
 以上が、いわゆる温暖化対策関連の税制でございますけれども、それ以外の個別税制につきましては、5ページ以降に紹介しているところでございます。本日はこれが主要議題ではございませんので、簡単にポイントだけご紹介したいと思っております。
 自動車に関しては、低公害化、低燃費化の推進ということでございますけれども、自動車税につきましては、基本的に現行の特例措置を2年間延長するということになってございます。ただ、最近、市場に出回ることになりましたプラグインハイブリッド自動車につきましては、新たに特例措置の対象に加えられたというところが大きな変更点でございます。
 その他、[2]のディーゼル車の中古車について、自動車取得税の特例措置の延長等、6ページ、7ページにかけまして、自動車関係、それから、住宅関係の税制についてでございますが、基本的にこれも延長ということになったわけでございます。
 それから、8ページ以降は、廃棄物・リサイクル関係でございます。
 それから、10ページは環境汚染の防止、公害防止関係の施設に関する特例措置。
 それから、11ページ以降は、自然環境、森林関係、研究開発の促進ということで、具体的な詳細は省かせていただきますけれども、基本的には特例措置の延長もしくは既に役割を終えている、または適用事例が非常に少なくなっているというものにつきまして、廃止もしくは特例の度合いの軽減がなされたということでございます。
 以上が、私どもの税制改正要望に対する大綱での位置づけの紹介でございます。これを踏まえて、今後、またこの専門委員会でも地球温暖化対策税を中心とした税制のグリーン化について引き続きご審議を賜りたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

○神野委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、今、昨年末に決まった税制改正大綱ですが、当面、次年度の税制改正に向けて、この委員会での課題に関わることに関連してご説明いただきましたが、委員の方からご質問、ご意見を頂戴できればと思います。いかがでございましょうか。
 諸富委員、いかがでしょう。

○諸富委員 資料の2ページの一番下のところが一番焦点だと思います。23年度実施に向けて成案を得るべくということでありますけれども、一つは、今後のこの委員会としてのスケジュールと言いますか、議論をどういうふうに進めていくのかという点に関連して少し質問させていただきたいと思います。去年ああいう形で制度設計を行って、具体的な案という形で出てきているわけですけれども、ひょっとしてこれはこの後の議題になるのかもしれませんが、今後のスケジュール、その他について、去年の議論の蓄積と、それをどういう形で進めていかれるのか。それから、政府の税制調査会のほうでどういう議論が行われているのかということについて、少し情報提供いただければと思います。

○神野委員長 これは後の議題になりますが、この段階で何かありますでしょうか。

○川上総合環境政策局総務課長 後ほどまた詳しくはご説明させていただきますけれども、ご案内のように一昨年、昨年と当委員会で相当詰めていただきましたので、むしろ今後の話としては、昨年末の反省も踏まえまして、税の使途の話を含めまして、温暖化対策全体の話を政府全体でご議論いただく中で、税単独の話は今まで既に詰めていただいたところをさらに精査していただくということで、政府全体の中での検討状況を横目で見ていただきながら、随時ご審議をいただくというようなことを、私どもとしては予定してございます。
 また、後ほど論点メモもご紹介させていただきますので、そこでまた詳しくご説明させていただければと思います。
 あと、政府税調の関係は、私どもはまだ具体的な話は伺っておりませんので、今後随時、情報提供させていただければと思っております。

○神野委員長 政府税調がこれまでの政府税調とかなり変わったので、どういう動きになっていくのかというのも、昨年の税制調査会の活動が一つの学習効果になるとは思いますけれども、まだきちんとした進み具合が、どういう段階でどういうふうに動くのかというのがよく見えない段階だと思われるので、委員会としては23年度の実施に向けた準備をしておくということ以外に、今のところ、この段階では政府税調との関係ではとりようがないかなと思います。

○川上総合環境政策局総務課長 政府税調の関係で私どもが承知しておりますのは、年明けに学者の先生方の専門家委員会を立ち上げるということまでは、政府税調のご決定として承っておりますけれども、その先、具体的にどういうテーマでどういうご審議が行われるかというのは、まだ私どもは承知してございません。今後の成り行きを見守りつつ、環境省としては当中央環境審議会の専門委員会のご審議を随時やっていただきたいということでございます。

○神野委員長 増井委員、いかがでしょうか。

○増井委員 これもひょっとしたら次の議題なのかもしれないんですけれども、今回、参考資料1の1ページのところの具体案の数字を見ておりますと、税収が全体で2兆円となっていいます。中期目標検討のタスクフォース、今日はご欠席ですが、植田先生が座長をされておりましたタスクフォースで環境研が出した数字ですと、2020年の排出量を90年比10%削減する場合でも、2010年から2020年までの11年間に33兆円程度の追加投資が必要になってくるという試算結果を出しております。
 その使途の中には特定財源とはしないということが書かれてあるんですけれども、現時点で税収等をどういうふうに使うことを考えられているのか。また、もう既に第一約束期間もほぼ半ば近くになってきておりますが、そういう第一約束期間、京都議定書の達成ということについても、この税収の活用というものを考えていらっしゃるのかどうか。その辺りもし現時点で方針が決まっていらっしゃるのであれば教えていただきたいと思います。

○川上総合環境政策局総務課長 これも後ほどの論点にも関係してまいりますけれども、昨年の経緯を申し上げますと、先生もご承知の点も多いかと思いますが、全体の税収2兆円ということを置いて制度設計をしたわけでございます。それは、これが出ました11月半ばの時点で、私ども環境省の中で先生方にいろいろご指導いただきながらの一つの試算でございますけれども、その中で今後10年間に最低限、二から三兆円くらいの予算が要るのではないかと私どもは中間的な試算をしておりまして、その下で、先ほどA、B、Cと3つの部分に分かれておりましたけれども、そのA、B、Cを通じて2兆円ぐらいのものを確保するということを一つのイメージとして、昨年の11月の半ばには具体案をお出ししたところでございます。
 その使途につきましては、このページの一番下にございますように、「チャレンジ25」と銘打っておりますけれども、効果的な温暖化対策の歳出・減税に優先的に振り向けるということで、特定財源にはいたしませんけれども、有効な温暖化対策に優先的に使っていただくということを想定してございました。これも、当委員会において一昨年以来、税収を効果的な温暖化対策に使うことによって、トータルで比較的低い税率でも高いCO2削減効果が、価格効果と財源効果を通じていただけるというようなご指摘もいただいているところでございまして、そういうことも踏まえさせていただきながら、こういう案を昨年の11月の時点ではお出ししたということでございます。
 ご案内のように、「チャレンジ25」の施策は、その後、補正予算で措置をされたものもございますし、今年度の当初予算で措置されたものもございます。将来この10年間なりどういうふうな具体的な歳出が必要であるかということについては、なお今後よく先生にもご指導いただきながら、政府全体として精査をさせていただく。それを踏まえて私どもも23年度実施向けてさらに制度設計を詰めてまいりたいということでございます。

○神野委員長 和気委員、よろしいですか。

○和気委員 低炭素社会に向けてでき得る限りの経済的措置・手段を総動員して何らかの成果を出すというのが全体の方針だと思いますし、そういう意味で、今回、環境省さんから出されたさまざまな経済的措置は総合的な政策パッケージとして出されたわけですけれども、その中で今回見送られた措置が幾つかありますね。
 例えば、環境投資ファンドに向けての所得税減税とか、私自身はそれぞれ個別措置について綿密な分析をしておりませんので数値的な政策効果をここで申し上げることは出来ませんが、パッケージとして総動員するという相乗効果を含めた低炭素政策の狙いからすると、幾つか見送られたというのがとても気になります。どういう理由で見送られているのか、どういう選択基準で今回の22年度税制改正という形になったのか、政策決定のプロセスが今ひとつよく分からないので、もし何か具体的にイメージできるようなことがあれば、お教えいただきたいと思います。

○神野委員長 お答えいただけますか。

○川上総合環境政策局総務課長 若干、昨年の反省点ということで申しますと、この後また議題の中でもご説明させていただきますけれども、政府全体の温暖化対策全体のご議論が昨年末に十分まだ完結的なものにならなかったという中で、税についても、23年度ということでもう1年検討せよということになったというところもあろうかと思います。
 それから、例えばエコファンドの個別の税制につきましては、昨年私どもが要望させていただきましたけれども、費用対効果の問題もございますが、特にエコファンドというものの限定ですね、タックスペイヤーズマネーを使うためには、エコファンドというものをどう定義し、あるいは、何らか法律的な措置でもってほかのものと区別ができるのかとか、そこら辺の議論になかなか耐えられなかったというところが正直ございます。

○神野委員長 それでは、昨年末に取りまとめられました大綱関係はこの程度で打ち切らせていただいて、次の議題に移ってまいりたいと思います。先ほど来お話が出ているように、温暖化対策全般についての最近の動きについてご報告いただければと思います。よろしくお願いします。

○鎌形地球環境局総務課長 地球環境局総務課長、鎌形でございます。お手元の資料3−1、3−2と用意してございますけれども、温暖化問題に関してどういう枠組みで何が行われているかというのをざっくりお話し申し上げたいと思います。
 資料3−1、閣僚委員会の審議状況でございます。政権が代わりましてから、温暖化につきましては、ここにございます閣僚委員会、総理をヘッドといたしまして、関係大臣から構成する閣僚委員会、あるいは、その下に副大臣級のチームでの議論が行われてきているということでございます。ここにございますように、議題をざっと眺めていただくと、一つは、閣僚委員会のところにCOP15という話が書いてございます。
 ご承知のとおり、昨年12月にはコペンハーゲンで次期枠組みに関する議論が行われたということでございます。その結果につきましては、参考資料2に示させていただいておりますが、後ほど言及したいと思います。
 いずれにしても、そういった大きな国際交渉事に関してどういうふうに対応していくのか、その対処方針についての議論をこの枠組みでやってきたということでございます。
 そのほか、副大臣級チームのところに、チームそのものがあり、タスクフォース、鳩山イニシアティブPT、国内排出量取引PTとございますけれども、こういった中で幾つかの大きなトピックがございます。先ほど税収の使途との関連で、「チャレンジ25」の施策についての言及があったところでございます。25%削減を目指していく政策は、さまざまございます。具体的な対策の積み上げからいうと、例えば住宅の断熱化とか、あるいは、次世代自動車を導入していく、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーの導入量を格段に増やしていく等々、さまざまな対策をしていかなければいけない。そのためのバックアップしていく政策として、ここで議論していただいている地球温暖化対策税も大きな柱でございますけれども、その他減税措置でありますとか、予算による助成とか、そういうことが必要になってくるわけでございます。
 副大臣級チームで「チャレンジ25」についての検討というところがございますけれども、各省どういった施策が考えられたかを持ち寄って議論をしたという経過がございます。これにつきましては、先ほどもお話ございましたけれども、第二次補正予算ないし来年度平成22年度の当初予算の中に具体的な対策として盛り込まれているということでございます。
 それがまず一つ大きなトピックでございます。
 この「チャレンジ25」に関しましては、政策をどう組んでいくかということでございますので、後ほどご説明いたしますが、25%をどのように達成していくかというロードマップ、こういう流れの中で、そのロードマップを検討していくということで作業を進めていくという流れになります。
 それから、このチームの中での検討のもう一つの話題としてタスクフォースというのがございます。ここの一つのミッションとしては、前の政権で中期目標を立てた時に、経済分析をさまざまやりました。その中で、国民負担がどれだけかというのを選択肢ごとに出していくというような作業をやったわけでございますけれども、その洗い直しということがございます。ここでモデル分析を洗い直した、あるいは、やり直しをした結果、一つは、前の政権で出した家計負担、巷間「36万円問題」というふうに言われておりますけれども、25%削減をすると家庭の負担が36万円増えるというような表現、そういった物言いがございましたけれども、それにつきましては、二重計上の問題があったということが議論の結果示されたということ。
 それからもう一つ、温暖化対策をやる時の経済へのさまざまな効果というところでは、一つの分析として温暖化対策税の税収を温暖化対策に適切にあてていくと、こういうような政策措置を講じた場合には、経済に対する影響、国民に対する負担といったものが顕著に緩和される、こういうような分析結果、これは国立環境研究所などが試算いただいたわけですけれども、そういったものがここで示されるということがございました。
 それから、一つ飛びまして、国内排出量取引PTでございます。温暖化対策を進めていく上で、政策の中の税と並んで大きく取り上げるべき国内排出量取引についても具体的な検討を進めていこうということで、検討に入っていると。これはまだ最中ということでございます。
 それから、一つ上にまいりまして、これまで国内でどれだけ削減を進めているかということについての検討がどうされているかということをお話し申し上げたわけでございますが、鳩山イニシアティブにつきましては、鳩山総理が9月に国連での演説をしておられるんですけれども、途上国において削減を進めていくものを先進国の一員として支援、サポートしていこうということを鳩山イニシアティブとして提唱したということでございます。
 この中身について具体的な詰めを行いまして、COP15の時点で公表してございます。具体的に申しますと、2012年までの3年間で官民合わせて総額150億ドルの支援を行う。公的支援は110億ドルということでございますが、そういった具体的な数値を示した鳩山イニシアティブを世界に発信していったということでございます。そういったものを発信しながら、COP15の交渉に臨んだということでございます。
 以上のようなさまざまな温暖化対策の中での国内あるいは国際的な戦略ということで、多様な課題についてこの枠組みの中で検討を進めているというのが今の状況でございます。
 COP15が終わって、年が明けての状況でございますが、いずれにしても25%の削減という目標を掲げているわけでございますので、具体的に何をどれだけいつまでにどうやって達成していくかという工程表、ロードマップづくりに力を注ぐことが必要だというのが共通認識になっております。具体的な検討体制について、まだがしっとしたものがこの枠組みの中で固まっているわけではございませんけれども、そのロードマップの検討を進めるということが共通の認識で、近々立ち上がって検討していくということになろうかと思います。
 それが政府全体の動きでございますが、その中でロードマップという課題につきまして、環境省としてどのような取組をしているかということについては、資料3−2に示してございます。政府全体での検討に具体的な提案を行う、こうすれば下がるのではないかというようなことについてインプットしていこうということで、検討会を立ち上げて、年末からですけれども、検討を始めているということでございます。
 具体的にはやるのは、1.中長期ロードマップ調査・検討の趣旨とございますが、そこの第2パラグラフで、いつ、どのような対策・施策を実施することが必要かというロードマップを策定するということが課題でございます。ですから、さまざまな分野、先ほど申しました例えば住宅の断熱をどう進めていくか、次世代自動車をどのように普及させていくか、省エネ家電をどういうふうに普及させていくか、再生可能エネルギーをどういうふうに普及させていくかというのを、具体的な数量も含めて積み上げて、25%削減の姿を示していくことがこのロードマップの検討の目的ということでございます。
 先ほど来、税収の使途というお話もございます。国立環境研究所においてもさまざまな試算をしていただいておりますけれども、そういった対策を講じた場合に社会全体でどれだけの追加費用がかかるのか、例えば次世代自動車の例で言いますと、ハイブリッド自動車と従来型の自動車との差額は少なくとも成果的な費用としてかかってくるわけでございますが、そういったものがどれだけになるかというような試算もしていくことになろうかと思います。その中で、具体的な政策としてどこまで応援するのかということが議論され、そうすると税収として何にどれだけ使っていくのかという議論も、この議論の中でされていくことになろうかと思います。
 それから、今、追加的な費用と負担の話を申し上げましたけれども、費用を出していくということになりますと、それはある意味で需要の創出ということになります。自動車にしろ家電にしろ、そういった省エネを進めるような機器・設備の需要が増えていくということになる、それがどのような波及効果をもたらして経済にいい影響を与えていくか、こういうことも検討の視野に入ってというようなことで議論していきたいと考えています。環境省としてこういった検討を進めつつ、政府全体の閣僚委員会の下での議論にその内容をインプットしていきたいと考えているところでございます。
 それから、もう一つ、最近の動きとして、今、ロードマップと申しましたけれども、そのためにさまざまな政策が入ってくるわけですね。今ここで議論していただいております地球温暖化対策税、それから、先ほど申し上げました排出量取引、それから、再生可能エネルギーの固定価格買取とかさまざまな政策がございます。こういったものをやっていくんだということを、一つの法律で国の意思として示していくということで、地球温暖化対策に関する基本法の作業を今進めているところでございます。
 これは3党の連立政権の合意の中で、地球温暖化対策基本法の制定を速やかに行うんだというようなご合意がございました。こういうことに基づきまして、昨年の国会で民主党が地球温暖化対策基本法案を提出しております。こういったものもベースにしながら検討をして、温暖化対策のさまざまなメニューを整理して、法律に位置づけていこうというような作業を、この通常国会に出すべく議論をしているということでございます。
 以上が全体の状況ですが、COP15の結果について簡単に触れさせていただきます。参考資料2、「COP15における主な成果と概要」でございます。
 昨年の12月19日まで首脳レベルの参加も得て行われた会議でございます。その成果の評価については、さまざまなご議論がございますが、私どもとして今回目指した一つの目標がございます。米中を含む主要排出国が参加する公平かつ実効性のある枠組みを得るんだということ、それから、途上国支援の道筋をつけるんだというような、大きな2つの課題を掲げました。結論から言いますと、議定書そのものができ上がる、国際約束そのものができ上がるということではございませんけれども、こうしたことを実現していくための道筋をつけることができたのではないか。さらに具体的な検討は次のCOP16に向けてなされていくということになります。
 具体的に申しますと、削減目標・行動(緩和)という部分でございますけれども、中期目標に関しまして、先進国は排出削減の目標、具体的にどれだけ下げていくかという数値ですね。それから、途上国は削減の行動、こういったものを条約事務局に今月末までに提出するということが合意されているということでございます。ちなみに、この合意につきましては、国連の決定自体はコンセンサス方式をとっておりまして、若干の国々の合意が得られないということで、コペンハーゲン合意についてはテイクノート、留意するという形になってございますけれども、大方の国々の合意であることは間違いございません。そういうことで、1月31日までに先進国、途上国それぞれ目標・行動を登録するという形になってございます。
 我が国につきましても、主要国による公平・実効ある国際枠組みの構築、それから、主要国の意欲的な目標への合意、こういうのを前提として25%削減していくんだという目標を既に掲げているわけでございまして、こういった中身を具体的に登録していくということになろうかと思います。総理もそのように国会などで答弁してございますので、所要の手続を経てそういったことに向けて提出していくという方向でございます。
 それから、次のページにまいりまして、長期目標に関しましては、温度上昇を2℃以内に抑えるべく削減行動をとるということがその合意の中身でございます。いわゆる2050年半減というものは盛り込まれませんでしたけれども、科学に基づき大幅に削減していくんだということ主張されたということでございます。
 あと、資金につきましては、短期の資金、長期の資金とございます。短期の資金は2012年までの資金ということで、先進国全体で300億ドルの新規で追加的な公的資金ということで、我が国は、先ほども申しましたが、鳩山イニシアティブとして3年間で150億ドル、そのうち公的資金は110億ドルということですが、こういった表明をしたということでございます。それから、長期の資金については、2020年までには毎年1,000億ドルの規模の資金を導入していくことを目標とすると。こういうようなことが述べられているということでございます。
 その他、今後の進め方につきましては、いずれにしてもCOP16で結論を得るということで、引き続き継続して議論していくということがテイクノートされたコペンハーゲンアコードということでございます。
 以上が全体の国の内外を巡る今の温暖化対策の状況ということでございます。簡単ですが、以上でございます。

○神野委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、今ご説明いただきました温暖化対策全般の施策等について何かご意見、ご質問がございましたら、頂戴できればと思います。
 諸富さん、いつも申し訳ないです、口火を切ってもらって。何かございますか。

○諸富委員 資料3−2ですけれども、これはかなり技術的な観点からの検討をされるということでよろしいんでしょうか。中期目標のタスクフォースも随分議論になったそうですけれども、25%削減に伴うコストの大きさというのが産業界から非常に大きな懸念事項として出ていて、議論として25%は高すぎるのではないかと、国連に登録するのも場合によっては引き下げることも検討すべしというような議論も結構行われているわけですけれども、鎌形さんのおっしゃった点については全く賛成で、技術的に可能であるというだけではなくて、それが経済的に見てプラスの側面を含んでいるんだということを証明して説得していくことが非常に重要ですし。
 特に難しいのは、長期で技術革新や技術の普及がどれぐらいのスピードで広がっていくかにもよるんですが、当初はコストが非常に大きくても、それはいずれ量産効果とか技術の普及によって下がっていくということは、ドイツの再生可能エネルギーを見てもわかるわけですけれども、こういったことを織り込みながら、25%削減が日本経済にとってプラスであるということを、ちょっと野心的に証明していただくような試みというんですかね、そういうものも必要だと思うんですけれども。

○神野委員長 よろしいですか。

○鎌形地球環境局総務課長 ここでご紹介いたしました資料3−2の環境省でのロードマップ検討会ということ、さまざまな観点からの専門家にお加わりいただいていますが、まずは技術的にどれだけの削減ポテンシャルがあるのかということをしっかりと見ていくということが必要になろうと思いまして、まずその検討に入ってございますが、今おっしゃられたように、お金を動かさなければそういったものができてこないので、ある意味でコストとどれだけかかるのかということと、逆にいうと、払うことによってどういう需要が創出されて、例えば自動車の需要が創出されれば、自動車産業というところにもいきますし、そのほかに部品とかいうところにどういうふうに波及していくのかということまでも含めた分析が必要かと思いまして、具体的には産業連関分析などもどんどんやっていく必要があると思います。そういったことも当然にどこかでやらなければならないということでございますので、このロードマップの検討会そのものの中でどこまで詰めるかという議論はあるんですけれども、ロードマップをつくっていくプロセスの中でそういった検討はちゃんとして、政府全体の検討の中にインプットしていきたいというふうに思います。
 それから、先ほどお話の出た技術革新の話も、これまでのモデル分析の中で技術が進むことによってコストが下がっていくということはある程度見込んでいるというのはございますけれども、例えば対策が進む、つまり、省エネ製品の需要が増すことによって技術が、モデルの中で言えば内生的に技術進歩が進むとか、そういうものが十分に盛り込めないとか、そういうような議論もございますので、その辺は短期間の中でどこまで検討できるかというのはちょっとお約束できないところではありますけれども、そういったことの勉強も、このロードマップの検討委員会自身ではないですけれども、我々もさせていただいて、具体的な成果が出れば、そういったことも活用していきたいというふうにも考えているところであります。

○神野委員長 増井委員、何かありますか。

○増井委員 2点ほどあるんですけれども。1点目はロードマップのところです。成長戦略でも、ロードマップ等を描くという話があるかと思いますけれども、それとの関係をどのようにお考えになっているのかというのが1点目です。
 2点目は、25%削減という話について、今月末までに日本の目標を条約事務局に届け出るという話があるんですけれども、既に届け出られたのかどうかというところを確認させてください。
 以上です。

○鎌形地球環境局総務課長 後者のほうからいきますと、まだ届出はしておりません。政府部内で確認的にしっかり議論した上で、具体的な登録ぶりを決めてから提出するということになります。先ほど申し上げましたのは、さまざまな場面で総理がご発言になっている内容で、前提をしっかり踏まえた上での25%だということで、条約事務局に申していくんだということを総理が言われていますので、その方向性をお話したということで、具体的にまだ届けたということではございません。所要の手続を踏んだ後届けるということになります。
 それから、成長戦略との関係ということでございますが、新しい成長戦略が12月の末に出てまいりました。環境というのは非常に大きなテーマとして取り上げられているわけでございますけれども、12月末に基本方針という形で示されまして、「工程表」という名前だったか、ちょっとうろ覚えで申し訳ありませんけれども、具体的には中身を詰めて6月には戦略としてまとめていくという話を聞いてございます。そこと並行してロードマップの検討も進めていきます。ロードマップ自体は2020年あるいはその先の長期も含めたものを議論していきたいと思いますけれども、成長戦略の時間的な視野の中に入れられるような施策は、当然、成長戦略に組み込んでいくことが想定されるということだと思います。
 あと、成長戦略の基本方針の中でも、具体的に環境エネルギー分野で市場創出の規模とか、雇用の規模というのもございますので、そういったものも横に見ながらロードマップも考えていくというふうに思っています。そういう意味で整合してくると、当然、全く一緒ではございませんけれども、環境が大きく取り上げる成長戦略の中に、ロードマップで議論されるものは必要に応じて盛り込んでいくことが想定されるということです。

○神野委員長 どうもありがとうございました。
 では、和気委員、お願いします。

○和気委員 改めて確認させていただきたい点が一つございます。申すまでもないですが、経済活動は多様な経路を通じて国境を越えた国際市場メカニズムの中で決まっております。そういう意味で経済分析の土俵で議論する時と、国家という政治単位としての国際的コミットメントに関する議論とは、必ずしも次元を一にしない面が多々あります。この両面をいつも見ていくところが、地球環境問題における経済分析たるゆえんだと思っています。そのときに、世界経済の動きはある程度予測可能な面はありますが、長期の議論になりますと、国際市場がどういうふうになるかというのは相当不確定要素が多くなります。貿易活動だけではなくて、FDIなど企業による生産拠点を含む企業戦略もグローバル化の中で相当不確定要素があります。
 したがって、経済成長戦略と25%削減目標、あるいは、もっと長期な削減シナリオをベースにしたロードマップを描く時には、国際市場メカニズムを通じた経済への波及効果がいわば相当厳しいものになる姿を、いわばスレットポイント(脅威点)のような観点から、考えておく必要があると思います。理念的には経済と環境の好循環シナリオを想定することは何の問題もないのですが、国際社会の現実の中で、最悪とは言わないまでも、たとえば低酸素社会へのプロセスにおいて、想定したほどの国内の環境ビジネスは成長せず、ある程度の雇用創出が見込まれる一方で、それ以上の雇用喪失が起こってしまうこともありえる話です。地球環境政策におけるバランス感覚、あるいはある種の国家戦略性が求められていることを改めて申し上げたいと思います。

○神野委員長 何かありますか。

○鎌形地球環境局総務課長 大変難しいことだと思いますけれども、例えばこのロードマップの検討会で議論していても、確かに国際市場の問題ですね、国際競争力というものをどういうふうにとらえるのかとかいうこと、その不確定な要素があるということ、その辺の議論も出ております。ただ、どういうふうに我々の検討の中で対応していくのかというか、組み込んでいくかというのはなかなか難しい点があって、答えは今見いだせていないところだというふうに申し上げるしかないんですけれども、例えば国際競争力がよくなるとか、そういうことがこれまでの分析では盛り込めていなかったと。悪くなるという方向もあるけれども、逆によくなるという方向についても、どちらもうまく盛り込んでなかったのではないかなという反省もございます。ただ、なかなか難しいです、不確定要素がすごく多いということで。ロードマップの検討の中でも議論がございますので、これを必ずやるというふうにお約束はできないですが、どういうふうなことができるのかということは考えていきたいと思います。
 不十分な答えで申し訳ございません。

○神野委員長 どうぞ。

○白石総合環境政策局長 若干補足させていただきますと、実践的だという意味では、中長期のロードマップの検討会、あるいは、政府全体の成長戦略の中での議論ということになってまいりますが、今、和気先生のおっしゃったようなことは大変重要なご指摘でございます。その場ですぐに、今、鎌形のほうから申し上げましたように、すぐに生かせるのかということは、当然留保はついてしまいますけれども、例えば環境省においては、経済と環境の懇談会というふうな長期的な高い視点からのいろんな議論も別途させていただいておりますので、今のご指摘も踏まえて議論を深めていきたいと思っております。

○神野委員長 ありがとうございました。
 あとはよろしいですかね。
 中里さん、いいですか。

○中里委員 はい。

○神野委員長 それでは、税制改正の動向や温暖化対策全体の最近の動きをご説明いただきましたが、一方で大地に埋もれている古代生物の屍を祈りを捧げることもなく暴き出してきた報いは深刻化しつつあるということは間違いない事実で、私たちは破局的な未来を迎える可能性もあるということを徐々に認識しつつあるのではないかと思います。
 この委員会としても、これまでの政策の動きや税制改正の動きなどを踏まえて、今年度どういう検討をしていくのかという課題について事務局のほうで検討してもらったことを環境省から説明していただければと思います。よろしくお願いします。

○川上総合環境政策局総務課長 お手元の資料4という1枚紙をご覧いただければと思います。今後のご検討のご参考ということで、私どもとして整理をさせていただいたものでございます。
 一番上は税収の使途ということでございまして、既に先ほど来の質疑の中でも出ております。私どもも昨年末の一つの反省点として、税負担の各論ばかりに議論が集中してしまったという反省がございます。特定財源にはいたしませんけれども、「チャレンジ25」の国家的な温暖化対策の歳出・減税に優先的に充てるということで昨年末ご説明をしてまいりましたけれども、その中身が必ずしもまだ十分煮詰まっていないというご指摘を各方面からいただいたところでございます。
 この点、当委員会だけでは完結しないところでございますけれども、先ほど地球環境局からもご紹介申し上げましたように、政府全体のご検討の中でこの辺りを詰めていただいて、また、この専門委員会でも必要なご審議をいただいて、使途、あるいは、それが経済の活性化にもつながるというようなことも含めまして、この辺を明らかにしていただくことが税へのご理解を得ていくためにも不可欠ではないかというふうに思っております。
 今議論されている使途は多岐にわたっておりますので、従来ですと、エネルギー起源の対策については、エネルギー特会というような整理もなされているわけでございますが、この辺の扱いもあるいは今後ご議論になるのかもしれません。そういう幅広い税収の使途についてのご議論を、当委員会あるいは政府全体でこれからいろいろやっていただくという必要があろうかと思っております。
 2つ目は、地球温暖化対策全体との関係ということでございます。これも今の使途の話と若干重なってまいりますけれども、昨年末、大変多くのご指摘をいただいたところでございます。先ほど先生方からも幾つかご指摘ございました排出量取引や規制等も含めて、25%達成のための全体像を示すべきというご議論でございます。税と排出量取引との関係等につきましては、当委員会でも従来から整理をしていただいておりまして、例えば税が他の施策にはない重要な機能ということで申しますれば、排出量取引等ではカバーできないような幅広い分野についても抑制効果を及ぼすことができるとか、あるいは、税収を温暖化対策にもあてるということで
 価格効果、財源効果を通じた二重のCO2削減効果、さらに経済活性化にもつながるということで、税は他の施策にはない重要な役割を果たすということは私ども押さえておく必要があろうかと思います。
 それから、本日の参考資料の中では、昨年、税調でも私どもご説明させていただいた点でございますが、参考資料1の3ページ目に諸外国の年表的なものもつけてございます。諸外国においても排出量取引等との前後関係、まず税が先にありまして、むしろ排出量取引は後から入ってきている、両者が同時でなければならないという理由は特にないということ。これも当委員会でこれまで整理をしていただいているところでございまして、私どもも押さえていく必要があろうとは思っております。
 そうは申しましても、先ほど使途の話でもございました、25%削減目標の達成に向けての全体の粗々の絵姿をお示しするということは、全体の温暖化対策を国民の皆様にご理解いただくという意味では重要な点だと思っておりまして、先ほど来地球環境局からロードマップの話、あるいは、温暖化対策基本法の話、あるいは、成長戦略の関係もご紹介させていただきましたけれども、そのような政府全体の取組、詰めていく中で、当専門委員会においてもまた必要なご議論をいただければと思っております。
 3つ目以下の部分は、いわば税独自の話でございまして、いずれも当委員会で相当詰めていただいているところでございますけれども、冒頭ご説明申し上げましたように、昨年末、お蔭様をもちまして、23年度実施というものがかなり現実のスケジュールに上ってくる中におきまして、また、今年におきましても必要に応じ精査いただく、ご審議をお願いする要素かと思っております。海外事例、いろいろ状況が動いているというふうに認識しておりまして、例えばフランスにおきましては炭素税の提案がございましたけれども、減免の措置が幅広すぎるということで、裁判所で差戻しになって、また出し直しをするというような状況もあるようでございます。各国の温暖化対策全体の中での税の位置づけというものも、私ども必要に応じて勉強していく、あるいは、ご指導いただく部分もあろうかと思っております。
 4番目の価格効果、財源効果、あるいは、家庭・産業への影響についても同様でございます。一昨年以来、先生方にもいろいろご指導いただき、またいろいろ試算していただいているところでございます。昨年は環境省案について少し作業を始めていただいて、途中で終わっているというような状況もございますけれども、今後また年末に向けて議論を展開し、詰めていく中では再度ご精査いただくというようなことも予想されるところでございます。
 最後の減税・免税の対象の精査ということも同様でございまして、これにつきましても、使途全体についての議論、あるいは、各分野の個々の負担の議論ということの展開との関係で、必要に応じたご精査いただくということがあろうかと思います。昨年末の環境省案では、石油石炭税の免税措置に合わせた免税の提案をいたしておりますが、例えば、昨年末、石油石炭税の免税の範囲につきましても、いろいろご議論があったというところはご案内のとおりでございまして、この辺りもまた動向を見つつ必要なご審議をいただく場面もあろうかと思っております。
 全体といたしまして、昨年からの進展といたしましては、お蔭様で23年度の実施という一つのスケジュール観が出てきたわけでございますので、本年におきましても、本委員会においての随時のご審議、ご指導を通じまして、私ども環境省として遅滞なくこの制度設計の準備を進めてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 私どもからは以上でございます。

○神野委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、いかがでしょう。この委員会が、昨年末の大綱、それから、今後の税制改正の動きを見極めながら歩みを始めたのですが、最初の歩みはいつも弱々しいものですから、それを次年度に向けて確固たるものにしていくにはどういう検討を進めたらいいかということを念頭に置きながら、5つの検討課題をご提示いただいておりますが、何かご意見ありますか。
 どうぞ。

○諸富委員 この検討課題を一通り説明いただきましたが、税収の使途のところは非常に重要でして、例えばドイツやイギリスを観察していましても、ドイツの場合は既に2007年にかなり包括的な気候変動エネルギープログラムを政府レベルで策定して閣議決定して、多年度にわたってですが、数十兆円規模の投資を行うプログラムを計画・決定して、実行を始めているわけですけれども、それは相当大規模なもので民間投資と公共投資と両方含まれる形になり、いわゆる温暖化対策と言われるものだけではなくて、インフラのつくり替えと言ってもいいぐらい、これまでのストックを温暖化を目的につくり替えていくというような、電力インフラや道路関係も含めてつくり替えていくというような、経済全体をまさにつくり替えていくようなプログラム。その中でエネルギー効率性とCO2が減っていくと。そして、経済の活性化にもつながっていく。そういう総合的な民間及び公的な投資プログラムとして策定されているわけですね。
 そういったものが一方であり、英国では気候変動法というのが通りましたので、その下で炭素予算というのができてきて、それを実現するために、バゼットレポートにも出ていますけれども、そういった予算項目がしっかり書き込まれています。そういう意味では、どこの国も低炭素社会への移行に向けて投資をしていくという姿勢が鮮明に出てきていますし、その額のオーダーを見ていますと、例えば2兆円、3兆円といったことを川上さんがおっしゃいましたけれども、もっと大規模にやられているというのが正直な印象です。そういう意味では、温暖化対策税が2兆円という税収規模であれば、そのうちの一部を受け持つことになるのかなと。本来は、政府全体でかなり包括的な2020年なり30年を見通したプログラムがあって、その中で温暖化対策税がどういう役割を担っていくのかということで議論されるべきものなのかなというふうに思いました。
 あと、アメリカのワックスマン・マーキー法案を見てみますと、排出量取引制度を入れて、そこから起きてくるいろいろな影響緩和のために随分と支出を行う。具体的にその財源は排出枠の売却収入ということになるんですが、それに伴う例えば電力価格の上昇が低所得者に対する影響が起きないように緩和を行うとか、そういったいろんな影響緩和を考えているという視点も、税収の中の重要な使途項目に入ってくるのかなと。つまり、低炭素社会に移行していく中で、場合によっては失業者がアセス、ある産業が縮小していき別の産業が起きてくると、そういった失業者がある産業から別の産業に移行していくのを支援していくようなプログラムが入っていたりとか、そういう意味で税収の使途をお考えになる場合には相当包括的に考えていくべきではないかなと思います。
 あと、これはもし情報がございましたらということですが、海外事例の精査ということでは、日経新聞でEUで共通炭素税みたいなものを検討されているということが報道されていたと思いますが、この点について何かございましたら、お教えいただければ幸いです。
 以上です。

○神野委員長 最後のEUの共通炭素税は何か情報ありますか。

○川上総合環境政策局総務課長 今持ち合わせがございませんので、調べましてまた必要な時にご報告させていただきます。

○神野委員長 あと、いかがでございましょう。
 論点項目、その他というか、提起された課題は大体こんなもので、これでよろしいですか。

○川上総合環境政策局総務課長 結構です。

○神野委員長 何か意見ございましたら。
 いいですかね。何かありますか。中里さん、よろしいですか。
 さっきのフランスの訴訟問題、私は昨日ご説明いただいただけなんですけれども、税には税の公正・公平という固有の論理があって、環境政策、及び、今回の場合には環境政策と経済政策の両立をねらおうとして、税の公正の論理に触れているというような判決みたいですよね。したがって、このそれぞれの課題を検討していく時にも、中里さんなどの税の論理の視点から検討していただいて、さっきの税収の使途についても、目的税にしないとすれば、まず地球温暖化対策という環境政策があって、それを裏づける支出というか歳出があって、その歳出と、この温暖化対策税を導入する時に、濃密度というか、導入する論理としてどの程度濃淡をつけて結びつけるのかというような感じですよね。まず政策体系があって、それを裏づける支出があってということになりますよね。

○川上総合環境政策局総務課長 当然そこは両方関係してくるお話だと思います。ただ、これは当委員会でもご指摘いただいているところでございますけれども、それが全部セットでないと税も入れてはいけないということのご議論ではないというところがございます。

○神野委員長 実際には、大綱にも書いてあるように、単純に環境政策という観点と同時に、「バッド課税、グッド減税」みたいな視点が入ってくると、税の体系のほうから大綱にあるような間接消費税をどういうふうに再編していくのかという論理も入ってきますよね、実際に導入する時にはね。

○川上総合環境政策局総務課長 個別間接税をどう位置づけるかということは、またいろいろとご議論があろうかとは思っておりますけれども、これは先生はじめ当委員会でも一昨年以来ご議論いただいている中で、単に政策税制としての位置づけだけではなくて、税の公平の観点からも環境税を位置づけるというところは非常に大事な視点だろうと思っておりまして、昨年の環境省案の最初の総論のところでも、そこはいろいろ先生方のご指導もいただきながら、そういう点も冒頭に書かせていただいたと記憶してございます。したがって、単なる抑制のための政策税制という観点はもちろんございますけれども、それとともに、税の公平の観点も踏まえたグリーン税制という税体系の中での根幹を成すものというようなことで、この環境税を位置づけるということかと思っております。
 それから、排出量取引等との役割分担、先ほどもちょっと申し上げました、当委員会でも整理いただいているところでございますけれども、税のメリットとしては比較的幅広く、例えば運輸部門とか家庭部門も含めて幅広く、薄く広く抑制効果を働かせられるというところは、ほかの施策と違う一つのメリットだというご指摘はございます。それから、財源調達手段としてその使途も含めて固有の意義があるというところも整理いただいているというふうに承知してございます。

○中里委員 川上総務課長のおっしゃったことは非常に重要だと思いまして、この委員会でも、天野先生がかなり強いご主張で完全に政策的でなければいけないという、ピグー税的なことをかなり強くおっしゃって、経済学の理論からすればそうだと思うんですよね。あと環境のほうからしてもそうだと思うんです。そこで集まった税収も環境目的に使うとか、そちらを考えればそうなんだと思うんですね。
 ただ、傍観しているように思われると非常に困るんですが、税制の中で位置づける、税制を手段として使うという時には、税制なんですから憲法上の縛りとかいろんなことが出てまいりまして、そういうのは憲法の解釈を変えろとか言われても、なかなかそうできないところもありまして、税制でやるならこういう制限があるし、補助金でやるならこういう制限があるし、刑罰でやるならこういう制限があるしという、法的な措置を使う以上、法的な縛りがどうしても効いてきて。別に法学者は悪意があってそういうことを言っているわけではないんですね。そういう意味では、フランスの憲法裁判所は非常に気合の入った組織ですから、法的な論理で押し通しました。元大統領とか、ENAの最優秀生が入るところですから、本当の論理で押してきましてね。それはかなり重要に見ていかなければいけないので。
 そうすると、常識的には、今、課長がおっしゃったように、税の論理の中で環境政策をどれだけ効率的に実現していけるかという視点で、もちろん純粋に経済学にやればこうだということは疎かにしてはいけない。それは我々法律家も理解しなければいけないんですけれども、どうしても制限があるということだけ、制限だけで動いてはもちろんいけないんですが、そこはご理解いただかないということなのではないかと思います。

○神野委員長 いいでしょうか。今の課題に関係あるというか、この課題そのものではなく、縦軸みたいなことを少しそれぞれ考えておく必要があるかなというようなことぐらいでございますので。
 和気先生、よろしいですか。

○和気委員 はい。

○神野委員長 それでは、今、事務局のほうからご報告いただきました課題を念頭に置きながら、平成23年度の地球温暖化対策税の実施に向けて、この委員会としても着実に検討を進めていきたいということになろうかと思います。
 特に事務局のほうから何かなければ、10分ぐらい予定の時間を余しておりますが、これで閉めたいと思います。何かございましたら、どうぞ。

○石飛環境経済課長 ありがとうございました。
 今、今後の検討課題につきましてもいろいろご議論いただきまして、ご指摘いただきましたので、今後、事務局としても精査等のために必要な作業がございます。その中にはまた先生方にご相談、ご協力を仰ぐものも出てまいると思いますので、それにつきましては、追い追い相談をさせていただきながら、次回以降の専門委員会の開催に備えて準備を進めていきたいと思います。
 今日はどうもありがとうございました。

○神野委員長 では、閉じてよろしいでしょうか。
 特にご発言がなければ、これにて本日の議事を閉じたいと思います。委員の皆様方にはご協力いただきました点と、それから、事務局の方々にもご尽力いただいた点を感謝申し上げまして、議事を閉じたいと思います。どうもありがとうございました。

午後2時18分 閉会