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中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会
第8回環境税の経済分析等に関する専門委員会議事録


平成17年11月24日(木)

環境省総合環境政策局環境経済課

午前10時00分開会

○鎌形環境経済課長 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから環境税の経済分析等に関する専門委員会第8回目を開催させていただきます。
 それでは、神野委員長、よろしくお願いいたします。

○神野委員長 皆様、おはようございます。本日はお忙しいところをご参集いただきまして本当にありがとうございます。
 この委員会は、とりあえずのまとめをした後、お休みをさせていただいておりましたが、10月25日に環境省から環境税の具体案が公表されました。きょう議題は2つございまして、環境省から環境税の案につきましてご説明していただくということと、もう1つは、環境省の環境税案による経済的影響について、増井委員からご説明をいただくという2つの議題を用意いたしております。
 本日は11時半をめどにこの委員会を終えたいと思いますので、ご協力の方よろしくお願いいたします。
 それでは、初めに環境税の具体案について事務局からご説明していただければと思います。よろしくお願いします。

○鎌形環境経済課長 それでは、資料1に基づきましてご説明をさせていただきます。
 本日お配りしている資料でございますけれども、資料1が、環境税の具体案として、環境省から10月25日に公表したものでございます。資料2は、増井先生の方で経済影響について分析していただいた結果でございます。
 それから、参考資料として、環境税についてということで、環境税が必要な背景を含めての資料でございますので、参考までに置かせていただいております。
 それでは、資料1でございます。この専門委員会では、経済的、専門的な観点からさまざまな分析をいただいて、それを中間整理という形でおまとめいただいたわけでございますけれども、そうしたことも踏まえまして、環境省として政府内の税制改正の手続きに臨んでまいりました。8月末には、平成18年度の概算要求とあわせて税制改正の要望を税務当局にするということになっているわけでございますけれども、その時点で環境税の創設を要望いたしました。その時点では、具体的な案をつけての要望にはなっておらなかったわけでございますけれども、その後の検討を踏まえまして、環境税の具体案を作成いたしました。
 この案につきましては、中央環境審議会この専門委員会におけるさまざまな分析、それから、別途動いております施策総合企画小委員会でも、夏には全国各地で地方ヒアリングといたしまして、国民各界各種のご意見も賜りました。そういったことを踏まえて、環境省の案として策定いたしたものでございます。
 資料1の1ページ目でございますけれども、10月25日に発表いたしたものでございます。
 まず基本的な考え方ということで、環境税を提案する背景ということでございます。温暖化問題への対応ということでの提案でございますけれども、昨年も具体的な案を提案させていただいて、ご議論いただいたわけでございますが、昨年との違いといたしましては、京都議定書が2月に発効していると。そして、その約束が我が国の国際的義務となったということでございます。このために、4月には京都議定書目標達成計画を閣議決定いたしまして、目標達成に向けた道筋を示したということでございます。閣議決定ということでございますので、各省一致した計画ということでございます。この計画は具体的にどうやって6%削減を達成していくかという道筋を示したものでございます。
 大変恐縮でございますが、参考資料の1ページ目の裏側をごらんいただきたいと思います。上の方にグラフがございまして、下に「京都議定書目標達成計画における『対策』と『施策』の考え方」を述べております。今回の京都議定書達成計画には何が書いてあるかということでございますが、真ん中あたりに排出削減の「対策」という欄がございます。ここに、産業界の自主行動計画、4,240万トン、建築物の省エネ性能向上、2,550万トン、以下具体的な削減見込み量が掲げてございます。どういう分野でどれだけ削減していくのか。さらにこの下には、自動車の燃費改善とかございますけれども、何万台の車に関してこういった燃費改善を進めていくのかという具体的な数値を上げた計画になっております。
 ということは、これは具体的な積み上げで、これだけの分野でこれだけの対策が進めば、6%削減は達成できるということを示したものでございます。
 ただ、その右側に「対策」を推進するための「施策」という欄がございます。自主的手法、規制的手法、経済的手法、情報的手法と並んでおりますけれども、具体的にそれぞれの削減量をどうやって裏打ちしていくかというところが、例えば毎年毎年どうやって予算を組んでいくのかとか、必要な予算額は幾らなのか、そういうことまでは具体的に裏打ちまでできていないという計画の選択がございます。そういう意味で、計画に掲げられた具体的な削減量を確保する政策をどう組んでいるかが課題になっているということでございます。
 資料1に戻らせていただきますが、こういった意味で具体的な削減量を背景とした対策をより一層確実に実施するために、環境税は必要だということで提案させていただいていると、こういう文脈であります。
 基本的考え方の1つ目の○、環境税のコンセプトでございます。これは昨年来、私どもが提案させていただいているものと基本的な変わりはございません。二酸化炭素の排出量に応じて、広くご負担をいただくという点。これによりまして、広く国民に対して温暖化対策の重要性についての認識を促すというメッセージを発するということ。そして、価格を上げるということを通じて排出の削減を進めていくということ。それから、先ほどの達成計画の実施に当たって必要な安定的な財源の確保を可能にする。こういった3つの効果を目指しているという点でございます。
 2つ目の○は中長期的な観点でございます。国民のライフスタイル、事業活動を変えていく。そして、環境技術を進めていくということで、将来の新しい社会経済を具体化していく手法としての位置付けということでございます。
 さらに、環境税を創設した場合、その税収をどういうふうに使っていくかということでございますけれども、森林整備・保全、家庭・企業の省エネ促進など緊急性の高い対策に用いることを考えております。このあたり、具体的な対策を進めていく上でさまざまな財源が必要なわけでございますけれども、今回はできるだけ絞った形にしているということでございます。それから、税の仕組みの構築に当たりましては、最近、原油価格の高騰の影響が広がっておりますが、こういうことを踏まえて国民負担や産業の国際競争力といったことへの配慮、それから、一定の削減努力をした企業に対しての軽減措置なども工夫するという考え方に立っております。具体的な中身については後ほどご説明いたします。
 最後の○でございますが、ご承知のように今、特別会計、特定財源の在り方についての検討が行われているということでございますけれども、この点に絡みまして、直接、環境税の話ではございませんが、温暖化対策を進めていくという観点から2点にわたっての要望を掲げております。
 1つは、温暖化対策の観点から、エネルギー課税等環境負荷に関連する諸税の税率、暫定税率というものもございますので、こういったものの水準を維持するということでございます。この暫定税率を仮に廃止した場合には、大きくその価格が下がることの影響で二酸化炭素の排出量が増えてしまうということがございますので、税率の水準は維持していただきたいという要望をいたしております。
 それから、こういったエネルギー諸税の税収による財源の問題でございますけれども、地球温暖化対策の確実な実施には相当規模の費用が必要なんだということですが、今回の環境税の提案では税収規模3,700億としておりますけれども、緊急に必要な対策の実施にあてるという規模に絞った考え方になっております。そういう意味で、例えば中長期的には技術開発を進めなければいけないとか、都市構造を面的に変えていかなければいけないといった、いろいろな財政需要がございます。そういうことを踏まえまして、特別会計、特定財源の改革に際しては、その財源を、すべて地球温暖化対策ということではございませんが、地球温暖化対策にも充てることを要望するということでございます。
 2ページ以下は環境税の具体的な仕組みについて書いてございます。まず、課税対象・段階でございます。基本的なコンセプトといたしましては、すべての化石燃料の使用に関しましてご負担をいただく。それも炭素比例でご負担いただくという発想でございます。ただ、化石燃料の使用は、使用の場面が多岐にわたる、多様な使用のされ方をしている。それから、流通形態もさまざまということで、ここでは3つに分類して課税の仕方を提案しているということでございます。
 1番目、主に家庭やオフィスで使用される化石燃料。ガソリン、LPG、灯油を掲げております。使用の場面が非常に広範にわたって、最終消費者は膨大な数に上るということでございます。そのため、ここでは上流課税としていますが、石油精製会社から移出された、蔵出単価ですね、こういったところでの課税ということでございます。
 2番目は、主として事業活動で使用される化石燃料。石炭、天然ガス、重油、軽油、ジェット燃料を掲げております。主な産業活動で使用されるということで、大口排出者による申告課税ということでございます。裏返せば中小零細に関しては、産業活動に伴う燃料費に対しての課税はされないということでございます。大口排出者の基準といたしましては、省エネ法で燃料の消費量の届出が義務付けられる基準がございます。こういったものを目安として裾切りをしておきたいと考えております。
 3番目は、家庭、産業を通じて幅広く使用される電気、ガスについてでございます。これに関しましては、電気事業者あるいはガス製造事業者において燃料を燃やす、あるいは、燃料を使うという段階で、発電用燃料、ガス製造用燃料に課税するということで、納税義務者は電気事業者、都市ガス製造業者という形にしております。昨年の提案の場合には、電気そのものに課税するという形をとっておりました。しかし、電気につきましては石炭火力、あるいは重油を燃やす、天然ガス、さらには原子力、風力とさまざま形でございまして、電源構成にCO2の排出量が変わってきます。そういったことを反映して、炭素比例により近づけるという観点から、こういった手法を採用して提案しているということでございます。
 それから、(注)の部分の「ただし」というところでございますが、ガソリン、軽油、ジェット燃料の扱いでございます。この燃料の扱いにつきましては、最近の原油価格の高騰の状況、これはこのほかの燃料種も含めて影響がかかっているということでございますが、それに加えて既存の税負担の状況、ガソリンであれば揮発油税ということになりますけれども、この3つの燃料につきましては既存の税負担がほかに比べて相対的に高いという状況がございます。こういった状況を踏まえまして、当分の間適用を停止するという提案にしております。
 (2)は税収額、税率でございます。税収額は、先ほど申し上げましたように、当面、緊急に必要な温暖化対策の財源に充てるに足る分ということで3,700億円としております。これは上のガソリン、軽油、ジェット燃料の課税が停止されているという状況での試算でございます。それに対応する税率といたしましては、炭素トン当たり2,400円ということで、石炭にしますと1kg当たり1.58円でございます。発電用燃料の課税は電気に直しますと、電源構成でさまざまになりますが、平均的に1kWh当たり0.25円。それから、ガソリンに関しては当面適用停止ということでございますが、適用された場合には1L当たり1.52円という形になります。
 3ページ目にまいりまして、家計の負担でございます。家計では電気、ガス、灯油などが使われますが、これを全国平均いたしまして、1世帯当たり年間2,100円、月額180円という形になります。
 3番目に軽減措置でございますが、3点に絞った軽減措置という形にしております。1つは、一定の削減努力をした大口排出者が消費する申告課税の対象の燃料についての軽減ということでございます。一定の削減努力というのは、引き続き検討してまいりたいと思いますけれども、一定の水準を置きたいと思っています。例えば、CO2排出の原単位を改善したとか、実際にCO2の排出量そのものを削減したとかいうような形で、例えば過去5年間で何パーセント削減というような基準を置きまして、それをクリアした場合にはそれを評価して、一般的には2分の1に軽減。それから、努力をしたエネルギー多消費産業に属する企業の場合にはさらに1割上乗せして6割軽減ということを考えております。
 それから、鉄鋼等製造用の石炭、コークスにつきましては、諸外国の例にならいまして免税。これは昨年も同じような形をとっておりました。それから、灯油に関しましては、幅広く使われて、かつ、寒冷地でも使用量が非常に多いということがございます。そういう意味で、上流課税でございますので、個々の配慮は難しいわけでございますけれども、一律に2分の1軽減するということで、格差をできるだけ抑えたいと考えたということでございます。
 それから、税収の使途でございます。税収は基本的に一般財源といたしましすけれども、全額を森林の整備・保全、自然エネルギー等の普及促進、住宅・ビルの省エネ化などに用いていただきたいということでございます。全額を用いるということに関しては、一般財源から落ちるので一工夫は必要だということでございますけれども、そのようにしていただきたいという要望でございます。
 使い方としては、補助金のばらまきではないかというようなご批判が多々ございました。そういったことも踏まえまして、今回は温暖化対策を支援するほかの税の税制優遇措置にも充てていきたいということで、できる限り政府の支出の拡大を抑えるというような観点に立っているということでございます。
 それから、地方公共団体との関係でございますけれども、地方でも温暖化対策を推進していただいているということで、一部を譲与したいと考えております。実施時期は、19年1月。
 それから、環境税の効果としては、基準年比3.5%程度の対策を後押しするという推計をしております。それから、経済への影響につきましては、後ほど増井先生からもご報告いただきますが、GDPにして年率0.01ポイントという軽微な影響となっております。
 4ページ目は、個々の燃料の税率でございまして、それぞれ1kg当たり、あるいは、1L当たりの税率を掲げております。
 5ページ目は、1世帯あたりの負担額の内訳を示したものでございまして、灯油、LPG、都市ガス、電力、これをすべて平均した場合の額でございます。
 6ページ目はポンチ絵になっておりますけれども、税収の使途のイメージでございます。家庭というところをごらんいただきますと、エコ住宅に関して減税、あるいは、エコビルに関しまして、省エネ化あるいは省エネ改修の促進税制とございます。こういったように、補助金として政府が積み上げてばらまくのではなくて、減税という形で国民に還元するということを大きく扱いたいという提案でございます。
 以上が環境省の提案でございます。これにつきましては、政府税調でもご議論いただきいておりますが、政府税調は明日答申のご予定と聞いております。それから、与党の税調がこの月末から始まりますが、与党にはそれぞれ行政分野ごとに部会がございまして、環境部会から税調に環境省の案が提出されて議論される運びになるということでございまして、今後議論されていくということでございます。
 以上でございます。

○神野委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続いて、増井委員から、お手元の資料2に基づいて、「環境省の環境税案による経済影響」ということでご説明いただければと思います。
 よろしくお願いします。

○増井委員 それでは、資料2に基づきましてご説明いたします。先ほど環境省から説明がございました環境税案に基づいて、これが日本の経済活動にどのような影響をもたらすのかということにつきまして、経済モデルを用いて推計を行っております。
 まず、使いましたモデルについて簡単にご説明いたしますと、これまでの環境税の試算にも用いられておりましたAIMモデルの経済モデルを使用しております。経済モデルは技術効率等の変化、あるいは、効率の変化に必要な投資額の変化、こういったものはAIMモデルの技術選択モデルの結果を適宜使用しておりますので、経済モデルとは言いつつ技術選択モデルの方も適宜使用しながら推計を行っております。
 また、モデル構造につきましては、資料の後半部分にざっと書いてございますけれども、幾つか、昨年度と比べまして、これまでのモデル構造等を修正いたしております。そのほか、前提につきましても、今年の1月に提示されました経済財政諮問会議の「構造改革と経済財政の中期展望−2004年度改定」に基づいて、前提条件も若干修正を行っております。
 それから、税の導入ということで、税を課したときの税収をどのように使うのかということが非常に問題になってくるわけですけれども、今、ご説明がございました資料1の最後のページに「例えば」という形で森林とか家庭、企業、自然エネルギー等の分野に税収を充てるということが提案されておりますので、それに基づきまして、税収を還元すると言いますか、例えば省エネ・エコ住宅を建設した場合に税金の還付を行うというような形で想定いたしております。
 全体にみまして、京都議定書目標達成計画が整合的に反映されているのかどうかという点につきましては、まだきちんと精査しておりません。これはあくまで環境省案で出された環境税と、それに基づいて想定される税収の使途に基づいて計算したものだということを、まずはご理解いただければと思います。
 それから、本来ですと、環境税を導入した場合に何らかの形で国際的な経済への影響をもたらすであろうということが予測されるわけですけれども、今回、世界モデルは使用しておりませんので、税の導入ありなしにかかわらず、国際的な関係の想定は同じといたしております。
 また、幾つか環境省案では税の軽減あるいは課税対象が需要の規模で異なるというようなことが想定されておりますけれども、モデル上そういう大口あるいは中小という概念を区別することは非常に難しいですので、そういうことにつきましては一切想定いたしていません。
 1の概要に、今回の試算結果のエッセンスを書いております。まず全体的な経済活動への影響につきまして、導入する場合と導入しない場合とを比較して、導入することにより経済活動が若干減少するというような結果になっておりますけれども、環境税を導入しない場合と比べまして、第1約束期間(2008年から2010年まで)の平均で0.04%の減少にとどまるという結果になっております。
 ただ、幾つか税収の還元等に伴ういろいろな対策を環境税実施時にも導入するということも想定しておりますので、各部門への影響はかなり異なっております。資料の4ページ目に各部門の変化を示しております。全体的に省エネ化が進むということと、税収を新エネルギー等の普及にも充てるということで、4ページ目の図1ですけれども、その他発電というところが増えております。そのかわりに、火力発電(石炭火力、石油火力、ガス火力)というようなところの活動が減少していきます。そのほか、ガスにつきましても、ガス製造部門についてもさまざまな効率的な機器の普及が図られることから、何も対策をとらない場合と比べて3%程度減少するという結果になっております。
 そのほか、特にエコ住宅、あるいは、より効率的な自動車の導入を考えています。そういう対策がただで、つまり追加的なコストなしで入ってきますと、経済への影響はそれほど大きくならないのですが、実際にはエコ住宅を建設する、あるいは、よりクリーンな自動車を購入するといった場合に、追加的な費用が必要となり、その結果建設業とか自動車・輸送用機械、そのほか金属製品等の活動が、対策をとらない場合と比べて増加しています。これは温暖化対策を導入することによってこうした部門の活動が活発になるということを想定した結果でございます。
 そういうコストがかかるような分野に強制的に市民がお金を支払って対策を導入するということを行っておりますので、実質的な可処分所得と言いましょうか、所得が減少していくということで、家計の所得、最終消費が若干減少しております。そういったことがサービスや食料品の生産活動に影響をしております。
 このように全体的にはさまざまなコストがかかってくるということで、活動が減少する部門が多く見られます。ただ、いろいろな対策に伴いまして、逆に活性化される分野も出てきます。その結果、個々に見ますと影響の大きいところも幾つかございますけれども、全体で見ますと、
 0.04%という非常に低い値になっております。
 参考までに、この結果から出された二酸化炭素の排出量を4ページ表2に書いてございます。現状ケースと環境税ケースの2つの欄にそれぞれ数字が書いてございますけれども、二酸化炭素の排出量がCO2換算で3,600万トンぐらい減少します。この数字は資料1の3ページ目の「環境税の効果・影響」というところの数字と若干異なっておりますけれども、これはさまざまな経済活動の影響が、産業の活性化等によって幾らか差が生じているためです。いずれにいたしましても、2,400円程度の税であれば、それほど大きな影響は生じないという結果になっております。
 また、その税を活用すると言いましょうか、さまざまな対策を導入することによって、大きくCO2の削減や、対策に関する部門が活性化されていくというような結果になっております。
 また後ほど質問等ありましたら、そのときにご説明いたします。

○神野委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ご質問、ご意見をお伺いしたいと思います。きょうのテーマを大きくまとめれば、環境省の環境税案とそれの経済影響ということになりますので、経済的な影響についてのご意見をいただいても構いませんが、最初に制度面と言いますか、環境省の環境税案についてご意見やご質問ございましたら。
 天野委員、どうぞ。

○天野委員 具体的な提案が提出されたのは大変歓迎したいことだと思いますが、今までの議論と違う点で一つだけ少し気になる点があります。
 資料1の下から2つ目○の「税の仕組みの構築に当たっては」というところなんですが、負担の公平という観点はどんな制度化をやるときにも大変重要なことですから、従来から産業の国際競争力とか、あるいは、既存のエネルギー消費にかかっている税率等の負担の公平という観点から、いろいろな軽減措置が講じられる、あるいは、削減努力に対する優遇措置を講じる、こういうことが盛り込まれておりましたが、今回突発的と言いますか、原油価格が高騰してそれも軽減措置の中に入れるということで、負担の公平という観点からはこういう配慮が必要だろうということは理解できるわけですが、問題はその仕方にあるのではないか。つまり、ここは税の仕組みの構築の中でこういう話をしているという点が少し気になるところであります。
 確かに国際競争力維持等の配慮は税の仕組みの中で考えるべきことだろうと思いますが、原油価格の高騰というのはマーケットで価格が動いているわけですから、政策当局が自分の判断でこれは軽減しましょうというふうにできるのかどうか。必ずしも基準がはっきりしない事柄との関連でこういう措置をとるというのは、仕組みの構築というよりは、多分に政治的な判断で行う税制の議論ではないかと思いますので、そういうものが混在すると、ほかの仕組みまでそういうふうに見られかねないという点を懸念します。
 仕組みというのは、一時的なものであるのか、あるいは、恒久的なものなのか。つまり、将来も原油価格の高騰がある程度の規模で起これば同じような措置を講じるというのであれば、これは恒久的な措置ですから、税の仕組みの中に入っても十分理解できるんですが、今回はどうもそうではないのではないか。しかし、それが文言上ははっきりしていない。それから、先ほど申しましたように市場価格に連動するような政策は、ある種、市場を意識しながら、それとの関連で政策を決めるという、例えば昔の外国為替市場に対する介入というのはそういう典型的な例ですけれども、ある一定以上の価格高騰があれば政府はマーケットへ介入するという政策ですね。そういうものととられかねない面もあって、ちょっと表現を工夫する必要があるのではないかと思います。
 「当分の間適用を停止する」という表現が2ページに出てきますけれども、「適用を停止する」というのは制度の適用を停止すると。ですから、「制度の仕組み」という表現になるわけですね。環境税というのは今回初めて導入されるわけですから、「当分の間導入を延期する」というふうにすれば、延期された後に導入された後はその制度が続くということであれば、これは仕組みの話とは違うわけですから、導入時におけるいろいろな混乱、あるいは、負担の急増というものに対して配慮しましたと。しかし、一旦導入されて後の負担がされて、将来市場価格が変動してもそれは配慮しませんということがはっきり出るわけですね、ここの表現ですと、「当分の間、適用を停止する」というのであれば、将来同じような状況が起こったときにまた適用を停止する可能性があるかもしれないということが、言外に含まれているような気がしますので、そういう点で私は少し懸念を持っているということでございます。

○神野委員長 本来、市場の均衡価格ですら、何で高いというか低いというかということ自身も問題ですが、いずれにしても税の仕組みを考える上で、「市場価格の影響を踏まえ」となっておりますが、仕組みに反映させるべきかどうかを含めて。あとは、2ページ目で具体的に「当分の間適用を停止する」という問題を具体的に指摘していただいているわけですが、課長からお答えいただけますか。

○鎌形環境経済課長 今のご指摘でございますけれども、確かに「仕組み」という言葉で、仕組みの構築ということでは税の本来の制度を指すということであるので、その中に当面の状況というものが混在しているというご指摘は確かにそのとおりかと思います。現実問題として、実際に制度案として出していくところでは仕組みという形になってしまうので、このような表現にさせていただいております。
 2ページ目の「当分の間」の問題でございますけれども、先ほどご説明させていただきましたように、基本的には全体に税率をかけていく、あるいは、税負担をいただくというのを原則の考え方にした上で、当面の状況を踏まえての措置という形で書いているものでございます。表現上の問題はあるかと思いますけれども、そういった状況が変化すれば適用されていくということでございます。
 その状況につきましては、原油価格の高騰といった、まさに政策当局がコントロールできない状況と、もう1点は既存税負担の状況がございます。他の油種に比べて税負担が相対的に高いという状況自体は政策的な一つの制度でございます。こういったものを組み合わせてというか、そういった状況の組み合わせでの判断ということになっているので、適用停止の解除と言いますか、適用開始と言いますか、あるいは、当面導入しないわけですから、この油について導入が開始される時期というのは、原油価格の高騰と税負担の状況もろもろの状況を総合的に判断して、その時期での判断ということになってくるかと思います。
 それから、将来どうなるかというようなご指摘もございましたが、将来の状況については、油の時点の状況を見ないとよくわからないということだと思います。想定はなかなかできないということでございますが、当面は今の原油価格の状況、税負担の状況が変化してくれば適用していくというような考え方であるということでございます。

○神野委員長 我々税の方から言うと、これは従量税でかけていますので、従価税でかけてないですよね。だから、従価税を選ばなかったということは、価格が上がれば負担は自動的に軽くなると、価格が下がれば自動的に重くなるという仕組みになっているというふうに考えていいわけですよね。
 どうぞ。

○和気委員 今の天野先生のご質問と関係するところなんですが、3ページの(3)の税負担の減免措置のところで、国際競争力の問題について配慮するということは、税の仕組みを具体的に動かす場合に納得できるので、これはこれでいいんですが、もう1つの一定の削減努力をした企業に対する減免と、この部分がどういうふうに理解していいのかちょっと難しい。と申しますのは、このCO2の議論はグローバルなイシューですから、どこで削減努力をしてもいいという筋のものでして、そのためにJIとかCDMとか排出枠取引という国際的な枠組みも一方である。だとすると、ある企業が国際的なレベルで削減努力をしたということをどう配慮するのか。そういう仕組みとの関係から言いますと、例えば海外でJIあるいはCDMの排出権取引で獲得したクレジットが、この企業があれば、国内の削減努力として見直すと。国のレベルで見てもそういうことなんですが、そういうところのフレームワークとどうかかわるのかというところが一つ。
 もう1つは、「一定の削減努力」の「一定」というところが微妙でございまして、これは通称「イギリス方式」というように、政府と企業のボランタリーな自主的な削減義務というようなものを踏まえた議論なのかなと。したがって、過去5年の平均から何パーセント削減すれば減免するよということなんだろうと思うんですね。そうなると、もう一つ、ボランタリーな意味でも、あるいは義務的なものも含めて、ある種の規格というと言葉が悪いんですけれども、各事業主体に削減義務のようなものが想定されていると、仕組みと連動すると。
 したがって、この環境税の議論は何が目的かによるんですが、基本的にはCO2あるいはグリーンハウスガスを削減する、あるいは、グローバルに削減することにどのぐらい寄与するかというところが第一次目的なわけで、その第一次目的を達成する上で副次的に国際競争上のマイナスがあれば、それは配慮するというところはとてもわかります。そういう意味では、国際競争力確保と一定の削減努力をした企業という、その2つを例にして減免措置というのはちょっと議論の土俵が違うかなと思うので、その辺はもうちょっと整理しておいた方がいいと思います。

○神野委員長 どうですか。

○鎌形環境経済課長 今のご指摘でございますけれども、減免措置のところに「国際競争力の確保や一定の削減努力をした企業への配慮等」、こういった観点を掲げております。確かに整理はされていないかもしれません。それぞれの項目に対して、特に1番目の項目に両方の観点から検討した結果、一つの仕組みとしての提案という形になっております。例えばエネルギー多消費産業に対する配慮を少し上乗せするというようなところは、国際競争力の観点も加味した上でこういうことも出てきているというつもりでございます。
 「一定の削減努力」の考え方でございますけれども、何を目指すのかということで、グローバルな削減なのか、あるいは、国内的な削減なのかということでございます。この点に関しましては、京都議定書目標達成計画の中では産業分野での削減をカウントしていく上で、各企業が京都メカニズムを活用してということも想定の中には入っておりますけれども、この税の仕組みを構築したときにそれをカウントして、それを削減量とするかということに関しては、まだ想定はしていないという状況でございます。国内で公平にどうやって下げていくかという観点で構築しているということでございます。ただ、議論の余地はあると考えております。
 あと、「一定の削減努力」の「一定」の意味合いですが、今、想定しておりますのは、個々の企業と政府との契約という仕組みが、日本の場合は蓄積というか前例がございません。そこで、一つの基準を設けたらどうかという想定をしています。例えば、省エネ法の世界ではエネルギー原単位を年率1%ずつ下げていくという努力目標的なものがございます。この水準はすべての対象に対して努力水準として設けられているものでございますけれども、こういった一つのものを全体に適用できるようなラインとして設けて、例えば5年平均をとるか3年平均をとるのかとかいろいろありますけれども、当面は5年平均と現状との比較でやったらどうかということを考えているということでございます。

○清水総務課長 省エネ法はエネルギーの原単位になりますけれども、これは温暖化対策ですので、CO2原単位で一定の基準を設けたらいいのではないかということで内部的にはしております。

○神野委員長 よろしいですか。
 それでは、森地委員、お願いいたします。

○森地委員 ここは影響分析をする場所なので、環境税そのものを議論する場なのかどうかというのはよくわからないんですが、そのことをわかった上であえて私自身の印象を申し上げたいと思います。
 環境税の話はインターナショナルに見ても非常に重要な問題であって、導入することについて私自身はサポーティブなんですが、しかしながら議論は非常にいかがわしく見えている、大変率直な意見ですが。それは、天野先生おっしゃったようなこととか、税収の効果として森林の整備を掲げてやるのかと、一番に掲げてしまうのかとか、いろいろなところでそういう印象を一般的に受けて、私自身は税の専門家ではございません、交通の専門家でございますので、ほとんど一般国民と近いのではないかと思うんですが、極めて真っ当に見えない。
 理由は、このことが極めて重要であるということをもっとちゃんと訴え、それについて効果がいかがわしいと言われていることについて、そうではないんだということをちゃんと訴えることが一番の本筋であって、その後、合意形成上やむを得ずこうやっているんだけれどもと、そういうシナリオなんだろうと思うんですね、ご本心は。ところが、新聞報道とか今日のこの資料ですら、見ているときにそういうふうには見えないことを残念に思います。これは第1点、印象でございます。
 それから、論理的な話をしますと、交通の場から見ますと、冒頭から申していますように、一般の自動車をどうするか、特に人々が使っている自家用車の問題が非常に大きいわけでございますが、自動車性能の方は非常に進んできていると思います。ただし、大型車にシフトしている分をどうやって抑え込むかという問題はあります。それから、個人の努力でいうと、1割削減するのはそんなに難しくないはずなんですが、社会全体として1割減というとなかなかそこがうまくいかない。これについては、この環境税がうまく効けばいいんですが、残念ながら価格弾力性が欧米に比べると意識的に非常に低い、この国の人々は。そういう印象を受けますので、むしろアナウンスメント効果をいかに高めるかというところに意味があるように感じております。
 もう1つは、ヨーロッパに比べて、あるいは、最近は発展途上国と比べても遅れてしまったのは、都心の自動車の規制の問題であります。これについては、1960年代に「歩行者天国」という格好でこの国は土日だけ入れることをやりました、合意の結果。それはドイツから始まったんですが、どの国も苦しかったんですが、エッセンで始まって1回やってみたら非常に効果があって、商店街の人たちがやろうと言い出した。土日だけだと空間的にいいものをつくれないんですが、あらゆる日にちということになると、デパートの中を歩いているよりはうんと快適な通路がつくれて、デパートの売り場の前まで車で行こうと思う人はいないので、ちゃんと駐車場に置いていくわけで、それよりもっと効果的な空間がつくれるということを見せたことが、モールがこれだけ広がった理由なんですね。ボタンをかけ違っちゃったんですね。
 結果的に商店街の方あるいは一般の自動車のユーザーの方々の意識が約二、三十年遅れてしまったと、そういう印象があります。ただし、町田とか吉祥寺とか部分的なところではモール空間がありますし、地下街はこの国が一番先にやりましたし、アルミ業界の運動があってのことですが、モータリーゼーション前のアーケード街はあったわけで、そういうところがどういうふうに機能しているかということをあわせてもうちょっとモールの実現や都心の自動車規制区域を実現すべきだと考えます。この問題を一体どう考えるのかということが、環境税と離れて非常に気になるところであります。自家用車に関しては恐らく環境税より効果がある、ほとんどの都市でそれをやれば。
 例えばイギリスが「ローカルトランスポーテーションプラン」を90年ごろに制度として入れましたが、これは、自動車をもう少しうまく使う、あるいは、公共交通をうまく使う方法を自治体に競争させて、いいプランには5年間補助金を連続して与えるという制度でしたが、残念ながら裏負担分がうまくとれなくて有効に機能しませんでした。それを2002年だったか、2001年だったですか、裏負担に対して道路の有料制、無料の道路に対して通行料をとってよろしいと。それから、駐車場課税をやってよろしいと、プライベートな駐車場も含めてございますが。その許認可権を中央官庁が持った上で、その自由を渡してやってみたら、いろいろな街がやり出しました。今年また2回目の改正をして、そのコンペティションに勝ってもらっていた5年のうち、毎年進行管理をして、ちゃんとその計画が実行されているところにはもっとお金をあげましょうと。その財源は遅れているところの上限25%まで取り上げて再配分しますと、こういうやり方をしているんですね。
 そういうのを見ていまして、一つは補助金の使い方を、均一ではなくて、あるいはコンペティティブな格好で努力が反映するような格好でやるというやり方と、今の環境税の話を聞いていますと、例えば自治体に環境税というやり方とそういうことのペアにするとか。税の専門家ではないので目茶苦茶言っているかもわかりませんが、そういうことだってアイデアとしてあるかもわかりません。それから、一般的には地方でそういう課税をすると隣の街に買いに行くとかいうような話が、かつてヨーロッパでもガソリン税でもありましたし、アメリカのセールスタックスの問題でもそういったことあったんですが、それがより良く作ることに、その弊害を超える何かメリットがあって、うまく機能するということもある。
 それを考えると、排出権取引とどうつなげるかとかもっといろいろなことがあるはずなのに、環境税の議論が「これを入れたい」になって、かつ防衛側に回ってという格好で、ますます国民の志を低くするようなことを環境省がやっているような印象を受けまして大変残念に思います。後からまたモデルの方の議論をしたいと思いますが、ミニマム、こうやってしかできないという話ではなくて、アナウンスメント効果の方が重要だという意味からすると、もっと志高く、本来はこうあるべきだということを真っ当にやり、議論の精度をもっと高めることをもっとPRされる方がいいのかなと。
 ちょっと長くなって恐縮ですが、こんな印象を受けております。

○神野委員長 ありがとうございました。
 環境税の本来の使命から導き出される課税の根拠とか目的が、導入のための租税抵抗を緩和するということを余りに慮って失われているのではないかと。しかも、それは私の言葉で言えば、もっと大きな時代の転換点で成長指向の時代は終わったと言っているわけですよね。成長をするのではなくて、例えば別な使命を指向する、街にはどんな使命があったのかとかいう使命を指向する時代に変わっていくということを想定しながら考えていくべき環境税が、成長指向の時代は終わったけれども、依然として成長のためにはいろいろ配慮しなくちゃいかんというようなことを言ってしまうと、時代の転換点で大きな税を入れようという趣旨が不明確になってしまってということですよね。
 いかがでございましょうか。

○鎌形環境経済課長 非常に厳しいご指摘をいただきましたけれども、私どもも温暖化対策を進めるという観点、そういう軸に絞ってみても、環境税さえ導入すればいいとか、環境税だけにすべてをやるという考えではなくて、さまざまな政策の組み合わせだと思っています。そういう意味で、今、森地先生からご紹介があったイギリスの事例など非常におもしろい事例が出ています。そういういろいろな取組とこの環境税も一つの組み合わせの相手として議論をしていくことができれば、相乗効果で非常にいいものができ上がってくるのではないかと思います。
 確かにそういうところはまだ私どもも検討や勉強が足りないというか、あるいは、広範に議論していった場合に、税という話を出していけばそういう議論が難しくなってしまっているというところもあるんですけれども、昨年来、税という世界では具体的な提案をさせていただいていますので、おっしゃるとおりもうちょっと幅を広げてさまざまな政策との関連も議論できるという形で議論していければ、それは私どもの本望でございます。
 ご指摘のとおり、環境税の提案に関しては、神野先生のご指摘にもありましたけれども、税を入れるためにさまざまなフリクションをどうやって緩和するかというところにも配慮せざるを得ませんので、そういうことも提案させていただきましたが、私どもの本意としてはもっと幅広い議論の中でさせていただければと考えています。

○神野委員長 ありがとうございます。
 横山先生、全般にわたっていただけるとありがたいのですが。

○横山委員 理念を追求するのか、あるいは、導入を優先するのかというところの難しい部分があるんだろうというのは推測できるんですね。
 1点は、この夏までこの専門委員会でやってきた環境税の経済分析等についての整理が、今回の具体案にどうやって落とし込まれているのかということの関係性を少し詰めておいていただければいいのではないかという印象を持ちました。
 それから、環境税の具体的仕組みとしてお考えになっていることについて言うと、課税対象と段階というようなものと、税収額、税率というものがあろうかと思います。また、さまざまな減免措置と他の政策との関係性みたいなものがあろうかと思うんですけれども、基本的には環境税の仕組みというんですかね、本来の姿は1ページの基本的考え方の最初の○の部分の考え方だろうと。これについては、8月の取りまとめの段階、あるいは、専門委員会としてもこのことについては合意ができているのではないかと。そういう点でいうと、環境税を入れることの意義づけについては、少なくとも専門委員会ではお認めというんでしょうか、大方の委員の同意が得られた上での制度設計なんだろうと。
 そのときに、税収の使い道についての議論が、この専門委員会との関係でいくと、今、先生方からご指摘があったように、ややもするとパブリック・アクセプタンス、あるいは抵抗勢力に対するものの見方等の関連でいってもどうなのかというような趣旨の議論になってくるんだろうと。そうすると、これまでの経済分析では税収の使い道のパッケージにおける部分について、どういうふうに整理ができていたのかということもこれから補強していく必要が若干あるのかという印象を受けました。
 それから、4つ目の○については、私はもっともなご主張だろうと個人的には思います。ただ、これも専門委員会としてどうだったのかということもあるかもしれません。私自身は、前回までの、この専門委員会の中でのさまざまな分析の中で、ハイブリッド型の可能性はかなり高いのかという印象を受けていたんですけれども、今回の具体的仕組みの中でそれがどういうふうに反映されてきたのか、そこら辺が少しわからなかったと。
 それから、ガソリン等については適用を停止するということは、イギリスの例にならっている部分もありまして、こういう点においては必ずしも高騰だけではなくて、既存税のトータルとしてのCO2削減に対する配慮が、こういう形で入れたときの経済分析が8月までにどこまでできていたのかということについてはもう少し詰めて、専門家の先生方からのご議論も必要だったのかもしれないなという印象を受けました。最終的な評価は一にかかって税負担の減免措置の取扱い如何なのではないか。原則論として一律の、低率であっても、炭素トン当たり2,400円という新税を課すということのメッセージはすごく重要なんだろうと個人的にはそう思っています。
 そのときに、その原則をどうやって例外規定として減免措置を根拠づけし、それから、政治的な配慮もしながら、もっともだなというような形の制度設計になっているのかということが重要になってくるのではないかと思います。まだこれからなんだろうと思うんですが、先ほどのご指摘にもあったように地方公共団体への譲与をどの程度の割合で考えられているのか、あるいは、国と地方の役割分担ということもあろうかと思います。
 その辺のところもこれから、恐らく政府税調では見送りというような雰囲気をマスコミ報道等で伺っているんですが、今後のことを考えると、この環境税案をどういうふうに補強し、進化していくのかということを考える上で、国と地方の役割分担、それから、税収の使途について、今回すごく新しくてすごく重要だと思ったのは、税制優遇措置というものをもう一回見直そうということで、どちらかというと自動車のグリーン化税制みたいなものの重課と軽課を合わせていくような形で、トータルとしてニュートラルというものなのか。あるいは、プラスであったとしても、いわゆる環境税収をどの程度税制優遇措置に回し、どの程度をダイレクト・イクスペンディジャーという形で実際の補助に回すのかという選択が、税収の使途の1つ目の○と2つ目の○の間の配分、それから、地方公共団体への譲与というものとの比率も、政策を考えていくときには結構重要になるのかなという印象を受けました。
 とりわけ詰めていただきたいなと思ったのは、和気委員がおっしゃられた京都メカニズムによる削減を一定の削減努力に含めるか含めないか、ここは現実の税を運営していくときには詰めておいていただけないかなという印象を持ちました。
 以上です。

○神野委員長 どうもありがとうございました。
 全般にわたって指摘していただいたのですが、最初のところで、我々も至らないとは言え一応やってきた8月までの活動との関連で、今回の案は仕組みその他にどう関連しているかということを含めてご説明いただければと思います。

○鎌形環境経済課長 非常に多岐にわたる点についてご指摘いただきましたけれども、8月までご議論いただいておまとめいただいた中間整理の中で幾つも論点がございました。例えば、この税に関するアナウンスメント効果に関してかなり詳細なご議論をいただきまして、そういう面について私どももしっかりと強調していくというか、税の目指すところの一つのとして大きく扱っていくと。このあたりは今回も配慮したつもりでございます。
 あるいは、中長期的に見て環境税はいい効果があるということも、例えばドイツの事例などもご紹介してご議論いただいているところでございますけれども、環境税のプラスの効果も、この資料上うまくあらわれていないかもしれませんが、いろいろなところで訴える上では主張させていただいております。
 もう1つ、価格弾力性の分析も、7つ8つの論文をレビューしていただきまして、低率の課税ということで反対のご議論もあるんですけれども、議論の中では「短期的には効果は薄いかもしれないが、中長期的に大きくきいてくるんだ」という、この専門委員会でのご議論なども議論の中で紹介させていただいているということで、先生方にまとめていただいたものをさまざまな形で活用させていただいているところでございます。
 それから、最後にございました「地方への譲与はどういうふうに考えているのか」というご指摘でございますが、昨年も似たような案を出したときに2割程度を譲与するという提案をさせていただいていました。ただ、これにつきましては、今回はそういったきめ打ちでいくのではなくて、議論が進む中でどういう要請があるのか、地方でどういう需要があるのか、あるいは、先ほど横山先生から「国と地方の役割分担をどう考えるのか」というようなご指摘ございましたが、もうちょっと議論の熟度が高まっていく中で考えていきたいと考えております。
 それから、税収の使途に関してでございますが、この委員会では、例えば諸外国では一般財源として用いることが多い、あるいは、社会保険料に充てるとか、そういうことが多くて、温暖化対策に直接充てるというのは少ないと、こういうような議論をいただいたかと思います。私どもの具体案では、これまでの提案との整合性、あるいは、日本の状況も踏まえて、温暖化対策に充てるという提案を今回させていただいたわけでございますけれども、その中で減税の部分、他の税の減税措置を重視したということを申し上げました。ここはこの委員会でもあまりご議論いただいてはいないかと思いますけれども、気持ちといたしましては、税収中立まではいきませんが、政府支出をいたずらに増やさないで、税収中立に近づけるというか、そっちの方向に持っていった方がいいのではないか、このあたりはこの委員会でのご議論の中からも参考にさせていただいたということかと思います。
 具体的な割合はどうかということにつきましては、これはあくまでも我々の試算ということでございますけれども、半分ぐらいを減税措置で充てることが可能ではないかということを考えています。ただ、具体的に減税について何税をどの場面で負けるかということに関しては、さらに議論をしていかなければならないと。それについての税制改正の手続きが必要になってまいりますし、そういう中で決まっていくことでございますけれども、私どもはそれぐらいの気持ちということでございます。
 あと、課税対象・段階につきましては、昨年来ハイブリッド課税ということを提案させていただいておりまして、ここでも基本的には価格インセンティブ効果がききやすい下流、あるいは、燃料を消費する場面を重視するという考え方は変わりませんけれども、使用の場面が多岐あるいは多様にわたる、あるいは多数にわたるものにつきまして、課税対象の中では[1]に相当いたしますが、ここは上流課税がコストの面からして適切ではないかということでハイブリッド課税を踏襲させていただいていると、こういう考え方でございます。

○神野委員長 ありがとうございました。
 後藤委員、お願いいたします。

○後藤委員 環境税という新しい税を入れるということもありますし、この検討会でも問題点をいろいろ指摘されました。そういうものを総合的に考え、制度的・社会的に、それから京都シナリオの達成時期も迫っていると。そうすると、こういう具体案が落としどころなのかと思いますけれども、私は前にも指摘しましたが、どうしても気になるのは、前半の部分における税の価格効果というのがあって、後ろの試算のところは価格効果がない前提で家計の負担と税収を計算しているわけですね。国民に対するメッセージとしては、環境税によって需要を落としなさいと言っているのか、緊急対策のために税収が必要だからそれはだめですよと言っているのか、ここの矛盾が気になるというのが感想です。
 それから、経済分析の方はだれも質問がありませんので、一つさせていただきますが、4ページに試算結果がありましたね。私はモデル屋ですけれども、こういうのを見ると、例えば電力では火力発電が減って、その他発電が多く増えているわけですね。これは何でだという話が出てくると思うんですね、エネルギー屋さんはいませんが。それは原子力だかというとまた問題が出てくるということで、ここら辺をきちっと整理する必要があるということ。直感的にいってエネルギー多消費産業等の生産が増えたりしていて、一般均衡モデルでいろいろデータ化しますので、たどっていくと理解できるんでしょうけれども、単純にエネルギーの価格が上がったときにそれぞれの産業に対する影響に関して、普通の経済学者的な視点からいうと必ずしも合致しない。例えば窯業と一次金属というところの生産はむしろ増えているわけですね。そういう疑問があるということ。
 以上です。

○神野委員長 どうしましょうか、課長に最初にお答えいただいた上で増井委員に補足していただくという形でよろしいですか。

○鎌形環境経済課長 まず前段の方で、この環境税自体、CO2の削減を目的にしているものでございますので、メッセージの発し方として、削減を前提としていながら、例えば税収額とかあるいは家計の負担を試算する場合には、もととなっている数字は2003年のエネルギー版指標の数字になっていることは事実でございまして、具体的に削減した上での数字になっていないことは確かでございます。
 ただ、一応その目安を示すということでやらせていただいておりますので、こうさせていただいておりますけれども、努力によって税収が減ることあるいは家計当たりの負担が減っていくことを目指すということは間違いございませんので、税収を上げるための税ではなくて、逆に税収を減らすための税だというコンセプトでやっていきたいと思います。その辺が資料にはうまくあらわれていないかもしれませんけれども、そういう思いでいるということでございます。

○神野委員長 増井委員の方から補足説明をお願いいたします。

○増井委員 まず電力の方からですけれども、その他発電、確かに後藤先生指摘されるように原子力とか新エネルギー等、両方とも含まれております。この中では原子力はどちらのシナリオでも同じで、資料1の最後のページに「電力における一層の資源エネルギーの活用促進ということ」が例として挙げられておりますが、その他発電の増加分というのはすべて新エネルギーの増加という結果になっています。ここでは、パーセンテージであらわしているために、分母については原子力も入っておりますけれども、伸びしろの部分につきましては新エネルギーのみとお考えいただければと思います。
 それから、窯業等が増えているということですけれども、今回の試算に当たりましては、対策も含めた試算になっています。特に窯業等につきましては、エコ住宅等の爆発的な普及という前提をしているために、建設業の活動が増加する結果、窯業やその左の方にございます鉱業、窯業の原料になる土砂など、そういう活動も増えている結果になっております。
 あと、価格的な効果で、確かにエネルギー多消費産業の生産は減るということなんですけれども、幾つか軽減措置等が反映された結果です。最初にも申し上げましたように、エネルギー多消費産業では、国際競争力が若干低下していくというようなことも本来ならあるんでしょうけれども、今回はそういう想定は一切反映せずに、国際的な競争力は税を課す場合も課さない場合も同じという想定で計算しておりますので、こういう結果になっています。

○神野委員長 森地委員が先に手が挙がったものですから。

○森地委員 モデルに関しては、まず単純な質問は、環境税の3.5%とモデル計算の3.2というのは関係があるのかないのかと、これは質問です。
 それから、こういう数字をもとにして、前にも原油がものすごく上がった影響についての議論があったんですが、その後の議論は「価格上昇は短期はきかないけれども、長期はきく」という事になりました。こういうご研究は非常に貴重なんですけれども、しかしながら、お役所としてやることは、きかないとすると、それをもっときかせるためにどうしたらいいかとか。私自身は、価格が上がって、そこにさらに上乗せしたらもっと効果がある、だから、効果が上がりましたというのかと思っていたんですが、そうではなくて議論は極めて後ろ向きに「短期はきかない」「長期はききます」というところに。研究としては重要だけれども、そっちにばかり政策の目がいくというのは、さっき申し上げたのと同じで変だなという気がしています。
 もう1つは、このモデル上の計算で林野の話が気になるところなんですが、こういう話をこのモデルではどういうふうに扱っておられるのかということが1つです。
 2番目は、研究上こういうモデルをやったとき、私も若いころからそういうことをやっていますが、研究論文を書くときは符合条件ぐらいでこれはいいやってやるのがほとんどなんですけれども、行政で使う場合はそうではなくてパラメータの絶対値が意味があるわけですね。そういうときに、既存のいろいろな研究で大体これぐらいだと思っているパラメータ値とどれぐらい整合しているかとか、今つくったモデルの中のパラメータの相互関係で、こっちがききすぎて、ここがきいていないとか、そういう判断とか、あるいは、現状を再現できているかとか、感度を見たときにどうかとかいうのは、基本的に、研究者が論文を書くだけではなくて、それを実用化しようとするときに当然踏んでくるチェックポイントがあるんですね。
 このモデルについてその辺の話がうかがえてないし、情報発信もしておられないような気がします。そうすると水掛け論になってしまって、どこをどうやったらいいのかということに使えなくて、行政の方が宣伝にだけこういうモデルを使っておられるように、これは私のような研究者から見ると極めて不遜で失礼な態度だと思います。もうちょっと真っ当にそういう研究成果を使っていただくような、あるいは、それが認識されるような努力をされるべきではないかと思うんですね。結論からいうと、冒頭申し上げたことと同じなんですが、何か変に見えちゃうところが、一つひとつのそういうところに出てきていて、環境省はお金がほしいからこんなことを言っているのではないかとか、本気で全部のことを考えているのかということについて、斜めに見てしまうのはそんなところから来ているのかなと。
 幾つかのことを申し上げました。

○神野委員長 これは増井委員から最初にご説明していただいて、補足を鎌形課長からお願いします。

○増井委員 初めに3.5か3.2かというところですけれども、これは特に両方とも数字を合わせているというわけではありませんで、この経済モデルで想定された前提をもとに計算した結果がたまたま3.2であったということです。一方、積み上げ型で環境省が計算されたのが3.5であると私自身は認識しております。
 林業の取扱いですけれども、林業の森林保全に関するコストがどれぐらい要るのかというような試算が地球環境保全と森林に関する懇談会から、2002年に出されておりますので、その値をベースに林業の雇用対策に幾らという案件を想定しております。その結果、農林水産業の方が若干増加しているという結果になっております。
 あと、現状の確認とかパラメータにつきましては、確かに森地先生おっしゃるとおりでございまして、今回は第1約束期間にどういうふうな結果になるのか、それだけしか示しておりませんけれども、2003年、あるいは2004年、現在最新のデータがたどれる期間につきましては、できる限り報告されている統計データを再現するような形でパラメータの値を想定したり、結果の比較を行っています。それが2012年まで本当に続くのかという話もあろうかと思います。
 こうした点につきましては、本来ですと、感度解析とかシナリオを幾つか前提として計算を実施するということが必要になってくるのかと思いますけれども、今回はどちらかといいますと、ある意味簡単のために、現状と比べてどうなるのかということだけを示させていただいています。詳細につきましては、環境省の試算というよりは、環境研のAIMグループの中からこういう案件で計算しましたということをきちんと報告させていただければと思っております。

○神野委員長 鎌形課長、補足説明をしてください。

○鎌形環境経済課長 まず前段の3.5と3.2の関係でございます。3.5%につきましては、使途につきまして、例えば森林に幾らとか、エコ住宅をどういう建設をするかという仮定を置きまして、それを積み上げていって、その積み上げで裏打ちできる政策で、例えば住宅何戸でエコ住宅化が進むかとか、そういうものを積み上げた場合の数字として、それから若干の価格効果を見込んで積み上げた数字でございます。そういう意味で若干のずれはありますけれども、結果的には大体似たようなところにおさまっているということでございます。
 それから、行政としてのモデルの使い方でございますけれども、基本的には、今、増井先生からもお話がございましたように、国立環境研究所においてさまざまな現実も見ながらつくっていただけるというところに対して、我々としてこういう仕組みでいきたいというものを研究所の方にインプットさせていただいて、共同作業でやっている部分もあろうかと思います。そういう意味で出てきた数字でございます。
 その使い方について非常に厳しいご指摘もいただいたようでございますけれども、私どもとしてこれを活用するということではなくて、我々として心配なあるいは懸念されるものについてモデルも合わせた成果をいただいて、それを世の中にご紹介しているというつもりでございますので、そういう意味で他意はないということは申し上げておきたいと思います。

○神野委員長 はい、どうぞ。

○森地委員 こちらの研究成果の方は、2000年をベースにして環境税を入れたらどういう効果があると、それが3.2なんですね。ところが、行政の方は、もちろん0.2や0.5なんて大した問題ではないんですが、その間にものすごい高騰しているわけですね。したがって、この現状ケースに高騰したことを入れて何かやったらどうなり、それに対してアップしたのがどうなっていて、それと今回お話のあったのはどうかという話があるのかなと思ってご質問しました。
 ちょっと言葉が足りませんでした。

○増井委員 これは2000年と第1約束期間という数字だけしか出しておりませんけれども、2000年を出発点としまして、1年ずつ計算しております。最近の原油高も、反映できるものについてはできる限り反映いたしております。

○森地委員 そうすると、こちら側は現状ケースでそれが入っているわけですか。

○増井委員 入っています。どちらも入っております。

○神野委員長 では、和気委員、お待たせしました。

○和気委員 これまでの議論と若干かぶるかと思うんですが、2点だけお願いという意味で申し上げたいと思います。
 1点は、新しい税を導入し、課税ポイントをこういう形でするについては、それはそれで合理的かなという部分もあるんですが、大事なのは各納税主体も含めて意思決定にどう影響を与えるかというところですし、課税の転嫁率をどうマーケットがとらえるかにもよるんですね。したがって、これの広報広聴活動も重要なんですが、仕組みの中でこれだけ税金を納めているという透明性をいかに担保するかということをぜひぜひ具体案の中で検討しなければいけないかなと。つまり、電力料金を払うときにどうするかと、前にも申し上げましたんですが、その辺の仕組み、仕掛けをぜひ考えなければいけないのではないかというのが1点です。
 もう1つは、新しい税を導入してすぐにやめるというわけにもいきませんし、第1約束期間に対してどうするかという効果も重要なんですが、もう少し中長期の議論をしなければいけないと。だとしますと、先ほどおっしゃられたように、最初に環境税の議論をしたときに足の早い税というようなお話を税の専門家の先生がおっしゃられました。要するに、皆さんがウェルビヘイブすればどんどん化石燃料からシフトしていくわけですから、税収が減るんだと。ですから、本来の財政論からいうと足の早い税だから、この税は税収が減るということを全体として想定できないと、本来の環境税という仕掛けの目的を果たせない。したがって、税収が減るという長期の視点でどうするかということがもう一つないといけないと、先ほど既におっしゃられた。
 そこで、第1約束期間に対してどのぐらいの削減コストがかかるか、マクロで見ると4万円弱。つまりカーボン/トンCO2を削減するのに4万弱かかる。1トン当たり2,400円の税金を課して、いわゆるマクロで見ると4,300万トン減る。それに対して税収が3,700億円ですから、要するに平均削減コストは4万円弱と。この4万円弱というのは、将来に向けてどんどん税収が減って、そして削減効果があるとすれば、より安い費用で削減ができるという仕掛けにこの環境税がきっかけになると、そういう長期の見通しなり視野の中でこの環境税導入が考えられているんだということを、もっとわかりやすい形で表現すべきではないかということで、広報の仕方を含めて、出し方というと変ですけれども、環境税の役割についてもうちょっと長期の含みを持たせた方がいいのではないかというふうに思います。
 以上です。

○神野委員長 この点はいかがですか。上流で課税するという仕組みが多くとられているので、税収確保という点から言えば好ましいんだけれども、実際に消費行為などで環境に効用を与えるような仕組みはどう考えるのか。それから、最初の理念に戻るのかな、この税全体のコンセプトを含めてご説明いただきたいと思います。

○鎌形環境経済課長 まず消費段階での課税になっていない部分がある、特に家庭で使われるものは今回上流、あるいは、発電の場合は中流と申しますか、各家庭での消費の場面ではないというところでございます。この点につきましては、例えば今、ガソリンなどでは業界の自主的な取組とお聞きしていますけれども、領収書には揮発油税の税額が書いてあって、ガソリンを入れるときに毎回自覚できるという形がございます。こういった形が一つのモデルだと思っておりまして、電気料金なり何なりに環境税というものを書けるような形を追求できればと考えております。そういうことがまさに必要なのではないかと思います。
 それから、中長期的な観点ということでございますけれども、試算のレベルでCO2が下がっていけばこれだけ税収も下がって、あとどうなるのかということまで私どもも試算して出しているというわけではございません。例えば4,300万トン減るというのも、今の状態である減税をしたらどれだけ効果があるかということを単純に計算した形でございますので、例えばそういった後押しが進むことによって逆に価格が小さくなるとか、そういった効果によってより低い財政支出でより大きな効果が出せるということは定性的には言えると思っています。
 正直そういう具体的な試算をして訴えかけていくということまでなっておりませんけれども、そこは実際に十分あることだと思いますので、少し勉強させていただきたいと思います。そういうものがうまく出れば、一つ大きなアピールになっていくのではないかと思います。

○神野委員長 横山委員、お願いいたします。

○横山委員 資料1の具体案の3ページで、環境税の効果・影響ということで、確認というか、これはこうなんでしょうと思っているんですが、税による削減量というので4,300万トン程度と出ていますけれども、これは税制全体の効果なのだろうと。すなわち、税収の使途による効果も含んでいる数字だろうと。だから、「税による削減量」という表現よりも、この仕組み全体による削減量という理解でいいんだろうと思うんですね。
 そうしたときに、CO2の削減の税制ということでいうと、もともと言われている教科書どおりの環境税による経済効果も含めたさまざまなものでいうと、CO2削減の寄与と、税収を使うこと、いわゆる補助金等を含んだ税プラス補助金という、制度そのものによる削減効果といったときに、ややもすると税そのものによる効果を見たがるわけですけれども、私自身は税制全体の削減効果をもっと前面に出すべきではないかと。
 だから、“With”と“Without”で、“Without the reform”、この税制の仕組みを入れなかった場合と、“With the reform”の比較なんだと。だから、税そのものの効果を見るのではなくて、CO2を削減するための制度設計としてこういう制度、リフォームをした後の方が前よりもこれだけCO2については削減しているんだということを強調するべきなのではないか。CO2削減という目的に対する効果だけを言えばいいことを、純粋な環境税でなければいけないというような議論にすり変わっているのではないか。これはいろいろ議論があると思うんですが、個人的な意見とすれば、私はこの仕組みそのものについての評価を真っ当にしてもらいたいなという気がしています。
 以上です。

○神野委員長 天野委員、どうぞ。

○天野委員 今の横山委員のご議論はまさにそのとおりでして、この制度そのものが最初に提案された形というのは、まさに税プラス補助金という2つの政策手段を1つに組み合わせて、パッケージにしてこういう効果を出そうということをねらった制度なんですね。ここでは単純に「環境税」という表現をしていますので、その辺が非常に誤解されやすいんですけれども、これだけ低い税率で高い効果が出てくるというのは、国が焦っているから出てくるわけなんですね。
 一時期、環境税の議論は環境税に限ってされるというのが、理論家も実務の世界でも行われてきたわけですけれども、かなり前から環境税が補助金と組み合わせることによって本来の環境税がねらっている効果が発揮できる仕組みがあるんだと。これは英語では“Two Party Instrument”と言いまして、2つのInstrumentを組み合わせた1つのパッケージとして実施すれば、環境効果が大きく出てくるという議論があるわけですが、ここで提案されている環境税というのはまさにそれなんですね。
 ですから、ある意味で学会の議論を先取りしているような側面もあって、それでこれだけの効果が期待できるということになっていますので、おっしゃるとおり単純な税の効果だけというふうに見ると、これだけ低い税でどうしてこんな効果が出るんだという議論になってしまうわけで、その辺は組み合わされたパッケージとしての議論だということをもうちょっとはっきりおっしゃられた方がいいのではないか。そういう意味では、税収をどう使うかということが制度の仕組みをつくるときに非常に重要な役割をしています。ヨーロッパ等で税収を全部ほかの減税に回してしまうのがいいのではないかという意見が出てきたりするんですけれども、それをやりますと、このシステムは死んでしまうわけですね。そのあたりの理解はもうちょっととっていただければいいのではないかと思います。
 それから、もう1つはAIMプロジェクトのモデルです。私も、プロジェクトに入っているわけではありませんけれども、以前からこのAIMモデルの開発段階からいろいろな形で学会等の人たちと研究会等に参加していますが、このAIMモデルというのは、ここに書いてありますエンドユースモデルとかエコノミーモデルとか世界モデルとか、非常にたくさんのモデルを必要に応じて組み合わせて各種の環境影響の分析をするという、国際的に認知された優れたモデルでありまして、どんどん発展しているわけです。
 そういった発展の途上においていろいろな研究会に私も参加して、ここにおられる後藤先生も参加していただいたりしていましたけれども、そういう委員会で検討しながら発展しているというあたりが、環境省が使われているような形で理解されてしまうと、AIMの人たちにとっては不本意ではないかという気がいたします。AIMモデルは、環境税の計算に使っていますけれども、それ以外のIPCC等の計画に参画して、その都度どういうモデルであるかということを公表していますので、そういう資料はたくさんあるわけです。
 ただ、きょうの資料2の(付録)に「本試算で用いたモデルの構造」というのが書いてありまして、専門家の方が見ればどんなことをやっているのかというのはご理解いただけるんですけれども、普通の方がこれを読んでも全然わからないということでほとんどごらんにならなくて、AIMモデルの中身はわからないというようなご批判が出てくることがあろうかと思いますので、モデルをこういう形で使われるのであれば、もう少しわかりやすい説明をおつけになった方が、モデルそのものの解説をするよりは効果的に認知していただけるのではないか。
 特に今回のように、重要な計算をされているわけですから、それぞれの計算のプロセスを言葉で記述したり、中に重要なパラメータの大きさを入れ込んだり、そういう工夫をされるともっと認知していただきやすくなるのではないのかという気がいたします。私、専門家として見ていましても、そんなに不信感を抱くようなモデルではないということは言えると思います。
 以上です。

○森地委員 構造の説明はされるんですけれども、信頼性の説明はしてないんですよね。

○天野委員 そうですね。それはほかのモデルとの比較とか、例えば再現性というお話もありますが、再現性のチェックもしておりますので、そういうことはちゃんと書いた方がいいと思いますね。

○神野委員長 お2人の委員について、課長の方から何か補足して説明していただくことございますか。

○鎌形環境経済課長 AIMモデルの結果を私どもが環境省として世の中に伝えるときに、例えばGDP0.01という数字とか、そういう結論だけでお伝えしているところは、確かに誤解を生じる余地があるのかもしれません。今、森地先生がおっしゃられた信頼性とか、そういうものも含めて、どういうふうに世の中にわかりやすく紹介していけるのか、もうちょっとAIMチームの先生方とご相談させていただきたいと思います。

○神野委員長 予定の時間をオーバーしておりますので、特になければ打ち切りたいと思うんですが、この委員会の進め方を私もちょっとわかっていないので、きょうお伺いしたわけですけれども、今後の予定について。

○鎌形環境経済課長 きょうは環境省の案につきましていろいろとご意見を賜ったわけでございますけれども、当面は、平成18年度、来年度の税制改正の作業が政府与党のベースで進められます。特に与党において年末の税制調査会で議論が行われるという形になります。ある意味でそこに議論が委ねられたという形になっているわけでございますけれども、通年ですと、恐らく12月半ばには税制改正大綱という形でその年の扱いが決まってまいります。そのあたりをいずれかの時点でご報告申し上げて、その帰趨によってどういうご助言をいただいたらいいかということも変わってくると思います。
 いずれにしてもご助言は引き続きいただいていきたいと思いますけれども、次は、ことしの税制改正の状況のご報告と、今後どういったご助言をいただいていくかということに関して、私どもからお願いという形になるわけでございます。

○神野委員長 では、引き続きこの環境税にかかわる税制改正の進展の度合いに応じて、またご意見をいただくということでよろしいですね。

○鎌形環境経済課長 はい。

○神野委員長 それでは、時間でございますので、本日の審議はこれにて打ち切りたいと思います。どうもご協力ありがとうございました。

午前11時43分閉会