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中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会
第2回環境税の経済分析等に関する専門委員会議事録


平成17年5月27日(金)

午前10時00分開会

○鎌形環境経済課長 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから環境税の経済分析等に関する専門委員会の第2回の会合を開催いたしたいと思います。
 それでは神野委員長、よろしくお願いいたします。

○神野委員長 それでは、第2回目の環境税の経済分析等に関する専門委員会を開催したいというふうに思います。
 委員の皆様方にはお忙しいところ万障繰り合わせてご出席いただきまして、本当にありがとうございます。
 議事に入ります前に、前回というか今回初めてご出席の委員の方々を紹介しておいていただいた方がいいと思いますので、ちょっと簡単に自己紹介。奥野先生からお願いします。

○奥野委員 東大の奥野でございます。前回ちょっと足をけがしまして欠席いたしまして、大変失礼いたしました。よろしくお願いいたします。

○神野委員長 それから山地先生。

○山地委員 はい。東京大学の山地でございます。前回はちょっとほかの予定と重なっておりまして、欠席で失礼いたしました。よろしくお願いいたします。

○神野委員長 和気先生。

○和気委員 慶應大学の和気と申します。ちょっと所用でできませんでしたけれども、きょうは出席。

○神野委員長 どうもありがとうございます。
 それでは議事の方に入りたいと思いますけれども、本日の議事は議事次第にございますように3つ用意されております。1つは環境税の位置付けについて、それから第2番目が環境税のアナウンスメント効果について、それから第3番目が環境税が人々・企業に行動に及ぼす結果について、括弧してアンケート分析ということになっておりますが、この3つの議題が用意されてございますので、事務局の方からご説明をいただいた上で、委員の方々からご意見をちょうだいし、ご審議いただければというふうに考えております。
 本日はご案内にございますように、12時におおむねこの会議を終了したいというふうに考えておりますので、ご協力をいただければというふうに思います。
 それでは第1番目の議題になりますが、環境税の位置付けについてと、それから2番目の議題、環境税のアナウンスメント効果について、これはあわせて事務局からご説明していただけれるということでございますので、お願いいたします。
 それからすみません、アナウンスメント効果につきましては、イギリスの環境税でございます気候変動税の事後評価について興味深い報告が出ているということでございますので、これについて後ほど増井委員の方からご説明いただけるということでございますので、よろしくお願いいたします。
 それではお願いします。

○鎌形環境経済課長 それでは事務局の方からまずご説明させていただきます。
 それでは、本日の議題のまず第1番目、環境税の位置付けについてというところでございます。資料1に基づいてご説明をさせていただきます。
 環境税につきましては、一体環境税というものは何なのかとか、あるいはどういったことを環境税に期待するのか、さまざまな議論が行われています。昨年も税制改正論議の中ではいろいろな議論がなされてきておりまして、そのあたりをもう一回原点に立ち返って少し整理し直してみようという趣旨でございます。
 まず中央環境審議会でこれまでどういう検討、あるいはどういう議論がされてきたかということでございます。資料1の1ページ目でございますけれども、中央環境審議会におけるこれまでの検討ということで、1ページ目と2ページ目にわたりまして、それぞれ1ページ目には昨年12月に施策総合企画小委員会というところが取りまとめた温暖化対策税制等、これに関連する施策に関する論点の取りまとめ、それから2ページ目には審議会の答申ということになりますが、地球環境部会でご議論をいただいて答申になったものでございますが、ことしの3月に出た答申の中身ということでございます。
 簡単にご説明いたしますと、1番目の小委員会の取りまとめでございますけれども、第1にというところがございますが、市場メカニズムというものに着目したということ、それから社会全体で最も安い費用で税率に応じた排出削減量を確保できる、こういうことに着目している。
 それから第2にというところでございますけれども、排出する主体に対して恒常的に税負担を課すということで、継続的なインセンティブを与えるということ、そしてまた技術開発の促進とか、あるいは環境ビジネスということにも着目した整理がなされています。
 そして、以上のようにというところでございますが、こういったところで最後に環境と経済の統合という観点から望ましい効果をもたらす、こういう認識が示されてございます。
 それから、2ページ目にまいります。2ページ目は3月に出された答申の中の一部でございますが、この答申そのものは京都議定書の目標を達成していくために、従来の地球温暖化対策推進大綱を見直して、どういう政策パッケージで臨んでいくかと。この答申が先般定められました京都議定書目標達成計画、こういったものに反映されていく、そういう文脈にあるものでございます。
 その中の一部でございますけれども、一番上でございます、各種対策の実行確保。各種対策というのは、今申し上げました京都議定書目標達成計画に、こういったものに盛り込まれていく、その対策を実行を確保するという意味で、あらゆる政策手段を総動員する、こういう必要性が述べられています。そういう中での位置付けということでございます。
 2番目の丸でございますが、3行目、対策を導入するインセンティブを付与する経済的手法を重視すべきと、こういう認識でございます。その中に環境税ということが位置付けられてまいります。
 その次に「とりわけ環境税は」でございますが、価格インセンティブ効果ということに着目しています。そういったことがございますし、それから「さらに」というパラグラフでございますが、ライフスタイルやワークスタイルの変革を促す強いメッセージとなると。このメッセージとしての位置付けというものもここに書かれてございます。
 それから「また」のところでございますが、各種の対策を進める上で相当規模の追加的支援が不可欠ということでございます。そういったことがございまして、ちょっと飛びますが、一番最後のパラグラフのちょっと上でございますが、追加的な税財源の確保について検討を進める必要がある、こういう認識を示し、その追加的な税財源を安定的に確保する仕組みとして環境税というものが有効だと、適当であるというような流れがございます。
 以上のように、いろんな観点から議論がされてきているということでございます。
 それで、これが今までの議論のエッセンスでございますけれども、もう一度ちょっと原点に立ち返りまして、環境税、あるいは環境政策に税というものを使うということについての位置付けを、経済理論的なものから振り返ってみるということが3ページ以下でございます。
 ちょっと先生方に釈迦に説法のような形で非常に恐縮でございますけれども、まず経済理論上の環境税の位置付けというのは、初めの3行にございますように、いわゆる外部不経済を内部化するというものとしての「ピグー税」、あるいは一定の環境目標を達成するというものの手段としての「ボーモル=オーツ税」、こういうものが論じられてきているということ。それからまたいわゆる汚染者負担の原則の観点というものを含めて論じられている、こういう例もあるということでございます。
 そこのページ、[1][2]はそれぞれ典型的なところからピグー税、ボーモル=オーツ税のエッセンスを述べているというところを何か切り張りしたというものでございます。
 ちょっと省略いたします。4ページ目にまいりますが、4ページ目はいわゆる汚染者負担の原則というものについて論じているという例でございます。4ページ目の上の方の四角は諸富先生のものからとってございますが、中ほどに中略とありますが、その2行目の一番後ろあたりぐらいからです。環境破壊が普遍化した時代における税制の新たな公正課税の原則として、汚染者負担の原則を位置付ける、こういうような考え方でございます。
 それから、下の方の四角は歴史的な経過としてでございますが、いわゆる欧州でございます排水課徴金でございます。フランスの排水課徴金、オランダの排水課徴金というものが取り上げられまして、下から3行目あたりでございますが、外部不経済を内部化するための政策手段として導入されたわけではなく、財源を調達するために環境負荷を課税標準として課徴金を徴収したということがあるということでございます。このあたりがピグー税、ボーモル=オーツ税、そしてPPPの観点からの議論という整理でございます。
 それから、5ページ目にまいります。OECDにおける議論というものも少し整理させていただいております。OECDにおきましては、従来からさまざま議論がございますが、1972年に汚染者負担の原則というものを確立したということでございまして、そこの下の四角にございますが、1972年、「環境政策の国際経済面に関する指針原則の理事会勧告」ということで、PPP、汚染者負担の原則が定義されているということでございます。
 それから、1980年代後半からさまざまな経済的手法の活用ということで各種政策勧告を行っているということでございますが、その中で典型的なものといたしまして引用しておりますのが、91年の環境委員会閣僚会議で採択されたものとして、上の方に勧告とございますが、経済的手法を、規制等の政策手段の補完あるいは代替としてより広くかつ整合性をもって利用する、そういうことの勧告とか、あるいは下にコミュニケでございますが、経済的手法の使用がOECD諸国において最近拡大していることを歓迎というような位置付けがなされているということでございます。
 こういうような流れがあるわけでございますけれども、まず二酸化炭素の排出に着目した環境税というものについて考える前に、次の6ページ以下でございますが、我が国で具体的に、つまり経済的手法という形で環境政策の中で位置付けられているもの、あるいはそういうふうに考えられているものについて、幾つか事例を整理してございます。ここでは自動車税のグリーン化、あるいは地方自治体における産業廃棄物税の導入、家庭ごみ収集の有料化。家庭ごみ収集の有力化は税ということではございません。それから、いわゆる公害健康被害補償制度に基づく汚染負荷量賦課金、こういったものをちょっと整理させていただきました。
 まず、自動車税のグリーン化でございます。前回のご議論の中でもこういった自動車税のグリーン化がいろいろと効果が出ている、あるいはアナウンスメント的な効果的なものもあるというようなご発言もあったかと思います。ご承知のように、自動車税自体は排気量とか最大積載量を基準に課す地方税ということでございますが、これにつきまして環境の負荷の小さい自動車に軽課、大きい自動車に重課するというような形で、平成13年にいわゆる自動車税のグリーン化、あるいは自動車グリーン税制という形で導入されたということでございます。
 それで、優遇していく対象というものをランク分けして定めておるわけでございますが、だんだん厳しい基準を満たす車種へと移行しているということでございます。いわゆる星印、一ツ星、二ツ星、三ツ星ということで、星がふえるほどいい車という形になってございますけれども、そういった認定が与えられているものに対しての軽減措置を設けて、それをだんだん、例えば2003年4月のところでいいますと、一ツ星、二ツ星を対象外にするとか、あるいは2004年にはさらに新しい新三ツ星、新四ツ星という形に、厳しいものへ厳しいものへと移行させている、こういうような税制でございます。
 この税制の導入した後に実際どういう変化があったかと。要因は別にして事実関係だけを見てみますと、7ページ目に少し絵がかいてございます。これは自動車の登録台数の変化というものを、いわゆる三ツ星、二ツ星、一ツ星ということで上から並べたものでございます。これをざっと見ますと、それから2004年4月というところの点線でございますが、これが優遇措置の開始時点、それから右側に行きまして一番上の三ツ星のところが2004年3月、それから二ツ星、一ツ星については2003年3月に点線が入ってございますが、優遇措置の終了時点ということでございます。
 まず三ツ星の方で見ますと、優遇措置の開始からいわゆる登録台数が伸びているということ、それが見てとれるというふうに思います。それで、上中下3つのグラフを比較しますと、大体一ツ星は途中から少し下がりぎみということでございまして、それから二ツ星につきましては優遇終了時点から下がっているということというような形で、だんだん厳しいほど登録台数へとシフトしてということが見てとれるかと思います。
 それからもう1点は、この三ツ星に関しましても2004年3月の時点で税制優遇措置が終了した後、顕著に登録台数が落ちているということが見てとれます。これは逆に言うと、新三ツ星、新四ツ星というものがふえてきているということになりますけれども、ちょっとその辺のデータは今ここに示してございませんが、だんだん厳しいものへと移行している、これが1つでございます。
 それから、ちょっと6ページに戻りまして、6ページの一番下でございます。供給側の変化ということで見てみますと、例えば三ツ星車の例をとりますと、税制優遇開始直後は市場に出ていたのは2車種だけだというのがどんどんふえていって、200を超える車種まで達していくと、こういうようなことがございます。供給側の対応もあったということでございます。
 それで、これをどう見るかということなんでございますけれども、8ページ目に行きます。いずれにしても、需要サイド、供給サイドともに行動の変化をしたという事実は見てとれるわけでございますが、これは一体原因は何かということなんですが、税制優遇措置でより燃費のすぐれた車種の経済性が高まったんだと、こういうような一つの仮説があるかというふうに思いますが、これを実際に比較してみますと、下の表は1,500cc前後の車種について税制優遇の区分ごとにコスト、これは購入額とランニングコスト、これは2年分ということでございますが、それを比較したというものでございますが、一番左側の欄でございますけれども、いわゆる星なしの車種でございますけれども、それで一番右が星3つということでございます。
 上の表の一番下の欄をごらんいただきますと、購入額と軽減後の課税額を足したというものを見ますと、必ずしも優遇措置のいい車が別に値段で勝っているというわけではございませんで、こういう意味で必ずしもどちらが高いかどちらが安いかという観点からのみで変化していったということで説明するのは少し難しいんではないか、こういうようなことかと思います。そういう意味で、いわゆる損得勘定とそれ以外の何らかの感覚が働いてこういったシフトが生じているんだと、こういうことになろうかというふうに思います。
 それから、8ページの下の方から9ページ目にかけましては、グリーン税制の二酸化炭素排出削減効果について、モデルによる推計例があるもので少し紹介させていただいています。一定のモデルを置いて、必ずしも現実の税率、モデルを組む上での話だと思いますけれども、現実の税率と違うものを設定してのシミュレーションという形でございますけれども、そのシミュレーションの結果、9ページの真ん中ぐらいに推計結果とございますけれども、グリーン税制が実施された場合に二酸化炭素の排出量が最大で年間6%程度削減するという推計とか、あるいは税の減免で少し燃料費が安くなるんで、走行距離が増加すると、こういうリバウンドを見込んでも5%程度の削減効果というような推計があるということでございます。
 それから、ちょっと駆け足で恐縮ですが、9ページ目、地方における産業廃棄物税ということでございます。これは地方自治法改正で法定外目的税制度という創設を受けて各県で検討されているということでございまして、現時点では23府県、1政令都市ということで導入されているということでございます。
 ここに三重県、鳥取県の事例が掲げてございますが、この場合いずれも1トン1,000円の課税ということで、税収はその対策に充てるという形でとらえてございます。
 10ページ目にまいりますが、10ページ目には三重県の例で少しどういう分析をしているかということでございます。これは環境省の方での検討会の報告書から抜粋しているというものでございます。
 2つ目の段落ですが、産廃の排出量は、平成14年に導入されていますが、ほとんど変化がない。排出量自体は変化ないんだけれども、最終処分量は24%減、こういう意味の効果が出ているということでございます。
 それから次のパラグラフですが、多量排出事業者に対してヒアリングを実施したということの結果でございますけれども、そのパラグラフの最後、最終処分量の減少に税導入の効果もある程度寄与しているというふうな分析でございます。
 それから、次に10ページの下、[3]家庭ごみ収集の有料化ということにまいります。2000年の時点で大体、調査した中で約2割の自治体での実施が確認されております。11ページ目にはこのごみの有料化についてさまざまな論文をレビューした上での評価ということで、11ページの一番上の方でございますけれども、おおむね平均2割前後の家庭ごみの減量ということ、ただ大きなばらつきがあるということがございます。
 それから、減量したままその水準を維持しているという場合、あるいは一たん減量してからリバウンドする場合があるということでございます。
 それから最後の丸ですが、「さらに」とありますが、有料化がごみ問題、環境問題の関心を高める契機となって、これらも動機として減量行動が促されたと、こういう分析もございます。
 それから[4]でございますが、公害健康被害補償制度における賦課金という事例でございます。ご承知のとおり、公害被害者の救済を行います、その財源を調達するという意味で、硫黄酸化物の排出量に応じた賦課金という制度がございます。これにつきましては、いわゆる財源調達ということでございますので、直接的な排出削減のインセンティブの効果を企図したということではございませんが、事実としては制度の導入後、固定発生源からの硫黄酸化物の排出量が顕著に削減されたという事実がございます。これをどう分析するかということですが、ここでは一番下のところの四角でございますが、植田先生の分析でございます。大阪府下でこの辺の分析をしたというところでございますが、下から4行目あたりですが、結局総量規制とか公害防止協定による規制がそれ以上に厳しいので、賦課金の汚染削減インセンティブの働く余地はなかった、こういう分析になってございます。ただ、賦課金が低くても直接規制が相対的に緩いという地域であれば削減効果があったと推測、こういう分析になってございます。大阪でこの部分では直接実証できなかったんだけれども、そういう効いてくる可能性があるという分析だと思います。
 こういったような以上のような形で、日本においても幾つか経済的なインセンティブを活用、あるいはそれが結局効果として見られるという事例も、いわゆる温暖化対策以外の部分であるということのご紹介をさせていただきました。
 以上が日本の中での動きでございますが、二酸化炭素に着目した環境税ということにつきましては、欧州各国での導入がございますので、これにつきましてどういう観点から、どういう意図のもとに導入されてきたかというのは各国さまざまというふうに思います。あるいは、どういう意図で導入したのかというのは、あるいは趣旨というものがいろんな文献を当たってもなかなかはっきりしてまいらないところがございますが、これまで私どもがさまざま各国の制度を調査したり、あるいは既存の文献なども踏まえまして、どういう趣旨で各国が環境税を導入したか、あるいはその趣旨が制度設計にどう反映されているか、これを私どもなりにちょっとまとめさせていただきました。これにつきましては、さまざま指導賜れればというふうに思います。
 まずドイツでございますけれども、伝統的に環境税導入の議論が盛んだということがまずありますが、80年代以降、いわゆる失業率の高さということで、雇用問題が大きな課題という形でやって、98年に樹立されたシュレーダー政権におきまして、温暖化対策と雇用対策の「二重の配当」を目的とするというような考え方のもとに税制改革が進められたというような形でございまして、制度設計上の問題といたしましては2つ目のポツ、税収の90%弱を雇用者、国民の年金保険料負担の軽減に充てているということがございます。それからあとは、製造業に対しては増税した分が年金保険料の軽減額を超えた分、その分についても95%還付というような形がございます。そういう意味で、年金保険料の権限ということにかなりリンクした制度ということでございます。
 2番目のオランダでございますが、オランダでは国家目標としての二酸化炭素削減目標、これが達成困難になったということを背景にして、従前の燃料税に付加して小規模エネルギー消費を対象としてエネルギー規制税が導入されたと。達成困難になった部分、そういった部分にターゲットを絞って、この場合の小規模エネルギー消費ということに絞ってなされたということでございます。
 そういう意味で、制度上の問題というか特徴的な点としては、このエネルギー規制税というのは家庭、小規模商業施設が対象ということで、そこで一般的に使用されている燃料に課税対象を限定する、あるいは消費量に上限を設けるということで、小規模をターゲットにしているということがございます。
 それから3番目、イギリスでございますけれども、ここでもCOP3を契機に温暖化対策の検討が進められた、こういう文脈の中で、英国産業連盟、日本でいうと日本経団連に当たりましょうか、そういうところの代表のマーシャル卿がいわゆるマーシャルレポートというものを公表して、炭素税と機構変動協定、そして排出量取引というのをポリシーミックスという形を提唱して、これを土台として導入されてきたという経緯があるということでございます。
 そういう中で制度上の特徴点としては気候変動税の締結があった場合には8割減税という形が特徴的、あとは気候変動協定の目標達成と排出量取引の連動という形で、3つのポリシーミックスという形がございます。
 それから4番目のデンマークでございますけれども、デンマークにおきましても、これもやっぱり国家的な削減目標の達成手段の一つということに位置付けのもとの炭素税の導入ということでございます。当初、産業部門は非課税ということでしたが、今度は93年の税制改革の一環として産業部門にも課税対象が拡大された。このときの税制改革で同時に実施された個人所得税の平均税率引き下げということの財源の一部を賄う、こういうような位置付けになっているということでございます。環境目的ということと税制改革全体の中での位置付けというものがここに見てとれるということでございます。
 それからスウェーデンでございますけれども、これも91年の税制改革の一環として出てきているということで、もちろん二酸化炭素の排出抑制ということが目的でございますが、所得税の大幅減税と間接税の増税と、こういう文脈の中にも位置付けられたということでございます。
 以上が各国の導入の趣旨・背景ということでございますけれども、こういった部分で見てまいりますと、ちょっと14ページにまいりますけれども、温暖化対策という観点があると同時に、他の税とか社会保険料の軽減を含めた環境関連税制改革の一環として導入されているものが多いというふうなことが言えようかということでございます。そういう意味で、環境税を含めて環境関連税制というものは税制全体の中でどういうふうに位置付けるかというような観点についても少しレビューする必要があろうかということで、若干ここに幾つかの論文から引用させていただいております。
 そういう意味で、税制改革全体の中でということで言いますと、まず租税構造の観点から環境税、あるいは環境に関する税というものを論ずるということがございます。一番上の部分でございますが、環境・エネルギー税を導入し、それと引きかえに所得税などの既存税を引き下げていく、こういうような形、これがいわゆる税制全体のグリーン化という位置付けがございまして、国民負担率を新たに増大させることなく、価格機構を通じて環境保全を促す仕組みを社会の中に組み込んでいく、こういう観点がございます。
 それから2番目の四角の部分でございますが、課税原則の変更という意味で、これまでの資本・労働課税中心型から環境・天然資源課税中心型への転換、こういう位置付けでございます。
 それから3番目はいわゆるグッズ課税、バッズ課税ということでございまして、所得税、法人税でのグッズ課税を減税して、バッズ、いわゆる廃棄物とか汚染とか、そういったものに対しては課税を引き上げていく、こういうような流れの位置付けということでございます。
 それから15ページ目にまいりまして、一番上の四角はちょっと抜かしますけれども、もう1つは税の中での位置付けということで、環境対策の財源調達としての観点も含めて論ずる、こういう事例でございます。租税というものは政府が必要とする経費の財源を調達する、こういう観点に立ちますけれども、ここ環境破壊の原因者に支払わせていくというような形で環境対策の財源を調達する、こういうような観点の議論ということでございます。
 以上が全体的な環境税の位置付けということでございます。少々急いで恐縮ですけれども、アナウンスメント効果の方に説明加えさせていただきます。資料2でございます。
 審議会におけるこれまでの議論でございますけれども、2つ四角がございますけれども、下の方の四角で税の導入ということが広く認知されることで、国民一人一人が税負担を感じて認識を深めて行動をしていくと、こういうような位置付けを述べているということでございます。これまで審議会ではこのぐらいの議論ということでございました。
 それから2ページにまいりまして、アナウンスメント効果というのは一般的に言われているものを掲げてございます。経済政策や金融政策の分野でのアナウンスメント効果ということでございます。一番上には経済辞典からの引用、それから2番目の四角は金融の教科書的な入門書からの引用ということでございますが、いずれも何らかの経済政策や経済予測が公表された後に、公表前と人々が違った行動をとっていくというようなことでございます。現実の政策にも引用されているということで、2ページ目の下につきましては、いわゆる公定歩合の関係のものでございますが、政策当局者の認識という意味で、日銀の総裁の国会の答弁から引いているというものでございます。
 それから3ページ目の四角でございますが、金融政策のちょっと別の場面でございますが、いわゆる財の安定供給という観点からのアナウンスメント効果ということでございます。これは平成16年のモリブデンの高騰したときに備蓄を緊急放出するということで、売却の公告を行うと、その公告を行ったというところで価格が大きく下落すると、こういう現象が見られた。これもアナウンスメント効果の一つではないかということでございます。
 それから、環境の分野でのアナウンスメント効果ということでございますが、4ページ目でございます。OECDにおける検討がございます。直接的にアナウンスメント効果という用語は使用しておりませんけれども、事前告知の効果、新しい税の導入とか、そういったようなものについての事前告知の効果、あるいは環境問題に対する意識の変化なども含めたソフトの効果というようなものがこの上の四角でございますが、論じられております。
 それから、下の方の四角は石先生の本からでございますが、環境税のアナウンスメント効果ということで、環境意識が高まって行動が変わっていくということの紹介がございます。
 それから5ページ目でございますが、じゃ実際にそのアナウンスメント効果というのは環境に関する税なり経済的措置で乱れた事例があるかということでございますが、まず三重県の先ほどの産業廃棄物の事例を載せましたけれども、この四角に囲っておりますのが経済産業省が三重県からヒアリングをした調査報告から引いてございますが、その第2パラグラフですが、産廃税のアナウンスを受けて計画を前倒しした企業もあるというような記述がございます。そういう意味で、税を導入するということについてもアナウンスメント効果ということがあろうかと思います。
 それから、(3)は一般廃棄物の有料化の事例ということでございますけれども、これは端的に申しますと、有料化をしたとき一体何のためにごみを減らしましたかというような質問に対する答えということでございますけれども、手数料の支出の節約というようなものというよりは、自然を守るんだとかいうような意識の問題から結局減らしているという例が多いというような結果でございます。
 6ページ目にその調査の結果がございますが、大変見にくうございまして恐縮でございますけれども、各自治体で有料化時とその後、現在というところでごみの減量理由の変化というものを見たものでございますが、一番上のところでいいますと、一番左側に黒く塗ってあるのが支出を節約するというために減らしたというもの、それから一番右が自然を守るために減らしたもの、こういうような部分でございますけれども、有料化の時点では支出の節約というようなものが多いんですけれども、その後は結局支出節約というよりはごみの有料化ということを感じることで自然を守るというところの要因がふえていると、こういうようなことが言えるのではないかと、こういうような仮説でございます。
 以上がアナウンスメント効果ということでございます。
 それから資料の3でございますが、環境税が結局人々や企業の行動にどういう効果を及ぼすかということをアンケート分析で少し補強をしてみたいというように考えておりまして、これからアンケート分析をやってみたいと思いますので、そのことについてやる前に先生方にも少しご指導いただこうという趣旨でここに資料を置かせていただいております。
 これまでも環境税の効果というのはいろいろ議論されておりますが、例えば高税率ならば効果があるけれども、少なくとも短期的には低税率であれば効果は乏しいと、こういうような議論がございます。そういったものを背景としているわけでございますが、これまで私どもがやってきたのは、1つはモデルを回しまして、エネルギー価格の上昇が省エネ機器への代替を促す効果をコストの比較により説明する。あるいは、過去のデータのエネルギー需要の価格弾力性の分析、こういったものを行ってきていますけれども、こういったものだけで人々の行動というのはよくわかるのかということで、若干アンケート調査も従前もやってきてございます。
 例えば、1ページ目の下にありますが、世論調査等に見る温暖化対策税制の効果という部分がございますが、昨年10月に環境省で電話の世論調査をやりました。これも電気だとか、それの値段が上がった場合、節約の気持ちが強くなると思いますかと、非常に単純な質問という形でございます。このときは87%が「節約する気持ちが強くなる」、こんなように答えているということでございます。
 次のページへ行きまして、内閣府の国政モニターの調査というものも、例えば毎月460円程度光熱費が上がったらどうしますかというような、こういったアンケート調査をやってございます。
 ちょっとさかのぼりまして、平成12年には環境省も幾つか、もうちょっと綿密な調査をやってございますが、ここにはエネルギー料金が例えば2%上がった場合、あるいは10%上がった場合、どういうふうに行動を変えますかというようなアンケート調査をやっているということでございます。
 それでちょっと飛ばしますけれども、4ページ、5ページのあたりにこれからこの調査を実施させるということでございます。
 簡単にまいりますと、4ページよろしゅうございますか。(3)調査の概要というふうにございますが、アンケートの対象とするときに、まず環境税が10%導入されたらどうしますかというふうに聞くグループ1、あるいは2%上昇の税が導入されたらどうしますかというグループ、それから税の導入がないときに、今と変わらないというときにどうしますかと、こういう3つのグループを設けて、一番下の絵でございますけれども、商品Aと商品Bがあるということで、商品A、これは8万円、商品B、9万5,000円となっている、これは実は商品Bの方がエネルギー効率がいいということで、年間の電気代は逆に商品Aが1万9,000円、商品Bが1万6,000円、こういうようなことです。書いていませんが、5年で元が取れるような仕組みになっております。こういった商品があった場合にあなたはどちらを選びますかと、こういう質問をまずしているというのが1つ。
 それについて同じ質問ですが、右のページにまいりまして、税金、これは2%分の税が入った場合のことでございますけれども、税金がかかった場合にはどうしますか、こういったものをそれぞれ3つのグループに聞いていくということ。それから、次に(イ)のところでございますけれども、税金を導入したグループにつきまして、実際税金を導入したら、例えばストーブやファンヒーターの使用をどうしますかという、「全く変わらない」から「2%程度控える」、「4%程度控える」、こういったような質問をして、どの程度少し人々が行動を変えるかというものを見てみようという。
 それから(ウ)でございますけれども、次ページにまたがっておりますけれども、ここでは例えばいわゆる節約行動というか、エアコンのフィルターを月に何回掃除するか、取り組みの実行に関する質問をしてみようということでございます。こういったものを分析をして、またこの場でご紹介してご議論をいただきたいというふうに思います。そういう中で、環境税のアナウンスメント効果とか、そういうものもあるのかどうかというものを少し分析できればというふうに考えてございます。
 ちょっと時間が超過して恐縮でございます。参考にドイツにおける環境税の効果に関するアンケート調査等というものがございます。同じようなことを考えているのかわかりませんけれども、ドイツの連邦環境庁におきまして環境税効果によってアンケート調査を実施しているということでございます。ここでは家庭1,000人に対してアンケートということでございますが、[1]電気ということでございます。例えば部屋の明かりを消すとか、電気製品をスタンバイモードにしておかない、こういったようなことにつきまして、「よく」あるいは「基本的に」、「たまに」行うという人の率をまず掲げてございます。その中で、これらをやると言った人がどういう項目から影響を受けましたかということで、環境税で電気代が上乗せされたからそういう行動をとったということが、例えば「とても強い動機となった」人が18%、「強い動機となった人」は25%、「少し動機となった」という人は35%、こういう環境税の動機付けに関するアンケートでございます。こういったことが次のページ、暖房、ガソリンの使用に関連してその調査があるということでございます。
 それから、この調査報告書自体は家庭部門に対する調査だけではなくて、少し企業の部分もございましたので、紹介させていただいております。3ページ目でございますけれども、企業が環境税をどういうふうに受けとめているかというような調査でございます。例えば1番目のクレメンスヘーレというビール会社でございますけれども、エネルギー価格が上がったんで煮沸工程を省エネ型に切りかえて重油の削減を図ったとか、太陽光発電を導入しているとか、あるいはバイオ技術、これは環境税非課税になっておりますが、そういったものも使っている、そういう企業側の対応についての幾つかの事例をアンケート調査で拾っているというものでございます。若干興味深いデータでございますので、詳しく紹介する時間がございませんけれども、ここに紹介をさせていただいています。全体で16社からの答えがございまして、さまざまな分野で環境税の導入に対応して企業側からの対応もあるということでございます。
 それから5ページの(3)、これちょっとここでは全く今の文脈とは全然関係がないんですが、この同じ調査報告書の中に興味深いデータがありましたので、少し紹介させていただきます。
 実は5ページ目というか6ページ目の表でございます。これはドイツの場合に環境税の導入が各業種にどういう影響を与えているかということの分析でございまして、左側の部門というところに各部門が並んでございます。それから、右側から4つ目の小計という欄でございますが、これがエネルギー価格の増加分が幾らになったかということ、業種別に出しております。
 その次の欄、社会保険料の軽減が各業種で幾らかということです。合計という欄がありますが、結局プラスマイナスは業種ごとにどうなったか、こういう表でございます。それを総生産額に占める比率ということであらわしたのが一番右側ということでございます。これはプラスになっているころ、マイナスになっているところ、それぞれあるかというようなことでございます。
 例えば、一番上の農林水産業では全体の0.88%ふえているということになりますが、減っているところで申しますと、例えば17番の機械というところですが、これは軽減の方が多くてマイナス0.08ということになっている。こういうような分析がある。これも興味深いデータということで紹介でございます。業種別の影響についてはまた別途私どもでも調べまして、またご議論いただきたいということでございます。
 それから次、参考資料1、参考資料2という形で、スイス、ニュージーランドにおける最近の状況、新しい状況でありますので、ご参考ということで置かせていただきました。ちょっと時間ございませんので、スイスにおきましてはいわゆるCO2税の導入が決まったということでございます。2006年から導入されるということの紹介でございます。
 それからニュージーランドにつきましては、政府におきまして炭素税の制度を公表して、これから国会に行くと、こういうようなことが紹介されています。これはニュージーランドの政府のホームページから引いて事務局の責任でまとめさせていただきましたが、そういう新しい情報ということで紹介させていただきました。
 ちょっと時間がございませんので、大変はしょって恐縮ですけれども、資料の説明は以上でございます。

○神野委員長 はい、どうもありがとうございました。きょう議論していただく3つの議題について、全体にわたって資料のご説明をいただいたところでございますけれども、引き続いて先ほど最初に申し上げましたように、増井委員からイギリスの事例についてご報告していただきたいと思いますので、お手元に資料もいっているかと思いますので、よろしくお願いいたします。

○増井委員 国立環境研究所の増井でございます。おはようございます。
 イギリスの気候変動税が課された場合に、アナウンスメント効果というのが一体どれぐらいなのかということにつきまして、幾つか報告書の方が出ておりますので、その報告書を取りまとめてきょうご報告させていただきます。
 参考にいたしましたのは1ページ目の報告書1から報告書3まででございます。報告書1というのがことしの3月に出されたものでして、それぞれウェブサイトのアドレスを書いてございますので、またご関心のある方はごらんいただければというふうに思います。
 報告書の2と3というのがイギリスのチンダルセンターという研究機関の報告書でございまして、報告書2の方で計量経済分析をもとにアナウンスメント効果というようなものがどの程度なのかということを分析しております。
 報告3の方はより広い概念でアナウンスメント効果とは一体どんなものか、特にこの中ではスウェーデンのSO2税、NOX税、あるいはドイツの排水税、この3件についてどういうような効果があったのかということが論じられております。
 申し訳ありません、報告3のウェブのところ、最後WP51となっていますけれども、これ53の誤りですので修正していただければと思います。
 きょうご紹介する資料は主に報告書1の記述に基づきまして行います。報告書1と2の違いなんですけれども、2の方は昨年6月に報告されたということで、報告書1の方はデータが若干更新されています。回帰分析も行われているのですが、その回帰の係数の結果が若干異なっているという違いはございます。ただし、基本的な中身は同じでございます。
 税の経緯そのものにつきましては省略させていただきますけれども、キーになりますのは、1999年3月に気候変動税が公表されまして、2年後の2001年4月1日に実施されたということでございます。2ページ目の方に移っていただきまして、アナウンスメント効果の定義というところで、イギリスのこの報告書の中ではアナウンスメント効果の定義を、課税の公表段階、実施する前段階で、公表した段階で環境負荷削減の行動がとられることによる効果と定義されております。その結果というのが一時的なものではなくて、課税実施後もずっと続くということで、上の方に表で取りまとめておりますけれども、直接的な効果と間接的な効果、経済効果以外のものと分けましたときに、アナウンスメント効果というのはどちらかといいますと直接的な効果の方に入ってきます。実際に導入された2001年よりも前の段階でアセスメント効果は既に現れています。実施後はそのアナウンスメント効果と価格の効果、この2つが直接的に観測されるととらえられております。この中でアナウンスメント効果をどのように見積もっていこうかということが、この報告書の趣旨でございます。
 その検証なんですけれども、2ページ目の真ん中あたりに書いてございます回帰式、誤差修正モデルと呼ばれておりますけれども、そのモデルを使いまして、実際に回帰分析が行われて、その下のところに書いてございます、アナウンスメント効果をダミー変数という形で、実施されれば1、実施される前はゼロというふうな形でとらえまして、その効果をとらえております。
 イギリスの気候変動税の場合は産業部門と業務・その他エネルギー、最終需要部門に対して課税され、その他運輸ですとか家庭には非課税であるということで、かなり限定的な制度となっています。この分野では、産業部門全体ですとか業務について解析を行いまして、その他最終需要部門、業務、そういったところだけが有意にアナウンスメント効果が効いてきたという結果を示しています。その他の部門については信頼性が低かったり、あるいは符合条件が逆、アナウンスメント効果がないというような結果になっております。
 この点につきましては、産業部門の場合には、これまでにもかなり対策が進んでいるとかですとか、あるいはロビー活動等で政府にかなり強く働きかけができるというようなことで、こういうアナウンスメント効果の影響が出ていないんではないかというような考察がなされております。
 実際にどのような結果になっているのかということで、3ページ目のところをめくっていただきたいんですけれども、幾つか回帰分析を行った結果が3ページ目の上のところに書いてございます。その結果をもとに(3)のところですけれども、ケンブリッジ・エコノメトリックスというモデル、MDM−E3を使いまして、将来の想定値におけるエネルギーの需要量の変化、あるいはCO2排出量の変化をとらえております。
 気候変動税が導入された場合とされなかった場合の比較、そのほかにも気候変動協定という制度がイギリスにはございまして、それについても幾つか考察されていますが、ここでは気候変動税が導入された場合とされなかった場合にどう違うのかということをご紹介しておきます。効果があったのがその他最終エネルギー消費者、主に業務部門なんですけれども、その部門のエネルギー需要の減少量が3ページ目の下から6行目、7行目あたりに書いてございます。2001年に4.9%、2002年には9.5%、2010年には14.6%、それぞれ気候変動税を導入しなかった場合と比べて減っているという結果になってございます。
 ここに書かれてございます4.9から14.6という数字は、アナウンスメント効果と価格効果、両方含んだものとなっております。このうちどれだけがアナウンスメント効果の部分なのかということで、どのようにに計算しているのかということは報告書の中には記載されていなかったんですけれども、アナウンスメント効果だけを取り出すと2001年には4.0%、2002年には8.4%、2010年には13.8%、それぞれ減少するということで、その3行ほど上の数字と比較していただきますと、大部分の削減効果というのはアナウンスメント効果の方から来ているという結果になってございます。
 そのほかの産業部門など、アナウンスメント効果が確認されない部門については、気候変動税は全く効果がないのかというようなことにつきましては、価格効果などほかの効果によってかなり効果があるというような記述があります。そのほかエネルギーの需要量が産業全体、あるいはイギリス国内全体でどう変わっているのかということを4ページ目の方に取りまとめてございます。
 そのほか興味深い結果といたしましては、気候変動税によってマクロ経済の影響がほとんど見られない、むしろ気候変動税を導入した場合の方がGDPは0.06%上昇しているとあります。ただ、若干貿易の実績と輸出の実績は低下するかもしれないということが書かれております。
 こういうことを踏まえまして、日本でアナウンスメント効果というようなものをどのように評価するのかということが重要になってくるかと思います。先ほど事務局の方からご紹介がありましたアナウンスメント効果の定義は、イギリスで言われているものと若干概念が違うのかなと思われます。特に導入が公表された段階でもう既にアナウンスメント効果というのは発生しているということで、イギリスの方がより広い概念という印象を持っております。
 いずれにしましても、消費行動に構造的に何らか変化をもたらすということが、このアナウンスメント効果の概念であると私は理解しています。ただイギリスの方は先ほども紹介いたしましたように、対象が業務部門だけですが、我が国で検討されております温暖化対策税は家計等も含んでおります。その家計においてアナウンスメント効果がどれぐらい効果をもつかというのは、この結果をそのまま直接利用することは難しいですのでもう少しより詳細な調査といいますか、実際に温暖化対策税が導入された地域を対象に、似たようなといいますか、分析を行いまして、消費構造の変化、特にエネルギー需要がどのように変わっていくのかということを見ていく必要があると思っております。
 以上です。

○神野委員長 はい、どうもありがとうございました。
 それでは、委員の皆様方にご意見をいただきながら議論を進めてまいりたいと思いますが、最初に第1番目の議題になります環境税の位置付けについて、ご意見いただければと思います。ご説明の資料では、これまでの中央、資料1の方を見ていただきますと、4つに分けてご説明いただきまして、1つは中央環境審議会におけるこれまでの検討、それから理論的に経済的手法としての環境税、それから3番目にヨーロッパにおいてどう環境税を位置付けているか、導入経過を含めてご説明いただいております。そして4番目に税制全体の中で環境税をどうやって位置付けていくのかという、4つの論点を出して問題を提起していただいておりますけれども、これについて何かご意見、あるいはご質問でも結構でございますが、いかがでございましょうか。
 奥野委員お願いいたします。

○奥野委員 どうも、前回欠席しましたので、ちょっとそもそも論的なところでひとつお聞きしたいんです。
 釈迦に説法だと思うんですけれども、普通経済学で考えている環境税というのと日本でやる環境税というのはちょっとイメージが違うというのが私の趣旨、率直な印象でございまして、やろうとしているといいますか、環境省が主張されている環境税はちょっと違うというのが印象でございまして、そこのところが私には腑に落ちないので、ぜひ実証研究をやるならそこを考えていただきたいというのが最終的なメッセージなんですが。
 今回の環境税は、さっきから話があったとおり、大体2%しか上げないと、主たる目的はむしろ財源調達であるというのが私の印象でございまして、最初の資料の2ページ目の4番目の丸のところにも相当規模の追加的な経済的支援が不可欠で、そのための安定的な財源のために必要だとおっしゃっているわけであります。
 問題は経済的支援ということの中身がそもそも何なのかということだと思うんですね。もちろん、環境問題というのは合理化の極めて価値観にかかわる問題ですから、今、合理的な行動、お金だけを問題にするような個人を分析対象にしている経済学がどこまで迫れるかはまた別問題だとは思うんですけれども、普通の経済学の常識ではピグー税による内部化ということは、実は税金であっても補助金であっても同じだというのがかつての理解だったんですが、釈迦に説法だと思うんですが、最近は全く違うという理解がむしろ強いわけですね。
 つまり税金の場合、例えば自動車であれば、自動車を使う台数が変わらなければ、もちろんグリーン的なというんですか、要するにエネルギー効率のいい車を使った方が当然物量的な排出が減るわけですけれども、税金を例えばそういう車に一般的に、あるいはガソリンに一般的にかけると、当然車を使うことのコストが上がるので需要は減るわけです。当然CO2の排出も減るわけですが、他方補助金をかけると、普通起こるもう1つの効果があるわけですね。それは車の値段が下がるわけですよね。その結果むしろ場合によってはエネルギーの、ガソリンの消費がふえてCO2の排出がふえるという効果も実はあり得る。つまり、車の税金を安くすると車の数がふえてしまって、その結果せっかく1台当たりでは減ったCO2が全体としてはふえてしまうということもあり得ると思うんですね。
 そういう意味で、先ほどの資料の7ページですか、ここでおっしゃっているようなグリーン税制をすると低燃費の車の需要がふえますよということでおっしゃっているわけですが、多分そこまでやっていらっしゃるとは思うんですけれども、ここには多分2つの効果があり得るんですね。1つは車種のシフトの効果というのが1つあって、要するに高燃費の車から低燃費の車に変わるという車種のシフトというのが、これは多分非常にいいことなんですね。ただ、税金が安くなっていますから、ひょっとしたら車を買わなかったはずの人も買ってしまって、その結果エネルギー消費がふえてCO2がふえるということもあり得るような気がするんですね。そこをきちんとやっぱり分析してやらないと、ちょっと説得力が薄いのかなという感じがいたします。
 もう1つついでに言えば、別に環境税を集めてきて、それを財源として使うということ自体は非常にいいことだと思うんですが、三重県の産廃のようにそれを補助金に使うんだったらそれは大変いいことだと思うんですが、余りいい例じゃないんで申しわけないんですけれども、基本的にエネルギー消費の節約のための補助金として使ってしまうということは余りいいことではないので、欧米なんかの場合も普通はこれは労働所得税であるとか社会保障とか、そういうものの財源に使っているわけで、エネルギーと無関係のところに使っているわけですね。
 そういうことをもうちょっと、2番目、3番目の議題にも絡みますけれども、例えばアナウンスメント効果の分析の場合にも、ひょっとしたら補助金が出てくるので、例えばクーラーを買ってしまえとかいうような人もいるかもしれませんし、アンケート分析をされる際にもぜひ単に燃料価格が上がるということじゃなくて、それと組み合わせて設備が、車であるとかクーラーの料金が下がったときに、単にシフトだけでなくて、新しい需要がどれだけ加わるのかということも含めてぜひ分析をしていただきたい。そうでないと多分国民に対する説得力が薄いのではないかなと。
 全体としては私は非常に賛成なんですけれども、そこのところをみんな心配しているというのが一つの問題でございますので、ぜひそこは気をつけて分析をお願いしたいなと思います。

○神野委員長 はい、いかがですか。環境税の課税目的。税収という課税目的よりも、むしろ政策手段として、ここで言うと経済的な手法としてに徹するべきで、純化すべきではないかということだと思いますが、いかがでございましょうか。

○鎌形環境経済課長 第1回のご説明でも私の方からちょっとしておけばよかったと思っているんですけれども、今回いろいろ先生方にご検討をお願いしたいというときの、どういう文脈でお願いしているということについての説明が少し不足していると思いまして、ちょっと補足させていただきたいと思います。
 やはり昨年来具体的な案をもって議論をしてまいりました。今、奥野先生からもご指摘がありましたように、環境省の案というのは一般的なやり方としては比較的低い税率で、かつその税収を温暖化対策に充てていくということで、財源としての位置付けも持って、いわゆる価格効果とアナウンスメント効果、財源効果、すべてをねらっていく、こういうようなものとしての提案をさせていただいて議論してきたという経過がございます。
 それで、さらに引き続き今では真摯に総合的な検討を進めていくということが政府のスタンスという形になっておるわけでございますが、そういう検討の中で、今回専門委員会の方にお願いいたしたいのは、私ども昨年具体的な案をもって議論しましたけれども、必ずしもこういったものに拘泥されずに、少し幅広くいろんな議論を深めていただきたいということで、そういう中で私ども今後どういう制度設計をしていくかということにも参考にさせていただいて、そういう意味で少し広い議論をお願いしたいというようなところは、この専門委員会に対してはお願いしたいということでございまして、そこは前回私も申し上げなかったところというのがございます。

○佐和委員 ちょっといいですか。

○神野委員長 はい、佐和先生。

○佐和委員 今、奥野さんもおっしゃったところの質問なんですけれども、例えばここに、資料1の8ページに三菱・ミラージュやトヨタ・プリウスなどのいわゆる軽減額が出された試算というのがあって、結果的にプリウスが購入時、もちろん保有税も安くなるんでしょうけれども、228万円、もちろん税金を軽減したことによって安くはなっているけれども、それが今まで車を買うつもりがなかった人までが買うということがこの場合には当てはまらないと思うんですよ。というのはミラージュの方が圧倒的に安いわけですからね。ですから、ミラージュは何の優遇策もないわけですから、だからそれはちょっとおかしいと思うということと、補助金に関しては私も補助金を出すというのも何も車を買うことに対して補助金を出すなんていうことは恐らくだれも考えていらっしゃらなくて、車に関してのみ言えば、要するに低燃費車を買う人に対して補助金を出す、あるいは家を建てるときに断熱材を入れることに対して補助金を出すということですから、おっしゃっている意味がよくわからないんです。

○神野委員長 奥野委員。

○奥野委員 申し上げることもないと思うんですが、別にプリウスが全く減税をするのがよくないとか、そういうことを申し上げている気は毛頭ないんですけれども。要するにエネルギーの節約とするためには、基本的に相対的にエネルギー価格が高くなって、エネルギーを使わないことが安くなるということをすればいいのであって、それをどういう形の補助金で使うかということにかなり依存して、人々の行動にゆがみが生まれるわけですよね。そこを別に、どう言ったらいいんですかね、要するに相対的な人々の行動を変えるためだけだったらば、税金をかけるだけでもいいはずだというのが1つですね。
 それからもう1つは先ほど言いましたけれども、価格をある程度のものに関して普通に安くするとかえって需要を喚起したりすることもあると。だからそこを一応気をつけて、せっかく分析されるんだから、2つに分けて分析したらいかがかというふうな……

○佐和委員 だから、むしろ価格を安くして、そしてエネルギーの消費をふやしてしまうとか、CO2の排出量をふやしてしまうような補助金というのは、恐らくどんな例がありますか。そんなことは多分考えてないと思うんですよね。つまり何のための環境税かといったら、環境税収を使って、僕は補助金を出すことについては基本的には余り賛成しがたい面があるんですけれども、いずれにせよ何か補助金を出すことによってCO2の排出量をかえってふやしてしまうという例はありますか。

○奥野委員 いや別に、そういうふうにこういう議論になってしまったので、ちょっと参ったなというのが率直な印象なんですが、今さっき言われましたけれども、空調などで例えばエネルギー効率がいいのに何か補助金があればとか、買いかえ需要というのは当然起きるだろう。その分当然ひょっとしたら、1つは買いかえ需要だけでなくて新しいものもふえるかもしれないし、もう1つは買いかえ需要があるだろうから新しい製品を開発すると、そのための例えばエネルギー消費が起きたり、いろんな波及効果があるから、その波及効果も一応きちんと分けて分析した方がいいんじゃないでしょうかということを申し上げているだけで、全体としては私はこういうことをぜひやっていただいて、どういう形でエネルギー消費を抑えるのが一番いいだろうかということを科学的に分析しましたということですから、そこをぜひお願いをしたいということを申し上げているので、それ以上の対応はもう全くないんですけれども。

○神野委員長 補助金の出し方にかかわるようなものです。

○佐和委員 ちょっと関連して、よくわからないんですけどね、これは……

○神野委員長 7ページのところ。

○佐和委員 ええ、7ページです。2004年、03年の終了時までは、これは登録台数というのはストックじゃなくてその年に登録された台数ですか。しかし、こんなに2004年3月以降に激減したわけですか。

○鎌形環境経済課長 データ上はそういうことなんですけれども、これはあと推察になりますけれども、新しい新三ツ星なり、新四ツ星なり、そういうものにシフトしていっているということではないかというふうに思いますが。

○佐和委員 つまり、この2004年3月ごろには新しい新型のプリウスがこの年の秋ごろに発売されるということ、つまりこれは上半期ですね。だから下半期に発売されるであろうということを皆が知っているんだと、それこそアナウンスメント効果。

○鎌形環境経済課長 ちょっとそういうものが既に出ていたのではないかと思いますが、すみません、よく調べてみます。申しわけございません。また次回お答えいたします。

○和気委員 すみません。前回欠席して、どういう議論になっているのかフォローしていないので、あるいはちょっと的外れかもしれませんが、環境税の位置付けについてちょっとだけ、釈迦に説法みたいなところもあるんですけれども、一応原則的にどういうふうに考えたらいいかというところで3点ほどお話ししたいんですが。
 1点は、CO2削減目的のためにどんな政策手段があるかという中の一つとして環境税がある、経済的手法の中に一つあると。したがって、当然よくイギリスなんかポリシーミックスとよく言っているわけですけれども、どういうポリシーミックスの枠組みの中で環境税を議論したらいいのかというところがないと、環境税ありきというような印象を国民に与えてしまう、これはやっぱり避けた方がいいというのが第1点です。
 特にアナウンス効果という議論が出てきますが、通常常識的に言うと、アナウンス効果というのは導入するぞするぞというときに起こるもの、つまり事前の意思決定、事前の行動にどういう影響を与えるか、例えば公定歩合を上げるぞ上げるぞというときに起こるものと、それから事後的には例えばそのときに為替レートがどうなっているかとか、あるいは原油の値段が、石炭の値段がどうなっているかによって、環境税の部分が物すごく薄められてしまって、価格効果が余り働かない場合もあり得るわけです。つまり事後的な価格効果がどのぐらいあるかというのを見込むのはなかなか難しいところもあるわけ。むしろそういう意味ではアナウンス効果というのはとても重要でありまして、人々がそういう情報を入手して、そして日々のライフスタイルにどういう影響を与えるかということを考えると、今どのような環境税を考えているのかがすごく重要になってくるだろう。薄く広くということが本当にアナウンス効果があるかどうかというのもとても重要になってくるんではないだろうかというのが1つです。
 それからもう1つは、これは文字どおりエネルギーの問題、エネルギー起源のCO2の排出量です。したがって、すべてエネルギー政策とかかわってくるわけですね。したがって、環境税の議論ももうちょっとエネルギー政策とのリンケージの中で議論をしていかないといけないんじゃないか。省エネだけではなくて、代替エネルギーも含めて、環境税がどのぐらい、代替エネルギーへのムーブメントのきっかけになるかどうかももうちょっと議論していった方がいいのかなというのが2点目。
 3点目は、文字どおり税を払う側の納税者の視点から見ると、環境税がどう使われるのかというのはすごく重要な視点でありまして、税収ニュートラルというときにどういうビジョンというか税方針でニュートラルになっていくのかというところが明確になっていかないと、やはり納税者としてはこの環境税の議論はシンパシーというか、やむを得ないなということにはならないかもしれないという危惧感も覚えるんですね。したがって、こういう形でいろんな専門家の先生方の中でいろんなご議論をすることはとてもいいことなんですが、もうちょっと幅広く議論の場を広げた方がいいような気がするんです。
 それからもう1点ちょっとつけ加えさせていただくと、アナウンス効果というのを私はとても期待しているんです。環境税の議論が少しいろんなところでなされ、公の場でなされるようになってから、ちょっと産業間の変わってきたような印象も受けるんですね。そういう意味で、いろんなところで国民レベルのいろんなアンケート、いろんな主体がやることに意味があるだろうと。つまり国民的な関心を高めることが重要なので、一番関心を高めるのは多分アンケートのようなもので、できればIT、インターネット上で常に常時このアンケートを掲示板なり何なり開いて、限られた人数よりも今はかなり情報化で可能な限りのアンケートもできるようになりますので、その辺のITを駆使して、少し国民的な議論として広げたらいかがかなというふうに思います。
 以上です。

○神野委員長 すみません。環境政策全体の中での環境税の位置付けと、他のエネルギー政策とか税制政策との関連をどう考えるのかということに対してどのように考えていらっしゃいますか。

○鎌形環境経済課長 エネルギー政策との関係ということで、まさに温暖化対策、エネルギー、特にエネルギー起源CO2がほとんどですので、そういうところの対策ということになってまいりますけれども、非常に耳の痛いご指摘というか、そういうことをしっかりやっていかなければいけないと思いますけれども。
 例えば今、省エネだけでなくて代エネとかいうことについてのリンクはどうかというお話があったかと思いますけれども、もちろん温暖化対策の中で省エネを進めるということのほかに、代エネを進めるということが政策パッケージの中に入っているということになります。もちろん京都議定書の目標達成計画の中でも政府全体としての役割ということで、そういった政策を立てていくという議論がなされておりますけれども、こういった環境税を議論する上で、例えば財源の使い道とかいうところではそういった議論をいっぱいしていかなければならないと思います。省エネの機器なり設備の導入を進めていくということは、明確にこれまでも財源の使い道として議論してまいりましたけれども、もうちょっと幅を広げるというのが必要になると思います。
 もちろん、太陽光とかそういうものに使っていくとか、そういう議論はいろいろとしてはいますけれども、さらに議論を進めていかなければならない、そんなことかと思います。ちょっと不十分かもしれませんが。

○神野委員長 山地委員。

○山地委員 私もきょうが初めてなものですから、この委員会でどういう議論をするのか、十分理解していないところがります。今、奥野先生と、それから和気先生が言われたこととも関係があるんですが、まず環境税に、価格を上げて人々の行動を変えるということと、アナウンスメント効果と、それから財源を得る、この3つの効果がある、これは理解しています。価格の効果とアナウンスメント効果はよくわかるんですけれども、財源になったときに奥野先生が言われたどう使うかというところになると、これは物すごく広い話になっていくわけですね。さっきの佐和先生の議論なんかで、私は奥野先生の言うこともよくわかるなと思ってじっと実は聞いていたんですけれども。その財源の使い方というようなところも今回議論するんでしょうかというのが一番素朴な質問です。
 もう1つは、財源の使い方と絡むと、今、和気先生の税収中立という話があったんですね。そういうことも何か考えるんですか。つまり諸外国の例というんであればいろいろある程度そういう例があるわけですね。社会保険料との調節など。そういうことも大きく入っているのかどうか。ちょっと本当に初めて出てきたものですから、少しナイーブ過ぎるのかもしれませんけれども、疑問として持ちました。

○田村総合環境政策局長 専門委員会のテーマとして、経済分析ということでございますので、例えばきょう議論しているアナウンスメント効果とか、あるいはインセンティブ効果とか、そういったことが中心になると思うんですが、財源効果というものもいろいろどういうものに使われるとか、国民的に見たら先ほどの和気委員がおっしゃるように非常に気になるところでして、当然それはいろいろな経済効果を持ち得るわけでございますから、それは別に議論するというようなことは考えておりませんので、この中でそのことも議論をしていく対象であろうかと存じます。
 それからもう1つ、先ほどの和気委員のお話の中で2つほど、1つはアンケート、いろんな角度で国民、事業者の方々の理解・協力を得ていくことが基本的に大事なところだし、反対も多々あるのが現実でございますから、そういう中でいろいろな国民の議論も率直に聞いていくこと、アンケートしていくことは大事だと思うんですね。いろいろな形で工夫していきたいと思います。
 それから、議論の場の話でございますけれども、確かにここでお願いしているのは、専門家の方々からいろんな経済効果について議論していただくということでございますが、例えば全体的な政策判断といいますか、総合的な検討というんでしょうか、いろんな立場の方々、産業界の方々、マスコミの方、労働組合の方、いろんな方々がおられる。そういう方々の中ではいろんな議論を聞いていく、これはこれでまたいろんな形で進めていきたいと思っておりますが、ここの場ではむしろ経済分析ということを中心にして、もちろん当然全体的なことも入ってくると思いますが、中心は経済分析ということでご理解をいただきたいと、そのように思っております。

○神野委員長 森地先生。

○森地委員 資料1についてだけ、資料1について簡単なことを申し上げたい……

○神野委員長 2に関連しても。

○森地委員 そうです。

○神野委員長 わかりました。

○森地委員 時間が限られていますから、1点で申し上げたいと思います。
 資料1に関しては、OECDが追加的に検討している、これはどういうことをやっているんだということが1つと、今お答えいただく必要はありません。この資料のつくり方のスタンスとして、ヨーロッパのいろんな例が出ているんですが、これを見ると政策オプションとして何があるかということだけを示していて、むしろ我々としてちゃんと次日本でどうやるべきかということを考えるためには、それぞれの国が一体論理的に何を考えて、その論理の部分で違うことがあったのか、あるいはむしろ政治的な判断として導入するときの妥協としてこういうことが起こったのかという話を分けてしまって、前者の方についてはこれこれで、後者の方はこれこれで、日本はこうだからこういうことをやりましょうという、経済分析だから当然そういう話が出てくるのかと思っていましたら、メニューだけ並んでいるというのは何かスタンスが余りサイエンスチックじゃないんじゃないかと。もちろん調べるのが大変だというのはよくわかるんですが、努力としてはそういうことをやる必要はないでしょうかというのが1点でございます。
 それからアナウンスメント効果の方を先に申し上げたいんですが、実は私は交通が専門なんですが、ヨーロッパと日本で交通のエネルギーとか環境に対する感覚は全く違っています。二、三十年ずれがあるぐらいかなと思います。私が四半世紀前にドイツに住んでいたとき、既にもうこういうことは大変な関心事でしたし、交通だけじゃなくてスーパーマーケットへ行ってビニールの袋をくれるなんていうことはもうなかったんですね。
 アナウンスメント効果として価格弾力性プラスどうのこうのという話はもちろん重要なんですが、もう1つ根本的な意識をどう変えるかというアナウンスメント効果と言っていいのかどうかわかりませんが、そっちの方が結果的にはすごく重要な気がいたします。これが2点目です。
 それから3点目は、オイルショックのときもそうでしたが、欧米の人たちの車とかガソリンに対する、価格に対する感覚と日本人の感覚がどうも違っていて、何ていうんですか、けちじゃないっていうんですか、価格に敏感に反応しない感度の悪さみたいのがこの国は随分あるような気がします。こういうことと環境に対する関心の低さがどうもいろんな意思決定に影響して、それがマスになってきて、またそれが悪い方向に働いてというようなことで、うまくいかない面がすごくある気がする。そこをどうすればいいかという話を、ここの経済分析の場なのか、あるいは政策のセットの外で議論するべきなのか、わかりませんが、非常に気になっています。
 例としては、この前も申し上げましたが、何で日本だけは都心で自動車の規制をしないのか。もう本当に日本だけ、発展途上国もそういうことをやっているにもかかわらず、議論すると最初からすべての人が反対です。みんな反対するから、例えば警察の人たちも取り締まるの大変だし、文句があるからって、そこも反対ってなって、ほとんど導入不可能、こんなことになっています。
 これ一番最初ドイツで60年代に始めたときにやっぱり物すごく反対が、エッセンがそうです。そのときに1つの区間だけやってみたらうまくいったんで、周りもやってくれという格好でだんだん広がっていってという、そういうことを通じて意識がだんだん変わってきた。ところが、日本は同じ時期に歩行者天国という、銀座で土日だけっていう、ああいうことをやったものですから、いい空間がつくれなくて、結果的にただ自動車が不便なだけという、こういう感覚。ドイツの方はすごくいい空間になって、これはこの方がいいよって変わり、そういうことを通じてだんだんこういう問題が重要だというような意識が広まっていったわけです。どうも何かそこのボタンのかけ違えみたいのがずっと環境についてあって、それが議論が環境税というところにきて、しかもアナウンスメント効果は非常に狭い範囲のアナウンスメント効果に突っ込んでいって、そこで何%ありますとか計算ができませんとかってやっていくと、一体どこに行くんだろうというようなことがちょっと気になってきた。
 長くなって恐縮でした。

○神野委員長 ちょっと意識の問題その他含めて、道などもヨーロッパの場合には環境だけではなくて人間の交流する場なので、その交流する権利を侵さない限りにおいて自動車の通行を認めるという概念があるので、町と町を結ぶ道路はどんどん走ってくださいと、しかし町の中は人間が交流する場ですからというような、総合的な問題を含めて意識が違いますよね。環境の問題も自動車などもリサイクルなんかもかなり前から、あれ組み立て性じゃなくて解体性を考慮して設計しなければならないので、かなり意識変化が必要なんですけれども、向こうはずっと前から進んでいましたよね。

○森地委員 1966年のドイツは自動車税を公共交通にも使う、都市内だけに限っては使うというような、値上げ分だけですが、そんなことをやっているわけですね。だから、やっていることがどうも。

○鎌形環境経済課長 幾つかご指摘があったんで、自動車と交通関係は小林局長から少し申し上げますが、OECDの追加的な検討については、漠然と書いてあるだけですので、もう一回ご報告いたします。
 それから、あと諸外国の例を、まとめ方の問題なんですけれども、確かに実はこれでも、これでもと言っては失礼ですけれども、どういうふうに導入しようとしたのかという経過をいろいろ分析しようとしたんですが、なかなかうまくいかないところがございますけれども、できるだけ何がまず意図にあったのか、それでじゃそのときの政策的背景というのがどうだったのかとかいうことにもう少しクリアカットにまとめるように努力してみたいと思いますが、外国のことですので事情もなかなかよくわからないというのもあります。ちょっと難航しているところでございます。まだ引き続き努力をしたいと思います。

○神野委員長 ほかにございますでしょうか。どうぞ、はい。

○小林環境管理局長 すみません、環境管理局長でございます。
 自動車等々を担当しておりますし、たまたま飯野先生が専門委員会時代、あるいはもっと遡りましてCOP3のころとか、環境税をずっと担当させていただきましたんで、今のお話、直接返答のできることではないんですが、コメントとして感じたことを少しお話ししてみたいと思います。
 奥野先生からお話ありました点も、今、森地先生からお話ありました点も、恐らく私の耳には環境にもっと費用の払える国といいますか、環境という生産要素の対価が正しく支払われる、価格付けが正しくできる国になるべきだと、それが正しい経済だというお話をされていたように承ったんですね。
 本当にそういう国になるべきだと、そう思うんでありますけれども、現実を見ますと環境対策をしたときのコストというのは、例えばGDPがどれだけ落ちるかというようなことで世の中に問われる。比べる相手のGDPは何なのかというと、それは環境対策をしないときのGDPなんですね。だから何か本末転倒だなと、我が国では、まだまだ環境対策をしないことが原則で、環境対策者用というものは正当な費用として位置付けられているのかなと思うわけであります。そういうふうに聞かれる国でありますので、どうしてもピグー税みたいのがぽんと入るというのができなくて、せめて環境対策をした人はある程度しやすいようにと、他方、環境対策をすることによって経済がめちゃくちゃ変わってしまうということは避けようということで、結局は、環境対策をしない人からお金を少し取って、する人に継ぎ足すという形で微温的といいますか、少し軟着陸をしていこうというのが現実的な考え方ではないのかなというふうに思うんです。
 そういうふうに見ますと、なかなか高い税率でぼんと世の中を正しい経済に導くということができないと、やはり税収というものを全くフリーに、例えばほかのものの減税に使ってしまうとか、ニュートラルに使えないということがきっと起こってきて、それで環境対策に使っていくのも一案かなということになるんだと思います。
 そういう目で見ますと、ヨーロッパの税収、ニュートラルな税制というふうに言われているものも結構タックスエクスペンディチャーはあって、先ほどの和気委員の方からお話ありましたように、いろんな政策パッケージの中で、環境対策を他の例えば排出量取引でやれば環境税は減税される、こういう仕組みになっているわけですから、環境対策にやっぱり使われている部分もヨーロッパでも結構ある。今おっしゃったように、道路対策や何かについて組み合わせることも原理的にはあるんだと思うんです。
 この意味で見ますと、変な話ですけれども、私どもとしてみれば環境税を、環境税だけにステイックするわけではなくて、ここは先ほど田村総政局長の方からお話ありましたように、広く議論すればいいわけでありますし、去年提案したのがすべてだということでは決してないんです。少ない税収を、例えば道路対策に使うとか、あるいは環境対策、もうちょっと広い環境対策に使うことによって、さらには他の政策も併せて講じて国民意識を変え、大きな戦略的な社会の変更というのにうまくつなげていけないか、そういうダイナミックな動きを起こせないかと、こういうことにもなっていくのかなというふうに感じた次第であります。
 結論的には、いろいろな幅広いポリシーミックスを検討しなければいけないと、こういうことだと思うんです。現に配られた資料1でも、これは運輸系の方の分析でありますが、先ほど佐和先生の方からご指摘のありました8ページ、9ページあたりでいろんな分析をしておりまして、9ページの真ん中にあります集計結果でも、これは逆に補助金による効果のリバウンドだとか、そういうものも計算しているんですね。そういうようなことで、ポリシーミックス全体についていろんな分析をすることによって、税収をポリシーミックスに使うということも含めた分析が可能になってきて、その中で戦略的に税収をうまく使っていくという方向についてご議論いただくということが可能になってくるんじゃないかなというふうに思います。
 何か言っていることが散漫で申しわけないですし、釈迦に説法で申しわけないんですが、私の言いたいことは価格効果と税収の財源効果と、そもそも大体違うことを言っているんじゃなくて、その両方を使ってどういうふうに現実の経済を変えていくか、御議論を焦点ぼけで申しわけないかもしれませんが、聞いておりましてそう思いました。
 それから2点目でございますけれども、税以前の問題として、交通対策なんかがおくれているんではないかと、こういう御指摘ですが、本当にそうだと思います。ただ日本の場合、これも釈迦に説法になりますけれども、例えばトラックの入れない地区をつくってみたりとか、目に見えない形でそういうこともやっておりますし、あとNOX・PM法という法律がありまして、東京とか大阪については事実上強制的な廃車ですよね。古い年式の汚い車については強制的に廃車をするという厳しい規制が行われています。空間の利用として都心には車が入れないといったような規制を行うほどの高い環境モラルが国民の間にないということは確かにそうだと思いますけれども、対策もモラルもだんだんに進歩しているんではないかというふうに思っております。

○森地委員 ちょっといろんなことしゃべって、うるさいことしゃべったつもりで誤解を与えたかもわかりません。申し上げたかったことは、アナウンスメント効果としてここでこういう計算をするのは全く反対じゃないんですが、ここの外で政策を考えられるときに、日本人の意識全体をどういうふうに変えていくかという話を申し上げたかったんです。

○佐和委員 ちょっと今のに関連して。

○神野委員長 ちょっと待ってください。どうぞ。和気委員、ちょっと先に。いいですか。

○和気委員 ちょっとつけ加えるというか、ポリシーミックスという言葉を使うときにちょっと気をつけなければいけないのが、例えば環境税の税収を環境対策に使うということをポリシーミックスという、これも一つのポリシーミックスなんですが、本来はいかにCO2排出削減するかということですから、国内排出権取引とか、あるいは海外からのCDMをどうするかどうするかとか、そういういわゆるCO2排出のための新しい手法がいろいろあり得るので、そことの組み合わせ、例えばイギリス方式もその一つだと思うんですが、その辺をポリシーミックスと使う場合にはもうちょっと広げて議論した方がいいんではないかなというふうに思います。

○神野委員長 では、佐和委員で最後にさせて、この話題について最後に、じゃ佐和委員で。

○佐和委員 関連意識の問題をいろいろ森地さんからおっしゃったんですけれども、その意識って何だろうかということですね。そうすると、話が環境教育にいってしまうんですね。環境教育なんかしても意味がないと僕は思うんですよ。要するに知的レベルを上げることの方が重要だと。
 それはさておき、要するにライフスタイルの美意識なんですよね。もともとこの国ではバブルのころまではといいますか、80年代半ばごろまでは質素倹約とか質実剛健というライフスタイルが格好いいというような、つまり美意識と言うと大げさですけれども、要するに何が格好いいかということなんですね。ところがバブルのときに美意識の180度転換みたいなのが起きて、3ナンバーの高級車に乗るのが格好いいというふうに意識がすごいがらっと変わったんですね。ところがまた回帰現象といいますか、もとに戻りつつあるんではないかということで、これは森地先生が多分お詳しいので聞きたいんですけれども、例えば人キロ当たりのガソリンの消費、つまりよくシーマ現象からビッツ現象へという言い方をしますけれども、かなり小型化してきて、結果的に最近目に見えて人キロ当たりのガソリン消費というのが減っているかどうかということなんですけれども、その点いかがなんでしょうか。

○森地委員 大型化して逆にふえています。

○佐和委員 大型化していますか。そうすると、必ずしもビッツ現象というというほどのことではないということですね。
 それからもう1点、テクニカルなことですけれども、増井さんに伺いたいんですけれども、ご説明がはしょられたのでよくわからないんだけれども、2ページ目を見ると、アナウンスメント効果を企業が設定するためにFRDを賦課すると書いてあるんですね。この3ページ目の式を見ると、FRDという変数は出てこずに、Dですね、結局。

○増井委員 Dです。そうです。

○佐和委員 DのいわゆるDパレルというのが6.2、これこれで有意であるということですね。

○増井委員 はい、そうです。

○佐和委員 そして、結果的に最後といいますか、3ページの一番最後のところに、2010年でいえば14.6%の削減なんだけれども、そのうちの13.8%がアナウンスメント効果だと。これは業務用に限るとおっしゃいましたか。

○増井委員 はい、そうです。業務に限る。

○佐和委員 ああ、そうですか。いずれにせよ、要するに価格インセンティブ効果よりもアナウンスメント効果の方が圧倒的に大きいということが計量的に示されたというふうに理解していいわけですね。

○増井委員 そうですね。ただ先ほども申し上げましたように、アナウンスメント効果だけをどのように取り出しているのか、式をどのように変えているのかという記述が報告書の中にはなくて、この結果だけしかありませんでしたので、この点については疑問に思うところがあるんですけれども。とにかくこのレポートから結論として言っているのは、アナウンスメント効果の方がかなり大きいというふうに言っています。

○佐和委員 私は一般的に、例えばさっき資料1にありましたような自動車税制のグリーン化ということを試しにやってみたら、結構低燃費車がふえたというのは、これはもうそろばんはじいて元が取れるから低燃費車を買いましたというよりは、むしろそろばんはじいたって元が取れない、だけれども買ったということで、アナウンスメント効果というものがやっぱり非常に大きいと思うんですね。

○神野委員長 ちょっとそれではもう既に2番目の議題に入っておりますので、1番目の議題については打ち切りというわけではないんですけれども、私のような無能な学者がいつも最初に講義をするときに悩むことは、例えば財政学の講義をすると、そもそも財政学で扱う学問の対象とする財政とは何かということを学生に説明しないと入れないんですけれども、しかし財政とは何かというのは講義全体を聞いてもらってもようやくわかるか、わからないかもしれないっていう話になるはずです。
 それで、きょうもこれから議論を進めていただく上で、環境税はどう位置付けるのかという問題提起をしていただいたわけですけれども、これは全員がこれに一致しているというよりも、これを通じて少し、つまりこれからの議論全体に通じること、もう既に中身に入ってしまっていますので、ということになりますから、まず取っかかりということで、それぞれ認識は違うかもしれませんが、位置付けについてはこんな論点がありますよということだけ共通の認識とさせていただければというふうに思います。
 私のように経済学ではなくて財政学の立場から言うと、税金というのはが3つの条件がなくてはだめで、1つは強制性、強制的に金を取る、それからもう1つは無償性、これは反対給付の請求権、金を払っても何かサービスは個別にくださいと、個別のサービス、ただのものがないと、むしろこれが崩れると手数料とか使用料とかというふうに言うわけですね。あるいは受益者負担金。それから収入性がないと税金とは言いません。これは罰金とか賦課金とか課徴金とかと言いますので、言いません。ただ、これかなり緩めています。ヨーロッパではかなり厳格に定義をしていたんですが、スウェーデンではこの間ぐらいからぐちゃぐちゃに、これも税だというふうにしておりますので、税学者の方から。
 例えばフランスで、ごみの有料化が出ていますが、フランスではごみ処理を地方自治体が課徴金を使うというと手数料でやる場合にはごみを出した人々が個別のサービスごとに払うんです。これは税ではありませんから、課徴金というか手数料、使用料みたいな形で取る。
 ただし、ごみを処理するということは社会全体をクリーンにし、社会全体の人々に利益を与えますよねということでいくと、税でいくわけですね。そうすると、そのごみ処理を税で処理している地方自治体は住居税に上乗せします。住居税の定義は難しいんですが、簡単に言ってしまえば日本の住民税だというふうに考えていただければいいわけですが、住民税の上乗せをしていくわけですね。
 日本でやっている森林関係税で住民税の均等割を上乗せしているというのは、そういう発想方法だと思いますので、そこら辺を議論し始めるとか解決つきませんので。ただ、環境税の問題として、いわゆる環境政策の手段として利用する、それから環境政策の手段の中でどう位置付けるのかという話と、それから税制の中でどうやって位置付けるのかという話があるとか、そういうことを問題提起としていただいているので、この点を今後とも頭に入れながら進めていくということでとどめさせていただければと思います。
 それで、時間がございませんので、2番目、3番目の議題、アナウンスメント効果、それからアンケートの分析をどう進めるかなどについて、少し生産的なご意見をいただければと思います。いかがでございましょうか。
 先ほどの佐和先生の問題についてはよろしいですね。増井先生のお答えでよろしいでしょうか。

○佐和委員 はい。

○神野委員長 はい、どうぞ。

○佐和委員 ちょっと話が戻って恐縮なんですけれども、これ税の専門家の神野さんに対する質問なんですけれども、イギリスでクライメイト・チェンジ・レヴィー、イギリスでは税と言わずにクライメイト・チェンジ・レヴィーというふうに言っているのは、税の専門家といいますか、狭い意味での専門家の間では税源が安定しているということが課税の一つの原則であると。ところが、むしろ化石燃料の消費を減らす、つまり税源をやせ細らせるための税だということで、これは本来の税じゃないという考え方があるんでしょうか。

○神野委員長 そうです。レヴィーというふうに使う場合には、今おっしゃったように1回限りぼんとやるとかというときに使いますので、リカードが提案しましたキャピタル・レヴィーといった場合には、日本語で課徴金と訳していなかった。日本では財産税と訳しています。第二次世界大戦後、国債がたまってしまったのを1回の財産税でもって消去して、1回限りかけるわけですね。これキャピタル・レヴィーといいますので、本来は税と言わずにレヴィーというふうに言っています。
 それからついでに申し上げておきますと、一般的な利益ではない救貧税について、つまりレイトという不動産税に対して、これはサッチャーは税金を払っている人は富裕な不動産を持っている人なのに、利益を受けている人は救貧活動によって受けている利益で、この人は税金を納めていないわけで、応益関係がないじゃないかと言ったわけですね。しかしそれは当然反論が出て、タックスじゃないですよと。タックスというのはそういう個別の応益関係を完全に分離しているはずですからという議論があったので、サッチャーでさえタックスという言葉を使えずにコミュニティーチャージ、タックスでなくチャージと呼んでいるわけです。すみません、余計なことですが。
 あとそれですみません、ちょっと重要なのは、アナウンスメント効果とアンケート問題なんですが。

○奥野委員 いや、厄介な話には入らないで、区切りがあることだけをお聞きしますが、ちょっと差し入ったことに関連するので、また怒られるかもしれませんが、アンケート調査なんですけれども、やるのは大変結構だと思うんですが、ちょっとよくわからないのは、イとウですか。要するにある種価格弾力性ですよね。これを2%のグループだけやって環境税なしのグループはしないとか、そこら辺なぜなのかなというのがちょっとよくわからない。
 それから、2%価格が上昇したときだけの話をしているというのもちょっとよくわからなくて、2%グループにも10%上がったときにどうしますかとか、そういうことをもう少し横断的にやられたらいかがかというのが1つと、もう1つはアの方に戻るんですけれども、要するに全体的に私が一番最初に問題提起をしましたのは、エネルギーの抑制をするときに使用を控えるという形でエネルギー抑制をするケースと、もっとエネルギー節約型の機器に買いかえるという形での節約をするケース、2つあるわけですね。それが後者を使うときに補助金をという議論も出てくるかもしれないわけですね。それは自分がしているわけでもないし、どなたがしているという意味じゃないんですが、そういう可能性もあり得るので、そこをせっかくやるならきちんと議論をしておくべきじゃないですかと。それから、場合によってはそれこそ新しく、今まで使っていなかったんだけれども使いますという人もいるかもしれませんし。
 そういうものを全体的に見て、どうやるのがエネルギーを抑えるために一番効率的なのかということを少しこういう計量的に考えましょうというのがこの委員会の目的だと思うので、せっかくやられるんだったらいろんなことを全部やっておいた方が、後で後悔しないんじゃないかなというふうに思いますが。

○神野委員長 はい、ありがとうございます。どうぞ。

○鎌形環境経済課長 ちょっと先ほどかなり説明をはしょってしまったのは大変恐縮でございました。
 それでまずこのアンケート調査のコンセプトにかかわるんですけれども、まず環境税なしのグループと10%とか2%に分けておりますけれども、結局例えばイとウの質問ていうのは、何か変化があったときに、つまり環境に変化、つまりエネルギー価格が上がったときにあなたはどうしますかと、こういう質問の類型になりまして、環境税なしのグループですと、その変化がないものですから、どういうふうに、つまりこれからどうしますかと漠然と聞いてその答えが出てくるのかというところがあったんで、なかなか環境税なしのグループについて質問の設定が難しかったというか、そういうことがございました。
 ちょっと議論もしたんですけれども、環境税の議論関係なしに、それでも何かこれからあなたは例えばエネルギー、ストーブの使用を控えますかとかいう漠然とした聞き方もあるか、こういう議論もしましたけれども、なかなかそれをどういうふうに位置付けるのかというのが議論としてまとまらなかったので、なしという形にしたものでございます。
 それから、あとは例えば価格上昇2%グループへの質問で、5ページのイのBの部分に「全く変わらない」から2%、4%と書いてあるんですけれども、この2%、4%という数字に大きな意味を持ってしまっているのはちょっと我々もよくないかなと今思っているところなんですけれども、基本的には全く行動を変えませんというところから、この2%という意味は要は今まで払っていたエネルギーの費用、コスト、それと変わらないぐらいまで何とか帳じり合わせるというぐらいの行動なのか、あるいは4%、ここはまさに数字に意味がなくて、これを機会にもっとエネルギーの使用を控えて、要するに税がかかるというこの機会にもっともっと省エネ効果を高める、こういう行動があるか、こういうものでございます。
 これも10%の場合も同じように、趣旨で2のところには多分10という数字が入ると思うんですけれども、10%価格が上がれば少し節約して、結局使い方を10%減らして前と同じぐらいの費用にしようという行動をするのか、あるいはこれを機会にもっと大きくしようとするのか、こんなような趣旨でございまして、もう少しその辺を精査してみたいとは思っております。

○神野委員長 よろしいですか。いや、どうぞ。

○藤井委員 議論が出ていますが、価格弾力性の議論についてはやはりここで検討されている税率が小さいわけですから、物すごく大きな効果をそのものに期待するというのはなかなか難しいと思う。産業と一般消費者の人たちとは反応がかなり違うと思います。
 産業部門の省エネルギー機器の、また炭酸ガス削減の可能性についても議論してきたグループに属していた者として見てみますと、レートリターンにすると2年とか3年でこちらが計算しても合うはずなのに、なかなか機器を導入してくれないという企業がいっぱいいて、これぐらいの税率で即インセンティブにそれが結びつくというふうには私自身はなかなか思えない節があります。そういうふうに、消費者もっとディスカウントレートが高くて、一般的には、そういう意味ではなかなか機器の選択においても容易にしてくれないというのが、この考えられているアンケートなんかのフレームワークでも出てくるんではないかという気がします。
 ただし、アナウンスメント効果もそうですが、先ほどから出ています少し広義の意味でのポリシーミックスという議論をしたときには、少しいろいろな効果が出てくることが考えられるんではないかと思います。これは類似の例ではないので、皆さん方専門の方々どういうふうに思われるかというところがありますが、あるところで私が市の方々と市長の諮問を受けて廃棄物のごみの課税をするかどうかという議論を全く市民の人たちとだけ議論をしたんですけれども、専門家は僕ともう1人しかいなかった。
 今、ごみ量が減っているので、ごみ量が減っているときに課税なんかすることに何の意味があるんだという議論がありましたし、大勢は一人も賛成がなく全員が反対というのが8回あった会のうち6回目ぐらい続いたんですね。しかし、7回目に私はちょっとしたペーパーを書いたものをお見せして、今考えられているポリシーミックスと同じようなアイデアを実際に福岡市が導入したんですが、薄く廃棄物の料金をチャージといいましょうか、ピットしてとって、それをもとに、原資をもとに、市民がかなりそれをマネジメントできる、例えばリサイクルだとかいろいろな市民のアクティビティーにそのお金を使えるというフようなレームワークにしたところ、かなり多くの人たちが納得したというところがあって、そういう話をしましたところ、私の経験でも6回目ぐらいまでほとんどの人が全員反対だったのが、急に意見が変わって、廃棄物を有料化しましょうというふうに最後は答申の結論が変わってしまったということがあります。ついこの間なんですが。
 それはやっぱり価格弾力性とかアナウンスメント効果をさらに超えて、税の使われ方に対する主体的な働き方ができるとか、前にちょっと委員会でも申し上げたんですが、ガバナンスの打ち込みの話とも非常に関係しているんではないかという気もします。
 市民が参加できるというんでしょうか、特に消費者の場合には何らかの主体的に行動できるかどうかというファクターはすごく重要だというふうに僕は思いますので、ポリシーミックスを議論するときに、そういうファクターがないと弾力性、アナウンスメント効果だけでも足らないような気がして仕方ありません。その意味では、アンケートを見ていても商品AとBとがここでアンケートを一つの材料として出ているんですが、一般消費者向け、これではなくて先ほど奥野さんがおっしゃったように、クォリティーのファクター、つまり環境意識の議論だとか、環境意識についてどういうふうに思っているかとか、自分たちが税金を使えるということに対して、例えばもし自由に使えるとすればそういうファクターはどうだとか。
 一つの代替案にしか過ぎませんが、そういうようなファクターの方が多分はるかに大きい影響をもたらすと思います。私が以前に計測した質的選択のモデルでも、一番大きかったのはやっぱり過去の環境意識とか、過去のリサイクル活動に参加したとか、そういうことが一番説明力があったということを申し上げます。

○神野委員長 はい。

○鎌形環境経済課長 特に最後の点なんですけれども、意識というものの効きのぐあいというんですか、そういうものが非常に大きいということ。確かにあるかと思いますが、これまでどういう文脈で検討してきたかということをご紹介しますと、実は環境税の効果というものをどういうふうに見るかという分析を私どもしてきたときに、価格インセンティブ効果ということではやっぱり2つあると思っていまして、先ほど奥野先生からもお話がございましたけれども、節約をするというようなことと、それから機器選択において効率のいいものを選択するという、2つの効果があるとは考えていましたけれども、結局いろいろモデル上の分析をするとか、あるいは今回こういう提案をしたときに具体的な提案をして、これがどういう効果を有するかということを皆さんに訴えかけていくと、そういうときに、実は機器の代替をしていくという効果はモデル上も組んで、実際に技術選択がどう行われたか、いわゆるAIMモデルというもので計算をして、それでこれぐらいの効果がありますというものを出して、そういう議論はよくやってきたということでございます。
 ただ、実際に車の運転を控えるとか、電気を小まめに消すとか、そういった節約へのインセンティブというんですか、そういうものは実はありそうなんだけれども、どれぐらいあるのかよくわからないというところがありましたので、そこは捨象してしまって、そういう効果は実は見込まないで具体の数字を出して、環境税の効果は何%ですというような、こんなような説明をしてきたという経過がありますので、なかなか正直にそこはどういうふうにしようかって苦労していたところかと思います。
 ちょっとアンケートみたいなそういうところがうまく工夫できるのか。このアンケートの中では実は結局イとかウ、節約をするのか、あるいは心がけをどうするのかというところで、そういうところを見ていこうとはしておるわけでございますけれども、もうちょっとうまいやり方があるのかどうか、ご示唆も踏まえて考えてみたいとは思います。よろしいですか。

○神野委員長 ちょっとお待ちいただけますか。後藤先生。後藤委員が先に。

○後藤委員 少しお願いというふうな形になるかもしれませんけれども、この委員会のもう1つの目的が環境税を入れたときにどういう影響を与えるかを検討するということで、前回のこの委員会でも委員の方からいろいろこういうことが起こり得る、こういうことも考えなければならんというような、いろんなご指摘がありましたね。そう思うんですが、そういう可能性は幾らでも議論できるけれども、なかなかそれに答えられるような客観的な根拠が我々には少ないというのが事実だと思うんですよね。ですから、それに何か寄与するような形でのアンケートを考えられないものか。アンケートもいろんな短所がありますので、注意が必要ですけれども。
 ですから、1番目の要望というものは、独立してこういうアンケートというものが今計画されているみたいですけれども、委員の先生からどういうようなアンケートが欲しいのかとか、そういうものを少し集約したような形でアンケートをつくっていただければいいんじゃないかなと。
 2点目ですが、私はモデル分析とか、そういう仕事をこれまでやってきましたが、今のようなことをあらわすクールシャルなパラメータとか弾力性ですね。これまで出てきておりますが、極端に言えば弾力性が我々に確実にわかれば、それで仕事は半分終わったようなものですね。しかし、これだけキーパラメータにもかかわらず、客観的な方法というのは我々が過去のデータから推計するしかないんですよね。前回に天野先生の推計結果が出ていましたが。
 私もやっていますが、あれ結構統計学的な精度ではばらばらでありまして、産業によって余りよくないのもあるし、よかったとしても、データの期間を変えると結構不安定なんですよね。ですから、それに依存するというのに対して、私はモデラーとして、でもちょっと心の落ちつきなさを感じます。よしんばその弾力性がある種の研究で完全に推計できたとしても、これでも産業界がよく言われるように、これまで省エネをやり尽くしたと。ですから、これから同じことが起こるとはかぎらないという形でその弾力性をこれからのモデル分析で使うということにクエスチョンマークが幾つかつくわけですね。
 それで、そうした弾力性を補うものとして、アンケートというのももちろんいろんなバイアスがかかります。が、一つのやり方としてそういうアンケートから弾力性というものを推計してみる。そうした弾力性がもし過去のデータから推計したものと非常に近ければ、我々は極めてロバストなシミュレーション意識のようなものを持てますし、もし違えばそういう違ったアンケートに基づく弾力性でシミュミレートするとこんなふうになるという、もうちょっと別なシナリオを描けるということで。そういう、これはちょっと大変かもしれませんけれども、謝礼も払いながら訪問調査までして細かく統計学的に弾力性を推計できるような数量的なアンケート調査を、可能ならこういうこともお願いできればと。

○神野委員長 お待たせしました。ちょっとすみません、森地先生、後で。

○山地委員 今の後藤先生の話ともちょっと関係があるなと聞いていましたけれども、私はこのアンケートで価格効果とアナウンス効果をどうやって分離するかというところが非常に重要なポイントだと思うんですよね。弾力性というのは現象的ですから、ミックスした結果になっているんだと思うんですよ。だから、本当はアナウンスしているのと実際に価格が上がる間のところ、さっきイギリスの例で和気さんがやったようなことをやらざるを得ない。
 アンケートでやるとすれば、プライベートなディスカウントレートって個人によって分散があるでしょうから、5年でそれをとるとらないにパーセンテージがある。税導入前にこれが50%だったとする。価格効果で環境税を入れてこれが例えば4年になったとしたら、50%が60%になったとする。しかし、そもそもその50%を決めるところに影響を与えるのが環境意識があるわけですよね。環境意識が変わらない場合に、5年が4年になったら60%になった、しかし、環境意識に与えるアナウンスメント効果があったんで、普通なら60だったところが65になったとすると、その5%余計にいったところがアナウンスメント効果だとか出る。頭の中ではそれはわかるけれども。それがわかるような設計にこれ今なっていないんじゃないかと思うんですけれども。どうしてもこれだとミックスした、統合された結果しか出ない。それがしかしそれでもいいのかもしれない、アナウンスメント込みの効果ということで。

○神野委員長 ちょっと待ってください。今、切ってお答えいただく。

○森地委員 関連します。極めて簡単なことです。

○神野委員長 関連します。じゃ、ちょっと森地先生先に先に。

○森地委員 先ほどのご発言と同じで、ステイテッド・プリファレンスとシビル・リファレンスの問題で、この中にこの間電気代が上がったときにどういうことをしましたかというのとセットにしておくと、完全とは言いません、もうちょっと何かが分析できるかもわかりません。

○神野委員長 はい。関連します。

○和気委員 はい。

○神野委員長 そうしたら3つ、はい。

○和気委員 関連するというか、参考になるかどうかわかりませんが、今リスクコミュニケーションというような分野でいろんな人々の意識とか考え方、一種の地球温暖化の問題をどう人々が認知するか、それをどう行動に移すかという、広く言えばリスクの問題になるわけです。
 例えば大きく2つの対象サンプルを分けまして、1つはある種の地球温暖化についてかなり詳細な情報を与えるという、つまり学習のプロセスっていったら大げさなんですけれども、こんなふうになるよと、そういうものを、もちろん情報にアクセスできますが、日ごろ皆さんそういうことを、漠然とは地球温暖化問題はわかっていますが、そんなにはよくわからない人が多いんです。ましてやベネフィットがみずからの生活の中に来ませんので、しかもグローバリッシュですから、コストは非常に敏感に反応するけれども、ベネフィットは反応しないという、非常に環境問題というのは厄介な代物なわけです。
 したがって、そういう問題をいかに認知し行動に移すかというときは、大事なのは情報というか、学習のプロセスがどうなっているかというのが重要なんだと私は思うので、大きく2つのサンプルに分けてみたらいかがかな。つまり、1つはそういう情報をきちんと入れて、学習プロセスを1ステージ置いて、その上で聞くという。しかも2%なんて限定せずに、何%の時点で、例えば4%、5%という幾つかの複数の価格変化を入れて、どの時点で人々は新しい機種に変化するかとかいうような、もうちょっとバラエティーのあるようなオプションを入れるとか、何か工夫はできるかなというふうに思いました。
 以上です。

○神野委員長 まとめてお願いします。

○鎌形環境経済課長 いろいろとご意見いただいて、なかなか難しいところもあるんですけれども、ちょっと調査もいろいろ精密にすればするほど、多分サンプルのグループもふえてきて、あるいは調査を精密にすればするほど調査員の負荷も上がって、その辺もバランスで考えていかなければいけないというところはあると思いますけれども。いろいろとあったものは少し考えていきたいと思うんですけれども。
 1つは価格効果とアナウンスメント効果を分け切れるような、そういうものになるかというところで、確かにこれにはなっていないというようなことでございますけれども、ちょっとどういうふうにしていったらいいのかというのはなかなか難しい点があるかと思うんですけれども、とりあえずこれを設計したときに考えましたのは、ゼロのケースと2%のケースと10%のケースと出てくるということでございまして、仮に2%のケースでも10%のケースでもアナウンスメント効果というのが同じであるとすれば、2%の数字と10%の数字が出てきて、それをゼロと比較することによって若干少しすき間というか、出てくる。そういうところが何かあるかもしれないというのは期待としてはありますが、でも2%の税と10%の税のアナウンスメント効果が同じという仮説もまたそれは不安定なものだと思いますので、それを実際のところ考えてはみたんですが、少しどうやって解決しているかよくわからなかったので、こうなっているということでございます。きょうの後もしご指導いただければ、少しご議論させていただければ、うまく反映できればというふうには思います。
 それから、例えば学習プロセスを入れるとか。つまり詳細に温暖化情報をご説明した上で答えていただくという分と、それから単に紙をぽんと出して答えてもらう、そういうふうに分けるとかいうようなことかと思いますけれども、その辺実際にどれだけの数の人にどれだけの調査員使ってできるかということが、正直コストの問題もありますね、その辺も踏まえながら考えたいと思います。

○神野委員長 ほかいかがでしょう。最後に飯野先生、全体に何かまとめてお願いできればと思いますが。

○飯野委員 それでは前回の委員会からの議論の流れについて少しお話しさせていただきます。
 前回の委員会では、まず最初に、税だけによって目標を達成しようとした場合の経済効果について議論をいたしました。しかし税だけで目標を達しようとすると、とても国民の支持が得られないような高い税を課さないと達成できないことが分かりましたので、実現可能性の高い方法を考えようということになり、税収も利用するとどれくらいの税で目標を達成できるかを計量モデルを使って計算していただきました。その結果、その税収を利用できるならば、それほど高い税を課さなくても達成できることが分かりました。
 また実際問題として、環境省のこの委員会は税制調査会ではないので、他の国が環境税を導入するときに行った税収中立の議論、つまり他の税を減税する代わりに環境税を導入するといった議論ができませんでした。その結果、単なる増税の提案とならざるを得なくなり、あまり大きな増税とならないような配慮をせざるを得ませんでした。こうした議論を経てできあがったのが環境省の提案でありますが、そのような検討プロセスを見ていただかないで提案だけを見ますと、環境省が財源を欲しいためだけに環境税の提案をしているように見えるのはある意味でとても残念です。
 先ほど森地先生が言われましたように、日本では消費者の需要の価格弾力性はそれほど大きくないということは事実だと思います。しかしこの環境税に対する産業界の反応を見ておりますと、産業界はひょっとして大きいと思っているのかもしれません。したがって産業界に対するアンケート調査というものがあっても良いかなと言う気もしますが、産業界の方が本音で答えてくださるかどうか不安を持っています。

○神野委員長 はい、どうもありがとうございました。先ほどから出ている議論で、ベネフィットの問題でいくと、これ財政全般にわたる話で、公共サービスの利益は各個人にどの程度与えるのかというのは説明は難しいわけですね。我々いつもそれは大気のようなものだというふうに説明しているわけですが、これ大気そのものになるわけですので、税金の方は個人のところから完全に負担が、自分のところが取られますので、自分から取らないで必ずほかの人から取ってくれというふうにアンケートが出てくるわけです。
 ただ、私がいろんな県で環境関係、例えば三重県とか神奈川県とか引き受ける前に、アンケートを必ずとってもらうんですけれども、その際出てくるアンケートは負担を嫌だという意見よりも、使い道に非常に関心を持っていて、使い道が納得するのであれば税は負担するという結果がどこをやっても出ます。
 三重県には宮川という川がありますけれども、あの川の水質をきれいにしてくれるんだったら、2,000円か5,000円だったかちょっと忘れましたけれども、ここまで負担するとかということは必ず出てきますので、そう悲観せずに見ていただければと。ただ聞き方が非常に難しいかなという感じもいたします。
 ちょっと私の不手際で時間をオーバーしておりますので、この辺で今回の会議は終わらせていただければと思いますが、次回は6月14日でございます。ご記憶にとどめていただければと思いますけれども、10時から。場所がまた移りますので。連絡は行くわけですよね。経済産業省別館の1028号室で予定されておりますので、この会議につきましてもお忙しいとは存じますが、ご協力をいただければというふうに思います。
 本日はどうもありがとうございました。

午後0時07分閉会