■議事録一覧■

中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会
 第24回施策総合企画小委員会 議事録


平成18年4月19日 午後2時00分 開会

○鎌形環境経済課長 本日はお忙しいところお集まりいただきましてどうもありがとうございます。定刻を回りましたので、ただいまから、施策総合企画小委員会第24回の会合になります。開催させていただきます。
 それでは、森嶌委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○森嶌委員長 それでは、ただいまから、施策総合企画小委員会第24回の会合を開催させていただきますが。前回2月の委員会におきましては、最近の環境税関連の動向につきまして事務局から報告をいただいたところであります。具体的には環境税を含めました平成18年度の税制改正の結果についてどういうふうに動いているかということ。それから、平成18年度の京都議定書目標達成計画関係の予算案、それから地球温暖化対策の1つの重要な施策である京都メカニズムに関するクレジット調達のための法案について事務局から報告をいただいたところであります。
 その際に、報告の関連で出ましたところから、委員の方からも、本年1月に公表されました経済同友会の報告に皆さん大変関心を寄せられました。そしてまた、昨年の環境税の議論に関しまして、多くの地方公共団体から環境税に対するさまざまな要望が寄せられているという報告もありましたところから、この委員会におきましてもできれば経済同友会からもお話を伺いたい、地方公共団体についてさらにお話を伺って我々としても意見交換ができればというお話がございましたので、本日は鳥取県の片山善博知事にお出でいただき、また経済同友会からは経済同友会の環境税を考えるプロジェクト・チーム委員長の柿本寿明氏をお招きしまして意見交換の機会を設けることができました。お忙しい中お二人の方にお出でいただきましたことを私としても心から感謝申し上げます。どうもありがとうございます。
 今日の時間は2時間を予定しておりますので、それぞれ1時間ずつということで、それぞれの方に15分ないし20分程度お話をいただきまして、別に15分になったからチンとかいうようなことではありませんけれども、大体その辺のめどでお話をいただきましてご意見をいただきました後で、委員の皆様からご意見をいただいて意見交換をしたいというふうにいたしたいと思います。お二人のご意見を伺った上でということも考えたいと思いますが、少し話の筋、内容が違いますので、分けて、最初に片山知事のお話を伺って、1時間たったところで2番目の柿本さんのお話を伺おうということにしたいと思います。
 それでは、まず、鳥取県の片山知事にお願いをしたいと思います。
 この小委員会ではこれまで昨年夏の地方ヒアリングなどで地方公共団体の意見なども伺ってきたところでありますが、また昨年の秋以後に前回の事務局のお話にもありましたように、政府与党で道路特定財源の見直しの基本方針が合意されているというような報告もございました。そして、片山知事におかれましては知事会の地方税制小委員会の委員長として道路特定財源のあり方などを含めて議論をしておられるというふうに伺っておりますので、税制全般の観点からもご意見を伺えればというふうに考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○片山氏 ご紹介いただきました鳥取県知事の片山です。今日はこういう機会に私をお招きいただきまして大変感謝をしております。委員の皆様方に地方で今、行政、なかんづく環境行政なども力を入れながらやっている者の考え方とか実践の内容などを聞き取っていただくというのは大変私にとりましてもありがたいことでありまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。
 お手元に私の方で用意しました1枚のレジュメがあると思いますので、それを見ていただければと思います。自治体の環境政策と環境税ということで書いております。
 先ほど委員長からもご紹介いただきましたが、私は全国知事会の中の地方税制問題小委員会というのがありまして、そこの委員長、座長を務めているんですが、実はそこではまだ環境税の問題についてかくあるべしというような議論をまとめているわけではありません。もちろんこれまでの小委員会の取り組みの中で環境税についても意見など出ておりますけれども、知事会として明確な方針を出しているわけではありません。もちろん、今日お話しすることはそういう各県から断片的に出ているようなことも私自身として念頭に置きながらお話を申し上げますけれども、必ずしも知事会としてまとめているのではないということはあらかじめご認識いただければと思います。
 それから、環境省の方で環境税の構想を発表されておりますけれども、今日私がお話を申し上げることはこの環境省案に対してどうだということを必ずしも念頭に置いているわけではありません。一般的に環境税といいますか、化石燃料課税というものをどう考えるかというような観点でお話を申し上げたいと思います。
 まず最初にこの具体的な問題に入る前に、今、地方公共団体の置かれた状況をちょっとだけご認識いただきたいと思いまして、財政難に苦しむ地方自治体と書いておりますけれども。今、国も775兆円に及ぶ借財を抱えておりますけれども、地方も似たりよったりの借金地獄に陥っておりまして、非常に財政運用は難渋を極めております。どうしてこんなことになったのかということなんですけれども、かいつまんでお話ししますと、過去もう借金しまくったんです、自治体は。それは何でしまくったかといいますと、景気対策というのを国、地方をあげてやったんですけれども、そのときに地方団体が動員されまして、借金で仕事をしていきなさい、後でその借金の返済は政府が交付税を上乗せしてあげるから大丈夫だよというそういうメッセージがあったものですから、全国の自治体がホイホイと借金をしまくって借金まみれになっています。今、借金の返済のピークで、交付税上乗せしてもらわなきゃいけないというこういう時期なんですけれども、ご承知のとおり、三位一体の改革という名の下に交付税が大幅削減ということになっていまして、実ははしごを外された格好になっているわけです。約束を守らない政府がもちろん悪いんですけれども、そもそもそういう甘い言葉に誘われて借金しまくった地方自治体も非常に安易でありまして、こんな状況であります。
 しかも今、実は市町村合併進んでいる中で、そこでもまた借金しまくって、合併のために、それで後世にまたツケを残すような愚かなことをやってまして、私が言うのも変なんですけれども、もう深みにどんどんはまっているというのが今の実態であります。
 そういう中で三位一体の改革というのを行ったんですけれども、これも理念倒れに終わりまして、結果は地方団体の中に貧富の差が非常についてしまいました。貧富の富というのは東京都のような大都市であります、貧というのは私どもの県のようなところでありまして、経済改革の違いによる貧富の差以上に政策による人為的な貧富の差がついてしまったというのが今の実態であります。
 別にこれで今日ここで恨み言を言うつもりはないんですけれども、何がいいたいかといいますと、環境問題というときに例えば森林整備だとか水源地の環境維持というようなことになりますとこれはほとんど地方圏に属することなんです。今、その地方圏が財政困窮状態に陥っていまして、したがってその森林整備などでも環境面からいろいろなことをやらなきゃいけないということはあるんですけれども、そういう地方圏に属する自治体ほどやるべきことがやれなくなっているという、財政的に非常に疲弊しているというこういう実態があるんです。
 今、例えば交付税などもこれから減らしていこうという議論があるんですけれども、その際に例えば人口と面積なんかで比例して配ったらどうかという議論があるんですけれども、仮にそうなりますと人口が少ないところというのは交付税がまた激減するわけでありまして、木はたくさんあって野生生物はいっぱいいるけれども人間は少ないというところは致命的な打撃を被るわけでありまして、環境面からいろいろな施策を進めようとしたときに今のような効率性とか経済性とか市場原理とかそういったことだけでいきますと非常にまずいことになるということを今日は少し申し上げたいと思ってこんなところから話を始めたわけであります。
 自治体の環境政策ということでありますが、自治体は環境政策上やるべきことがいっぱいあります。私なんかも今いろいろなことをやっておりますけれども、本当に重要な課題が目白押しであります。例えばどんなことかといいますと、先ほど申し上げましたような森林整備、それから水源涵養機能の充実ということであります。今、森はかなり荒れております。私も現地をつぶさに見て歩くこともあるんですけれども、なぜ荒れるかといいますと、人工林を戦後ずっと作ってきました。この人工林というのは自然のままの林、森と違いまして、常に手を加えなければ維持できないというそういう欠点を持っております。といいますのは、これ釈迦に説法だと思いますけれども、最初は小さい木を密植するわけです。だんだん大きく成長するに従ってそれを間引きをしないといけないわけです。実はその間引き、間伐ですけれども、これをしていない山林が非常にふえております。間伐するだけの費用が出ません。昔は間伐した木を売って、それがメンテナンスの経費になったんですけれども、今はもう商品になりませんので、結局間伐をしない。間伐をしないとどうなるかといいますと、密植のままですから太陽の光が地面に届かない。そうすると下草が生えない。そうしますと、雨が降ったら表土が流出をする。まるで砂漠のワジのような状態になります。実際になるんです。したがって、森林は荒れるし水源涵養機能はなくなると、こういうことなんです。
 これを何とかしなければいけないというので、我々も森林所有者に働きかけたりするんですけれども、いかんせんお金がありませんので放ったらかしという状況でありまして、これを何とかしなければいけない。そのためにはお金がかかると、こういうことであります。
 それから、自然エネルギー開発とか化石燃料に代替するエネルギー利用というものも今進めております。これは地球環境問題、京都議定書の流れの中で自治体もアクトローカリーで地球規模で考えて、地域単位で行動するというまさにその実践でありまして、小なりといえども鳥取県でもこのことに関して力を入れております。例えばどんなことかといいますと、風力発電でありますとか太陽光発電に力を入れております。鳥取県というのは例えば電力でいいますと自給率は13%しかありません。他はどうしているかといいますとお隣の島根県の原発から供給を受けているということに多分なっているんだろうと思います。せめてもその自給率を少し上げていこうじゃないかということで、風力発電にかなり力を入れておりまして、最近では海岸線に相当数の風力発電装置が林立するような状態に今なっております。あと各家庭なんかで太陽光発電に取り組もうということで支援措置なんかも設けているところです。
 あと、木質バイオマスの利用促進ということにも力を入れています。具体的にはペレットストーブ、象徴的な意味で私の知事室にもペレットストーブを導入しまして来る人にみんな見せて普及を図っているところであります。非常にこれはいいです。ちょっとイニシャルコストが高いです。ストーブが業務用で40万円ぐらいしますので高いんですけれども、ランニングコストは石油とほとんど変わりません。むしろ今これからどんどん石油が上がってくれば価格面では優位性が出てくるのではないかなと思ったりもしています。
 それからあと、廃棄物の有用化、有価物化と書いてますが、まず廃棄物は少なくしましょうと、減量化に努めています。その上で出てきたものはリユース、リサイクルということで、最後は燃料化ということをやっています。私どものところに王子製紙という製紙会社の大きな会社があるんですけれども、重油をものすごく使っていましたけれども、今は重油をゼロにしました。なぜかというと廃棄物発電をしているからです。廃タイヤ、廃プラスチック、木切れ、紙、そうしたものをブレンドしてペレットにしましてそれを燃料に使っております。こんなことにも支援をしたりしています。
 環境産業の育成資源ということで静脈産業の育成。ともすれば昔は環境産業というのは光の当たらない産業分野だったんですけれども、そこに光を当てて、例えば技術開発の支援でありますとか、金融の支援でありますとか、それから良好な質の高い仕事をする企業には顕彰制度を設けるとかいろいろなことをしながら環境産業の育成・支援もやっております。
 そのほか鳥取県では、そこに書いてませんけれども、独自にISO14001に倣って鳥取県版のISOシステムとでも呼べるようなものをつくっております。これはISOほどの厳格な基準ではありませんけれども、ほぼISO14001の直前ぐらいまでいくぐらいの水準を求めるということにしています。それを県が認証機関になりまして県がお墨付きを与えて3年ごとにローリングしていくと、こういうことをやっています。かなりの企業が取り組んでくれています。
 それ以外に、企業向けだけではなくて小さな事業所向け、例えば理髪業とか理容業とかそういうところ向けのまた違った環境管理基準を設けてそれの認証なども行っています。これは美容師さんなどが非常に熱心に取り組んでくれていまして、今どんどん県内の理美容にこれは進んでおります。そういうところから草の根から環境問題に対する意識を深めていこうということをやっています。
 これはさらに進んで学校でありますとか各家庭でありますとか、そういうところまでもまた別のカテゴリの認証基準を設けて進めているところであります。そんなことを今やっておりまして。これらをやるには相当のお金がかかるということはいうまでもないことであります。
 そこで、次に、自治体による独自財源確保の努力とその限界と書いていますけれども、自治体では独自の財源確保の取り組みを今やっております。具体的には例えば森林整備のための独自の法定外税というんですけれども、地方税法で定められた税目以外の税目を新たに独自に起こしていこうということでありまして、鳥取県では森林環境保全税というものを独自の条例で設けております。ただし、これらは税でいいますとどちらかというとマージャンでいうとハシパイみたいなものでありまして、本筋ではありません。やはりおのずから税収確保には限界があります。
 ちなみに、鳥取県ではこの森林環境保全税では年に300円、各家庭の場合には。企業の場合にはもうちょっと高いんですけれども、家庭の場合には300円を住民税の均等割りに賦課して上乗せして課税しております。大体年収で1億円程度であります。一般には大体各家庭に500円課税する県が多いようでありますけれども、これも税収は知れているというと納税者には申しわけないんですけれども、ロットとしては小さいものです。むしろこれは税収確保というよりは県民の皆さんや各企業の皆さんに環境問題を考えていただくための1つの契機、環境啓発といいますか、環境教育のきっかけとなる機能の方が大きいのかなと思っております。
 そこで、そういう限界があるのであれば、さらなる財源確保のために何らかの措置が必要だろうということで、新税の必要性というのは国のレベルだけではなくて地方団体側からも実はこの新税による財源の確保というのが求められるわけであります。
 その際に、何に新税を課税するとすれば何によりどころ、課税対象でありますとか課税の根拠を求めたらいいかということになるんですが、まさにそれがここでの議論と重なるところでありまして、結論を言いますと、私は化石燃料を課税対象とするということは理にかなっていると思います。それは2つの大きな意味がありまして、1つは税でありますから税収確保を目的とすることは言うまでもありませんけれども、その間接効果といいますか、波及効果として一定のインセンティブを税はどうしても持ちます。経済に対して必ずしも中立的ではありませんから。化石燃料に課税するということになりますとそれは税制上からはその化石燃料が高コストになりますから利用を抑制するというそういうインセンティブ効果が当然働くわけでありまして、それは地球環境を問題を考えた場合には理にかなっているということが1ついえると思います。
 それから、もう1つは、その新税というものもやはりある程度の税収が必要だということになりますと、私どもがやっておりますような森林環境保全税のような、これもちょっと納税者には失礼になりますけれども、ちまちまとした税ではなくて、やはり課税対象としての普遍性と広がりがなければいけない。そういうことになりますと、今我が国もエネルギー革命以後、化石燃料というのはもうエネルギーの根幹をなしているわけで、民生用も産業用も大量に使われているわけでありまして、これを課税対象として取り込むというのは税収確保、財政学的な見地からいっても理にかなっているだろうと思っております。
 ただし、税制上は幾つかクリアしなければいけない論点があることはいうまでもありません。幾つかありますが、その中の1つは、例えば目的税として構成するのか普通税として構成するのかということがあると思います。これは、仕立て方でありますから選択の問題なんですけれども、税制一般、もっといえば財政一般の理論からいいますと、目的税というのは好ましくないというのが原則であります。財政というのはやはり全体の台所の中でどこに優先順位をつけるか、プライオリティーをつけるかという、これは政治の問題でありますから政治の中で優先順位を常に見直し、考えていくということからすると、一定の目的財源を確保するための目的税というのは財政上は余り好ましくないということであります。
 ただし、現実の世界を見ますと、各国の政府にそれだけの力量とか見識とか必ずしも備わっておりません。力量というのはプライオリティーをちゃんと的確に見きわめて方向づけをしていくというそういう意味での力量が必ずしも備わっておりませんので、そこで非常に重要な特定の政策目的には特定の財源を調達する機能というのを持つということはこれは便法としてはあり得るだろうと思います。ただ、それは往々にしていずれ硬直化をして財政の柔軟性を失わせるということになるのは、今現状の我が国を見ても言えるのではないかと思います。
 2つ目の論点は、これはインセンティブ税制の方に重きを置くのか、それとも財源の確保、税収の確保の方に重きを置くのかという問題であります。税ですから、本来は財政上の見地から税収を確保するということが当然目的になるわけですけれども、さっき言いましたように、あるものに税をかけるということはそれ相応のインセンティブないし逆のインセンティブをもたらすことになります。そのうちのどっちの機能を財政収入確保かインセンティブ効果をねらうのかどっちの方に重きを置くのかということで税の組み立て方というのは違いが出てくるだろうと思います。
 本来インセンティブだけで税を組むというのは邪道でありまして、私はそれはすべきではないと思います。それはどういうことかというと、税収と関係なくインセンティブだけやるということは昔の江戸時代の箱根の関所の通行料みたいなものでありまして、これは税ではなくて別の形態になるんだろうと思います。もちろん近代国家になってからもそういうインセンティブの方に重きを置いた税というのは仕組まれなかったわけではありません。例えば近くは地価税とか、地価の高騰を防ぐための地価税なんていうのもありましたので否定するものではありませんけれども、基本的には税は税収確保を目的とするものだと思います。
 ただ、ここで何でこんなことを言うかといいますと、インセンティブの方に重きを置く税として構成するのならば、例えば揮発油と天然ガスとあった場合にどっちに課税対象として重きを置くかということが当然論点になるわけでありまして、今我々は地方でも進めているんですけれども、ガソリンよりも天然ガスの方に移行しませんかというのを1つの政策目的としてあるわけでありまして、そうしますとインセンティブ効果の方に重きを置くということになりますと揮発油と天然ガスを同じような課税にするというのは理屈に合わないわけであります。揮発油の方を重課して、天然ガスの方は課税しないか軽課にするというそういう強弱といいますか、優先列伍をつけるということが必要になってくるわけでありまして。これは一例でありますけれども、インセンティブ税制として仕組むか、税収確保として仕組むかというのはこれは理念の問題としても整理しておく必要があるんだろうと思います。
 それから、先ほど委員長の方からも少しコメントがありましたが、既存の化石燃料課税との調整というのは当然出てきます。既存の化石燃料課税といいますのは道路目的財源として課税されているもの、これは揮発油と軽油があります。それからもう1つは、空港整備財源としてもあるわけでありまして、額はそんなに道路財源ほど多くはありませんけれども、航空機燃料税というのがありまして、これは空港特会を通じて空港整備に使われているわけでありまして、こういうものとの調整というのが当然出てくると思います。
 これは私はいい機会でありますので、この議論を避けないで道路特定財源としてこれからどれほど必要なのか、いかほど必要なのか、空港整備財源としてどれほど必要なのか。それから、環境対策というか環境政策としてどれほどの財源が必要なのかということをきちっと議論したらいいと思うんです、避けないで。冒頭、環境省案には説明すると申し上げましたけれども、環境省案はちょっとややその辺をパスして論点を避けているような印象はありますけれども、現実的にはその方がスムースな導入ということに近いのかもしれませんけれども、私は大いにこの際議論したらいいと思います。議論すべきだろうと思います。
 それから、当然その際には単純にオンする、タックスオンタックスみたいなになりますと当然非常に高コストになりまして、それが場合によっては分野によっては我が国の国際競争力を減退させるという面が出てきますで、そういう国際競争力ということも含めた広い意味での担税力というものを当然考えなければいけないことは明らかでありますけれども。そういう担税力を考えながらそれぞれの分野にどれほどの財源が必要なのかということは真正面から議論したらいいと私は思います。
 最後に、今日は私地方団体ということで参りましたので、一番我々にとって重要なのは国と地方との財源の調整の問題であります。この種の新税を起こして財源を確保するという場合に、どういうやり方があるか、国と地方との調整どういうやり方があるかというのは、これは一般論でありますが、1つは国税と地方税がそれぞれバラバラに課税をするという、こういうやり方もあります。国税は国税で化石燃料課税をやる、地方税は地方税で例えば同じものを対象にして地方税として課税する。場合によっては付加税といって国税が課税したものの国税に対してまた何%上乗せするというようなやり方もありますが、私はそれは好ましくないだろうと思っております。なぜならば、課税方式にもよるんですけれども、恐らく化石燃料に課税するということになりますと、生産から消費までの流通の過程の中では一番川上に課税するのが一番いいだろうと思います。これは徴税の便宜のためにも。もちろん水際で入ってくるときに課税する。それから、生産の一番の川上で課税すると、これが一番合理性があるだろうと思いますけれども、そうなりますと課税対象があるところというのは非常に限られてきます、我が国では。例えば私のところなどはそういう意味では川上はありません。ですから、課税できないということになってしまいますので、これは地方税としてはなじまないだろうと思います。これが1つです。
 そうするとどうするかというと、じゃあ、国税で課税をして、あと財源調整するということになるわけですけれども、そのときのやり方も幾つかありまして、1つは国税を課税してそのうちの一定割合を一定のルールに従って地方に譲与する、これ地方譲与税方式といいます。これは例えば今のガソリン課税なんかはそうなっているわけでありまして、揮発油に対して揮発油税の一定割合が地方道路譲与税ということで地方に交付されるわけですけれども、そういうやり方がこの環境税構想の中でも当然検討されてしかるべきだろうと思います。
 ただし、その場合に、一定の環境税の税収は一定の環境政策に充てるんだという、一定の政策目的なんだということにするとすれば、地方の方がちゃんと環境目的に使ったかどうかということのモニタリングは必要だろうと思います。そういうこととセットで譲与税方式が考えられると思います。
 それから、もう1つは、国税として課税する環境税の一定割合を地方交付税の方に入れるというやり方もあります。地方交付税の原資として交付税財源として地方に交付すると、こういうことも考えられます。ただし、幾つか問題ありまして、これは交付税というのは今大きく揺らいでおりまして、猛攻撃を受けているものですから、その点で環境税などと絡み合わせることが果たしてどうかという議論もありますし。もう1つは、税の理念として環境税は環境目的に使いましょうねといったときに交付税方式にしますと、東京都などにはいかないわけであります。東京都は不交付団体ですから。そういう問題をどう考えるかということも論点としてはあります。それから、最後に、特定目的の補助金として、例えば環境省なり農林省あたりから交付するという手もないわけではありませんけれども、今のこの三位一体の改革の中で補助金をやめて一般財源、自主的な財源として地方団体に財源付与しましょうといっているときに新たな特定目的の補助金をつくるというのはその大きな分権自治の流れに反しているのではないかと、こんなことを思ったりもしています。
 以上、少しとりとめのない話になったかもしれませんけれども、私の考え方を申し上げさせていただきました。ありがとうございました。

○森嶌委員長 どうもありがとうございました。極めて大きな観点からお話しいただきましてありがとうございました。
 なお、1つだけ申しますと、既存の化石燃料課税というのを調整というふうにおっしゃいましたけれども、この関係につきましては私どもここで取り上げなければならない課題となっておりまして、私としましては早急にこの問題もきちっと取り上げたいと思います。なお、ここは中環審の委員会ですので、私どもの方で調整できるとは到底考えておりませんけれども、少なくとも環境税の議論をするときにはこのほかの税制との関係、それからその後におっしゃった一般財源なのか特定目的税なのかというようなことも、これも私どもとしてはきちっと議論した上で我々の考え方、これは最終的に一致するのかどうか、これはまた話は別ですけれども、きちっと議論をする必要があるというふうに考えておりますので、その点だけ付言させていただきます。
 それでは、どうぞ、ご質問だけではない、ご意見がおありかと思いますが。先に札を立ててください。1ラウンドしたところで、後は順位をつけますけれども。たった1人ですか、そんなことはないと思いますけれども。
 では、最初はお二人で、その後はお気づきになったら。
 それでは、天野さん、鈴木さん。

○天野委員 どうもありがとうございます。環境税という表現はいろいろな意味を持っていると思うんですが、ここでは最初にお断りになられたように化石燃料税という形でお考えになってらっしゃるわけですが。一般的にいえば環境税というのは環境改善のために使う税というので非常に広い概念だと思いますけれども。特に今回は温暖化対策に絞ってインセンティブを考えるということ。この場合、私は化石燃料課税という性格づけが適切なのかどうか。特に温暖化の場合には我々炭素税という言い方をしていますけれども。炭素含有量に対して課税をする。ですから、化石燃料でも炭素含有量の低いものは当然税率が低くなるわけで、先ほどおっゃられたインセンティブというのはそういう形でプライオリティがつくということはあると思います。
 ただ、もう1つ化石燃料税に限ることによって税の使い方あるいは使途の分け方ですね、こういうあたりが非常に限定された範囲で議論する。それはそれで私はいいと思うんですけれども。今日のお話のように、税というのを考えるときには税制の中で考えるべきだという点が少しかえってあいまいになるのではないかという気がいたします。といいますのは、環境税というのは通常の税制で考えてきた税とはかなり違った特徴を持っているわけですね。化石燃料税だけではなくて先ほどおっしゃられた例えば森林税とか水源税とかこういう税全般に共通している特徴というのは、先ほどおっしゃられたインセンティブと税収と、こういう2つがあるわけですね。
 もうちょっとつけ加えていいますと、税の持っているマイナスの効果というのは一般の税では共通しているわけですが、それが環境税の場合には通常の税とはかなり違ってそのマイナス面が小さくなる特徴というのも出てくるわけです。これは今日は余り詳しく申しませんけれども、そういうことも含めて税制の中で環境税というのはどうあるべきかという一般的な議論をするということであれば、むしろ化石燃料に限らずもっと広い視点から検討する必要がある。
 そうなりますと、もちろん環境省から当然いろいろな意見を言うべきではありますけれども、これはほかの先進国でやっておりますように、むしろ財務当局が主導権をとって環境税の考え方をというか、税制のあり方を考え直すということが必要だと私は思います。
 そういうことを考えますと、化石燃料税に限らないでもっと一般的な環境税の中の1つとして位置づけるという形で財政当局に税務当局にこの種の検討をもっと広い視点から行っていただくというのが私は必要なのではないかと思います。
 以上です。

○森嶌委員長 ちょっと私の土俵と片山知事の土俵とは違うというご意見だと思いますけれども。一応3人の方にご意見ないしはご質問を伺った上でお答えいただいて、それからセカンドラウンドにいきたいと思います。
 それでは、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 いろいろとご説明いただいて、一々同感するところが多かったのでそういう意味では心強く伺ったんですが。炭素税というような部分に限って考えたときに、例えば先ほどのいろいろな具体的な税の方針がある中で、地方に中央から税収が譲与されていく、その使途が一体どういうところに向けられるのか。やはりその辺の判断のところになるかもしれませんが、鳥取県の場合にはそういう、財源があったときに、一体どういう使い方をすれば目的にかなった使途と考えられるか。これは地方の活性化、いろいろな問題が絡んでくるとは思うんですが、やはりある程度のビジョンみたいなものがきちんとあって、そちらの方に向けて炭素税から上がってきた財源をどういう形で振り向けていくのか。具体的には脱炭素社会に向けてやはり構造改革的なことを考えざるを得ないと思うんですけれど、そのあたりの将来ビジョンはどういうふうに考えておられて、それを達成するためには一体いくらあったらいいのか。要するに先ほどの1家庭300円というオーダーじゃなくて、一体何十億、何百億あったら最終的にはサステイナブルな鳥取県ができるのかというような一種の仮想的なビジョンは考えておられるのかどうか、その辺のところをお伺いしたいと思います。

○森嶌委員長 全部税金で賄おうというわけでしょうかね。それはそれとして。
 次は速水委員、そこで一遍切りまして、それでお答えいただいて。後から上げられたのでセカンドラウンドということでお許しください。
 どうぞ。

○速水委員 ありがとうございます。私、森林の関係者なんですけれども、今、知事がおっしゃられたように最近森林環境税という感じのものが各県で導入されつつあるわけでございます。私の住まいする三重県もそういう検討会が何回か行われているわけでございますが。知事がいみじくもおっしゃられたように、ある意味では啓発的な感じの税額だというふうに理解をしているわけです。ところが、一般の啓発が動き始めると県民というのは森林に対する税が動き始めた、税が入ったということになりますと山側としては今までと同じようなやり方でやっていて、そこに税が入ってくるというふうな形ですとやはり税をもらう以上、はっきりとした森林の変化というものを県民から求められる場合が出てくると思うんですね、当たり前の話なんですけれども。税が入る以上、きっちりとした今までとは違う形を出していく。
 ところが、税額自体は、今例えば県なんかで動いております森林関係の予算の中でほんのわずかしか動いてこないというふうなところがあると思うんです。そういう点で非常に私なんぞが危惧しているのは、これでいいよというふうな形になってしまいますと、山が非常に今の状態ではちょっとその税を入れられるよりはもう少し本当に山が今、例えば鳥取県の森林を改善していくのにどのくらいお金がいるのか、あるいはそこに対してもちろん今までと同じ作業ではなくて、新しい環境的な要素だとかCOの固定だとか、あるいは合理化も含めた形でこの金額がいるよという提示の仕方は非常に大事だとは思うんですけれども、ともかく必要な部分に対してこの税金がどのくらいの役割を果たすんだというふうなところがしっかりと説明されないままにかなり各県で入っていってしまっているというふうな感じがちょっとあるんですね。
 そうなってくると、我々としてはなかなかこの予算でそう言われても山は変えられませんよというのが正直なところだと思うんです。そういう点では私はもう全国ベースの環境税あるいは今環境省が提案しているような中である程度の森林の目標に向かっての大きな金額が動いていくという形にならない限り解決というのは非常に難しいんだろうというふうに思っているんですけれども。
 1つはそういう危惧を持っていることと。
 もしそういう形で入ってきたときに、その住み分けというのは実際どういうふうにできてくるんだろうというふうに思うんですね。今まで入ってしまった地方税と新しく入ってきた部分に関して。
 そんなところでございます。

○森嶌委員長 これは私はそうじゃないんですけれども、あんた方がしっかりしないから県としては少なくともやらざるを得ないんじゃないかと逆にお叱りを受けそうな話なんですけれども。
 今の3人の方について、全部話が違いますけれども、お答えいただければ。

○片山氏 はい、ありがとうございました。最初に、天野委員から化石燃料に対象を限らないでもっと広く考えるべきではないかというのはごもっともだと思うんです。例えばさっき速水さんも言われた森林環境税、私のところで森林環境保全税ですけれども、これらは化石燃料に課税するわけではないんですね。鳥取県の場合には、ありていにいってしまえば、個人住民税の均等割の税率の引き上げなんですね。300円上乗せするわけですね。ですから、一般税の引き上げによって税収を確保したということなんです。客観的にいいますと。ただ、それを一応啓発的な意味とか使途を限定するという意味で森林環境保全税に名付けたにすぎないんですね。そういうことも実は実践ではやっているわけであります。
 ただ、なかなかそれは限界がありまして、一般的な税をかなり大幅に引き上げて、それで環境目的に使いますよといってなかなか今コンセンサスが得られないだろうと思います。300円か500円だったらまあまあという話になりますけれども。そうなりますとやはりある程度ロットのまとまった税を確保しようということになりますと、何らかの概念上の区切りを設けて、必然性のありそうなところに課税するということが現実的なのではないか。そこで炭素税という括りになるのか、化石燃料課税という括りになるのかわかりませんけれども、そういうようになるのではないかなという気がするんですね。
 それからもう1つは、財政当局がもっとこの問題に乗り出して、優先順位の非常に高い環境政策、環境目的のために財源を、彼ら自身が積極的に確保するように努力すべきではないか、これはもうそのとおりなんです。そのとおりなんですが、今例えば国の財政当局を見た場合に火の車ですから、環境目的のために自分たちが汗かいて何らかの消費税なり何なりをあげて環境目的に投入するというだけの多分熱意はないんだろうと思います。そうではなくて、やはり国債をどうやって減らすかという赤字の解消のためにこそ彼らは今一生懸命努力しているわけでありまして。現状からいうとなかなか、一般論としては本当におっしゃるとおりなんですけれども、なかなかワークしにくいのではないかなという気がしています。
 それから、鈴木委員から言われた、例えば鳥取県だったらどれくらいの業績目標といいますか、成果目標があって、それに対していくらいるのか、ビジョンはあるのかということなんですけれども、これは実はそのビジョンは書き方次第だと思うんですね。例えば鳥取県として地球環境問題にどれだけ貢献するかというのはどこに目標を定めるかによって何とでも決まるわけであります。例えば先ほど申しましたペレットストーブなんていうのを今導入しかかっているんですけれども、一定の補助金を出して導入しようねという話にしているんですけれども、例えばこれによって1台導入すれば化石燃料が幾ら減ってというのは計算できるんですね。そうしますと、それが何台、何万台普及すればどうなるかというのはおのずから計算できるわけで。そうすると、鳥取県としてどれだけ貢献しようかというのはどこにも目標を設定するかによって何とでもなるということなんです。
 ですから、さっき言いました電力自給率も今13%なんですけれども、前は11%だったんです。これを一生懸命上げて13%になったんですけれども、これを例えば20%にしましょうという話になると、じゃあ太陽光発電と、それから風力発電でどれくらい発電すればいいかというような目標が出るわけでありまして。そうすると、20%に目標を達成しようと思ったら財源が幾らいるか、15%にとどめたら幾らで済むかというのはこれはもう計算上の問題なんですね。ですから、鳥取県に限らず各県でどういう目標を決めてそこにどれだけの財源がいるかというのを決めればいいだけの話ではないでしょうか。
 今はそういう財源がないものですから、狭い範囲内で四苦八苦していると。ある程度まとまった財源が出るということになりましたら自ずからそこにその目標が拡大する、上に上がっていくということになるんだろうと思います。
 それから、速水さんの方の森林税、各県やってるけれども、それだけで事足れりと、それでお茶を濁されは困るというのはそのとおりだと思うんですね。決してそんなつもりはないんです。少なくとも鳥取県の場合には。
 それから、もう1つ、鳥取県の場合には今の森林が抱えている問題を全部これで解決しようなんていう大風呂敷は広げていないんです。そうではなくて、対象を限定しまして、例えば昔だったら入会のようなところとか地域が持っているようなところでみんなが手入れしていたのに手入れしてないというところがあるわけですね。そこがたまたま水源地としては非常に重要だというようなそういうロケーションのところもあるわけです。そういうところを限定して、そこの森林の手入れをしていきましょうというのが一番の目的なんですね。そうしますと自ずから対象は限定されていますからそれを1億円であってもコツコツとやっていけば何年かの計画でこなせるというそういうことにしてあるんです。たったわずか1億円の税収でもって鳥取県の森林問題を全部解決しましょうなんていうことは到底考えていませんし、そんな錯覚を生むようなことも言うのはよくないことだろうと思っております。
 ただ、じゃあ、各県全部がそういうふうなことでやっているかというと、つらつらと見てみるとそうでもなくて、非常に大風呂敷を広げてこれであたかも何かすべてバラ色になるようなことを言いつつ非常に小ぶりの税で済ませているというのもあります。一種の環境政策における流行り病みたいなところがやはりあるのは否めないんですね。ただ、そうでもしながらも森林の重要性を訴えていきたいという心意気を感じとってあげていただきたいなとは思いますけれども。

○森嶌委員長 それでは、セカンドラウンド、五十嵐委員。

○五十嵐委員 ありがとうございます。まず第1点として、この環境問題における地方自治体の役割というのは非常に大きなものがあると思います。私が住んでる大和市では、アンケートという形をとりながら、市がかなり積極的に、刺激的なアンケートをとることによって啓蒙を図っているというお話を一度したことがあります。今の知事のお話を伺っていまして、まず県民の納税者としての反応、それから一部さきほども出ていましたが、その使用目的についての反応。そして最後にもう1点、選挙のときに公約の1つとして掲げて論点になったのかどうかということを、お尋ねしたいと思いました。

○森嶌委員長 セカンドラウンドでほかにどなたかありませんか。なければ、一応あれですけれども。
 それでは、ほかになければ私の方で伺いますか。先ほど知事の方から国と地方の財源調整という項目のところで、上流、つまり国税としてとってそれを地方に何らかの形で分けると、分けるといいましょうか。その際に、例えば譲与税として渡すとか地方交付税としてというようなお話ありましたけれども、それぞれ問題点があるとおっしゃいましたけれども。知事のお考えあるいは感触では、どういう考え方が現在の知事会あるいは知事個人のお考えでもいいんですけれども、最も今の地方分権の時代あるいは理念からすると最も受け入れられやすいとお考えになるか。
 私は伺っていて、地方にも最初から地方税としてもやるべきだとおっしゃるのかと思ったら、国税でよろしいとおっしゃったものですから、あれっというと変ですが、これは理論的でもあるしなかなか開明的な知事だなというふうに思ったんですけれども。それも含めて答えていただければと思いますが。
 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。五十嵐委員からどうぞ。

○片山氏 はい、ありがとうございます。五十嵐委員がおっしゃったことにお答えしますが、1つは、私のところの森林環境保全税という形で今は各家庭個人の場合は300円、企業は別途課税ですけれども、それぞれ個人住民税の税率の引き上げと、それから法人住民税の税率の引き上げということでやっているわけですね。
 実は最初は当初構想しましたときは水に課税しようとしたんです。それはなぜかといいますと、森林ですけれども、水源地の涵養をしようということで、目的がさっき言いましたように、水源地にあって、そこの山が荒れているからそこを何とか整備していこうというところから発想したものですから、それじゃあ、下流の水利用に課税しようということで、1立方メートル幾らというようなそういう課税構想をつくりまして、それをパブリックコメントしたんです。そうしたら猛反対がありまして、それでその案を引っ込めて、それで単純に個人の場合には個人住民税に300円上乗せをするというそういうことに変えたんですね。ですから、そういう意味でいいますと、納税者のリアクションというのはかなりありました。
 ただ、これも正直にいいますと、一番声が大きかった、水道課税のときに一番声が大きかったのは水道事業者でありまして、市の水道事業管理者とか水道局が一番反対しました。なぜかって、どうしても俺らが取らなきゃいけないんだと、取るなら県が取ってくれとか、そういう非常に自己都合的な反対が多かったんですね。そこからずっと反対が広がっていった。ともあれ、しかし納税者の反応があったので今の課税に落ち着いて、今の課税は比較的すんなり受け入れられたということであります。
 それから、使途の反応は、これもいろいろありまして、これもパブリックコメントしましたので。最初は、整備を必要とする特定の森林の整備に充てるということで説明したんですけれども、そのときにいろいろな意見がありまして、1つは、広く県民全部から取るんだから、やはり県民全体に税収を使った行政が及ぶようなことに部分的には使うべきではないかという議論がありまして。それは何かというと、啓発などのソフト事業ですね。森林の重要性とか、それから水源地を涵養することの重要性なんかを県民が広く認識するようなそういう啓発の機会、そこにこの税収の一部でいいから投入すべきではないかという意見があって、それはごもっともですねということで一部はソフト経費に使うように変更しました。
 それから、選挙のときの論点にはなったかということですが、これは全然なりませんでした。私2回目の選挙のときは無投票だったものですから、どうしようもなかったものですから、ありませんでした。
 それから、委員長からのご質問もありまして、知事会とか意向はどうかとか、それからどんな方式が一番国と地方の財源調整として何がふさわしいかと思っているかということでありますけれども、冒頭お断りしましたように、私は知事会の税制問題小委員会の委員長をしていますけれども、私が申し上げることが知事会の総意ではありません。知事会ではいろいろな人がおられまして、結構勇ましい人もいます。勇ましい人というのは地方税としてちゃんと川下で課税すべきだという意見もあります。それは原理主義的にはそういう意見もあり得るんですけれども、やはり課税するということになりましたら課税の便宜ということがあります。これは税制を仕組む場合の1つの大きな課税の便宜性というのがあるわけでありまして、納税義務者にも便宜でやるし、それから課税が厳正に公正に行われるということも当然税制としては重要な要素になりますので、そんなことを考えましたときに、仮に化石燃料に課税をするということになりましたらやはり川上課税が一番いいのではないかと私は思います。
 今、もちろん化石燃料課税の1つの形態として軽油引取税というのを都道府県で課税しているんですけれども、実はこれ消費課税ということで消費地に近いところで課税しているんですけれども、いろいろ実は問題があるんです。これももっと課税の方式を変えて蔵出し課税にしたらどうかとかいろいろ意見もあるほどなんですね。そんなことを考えますと、余り地方税としての原理主義的な理念にこだわるよりは、もっと現実的にした方がいいのではないかというのが私の考え方であります。
 その上で国税として仕組んだ場合に、では、どういう調整の仕方があるかということでありますけれども、私は一番いいのは譲与税方式だと思っています。譲与税といってもやはりある程度の政策目的に使うという多少緩やかな使途というものを決めて、その使途の中でちゃんと使っているかどうかというのをモニタリングをしていくというような仕組みがいいのではないかというのが私の考え方であります。

○森嶌委員長 それでは、まだ4分ばかり時間がありますのでサードラウンドの2回目のご意見を、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 先ほどお伺いしたときに、財源に応じていくらでも作文ができるというそういうお話だったんですが、私が意図しましたのは、京都議定書目標達成計画なんかでそれぞれ自治体に対する期待といいますか、その辺のいろいろなことが書かれていまして、県ごとに地球温暖化防止推進センターなどもできているはずですし、推進委員もおられますね。ですから、多分鳥取県なんかは先行して一体どういう形で県の構造改革をなさるか。具体的に鳥取県ですと例えば30年後には二酸化炭素排出50%削減ぐらいを狙ってどういうふうにされようと考えておられ、それに応じてどれくらいの予算が必要なのかというようなシミュレーションはおやりになっているのかなと、実はそう思ったものですからお伺いしてみたんですが。もちろん現実の場では財源に応じていかようにも、それはよくわかります。その辺はいかがでしょうか。

○片山氏 それは当然作っているんです。きょう、ちょっとお持ちしていませんので、後でお送りすることはまったくやぶさかではありませんので。地球温暖化防止のためのアクションプログラムをつくりまして、一定の行政目標を置きまして、それに対する具体的な手段といいますか、政策手段というのも整理しております。
 ただ私がさっき申し上げたのは、環境目的の財源としてこれだけぐらいくるよというようなことになりましたら、それがより具体的にどの部分にこの環境税の財源を充てていこうというかという張り付けの話になるものですから、そうなりますといかようにでもなりますよということですね。ですから、環境税の導入いかんに関わらず、鳥取県として環境政策としてこんなことをやるべしというのは実はそれはあるわけでありまして、基本的には今それは大半は一般財源でやるという想定になっているわけですけれどもね。そこに環境税が来るということになりましたら、非常にそれがやりやすくなるし、目標をさらに高くする、できる可能性が出てくるということを申し上げたんです。

○森嶌委員長 私もある県の環境審議会の会長をやっているんですが、そこも20%削減というので、2050年かな、あるんですね。ところが、鈴木先生が会長をしておられる国の中央環境審議会の環境基本計画で壮大な計画あるんですけれども、それではシミュレーションをちゃんとやって、それが達成できるようにお金を取れる仕組みになっているかというとなってないわけですね。
 ですから、県も意欲はあるんですけれども、じゃあ、本当にそれが、シミュレーションそれこそ、片山知事じゃありませんけれども、シミュレーションはやってるんですけれどもね、本当にそれがぴしゃりとそれでいけるかというのは、その話と現実の政策実現、着々といける話かと。それから、計画だとかアクションプログラムをつくるとは話がやはり別の次元で動いているものですから。これは私は先ほどの鈴木先生のお話を伺いながら、それをやると我々が中環審が墓穴を掘っているのではないかという思いを禁じ得ませんので。やはりそれをやることは我々しなきゃいけないんですね。しなきゃいけないけれども、お前さんやってるのかといって人にお前やらなきゃだめたよというなら、それは我々はシミュレーションはやる。しかし、同時にそれがなかなか実現できないというのはいろいろな事情があるという、それは県のレベルではなおさらそうであるということですので。これはここの小委員会も含めてですけれども、自戒を込めて片山知事にご質問いただきたいと思うんですが。
 時間がまいりましたので、次に移らせていただいてよろしいでしょうか。何か言いたいようですけれども、ちょっとまた後で時間が余りましたら反論をしていただいて結構ですが。
 次へまいりまして、最後に時間が余りましたら総合的にまたもう一度まいりますが。それでは2番目に、経済同友会の環境税を考えるプロジェクト・チームの柿本委員長にお話を願います。どうぞよろしくお願いいたします。

○柿本氏 ご紹介いただきました柿本でございます。このような席にお招きいただきまして私どもの考えを述べさせていただく機会をちょうだいしましたことを大変光栄に存じております。
 当プロジェクト・チームでは本年1月にお手元にありますブルーの表紙の「環境配慮型の税体系を考える〜地球環境を保持する国民的ビジョンの構築に向けて〜」という報告書を発表いたしました。ご案内のとおり、環境省の言っておられる環境税には反対を唱えております経済団体が環境税をまがりなりにも前向きに取り上げたということでマスコミには大きく取り上げられたわけであります。したがいまして、本論に入ります前に経済界がこぞって環境税に反対している中で、なぜ経済同友会がわざわざプロジェクト・チームまでつくってこの問題を検討したか、その経緯を若干ご説明して、経済同友会のスタンスをご理解賜りたいと思う次第であります。
 皆様もご承知のとおり、一昨年環境省の方で環境税の具体案を発表されて、2005年度の税制改正に盛り込もうとされたわけでありますが、これに対して日本経団連を中心に経済団体は強く反対をしたわけであります。経済同友会もこれと共同歩調をとって一貫して反対の立場をとっており、現在も変わっておりません。例えば、昨年12月に経済団体が連名で出しました環境省の環境税に反対する新聞の意見広告にも経済同友会は名を連ねております。
 その一方で、経済同友会の内部ではこういう議論をいたしました。確かに産業部門は経団連の自主行動計画のもとに温暖化対策に精力的に取り組んできたし、今も取り組んでいる。それは着実な効果が上がっていることは数字が証明しておるわけでありますけれども、その一方で個人部門、家庭部門についてはまだCOの排出量が増え続けております。これをこのままにしていいのかという問題意識でございます。
 この点、海外を見てみますと、これも皆様ご承知のとおり、ヨーロッパ各国では1990年代から環境税を導入しております。どれぐらい実際にCOの排出量を削減できるかという数字的な検証は十分にできていないようでありますけれども、少なくとも国民の意識改革、啓蒙活動にはつながっているのではないかと思われます。また、日本でもガソリンや電力料金がオイルショックで急騰する、あるいは国際的に見ても非常に割高だという状況の下で、省エネ型の商品、サービスの開発が進んでいるということ、しかもそれを環境意識が高まった消費者が購入しているということも大きな事実であります。
 そういった点を勘案すれば、環境税あるいは炭素税というものが温暖化対策として有力な手段となり得るのではないかという考え方から、しかも中長期的な観点からじっくりこの環境税を検討してみようというのが我々の基本的な問題意識にあったわけであります。
 そこで、一昨年、2004年9月に経済同友会の組織でいいますと、現在はIBM会長の北城代表幹事直属の諮問委員会という組織がありまして、その諮問委員会の中に環境税を考えるプロジェクト・チームを設置いたしました。委員長の私以下メンバーのリストはこの報告書の最後のページにお示ししておりますけれども、11名の委員で検討を始めたわけであります。当初は半年ぐらいでできるのかなと思って議論をスタートしましたが、議論を重ねているうちに次々といろいろな問題が出てまいりまして、結局1年3ヶ月かかって、昨年12月にようやくこのレポートをまとめて1月に対外発表ということになった次第でございます。以下、この報告書に沿って我々のプロジェクト・チームの検討結果をご説明させていただきたいと思います。
 まず、表紙をめくっていただいて目次をごらんいただきたいと思います。序章から始まっておりますが、序章では基本的な問題意識を書いております。
 第1章の現状認識では、日本における現状認識と取り組み状況をまとめております。
 第2章では、そういった状況を踏まえまして、温暖化問題対策へのアプローチということで大きく2つのテーマで議論いたしました。1つが、国内対策としての環境税をどう考えるかというものであります。これは1と2に分かれておりますが、これが税の問題。それから、めくっていただきまして3では国際対策として、国内だけではなくて地球規模での温暖化対策を考えるべきではないかということで、これにも少し触れております。
 最後に、いわば地球環境を保持するための国民的ビジョンを構築すべきだと。それに向けての我々のレポートが役に立てれば大変幸いであるということをとりまとめております。
 本日は、限られた時間でございますので、税の部分に絞ってご説明をさせていただきたいと思います。
 資料をめくっていただきまして、6ページに、現状認識で我々が特に注目した点だけかいつまんでご説明させていただければと思います。図表8に日本におけます1990年以降の部門別CO排出量をお示ししております。これは環境省のデータからそのまま拝借したもので、もう皆様ご承知の方ばかりだと思いますけれども、産業部門はこの10数年ほぼ横ばいに対しまして、下から2番目の業務その他部門、家庭部門は一貫して増え続けているということで、我々は特にこのうち家庭部門に的を絞ってその対策を考えたということでございます。
 実は経済同友会ではこういった環境税に絞って議論をする前に、次の9ページの[4]に経済同友会の提言という形で活動の一端をご紹介しておりますが環境問題につきましては、97年11月と99年2月に提言をまとめております。それに続きまして、ここに書いております2004年12月に、別途お配りしております「地球温暖化問題の克服に向けての8つの提言」というのを発表させていただいております。その詳しい中身については割愛させていただきますが、最後のページに1、2、3、4、5、それから裏を見て戴きますと6、7、8と8項目のかなり具体的な提言をここで提案をさせていただいておるわけであります。ただ、環境税の問題につきましてはもう少し時間をかけて議論しようということで、ここではさらっと触れているだけになっております。それを我々プロジェクト・チームが受けて議論をしたということだけご紹介させていただきます。
 それでは、環境対策、温暖化対策としての税をどう考えるかという点について、こちらのブルーの表紙の報告書に戻っていただきます。我々は環境対策を一から議論しましたので、皆様方にとってはご存知のことばかりかもしれませんが、少し触れさせていただきますと、12ページの最後の2行あたりに、OECDでは、環境政策として「直接的規制的手法」、「枠組規制的手法」、「自主的取り組み」、「経済的手法」の4つを挙げておるということを紹介した上で、我々はこの中で経済的手法について考えたということを述べております。
 我々が対象としました家庭部門につきましては、このOECDの政策のうち、直接的規制でありますとかあるいは自主的取り組みについてはなかなかその効果が及びにくい。やはり経済的手法でなければ不特定多数を対象とした家庭部門には難しいのではないかということを述べております。税の効果としては、15ページの中ほどになぜ税なのかということで、アナウンスメント効果とインセンティブ効果という2つを指摘させていただいております。先ほどの片山知事のお話にも出てまいりましたけれども、私どもでは税を課すことによって例えば領収証に環境税ということを明記することによりまして消費者に気づきを与えるということ、あるいは税をかけることによって、次の16ページの図表13に書いておりますとおり、企業が省エネ製品あるいは省エネ技術の開発を誘発する可能性があるのではないか、それを消費者が購入することを促すという可能性もあるのではないかということで、これをインセンティブ効果という形で位置づけております。
 その上で、図表14にまとめておりますとおり、当チームの基本的なポジションとして3つ挙げております。1つは、当面の対策ではなくて、長期的な視点からのこの税の役割というのを明確にするということ。それから、税を導入する上で留意すべき論点を提示するということ。それを通じて3番目に地球環境を保持する国民的ビジョンにつなげていくということ、これが我々の基本的なスタンスであるということで明らかにさせていただいております。
 議論の過程をちょっとご紹介いたしますと、中長期的な視点から見た税というものはどういうものかということは我々のこのレポートの骨格でありますので後ほど申し上げますが、実はそこに至るまでに重要な議論が途中経過としては出てまいりました。つまり、長期的にこの税を入れるというのは必要だということは割とすんなりコンセンサスがとれたんでありますけれども、しかし、この温暖化対策、地球環境問題というのはそれまで待てるか、今すぐの問題ではないか、これに対して何の手も打たなくていいのかという意見が、かなり多くの委員の方から出ました。当時、昨年の夏から秋にかけてでありましたけれども、政府の方でも、さっきもちょっと出てまいりました特定財源の問題あるいはエネルギー課税の問題が大きな議論を呼んだのはご承知のとおりであります。我々のチームでも、エネルギー課税、化石燃料課税の一部を環境税に振り替えてはどうかという議論がかなり強く出てまいりまして議論いたしました。しかしながら、結論としましては、それは極めて難しいだろうということになったわけであります。
 ちょっとページが飛びますが、21ページに、これも皆様ご承知のとおりだと思うんですが、現在のエネルギー課税の税収とその使途を図表17でまとめております。これは石油連盟さんの資料から拝借したものでありますが、ざっと5兆円の石油関係諸税が課せられておりまして、それが道路整備、空港整備等に使われておるわけであります。
 それをもう少しブレークダウンして見たのが次の22ページの図表18であります。これは今ご紹介した議論、つまり既存のエネルギー課税を環境対策税に振り替えてはどうかという議論をする際に調べてみたわけであります。既存のエネルギー税のかけ方というのはこの図表18の右側に書いておりますとおり、それぞれ目的があってかけておりますので、1リッター当たりの税額というのは非常にばらつきがあります。それに対してヨーロッパ型の炭素税を考えた場合、ここでは非常にわかりやすい数字で、カーボントン当たり1万円という税率を仮にかけたといたしますと、この太枠で囲みましたように、ガソリンでは6.33円、軽油では7.15円、灯油では6.79円、大体同じぐらいの金額になるわけですね。当然カーボン量というのはそんなに違いませんから同じような金額になります。それに対して右側の現行税率は非常にばらつきがあって、炭素課税ではないということがよくわかります。これを振り替えるとしますとどれを振り替えるのか、あるいはあくまで環境対策のための税ということであれば炭素課税でなければならないと思うんですが、そうしますと全然そういう理念に合わないではないかということで、この一部振り替え案は却下せざるを得なくなったというのが実態でございます。
 では、長期的な税としてどういう税を考えたかということでありますが、24ページから25ページにかけてまとめております。一言で言いますと、近い将来税制の大改革が行われるのではないかなというふうに予測されております。その際に、我々は環境配慮型税という言い方をしておりますが、環境に配慮するための、あるいは環境配慮型の行動を促すための税を入れてはどうかという提案でございます。その結論の部分を25ページの図表21に書いております。つまり、現行の税体系を付加価値を中心にした、いわば直接税から関接税への課税体系にシフトするという税制の大改革が行われるだろう。その際に考えられるべきではないかと。当然その際には一般財源、特定財源を包括した国民の総合的な税負担の形を考えるべきだ。つまりもっと言ってしまえば、現行のエネルギー課税は一旦御破算にして、もう一度一から見直すということまで踏み込むべきではないかというのが2番目に言いたかったことであります。
 その上で、我々の提案します環境配慮型税というものは2つの大きな基本理念に基づくべきであり、1つが、何回も申し上げますが、炭素課税であるということ。それから、先ほど来の議論に出ています、目的税ではなくて、一般財源にすべきだと。この2つの基本軸を打ち出しております。この点、まだ抽象的な言い方にとどまっておりまして、これ以上の具体的な制度設計には至っておりません。
 その理由といたしましては、現在のところ経済同友会では今政府の方に対していろいろな意見や提言を随時発表しております。今一番強く主張しておりますのが、まず歳出の削減ということで、増税議論をする前にまず歳出を削減すべきではないか。ちょっと遡って恐縮でありますけれども、この報告書では18ページにその点を強く主張させていただいております。かねてより経済同友会は「小さな政府」ということを訴えてきておるわけでありますけれども、小さくてかつ効率的な政府の実現のためにはまず歳出削減から入るべきではないかということでありまして、この点は幾つかの提言で発表させていただいております。その上で、増税論議に進むべきだというのが同友会の基本的なスタンスでありまして、その増税論議は今月以降の新年度の大きなテーマとして取り上げようと考えているところであります。
 その税制改革の議論をこれからやろうとしているときに、この環境配慮型税だけ先行して具体的な制度設計まで踏み込むのはいかがなものかということで、ここではいわば基本的な考え方にとどめたということをご理解いただければというふうに思う次第であります。
 あと、27ページ以下は、国際対策としての京都メカニズムの活用について触れておりますが、これは皆様もご承知のとおりでございますので割愛をさせていただきます。
 最後に結びとして、先ほどもご紹介しましたとおり、早急に地球環境を保持するための国民的ビジョンを構築すべきではないか、その一貫としてこの環境配慮型税というのが位置づけられれば大変幸いだということでレポートをまとめたわけでございます。
 短い説明で大変恐縮でございます。とりあえず私からのご報告はこの程度にさせていただきます。

○森嶌委員長 どうもありがとうございました。私どもでも今までいろいろな議論をしておりますので、はしょったとおっしゃいましたけれども、我々にとっては十分わかりやすい説明でありがとうございました。
 それでは、ファーストラウンドでまず札を、ご意見、まだまとまってなくても順番とっておきたい方上げてください。一回締め切りますが、よろしいですか。それでは、ファーストラウンドとしては鮎川委員で、お答えをいただいて、その間に考えてください、セカンドラウンドやりますから。
 それでは、鮎川委員、どうぞ。

○鮎川委員 すみません、ちょっと考える時間があるということで手を上げたんですけれども。

○森嶌委員長 発言しながら考えてください。

○鮎川委員 そうですね。そもそもこの環境税をやはり経済的手法として考えたというところは非常に評価できると思いますし、これでないと家庭とか業務部門は難しいというのは確かにそうだというふうに思っておりまして、そういう提案を経済界の方からご提案いただいたということは非常に大きな一歩ではないかなというふうに思っています。
 それと、税の役割としてアナウンスメント効果とインセンティブ効果ということを挙げていらして、そしてレシートに環境税と書くというようなことは私も前から言っていたようなことなので、非常にそういう意味ではいい提案だなと思うんですけれども。
 家庭に焦点を当てるということ、業務部門も含めてだとすると、制度のつくり方が難しいかなというふうに思っておりまして、やはり家庭だけにしたところ、家庭で事業をやっているところもありますし、それで事業部門を入れるとすると企業も入ってきて制度設計がかなり難しいかなというふうに思ってはおります。その点は今そういう制度設計までは踏み込まないというふうにおっしゃったので、その点は質問しませんけれども。
 税法全般を見直して、そして環境配慮型の税を考えるというふうなアプローチの仕方は正しいのではないかというふうに思います。ただ、家庭の事情として1点言いたかったことは、やはりもちろん産業界の排出量は伸びていないという点はあると思いますけれども、やはり最大に排出しているセクターであることは確かで、そして家庭部門はある意味では排出量自体は少ないと、そういうようなことがありますので、やはりバランスをもったポリシーミックスが必要ではないかなというふうに思っています。家庭だけに課税するというだけでは国民の納得は得られないというふうに思いますし、やはり産業界もともにやっていくというそういう大きなポリシーミックスが必要ではないかなと思っております。
 きょうは触れられませんでしたけれども、最後の方の3章の方で、先進国の対策として排出量取引というのがあって、そういうグローバルなマーケットに参加するということが大きな役割を果たすことも検討されるとありますので、その点もぜひ配慮していただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。

○森嶌委員長 私の理解では家庭にだけあれをするといったのではなくて、炭素税とすると。ただ、そうした上でここに17ページに書いてあるように、産業なんかに配慮する、産業等への配慮等があるかもしれませんけれども。家庭にだけやって、そういう税制を組むということではありませんので、理論的には炭素をやるということで。なぜあれかというのは、どうしてこういう議論をしたかということで家庭や業務が増えているにもかかわらず炭素税はだめだだめだというのでは解決ができないだろうというので経済的手法を取り入れるべきだというのが経済同友会の動機であったというお話ですので。今はちょっと誤解があるように思いますので、それを、これは柿本さんの方からお答えいただければいいんでしょうけれども、一応私の方からそういうふうに、もともと私はそういうふうに伺ったということだけ申し上げて。
 天野委員、どうぞ。

○天野委員 私の質問もかなり鮎川委員とダブる面もあるかもしれませんが。まず、税のあり方として基本的な考え方については私は非常によく整理をされておりますし、よく理解できるご説明であったというふうに思います。こういう基本的な考え方がぜひ日本の中で普及していくようにということを願っております。それをまず申し上げます。
 それから、これは経済的な手法としての位置づけということで、経済的手法といいますのは個々の企業であれ家庭であれ消費者であれ、個々の経済主体の行動に介入するのではなくて、一種の経済的な仕組みをつくって、その中で自由に行動することによって環境に対するインパクトが出てくる、そういう位置づけだろうと思います。そういうことを強調されている点も私は評価できると思いますが。このペーパーにもありますように、経済的手法というのは税だけではなくて、特に京都議定書との関連でいいますと、排出権取引というのが大きな手法です。今回は税についておまとめになったということで排出権取引は外れているのかと思いますが、経済界は必ずしも排出権取引の導入には賛成されていないと私は理解しておりまして。そうなりますとここで経済的手法として税に基本的に賛成されるということであればその排出権取引についてもしご反対であれば少しつじつまが合わなくなりますが、恐らく読み取れることは、排出権取引についても同友会は賛成の立場と理解していいのかどうかですね、そのあたりを1つお伺いしたいと。
 それから、アナウンスメント効果、インセンティブ効果、これは気候変動税を導入したときにそれをサポートする議論として出てきまして、環境省もそれを活用しておられるわけですが。そういう形でイギリスの考えているような気候変動政策であればもう少し政策パッケージ、これも鮎川さんおっしゃいましたが、政策パッケージとして見ると。その中で環境税制を位置づけるというふうな視点がもう少し全体の中の一部ですよという形で出てきているのかなというふうに思うんですけれども。ここは本当に税について考えて、京都メカニズムはむしろ国際的な部分だけを扱われいてる、国内政策としては余り議論されていない、そのあたりどう、先ほどの経済的手法という点から見てどういうふうにお考えなのかということを少しお伺いしたい。
 それから、先ほど委員長は誤解だというふうにおっしゃられましたけれども、やはり税を実際に適用するときには課税対象をどこにするかということは大変重要ですので、例えば英国のように家庭部門には一切課税しないというやり方をするやり方もできるわけです。ここはむしろ鮎川委員が誤解されたと言いますか、誤解と言えば誤解なんですが、私も家庭部門に主として課すのかなというふうにとりました。しかし、一方で環境税というのはいろいろな主体を含みます。これ大企業ばかりではなくてもちろん中小企業等も含まれるわけで、そういった主体すべてをカバーするところが1つの特徴という面もありますので、そのあたりはもうちょっとご説明をいただけたらというふうに思います。
 以上です。

○森嶌委員長 僕が申し上げたのは、最初から家庭に課税をするというのではなくて、ここに産業界に配慮するということは書いてありますので、それでは経済同友会というのは産業界に配慮するのはどれくらい配慮するというつもりでこういうことを考えておられるのかという聞き方をすべきであって、最初から家庭にだけを対象とするという考え方とすると前提とした理論的なあれが成り立たないのではないか。だから、その意味で私は誤解というふうに申し上げたわけで。後で天野先生が言われたような可能性は組み方によってはあり得るわけです。ただ、先ほど柿本さんおっしゃったように、まだそこまで踏み込んでいないというわけですから、最初から踏み込んだ前提で、家庭にしかやってないじゃないかというのは、これは誤解に基づく発言なので、私としてはむしろ鮎川さんのためにそれは一応ここで訂正しておいた方がよかろうということを申し上げたわけです。
 それでは、どうぞ。

○柿本氏 大変貴重なご意見頂戴しましてありがとうございました。今、委員長からもご指摘の点でありますけれども、何回も申し上げますが、具体的な制度設計まで入っておりませんので、ここから先は私の個人的、全く柿本の個人的意見ということでご理解を賜ればありがたいんですが。私は炭素税、我々でいう環境配慮型税をかける場合に個人だけにかけられるかというと、現実問題課税の現場ではそれは難しいんだろうと思います。例えばガソリンを買いに行ったときに、あなた個人ですか法人ですかと運転手に聞いてかけるというのは難しいと思いますし。電力料金も何かいろいろと複雑らしくて、課税の現場でそれを仕分けるというのは難しい。だから、一旦は化石燃料を購入したとき、あるいは電力を使ったときには一律にかけて、何らかの形で企業に対しては軽減措置をとるという仕組みが必要かなと思っております。ヨーロッパ型の炭素税を見ますと、非常に重要な産業には軽減措置が大体導入されているようでありますけれども、その重要な産業だけにするのか、あるいは産業全般にするのか、ここら辺はいろいろなご議論があろうかと思います。これから、我々も議論する必要があると思っております。ぜひともこういう場でご議論を賜れば大変幸せだなと思っております。
 これはかなり技術的な問題ですけれども、極めて難しい。鮎川委員もご指摘になったように、現実にはどうして産業界というか企業に戻すことができるのか、極めて難しい。多分財政当局もそんな手間はかなわないというような話だろうと思います。
 それから、もう1つの大きなご指摘は、排出権取引について同友会はどういう考え方を取っているかという点であります。今日は税の問題が中心かなと思って説明を割愛いたしましたけれども、我々は排出権取引も税と並ぶ重要な温暖化対策として位置づけておりまして、これも日本政府としてあるいは日本国として積極的に取り組むべきだというスタンスであります。それはぜひご理解をいただければというふうに思います。
 ご説明を省いてしまいましたけれども、27ページ目以下に具体的対策として幾つか書いております。例えば京都メカニズムの活用でありますとか、ODAの活用などです。29ページにありますようなCDMプロジェクト、これはちょっと古いんですが、去年の3月現在の日本企業が取り組んでいるプロジェクトですけれども、この中で国連のCDM理事会で承認済みというのはナンバー4とナンバー7だけ、2つしかないというようなまだ寂しい状況ですので、これは日本政府のご努力でもう少しここら辺を認めてもらいたいということをちょっと触れております。
 先ほど天野委員から経済界は排出権取引に反対しているという御指摘がありました。私の理解では、産業界が反対しているのは、海外でこういうことをやって、それを国内にもってきてカウントする場合に、政府が一時ただでやろうというようなお考えがあったやに聞いておるんですが、こういうことでは困ると。やはりきちっと対価を払っていただけるのであれば企業は反対するいわれは余りないのではないかなと私個人的に思っております。そこがポイントでありまして、それをやっていただければ何ら反対する理由はないんじゃないかなと考えておるところであります。
 つい先般の新聞にも紹介されてますように、日本の商社や企業等では積極的に海外でCDMプロジェクトを進めて、国内企業で経団連自主行動計画にのっとってやっているところでまだ不十分だと思われる企業がそれを買っております。今、企業対企業の取引は大分進んでおるようでありますから、それを企業対政府の取引まで拡大できるようなご配慮をいただければ有り難い。多分こういう場でのご議論がなされるのではないかなというふうに思っているところであります。
 とりあえず今まで出たご議論に対するお答えとしてはそんなところで。

○森嶌委員長 これも無権代理で人が言わないことを言うんですけれども、天野先生が言われたのは、企業が反対しているというのはその問題ではなくて、キャップアンドトレードという国内の排出権取引に反対をしているのではないかと。キャップアンドトレードをやったら国内でもやったらどうだと、それについて経済同友会はどう考えたのというふうに聞かれたのではないかと私は理解したんですが。

○柿本氏 そうですか。それは議論していません。私どもでは議論していませんが、多分経団連を中心にそれは大反対してますので……

○森嶌委員長 そのことをお聞きになったんだろうと私は。

○柿本氏 それはここでは全然触れていません。

○天野委員 経済手法ですから、経済手法は一方がよくて他方がよくないというのはなかなか理解……。

○鮎川委員 でも、30ページのところは「日本がEU排出量取引制度の市場に参加することにより、マーケットをワールドワイドに育成する役割を果たすこと等も検討する必要がある」と書いてあるので、そういうことも。

○森嶌委員長 要するに国内のキャップアンドトレードしないで、外にいってもってくるという。

○鮎川委員 ええ、だから、それも考えてらっしゃるのかなと思ったんです。

○森嶌委員長 そして、そのもってきたやつを政府の方でただで寄越せというのは、これはけしからんとおっしゃるのはわかるんですけれども、全部をひっくるめて自分のところもキャップアンドトレードでやったらどうだというのが私は天野先生のご質問だっただろうというふうに理解をしたのですけれども。今のお答えで、そこは検討していない、ないしは意見を形成していないということです。
 鳥井委員。速水委員、これはもう終って。天野委員、セカンドラウンドですか。

○天野委員 いやいや、今の点ですが。

○森嶌委員長 そうですか、では、どうぞ。

○天野委員 今、鮎川委員指摘された30ページの記述なんですが、EUの制度に参加するというのは、これはお互いに相手の制度を認め合う形でしか参加を認めていないわけです。ということは、日本が国内制度を持ってなければ参加できないわけですね。だから、ここの記述をもしこのとおりだと理解すれば、国内の制度もつくると、検討するというふうにとれるんですが。

○柿本氏 そこまで踏み込んでいません。

○天野委員 そうすると、これはうそをいってる。

○森嶌委員長 いやいや、うそじゃないと思うんですけれども。私がEUだったら、そんなの自分のところでつくりもしないのに、そんなこといったって俺の方は認めないよというのは、私は法律家ですから、そんなものもってこないで何参加したいんだと、したい気持ちはわかるけれども。ですから、希望なされることは勝手ですけれども、あれの方ではなかなかそうは認めてくれないと思いますけれども。希望することは個人のというか法人の自由ですから、それはなさるといいんじゃないかと思いますけれども。
 それでは、よろしいですか。では、鳥井委員、どうぞ。

○鳥井委員 ありがとうございます。多少というか、失礼なものいいになるかと思うんですが。

○柿本氏 どうぞ。

○鳥井委員 今まで経済界の方が環境税に反対されていたのは、私たちはよくやってる、だからいらないとこうおっしゃっていたんですね。私たちがよくやっていることはわかるけれども、国全体のことをどうして産業界はお考えにならないんだというのが私は非常に疑問だったんですね。それに対してこういうレポートが出てきたということは大変やっと考えてくれるようになったかといったら失礼ですけれども、そういうふうにうれしく思っております。
 中身をちゃんと読んだわけではないので、今のご説明を聞いただけの質問なので違っているかもしれないんですが、このレポートの読み方なんですが、一言でいうと、税制改革をやらなければ環境税はやるべきではないよとおっしゃっている、大税制改革をやらなきゃ環境税はやるべきではないよと、こういうふうにおっしゃっていると読むべきなのか、それともそうではなくてちょびっと税制改革にも手をつけるならば環境税をやった方がいいよと読むべきなのか、どちらでしょうというのが1つ目の質問でございます。
 もう1つ、このレポートに対して他の経済団体の反応はいかがだったのでしょうか。
 2点、ご質問申し上げます。

○森嶌委員長 それでは、速水委員。

○速水委員 私もちょうど今の質問で、大改革があればという話で、それがなければどうするんですかというお話を伺おうと思ったんですけれども、同じ質問既にしていただいたのでそれは結構ですけれども。
 さっきのキャップアンドトレードのところで、実は先ほどの片山知事のところで森林の問題が出たんですけれども、国内の森林においても我々いつも苦々しい思いで見ているのは、海外にかなり企業が大きな森林に対する投資をCDMを前提として行われていると。そうすると、国内の部分というのは、おいおい、海外だけではないだろう、国内の森林がこれだけ大きな問題になっている場合に、何かそこで森林の吸収源としての位置づけを何かうまくやれば、今のキャップアンドトレードがない限り無理なんでしょうけれども、もう少し森林に対する企業の投資というものがどこかで起きてくる可能性がある。その制度を使わないままに各県の先ほどの森林環境税だとかそういう問題も含めて議論がちょっと片手落ちかなという気がいつもしているんですね。森林だけからの視点でございますので、ほかのもっと広い視点があっての話なんだろうと思うんですけれども。意見といって聞いていただいても結構でございます。

○森嶌委員長 ほかの方、よろしいですか。
 それでは。

○柿本氏 鳥井委員のご質問、このレポートを突き詰めれば大税制改革をやらなければ環境配慮型税は導入すべきではないと主張しているのか、それともそこまでいく手前で少しでも早めにやったらどうかというご質問ですが、これは前者です。この点は繰り返し言っているつもりなんですけれども、環境省さんが考えておられるように、現在の税制をそのままにして、そこに何らかの形の環境税を入れるというのは我々としては反対。今までも反対していますし、このレポートでも大反対しています。

○鳥井委員 エネルギー関連諸税という、に限っていると考えてよろしい。

○柿本氏 いや、違います。全部です。エネルギー関係諸税ももちろんでありますけれども、それだけではなくて、言ってしまえば50年前にできた、シャープ税制を抜本的に今見直すべきときにきているのではないか、我々のチームではそういうふうに考えたんですけれども。今の政府のご議論を聞いておりますと、消費税を10%にするとか、あるいは一部の税制をちょこっといじるだけで財政再建をしようとか、まず財政再建ありきの議論が先行している、そのための増税論議が先行しているように思います。そうじゃなくて、税制、もっと広くいえば社会保険料も含めた国民負担全部をこの際抜本的に見直して、その中でこの環境税を位置づけてそれを一般財源に使う、こういうことでなければ入れるべきではないと、ここはきちっと申し上げたつもりです。
 それから、ほかの団体の反応はどうかということですが、ほかの団体もそれぞれ意見書を発表したりやっておられます。先ほど申し上げたとおり、環境省の環境税案には反対という点では一致して行動したんですけれども、それ以外はそれぞれがそれぞれ自分の意見を言うということでやっております。この問題につきましても特に事前にすり合わせしたとかということは一切ありませんし、事後的にも経済同友会けしからんとかいうようなお話も一切ございませんでした。
 それから、速水委員のご指摘は確かにごもっともな点があろうかと思いますので、これはこれから我々が地球環境問題を考え、まだまだ掘り下げて議論し、かつ具体的な提言をし続けなければならないと思っておりますので、その際に大いに参考にさせていただければというふうに思っております。

○森嶌委員長 ヨーロッパでも全部の税制を改革した後に環境税が入ったわけではなくて、社会保障とか今までインカムタクトでとっていたものを炭素でとる。しかも、炭素で全部とったわけではなくて、ごくごく一部、それこそアナウンスメント効果ぐらいのところで。しかし、何のためにこういう税制が入ってくるかといういわばストラテジーといいましょうか、方向性を見つめてその中でやってみてそれがどう動くかということを見きわめながら税制を将来に動かしていくというと、特にドイツの場合はそういうやり方でやっていまして、その意味では先ほどどれくらいの効果があったかわからないという意味では、ドイツ人に聞いてもそれ自身でピタリと効果があるわけではないけれども、しかし、将来の税制というのはこういう方向で動いてくんだと、今までのように労使ともに労働から上がるところでほかのタックスをまかなうのではないという方向性だけはあれしている。じゃあ、まかなっているのかというと、まだそんなところじゃないわけですね。
 その意味では、私は今の経済同友会のような先見性のある人が集まっておられるときに、それができなければ入れるべきではないというのは、ビジョンでいつも極めて高等な議論をしておられるグループですから、そうではなくて、そういう方向性で動いたらまず第一歩として認めると。ただ、今の政府がガチガチやっているときに入れるべきではないと、これは話はわかりますけれども。私は全部そろって、全部パーフェクトに出てきたところでなけりゃ認めないというのは法律家の私からいえば、それは拒絶の論理でしかないというふうに思いますので。ぜひお帰りになりましたら、北城代表にそういうふうに法律家は受け取っているというふうにお伝えいただきたいと思うんですが。
 今どこの国でも税制をどう動かしていくか、今と異なる税の考え方を入れようとしているわけですね。ちなみに申しますと、日本でリサイクル社会に動くときに、循環型社会形成推進法は一番先に出てきたのではなくて、容器包装法が出て、その前にほかのもありますけれども、出てきて、そこからおもむろに動き出して、2年も3年もかかってだんだん出てきて、それからいろいろな個別法がぶら下がって出てくるわけですから、私は社会というのはそう革命でも起きない限りそう簡単に動くわけではありません。それから、先ほど片山知事もおっしゃったように、300円とって1億円あれしたと、そのこと自身があれではありませんけれども、そこから世の中が変わるということだと思うので、ぜひ経済同友会のようなウィズダムを持っておられるところはそれぐらいの度量と先見性とストラテジーをお持ちになることをぜひ私としては切望いたしますので、よろしくお伝えいただければと。

○柿本氏 帰りましたら早速北城代表幹事に伝えます。

○森嶌委員長 よろしくお願いします。

○柿本氏 一言。実は、委員長ご指摘のヨーロッパ型の炭素税を考えなかったわけではなくて、あれは税制に中立ですよね。新しい炭素税を入れたときには所得税を減税するとか、あるいは社会保険料を減らした国もあって、トータルの国民負担は一定、中立な上で入れたということですね。そのアイデアも実は拝借していろいろ議論したんですが、これも先ほどの現行のエネルギー税の振り替えの議論と同じように、一部だけちょっとやるのはどうかなということで却下したんですが。

○森嶌委員長 ただ、今はそうですけれども、全体の方向性としてはそっちの方向で。もっともあれですね、選挙で揺れ戻しが起こって、社会民主党だとかみどりの党の大連合ができたりなんかして、それは将来わかりませんけれども。少なくともあれが動いているときには、将来の見通しをつけた上で今ああいうとりあえずああいう形で動いて。それで、ニュートラでやったのはそれを示すためである、単なる増税ではないと。その意味では、私はこの小委員会の委員長でありながら環境税を批判するのはあれですけれども、環境税はいかにもそこだけ膨れるので財源調達じゃないかと批判されれば私の方もそう言われれば申しわけありませんというほかないわけですけれども。少なくともヨーロッパは、ヨーロッパのある国などはそういう方向を向けてとりあえずある程度妥協的だけれども、方向性は向いているわけですから。完全でないから経済同友会は完全なもののお好きな方だから、完全なものができるまでやらないというのは、これは法律家の目から見ればそれは拒絶の論理だということでございます。
 それでは、あと8分残っておりますので、どうぞ、片山知事のお話も含めて、あるいは片山知事、それから柿本さんも含めて議論に参加いただき、あるいは我々の小委員会は何をやってるんだと、あるいはいいかげんにしろということでも結構でございますが。お二人参加していただいても結構ですので、あと8分ばかりありますので、どうぞ。全体的に。

○西岡委員 ちょっと筋が違う話になってしまうかもしれませんけれども、私どもの方は温暖化の科学をやっておりまして、この大前提は2ページのあたりに書かれているように、確かに確実な相互関係というのは絶対にどうせ出てこないだろう。しかしながら、科学は非常に進歩していて、かなりそうらしい形になっているなということがあるんですね。
 私の質問というのは、こういうあたりをどういうぐあいに経済界の方は論議なさっておられるのかということについて知りたい。なぜかといいますと、むしろ経済界の方のほうがそういうことに対する知識の集約にしても判断にしても十分やっておられると思うんですけれども、なかなか一般の人にもそういう話が説明しにくいところがございます。いつも枕詞で科学が確立されてないと経済界の方々がおっしゃるんですけれども、このあたりの基本的な認識についてはどうお考えなのかというのをちょっと参考までに聞きたいなと思っております。

○柿本氏 私もこういう問題は素人なんですけれども、この報告書では専門家の報告書の文言をそのまま利用させてもらったんですが、我々が議論するときには、やはり関係が非常に高いだろうという前提で議論しています。したがって、各業界単位、各企業単位の自主行動計画なるものも当然それを前提にCO排出量を減らそうと必死の努力をしているわけですよね。私が関係している企業で見ましても、事業所単位で、2年後、3年後の目標を立てて、それに向けて本当に必死の努力しています。関連が高いという前提でなければそんなことはやらないと思いますので、あくまでCO排出量と地球温暖化問題は関連が深いということで行動しているとご理解いただいてまず間違いなかろうかと思いますが。

○森嶌委員長 それでは、よろしゅうございましょうか。
 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ちょっとこれも話がずれるかもしれないんですが、家庭のエネルギー消費量がふえている、業務部門がふえる。日本は極めて高度な産業社会ですから、これはもうそれぞれが結局は産業界というか家庭部門に関しても一歩外に出れば産業人なわけですね。ですから、そういう意味では産業の、あるいは企業の団体としてそういうところにもっと個人的な別のパースで働きかけるというそういうような発想というのはお持ちではないのでしょうか。やはりこういうそれなりの規制その他をかけていかないと、自分たちの身も律せないというこういう発想なのか、もう少しそういう意味での先見性をお持ちいただくということは難しいのかどうか。大変な失礼なことを。

○柿本氏 すべてのケースを知ってるわけではありませんが、今申し上げた社内の削減目標と合わせて、従業員の家庭にも呼びかけて温暖化対策をやろうということをやっている企業はかなりあると聞いております。私が関係している企業でもそのようにやっておりますので、それは多分トップのセンスの問題なのか何かわかりませんが、やはりかなりの企業がやっているのではないでしょうか。従業員も含めて。会社人としてだけでなくて、個人レベルでも指導しておるというか、一緒にやろうという動きをしているのはかなりいるのではないでしょうか。

○鈴木委員 その努力があった上でなおかつこれだけあがっているという、そういうことですか。

○柿本氏 そうですね。

○江森委員 そういう意味でいうと、私、連合なんですけれども、ぜひ会社だけでなくて労働組合と一緒になって職場の中で何ができるのか、家庭の中で何ができるのかということを経済団体の皆さんにもお考え願いたいなと思います。実はおととい梶原課長に来ていただいて温暖化対策ガス排出量の算定・報告・公表制度についていろいろ勉強して、労働組合としても会社が一方的に行政に報告書を出すのではなくて、その前にできれば労使の関わりの中で、うちの事業所は、うちの会社はこの1年間どのくらい温暖化排出ガスを排出したんだろうかということを会社に報告してもらって意見交換をする、そういうことをまず職場でやってみようということを連合内の組合に提起をしております。企業単位、事業所単位の取り組みになると思うんですが、ぜひ日本経団連や経済同友会の方々とも連携しながらやっていこうと思っています。
 それから、6月からは温暖化対策の月間が始まりますので、連合としては液晶温度計を16万個ほどつくりまして、できるだけ職場の近いところまで落として、28度設定とノーネクタイ、ノー上着というエコスタイルの実践を連合レベルで取り組みたいと思っています。こういったことは経済同友会の皆さんや日本経団連の皆さんとも一緒にできることではないかと思いますから、ぜひご協力をお願いしたいと思います。

○柿本氏 よくわかりました。

○森嶌委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、今の話はいいんですけれども、余りせっかく柿本さんにお出でいただいたのにお前ら何やってるか何やってるかといって攻撃をすると、今度この後経団連にも出てもらおうかと思っていたら、あそこへ行くとみんながいちゃもんつけるから意見陳述はやめだなんて言われても困りますので、ぜひ。別に言いたいことも控えろというつもりはありませんけれども、客観的な分析に基づいて冷静にということでございますので。
 きょうは本当に、片山知事も柿本さんもありがとうございました、私どものために。それこそ貴重なご意見を賜りましてありがとうございました。
 それでは、きょうの審議はこれで終了いたしますが、事務局から何かございますか。

○鎌形環境経済課長 次回以降につきましてはまた、先ほど森嶌先生からも課題がまだいろいろあるということご指摘ございましたけれども、事務局と森嶌先生とご相談した上で次回の日程はまた追って連絡させていただきたいと思います。

○森嶌委員長 では、整理いたしました幾つかの論点、例えば先ほどありましたいろいろな諸税との関連等の問題がありますのでこれも整理いたしまして、日程調整の上また次回やっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 きょうは長時間にわたりましてありがとうございました。

午後4時00分 閉会