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中央環境審議会 総合政策・地球環境合同部会
第15回施策総合企画小委員会 議事録



平成16年11月10日 午前10時03分開会

○鎌形環境経済課長 おはようございます。まだお集まりでない委員の方もいらっしゃいますけれども、定刻も参りましたので、これから会議を開催させていただきたいと思います。
 それでは、森嶌委員長、よろしくお願いいたします。

○森嶌委員長 それでは、ただいまから第15回の施策総合企画小委員会を開催させていただきます。
 今回の議題といたしましては、2003年度の温室効果ガス排出量速報値についてご報告を受けます。これにつきましては、昨日の地球環境部会で報告をいただいております。今日ご出席の委員の顔ぶれを見ますと、ほとんど出ておられたので二度目ということになりますが、これについてのご報告を受けます。
 それから、先日、環境省から政府税調等に環境税の具体案が提出されております。これにつきましては公表されておりますので、この小委員会におきましても報告をいただくということにしたいと思います。これが2番目です。
 そして、3番目は今までご議論をいただいてきた幾つかの議題につきまして、もう一度全体を通じて幾つか残された点についてご議論をいただくと同時に、今後の件につきまして私の方からも考えを皆さんにお示しして、どういう点について議論していくかということについてお諮りをしたいと考えております。
 審議という点では3番目の審議がこの小委員会の本来の議題ということになりますが、多分2番目の議題についても皆さん待っておられると思いますので、これについても時間を割くことにいたします。
 最初の議題につきましては速報値の報告であります。昨日、私も地球環境部会に出まして、幾つかご質問がありました。もちろん繰り返してのご質問も結構でありますが、ほとんどの方は聞いておられるので、多分これについてはあまり時間が割けないのではないかと思いますが、これについてもご質問のある方はどうぞ言っていただいて結構でございます。
 それでは最初に、温室効果ガスの排出量の速報値についてご報告をお願いいたします。

○清水温暖化対策課長 温暖化対策課長の清水でございます。座ってご説明をさせていただきます。
 資料1ということで用意いたしましたが、温室効果ガスの排出量、インベントリーですが、これにつきましては、これまで2年遅れで報告をしてきたわけであります。今年、2004年度でありますから、最新のデータが2002年度ということで、いつも2年遅れということで大変各方面からご批判をいただいておりまして、もっと早く報告できないのかということがありました。データなどの関係から、正確な政府全体としてのインベントリー、この値の確定はやはり2年遅れということにならざるを得ませんが、速報値という形で環境省の方で推計いたしましたものがこの資料であります。
 今回、2002年ではなく2003年ということで1年遅れの最新のデータで、環境省の方でさまざまな推計を含めて算定したものであります。
 最初のところに書いてありますように、このため、データがない部分あるいは代用している部分、推計している部分などがありますので、政府全体の正式なインベントリーと比べると数パーセント程度の誤差が生じる可能があるということをまずお断りしておきたいと思います。
 その上で、ここに書いてありますように、2003年度の温室効果ガスの総排出量が13億3,600万トンということで算定されました。これは前年度が13億3,100万トンということですので、前年度と比べて0.4%の増加。これは京都議定書の規定による基準年の総排出量に比べまして、2002年度のデータが7.6%という数字をこれまで申し上げてきたところでありますけれども、原則1990年の基準排出量と比べまして、約8.0%上回っているという結果になっております。
 その9割を占める二酸化炭素につきまして、工場等以下幾つかの部門別に比べておりますが、これを見ますと、従来の傾向とあまり変わっておりませんで、運輸関係、業務その他関係、家庭関係、ここではかわりやすく言い方をかえておりますが、前回の区分と同じであります。こういった値ということで、それぞれ2割あるいは3割以上の伸びということになっております。
 下に工場等、自動車・船舶等、オフィスビル等、家庭ということでグラフが示してあります。このグラフの右側のところに、前年度と比べてどのくらいの伸び率かということを示しております。一番上に工場等ということで7億7,600万トン、これは前年度と比べまして1.7%の増加ということでございます。この年は景気の回復などがありまして、生産量もアップしているというような要因も絡んでいると思っております。
 それから、自動車・船舶等、いわゆる運輸部門でありますけれども、この部門におきましては、▲0.8%ということで減少に転じております。これは物流の効率化など、特に貨物部門での削減がきているという理解をしております。
 オフィスビル、家庭、これはともに対前年度比プラスでありますが、0.1と、ほぼ横ばいという形になっております。実は、この年、2003年度におきましては冷夏暖冬ということで、暖房需要、冷房需要などにおいて減少している面はあるわけでございますが、一方、この年、思い起こしていただければ、原子力発電所が停止しておりまして、それに伴って電気の排出に伴う原単位の悪化というものがそれを相殺した形で横ばいという形になっております。
 ちなみに家庭でいいますと、排出量の6割が電気起源、オフィスビルでいいますと約5割が電力起源、工場などにおきましても35%程度が電力起源ということでありますので、そこの原単位の悪化というものがかなり響いた、そういう結果になっております。
 2ページに各温室効果ガスの排出状況ということでそれぞれ示しております。ここは今申し上げたのであまり詳しくは言いませんが、ただ、原子力発電所の影響については3ページの下の方に書いてあるということを申し上げておきます。
 4ページを見いただきますと、二酸化炭素以外の温室効果ガスについての状況を掲げております。メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六ふっ化硫黄ということで、温室効果ガス、京都議定書で規定しておりますのは二酸化炭素以外にもこういった5種類のガスがあるわけでありますが、これらのガスはいずれも前年度と比べて減少しているという結果で、着実な減少をたどっているということであります。これはそれぞれ温暖化対策の大綱ということで目標を持って対策を進めておりますが、これらのガスについては、現時点ですべて、現在の大綱の現在の目標を達成しているという状況にあります。
 以上です。

○森嶌委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、何かご質問等ございましょうか。
 鮎川委員、どうぞ。

○鮎川委員 一言申し上げたいと思うのですけれども、この年の増大の原因が、原子力の停止にあるということがかなりあるというふうに思うと、原発を温暖化対策の中心に据えることの問題性というのが明確になったのではないかと思います。というのも、こういうことは起こり得るわけです。現に今年は美浜原発事故があって、関西電力でも原発が停止しましたし、今後原発の使用年数が増えるとともに、点検・整備・修理の時期は増えるということで、原発に依存した温暖化対策というのはリスクがあると思いますので、やはりもっと再生可能自然エネルギーの方に力を入れるべきではないかと思います。
 以上です。

○森嶌委員長 ほかに、桝本委員、どうぞ。

○桝本委員 今の鮎川さんからのご指摘、ある意味で大変的確で、私どもとしては面目がない次第でございます。ただ、逆に原子力を実際に運営している電力会社にかかわる者として、私どもは2003年あるいは今年もそうでございますが、原子力がいかに温暖化対策に有効であるかということを再確認をさせられたというのが実際のところでございます。それだけにいろいろな皆様のご理解を賜りながら、しっかりこの原子力を、安全を第一にして、安定運転をし、さらに稼働を高めて、地球温暖化対策に有効に活用していくということの必要性を我々は身をもって感じました。ご指摘のようなご意見もありますが、私どもとしては、一層安定、安全、そして安心の運転に努めたいと考えております。

○森嶌委員長 平尾委員、どうぞ。

○平尾委員 今のお二人の意見に一言、老婆心ながらでございますが、今後エネルギー手段を選ぶときに言葉、傾向、そういうことだけではなくて、定量的に、規模、大きさ、そういうものも含めて我が国の経済、生活が成り立つのかということを考えた上でのエネルギーのセキュリティ問題といいますか、そういうものをご検討いただきたいと思います。

○森嶌委員長 よろしいでしょうか。
 それでは、数量的なこととか、計算の基礎というのは昨日も質問が出ておりますので、よろしいですね。
 特になければ次へ進ませていただきます。
 それでは、次の議題でございますが、先ほど申しましたように、環境省の方から環境税につきまして具体案が政府税調等に提出されております。仄聞するところですと、それに基づいて、政府税調において来年度の税制改正をめぐる議論が行われ、与党においても今後議論が行われるということだそうでございます。環境税の具体的な案が提出されないでは困るということで、それに対応して環境省の方から案として提出をされたものだというふうに伺っておるところであります。
 環境省では、今般、その政府税調及び自民党・与党からのそういうご指摘を踏まえて、それにこたえなければならないということです。これは私の方で前にもこの委員会で申しましたけれども、我々の議論で、現時点ではこういうふうにすべきだという結論が出ていないことは、私が申し上げるまでもなく皆さんの方がよくご存じであります。しかし、行政として、環境省は環境省の責任においてどのように行動されるか、これはいろいろな政治のスケジュール、行政のスケジュールがありますから、そこは環境省の責任においておやりになる。このことについて、中環審としてそれを差しとめる、あるいはそれに直接影響を及ぼすということはできないわけであります。
それについては、中央環境審議会令及びその運営規則等をご覧いただければご理解いただけると思います。環境省としては行政の立場から今までの議論を参考にされた上で案をおまとめになったところでありまして、それが公表されておりますので、この委員会としてもその案について環境省から説明を受けたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○鎌形環境経済課長 環境経済課長の鎌形でございます。座って説明させていただきます。
 お手元の資料の中で参考資料1が環境税の具体案、「平成16年11月5日 環境省」と右肩に書いてあるものでございます。
 まず、この環境省の具体案の位置づけからご説明申し上げます。環境省では、昨年、中環審の専門委員会の報告をいただきました。これを受けまして、たたき台としてパブリックコメントを行うとともに、全国67カ所で説明会などを通じて幅広く国民の意見をお聞きしてきたところでございます。その上で、産業界やNGOの委員にも多数ご参加いただいておりますこの小委員会におきまして、これまで14回にわたり審議を行っていただき、検討を深めていただいてきたという状況でございます。
 環境省としては、こうした議論を積み重ねてきているところでありますけれども、この8月末には、小委員会における中間取りまとめの議論なども踏まえまして、平成17年度税制改正手続の一環として税制改正要望を提出しております。その税制改正要望は「地球温暖化対策を推進するため環境税(仮称)の創設等必要な税制上の措置を講ずること」という要望でございます。こういう要望を環境省として提出いたしまして、税制当局との議論を始めているところでございます。
 この小委員会におかれましては、その後も引き続き議論をいただいております。課税段階、軽減方策等々の論点別に審議を行っていただきまして、10月中には環境税をめぐる一通りの論点について議論を行ったところでございます。
 現在の税制をめぐる動きですけれども、政府税調において来年度税制改正をめぐる議論が今行われているという状況でありまして、与党の税調においてもこれから議論が行われるということになろうかと思います。先ほど環境省として要望を提出していると申し上げましたけれども、その中で環境省の具体的な案が提示されないままでは議論ができないというご指摘がございました。今般、こうしたご指摘にこたえまして、これまでの専門委員会とか、あるいはこの小委員会におけるご議論なども踏まえまして、また、国民各界各層からいただいたご意見等も十分斟酌した上で、環境省として税率とかあるいは軽減措置、こういったものも含めました具体的な制度設計を行って、去る11月5日に環境省の具体案として公表いたしたというものでございます。それが参考資料1でございます。
 それでは、参考資料1についてご説明申し上げます。
 まず、基本的な考え方でございます。温暖化問題は対応待ったなしということ、ただ今も速報値の説明がありましたが、排出量は90年比約8%増という状況であります。今年は大綱の見直しの年でありますが、追加的対策・施策が不可欠という認識に至っております。
 2番目に、環境税の位置づけでございますけれども、環境税は排出量に応じて幅広く負担を求めることができるという意味で、公平性、透明性、効率性、確実性に優れた施策という認識でございます。
 それから、環境税は国民のライフスタイル、あるいは社会システムを環境にやさしいものへ変えていく推進力であって、資源小国でもある我が国の社会経済基盤の強化にもつながるということでございます。
 我が国の削減約束を確実なものとするためには、規制的手法、自主的取り組み、経済的手法などさまざまな施策がありまして、こういったものを組み合わせて可能な限り排出削減を進めていく必要がございますが、今目標と実際のギャップは約14%ということでありまして、そのうち約4%程度の削減を環境税で確保しようという提案でございます。
 それから、環境税の導入に当たりましては、企業や国民全員が温暖化対策に参加していく仕組みの構築を目指す、全員参加ということでございます。
 具体的には、環境税収につきましては、各分野の温暖化対策がより一層促進されるような支援に活用ということとあわせて、雇用の促進など企業活力の維持・向上にも活用しようという発想でございます。
 なお、従来から温暖化対策に取り組んでいる産業界の国際競争力の維持の観点とか、低所得者、中小企業者への配慮の観点からのさまざまな軽減措置も工夫する。
 以上が基本な考え方でございます。
 2ページ目にまいりまして、具体的な税の仕組みでございます。
 (1)課税対象、課税段階でございますが、すべての化石燃料と電気を課税対象とするということでありまして、電気につきましては、電気をつくる過程で燃やされる化石燃料に着目した課税ということでございます。
 課税段階につきましてはここにありますように、上流課税はガソリン、揮発油、軽油、灯油、LPG。下流課税は石炭、重油、天然ガス、都市ガス、電気、ジェット燃料ということでございます。
 このうち石炭、重油、天然ガスは大口の事業者に課税することとしております。都市ガス、電気は消費の時点でということですけれども、電気事業者ないしはガス事業者は特別徴収ということを想定してございます。
 それから、下流課税に関しましては、円滑な執行に十分留意するということで、体制整備などが必要ということでございます。
 (2)税収額、税率でございます。税収額は約4,900億円。全体として、一般財源といたしまして、温暖化対策に約3,400億、そのほかは、例えば社会保険料の軽減など、企業活力の維持・向上という観点から約1,500億円ということでございます。
 これに対応する各部門の課税額につきましては、産業が約1,500億円、業務その他が約2,000億円、家庭が約1,400億円ということでございます。ここでは運輸部門への課税額は、業務その他、家庭にそれぞれ配分してございます。
 これに対応するものといたしまして、税率は、炭素1トン当たり2,400円ということでございます。この税率は、例えば電気についていいますと、1キロワットアワー当たり25銭ということになります。これは全電源コストの平均の数値から割り出したものでございます。ガソリンの税率は1リットル当たり1.5円ということでございます。
 家庭の負担を試算いたしますと、一世帯当たり年間約3,000円、月額約250円という数字でございます。
 3ページにまいりまして、税負担の減免措置でございます。
 まず、国際競争力の確保、産業構造の激変緩和等ということで、鉄鋼等製造用の石炭、コークス、農林漁業用A重油等は免税ということでございます。それから、エネルギー多消費型製造業に属する企業が消費する石炭、重油、天然ガス、電気、都市ガス、これはいわゆる下流課税の部分ですが、これについては軽減を行うということでございまして、生産額に占めるエネルギーコストが全国平均を上回るような業種を指定いたしまして、2割から5割程度軽減するということでございます。エネルギー多消費産業への影響については、この委員会でもよく指摘されていたことでございます。
 運輸事業対策といたしまして、軽油等について軽減を行うということで、軽油の場合、上流課税ということもありまして、税率で2分の1という軽減の案でございます。
 それから、低所得者、中小企業者等への配慮ということですけれども、まずは、電気、都市ガスについて免税点を設定ということでございます。これは消費税導入前にありました旧電気税、ガス税におきましても免税点の設定がありました。
 それから、中小企業に配慮ということですけれども、先ほど石炭、重油、天然ガスにつきましては、大口事業者に対する課税というふうに申し上げました。その裏返しで、小口の事業所につきましては、ここに掲げられた燃料につきましては非課税ということになります。
 それから、寒冷地、低所得者に配慮して、灯油についての軽減を行うということで、税率2分の1ということでございます。
 その他、ガソリン等の化石燃料が輸出された場合には輸出免税、また、発電用の石炭等につきましては、電気に税がかかるということになりますので、二重課税を防止する措置という観点から免税ということでございます。
 次に(4)既存エネルギー関係諸税との関係でございます。ここでは石油石炭税との関係について言及させていただいております。環境税収が温暖化対策の追加財源に充てられるということを考慮しつつのことですが、歳入歳出の性質が一部類似する石油石炭税との関係について所要の整備を行うということでございます。
 4ページにまいりまして、税収の使途でございます。地球温暖化対策として企業、家庭などが行う取り組みや森林整備・保全への支援ということがまず一つですが、それとあわせて、雇用の促進など企業活力の維持・向上、例えば社会保険料の軽減ということにも活用していくということでございます。こういったことをあわせて、環境と経済の両立を図っていくということでございます。
 地球温暖化対策の具体的な内容といたしましては、まず、地球温暖化推進大綱の評価、見直しを踏まえて決めていくということです。幅広い主体の取り組みを対象とするということでありまして、例えば省エネ機器の購入促進などによる豊かで環境にやさしい生活の実現、環境関連産業の育成と環境設備支援、グリーンな交通の実現、クリーンエネルギーへの転換、緑の国づくり、こういったものを支援していくということでございます。
 なお、地球温暖化対策に資する技術開発や都市改造などの中長期的に効果を発揮する対策にも充てるということでございます。
 (6)地方公共団体への譲渡ということでございますが、住民に身近な存在である地方公共団体は、地域に密着したさまざまな対策を実施しているということですので、地方公共団体の地球温暖化対策に充てる「環境譲与税」を創設いたしまして、環境税収の温暖化対策分の2割程度を地方公共団体に譲与するということです。実施時期は平成18年1月ということでございます。
 この環境税による効果・影響でございますが、税による削減量はおよそ5,200万トン程度、1990年基準で4%程度の削減を見込んでおります。経済への影響につきましては、モデル計算をした結果、GDPにしますと、年率0.01%の減という試算がなされております。
 5ページ目以下は参考でございます。5ページ目には、それぞれの燃料について単位量当たりの税率を掲げております。炭素1トン当たり3,400円ということですが、石炭にいたしますと、1キログラム当たり1.58円、ガソリンにつきましては、1リットル当たり1.52円という形になります。そのほか、灯油、軽油、ジェット燃料につきましては、試算では税率の2分の1に軽減しているということで以上のような数字になっております。
 以下、同様な考え方ですが、一番下の電気につきましては、先ほども申し上げましたように全電源の平均をとったということでございます。全電源の平均で、電気の製造過程におきまして排出されるCO2を計算してつくったということでございます。
 6ページ目は、この小委員会でも既に資料として提出させていただいておりますけれども、業種別の工場生産額に占めるエネルギーコスト比率のグラフです。業種によりましてエネルギーコストの高い業種が出ております。ご提案いたしております案におきましては、このエネルギーコスト比率、全国平均でおよそ2%程度と計算されております。統計上、そういうふうなものが出てまいりますので、2%を超えるような業種につきまして2割から5割程度の税の軽減をするということを提案しているものでございます。
 7ページ目、税収の使途でございます。先ほど申し上げたものを少し具体的にかみ砕いたものですが、温暖化対策に3,400億円、ここに幾つか項目が挙がっております。先ほど申し上げたとおりですけれども、それぞれの項目で、家庭やオフィスなど幅広い視点の取り組みを支援していくということでございます。下は、雇用の促進など企業活力の維持・向上に1,250億円ということで、例えば社会保険料の軽減ということを例として挙げております。
 8ページ目は、環境税による削減吸収効果、つまり基準年比約4%を環境税の効果で見込むということを申しましたけれども、どのように4%を見込んでいるかということを示したものでございます。この図自体は、前々回、この小委員会で使途について議論をさせていただきましたときに、現在の地球温暖化推進大綱の見直しの作業の中でさまざまな対策のメニューが検討されている。そういう中から環境税の使途として考えられるようなもの、追加的財源が必要とされると考えられるようなものを抽出してくるということで、環境税の使途のイメージをお示しするということをいたしました。基本的にはその作業をなぞっているわけですが、一番左側にありますのが検討されている温暖化対策ということでありまして、大綱の見直し作業の中で対策のメニューとして掲げられているものを例示としてここに掲げてございます。それぞれに削減量が見込まれているということでございます。
 その中から、こういった対策を実現するためにさまざまな政策手法があります。経済的措置もありますけれども、ほかに自主的取り組み、情報的手法、規制的手法といったものが考えられるわけでありまして、そのどれによって担保していくのかということを抽出いたしまして、その中で経済的措置によって実施が担保される対策をまず抽出したのが左から2番目の列でございます。その中でもさらに大きな削減量を見込めるものとか、あるいは高い普及目標を掲げているものを追加的財源が必要な対策というふうに抽出してまいりました。そういったものを全体として見ますと、一番右側ですが、全体で約2,000万トン程度を見込むということでございます。
 この場合、それぞれの対策につきまして、規制的措置も同時にかかると想定されるものもありますので、そういったものとの役割分担を考慮いたしまして、削減量を全体として見た場合に、およそ2,000万トンということでございます。このほかに、価格インセンティブ効果として約600万トンを見込む。これはAIMモデルによる試算でございます。その他、森林整備、京都メカニズムなどでおよそ2,600万トンということで、全体で約5,200万トン、基準年比約4%の削減を見込む、これを環境税の効果として見込むということでございます。
 9ページ目にまいりまして、環境税全体の効果・影響をまとめたものでございます。左側は削減効果ですが、その削減の効果につきましては、価格インセンティブ効果ということで、中長期的に省エネ・新エネ製品へ買いかえなどを促進するということ、あるいは税収の活用により温暖化対策を促進する、いわゆる財源効果、それから国の政策として税を導入するアナウンスメント効果、こういった三つの効果を見込みまして、先ほど来申し上げておりますように、京都議定書の削減約束とのギャップ14%のうちおよそ4%を削減するということでございます。
 右側は経済全体への効果・影響ということでございますけれども、まず、税によりまして温暖化対策の技術革新や雇用の促進などを通じまして、我が国の社会経済基盤の強化、そして環境ビジネスの促進に寄与していこうということでございます。それから、国際競争力への影響については、各種の軽減策等により十分配慮していく。そして、GDPへの影響につきましては、年率0.01ポイントということで、軽微ということでございます。そういった中で環境と経済の両立を図っていこうというのが全体の趣旨でございます。
 10ページは環境税による削減効果を図で示したものでございます。一番左側の図は、目標達成までのギャップを示したものです。これは2002年のレベルで温室効果ガスの総排出量が+7.67で13.6%のギャップということですが、先ほどもご説明がありました速報値にしますと8%ということで、いずれにしても約14%のギャップということでございます。これを現行対策のみを進めていった場合には、実際の目標との間におよそ9%〜10%のギャップがあるということで、この9%〜10%をどのような政策で削減していくかということでございます。
 ここにありますように、二酸化炭素、エネルギー起源CO2は全体で6.6%のギャップがあるわけですが、これにつきまして、環境税でおよそ2%、規制等の追加施策の削減分で4%強ということでございます。それから京都メカニズム吸収源対策などは環境税でおよそ2%ということでございます。その他のガスも含めまして−6%まで削減していこうということでございます。都合、環境税の効果としては4%程度の削減を見込んでいこうということでございます。
 以上が環境税の具体案の説明でございます。

○森嶌委員長 具体案をご説明いただきました。私どもが今まで検討してきたところがありますが、それはこの後の議題で全体についての議論をまた検討いたします。もう既に皆さん十分ご承知のように、私どもは具体案は今まで検討しておりません。政府の方は具体案が出ているということでございますけれども、私どもがやってきたことは何かと申しますと、当初から私が明らかにしておりますが、環境税という言葉で最初から絶対反対というのと、環境税はいいものだから進めろということと両方ありまして、いずれも、環境税というものはどういうものかという以前に、言葉に対して賛成・反対ということがございました。
 私は政策として議論する場合には、何が問題かということを客観的に論点を指摘する。例えば中小企業とか国際競争力とかということに問題があるのだとすれば、どこにどれだけ影響があるのかということをできるだけ明らかにしていくということは、環境税を入れるか入れないかという議論をするにも必要なことだということです。私としてはスタートのときから課題を明らかにしていきたいということで、皆さんにも、初めに税ありきで、結婚する気もないのにモーニングを着せられるのは嫌だというお話もありましたけれども、ともかく結婚式場には来てみてくれということでおいでいただいて議論を進めてきたわけであります。
 そこで、この具体案なるものにも反映されておりますけれども、例えば課税対象、課税段階というのがありますが、税収額、税率は議論しておりません。それから、どういうところに問題があって、それに対する措置、ここで言えば国際競争力とか中小企業とか、そういうものに対する措置、環境税なるものが入ったときに大きな影響を受けるものに対して軽減措置というものが考えられるのかどうかということ、ここで言う軽減措置という問題。それから税収というものをどういう形で使うのか、使途についての議論、その場合に、税というものがどういうインパクトを持つのか。主としてここで問題になっておりますのは、運輸とか民生とかということでありますけれども、そういうものをにらみながら、税をどういうふうに使っていけばCO2の軽減に役立っていくのか。そういう点での税収の使途等について皆さんからご議論をいただきました。
 それと同時に、100%のデータは出てまいりませんけれども、事務局にできるだけデータを集めてもらい、そして、それについてこのデータは十分であるとか、こういうデータをもう少し集めるべきだというご指示を受けてまいりました。その点では何が課題なのか、その課題を議論するときにどういうデータが用意されるべきか、必ずしもまだ十分にデータは用意されていないと思いますけれども、スタートの段階から比べると随分データが集まりつつあると思います。
 その点では、賛成される方、反対される方を問わず、いろいろと客観的な議論をすることについてご協力いただいたことに、私として感謝をいたします。もちろんその中には感情的な議論もあり、私が委員をからかっているのではないかというご指摘もありましたけれども、私は決してそういうつもりはなかったつもりです。ともかく回を重ねて、今まで全く議論されていないで、ただ環境税がいいとか悪いとかという議論が、少しずつ課題が見えてきた段階であります。
 ただ、先ほど環境省の方からもお話がありましたように、来年度の予算をテーブルに載せる段階で、税調あるいは自民党から具体案を出せということです。今まで議論されたところで、課題については我々は今まで議論してきましたし、その課題のうちから何が問題かということは我々は議論しました。その中からどういうふうに、何を選んでくるかということは環境省の責任においておやりになったことだと思います。それがここに出ているわけであります。
 その意味で、今から議論をしていただきます。我々の委員会としては、どういう案がいいのかということについては、今まで皆さんそれぞれ個人的な意見は述べられたかもしれませんけれども、ここの委員会ではやっておりません。また、今からここでこの委員会としてどの案を取るという議論をするつもりは、今の段階では全くありません。そこでご質問をなさる、あるいはこれはいいと思う、悪いと思うということをおっしゃっていただいくことは構いませんけれども、委員個人としてのご意見ということで言っていただきたいと思います。そのことは賛成にしろ、反対にしろ、この委員会の結論になるわけではないし、仮にあることについて3人の委員がおっしゃったからといって、この委員会の何人中3人がこれに賛成したとか、反対したとかという筋合いのものではありません。
 同時に、これが環境省案の決まりではなくて、多分政府税調とか自民党と議論していく間に変わっていく可能性もあるわけです。したがって委員の個人的なご意見がそのときに参照される可能性もありますので、ご意見としてはおっしゃっていただいて全く差し控えないと思います。今からほぼ1時間、質問あるいはご意見を賜りますが、今の趣旨はそういう趣旨だということで、この委員会の結論の方向性を決めるための議論ではないということを十分ご認識の上でご議論をいただきたいと思います。
 それでは、鮎川委員が途中ご退席ということでございますので、優先権を差し上げますので、どうぞ。

○鮎川委員 ありがとうございます。さまざまな議論がありまして、新しい具体案が環境省から出されたということは非常によかったと思いますし、むしろようやく本格的な議論が始まったのではないかと思います。やはり8%も増大しているという状況の中では、環境税の導入というのは欠かせない一つの政策オプションだと思いますが、ちょっとこの案に対してはいろいろと言わせていただきたいと思います。
 まず、あちこちに気を使い過ぎたというような感じがあって、全体的に何を目的としている税なのかが見えない、ビジョンがないというか、理念が見えないという感じがあります。つまりちょっと税率が低過ぎて、下流からのインセンティブ効果とか教育的効果を主張してきた立場から見ると低過ぎるし、低いといっても効果が明確ではないから、ある意味で増税感しか感じさせないような感じではないかと思います。
 それと、軽減措置が多過ぎる。その軽減措置の理由が明確ではなくて、ある意味で環境税とか炭素税の長所としては、すべての分野にあまねく平等にかけられるという点があるのですけれども、それがなくなってしまって、炭素税の有効性、効率性、そして公平性が損なわれているのではないかと思います。
 また、軽減措置があることによって石炭からの燃料転換ということが行われなくなるのではないかとか、国際競争力を考慮したと言われておりますが、これら軽減措置の対象事業がすべて国際競争力にさらされているわけではないと思います。軽減措置を行うことは必要だと思うのですけれども、その際には、少なくとも協定とか、または国内排出量取引に参加しているとか、何らかの形で温暖化対策、削減を担保する何かを約束することを条件として、それとセットにした軽減措置が行われるべきではないかと思います。
 以上です。

○森嶌委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、久保田委員、どうぞ。

○久保田委員 議論の中身はともかく、内部で議論をしてきたことにつきまして、とりわけ環境税についてはかなりセンシティブな、連合の内部といいますか、労働組合の内部で議論をしてまいりました。中環審の中間取りまとめでも一応有効性はありとしながらも、別途の委員会でしっかりと議論を尽くしていこう、そして、この委員会でも部会長のご指導によって、そういう形で進んできたと思います。手続面で内部で相当強い議論が出ましたので、内容の議論というのは組織的にまだできておりませんし、これからだと思います。あまり拙速にやることはかえってどうなのかなという感じを持っておりますけれども、そういう手続面や今小委員会が議論を詰め切ったわけでもないという中で、税調へ間に合わせる等々の事情があることについては、反面、客観的なそういう情勢にあろうとは思いますけれども、こういうものが出てきたことについてはやはり拙速ではないか、あるいは一体これからどういう議論をしていったらいいんだというような内部議論がたくさん出たというのが率直なところでございます。
 連合は、ご存じのとおり、最初に環境税ありきではない。しかし、将来のことを考えると、環境税なり経済的措置について頭から論議をしないということではなくて、憲法でいえば「論憲」という立場になるのでしょうか、もう少し冷静に、客観的に議論を詰めていく必要があるということで、連合内部の議論でも7項目の検討課題、それはこの切り口の中での既存税制との調整や、効果のほどや、税収の使途や、大体この委員会で論点になっていることと大体重なっていると思っているのですが、そういうことについて冷静、客観的に議論を詰めていこうということでやっているところです。
 ご存じのとおり、組合というのはかなり民主的にやっていく必要がありますので、この委員会で議論されてきたことを、資料を含めてかなり丁寧に、これからキャッチボールをしていこうというところで、議論を進めようとしたところだったのですが、どうしてもそれはこの委員会でオンタイムでやる議論とはペースが遅れてまいります。これから議論を始めようというときに、ちょうどそういうタイミングになったものですから、一体何を議論しようとするのか、その議論が今後の政府の政策等々に反映されるのかということで、相当そういう議論をこの前いたしました。
 結論的には、そういう状況があるということをお伝えしたかったのと、そういうことを踏まえまして、連合としては、あまり過剰反応ということではなくて、環境税に対して粛々と、これまで提起をしてきた項目についてしっかり検討課題の対応といいますか、そういうことが明確になって、それがストンと我々としても理解、納得できるような状況にあるのかどうかというところについて議論を詰めていく必要がある、また、ぜひそうさせてもらいたい。関係審議会をはじめやはり国民議論を尽くさなければ、拙速はよくないのではないかという基本スタンスにあります。
 したがいまして、この小委員会での今後の議論と、今日具体的な案ということで出された関係が一体どうなるのか。我々の議論によってこの環境税の具体案というものも今後変化していくのかどうかということも含めて、ぜひ今日は小委員会の議論をこれからどういうスケジュールで、具体的に議論をどういうふうに進めるのかということについて、ある程度のイメージを持って組織に帰りたい。そして、組織の中では一体どういう議論をこれからしていくのかということをもう一回組み立て直す必要があるという問題意識を持っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○森嶌委員長 ただいまの問題につきましては、長期的にはともかくとして、当面の運営については次の議題で私の方から申し上げたいと思います。
 それでは、小林委員、どうぞ。

○小林委員 具体的な案の内容についてはここでは議論をしないということで、環境省が今回行われた行為について少しご意見を申し上げたいと思うわけでございます。
 環境税の問題につきましては今議論が大変進んでいるわけでございますが、時間的な問題云々を含めて、私自身、環境省が今回提出するとは思っておりませんでした。そういう意味では大変な驚きを持っております。といいますのは、環境省にそれだけの勇気があるだろうかというのが私の疑問でございまして、そういう意味ではこの勇気は大変絶賛をしたいと思っております。
 ただ、今進めております京都議定書の目標値、なかなか達成をしない。このまま行ったらどうしても無理であろうという中で、ロシアの批准、京都議定書の発効という中で、やはり日本としてはそれに追従するというわけではなくて、先進的に進めていくために新しい対策が必要である。特に経済的措置というのは重要ではないかというふうに考えるわけでございます。この経済的措置というのは、今まで政府が行ってきたこういう施策の中で、規制措置というのは多く出ておるわけですが、経済的措置というのはほとんどなされていない中で、新しいトライとしては大いに進めていただきたいと思っているわけです。
 先日のいろいろな資料を見ておりましても、各新聞社のアンケート調査でも、環境税の施行については賛成の方が半数以上を占めているというふうに、私自身イメージを持っております。そういう意味でぜひこれは進めてほしいし、これが成立して初めて日本が欧州並みになるのではないかと思っております。
 ただ、今までの日本の税制の考え方からいきますと、いわゆる課税することの意義というのはあまり議論されないで、税収の使途の方に重点を置かれているというのがほとんどの税制でございますが、課税に意義を求めるという意味では、この税制は大変新しい考え方ということになりますので、そういう意味ではこれから乗り越えていく障害というのは大変多いと思っております。そういう中でこれから環境省がこれを頑張っていただくということをぜひお願いしたいと思っております。
 ただ、先ほどちょっと申し上げましたが、内容、具体案についてはまだまだ意見がございますし、私自身も賛同できない部分もございます。その辺につきましてはこれからこの小委員会で議論される内容を真摯に受けとめていただいて、それを具体的に取り組んでいただくということが重要ではないかと思っておりますし、また、私ども地方におる者から考えますと、これから地方分権、税制の三位一体論等々通じる中で、地方自治体が担う役割というのはだんだん大きくなってくるし、重要になってくると考えております。そういう意味で、ぜひこの税収についても、地方自治体、地方公共団体に対する譲与という部分については十分ご配慮いただきたいということをつけ加えて、ぜひこれは進めていただきたいということをお願いしたいと思います。
 以上です。

○森嶌委員長 鳥井委員、どうぞ。

○鳥井委員 2点申し上げます。
 第1点は技術的な問題であります。それは8ページの追加的財源を必要とする対策という中で出てきている項目でありますが、これはいずれも普及するというのが結構難しいものを普及させようということを考えていらっしゃるのですが、そのリードタイムといいますか、政策をとってから効果があるまでのタイムラグ、つまり普及率がどういうふうなカーブをたどるということを想定されているのか、そこが現実的かどうかという話は少し考えないと、本当に4%の約束が達成できるかどうかは疑問があるというふうに考えます。
 第2点は、社会の方から物事を考えてみますと、せっかく審議会をやっている最中に、その結論が無視されたという印象を与えるのは非常にまずいだろうと感じるわけであります。多分今後ともこの審議会の意見が反映される可能性のある局面というのは幾つかあると思うのでありますが、それがどういうふうに具体的にあるのかということを明示する必要があるという気がいたします。同時に、今回環境省が出されたわけですが、言ってみると、他の機関に判断をある種ゆだねたという格好になっているわけでありまして、そういうことがここの議論にどういう制約を与えるのかということを少し明らにしていただきたいと思います。
 以上の2点であります。

○森嶌委員長 ご質問等については後で一括して役所の方から答えていただきます。
 それでは、永里委員、どうぞ。

○永里委員 まず、環境税の参考資料のことについて述べますとこれには、確たる理念があるのだろうかという恐れがあります。結局、あるときは3,400円であり、あるときは3,900円、今回は2,400円の炭素トン当たりの課税ですし、それから、新たに社会保険料の軽減などというEUと同じような概念も出てきていまして、環境税という名のものを単に実現したいがために、確たる理念ではなくて、非常にあちこちに配慮して、矛盾を含みながら出してこられたのではないかと思います。
 そして、実は10月28日の本委員会で、私、課税段階について、欧州の環境税の状況について精査をお願いしたのですが、それ以前の本委員会の審議では、欧州では下流課税が多いということでありましたけれども、10月12日の政府税調資料によれば、欧州の環境税というのは電気を除いて上流課税になっています。そういう意味では、本委員会は異なった事実認識のもとで議論をしてきたのではないかということを懸念しております。
 そういうことを踏まえまして、2ページ目の課税段階についてですけれども、消費者に負担感を持ってもらうという観点から下流課税が望ましいという議論がずっと行われていたのですが、民生用とか、輸送用燃料が上流課税とされています。このことについては非常に疑問があります。下流課税を組み合わせたのは、大口需要家の減免手続を可能にするためだったのではないかというふうに思われます。
 同じく2ページの税率についてですけれども、年間の家計負担は3,000円というふうになっていますが、実はこの根拠がはっきりしません。ちょっと恐れるのは、環境税導入によってエネルギー価格の上昇が伴うことによって消費財やサービス価格が間接的に上昇するはずなのですが、その辺のことが折り込まれて3,000円の家計負担になるのだろうかということであります。
 それから、鮎川委員もおっしゃっていたのではないかと思いますが、製造用とかエネルギー多消費型製造業、小口事業所発電用の石炭が免税ないし非課税になっています。これは3ページの軽減措置の話ですけれども、そうなると、実質的に石炭はすべて免税になるのではないかというふうに読めます。
 次に、低所得者や中小企業への配慮というのは、排出を続ける民生・業務部門対策の強化、あるいは家庭などが幅広く負担、あるいは国民全員が温暖化対策に参加という観点に反するのではないかという気がいたします。
 結局、ガソリン税の増税、灯油・軽油半額課税、電気・ガス税の復活にしかならないのではないかと思うのです。これほど減免措置があって公平性、透明性、効率性、確実性に優れた政策と言えるのか、これは1ページのマルの2番目にそう書いてあるのですけれども、そういうふうに公平性、透明性、効率性、確実性に優れた政策と言えるのかどうか、公平・中立・簡素の租税原則違反になるのではないかという恐れがあります。
 そして、4ページの税収の使途についてですけれども、環境税の効果は5,200万トンCO2とされていますが、価格インセンティブ効果が600万トンCO2になっています。その余りの4,600万トンというのは税収の活用効果であります。価格インセンティブ効果が600万トンあるかそれ自体疑問ですが、このことは何を意味するかというと、財源措置さえすれば環境税は要らないということの証左ではなかろうかという感じがします。
 最後に、私、森嶌委員長の発言をひょっとしたら誤解して聞いているかもしれないのですが、7ページの森林対策とか京都メカニズムについては、環境税ではなくて一般税で手当てするというふうにおっしゃったのではないかと思うのですが、そんなことはおっしゃっていなかったですか。

○森嶌委員長 私が前に申したのは、環境税を入れようと入れまいと、いわゆる京都メカニズムというのは税金から払わなければならないということを前提にして議論をしていただきたいということを言いました。

○永里委員 最後の話はわかりました。
 以上です。

○速水委員 私自身は、この間実は大きな水害を受けた地域に住んでおりまして、時間雨量150ミリという途方もない雨に遭いました。ああいう自然災害をまともに受ける立場から言うと、今まで雨の多い地域だったのですが、そこですらそういう雨で大きな被害を受けるということで、これが温暖化に起因するものであれば、しばしば起こるならば、そういう地方というのは人間が住んでいられなくなるなという恐怖感を持った次第です。そういう中で8%、2003年に少し増えたということで、ましてや冷夏で暖冬だったということで、本来であればCO2の排出に関してはよい条件が整わなければいけない状態でそういうふうになってきている。そういうことを見ますと、今日本としてやれることを、やれる者がやっていくしかないのだろうと感じております。
 確かにいろいろ議論があったように、中国、インド等が入っていないとか、アメリカは一番問題なのですけれども、そういう議論はあるにしても、やれるところから参加をするということが既に必要になってきているのではないかと、自分でも何とも言えない災害を受けてみますと、そうではないという理屈は幾らでもあると思うのですけれども、気持ちしてはそんな感じを感じながら、今回の環境省の施策というか、要望を見たわけでございます。
 確かにこの委員会をやっている最中に出てくるということで、委員としては、少々おかしいなという思いは持たないといえば嘘になりますが、タイミング的に、そういう議論が国民の目によりはっきりさらされてくるということは良いことだというふうに、良い方向で私は理解したつもりでございます。
 ただ、この委員会の途中で出たということもあって、委員会の今までの議論をいろいろ入れながらこの方向をまとめたのかなと思うのは、あらゆるところに目を配ったという形で、最終的に、今永里委員がおっしゃられたように、少し理念が薄くなってしまったのではないかという思いを持たれる可能性があるというふうに感じております。特に各種アンケートで、こういう痛みを伴う施策でありながら、かなり国民の賛成を得ているということは立派なことなんだろうというふうに私は感じております。国民も成熟してきているんだというふうに、私が成熟しているからという意味ではなくて、全体的にいい判断をしたんだなと、常識的だなというふうに感じている中で、果たしてこの税のレベルでいいのかなという心配はあります。せっかくこれだけの賛同を得ているならば、確実な効果を出さないと今後政府の行う、環境省が行う、どこが行うというのは、国民はほとんど斟酌しないで政府が行うとして見るわけですから、政府が行う温暖化対策に対しての信用というのは、多分この政策が成功するかしないかということはかなり大きな影響があるだろうと思います。国民みんなが負担をするという初めてのことでございますから、そういう意味で、税率の問題なども、いろいろなところを見て決めてしまったんだなというふうに思っております。
 もう一つは、ここまで税率が低くなれば、ある意味では価格インセンティブ効果というのはあまり大きくない部分もたくさん出てくるだろうという気持ちがありますので、今度使途はどうなのかという話になりますと、使途も1,500億を社会保険料の方に回しているというところがありまして、これもそこらを見ながら、全部納得してくださいよというふうなことだと思うのです。そういう意味では、もう少しメリハリをきかせて、八方美人にならないような形で確実に効果が出る、そんなやり方をやっていかないと、成果が評価されるときに国民からは評価されなくなるだろうという気がいたします。
 減免措置に関しても、ここまで税率を低くしておいてここまで減免措置を行うのかという問題もございますし、やはりCO2をたくさん出しているところは今まで努力をしているにしましても、出していることには間違いないという国民の見方はあるだろうと思いますので、その辺もより透明性を持った減免措置という形にしていかないと問題なのだろうと思っております。
 以上です。

○平尾委員 私は、税の問題どうなのかという施策をするときの出発点として、本委員会ではAIMの解析モデルを一つベースに置かれて議論を展開してきたと思うのですが、前回、私の若干の誤解で、専門委員会では2%のエネルギー削減のために3,400円要ると、3,600円掛ければ9.5%減るというのはどうなのかということを、私も生半可な理解で時間を取ったことは申しわけありませんでした。私もその後勉強させていただきましたところでは、専門委員会では、基準年に対してCO選択だけでいくと108になると、それが98になるから10削減されるんだと。これに対して3,600円掛けると100のものがほうっておくと110になって、それが100.5になって、9.5になるということで、大体オーダー的にはよく理解できました。時間を取ったことを申しわけなく思っております。ただ、3,400円が3,600円に増えて、どうしてそれが9.5に減るのかというのは、その辺のところはまだ若干未完了であります。
 そういうことで、モデルというのは前提条件をしっかり認識しておかないととんでもない方向に誘導するわけでありますが、今回は2,400円ということで、しかも、減免措置をいろいろ講じられておる。そういう中でエネルギーのところは2%ということです。3,400円で2%と言っていたのと同じようなレベルですが、そういうことをやるということで、本当にこれで大丈夫なのかなというふうに思いました。
 それから、今日ご説明がありましたが、価格インセンティブで600出る、価格インセンティブ以外のところで2,000、2,000対600でございますが、前回の3,600円の議論のところでは価格インセンティブは多分1ぐらいだったと思うのです。補助金で9.5いくということで、したがって、その割合が価格インセンティブで変わったのか、これもまた別途詳細に勉強させていただかなければならないと思いますが、モデルというのは前提でガラガラ変わっていくということを我々は認識して、きちんと確認していかなければいけない。それに対して、モデルの前提がしっかりしていても、それが実際の場面に適用した場合妥当なのかどうかということを検証していかなければいけないわけです。
 今回、10ページを見ますと、大体手当てがつくのが4%で、あと残りは規制と自主的取り組みと普及啓発だということで、最も不確かな方向に軸足を置かれているということで、既に補助金の給付すら、大綱の見直しのところでやや今後の発展が不透明であるというふうな議論がたくさんあったやに私は記憶しておりますけれども、こういう形で本当に確実に、約束手形みたいなものについての議論が非常に中途半端な形で数字をおさめて、後は頼むよということでいいのだろうか。
 これは政策の問題でありますから、そんなのあなた方小委員会の人の知ったことではないと言われれば、それでおしまいでございますが、少なくとも私はこの小委員会の本務として、税というものがどういう形で運用されて、どういうふうに徴収されてやれば最もうまく、我々の期待する効果が出るのかということについての定量的な確認は、これは私どもの本務だと思うのです。私どもが納得しないで国民が納得するわけがないというつもりで、私はこの委員会では議論しなければいけないと思うのですが、先ほど鳥井委員の方からもご指摘がありました普及が難しいというのも、ただ「れば・たら」で議論するだけで済むのだろうかということでございます。
 したがいまして、お願いは、今まで三つの数字が出ておりますが、そういうものについての前提条件と、その妥当性についての連関を私どもに十分見せていただいて、議論させていただきたいということが1点です。
 次は、その効果を私どもが確認したところで、これは次の政策でございますが、既存税制でそういう効果を生み出す投資が賄えるのかどうか。本当にそれが賄えないということだから、少なくともこれだけは要るんだということを世の中に問うという手順が私は要ると思うのですが、その手順のところはこの小委員会のマターかどうかというのは、私はまだしっかり理解しておりません。そういう意味で、ぜひ今後の政策議論をする上でのベースになるモデルについてしっかりした確認をしていただきたいということがお願いでございます。
 以上です。

○森嶌委員長 まことにもっともですけれども、私は法律家ですから言うのですけれども、経済モデルというのはそんなにきちんとしていないということで、いつも私は経済学者に対して文句を言っているわけです。おっしゃることは、基本的なことはそのとおりで、モデルの場合、その前提は何かということはきっちりしなければいけないことなのですが、今後の問題として、すべてがはっきりしなければ議論が進められないかという点につきましては、平尾委員もご承知のように、前提ははっきり出す、できるだけのことは出すけれども、今のアメリカであれ、特に日本はそうなのですけれども、かなりいいかげんなモデルが日本の経済政策そのものにもあって、1年か2年でガラガラ変わっても、あれは予想外であったと平気な顔をして経済当局が財務当局とやっておられるということはご理解いただきたいと思います。しかし、できるだけのことは環境省の経済課の方にもやってもらうように努めますけれども、あまり理想的なことを言われますと重過ぎて動きがつかなくなりますので、それはご了解いただきたいと思います。

○平尾委員 それは了解しております。ここは学会の場ではございませんから、それはよくわかっているのですが、基本的にどういう施策を、どういう手順でやっていくのかと、特にこれは2010年とかいいますと、そんなに先の先のことではありませんから、やはり注文していかなければいけないわけです。ところが、いろいろ議論しておりますと、部分部分の議論はいっぱいあるのですが、どういう手を打って国際的に約束した目標をやっていくのかという、これの手だてと結果というものの因果関係が、私は少なくとも6割とか7割のレベルの確実性でやっておかないと、私どもも企業活動をやっておりますと、モデルから実際に置くときに、本当にどうなのかということを、その手順を解明するのです。そういう手の込んだ形でこの報告をまとめていかないと小委員会の目的にはかなわないと思います。

○森嶌委員長 幾つかのストラテジー、戦略的といいますか、幾つかのオルタナティブで、こういう場合はこうというふうにしないと、完璧なものはできません。しかし今までの日本はそうではなくて「努力します」とか、大体定量的に書いている。大体日本の計画というのはみんなそうですけれども、それではいけないというのは平尾委員のおっしゃるとおりですが、今の段階では理想的にはできませんということだけは最初に申し上げておきたいと思います。

○平尾委員 ご努力していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○森嶌委員長 それでは、平松委員、どうぞ。

○平松委員 私も日常的に地方で税制の仕組みをつくるために苦労しておりますので、今回、この小委員会の論議とは別に、環境省の方で政府税調にこういうものを出したということについては、中身の論議は別としまして、やはり具体案を出さないと、たたき台として国民のいろいろな場面で論議になりませんので、やはり政府税調だけではなくて自民党の税調やらいろいろなところに提起されるのでしょうから、とにかく環境省だけではなくていろいろなところにこの問題を論議していただく素材はどんどん出していくべきだろうと思います。
 中身の細かな部分は別としまして、私は神奈川県ですが、この1年間で県民論議というのをきちんと会場を借り切ってやっておりまして、もう40回進めています。そういうところで感じますのは、今回の具体案でも感ずるのですが、先ほどほかの委員からもお話がありましたが、例えばこの環境税でどういった日本の環境社会をつくろうとするのか、国民に何を訴えようとするのか、そういう部分がいろいろな調整を図ったがゆえに、逆にわかりづらくなっている。負担論議になりますと市民なり企業が反対するのは当然なのですが、それでも最後はしようがないかなというのは、どういう夢といいますか、どういう社会をこれによってつくろうとするのか定義する力があるかないかだと思います。ですから、余りにもいろいろなところを調整するとますますわからなくなる。一部分の利害関係者はそれでいいかもしれませんが、企業活動を通じても、最終的には国民の負担にはね返るわけですから、いろいろな仕組みをつくるときには、検討段階では当然いろいろやるにしても、最終的には明確な意志が伝わるような仕組みにしないとしようがないのではないかと思います。
 ですから、当初の規模から大分縮まりまして、これはインセンティブが主なのか、税収を使って何か事業をやることが主なのか、できるだけ多くの方々に賛成してもらうことが主なのか、どこに力点が置かれているのか、これからこれをたたき台として論議をするときには、環境省さんの方でもそういうことをやられた方がわかりやすいのではないか。国民は、私どもの委員会でも論議されたときに、大半の委員さんは環境税、大賛成です。早くつくれと。ただし、あれもこれもとたくさん盛り込まない。あれもやりましょう、これもやりましょうとやっていくと余計わからなくなってしまう。そういう意味では、国民はやはりシンプルな税制なり、シンプルな使い方というものがないとわからないのではないかと思いますので、今回この具体案を出されたことは、私個人としては評価をしていますけれども、余りにもいろいろなところに配慮し過ぎたのではないか。ですから、これはこれで一つの案でしょうから、今後さらにこれを詰めていくときに、もう少しわかりやすいものにした方がいいのではないかと思います。

○森嶌委員長 それでは、桝井委員、どうぞ。

○桝井委員 今回、環境省がとりあえず具体的な案を出されたということは評価したいと思います。それなりに要素は入っていて、ただ、メリハリというか、何を目的とするかという点を含めて明確ではないけれども、検討するたたき台にはなるのではないかというふうにまず申し上げたいと思います。
 もう一つ、これまでは1兆円ぐらいの税収の話をしていたのが、一気に半分ぐらいの小ぶりなものになり、いろいろな減免を含めて入れるということで、各委員おっしゃるように、どこに一番大きなポイントがあるのか、口当たりを非常によくした形でとりあえず出したという形になり過ぎている。ただ、ここで申し上げたいのは、議定書の発効が、片肺であれ、もう目前に迫ってきて、企業自身も、言ってみれば業界の横並び的なところをいつもおっしゃるけれども、今や個々の企業が危機感を持って動き始めている。要するに、潮目が変わろうとしている時期なんだと。そういう中でこのスタイル、やや遠慮したというか、腰が引けたスタイルというのは、これから環境省も考えていただきたいと思います。
 この案を見ておりますと、どうもイギリス型が念頭にあるのかなと思いますが、はっきりしません。でも、恐らくそうではないかと思います。鮎川さんもおっしゃいましたけれども、この環境税は、イギリスであるように、企業との協定とか、排出量取引とか、混ぜる形の構想もこれからの審議の中で一つの全体像を出すべくやっていただきたいと思います。イギリスの場合を見ますと、税収はたしか2,000億を切れるぐらいではなかったと思います。ただし、その組み合わせにより、排出効果はもう現実に行っているわけですから、これは政府の算定によっても、予想の3倍ぐらいの、何百万トンか忘れましたけれども、進んでいる。ですから、それだけの規模の税収でも、そういう形によって効果を上げているという実例があると思いますし、どうもそこらの税を含めた展望があまり明確でないのは残念に思います。
 それから、環境税につきまして、世の中で反対するといえば企業がすぐ出てくる、企業が反対だというわけですが、国民全体を見ますと、各委員おっしゃいましたが、読売新聞にしましても、サンケイ新聞にしましても、あるいは共同通信にしましても、世論調査を見てみると5割、あるいはそれを超すぐらい、6割までは行きませんが、賛成というのがある。反対はその半分以下だと。これはほかの税とは全く違う要素をあらわしている新税ですから、私は今回提示されて、特に来年につなげるためにも、環境税の意義というのを非常に強調していただきたいと思います。
 また、参考資料1の基本的な考え方の2番目の部分が非常に大事で、公平性、透明性云々から始まって、ライフスタイル、社会経済システムを変えていく推進力、ここら辺をいかに強調していくか、そこのところを強調することによって、企業も大事だけれども、国民の皆さんに理解をもらえるようなことをいかにこれからの議論で出していくのかが大事だというふうに思います。

○森嶌委員長 桝本委員、どうぞ。

○桝本委員 私も一番最初に申し上げたいことをいろいろ考えたのですが、ぜひ記録にとどめていただきたいという意味で、手順・手続について一言申し上げたいと思います。
 森嶌先生から大変的確かつわかりやすいご説明があって、私自身はよく理解を、頭の中ではしたつもりでございますが、やはり基本的に大臣が諮問するこの審議会と、大臣が任命する委員の皆さんの議論と、そして行政が案をおつくりになり、与野党、そして政府の税調にまで提示されているこの案、この間に、私に言わせると大きな隔絶があるというのは、この委員会の委員を務める私としては全く心外、かつ個人的には情けなく、時に憤りを感ずるというのが実際です。一体審議会というのは大臣が諮問して何をやるんだと、行政の提示される案に、いいところだけつままれて、基本的な議論がどこかに置き去られてしまう。こういう審議会であれば、私は審議会の議論というものが、森嶌先生のおっしゃるとおりではありますが、実効的に何が期待され、どういう役割を持っているのか、個人的には十分納得がいないところでございます。これはあえて記録にとどめていただきたいという意味で、基本的な問題と私は思うだけに、申し上げさせていただきたいと思います。
 それから、この環境税の話は、先ほど神奈川県の平松さんがおっしゃったとおり、これから日本がどういう社会をつくっていくのか、規制や、いわゆる大きい政府、税金がいろいろな形でかかっている国をつくるのか、むしろ柔軟で伸びやかで、時に大論争、大議論もあり、社会的困難もあるかもわからないけれども、より柔軟な社会をつくるのか、こういうところと大いにかかわっていると思います。
 これから日本の社会は、少なくとも環境という意味では、エネルギー大量消費からエネルギー過消費、あるいは省エネ型の社会に変えていこうというのがこの中央環境審議会の最大の使命であると認識をしております。そのためには、私は今回のような税は全く効果がないと申し上げ続けているわけで、いわば国民全体、企業全体、行政全体、政府全体をレベルアップするようにして意識を高め、お互いに自主的な行動を発議するというようなところを目指して、すぐには行きません、難しいわけです、でも目指していくというのが本来の姿ではないかと思います。
 先ほど桝井さんが今アンケートで聞くとこうだというふうにおっしゃいましたが、アンケートで、実は税のほかにもっと有効な手段があるということが質問の中に入っていれば、結果は違っているのではないか。ちなみに今回示された案は、5,200万トン、それを4,900億ですから、トン当たり9,000円です、9,000円以外の10分の1か9分の1ぐらいでやれる道が地球規模で見るとあるのです。それなのにこれほど高いコストをかけて税で対応しますかと。仮にこれは税の効果がみんな認められたとしたらですが。そういうような提示を国民に誰がしたでしょうか。要するに選択肢がほかにもあるんだということを広く提示するということの重要性も大いにお考えいただき、かつ、私たちはそれに努めたいというふうに思います。
 それから、例えばオランダの例は言うまでもございません。私も不勉強でつい最近若い人から教えてもらったわけですが、聞けば、議定書上のキャップ全体を、半分弱を柔軟性措置でやろうというふうに考えているということです。こういう国もあるわけですから、6%のうちの1.6にとどまることなく、有効な策が、かつ効率的な策がほかにあるという意味でオランダを勉強し、かつ京都メカニズムもっと柔軟に運用する、そして実効を求めるという策すら足元にあるというふうに私には思えます。
 それから、この中身ですけれども、まず第1に、例えば14%というふうにこの税の提案の中には書いてあります。しかし、今日資料をお配りいただいたものの説明の中に、6,000万トンが原子力で、これは我々も内心じくじたるものがあり、かつ、鮎川さんからご指摘があったり、面目ない次第ではあるわけですが、原子力の運転稼働低下に伴うものです。そうすると、これは14ではなくて、原子力が仮に普通に戻れば5%ぐらいはそれでこなせるのではないかという意味で、この14というのを初めから14に置くよりも、今日の資料1の3ページに原子力について6,000万トンのご説明の付書きがございましたが、そこのところを配慮すると、これは14としなくてもう少し数字が小さいのではないかということを疑問として持ちます。これは後でご説明いただきたいと思います。
 それから、電気について申しますと、前回、この場だったと思いますが、佐和先生から電気は難しいと、ですから、電気は丸々しかないかなというご発言がありました。私は、温暖化対策税は炭素税でやるべきであると、したがって、水力や原子力が時に半分、あるいは4割ぐらい入っているものに対していきなり丸々電気税というのは全く理にかなっていない。そして、電力会社、ガス会社を特別徴収者として行うというのは、平成元年の消費税に至るまでの地方税としてそういうことをやっておりました。そういう意味では単純な反論ですけれども、全く時代逆行で、私はこういうやり方については全くがえんじない。なおかつ、今回の4,900億の中身は、既に皆さんからご指摘がありましたとおり、私に言わせれば、補助金のばらまき的な色合いすらある。本来持つべき価格効果、アナウンス効果は、1兆円が4,900億になることで主張自体が成り立たなくなってしまうほどの低率化になっているのではないか。
 実は、補助金は多くの場合企業に出ます。あるいはストックを買う、機械を買う個人にも出ることになりますけれども、企業としては、少なくとも経団連の多くの企業は、補助金も時に欲しいというのが実際ですから、私としてもあまり胸を張って申し上げられるという状況ではありませんけれども、税金を新しく取るなら補助金を要らないと言っていることは間違いないということもございますので、ここではぜひ伝えさせていただきたいと思います。
 最後になりますが、これも記録にとどめていただくという意味で、私は環境省の方々が大変ご努力されたところはよく理解できます。しかし、それが税を取るということのご努力でありまして、税を払う側の国民に的確に説明をし、配慮をしているか、私にはそう見えません。なぜかと申しますと、つい最近まで専門委員会では1兆円だったわけです。この場では9,500億とか1兆円の議論をしていました。先週ですか、21日か22日にあたりに出てきた案を見て、それが半分になっている。皆さんご指摘のとおり、いろいろな意見がありましたので、それをみんな取り入れた。それは私に言わせれば、税を払う人たちに失礼と言うと変ですけれども、それはどうでもいいと、高くても安くても払うものは払うんだと、取る方の理屈だけでこの検討が進められているように私には思えます。
 これは記録にとどめていただきたいという意味であえて申しましたが、ぜひこの環境税についてはもっと幅広い議論を、先ほどのご指摘のとおり、日本の国を今後どうしていくのかという視点からの議論をさらに続けていただきたいというふうに思います。
 長くなって失礼いたしました。ありがとうございました。

○森嶌委員長 松田委員、どうぞ。

○松田委員 経済界に論客がたくさんいますので、ああ言えばこう言うという感じで聞いておりました。もともとなぜこの案になってきたかというと、経済界の方たちが代案を出さずに、代案を出したとしても、実現不可能な議論を出しただけであって、実現していかなければならない目標に対する代案が出てこなかったから、私は環境省はこういうふうなものを出してきたんだなと思っていました。ところが、今度はその代案に対して低いからもっと高くした方がいいというのであれば、もとに戻してまた1兆円でやってみたらいいではないかというふうに思います。
 あと、手続論の話は、私は理屈だと思います。ですから、これは国がどういう方向を示すべきかというときに、やはり目標設定のあるプログラムをどう実現するかというときに、もし環境省が出さなかったらどうだったのということを考えてみると、やはり出したことによって一歩進むということはすごく大きいわけです。
 次に、私は市民の立場ですから申し上げますけれども、この霞が関の東京の議論というのが、地方に行くと全然、いわゆる趣味の話になってしまいます。というのは、私は新潟県の災害後に行ったり、新居浜に行ったり、それから吉野川の10メートル水かさが上がってきた流域の怖さを身をもって体験してまいりました。それから、新潟地震の中で、地震が原因と言われておりますけれども、地震によって起きた土砂崩れで埋まった川の底上げによって、土石流が住宅地を流れたことによる水害が多いということを聞いております。こうなると、現地に行くと気候変動というのを肌で感じています。
 そして、大企業の方たちは理論武装して発言するゆとりがあると思うのですけれども、日本は大企業は0.4%で、ほとんどが中小企業、その被災された方たちはお仕事がなくて、本当に今大変な状況なのです。そのような状況の中で、何かこの気候変動に対して新しい政策立案をしてほしいという国民の声が新聞社のアンケートに出てきているわけです。それを反映しない審議会というのは、私は全くおかしいし、審議会としての責務を果たしていないと思います。
 ですから、これは手続論ではなくて、とにかく環境省が出さなかったらどうなるのか、やはり出した方がよかった。環境省の案が甘くなっているね、だったら、その甘くなっている部分というのをどういうふうにサポートすることによって災害復旧でかかるお金、このお金のために日本の財力を使うのではなくて、予防するために私たちがお金を払うんだということを言っていけば、今みんながわかると思います。テレビで放映されるところだけが被災地ではないのです。いろいろなところで崖崩れがあって、そして川が氾濫しています。これは単にこの年が例外なのかもしれませんけれども、気候変動が起きるということは学者が予測しているわけですし、未然措置としての環境税というのが必要です。そして、それは安ければ高くすべきです。
 以上です。

○森嶌委員長 それでは、五十嵐委員、それから大塚委員、武田委員として来て、最後の締めくくりを浅野委員、そうすると私を除いて全員が発言されることになります。私はどちらにしてもどこかで発言しますので。
 では、そういう順番でお願いいたします。

○五十嵐委員 実は、私神奈川県の大和市に住んでおりまして、まず、そこでの先週の話からさせていただきたいと思っております。実は、先週、市役所からアンケートが来まして、環境問題にどういうふうに取り組んでいるのか、大和市の中の3自治会にアンケート調査をお願いすると。それもかなり詳細な項目が20項目ぐらいありまして、名前も書いて出してくれと、ちょっと危ない話ではないかと思うぐらいのことでございます。でも、大和市が非常にまじめに、真剣にこの問題を自分の問題としてとらえているんだなということをしっかりと受けとめました。
 具体的な内容は、私の女房が、こんなこと書かなければいけないのかとびっくりしているのですが、「洗濯をするときに回数を減らしてやっていますか」、それについて「積極的にやっている」「まあやっている」「やっていない」「全くやっていない」と、平均という書き方がないんです。それを全部書きなさい。あと「電気を小まめに切っているか」、「外出のときにマイカーはやめて鉄道を利用しているか」、あるいは「買い物をするときにエコマークを」、それから「ごみの分別を」とかと、本当に具体的な二十数項目でございます。これを記名で出してくれということで来ておりまして、環境問題について一般論で書くというのと違って、これは非常に実感の問題としてあると思います。ですから、これはある面で問題になるのではないかと思うぐらいのアンケート内容でございます。今日持ってくればよかったと思うぐらいですけれども、非常に積極的に取り組んでいて、とかく環境問題というのは美しい問題で、皆さん賛成するのですが、こういう問題の中で、うちの女房は、「こんなことはやっていない」とか、これを記名で出すというのはどうなのかなということを言っていますが、これは非常に大事な動きというふうに受けとめております。
 まず、これは市民として、最近環境に関する肌で感じた一番のことでございます。
 それから、第2点目としまして、これは前にも言いましたが、一市民として、税金というものは一たん課税すると減らすということはなかなかないわけです。これを厳粛に、先ほどから各委員の先生方から出ていますけれども、本当に厳粛に受けとめなければいけない。ここの委員会の主題ではないということでもあえて一回だけ発言させていただきましたけれども、税制の中で、税のあり方として環境を中心に取るというなら、よその税を減らすべきだというような附帯意見をつけて出すべきではないかという意見を一回申し上げましたけれども、改めてこれを感じます。日本の税制という中で、課税対象として何を考えていくのかという中で環境というものを考えていただきたい。どうもヨーロッパの環境に対する税制の動きというのは、片一方ではそういういろいろな動きもあった中でのこの形というふうに私は受けとめております。
 3番目に今回のここでの審議ですが、私は初めて参加させていただきまして、こういうことのまとめ方の一つとして、やっている最中にこんなようなことになるのかなというのは非常に納得がいかないというのが実感でございまして、これは後ほど森嶌先生から説明があるということなので、この程度にいたします。
 それから、税制そのもので、まず効果という問題で疑問に思っておりましたが、さらに額が減ってきて、本当に効果があるのかという気がいたします。経済モデルというのは一体何なのかなといつも思っておりまして、なおかつ、さらに減って一体本当に効果のある削減になるのかなというふうに思っております。
 それから、これに関係して非常に細かいことですが、私、運輸交通会社に従事している者として、ここの中で欧米の例等も何回か質問しているのですが、3ページのところに減免措置の中で運輸事業対策として、軽油等について軽減を行うと書いてあるのですが、これは広く運輸交通業ということでバスだけではなくて、鉄道会社はほとんど今電気に頼っているわけで、電気も当然あるという理解をしてよろしいと思っておりますが、この解釈が間違っているかどうかは確認させていただきます。
 これも一回言いましたけれども、当社の場合、鉄道だけで、炭素の排出量から見ると約5億円の負担になります。そして、地方に行けば、地方の鉄道会社あるいはバス会社というのはほとんどが赤字でございまして、鉄道路線の廃線あるいはバス路線の廃線、地方自治体がそういう事業を行うという時代、あるいは補助金という中で、当然モーダルシフトの中で考えてもらわなければいけないと思っております。
 以上、素直に今の段階で思っていることを述べさせていただきましたけれども、昔、鉄道運賃を上げるというときには本当に大騒ぎでございまして、10円上げるという中で、新聞には袋だたきに遭う、消費者の皆さんからは投書が来るという現実でございます。そういった中でこういう税が課せられて、鉄道会社、バス会社あるいはいろいろなところで転嫁できないというところがあると思いますので、こういう問題をどうするのかということがやはりこれからも大事なこととして私は発言していきたいと思っております。
 以上でございます。

○森嶌委員長 ありがとうございました。それでは、大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 3点ほど申し上げさせていただきたいと思います。
 最初は手続の面との関係のことでございますけれども、先ほど委員長がおっしゃったこととも関連しますが、一つは、環境省が責任を持ってご自身で出されたということで、審議会として別に差しとめができるわけではないと思いますが、ここでの意見をかなり取り入れているということは多分委員の方々納得されるところがあるかと思いますので、そういう意味では、無視をしたとか、軽視をしたということではないのではないかと思っております。
 もう一点は、ごく最近の指標として京都議定書の発効というのが目前に迫ってきておりますので、国益を考えた場合に、排出枠取引の枠の値段をつり上げられて大困りになるというようなことにならないためにも、早急に対応する必要があるということが国益の観点からも重要になってきていると思います。特に税は、こういう経済的手段は取り入れた後、実際に効果を発揮するまでにかなり時間がかかりますので、そういう意味でも早急な対応が、まさに国益の観点から求められているのではないかと思いますので、そういうことを考えると、今回の環境省の措置は是認し得るところがあるのではないかと思っております。
 二つ目の点は内容に関してですけれども、各委員がおっしゃったように、いろいろなところに目配りをしている、し過ぎているという意見もあるかもしれませんが、恐らくしているということで、理念は何かというと、恐らく負担感を少なくして環境負担を低減するということをねらっているということだと思います。この効果が確実に発揮できないと、先ほど速水委員がおっしゃったように、足元をすくわれるようなことに今後なる、あるいは国民の信頼との関係で問題が出てくることがあり得ると思いますので、ぜひ使い方について費用効果性の高い使い方、これはこれでまた別の問題がありますが、直接、税の話ではないですけれども、環境省が別に考えておられる自主的な排出枠取引、補助金プラス任意的な排出枠取引で出てきているような、ああいう費用効果的な補助金の使い方を、今回はちょっと難しいでしょうけれども、できるだけ広げていっていただきたいと考えております。
 今回いろいろ目配りをしたということで、社会保険料にも使うということは減税との関係で、従来からあるヨーロッパの議論を入れたということでございますが、この点は税収の使途を使うという部分がやや減るという問題は確かにあり得ると思います。他方で、軽減措置とか課税段階の問題については、まさに産業界に配慮したところがあってこういうことになっていると思いますので、これについてちょっとご異議をおっしゃると、軽減措置がない方がいいんですかとか、あるいは課税段階は上流だけでいいんですかという話に多分なると思いますので、その点はむしろ産業界のご意見を入れたということがかなりあるのではないかと思っております。
 課税段階については、ヨーロッパは確かに上流のものも多いと思いますけれども、これはイギリス型を恐らく念頭に置いたものだと思いますし、上流を考えている場合にも、ヨーロッパではインボイス方式がとられていますので、全く日本と同じように考えるわけにはいかないというところがあります。特にポリシーミックスとか軽減措置との関係でいうと、下流段階をかなり増やしたところは、私は前からこれはそう思っておりましたので、よかったのではないかと思っております。
 協定との結合の問題もありますが、あまり一度に理念を追っても、残念ながら今の国民の意識との関係で税というものは出てこざるを得ないので、どうしても妥協の産物にどの税もなっていると思いますので、そういう意味では致し方ないところがあるのではないかと思っております。
 3点目に、桝本委員から具体的な興味深い意見がありましたので、少しだけ申し上げておきたいと思いますが、CDMを使っていくというオランダの方式は私も前から注目しているところで、むしろ賛成なのですけれども、まさにそういうCDMのための原資を得るためにも、この税の補助金を使うということはあり得るので、それはまさにおっしゃっていることと今回の税の導入とは両立するというか、むしろ結合できることではないかと思っております。
 あと、産業界は、税を入れるのであれば補助金は要らないわけではないというふうにおっしゃっていただいておりますが、まさに費用効果的な使い方をしていただきたいと思いますので、ぜひ産業界もお使いいただいて、全体としての効率的な削減に持っていっていただきたいと思っております。
 以上です。

○森嶌委員長 それでは、武田委員、浅野委員、平尾委員、お願いいたします。

○武田委員 京都議定書が発効間近になっているということで、国家として環境問題、非常に大事な状況に来ているというのは皆さんご認識は一緒だと思うのです。いろいろご意見があるのは、目的は一緒なのですけれども、方策とかステップとかやり方とか、この辺の考え方が違うのだろうと思います。先ほどからアンケートでは環境税は非常に賛成が多いというお話もございましたが、環境省の今回の案を見まして、そうは言っても、実際に環境税を今通すのは非常に大変だなと思っておられるんだなというのが非常によくわかります。どんどん後退してきている、非常に小さな数字を出してきている、小さくしないとなかなか通らないということで、現実にはそうではなかろうかと思うのです。それによって、今いろいろご意見があったように、理念が希薄になって、効果は疑問であるというお話になってくるわけです。
 環境省さんとしては、本当に一生懸命やっておられるのは私も理解できるわけですが、環境省さんだけで幾ら頑張ってもなかなかこれは通らない。本当は、政府全体、総理以下が、この問題が国家として今非常に大事なときにあるんだという認識がどれほどあるかということに問題があるんだと思うのです。本当にそれが大事ということになれば、この環境省さんの案のように、既存税制について、石油石炭税に矮小化したようなことを言うのではなくて、国家予算全体ないしエネルギー課税全体についてきっちり国としてどうするんだというがあってしかるべきですし、私は何回も申し上げているのですが、この審議会ではもう少しその辺を全体として見直すべきだという意見を強く出してもらいたいというふうに思うのが1点です。
 もう1点は、最近、石油の値段も上がっておりますし、定率減税も減る、減税自体を減らすというような議論もあって国民の負担が増える。そういう中でさらに追加の税を課するということであれば、効果の確実性とコストパフォーマンスの優位性というのがなければいけないと思うのです。先ほど桝本委員からもお話がございましたが、この辺が皆さんやはり疑問を持っているのです。一方、先ほどお話があったように、京都メカニズムの活用、CDMとか、排出権とか、こういう問題についてはコストパフォーマンスからいっても、確実性からいっても非常に高いものが期待されるわけです。こういうものの活用を、この委員会は税だけではないということでスタートしているわけですから、こういうものの活用ということをもっと強く、大きく意見を出すということをすべきだと思っておりますので、その2点をぜひお願い申し上げたいと思います。

○浅野委員 多くの委員からご意見が出ましたように、今回の提案は、あちらこちらに気配りをしていると評価することもできますし、大塚委員がおっしゃるように、まさにここで議論されてきて、こういう点を配慮しなければどうにもならないのではないかと指摘されてきたことを、掛け値なしに全部拾っていけば結局こういう案になってしまったということだとも思うわけです。結局はこの委員会の中で議論したことが、そのまま天からツバのように降ってきたという感じがしないわけでもないわけです。今の段階でこれがいい悪い、どうだこうだとここで結論を出すということは、森嶌委員長もおっしゃるように、我々の当面の任務ではないだろうと思います。
 ただ、全体として十分に意識しておかなければいけないことは、私たびたび申し上げておりますけれども、京都議定書が2月に発効しますと、推進法に基づいて今の大綱は京都議定書の目標達成計画に代わることになります。目標達成計画という以上は、今の大綱のように、ただメニューを並べてこれもやります、あれもやりますということでは決して済まなくなるだろうと思うわけです。とりわけ多くの委員が、皆さん言葉は違いますが、おっしゃっているのは、どうやって大綱に掲げられているプログラムを実現するのかということを考えなければいけないということです。その意味では、我々は今までパーツの議論ばかりやってきているという感じがするのです。
 今日出ている説明で、本当に効果があるのか、4%というのは一体何なんだろうという議論があるわけです。それだけ見ると確かにそういう議論になるのですけれども、実は、その背景にあるのは、資料3に補足説明資料というのがあって、これについては今日は説明がなかったのですが、よく拝見しますと、こういうことをさらに追加的にやればこれだけの効果が上がるであろうというメニューが次々に挙がっていて、それについてお金をつぎ込んだらこのくらい効果があるというようなたぐいのものが引っ張り出されて、それで削減の見込みの量が計算されているということになるわけです。
 ですから、この税がいいか悪いかという議論を抜きにしても、達成できるかどうかの議論というのは、実はこういうような発想でお金をつぎ込んだらできるんですよと言っていることが正しいかどうかということになるわけで、税のところだけでけしからん、けしからんとおっしゃるのはおかしいわけです。そういうことをおっしゃるのなら、むしろこういう大綱の発想そのものについてもう一回根本的に考えるべしという議論をしていかなければいけないだろうと思うのです。
 この中に掲げられているものの中でも、例えば規制の方法を採用すれば達成できるというメニューは幾らでもあるわけです。どこかでちょっと見たんですけれども、税なんか取るよりも規制をかける、それでだめなら税だと、税が一番最後と言う人もいるようですけれども、それこそまさに柔軟で闊達な社会ではないわけです。私は経済学者ではありませんし、経済学者が言われる理論がそのとおりかどうかはよくわかりませんが、しかし、少なくとも規制のような、おまえたち法律家がこれまでやってきた手法はよくないと、経済学者からしばしば怒られて、ようやく我々法律専門家の方も意識を変えて、柔軟で闊達な社会にするためには税もしようがないかなと考えを変えつつあるわけですが、ところが、そういうものはけしからんのだと言われるなら、やはり方法としては規制なんですねということになるわけです。
 私は、ここの中に掲げられているメニューの中には、規制ももちろん部分的に必要なものがある、皆さん嫌がるけれども、例えば住宅省エネ性能というのはやはり建築基準法に手をつけ、それによって対策を促進するべきなのです。しかし、そうは言っても、それでも既存の建物には手のつけようがないわけです。その部分は規制ではどうにもなりません。だったら、その部分はしっかり経済的なインセンティブを与える方法があってもいいだろうし、他にも補助金だのといろいろな方法がある。自主的取り組みにしても、きちんと補助金が出されるからとりくみが積極的に動くわけです。ですから、パーツの議論をするということは大事なのですが、たびたびいわれる通り、政策体系全体をどうするかということを見ながら、これをきっちり位置づけていくということをやらないといけないわけで、税がいいか悪いかの議論ばかりやっていても、結局しようがないわけです。
 それから、効果の話にしても、繰り返しになりますけれども、ほかの手法についても同じような問題があるわけです。最終的には、総合的に力を出せるかどうかというところにかかってくるのですが、残念ながら、今のところ定量的にはっきりそういうものを把握する手法は十分にはないのです。ですから、ある程度定性的にやっておいて、ある部分は腰だめ的にやったら、効果が上がれば何パーセントぐらい上がるでしょう、だめだったら下がりますねということにせざるを得ない。京都メカニズムの活用のようなことも、ある意味では一生懸命努力してだめな部分は、そこである意味では採用せざるを得ない。CDMはいいのですが、特に排出枠を買ってくるというのは地球益につながらないわけですから、それは最終の手段であって、そこを避けるためにどこまで努力できるか。定量的にきちんと把握できるのはここまでだが、これらの総合的な力に期待してさらに努力するということは大いに期待もし、がんばろうという発想がこれからは求められてくるのではないかという気がしてしようがないわけです。たびたび申し上げていることですけれども。

○森嶌委員長 それでは、平尾委員、3分で締めていただきます。

○平尾委員 セカンドラウンドですみません。私は論客ではないので、ああ言えばこう言うではないのですが、ひとつ誤解を解いておきたい、色眼鏡を外していただきたいというのは、企業は税を取られたくないから反対だという次元ではなくて、やはり経済と環境の両立というのをどういうふうに考えていくのか。その一翼である経済を担っている企業としてどう考えていったらいいのかということをいろいろ議論しているわけであります。かねがね言っておりますように、我が国は資源もエネルギーもありませんから、ただで食えるわけではないので、オーストラリアみたいな国ではありませんので、そういう意味では外貨を獲得していかなければいけない。外貨獲得の過半は製造業でありまして、これがエネルギーと資源を使っております。それをどういうふうな形で効率よく運用していって、我が国の経済を支えていくのか、こういう議論をしておるところでございます。
 松田先生のおっしゃるような話は非常に残念でございまして、もっとお金を入れてきちんとやらないと、何のために稼いでいるのかと、豊かな生活をしなければいけないというのは私は同感でございます。ただ、これは環境税だけで充てるということではなくて、事業税だとか租税、たくさん資源がございまして、私は税の運用の問題だろう、そちらの方で議論すべきではないかと思っております。
 そういう意味で、先ほどちょっと話がありました、産業界に大分配慮したから譲っていいのではないかという議論もありましたけれども、そういう次元の問題ではなくて、環境税そのものが経済と環境を両立させるという意味において正しいのかどうか、そういう意味で私の方は議論しておるということをご理解いただきたい、色眼鏡を外していただきたいということでございます。

○森嶌委員長 松田委員、結構です。ここで言葉をめぐって議論をする時間はもう大分過ぎております。提起された問題についてここで一々お答えになる時間はありませんので、必要最小限のことでお答えになるべきことがあったらお答えください。

○田村総合環境政策局長 まず私から2点、お答えといいますか、私どもの立場と考え方をご説明させていただきます。1点は、この審議会の手続との関係、もう1点は、確固たる理念といいますか、その問題でございます。
 まず、審議会の手続との関係でございます。審議会から見た立場は、冒頭に森嶌小委員長からお話がありましたし、また私から言うべきことでもございませんので、環境省から見た立場を申し上げたいと思います。それは、説明の最初に課長から申し上げたことの繰り返しになって恐縮でございますけれども、この環境税の議論は平成2年ぐらいからずっと勉強してきておりますけれども、中央環境審議会の立場で具体的な問題として具体像を持ってきたのが昨年8月に取りまとめていただいた専門委員会報告だと思います。
 その専門委員会報告で取りまとめていただいたのは、今の案とは確かに違います。上流課税ですし、1兆円ぐらいの規模でございました。それをたたき台として、幅広く国民にも、67回にわたって説明会を開催したり、パブリックコメントをしたりしていろいろ議論をいただきました。また、その後すぐ、今度は産業界の方とか、NGOの方とか、いろいろな方も入っていただいてこの施策小委が昨年の12月にスタートしたわけでございます。スタートいたしまして、これもまたいろいろなヒアリングも含めて、あるいは地方公聴会まで、14回あるいはもっとやっていただいたわけでございます。
 そういう審議の過程で進めてきている中で、一方で、政府の来年度税制改正手続がございます。政府の来年度税制改正手続にあわせるために、私どもは8月末に税制改正要望を出しました。「地球温暖化推進対策のために環境税(仮称)を要望する」と、この1行だけの要望でございますけれども、そういう要望を出しました。それも具体的な案がないと審議が進みませんし、また審議ができないということでございますので、今回具体案を提示したわけでございます。
 その具体案の中には、縷々申し上げましたように、例えば専門委の報告、いろいろ議論がございますけれども、一番大事な点は、やはり低率の課税、しかし、低率で効果の薄い分は税収を温暖化対策に使う。これはほかにもいろいろな議論がありました。もっと高率にして一般財源に使えとか、いろいろなタイプがあるのですが、一番核となったところはこの案の中に取り入れたつもりでございますし、また、その後の小委員会でずっとご熱心に審議されている議論も、多くは配慮して入れているつもりでございます。ただ、その入れ方についてはいろいろ議論がございます。税率とか軽減措置、1つ1つは議論があると思いますが、ここは環境省の責任で細かい制度設計はさせていただいております。
 それを本日報告して、この環境税は環境省としてのとりあえずの具体案でございますので、まだ賛成・反対、いろいろ議論が渦巻いております。そういう中で、これからこの審議会でご議論していただくことも、この具体案そのものに対してもそうですし、あるいはこれからの進め方、あるいは執行するという場面に仮になったとすれば非常にありがたいですし、この具体案がそのまま100%執行されれば言うことはございませんが、なかなかそうはならないと思います。そういう中において、この審議会でこれからいただく議論も大いに私どもとしてはこの中で配慮していきたいと思いますし、それをこの中に反映させていきたいと思いますので、これからもご審議をよろしく賜りたいと思っているところでございます。
 もう一つ、中身の方におきまして、いろいろなところに配慮し過ぎて、結局全体としては焦点がぼけてしまって確固たる理念が薄くなったのではないかというご議論でございます。一つは、規模の1兆円がいつの間にか半分になったというご議論でございます。1兆円につきましては、もう一回ご説明させていただきたいのは、確かにAIMモデル等を通じまして、この議論がずっとこの施策小委員会におきましてもかなり中軸をなしていた議論であったことは事実だと思います。しかし、この1兆円という議論は、私ども税収の使途を出すときも、効果を出すときも注意深く入れたつもりでございますが、あくまでも現在のギャップ、もちろんそのギャップの中には、当然森林吸収源の既に確保される3.1だとか、あるいは先ほど委員からもご議論があった原子力がもしきちんと進んでいたらという議論が当然あると思いますから、その数字は少しオーダーが違うかもしれませんが、いずれにしても、そのギャップをすべて仮に税ということで埋めてみたら、それはやはり1兆円ぐらいかかりますと、リッター当たり2円ぐらいの税収がかかりますと、そういういわばたたき台として出したわけでございます。
 私どもが今回出しているのは、税だけですべて埋めるということではなくて、規制措置でも有効な規制措置はたくさんありますから、そういう規制措置とか、あるいは自主的な取り組みでも、経団連の自主行動計画とか、きちんとやっておられて、効果も上がっている自主行動計画はたくさんありますから、そういうものとか、あるいは何度もここの議論で言われていましたように、普及啓発がむしろ一番大事だと思っておりますが、普及啓発とか、そういうものの効果というのは当然あると思いますし、なければいけないと思っていますから、そういう部分で埋まる部分も多々あると思いますから、税の役割としては4%程度ではないかということでお出しをしたものでございます。
 それから、税収の使途等につきましても、まさに税収の使途こそが一番大事なわけでありまして、このあたり補足資料を入れてございますし、前回、税収の使途として一覧表を出させていただきました。その辺の議論をもう少し進めたいと思っております。
 また、軽減措置もいろいろ入れ過ぎてわかりにくいとおっしゃいますけれども、やはり現実の税でございます。税として負担を求めていく以上は、やはり負担が直撃される産業もあるわけでございますから、そういうことに対して配慮していくというのは当然のことだと思います。税制の仕組みの中でそういうことのバランスを図っていく必要があると思いますから、そういうことは配慮していこうと思っております。
 今回の環境税の具体案は、何よりもこの具体案の1ページに書いてございますように、一つは、地球温暖化対策というのが待ったなしの状況に来ている。遅れれば遅れるほどコストも高くなりますから、待ったなしの状況に来ておりますし、今年が地球温暖化対策の見直しの年でもあります。また、ロシアの対応によって京都議定書も現実のものになりつつあるという状況のもとで、きちんとした社会的な仕組みをここで入れる必要があるのではないかということ、そして、そのきちんとした社会的仕組みも国民みんなが、家庭も、企業も、運輸も、業務もみんなが参加する、逆に言えばみんなに負担していただくということかもしれませんけれども、そういう仕組みとして設計していく必要があるのではないか、そういう理念のもとにつくっているつもりでございます。
 これからもいろいろご批判とかご叱正とか、あるいは賛同とか、いろいろなご意見があると思いますが、それらをこれからも十分考えて、それらも反映して進めていきたいと思っております。

○鎌形環境経済課長 幾つかご質問に当たる事項がございましたので、お答え申し上げます。
 まず、環境税の効果に関して、税率が前にモデルで回したときに比べて低くて、例えば価格インセンティブ効果について600万トンということを見込んでいるわけですけれども、本当にそれだけあるのかというようなご指摘がございました。この効果につきましては、環境税は基本的に三つの効果、価格効果、財源効果、アナウンスメント効果、この三つ全体として効果を発揮するという考え方でございます。二酸化炭素の排出量に応じた公平な負担を求めまして、そういった三つの効果で4%を達成していくという提案が今回の提案でございます。
 ただ、その中で具体的にそれぞれの効果はどうかということで試算したところ、価格インセンティブ効果につきましては、モデル上の計算が600万トンという結果が出ました。この数字が妥当かどうかということを少し検証いたしてみました。価格弾力性についての分析をこれまでもお示ししたことがあるかと思いますが、短期ではききにくいけれども、長期的ではきいてくる。中長期の7〜8年というタームで見ますと、価格弾力性は0.5ぐらいということもお示ししたかと思います。今回、2,400円のケースでいきますと、大体価格としては平均的に1.6%の上昇となりまして、その半分として0.8%の削減効果が中長期的に出てくるだろうという試算になります。それと、今回600万トンと、モデル上の推計は0.5%ということでございますけれども、概ね一致しているということで、それなりの効果はあるだろうというような判断をしているところでございます。
 それから、軽減措置のところでいろいろご意見がございました。基本的には、公平でなくなるというようなご指摘もございましたけれども、例えばエネルギー多消費型製造業の軽減につきましては、具体的に統計上あらわれてくるようなエネルギーコスト、こういうものの客観的なデータを持って判断していくということになると思います。
 あと、石炭についてはすべて免税になるのかというご指摘もございましたけれども、原料炭のケース、燃料として使われるケース、これは明確に分けていくということを考えております。分け方については技術的な問題もいろいろあろうかと思います。
 それから、運輸事業対策というものには鉄道も入っているかというご質問がございました。私どもの今の想定では、鉄道も使われる電気について、モーダルシフトという観点から軽減が必要ではないかというふうな考えをしております。
 それから、年間の家計負担の試算についてのご質問もございました。まず、年間約3,000円という負担につきましては、ご家庭で使用されるエネルギーについての課税額を足し上げたものでございます。具体的には、電気、ガス、それから自動車としてお使いになるガソリン、その他ご家庭でエネルギーという形態で使われるものを足し上げたときに年間約3,000円ということでございます。
 御指摘の中に、エネルギー価格全体の上昇に伴ってさまざまな諸製品の価格が上がり、それがどういうふうに影響するかというご質問がございました。最終消費支出にどういうふうな影響を与えていくのかということかと思いますけれども、現在私どもの方でこれをモデル上回しているということはございませんけれども、大体どういうオーダーになってくるのかというのはこれから精査してみたいと思いますが、全体のGDPに与える影響とか、そういうところから見ますと軽微なものではないかと推察しますが、定量的にどういうふうに判断できるかはこれから少し分析してみたいと思います。
 あとは、課税段階で上流、下流に分けていることについて、欧州では総じて上流ではないかとか、あるいは民生や運輸の燃料が上流課税になっているのではないか、こういうような御指摘もございましたけれども、今回上流、下流それぞれに分けた判断については、我が国におきます燃料流通の実態をこの場でもご紹介して、我々も勉強いたしましたけれども、そういったものを踏まえまして、かつ、価格インセンティブ効果が働くように、下流できるところは下流でと、こういうところを勘案して選んでいったということでございます。
 税収の使途の中で、具体的に挙がっているものの中でなかなか普及が難しいものがあって、普及までにタイムラグがあるのではないか、そのタイムラグをどう見込んでいるのかというご質問がございました。現在掲げております各メニューにつきましては、温暖化対策大綱の見直しの中の対策メニューとして掲げられているもので、およそ2010年にはどの程度普及するという目標を設定しているものでございます。
 一つの例として挙げますと、ヒートポンプを用いた高効率給湯器などでいいますと、現在普及台数は9万台程度だと承知していますけれども、それを2010年に520万台にしようと、こういうような目標値を定めて、それを一つの対策メニューとして掲げてございます。そういうものを税収を活用して支援していくとした場合にどうなるか、あるいは税収を活用していくことが必要ではないかということをそれぞれのところで見たものでございまして、タイムラグという意味では2010年の時点である程度のものが普及できる、そういうものを足し上げていったということでございます。
 それから、今14%のギャップがあるというところが、実は原発が正常に稼働していた場合には、そのギャップがもっと少ないのではないか。そうなると、税の関係の議論も変わってくるのではないかというご指摘だったかと思います。実際14%のギャップというのは、原発の正常稼働を配慮した場合にもっと低くなるということは確かでございますけれども、私どもいろいろ税に関して計算いたしますときに、現行の対策が継続されたときに2010年時点でどうなるか。そのときに目標値の−6%のギャップはどうかというところを見ております。現状対策ケースと目標とのギャップというところです。
 これで見ますと、具体案の10ページに何本かの柱のある絵がありますが、現状対策を進めていった場合には、真ん中の柱ですが、9〜10%の削減が必要、目標値まで9%〜10%のギャップがその時点であるだろうということでございまして、この9%〜10%のギャップがあるという時点では、原発は正常稼働しているということを見込んだ数字でございますので、この現状対策ケースと目標値との差を埋めるという必要性の議論については、去年、一昨年の原発の正常稼働しなかったということとはかかわりなく、9%〜10%のギャップが生ずるということでございます。
 あと、電気への課税につきまして、原発や水力とか、そういったCO2を排出しないものに対する課税になるのではないかというご趣旨のご質問がございましたけれども、これは電気をつくるときに化石燃料を燃やして出るCO2に着目しているということでありまして、電気そのものが、原発による電気と火力による電気というのを消費の時点で分け切れないというところから、平均的なものをとるという発想をとっているということでございまして、決して原子力に課税するとか、あるいは水力に課税にする、そういう発想のもとでやっているものではございませんので、念のため申し上げておきたいと思います。
 大体以上がご質問に対するお答えでございます。

○森嶌委員長 まだご質問がおありかもしれませんけれども、また追い追いということで、当初予定した時間より30分以上時間がオーバーしておりますので、今日の本題と考えていたところに進みたいと思います。
 今日の本題と考えておりましたのは、全体を通じた議論ということですけれども、いろいろご質問もありましたので、なぜ全体を通じた議論をするのかということも含めて、この小委員会の議事の運営について、ご相談も含めて議論をさせていただきたいと思います。
 鳥井委員、どうぞ。

○鳥井委員 今回、税制の面とここの議論とタイミングが合わなかったというのは大いに反省すべき点はあるだろうと思うのです。ぜひいつ、どういう情報をこの審議会が発信すればいいのかということを、これからいろいろ参考にさせていただきますというような漠然とした言い方ではなくて、具体的に、何月何日まで、例えば上流とか下流とかというようなことを明確に示していただかないと、またタイミングがずれるというような失敗を繰り返すのではないかと思います。

○森嶌委員長 私は、それは失敗とは考えておりませんが、どうしてこうなったかということをご説明いたします。通常、審議会の場合は、諮問があって、一定の日程をあらかじめ組んでおります。例えば私が今までやってきた例、環境アセスメントの場合は、中環審で議論をいたしまして、その中環審の答申を前提にして環境省の所管で法律をつくる。あるいはつくらないということもあるかもしれませんが、どういう法律をつくるか、細かい点は役所がつくるわけですけれども、こういう内容のことを、こういうものをつくるべきだということを審議会が答申をするという前提で、つまり省庁の一つのポリシーを、審議会が基本的なものを決めて、ずれることはありますけれども、一定の期日を考慮しながら答申をするというのが通常のやり方です。
 この環境税の場合には、いろいろ複雑な要素が絡んでいるということがありました。
 一つは、中環審の中に問題がございます。地球環境部会というのがございますが、この中には地球環境部会におられる方もおられますけれども、2004年に中間取りまとめをするということになっておりまして、中間取りまとめをした段階で、さて、追加的な施策が必要かどうかということをそこで議論するということになっておりました。大体やる前からとても間に合わない、追加的な措置が必要だということは見当はついておりましたけれども、きちんとそれが出てこないことには、現在のいろいろな対策にプラスして追加的な措置が必要かどうかということはオフィシャルにはまだ出ていないわけです。それが出てまいりましたのが8月であります。
 それ以前の段階では、専門委員会などで学者が集まって、平尾委員、私もそう考えますけれども、現実と合うか合わないかではなくて、いろいろな議論はしておりますが、それがそのまま政策になるということではない。こういう問題があるという検討はしております。政策として、例えば効果などは一つのモデルを使って計算しておりますし、いろいろな意見も聞いてはおりますが、では、政策として中央環境審議会がこれをどうするかというところは、まだ検討は始まっておりません。中環審の専門委員会では議論はしております。
 そこで、昨年の12月から小委員会が立ち上がりました。これは皆さんご承知のように、いろいろな意見は聞いておりますが、政策の議論が始まったのは、地球環境部会の中間取りまとめが最後の段階になり環境税というのは有効な手段であるという姿が見えてくるまで、具体的に環境税を政策として議論するのを、形式的にはそれを待っているという段階であります。これは皆さんおわかりだと思います。その段階までにいろいろな材料は、私の方から議長として事務局に指示はしておりますが、議論を始めたのは、地球環境部会の中間取りまとめの姿が見えてくるのをこちらは見ていたわけであります。
 したがって、皆さんにもお話をしましたが、我々の中間取りまとめというのは、あそこの中間取りまとめとは違いますということを私が繰り返し申し上げたのは、あそこはそれなりの結論だけれども、こちらは結論は出しておりません、今までやってきたことをなぞっただけですと申し上げたのはそういうことであります。審議会の一機関でありながら、やっていることが違っている。それはもともと大綱の環境税を議論するのは我々の役割だけれども、正式には、追加的措置が必要だというところから我々の本務が始まる、形式的とは言いながら、それが我々の仕事だと。その前にやって悪くはないのでしょうけれども、それまでにいろいろな準備をきちんとしておくというのが我々の仕事だというふうに、少なくとも私は考えていますし、環境省もそのように理解していたと私は思います。そこから具体的に何が問題かということで議題整理をしながらやってきたというふうに、少なくとも私はそのように考えていたわけです。
 その際に、先ほども申しましたが、嫌でもモーニングは着て結婚式場に来てくれと言いました。それは、それまでに賛成とか反対とかという議論があって、国際競争力がなくなるとか、いろいろな議論がありましたが、では、具体的にどういうデータが出ていたのかというとあまり出ていない。そこで事務局に指示をして、いろいろ問題はあるでしょうけれども、ともかくデータを出してもらう。そして、今まで課題とされていたものに対してデータを出しながら、ここで皆さんのご意見を伺って、データの問題とか、考え方の問題を、ともかく整理をしていくという段階であります。それが内部の問題です。
 もう一つ、今度は外部の問題といいますか、外との関係であります。アセスメントは環境省の所管事項でありますけれども、税は実は、我々が環境税を仮につくるべきだと言っても、我々が環境税をつくるということはできないわけです。結局は財務省がつくる。つまり政府税調がオーケーと言って、向こうでつくってもらわなければ、環境税を仮にここが満場一致でオーケーと言っても、向こうへ行ってノーと言われたら、それっきりという仕組みのものであります。その意味では、我々の方が、仮に先月ぐらいに満場一致でつくりましょう、税率は50%にしましょうと言っても、向こうへ行って「それはできない」と言われれば、それっきりということであります。
 そして、先ほどお話ししましたように、我々が議論をしている途中で、政府税調から、具体的な案を持ってこなければ話になりませんよということになったので、環境省としては、今までの議論をおまとめになって出された。その点では、私は異例だとは思いますけれども、失敗ということではなくて、これは仕組みの上でやらざるを得なかった。もちろん一つの選択としては、いろいろなことが切迫しているけれども、仕組みがそうなのだから、最後の議論が終わるまで、環境省としては行政責任を負う覚悟で何もしないというのは一つの選択ですが、私はそれはやはり行政庁として許されるべきことではない。そこで、今日ここできちんと説明をしてくれということでやってもらっているわけです。
 その意味で、食い違ったということは、もしもそれに責任があるとすれば、私は座長としての責任を負いますが、それはそうした通常の審議会の運営とは違う、内部の問題と外部の問題と両方あるので、それは少なくともここの委員においては理解をしていただきたい。社会的に、「それは審議会の中の問題だからわからない」と言われれば、それは私としては、そういう審議会のあり方については国民の皆さんにおわびするしかありませんが、少なくともここの審議会としては、皆さんにご理解いただきたいと思います。
 それでは、これからどうするかということですけれども、私としては、今日の議論も含めてまだ課題についての議論が十分煮詰まっているとは思いません。先ほど平尾委員が提起された問題について、私は完全なものはできませんよと申し上げたけれども、完全でなくても、まだいろいろなデータも含めてやらなければならないことはあると思うのです。先ほど五十嵐委員も言われ、私も繰り返し言っておりますけれども、少なくとも税金を取ろうという場合は、取られる側からすれば、仮にいいものであろうと悪いものであろうと、こういう理由で、こういうものを取るんですということがきちんとわかるようなものをやらなければならない。ですから少なくともこの審議会としては、それをきちんと用意しなければならないという責任はあると思うのです。
 そういうことをするのがこの審議会の役割です。私は、今後政府税調とか自民党でどうなるかあるいは環境省が向こうでどういう説明をされるかはともかくとして、我々は審議会としてそういう材料を用意しながら、あるいは議論を尽くしながら、それは賛成であれ、反対であれ、きちんとした議論を用意しながら、国民の皆さんに選択をしていただくという材料を我々は支度していかなければいけません。例えば桝本委員のご意見は、ある国民は「なんだ、これは」と思われるかもしれませんし、ある国民は、なるほど言うとおりで、松田委員の話は甘過ぎると思われるか、なるほど松田委員の言われるとおりだと思われるかどうか、ともかく我々としてはきちんとした議論をする必要がある。そのために、私は今やっている議論をもっと詰めていかなければならないと思うのです。
 一つ問題は、私も含めて、この中の何人かの委員は、12月いっぱいをもって中環審の委員の任期が終了いたします。中環審は委員に属するわけではありませんから、委員がいなくなっても委員会は続きます。少なくともこの委員でいる限りは、そういう運営を続けますし、将来も続けていってもらいたいと思います。どなたかおっしゃいましたように、環境税の議論はそう簡単に終わらないと思いますし、データの準備、論理の構築もそう簡単にみんなわかってしまうということにはならないと思います。ですから、どういうふうに推移するにせよ、国民の皆さんが、なるほど環境税を入れるべきだということになるにしても、きちんとしたデータの積み上げの中できちんと議論されるべきだと思うのです。あるいは桝本委員がおっしゃるように、そんなものでなくてもっといいものがあるではないかと言うにしても、単なる感情論ではなくて、なるほど桝本委員のおっしゃるとおりというふうになるにしても、きちんとしたデータの上で築き上げられるためには、この委員会できちんと議論されるべきだと思うのです。
 その意味では、あと1カ月少々ですから、その間に基礎的な課題についての議論はしていただきたいと思っております。今の課題の中でもう少しデータを議論するということもありますが、もう一つ残されているのは、京都メカニズムと税との関係です。先ほどちょっと永里委員がおっしゃいましたけれども、あるところで税よりも京都メカニズムははるかに安いという議論がありますが、それは全く京都メカニズムと税との関係を取り違えておられるということです。京都メカニズムというのは環境税を入れるか入れないかということと関係がない議論です。これはもともと税金を使ってよそから買ってくるわけです。では、企業がやる場合どうするかというと、企業は自分が果たさなければならない義務的な削減量を、ヨーロッパの場合ですと、国内の排出権なりを買ってきて、そして自分が果たさなければならない削減量をそれで買うわけです。一方で、環境税なり何なりという強制があって、環境税を払うかわりに安いものを買ってくればいいわけです。
 ですから、環境税がなかったり、義務的なキャップ・アンド・トレードがなかったらそんなことをする必要はないわけです。例えば良心的ならば、自主的にやらないものをよそから買ってくるということはあるでしょうけれども、普通の、常識的な人なら、やらなくても済むものに何で金を出して買ってくるかということです。京都メカニズムというのはどういうものなのか、金を払うのはもともと企業ではなくて国が払うものなんだと。ですから、そちらが安いからといって企業がもうかるわけではない。企業が払わなければならないのは、実はキャップ・アンド・トレードなりあるいは環境税なり、義務づけがきちんとできているところに、企業としてはどちらが安かという議論がなされなければならないのに、片一方では、全部それはないよと言っておいて、それで京都メカニズムは安いという議論は、実はディメンジョンが違う議論なのです。
 ですから、私はこの間事務局に、京都メカニズムと一般財源なり税なりの関係というのをもう少し明確にしてほしいと言いましたら、地球環境部会との話もあり、この次の部会には間に合わないということでした。ですから、この次の部会は一度お休みにさせていただいて、それを整理していただくということにいたしました。
 そして、もう一つ残っておりますのはほかの政策との関係です。桝本委員のフェボリットワンですけれども、例えば環境教育。これもできるだけやってきたのですが、ほかの政策との関係は、ロシアが京都議定書を批准いたしましたので、多分地球環境部会が動き出すと思うので、むしろ全体的なポリシーミックスの方は地球環境部会の方で多分なさるのだろうと思うのです。浅野委員も任期満了ですので、これもどういうふうにするか、今から部会長ともご相談をして、ここで何もかもやるというわけにはもちろんいきませんので、役割分担をしてやりますが、少なくとも浅野部会長、そから私の部会長並びに会長の首がなくなるまでに、将来方針について、その両方の役割分担も含めていたします。
 そして、環境税については、私自身としては、先ほどからお話がありましたように、単に環境税だけではなくて、議論するのは環境税でも、ほかの税との関係をどう考えるかという見通しも含めて、今ほかの税をなくせと言っても、政府税調はそう簡単にはいきませんけれども、それについてどうするかという話も、ここでは将来の見通しとして議論をしていただくという方向で議論をしたらどうか。では、いつまでにやるか。皆さんは私よりは任期が長いかもしれませんけれども、退任される人も出てくると思いますし、そんなにいつまでも議論をするわけにはいきませんので、ある時期を設定して、ただ少なくとも12月までにこの議論が終わるとは思いませんけれども、できるだけ早い時期に、ある程度の方向性は示したい。ただし、ほかの議論と違って、環境税について一定方向で一致をした結論が出るということは期待しない方がいいし、それをやらない方がいい。むしろきちんとした議論の整理をして、そして、それを選択するのは環境省でも国会でも国民でもいいですが、それを出すことが我々の役割だと考えています。それもいつまでもダラダラとやるのでなくするのがいいのではないか。
 ただ、今まで何となくごちゃごちゃしてまいりましたのは、先ほど申しましたように、地球環境部会とここの関係、政府税調とこことの関係などいろいろありまして、そういうことで時期的に、急に政府税調の方から具体策を示せということになって、環境省の方は急に案を出さなければならないということがあったりしたからです。私自身も驚いたのですけれども、皆さんの方もどうなっているんだという感があったと思います。もしも何らかの責任があり責任をとれと言われればいつでも責任をとりますが、これからの議事をきちんと運営するという意味での責任はとりたいと思っております。あと2カ月ですが、そういうことを考えております。
 具体的には、次回はお休みをして準備をさせていただきます。全体のことについて今まで整理したところを今日説明して、次回につないでいただきたいと思います。あまり時間がありませんけれども、お願いいたします。

○鎌形環境経済課長 それでは、全体を通じた議論という形で一当たりいただこうと思いまして資料を用意させていただいております。資料2は「温暖化対策税制に関する全体を通じた議論のポイント」ということで用意させていただきました。これは、実は既にこの小委員会で提出した資料を中心に、全体を議論する際に参照いただくためにということでまとめたものでございまして、課税段階から始まります各論点について中間取りまとめでの指摘と、あと、論点別の討議に入りましてからの資料の主な部分の抜粋、それからこの小委員会での主な指摘事項について、このセットで五つの項目についてまとめているものでございますので、中身は前回までと重複いたしますので、省略いたしたいと思います。
 あと、資料3「補足説明資料」ということで掲げてございます。今日も使途に関していろいろ議論がございましたけれども、まず「環境税の税収を充てることを想定している主な温暖化対策の例」という資料、もう一つは「石油価格の上昇について」ということで、これまで議論があった中でご説明できていなかった部分を補足させていただきました。
 まず、1ページ、「環境税の税収を充てることを想定している主な温暖化対策の例」ということでございます。ここの例の抽出の仕方については、この小委員会で税収の使途についての議論をいただいたときに、幾つかの表を使って温暖化対策税、環境税の税収を充てることが想定されるような対策を抽出する作業をしてまいりました。その抽出した作業の結果がこの紙ですけれども、今回は、さらにそれに見込まれるCO2の削減効果でありますとか、追加的財源が必要となる背景につきまして、さらにもう少し我々のイメージをできる限り詳しく書き込んでいるという資料のつくりになってございます。
 この表は、一番左に主な対策が掲げられております。まず、自動車単体対策としてのクリーンエネルギー自動車の普及・促進、新グリーン税制による「燃費基準+5%車の増加」、こういうような対策がございます。
 繰り返しになりますが、このそれぞれの対策を抽出してまいりましたのは、大綱の見直し作業の中で数十の対策メニューが提案されております。その中で経済的措置によって実現が可能となる、実現が確実になるというような対策をまずピックアップして、その中でかつ目標量が高いとか、大きな削減効果が見込まれるという意味で、追加的な財源が必要だと思われるものをさらにピックアップして絞り込んだものをここに掲げてあるということでございます。
 表の一番上の欄ですけれども、自動車単体対策でいいますと、対策の主な内容としては、グリーン税制の効果の評価も踏まえまして、燃費のより優れた自動車の普及拡大が2010年までにさらに進むように、自動車税制に燃費の向上に資する制度を組み込んでいくというものでございます。
 目標につきましては、2010年の段階ですべての新車について、「燃費基準+5%」、そういった性能を持つということを想定するということでございます。それが2010年時点では年間約446万台前後という想定になっておるということでございます。実際に、16年度のグリーン税制の対象車は134万台、17年度は188万台という見込みでありまして、格段の対象台数の拡大が目標達成のためには必要になってくる。そういう意味で追加的財源が必要になると考えられるということでございます。これによって見込まれる2010年時点での削減見込量は、クリーンエネルギー自動車の普及・促進で57万トン、新グリーン税制による「燃費基準+5%達成車」の増加で312万トンというふうに見込んでいるということでございます。このあたりは前回の資料に加えて新しく書き込んだところでございます。
 鉄道につきましてはモーダルシフトということですけれども、JR貨物の駅の改修を掲げてございます。駅の改修のために何らかの財政支援が必要ということで、過去の門司の事例などを掲げてありますが、この場合には4万トンの削減効果が推計されております。
 それから、高効率給湯器の普及拡大ということでいいますと、現在9万台程度のものを520万台まで増やしていくということでありまして、今も価格差の2分の1の補助が行われておりますけれども、将来価格が低下していくということも考え合わせて520万台という大きな目標を達成していくということで追加的資源が必要になるのではないかということで、これによりまして、2010年時点では130万トンの削減を見込んでいるということでございます。
 以下、建築物の省エネ性能の向上でいいますと、業務部門でESCO事業を掲げてありますけれども、これも潜在市場規模が大きいということで、市場が順調に拡大していくための追加的財政支援ということで、効果としては1,300万トン余りということでございます。
 太陽光発電につきましても、大きな目標量ということで25万トンを掲げております。
 以下、家庭につきましては、省エネ機器の補助ということで、トップランナー規制により見込まれますけれども、さらに効率の高い機器を普及していくということでございます。
 それから、高効率給湯器は業務と同じでございます。
 住宅の省エネ性能の向上ということでは、既存住宅の1%が2010年までに断熱改修を行うという想定で目標を掲げておりまして、見込まれる効果は874万トンということになっております。
 以下、時間の関係で省略いたしますけれども、以上のような各項目につきまして目標数値、それに至るための追加財源が必要な理由、見込まれる効果を掲げているということでございます。
 こういったものを念頭において使途を考えているということでございます。今回具体案の提案におきましても、こういった対策例というものを想定しながら、必要なものを考えてきたということでございます。
 それから、6ページに石油価格の上昇についてということで、最近ガソリンの価格が相当上がっているけれども、需要が減っていないのではないかとか、環境税の価格効果は期待できるんだろうかというご指摘がございます。これは、これまでもご説明してまいりましたけれども、長期にわたり政策として取り入れる税と、政府が環境税という形で長期にわたり取り入れていくんだという価格への影響というのは、市場や投資家、企業へ与えるメッセージということでは大きなものがあって、エネルギー価格の市場価格が変動していく、その変動と同一の次元で比較するというのは適切ではないのではないかということ。それから、何回かわたりご説明いたしましたが、エネルギーの価格が需要に与える影響は短期ではあらわれにくいけれども、設備の買いかえ時などの中長期にはあらわれてくる。具体的には弾力性0.5ぐらいというふうに見込んでいるということでございます。
 今回のガソリン価格の伸びと需要の関係でございますが、ここのグラフにありますように、確かに7月、8月という時点では価格が上がっているのと同時に販売量も上がっているということがあります。ただ、これは天候だとか景気だとかさまざまな要因があるのではないかということでございます。9月の販売では逆に減少しているということがあります。この辺の評価をどうするかという問題かと思いますけれども、短期的な段階ですので、なかなか評価は難しいのですが、天候や景気などの影響もあるのではないかというような分析でございます。
 あともう一つ、参考資料2という形で、「政府・各省の既存の主な環境教育・環境学習関連施策の概要」という資料を置かせていただきました。前回、環境教育についてのお話をしている際に、政府の各省の予算はどうなっているのかというご質問もございましたので、ここにいろいろな項目別に各省の予算を取りまとめた資料を配らせていただきました。ご参考までにということでの配付でございます。
 資料の説明は以上でございます。

○森嶌委員長 何かご質問ございますか。議論は次回にやることにしますけれども、もちろん言論を封鎖つもりはございません。平尾委員、どうぞ。

○平尾委員 一言だけですが、今の温暖化対策の例に出ているのですが、私かねてからお願いしておりますのは、例えば高効率給湯器の普及拡大とございまして、まだうまくいっていない、目標を達成するためには追加的財政支援が必要だということにとどまっているのですが、本当に520万台に持っていくのにどのぐらいの値踏みだったらお客さんはちんとやっていくのだろうかと、そういうアンケートのとり方をしながら議論を深めていかないと、表層だけに漂っていることになると思うわけです。
 ですから、こういうことを決めていくときに、サービスエースをねらうのではなくて、サービスしたときに、レシーブが返ってきたところをもう一度たたくぐらいの議論をしておかないと、コンテということにならないのではないかということ、この辺のところを私どもは今後議論を深めていきたいと思っている次第です。

○森嶌委員長 すぐに行くかどうかわかりませんけれども、そういうご意見があるということはテイクノートしておいてください。
 桝本委員、どうぞ。

○桝本委員 二つございます。この石油価格の上昇の弾性値や価格効果の話ですが、今日佐和先生いらっしゃらないのですが、私昔佐和先生からエコノマトリクスの一部をあるところで教えていただいたことがあるのですが、これは短期的には弾性値がない、価格効果がないと言わざるを得ないのではないかということが第1です。
 第2は、長期にわたる価格効果、弾性値というものを考える場合には、最近の製品の、非常に寿命の短いサイクルを見ますと、買おうと思っても前のものがないということを考えますと、これは実は価格効果というよりは、極めて現実的な選択の、相手の変更というふうに考えるべきで、これを中長期の弾性値というふうに論理的に本当に位置づけられるのかどうか。前回も佐和先生にちょっとお伺いしましたが、私は個人的には、今の現実の製造業での製品のサイクルの短さを考えると、この0点何がしという意味は、実は価格効果というには余りに広過ぎる数字が出ているのではないかという疑念を持っております。
 それから、参考資料2、これは大変ありがとうございました。私、これは非常に急ぐ必要があると思います。先ほどどなたかから、税賛成・反対を別にして、今何となく肌感覚で温暖化問題がどうも大変だという意識は間違いなくあります、子供たちにも、おじいちゃん、おばあちゃんにも。私はこれは急ぐ必要があると思います。京都議定書ができた97年からもう7年たっております。ぜひこの教育と情報提供は急ぎに急ぐ形で実際にぜひお進めいただき、各省庁にもそうしたお願いを広くしていただきたいと、重ねてお願い申し上げます。

○森嶌委員長 ほかによろしいでしょうか。議論はまたこの次に。今日は第2のところで時間がかかりましたので、たっぷりかどうかわかりませんが、この次は主として今までのことをもう一度詰めることと、それからお願いいたしますが、今日平尾委員がちょっとご指摘になったようなことも含めて、今まで議論したことでもう少しこの辺は詰めた方がいいのではないかとか、もう少しこういうデータを集められたらいいのではないかというようなご注文がありましたら事務局の方にぜひお寄せください。今の段階で集められるデータ、あるいは整理できる論点は整理しておきたいと思います。ただ、何でもかんでもというわけにはいきませんので、プライオリティのあるものについてきちんと整理をしておきたいと思いますので、ぜひよろしくご協力のほどお願いいたします。
 よろしゅうございましょうか。
 3番目の議論が今日はほとんどできませんでしたけれども、次回、よろしくお願いいたします。
 日程につきましては追って連絡ということで、いずれにしても、次回にとっていただいた日にちは、事務局では到底間に合わないということですから、それは流すということだけはいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

午後0時59分閉会