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中央環境審議会 総合政策・地球環境合同部会
第9回施策総合企画小委員会 議事録



平成16年7月29日 午前10時02分 開会

○鎌形課長 おはようございます。まだお見えにならない委員の方もいらっしゃいますけれども、順次お集まりになると思われますので、これから会議を開催させていただきたいと思います。
 それでは、森嶌委員長、よろしくお願いいたします。

○森嶌委員長 おはようございます。それでは、第9回の小委員会を開催させていただきます。
 本日は午後に地球環境部会が予定されておりまして、この委員の中の半数が出席するということで、この後すぐにいろいろな予定を、バスで移動とか何とかというのが予定されておりますので、時間が制約されておりますので、恐れ入りますが12時に終わらなければならない。ご発言時間はほかの方のご発言も考慮して、回数を発言されることはかまいませんが、なるべくお一方、少なくともマキシマム5分ぐらいでおまとめになるようにお願いをしたいとお願いいたします。
 それでは、最初に事務局から資料の確認をお願いしたいと思います。

○永見補佐 後ろから失礼いたします。資料ですけれども、お手元にパンフレットが幾つかと、あとA4の紙の束になりますが、普及啓発関連のパンフレットが、「ストップおんだん館」という、近々オープンする温暖化の関連の普及啓発センターのパンフレットと、あと2種類ほどございます。
 そのほか、資料本体になりますけれども、クリップを外していただいて議事次第、資料一覧、委員名簿と続きまして、資料2−1「国際競争力に与える影響について」。2−2がA3の前回もご説明いたしました「政策手法の比較」、資料3が「これまでの意見の整理」、参考資料として「普及啓発に関する取組について」、以上になります。

○森嶌委員長 資料等の不足はございませんか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、進めたいと思いますが、本日の議事次第は1つは先日宿題にしておきました産業の国際競争力に与える影響等でございますが、その他個別の論点につきましてが1つでございます。
 2がその他の論点というのは何が論点かということですけれども、幾つか残されている論点につきまして議論をしまして、それから3番目にこれまでの論点について今まで資料をお渡ししておりますが、整理をしてみたいと思います。
 まず、最初に産業の国際競争力等に与える影響につきまして事務局に資料をまとめてもらいましたので、これについて説明をお願いしたいと思います。また、前回用意いたしました税その他の施策の比較につきましては、産業、業務、運輸、家庭といった部門によりまして、その与えるインパクト等のそれぞれの効果が違うのではないか。それから、税についての仕組み方によって評価が決まるのではないかなどという様々なご意見がありましたので、こうした点も踏まえて逆に資料を再整理してもらってございます。
 また、前回、委員からご指摘のありました普及・啓発の取り組みについての資料がないのではないかというご指摘もございましたので、これも事務局に整理してもらったうえでご報告をしてもらいます。
 それでは、事務局からお願いいたします。

○鎌形課長 それでは、資料に基づきまして簡単に説明をさせていただきます。
 まず、宿題としていただいておりました温暖化対策税が産業の国際競争力に与える影響についてということでございます。資料2−1ということでございます。
 まず、国際競争力と一言で申しましても、さまざまなレベルがあると考えられます。国全体のレベル、それから産業、各業種ごとにどうなのか。あるいは、個々の企業にとって、こういった視点があるかと思います。
 国レベルの競争力につきましては社会的な制度とか、技術水準とかさまざまな要因で決定されていくということになろうかと思います。
 ただ、温暖化対策税という形になりますと、原料価格の上昇、製品価格の上昇ということで、ある産業には縮小の効果、あるいは税収の関係によって利益を被るというものもありますので、国全体で一括して見た場合にはなかなかそういった影響が見逃されてしまうのではないかということ。それから、個々の企業に関しましては国際的な事業展開の仕方も個々の企業にとって違いますので、そういったものでなかなか個々で違いすぎるということもございます。そういう意味で産業レベルの競争力の変化に着目することが必要であろうということを1ページ目に書いてございます。
 次におめくりいただきまして2ページ目にまいります。まず、税がかかったときに国際競争力にどのような影響を与えるかということの要因の基本的なところを2ページ目にまとめてございます。(1)マイナスの要因でございます。
 ある意味で当たり前のことかもしれませんが、エネルギー製品を使用している産業ということに関しましては原材料コストの上昇ということ。それによりまして価格が転嫁できた場合には製品の価格が上昇して輸出品価格が上がる。そして、輸出品の需要減少、ないし輸入品の競争力上昇ということがもたらされるだろうということが考えられます。
 ただ、温暖化対策に伴うコスト増につきましてはさまざまな競争力を決定する多くの要因の1つであるということに留意する必要があると思います。他の要因の例としましては、エネルギー以外の原材料費とか、為替とか、他の税の負担などを掲げております。
 原材料コストの価格転嫁が十分にできない場合でございますが、こういった場合には企業の利益が縮小していく。そして、研究開発費の減少などで長期的な競争力の低下の可能性もあるだろう。
 それから、化石燃料価格が上昇いたしますと、化石燃料の多消費産業については製品価格を引き上げていく方向に動くわけですが、まず化石燃料を節約していく技術の採用が進むということも影響を軽減することになるのではないか。
 それから、国際競争力に関して価格だけではなく製品の質も大きな要素である。この辺も留意する必要があろうということでございます。
 (2)のプラスの影響でございますが、長期的効果が中心かと思いますが、代替品を使ったり、製造過程を合理化する、こういうような形で競争力が評価されていく。こういう可能性もあろうかということでございます。
 以上が、一般的な税を課した場合の競争力に与える影響をまとめたものでございます。
 3ページ目でございますが、実際にどんな影響があるかでございます。ここは国際経済モデルによる試算結果をご紹介しているところでございます。
 そもそもこういった影響に関してのモデルによるシミュレーションは多くないわけですが、2つの事例を紹介させていただきました。
 (1)ですが、いわゆる専門委員会報告の基礎となっておりますAIM世界モデルの試算結果を掲げてございます。
 この前提は京都議定書付属書I国が目標達成のために必要とされる削減量をすべて税のみで達成するという1つの仮定でございます。日本の場合にはトン当たり300ドル程度という形の仮定になってございます。その他幾つか仮定がございますが、このモデルを回してみますと、「産業への影響」という欄でございますが、日本のエネルギー集約産業は鉄鋼・紙パルプ・化学・セメントというところでございますが、その生産が1.4%減少する、こういうような試算が出てございます。
 ちなみに括弧でございますが、アメリカについては微減、中国のエネルギー多消費産業は1%前後の増、こんなような結果が出てございます。
 (2)ですが、大阪大学の伴教授の分析がございます。これは一般均衡分析モデルによる分析をしたものでございますが、税を導入した場合と導入しない場合を単年度と申しますか、外の影響でどう出るかということで比較したものでございます。
 前提は非常に単純化する意味で石炭に20%、石油・ガス20%、それぞれ従価税という形でかけた場合にどうなるかということでございまして、日本単独で導入した場合と工業先進国で協調導入した場合の2通りの試算を掲げておりますが、前者の日本単独の場合でここに掲げておりますように化学0.51、石油・石炭0.4、電気・ガス・水道が0.31、金額0.10の減少があるということでございます。
 先進国が協調導入した場合には、それぞれ減少がございますが、上に掲げておりますよりも若干少なめの影響という形でございます。
 以上がモデルということでございますが、次にまいりまして、4ページ目でございますが、それぞれの企業にとって価格がどういうふうに影響しているかを分析したものが4.国際競争力への影響の程度、ということでございます。
 まず、(1)輸入エネルギー価格についてどういう評価ができるかということでございます。ここで試みましたのは、輸入エネルギーの価格が変動する。その変動幅と、それから仮にトン当たり3,400円の税を入れた場合のエネルギー価格の上昇分、これがどのような量的な関係にあるかを比較したものです。
 例えば表1の原油の欄をご覧いただきますと、1987年から2001年までの輸入価格を見ますと、平均的に14,751円ということでございます。これは変動がございまして、標準偏差、標準的なばらつきと申しますか、それをとりますと3,186円。トン当たり3,400円程度の温暖化対策といいますと価格としては2,423円、こういう見方になります。この3,186と2,423を比較しまして、概ね税を入れた場合の価格上昇分は燃料の輸入価格の標準的なばらつきの範囲の中である、こういうことが言えるかと思います。
 ただ、これは原料によって異なりまして、下に行きまして原料炭、一般炭につきましてもこの関係は逆転してございます。標準的なばらつき、標準偏差よりも温暖化対策税を入れた場合の上昇分が上回るという関係にございます。
 それから、下の表には石油製品の卸売価格でございますが、同様の分析をしましたが、ガソリンのところで見ていただきますと、標準偏差、ばらつきが6,194点、一番右側にまいりまして温暖化対策税を入れた場合の価格上昇が2,153円ということで、これぐらいの量であるということでございます。
 以上、全体を見ますと原料炭、一般炭を除けば概ね標準的なばらつきの範囲の中での価格上昇ということが言えるかと思います。
 それから、そういった中でただ産業によっていろいろ影響の度合いが違うというのが次の5ページ目でございます。(2)でございます。エネルギーコストの割合というのは各産業においてそれぞれ異なります。表3でございますが、左側にはエネルギーコストとありまして、2.5%以上、2.5%未満とあります。全体の生産額に占めるエネルギーコストの割合ですが、上のほう、左から鉄鋼、石油、石炭と並んでいます。この辺がエネルギーコストが製品価格の2.5%以上という部分でございます。
 こういった部類についての影響が大きいかということでございまして、実際にトン当たり3,400円の温暖化対策税を入れた場合にどうなるかということでございますが、上の地の文の4行目以下ございますが、鉄鋼につきましては生産額の税のコストの分が1.9%、石油・石炭製品は0.5%、窯業・土石は0.7%、パルプ・紙加工品は0.7%ということでございまして、こういった業種が比較的エネルギーコストの影響を受けやすい、こういうことがわかります。
 では、実際そういったエネルギーコストの上昇があった場合に競争力にどういう影響を与えるかというときに、各上昇によりまして輸出・輸入にどれだけ依存しているかということがあるわけでございますが、下に幾つかのエネルギーコストの高い産業につきまして、その輸出入額の全体の生産に対する割合を掲げてございます。
 かいつまんで言いますと、鉄鋼につきましては右のほうを見ていただきますと輸出が35.8%ということで、製造業全体は下の10.40%ですが、非常に輸出の占める割合が多い。1つ取りまして、紙につきましては4.5%という形で製造業全体よりも小さいということで、これも業種によって影響が異なってくるだろう。このようなことが考えられるわけでございます。
 次のページにまいりまして、影響はさまざま異なりますが、輸出製品の価格が仮に上がってきたとき、輸出の際にどういう影響があるかを考えたものが(3)でございます。ここは分析の比較として為替の変動の幅との比較をしてございます。1987年から2001年の為替レートの変動でございますが、毎年の前年比というものの平均をとりますと8.2%、毎年毎年8.2%ぐらいの平均で上下する。こういうのが傾向としてあるわけでございますが、先ほどエネルギーコストの高い産業でも温暖化対策税のコストの最大の鉄鋼で1.9%ということを申しましたが、これと比較しますと為替変動の平均的な幅の中に入っている、こういうような分析でございます。
 それから、参考1とございますが、産業空洞化への影響ということもいろいろと指摘されてございます。まず、一般的には化石燃料の価格上昇が企業の国際的な再配置に影響するかどうかというのは、その産業が日本に立地する存在基盤によって決まるだろうということで、そうしたものが例えば技術、ノウハウ、人的資源、経営資源、資金調達、リスクマネジメント能力等々、そういった要因によって決まっていくことが多いのではないか。
 もちろん化石燃料価格もその1つの要素かもしれませんが、それだけで企業の配置を決めるという要因ではない。とりあえず一般論を述べてございます。
 それで、具体的にどうかというところで、幾つか企業に対するアンケート調査を引っ張っております。まず、日本企業の海外進出動機というのを平成14年度の海外事業活動基本調査から拾ってございますが、海外で事業活動を行っているものの進出の動機は、進出先の現地での販売先維持を拡大するとか、あるいは同一地域内の第三国での販売維持拡大を図るということで、販売先を拡大していく。これが海外進出の理由のトップということでございます。
 その次にコストの面が来るというようなことになってございます。これが表6になりますが、6ページの下に文章でまとめてございます。
 それから、もう1点、具体的にコストとして何が問題かということでございますが、1例としては別のアンケート調査で中国のASEANに対する進出の規模というもののアンケート調査でございますと、やはり7割以上が安価な労働力というものを挙げているということで、労働力のコストでは相当の考慮要因になっているということが伺えるところであります。
 それから、8ページ目でございますが、海外とのコストの比較というところで、原料のコストとその他のコストはどうかということを1例として挙げてございます。日中のコスト比較ということでございますが、中国の深センと日本の横浜で比較したものでございますが、賃金につきましては一番右側、日本と中国のコスト倍率ということでございますが、32倍、14倍、12倍、職種によって異なりますが、そういった差があるということでございます。
 その他、インフラとかもございますが、下にまいりまして、ではガソリンとか軽油とかで燃料の価格差はどうかというところでございます。※をつけたところはガソリンとか軽油が日本にトン当たり3,400円入った場合という数字を掲げてございますが、ガソリン、軽油で1点数倍から2点数倍と、こういう差であるということでございまして、労働力コストが相当大きな要因を占めるのではないかというような分析でございます。
 参考2でございますが、そういった空洞化によって、外に出た場合にかえって世界の温室効果ガスが増えるのではないかという懸念でございますが、モデルの分析によりまして、AIMモデルによりますと世界全体では下から3行目でございますが、3.7%の減少ということで、全体として見れば減少するというモデル結果があるということでございます。
 それから、9ページにまいりまして、以上のような影響が懸念されるところに対して、どういった緩和措置があるのかということでございますけれども、影響を受ける産業部門について配慮を行うという方法と、国境税調整という2つが考えられるわけでございます。
 1番目が産業への配慮方法は各国で事例がございます。ここに掲げてございますが、例えばエネルギー消費の多い産業としてノルウェーで製紙・パルプ製造業で使用する燃料は軽減税率を適用するとか、ドイツでは製造業、農林漁業事業者一般について税率を引き下げるとか、あるいは下にまいりまして、下のもう1つの箱でございますが、ノルウェーではセメント生産、工業プロセスに使用する石炭・コークスは免税にするとか、ドイツでは石炭をそもそも免税にするとか、英国では原料用途の石炭などは免税にするとか、こういった配慮がなされているということでございます。
 次にまいりまして、10ページの(2)国境税調整等というところでございますが、温暖化対策税が課されている場合、輸出品については還付をして、輸入品については輸入段階で課税するといった、こういう調整を行うことが考えられないかということでございます。
 それで、幾つか課題がございます。課題[1]でございますが、国境税調整を行うことによって、国内で税をかけても抑制効果が失われるのではないかという課題が1つございます。いずれにしてもも輸出するものに税が課されないということになるので、価格のインセンティブ効果がどんどん失われてくるという懸念がございます。
 それから、次のページにまいりまして、課題2でございますが、国際貿易のルール上認められるかということでございますが、WTOのルールの下では製品に原料として取り込まれるようなものについては国境税調整を行うことが一般に認められているということです。製品の中に原料として入っているという場合ということです。
 今回考えております温暖化対策税は化石燃料を消費して、エネルギーを使って製品をつくるということで、製品そのものの中には化石燃料は入っていないという、そういった場合に国境税調整が認められるかはまだ意見の不一致があるという状況でございます。
 課題[3]でございますが、実際にできるかという話ですが、CO2を排出するというのはエネルギーを使って製品にするにはおよそすべてにかかってくるわけでございまして、実際に創設すべき製品は非常に多くなって、すべての製品についてどれだけの化石燃料を使ったかはなかなか把握し難いということ。
 それから、世界中で採用される生産方法が多様なので、なかなか決まった率で調整するのは難しい、こういったものがございます。
 ということで、今のところ温暖化対策税について国境税導入はないということでございます。なお国境税調整に関しまして米国のフロン税については事例があると聞いております。ただ、CO2課税よりは使用するものの多様性が少ない。ちょっと事情が異なるのではないかということです。
 以上が国際競争力への影響についての説明でございます。

○森嶌委員長 この国際競争力に与える影響につきましては、事務局が前回の前から私が宿題を出して、大変精力的に勉強をしていただいたわけですが、ごらんのように非常に多岐にわたるということと、それから最初の部分のどういうインパクトがあるかということにつきましてもいろいろなモデルを使う、そしてその基礎となるデータもございます。それからまた、影響緩和につきましても現在ある制度につきましても、あるいは理論上の問題につきましてもいろいろな問題点がありまして、まだ今後この委員会としても検討していかなければならない点が多々ありまして、ここではこういう今まで発表されたものもあるし、こういう問題点もありますということを示したところであります。
 そして、また委員の皆様のところにもいつ資料が配られたか定かではありませんが、仮に10日前に配られたとしても、そんなことはありませんが、私のところにも2日か3日前に出てきたところですから、私とてまだよくわからないところがたくさんあります。仮に10日前に配られたとしても、皆さん、それぞれ検討するお時間もないと思いますので、今日のところはもしも今ご質問等がありましたら後で伺いますが、お持ち帰りいただいて、それぞれご検討を開始していただきたいということをお願いをして、また、こういう点をもうちょっと調べたらいいのではないかというご指摘とかございましたら事務局に言っていただきたい。
 ここでおっしゃっていただくより、例えば何か資料等のご指摘がありましたから書面で言っていただいたほうが事務局も助かりますし、資料のミス等もございましたら、この点がこういう点で誤っているとか、こういう解釈に誤りがあるということをぜひご指摘いただきたいと思います。
 この点につきましては、特にあとの影響緩和措置等につきましては、これから私どもでも検討しているという課題になると思いますので、こういう措置はあり得るんだということを今回はテーブルにのせるということでやっていきたいと思いますので、ぜひ皆さんのご協力をというか、ご協力という意味はいろいろな問題点があって、皆さんのほうでこういう点は検討しよう、こういうのは見落としではないかございましたらご指摘をいただきたいと思いますので、今日のところは1つひとつご指摘いただいても、事務局のほうもあれですが、多分始めたらとてもとても1時間、2時間で終わる話ではないと思いますので、今日のところはぜひそういうことでご理解をいただきたいと思っております。
 特に今、そういうやり方についてご指摘がございましたら承りますが、よろしゅうございますか。

○天野委員 1点だけ簡単に申し上げます。かなり基本的なことだと思いますが、ここは排出削減をやったらどうかとやらないとどうかを比べているわけですね。これはおかしいと思いまして、削減をしない場合とした場合で競争力がどう影響を受けるかというふうにとれるんですね。排出削減をある方法でやったとき、例えば炭素税を導入したときにどうなるか。同じ削減をほかの政策でやったときにどうなるか。この比較をしないと、一方では削減をして、一方では何もしないという比較であると、これはちゃんとした比較にならないのではないかという気がいたしまして、政策手法で同じ削減をするときに、どちらのほうが国際競争力に与える影響は大きいか小さいかということを言うためには、直接規制のようなことでやれば、どれだけのコストがかかるのか。それが国際競争力にどう影響をするのかということがもう1つ必要ではないか。
 しかし、これはやっている方がかなり少ないので、ほかの例として、いろいろな環境政策でこういう比較をしたのがたくさんありますので、そういう情報は付け加える必要があるかと思います。それだけです。

○森嶌委員長 ぜひそういう比較情報があれば。

○天野委員 あります。

○森嶌委員長 ここでは税を入れた場合だけに着目してやっていますが、確かにおっしゃるようなことでほかとの関係というのも比較したほうが政策との関係で言えばフェアというか、妥当だと思います。

○天野委員 国際競争力に影響があるから税を導入しないという結論になったら削減もしないということになります、ここだと。

○森嶌委員長 いえ、そういうことではなくて、これの着眼点はどれぐらい国際競争力に影響があるかということを調べただけの話でありまして、では国際競争力に影響があってもやるのか。あるいは、あったとしたら軽減措置があるのかどうかということだけに現時点では着目しただけの話でありまして、他のところでどれだけのあれがあるかということは、とりあえず……、そこまで手を広げますと大変なので、ぜひ佐和先生、天野先生、仮にあるとしてもほかに比べればこのほうが経済的に見ていいんだというのがあれば事務局は大いに助かりますが、そこまで現在の事務局の人員等からいってあれですので、ぜひお助け願いたい。

○佐和委員 よくわからなかったんですが、今日は議論はしないということですか。

○森嶌委員長 今日は議論はしない。あるいは、議論の仕方についての議論があれば。

○佐和委員 メモで後から送るというと、僕みたいにいろいろ忙しい人間はほとんど不可能なんです。だから、一言二言だけ2、3分の時間で。

○森嶌委員長 2、3分でぜひ。

○佐和委員 何点かあるわけですが、1つは、4ページのところで、過去の石油製品等々の価格の平均値と標準の偏差を求めて、そして対策税を入れても何千円程度しか上がらない。つまり標準偏差の中に収まっている。±標準偏差ということはその中に六十数パーセント入るということで、ごく過去に経験した範囲内のことではないかというようなことをおっしゃりたいんだと思うんですが、ただし、標準偏差というのは平均値があって、その周りをあっち行ったりこっちへ行ったり振れるということです。そういう振れるという現象と、ただ、ここの炭素税をかけたときのように、例えば原油に関しては2,400円、ガソリンに関しては2,153円というふうに一方的にプラスのほうだけに上がって、それがずっと持続するというとき、これは違う次元の比較を行っていると思いますので、ここのところは……。

○森嶌委員長 それは私も十分わかっておりまして、事務局に言っています。これは事務局を差し向けますので、お忙しいとは思いますけれども、口頭でいろいろおっしゃっていただきたい。今日これをやりますと到底2分では終わらない。

○佐和委員 それ以上申しません。
 その前にAIMモデルと伴教授の分析の比較がございますが、AIMモデルのほうは300UX$の税金をかけたという場合で、約3万円の税金をかけている。炭素税だけで排出量を削減しようとする場合ですね。そのときに生産が1.4%減と出ているわけですが、下の場合には想定が違うわけですね。つまり石炭消費20%、石油・ガス消費20%、これは明らかに下のほうが税金が軽いわけですね。その場合に影響が0点何パーセントということで、1.4%より少なくなっている。当たり前のことなんですね、そういう意味では。当たり前のことであると同時に、これはネガティブな影響を受ける産業のみが列挙されていて、実はポジティブな影響を受ける産業があるということに全く触れていない。これは別に環境省の責任というよりは、モデルをつくった人たちがそういうところについてちゃんとリクワしていないのは問題ではないか。
 次に、ここの10ページのところ、一番最後のところ、最後の○ですが、経済への影響は少なくなるかもしれないが、同時に温暖化対策の価格インセンティブ効果も失われると書いてありますが、これは国内では海外から入ってくる、例えば韓国から輸入される鉄鋼に対する課税は行われるわけですから、国内での価格インセンティブ効果というのは決して失われることはない。むしろ、海外での消費の価格インセンティブ効果が失われるということで、この表現はぜひ改めていただきたい。以上です。

○森嶌委員長 では桝本委員。

○桝本委員 全体の進め方で、特に大きい異論ではございませんが、詳細な議論は確かにメモで出させていただきます。ただ、今日の新聞にすでに環境税について実施する方向だというような記事もあるように、ある意味で環境税をやろうという情報が出ております。そういう意味では、私はこれだけ大勢の議論を楽しみにして見えている傍聴の方々を考えると、また違う意見の発言の場もぜひこの場でいただければと存じます。
 それから、具体的なお願いとしては、今佐和先生がおっしゃられた、私のように佐和先生から昔統計学を教わったものとしては、先生にものを言うようであれですが、やはり前提があります。モデルはあくまでも参考値にしか過ぎません。ぜひ主要な、重要な前提については試算の結果をお出しになるのであれば、当然のこととしてここに明示なさるべきであると存じます。
 それから、1つだけ申し上げたいのは、この税は仮に9,500億でありましても、過去の税で税金がなくなったというケースは非常に少ない。私は初めチョロチョロ、中パッパではありませんが、今後、2010年以降も考えるといったん税が始まれば増税の道しかないと存じます。それから、先ほど天野先生がおっしゃられたとおり、ほかとのお金の効率性の違い、そういうほかの対策に比べて環境税の対応は高コストであると私どもは思っております。そういうこともぜひご検討を賜りたい。
 それから、これは中身に入って、これ1点だけお許しいただきますが、アンケート調査の結果、7ページでございますが、これは確かにご主張のようになっております。しかし、いかに企業がコストコンシャスであるということを、この2と3を足していただくと20%程度になります。つまりコストについては人件費であれ、あるいはエネルギーコストであれ、コストについての要素が大きいということでありまして、このコストがちょっと出っ張るだけで、それがいわばきっかけとなって進出の決断をせざるを得ないということもあるということから、決してエネルギーコストが企業の活動にとってちょっとぐらい上がることは影響がないだろうというご主張には私は全く当たらないと存じます。

○松田委員 私は前回の議論からの続きで申しますと、私の発言に関して、この前、桝本さんが1兆円の使い方はどうなのか、中身をちゃんとしてほしいとか、100億円についての使い道はどうなのかということに対して、事務局がまだ答えていない気がするんですね。それをやはり公開をしていくということがなければ産業界のほうとしてもひょっとしたらデータの見方に知らないところが、私たちが気づかないところがあるかもしれません。同じテーブルの中で産業界にも情報を出せとおっしゃっているのであれば、環境省のほうも国民に対して1兆円の使われ方が本当に効果的に使われるお金であったのかどうか。そうしないと桝本さんが1兆円のお金を使っているのに、また1兆円注ぎ込んでも同じことになったらどうするんだという議論に対抗できない気がしますから、ぜひ環境省としても国民にわかるような形の予算の解析をしていただきたいと思います。

○森嶌委員長 これにつきましては指示をしてございます。ただ、実を申しますとその1兆円というのは環境省の所管ではなくて、環境省は調整官庁ですので取りまとめているというのがありますから、これは出すことになっております。

○田村局長 一言。まず、天野委員のご意見についてはおっしゃるとおりであると思います。他の施策と国際競争力に与える影響はぜひ勉強していきたいと思います。後日、どこかの機会で提示したいと思います。
 佐和委員のご指摘もポジティブな影響を受ける産業へのリファーとか、あるいは10ページの価格インセンティブの指摘とかよくわかりますので、そこら辺も含めて検討したいと思います。
 桝本委員のモデルの重要な前提を明示すべきだ、おっしゃるとおりだと思います。きちっと書きたいと思います。企業はコストコンシャスであるということもよく承知しております。何らかの形で影響緩和措置は私は必要だと思っていますから、そういう意味で産業への具体的な配慮の方法も欧州諸国を一つの例示として書かせていただいております。これから議論をしていきたいと思います。こういうふうな緩和措置が必要ではないかというようなご意見があれば、ぜひお聞かせ願いたいと思います。
 松田委員の今のご指摘ももっともでございますので、100億円のほうの話は今日実は資料として用意しております。後ほどご説明いたします。1兆円のほうも今委員長がおっしゃられたように、各省の予算、私ども2,600億ぐらいの予算、しかも半分は廃棄物予算でございます。いろいろな予算も全体としての環境保全経費というのがございますから、そこら辺でご指摘にこたえたような形、これもどこかの機会で提示したいと思います。よろしくお願いします。

○森嶌委員長 わかりました。この間、そういう指示をしまして、相談を受けたら、各省予算でバラバラになっているものですから、あまり誤解を受けないような形でまとめて、議題にすべきあれではありませんが、資料としては何らかの機会に、先に行かないうちに資料として出してもらいます。
 それでは、先に進めさせていただきます。

○鎌形課長 引き続き資料の説明をさせていただきます。資料2−2でございます。政策手法の比較ということで、前回、説明させていただきましたが、非常に多くのご意見をいただきまして、そのご意見に従って再整理をしたものでございます。基本的にこの紙の下線を引いてあるものが前回と変わったところでございます。
 まず、情報提供、教育、普及啓発に関する事項、あるいは京都メカニズムに関する事項が抜けているではないか、こういったようなご指摘がございました。それぞれ欄を設けてございます。
 それから、それぞれの手法につきまして、具体的なイメージがわかないというようなご指摘もあったかと思いますので、上から2番目の欄にそれぞれの手法につきまして、例えば自主的取り組みであれば取り組み状況の評価とか、規制であれば省エネ法に基づく規制とか、そういった具体的な例示を入れてイメージをわかせました。
 それから、もう1つは生活者の視点に欠けるとか、あるいは主体ごとによってさまざま評価が異なるのではないかというようなご指摘がございました。そういうところで少しそういった社会別の問題を書き込んでみたということでございます。
 例えば、おめくりいただきまして、その裏側にありますが、効果・確実性という欄が裏の上のほうにございますが、全般的な評価あるいは企業や運輸部門、それから個人、そういったものの評価でそれぞれ分けきれるものは分けて影響を見てみたといのうが次の変更でございます。
 このほか、こういった欄を分ける以外にも特に家庭について着目するとか、そういったような記述にも心がけました。例示を挙げますと、1ページ目の排出量取引の公平性の3つ目の●ですが、家庭というところに着目したものも考えてみる。これら幾つか配慮いたしました。
 もう1点でございますが、経済影響についての分析がないのではないかというようなご指摘もございました。これは3ページ目でございますが、経済への影響についの欄を設けて新たに書き残してございます。
 ざっとこのあたりで申しますと、規制のところを除きまして、経済への影響、あとは税についてエネルギー負担割合の大きなものに対する影響、そういったものを除きまして影響は比較的少ないというような記述にはなってございます。
 もう1点でございますが、税の部分ですが、税も仕組みによっていろいろ違う。だから、影響も異なるので、こういった評価も異なってくるのでのではないかというようなご指摘もございました。
 そういう意味で、例えばでございますが、あちこち言って恐縮ですが、1ページ目の公平性の欄でございますが、税・課徴金の公平性の欄で3つ目の●でございますが、特に上流課税で税の転嫁がなされない場合うんぬんという形で、そういった税の仕組み方の違いによりましてどう異なってくるかを幾つか書き加えたということでございます。
 それから、補助金に関してもご指摘がございました。従来形の補助金だけではなくて、削減努力、つまりどれだけCO2を削減したかという努力に応じた補助金についても検討すべきではないか。こういうようなイギリスの事例なども挙げてご指摘がございました。そういう意味では補助金の欄で、例えば1ページの公平性の欄でいいますと、2つの○、削減量に着目した支援措置を講ずることとした場合というようなことで、これもこういった項目を加えました、ということでございます。
 それから、あと各施策がそれぞれバラバラに評価されているということでございますが、基本的な発想としてやはりポリシーミックスでいくということが発想だということが前提でございますので、具体的なそういった組み合わせの分析は間に合いませんでしたが、考え方として一番最後に1行、政策手法の組み合わせと必要という観点を書き加えさせていただきました。以上のような変更を加えてございます。
 それから、普及啓発も引き続き。

○森嶌委員長 どうぞ。

○清水課長 普及啓発についてご説明したいと思います。その前提といたしまして、先ほど松田委員からご指摘がありました1兆円を超える大綱予算がどう使われているのか、その中で国民各界、各層の努力の部分が100億あるというのはどういう形に使われているか、というご質問に回答しなければならないと思います。
 1兆円の大綱予算の内容について、今日資料はお持ちできませんでしたが、口頭で申し上げておきますと、大きな項目で申し上げますと、原子力の推進が非常に大きな項目であります。
 それから、新エネルギー対策あるいは環境負荷の少ない交通体系の構築という意味で、整備新幹線などの予算も入っております。それから、当然、森林関係の予算なども入っております。環境省の予算もある程度ございますが、これはメタン対策として位置づけられる廃棄物対策が大変大きな位置づけを占めているということになっております。
 この詳細についてはまた資料でもってご説明する機会をつくりたいと思っております。
 今日ご用意いたしましたのは、実は国民各界各層による地球温暖化防止対策の推進ということで、137億円と予算は計上されております。残念ながらその内訳の数値をペーパーでは準備できてできてので口頭で申し上げますが、その内訳を見ますと、経済産業省が78億円ということで一番大きな額になっております。続きまして、環境省が57億円。そのほか内閣府、文部科学省、国土交通省などの予算が含まれている、そういう形になっております。
 この予算につきましては普及啓発のみならず、国、地方公共団体の率先実行の部分も含まれております。したがいまして、環境省57億円と申し上げましたが、環境省の予算の多くの部分、43億円程度は地方向けなどを含めまして、率先実行の支援という具体的な設備整備に使われております。
 そして、環境省における普及啓発の費用は12億円余りということで、全体100億と申し上げておりますが、環境省の普及啓発は12億円です。ちなみに全体で普及啓発は政府として60億を超える分がありますが、このほとんどは省エネセンターなどを含めて省エネのキャンペーンということになっておりまして、環境省の予算はその中では少ないわけです。
 今申し上げました12億余りの予算について、参考資料という形で今日お配りしてございます。申し上げましたように環境省はこの普及啓発関係、純粋な広報といいますか、それが少なくございまして、むしろ都道府県センターあるいは全国センターなど、あるいは普及啓発推進などを使いましていろいろなキャンペーンを行っております。
 それから、非常に限られた予算でありますので、むしろほとんどお金をかけないで、NGOの方と協力しながら、あるいはタレントとか著名人の方々のご協力を得ながら、無償という形でキャンペーンをやらせていただいている例が大変多うございます。そういう意味からすると私どもは大変効果的にお金を使っているとご理解いただければと思います。
 まず、1ページ目を開けていただきましてライトダウンキャンペーン「CO2削減・百万人の環」ということでございます。これはNGOを中心に全国的なキャンペーンを行ったわけでありますが、環境省としてはお金はほとんどかけておりません。6月19日から21日の夏至の日の3日間で全国で消灯キャンペーンということで行ったわけでありますが、これは推計値でございますが、全国で約640万人の参加で行われたということで、この規模のキャンペーンとして最大級です。
 それから、ライトダウン、消灯に協力していただいた施設は6,000か所以上になったということで、これも昨年から大変大きな広がりを持った、そういうキャンペーンです。
 ページをめくっていただきますと、3ページあたりに電力削減量あるいはCO2削減量、これは1日2時間のキャンペーンで、小さな数字ではありますが、積み重ねていくことが大変重要だと思います。
 7ページ目を開けていただきますと、環境省の「環のくらし応援団」のメンバーにモーニング娘。に入っていただいております。これはモーニング娘。の自発的参加によるものでありまして、全くお金はかかっておりません。現在、例えば省エネセンターなどで仲間由紀江さんを使った大々的なキャンペーンを行っておりますが、電通などにお願いしてやると大変お金がかかるわけでありますが、環境省はお金がないわけでありますので、こういった有志といいますか、志の高いそういうタレントさんに協力していただいて、効果的なお金の使い方をしたいと思っております。
 今回、6月19日から20日の2日間にわたり、モーニング娘。さんたちに文化祭というような行事をやっていただきました。これも環境省がブースを出展するとか、非常に少ない予算の中で効果的にやっております。
 この“熱っちい地球を冷ますんだっ”文化祭、少しタレントのキャンペーン的なニュアンスもありますが、次のページをめくっていただきますと、実は非常にまじめなキャンペーンでありまして、いろいろな企業、環境関係の活動を行っている企業にも参加していただき、子供たちにわかりやすい形でのキャンペーンを行い、7万人規模の参加で、大変効果があったのではないかと思っております。
 11ページにまいりますと、「デイ・アフター・トゥモロー」とのタイアップであります。これもお金がかかっているということではないわけです。
 タイアップの関係では、試写会の場を利用しまして、環境省のパンフレットを配りました。映画自体はSFで、少し誇張した部分も多いわけでありますが、そういうようなものを契機にして正確な事実関係を把握してもらう。それを行動につなげてもらうということで、こういう機会を利用ながら17万部パンフレットを配りながらやっております。
 ちなみにこの映画は300万人以上動員というオープニングにおける記録を樹立したということです。
 13ページ以降は着実なほうの対策であります。全国で都道府県センターを置きながら、あるいは推進員、地域協議会を置きながら対策を進めております。
 13ページ、全国で地図上に26都道府県に今センターを持っています。昨年まで13ぐらいだったのが最近、急速に拡大しているという状況があります。14ページ以降に詳細があります。
 16ページを見ていただきますと推進員です。推進員も半年前ぐらいは3,000人と言っておりましたが、今、3,400人ということで、これも着実に増え、地域における対策の裾野の広がりの非常に基礎的な体制が整備されつつあるということです。
 それから、18ページを見ていただきますと地域協議会の設立状況ということで、これもまだまだ少なくございますが、54ということで着実にこういう草の根からの対応も増えつつあるという状況です。
 それから23ページに移りますが、普及啓発ということで、これは都道府県が扱ったキャンペーンです。これはかなり創意工夫を凝らした形でキャンペーンをやっていただいております。
 1ページをおめくりいただきますと、これは朝日新聞の「CM天気図」というCMの評論的なコラムでありますが、ここに黒い風船のキャンペーン、これは上の段の左側にありますが、鳥取、島根などと瀬戸内海沿岸の自治体の連合したコマーシャルです。非常にリアルな訴える広告だったということで好評でした。
 それから、「広告批評」という広告の専門誌が下に掲げられております。温暖化キャンペーンというのがかなり専門家の間でも注目を浴びている。広告批評の左側のほうに自治体による温暖化キャンペーンがありますが、それぞれ地域の特性を持って創意工夫を凝らしながら、キラリと光るキャンペーンがそれぞれの地域でできているのではないかと思っております。
 27ページにまいりますと、12月の地球温暖化防止月間における普及啓発活動ということで、さまざまなキャンペーンを行っております。いちいち申し上げませんが、かなり広がりが出てきているということだと思います。
 それから、29ページにまいりまして、研修事業ということで、先ほど温暖化防止活動推進員が3,400人ということで属託されているということを申し上げましたが、こういう方たちのレベルアップを図り、さらにこういう方が地域の指導を行うというような観点からこういった事業も進んでおります。
 37ページにまいりますと、これは普及啓発事業ということでありますが、さまざまなイベントなりキャンペーンを行った例ということであります。地域に根づいた対策を行うためには地域レベルでの創意工夫を凝らした、それぞれの地域におけるキャンペーンが非常に重要な役割を果たすと理解しております。
 43ページにまいりまして、都道府県センターを活用した広報・普及活動について、センターができておりますので、ここを中核にしながら行っております。
 さらに47ページ、環境省の「環のくらし」のキャンペーンの話です。これもかなりの成果を上げていると思っています。
 それから、最近、さまざまな普及啓発冊子ということで、49ページになりますが、さまざまな普及啓発の冊子などをつくりながらキャンペーンを広げております。
 そのほか、「環のくらし」、51ページになりますが、応援団メンバーによっていろいろな普及啓発、あるいは雑誌で取り上げていただくという形で、環境省の少ない予算の中からむしろお金を使わないで知恵を使って、どうやってキャンペーンをやるかということに創意工夫を凝らしているという状況であります。
 ちなみに別冊で3つほど資料をお配りしております。「どうなる どうする!? 地球温暖化」ということで、これは農家向けのキャンペーンです。それから、大きな冊子で「地球と家計にやさしいくらし方 『環のくらし』応援BOOK」という形で、これは特に主婦層にどういう製品を買ったらいいのかということを具体的な商品名まで挙げて、これがいいですということを掲げております。
 こういうような商品名まで掲げたパンフレットというのは、ほかに類を見ないものであります。これは各メーカーさんのご協力によってこういうことが実現しました。こういったものはほかの例えば省エネセンターもこういうような先端的な取り組みを引き続いてやっていただいたということがあります。
 それから、最後になりますが、オレンジ色のパンフレットです。「地球温暖化について楽しく学ぼう! ストップおんだん館」ということでございます。これは全国センターがありますが、ここを中心に大きな広がりをつくるために、「ストップ おんだん館」という形で1つの展示施設あるいはそういう活動の拠点という形で、実は明日オープンでありますが、本日、内覧会ということで、中環審の委員の先生方にはご案内を差し上げております。こういったことも活用しながら、非常に少ない予算ではありますけれども、効果的に知恵を絞りながらキャンペーンを広げていきたいと思っております。以上です。

○森嶌委員長 事務局、そのほか何か。
 よろしいですか。
 それでは、この点につきまして何かご質問。

○松田委員 これを伺いながら、100億円の中のたった12億円を涙ぐましい努力をしながらなさっていただいていることがしみじみ伝わってまいりましたけれども、ある意味で国民としては寂しい気もしております。
 というのは、これは京都議定書に関する部分のお金の使われ方というのがわずかであるということが目に見えたと思います。私はごみ問題の専門家として、ごみの廃棄物政策に長くかかわっておりますが、環境省になってから廃棄物のごみの減量化もずいぶん進みましたけれども、キャンペーンだけでは進まないんですね。ですから、たった12億円で6%達成しようなんてとても無理だと思います、その8%か何か。ここで今一番必要なのはヨーロッパも国民に対する努力すれば協力できる参加の仕方としての経済的な手法ということがありまして、ごみの場合だとごみの有料制度ですが、環境の温暖化に対しては民生と国民の生活レベル、運輸と民生で増えているわけですから、12億円でそれをやろうというのは無理な話でして、やはりここには何らかの経済的なインセンティブを産業界の方にご理解いただきましてやっていかなければいけない時期に来ているのだろうとお話を聞きながらつくづく思いました。以上です。

○森嶌委員長 では、この順番でまいります。桝本さん、佐和さん、小林さん、そこからずっといって浅野さん。先ほど申し上げましたようになるべく短く。

○桝本委員 全体を整理していただいて、ある範囲とは思いますがよくわかった次第です。幾つかお願いがございますが、まず地方でやっている非常に広範な事業、これは例えば人間の数で申しますと、関東地域に人口の3分の1ぐらい集まっているでしょうか。そういう意味で、都市というところをもうちょっとイメージしていただきながら、決して地方を軽んずるということではなくておやりいただきたいというと、各地方自治体とも協働しながら、その力を借りて企業に呼びかけていただきたい。そういうようなことも今、清水課長のご報告にありましたから、もう始まっているわけですが、ぜひそれぞれの企業の事業所、工場、そうした施設を巻き込んでいただきたい。ぜひお願いを申し上げたいと思います。
 それから、お金の全体の配分は先ほど松田先生おっしゃったように、もうちょっと詳細にお伺いしないと何ともわかりませんが、この関係でお金をお使いになることは国民にむしろ歓迎されるのではないかという意味で、大いに努力して獲得していただきながらやっていただいていいのではないか。
 それから、パンフレットはともするとつくっておしまいということがままあります。ぜひこのパンフレット、パラパラと拝見しただけですが、大変おもしろく書かれているわけで、パンフレットの活用について、一層のご工夫をされていただきたいということと、企業が一番いい例は、最近の新しい大きいビルなどがそうですが、企業が相当省エネについて努力している側面がございます。そうしたものについてもぜひご紹介を賜りたいと思います。

○佐和委員 資料2−2の経済の影響というのが新たに加わった点についてのみお話ししたいと思います。総じて言えば大変結構かと思います。2、3申し上げたいのは、1つは補助金、租税特別措置等というところで、○で2点書かれているわけですが、補助金に使うというのは、これは神ならぬ者にとっては補助金の配分の仕方が非効率といいますか、少なくとも効率的ではなくなるという意味で非常に難しい。それよりは例えば自動車の保有税を燃費効率に比例して軽減する。要するに、燃費効率のいい車の税金を下げる。その税収減を補てんする。
 あるいは、前回も申し上げましたが、太陽電池をつけたときに、そこで発電した電力を普通の市価の例えば2倍で買い上げる。その差額を補てんするために使うとか、そういう言ってみれば市場メカニズムを利用した補助金ではないような対策をもっと広くお考えいただきたい。
 それから、この中で例えば国内排出量取引というところで、省エネ製品の開発の進展により、経済や雇用への好影響が一定程度、期待されるとございますが、これは一概にはそうは言い切れない面もあって、例えば省エネ製品、自動車でもいいし、あるいは家電製品でもいい。そういうものが発売され、売れる。そのとき、それによって売れなくなる家電製品もあるわけです。ですから、その辺でプラスとマイナスの両面があるので、一概に簡単に言い切っていいものかどうかと思います。そのあたり、もう少し工夫していただくといいますか、もう少し緻密にやっていただければと思います。以上です。

○小林委員 今の普及啓発の取り組みについて一覧、大変よくまとめていただいてありがとうございます。ただ、環境省が関与した、また環境省が補助金を出した、委託費を出したもので集約されているだけで、地方自治体とか地方の各団体が活動されたものというのは入っていないんです。これを入れると相当大量になってくるのだろうと思います。
 ただ、一番の問題点は、1点は石油特会ができたがために予算がついたので、いろいろな事業が発展していったということで、現実的には今までほとんどなかったと言ってもいいのではないか。15年から初めて動き出したという感じがいたしています。
 私自身、都道府県の地球温暖化推進センターの代表幹事をさせていただいていますが、でき上がったころはほとんど活動ができていなかったのが事実です。現実に全国センターでさえそうであった。
 3年ぐらい前に一時、閉鎖しようかという議論が出てきた中で石油特会ができた。石油特会ができたために13のセンターが26に増えたというのが本音でございまして、基本的にはお金がなかったらできなかったということだと思います。
 いろいろなところでボランティア活動としてやっていただいていればいいんですが、現実に人の力、人件費をボランティアするのはいいんですが、ものを買うとか活動費までボランティアとはなかなか難しいので、やはりそこのところにはお金が必要である。そこをご協力いただかなければ、やはり動かないということで、そのための財源というのはこれから重要ではないかと思っております。
 現実に普及啓発で今10億程度しかないわけで、こんなお金で本当にできるのだろうか。私は先日、ちょっと思ったんですが、企業の方々がテレビにかけているコマーシャル料は幾らなんだろうかと考えたときに、政府の普及啓発費は本当に微々たるものだなと思うわけです。その辺を考えると、もっともっと普及啓発に費用をかけていいのではないかと思っております。
 兵庫県でも地球温暖化に関するいろいろな普及啓発とかキャンペーンをやっておりまして、ここでは今、桝本委員がおっしゃられましたように企業の皆様方と一緒になってやっております。実際にパンフレットをつくった場合、企業の方々がつくられるパンフレットのほうが大変優秀です。なぜかというと費用がかかっているわけです。
 そういう意味で、そういうパンフレットを私ども使わせていただいているというのが結構ございます。そういう点でのご協力をいただくと同時に、やはりそういう意味での財源確保という意味で、この環境税というのはまた必要ではないかという感じがしているという状況でございます。
 それから1点だけ、申し訳ないんですが、この取り組みの中で、今ページ数を忘れたんですが、環境税で集めた財源の地方自治体のばらまきはうんぬんという文章があったんですが、ここのところを読んだだけで真意がわかりかねる。本当にそういう発言があったのかという点で精査をしていただければと思っております。以上です。

○久保田委員 私も普及啓発について3つほどご意見を申し上げたいと思います。1つは予算獲得です。もっとしっかり予算をとって、大事なことですからやるべきだと思います。
 2つ目に、特に家庭部門のことにつきましては、各主体が本気で総がかりでやることが必要ではないかと思います。いわゆる引き算、割り算ではなくて、足し算、掛け算にしていくためのそれぞれの主体が何をするかということについて、もっとネットワーク的に戦術会議的に一遍知恵を出し合ってみたらどうか。中央でもそうですし、地方でもそうですという感じがいたします。政府、自治体、企業、労働組合ということでは、前々から言っておりますが、桝本委員等々とタイアップをしながら従業員、あるいはその家族を含めてどういうふうに啓発活動をしていくのか。これは非常に大きいと思います。
 それから、先ほどテレビのコマーシャルとの比較がありましたが、私は企業のコマーシャルの影響力は非常に大きいと思いますので、コマーシャルの中で環境問題みたいなことをどう訴えるかということについても、これも人のふんどしをもっと利用して、いろいろやったらいいという感じもいたしますし、それから教育の、小学校、中学校、子供に教えられるといいますか、子供に巻き込まれてやろうというような、そういう攻め方もあると思いますし、これはやはり普及啓発をどうやってネットワークを組んで本気で結果を出していくのか。総力の上げ方がもっとあるのではないかみたいなことは相当知恵を出せばいろいろなやり方があるのではないかという感じがいたします。
 最後に、パンフレットですが、それぞれの家庭からすると、こういう商品を使えばこれだけ得になってこうだというラベリングとこういうものと、それから自分にとってどれだけ家計で得になるかということがストーリーで見えるような、消費選択につながるようなやり方はもうちょっと何か工夫がいるのではないかという点が1つ。
 もう一つは、トップランナー方式というのは私は非常に効いたと思っています。企業別にいい意味の環境への競争というのはいいんですが、一遍出してしまいますと商品名が載っておりますが、これはおそらく日替わりでどんどん切磋琢磨があるんだと思います。やはり新しくやったところはちゃんと評価するという具合には、しょっちゅう変えるわけにはいきませんので、インターネットだったら今週のあれだとか、今月のあれだとかいうのはたくさん出ていますよね。今シェアが何パーセントなんていうのは何ぼでも出ているのですが、そういうやり方はかなりあって、努力した企業なり、そこの従業員がちゃんと報われる仕組みをちゃんとつくることが大事ではないかと思います。以上です。

○大塚委員 簡単に2点ほど申し上げたいと思います。第1点は多くの委員がおっしゃっているように普及啓発活動に関しては非常に頑張っておられると思いますが、これだけでは効果が確実ではないのではないかという点でございます。
 これは諸外国の大綱などを見ても、一部出ているところもありますが、ほとんどはそういう普及啓発活動によって数量的にこれだけ削減するということは計画には入れていないということでして、その辺からも確実性の点では問題があるということを示唆しているのではないかという点がございます。
 第2点でございますが、先ほどもお話がありましたように、すでに1兆円の温暖化関係の対策に使われているものがあるわけですが、その多くはほかの政策をするときについでに温暖化にも関連するということで挙げられているだけのものでございまして、特に家庭に対する機器等に関する補助、温暖化にとって防止に適合的な製品に対する補助はあまり行われていないという現状にございます。
 例えば太陽光発電については補助によって効果が上がっておりますが、そういうものをほかの製品についても広げていくということが必要ではないかと考えております。エアコンとか冷蔵庫とかいろいろなものが考えられますが、そういうものについても補助をしていくということが考えられると思います。
 もちろん、そのときには何度も申し上げているように、結果との関係で補助をしていくということが重要になってくると思いますが、いずれにしてもそのための財源が非常に必要になってきておりまして、温暖化対策税はその1つの方法として非常に有力なものだと考えております。

○鮎川委員 普及啓発について一言述べさせていただきます。これだけいろいろなプログラムがあって、さまざまな取り組みがされているということはすばらしいと思うのですが、そういうことも重要ですが、それだけで国民は動かない。つまり普及啓発活動というのは国民にアクションをしてもらうための裾野を広げてベースをつくることであることであって、これだけでは確実な削減量に結びつかないわけです。そこには何らかのインセンティブが必要でありますから、先ほど何回も企業のCMの話も出ましたが、そういう中にも例えばこの製品を使えばCO2削減はどのぐらいできるとか、そういうようなことも言っていただかないと、普及啓発活動にはならないのではないか。
 そして、そういう意味でこの対策税というのはCO2の排出に価格をつけることを意味するので、それによって1人ひとりがCO2の排出をコストとして認識し、経済的な選択の際に倫理感に頼らざるとも判断に組み入れることができるようになるわけです。そういう税は普通の人はとられたくないので、これを防ごうとして動くわけですから、そういう意味では大きな教育的効果もありますし、自らの活動からのCO2排出量を極力減らしていくようなエネルギー使用形態を求めるようになって、非常に大きな効果があるだろうと思います。

○天野委員 普及啓発活動というのは環境教育と同じといいますか、似たような側面があります。私は施策としては非常に重要な施策であると思いますが、多くの方がおっしゃっておられるように効果がどれぐらいになるかがもうひとつはっきりしないという面があります。私はそれだからやる必要性がということを申し上げているのではなくて、鮎川委員がおっしゃったように一般の人たちの行動につながるような施策と組み合わせてやることが非常に重要だろうと思います。
 最近は温暖化の問題というのはわりあい身近なところで人々が感じられるような現象が起こっておりますので、こういうキャンペーンをやる時期としては私は非常に適切な時期だろうと思いますが、それと同時にこれを実行性のある施策で支える。両者を一緒にやることが大変大事だろうと思いますね。
 私は今、研究上、事業者の環境パフォーマンスのデータをどうやって集めようかということで調べておりますが、環境報告書の中で比較的共通性があって比較できて、たくさん手に入るデータというのは、実は温室効果ガスの排出削減量、排出削減目的、これは非常にたくさんのデータが手に入ります。ということは、事業者の方々は環境問題の中でもこの問題については特別な注意を払っているということがよくわかります。
 それと同時に二酸化炭素1トン排出削減するのにどれだけのコストがかかりそうなのかという点についても非常に高い意識を持っておられて、これは私は例えば温暖化対策税が導入されたら税が増える一方だという意味ではなくて、温室効果ガスの排出削減コストは将来どんどん上がっていくだろう。これはほかの環境問題は一切同じことが起こっているわけですから、当然、そういうことが考えられるのは当たり前だ。そういうふうな形で温室効果ガス排出削減に費用がかかる。排出をする人は費用を負担するし、排出を削減した人はそれなりの恩典を受けるということが一般の人たちにこういった普及啓発と併せて認識されるようになるということが非常に重要だろうと思います。
 先ほど来、助成金の話がよく出ていますが、例えば太陽光発電に助成金がつきますが、あれは太陽光発電につければ、二酸化炭素を1トン減らしたときに幾らの助成金がつくかという形では入っていないんです。ですから、1トン減らしたら幾らという形の助成金を、特に家庭の消費財ですね。テレビのブラウン管から液晶等に代えれば何キログラム減るから、これにはこれだけの助成金がついているという形の助成金が私は必要なのではないかと思います。
 先ほど資料2−2をいただいて、補助金に○が2つ入りました。私も経済学者ですから税と助成金の比較をしたときに、助成金のほうが多少効果があるということはよく認識しておりますが、排出削減が非常に大きな規模でできるという点で考えますと、助成金というのは1つの候補として考え得るわけです。もちろん財源があればの話ですけれども、財源があれば例えばトン当たり3万円ぐらいの助成金を出すことは不可能ではない。
 それに比べて税で同じような規模の排出削減ができる税率が導入できるかというと、これは非常に難しいということで、そういう意味では補助金のところで少し見直しをして、排出削減の規模がかなり大規模になって、しかも市場メカニズムを使いながら助成金を出すような、そういう工夫をするということが非常に必要な段階に来ているのではないか。
 普及啓発の話から逸れましたが、私が申し上げたいのは、そういう新しい政策とこういった普及啓発活動と両者を合わせてやっていただくことによって、普及啓発の効果は非常に高まるのではないかということを申し上げたかったわけです。以上です。

○桝本委員 皆様から企業のコマーシャルの使い方を含めて幾つかご意見をいただきました。私も経団連の部会長として部会に持ち帰ってメンバーの企業の皆さんにできるだけ正確にお伝えを申し上げるように努力をいたします。それが1点です。
 第2は、広報のところでどうしても税のところに行くところが大きな別れ道です。私は基本的にこの問題は財源の配分の問題でありまして、非常に極端に申せば厳しい財政の中でお金をどう工夫するかという優先度の問題です。したがって環境省1人にとどまらず、政府としてどれが優先的なイシューであるかをよく詰め、それで財源の配分をすることがまず第一でありまして、同時にお金の無駄な使い方がないかを見ることが第一でありまして、先ほども申しましたように税に入れば、いったん入ったら増税しかなっていないということで、私はこの道に入ることに反対をさせていただきます。
 それから、資料の政策手法の比較で、2ページに例えば国内排出量取引のところに、これは率直な感想か、あるいはそう深くお考えにならないで書いておられるかもわかりませんが、私はこういうところに大変危惧を感じます。例えば、国内排出量取引、ちょうど真ん中あたりに●で家庭に排出枠を設定することは困難と書いてあります。こういう考え方が私に言わせれば大変残念かつ危惧をするところでありまして、家庭に何か1つの枠を与えたい。それができないと私には読めるものですから、この排出量取引は前回も申し上げましたように自主的に今でもやる仕組みがあります。それである意味で十分でありまして、お国が関与するのはある意味で最低限にする必要があると改めて申し上げたいと思います。

○森嶌委員長 この点について申しますと、それは読みすぎでありまして、理論的にそういうことはできないでしょうという話でありますので、桝本さんの立場からはよくわかりますけれども、やろうと思ったってできません。この点についてはこれぐらいにいたしまして、次の議題に移ろうと思いますが、予定の時間をうんと過ぎておりまして、冒頭に申しましたように午後、地球環境部会が予定されておりますので、議題2と3を分けるということをいたしませんで、2と3を一緒にいたしますが、実はその他の論点というのは今まで税その他の施策の比較であるとか、あるいは国際競争力を議論してきたわけでございますが、そこでもいろいろと触れられてはいたとは思うんですが、正面切って議論をされてはいなかったんですが、委員の中でも例えば専門委員会だと上流でかけるというような案になっているけれども、そんなことをやったらみんなばっさりと分けることになるのではないか。下流でというのだってあるのではないかというので、今日だとヨーロッパだと例の産業界によって税率が違う。あるいは、フルサイト的なところで戻す。いろいろなやり方があるのではないかと思います。そういうテクニカルな点ももう少し議論したほうがいいのではないかとか、さまざまなテクニカルな問題が残されていたと思うんですけれども、これはレポートに申しましたように、実は今までの議論の中であちこちで触れられていながら、事務局としても、また我々としてもそこまでまだテクニカルな問題あるいは議論の流れの中できちんと対応して議論をするところまでいっていないという問題がございます。これはその他の点でありまして、どういう点があるのかということについては……。

○鎌形課長 これまでの意見の整理という形で整理しております。

○森嶌委員長 どこにありますか。

○鎌形課長 目次でいいますと課税の仕組みとか負担軽減、税収の使途というのがございます。こういうところに今までの意見を前回に出たものを含めて整理させていただいています。

○森嶌委員長 今僕が言ったようなことの、今まで議論をしていない点。した点としていない点、それをピックアップしたのはありますか。

○鎌形課長 特にピックアップはしてございませんが、この中にすべて入っているということです。

○森嶌委員長 実を申しますと、事務局と話しているときに、私が事務局にこれとこれが落ちていた。今まであまり細かい点はやらなかったねと整理したものですから、私の頭の中にはそういう点があるんですが、確かにこれまでの意見の整理の中には入っておりますが、マトリックスとしてはいろいろな中に入っていますから、これまでのいろいろな政策との対比の中とか、あるいは国際競争力、ある程度議論をしたもの、しないもの、それからちょっとは出たけれども、頭出しはしたけれども、しかし、委員のご意見の中で一部のご意見は出ているけれども、皆さんで議論が、プラス、マイナスのご意見が必ずしも伺えていないものというのがいくつか議論の精査がございます。それをこれまでの意見の整理という中で、事務局としてはこれはここまで議論をきちっとやりました、やっておりませんという形の整理ではありませんが、こういう意見がこういうふうに出ていますという形では整理をしてありますので、私としてはこれを見ながら、この辺まではやったけれど、これはまだまだ十分やっていないねということでやったつもりでしたが、自分の頭でそうなっているものですから、この点とこの点はまだ十分でないというのがあったように思ったんですが、そこまではまだ書き出していなかったね。

○鎌形課長 いずれにいたしましても課税の要件とか軽減方策とか税収の使い道とか、個々の議論の中ではいろいろ出ておりましたが、まとまった議論をしていただきたい、こういう形でございます。

○森嶌委員長 いずれいたしますが、その他の論点が幾つか、特に税に関するテクニカルな問題が頭出しはしておりますが、まだできておりませんし、それから資料等についてもまだ十分に整理ができていない、整理の出ていないものもあります。しかし、大筋の枠としては私のほうでもチェックをいたしまして、議論の土俵については設定をして、先ほどもう申しましたが、それについてきちんとした結論については皆さんいろいろとお考えをお持ちということはわかっておりますが、国民の前にと申しましょうか、各層に対してこういう議論を小委員会としてこういう根拠でそれぞれの方がきちっと議論をしているんですよということをお示しする枠は現時点でできていると私自身は判断しておりますが、皆さん、そうでないと判断されるかもしれませんが、その意味でこれまでの議論をここまでやってきましたという論点整理は、論点整理という意味はこういう結論が出ましたということでは決してありません。皆さんおわかりのように、むしろ結論は出ていないと言っていいと思いますが、むしろこういう議論をきちっと、一部分はかなりやったものもありますし、やっていないものもありますが、こういう論点について我々は現在議論をしているところですということをお示しできるところに今差しかかっているのではないかと思っておりまして、その意味でこれまでの議論を一度整理して、これは委員の皆様にもその整理をこういうふうに整理してみた、いやそうではないだろう、ここはそこまでやっていないのではないか、あるいはこの論点は落ちてはしないか。あるいは、そこまで議論していないはずだというようなご意見を承りたいと考えておりまして、中間的にこれまでの議論を一度整理しておきたいと考えておりますので、現時点で事務局に私の理解を、私の理解と言ってもこれをきちっと読みながら、具体的に言葉等についてはいちいち全部自分で手を下してというわけにはいきませんので、事務局にやってもらっておりますけれども、事務局が現在まとめておりますので、それをこれまでのイメージというと雑でございますけれども、それについて事務局のほうから。

○鎌形課長 ただいま資料をお配りしておりますが、これまで申し上げたように専門委員会報告のレビューから始まりまして、7回にわたるヒアリングでありますとか、あるいは経済域についての分析、燃料課税への転嫁とか諸外国の制度、国際競争力に与える影響等いろいろと議論をしていただきました。また、今日その他の論点についても議論になるかと思いますが、層ものが今日お配りしたこれまでの意見の整理というところに、一通りこれまで出た意見をまとめてございますが、今後、先生もおっしゃいましたように、どういうイメージで省略しているかというところで、例えば今お配りしたような項目に従って整理してはいかがということで、指示に従って削除したものでございます。
 「これまでの議論の整理について(案)」というところでございますが、まず基本的に前提といたしまして、温暖化対策の進捗時期の評価ということを現在、地球環境部会で行われております議論を踏まえて排出量の実績、将来見通しでありますとか、対策の進捗状況、あるいは追加対策について、こういったものをまず整理する必要があるだろう。
 それから、前回と今回と議論をしていただいていますが、温暖化対策のために税とさまざまな施策がございますので、こういったものの比較をきちんと整理しておくことが必要であるだろうということ。
 それから、温暖化対策税についての考え方といたしまして、税の有効性でありますとか、あるいは国際競争力などへの懸念、国民生活への影響、それから具体的な課税要件、負担軽減方策、既存税制との関係、税収の使途、こういったところについての整理を行う必要があるだろうということでございます。
 4番目には今後さらに検討を深めていくということが必要と考えられますので、どのように検討を進めていくか。こういった観点の議論も集約しておく必要があるだろうということで、こういった項目の集約のイメージを持ってはいかがか、こういうことで用意させていただきました。以上でございます。

○森嶌委員長 それで、先ほど桝本さんのご意見もありましたので、なぜ今、これまでの議論の整理についていうのを申し上げるかというと、先ほど午後、地球環境部会というあれを申し上げましたが、地球環境部会は現在、これはかなり議論をしておりまして、中間取りまとめの段階でありまして、環境税のところはこの小委員会が受け持っていますが、環境税も含めていろいろな施策についてのチェックをしておられるところです。
 そこで、こちらだけが何にもしておりませんというわけにはいかないので、少なくともこちらはこういう土俵で議論を進めておりますということは示さなければならない状況であります。
 繰り返して申しますが、2004年にある第一次のチェックを環境省も、それから経済産業省のほうの委員会もそれぞれチェックをする、終わらせるということになっています。2004年度にやることになっておりますので、そこでそういうスケジュールでやっているわけでありますから、我々ここまでやっておりますということを示すという意味で、この段階でこれまでの議論の整理をしておく必要があるということでございますので、このような土俵をつくっている。
 1については主として地球環境部会の中間取りまとめを前提としてやっていくということでありまして、我々のほうとしては今まで議論してきたところに。それから、3は先ほど申しましたようにわりあいにその他の論点が多いと思いますが、2、3。それから今後……、これからある程度減りますが、地球環境部会の中間取りまとめが回った後にも、地球環境部会を議論を進めていかれると思いますが、我々も2004年度の終わりまでにどういうことをやっていくかという見通しを示していく必要がありますので、今後の検討の進め方を書いていくということで、これに従って事務局と相談しながら……、今後こういう土俵づくりでやっていきたいと思いますので、何かこれについてご意見がございましたら。

○浅野委員 もう1回蒸し返しになってしまうんですが、地球環境部会が温暖化問題については役割を担わされて議論をしております。そこでは、どういう対策を進めるか。具体的施策をどのようにすればということが主な議題です。ですから、そのことについては地球環境部会で取扱うことになっていると私は理解しています。そのうえで総合政策部会と地球環境部会の合同部会が設けられて、つまり両方が一緒にやる仕事は何かというと、個々の具体的施策をどうするのか。例えば国民へのPRをどういうふうにすればいいのかとか、そんなことではないはずです。ここで議論されたら地球環境部会との役割分担はどうなるか。その辺を誤解しないでほしいと思います。
 総合政策部会というのは我が国の環境政策の基本をどうするかということを考える部会です。そこと地球環境部会が合同でやっている今の仕事は、どうやって政策を実現し得る手法を考えるか。そのことについて大所高所から地球温暖化に限らず、ほかの分野にも通用するような議論をそこでしっかり固めてほしい。だから、合同部会が設けられたということであるはずです。
 そして、政策手法についてはすでに総合政策部会の前身である部会以来、ずっと議論してきて、ポリシーミックスの議論は当時の小委員会がすでに詳細な報告を書いているんです。そういう報告をみんなが共有し、そのつみ上げの上での議論が必要です。
 ただ、これまでに十分に議論されていないのは経済的手法、とりわけ税という手法については本格的な議論がされていない。だから、合同部会で議論しましょうというわけで合同部会の専門委員会がつくられたわけです。しかし、専門委員会には残念ながら若干限界がありまして、とりあえず新しい税を1つの枠として体系の中へ入れ込むということにあまりにも重点をおきすぎましたから、既存税制をいじるということは十分に論じなかったわけです。現行の税体系に新しい税の手法を入れるということだけを考えて報告を出しました。
 もちろんいろいろな案が出てはいるわけですけれども、その中でいろいろ検討したが、これが多分一番現実的でしょうねという案を出してみたんですが、残念ながら他の政策手法との関係性をあまりそこでは議論していない。あくまでも議論のための素材をパッケージとして出してみたというだけです。ですから、それをもう一度合同部会にこの報告を持って帰って、そこで議論しているのがこの小委員会です。
 ですから、この小委員会は大所高所から議論してほしい。そして、もう一度他の政策手法についてこれまで検討されてきたこと、さらに新しい条件を加えて専門委員会が出したことをさらに深く、かつ自由に考えましょうということになっているわけです。
 先程小委員長が言われましたように、専門委員会で上流課税という考え方を出したのはあくまでも1つの考え方を出しただけで、それでなければだめだとは一言も言っておりませんし、このやり方で税を導入しろということは一言も言っていない。専門委員会報告をよく読んでいただきたい。
 だから、ここで下流課税のほうがいいのではないかといった議論が出るのは当然のことです。しかし専門委員会でもさんざんその議論はやっています。だから、下流課税ということもあるだろうと思います。また、税という手法がどのぐらい意味があるかという議論と、それともう1つ温暖化対策税という独立の税を入れるということとは一応切り離して考えるべきです。税は絶対にだめだとおっしゃるんだったら、今ある既存税の中だって考えようによっては温暖化対策税の機能を持っているものがあるはずですから、そういうものをすべて否定なさるんですか。そんなことないわけでしょう。決まったら、おとなしく石炭課税でもちゃんと払っておられる。そういうものは平気で払っておきながら、そもそも環境税は絶対にだめだったというのは、おかしいような気がします。
 ですから、我々が考えるに際しては、そういうものがあるということもきちっと議論の射程距離の中に入れて、それも合わせて議論をするべきだろうと思います。
 もう一度申しますが、この合同部会で政策手法としてこれはどう有効なのか。どういう点が問題なのか。どの対策、施策を実行するためにこういう手法は有効なのかということをきちっと議論していただければ、具体的施策とのむすびつきを含めて地球環境部会でそれを前提とした議論をし、報告をまとめていくことができるし、さらにそれが政府で大綱をまとめられるときに有効に機能するだろうし、大綱が改定された段階で、次にその大綱を実施していくときの各省の施策策定、実施のうえで有効に働くだろうと思われます。
 すでに大綱に関する地球環境部会の議論のドラフトの中には、例えば新築家屋の断熱構造化について、もうちょっと何か方法はないのかということを言っていますが、そういうところに税という手法が効くかどうかという議論があるかもしれません。それは何も温暖化対策税でないかもしれません。そういうことを全部しっかり議論していただきたいということですが、そのことと合わせてもう1つ温暖化対策税という1つの枠組みについての議論はどこでもやっていませんから、それもここでやらなければいけない。
 ここで気になりますのは、論点の整理というものの大きく税という手法そのものの持っている効用ということと、具体の温暖化対策税という枠組みの意味を少し整理しないと、また議論がそこでごちゃごちゃになってしまうという気がいたします。
 それから、さっき言ったように下流課税ということを考えるときには、ひょっとしたら今までの徴税のシステムをうまく利用したほうがいいではないかという議論がすでに出ました。諸外国の例を見てもそういうものがあります。だったら、既存税のやり方をもう1回考えてみるということがあるかもしれない。
 財源対策だとおっしゃるんですが、財源対策の話は、それはこういう施策をやりたいときに幾らお金がかかりますかという話になって、温暖化対策税の財源対策のための税であるというのはここで議論していることとはちょっと意味が違うと思います。
 1兆円がどう使われているかということももちろん大事な議論ですし、それは我々も内々勉強してみましたら、例えば新幹線をつくるとか何とかというのにドサッとお金がいっていますから、これが温暖化に効くのかという議論を正直にやらせてもらうのなら、いろいろあります。
 ですから、そういうこととここでやろうとしている本来のテーマとはちょっと違うのではないか。それがあまりごちゃごちゃにならないように議論してほしいということです。
 事務局にお願いしたいのは、今まで専門委員会報告が絶対の前提でないということを私はたびたび申し上げたんですが、特にこの小委員会では専門委員会報告をあまり絶対視しないで、もっと大胆に少なくとも審議会が議論するのであって、環境省が議論するわけではないのですから、よその役所がやっていることについて、我々は審議会として大所高所から眺めて、こういうものは意味があるんだという議論ができるはずですから、その辺もうまく入るような形で議論する準備をしていただきたい。特に課税要件というところについてはとりわけてきちっとした議論をやっていませんので、今までの議論のとりまとめというところでは項目ぐらいしか上がらないかもしれませんけれども、すでに専門委員会報告が持っているある種の限界性は最初から議論されていたことですし、専門委員としてもわかっていますので、その辺ははっきりみんなの目の前に出して議論ができるような材料をぜひこの整理の中でやっていただきたいと思います。

○森嶌委員長 ありがとうございます。今おっしゃったこと
については十分わかりましたので、事務局とも十分に相談をして遺漏なきようにしたいと思います。
 それでは、松田委員。時間がありませんので短くご発言いただきたいと思います。

○松田委員 マスコミで取り上げられているということは、国民がこの行方に大変関心を持っているということですが、現在の産業界はかなり頑張っていると思います。廃棄物問題の分野でもかなり頑張っています。なのに、桝本さんが断固として反対とばかりおっしゃるのはやはりみっともないなという感じがします。
 浅野先生のお話を伺いながら私は元気をもらったんですが、下流課税とか、または頑張っている企業には免税という形の、そういうトレードオフのものが天野先生のお話を伺うと見えてきましたので、産業界としてもう一遍産業界が持っている知恵を総動員しながら、京都議定書を国際社会の中で日本がきちっと明確に方向づけをしているという姿が見えるようにするためには、国際社会の中の日本の企業はこういうことを提案したというような、そういう議論をテーブルの上に乗せていただきたいんです。そうすることによって、私たちは日本の国というのが国際社会の中のリーダーシップをとっていることは、これは当たり前のことなので、そういう姿を持って出ていきたいと思います。ぜひお願いします。

○桝本委員 松田先生のご意見、耳に痛いところがございますが、私は浅野先生の地球環境部会長としてのご意見もわかりますが、やはりある議論をするときに、その分野に限る議論をときにその部分だけの最適化を図って、全体の議論が疎かになりがちとうことを非常に懸念いたします。
 したがって、これまでの議論の整理でも例えば経済との両立であるとか、私から言わせればいろいろな活動の中心である企業の活力の維持ということも十分考えた形で整理をお願いしたいと思います。
 それから、税という手法の議論、これも大事ではありますが、税以外の手法のこの2番目のポツ、施策との比較、これは非常に重要でありますので、このときに国内対策という今の枠を少し外れても、地球規模でより経済的、より効果的にやる策も、具体的には京メカをフルに活用する。京メカはある制約条件が大きいですから、その制約条件を考えていただくのも国の役割です。そうしたこともここに入れていただいていいのではないか。
 それから、ほかの税の関係、浅野先生からご指摘がありました。あれはおっしゃるとおりで石炭税というものが新しくできたわけで、我々はそれで十分ではないか。それを活用すればいいのではないかということを言っているつもりでございます。それは個別議論ですが。
 それから、温暖化対策税の負担軽減が3.の4番目にありますが、ここでもぜひ触れていただきたいのは、総額の予定された歳入規模を確保するのかしないのか。ある部分を負担軽減すれば、あるところが出っ張るということが一般的にあるわけで、その辺もどうお考えになるのかということもこのご検討の中で整理していただきたいとお願いいたします。

○森嶌委員長 今まで私がやっていたことをご覧になれば、桝本さんがおっしゃったことは十分この小委員会で配慮しながらやっているということはご理解いただけていると思いますが。
 それでは、どうぞ。

○速水委員 これまでの議論の整理の中で14ページに森林の問題が吸収源として書かれているわけでございます。第一次産業は基本的に生物資源を利用しながら行っている産業でございますので、どちらかというと吸収源のことが多い場合がよくある。今後も税の使途の問題なり、今後の検討の進め方の中で、今までは業界からヒアリングで皆さんにお聞きいただく時間をとっていただいたのですが、やはり京都議定書の中で3.9という数字が与えられております吸収源としての森林の問題をもう一度この税との絡み、使途の絡みと少し時間をとっていただかないと、3%ぐらいまで確保しましたよという話が出ているんですが、現実に京都議定書以降森林の管理の状況、特に私有林の状況を見ておりますとかなり厳しい状態があって、数字的にも2万数千ヘクタールの森林が植えられないまま増えていっているという、戦後の林業の中で植えられない森林が出てくるのは今までほとんどなかったことです。切って植えられない。そういう意味では3.9の確保というのは議定書の中でどの森林が吸収源としてカウントされるかという議論はあるにしても、現実にはかなり厳しい状態が見られる。その辺も含めて吸収源という部分を、森林だけではなくて海洋のほうですと例えば藻場の造成等を研究されている方もいらっしゃいます。主張されている方もいるんですが、そういうことを含めた、ともかく排出で非常に厳しい状態があるならば、吸収でどこまで確保していくかというふうな、どうしても両方を見ていきませんとだめなんだろうと感じておりますので、ぜひその辺をしっかりと議論をしていただければと期待しております。以上です。

○森嶌委員長 ありがとうございます。それでは、西岡委員。

○西岡委員 質問は全体のポリシーパッケージといったものを一体どこでいつ論議するのだろうかということであります。
 今回、ずっとこの委員会でやってきたのは、主として税の話だったということで、ここは施策総合企画小委員会ということで、もう少し広い範囲の全体のパッケージ、今桝本さんからお話がありましたし、あるいは林業の話をどう考えるかという話も含めて、一体いつごろ、どういう論議をしていただけるのだろうかということについてお伺いしたい。
 2005年から新しい方向でいかなければいけないということですけれども、欧州などと比べるとそういう意味での全体の論議があまり進んでいないのではないかということを危惧しているということであります。
 以上です。

○森嶌委員長 ここは合同と言いますけれども、合同をして環境税に焦点を当てて、そして議論をしていくということでございまして、環境税のほうからいろいろな政策を見ていきます。その意味では我々のほうでポリシーパッケージをあれやれ、これやれということは我々のマンデートではありません。しかし、いずれにしても中環審としてはどこでどうやるかは別としてやらなければいけません。この小委員会の役割ではありませんので、西岡先生、ぜひそれはご理解いただきたいと思います。
 それでは。

○永里委員 1点だけ。先ほどから議論の中で若干気になるといいますか、もうちょっと焦点を絞って見直したほうがいいと思う点がございますので意見を言わせてもらいたいんですが。
 経済的手法を議論するのは非常に意義あることだし、その中で環境に関する税金を議論するというのは、議論することは大変意義があると思います。ただ、先ほどお聞きしていて幾つか感じたんですが、何人かのご意見で感じたんですが、例えばここに出ている環境税、前回もそうですが、環境税によって直接的削減効果はないとは言いませんけれども、どちらかというとちょっと迂遠な感じがする。しかし、その財源を活用して先ほども議論がありましたようにいろいろなインセンティブ効果を発揮するということは、皆さん効果がありそうだというご意見がありますね。
 そのときにインセンティブ効果があるから、ただちに環境税がいいんだ。ここの議論を直結させることに非常に違和感を感じます。直接削減効果と財源活用というのは別な問題でございまして、財源活用であればいろいろな方法がある。ここについて、これからこの中に入ってくるのかもしれませんけれども、ここが非常に大きな別れ道だろうと思うんです。その方法には新たに税をとるほうももちろんありましょうし、先ほどありましたように既存エネルギー税制の活用といいますか、歴史的使命からして今までのことに対して、環境に対する施策が今非常にウエイトが高いということであれば、国全体としてそちらのほうにエネルギー税収を一部振り向ける。歴史によって国家目的の優先度が変わるわけですから、そういう方法もあるでしょう。
 ないしは、グリーン税制のように税収中立という方法もあるでしょうし、いろいろな方法があると思います。
 ですから、インセンティブ効果があるということが即、新たにとる環境税がいいんだというふうに直結的に議論をスッと行かないでもらいたいということだけお願い申し上げます。

○森嶌委員長 ありがとうございます。

○佐和委員 18ページの経済影響に関して3つほどコメントしたいと思います。
 まず、上から3つ目の黒丸です。「製造業からうんぬん」というところでございます。これは私の話が引用されているんだと思うんですが、これは実はウィリアム・ペティという統計学者がおりまして、この人が17世紀末に『政治算術』という本の中でこういう産業構造の変化を書いているわけですが、最近、製造業からサービス産業への転換というだけではあまりにもナイーブすぎるので、製造業といいますか、むしろ素材型産業から加工組立型製造業及びソフトウェア産業という言い方をするのが最近です。ソフトウェア産業とは何なのかというと金融、通信、情報、コンサルタント、シンクタンク、ホームサービス、医療サービス、教育などですね。そういうふうに書き換えていただいたら、それのほうがふさわしいと思います。
 それからその次、中ほどよりやや下のところに「石油危機の経験にかんがみれば、経済的負担は経済にプラスに働く」、これもちょっと言い過ぎだと思うんです。つまり石油ショック自体は石油価格が突然値上がりし、その結果、巨額な所得移転が産油国に移ったわけです。その結果、1973年がオイルショックですが、74年の日本の実質経済成長率は戦後初めてのマイナス成長を経験しているわけです。
 ですから、経済にプラスに働くのでなくて、あのときにはその後、オイルマネーの還流ということがあって、つまり自動車や電気製品をどんどん買ってくれたということの結果として経済にプラスに働いた。
 ところが、ここの場合、経済的負担は経済にプラスに働くというのはまた別の意味で、税ととったものを例えば所得税減税をする。税制中立の原則で所得減税をするとか、それで温暖化対策に用立てるとか、そういうことの結果として経済に対してはほぼ中立的であるという意味に書き換えたほうがいい。
 それから、下から2つ目の黒ポツですが、これはよく言われていることで、リーケージという言葉が使われるようですが、日本で鉄をつくるのをやめて中国から輸入するとすれば、中国の製鉄所は大変効率が悪いから、かえって地球全体のCO2の排出量が増えるというわけですが、日本が仮に工場を中国に移転するとすれば、そんなに古い設備の工場を移転するわけがなくて、やはり最新鋭のものをつくるであろう。
 逆に、中国の鉄を日本に輸入するとすれば、そのときには京都メカニズムの中にクリーン開発メカニズムという制度がちゃんと組み込まれていて、そういう非常に効率の悪い製鉄所があれば、それに対して投資をして、そして効率を上げるというCDMのオポチュニティというものがそこで発見されるわけです。そういうことでむしろクレジットを稼ぐことができるということで、このことはずっと昔から言われていることですが、必ずしも正鵠を射ていないと私は思います。以上です。

○天野委員 何人かの委員がおっしゃられたことと重複する部分があるかもしれませんが、私はもうそろそろ温暖化対策税だけを議論するのではなくて、それを含めたパッケージの議論をする段階に来ていると思います。政策パッケージというのはいろいろな種類の政策手段がありまして、それをどこから始めるかということがなかなか難しいので税から始めようという形で議論が始まっている。これは初めに税ありきなんていう悪口を言われる理由かもしれませんが、しかしスターティングポイントをどこかに決めるという意味で政策パッケージの1つのスターティングポイントとして温暖化対策税が入ってきたと私は理解しています。
 しかも、これはどなたかの委員がおっしゃいましたが、税収中立なんです。温暖化対策税そのものの設定というのは税収中立ですから、グリーン税制とそういう点では共通したものがあって、しかもこれは日本がすでに省エネをずいぶんたくさんやって、限界削減費用が非常にほかの国に比べて高いという中でどういう政策手法がとれるのかということから出てきた、非常に日本の状況をにらんだような政策になっているということは言えると思います。
 もう1つは、インセンティブといいますのは、これは直接的なインセンティブ、つまりトン当たり何円という金額で生じるようなインセンティブと、それからこれは米国のクリーンエアアクトなどを見ているとよくわかりますが、環境負荷というか、環境状況というのは長期的に変わっていくわけです。そういう将来の予想に対して影響を与えるというインセンティブ効果もあります。これは間接的なインセンティブ効果です。
 それは温暖化対策税とかあるいは削減助成金という形をとらないと、普通の財源を集めるための政策手法では全くそういうことは起こりませんので、それも含めた税収中立型であって、しかも直接、間接のインセンティブ効果を働かせるような、非常にユニークな政策手段だという理解をぜひご理解いただきたいと思います。
 それから、もう1つは政策パッケージと申しますけれども、ヨーロッパの例を言うまでもありませんが、税を使う、補助金を使う、その補助金の配分メカニズムに従来型ではなくて新しい手法、市場メカニズムを使った補助金の配分メカニズムを使う。それから、シンクをその辺どういうふうに入れるか。それから自主協定もこれとパッケージして税と自主協定を組み合わせる。それから国内排出取引制度も一緒に考える。さらに国内排出制度が入ってきたときに京都メカニズムのような国際的な排出取引制度のリンクをどうするか。ヨーロッパのいろいろな国の政策を見ていますと、全部パッケージになって設計されているわけです。ですから、どこがやるかという縄張り争いはもうやめていただいて、どこかできちっとこういうパッケージの議論に移っていただいて、温暖化対策税というのはその中でどういう位置を占めるのか。
 パッケージというのは何も手法を横に並べるわけではありませんで、ある手法の持っている欠点をほかの手法の長所で補うという形で組み合わさりますので、そういう組み合わせ方をきちっと議論しないと、個々の政策の特定の欠点だけを批判した形でパッケージの批判をするというようなのは私は間違っていると思うんです。そういう議論をぜひ進めていただきたい。

○浅野委員 一言だけ言いますが、縄張り争いをしようなんて気は毛頭ありませんので、誤解のないようにしていただきたい。私は大綱の中に書かれるべき施策はどういうものかということを温暖化の地球部会のほうでやっておりますということを申し上げただけです。
 パッケージについては地球部会でやるのか、どっちでやるのかということについては、それは会長からあちらでやれというご指示があったと理解すればやらせていただきますが、むしろそういうことについて考えるために合同部会があるという理解をしていますから、天野先生のおっしゃる意味での大所高所の議論をぜひこの小委員会で引き続きやるべきだと理解しています。

○森嶌委員長 どうもありがとうございました。ほかに特にご発言がなければ以上で終わりたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
 それでは、以上で議事を終わりたいと思いますが、次回は先ほどご説明をいたしました、そしてまたご議論をいただきました中間整理方針に基づきまして中間整理に関する議論を行ってまいりたいと思います。
 次回は時間が遅くなりますけれども、15時から3時間、18時まで。8月6日、15時から18時までということでお忙しいところを恐縮ですけれども、よろしくお願いをいたします。
 よろしゅうございましょうか。何か特にご発言はございませんでしょうか。
 それでは、本日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。

午後12時16分 閉会