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中央環境審議会 総合政策・地球環境合同部会
第4回施策総合企画小委員会 議事録



平成16年3月26日 午前10時00分 開会

○森嶌委員長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから施策総合企画小委員会第4回会合を開催したいと思います。
 今回は、まず事務局から、諸外国の温暖化対策税と我が国のエネルギー関係諸税とエネルギーコストの水準について説明をしていただきまして、それぞれにつきまして議論をしました後、ヒアリングを行います。
 本日のヒアリングにつきましては、全国森林組合連合会と岐阜県の東白川村森林組合にお越しいただいております。
 本日の会合は12時までの予定でございますので、よろしくご協力のほどお願いをいたします。
 それでは、まず最初に、事務局から資料の確認をお願いいたします。それではよろしく。

○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 最初に表紙がございまして、その次に議事次第と資料一覧を書いた紙がございまして、その次から資料になります。資料1はいつもどおり委員名簿とさせていただいております。そして資料2−1が主要国の温暖化対策税という、2つホチキスで綴じてある、やや厚目の資料になります。その次が資料2−2、主要国の温暖化対策税及びエネルギー関係税の比較という資料になります。その次が資料3−1、横置きのものになりますが、我が国のエネルギー関係諸税というものになります。その次が資料3−2、真ん中に四角で囲って中に文章が入ったものになりますが、我が国のエネルギー諸税の負担の大きさ。その次は資料3−3、縦置きに戻りまして、我が国のエネルギーコストの水準というものになります。その次が資料4−1、温暖化対策税の創設に関する意見表明、全国森林組合連合会様からの資料になります。その後が資料番号を振ってございませんが、ヒアリング対象団体の全国森林組合連合会様からの資料に続きまして、森林組合改革プランの策定と改革の実践に向けて、21世紀の森林はだれが守り育てていくのか、そして最後に「緑の雇用」森林の仕事、本格就業への道。そして資料としては最後に資料4−2ということで、東白川村森林組合様の資料になります。それで、ちょっと順序が逆になってしまって大変申しわけございませんけれども、席上に配られているお茶の方ですけれども、こちらは全国森林組合連合会様からご提供いただいたものになっております。

○森嶌委員長 どうもありがとうございます。
 資料の不足並びにお茶の不足はございましょうか。よろしゅうございますか。それでは、資料の不足等がございませんでしたら進めたいと思います。
 それでは、最初に諸外国の温暖化対策税について事務局から説明をしていただきたいと思います。ではよろしくお願いします。

○佐野環境経済課長 本日は温暖化対策税を取り巻くいろいろな要素、論点の中で、国際比較につきましてご説明をさせていただきたいと存じます。
 資料2−1に、表紙にございます5カ国のほかに、北欧諸国、スウェーデン、フィンランド等でも温暖化対策を目的にした税を導入されておりますが、今回、資料の整いましたこの5カ国の例をご紹介をさせていただきたいと存じます。
 資料2−2が、このデータをグラフ化したものでございますので、各国とも国の表がありまして、1枚めくっていただきますと、その裏側に当たるところがグラフになっております。国ごとに並べて見ていただけると幸いでございます。温暖化対策を目的としました税の導入されました順番に、ノルウェーから順に概要をご紹介をさせていただきたいと存じます。
 1ページ目でございますが、ノルウェーでございます。ノルウェーは京都議定書上の削減目標はプラス1%という国でございますが、直近時点で 6.3%増加をしてしまっている国のようでございます。ノルウェーにおきます炭素税というのは1991年に導入をされまして、炭素税、CO2タックスと呼ばれておりますが、要はエネルギー製品の量に対して課税をされる。導入されて以来、99年までは、既存の化石燃料に対する税と統合されておりましたが、99年後の改正で切り離されたというものでございます。
 それで、主な課税対象と税率でございますが、グラフをごらんになった方がわかりやすいかと思います。おおむねそれぞれのエネルギーに対します既存の税制に対しまして、上乗せをされる。税率はおおむね炭素1トン当たり1万円相当程度であります。ガソリンが少し高くなっていまして、天然ガスも高くなっているんですが、ちょっと後でご説明をしますように、実質的には余りかかっておらない状態のようでございます。
 4ページに参りまして、ノルウェーの場合の納税義務者でございますが、基本的には化石燃料の販売者、石油販売企業というふうになっておりまして、これまでの議論で言えば上流に当たるのではないかと考えております。
 それから、減免措置がいろいろ設けられておりまして、漁業用の船舶、漁船の燃料が免税でありますとか、セメントあるいは工業プロセス用の石炭、コークスは免税であるとか、パルプ製造業の燃料は軽減であるとか、それから魚肉加工業で使用する燃料は軽減であるとか、こういう漁業を中心とした国を支えるような産業については、減免がされておるようでございます。
 それから、民生関係の部門につきましては、例えば鉄道で使用する燃料は免税といったような、環境によりよいものについての減免でありますとか、それから、なぜか一番下に、本土で使用する天然ガスは免税と書いてありまして、本土じゃなかったらどこだと、よくわからないんですが、実質的に天然ガスには余りかかっていないような状況でございます。
 使途につきましては、ノルウェーの場合は完全に一般財源に入れてしまっていて、温暖化対策とのリンクはないというふうになっております。
 続きまして、7ページからのデンマークでございます。デンマークは、京都議定書上は21%の削減という義務を負ったわけでございますが、直近の状況は、1990年レベルを若干下回る程度というふうな報告がございます。
 こういった国でございますが、10ページに税の概要が書いてございます。ここにございますように、90年代に3段階に分かれて税が導入されたと書いてございまして、まず、92年に産業部門は非課税にして、家庭部門だけに炭素税、炭素含有量のみに比例します炭素税が導入をされております。続きまして、93年に産業部門に対しましても、実は実質税率を半分、同じ税率でかけておいて、半分を還付するという形のようでございますが、そういった税が導入をされ、96年に、さらに天然ガスにも導入されたという状況を経ています。
 グラフをごらんになりますとわかるように、デンマークの場合は、ほとんどの燃料の種類について、炭素量当たりで見ますと、ほぼ一定の税を上乗せをされたという、非常に規則的というか、原理原則に沿ったようなかけ方をいたしております。
 デンマークの場合は、納税義務者は国内でエネルギーが消費される段階で課税をする納税義務者は燃料販売者や流通業者となっておりまして、私どもで今まで呼んでおったところの下流課税であろうかと存じます。
 それで、デンマークの場合は温暖化のための、温暖化対策とのリンクという工夫がいろいろされておりまして、まず表の7をごらんいただきたいと思うのでございますが、いわゆる家庭用の暖房用の燃料、いわゆる重工業、いわゆる軽工業につきまして、それぞれまず税率が変えられている。どうも先ほどの資料によりますと、一たん納めていただいた半分なら半分を還付するという形のようでございますが、税率が違えてあります。これは率直にいいまして、例えばエネルギーコストが1%上がるというときの負担感というのは、エネルギー多消費産業では1%上がるというような問題でございましょうし、一般家庭で1%上がるというのはどれだけ影響力があるのかという、その負担感の違いみたいなものを恐らく踏まえまして、一般家庭、重工業、軽工業で税率を変えるというようなことが行われているようでございます。これは下流課税だから、こういうことができるのだと思うんですが、さらに、政府との協定という制度を導入をいたしまして、重工程、軽工程というところの表が2段書きになっておりますが、企業が政府とのエネルギー消費の改善につきまして協定を結びまして、監査を受ける必要があるようでございますが、これで協定どおりのエネルギーの削減をいたしますと、税率がさらに軽減をされるという制度が設けられておるようでございます。
 さらに、一般にいろいろの減免措置が設けられておりまして、13ページでございますが、公共交通用の燃料は免税でありますとか、それから発電用燃料が免税になっているんですが、そのかわりにできた電気に別途税金がかかる。したがって、そこは逆に2度かかるのを防止するということであろうかと思います。それから、エネルギー転換部門の石炭消費が免税。それから、協定を結んで履行いたしまいすと軽減、あるいは漁船は免税というような制度が設けられておるようでございます。
 それで、デンマークにおける使途でございますが、1995年の時点では、税収は1つは政府と協定を結んだ企業のエネルギー効率の改善に対するプロジェクトへの補助、それから、我が国でいいますと社会保険の雇用者負担に当たるようなものの軽減、それから中小企業への還付金、当然、あと事務コストというふうなものに充てるとされておるようでございまして、当初、そんなものに配分されておったのでございますが、14ページに参りまして、2000年の直近のデータを見ますと、結局のところ84%と、大層が社会保険の雇用者負担の引き下げの財源に回っておるということのようでございます。
 続きまして、17ページからのオランダの概要につきましてご説明をさせていただきたいと存じます。資料2−2の方のグラフが6ページにございます。
 オランダは、京都議定書上は我が国と同じ6%の削減という目標を負っている国でございますが、現況は2000年時点で 8.7%増加と、割合日本に似た状況の国でございます。オランダにおきましては、オランダの環境関係の税の特徴というのは、いわゆる3階建てになっていることでございまして、19ページでございますが、この資料によりますと、1988年までには環境対策分野の税金の資金源として幾つかの小規模の課徴金があったということでございますが、1988年にこれらを統合いたしまして、一般燃料税という、これが政府の環境対策費用に充てるための税という形で導入をされたというふうにございます。その後、これの税収需要の財源需要がだんだん高まってまいりまして、92年に一般燃料税というのは、全く普通税である、一般財源に普通入れれば普通の税金になったというふうになっております。これに乗せる形でエネルギー規制税と呼ばれる形のものが、96年、97年、98年の3段階で導入をされたという経緯がございます。
 これの状況を見ますと、実はオランダには、それ以外に既存のエネルギーに関します税金がございまして、それに一般燃料税と称するものが乗っかり、さらにその一部のものについてエネルギー規制税が乗っかるという、グラフの資料2−2の6ページをごらんいただきますとわかりますが、一部3階建てのような構造になっております。それでまた、ごらんいただきますとわかりますように、既存のエネルギーベースというの、恐らくいろいろな政策上の理由でこういった税率になっているのだと思いますが、それに対しまして、ほぼ炭素量に対して一律の、炭素トン当たりであれば、一律の一般燃料税が乗っかり、さらにそれに加えて、軽油、LPG、灯油、天然ガス、さらにあと電気でございますけれども、端的に言えばそういう家庭部門、民生部門の燃料、エネルギーに対して、さらに、これまた大体同じぐらいの率の税金が乗せられているという、こういう構造になってございます。オランダの場合は、この税制というのは民生部門のエネルギー消費にターゲットを当てた税というふうに言えるのではないかと。
 オランダにおける納税義務者、20ページでございますが、一般燃料税は、鉱物油関係は既存のエネルギー税の納税義務者というのは何だというようなものでございますが、こういったもの、それから石油、ガスは燃料販売者、最終消費者となっておりまして、どうも、もとの資料のとおりなんですが、いまひとつ完全に理解できないんですが、下流課税に当たるようなものであろうと思われます。
 それから、さらに乗せておりますエネルギー規制税の方では、電力及びガスについては、最終消費者にエネルギーを消費する企業、我が国でいう電力会社、ガス会社に当たるものというふうになっておりまして、いずれにせよ下流課税であろうと思われます。
 それで、オランダにおきましても、21ページにございますが、減免措置が設けられておりまして、エネルギー規制税の方で見ますと、天然ガスでも一番上の、この辺がお国柄であろうと思いますが、温室園芸に用いる天然ガスを非課税にする。それから、電気にかかっておりますが、地域熱供給、あるいは発電用の天然ガス、再生可能エネルギーによる発電は非課税、それから、製造業では天然ガスを大量に消費するという事業者は軽減税率というふうになっておりまして、どうも民生を念頭に置いた税だということのようでございます。
 それから、民生部門では、課税対象の下限をと書いてございますが、これは一定レベルの低所得者層にはかけないといった制度のように見えます。
 オランダにおける使途、22ページでございますが、オランダの方は、今申しましたように、環境関係の税が2つに分かれておりますので、一般燃料税と称しますものについては、これは政策目的ではなくて単純に一般財源に繰り入れられるというふうになっております。
 それから、エネルギー規制税、上に乗せました部分につきましては、いろいろな財政的措置を通じて、基本的には各部門の納税額のそれぞれを還元するという考え方で、家庭部門ではどうしたかといいますと、低所得者層の所得税率を引き上げ、それから、所得税の控除額の引き上げ、高齢者に関する控除、それからもう一つエネルギー奨励金という制度がございまして、これは、22ページの下に注が書いてございますが、エネルギー効率の高い製品の購入、あるいは家庭の省エネ対策、具体的には家庭用電気製品であるとか、複層ガラスによる省エネであるとか、太陽光発電、太陽熱温水機等々のものについて補助金を上げる、こういういったものに使っているという例がございます。
 それから、企業に関しましては、同様に社会保険料の雇用者負担の軽減、あるいは法人税率の引き下げといった格好で還元をするという仕組みをとっているようでございます。
 4番目がドイツでございます。資料2−1の方ですと25ページから、グラフの方ですと8ペーパーにございます。ドイツは京都議定書上は21%の削減という義務を負った国でございますが、直近データで15%、90年比で15.4%削減がされているという方向がございます。ドイツの場合、言われておりますのは、要は東西ドイツの統合に伴いまして、例えば旧東ドイツの効率の悪い発生源がどんどん休止をしたというようなことによるものが大きいのではないか、ということが言われておりますが、ドイツの連邦環境庁というところの分析によりますと、15.4%の削減ができたとありますが、その削減量による中のうち、東西ドイツの統一によりますもの、それとそれ以外の実質的な削減努力によりますものの比が、大体6:4、60%と40%ぐらいであるという分析がなされております。
 ドイツにおきます温暖化対策のための税制でございますが、27ページでございます。ドイツの場合は、環境税に当たりますような新たな税目を起こすということではなくて、電気税――電気にかける税を新設をする、それから、鉱油税――石油系の燃料にかかります税を値上げする、その他、租税特別措置の税制等々まとめてエコ税制改革と呼んでいるというそうでございます。
 99年に導入をされまして2000年、2003年と改正をいたしております。この税制改正の中では当初は緑の党、あるいはドイツの環境省も温暖化対策のための目的税とすべしという提案があったようでございますが、最終的には、そのほとんどを年金の形で還元する、実質的には税収中立のものにするという形のものになったという資料がございます。
 ドイツの場合の税のかけ方でございますが、資料2−2のグラフの上の方のグラフにありますように、ドイツも既存のエネルギーに関する税が、エネルギーの燃料の種類によりまして、いろいろな政策目的であろうと思いますが、かかっておる上に乗せたわけでございますが、その乗せぐあいも、炭素トン当たりというような尺度で見ますと、かなりエネルギーの種類によって異なっておって、いろいろな産業政策の観点から違えておるのではないかと思います。
 それから、かつ、実は現在に至るまで石炭に全くかけておりませんで、こういったことも、多分、国内産業の保護みたいなものの要素があるのではないかと想像をいたします。
 ドイツの場合の納税義務者でございますが、28ページでございます。電気税、電気に関する税の場合は、供給者から国内の最終消費者に電気が買い取られる際に成立をするという表現がされておりまして、我が国でいう下流課税に当たるものであろうと考えられます。
 それから、鉱油税、化石燃料にかかります方の税金も、消費をする際に成立するという書き方でございまして、一般的には恐らく下流課税に当たるものであろうと思われますが、課税は鉱物油供給会社から納めていただくということになっておりますので、これがどの程度、上なのか、我が国でいう精製に当たりますようなところなのか、巷のガソリンスタンドなのか、ちょっとそこまではつかめておりません。
 それから、ドイツの場合には温暖化政策との関連におきましては、2000年11月に連邦政府とドイツの産業界、我が国の日本経団連に当たるような経済団体の間に協定が結ばれておりまして、2012年までに産業界は温室効果ガス排出量を、90年比で35%削減をするということを約束をいたしましたかわりに、それが満たされておるか、端的にいえば、これ以上の環境の観点からの増税は行わないという、こういう形の約定を結んでおるということのようでございます。
 ドイツの場合にも、いろいろな減免措置が設けられておりまして、農林業用のディーゼル燃料につきましての減税でありますとか、それから、効率の高いコージェネレーション、こういったものについては効率の高いものは免税、それから、やや高いものは増税分を免税でありますとか、それから、電気に税金がかかっておりますので、再生可能エネルギーによる分は免税でありますとか、それから、産業分野、これも製造業、これの要望が英語でいうマニュファクチャーに当たる用語が書いてございまして、製造業全般なのか、いわゆる中小企業みたいなものであるのか、ちょっと、なお精査をいたしたいと存じますが、そういったもの及び農林漁業者については税率を引き下げる。
 それから、もう一つ、この税制改革の構造というのは、基本的には産業の中でも、いわゆるエネルギー多消費型産業についてはマイナスに働く。それから、労働集約型産業についてはプラスに働くという作用を持っておりますので、当然、そこの企業によっては、でこぼこが生じるわけでありますが、そのマイナス分が、ここにございますように 1.2倍、差し引きをしましての負担増が2割増しを超える場合には、そこで頭打ちにする、こういった制度になっておるようでございます。
 ドイツにおきます使途につきましては、30ページにございますが、税収のうちの9割弱を、これも我が国でいいます社会保険の年金保険料の雇用者負担分の軽減に充てる、という格好によりまして、基本的には企業が出した分の9割はこの格好で戻ってくる。当然、それはトータルで戻ってくるわけでありますが、個別企業ではでこぼこがありますので、余りにマイナスに傾くと頭打ちになるという仕組みを設けているようでございます。
 ちなみにドイツの場合は、税収が、30ページの7に書いてございますが、段階的に激変緩和措置みたいなものがございまして、段階的に税率を上げていくことになっておるようでございますが、最終の仕上がりの形では、 189億ユーロ、現在の換算で約2兆 5,000億円という非常に大きな負担になっておる税でございます。
 最後に、英国につきましてご説明をさせていただきます。資料2−2のグラフの方では10ページでございます。英国は、京都議定書上では20%の削減を義務といたしておる国でございますが、これは比較的良好な成果を上げておりまして、直近データで90年比約14.5%まで削減されたというふうになっておる国でございます。
 英国における税の導入の経緯でございますが、39ページをごらんいただきたいと存じます。英国におきましては、97年ぐらいから検討調査が行われておりまして、最終的に2000年に法案が議会を通過いたしまして、2001年に気候変動税といわれるものが導入をされております。
 これがどういったかかわり方をしている税かということでございますが、資料2−2のグラフの方をごらんいただきたいと存じます。英国にも既存のエネルギーに関する税があったわけでございますが、従前、LPG、石油、天然ガスにかかってない炭化水素油税、ハイドロカーボン・オイルタックスと呼ばれておったそうでございまして、まさに石油系の、石油にかかっておるという税金でLPG、石炭、天然ガスにかかっておらなかったという、かかっておらないところを埋めるというような格好で導入をされております。グラフをごらんいただきますとわかりますように、他の諸国と違って2色縞になっておりませんで、黒か白かどっちかという格好の絵になっておりますのが見てとれるかと存じます。
 これにおきます納税義務者は、課税対象の者を供給するものというふうになっておりまして、恐らく小売段階では最終消費段階、下流における課税ということであろうかと思われます。
 英国の税制におきましては、温暖化対策の政策との組み合わせに非常に特徴がございまして、エネルギー多消費産業につきましては、政府との間で気候変動税協定という一種の約定を締結いたしまして、その約定をいたしました温室効果ガスの排出量、あるいはエネルギー消費の削減に関する目標、どうも絶対値目標と原単位目標の両方のどちらかが選べるようでございますが、これを達成した場合には、先ほどの気候変動税が80%軽減、8割引きというふうになるという仕組みを持っております。さらに、この目標を達成するために、排出量取引市場から排出枠を調達してくることが認められる。それから、超過達成をした排出量については、よその企業に売ることができるという、非常に特徴的な制度を持っております。
 そのほか、減免対象でございますが、資料の41ページの表にございますように、そもそも公共交通機関であるとか、あるいは家庭部門を課税対象外にするという、この税は、実は産業分野だけの税でございます。それから、同様に少量の燃料、電力供給は課税対象外ということで、いわゆる大口のエネルギー消費者への税ということが言えようかと思います。
 ただし、原料用途、いわゆる原料炭等々は免税。それから、発電用燃料、これも発電用燃料は免税にいたしておりまして、別途電気に税金をかけるという形の仕組みをとっております。それから、ただいま申しました気候変動協定を締結して遵守いたしますと80%オフ、それから、園芸農業について50%の軽減税率という、こういった減免の仕組みを持っております。
 英国における使途でございますが、結局のところ、税収のうちの、まず 8.4%についてはエネルギー効率対策、具体的に44ページ以降の資料に書いてございますが、いわゆる省エネルギー対策に関する技術的なアドバイスであろうとか、あるいは省エネ対策を行う中小企業への無利子融資に充てるとか、あるいは技術開発に充てるとかいうもの、それから、省エネルギー投資に対します控除拡大、いわゆる投資減税の補てん、減税分の補てん財源に11.7%が充てられております。残り8割の大半につきましては、雇用者の社会保険料の負担の軽減というものに充てられておるという特徴がございます。
 以上、ヨーロッパ5カ国におきます温暖化対策税の概要を見てまいったわけでございますが、1つは、これらの税の負担の水準といいますか、重さといいますか、を見ますために、資料2−2の11ページに、これをGDPに対する割合で比較をいたしたたものがつけてございます。単純に税収額で比較をいたしますと、資料2−2の11ページでございます。税収額そのものでは、ドイツが際立って大きいわけでございますが、英国を除けば、これらの諸国の中でドイツのGDP、経済規模そのものが大きいということでございますが、GDPに対する割合が折れ線グラフになっている方を右目盛りで見ていただきますと、ドイツとオランダが、それぞれGDPの約 0.9%、1%程度という税負担でございます。それから、デンマーク、ノルウェーは、それほどではありませんが、 0.5%から 0.6%ほどという負担になっております。
 ちなみに、これを我が国の昨年のおまとめをいただきました中央環境審議会の専門委員会報告の提言と比較をいたしますと、炭素1トン当たり 3,400円という税率を仮に計算をいたしますと、大体1兆円弱、 9,500円ほどの税収になりますが、我が国のGDP、おおむね 500兆円といたしますと、 0.2%ということでございますので、これらの諸国におきましては、その数倍に近い負担であるということが言えようかと思います。
 ただし、今見てまいりましたように、これらの諸国におきましては、税収を基本的には減税、あるいは社会保険料の雇用者負担の軽減という格好で、ほかの用途で税収を戻しております。したがって、二酸化炭素の排出量の抑制効果そのものについては、専らといっていいほど、エネルギーの価格が上がるという価格効果だけで目的を達成して、トータルで見たときの税収は中立にするという構造でございますので、それを前提とした負担割合であろうということを考える必要があろうかと存じます。
 英国の場合はちょっと特別でございまして、税収も小そうございますし、GDPに対する割合も 0.1%という税でございますが、英国の場合は、先ほどご説明申し上げました協定制度によりまして、協定を結びまして削減をいたしますと、税率が大幅に引き下げになるという制度がございますので、そこの部分がむしろ陰の税率として効いております。つまり、仮にその部分を、例えば1回税収で上げてしまって補助金で返すという制度であったと仮定すれば、ここに税収として挙がってくるわけでございますから、その部分の、いわば陰の税収に当たるようなものが、このグラフの棒より少しプラス・アルファで存在をしているというふうに考えるべきであろうと思います。
 以上、見てまいりまして、大体共通的に諸外国の温暖化対策に対する税制、どのようなことが言えるかということでございますが、各国とも既存のエネルギー税制というのがございまして、その関係を考慮して、これと環境税とが相まった形で、ねらいとする分野の削減が達成されるように工夫がされているということであろうと思います。
 組み合わせの仕方は、上乗せをしているところ、あるいは既存税と新税とどちらかという形になっているところまで、さまざまでございまして、これはどうするかというのは、その国の排出の構造にもよるということであろうかと思われます。
 それから、エネルギー多消費産業、あるいはそうでない加工組立型産業、それから、一般家庭というようなところでは、同じエネルギーコストの上昇率の持つ重みというか、痛みというかが違うというのは、恐らく事実の問題としてあろうかと思われまして、同じエネルギーについて税率を変えるとか、あるいは主に産業に使われる燃料と、主に民生に使われる燃料の税率を変えるといったような方法によって負担感の調整をする、という措置が多くの国でとられております。
 それから、英国の措置は有名でございますが、それ以外でも協定のようなものと組み合わせて増税しない、あるいは減税するといったことと、排出量の削減をするという約定を結んでいるという国が、デンマーク、ドイツ等にも見られます。
 それから、公共的用途、あるいは我が国でいう、何か地場産業といいますか、伝統産業といいますか、そういう特徴とする産業のようなものについては減免している国がございます。それから、発電用の燃料についても免税にしている国もありますが、そういった国は、逆にできた電気のところで課税をするという仕組みになっております。
 それから、納税の義務者、これは上流、下流、さまざまでございますが、これはやはり市場の構造、あるいは国の大きさ、もともと例えば供給企業が数社しかないというような国もあるようでございますし、そういったものを反映しているものと思われます。
 税収の使途につきましては、ノルウェー、それから、今回、ご説明できませんでしたがスウェーデンとかフィンランドは一般財源に全く充てておりますが、他の4カ国で大部分が社会保険料の雇用負担分の引き下げに充てられておりまして、要は基本的には、価格による効果で削減を目指す制度であると言えようかと思います。しかし、一方で、一部については省エネ対策の補助、あるいは省エネ対策に対する減税、あるいは技術開発といったようなものに充てられている例がございます。
 それから、税の負担感というものは、そういった科学効果を目的とした税であるということを踏まえますと、かなり高くなっておりまして、そのかわり、それを別な形で戻すという格好がとられておるようでございます。
 以上、勉強してみましての整理でございます。

○森嶌委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局からのご説明に対しまして、ご質問、あるいはご意見等がございましたら、どうぞ。

○平尾委員 早速ですが、今のお話、非常にいい勉強をさせていただきました。全体として各国の事情が、それなりに各国の事情に照らして、私の印象では、今回の問題だけできはなくて、エネルギー問題に根差して、各国の事情をあわせて、全体の税制の議論をされておるなというふうな印象を受けました。
 特に英国が新たに石炭に関して出されたというのは、我が国はこの間、石炭でということでバランスをとったような動きだと見受けますし、そういう意味では、各国の事情をよく照らしているなと。それから使途につきましても社会保障にやるのは、これは北欧の昔からの伝統でございますから、税をたくさんとって社会保障に向けるという一つのお国柄ですから、そういった意味では、なるほどなというのを勉強させていただきました。
 そういった意味で、ちょっと皮肉になります。この資料2−1の表題も、温暖化対策税というよりも、むしろエネルギー関連諸税についての実態をご認識されたというふうに私は広く受けとめた方がいいのではないかというふうに思います。それぞれ国の成り立ち、あるいは産業の育成だとか、社会保障のあり方で、その人なり、減免とか、こんなことをやられているので、こういったことをそのまま受けとめるのではなくて、我が国の事情にあわせた、どこに力点を置いたらいいのかという形で議論していくのが大事ではないかと、これが既存税制含めて大きくこれから取り上げていくテーマではないかというふうな印象を受けました。
 とりわけ、我が国は民生分野、これは8割が企業もあるということを聞いておりますから、それは棒引きではなくて、一般庶民だけではなくて、企業も含めて民生分野というのは1つの非効率性というのが強く言われていますから、そういったものに対してどうインセンティブを働かせるかということです。我が国は資源がありませんから、ほかの国以上にエネルギー問題というのは真剣に取り組まなければいけません。これは、エネルギーセキュリティーの問題も含めて議論しなければいかんわけですが、そういう意味での取り組みをする上で、非常に参考になったと思いました。
 1点、ちょっと気になりましたのは、フランスが大国としてどういうふうな実態になっているんだろうかというのが、ちょっと気になったんですが、もしおわかりになっておられましたら、よろしくお願いします。

○佐野環境経済課長 今、手元に資料がございませんで、うろ覚えで恐縮なんでございますが、フランスにつきましても、温暖化対策を目的としましたエネルギー課税の法案が、昨年だったか、一昨年であったか提案をされております。ところが、我が国で言えば最高裁判所の機能になるわけでございますが、違憲立法であるという判断がされてしまって、凍結状態になっておるというふうに伺っております。正確に言いますと、2000年12月に議会を通過したのですが、同年の年内に憲法院というところがあるのだそうでございまして、そこが違憲であるという判断を下した。何をもって違憲かというのも、これもちょっとよくわからないのですが、1つは、どうも減免措置のようなものを、いろいろくっついておりまして、余りにいろいろなものがくっついておって、それは一種、法のもとの平等のようなものに反するというような判断であったやに聞いております。

○森嶌委員長 今の件でよろしゅうございますか。ほかの委員、ございましょうか。

○久保田委員 ちょっと質問が、大多数のヨーロッパの国々の税のかけ方というのは、下流課税がかなり多いなという印象を非常に受けたんですが、それは、この前の専門委員会の提言等々では、徴税コスト等々から、日本では上流課税がいいのではないかという提案も出ていますが、ヨーロッパのこういう傾向については、いわゆる消費税というかインボイスを含めたそういうものが定着しているから、みたいなことがあるのか、それとも、他の要素が何かあるのか、こういう課税のかけ方ということについて、どういうふうに見ておられるのかということについて、ちょっと聞いておきたいというのが1つです。
 それから、英国のものについては、大変興味を持って見ております。税と協定、そして排出権取引の国内市場をつくりながらということの、ポリシーミックスといいますか、そういうことが、かなりそれぞれの事業主体を含めた、それぞれの単位の前向きな努力といいますか、そういうものをかき立てて、結果的には、いい方向に作用しているのかなというふうに感じてはいるんですが、こういうふうに横比較したときに、税の効果と、先ほど政府との協定というところも何カ国かありましたけれども、それ以外の施策とのポリシーミックスといいますか、そういうことをしたためのプラス・アルファ効果といいますか、そういうことについては、一体どういうふうに見たらいいのかということについて、何か所見がありましたら、教えていただきたいんです。

○佐野環境経済課長 以上2点、わかります範囲で……。
 今申しましたように、確かに下流課税という形をとっている国も、かなりあるわけでございますが、それは1つは、その国のエネルギーの産業の状況、あるいは市場の状況、つまり、例えば国によりますと、石油を販売している企業は数社しかないからというようなケースが出てきた例がありまして、例えば数社の石油企業が、例えば小売のガソリンスタンドのところまでイッキツウカンで販売をしているような国であれば、そこでとるということも簡単でありましょうし、そういったことの構造、あるいはそもそも国の大きさが違いますので、例えばオランダとかデンマークですと、大体日本の九州ぐらいの規模ですので、それだと、下流で1個1個とっても何とか回るというような、国の大きさそのもののような要因もあるのではないかと想像いたします。
 それから、次に英国の場合の効果でございますが、これも残念ながら、私どもが自力で分析をするというところまでには至りませんでしたが、資料の42ページでございますが、これで英国の環境省の分析のようでございますが、このポリシーミックス、税及びその協定で減税するという制度によって、2010年時点で、2メガトン、200万トンほどの削減になるであろうという分析の結果があるようでございます。

○森嶌委員長 私は経済学者ではないんですけれども、もともとエコノミックインセンティブなんですから、下流というか、自分のところで削減する人のところでかけないと、上の方でかけられていると、わからないんですよね。だから、私は専門委員会のご努力には大変感謝いたしますけれども、法律家である私から見れば、自分がいって、例えば車を運転する、あるいは自分のところの電気をつけるときに、自分のところでこれを節約すれば安くなる、車を余り運転しなければ、あるいは効率のいい車を運転したらコストが安くなるというところにかけるのは、エコノミックインセンティブじゃないかなと思っていたら、上の方でかかっていて見えないというのではいけないので、上の方でかけるとしたら、見えるようにかけてくれなければ、本来エコノミックインセンティブにならないんじゃないかなと、私は経済学者ではないから、そう思うんですけれども、そういう意味では、この間からいろいろな、上流というのは何だとおっしゃられて、私はコストの問題があるかもしれないけれども、本来そうではないかなと思っています。
 それから、イギリスの話で、私は実際に調査で、今、ここにおられる方も何人か入っていましたけれども、一緒に行って調べたんですけれども、もともとイギリスでは業界ごとに協定を結ぶという、そこに、まずポイントがありまして、協定でその業界でぎりぎりどこまで削減できるのかということを、単に紳士協定ではなく、ぎりぎりぎりっとやりまして、そして、もしもそこまでやれるならば、税はかけまいと。しかし、そこまでやれるのならば、税は、かけません、あるいは税をかけても削減しましょうと。もしも、できないならば、排出権を買ってきてでもカバーしなさいと、そういう最初から3点1組でセットしてありますから、それが結果的に、先ほど佐野課長の言われたような効果を生み出しているということですので、一番最初は、業界の人からも聞き取りをしたんですけれども、とてもじゃない、たまらないような協定を結ばされたと、これは本当のことを言うと、任意の協定ではなくて押しつけられて協定だというふうに言われまして、大変なことなんだなというふうに思いましたけれども、そういう意味では、ベストミックスではなくて、最初から3点一組の共生だというのはイギリスの実態だったろうというふうに思っております。
 それでは、どうぞ。

○天野委員 幾つかございますが、1つは、税をかけるわけですけれども、特にエネルギーをたくさん使っている産業の負担を軽減するために、さまざまな工夫がされているという点が特徴的だと思いますが、単に減税をしてしまって負担を下げるだけであれば、効果が減殺されるわけですから、それを補うようないろいろな工夫をして、提案されているという点が非常に参考になるんじゃないかなというふうに思います。
 それから、もう一つは税収の使い方が温暖化目的のために使うというのと、もう一つは社会保障負担の軽減に使うという、この二通りがあって、どちらかといえばヨーロッパの方は、労働に対して課税をしているものをやめて、エネルギー税とか、温暖化対策の税収をそれに変える。
 先ほどちょっと、平野委員、変なことをおっしゃったんですけれども、社会保障費を捻出するために税をかけたんじゃないんですね。逆なんですね。労働課税をしていた分を、温暖化課税によって減らすということですから、その辺は、ちょっと誤解のないようにしていただきたいです。
 そういう意味で、専門委員会で出ているのは社会保障負担を減らすというのではなくて、これは、どちらかといえばポリシーミックスというのを幾つかの手法を組み合わせて、温暖化対策の効果が最大限に上がるようなポリシーミックスをつくるというのが、専門委員会の提言だと思うんですけれども、ヨーロッパの方は、どちらかといえば社会保障負担が非常に上がってきたのを、税制改革というか、環境税改革みたいな視点で、2つの目的をこういうもので達成しようという点が、少し違うかなという気がいたしました。
 いずれにしても、こういう政策を考えるときには、いろいろな複数の目的、複数の手段というのを、いかに上手に組み合わせるかというところが、大変重要な点ではないかなというふうに思った次第です。

○平松委員 2点、ちょっと教えていただきたいんですが、1点は、今、天野委員の方からお話がありまして、日本のいろいろな税制の改革のときに“税収の中立”という言葉の意味合いが、かなり、今、ご説明いただいたよりも狭いような感じがするんですが、日本だと、このような社会保険の負担分を減らすなんていう発想自体、今までしてきていないのかなと。そうなりますと、こういう制度を仮に日本で考える場合に、税収中立とか、その言葉の意味合いがよくよく考えないといけないなと思っているんですが、その辺、いかがかなというのが1点ございます。
 それから、いろいろなエネルギーの税制、ヨーロッパでの税制というのは、すべて国税というふうに考えた方がいいのか、例えばさまざまな税をとって、それを還付だとか社会保険の負担の軽減を図るとなった場合、日本の場合にはエネルギー税は、国、地方団体もありますので、還付とか、逆にほかの負担を減らすとなった場合には、国、地方間のバランスの問題がどうなっちゃうのかなというのがあって、その辺、ちょっとエネルギー税は、国の内部だけならまだいいんですが、地方が絡んでくると、ちょっと複雑になるのかなと。その辺、もしおわかりになれば教えていただきたいと思います。
 以上でございます。

○森嶌委員長 2つとも難しい問題です。

○佐野環境経済課長 税収中立の概念につきましては、なかなか私どもの及ぶところではございませんで、例えば今回、調べました資料の中では、こういったものを称して税収中立と呼んでいるものがあるといったことであろうかと思います。
 それから、2つ目の地方との関係でございますが、これも今回、私どもの調べました限りでは、いわゆる地方税、地方財政というものとの関連について言及をしているものはございませんでした。つまり、国税、国の財政の範囲で入りくりしているということであろうと思われます。

○鮎川委員 各国の取り組み、非常に参考になりますし、おもしろいお話だったと思うんですけれども、特に私も税収中立にするべきではないかと前から考えているんですが、それぞれの国でも、ここに至るまでには、さまざまな利害関係が対立して、いろいろ調整がされたんだと思うんですけれども、どのような利害関係があって、それを調整したのか、特にイギリスとドイツについて、ちょっとお聞きしたいと思っております。
 というのも、イギリスは、現在、2050年までに60%削減という高い目標を掲げておりますし、ドイツもEUが30%取り組めば、という条件つきではあるんですけれども、2020年までに40%削減という高い目標を掲げています。今、温暖化が非常に深刻になっておりまして、地球の気温上昇を産業革命以前から2度未満に抑えることということが、今の私たちにとって緊急課題となっていることを考えると、どのようにしたら、そういう高い目標を掲げるためのいろいろなポリシーミックスで、特に温暖化対策税について、どういうふうにやったのかということを知りたいと思います。
 日本もさまざまなことをやっていかなくてはならなくて、その1つが、今やっている温暖化対策税だと思いますし、これを含めていろいろなポリシーミックスもあわせて、日本も将来の大幅な削減に取り組めればというふうに思っております。よろしくお願いします。

○森嶌委員長 これまた大きなご示唆……

○佐野環境経済課長 はい。これも、例えば公式的な資料からはなかなか出てこないわけでございますが、実は、英独それぞれ留学経験者がおりますので、もし彼らが知っていることがあれば、ちょっと説明してもらいたいと思います。

○森嶌委員長 印象論で結構ですが。

○事務局 ドイツに関しては、利害関係という意味ではわからないんですけれども、政府は政府で提案を、まず環境省として提案をまとめて、それ以外にも環境寄りの経済研究所だとか、あと政党の方で独自案をそれぞれつくって、その後、それぞれの案を比較検討するような形でどんどんまとめていったというのを文献で読んだことがございまして、ですので、先ほど、資料の方にも記述いたしましたけれども、最初は環境省とか緑の党が環境へ使う税金として提案をして、後の方でいろいろな別のところから、割と労働者寄りの政党である現在の与党の社会民主党の方から社会的な年金であるとか、そういったものに使うだとか、そういったような提案などが出たようでして、ちょっと産業界の調整という意味では、見聞きしたことはないんですけれども、いろいろな主体がいろいろな提案をして、それで議論が盛り上がっていったように認識しております。

○事務局 イギリスなんですけれども、イギリスで議論が盛り上がったことについては、個人的な印象論で恐縮なんですけれども、労働党政権が1997年に政権をとった。このときに、保守党に比べて労働党政権は非常に環境対策に熱心でございました。たしかマニフェストの中でも環境政策については労働党政権として非常に力を入れてやっていくということは、地球温暖化対策についても、かなり明確に書いておりました。
 そういった関係で、政権交代が1つの契機となって、議論が非常に進んだというのが1つと、あと、労働党政権と非常につながりが強い学者先生で環境税について非常に熱心な先生がいらっしゃった。その先生と労働党政権とのつながりというのもあって、環境税についての議論というのが前向きに進み始めたというのがあったと思います。
 もう一つ、産業界の方でも非常に理解のある方が若干いらっしゃって、実際、環境税の検討を始めたときに、英国産業連盟の前代表であったマーシャル卿という方がいらっしゃったんですけれども、その方を代表に据えて、むしろ産業界のメンバーにも主体的に入っていただいて、むしろ、そこで温暖化対策として今後どうやるべきか、特に環境税というものの活用についてどう考えるべきなのかというものを、最初から、そういったステークホルダー、産業界の方々も含めて、そこに主体的に検討していただいたということが、議論を集約していろいろな方々のコンセンサスを得ていく上で非常に大きな役割を果たしたのではないかと思います。
 さらに環境税の導入ということが、最初に英国で議論されていたわけですが、環境税を導入した場合に、産業界の経済影響というのは非常に大きなものであるという懸念が非常に強うございます。それに対する対案というか妙案として出てきたものは、実は環境協定、実施協定というものでございまして、その実施協定の導入というものが、1つの突破口という形になりまして、その実施協定を導入した場合には、80%の減免措置を講ずるということでございましたので、その結果、急速に産業界の側の理解が進んだ。そういったことが1つはあったのかと思います。
 若干、あと背景事情として申し上げますと、イギリス国民の中において、温暖化に対する影響というものをひしひしと感じているものが実はあったのではないかと思いまして、英国においては異常気象というものが、やはり1990年代から非常に国民の身近なところで感じられるようになってきていた。そういった背景がありまして、国民世論というものもあって、そういった議論が非常に進んだということと、あとは京都議定書が採択されたのは1997年ですけれども、そのときのそういった議論とも、またシンクロしたような形で、一挙に議論が進んだのではないかというのが個人的な印象でございます。

○森嶌委員長 基本的には、税に対する基本的な、根本的な考え方が変わってきて、社会保障なんかのコストが非常に高くなってなってきて、労働力の安定的な供給という観点から考えたら、労働から税をとるよりも、これから安定的に供給しなければならない、長期的に供給しなければならないエネルギーとか、あるいは温暖化、それを省エネをしていくためには、むしろそっちに税金をかけることによって、省エネ、それから温暖化を防止するという、そちらに政策を誘導していくためには、税をそっちに使った方がいいというような、私の感じているところは、そういう21世紀とか、将来に向けて考えていくと、税をそういうふうに使う方がいいと。その意味では、先ほど平松委員の言われた税収中立ではなくて、税をもっと将来の政策目的に使うという、税に対する根本的なアイデアの転換があったというふうに、私はイギリスやドイツの方とお話をしていると、そういう感じがいたします。
 それではどうぞ。

○桝本委員 主にエネルギーの面から、ちょっと一、二ご質問とお願いを申し上げたいと思います。まずドイツの税率で、ちょっと確認をさせていただきたいんですが、資料2−2の8ページ、ドイツは、以前は、そして今も、環境税制改革後も石炭については課税がされていないという意味ですか。そう理解してよろしいですか。

○佐野環境経済課長 はい。

○桝本委員 そういうことで解釈いたしますと、実は1990年と2002年、これはBPの統計ですけれども、石炭の消費量の推移を見ますと、税がかけられているのであれば、本来であれば相当に効果があって消費量が減る。しかし、税がかけられていないのであれば、あるいは消費量が変わっていないかもわからない。こういう相対的な関係を推測しますと、起こっていることは、1990年と2002年の間で、実は石油換算にいたしますと、1億 3,000万トン石油換算量ぐらいのものが、約 8,000万トンぐらいに石炭は減っているんです。ですから、この減ったことを一体何の効果と見るか。
 そういう意味で私が一番ご指摘申し上げたいのは、ここは一見、価格効果が効いたように見えるけれども、実はそうじゃないんじゃないか。例えば、石炭で相対的的に軽い課税であるのに、ドイツでは石炭が減っているんです。これはもう間違いなく、ほかの要素が入っていると考えてもいいのではないかというご指摘が1点です。
 一方、石油がこれだけ大変に大きい課税になっています。では、ドイツで総エネルギー消費は、1990年がオイルイクイバレントで3億 5,000万トンぐらいでした。それが現在は3億 3,000万トン、間違いなく減っています。では、石油は減ったか。実は石油は減っていません。1990年の数字では1億 2,700万トン。そして2002年では1億 2,700万トン。ほぼ同じです。ですから、今後、分析をお願いしたいわけですが、一見価格効果が効いているようにご説明がありますが、ぜひ定量的な分析をお願い申し上げたい。
 それから、英国についても、ちょっと質問とお願いですが、例えば英国で天然ガスを見ますと、従来は天然ガスの相対的な税率は低い。しかし、天然ガスはもともと炭素そのものが少ないですから、少ないけれども、ほかのエネルギーに比較すると課税が多かった。こういうことであるわけで、これも数字を一方的に申し上げるのもいけませんけれども、イギリスの天然ガスは実はこうした一見高課税が見えるけれども、大変にたくさんふえています。1990年のときに約 4,700万トンぐらい使われていた石油換算量ですが、天然ガスは2002年では 8,500万トンに達するということで、天然ガスの新しい棒グラフで見る限り、効果があってもいいものですが、しかしふえている。
 一方、イギリス全体のエネルギー消費は2億 1,000万トンが2億 2,000万トン……。
 失礼しました。ちょっと私が数字を見違えていたようでして、もう一度発言をさせてください。ちょっと数字の見違えが根本的にあるようで、今、私がちょっと気づきまして、今までの発言をちょっと訂正させていただきます。後ほど、また、発言の機会をいただければとお話しいたします。すいません。

○森嶌委員長 桝本委員、1つは、先ほど、平尾委員がおっしゃったことなんですけれども、その根底にドイツもイギリスも、例えば天然ガスの開発とか、石炭産業をどんどんつぶしていくとか、そういうエネルギー政策というのが背後にあって、そのこととあわせてみないと、税金のところだけから見て、そっちが効いたかどうかだけの話ではないということも、後で数字をごらんになるときに、ぜひ、そちらの方からと両方よろしくお願いいたします。

○桝本委員 森嶌先生、ありがとうございます。今、私もそのことを申し上げたかったわけです。今まで、ずうっと数字を申しましたが、改めてみると、正しいことを申し上げていました。いま訂正したことを訂正いたします。
 それで、イギリスについては、天然ガスは1990年では 4,700万トン使っていたものが、2002年では8,500万トンにふえている。一方でエネルギー総消費は2億 1,000万トンが2億 2,000万トンと、ほんのわずかしかふえていないわけですけれども、要は、エネルギーの消費の組み合わせの選択を見ると、私は果たして税だけだろうかと。それは、先生がおっしゃられたとおり税だけではないわけです。ですから、税の効果が、すべて二酸化炭素の削減エネルギー選択に効いているということは、必ずしも正しくないと、私は思います。

○森嶌委員長 それはおっしゃるとおりです。逆もまた真なりということです。

○桝本委員 そうです。

○森嶌委員長 それでは、どうぞ。

○速水委員 大変に参考になったんですが、私自身、この議論のときに上流課税、下流課税といつも議論がありまして、今回は下流課税が比較的多かった。下流課税にさせた方が、先ほど委員長がおっしゃられたように、あくまでもエネルギーを消費する段階で、処理者が意識をするだろうと。多分、下流課税でエネルギーに対して税を払うという意識づけの結果として、用途としては比較的広く戻しているというか、税の中立というのかどうかというのは、先ほど委員長がおっしゃられたような問題があるとは思うんですが、多分、上流課税にした場合に意識が出てこないというふうな形では、民生用のCO2の排出の増加が、どこまで減らせるのかなというふうな疑問をずうっと持っていたわけです。だから、税の用途というもので、かなりはっきりとして、上流にすれば税の用途というものを使って、政策的に減させていくというふうな部分、上流と用途、下流と広さというふうな形の分け方が要るのかなというふうに、私自身は考えておりましたし、いまでもおるんですが、実際にここを少し見てみますと、案外それとは関係なく民生用が減っているんですね。下流でとっていても。英国だけ少しふえているようなんですが、その辺がどうなのかなというふうなことと、もう一つは、下流のコストが国の大きさだとか、経済規模の問題とかというふうな議論が、少し下流徴税のコストの話があったんですけれど、ドイツは下流でやっているわけでございまして、ドイツの規模というのは、かなり大きな規模、国土も大きいですし、その辺で決して下流がコストだけの問題、下流でとるから上流コストが極端にかかるなというふうなことでもないのかな、というふうなのは感じとしてとらえております。ですから、1つは今の最初の質問です。それと感想というか、お考えと、最後のドイツの総コストの問題じゃないんじゃないのというところで、お願いいたします。

○森嶌委員長 あと2人おられます。、もう一つ、事務局から説明があって、その後、意見を陳述していただきます。小林委員と浅野委員。

○浅野委員 今の質問に関して、佐野課長のご説明について、専門委員の1人でもあるので、ちょっとコメントをさせて下さい。
 というのは、専門委員会報告は、これが唯一絶対の案であるという程のものではないということです。この問題を考える手がかりとして検討の素材がなければいけないから考えてお示ししましたというのが正直な気持です。
 それから、もう1つ、そもそも税だけですべて解決すると思っている人ももちろんいらっしゃるとは思いますけれども、私は法律家ですから、そうは思っていません。さまざまな政策の組み合わせの中で税がある役割を果たすのだということを考えているわけです。このことは諸外国を見ても大体同じだということが言えると思います。この専門委員会報告の1つの前提がはっきり書かれてないところに、若干問題があるんですが、ここでは少なくとも国税として新たな税を1つ導入するという想定をしています。これは報告書の端々に出ております。
 先ほどの基本的な認識は、速水委員のご認識と私も同じですが、ドイツのように既存税制を手直しというやり方でやっている国と、それから、そんなものはちょっとややこしいので、ともかくトップダウンで国税で新しく入れたらどうなのかという考え方で議論をする場合とでは、議論の仕方が当然変わってくるわけです。この専門委員会報告は、ある意味ではそういった制約の中で議論をしていますから、せっかくこの施策小委員会まで話を持ち上げたのですから、ここではこの専門委員会報告をそのまま頭からオーソライズをするか、否定するかというつもりで議論をやっているのでは意味がないことで……

○森嶌委員長 いや、全く。

○浅野委員 ですから、小委員会ではこういう観点からこういう議論もあるんじゃないかとか、というようなこともやらなければいけない。ただ、専門委員会委員の立場から多少の弁解をさせていただくとすると、もちろん専門委員会の中では、関連する諸税の体系そのものの大幅な見直しをしなければ話にならんという強い意見もありましたが、しかし、政府税調やいろいろなところが税体系全体を見ておられるわけですし、中央環境審議会が税体系全体を決定するということはできないから、その点を考えて、多少遠慮がちに、こういうものも入れるとすれば、こういうようなやり方が一番入れやすいのではないでしょうか、といった言い方をしている面があることは事実です。
 しかし、諸外国では必ずしもそういう形で議論が始まっていないところがある。例えばドイツの場合は、まさに既存税制の見直しという方法でやっておられる。それから、別の国を見ていますと、民生部門、家庭はとりあえず置いておきましょうという形をとっている国もあるわけです。
 ようやく最近、我が国でもトータルにいうと、家計部門は2割で、企業部門の方が8割、一次的に温室効果ガス排出をコントロールする能力があるということがわかってきましたが、そういうようなことは、実は専門委員会のときは余りよく意識していなくて、民生で4割という前提で議論していたものですから、どうしても今言ったような制約の下でこの議論が行われてきたということは事実なのです。

○森嶌委員長 ありがとうございました。
 今、浅野委員がおっしゃったとおりでございまして、ここは専門委員会の1つの材料であって、それをオーソライズするために、我々は集まっているわけでもありませんし、また、専門委員会の議論をオーソライズしたからといって、それが国会で、じゃあ結構、というふうになるわけでもありませんし、これと違った議論をしたからといって、国会で通るかどうかというのは、またわからないわけですから、我々として、皆さんのご意見を十分戦わせたというか、議論をした上で、我々として、こうあるべきだという意見を最終的に取りまとめたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 小林さんのご意見を抑えるようで申しわけありませんけれども、先へ進みたいと思います。
 では、よろしくお願いします。

○佐野環境経済課長 資料3−1、2、3の関係でございますが、これらはいずれも議論の前提として、我が国のエネルギーの構造のようなものを、バックグラウンドをご理解をいただいて、議論の助けにするために整理をしてみたものでございます。
 3−1が、一体、我が国の既存のエネルギー関係の税制がどうなっているかという資料でございます。1ページ目と2ページ目だけをご説明いたしますが、1ページが我が国の、現在、エネルギーにかかっております税金でございます。そのうち、原油等にかかっております関税を除きました石油石炭税、石油ガス税、揮発油税、軽油引取税、航空機燃料税、電源開発促進税、これらがいわゆるエネルギー関係諸税と言われているものでございます。これらは真ん中の段にございますような、平成15年度予算ベースでの税収があるわけでございますが、使途の方を見てみますと、おおむね、8割程度がいわゆる道路整備に回され、あと、必ずしも幅が比例しておりませんが、石油・石炭対策に20%弱、その他のエネルギー需給構造高度化対策に5%弱、空港整備、電源立地等々に使われているというのが実態でございます。
 これを流通の流れに沿いまして示したものが2ページでございまして、この網掛けの範囲がいわゆるエネルギー関係諸税となっているところでございまして、約5兆 2,000億円の税収がございます。
 それから、よくタックス・オン・タックスという議論がされますが、実は確かに石油石炭税、揮発油税につきましては、いわゆる上流課税でございますので、下流まで、小売まで来たところ、あるいはその途中段階のそれぞれについて5%が乗っかって課されるという格好になっております。一方、軽油引取税、航空機燃料税につきましては、小売段階の税でございますので、これは小売段階で消費税と、これらの税が同時的にかかりますので、これらの税がかかって膨らんだところの5%という形にはなっていないという特徴がございます。
 そのほか、既存関連税制にどういった減免措置があるかということ、それから、一体どういうふうに流れているのかということにつきましては、きょうは説明を省略させていただきます。今後の議論のバックグラウンドにお役立ていただければ幸いでございます。
 次に、資料3−2でございますが、それでは一体、我が国のエネルギーの税負担というものが、国際的に見たときの水準でどうなっているかということの比較でございます。これはIEAデータをもとにしておりますが、例えば我が国において、ガソリンに対して非常に税率の高い税がかかっておるということが言われるわけでございますが、1ページでございますが、実はヨーロッパ諸国におきましても、かなりガソリンにつきましては高い税がかかっておりまして、この見方は、薄い灰色のところがガソリンに着目をした間接税、濃い灰色のところが、我が国の消費税に当たります一般的な付加価値税、それから白いところが本体の値段、一番右端がその小売価格というふうになっておるわけでございますが、これを見ますと、実は税の低い順に並べたものでございますが、日本はこうやって見ますと、税の大きさという観点から言えば、真ん中からやや下ぐらいということでございます。それで見ますと、一番右端のラインがぴょこっと飛び出しておる格好になっておりますから、むしろ本体の値段が高いというふう言えようかと思います。
 それから、先走ってとおっしゃるかもしれませんが、これに仮に炭素1トン当たり 3,400円という税をかけましたときに、この水準がどのくらい変わるかというものもやってみたわけでございますが、その傾向を大きく変えるというほどには至らないのではないかと思っております。
 では、これはガソリンだけかということで見ますと、それ以降、軽油あり、次の3ページが灯油、それからだんだんデータのある国が少なくなってくるんですが、重油、天然ガス、最後、電気まで並べておりますが、今、私が申し上げましたような傾向は、大体大きく変わらない。石油の本体がかかるというのも、パイプラインで引っ張ってくる国、あるいは自分のところで出る国と、タンカーで全部持ってくる国の違いというのもあろうかと思いますが、国際的に見ましても、我が国のエネルギーにかかっている税の水準というのはこの程度であろうというふうな、これも議論のバックグラウンドとなるべきデータでございます。
 次に、資料3−3でございまして、今度は、そういったものが我が国の産業にどのくらいの負担になっておるかということでございますが、まず、最初の1、2ページは、先ほど諸外国の税制におけるグラフが出てまいりました。これの我が国でやってみたらどうなるかという資料でやってみたグラフでございます。真ん中から下へ伸びております白い棒が税抜きの本体の価格、それに対しまして、税金が上の方へ伸びておりまして、これも一番最初に関税があって、それから石油石炭税がかかっておって、そのほか、固有の化石燃料の税金があって、消費税があるという状況でございます。数値で見ますと、こういったものがそれぞれ乗っかっておりまして、これはみんな炭素を1トン当たり。したがいまして、具体的な燃料ですと、燃料1トン当たりか、あるいは燃料 0.8トンぐらい、もちろんでこぼこがございますが、そのくらい当たりの値段が幾らぐらいになっておるかというものでございます。
 これに対しまして、仮に専門委員会報告の炭素1トン当たり 3,400円ということを乗せますと、どういった絵柄になるかということをやってみたものでございまして、要するに、もとの価格に、現行の価格につきましてどのくらいの税が乗っかることになるか、という感覚をつかんでいただくのにご参考いただければと思います。
 実はこういった石油製品の価格の推移を中期的に見ましたものが、3ページ目、4ページ目でございまして、こうやって見ますと、実は多くの石油製品につきましては、ここ20年弱ほどを見ますと、おおむね横ばいから、やや低下傾向にあるということで、実質価格で見ましても、低下傾向にあるということがうかがえようかと思います。
 次に、5ページ目に参りまして、我が国の製造業におきます、製造コストにおきます燃料の費用と、エネルギーコストというのがどのぐらいになっておるかといいますものを、これは石油等消費構造統計と工業統計のデータから推計をしてしてみたものでございます。これは実は工場生産額、簡単にいいますと、工場を出てきたときの、工場で製品ができ上がったときのコストでございまして、実は小売段階に行くまでの、例えば本社部門のコストであるとか、営業経費であるとかというものは、さらにこの外側にかかるという格好になってございます。工場で製品をつくりますときのコストで比較をいたしますと、グラフにございますように、幾つかのいわゆる素材産業におきまして突出をしております。一方、かなり多くの種類の、いわゆる加工組立型産業につきましては、1%前後のところに並んでおりまして、それからまた2%程度のグループが若干あるという格好になっておりまして、実は我が国の製造業を見ました場合、かなり多くの加工組立産業等々については、おおむね1%〜2%、その中で一部の素材産業については、かなり突出した6%とか7%とかという産業があるという状況である、ということが見てとれます。
 これもまた、仮にここへ炭素1トン当たり 3,400円という税を乗っけますと、どのくらいになりますか、というものをやってみたのが、白く突き出ているところでございますが、先ほどの1ページ目の表をもう一度実は振り返っていただきたいんですが、炭素1トン当たり 3,400円という税を見ますと、例えば一番代表的な産業用の燃料であるところのC重油を見ますと、例えば、低硫黄重油であれば4万 8,000、炭素1トン当たりですから、ほぼ1トン当たりよりちょっと割高になっていますが、それに4万 8,000ぐらいのところに 3,400円、高硫黄の重油でありますと2万 7,000円ぐらいのところへ 3,400円ということで、おおむね1割ぐらいということになるわけでございますので、したがいまして、仮に偉く乱暴に、すべての産業が全部重油を炊いているというふうに仮定しますと、用はこれの比率が1割アップするということになるという結果でございます。もちろん、例えば鉄鋼のように割高になります石炭を大量に使っておるような企業については、大きな影響が出るということが見てとれます。
 実は、この長期的傾向を見ましたのが、次の右側の6ページのグラフでございまして、この燃料費の水準というものがどうなっているかといいますと、最近10年ぐらいは、いずれの業種におきましても横ばいになっておるわけでございますが、いわゆる素材産業等におきましては、長期的に見ますと、むしろ過去、もちろんオイルショックのときにポンと上がりまして、1980年代等々には、むしろ現在よりさらに高い時代があったということが見てとれます。このようなところが、我が国のエネルギーの使われ方と税金の、いわば現状のようなものでございまして、こういったものが議論のバックグラウンドになってまいるのではないかと思います。

○森嶌委員長 きょうのところ、これは今後の議論の参考にということで、例えばどういうインパクトが各産業ごとにあるであろうか、あるいはヨーロッパなどで、税の減免などを考えているわけですけれども、そういうことを我が国でも考えるとすれば、各産業ごとにどういうことが考えられるのかという、いわば原子量として、皆さんのところに、きょうご提示をするということで、せっかく組合の方も待っておられますので、きょう、どうしても聞いてかななければということがございましたら、どうぞ。
 平尾委員、どうぞ。

○平尾委員 データの取り扱いについて、お願いだけでございます。エネルギーというものをどういうふうに認識するのか、素材マテリアルというふうに認識するのか、単純な熱源としてのエネルギーと認識するのかというような見方もございます。それから、鉄が右のページで行きますと悪くなっておりますが、これは非常にバウンダリーコンディションのとらえ方によっていろいろ変わるデータもございますし、エネルギーコスト、単価も違ってまいりますし、それから、つくっております製品が高級グレードになりますと、それだけエネルギーをかけるというふうな問題もありますし、そういうバウンダリーコンディションを、もう少し丁寧に解析議論した上でないと、こういうデータが一人歩きしまして、いろいろなところで政策を間違うことになりかねませんので、こういうデータをご提供されるときには、ぜひ、できるだけのバウンダリーを抑えた形でご提示いただければありがたいと思います。

○森嶌委員長 これはここに書いてありますように、工業統計調査のデータというので、何かありますか。できれば、こういうのを使わなければだめだよというのがありましたら、ぜひ教えていただければと思います。

○平尾委員 今でなくていいんですが、こういうデータを出されるというのは、背景にありますものがあるはずなんです。工業データだから絶対正しいという、データの出所はありますからいいんですけれども、そのとらえ方によって違うので……

○浅野委員 ここでは削減努力をしていないということを言っているのではなくて……

○平尾委員 ということでは全くありません。

○浅野委員 これまでのご努力の結果でも、どうしてもロードがこれだけ必要なんだと。それは税を考えるときに、諸外国と同じように、どこまで配慮するかということを考えなければいけないという材料だと、私は理解していまして……

○平尾委員 そのように理解しているんですが、取り扱いの……

○森嶌委員長 これは、今も、悪いと平尾委員がおっしゃったんですけれども、私はこれをわるいとかいいとかいうのではなくて、産業によって、どうしてもこれだけのエネルギーを使わざるを得ない産業と、使わなくても済む産業とあるというふうに、そして、データは工業統計調査のデータということですので、そしてまた、この資料は、この小委員会の検討のためということですので、このデータについて、この点が問題だということであれば、具体的に出していただけると、事務局も大いに助かるというふうに思いますので、ぜひその点はよろしくお願いをいたします。
 ほかに、きょう、どうしてもこの点を指摘しておきたいということがあれば……。もちろん、これは皆さんのお手元に持っていただいて、これからの議論で使いますので、またこの後、お気づきの点がありましたら、ご指摘いただきたいと思いますが。
 よろしいでしょうか。松田委員、どうぞ。

○松田委員 委員になったばかりなので、私にはなかなか専門的なコメントはできないんですけれども、消費者という立場からこの委員会に入っておりますと、21世紀、今後の日本の政策をどういうふうにつくっていくのかというときに、私は廃棄物問題の専門家なものですから、海外の取材にもよく出かけていくんですけれども、大量生産・大量消費・大量廃棄の日本の社会というのは、非常にごみが多い国で、その点では私は発展途上国だと考えております。
 それに対して、何らかの税というものが効果的に動いていって、ごみの減量ができるという具体的な議論が早く始まって、そして、どういうところの産業界でごみを減らすことができたところには環境税を安くしていくとかいう、そういうふうなダイナミックなプログラムが早く広がるように、ベースの議論は深めていただきたいんですけれども、もっと実践的な議論の方も、これから楽しみにしておりますので、よろしくお願いいたします。

○森嶌委員長 ありがとうございました。
 それでは、時間もありますので、ヒアリングに移らせていただきます。よろしいでしょうか。
 それでは、本日は2つの団体に来ていただいております。どうも大変お待たせいたしました。
 今回は森林団体ということで、お二方にご意見をいただきたいということにしております。もともとは、森林関係団体のほかに、経済団体からもご出席をいただきたいということで、事務局が調整しておりました。環境税が仮に実施しようということになった場合に、経済団体の場合には、先ほどからご意見もございますように、業種によって、その影響等も大いに異なってくるわけでございますので、それぞれの団体の実態に基づいたご意見をちょうだいしたいというふうに思っていたわけでございまして、そこで、電気事業連合会、石油連盟、鉄鋼連盟に対しましても、ヒアリングにご出席いただきたいということでございましたけれども、経団連としてのヒアリングが既に行われているので、これらの団体は辞退をしたいということでございましたので、今回はご出席をいただけませんでした。
 なお、経団連に関しましては、ご希望がございましたら、前回の議論で十分意を尽くすことができないということがございましたら、この間も、また時間が十分なかったということもございますので、なお、追加のご意見がございましたら、別の機会を設けるということをお約束いたしましたので、またご希望がございましたら、後に他の機会を設けたいというふうに思っておりまして、これにつきましては、現在、事務局が調整中でございます。
 そこで、本日は、先ほど申しましたように2つの森林関係の団体においでいただいておりますが、全国森林組合連合会会長の飯塚昌男さんと、岐阜県の東白川村森林組合参事の安江章吉さんにおいでいただいております。
 それでは、よろしくお願いをいたします。12時までということでございますので、15分ないし20分ということで、よろしくお願いをいたします。

○飯塚氏 全国森林組合連合会の飯塚でございます。
 国の重要な施策である地球温暖化防止のための税制と施策を検討する委員会にお呼びをいただき、私どもの意見を聞いていただく機会を得ましたことを、まずもって御礼申し上げる次第であります。私は全国の森林所有者167万人が加盟をしている協同組合・森林組合の立場から、ご意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 地球温暖化問題は、人類の生存基盤に関する最も重要な環境問題だと受けとめております。そして、先ほどのお話のように先進国においても、率先して温室効果ガスの排出の抑制、削減並びに吸収源の保護、強化のための施策及び措置を講じていることが、国際社会において確認されております。
 京都議定書において、我が国は温室効果ガスの6%の削減を約束しましたが、政府はこの削減目標達成のために、国、地方公共団体、事業者、国民のすべての主体が、それぞれの役割に応じて、総力を挙げて取り組むことが不可欠であると呼びかけております。そして、温室効果ガスの削減目標6%のうち、 3.9%を我が国の森林管理活動による吸収量として確保することを目標としております。
 私ども、森林組合系統といたしましても、国民の1人として、民有林の森林の管理、それから林業生産を担う林業者として地球温暖化防止の一翼を担っていく所存でございます。
 また、昨年8月に提案されました温暖化対策税につきましては、お手元に用意をさせていただきました資料1のとおり、組織として賛成の意見を表明されせていただきます。またあわせて、その使途につきましても、削減目標の 3.9%を分担する森林吸収源の対策も、きちっと位置づけていただきたくお願いを申し上げているところでございます。
 これから森林と林業の現状と私どもの取り組みについてご説明を申し上げたいと思います。私たち日本人は、はるか縄文の昔から、森とともに暮らしてきました。森は木材生産を通じて、土木、建築、道具、器具などの社会基盤の形成や、肥料、食料などを私たちの暮らしに多くの恵みを与えるとともに、心のよりどころとして、日本文化の熟成にかかわってまいりました。豊かな森林を維持しながら、その恵みを生活に利用する技術とルールが、長い間にわたって伝承されてきた日本の文化は、森と人とが育んだ森と木の文化だと言われております。収穫、すなわち木を切ること、更新すること、新しく植えること、育てること、そして成林になる、そしてまた収穫をする、こういうサイクルを何千年にもわたって繰り返し、現在まで森林を維持してまいりました。
 世界の各地で森林破壊が進んでいる中で、我が国は、世界でもまれな森林国でございます。しかし、我が国の高度経済成長を果たしたこの半世紀の間に、森林とそれを維持してきた林業、山村に危機的な状況が起こってまいりました。私たちは日本全体において荒廃した山に植林を行うとともに、戦後復興のために木材を大量に生産をし、そのあとに植林を続けてまいりました。また高度経済成長期には、パルプ材を大量に供給し、その後に将来の成長量を期待をしてスギ、ヒノキなどを植え、これまで営々と育て続けてまいりました。
 その一方で、木材輸入自由化、プラザ合意による円高誘導、日米林産物MOSSなどにより、外材の輸入が著しく増大し、国内生産量は減少を続け、木材需給率はわずか18%、すなわち外材が82%も無秩序に入ってきております。
 加えて、昨今の国内原木価格の大幅な下落により、林業の採算性が著しく悪化し、個人の力では植林や育林を続けていくことが困難になってきております。また山村の過疎化、高齢化が深刻化する一方で、長期にわたる林業の収益性低下によって、林業就業者の減少と高齢化の進行にも歯どめがかかりません。さらに、都市居住者への森林相続や、企業による投機的な森林取得などの結果、森林の所有する市町村に所有者がいない、いわゆる不在村森林所有者も増加しており、森林の管理水準の低下と荒廃が進行しております。
 そして、国土の7割を占める森林地帯の山村には、人口のわずか4%の人しか住まなくなってしまったというのが現状であります。森林は、ご案内のとおり、木材生産のほか、国土の保全、水資源の涵養、大気の浄化、保健休養の場、野生生物の生育の場など、私たち人間が共存していくための多面的な機能を持っております。健全な森を未来の子供たちに引き継いでいくのは、私たちの世代の責任でございます。市場価格がなくなったからといって、森林を放置すれば、荒廃が始まります。そして、自然界の中で安定した原生林のような状態まで遷移していくのには、気の遠くなるような時間がかかってしまいます。林業者の林業生産活動を有効に活用しながら、森林を管理、保全していくことが、国民の福祉の向上と、海外の森林に過度に依存をしない日本経済を樹立するためにも、極めて重要な政策方向だと考えております。
 地球温暖化問題が人類共通の問題として取り上げられ、我が国でも循環型社会への転換が求められている今こそ、この課題について考え、未来に向かって持続可能な新たな森林管理システムを構築していく必要があると思います。
 私たち林業者も、林業家精神で頑張ってきておりましたが、限界もそろそろ近づいてきたのかなという感に打たれております。林業家精神とは何かと言えば、孫の代に立派な山を残すことと教わってまいりました。立派な山とは、多様な林齢で構成され、高蓄積で、高齢給で成長が衰えない生き生きとした森を指しているのでございます。
 政府の試算では、現在の森林整備、木材利用のままでは、確保できるCO2吸収量は 3.9%を大幅に下回ると言われております。温暖化対策税の使途に、森林吸収源対策をきちっと位置づけていただければ、私ども森林組合も、あるいは組合員も、山の仲間に強く説得をしながら、今以上に育林活動を進めていくことができると思います。手入れの必要な森林は山ほどあります。Uターンの方や、Iターンの新たな担い手の仕事も確保できます。
 私たち森林組合は、政府が呼びかけておる温暖化対策に協力をしてまいる所存でございます。委員の皆さんには、林業と山村の実情をご賢察いただきまして、温暖化対策税のあり方につき、ご高配をいただければ幸いでございます。
 なお、先ほど話題になりましたお茶でありますが、実はお茶ではなくて、入れ物のカートカンが山の間伐材を有効利用させていただき、CO2の固定、あるいはまた環境に優しい入れ物、飲み物だというふうな意味合いで、お手元に届けさせていただきました。
 どうも失礼いたしました。

○森嶌委員長 どうもありがとうございました。

○安江氏 私は東白川村森林組合参事の安江と申します。本日は、このような場で発言の機会を与えていただきましたこと、感謝申し上げます。ありがとうございます。
 私たちの村は、岐阜県の東南部、長野県に近いところなんですけれども、面積 8,700haという小さな村です。人口が 3,000人余り、60歳以上の高齢者が75%を占めるというような、典型的な過疎の村でございます。そのうち、90%が森林でありまして、またそのうち73%が人工林ということで、トウノウヒノキの生産地ということで林業を進めてまいりました。
 それでは、これから末端の森林所有者の実態を述べさせていただきます。住民の多くは、木材にかかわる業種、いわゆる林業、素材生産業、製材業、木工業、建設業等によって生計を立てております。しかし、近年の林業をめぐる状況は依然として厳しく、もはや自分たちの努力だけでは、とても生計が成り立たず、森林の健全な育成や、それを支える林業を営むことは不可能な状況となっております。
 したがって、家を継がなければいけない後継者たちは、村を出て、ますます過疎化が進んでおります。戦後荒廃した森林を緑化しようと植林、下刈り、除伐、間伐などの手入れを繰り返して行ってきました。将来の豊かな森林を夢見て投資をし続けてまいりました。森林組合も協同組合の精神にのっとりまして、組合員のため、森林のために、森林所有者を説得し、努力を惜しまず森林整備を続けてまいりました。
 しかし、今、この森林所有者に幾ら森林整備を説得しても、重い腰を上げようとしてくれません。もうこれ以上、森林に資金をつぎ込むことはできなくなっております。なぜなら、植林後40年、50年もすれば、間伐材でそこそこの収入が上がることを期待していたわけなんですけれども、現状、間伐をしても、いまだ収入が上がらない、まだ投資をしなければならないというのが現状です。中には、植林、保育手入れの資金を長期の借入をしまして森林整備を進めてまいりました。その返済財源が間伐材、シ伐材の収入を充てるという計画でございました。それが現在、返済の時期を迎えているわけなんですけれども、お金にならないということで返済に困っている森林所有者も少なくありません。
 森林組合としましても、これ以上、いろいろな事態を悪化させないためにも、引き続き組合員に財産としての保持ではなく、公益性機能を高めるために森林整備の必要性を訴えていかなければなりませんが、森林組合の体力も低下し続けております。このままでは、とても森林組合にも限度があります。
 将来の日本の森林をよくするのも、悪くするのも、現在の育成途上の森林の管理が大事です。この20年、30年間が一番大事だと思っております。その中で、最も重要な期間は、これからの10年間だと思います。この期間を乗り切るには、国民の皆さんの理解、そして、国県市町村の支援に頼るしかありません。
 私たち森林組合は、国が示す長期ビジョンに添い、森林でCO2削減 3.9%を達成するために、長期的にわたる安定した支援の確約があれば、森林所有者に対して安心して確実なコンサル業務を打ち込むことができ、そして将来は自立して持続可能な健全な森林をつくり上げることができると信じております。
 林業の活性化は、森林環境がよくなるばかりでなく、地域の雇用の場でもあり、住民の生活を守ることでもあります。私たち林業者が、将来の不安もなく思いっきり森林管理に打ち込めるようなご配慮をお願い申し上げたいと思います。
 以上でございます。

○森嶌委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご意見の発表に対するご質問、浅野委員、どうぞ。

○浅野委員 時間がありませんので、やや失礼な表現になるかもしれませんが、端的にお尋ねを申し上げたいと思います。
 状況は九州におりますので、よくわかっていまして、日田の林業家の方々からもお話を伺う機会があり、本当に問題というのはよくわかるんです。それで、いろいろなサポートの仕方というか、公的な負担の仕方があると思うんですが、例えば林業家の所得補償というような、農業で言われるように産物ごとではなくて、全体の所得補償という方式が合理的なのか、それとも実際、労働力の確保なり、そこで施業林というより、むしろ森林管理そのものが問題だと思いますから、そちらで働いてくださる方の、いってみれば労働報酬をしっかり確保するということの方がより効率的なのか、ほかにもまだいろいろあると思うんですが、どんなところが一番ポイントになるというお考えかということをお尋ねしたいわけです。

○飯塚氏 端的にお答えします。
 おっしゃられた両方をしてもらいたいんですけれども、しかし、どちらかを選びなさいというなら、後段の方をお願いしたい。山で働く仲間、なかなか恵まれない環境で頑張っているものですから、後段の方をとらさせていただきたいと思います。

○森嶌委員長 それでは、鮎川委員、速水委員、松本委員、どうぞ。

○鮎川委員 条約交渉をずうっと傍聴してきた関係NGOとして、ちょっとここで一言言わせていただかなくてはならないと思うのは、つまり 3.9%という数字なんですけれども、これは特別に例外として日本に与えられたものであって、本来の温暖化対策としては違うという、本来の京都議定書の交渉で言えば 0.6とか、1%に満たなかったはずなんですけれども、日本が特別にバトルをしてCOP6と、COP 6.5のときに、すごく日本として 3.9%欲しいという形で獲得した特別な例外のものなんですね。ですから、ある意味では、その経緯からすると、この 3.9%だけのために、別の国策があってもいいはずだというふうに思いますし、そのためだけの施策と財源があってもしかるべきかというふうに、 3.9%の懸念に関してはさて置いて考えると、そういうふうに思えてしまうんです。
 というのも、環境NGOとしては、税の制度として温暖化対策税というのは、税収は、さっきも言いましたけれども、一般財源にして、税収中立にする方が社会的に受け入れやすいと思いますし、たとえ、もし温暖化対策のために使うのであれば、排出源対策に使われるのが本来のあり方である。これは吸収源と違って確実性があって、永続性があるという観点からなんですけれども、そういう観点で、もちろん林業の状況というのはわかりますし、すごくこの話をここでするとことが、何かすごく違う場面のような気がするんです。だから、もっと違う場面での国策があっていいように思います。
 それでも、一方で、森林がバイオマスエネルギーとして利用されるというようなことであれば、化石燃料の抑制効果がありますし、木材、木質経済量として使われるのであれば、省エネ効果があるというようなことで、そういった利用法が推進されるようなことがあれば、排出源対策と言えるのではないかと思いますし、木材が住宅や……

○森嶌委員長 時間が余りないのと、それから、ご意見をおっしゃりたいのか、何か質問をなさりたいのか、それを明確にしてください。

○鮎川委員 すみません。それでは、 3.9%のために、森林組合としてはどのようなことを実際にやろうとしていらっしゃるのか、どういうふうなイメージを持っていらっしゃるのかお聞きしたいというふうに思います。

○安江氏 これからの森林組合の進め方としまして、とにかく間伐をしなければいけないということで、間伐を徹底的にやっていくことを考えているわけなんですけれども、現状、基盤整備のできた林道、作業道等の入っているところについては、そこそこ進みつつあるんですけれども、とてもそういった基盤整備のできていないところは、まだまだたくさんありますので、そういったところの整備をしなければ、手遅れになってしまうというような状況でございますので、特にそういったところにご支援をいただければありがたいなと感じております。

○速水委員 私は林業経営者協会という立場と、もう一つは森林所有者の立場も個人的にはあるわけですが、全森連の方に伺いたいんですが、森林の現状を考えますと、 3.9%がどうかという、今、鮎川委員の議論というのは、当然、前段階で必要だろうとは思いますが、現実としては 3.9を確保するためには、森林管理を行うという実績がないとカウントされないという現状からすれば、 3.9を確保するために森林管理を行う。そのためには、人手が要ることは要るんですね。森林の中で、現状を考えると、もっともっと人を入れなければいけないという状況は、私はよくわかります。
 ところが、経済性から考えると、今の林業の状態からですと、人を減らさなければ採算が成り立たないというのは当然見えているわけでございますし、それが、森林所有者、特に規模の大きな専業林家ですと、徹底的に、今、人減らしをし、いかに森林に手をつけないでやっていくか。もう少し極端に言えば、全国的には切ったまま、植えない森林というのが、この数年間、今まで日本の戦後の歴史の中で、かつてなかったように、植えられない森林が出ていますよね。
 そういう意味では、果たして森林組合だとか、国策として人を入れますよ、というふうな政策だけで森林が管理できるのかというのを非常に疑問に思うんですけれども、人をふやしてほしいという話は、私としては、多分、今、林業界はふやされても困るだろうと思うんですけれども、いかかでしょうか。

○飯塚氏 木材価格が非常に低いということが、山あるいは森林組合に、いわゆるお金がない。したがって、仕事をしない方が支出が少なくなるから、健全性を取り戻すのが今の現状だと、速水委員はおっしゃっております。現状を見ると、うなづける点が非常に多うございます。今、年齢をとって、大体70歳ぐらいの方が、年間 5,000人ぐらいリタイアしております。それから、前年度から始まりました緑の雇用で、 2,400人の新しい精鋭の方が林地に入ってもらうだけでありますが、それだけ単純に計算しても半分しかじゃないか、という議論になるわけであります。
 しかしながら、一番の問題は、整備はしなければいけない、多面的機能の発揮を求める声が非常に多いにもかかわらず、現実には、それをしない、できない、あるいは森林組合に委託してくれない、負担金が出せないからなんですけれども、そういう現況の中で、国民の皆さんから多面的な機能を求める声が多ければ多いほど、ご理解をちょうだいし、平たい言い方なんですけれども、口も出していただきたい、手も出していただきたい、あるいは金も出していただきたい、そういうご理解をこのような場を通じて、何とか、今検討している事項がうまく進展していくならば、山はもっと生き生きしてくるし、また多くの方々が山の中に抱かれて生活もできる。あるいはUターン、Iターンの方にも入っていただけるような、また新たな上昇線に乗せる意味からも、期待をし、お願いをしているところでございます。

○森嶌委員長 この問題は、浅野委員の部会長をしておられる地球環境部会の方で、むしろ木を売ることではなくて、木を植えることによる一種の排出権を生み出すという、そっちの方の価格をどう、これまた大変、どういうふうに勘定するか難しいと思うんですけれども、そっちでやっていただくということで、今のお話は、十分我々としては受けとめさせていただきました。

○浅野委員 検討させていただきます。

○桝本委員 飯塚会長さんと安江参事さんのお話、非常に身に染みてよくわかりました。ありがとうございました。
 残念ながら、私ども、経団連の立場で申し上げしますと、環境税、今のところ、反対をしているわけですが、問題がわかるだけに、税の、そして助成補助以外で何か期待なさり、こういうことがあったらいいというようなことがおありであれば、ぜひ伺いたいのが1点と、今、傾向としてボランティア、あるいは若い人たちに森林を大事にしようという気配が少し動き出しているように私には思われます。特に海が荒れたことが、ブナの森を再評価させるというようなことを含めて、その辺の最近の傾向をどうごらんになられているか、ぜひ、お教えください。

○飯塚氏 税以外に何かないかというお話でありますが、なかなか残念なことに、これといった我々に活力を与えてくれる道が、模索はしておるんですけれども、残念ながら、これというものが見当たらない。
 例えば、国会議員さんが、今、 300人、小選挙区で選ばれていますけれども、大部分が大きな都市からであって、農山村地帯から出ている国会議員さんは非常に少ないのです。そして、票の多い方しか見ていないというのが現状です。その方たちが国会に集って議論をしているものですから、なかなか我々の声、要請、そして何とかしてくれという声も、実は届きにくいというのが現状でございます。
 ボランティアのことについては、安江さん、お願いします。

○安江氏 それでは、ボランティアのことについて、うちの取り組みといいますか、実態をご報告しますけれども、確かにボランティアの方たちに森林整備を手がけていただくことは大変ありがたいと思うんですけれども、なかなかそういった方たちだけでは森林整備ができないのが現状だと思います。ただ、大変ありがたいということは、森林の現況を知っていただくということには大変有効的であるかなということでございまして、東白川の取り組みとしましては、愛知県、三重県の漁業関係者の方たちをお呼びいたしまして、「山・川・海、思いやりの森造成づくり」というような運動を、ここ3年ほど取り組んできております。 400人、 500人の漁民の方に来ていただいて、交流を深めていくというような取り組みを行っております。今後もそういった形で、都市住民の方、漁業関係者の方と幅広くご理解をいただけるような取り組みをしていきたいなということを考えております。

○速水委員 今、温暖化対策税、税ではなくて、というご質問をいただいて、飯塚会長が非常に苦労してお答えになられていたんですが、一言そこだけちょっと質問をしたいんですが、温暖化対策税の中でも、いろいろな議論ができるというふうなことであれば、例えば、山村に対して、森林に対して、大きな企業だとか、都市の産業が投資がしやすいように、つまり我々は林業界だけの議論をしがちなんですが、一般産業界から、より投資がしやすい。それによって森林管理が可能だというふうな税の制度というものも、温暖化対策税の中で考えられるというふうなお考えはないでしょうか。

○飯塚氏 おっしゃるとおり、そういうことも十分加味して、資本を持っていらっしゃる方、あるいはまた若いエネルギーを持っていらっしゃる方、あるいは理論構成をされて山を直接、間接的に応援をしていただく、あるいは自分自身が山に住んで山を経営してみよう、そういうあらゆる可能性を信じて、ぜひ日本人として日本の山を、そんな広い感覚で皆さんにご論議をしていただいて、的確な結論を出していただくことを夢見ております。

○森嶌委員長 この小委員会の仕事ではないんですけれど、国内CDMみたいなものを考えてもいいと思うんです、それはまた別の機会に議論をしたいと思いますが、どうしても、ということがありましたら、小林委員。

○小林委員 いや、今の議論じゃないんですけれども、先ほどのところで、1つだけ、森嶌先生からちょっと言われていた、税効果を出すためには下流課税が重要であると言いながら、今回の議論では上流課税というふうになっているわけです。これは徴税コストの問題が議論されたからこうなっているんですが、外国における事例で下流課税をしているところで、実際にどういう徴税の方式をとられて、そこの徴税コストがどうなっているのかという点を、少し整理をしていただけたらなとお願いしたいんです。できたら、下流課税をしてほしいというのが本音でございます。

○浅野委員 コストの、既存のシステムに乗れるかどうかという……

○小林委員 まあ、そういうふうに……

○森嶌委員長 それでは、久保田委員。

○久保田委員 簡単に、質問ではなくて意見です。2つです。
 1つは、伺っておりまして、温暖化対策税ということだけではなくて、いわゆる環境問題トータルとして森をどう守るのか、ということは極めて大事なことだと思います。したがって、ほかの委員の方も言われていますけれども、今回検討をしている温暖化対策税に期待する以前に、むしろ国の政策として、雇用と森林に対する国としての財源の投入ということも含めて一体どうするのかということが非常に大事じゃないかと。しかも、森と川と海が一体となった生態系トータルの保全について、縦割りになっている省庁を横断的にどうするのかということを、政策としてきっちりやるべきではないかというふうに思います。
 それから2つ目に、桝本委員の方からありましたけれども、経済界、あるいは、私ども、労働組合の立場で、どういうことができるかということについては、もっと真剣に労使でも考えてみる必要があるのじゃないかというふうに思います。1つは、新しい技術の開発という視点で、どう新しい仕組みや、経営として成り立つ基盤をつくることができるのか、という発想もあると思います。もう一つはボランティアとか、そういうことを含めて、都市に住む組合員や家族、子どもたちを含めて、どう交流をし、体験をし、そして自然を守ることの大切さを認識していくかという課題です。教育問題を含めて、ここはもう一回、労使がしっかり手を組んで、一体何ができるかということを真剣に考えてみることが、税のあり方やお金の問題と、また別にあるんじゃないかという提案をさせていただきたいと思います。

○森嶌委員長 どうもありがとうございました。
 予定の時間をまた超えてしまいましたけれども、次回も今回と同じように専門委員会の論点を踏まえまして事務局に説明をしていただく。それからまたヒアリングも行う。できれば、どちらかといえば、ヒアリングに少し重点を置いて進めたいというふうに考えております。
 次回の開催でありますけれども、前回申し上げたのと、少し日時、時間等も違っておりまして、さらに、きょうの冒頭のところの議事日程に書いてあるのはミスプリでございまして、4月の14日、水曜日、14時からと書いてありますが、15時からの間違いでございます。15時から17時まで、東條インペリアルパレス。冒頭の下の方に書いてあります4月14日、そして15時から、場所は東條インペリアルパレス、東條会館ということでございますので、出席方、よろしくお願いをいたします。
 それでは、本日はこれで終了させていただきます。どうも長時間にわたりましてありがとうございました。

午後12時14分 閉会