■議事録一覧■

中央環境審議会 総合政策・地球環境合同部会
第2回施策総合企画小委員会 議事録



平成16年1月27日 午後2時4分 開会

○佐野経済課長 定刻になりましたので、開催させていただきたいと存じます。
 なお、大塚委員、松田委員につきましては若干遅れてみえられるというご連絡をいただいております。
 それから、初めでございますが、前回、第1回の委員会にご欠席をなされました新しくお入りいただいた委員がおみえになっておりますので、この機会にご紹介をさせていただきたいと存じます。50音順に資料1にございます名簿の上から4番目、WWFの鮎川委員でいらっしゃいます。それから、下のほうから数えまして6番目、神奈川県の税制担当部長であられます平松委員でございます。
 それから、お一人おきまして経団連環境安全委員会地球環境部長の桝本委員でいらっしゃいます。
 もう一方、松田委員も前回ご欠席で今回初めてでしたが、少し遅れてみえられるというご連絡をいただいております。
 それでは、委員長、よろしくお願いいたします。

○森嶌委員長 それでは、ただいまから施策総合施策小委員会、第2回の会合を開催したいと思います。
 それでは、最初に事務局から資料の確認をお願いをいたします。

○事務局(永見) それでは、資料の確認をさせていただきます。まず、表紙に「議事次第」「資料一覧」と書いて紙がございまして、次に議場には座席表をお配りしておりますが、その次に資料1、施策総合企画小委員会の委員名簿になります。そして、「中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会 温暖化対策税制専門委員会『温暖化対策税制の具体的な制度の案〜国民による検討・議論のための提案〜(報告)』に関する意見募集結果(概要)」というA3の5、6枚程度のものが資料2になります。
 その次に資料3がございまして、「地球温暖化対策税制の税率とその経済影響の試算(AIMプロジェクトチーム)」というものになります。
 また、席上には参考に「温暖化対策税制の具体的な制度の案」という小冊子、専門委員会報告になりますが、こちらもおいてあります。また、委員の先生方には4月の施策小委員会の開催も予定しておりますので、その4月の予定をお書きいただくために紙を用意しておりますので、本日お書きいただいて手渡しいただくか、または後日ファクスなどでご送信いただくかをお願いしたいと思います。以上になります。

○森嶌委員長 ありがとうございました。それでは、資料のご不足などはございましょうか。よろしゅうございましょうか。
 それでは最初に、この会の進め方について簡単にご説明をしまして、次に、地球環境部会というのが別に部会がございますが、その審議とこの小委員会の審議との関係についてご質問などもございますので、それについて少しご説明をして、それから議論をしていただきたいと思います。
 まず、この小委員会の進め方でございますが、前回の委員の方々のご意見と事務局の提案も踏まえたうえで、今回から4回ほどの小委員会の当面の進め方について、次のように進めてはどうかと考えております。
 前回、事務局から説明がありましたように、小委員会では、温暖化対策税に対して国民の皆さんがどのような考え方を持っておられるのかを理解するために、専門委員会報告に対するパブリックのコメントの結果の報告や関係者からのヒアリングを受けるということにしておりますけれども、これに加えまして、温暖化対策税の経済的な影響という論点につきまして、別に時間をとりまして事務局から説明をしてもらって、その上で議論をすることにしたいと考えております。
 経済的な影響につきましては、専門委員会におきましても重要な論点だということになっているわけでありますけれども、これまで必ずしも十分に検討されているとは言い難いところでありまして、経済的な影響がどういうものなのかということについては、これを検討し、共通の理解と申しましょうか、共通の認識に立って議論を進める必要があろうかと思います。そこで、今申しましたように、ヒアリングを行うとともに、経済的な影響についても当小委員会において検討をすることにしたいと考えております。
 それから、次に中環審には地球環境部会が置かれていますが、これとこの小委員会の議論との関係でございますが、地球環境部会では、ご承知のように、当面地球温暖化対策推進大綱の評価・見直しに関する議論を行っております。
 ご承知のように、この大綱の中では2004年までがいわゆるファーストステップという対策の第一段階でありまして、そこで2004年までに成果の評価をして、次の2005年から2007年までのセカンドステップになり、そしてまだ京都議定書は発効しておりませんけれども、2008年から2012年の京都議定書の第一約束期間の削減目標を達成するという、そういう3段階で京都議定書を履行するということが大綱の考え方となっておりまして、そこで今年中にこのファーストステップでの実施状況がどこまで行っているかということについて評価をして施策の見直しをする時期になっております。そこで地球環境部会では、その施策についての評価・見直しをするという議論を行ってまいりますが、その検討を行ったうえで、どうもうまく行っていないということになった場合には、どういう追加的な対策をとっていくかということを検討していくことになってまいります。
 その段階でこの小委員会でご議論いただいたことを反映する必要があるかどうかということになるわけでございます。その意味では一方で地球環境部会の温暖化施策一般に対する評価と追加的な対策が必要かどうかという議論と、それの基礎になるいろいろな施策の一つの施策としての温暖化対策税がどういう意味合いを持っているのか、どういうプラスマイナスを持っているかということをこの小委員会で検討していただくということでございます。
 私は、初めに温暖化対策税ありきということで議論が始まっているのではないかと聞かれることがありますが、初めにありきではなくて、今の段階からどういう問題があるかということを議論しておかないと、いざとなったときに間に合わないおそれがあります。日本の議論ではしばしばそういうことがありますが、いざとならないとなかなか議論しない、いざとなったときに議論しようにももう時間がないというのでは、急場に間に合わないということになるので、ぜひともじっくりと議論をしていただきたいという趣旨でございますので、ぜひその点をご理解いただきたいと思います。
 そこで本題に戻りますが、小委員会におきましては、ヒアリングを通じた国民意見の把握を行った後、ただいま申し上げましたような地球環境部会での議論を受けまして、温室効果ガスの排出の状況や、その構造等を踏まえて、さまざまな追加的な対策、施策との関係において温暖化対策税がどのような意味を持つのかということを議論していきたいと考えているところであります。
 それでは、本日の進行でございますが、議事次第にもありますように、まずパブリックコメントの結果について報告をいただきまして、それについてのご議論の後、対策税制専門委員会の報告の土台となっておりますいろいろな温暖化対策税の効果に関する試算や経済影響についてご議論をいただきたいと思っております。
 なお事前にお知らせしたところとは異なっておりますけれども、ヒアリングにつきましては事務局による発表者の調整がなかなかうまくまいりませんでしたので、本日はヒアリングを行うことはできませんで、次回以降ということになりましたのでご了承いただきたいと思います。
 本日の会合は2時間、16時までというふうに予定しておりますので、よろしくご協力いただきたいと思います。
 それでは、最初の議題であります専門委員会の報告に対するパブリックコメントの結果につきまして、事務局から説明をしたいと思います。では、よろしくお願いします。

○佐野経済課長 まず、昨年8月に本合同部会の下に置かれております専門委員会におきましてまとめていただきました報告につきまして、昨年のほぼ9月、10月、11月の3か月間をかけましてパブリックコメントを実施をいたしております。その結果、概要につきましてご報告をさせていただきたいと思います。
 まず、ご意見をいただきました件数でございますが、団体から157団体、個人としていただいたもの279、計436名・団体の方からご意見をいただきました。これはこの種の役所の施策に関しますパブリックコメントの結果といたしましてはかなり多いほうではなかろうかと存じます。
 それから、その内訳でございますが、ここの表にございますように、いわゆる総合的な経済団体の方々、それから鉄鋼業をはじめ自動車、その他鉱工業の方々が合わせて30ほど、あるいは農林水産業関係の団体の方が二十数件、あるいは運輸業関係の団体の方が二十数件。それから、エネルギー業関係の団体が23件。
 一方、NGOあるいは生活協同組合、地方自治体、あるいは労働組合といったような方々からも意見をいただいているところでございます。
 それで、団体につきましてはお名前が出るという前提で公募いたしておりますので、大体この右側にございますようにただいま申し上げましたような構成の方々からご意見をいただいております。めくっていただきまして、後ろのほうまでございます。
 個人につきましては、これは場合によっては匿名でということがあり得べしということで募集いたしておりますので、具体的なお名前は差し控えさせていただきますが、傾向を拝見しますとこのご意見をお出しいただいたような業種、業界の会社の社員の方あるいはその団体の構成員あるいは役員の方といったような方が数としては多かったように理解をしております。
 いただきました生のご意見のコピーにつきましては、委員の方4、5名に1つぐらいの割合でございますが、全部をコピーしたものを席上に置かせていただきましたので、適宜お近くの委員でご回覧をいただければと思います。
 それでは、具体的などのような意見があったかという意見の内容につきましてご説明をさせていただきます。ページはここから1ページが始まっております。
 ご意見は非常に多岐にわたったわけでございますけれども、そのまま例えば単純に並べてますと何が何だかよくわからなくなってしまいますので、私どものほうからまず大きく分けました温暖化対策税というようなものを活用することに消極的だというお立場からの意見、それから逆に積極的に資すべきだというお立場からの意見、こういうふうにイシューごとに整理してみました。
 したがいまして、これの右側、左側それぞれにまた専門委員会報告の内容については賛成である、反対であるというものをいただいております。
 それから、件数につきまして先ほど大ざっぱに温暖化対策税を活用するというような考え方に賛成であるか反対であるかというようなことの数字、これは多数決の提示をしたわけではないわけでございますが、1枚目にありますように概ね3対1ぐらいの比率であったかと存じます。
 各項目の下の括弧のところがいただいた件数でございます。どうも消極的な立場のご意見というのは割合特定の項目に非常に多数集中しているというような傾向があろうかと思います。
 それでは、順次主な論点に沿いましてどんなご意見がございましたかご説明をさせていただきたいと思います。
 最初に大項目の1番としまして、我が国の温暖化防止の取り組み方はどうあるべきか。基本的な方向のようなものにつきまして伺いました項目でございます。
 左側のほうで非常に数が多うございましたのは、2番目にございますように温暖化問題の特質、京都議定書の問題等を踏まえて、地球的、世界的な視野から取り組むべきというようなもの。
 それから、地球温暖化問題は全世界的な問題であり、アメリカやロシア、中国、途上国などを含めた世界規模でのルールづくりにより取り組むべき、というようなものでございます。
 また、一方では将来的に見れば全世界で温室効果の大幅削減というのが必須であるので、抜本的な取り組みが強力に実施することが必要であるというようなご意見がございました。
 それから、一体ほかにどのような手法を考えられるかというようなものにつきましては、むしろCO2削減のための動機づけとして、削減に努力しているものに対して優遇を与えるような制度を考えるべきではないかというようなもの。
 逆に、それに対しまして自然エネルギー対策や省エネルギー対策を評価すべきである。あるいは、森林整備に高い目標が設定されているが、森林業、木材業界というのは厳しい環境にあるので、森林整備対策を積極的に評価すべきといったようなものが多数寄せられております。
 次に大きな2番でございまして、温暖化防止のための施策として、温暖化対策税を活用するということについてどうか。これもいろいろな論点からのご意見をいただいておりまして、主な論点に沿いまして整理いたしました。まず全般的なこと、あるいは整備の位置づけというようなことに関しましては、産業よりも国民1人ひとりに対する経済的負担を求めるべきであるというもの、あるいは自主的な取り組みに努力しているものにとっては温暖化対策税は二重の負担になるのではないかというようなもの。
 あるいは、自主的に取り組むことを基本とし、政府はこの支援を行うべきというもの。あるいは、温暖化対策では削減を担保できるものではないというようなものがございます。
 これに対しまして、一方で温室効果ガス削減のためには社会全体で対策を担うべきであり、その他応分の負担として経済的手法を活用すべきというもの。
 それから、CO2を削減するうえで自主的な取り組みや技術開発だけでは限界があり、経済的手法による法的な政策措置を強化すべきであるというもの。
 あるいは、目標達成のための安定かつ継続した財政措置を確保するために温暖化対策税の活用は有効であるとするようなものがございました。
 一方、税の導入よりむしろ既存の省エネ等の技術開発を進める、長期的な技術開発を促進するための政策を強化すべきというもの。
 あるいは、税を導入して公共事業として削減対策が進められた場合、効果の低い対策や事務運営等に税収が費やされて、効率的な削減ができるかは疑問だというようなご意見が寄せられております。
 次に3ページにまいりまして、税に関する検討の進め方ということに関しましては、温暖化対策の財源は石油・石炭税によって確保済みであるので、まず既存の税制の見直しを検討すべきであるというもの。
 それから、第一ステップの効果を定量的に検証したうえで行うべきであって、温暖化対策税ありきで議論すべきではないというもの。
 それから、国民のライフスタイルの変革のための情報提供等を行うべきというもの。
 民生部門、運輸部門に対する効果的な対策を優先すべきであって、産業界への追加的措置は必要ないというもの。
 それから、抑制効果や経済影響などについて、諸外国の議論を含めて検証が必要であるとするようなものがございました。
 一方では、温暖化対策税の早期導入を求める。
 あるいは、削減を進めるために課税はやむを得ないというようなものもございます。
 次に4ページにまいりまして、温暖化対策税の有効性というようなことでのご意見でございます。
 提案されておりますような課税負担額では価格インセンティブによる家庭部門でのCO2削減抑制にはつながらないといったご意見。あるいは、対策税を消費者に価格転嫁することが困難であるため、課税の価格インセンティブ効果は期待できないとするもの。
 あるいは、業界において、あるいはエネルギーは国民生活や事業活動に必要不可欠なものであるので、需要の価格弾力性は極めて小さいので、効果は期待できないのは限定的であるというようなものがございました。
 一方、経済的手法として温暖化対策税の活用は有効であるとするもの。
 あるいは、これまでの検討結果で税についてアナウンスメント効果等々、検討に入れなくても削減効果があるとする検討結果、あるいは欧州における効果ありとする報告があるとご指摘のもの。
 あるいは、エネルギーの価格弾力性についても短期的には設備投資が進まないために低いが、中長期的には弾力性があるというようなご指摘をされたものがございました。
 続きまして、5ページ目にまいりまして、経済影響あるいは本日もご議論をいただきますが、それに関するシュミレーションについての部分でございます。消極的なお立場のご意見としては新たな税あるいは規制措置などは事業者に大きな負担を強いるものであり、国際競争力の低下、国内産業の空洞化が進むと憂するもの。
 あるいは、モデル試算においては根拠や解釈等が不十分であるというようなものがございました。
 一方では、環境コストの増加を理由に海外移転が行われたというケースはないのではないか。したがって、温暖化対策税が経済に悪影響を及ぼすということに根拠はないのではないか。
 あるいは、温暖化の将来リスクを避ける、あるいは省エネ機器の開発・購入といったプラス効果が考えられるので、経済的なマイナス影響は考えにくいのではないかとするような意見が一方ではございました。
 続きまして、6ページにまいります。6ページからは大きな3番目の意見項目でございまして、温暖化対策税の課税の仕組みはどうあるべきであろうかという点でございます。これも便宜に類型というか、イシューごとに少し整理いたしまして、まず全般的なこと、あるいは課税方法につきましては最上流課税あるいは上流課税では、価格インセンティブ効果が期待できないとするもの。それから、石油製品の市場価格はたえず変動しているので、コストが価格転嫁されにくいというご指摘がありました。
 一方で、最上流課税または上流課税とすべきもの。
 あるいは、温暖化対策に対する認識を国民が持ち、広く負担するために下流課税であるべきであるというもの。両面にご意見がございます。
 それから、併せて税の導入に当たっては温暖化対策税に関する十分な広報を行う、あるいは製品価格と温暖化対策税額を別々にします等の負担感を持たせるための工夫が必要であるというようなご意見もございました。
 続きまして、7ページ、課税対象及び課税率というようなことに関します論点でございますが、一方では低い税率とすべき。あるいは一律な課税ではなくて、不要あるいは贅沢に消費される分を減らすような課税方法であるべき。あるいは、すでに削減目標を達成している部門と不十分な部門を一律にすべきではないとするようなものがございました一方で、価格インセンティブ効果により一定以上の削減が達成できるよう、ある程度高い税率とすべきというようなものも一方ではございました。
 続きまして、大きな質問項目の4番、減免・還付をはじめとする負担軽減はどうあるべきかということについてでございます。エネルギー多消費産業などの影響の大きい主体について減免をすべきであるというようなご意見がございました。
 一方で、例えば低所得者層あるいは逆進性といった不公平を緩和するための対応をすべきではないか。
 それから、森林整備というのが重要であるので、森林整備、国産材あるいは森林バイオマスの活用などに関して負担軽減を行うべきとするもの。
 それから、一方で公平性の観点から特定の主体を対象に負担軽減を行うべきではないというご意見。あるいは、またその一方で生活必需品や公共交通機関などを対象にすると、税の逆進性が強くなる、国民の負担が大きくなるとするようなものがございます。
 また、あるいは軽減措置の一環として、その下のご意見になりますが、負担軽減をするのであれば、一定以上のCO2の削減を実行するという条件付きであるべきである。負担軽減の対象にするかどうかの判断の基準を明確にしたうえで行うべきであるというご指摘も一方でございました。
 さらに、大きな5番でございますが、税収の使途はどうあるべきかということにつきましては、税収の使途が不明確である。使途の内容や効果等をまず検討すべきであるというようなもの。それから、この提案された税の内容というのは補助金による効果に重点を置いているという制度設計であるにもかかわらず、補助金を低コストな対策から配分するための方策が示されていないのではないかという指摘がございました。
 一方で、右側の欄でございますが、国民の理解を得るためには税の目的、使途を明確にすべきであって、税収を特別会計、目的税とする。あるいは、その他の方法によって温暖化対策に限定して使うべきであるとするもの。それから、逆に税収中立や経済活性化、社会保障などにも活用できるように総合的に検討すべきであるというものがございます。
 それから、地方自治体に関しましても使途が不明確であり、あるいは効果的な削減が確実でないというような理由で自治体への税収のばらまきを行うべきではないというもの。
 逆に地方自治体における自主的取組を促進するために地方自治体にも配分すべきとするもの。それぞれございました。
 それから、排出量を削減できる効果的な方法であると検証されたものに当てるべきとする。
 それから、使途でございますが、片や吸収目標の達成、あるいは森林の多面的機能の発揮のために税収を森林整備、国産材使用、バイオマス使用等に当てるべきとするものと、森林の公益的機能のうち、温暖化防止機能はごくわずかであり、税収を森林整備に充当することは不適当であるとするもの双方の意見がございました。
 そのほか、風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーの促進に活用すべきであって、原子力発電に使うべきではないというものと原子力発電の推進に使うべきとするもの。
 それから、国内での直接的なCO2削減につながらない吸収源対策あるいは原子力発電、京都メカニズムなどに税収を使うべきではないとするもの、といった各方面、いろいろな方向の意見が寄せられております。
 最後のページでございますが、既存エネルギー関係諸税との関係でございますが、まず石油・石炭税等の関係諸税による温暖化防止対策の実施あるいは効果の検証を行うべきであって、検証せずに新たに増税すべきではないとするもの。
 他方、関係諸税は温暖化対策とは別の目的で設けられたものであるので、温暖化対策税とは別のものとして位置づけるべきとするものがございました。
 また、温暖化対策税は実質的に関係諸税との二重負担であるとするもの。その一方で、関係諸税も価格インセンティブ効果、予算配分などの点で温暖化対策税と同じ性格を持つため、関係諸税全般との整合を図るべきもの。あるいは、環境諸税全体について環境保護の観点からグリーン化を進めるべきというご指摘がございました。
 反対側では、関係諸税との関係や、それらを含めた税制全体の見直しに関する具体的な提案を示すべきもの。
 それから、道路特定財源は道路整備の着実な推進を図るためのものであることから、道路特定財源を温暖化対策税に当てるべきではないとするもの、こういったご意見がございました。
 その他という項目では、専門用語が多い、データ等が少ない。具体的な記述がないというようなご指摘をいただきましたし、引き続き国民参加を高める努力をすべきであるというもの。
 それから、もっと広範なエネルギー政策全体との整合を検討すべきではないかとするようなもの。
 今まで駆け足で進んでまいりましたが、以上申しましたようなコメントがあったところでございます。以上、ご報告を申し上げます。

○森嶌委員長 どうもありがとうございました。多分、パブリックコメントについてのコメントということになりますと、全部の論点について賛成と反対のパブリックコメントについてコメントすることになり、結局専門委員会の議論を全部やることになりますので、今回はパブリックコメントについてコメントではなくて、パブリックコメントを実施したことについてのご質問なり、こういうやり方についてのコメントがおありになれば、出していただいて、パブコメの内容についてはまた後ほどご議論いただくということにして、今回は5分ないし10分ご議論がありましたらどうぞお出しいただきたいと思います。
 何か、どうぞ。
 どうぞ、平尾委員。

○平尾委員 これからの取り扱いですけれど。
 このパブリックコメントをされたことにどういうふうな形で、ブラッシュアップとか、何か反映されていかれるのか。あるいは、それと同時に今後の政策議論の中でこの論点の中身を反映されていかれるのか。後者であるならば、今のところどの辺が重点的で、重点的に取り組んでいかなければいけないとお考えなのか。もし整理しておられれば教えていただきたい。

○森嶌委員長 私自身の個人的な考え方としては、制度的にこのパブリックコメントを求めているというよりも、この専門委員会の報告書に対して一般の方がどういうお考えかということですので、この委員会で議論をなさる際にこのコメントを参照しながら、議論していただきたいと考えておりますけれども、何か事務局のほうで位置づけをされておられますか。

○佐野経済課長 はい、そういうことだろうと思います。専門委員会報告は、これは議論のたたき台としての1つの材料でございますが、あるいはその限りのものとして1回、専門委員会の合議をいただいたものでございますので、これをさかのぼって専門委員会報告を見直すということではなく、専門委員会報告はこういう内容であった。そういうものについて国民の非常に広い各界からこれこれのご意見があったということを踏まえて、本小委員会でご議論をいただくべきものとしております。

○森嶌委員長 通常、答申がありまして、それに対してパブコメを募集したというようなことではありませんので。この委員会でご議論いただくときにこれを参照していただくものと考えておりますが。
 それでは、桝本さん。

○桝本委員 まず、この一番最初の提出案件436、賛成等それぞれ内訳がございますが、一般的に言ってこうした形でインターネット等でパブコメを取る場合に、あるいはこれまでの実績等から比較して、全体でそもそも多いのかどうか、その点を1点お伺いしたいことと、これを拝見すると、このうち259の方が反対と言っておられるわけで、この反対の数の多いことと賛成、条件付き賛成が110とか20でこの辺ですが、この数の量の大きさをどういうふうに評価なされるのか。そこを教えてください。

○森嶌委員長 これも私の個人的な考えですが、パブコメは一般的に今も申しましたように、どういうコンテクストの下でパブコメをとるのかということもありますけれども、いろいろなコンテクストで取りますが、大体300から400のパブコメというのは期間にもよりますが、多いとも言えませんし、少ないとも言えませんが、まあまあこういう類では普通でしょう。
 それから、パブコメというのは選挙でありませんので、賛成反対ということで多さで決めるのではなくて、むしろパブコメを受け止める側でそれぞれが判断をしていくことになろうと考えています。特に今回の場合には今も申しましたように専門委員会の報告であり、それを国民といいましょうか、コメントを寄せられる方がどう受け止めておられるかということです。特にこれは専門委員会の報告ですので、その結論というよりも、その論理をどういうふうに受け止めておられるかということを我々のほうで咀嚼して、今後の議論をしていくということですので、選挙で例えば過半数だからこっちが勝ちとか負けるという議論ではないと思っておりますが、事務局はどうですか。

○佐野経済課長 まず、客観的に申しますと、まずいただいた四百数十件という件数は環境省の行いました過去のパブリックコメントの中では相当多いほうの部類でございます。ただ、今まで行った最大のものは昨年の廃棄物リサイクル制度の中間まとめのときに1,800というのがあるんだそうでございまして、史上最多とまではまいりませんが、かなり多いほうと理解しております。
 実はこれまでの合同部会のやっておりました中間まとめ等々で行われたパブリックコメントでも概ね数十というぐらいでございますので、そういう意味では国民各層のご関心が非常に高まっているということであろうかと存じます。

○森嶌委員長 各層かどうかわかりませんけれども。

○佐野経済課長 はい。

○森嶌委員長 国民のご関心が深いということは確かにわかります。
 それから、波といいましょうか、テーマによりまして、私の記憶では、環境基本計画とかアセスとか、ああいう新聞も報道するようなものですと多数のコメントが寄せられましたが、普通、化学物質の基準などでパブコメを取ると数は少ないということはありますね。
 ですから、私は数でどうこうというよりも、むしろ質といいましょうか、それを重視といいましょうか、それを我々としてはきちっと受け止めるべきだと思っております。
 天野委員。

○天野委員 私は専門委員会のほうの議論を聞いておりましたので、そういう点から2つほど感想のようなものを申し上げてみたいと思います。
 1つは、これは温暖化対策税の案についてどうかという問いかけですので、それに対してコメントを寄せているという中で、温暖化対策を含んで、その全体のイメージというか、全体としてどういう性格になるかということを問いかけているわけではありませんので、そういう意味では温暖化対策税の位置づけのようなことがきちっと理解されていないのではないかという感想を持ちました。
 つまり、温暖化対策税は一部ですし、助成金制度もその中に含まれていますし、それ以外の手段もおそらく見直しに当たっては検討しなければいけないのではないかと思いますが、ひょっとしたら、これは私の思い過ごしかもしれませんけれども、ここで提案されているものだけで見直しをするというのでいいのかという点への疑問がかなり見られるのではないかというふうな印象を受けました。
 もう1点は、これは見直しに当たってどういう政策手法があるのかということを具体的に考えてみようという提案だったと思うんですけれども、非常にたくさんありましたご意見を見ておりますと、例えば京都議定書の再交渉の進め方について、日本は一体国としてどういう方針を持っているのか。その辺はきちっと議論したらというご意見が結構あったように思います。ですから、政策手法についてのコメントをお願いしているときに、国際交渉の進み方自体がよくわからないとか、あるいはその中で日本政府が積極的にどういうやり方を進めようとしているかがわからないというような感じのコメントが多かったのではないかなと印象を受けましたので、このあたりについては例えばCOP9のことも踏まえて、もうひとつ様子がわからないという国民が非常に多いのではないかと思うのですが、そのような情報もまずしっかり出していく必要があるのではないかという印象を持ちました。以上です。

○森嶌委員長 どうぞ、佐和委員。

○佐和委員 今、天野先生がおっしゃった最初の点に私も同じような印象を受けていたわけですが、報告書に対する意見ということで、この報告書に書いていることに対して納得できない点があるとか、そういうのが反対ということの意見の中身だということはさっきのコメントを一覧してもそのように感じられました。
 たしか昨年、毎年11月に日本経済新聞社が地球環境と経済人フォーラムっていいましたか、そういうのを開催していますが、それが紙面に展開されたときに、併せて各企業に匿名でいわゆる環境税という名称で呼んでいたか、あるいは炭素税といったか記憶は定かではありませんが、それに対して賛否を聞いているんです。そうすると、私の記憶は間違いかもしれませんが、約40%ぐらいの企業が匿名ならば、やむを得ないも含めて賛成と答えているんです。
 今回のアンケート結果で見ると、農林水産業以外の産業界というのは押し並べてというか、ほとんど100%反対なんです。そうすると、その両者を、全く結論の違うアンケートを比較してみますと、そこで言えることは、やはりここでははっきり団体あるいは企業の名称を書くことを求めているからこういうことになるんだということが1つ。
 もう1つは、ここで反対と言われている企業は、この報告書で提案されているような税制のあり方に対してはこういう欠点がある、ああいう欠点がある、だから反対なんだというふうに、私はそのように思いました。以上です。

○森嶌委員長 それでは、これについてはあまり時間を取るのもと思いますので、また何かありましたら後ほど議論でやっていただくことにしまして、次へ移りたいと思います。
 それでは、よろしゅうございましょうか。どうしてもこの際、パブコメについてありますか。
 なければ、議題2に移らせていただきます。
 温暖化対策税の税率とその経済的影響の試算について、に移りたいと思います。
 この点につきましては、せっかく専門委員会の報告の中に議論の題材がありながら、私どもが理解をするための議論をしておりませんので、今回は国環研の甲斐沼さんと増井さんに報告の土台となっている試算について、ご説明をお伺いしたいと思います。私は法律家ですので、下手に説明を受けるとなおわからなくなるのではないかという懸念はありますけれども、ほかの方はご説明を受けるとおわかりになると思いますので、ぜひともわかるようにご説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。

○甲斐沼室長 ただいまご紹介頂きました国立環境研究所の甲斐沼です。
 今日は私と増井ので、AIMを用いた地球温暖化対策税の税率とその経済影響の試算結果を説明し、また、ご質問等をお受けします。
 先ほど天野先生と佐和先生からご意見を頂きましたが、パブコメでの環境税の説明が十分でないというご指摘を踏まえて、私どもが試算しました炭素税の効果を説明したいと思います。
 私どもはいろいろな先生方のご指導の下にAIMモデルを開発しています。今回の炭素税の試算には、そのうち、技術選択モデル、日本モデル、世界モデルの3つのモデルを使いました。
 我が国のエネルギー起源の二酸化炭素排出量は技術的にどれくらい減らすことができるのか。炭素税という政策手段を用いて減らす場合に必要な炭素税率はいくらか。炭素税収を補助金として還元すると、炭素税率はいくらにできるのか。補助金の還元に当たり、どのような対象が有効か。炭素税を課した場合日本経済への影響はどのくらいになるのか。エネルギー集約産業など、国際競争力への影響が懸念される産業はどうなるのか。等々の問題があります。
 これらそれぞれの問題に対して政策的に有効な答えを出すためには、どういった対策や技術を導入すれば二酸化炭素排出量を削減できるのかという実効性のある政策提言が求められています。同時にマクロ経済的な整合性も求められています。
 1つや2つのモデルでこれらすべての答えを出すことはできませんでした。しかし、モデルは大きく複雑にすれば良いというものでもなく、分析対象を絞ってモデルの特性を生かした分析をすることにしました。技術に関しましては、技術選択モデルというエネルギー設備を対象としたボトムアップモデルを使い、経済影響につきましては、応用一般均衡モデルをベースとしました日本モデルと世界モデルを使いました。
 技術選択モデルは、それぞれの部門でCO2排出量の少ない技術に移行するためには、どういった対策手法があるのかといった観点から予測しています。予測されたエネルギー効率改善率を経済モデルに入力して、日本モデル、あるいは世界モデルを使って対策の経済影響を予測します。
 世界モデルでは、アネックスB国が京都議定書を達成する場合の経済影響を評価しました。世界を対象としたモデルですので、21地域を対象としていますが、対象部門は9部門と少ない部門分割となっています。一方日本モデルは43部門を対象とした詳細なモデルです。世界モデルから求められたエネルギーや商品の国際価格の結果を用いて、日本国内における種々の産業への影響を分析します。
 まず、技術選択モデルについて私の方で紹介しまして、経済モデルのほうは増井から説明致します。
 かいつまんで技術選択モデルを紹介します。2ページに概念図が載っています。AIM/Enduseの概要という図です。通常、エネルギーとエネルギー技術を用いて、エネルギーサービスが提供されます。エネルギーサービス需要量というのは、粗鋼生産量とか、冷暖房需要量です。同じエネルギーサービスの提供でも、技術によって消費するエネルギー量は違ってきます。
 技術選択モデルはいろいろな方と一緒に共同研究しています。中国、インドなど海外の方とも一緒に各国のモデルを開発しています。一番説明を要する点は、エネルギー消費量とエネルギーサービス需要との関係です。同じエネルギーサービスを提供するのに、技術によってエネルギー消費量が違っているということが大事です。例えば、照明にいくらエネルギーを使うかを計算するとします。まず、照明のエネルギーサービス需要を推計します。同じ照明量、この部屋をどれだけ明るくするか、といった需要を満たすのに、違う技術を使えば、エネルギー消費量は違います。結果として二酸化炭素排出量も違ってきます。AIM技術選択モデルでは、どの技術を使えば、エネルギー消費量が少なくて済むかを計算しています。同じ生活レベルを維持しながら、二酸化炭素排出量が少なくてすむということを示すことができます。
 よく聞かれますことに、二酸化炭素排出量を削減するには、今の生活レベルを落とす必要があるのではといった質問があります。このモデルでは、エネルギーサービス需要、これは生活レベルといってもよいかと思いますが、どこまで部屋を明るくするか、どれだけ粗鋼生産を行うかといった、サービス需要に関しては、全く同じ需要を想定しています。そのサービス需要をどのような技術で提供すればエネルギー消費量は少なくて済むか、また、エネルギー消費量の少ない技術を導入するためにはどのような施策が必要となるかを、モデルでは推計します。
 今回、計算したものは、炭素税と補助金を組み合わせて、よりCO2排出量の少ない技術への移行を進める方策であります。技術選択が一番のポイントであります。技術選択では、技術メニューを準備しています。技術メニューには、技術の価格、エネルギー消費量、サービス供給量、技術普及率、耐用年数等々といったデータが入っています。勿論いくらいい技術が開発されても、従来の技術に一度に100%置き換わることは難しいので、モデルでは技術導入に関して種々の現実的な制約が入っています。いろいろな制約のもとで、今あるデータを総合して、整合性のある予測を行っています。
 エネルギーデータにつきましては、エネルギー種、エネルギー価格、供給量制約、二酸化炭素排出係数などがあります。これらのデータから二酸化炭素排出量の計算を行っています。
 技術の代替を考える場合に2つのケースがあります。一つは技術の寿命がきて買い換える場合と、まだ寿命は残っているが、良い技術があるので買い替えを検討する場合です。よく技術の代替というと、まだ使えるものを廃棄して、新しいものを購入するのではという質問を受けるのですが、買い替えは費用対効果が良い場合に限られています。現在使用中の技術に関しては、既に固定費を払っているので、運転費用だけが比較の対象となります。このためまだ使える技術を買い換えるというケースは今回ありませんでした。
 3ページ目に、Enduseモデルで対象としている省エネ技術、新エネ技術のリストがあります。産業分野で約250種、家庭部門、業務部門、運輸部門それぞれ約100種類革新技術に関するデータが入っていまして、全部で約550種類の技術を対象としています。
 もちろん、これは私どもが今までに集めた情報ですので、定期的に新しい内容にする必要があります。
 シミュレーションの想定に話を移します。表2−1のEnduseモデルの概要のところで説明しましたエネルギーサービス需要を最初に想定します。表2−2に想定を示しています。粗鋼生産量、セメント生産量、エチレン生産量、紙の生産量などです。経済成長率につきましては、*1に書いてありますが、経済財政諮問会議「改革と展望−2002年度改定」から引用しています。粗鋼製品の生産量につきましては、*2にありますように、日本エネルギー研究所の「わが国の長期エネルギー需給展望」の2002年のものから、また世帯数に関しましては、国立社会保障・人口問題研究所の1998年のレポートから、業務部門床面積につきましては、第三次産業の実質生産額伸び率と弾性値より推計しました。また、輸送量は、運輸政策審議会のデータです。原子力発電供給量は電力供給計画のデータをもとにしています。
 最初のEnduseモデルの概念図に戻りますが、これがエネルギーサービス需要です。エネルギーサービスには多くのものがありますが、例えば冷暖房需要ですと、世帯数や過去のエネルギー消費量などのデータからエネルギーサービス需要を想定しています。
 いくつかのケースについて二酸化炭素排出量を推計しました。4ページの表にケースの設定が説明してあります。技術一定ケース、市場選択ケース、炭素税ケース、補助金ケースの4つのケースを扱いました。6ページの図にそれぞれのケースに対応した予測結果が示してあります。この予測結果を参照しながら、、それぞれのケースをご紹介します。技術一定ケースというのは、現在の技術、即ち2002年で使われている技術が2012年まで継続的に使われると仮定したものです。技術が省エネ技術に置き換わっていかない場合ですが、二酸化炭素排出量は2010年に1990年の値と比較して13.7%増加しています。この増加は、必要とされる需要が伸びていることに対応しています。
 次は市場選択ケースです。必要なエネルギーサービスは、技術一定ケースと同じく1990年と比較して2010年には13.7%伸びています。しかし、必要なエネルギーは技術一定ケースより少なくなります。技術進歩のおかげです。安くて、しかもエネルギー効率の良い技術は旧式の技術に置き換わっていきます。また、導入費用は高くても、エネルギー費用が非常に安く、従来型の機器と導入費用、運転費用の合計で比較すればやすくすむ技術も導入されます。暖房機器や冷蔵庫、あるいは自動車などもエネルギー効率は随分改善されていますので、市場にまかせていても導入される技術はたくさんあります。特に温暖化対策をしないで、市場の選択にまかせた場合、2010年の二酸化炭素排出量は1990年と比較して7.6%増加します。
 次に炭素税ケースの説明をします。エネルギーの消費に対して二酸化炭素排出量に応じて課税を行うケースです。本分析では、1炭素トン当たり3,000円、1万5,000円、3万円の炭素税を導入したケースについてシミュレーションを行いました。課税開始年は2005年です。3万円のケースを見ていただきますと、2010年で1990年に比べて0.2%二酸化炭素排出量が増加しています。これは決して、エネルギーの値段が上がり消費が落ち込んだ結果、二酸化炭素排出量が減少したというものではありません。若干固定費用の高い技術が、運転費用も考慮すると全体的には安くなるからという理由で、エネルギー消費量の少ない省エネ技術が市場に導入された結果です。
 もう一つ補助金ケースがあります。低率の炭素税を導入し、地球温暖化対策を実施するための補助金として税収を環流させるケースです。1990年レベルの二酸化炭素排出量の2%削減を達成するために必要な補助金を推計しました。エネルギー効率がよくても、導入費用が高いため導入が進まない技術に対して、炭素税と補助金を組み合わせて導入を図るものです。炭素税というエネルギー消費を少ない技術を導入しようというインセンティブを与えながら、補助金を環流して、費用対効果の高い技術に補助金を与え、省エネ技術、新エネ技術の導入の可能性を推計しました。
 1990年レベル2%減をできるだけ少ない補助金で達成するためには、どの技術に補助金を与えればよいのかという問題と、補助金ケースでの炭素税率はいくらになるのかという問題があります。
 これまでのご質問のなかに、1炭素トン当たり3,400円の炭素税の課税で、本当に1990年比2%減を達成できるのかというのがありました。3,400円という数字だけが一人歩きしている印象がありますが、あくまで補助金とのセットで2%減が実現できるということが重要です。3,400円の炭素税による税収を用いて、省エネ効果の高い技術に消費者の選択を促すことです。補助金と炭素税のアナウンス効果を合わせて、できるだけ二酸化炭素削減効果の大きい技術に移行する方策が炭素税プラス補助金ケースです。3,400円の炭素税だけでは技術は導入されません。もし炭素税の課税のみで、補助金ケースに相当する削減量を達成するためには1炭素トン当たり45,000円の課税が必要と推計されました。
 これがEnduseモデルの概要です。次に経済モデルを用いまして試算した結果について増井の方からご説明いたします。

○増井研究員 国立環境研究所の増井でございます。
 1ページ目のところにございます日本モデルと世界モデル、これらのモデルにつきまして簡単にご紹介させていただきます。
 報告書の方は日本モデルの方からなんですけれども、世界モデルからの方がわかりやすいかと思いますので、16ページの世界を対象としたトップダウンモデルの方をごらんいただけるでしょうか。
 世界モデルも日本モデルもほとんど構造的には同じでございまして、16ページの図4の上のところに書いてございますように、生産活動を行うためにエネルギー、化石燃料ですとか電気と、あるいはその他の材料を使います。また、そういった生産活動に伴って生産されました財を消費したり、あるいは一部は将来に投資をするという形をとっております。
 技術選択モデルの方は、炭素税の水準をいろいろ変えて、どの水準でCO2の排出量が京都議定書、ここでは6%ではなくて大綱の水準に従いまして2%という想定をしているわけですけれども、を達成できるのかを計算しています。トップダウンモデルの方はそういうやり方をとらずに、CO2の排出量の制約というものを与えております。
 図4−1の下の方を見ていただきたいんですけれども、化石燃料を燃焼させる場合には、その化石燃料のCO2の排出原単位に従いまして、Carbon Right、排出権というものが必要になってくるということを想定いたしております。排出権、これはその図でいきますと家計が保有しております。家計、あるいは産業界は化石燃料を燃やすたびに家計から排出権なるものを購入するという想定を行っております。もし仮に排出量の制約がないという場合には、供給量が無限大になりますので、価格はつかない。ところが排出量をある一定量に抑えるという場合には需要と供給の関係から価格がつきまして、その価格というのを炭素税というふうに称しております。
 世界モデルの方では、部門は次の17ページの表4−1にございますけれども、8種類ございます。ここでは9種類、最後にSavings goodというのがありますけれども、これは固定資本財のようなものでして、部門というよりは、その上の8つの財を組み合わせて、投資財となります。
 ちょっと言い忘れましたけれども、世界モデルの方はGTAPと呼ばれるアメリカのパデュー大学が中心となって開発されておりますもので、世界全体のIO表のようなもの、このデータベースを使って表記しております。最新のデータは97年のデータなんですけれども、このモデルでは92年を基準とした、92年時点でのデータを使って表現いたしております。
 対象地域ですが、その17ページの表4−2のところにございますように、全部で21地域に分割しております。世界モデルにおきます役割、分析の目的なんですけれども、まず京都議定書を達成するために、どれぐらいコストがかかるかという話と、2つ目といたしまして、アメリカ、ここではオーストラリアもそうなんですけれども、ブッシュ大統領の独自提案が出されておりまして、そういう独自提案、あるいは京都議定書に戻ってくるということを考えたときに、その影響がどのようになっているか。また、国際排出量取引という制度が重視されておりますけれども、その制度を活用する、またその取引量を変化させるといったときにその影響がどうなるのかということを分析いたしております。
 シナリオといたしましては、19ページの表4−3のところにございます。まず排出量の制約を課さないBauというのがここには書いてございませんけれども、ございます。そのほかCO2排出量に対して制約を課すというシナリオが合計4つございまして、アメリカ、オーストラリアが独自政策を行って、そのほかのAnnexB国が排出量取引なしに自国の努力だけで行うというケースです。
 次のケース、2つ目なんですけれども、米豪は独自ですけれども、日本は排出量取引、90年の排出量に比べて1.6%分だけ認め、その他の地域、EU等につきましては、BaU、何も対策をとらない場合の排出量と京都議定書に定められております排出削減量、この差の半分まで排出量取引として取り引きしてもいいよ、購入してきてもいいよというようなシナリオです。ですから日本がやや他の国と比べますと排出量取引は低いという場合を想定しております。これがシナリオの2つ目でございます。
 3つ目は、その2つ目のシナリオに対しまして、アメリカ、オーストラリアが2008年に京都議定書に復帰するというような想定で計算したものでございます。
 4つ目の最後のシナリオですけれども、これが2番目のシナリオに対しまして日本もBaU成り行きシナリオの排出量と排出削減の目標量との差の半分まで排出量取引を認めるというような場合の結果で、排出量の購入量をより多く認めるという想定でございます。
 簡単に結果の方をご紹介させていただきます。20ページのところからでございます。
 炭素税率、図4−2のところですが、米豪独自で日本が排出量取引を行わない場合には炭素トンあたり350ドル、これは1992年を基準としておりますので、92年の価格の貨幣価値になっております。日本がもし仮に排出量の1.6%分だけ排出量取引を認めていいというような想定にしますと、炭素税の価格というのは350ドルから300ドルに低下いたします。それに、アメリカが復帰するといった場合には、国際排出量取引市場で排出枠の需要側の方がふえますので、若干国際の排出権の価格が上昇しまして、国内での炭素税の額も、若干ではありますけれども、増加いたします。
 次に、4番目のシナリオといたしまして、日本が削減量の半分まで排出量取引で調達してくるという場合には、その排出権の価格、炭素税価格というのは150ドルまで低下するというような結果になっております。
 それぞれのシナリオにおけますGDPの変化が、その下、図4−3にございます。我が国の結果を見てみますと、約0.4%から0.5%の間でGDPが減少します。これは、現在と比べまして0.5%減少するというのではございませんで、2010年のBaUの値と比較しまして、0.5%分だけ減少するという意味でございます。ですから、成長率にしますと、ごくわずか減少するというような結果になっております。
 こちらの場合におきましても、排出量取引の購入額をふやしますと、GDPの減少分、マイナス分というのはかなり緩和されてくるという結果になっております。
 次の図4−4のところなんですけれども、日本におけます部門別の生産額を見ていただきますと、非常に大きく減少しておりますのはCOLという石炭部門ですとか、OIL、石油精製、化石燃料を生産している、こういった部門の活動がBauと比較して10%以上減少するというような結果となっております。
 よく注目されますエネルギー集約産業、ここではEISという記号で表現されておりますけれども、これはBauと比較して大体1.5%で、排出量取引を削減量の半分まで認めるといった場合には、約1%の減少となっております。
 これが多いか少ないかということが議論になろうかと思いますけれども、世界の他の地域と比較した図がその下の図4−5でございます。一番比較しやすいのはヨーロッパではないかなと思うんですけれども、排出量取引がない場合、そこの左端と左から6番目のEURという2つの地域を比較していただきたいんですけれども、排出量取引がない場合には、EURの方がマイナスが高くなっています。逆に、日本が1.6%、米豪独自あるいは米豪復帰の場合には、ヨーロッパの方がマイナス度が低くなっておりますけれども、これは日本が排出量取引をかなり少なく購入しているという結果でございます。
 また、日本もEUと同じように、排出量取引半分購入してくるということをしますと、ほぼ同等の経済影響、ヨーロッパと同じような経済影響が出てきます。実際にこれが大きいか少ないかというところでその判断は分かれるかと思いますけれども、一応モデルからは、こういう結果となっております。
 次に、ちょっとページを戻っていただきまして、日本モデルの方を8ページの方から説明させていただきます。
 日本モデルの方は、今説明いたしました世界モデルと甲斐沼の方から説明がありました技術選択モデル、この結果をもとにさまざまなパラメーターを調整しております。
 具体的に言いますと、エネルギーの効率改善、生産額当たりどれぐらいエネルギーが必要なのかといったことをEnduseモデル、技術選択モデルの結果をもとに調整しております。また、国際品、鉄鋼ですとかさまざまな素材製品、あるいは石油等の国際品の価格ですとか、あるいは国内の生産活動におけます輸入品の比率、あるいは最終消費におけます各製品の輸入品の割合、こういったものを世界モデルの結果をもとに想定いたしております。
 このモデルでは、代替弾力性等の話は想定いたしておりませんで、すべてのシェアは固定されています。ただし、資本と労働に関しましては、コブ=ダグラス型の関数、代替弾力性が1という形を想定しておるんですけれども、それ以外の投入要素の関係というのは固定しているという想定をしております。ですから、エネルギーの価格が上昇したからといって、エネルギーの消費量が減る、運転の回数を減らすというようなことは想定されておりません。その点は、ご理解していただければと思います。
 この日本モデルの方は、9ページ目の表3−1にございますように、かなり詳細な部門あるいは財の分割というふうな形になっております。CO2の排出あるいは炭素税の計算、税率の計算というところにつきましては、先ほどの世界モデルと同じ形で表現いたしております。
 構造的にはほとんど同じですので、詳細なところは省かせていただきまして、結果のところからご紹介させていただきます。
 今回、日本モデルの方では全部で3つのシナリオというものを用意してございます。図3−2の凡例のところに書いてございますけれども、現状推移、これがCO2の制約を課さないというシナリオケースでございます。
 (2)[1]炭素税シナリオというのがございますけれども、これは炭素税、炭素排出量の制約を課すというシナリオでございます。徴収されました税収というのは、所得税の減税に充てられております。ただ、若干うまく返されていないところがありまして、後で図3−4のところで説明いたしますけれども、必ずしも100%税収を所得税減税という形で還流していないという問題がございます。
 次の(2)[2]補助金シナリオというのは、得られました税収を省エネルギー機器の購入の補助金に充てると、まさに技術選択モデルの補助金ケースに相当するシナリオでございます。
 このモデルでは、まず現状推移シナリオにおきまして、先ほど甲斐沼の方から説明がございました経済財政諮問会議の目標値に合うような形で、将来の投資を決定いたしております。それが図3−2の(1)の軌跡でございます。
 これに対しまして、炭素税シナリオですとか補助金シナリオを導入した場合に、GDPがどう変わるのかということを示しております。図3−2はほとんど線が重なっておりまして読みにくいので、図3−3のところにBaU、現状シナリオと現状維持シナリオに対しまして他のシナリオがどのぐらい違うのかというところを示してございます。
 炭素税シナリオの場合には、GDPが減量推進シナリオと比較しまして1兆円ほど低くなっています。補助金シナリオの場合は、約4,000億円ほど減少しているというような結果となっております。
 それから、GDPで換算をいたしますと、炭素税シナリオの場合には、第一約束期間平均で約0.16%、補助金シナリオの場合0.06%というような値となっております。
 次の図3−4のところなんですけれども、部門別の生産額について、この0.16%あるいは0.06%というのが各部門同じように起こるかというとそうではなくて、部門によってかなり大きな差が出ております。特に図3−4の右側の方、T−CですとかT−O、T−Gという、これらは火力発電なんですけれども、これがかなり減少しているという結果となり、COLですとかOIL、GASというような化石燃料を生成、また製造する部門の活動というのが低下しております。
 逆に、省エネルギー機器に対しまして投資を行う、補助金で還元するというようなことを想定しておりますので、真ん中よりやや左側、EMLという、これは電気機械製品部門なんですけれども、EMLというような活動がかなり高くなるということがおわかりいただけるかと思います。
 先ほど、炭素税シナリオで補助金、税収をうまく還元できていないというところは、GOVというところをごらんいただきますと、炭素税シナリオGOV、これは政府の活動なんですけれども、政府の消費がややふえているというところをごらんいただけるかと思います。ですから、このあたりまだ若干改善の余地があるかと思うんですけれども、いずれにせよ、炭素税シナリオ、補助金シナリオにおきまして、部門の影響がかなり異なってくる。この炭素税を課すことによって、マイナスになる部門、プラスになる部門、いろいろ見受けられるというところがごらんいただけるかと思います。
 次の12ページのところで、CO2の排出量が現状推移シナリオではどうであって、炭素税シナリオ、補助金シナリオ、これはどちらも制約として与えておりますけれども、それがどういうふうな形で想定されるのかというふうなことを示しております。それぞれのシナリオにおけます炭素税率というのは、図3−5に示しておりますように、炭素税シナリオの場合ですと約5万円ほどかかっております。それが補助金シナリオの場合には、約5,000円程度――5,300円ですが――となっております。
 この点、技術選択モデルの値となぜ違うのかというご指摘もあろうかと思いますが、先ほどごらんいただきましたように、このモデル、こちらの方のモデルでは経済活動が前提となっているものとかなり違ってきています。そういう影響がこういった炭素税の値に出てきているのではないかと考えております。
 また、雇用の変化なんですけれども、次の図3−7、あるいは図3−8といっところに書いてございますが、当然それぞれの活動の変化によりまして、雇用がふえるあるいは減るといった部門が出てきております。特に電気機械部門ですとか運輸部門――運輸部門も非常に高効率の自動車を生産するということで生産額が上昇する、そういう結果になっているんですけれども、そういった部門で雇用は上昇し、逆に発電部門等でこれが減少する、生産の低下に従って雇用も減少するというような結果になっております。
 トータルで見ますと、図3−7にございますような結果、補助金シナリオの場合には4万人程度ふえます。これは農業部門の雇用者数の変化を除いておりますので、こういう結果となっております。農業部門を加えますと、そこの脚注のところに書いてございますが、補助金シナリオで約9,000人の増加ということで、余り変わらないというような結果となっております。
 以上が日本モデルの説明なのですが、図1−1の方にまた戻っていただきたいんですけれども、今回の試算では、3つのモデルの関係ということで、それぞれのモデルにこういう矢印で表現させていただいておりますけれども、実際のところ、経済モデルの方から技術選択モデルの方への経済活動の変化というフィードバックはなされておりません。これは、こういう経済活動の変化を前提として技術選択モデルを再計算するということも可能は可能なんですけれども、それをいたしますと、その経済活動の変化が果たして本当にそうなのかという、またそちらの方の議論に時間が割かれてしまうということもございまして、まずは甲斐沼が説明いたしましたように、想定されております経済的な水準、これに対しまして、果たして本当にCO2削減できるのか、どれぐらいのコストがかかるのか、まずそれを議論のスタート点にしようではないかということで、時間的な関係もございましたけれども、経済活動の変化のフィードバックといったところは表現しておりません。そのあたりは今後の課題であると考えております。
 私の方からは以上です。

○森嶌委員長 どうもありがとうございました。
 予定では、時間的にはもう少し短くなるはずだったのですけれども、今、お2人にご報告いただきましたように、中身としましては大ざっぱに言っても2つございまして、1つは、温暖化対策税の効果と税率についての試算、むしろ税率による効果の試算を甲斐沼さんにご説明いただき、もう一つは、各部門別にどういう経済的なインパクトがあるかということについて、増井さんにご説明いただいたところです。
 今回、この2つについてご議論いただこうと思ったのですけれども、ここで議論を始めますとパンドラの箱になってしまいますので、今回はまことに残念ですが、増井さんの方は次回に延ばしていただいて、甲斐沼さんのご説明についてのご議論、ご質問をいただいて、増井さんの方は、次回に延ばしていただくことにします。あと30分ありますけれども、どうぞご議論いただきたいと思います。
 どうぞ。

○平尾委員 1つは、このAIMモデルというのですか、これでいろいろ解析された要素がたくさんございますですね。特に技術選択モデルではいっぱい書いてございますが、そういうやつをせっかくここまで来ているんですから、このほかの議論でいろいろ具体的に主要な案件について、これがシミュレーションされたようなことにどういうふうにいくのか、それをどういう障害を取り除ければうまくいくのか、そういった議論を深めていくべきではないかなと思ったんですが、民生、特に民生・運輸の世界は普及が基本でございますから、普及しなければ意味がないので、その辺のところを具体的に議論していったらどうか。
 と申しますのは、先般新聞で見たんですが、ソーラー住宅、ここにもアイテムがありましたけれども、1回当たり大体3キロワットで200万円でつくられるようになったということで、ことし5万件ぐらいの応募があったと。去年が4万件でしたから、随分右肩上がりだということなんですが、実は2010年は428万キロワットやらなければいかんと。大体140万件これをやらなければいけない。それが、200万円のものに対して、補助金がキロワット9万円ですから、1件当たり27万円だと。そうすると、170万円を回収しなければいかんので、月1万円ぐらいの電気代をチャラして、あと回収が15年だなと。本当に140万件いくのだろうかといようなところに、じゃあどういうところをやれば、これが本当に実現するのだろうかといったような議論ですね。
 私の知人でこの間300万円で入れまして、ちょっと早とちりしたんですけれども、100万円損してしまった。その人は豊かな方で、年金で悠々自適で回収なんてことではなくていいじゃないかと。お勧めに乗ったという感じで、こういう層が今後どれだけ出てくるのだろうかということも含めて、普及促進という面で、このシミュレーション結果の中身を1つずつ点検していくというのは大事ではないかと思った次第です。
 2つ目は、このモデルそのもののこと。モデルというのは、大体バウンダリーコンディションが変わりますと、その取り方とか解釈の仕方でがらがら結果が変わります。これはご案内になっているんですけれども、そういう意味で、こういうモデルに対して、いろいろな意見の方があると思うんですね。私なんかは全然わかりませんけれども、専門家の先生方がたくさん国内にもいらっしゃいますから、そういう先生方の話を総合された結果なのかどうかわかりませんで失礼ですけれども、まだもう少し突っ込む余地があるのでしたら、これは政策議論に影響するようなことですから、広くそういう先生方だけの議論の場というのを設けられて、せっかくの技術をもう少し安心できると言ったら失礼ですけれども、ブラッシュアップするというようなことをやられたらどうかなというふうな思いで聞いておりました。

○森嶌委員長 ありがとうございました。
 AIMモデルの本家本元の国環研の森田さんはこの間亡くなりましたが、甲斐沼さん、何か今の時点でお答えになることがありますか。

○甲斐沼室長 貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。
 確かにご指摘のように、民生・運輸部門での省エネ技術の普及が一番重要です。普及しないと意味がないということだと思います。また、できるだけ経済影響も少なくと考えましたのが、炭素税と補助金を組み合わせて対策を行うというものです。炭素税の課税のみで、省エネ技術の普及を図るには1炭素トン当たり4万5,000円の炭素税が必要となります。これでは皆様の理解が得られない可能性があります。では、技術を普及するにはどうすればよいかと考えましたのが、税収を補助金として環流しようというものです。民生・運輸部門に関しましてはインセンティブ効果も考慮しています。インセンティブ効果プラス補助金の効果で普及を促進する方策を検討しました。それも、できるだけ経済にマイナスの影響を与えない施策を考えましたのが、低率の炭素税と補助金の組合せです。 補足しますと、ご質問いただいたソーラー住宅の件ですが、今回は投資回収年数を3年としていますため、費用に見合う削減効果が得られなかったので、補助金の対象からは外れています。今回の計算では、1990年レベル2%削減を達成する対策ということで、補助金対象技術のリストを作成しました。1炭素トン当たり4万5,000円の補助金で削減効果のある技術が対象です。中長期的には、投資回収年3年では引き合わないほど初期費用が高いものでも、エネルギー効率の高い技術の導入を促進すれば、初期費用が安くなっていく可能性は大いにあります。計算は投資回収年を3年とした場合の結果であり、実際にどの技術に補助金を導入していかれるかは行政の判断が大きいかと思います。今回の結果は、数多くの対策の中で1つの選択肢を示したもので、この結果をたたき台にさらに議論をしていただければよいかと思います。
 今回の計算では、太陽光発電、燃料電池コジェネレーションなどは補助金の還流リストには入っていません。これらの技術がどの程度まで下がるかは今後考慮していきたいと思います。

○森嶌委員長 AIMモデルについて、経済学者がどう考えているか経済学のほかの委員から後でちょっとコメントをしてください。
 では、桝本委員。

○桝本委員 大変に難しいことをご努力いただいてご説明いただいて、それでもよくわからないところがありまして、大変失礼な形の質問になるかもわかりませんが、それはお許しください。
 まず第1に、6ページの真ん中の3つ、補助金ケースの上3つですね。これでこうやって税を掛けて価格効果を期待していたなというと、この中には、例えばオイルショックの後に、アルミ製錬がそうであったように、エネルギー価格が税によって上がることで、国内に存立するよりは海外に逃げてしまうというようなケースまでここで意味しているのかどうか、そこをちょっとお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 これは実は私の主張がございまして、私は日本のような国でこれ以上省エネを進めることの経済性は極めて低いものだと。したがって、もし国境という枠組みがなければ、エネルギーの利用効率の非常に低いところに我々がお金を費やして、その効率の向上をやることの方がはるかに経済的であるというふうに考えています。
 しかし、これは今の仕組みや国境という枠組み、そして京都議定書にかかわる周辺の制度でなかなか認定ができないような傾向にあると私は考えておりまして、私は本来であれば、中国や発展途上国のそうした国の効率の悪い技術に我々のお金を費やすことの方が、はるかに地球的にいいと。それができないのは我々の仕組みが問題であるというふうに考えているということを背景に、ちょっとそこをお伺いさせてください。
 実は、これは専門家でないゆえに非常に迷っていたんですが、きょう、インターネットで調べていましたら、ある方が、難しく言うとこういうことになるんだと思うんです。環境税導入の貿易対外投資への影響が全く考慮されていないという批判をウェブサイトでなさっているわけで、この辺はどういうふうになっているのかお教えいただきたいというのが1点です。
 それから、実際に例えば民生用で考えますと、価格によるちょっとした値上がりよりは、テレビのみのもんたさんの番組が一番いい例ですけれども、あれがいいとか、あれが環境にいいとか、体にいいというと、一斉に消費者は動くんです。つまり、既に環境省がおやりのラベリングとかエコラベルとか教育――長期的に見ますと、あるいは国民、消費者に情報を提供していくということの方が、私ははるかに有効であろうというふうに考えていることを背景にお伺いをしたいんですが、価格以外にそうしたラベリングや消費者への情報提供に伴う消費者行動の変化とその効果によるシミュレーション結果というのができないものかどうか、その2点をちょっとお教えいただきたいと思います。

○甲斐沼室長 どうもありがとうございました。
 技術選択モデルでは、生産量は外生変数として、外から与えています。あくまで同じ生産規模を維持するのに、省エネ技術を使えばどれだけエネルギー消費量が削減できるかを技術選択モデルでは計算しています。

○桝本委員 それともう1点、それに関係して、例えばエネルギーの価格はここ10年、20年の間に大変変動しています。道路ベースで見ればべらぼうに変動して、この変動した状況と現実の生産や価格効果と、このモデルを使うと過去の分析は非常にマッチするものなのでしょうか、しないものでしょうか。

○甲斐沼室長 過去につきましては、データが得られる範囲で整合性をとっております。本モデルは過去にどのような技術が行われてきたかもデータとして使っております。将来のエネルギー価格の変動は経済モデルで推計しています。エネルギー価格の将来の変動は考慮しています。
 エネルギー技術の選択にはコスト以外の要因もありますが、技術選択モデルではコスト最小化を評価基準とした時に、どれだけのエネルギー消費量あるいはCO2排出量の削減が達成できるかを計算しています。

○森嶌委員長 それでは、佐和委員。

○佐和委員 まず、桝本さん今、過去の動きがどれくらいしているのかということをおっしゃいましたけれども、一般に計量経済モデルなんか典型的にそうなんですけれども、過去の動きに関しては、99.9%までトレースするようなモデルをつくることは幾らでもできるんですね。ところが、それで1年先を予測するとまず当たらないというような、モデルというのはそういうものなのですね。だから、過去の動き、与えられたものにフィットするようなモデルをつくるということは極めて余計であると。
 それから、私はやはりそのモデルに対する評価というのは、細部は後ほど申し上げますけれども、やはり極めてネガティブなものですね。全体的にこのモデルの言うことが正しいということではなくて、幾つもモデルというのはあり得て、そのモデルによって結論が違ってくると。そして、そのときにモデルAとモデルBを使って、全く逆の結論が出てきたというときに、じゃあそのモデルAをつくった人、モデルBをつくった人が議論をして、どこがどう違うから、こういう全く逆さまな結論が出てくるのかということを議論して説明できなければ意味がない。そういう意味では、あまり巨大なモデルですね。例えば、かつて経済が不調で、世界モデルというので、恐らく連立方程式で1,000本を超えるようなモデルをつくって、日本の為替レートの変動を予測しようとしたなんてという、そういう意味では戦艦大和をつくるようなことをやったことがあるんですが、そういうときに、そこまでモデルが巨大になると、それはコンプリヘンシブではないんですね。
 ですから、完全にモデル自体はブラックボックスになって、いわゆる概成的な変数をインプットすればこういう結果が出ます。なぜそういう結果が出たんですかということを論理的に説明することはできないから、モデルがあまり巨大化するということは、これは危険であるということです。
 それで、私がお伺いしたいのは、補助金補助金と一言でおっしゃいますけれども、どういうルールで補助金を与えてらっしゃるのかと。つまり、さっき太陽電池とかおっしゃいましたけれども、ここに技術がこれだけあるわけですね。これだけの技術があって、これだけのいろいろな部門があると。この中で、どの部門のどういう金額の補助金を何に対して与えるのかということを、それは政府が何に基づいて決めているのかということ。その決め方によって、恐らく補助金の効果自体が量的に異なってくるのではないでしょうか。
 それから、やはり補助金というのはなるべくなら望ましいことではない。つまり政府の申請というか、政府が神様であれば、その政府は極めて賢い使い方をして、最も効果的な補助金の与え方をするでしょうと。しかし、少なくとも市場経済のもとでは、例えばここで得られた税収の使い道としては、例えば自動車の保有税を燃費効率のいい車の税率を減免すると、それをいわば税収不足分に充てるとか、つまり選択はあくまでも消費者に委ねるんだとか、あるいは電力で、今太陽電池でつくった電気は、要するに同じ値段で買ってくれたわけですね、25円なら25円で。ところが、韓国の場合でも1.5倍ぐらいの値段で買うというわけですね。ですから、そういうことです。では、その差額はもちろんそれは東京電力が負担するのではなくて、この差額はほぼ全部でそれを補うと。そうすると、今のように、太陽電池に対して補助金を配るというのは、それはそれで人手もいることですし、行政コストがかかるわけですね。ところが家庭、屋根でつくった電気を買うときに、それを1.5倍で買うというのは、これはコンピューターのプログラムをちょっとかえれば済むことで、全然コストはかからないというようなメリットであって、そういうふうに何かお金の、つまり税収の使い道、温暖化対策としての税収の使い道にもあまたあるということで、どういう使い方がいいのかということをご検討願いたい。
 以上です。

○甲斐沼室長 どうもありがとうございました。
 この技術選択モデルは、過去のコホートといいますか、技術がいつ導入されたかといった過去の履歴を考慮しています。これまでにどういった技術が導入されて、例えば10年後にどういった技術に置き換わっているかといった状況を調べているわけです。ブラックボックスではなくて、技術の積み上げモデルですから、どの技術に補助金を与えれば効果的かといった具体的な答えを示すことができます。

○佐和委員 それ単純に一言、言い忘れたんですけれどもね。要するに、むしろ、例えば炭素税を導入することの効果の一つとして、技術革新を促すということがあるわけですね。本当の話、ほうっておいたら10年先にしたら15年は技術が進み、三、四年で登場するとか、思いもかけないような技術が登場するということがあるので、そういう意味でここにリストアップされた技術というのは人間が決めているところにモデルの弱みがあるのではないかと思いますね。

○甲斐沼室長 ご指摘のとおりです。10年先、あるいは20年先には市場に入ってくるであろうと予想される技術が現在の技術リストに入っています。

○佐和委員 であろうというお考えの技術の論議。

○甲斐沼室長 そうです。現在、導入費用まで想定できる技術のみを対象としています。図を見ていただければわかるように、2010年以降は市場選択ケースでは省エネ技術の導入が進んでいません。これは2010年までに導入が進んだ技術よりも安価でエネルギー効率の良い画期的技術が2010年以降の技術リストに追加されていないからです。ですから、今は市場に入ってくれば、さらに二酸化炭素排出量は削減できることになります。
 先ほどのご質問の補足の説明ですが、Enduseモデルで考えております市場経済では、費用最小化を評価基準として技術が選択されます。一方、政府の方には、二酸化炭素排出量最小化という評価基準があります。しかし、市場では誰も、二酸化炭素排出量を最小化しようとして行動しているわけではありません。そこで、政府は二酸化炭素排出量を最小化し、市場は費用を最小化するという評価基準に適合するような技術選択を二段階最適化法という手法を用いまして計算しています。
 あと、政府が補助金を賢い使い方ができるかどうかというご質問に関連してお答えします。モデルでは、市場に入ることがほぼ確実な技術リストを使いまして1990年レベル2%減を達成するために必要な補助金の配分を推計しています。一つの解を提示しているわけです。これ以外のさまざまなシナリオや対策を評価する必要があるかと思いますが、少なくとも一つの解は得られているわけです。
 いろいろなモデルの結果を比較しながら政策担当者の方は施策を練られていることと思います。私どもは、AIMをコミュニケーションツールと呼んでおります。情報提供を行い、議論を活発化するための道具と考えています。今入手できるデータを用いて、整合性のある結果を帝京しています。

○森嶌委員長 先ほど私が佐和先生に質問したのですけれども、モデルは山ほどありますし、気候変動に関するモデルもさらに出てきています。AIMは、IPCCでも使われていますが、佐和先生はAIMをどういうものと――そんなに、上から何番だという趣旨ではありませんけれども、どのような評価をしておられるのでしょうか。

○佐和委員 世界でもエスタブリッシュされたモデルの一つであろうというふうに思います。

○天野委員 私もAIMモデルのことをそんなに詳しく知っているわけではないのですけれども、少なくとも従来型の計量経済モデルではありません。環境と経済の関係を分析するのに、通常の計量経済モデルはそんなに適していないというふうに私も思います。特に、きょうご報告のあった部分は、計量経済的な手法ではなく、技術データに基づいた技術選択のモデルで、しかも税収の使途の効果を計算するときには、温暖化ガスの削減を最大限発揮するような最適解を探すといった非常に技術指向型のモデルですから、需要の価格弾力性がどうこうという話は、この部分には入ってこないと思います。その点、ちょっとお聞きしたいのですけれども、さっきのパブリックコメントにもありましたし、きょうのコメントにもあったと思うのですが、エネルギー使用あるいはエネルギー消費の価格弾力性というのは、非常に小さい、格段に小さい、価格弾力性が小さいということは、大きな価格変化を与えても消費需要はそんなに反応してくれない。特に低い税率での価格面での効果が小さければ、つまりリッター当たり2円くらいの変化ではどんな効果を期待できるのか、ほとんど出てこないのではないか、といったご意見があるわけですね。きょうのご報告で何回か強調しておられましたが、ここではエネルギーサービス需要というものが与えられていて、それをどういう技術選択によって満たすかという発想で計算をされているわけですね。ですから、需要のほうでどれだけ減らせるかといった話ではなくて、与えられたサービス需要に対して、技術の方でどれだけ少ない炭素でその産出量を満たすことができるか、その結果でてきた答えがここにあると私は思うのですね。ですから、仮に需要の価格弾力性が小さいとしても、仮にそれがゼロであったとしても、ここに示された効果は100%出てくると私は理解していますが、その理解でよろしいですか。

○甲斐沼室長 先生のご指摘のとおりで、技術選択モデルは技術の積み上げで二酸化炭素排出の削減量を推計していますので、どの技術の導入を図ればよいかを具体的に示すことができます。経済影響に関しては応用一般均衡モデルである経済モデルを用いて推計しています。

○森嶌委員長 時間がもう来ておりますけれども、ほかにございませんでしょうか。
 それでは桝本委員。

○桝本委員 私は税、いかんと思っている立場なんですが、きょうは税の影響でした。税がなくてもやれるというシナリオの検討も、このモデルも使ってぜひおやりいただいて、これは若干冗談めいておりまして、皆様にどう写るかわかりません。ぜひお願い申し上げたいと思います。

○森嶌委員長 それから、私は法律が専門ですので、先ほど桝本委員が提起された問題について、一つだけお答えいたします。
 実は、地球環境問題というのは国ということを単位としない問題であります。他方、環境税というのは国というものを単位としているわけですから、そこでそれぞれの国が何%削減をしたいというときに、どういう施策をとるかというときに、環境税という手法をとるとすると、それは国を単位とするわけですね。その場合に、特に京都議定書によるものとしまして、日本が何%、どこが何%という目標を達成するため、それぞれが環境税というものを入れるとしますと、それはその国で何%、その国が国としてやるわけです。
 ですから、先ほど言われました、それなら外へ出るぞというときに、グローバルな企業なら外へ出るわけです。それは、経済の論理から言うと、出た方が安ければ出ることになります。電力のように、そこにいなければならないところは、もうそこにいるほかないわけですね。だからこそ、ヨーロッパ、EUというところでは、全体が一緒になって、その中で排出権取引を使って、炭素税より排出権を買ってきた方が安ければ、それを買ってくるというように削減費用のインパクトをなるべく平等にしたいということです。日本は地球環境問題心配だよと言いながら、経済も心配だよと言っているのが今の状態ですので、国の制度としての環境税が持っている問題点は、そういう市場経済の中で一種のジレンマですので、環境税が入ってきたら表に出るぞと言われても、それは経済の論理から言えば出ざるを得ないでしょうと、出られない企業だけが残るんでしょうと主張されるのであれば、これはもうしようがないわけですね。あとは、その企業が国の中に残ってどれだけ頑張るかという問題だというふうに思います。それが一つ。
 それからもう一つ、ここで議論をしているのは、環境税というのものが本当に経済的に見て、あるいは効果としてはどれくらいの効果があるかということを議論しているので、そのほかの手法がどれだけ効果があるかということは、ここは単に環境税だけをやろうというのではなくて、施策総合企画ですから、いろいろな施策について、どれだけの効果があるかということも議論するというのが、この委員会の役目です。地球環境部会で、これまでの対策がどれだけ削減の実績を上げてきたか、上げていないとすればどうすればいいかということを議論していただいていますが、いろいろな施策がありますけれども、環境対策税というものが、どれだけの効果を持ち得るのか持ち得ないのかということをここで議論して、効果を持ち得るのだったら、しかも経済的にあまりマイナスのインパクトを与えないで、コストミニマムとおっしゃいましたけれども、コストがかからないでできるのだとしたらどういう方法があるのかというようなことをインプットすればよいと思います。物すごくコストがかかるのだったら税という手法を施策として入れなければいいということです。そして他方で税もあるけれども、普及啓発もあるというなら、それも考えればいいわけですし、そのほかにもいろいろな施策があるかもしれませんし、もしかするとエンドオブパイプ規制が依然として一番効果があるというのなら、それも考えていいのかもしれません。あるいはもっとエネルギーの元のところで施策を立てた方がよいかも知れません。今国のエネルギー施策で、天然ガスにシフトするというのがありますけれども、エネルギー消費ではなくて、エネルギー供給のところでCO2の少ないようなエネルギー源にシフトする政策が中期的にはより効果的かも知れません。世界のエネルギー供給やコストの面でそのような施策に重点をおいた方がいいのではないかということになるかもしれません。これはもう、むしろ委員の方々にお考えいただくことですが、先ほどから言っておりますように、当面環境税による環境対策という議論をしておりますけれども、環境税についていろいろ検討したけれども問題があるので別の対策を考えたらどうだという結論が出てくれば、委員長である私としては、それを拒否するつもりは全くありません。しかし、検討を行う前から環境税はそもそも問題がある、あっちがいいのではないか、こっちがいいのではないかと言って、国民の皆さんの前に、検討もしないで結論を出してしまいましたということは、私としてはできかねるということを申し上げたいと思います。

○桝本委員 時間が過ぎてすみません。
 先生のお話は、今の約束と枠組みという意味では、おっしゃることはよくわかります。残念ながら、私は電力会社、発電所とかも持っていくわけにいかないものですから、これから税金とられないように気をつけないとと思うんです。私はぜひお願いを、EUがやろうとしている、今先生がおっしゃったこと、これはJIですけれども、ヨーロッパがやろうとしていることは、ヨーロッパの中の発展途上国を、ヨーロッパの中の先進工業国が支援をして一緒にやって効果を上げるということは始めていたわけです。我々はこの島国ですから、ちょっと枠組みを少しかえて、中国や東南アジアの国々にちょっと手を伸ばし、その仕組みは、結果としてグループとして認められるような枠組みさえあれば、同じ100億円を日本で使うには何倍もの、場合によっては10倍ぐらい効果が上がるところはすぐそばにあると、そのことをやはりしっかり検討し、その枠組みの政策を皆さん政策当局でご努力いただく。したがって、私から見ると、どうも税金ばかりでうまくいかないと。そちらの枠組みをかえて、よい資金や人材、資源を有効に活用するという策が、私はおろそかになっているように思えてしようがないんです。そういうことがあるので、ぜひ先ほどは強いことを申しましたが、ぜひその辺の配慮を賜りたいと思います。

○森嶌委員長 私の研究所でも、例えばCDMをどうするかの研究を行っています。それからちょっと話は横にそれますけれども、EUが今東欧諸国をEUに取り込んでこようとしているのは、EU先進国の削減コストを下げようという意図があるようです。東欧諸国を取り込んで、しかも日本などをCDMから排除しようというのは、もっぱらEUがグループとして自分たちのコストを下げるためにやっているわけですから、日本はだんだん囲い込まれるのではなくて、外へ追い出されつつあります。そのためには日本は日本で自衛策をとらなければならず、我々はそうした動きにも備えて頑張っていかなければならないわけです。
 では、特になければこれで終わりたいと思います。よろしゅうございましょうか。

○平尾委員 ちょっと一言よろしいですか。
 今のお話でぜひお願いしたいのは、委員の方で検討された結果について、フィージブルかどうか、人が単に機械的に計算して、これでいいからというのではなくて、現実的に本当にいくんだろうかと、6年もですね、そういうフィージビリティーについてこの中でどういう議論をされたのかというのをもう少しオープンにしていただきたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

○森嶌委員長  それでは、第3回目は今後専門委員会で主要論点について説明を受けながら議論を続けてまいりますが、次回からヒアリングを行いたいと思います。次回は2月20日金曜日、10時からでございます。場所はここと聞いております。それでは、どうぞご出席をよろしくお願いいたします。第4回目は3月26日金曜日を予定しております それでは、これで時間を10分ほど超過いたしましたが、本日はありがとうございました。

午後 4時12分 閉会