■議事録一覧■

中央環境審議会 総合政策・地球環境合同部会
第13回地球温暖化対策税制専門委員会



<日時> 
 平成15年8月18日(月)14:02〜16:02

 
<議事>

午後 2時02分 開会

○飯野委員長 定刻となりましたので、ただいまから地球温暖化対策税制専門委員会第13回会合を開催したいと思います。
 さて、本日と次回27日の会合では、本専門委員会としての報告をまとめていきたいと考えております。
 前回のワーキンググループからの報告を受けての議論を踏まえまして、私の方で報告の素案を用意いたしましたので、本日はこれについて委員の皆様にご意見をいただきたいと考えております。
 本日の会合は16時までの予定でございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、事務局の方から資料の説明をお願いいたします。

○事務局(西村) それでは資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の黒いクリップでとめてある資料を外してご確認いただければと思います。
 まず、表紙をおめくりいただきますと、議事次第と資料一覧でございます。
 次に、資料といたしまして、温暖化対策税制の具体的な制度の案でございます。次に専門委員会報告別添資料といたしましてワーキンググループの報告でございます。そして最後に、参考資料といたしまして、委員の方々の名簿でございます。
 以上です。

○飯野委員長 ありがとうございました。資料の不足等ございませんでしょうか。ありませんでしたら議事を進めさせていただきます。
 本専門委員会としての報告の取りまとめについてでございます。前回の委員の方々のご意見も踏まえまして、私の方で報告の素案を作成いたしました。前回も申し上げましたとおり、ワーキンググループ報告はかなり専門的な内容となっておりましたので、その方向性は踏襲しつつも、国民向けにもう少しわかりやすい形で温暖化対策税の具体的な案について示すものとしたいという考え方に基づきまして、前回のご意見も踏まえまして作成したものでございます。まず、これについて事務局からご説明をお願いいたします。
 また、前回のご意見では、ワーキンググループ報告について加筆した方がよいと思われることもございました。これにつきましては、私の判断でワーキンググループ報告に加筆を行いましたので、これについても事務局から報告していただきたいと思います。
 それではよろしくお願いします。

○小林審議官 失礼いたします。それでは、今の委員長のご指示に従いまして、お手元にあります縦長の方の「資料」という方についてご説明を申し上げます。
 まず、ページをめくっていただきますと目次が書いてございます。委員の名簿等省略いたしますが、「報告の取りまとめに当たって」というところから始まりまして、25ページの「おわりに」というところまでの構成になってございます。
 「報告の取りまとめに当たって」は、この専門委員会の趣旨だとか、あるいはこのアウトプットについて国民の議論を呼びかける内容になってございますので、後ほどご説明いたします。
 そして、制度の案につきましての具体的な内容につきましては、5ページから始まりまして、恐らく21ページぐらいまでを掲げておりますが、中身といたしましては、国民の方々に訴える、ご議論をしていただく、こういう趣旨でございますので、国民の方々がよく考えられますご質問に沿いまして全体の項目をまとめております。
 ちなみに、例えば申し上げますと、なぜ温暖化対策税を検討するのか、あるいは何について課税をするのか、あるいはこれは一例でございますが、対策を積極的に行った人もなお税を払うのか、あるいは税収の使途は何にするのか、あるいは、似たような税があるけれども、その上になぜ温暖化対策税を検討するのか、こういったような論点でございます。またあわせて、この温暖化対策税といったものを導入した場合の経済への影響についても6番として書いてございます。
 さらに、今回のこの具体的な制度の案につきましては、前回のワーキンググループの報告に比べますと、ワーキンググループグループの報告ではいろいろな代替的な考えられる事項、例えば税率につきましても、あるいは課税の段階につきましても、実は本文の中に埋め込まれておりました関係で、読んだときに全体の流れがよくわからない、こういう議論もございました。そういう趣旨でございますので、実は今申し上げました6番、18ページが終わりますと21ページまでですか、この部分までにつきましては基本的には1つの案について書かれております。それ以外の代替的な案につきましては、番号が振ってございませんけれども、大きな字で「代替案の検討」というところにくくっております。これにつきましても、後ほどごらんいただきますように国民の方々のご意見を伺う、これは前回専門委員会でもそういうご指摘がありましたけれども、それに沿った内容となっております。
 そして、最後に「おわりに」ということで、この制度の案いかんによらない、いずれの制度であっても必要な検討事項、特に政府に対する注文といったようなことがここに「おわりに」として一括をされています。こういったような全体の構成になっております。
 それでは、「取りまとめに当たって」ということで、国民に対する呼びかけ文がございますので、いわば前書きでございます。ここをまずご説明申し上げたいと思います。2ページからでございます。
 まず、最初の○におきまして、ご案内のとおり温暖化対策についてはステップ・バイ・ステップのアプローチで検討している。そして追加的な対策が必要だと判断された場合に、すぐ具体的な仕組みの提案ができるようにあらかじめこの専門委員会で検討を行ッて入るという趣旨が書いてございます。
 2番目の○でございますけれども、14回の会合をこの専門委員会が重ねて、そしてさらに、この中にワーキンググループを設けて集中的に検討し、報告案をまとめたのだけれども、このままではやはり専門的かつ長大であるということで、国民に向けた一層簡潔な提案を取りまとめることとしたということで、この縦長の紙の趣旨が書いてございます。
 次に、3つ目の○でございますけれども、これは結論的には3ページの上の方に書いてございますけれども、この温暖化対策税を含みます今後の温暖化防止のため政策というものが国民に深くかかわりのあることでございます。国民皆で考えて合意形成を図っていくべきものであるということで、国民各界各層の幅広い議論を期待をしたいということが書かれております。
 そして、そうしたものとしてこの具体的な制度の案という問いかけが行われるわけでございまして、最後の○に書いてございますように、この報告に対するご意見を審議会に寄せていただきたい。審議会といたしましては、ご意見を踏まえてさらに検討を深めたいという今後の流れについて書いてございます。
 次のページをお開きください。4ページにつきましては、今申し上げましたこの専門委員会の検討の経緯、14回に及ぶ会合の流れが書いてございます。それぞれ節目節目に取りまとめを行って公表している流れが書いてございます。
 5ページからが本論でございます。「国民による検討・議論のための提案」ということで、1番が「温暖化対策税の特徴」もう少し平たく申し上げますと、「なぜ温暖化対策税を検討するのか」ということが記述をされております。全体は5ページに始まります(1)から、ずっといきましてそれが8ページまで続いておりまして、8ページから(2)ということで、「課税することと排出削減との関係」というのをさらに8ページ以降に書いてございます。
 5ページから8ページまでの部分は、いわば温暖化対策税という政策手法の性格をほかの政策手法と比較して記述をしているところでございます。ワーキンググループの報告の中でも冒頭にあったものでございます。
 最初の・でございますけれども、これももうご案内のとおりでございますが、京都議定書の約束の達成というのは決して容易でない。さらにその後も長期にわたる大幅な排出削減がいわば1世紀続くような形で続いていくということが書いてございます。
 そして次の・で、このような厳しい変革を成し遂げるに当たっては、規制あるいは自主的取り組みといった現行とられている施策、あるいはその強化だけでは限界があるのではないかということで、その理由が書いてございます。これらの施策のもとでは、一部の者だけが対策を担うこととなり、特に重要性の高い一般家庭や自動車利用のような小規模多数の発生源には対策の動機づけができないというという問題があるというようなこと。また、自主的取り組みについては効果を確実に見込むことができない、あるいは自主的取り組みを支援するための経済的助成措置にも財源に限りがあるといったような問題が書かれております。
 そういうことでございますので、5ページの下にございますように、規制などの従来の施策に加えて、新たな発想に基づく施策が必要だということでございまして、すべての人や企業に対して動機づけを与え、それぞれの創意工夫による合理的な対策を促して、対策を社会全体で担っていくような、そういった形が大事じゃないかということで、7ページにまいりますけれども、そうした施策の仕組みといたしまして、国民に身近な市場の力を積極的に活用する経済的手法、なかんずく温暖化対策税について提案をしているものでございます。
 温暖化対策税につきましては、ここでその働きを簡単に書いてございます。3行目からでございますが、温暖化対策税については、地球温暖化の原因となる温室効果ガスまたは化石燃料に対して課税することによりまして、事業者であれば設備の導入・更新時期、あるいは一般家庭であれば自動車を買いかえる、あるいは電気製品を買いかえる、家を建てかえる、リフォームする、そういった際により省エネ型のものへと代替するように促す。そして化石燃料の使用、あるいはその結果として燃やされますと温室効果ガスが出る、こういうことでございますが、その排出を控えるように促すものだという、その働き方の仕組みが書いてございます。さらにそれに加えまして、省エネ技術の開発促進の動機づけということにもなってくる。言いかえてみますと、地球をよごさないようにするための費用を幅広い経済社会主体に今以上に適切に負担してもらうための仕組みではないだろうかということが書かれております。
 それで次の・に、以下は課税による価格インセンティブ効果という言葉を使っておりまして、ちょっとややこしいのでできたらこの言葉を使いたくなかったのですが、書きますと長いので、以下その言葉を使っておりますが、一たん括弧書きでその中身を書いてございます。値上がりした物への支出を抑えるため、その物の使用を節約できるよう対策を実施しよう、との動機を高める効果を通じて温室効果ガスの排出を削減するということが期待される、これが第1の大きな温暖化対策税の役割でございます。
 他方、「また、」ということで、別の役割が書いてございますが、この課税により生ずる税収というものは、さまざまな政策目的、これは環境以外の目的でももちろんいいわけでありますが、その達成に向けて国民のために活用し得るものでありますけれども、その政策目的の1つとして、例えば温暖化対策を進めるために活用すれば、これによりまして温室効果ガスをさらに削減し得るという2番目の機能も期待できるということがここに書かれております。
 細かい説明は以上でございますが、ワーキンググループ報告ではさらにいろんな効能、役割が書いてございます。それを1番から6番に囲み記事として書いてございますが、税の利点は以上のようなものがあるということでございます。
 8ページでございますが、念のためでございますけれども、これもワーキンググループ報告にありましたとおりでございまして、温暖化対策税は既に欧州では導入をされているということ、また我が国におきましても、環境負荷の大きな自動車については自動車税を重課する、税率を高くするという仕組みが既に導入をされておりまして、温暖化対策税のような考え方が部分的には実行に移されているということが書かれております。
 (2)でございますけれども、「課税することと排出削減との関係」ということでございまして、先ほど申し上げました(1)は、どちらかといいますと温暖化対策税の性格を書いているところでございますが、もう少し具体的に、これが排出抑制にどうつながるかということを記述しようと試みた部分でございます。
 まず、最初の・にございますように、温暖化対策税は、対策を導入するように後押しするための、つまり税がかかれば自動的に何かCO2が減るというものではなくて、対策の後押しであるということでございます。
 そうなりますと、実際に後押しされる対策は技術としてはもうあるのかと、こういうご質問になるわけでございまして、それの点検を次の・でしてございます。
 細かい字になりますけれども、太陽光発電等々、既存の技術でも、これを大幅に何らかの施策によって導入をされれば、その削減の可能性も十分あるのだということが2番目の・に書いてございます。
 3番目の・に、しかし問題は、どうした施策でこういった技術を導入をするようにしていったらいいのだろうかということでありまして、現時点でのエネルギーの価格あるいは対策技術のコストのもとでは対策を実施する方が高くつくというような場合には、啓発だけではだめですねと。また個々の排出者に対してきめ細かく規制を強化する、具体的にこういう対策をしなさいということを規制として担保するのも到底できないでしょうということがかいてございます。
 しかし、それじゃ手がないということではいけないわけであります。9ページの一番上に書いてございますように、現在でも毎年1兆円規模の政府支出を伴う積極的な施策が実施をされておりますけれども、現在の排出量は90年レベルを超過している、こういう状況でございまして、見直しの結果、官民による温暖化対策の取り組みや投資をさらに増加させるために、今以上に強力な施策展開というものの必要が出てくる可能性が高いということが書かれてございます。
 そのときに、ここで課税することと排出削減との関係を書いてございますが、施策の実効を上げるには、2行目でございますけれども、化石燃料の価格を上げて、3行目に飛びますけれども、省エネのための製品や設備の経済的な魅力を高め、エネルギーを今以上に大切にするよう、広くかつ自然に促すことが1つの有効な方法となるのではないだろうか、これが経済的な手法ですよということが書かれてございます。
 なお、そういった文章ではわかりにくいところを、絵解き版で9ページの後半に書いてあるとおりでございます。
 そして10ページでございますが、ここから制度の本論でございます。中核的な部分でございます。
 まず、「税の性格、課税要件」ということで、問いでいいますと「何について温暖化対策税を課税し、だれが納付をするのか」、こういうことでございます。
 まず、最初の・にございますように、税の役割、これは先ほどのところでは大きく分けて2つのことが書いてございました。課税による価格インセンティブ効果を通じてCO2の排出を削減すること、もう1つは税収を温暖化対策に活用することによってCO2の排出を削減すること、こういうことであります。この2つのいずれの機能を果たさせようとするのか、あるいはその2つをともに達成させようとするのか、これは今後の議論、この報告書の後半の議論でありますから、ここではそれをプレジャッジしないで、そのいずれの機能を果たさせることとしても、以下、ここに書いてございますように、CO2または化石燃料を対象とし、その排出者・消費者等に対して、その排出量・消費量に応じて課税をすることが適切である。いずれの2つの機能を頼むにしても、その結果は同じであるということが書かれてございます。
 ちょっとわき筋ですが、注で、CO2のうち非エネルギー系のCO2あるいはそのほかの温室効果ガスについては、もし課税をするということであれば別途の制度設計が必要であるということが注で書いてございます。
 そして、この10ページの後段の・でございますけれども、具体的な課税の時点、課税の段階の選択について1パラグラフ書いてございます。重要ですのでそのまま読みますが、「課税を行う時点の選択に当たっては、他の施策手法との組み合わせやすさ、課税による価格インセンティブ効果が働く度合いも重要であるが、課税事務の執行可能性も含めて考慮が必要である。これらを総合的に勘案すると、以下のような化石燃料の最上流課税又は上流課税が有力な候補となる。」ということでございます。
 なお、ワーキンググループでは、ここのほかに代替案が書いてございましたけれども、この課税をハイブリット型、もう少し下流課税の利点も生かせないかという検討をしてございます。これにつきましては明示的に代替案として取り出して、後半、22ページにおいて記述をしてございます。後でご説明を申し上げます。
 11ページでございますが、次の論点といたしまして、同じ制度論の中でも重要な税率の水準についてでございます。これにつきましては、11ページの頭の・の3行目に書いてございますように、2004年時点での大綱の評価・見直しを行って、その結果を踏まえて、仮に税を入れるにしてもそうした税率の水準というものが決まっていくわけでございますが、その際どういうふうな決定過程をたどるだろうかということが、例えばということで書いてございます。
 例えば、これまでの施策の継続や強化によっては、京都議定書の6%削減約束を達成するための十分な削減量が見込めない場合に、新たな追加的な施策として温暖化対策税だけを導入し、その課税による価格インセンティブ効果だけに必要な排出削減のすべてを担わせる、そういった場合には最も高い税率となるでしょう。これに対しまして他の追加的施策、これは規制とか自主的取り組みを一生懸命やるのが前提でございますから、なかなか弾がないわけでありますが、他の追加的施策もあわせて導入することになるとすれば、相対的にその税の部分は低い税率で少ない排出削減を担うと、こういうことになるだろうということが書いてございます。
 それで、その中の選択として次のパラがございます。絞り込みをしておりますが、これもワーキンググループ報告にあったとおりでございますけれども、税は国民に経済的な負担を求めるものである以上、必要最小限のものであるべきである。さらに現下の経済や雇用の情勢を踏まえると、高い税率のものとして、経済の姿を劇的に変えることは余り現実的な選択ではないでしょうということで、このため、本専門委員会としては、相対的に低い税率の温暖化対策税を導入してはどうか。そして、それでは削減効果が不足するわけでございますが、その不足する分は、この税の税収を前提とした助成措置を含む、ここはまだ税収をどう使用するかは書いておりませんので、それを含む何らかの施策をあわせて導入し、これらの施策の全体として、パッケージとして、京都議定書の6%削減約束を達成するために必要な排出量を確保する、こういうこととしてはどうかと考える。これにより現在の産業構造など、今ある経済の姿を余り変えることのない施策とすることができるのではないかということが記述されております。
 なお、これにつきましても、ご案内のとおりワーキンググループ報告におきましては、もっと高い税率にしたらどうかというご議論がございました。これにつきましては、これも明示的に代替案として、この中に混ぜるのではなく、代替案として巻末に出してきて、そして国民の意見を聞くという形にしてございます。
 なお、上流課税ということに伴いまして、前回の専門委員会でもご議論がありました、その部分を紹介してございますが、最後の・であります。温暖化対策税は、化石燃料の最終消費者において対策を実施させる動機づけとなることを意図した税であるため、最上流または上流課税であってもといいますか、そうだからこそと言ったらいいのでしょうか。化石燃料の最終消費者が税の負担を感じるような仕組みについて検討をすべきである。
 同じ趣旨でございますけれども、納税義務者と、それに異なる者が源泉徴収義務者、特別徴収義務者といった形で税を納付するケースがございますが、温暖化対策税では、3行目にございますように、最上流課税の場合は輸入者あるいは採取者、上流課税の場合は製造者が税を納付することが普通考えられるところでありますけれども、先ほどのご議論にありましたように、この税の負担が化石燃料の最終消費者に円滑に転嫁されるよう図るという観点では、納税義務者をどのように設定するかも今後さらに検討する必要があるのではないかということを付言させていただいております。これは最上流課税、上流課税に伴う検討課題ということができるかと思います。
 次に3番目でございますが、「税負担軽減についての考え方」ということで、問いの方では例として、対策を積極的に行った人や企業も、なお税金を払うのかという問いを立てておりますが、それ以外にも、この四角に囲っておりますように、税の趣旨に照らしてそもそも負担を軽減すべきもの、例えば温室効果ガスを排出しない、あるいは税でございますから、担税力が全くなくなってしまうというようなこともいけないわけであります。あるいは温暖化対策をうまく進める観点から負担を軽減すべきものというようなことで、幾つかここに書いてございます。
 例えば2番目の○を取り上げますと、温暖化対策税を他の施策手法と組み合わせて導入するような場合には、その他の施策のもとで成果を上げ得るといったようなものは税を二重当たりにすることはないのじゃないでしょうかというようなことが書いてございます。
 4番でございますが、そういった温暖化対策税自体の制度の減免といったこと以外に、税収を積極的に使うということについてのご議論が4番でございます。
 税である以上税収目的があるわけでありますけれども、それが直ちに特定財源化を必然的に目的にするような税であるというふうに誤解を受ける可能性もございますが、ワーキンググループでありましたように、また専門委員会でありましたように、そうではないわけでありまして、そこには考えがあるわけであります。その考えについて説明をしてございます。
 最初の・にありますように、これまでの施策の継続あるいはその強化に加えまして税を導入する。しかしそれが、2番にあります、先ほど11ページにありましたように相対的に低い税率の税として、専門委員会の1つの点はそれでございますが、登場するということになりますと、そうした税だけでは京都議定書の目標を達成するまでの削減を見込めない可能性がございます。そうした場合には、この最初の・の下から4行目でございますけれども、温暖化対策を行う人や企業に対して、当該対策を行う場合に、これは規制とかそういうのは打ち尽くしているわけでありますので、そうではなくて新たな補助金を出したり、温暖化対策の促進につながるように、ほかの税も含め、減免等の新たな負担軽減を行うといった他の施策をあわせて実施することは考えられますが、次の・にございますように、その追加的な施策を行うに当たっての追加的な財源というのが必要になりますけれども、これは既存の財源から温暖化対策へさらに振り向ける、現状よりも上積みするということにはおのずと限界がございます。そうなりますと別途新たな財源を確保するということが必要になるわけであります。
 それで、そのことに関しまして、3番目の・でございます。例えば所得税や法人税、あるいは消費税そのほかの税を増税し、その税収にその新たな財源を求めるということも考えられますけれども、このことはしかし、地球温暖化問題への責任の大きさを踏まえた公平な負担にはならないという点で、この問題への対応としてはなじまないのではないか。さらに、これらの税による場合には、課税の標準が環境負荷ではございませんので、環境負荷に対応して課税するものでないため、対策実施への価格インセンティブ効果も期待できないという欠点がございます。
 したがいまして、本専門委員会では、これはワーキンググループ報告ではというのが前回の報告でありましたが、本専門委員会では、温暖化対策税により一定の税収が生じることに着目し、この税収に見合う額の資金を活用し、温暖化対策のための補助金や他の税の減免措置などを行うこととして、税収の使途についての考え方を検討したということにしてございます。これは、ここでは、その税収は直ちに目的財源化するとかいうことではございませんで、一般会計を経由するような、次の・にあるようなことも考えまして、「この税収に見合う額の資金を活用し、」と書いてございます。
 その趣旨がさらに13ページの最後に書いてございますが、仮に税収を温暖化対策に活用することとした場合、その具体的な仕組みは、確かに目的税、特定財源として特別会計に繰り入れるということも考えられます一方、一般財源として一般会計に繰り入れる、あるいは他の税の減税財源として温暖化対策に活用するというようなことでも同様の効果を発揮し得るわけでありまして、そういった目的税あるいは特定財源特別会計ということは必須のものであるというふうには書いておりません。
 しかし、いずれの仕組みによりましても、これもご議論があったところでございますが、世の中の納得が得られる透明な使い方とすべきである。また、府省の所管にかかわらず効率的で確実な削減につながるような対策へ支援を行う、こういうことを基本としていくべきではないかということが書かれております。
 さらに、具体的にそういうことでどんな対策を進めていくのか、これは残念ながらレビューをしてみないとわからないわけでありますが、右のページ、これはワーキンググループの報告からとってきたものでございますけれども、いずれにしても何らかの資金を用いて今以上に促進されるべき具体的な対策というものは、我が国の今後の発展にとっていずれも極めて重要な意義を持つ対策技術等でありますということが書かれております。
 それから最後の・でありますけれども、地方公共団体が対策を実施するということが求められる場合には、その地方公共団体の財源の確保を図るため、この温暖化対策税の税収の一部を地方の財源とする必要があるということが書かれております。これもワーキンググループ報告にあったとおりでございます。
 16ページが既存エネルギー税との関係についてでございます。問いで見ますと、「化石燃料に対する税としては既に石油石炭税や揮発油税があり、これらの税によるCO2抑制効果や、これらの税の税収を温暖化対策に活用することも考えられるのに、なぜ温暖化対策税の検討を行っているのか」ということでございます。
 石油石炭税や揮発油税などは、温暖化対策でない別の、最初の・にございますように、別の社会経済的な目的を実現するために課税されている。その課税の考え方もCO2に着目したものではない。しかし、燃料価格を引き上げているという点では結果的にはCO2の排出抑制効果も持っております。
 しかしながら、2004年の評価・見直しにおきまして、こうしたインプリシットな炭素税といいますか、CO2排出抑制効果を持っている税による効果も含めてレビューを行って、既存の施策では不十分だ、こういうことになって、追加的な施策の導入が必要となる。そういうことになりますと、またさらにその際、その追加的な施策として燃料価格を政策的に引き上げて省エネ対策、新エネ対策を促すのだ、そのために課税という手段を使うのだ、こういうことになりますならば、少なくともその化石燃料に対する課税に関しては、ある程度の強化というのは避けて通れないだろうということが書いてございます。
 さらに、単に課税面だけでございませんで、財政支出の面でも検討を要するわけでございます。温暖化対策税の税率が低率の場合、それだけでは削減量を確保できない、対策への新たな助成も他方必要だ。そうなりますと追加的な財政支出の検討を要するわけでございます。これが既存税とどういう関係にあるかというのが次の16ページの下から2つ目の・にあるとおりでございます。
 ご案内のとおり、既存税の税収の使途としても、一部温暖化対策となるものが実施をされる、あるいは助成をされている、こういうのも事実でございます。このことも考慮する必要があります。しかしながら、既存税の税収による温暖化対策の内容には、それぞれの税の趣旨・目的から来る制約がございます。また温暖化対策として考えられる範囲を、そういうことでございますから、すべてカバーしているわけではない。また、内容は別として規模を考えましても、京都議定書の6%削減約束を達成するための財源として、規模自体が不足をするという場合も考えられます。
 そういうことでございますので、以上、課税面、支出面を考えますと、2004年の見直しの結果、既存のエネルギー諸税に加えまして、温暖化対策税を導入し、その税収を温暖化対策に活用するというふうに考えられることも大いに考えられるわけでございます。しかしながらこの場合、ただ単純に既存税にこういった温暖化対策税が乗っかるということではなくて、今申し上げました課税面あるいは使途の面についての関連というのがございますので、例えば既存税の税収により行われる温暖化対策との役割分担といったような考え方を整理をいたしまして、調整は必要だということが17ページの冒頭に書いてございます。ただ、具体的な調整のあり方につきましては、温暖化対策税の細目が固まった段階で改めて議論をすべきであるというふうに書かれております。
 引き続きまして、18ページ、19ページ、そして20ページまでの経済影響についてでございます。これはいかなる税によりましてもそれほど変わらないのでございますけれども、一応、しばしば聞かれますので本論の中に収めてございます。
 18ページの2番目の・にございますように、今後予想される税の効果と影響について、大づかみのイメージを得るための試算を行ったということで、次のパラにありますように炭素トン当たり4万5,000円の高い課税の場合についてのケースと、次の「また、」以下にございますようなトン当たり3、400円の比較的低い税率の課税の場合とを、それぞれ経済影響で比べております。ちなみにこの両案につきましては、19ページの一番上に書いてございますように、CO2の削減効果上は差がないものでございます。
 また18ページに戻りますと、真ん中の2005年から炭素1トン当たり約4万5,000円の課税を行った場合は、2行飛ばさせていただきますが、2010年ごろのGDPは何も追加的な対策を行わなかった場合に比べ、0.16%程度引き下げられる。これは国民の方々によく読んでいただくために、ちょっと誤解があるので、丁寧に括弧書きで、ワーキンググループ報告でなかったことをつけ加えさせていただいておりますが、追加的な対策を行わない場合のGDPは、2000年比では、2010年時点で約15.2%の伸びとなると予測されるところ、これがこの温暖化対策税、特にこの4万5,000の高率課税をした場合の伸びが多少落ちるわけでありまして、15.2伸びるところが15.0になるということがここで説明をされております。また、3,400円のケースでは、このGDPの伸びの低下、伸びが圧縮する部分は0.06%だということが書かれてございます。
 19ページの方の2番目の・でございますが、予測される経済影響についての評価が書いてございます。2行目にございますように、決して非常に大きなものではないだろうということが書かれておりまして、その理由が「すなわち、」以下に書かれております。ご案内のとおりでございますが、マイナス成長になってしまった石油危機の場合と比べ、税による値上がりに見合う資金が国内にとどまる、そして国内で有効に使われるということで、そもそも論としてみますと、マクロ経済に大きな影響を及ぼすことはない。
 また技術面を見ても大分違っておりまして、石油危機のときと異なり、エネルギーを節約する技術が豊富にあるため、特に税収を温暖化対策に活用したような場合には、経済活動を小さくしてまでエネルギー代を節約せざるを得ないということではなくて、省エネ設備などの投資をふやすということで値上がりに対応するということができるということであります。
 そして、そういうことでございますから経済は小さくならないわけでございますし、さらにその投資が経済を拡大する効果自体を発揮するということもあるということが言えるわけでございます。モデルの試算におきましても、一部分の業種においてはむしろ生産が増加するという予測がなされております。
 こういったマクロ経済費用みたいなものについては、モデルでは予測をしておりましたけれども、次の・でございますが、この前提といたしまして税収は非常に効率的に配分される。これはこの間の専門委員会でもご議論があったところでございます。政府がやることでございます、あるいは国民の方が参加して議論しても、必ずしも効率的に配分されるとは言いがたい点もあります。これは逆に経済的な非効率の原因ですが、逆に今度は、むしろ温暖化防止の取り組みをきっかけに新しい省エネ技術等が発展していくというようなダイナミックな変化はこのモデルでは見込まれておりません。そうした正負のことを通じて見ますと、むしろこの試算による影響の値というのは実際にはさらに小さなものともなり得るのではないかということが書かれております。
 また、雇用面についても検討しておりますが、いずれも変動幅は0.1%前後の範囲内、高い課税の場合には若干のマイナス、低い課税の場合にはむしろプラスということが予測をされております。
 そして、課税を強化する余地があるだろうかということが次に書いてございます。OECD諸国の中ではエネルギー課税の水準は中位であるということで、エネルギーをもっと大切に取り扱うような方向で税を活用する余地はあるのではないか。
 また、翻って見ますと、もともと化石燃料資源を国内に持たない日本の経済というのは、エネルギーを節約して、かわりに人の労働や知恵を活用して発展するほかない。今後、化石燃料の使用に関する制約がさらに強まっていくというのは、国際的にも趨勢でございます。わが国は、そうであれば先んじて方向転換を行って、先行者利益を確保すべきではないだろうかということが20ページに書かれてございます。
 以上が本論でございますが、22ページからは代替案として、(1)の方、22ページにございますけれども、課税の段階についての代替案、そして23ページに課税の水準についての代替案が書かれてございます。
 まず、課税の仕組みについてでございますが、これも前回の専門委員会でもご議論があったところをそのまま書いてございますが、温暖化対策税の導入の趣旨に照らして、省エネ対策等の促進効果を最も強く発揮させようとすると、省エネ努力の大小に応じて納税額が極めてわかりやすい形で増減する仕組み、すなわち、実際に化石燃料を燃やしてCO2を排出する人々か、あるいはこれらの人々に燃料を販売する小売の方ですね、その者が税を納付する仕組みというのが望ましいという意見もございます。そうした仕組みであれば、ほかの施策と組み合わせて税を導入する場合、あるいはそのほかにもいろんなご事情があろうと思いますが、個々の化石燃料の消費者の事情に応じて温暖化対策税の減免・還付も行いやすいという利点もあわせてあるわけでございます。
 それに対する検討でございますが、しかしながらということで、たくさんある世帯や事業者ごとにCO2の排出量あるいは化石燃料消費量を直接に把握する、あるいは納税される申告の真偽をチェックする、これはもう大変な事務量となってしまって実務上大変困難が大きいということで、ワーキンググループにおきましても、実は全面的な下流課税案ではなくて、一部下流課税案というのを検討しているわけでございます。このことが紹介をされております。
 上記のようなメリット、つまり一番最初の・に書いてあったようなメリットを一部でも生かすという観点から、2行目の「すなわち、」以下でございますが、税以外の他の追加的な施策の主な対象となると目されます大口の消費者、例えば工場、オフィスにつきましては、その化石燃料消費量が直接に把握できるということから、そこの方々による申告納税とする。他方、小口の家庭や商店、事務所、自動車等々につきましては、化石燃料や電気、そういったものについて上流課税をしていく、そういう組み合わせのハイブリッド型はどうだろうかという案でございます。これは現実的な案として考えたわけでございます。
 この場合の難点は、最上流または上流での課税と下流での課税との間での漏れが生じたり、二重課税になってしまうという、そういったことを避けるためにある程度割り切りをする。そうしますとある程度公平性が犠牲になるということが欠点としてございます。
 そういうことを考えまして、23ページの一番最初の・にございますように、ワーキンググループ並びに本専門委員会としては、ハイブリット型課税と比べた上で、化石燃料の流れの最上流または上流で一括して課税する案を最も有力な候補といたしましたという趣旨
が書いてございます。
 しかし、課税段階に関するこういう考え方については国民の意見を聞きたいということで、中央環境審議会に寄せてくださいということが最後に書いてあるところでございます。
 続きまして(2)の「税率の水準についての代替案」でございます。
 最初の・は、先ほどご説明しておりました21ページまでに書かれていることを煎じ詰めて書いてございます。
 相対的に低い税率の温暖化対策税にし、そしてCO2排出量の削減が不足する分については、この税の税収を前提として新たな助成措置をあわせて導入し、これら施策の全体として必要な削減量を確保する。これによりまして現在の産業構造など、今ある経済の姿を余り変えることのない施策としたらどうだろうか、こういうことでございます。
 しかしながら、十分に高い税率とすることができれば、次の・でございますけれども、温暖化対策税を課税することによるインセンティブ効果で、それだけ十分な効果が得られるということで、助成のための追加的な財源を要しないということになろうかと思います。
 「すなわち、」ということで書いてございますけれども、高い税率によりまして化石燃料の価格が十分に高くなれば、おのずと省エネ設備などが行き渡るので、さらに省エネ設備などへの助成を行う必要も少なくなる。こういうことでも必要な排出削減が達成できるわけでありますが、他方、こうした場合は産業構造など、経済の姿は相当急速に変わる、大きく変わるということが考えられます。したがいまして、こうした場合には、高い税率とする一方で、それに伴う、下から3行目でございますが、経済への影響を緩和するために、あるいはより広いほかの社会経済的な目的のために税収を活用したり、他の税を減免したりということも検討する必要が生じるのではないかということで、中央環境審議会といたしましては、23ページの下から24ページにございますように、課税による価格インセンティブ効果だけで相当な排出削減量を確保できる高い水準として税率は仕組んで、その税収は、しかし温暖化対策以外の施策へ一般的な減税に生かすということについても国民の意見を承りたいと書いてございます。
 最後に、25ページでございますけれども、以上の制度案いかんにかかわらず、この専門委員会から政府に対する注文をするということで、前回の専門委員会のご意見の中でも、そういったご趣旨の意見についてはここにまとめて掲げさせていただいております。
 1つは、2004年の見直しを極力迅速に行うべきである。2つ目の○は、その際に、税だけでなくて、ほかの政策手法についての検討も加速化させるべきである。さらにいろんな政策手法の組み合わせについても早急に検討を深めるべきだ。
 そして4番目でございますが、温暖化対策税を含みますもろもろの地球温暖化に対する政策の立案に当たっては、国民が主人公となって主体的に施策の選択が行われる、これが重要でございますので、環境省は積極的に情報提供を行って、広くステークホルダーとの議論を行うべきだということ。
 そして5番目でございますけれども、温暖化対策税がそういった議論の結果仮に導入をされるということになります場合は、先ほども既存の化石燃料課税についての調整等も書かれておりましたが、税の戻し方としても、ご案内のとおり、既存税の減免といったようなこともオプションとしてあるわけでありまして、多数の既存税との調整を含めた環境のための税制改革の一環として導入されるというふうに評価できるわけでございますが、こうした評価を受けることを考えますと、温暖化対策税だけにスティックしないで、幅広くかつ積極的な検討と判断を環境省そのほかの関係府省は行うべきでないかというご意見でございます。
 最後に、参考として、代替案を除いた部分、代替案は直接ページを見ていただいた方がいいと思いますが、それ以外のところを煎じ詰めたイメージ図が載っております。
 いただいた時間をちょっと超過したのですが、恐縮ですが、先ほど委員長のご趣旨がありましたので、専門委員会報告の別添資料ということで、前回のワーキンググループ報告について、加筆をされた部分の紹介というのをさせていただきたいと思います。これはすぐ終わりますので、もう少し時間をちょうだいいたします。
 細かいてにをは等は除きまして、14ページをごらんいただきたいと思いますが、電力課税について検討した部分でございますけれども、3つ目の○、「「電力消費」に課税してはどうかとの考え方も存在するが、」ということで、原子力が相対的に有利になって、結果として原子力推進の税になるのではないかというご意見がございました。それに対しましてここでは、専ら温暖化防止の観点からは、CO2を排出しないしないものに課税することは適切でないということを書いた上で、なお書きを加えております。「なお、温暖化対策以外の環境対策の観点からは、発電電力ごとに別途の政策的対応を要することは言うまでもない。」原子力にかかわらず、例えば水力発電でもダムをつくって自然が失われるということもあるわけでございまして、それはそれで別途の政策的対応が要る、こういうふうに思います。誤解のないように記述をさせていただきました。
 そから19ページですが、表の中で「負担軽減対象の分類・考え方」のすぐ右の欄、[2]とございますが、ここに従前は国際競争力上の影響に対してその負担を軽減するということもあり得るということを書いてありましたが、これは奥野先生のご意見だったと思いますけれども、それに書き加えまして、この中に入っていたのを外に取り出したという感じですが、国際競争力上の影響やこれに伴う産業構造の調整に係わる激変の緩和」ということをつけ加えさせていただいております。
 それから23ページでございますが、「税収の使途についての考え方」でございまして、この四角の囲みの中の最初の○でございますけれども、租税の基本的な考え方に照らすと、本来税というのは一般財源になることがふさわしい、こういう議論のほかに、もともと環境税の原型になりますピグー税におきましても税収については特定の使途は考えられていないじゃないかというご議論もございましたので、それを入念的に書き足しております。
 それから、もう少し飛ばさせていただきまして、31ページでございますけれども、先ほども本文でもありましたが、既存エネルギー税との関係でございますけれども、これも奥野先生から、既存のエネルギー税というものが炭素分に着目して課税されているものではない。それを直していくという意義合いもあるじゃないかというご指摘がありましたが、この部分は字としてはなかったので、「環境負荷に直目して課税されているものではない」ということを入念的に書いてございます。
 それから35ページでございますけれども、「温暖化対策税導入が二酸化炭素を減らす仕組み」ということですが、これは横山先生のご意見で、税収は新エネなんかにも、もう1つ正確に言いまして、原子力なんかと違って新エネなんかにも入れていくのだということをはっきり書いてほしいというご意見がありましたが、もともとの図は省エネしかなかったのですが、趣旨は全く同じですので、新エネというのを追加を各所にさせていただきました。
 以上が入念的な補足でございます。少し時間をオーバーして申しわけございませんでした。以上でございます。

○飯野委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきましてご意見、ご質問等があればお願いしたいと思います。
 きょう新たに出てまいりました報告素案についてでも結構ですし、ワーキンググループの報告書についての訂正の部分についてでも結構でございます。何かご意見、ご質問等ございましたらどうぞ。

○横山(彰)委員 2点ございまして、確認をさせていただきたいと思うのです。
 1点は、前回の委員会ではご説明が時間制約でできなかった森田先生中心にまとめられていただいた低率課税プラス補助金のパッケージで、3,400円の課税をするということによって2%、本文で、きょう出た資料の19ページでは、2010年に90年比でマイナス2%水準まで削減されると見込まれると書いてあるのでございますが、これは21ページの参考資料でいくと、2.4ポイント減になる。そうすると、6%減ということでいくと、あと3.6%はほかの施策でやるということが暗黙の前提にあるのか、あるいはシンクを考えてこの2.4ポイント減を目標にして試算した結果がこの3,400円というような算定になったのかどうか。
 それで、これに関連してもう1つ伺いたいのは、このパッケージとしての補助金政策の中身いかんでどの程度この試算が変わるのかどうかということです。
 それから、21ページの*印のところで書いている意味が、シンク対策分を含むということは、先ほどでの関連でいくと、6%減を達成するといったときに、シンクの3.6%分のものについてはどういう対応をしているのかということを確認させてください。
 それから、あともう1点の2番目のご質問と考え方なんですけれども、14ページに、税収の基礎についてということで、地方公共団体によってその対策が実施されることが求められるときには、財源確保のために税収の一部を地方の財源とする必要があるということの意味は、このワーキンググループの30ページで言うところの地方税とすること、あるいは地方譲与税の仕組みを活用することということも含まれているのかどうかということです。
 あと、もう1つこれとの関連でいくと、その対策というものがどういうものかというのは今後検討されるのでしょうけれども、地方公共団体の役割としての1つのアクターとしては、EU諸国におけるそれぞれのネーションステートが、何か廃棄権取引をするといったときに、国際的な廃棄権取引の主体として国が考えられるとするならば、同じように日本という国内の中で、その地方公共団体、都道府県なり市町村がそうした廃棄権売買、将来的にですよ、わかりませんけれども、その廃棄権の取引市場をつくることもこうした対策の中に含まれているのか。そこまで考えてないのかどうかわかりませんけれども、そういうようなものについてどういうようにお考えになっていらっしゃるのか。地方の財源ということの意味合いについてもお伺いしたいということです。
 以上です。

○飯野委員長 審議官。

○小林審議官 まず、後の方で具体的なモデルについてのご説明があるかと思うのですが、委員長のご指導を受けて執筆した立場から、むしろ後段の方のお話についてお答えさせていただきたいと思いますが、地方の対策の財源とすべきという部分について30ページと同じかというこういうご質問でございます。
 仰せのとおりでございまして、これを煎じ詰めたものでございます。ちなみに、全体として分量は恐らく5分の1ぐらいに情報量が圧縮されておりますもので、例えば税か課徴金かとか、実はいろんな論点が落ちています。それにつきましては、この添付されましたワーキンググループ報告をやはり国民の方にも読んで、まあそういうことまでご関心があれば読んでいただくということになりますが、そうした落ちてしまったディテールの一部として今ご指摘のようなことはあるというふうに思ってございます。
 それから、地方公共団体がどういう政策をするのか、こういうことにつきましては、ワーキンググループ報告の30ページの前の方に書いてございますように、ここで「地方公共団体は、」ということで、温暖化対策推進法上の規定が書いてございますが、「自らの事務及び事業に関し温室効果ガスの排出抑制等の措置を講ずるとともに、その区域の事業者又は住人が温室効果ガスの排出の抑制等に関して行う活動の促進を図るため、」「情報の提供その他の措置を講ずる」ということでございます。
 それをさらに細かく書きおろしてみますと、29ページ、これは専門委員会報告にも、位置は縦位置と横位置で変わっておりますが、同じものが出ておりますが、地方公共団体でないとなかなかできそうもないもの、例えば一般家庭向きの、29ページで言いますと右上にございますように、省エネ・新エネ住宅に新築する際に、例えば一番下に既存税の減免というところは、仮に固定資産税の減免というようなことになると、これは地方税でありますから地方がやることということになりますし、次に明示的に主語が書いてございますけれども、地方公共団体が推進センター、協議会あるいは推進員と連携して地域の実情に応じた対策を推進する、そういったものの財源ということになっております。
 ただ、今おっしゃったように廃棄枠取引の主体になるのかということはまだ検討しておりませんので、別途の検討だと思います。
 あと、温暖化対策上、エネルギー起源CO2についてはマイナス2%を達成しようというのが割り振りですが、それをモデル上どう扱っているかについてはむしろ森田さんの方からご説明いただいた方がいいかと思います。

○森田委員 それでは前段のご質問にお答えいたします。
 まず、マイナス2%というのは何の前提で項目に置いたかということでございますけれども、大綱の数値をそのまま目標として置きました。大綱では、革新的な技術の導入とか、ライフスタイルの変化、それまで含めると、エネルギー資源の二酸化炭素の排出量はマイナス2%になる、そこまで。残りは何であるかというと、大綱によりますと新次元への進歩、それからあと国際背景ですか、そういった京都メカニズムというようなそれが1点、ナパサですか、それとその他のガスとか、それを全部総合したものになっていますね。ですからマイナス2%というのは、革新的な技術活動にプラス、ライフスタイルとかの変化までも入れたマイナス2%の目標というための進歩というふうにご理解いただきたいと思います。
 それからもう1つは、補助金の3,400円というものは、対策技術の中身によって全く変わってくるわけでございます。現実にもう既に適用可能な技術であって、現実にでき上がって2010年前後にも適用できる技術で、そのままマーケットに入ってきそうな技術が出てきているわけでございます。したがって、将来ダイナミックに技術革新が進んでコストが変化してくれば、またこの3,400円というのは変わってくるはずです。
 それから、また補助金を導入する場合の前提が変わって、やはり経済成長率によっても今後大きく変わってくると思います。というのは、経済成長がかなりいきますとCO2はたくさん出ますので、それを下げなきゃいけない幅もまた大きくなります。だからそれは幾つかの要因がありますけれども、このモデルの感度分析では、かなり安定的な数字として大体3,400円という見積りをいたしました。
 それから、この中で森林整備に税収による補助、それを還元しているということなんですけれども、これは森林整備に対する限界費用というのはなかなかまだ議論の分かれるところなんですけれども、一応今の段階で得られる限界費用を置いた場合にどのぐらいその所期の目的といいますか、3.9%でございますか、そこまで達成するためにこの程度の補助金が必要だという形で試算したものがここに入っております。

○横山(彰)委員、今森田先生のご説明は、19ページのところのなぜマイナス2%水準なのかということについても、今大綱で言われているようなことでというようなことも少し触れておいていただくと、国民がなぜ2%なのかということについての理解も深まるのではないか、それが1点です。
 それからあと、この感度分析でかなり確かな数字だということだとしても、数字がひとり歩きすることの心配があるのではないかと思っていますのは、こういうような試算をして2.4ポイント減になるというようなことの信頼性度というのでしょうか、だから上限と下限みたいな幅、ある程度幅に収まるだろう。例えば95%の信頼があるとか、何かその辺の、わかりませんけれども、この数字の何かひとり歩きをしてしまったときに、これを前提にして政策を打つといったときに、何か決定論的に見て4ポイント必ず、あるいは2%必ず見込まれるのかどうかということの表現がちょっと気になっただけです。
 以上です。

○森田委員 今の後段のことについてお答えしますけれども、横山先生ご存知のとおり、こういう政策に出すための社会科学的な不確実性というのはどういうふうに出していくかということでございますけれども、その不確実性というのは2種類ございまして、これから人間の選択の問題だということと、本当に不確実だというものと2種類ありまして、これはむしろ政策でございますので、今の技術のポテンシャルをもってすればここまではいけますよと。そうすると、あとはここの数字に近づけるようにもしこの制度を導入されるのだったら、ポテンシャルがありますからここまで近づけてくださいよという政策の目標といいますか、政策の一応のターゲットの数字だというふうに我々は試算したということです。

○横山(彰)委員 はい、よくわかりました。

○佐和委員 僕は全くお世辞を言わないたちなんですけれども、全体に前回見せていただいたものよりははるかに読みやすくなっているし、内容的にもよくなっているというふうに思いました。その点については大変評価しています。
 それで、4つか5つちょっとご質問したいのですが、まず7ページですが、1行目に市場の力を積極的に活用してというような文言を入れられたということは大変よかったと思います。
 それからちょうど真ん中、2つ目の・でですか、そこのところで、これは一貫して貫かれている精神といいますか、基調なんですけれども、これはむしろ、僕は非常にポジティブな方で、何を評価するかといいますと、要するに炭素税をかけてガソリンや電力の値段が上がるから、だから直ちに皆がガソリンや電力の節約をするだろうということは余り表面に出さずに、要するに機器を置きかえるときに、新しい自動車を買うときあるいは新しいエアコンを買うときに皆が炭素税ということを念頭に置いて、効率のいい機械を買うだろうという、一貫してそういう姿勢で貫かれているということは、かつてたしかこの研究会だったか何か忘れましたけれども、例えば、もうなくなりましたけれども、昔の経団連の方がいらっしゃって、何か石油ショックの後に、電力料金がこんなに上がったにもかかわらず、電力消費はこんなに減ってないじゃないかというようなことを言っていましたけれども、そういうことに対する反論が込められているというふうに思いました。
 それから、次に9ページですけれども、これは若干問題点なんですけれども、9ページの1行目のところで、毎年1兆円規模の政府支出をやったのだけれども効果が余りないという書き方をしていますね。そうすると、じゃ仮に先ほどの話にもありましたように、その三千数百円の税金をかけてまた1兆円追加すれば効果が出るのかというような話にもなってくるわけで、あるいは国立大学に2.8兆円お金を使ってけしからぬじゃないか、効果が全然出てないじゃないかと言われたりもするわけですけれども、1兆円を使っているからということで、それが効果がないとはやはり、そんなことはなかなか政府のこういうものには書けないことはよくわかるのですが、やはり使い方に関する再検討なり、そういうことが必要だということを暗に、暗にでもないですけれども、ちらっとでもにおわしていただければというふうに思います。
 それから、それとの関連で14ページなんですけれども、ですからここで、一番最初の・のところに、効率的で確実な削減につながる対策への支援を行うことを基本とするというふうに書かれているということで、さらに1兆円あっても今度は使い方をもっとちゃんと効率的なといいますか、有意義な使い方にしますということをここに書かれているということが救いではないかというふうに思います。
 それから、次に13ページですけれども、3つ目の・で、所得税、法人税、あるいは消費税云々ということがございますね。よく炭素税に対して批判的な人は、消費税を上げればいいじゃないかと。なぜなら、どんなものを消費していても、その消費財は多かれ少なかれ、それをつくるに当たってCO2を排出しているのだからというふうな言い方をする人がいますけれども、それはいわばここで反論がちゃんとなされているという点については評価したいと思います。
 それからもう1点は18ページなんですけれども、ここは森田さんに伺うべきかもしれぬけれども、括弧の中に書かれていることがちょっと間違いじゃないかと思うのですね。何も追加的な対策を行わなかった場合に比べて0.16%程度引き下げられるということは、なにもやらなかったときに、これは2010年ごろのGDPが100になるとしますね、それが0.16%引き下げられるということは、0.984ですか、つまり何もやらなかったときの2010年ごろのGDPが100だとすれば、それが99.84ですか……。だから、0.16%引き下げられると書いてあるでしょう。そうすると、100になるべきところが、実はそれよりは0.16%低いというのが、普通この文章の意味するところでしょう。

○森田委員 いや、そうは書いてない。15.2が15.0になる、全体のパーセントは……。

○佐和委員 ですから、つまりせっかくこの文章に書かれているところと、実際括弧の中に書かれているとが、必ずしもコンシステントじゃないと。したがってどっちにするのかと。

○飯野委員長 伸びが抑えられると言えばいいですね。

○佐和委員 いや、伸びが抑えられるといいますか、これは1つの解釈ですよ。
1つの解釈ですし、それから何も知らない人がこれを読めば、成長率が年率0.16%下がるのだ、これは大変だというふうに読むわけですよ。そういう意味じゃないのですよということなんですね。ですから0.16ポイントというだけではこの中はよくわかりにくいわけですけれども、普通、こういうふうな文献でこういうふうな表現をされるときには、100になるものが0.16%下がるというふうに私は理解するのですけれども、その点どっちなのかということをちょっとお伺いしたいと思います。
 以上です。

○森田委員 これは佐和先生のおっしゃる2010年で15.2%の伸びということは、これは115.2になるわけですね。2000を100にした場合。115.2から0.16%下がる。

○佐和委員 そういう意味で使われているわけですか。

○森田委員 はい。けれども、そういうことで大体数字としては、だから115.2の0.16%減といいますと、大体0.2%減ぐらいになって、この数字は合っているのですけれども、ただし成長率といいますか、そういうことで言うとちょっと誤解を与えるようなことがあるという感じもしないでも……。

○佐和委員 ですからもう0.00何%ぐらいになるでしょう。

○森田委員 ですから、成長率、年率に直しますと、0.16を例えば8年ぐらいで……。

○佐和委員 約10分の1と思えばいいわけですね。

○森田委員 そういうことですね。だからそういうことなんですけれども、この括弧内の数字は合っているのです。ですから……。

○佐和委員 括弧内のことを意味しているわけですね。

○森田委員 括弧内は合っているのです。ですから115.2に2010年にはなる、GDPがですね。2000年を100としたときに、2010年が115.2になる。そのうちの、115.2の0.16%が落っこちる、こういうことでございます。ですから、その115.2掛ける0.16は約0.2ぐらいに。

○佐和委員 何ゆえにそういうことを申し上げるかというと、ちょうど京都会議の前の夏ぐらいに、アメリカのDRIが要するに似たような計算をして、例えば0.16%引き下げられるというふうに書いていたのですね。DRIの意味していたのは、これは何もしなかった場合を100とすれば、99.84ですか、程度低くなるということ、だからほとんど差がないということを言いたかったのだけれども、日本の日経新聞が成長率が0.16%引き下がるというふうに一面でそういう見出しを出して、私はまたそれを日経のコラムで批判したという経緯があるものですからね。
 これは小林さんがさっきおっしゃったように、これだけ見ると、成長率が0.16%下がる、これは大変だというふうに思いがちなんですね。年成長率がね。だけどそうじゃなくて、こういう意味だということなんですね。だから僕がさっき言ったような意味でもなくて、ここに書かれているとおりということですね。はい、わかりました。

○寺西委員 前回の第1回目のワーキンググループの報告書の議論をしたときから比べて、佐和先生もおっしゃられたように今回の方がはるかにわかりやすいというか、明快になっているということで、私も高く評価したいと思います。
 その上で、今経済影響の問題のところの数字のことが議論になっていましたけれども、私はそこをもう少しわかりやすい方がいいので、その数値の1つ1つにそれほど大きな意味はないとむしろ思っています。
 むしろご指摘したいこと、あるいはちょっと要望として申し上げたいことは、4点ぐらいありまして、1つは、これをいずれ国民向けに発表されるということですから、最初の、今なぜ温暖化対策税の導入が必要かというときの、対策が必要と判断する前提としての認識の、地球温暖化問題に対するに認識、そしてそのもとでの対策税の特徴、なぜ対策税かという、ここの書き方のところなんですが、取りまとめに当たっての前文のところで、地球温暖化は、太平洋諸島において国土の水没をもたらす云々ということで、いわゆる温暖化の影響の問題が簡単に触れられているのですけれども、もう少しここは切迫感のある書き方をする必要がないのか。
 今、日本もこういう冷夏ですし、ヨーロッパも大変なことになっていますし、もちろんこれと温暖化がどういう関係があるかというのは全然わかりません。しかし、私は前から言っているのですけれども、温暖化と表現をしたのが大体間違っているのじゃないかと思うのですよね。やはりクライメートチェンジというのが国際的な共通の言葉の枠組みですし、それを気候変動という日本語で訳しているのですけれども、これも私は、日本語の語感として気候変動と言われてもピンと来ないのですね。むしろ気候異変と言ったほうが実感として、最近起こっていることも含めて考えれば、問題の持つ将来的な危機の意味が国民的な言葉でわかると思うのですね。その辺のところをもう少し、温暖化対策が今まさに緊急対策的にアクションを起こさなきゃいけない時期なんだということをもっと書いていただきたい。しかもこれ、太平洋諸島云々って、よその国が大変だからという認識のようなんですが、実はこの間の温暖化対策を考えなきゃならないバックグラウンドの影響というのは、生態系の影響や、あるいは東京なんかの亜熱帯化みたいなことも含めて、もっと、よそ事じゃないのですよね。日本の我々自身の問題なんだということも、もっと、温暖化がもたらす影響の予測されている危機的状況について国民的に訴えられるような基本、前提認識を環境省としてはまず明確に出していただきたい。
 今、温暖化対策を、私、10年この議論につき合っているのですけれども、対策税検討会になる前から、もう10年たっています。もう10年議論してまだやれるかやれないかなんということを言っている場合じゃないというのが本当の本音なんですね。ですから、もうこれ以上対策を先送りするとか、何かいろんな理屈をつけて先送りする時期じゃないという、そういうせっぱ詰まったというか、環境省としてはそのぐらいの、今ここで踏ん張って対策に一歩切り開く必要があると認識しているのだという強い認識を出していただきたいというのが、ここに書いてあることに対する1つの要望です。
 それから、2番目は、対策税の特徴のところで、今佐和先生からもご指摘があったようないろんな議論があるのですけれども、価格インセンティブを生かすのだということをずっと書いておられるのですけれども、私は、これは何も価格インセンティブというふうに限定しなくていいと思うのですね。もちろん価格が上がって、省エネ機器がさらに前倒しで入っていくとか、そういうこともあるでしょうけれども、もっと、前回ちょっとあったように、政策の課税として温暖化問題の原因物質であるCO2、その原因は化石燃料のエネルギー体系に政策的な変更をするのだという、その政策的なスタンスの提起が、ある種のアナウンスメント効果になって、人々の脱温暖化への行動と選択を促す、そういう広い意味での誘導なんですね。政策的誘導なんですね。だから価格インセンティブを含む政策的誘導の装置としてこれを入れるのだということをもっと広い意味で出していただきたいと思うのです。
 それで、価格インセンティブだけに期待するみたいな議論になっちゃうと、エコノミストは往々にして、経済の専門だからそこだけに限定して議論し過ぎがちなんですけれども、そうすると、末端でリッター当たり2円ぐらい入ったぐらいで本当に減るかという、いわゆる価格弾力性の問題の議論にまた戻ってしまうのですよ。
 それから、先ほど佐和先生おっしゃられたように、そんな、価格が10円、20円ぐらい上がったって、なかなか弾力的にならない、硬直的な構造では、そんな政策はうまくいかぬみたいな話が大分出てきますので、もっと全体として政策的な仕掛け全体を、温暖化対策を積極的に先取りしてやった方が経済的に報われる仕組みをつくるのだということを言ってほしいのですね。だから、人々の脱温暖化へのビヘイビアと選択を誘導するために、政府がこの政策を提示するのだ、そのための政策措置を提案するのだということをもっと出していただく必要がある。
 それで、さらにそれの意味をミクロとマクロで両方で、わかりやすく具体性をもって示してほしいということを前回要望しました。
 ミクロレベルで言うと、幾つか今回、何かあれがありましたね、後ろの方に。イメージというのが。15ページですね。「対策のイメージ」と書いてあるのですけれども、これをもうちょっと膨らませてほしいというか、もっと内容を豊かに、国民にもしわかってもらおうとすると、森田さんたちの計算されたモデル計算によるトン当たり価格で400円、リッター当たり2円という国民への化石燃料に対する新たな政策課税が入ったときに、人々はどういうふうになるか。例えばミクロでいうと、平均的な家庭、あなた方の家庭の4人家族の、こういう家庭でこういう電力消費してこんなふうにしている家庭で、年間このぐらいのエネルギー消費をしています、その結果これだけの、何トンのCO2が出ています。そのことに対してこの課税2円を入れるということは、あなたのところは年間幾ら税の負担がかかるのですよと。それを減らす努力をすればこれだけ経済的には得をすると言うと変ですけれども、減らす努力をする人にはこれだけの経済的な報われがあるのだということ、減らさないでふやすやつはかえって負担が重くなるのだという、そういうケースをモデル的に示していただいて、この税が単なる課税じゃなくて、脱温暖化に向けて先端的に行動し、その選択をする人には経済的な報いがあるというための制度なんだということを、ちょっとわかりやすくポンチ絵を書いていただきたいというか、そういう気がします。
 それと、3番目ですが、それと関連するのですけれども、これを入れたときの経済影響についての書き方なんですけれども、どうもここのところ、私は前から書き方が受身的というか、防衛的に書いているというか、これを僕はもっとポジティブに、攻勢的に書くべきだ。経済は大丈夫かじゃなくて、これを入れることがこれからの21世紀の経済にとって、むしろポジティブな影響を持つのだということを言ってほしいですね。
 それは例えば、こういう言葉が適切かどうかわかりませんけれども、これが入って経済が縮小するとか大きくなるとか、縮小するかもしれぬけれども、その程度は0.何%かなんとかで小さいとか、こういうふうに防衛的、消極的に書いているのだけれども、僕はこのことというのは、10年後どうなるかさっぱりわかりませんから、むしろこれを入れることの経済に与える政策的な効果のねらいを言ってほしいのですね。
 それはどういうことかというと、経済にほとんど影響ありませんよという主張じゃなくて、これは本来は経済に影響を与えなきゃいけないのですよ。つまり、化石燃料の炭素依存型経済にどっぷり漬かってきた20世紀の経済を、脱炭素型経済に転換して、新しい質の経済発展を遂げるための仕掛けだと。だから予想される経済影響は既存の経済の枠組みを前提にすればこうだ。しかしこれを入れることによって、将来、恐らく21世紀に、どこかで書いてありますように、脱炭素化は今のレベルをもっと超えて、排出量そのものを現状の半分以下にしなきゃいけないぐらいの課題なわけですよね。そうするとその時代の経済のあり方というのは、明らかに脱炭素型経済社会になってなきゃおかしいわけです。それに向けての新しい質を持った経済発展への、そのビジョンを持った上での政策なんだということをポジティブに主張してもらいたい。
 何かこれでいうと経済が大変じゃないか、不況はもっと大変じゃないかという議論の人たちは、これまでの経済に、いわばしがらみにとらわれて、古いパラダイムで物を考えて入るのですね。この人たちに合わせて大変だ、大変だということに対して、いや大変じゃありません、心配ありませんというようなことを別に言う必要はないというか、むしろ新しい時代を切り開く政策だということをポジティブに主張してもらいたい、これが3番目です。
 それでそのときに、イメージとして挙がっている省エネ対策が進むとか、それによってシンク投資が進んで、もうちょっと経済が発展する、経済基盤がふえるとかと、こういうのはちょっとおかしいと思うのです。そうじゃなくて、これを入れることによって、どこかに書いてあったように、グリーンな交通体系とか、都市とかライフスタイル自体が変わるということを、そのための突破口なんだということを、むしろ豊かなイメージで出してほしいのですね。
 そういうことによって、これを入れることによって経済が何か縮小して、我慢の時代に入るというようなことじゃなくて、これを入れることによって20世紀型の経済から21世紀の脱温暖化型の社会に新しい一歩を踏み出すというビジョンを示してもらいたい。
 ヨーロッパで実に30%か10%も脱温暖化で実際に目標を達成しているところがありますね。そういうところは本当に経済がそのために落ちているのか。そんなことないですよ。むしろ質が高くなって、私が見てきた地方自治体なんかでも、もう完全に公共交通に車をやめてかえたところはもっと豊かな暮らしになっているのですよ。だからそのことをもっと訴えるように変えてほしいのです。
 それと最後4番目、これは以前から言っていますが、既存の税とか財政との調整の問題のところ、ここもやはりディフェンス型の書き方になっているので、もっと攻勢的に書いてほしい。これを導入すれば少なくとも1兆円規模の新しい税源が入って、その使い方が出てくる。国家財政50兆円の中で1兆円というのは無視できない額ですよ。これは当然既存の税制のあり方とか財政の支出のあり方に大きなインパクトを持つ税ですよ。だから既存の税財政の改革への一環としてこれを入れるのだということも攻勢的に言ってほしい。そうしないと、環境省がアドバンテージをとってこの議論を省庁関係も含めてリードしていくことはできないと思うのです。最初から及び腰では。
 そういう意味で、前回もちょっと厳しいことを言ったのですけれども、私はもっと前へ進んだ案を出していただかないと、これからのこれの調整プロセスを想定すると、どんどん後退しそうな気がしてしようがないので、あえて前へ進んで一番最高の案を出していただきたいということで、強い要望をしておきたいと思います。

○飯野委員長 ありがとうございました。
 それでは横山委員、それから竹内委員。

○横山(裕)委員 私も全体としては国民向けによりやさしくなっている、そういう表現になっているということで、いいと思います。そういう前提ですけれども、ただし今後国民の一般の人たちに、温暖化対策税の導入に当たって理解を得ていくという点からは、4点ほどちょっと気になる点がありますので、それを指摘したいと思います。
 1点目は、寺西委員が言った、もっと深刻な事態になっているのだということは私もそのとおりであると思います。その一方で、やはり日本がこの大きな課題の温暖化防止に向けて世界の先頭に立っていくのだというようなことをぜひ言って、そのためにこういうことも、こういう税の導入も必要なんだということを書いていただきたいなと。オーバーに言えば、今度の日本の温暖化対策税の導入で、温暖化防止の国際モデルを構築していくのだぐらいの、ちょっとオーバーかもわかりませんけれども、という表現とかを入れ込んでほしいと思います。
 そういう点からはかなり後ろ向きというか、例えば20ページに、10行目ぐらいのところに、「革新的技術の開発を行い、先行的利益を得ていくことは、我が国の経済発展戦略を考える上でも極めて重要であり、実際に優位を得るチャンスでも大きい。」というように、何か国益のことを重視して、地球温暖化を考える場合は世界益という考え方が必要なんだというのに比べると、どうも表現として、日本がよければいいのだというような表現がちょっと目立つような気がするので、その辺は考えていただきたいなというふうに思います。
 それから2点目は、住民の方々と接触が一番多い地方公共団体に前面に出てもらうという前提に立つと、これもやはりちょっと気になる表現があるのですね。例えば14ページの(参考)の上のところに、「その対策が地方公共団体によって実施されることが求められるものであるときには、その財源の確保を図るため、税収の一部を地方の財源とする」と、これはワーキンググループの報告でも大筋こうなっていて、それをそのまま踏襲したのだと思うのですが、地方公共団体に求められたときに必要だと、これは当たり前のことで、ほとんどは国がやるので、あなたたちの出番はほとんどありませんよというようにとられる可能性もありますので、これはもう少しマイルドに、やはり国と地方公共団体は一体となって進んでいくのだということを出していただきたいというふうに思います。
 それから3点目ですけれども、前文で、幅広い国民各界各層に読んでいただきたい、それで意見をいただきたいと言っている一方で、22ページとか23ページには、ハイブリッド型課税とか、それから税率を高い水準にした場合どうかということについて、中環審は意見を伺いたいのだというふうに、何かその2点に限って答えてくれればいいのだと一応なっているのですが、それはむしろやはり全体について意見をもらいたいのであって、何も限定してないのだというような工夫をしていただきたいと思います。
 それから4点目は、前回も指摘した水力と原子力のことで、先ほど小林審議官の説明で少しは意見を入れていただいたなというふうに思いますけれども、ただし、新しいものでは水力、原子力の字も消えているのですよね。これは深読みすると、なおの後に原子力を入れると少し角が立つというようなことで最初から水力、原子力を取ったのじゃないかと思いますが、これを読んだ人は何のことかわからないので、少なくとも水力、原子力ぐらいは入れてほしいし、やはり国民の理解を得ていくというときに、原子力に有利になるのですよというようなことが強調、私は強調するつもりもないですけれども、された場合に、それだけでもこの税は理解できない、この税に対しては賛成できないというようなことになる可能性もあるわけで、せっかく国民各界各層に意見を求めるなら、その辺もどうでしょうかと、温暖化対策税という限り、化石燃料、それから二酸化炭素の排出量にかかるのだと、文字どおり言えばそうなんだけれども、省エネとかという観点から言えば、原子力と水力を別扱いはできないのだけれども、今これは非常に難しいところなんだけれどもどうでしょうかというようなことがあってもいいのではないかと思います。政府が原子力推進をやっているから環境省としてはこれ以上言えないのだというのは私もよくわかります。わかるけれども、それはやらないと、この報告書を本当に理解してもらうという点から言うとまずいのではないかなというふうに思います。
 以上です。

○飯野委員長 それでは竹内委員どうぞ。

○竹内委員 全体の話の筋というのはわかるのですが、これをだれに向けて一番強調しなければいけないかという点から、2点ほど申し上げようと思います。
 1つは最終消費者というのが非常に重要なパートナーであるということ、もう1つは産業界が非常に重要なパートナーであるということになりますと、この2つの分野に対してどういうメッセージを出すかということが非常に重要なんじゃないかと思います。
 そのときに、マクロ的な議論が少しこれは強くて、ミクロへの転換という部分が重要なことがほとんど書いてないということが気になるのですね。
 例えばですけれども、11ページには、これからの温暖化対策では基本的には最終消費者に対して動機づけとなるという、こういう表現があるのですが、この動機づけというものに対して税というものを前面に出して戦うという形が、税の性格からいって果たしていいかどうか。つまり税というもの、これがやや狼少年的になるのですね。これが高くなるからやめろとか、得するよとか、税というものはそもそも非常に中立的な側面を持っていなきゃならなくて、上がったり下がったりするという性格にするということに若干限界があるだろうと思います。しかも使途が確定されてきますと、逆に税が上がったり下がったりするというのは困るわけです。
 そうすると、1つは寺西委員がおっしゃったみたいに、税そのものを前提につくるのではなくて、本来はディスクロージャーのシステムというか、消費者に対してどのような情報をわかりやすく伝えるかという、もう一段階前の段階が税というものを非常に重要な情報としてとらえていく。つまり、税が1円とか5円とかいう話を延々とやっても余り意味がない。なぜなのかという部分の仕組み、社会的な意味といいますか、そういうものをどうやってつくるかということが核心の部分ですね。つまり余り税を前面にして戦うという社会というのは何か知的じゃないというか、何か価格インセンティブというのは余りされないとおっしゃったのですけれども、そんな感じがしますので、もう少し知的なものに変えられないだろうか。
 2番目が私は一番気になるところでございますが、じゃもう1つは、税だけじゃなくて補助金だという話なんですけれども、やはりこの補助金のシステムと税の関係は産業界は最も気になるところだと思います。特に研究開発分野に対してこれがどのようにきいてくるかということについても、ミクロの議論が重要なところでほとんど抜けております。
 13ページに若干書いてありまして、特別会計に入れるとか、あるいは減税措置を行うという、ここでまた新たな産業界と政府の間のさまざまな交渉の場が拡大する、あるいは政府の産業界に対するさまざまな影響の範囲というものが拡大するということが、逆に政府を非常に固定的にしてしまうという可能性もある。つまり税が安くなることはこういう権利措置で、補助金をもらいたいとか、そういうふうなことを政府と産業界が余りにもやりとりするのも変で、産業界は本当に補助金をもらいたいかどうかも疑問なんですよね。研究開発をもうたっぷりやっていまして、むしろ研究開発の中身とか方向性に対してもっとポジティブに働くような文言がここに必要じゃないか。これは少し狼少年的になっていまして、ペナルティータックスみたいな感じが若干残っていますよね。本当に重要なのは、産業界にこの案に対して最もウエルカムという状態をどうやって政府としてつくるのかなというのが非常に気になる。
 今回のワーキンググループも、著名な先生方がお集まりになって随分おまとめになったという感じなんですけれども、どこまで産業界と詰めて議論したのか。ガソリン税のところ、さっき消費者の問題はガソリン税の問題、ガソリン税を変えるということになると、今までの道路財源を変えて、この問題をきちっと環境税に変えると。その議論は全然できてないわけですよね。税制の世界で全くやってないし、自動車業界も、えっ、そんなことあるのみたいな状態の中で、きちっとしたミクロの議論が入ってないということを考えますと、これをうまく、日本のR&Dに対してどういうステージにきちっと立つかということが、今回はちょっと無理だと思うのですけれども、きちっと産業ワーキングをつくって、産業界の代表が、要するに自動車、電気業界、さまざまありますが、きちっとそこともう一回やり込んで、どことどこが先に動かせるのかということを、そのアネックスがもう1個あればもっとこれはオーソライズできると思うのですが、現在の状態の形はオーソライズしにくい、あるいは逆にオーソライズしなくてもいいところだけが書いてあるという気がする。
 そういうところがあるので、できれば、15ページのあたりですね、流れは非常にいいのだけれども、どうやってやるのだ、あるいは具体的な研究開発の連携とか、この部分をどうやってやるかというような形については、ぜひ次の段階で落とし込む作業をお願いしたいと思います。

○天野委員 4つばかり申し上げます。
 まず最初は、やはり全体として論旨が非常にはっきりして、しかもわかりやすくなったという点は大変評価されます。
 ただ、私は経済学者なんですけれども、読んでおりまして大変ご苦労されたということがよくわかります。特に先ほど佐和委員もおっしゃいましたけれども、価格インセンティブを環境政策に使うというのは恐らくこれが初めてじゃないかと思うのですが、その辺を一生懸命理解していただくようにお書きになっていられるのですが、やはりわからない部分があるのですね。私はむしろ、3,400円のインセンティブじゃなくて、その前にあった4万5,000円のインセンティブをこのシステム全体でつくり出しているのだということがまだ皆さん理解されないと思うのですね。
 ですから、補助金とか助成金なんかを出すときにも、これは後ろの方に一般論として書いてあるのですけれども、排出削減とか吸収増大の価格インセンティブが働くところに補助金を出すのだ。そうすればその4万5,000円分の価格インセンティブが働くようにできる。ですから実際に例えばガソリンが2円上がったとして、そのインセンティブというのは3,400円分のインセンティブなんですね。ここでねらっているのはそれではなくて、価格インセンティブとして4万5,000円に相当するような力を引き出す。その結果が15ページかどこかに書いてありますけれども、これは全部それなんですね。その価格インセンティブを与えるからこういう削減が行われる。
 削減する人は、やはり自分が削減する費用を考えて、その削減する費用よりもたくさんの助成金がもらえたら喜んでその削減をしましょうということでこれだけのことが引き出せるわけですね。その辺がどうももう1つわからないといいますか、ですからその辺はもう一段の工夫をお願いできたらというふうに思います。これが1つです。
 それから2つ目は、一番最後のところなんですが、2004年の大綱の評価・見直しを迅速に行う。それから2番目に見直しの結果というふうに書いてあるのですが、私はむしろ、今回はステップ2の話をなさっているのですね。しかしステップ3というのが後ろに控えているわけです。それについてはまだほとんど一般の産業界も国民も、どういう方向に進むのか、もう1つ見極めかねている、そういう不確実性があるわけですね。これは政策上の不確実性なんですけれども、政策上の不確実性というのは経済的な不確実性につながりますから、その後の行動は取れないという状況になっていると思うのですね。ですからその辺も、環境省だけでできるわけではありませんけれども、ここの委員会としては、ステップ2、ステップ3を含めて、全体の日程表ができるだけ早く明確になるようにという注文をやはりつけるべきじゃないかなというふうに思うわけです。
 それから3点目は、これは報告文とは直接関係ないのですけれども、恐らく英語版を出されることが準備されていると思うのですが、できれば、日本語版を公表するときに、あわせてその英語版もホームページに出していただければというふうに思うわけです。つまり日本がどういう行動をするかということがほかの国にも政府にも影響を与えるでしょうし、あるいはNGOですね、そういったところにも評価してもらえるということがあろうかと思いますので、あるいはそういうところから意見が出てきたりする可能性もありますので、先ほどどなたかもおっしゃいましたけれども、これだけ国際的な場で行動するわけですから、ぜひその辺はお願いしたいというふうに思います。
 それから、細かい点ですけれども、7ページの2つ目の段落ですが、価格インセンティブ効果で、「値上がりした」と書いてあるのですね。これは確かに値上がりするかもしれませんが、本当にねらっているところは割高にするということなんですね。ほかのもの、炭素税のかからないものよりも割高にするという効果ですから、物価が上がるか下がるかというのはわからない話ですので、ですから私は相対的に割安になったという表現がいいのじゃないかと思います。ほかにも、16ページの第2、第3パラグラフに似たような表現がありますから、それはやはりそういう表現がいいのかなと。ただ、石油ショックの関連で比較をしている場所がありますけれども、あそこは値上がりで私はいいのかと思います。
 それから、10ページの第1段落の下から4行目ですけれども、ちょっとわかりにくくて、私も誤解したのですが、「「CO2」又は「化石燃料」」というのがあって、その後ろに「排出者・消費者」と書いてあるのですね。これは恐らくCO2が排出者に対応して、化石燃料が消費者に対応するかと思うのですが、うっかりするとこの消費者というのは生産者に対する消費者みたいになっちゃって、何かうまく対応してないと思いますので、CO2の排出、あるいは化石燃料の使用という言い方できちんと分けた方が誤解を招かないのじゃないかと思います。
 以上です。

○飯野委員長 ありがとうございました。
 そのほか。どうぞ。

○植田委員 今、天野先生のおっしゃられたこととも関係しますが、言葉として細かいことが、価格インセンティブというのは、確かに節約を促すという、そういう側面も重要ですけれども、相対的な価格を変えるので、別のもの、温室効果ガスを出さないものにかえていくという、その側面も非常に重要なので、それが書いてあるところもあるのですが、ちょっと抜け落ちて、何か節約だけを言っているところもありますので、これは7ページもそうなっていると思うのですが、正確に記述していただいた方がよくわかるというふうに思います。
 それから、同じく11ページのところなんですけれども、先ほど寺西先生がおっしゃったことと関係しますが、第2の・の一番最後が、「今ある経済の姿を余り変えることのない施策とすることができる」という、こういう書き方になっているのですが、一方では20ページなんかのところでは、全体的に社会経済構造を変える、その積極的な政策の一環として、温暖化対策税を活用するのだ、こういうメッセージになっているわけですね。ですので、基本的には私は、方向性としてそういう社会経済構造を脱温室効果ガスの方向へ向けていくという基本方向をはっきりさせた上で、非常に摩擦が生じ、激変が生じるということがいろんな問題点を与える場合に考慮する余地はいろいろあって、だからこそ全体的なシステムとしてより望ましい方を選択するという話をしていると思うので、そこのところをもう少し正確に書いてほしいというふうに思います。
 それから3つ目は、これは14ページになりますでしょうか、何人かの方が地方の問題をおっしゃられたので、私もちょっと大事な点があると思うのですが、基本的に私は、温暖化対策というのは国際的取り組みと国レベルの取り組みと地方の取り組みが連動して、連携しながらやる、本来そういう性格を持っていると思うのですね。ところがなかなか国際的な協調がうまくいかない。そういうところにどこかが先導してやるということはもちろんあると思うのですが、ですから基本のところではそういうものだというふうに思いますので、だから、国も地方も国際的も共同して取り組むという、そういう位置づけを本来与えておくべきではないかというふうに思います。ですから、ここの書き方は、「実施されることが求められるものであるときには、」という、何かあたかも求められることがないかのような、大変わずかのような書き方になっている、これはちょっと話が違っていると思いますので、その点ちょっと留意していただければありがたいというふうに思います。
 それから、これは「おわりに」のところ、25ページのところに少し関係をいたしますが、私はやはり、この温暖化対策税の問題で1つの重要な議論になっているのは、税収をどういうふうに使うかという問題がすごく大きな、いろんな意味で議論になっているわけですね。それはいろんな議論があるわけですけれども、そのときに、結局何に使うかという問題が、現状の歳出の問題と関連を持つという問題があると思うのですね。つまり今の温暖化対策の歳出が効果を十分果たしているのかどうかとか、あるいはエネルギー税で取ったものが本当に温暖化対策上有効な使われ方をしているかとか、いろんな既存の歳出の見直し問題というのがあるわけで、ですから歳入と歳出が関連を持ちながら議論しないといけないのですが、既存の歳出の見直し問題を避けたら、このどういうふうに使うかという議論に本当の意味で結論を出しにくいというか、そういう面を持っているということなんで、「今後の検討に当たっての留意点」のところに、「環境のための税制改革の一環として」という、税制改革の方は入っているのですけれども、歳出の方の話が入っていないので、それも「今後の検討に当たっての留意点」ということで入れていただきたいなというふうに思います。
 それから最後は、一番最初といいますか、5ページのところにちょっとかかわるといえばかかわるのですけれども、これは税というものをどういうふうなものとして考えるかという議論が先ほどから若干ありましたけれども、それと関係いたしますが、本来、もともと税は人々の行動を変えないものが基本だというふうに考えてきたわけですが、温暖化対策税はどちらかというと行動を変えるということをねらいにするという側面をやはり持っていると思うのですね。
 これはもちろん経済的な意味での価格の、相対価格を変えたりするという側面も1つ私は大変重要だと思いますが、同時に、何人かの方もおっしゃったように、結局税制というのは社会の基盤みたいなものですので、企業とか個人が行動するときに、温暖化に対してどういう影響を及ぼしているかということについて何らかの意味で考えないといけないというシグナルを明確に送るという、そういう側面があると思うのですね。今まではそういうものが全くなかったわけですから、そういう税制が基本として入るというところ、そういう社会に送るシグナルという側面というのは、私は大変大事だと思う。
 と同時に、ここで議論してきたような、全体としてシステムとして効果があるという側面と、やはり両方大事な点があるのじゃないかと思いますので、その点、ちょっと何かうまく工夫していただければというふうに思います。
 以上です。

○飯野委員長 それじゃ大塚さん。

○大塚委員 2点ほどちょっと申し上げておきたいことがございます。
 私はワーキンググループのメンバーでもありましたので、これ自体には賛成でございますが、1つは14ページの3行目、4行目のあたりで、先ほど佐和委員とかほかの委員の方々もご指摘なさったところですけれども、これは補助金としてもし使うとすれば、この補助金の使い方というのが極めて重要になっていくと思いますので、私は個人的にはサンセット方式というのでしょうか、目標を達成した場合に初めて補助金を与えるというような方式の方が確実に削減につながるというふうに思っておりますが、ちょっと今回直ちにそれがここに入れられるかどうかはよくわからないところもございますけれども、ぜひここのところは、費用効果的な削減方法をとるように努力するということが必要だということを強調しておきたいと思います。
 それで、先ほど佐和委員がご指摘なさったように、現在既に温暖化に毎年1兆円規模の支出がなされているということとの関係で、これを補助金として使うことについて疑問が出てくる可能性というのは多分あると思うのですね。9ページに書いてある1兆円規模というのも、ただ1兆円規模と書いておくと、そういう懸念を助長する可能性があるような気がいたします。多分この1兆円規模の中には、原子力発電所の関係のものとか、いろんなものが入っていると思いますので、直接に温室効果ガスの対策として使われているものは、これはちょっと直感ですのでよくわかりませんが、もう少し少ないのじゃないかという気もいたしますが、できればこの内訳をもう少し明確に書いていただいた方が、新しくどうして補助金とかを使ってやっていかなければいけないかということについて国民の理解が得られやすいのではないかというふうに思います。
 それからもう1点でございますけれども、これは言葉の問題ですけれども、13ページの一番下の行のところでございますが、「あるいは、」というところから後ですけれども、「他の税の減税財源としつつ、温暖化対策のために活用する」というのは、よく読めばわかるのですが、恐らく一部は減税財源にして、一部は温暖化対策に使うという意味だと思うのですけれども、必ずしもそういうふうにすぐには私は理解できなかったので、もしそういう意味だとすれば、そのように書いていただいた方がわかりやすいのではないかというふうに思いました。
 以上でございます。

○飯野委員長 ありがとうございました。

○横山(彰)委員 先ほど排出量取引の話を申し上げたのですけれども、税か排出量取引かということについてのスタンスは、二者択一的な議論ではないということがこの報告書の基本的な認識だろうと思うのです。それをもう少し明確にしておいた方がいいのではないかと思います。
 排出量取引制度、先ほどご意見があったと思うのですけれども、やはり国内で排出量取引制度をなるべく早く確立するための税制という位置づけもあり得るのではないか。私が先ほど申し上げた地方公共団体がやはり目標を設定する、それぞれの政策を実施することによって地域間の競争をして、そして自分の地域をよりCO2に依存しないような地域をつくっていくようなときに、先ほど寺西委員の方からも出ましたように、公共交通網の確立とか、そういうような努力をする仕組みを将来に結びつけるような書き方が必要になってくるのじゃないか。
 それで,ここはもうくどく言いませんが、ワーキンググループの中でも,地球温暖化対策税と排出量取引制度の関係性については全く触れられていない。そうすると、なぜ排出量取引制度ではなくて税なのかということについての質問、あるいはそういう疑問についてどういうスタンスをとるのか。だからその排出量取引制度も並存できるような、そういうことも目指しているのだ、そういうことも考えられるのだということが最後の方に、一番最後に書かれておりますけれども、25ページですか、「排出量取引制度などについても、」ということの中に、この関係をもう少し、どういうふうに考えたらいいのかということも私としては個人的な意見としては触れてほしかったということです。
 以上です。

○飯野委員長 それじゃ天野さんお願いします。

○天野委員 この委員会は温暖化対策税制の委員会ですけれども、先ほどからいろいろご意見が出ておりますように、ほかの政策との関連というのは当然考えなきゃいけないわけですね。それで、補助金をどういうふうに使うかという問題を1つとりましても、何かつかみ金みたいにして補助金を出してしまうということになれば、効果は全く上がらないわけで、ここで価格インセンティブを生かすように使うには、それなりの補助金の出し方を考えなきゃいけない。ただそれはここでは詳しくは議論されていない。しかし、例えばイギリスがやっておりますように、政府が助成金を出すときに、排出削減の申し込みをさせて、1トン当たり4万5,000円出すときに、幾ら排出削減をするかという申し込みをさせて、その申し込みが実際実現されたら1トン当たり4万5,000円の助成金を出すということにすれば、これは確実に削減できるわけですね。例えばですけれども、そういう手法もありますので、そういうふうなことは、ここでは詳しく書くとまた議論が複雑になりますので、それは少し先送りしているというふうに私も理解はしております。そういう意味では、排出取引制度との連携とか、そういうことも将来考え得るわけでありますから、できるだけ早い機会に、先ほど申しましたように、第2ステップ、第3ステップでとれるような政策との協調なんかも含めて議論をできるだけ早くスタートさせていただきたい。
 今回は税制として、補助金はたくさん出るのですけれども、それが削減に必ず結びつくような使い方をこれから考えるということで私は了解したいというふうに思います。

○浅野委員 今の天野委員の発言とほとんど同じことになるわけですが、国民に対してこの報告を出してご意見をいただくというときに、それを読む人の予備知識というのは随分ばらつきがありますね。ですから、これは決してこれですべて解決しようという意図でないということが取りまとめに当たってというようなところに書いてあるのですが、つまりこれはずっと長年かかわっている者にとっては自明の理であることなんですね。必ずしも読む人にとっては自明の理でないということがあるのだろうと思います。
 今横山委員からご指摘があったような点についても、もともと整理から言うとこの専門委員会の射程距離とはちょっと違うということがあるわけでしょうし、先ほど竹内委員がおっしゃったようなことについても、この委員会の役割から言うとちょっと違う。今までそれについてもいろいろやりましたということがあるのですが、それを長々といろいろ書いてもしようがないのですけれども、受けとめる人の誤解がないようにということだけははっきりさせる必要があると思いますから、天野委員がおっしゃったようなことも勘案しながら、例えば、どうしたらいいのでしょうかね、これでパブコメを求めるときに、もうちょっと何か、別に1枚ぐらいのきちっとした流れがわかるようなものがあると、この本体の中にこれを書くと、結局のところは長くなって読んでもらえなくなりますからまずいのですけれども、パブコメを求めるのであれば、今言ったようなことを十分誤解のないようにということが出てこなきゃいけないと思います。
 それから、2001年の大綱の評価・見直しの結果を踏まえてというのが随所に出てくるのですけれども、これが実はステップ・バイ・ステップということで我々わかっているのですけれども、恐らくわからない人には全くわからないということになるのだろうと思いますね。そして天野先生のご指摘があるように、第3ステップも実はある、確かにそのとおりですね。その点について一体どうなっているのというのはきちっとした議論をやってないので、これは地球環境部会としては早急に議論をしなきゃいけない課題であるという認識を持っておりますけれども、そういうようなもろもろのタイムスケジュールの中でのこの話である。
 それで、出てくる種は税だけじゃなくてほかにいろいろあるはずなんですが、それが必ずしもここでは明確に出てないということが十分留意できるような形にしておかないと、どうも話が混乱してしまうという危険性がありますので、ぜひ事務局で工夫していただきたい。

○佐和委員 1つだけ。言葉の問題なんですけれども、一番最後の文章で、これは言葉的におかしいので、「温暖化対策税は、仮に導入されることとなった場合は、多数の既存税との調整を含めた環境のための税制改革の一環として導入されることとなるとも評価できることも踏まえ、」というのは、これはちょっとおかしいですね。だから、される可能性もあり得ることも踏まえとか、よく知りませんけれども、そういう意味でしょう、言いたいことは。
 以上です。

○飯野委員長 ありがとうございました。
 予定の時間が近づいてまいりましたので、この辺で本日の議論は終えたいと思います。
 本日のご議論を踏まえまして資料の修正を行いたいと思います。なお、委員長の立場から申しますと、国民向けの報告書と一概に申しましても、先ほど浅野先生が言われましたように、国民の関心事項や関心の深さがまちまちでありますことを踏まえますと、なかなか、この1つの報告書では、人によりましては、詳し過ぎたり、逆に簡単過ぎたりすることになって、ご満足いただくことは難しいのではないかと思います。
 そこで、私といたしましては、専門委員会報告が取りまとめられました暁には、委員長としての私の責任で、一般の国民に対して最低限知ってもらいたい最小限のことに関するメッセージあるいは談話のようなものを同時に発表するのがよいのではないかと思っております。ここで決めていただいてもいいのですけれども、ごらんのようにまた集まるのが大変なので、私の一存で大体全体の雰囲気を表現できる1枚ぐらいのメッセージが発表できればいいなと思っております。
 また、専門委員会報告につきましては、これを単に多数印刷して配ればよいというものでもないと存じております。やはり、国民に対して直接説明するなり、説明を踏まえた質疑応答や意見交換を行うことが大切だと思います。このような広報や対話のプロセスにつきましても、環境省がどのように考えているのか、次回の会合で明らかにしていただきたいと思っております。
 次回は、8月27日水曜日、13時30分からでございますけれども、専門委員会としての報告をまとめたいと考えております。委員の皆様にはどうぞよろしくお願いいたします。
 それではよろしいでしょうか。なければこの辺で本日は終えたいと思います。どうもご協力ありがとうございました。

午後 4時02分 閉会