■議事録一覧■

中央環境審議会 総合政策・地球環境合同部会
第8回地球温暖化対策税制専門委員会


  1. 開催日時 : 平成14年5月28日(火)10:00〜11:40
     
     
  2. 開催場所 : 環境省第1会議室
     
     
  3. 出席委員 : 16委員
     
     飯 野 靖 四 委員長
     飯 田 浩 史 委員
     大 塚   直  委員
     佐 和 隆 光 委員
     鳥 井 弘 之 委員
     森 田 恒 幸 委員
     安 原   正  委員
     横 山 裕 道 委員
     
     
     天 野 明 弘 委員
     植 田 和 弘 委員
     奥 野 正 寛 委員
     土 屋 俊 康 委員
     桝 井 成 夫 委員
     諸 富   徹  委員
     横 山   彰  委員
     和 気 洋 子 委員
  4. 議 題
     
    1. 温暖化対策税制のあり方について
    2. その他
       
       
  5. 配布資料
     
    資料1 我が国の特定財源制度について
    資料2近年の税制改革の経緯について
    資料3経済財政諮問会議における検討について
    資料4地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審議状況について
    資料5温暖化対策税制の制度オプションとその取り進め方について
    参考資料1 委員名簿
    参考資料2諸外国の動向等について
    参考資料3国政モニター報告「温暖化対策としての環境税について」
     

  6. 議 事

    午前10時00分開会

    ○飯野委員長 定刻となりましたので、ただいまから地球温暖化対策税制専門委員会第8回会合を開催したいと思います。
     さて、本日の議題は温暖化対策税制のあり方ということで、昨年の取りまとめ、前回の議論を踏まえて私の方で事務局と相談いたしまして制度オプションとさらにその取り進め方についての検討資料を用意いたしました。これについての議論をメインとしてきょうは行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
     本日の会合はおおむね12時までの予定でございますので、よろしくお願いいたします。
     では、事務局の方から資料の確認をお願いいたします。

    ○事務局 それでは資料の確認をさせていただきたいと思います。
     お手元の黒いクリップでとめた資料を外してごらんいただければと思います。
     まず、表紙をめくっていただきますと議事次第と資料一覧がございます。次に資料1といたしまして「我が国特定財源制度について」。次に資料2といたしまして「近年の税制改革の経緯について」。次に資料3といたしまして「経済財政諮問会議における検討について」。次に資料4といたしまして「京都議定書の承認及び地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審議状況について」。次に資料5といたしまして「温暖化対策税制の制度オプションとその取り進め方について」。
     資料はそこまででございまして、続いて参考資料1といたしまして委員の方の名簿。そして参考資料2といたしまして「諸外国の動向等について」。
     クリップでとめられたものは以上でございます。
     その下にこういう冊子でございますが、「国政モニター月報」。先生方の机上にはこのような冊子を置かせていただいております。傍聴の方々にはコピーをお配りさせていただいております。
     そして最後に特に資料番号等ございませんが、右肩に手書きで5月24日、政府税制調査会総会資料と書いたものがございます。
     以上です。

    ○後藤総政局調査官 今資料説明がございましたが、きょうはメインテーマの方でのディスカッションをしていただくということですので、参考資料につきましてかいつまんで最初にご紹介いたします。これらにつきましては、きょうは残念ながら質疑その他の時間を割くことはできませんので、簡単にご説明いたします。
     名簿に続きまして参考資料2ですが、「諸外国の動向等について」ということで、今年に入っての各国の状況についてまとめた資料でございます。
     4月から英国において排出量取引が開始されたということですが、イギリスの制度につきましては、いわゆる気候変動税と組み合わされた形での協定と、それから直接自主的に参加する方々の排出量取引という2つの制度がございまして、4月末ごろまでに20から30の取引事例があったようです。これにつきましては、それぞれ企業の秘密ということで具体的な事例の内容はほとんどまだ公開されていないという状況でございますが、報道されているところからしますと、ブリティッシュ・ペトロリアムの例でありますとか、イギリスのシェルとデンマークの電力会社、フォードからシェル、シェルからRWEへの売却といったような動きが出てきているということでございます。
     次にニュージーランドの二酸化炭素税導入構想というところを開いていただきますと、先月の末、4月30日にニュージーランド政府が温暖化対策のパッケージを発表しています。現在、このパッケージ全体がパブコメ中ということですけれども、その中において二酸化炭素税を京都議定書の第1約束期間すなわち2008年以降に導入するという方向性を打ち出しております。そして二酸化炭素トン当たり25ニュージーランドドルというような税率を設定するとしています。
     経済主体をエネルギー集約的な「競争激化グループ」と一般的な経済主体の「一般エネルギー消費グループ」、及びその他2つをあわせて4つに分けましてそのうちの2つ、今私が申し上げた2つのグループに関して二酸化炭素税を課すということです。特にこのエネルギー集約的なグループにつきましては、英国同様やはり協定制度といったものを念頭に置いているということでございます。
     詳しくはまたお持ち帰りの上ごらんいただければと思います。各界の反応も6ページ以降に付いています。
     それから8ページ目ですが、現在このアメリカやイギリスの研究者の中で非常に関心を集めている一つの温暖化対策として、排出量取引に一定の価格帯をベースとしまして、その価格を超えた場合の取引については事実上税と同じような効果を持たせるというような制度が検討されているようでございます。この資料ではこういったいわゆる税と排出量取引を組み合わせたハイブリッド型のアプローチにつきましてどのような研究がなされているかについて、地球環境戦略研究機関のリサーチャーの方にまとめていただいたサーベイペーパーでございます。ご参照いただければと思います。
     それから最後に、13ページ以降ですが、既に炭素税なり温暖化対策の税を導入している北欧諸国やドイツについても順次事後的な評価分析が発表されてきていますので、改めて全体を整理して提供させていただきました。
     13ページのスウェーデンのところをごらんいただきますと、スウェーデンは当初導入してから産業界からの声などを反映しまして一部税率を下げています。それによって二酸化炭素の増加のかなり大きな効果が出てきてしまったという分析が事後評価の中で出てきています。これは我が国の制度を今後考える上でも示唆的な部分かと思います。
     また、ドイツにつきましては、17ページですが、既に昨年の委員会の中でご紹介した分析に加えて今年の2月、今までの環境税制改革の評価についてドイツ政府から発表がなされております。2の「経済・雇用への影響」の上から3番目の「○」ですが、燃料の消費量は2000年に前年比で 1.3%減、2001年にはさらに 1.8%減ということで減少傾向が続いているとし、また公共交通機関の旅客数が増えてきた、特に鉄道利用者が増えたというような状況が報告されております。
     参考資料2につきましては以上でございます。
     もう一つ、先ほどの別冊の方で「国政モニター月報」というものをお配りしましたけれども、これは内閣府の政府広報室がまとめているもので、いわゆる国の政策、国政に関するモニターの方々にアンケートをしたものでございます。
     質問票を作成する段階では、昨年末までのこの委員会の検討状況を参考にしまして、それに対する回答ということです。記述式の回答部分もありますので、後ほどご参考にしていただければということであります。
     私からは以上でございます。

    ○飯野委員長 ありがとうございました。
     資料がちゃんとあるかどうか、あるいは参考資料等について何か確認したいことがございましたらどうぞ。よろしいでしょうか。
     それでは、先へ進ませていただきます。
     まず、メインテーマの議論にかかわる幾つかの資料をご説明いただこうと思います。
     まず1番目は、制度オプションを議論する場合には既存関連税制との関係整理が不可欠であります。既存関連税制はすべて特定財源となっており、これら特定財源の現状についての理解を深めていくことが重要と考え、事務局に資料提出をお願いいたしました。前回経済財政諮問会議でも特定財源と絡めて環境税が扱われているとのお話もございました。また、導入済みの欧州諸国でも環境税は税制全体の改革の一環として導入されているケースが多いわけでありますけれども、我が国の近年の税制改革の経緯、またまさに今現在の税制改革の検討状況についての資料を用意していただきました。また、温暖化法案の審議状況の資料も用意していただいております。これらについて、資料1から4に沿って事務局から説明をお願いいたしたいと思います。

    ○後藤総政局調査官 それでは私から資料1から3までにつきましてご説明をさせていただきます。
     まず、資料1「我が国特定財源制度について」という資料の表紙をおめくりいただきますと、特定財源等の概要ということで、平成14年度予算・地方財政計画額が記入された表がございます。
     まず、国税につきましては、この専門委員会でも昨年ご紹介いたしましたとおり、化石燃料課税の幾つかの税がございます。揮発油税に関しましては、昭和24年に創設されまして、29年から特定財源化され、税率は既にご案内のとおり本則税率に上乗せする形で現在暫定税率のキロリッター当たり4万 8,600円という税率になってございます。税収の使途につきましては国の道路財源ということで、その4分の1は道路整備特別会計に直入されている。根拠法がございまして、道路整備緊急措置法で手当てされているということでございます。税収規模は2兆 8,442億円というものでございます。
     それから次の地方道路税ですが、昭和30年に創設されまして、同じく課税対象は揮発油。これも本則税率に暫定税率がのっているということでキロリッター当たり 5,200円で、これは地方の道路財源として全額譲与ということでございます。これは地方道路税法にその使途が明記されているということでございます。
     それから石油ガス税でございますけれども、昭和41年創設ということで、これは自動車用の石油ガス、ボンベに積まれているものでございますけれども、キログラム当たり17円50銭という税率。2分の1は国、2分の1が地方と折半で使われるということでございます。これも道路整備緊急措置法を根拠法として持っている。その税収は石油ガス譲与税によって地方に回っているということでございます。
     それから自動車重量税でございますけれども、これは自動車そのものにかかるもので、課税対象は乗用車、トラック、バス、軽自動車等でございます。乗用車につきましてはここにございますように重量によって 0.5トンごとに税率が決まる。軽自動車につきましては自家用と営業用で分けている。税収の使途につきましては、国の道路財源、また公害健康被害の補償費用の財源として交付されている。4分の1は地方の道路財源として譲与されるということでございます。
     これにつきましては下に注意書きがございますけれども、平成14年度の予算においては道路特定財源等の額の道路予算額を上回ったことから、この部分につきましては一般財源として活用されているという措置がなされています。
     それから2ページ目に参りますと航空機燃料税でございますが、これは空港整備という形での根拠法がございます。
     それから電源開発促進税でございますが、昭和49年に創設されて、一般の電気事業者の販売電気にかかっている。税率は 1,000キロワット時当たり 445円ということで電力料金に組み込まれています。税収の使途につきましては電源立地対策と、電源多様化対策財源というような形になっていまして、根拠法として電源開発促進税法での規定がございます。
     それから石油税でございますが、上流課税ということで昨年来議論をいただいているものですが、課税対象は精製前の原油、それから輸入される石油製品、天然ガスでございます。原油の場合、ここにございますようにキロリッター当たり 2,040円という税率で、その税収の使途につきましては石油及びエネルギー需給構造高度化対策財源という形で特別会計法が別途定められております。
     次に地方税の関係でございますが、化石燃料課税では軽油引取税が昭和31年に創設されていまして、軽油の引き取りという段階でかかっています。これにつきましても、暫定税率がかかっており、本則の上にのっかってキロリッター当たり3万 2,100円という税率になっています。税収の使途は都道府県と指定市の道路財源であり、地方税法にその規定がございます。
     それから自動車にかかる地方税として自動車取得税がございますが、これは同じく地方税にその根拠を持っています。
     以下、道路財源、それから石油関係の財源、そして電源開発の財源ということで3つの特定財源に的を絞った資料がついてございます。
     4ページが道路特定財源一覧でございます。
     内容につきましては、先ほどご説明したところから道路財源になっている税目を抽出して一覧表になっていますので、説明は省略させていただきます。
     次のページをおめくりいただきますと、この財源が道路整備五箇年計画との関係で随時税率が決められてきており、その税目も広がりを見てきたということがおわかりいただけるかと思います。昭和29年に揮発油税が始まったわけでございますが、順次道路財源としての使途の必要性に応じて税率が引き上げられてきている。そして同じ揮発油にかかる地方道路税が地方へ譲与される分として導入されてきた。これは一部税率が引き下げられたところもございますが、さらに軽油引取税が入ってきた。そして石油ガス税、そして自動車にかかる自動車取得税、自動車重量税という形で税目が増えてきているということでございます。
     これは暫定税率、下にございますように基本的には来年の3月までの平成14年度末で期限切れを迎えるということでございます。ただし、自動車重量税、自動車重量(譲与)税につきましては4月末というようなことになってございます。
     次の6ページでございますが、道路事業にどのような形でお金が流れているかについてのフローチャートでございます。
     やや仕組みが複雑でございますが、特定財源に入ってそれぞれの事業にいくものと一般財源から入っていくものとに整理がされていますが、国費分がここにございますように一般財源と特定財源合わせて3兆 4,724億、特定財源が3兆 3,826億という規模になっています。
     それから次のページですが、道路財源の使途内容については道路そのものの建設費というものに回る以外にも、いわゆる自動車利用者の利便に資する事業という分野がございまして、これに関するものを国土交通省の資料からコピーをしたものです。例えば連続立体交差事業といったようなもの、それからモノレール、これは軌道が道路の上にある場合については道路予算ということになっております。それから交通結節点の改善でありますとか土地区画整理その他がございます。それから平成14年度には低公害車の技術開発に国費が5億円計上され始めています。道路財源の一部が環境対策的なものにも使われているということですが、全体の規模はこの程度ということでご理解いただければと思います。
     それから次の8ページですが、石油エネルギー需給構造高度化対策特別会計の資料です。これも経済産業省の資料をコピーをしています。
     左側には石炭勘定、原油等関税がついていますが、石油税にかかわる部分、すなわち真ん中の石油税の部分をごらんいただければと思います。これは石油対策の部分とエネルギー需給構造高度化対策の2つに分かれてございます。左側の石油対策につきましては、中ほどにある石油備蓄関係の金額が大きなものとなっています。
     それから右側のエネルギー需給構造高度化対策につきましては、省エネルギー対策のうちの導入促進対策、省エネ技術開発が大きなウエートを占めています。また、中ほどにありますように、新エネルギー対策として、クリーンエネルギー自動車の導入促進、燃料電池の技術開発、太陽熱利用云々といったような新エネルギー対策へも割り振られています。このあたりが昨年に比べまして14年度で伸びている部分です。全体を通して見ますと、この特別会計において石油対策がエネルギー需給構造の高度化対策の約倍の予算が振り向けられているということです。
     次に、9ページに参りますと、先ほど電力に課税されていると説明しました、電源開発促進税の使途である電特会予算の概要がつけてございます。
     これも電源立地勘定と電源多様化勘定の2つに分かれます。原発等の電源立地の対策として地域振興というようなことで予算が割り振られているのが左側(電源立地勘定)でございます。電源立地特別交付金、電源立地促進対策交付金といったところに大きな金額が割り振られています。
     右側の電源多様化勘定につきましては、先ほどの石油の場合と同じように新エネルギーの開発促進にかなりの予算が振り向けられている。新エネルギーの導入自治体・事業者支援や、太陽光発電の導入促進といったところに使われる。さらに、再生可能エネルギーの開発促進にも予算が割り振られていますが、これはいずれも金額は前年度と比較しまして大体横ばい。新エネルギーのところが伸びているということがうかがえるかと思います。
     これらの特別会計でございますが、ここには記載がございませんけれども、全体としまして歳入の方は基本的に目的税なり使途が決められた税収によって確保されていく一方で、使途がかなり厳格に限定されているため、予算に組み込まれた歳入額以上の歳入が決算ベースで出てきています。
     他方において決算ベースでの支出を見ますと、それを大きく下回る傾向が最近続いているようでございます。手元の決算書から数字をちょっとご紹介いたしますと、平成12年度の決算で石油及びエネルギー需給高度化対策の関連の勘定を見ますと、歳入予算額の 6,061億円に対しまして実際の決算の歳入が 9,328億円。これに対して決算ベースでの支出を見ますと 4,426億円となっています。また、先ほどの電源特会の電源立地勘定を見ますと、このあたりなかなか原発の建設が進まないという状況も背景にあり、歳入ベースの予算が2,282億円。これに対して実際の決算での歳入が 3,210億円。実際に支出された決算の金額が 1,490億円という現状にございます。
     以上が資料1の説明でございます。
     続きまして、資料2「近年の税制改革の経緯について」という別様の資料に移らせていただきます。
     全体としてどのような形で今までの税制改革が進んできたのか、ちょっと過去を振り返ってごらんいただければということでご用意させていただきました。
     1ページ目をおめくりいただきますと、一昨年の夏に政府・税調の中期答申に盛り込まれた文章がそのまま載ってございます。
     まず(1)のところにありますように昭和62年、63年のいわゆる抜本的税制改革というものがございました。そこでのポイントといいますのは、2ページ目の下のアンダーラインのところに書かれていますが、個人所得課税について大幅な負担軽減を図ったこと。資産性所得については課税の適正化、それから法人課税につきましては実効税率の引き下げというような軽減が行われたということでございます。それとの対比で間接税に関しましては、個別の間接税を整理・合理化するという形で平成元年4月から消費税が導入されたことはご案内のとおりでございます。
     また、平成元年以降の税制改革について3ページ以降に書かれていますが、平成6年の税制改革において大きな改正がございました。下の方のイのところに平成6年の税制改革、またアンダーラインがございますが、具体的には個人所得課税についての税負担の大幅な軽減をこのとき行っています。消費税に関しましては、広く負担を求める、分かち合うということから税率を引き上げる方向が打ち出されました。平成6年の税制改革の特徴としましては、これはあわせて景気対策といった側面を持っていたということで、4ページ目のアンダーラインにございますように、消費税率の引き上げは平成9年4月つまり制度減税を行って先行減税をした上で消費税の引き上げがあったという手法がとられたということでございます。
     そういった経緯につきまして、平成元年以降の動きを税目ごとに時系列的な表にまとめましたものが5ページ目に付いてございます。
     先ほど申し上げましたが、抜本的税制改革、昭和63年から平成元年、法人税については税率引き下げ、そしてバブルの時期を経てからの平成6年の税制改革、景気対策ということで個人所得課税のところは先行減税、これを平成8年まで続け、特別減税を平成6年中に行っている。そしてこれとの見合いで平成9年の消費課税の欄にございますように消費税率の引き上げが実施され、地方消費税が導入されたということがございます。
     それから近年の動きにつきましては、平成10年、平成11年、金融不安以降の景気対策ということで種々恒久的な減税等の措置がとられてきたということがごらんいただけるかと思います。
     資料2につきましては以上でございます。
     そして資料3に移らせていただきます。
     これは現在の税制改革の議論を前回の専門委員会でもご紹介させていただきましたが、その後の動きについてフォローするという意味で、この5月21日、経済財政諮問会議において民間4議員の方から提示されたペーパーでございます。
     1ページ目をおめくりいただきますと、社会資本整備のあり方、これにつきましては先ほどご紹介しましたように、自動車重量税の使途につきましては一部一般財源化されたわけでございますが、今後につきましてその効率的な見直しといったものが縷々盛り込まれているわけです。すなわち、2ページ目の下の方に「道路等の「特定財源」についてはそのあり方を引き続き検討する。なお、特定財源とされてきた諸税の税率に関しては、これらの税が有する種々の環境改善効果に十分配慮する。」という一文が盛り込まれています。
     それから2ページほどおめくりいただきますと、同じ日に同じく4議員から提示された「平成の税制改革−公正、活力、簡素−」といった表題のペーパーがつけてございます。
     資料の5ページ以降でございますが、その6ページ目の中ほどに、前回本間委員の方からご紹介がございましたが、税制改革の項目としての「(3)長期にわたる安心の確保のために」中で、「公共事業の長期計画における重点化を行い特定財源制度を見直す」。さらに、もう一文として「地球環境に配慮した税制をめざす」という文章が入っています。
     以上が諮問会議での動きでございます。
     そして先ほど資料確認のときに一番最後にご紹介いたしました「議論の整理」、右肩隅に手書きで24日の政府税制調査会総会資料と書かれたものでございます。先週金曜日に政府・税調の方の総会が開かれまして、この中で今の議論の論点整理という形で配付されたものでございます。
     その3ページ目をおめくりいただきますと、全体の項目のうちの「その他」の中に酒、たばこ税などと並んだ形で2番目の項目に「特定財源等と環境問題への対応」という整理で特定財源等の歳出面を含めた基本的なあり方、税制面での対応、国際的に見て高くないエネルギー関係諸税等の負担水準、環境問題への対応という項目が入っています。
     また、先週の21日に、この政府・税調の基礎問題小委が開かれまして、この専門委員会のメンバーでいらっしゃる中里先生が環境税についてのご報告をされ、年末の専門委員会のとりまとめの内容が席上配布されて紹介されたということでございます。そこでの議論及び政府税調の24日の総会での議論は、今後エネルギー諸税の関連の特会につきまして一般財源化が必要ではないのかという議論が多く出されたと伺っております。
     資料3は以上でございます。
     私からの説明は以上でございます。

    ○石飛地球局調整官 続きまして、資料4に基づいて京都議定書の承認及び地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審議状況について簡単にご報告を申し上げます。
     京都議定書の承認案、そして法律の改正案、いずれも3月29日に閣議決定をいたしまして国会に提出いたしました。そして5月21日にそれまでの衆議院の審議を終えまして本会議で両議案とも可決されました。翌日から参議院での審議が行われておりまして、法案につきましては5月22日、議定書については5月24日にそれぞれ本会議において趣旨説明、質疑が行われました。今週にかけて参議院での審議が行われる予定になっておりまして、明日は法案についての参考人の意見陳述、質疑が行われる予定でございます。この後、順調にいきますと今週中にも参議院の本会議で可決し、両議案とも成立をするという見込みでございます。その場合には、来週前半にも京都議定書の締結についての閣議決定を行いまして、条約事務局に寄託をするということで今後の作業が進められる予定になっております。
     以上でございます。

    ○飯野委員長 どうもありがとうございました。
     それでは、今ご説明いただいた資料に関しましてご質問等がございましたらどうぞ。

    ○天野委員 先ほどご紹介のありました政府税調の調査会の資料なんですが、環境問題への対応というのは確かに入っております。これは特定財源等との関連で入っているように思うんですけれども、例えば基本的な考え方の中には環境問題というのは出てこないと思いますので、自由な経済活動を妨げない税制が必要だということであれば環境負荷を増進しないような税制が必要だということも一般的には言えるんじゃないかと思うんですが特定財源の一般財源化ということだけで環境問題の配列が少し寂しいなという感じがいたします。環境省の方はどういうふうにお考えでしょうか。

    ○後藤総政局調査官 基礎問題小委員会にご参加されている委員の方からちょっといただければと思うんですけれども。

    ○飯野委員長 税調での議論を含めましてご説明いただければ。

    ○奥野委員 基礎小に参加しているのでちょっとだけというか、簡単にその背景といいますか、何をしているのかをご説明しようと思うんですが、今年の初めぐらいから税制改革全般に関して何を議論したらいいかというのを基礎小で毎週1遍ぐらいやって議論しているんです。
     議論の中身は、ここに約3枚に細かく書いてあること全般にわたっておりまして、それを実はもうこの間の21日の基礎小で基本的な議論は終わりで、今日からその報告の起草作業に入るという状況になっております。というところからお察しいただけるかと思うんですが、実は環境問題に割けた時間というのは極めて限られておりまして、むしろ話としては環境問題、環境税制に関してどういう論点があるのかということに関しての事務局からの説明とそれに関する若干のフリートーキングということが中心です。
     議論した中身はもちろん特定財源も多かったのですが、そのほかに例えば産廃に関する問題であるとか、そもそも地球環境問題を地方税が負担すべきなのか、それともやはり国がやるべきなのか、そういうやや哲学的な部分も入っていなくはないので、議論として特定財源だけの話になってしまったというわけでは必ずしもないというふうに思います。
     ただ、一番最初に申し上げたような理由で必ずしも突っ込んだ議論がまだ出来ている状況ではありませんで、きょうから二、三回の起草委員会というのがありまして、そこでその報告書のため詰めた議論をある程度すると思いますけれども、多分今の税調の雰囲気では、あるいは基礎小委員会の雰囲気では、環境税の問題というのはかなり本質的な問題でしかも重要な問題であると。余り早く決めるというのも少し無理なので少し時間をとってきちんと議論すべきではないかというニュアンスが強いので、本年度の年度末の答申もありますし、来年半ばには多分中間答申というのもありますので、そのぐらいを見据えて環境問題に関して議論していくことになるのではないかというふうに思います。
     以上ですが。

    ○飯野委員長 どうもありがとうございました。そのほかどなたかございますでしょうか。
     ないようでしたら、後ほどまた質問がありましたらそのときに戻るといたしまして、先へ進めさせていただきます。
     次に、温暖化対策税制の制度オプションとその取り進め方についての議論に入りたいと思います。
     私の方でたたき台を書いてまいりましたので、説明させていただきます。
     資料5の「温暖化対策税制の制度オプションとその取り進め方について」という1枚紙をごらんいただきたいと思います。
     まず、制度オプションについてでございますけれども、昨年末のまとめと、それから前回の討論を踏まえまして環境税というものはすべての化石燃料、又はこれにかかる二酸化炭素の排出を課税対象とすべきではないか。削減のインセンティブ効果に大きな影響を持つ課税段階を以下の3つに分類してはどうか。既存税制との関係、その他の政策手法や電力、鉄鋼への課税方法との組み合わせ方、あるいは税収の制度などについてはこの3つの制度オプションそれぞれごとに詳細に検討することにしてはどうでしょうかということであります。
     オプションとして一応3つ考えました。最初の2つは間接税でありまして、オプションのIは燃料の上流課税をしてはどうか。例えば石油税のように燃料の上流課税をしたらどうか。それをすべての化石燃料に対して炭素含有量を勘案して上流で課税してはどうか。
     それからオプションIIというのは今度は下流課税でありまして、すべての化石燃料に対して炭素含有量を勘案して下流で課税してはどうか。現実に下流課税としては軽油引取税とか個別物品税のようなものが考えられるわけですけれども、そういう炭素税を考えたらどうか。
     それからオプションIIIはこれはもう直接税でありまして、二酸化炭素の排出に対し、その排出量に応じて排出者に課税をしたらどうかという案で、これは奥野先生のご提案を一応利用させていただきました。
     ただ、これは環境税の一つのオプションでありまして、今後の進め方でございますけれども、本専門委員会といたしましては効率的に対策を推進するために税制改革全体の中で温暖化対策税制がなるべく早く導入されることを強く期待いたしまして、第1ステップの対応と第2ステップの対応を考えました。
     ご存じのように温暖化対策推進大綱で示されたステップ・バイ・ステップ・アプローチの第1ステップというのは、2002年から2004年度では実質的な取り組みが中心となりますし、小泉首相が増税はやらないと言われておりますので、その枠内で考えてみますと、ただし既存関連税制である道路等の特定財源諸税は既に大きな排出抑制効果を持っているということを踏まえて温暖化対策の観点からその課税と使途の両面で対応することが必要ではないかというふうに考えます。
     また、現在検討されている経済活性化のための研究開発や投資に係る税制面での優遇措置に温暖化対策を積極的に位置づけ、企業等の自主的な取り組みを促進し、環境と経済の両立に向けた対策を推進する必要があるのではないかというのが第1ステップ、現状でございます。現在考えていくべきテーマではないか。
     そして第2ステップに入りますと、対策進捗状況のレビュー等において必要とされた場合には、第2ステップ、つまり2005年から2007年度でありますけれども、以降を早期にポリシーミックスの相手方となり得る協定や排出量取引制度のような他の政策手法の検討状況も踏まえて適切な制度オプションを選択し、二酸化炭素排出削減を主目的として本格的に導入すべきではないかということを一応たたき台として考えてみました。
     その第1ステップの2番目のところで、道路特定財源等を中心とした特定財源は非常に大きな排出抑制効果を有しているというふうに私どもは考えているんですけれども、もう少しこの場でもそれを計量的に示した方がいいんではないかというふうに思うんでありますけれども、どなたかそういう作業を手伝っていただけるというか、ここでやっていただけるとありがたいんですけれども。

    ○森田委員 このような状況になりますと、国立環境研究所が多分用意せざるを得なくなるというふうにはもう大体筋書きが見えておりまして、私どもが何らかの形で計量的な分析結果を用意させていただきたいと思います。
     特に暫定税率から本則に差が大体リッター当たり20円以上ございますものですから、弾力性で大体の予想はできるんでしょうけれども、多分各セクターにおけるいろいろな代替効果が生じますででしょうし、またセクター間のインタラクションが生じますでしょうから、少しモデルの分析が必要になると思いますので、できるだけ早急にこちらの方で用意させていただきたいと思います。

    ○飯野委員長 ありがとうございます。それでは、次回にお願いをいたしたいと思いますので。
     このたたき台について、皆さん何かご意見がございましたらどうぞご自由に言っていただけるとありがたいんですけれども。

    ○諸富委員 制度オプションの方なんですが、オプションIIIでこれは奥野先生のご提案で排出課税ということなんですが、通常例えばSOxだとかNOxの場合ですと、排出税というのは最も望ましい。インプットにかけるよりは排出にかける方がよいという議論をよくするわけですが、しかし、CO2 税の場合には排出者がどれだけCO2 を排出しているかというのを実際にモニタリングして税をかけていくのは困難ではないか。例えば自動車の排気ガスからどれだけCO2 が出ているのか、これは難しいということがあって通常もう少しさかのぼって燃料課税、つまり燃料に炭素含有量と恐らく排出量の間に一定の関係があるので炭素含有量にかけましょうということになったと思うんですが、ここで奥野先生が、私はこれをもちろんオプションとして議論することは賛成なんですが、実際に執行するという場合にその制度設計について、どういうふうに先生は考えておられるのかということをお聞きしたいと思います。

    ○奥野委員 私は要するにまずそもそもなぜ排出税をということを申し上げたかというと、燃料に課税するいわゆる上流課税をした場合には、同じだけの炭素を使いながら排出を減らすという努力をするインセンティブが失われる。典型的なものが炭素固定化を排出段階でするというインセンティブが失われてしまう。だから燃料よりは排出課税はもし、今諸富さんがおっしゃられたように排出量に関するモニタリングが可能ならば排出税の方が本来望ましい性格を持っているということが一番の理由で排出税も考えてみたらどうでしょうということを申し上げたわけです。
     具体的にどうしたらいいかということですが、簡単に言ってしまえば、恐らく例えば個々の自動車であるとか、個々の小さい企業が持っている発電機であるとか、そういう小口のものが出す排出量をモニタリングすることは多分不可能だろうと思います。自動車に関してはややスタンダード的な形でやることは不可能ではないかもしれませんけれども。
     むしろ私が一番念頭に抱いておりますのは、例えば電力会社であるとか鉄鋼会社であるというような大規模な排出を行っているところです。こういうところに関してはモニタリングが基本的に可能なので、排出権制度ないしは排出税で対応すべきだろう。私自身は排出取引権ということでいいんじゃないかと思っているんですが、日本の鉄鋼会社とか電力会社の今現在の対応を見ていると、排出量取引に関しては極めてネガティブな対応をしているので、そこでむしろ問題提起をきちんとするためには排出課税ということを表に出して、排出課税をすると彼らは非常に大きな負担が出てくるわけですね。つまりグランドファーザーみたいな排出量取引だったら出てくる税金の免除が排出税だと無くなってしまうので、非常に彼らとしては困るだろう。そうするとむしろこれを表に掲げれば排出量取引の方に参加してきてくれる可能性が大きいのではないか。ややストラテジックにこういう排出税というものを表に出して、そこから議論していった方が良いのではないかというのが私の意見です。

    ○飯野委員長 ありがとうございます。そのほか。

    ○天野委員 この委員会は税の話だけをするということになっておりますけれども、今の奥野委員のご意見からもわかりますように、課税をする、あるいは課税の負担を減らすために減税をするというふうなことと、グランドファーザリングのような排出許可証を無償で与える、そういういろいろな手法の間の選択ということが当然問題になってくると思うんですね。私も特に炭素の固定化というふうなことがこれから非常に重要なことになると思いますので、制度の中にそういうインセンティブが入っているような制度を考えるという点からいいますと、やはり税のかけ方とそれからそういった税ではないような、しかし経済的にインセンティブを持つ手法、これもやはり一緒に議論する必要があると思うんですね。ですから、ここは一応制度上税制の議論をするということでそれはそれでいいと思いますけれども、同時に今のような議論をするのであれば第2ステップ以降のことになるのかもしれませんけれども、ポリシーミックスの相手方となるような排出取引制度だとかあるいは自主協定のようなそういった制度を検討する委員会というのを並列にして、両者の間で非常に頻繁な意見交換をしながら両方で議論を進めるというやり方をとっていくのが良いんじゃないかというふうに思います。
     ですから、ここでオプションIIIというふうに排出課税と書いてありますけれども、これはオプションIIの下流課税、下流と言えるかどうかわかりませんが、大口固定排出源に対してきちっとした測定装置をつけてモニタリングをしっかりやって課税をするなり、あるいは排出取引をするなり、そういうことも当然考えられますから、IIとIIIというのは必ずしも別の制度というふうには切り分けない方が議論がスムーズにいくんじゃないかというふうに思います。
     以上です。

    ○飯野委員長 ありがとうございます。横山委員、どうぞ。

    ○横山(裕)委員 温暖化対策税制とか炭素税制というと確かに化石燃料ということに限定されると思うんですが、それはそれでいいと思うんですけれども、今求められているのはやはり電力消費全体、あるいはエネルギー消費全体を減らすということだと思うんですそういうことからいうと原子力とか水力を除くのはまずいと思いますが、その辺はどうお考えになるのか。これは全体的なことを考えてそういう問題を後で改めて論議するということなのか、初めからもう原子力、水力については二酸化炭素を出さないからそれは無税だというお考えなんでしょうか。

    ○飯野委員長 初めから全く排除しているわけではありませんで、とにかくこういう環境税を考えた上で、その例外措置として考えていこうというふうに私は考えております。
     実は6月20日前後に経済財政諮問会議の税制改革の基本方針がまとめられることになっておりますので、それまでにこの委員会の一つの報告書をまとめたいということで次回及び次々回もその前に行って決めたいということなので、きょういろいろご意見をいただいて次回及び次々回までに何とかまとめたいということなので、済みません、思いつくことで結構ですから今いろいろなご意見をいただけるとありがたいと思うんですけれども。
     大塚委員、どうぞ。

    ○大塚委員 そういうことでしたらちょっと思いつくことだけ少し申しますが、今横山委員がおっしゃったことは私も考えなくてはいけないことだと思っているんですけれども、ただ先の話なのかもしれませんが、必ずしも例外かどうかよくわからないと思っていて、ECのエネルギー・炭素税に関する指令案というのは前から出ていてなかなか決まりませんが、あそこで炭素とエネルギーと半々に換算するということをしているのは、炭素税を入れたときに原子力に流れていくことをどう考えるかという問題があって、水力に流れてもどうせ限界がありますのでそれほど大したものではないんですけれども、炭素税を入れたことによって原子力の方に移行していくということをどう考えるかという問題があることはあって、その点はもし税を考える上では、ちょっと先の話かもしれませんけれども、考慮しなければいけないことだということを言及しておきたいと思います。

    ○飯野委員長 ありがとうございます。そのほか。
     横山委員、どうぞ。

    ○横山(彰)委員 中央大学の横山です。
     幾つか短期的には今の税制改革論議の中での政策的な実効性みたいなことで環境省自体でどういうふうにスタンスをとるかということについての対応はすごく重要だと思うんですけれども、基本的なことをやはり大きなところを考えておく必要があるんだろう。そこは、例えば税制全体の中でのグリーン化ないし、今ご議論のあったいわゆるエネルギー税との関係、相対的なものも全部ある程度できた上でとりあえず今の段階では例えば小泉政権のもとで進められようとしているところではここが当面可能、フィージビリティが高いだろうというような前提を置いた上でこうした、今飯野先生の制度オプションのもとでいろいろなことをやっていく。
     そうしたときにモデル、これは森田先生がやってくださると思うんですけれども、どういうモデル分析を使うのか。例えばそのときにマクロのモデルを後藤先生初めさまざまな先生方が取り組んできたような大きな話をするのか、あるいは私とか植田先生が一緒にやられたような部分均衡でやるのか、そのときも各弾力性についてどういうふうな想定を置くのか、あるいはコンピタブルなゼネラルティビアンモデルみたいな形で産業連関含めて今盛んに取り組まれているような新しい枠組みの中でやっていくのか。だからモデル自体もいろいろなモデルがあると思うので、そこもいろいろ検討しておくべきでしょうということが幾つかある。
     だからこのオプションについては3つのオプションがあると同時に、分析の枠組みもいろいろな分析の枠組みを同時に1つに決めずに用意しておく必要があるんではないかと。森田先生のモデルはボトムアップのようなもともと3税の案が出てきたときも、それを使うことについての補助金として使うことでCO2 の排出を減らそうというようなことで、どちらかというと税制のインセンティブメカニズムを使うよりも財源調達としての税制の活用というような形で3税のオプションの格好で出てきたと。そうすると、やはりそのモデルの部分をもう一回いろいろな対応で考えておかなくてはいけないとは思うんです。そこら辺がひとつ重要になってくるんではないか。
     それから、オプションのことでも考え得るオプション、オプションI、オプションIIではなくて私のオプションは、その他のとりわけ税収の使い方についてはやはりフィージビリティを考えたときには極めて重要になってくると思います。今これだけ不況と言われているとするならば、当面はいわゆるヨーロッパがやっているように雇用対策のような形で社会保険負担を下げるような形で税収を使った場合にどういうものもあるのかとか、それから所得減税した場合とか法人税減税した場合とかかなりいろいろなものを考えた上で代替案をシミュレーションとして考えておくのかどうか、その辺をどういうふうにするのかということがモデルがいろいろあるということと、それからそこでどういうシミュレーションをこの委員会としては考えるのかということと、それからもう一つは地方税の、私は電気ガス税を復活させることを言っているとするならば、そういうようなものも含めて考えていくのか、この辺が分析の仕方の問題だろうと思うんです。
     それからあともう一つ私がこの委員会の位置づけでとりわけ注意しておいていただきたいと思うのは、今の税制改正の、あるいは税制改革の意思決定過程において、この委員会がどういうふうに位置づけられているのかというと、あくまでスタッフ的な形でこういう案でやればこうなりますという提示だけでとどまらざるを得ないのかどうか。そのときに例えば議員立法等のもっと強い、一歩踏み出してそういうようなオプションを出すおつもりがあるのかどうかそれはわかりませんけれども、現実のある政策を実現するときに今の審議会すべて含めてですけれども、経済財政諮問会議も含めてですけれども、この報告書がどこでどういう役割を果たすのか。いろいろなオプション、いろいろなモデルで、そしていろいろなシミュレーション、ケースを分けてこういう効果がありますということを提示するだけでとどまるのかどうか。その辺も私は重要になってくるんではないか。
     以上、私見です。

    ○飯野委員長 ありがとうございます。言われると、非常にお願いしづらいんですけれども、横山さんたちのまた案も新しいものがありましたら示していただけるとありがたいんですけれども、どうでしょうか。

    ○横山(彰)委員 それはやらせていただきますけれども、この委員会とは別に一つの研究成果として提示させていただくことは、どこまで準備できるかわかりませんけれども、やらせていただきたいとは思っています。

    ○飯野委員長 ありがとうございます。それではできるだけ早くお願いします。
     桝井委員、どうぞ。

    ○桝井委員 ここの第1ステップの対応というのが実に大事なように思うわけですが、とりわけ第1ステップというのは一般的にはどうも何もしないんじゃないかと言われている中の状況ですので、ここでいかに準備しながらいわゆる第2ステップ、第2ステップの前でもいいですけれども、環境税なりこういう形に入ってほしいと思うんですが、この第1ステップの段階でやはり先ほどのお話では電源関係を含めて使わずに済むような金が大分残っておる。いかにこれは十分に使われていないか、時代の要請から離れている形に特定財源部分になっているかということだと思います。
     そこで、ここのところで第1ステップでエネルギー諸税の環境効果、森田さんのところでシミュレーションされるということは、導入部として非常に計量効果見るのが大事だと思うんですけれども、その際このモデルは非常に難しいと思うんですが、計量的に示すのは既に今行われてきたものがどれぐらい効果があったかという過去形のものを見るのか、あるいはこれから既存の中にも税制の非常に規制的なものといわゆるグッズ課税というかそういうものも含まれているんですね。多分そういうふうないわゆるインセンティブ、要するに害の重いものは重くかけ、それより少ないのは低くかけるというような形のインセンティブ的なものも計量的なものに出てくるのか。例えばそういうものが導入部にありますと、まずエネルギー諸税の環境グリーン化という中から環境税へという道が少し開けてくるんじゃないかと思う。その辺はいかがなものでしょうか。

    ○森田委員 横山さんのコメントとともにお答えいたしますけれども、私は横山さんのご意見は全く賛成でございまして、モデルというのはオールマイティなモデルは全くございませんで、常に幾つかのモデルを比較してやるのが一番いいやり方だと思っております。
     中央環境審議会の目標シナリオ達成の委員会でも5つのモデルを比較しまして、それでそれぞれのモデルの特徴を示しながら、大体この範囲におさまるだろうということで一応の結論にしたこともございます。特に一般均衡タイプのモデルとそれからボトムアップのタイプのモデルというのはやはりセクター間のインタラクションを見るか、あるいは技術の可能性を見るかということで分析の置き方が違います。今回私どもの使いますモデルはむしろ技術というよりもセクター間のインタラクションとそれぞれの代替効果を見るということの方が主になりますので、大体40セクターぐらいに分割した一般均衡で解析してみたいと思っております。
     それでその解析のステップでございますけれども、まず次回多分お出しできるのは、暫定税率から本則に税率を低くした場合にどのくらい二酸化炭素の排出量が増えるだろうかというそこのところをまず第1段階としてお示ししたいと思います。大体そこまでができればモデルのキャリブレーションも終わっておりますし、あとはどのような形でも審議会のご要望に応じていろいろな将来のインセンティブに対する効果を計算はしていきたいと思います。
     ただし、そのときに私ども注意いたしますのは、ほかのモデルを常に比較してやるということと、やはりモデルの構造をできるだけ透明性を高めて、それからいろいろなケースに応じてできるだけ感度分析と申しますか、幾つかの将来どのくらいの幅で推計できるかということをあわせてお示ししたいと思っております。

    ○飯野委員長 ありがとうございます。そのほか。
     佐和先生、どうぞ。

    ○佐和委員 今委員長のメモの(2)の[2]というところにかかわるシミュレーションということで議論がございましたが、それに関連して幾つかちょっと私の意見を申し上げたいと思うんですが、まずここは非常に文章としてわかりにくいんですが、道路等の特定財源諸税は既に大きなこれを有しているということで、それがどの程度効果を有していたのかということを計量的に示してほしいということですよね。基本的に道路等の特定財源諸税はということで、特に石油には石油税がかかっていますね。それに対し石炭は全くかかっていないわけですね。逆に、ですから石油税がなかったら、そうするとむしろ石炭よりは石油の方に燃料のシフトが幾らか落っこっていたということになりますと、ここでまたむしろ税があったから結局例えば電源でも石炭が動かしているということでむしろCO2 の排出を増やしたという側面も見落とせないと思うんです。
     それからもう一つは自動車税なんですけれども、保有税に関して重量税が書かれておりますけれども、重量は確かに重い車は相対的には燃費効率が悪いと。ですからこれは重量税がかかっていることの結果としていささかではあっても、あるいは良い、悪いは別にして軽自動車が大変税制で優遇されているということが、結局自動車の排出するCO2 を減らしているんじゃないか。そういう自動車税についてももし可能ならば、これはそんなに一般均衡ということの大げさなことではなくて、部分均衡的にご検討いただければと思います。
     それから、実際自動車のグリーン税制というのはどういう名前でしたか、正式には。去年、おととしあたりから。

    ○青山総政局総務課長 自動車税のグリーン化。

    ○佐和委員 自動車税のグリーン化というのは、あれは何か非常に効果が出ているそうですね。一見ちゃちな感じがするんですけれども、実際にあらわれた効果は大きい。それは単に税金が安いから、車を次に買おうというときに低燃費車、あるいは低公害車をプリファーするという面のみならず、生産者の側がそういう自動車をどんどん売り出すと。ですからむしろサプライサイドに対する影響というのが大きかったというふうに私には見えるんですけれども、そういったところも一般均衡とまでは言いませんけれども、何らかの形でご検討いただければと思います。

    ○飯野委員長 諸富先生、どうぞ。

    ○諸富委員 引き続いて特定財源の問題なんですが、ここで飯野先生のペーパーでは非常に抽象的に課税と使途の両面で対応することが必要ではないかというところで書かれているわけですが、この点についてどこまで論点として押し出すのか。しかも、暫定税率が切れるという非常にいいタイミングで、この機会を逃すと次はなかなかないわけですから、どこまではっきりとこの委員会として提案を出すかということだと思うんですが、例えばまず1つは課税の方でいけば暫定税率をどうするのか。その水準を変えないというようなこと、つまり先ほどの森田先生のモデルによる評価の問題とも関係するわけですが、当然暫定税率を外して本則に戻すと課税部分が低くなるわけですから排出が増えるかもしれないと予測が成り立つわけですが、それはかなり許容できない程度の増え方になるんであればこれは暫定税率を引き下げることによって実質的にかなり税負担の減少になることは環境面からみて問題であるということまではっきり言うのかどうかという点が一つあります。
     それから課税ベースをどうするのか。これはずっと議論が出ておりますが、課税ベースを炭素ベースのようなものに切りかえていくというような話、これはもう横山先生のお仕事とも関連するわけですが、課税ベースについては暫定税率部分というのは例えばこれまで道路をつくっていくということのコストとの対価で受益者としてドライバーたちは負担していたんだという議論があります。したがって、これから道路をつくらない、一般財源化するということになると根拠が成り立たないから、だから暫定税率を引き下げるべきだ、こういう根拠になるわけですが、そうではなくて逆に温暖化対策の観点を入れていって課税ベースをそれにふさわしいものに切りかえていくべきだとはっきりここで言うべきかどうかという、課税面については少なくともその2つがあるんですね。
     それから支出の方で言えば、1つはやはり国交省で、既にある程度ご紹介ありましたように使途を広げているそうなんですが、今後この委員会としてもどんどんもっと広げてください、どんどんやって下さいというお願いをするのか、それとも国交省の範囲を超えて完全に一般財源化すべきであるという提言をはっきりと打ち出すのか、この二通りがあると思うんですが、その点について委員長のお考えをお伺いできればと思います。

    ○飯野委員長 私は個人的には、一般財源化すべきだという議論はここでやってもしようのないお話だと思います。ただ、暫定税率を下げると悪影響があれば、そういう悪影響があるから下げるべきでないという議論はできると思いますけれども、それを一般財源化して何に使えというお話はここではできない。とすると、やれるとしたらそれを環境目的に使うならこういう使い方があるという提案はできると思いますけれども、私が一番恐れているのは一般財源化して国債の穴埋めに使われるというのが一番国民の反発を買うことですから、そういう意味ではただ単に一般財源化すべきだという書き方は余りこの委員会としては好ましくない書き方ではないかという気がいたします。それを環境目的に使うべきであるという提案はできると思いますけれども。
     よろしいでしょうか。余りきっちりした答えになっていませんけれども。

    ○横山(彰)委員 政策のオプションとして、暫定税率部分をピュアな炭素税に変えるようなことでもいいんですか。
     言いたいことは、既存税制の見直しといったときに、暫定税率部分はいろいろなものに特定の化石燃料にかかっている。佐和先生がおっしゃっているように、石炭、重油にはほとんどかかっていない。そうすると、暫定税率部分をレベニューニュートラルにしてピュアな炭素税に変えてみようというオプションはここで検討することの一つとして、私個人的にはやらせてもらうつもりですけれども、その辺のところはどうなんでしょうか。

    ○飯野委員長 それはあり得るんじゃないでしょうか。
     ただ難しいのは、先ほど横山先生が言われたように、社会保険料を下げるために環境税の収入を使うという議論まではここではできないんではないかという気がいたしますけれども、やってもいいとは思いますけれども。
     ただ私はスウェーデンしか知りませんが、スウェーデンの報告書を見る限りは、社会保険料を下げるために使ったけれども、余り効果がなかったというふうな報告書は一応読んでおります。

    ○奥野委員 ちょっと論点変えますけれども、戻りますけれども、よろしいですか。
     先ほどからちょっと議論になっておりました第1ステップの対応の[2]のところで、道路等の特定財源諸税が排出抑制効果を持っているということで森田先生にお仕事が行くという話ですが、ちょっと私、森田先生にお願いすべきことが何なのかというのを一つは確認をさせていただきたいのと、できればそれに関連して、これは森田先生ではなくてほかの方にお願いしてもいいんですけれども、もう一つやはりやるべきことがあるんじゃないかということをちょっとお話ししたいんですが。
     少し気にしておりますのは、税調でもそういう議論がかなり出ているんですが、例えば財界の方々が非常に環境問題を心配していて、とりわけヨーロッパに端的に言えばのせられてしまって非常に厳しい環境規制に日本が取り込まれたんじゃないか。アメリカはうまく逃げたけれども、日本が逃げられないのはまずいということをおっしゃっていて、とりわけ国際排出権取引等で非常に大きなコストを例えばですけれども、負うのではないかということを心配している人たちが結構いるんですね。これは率直に言って財界が心配、今非常に声を大きくして心配していますが、いずれ世論としても大きな問題として出てくるだろうと思います。
     それをちょっと私たちで少し気にしているのは、中環審がそれほどきちんと対応していないのではないか。とりわけ数字をきちんと挙げて心配することはないのか、本当に心配すべきなのかということに関してきちんとした対応を余りしていなくて、やや悪く言えば少し逃げているという感じがするんですね。そういう意味で言うと今の日本の状況、とりわけBaUとの比較等で考えたときに非常に今、日本の状況は悪いわけで、このままいったときにどのぐらいの、例えばですけれども、温暖化対策税制で言うとどのぐらいの負担を国民が負うことになるのかということをきちんと数字で出すべきではないかというふうに思います。そのための材料をもしお願いできるならば、森田さんにお願いしたいというのが私が持っている森田先生へのお願いだということです。
     仮にそうだとすると、実はもう一つ非常に大きな話が抜けていると思うんです。つまり温暖化対策税制でやらなくてはいけないかというとそれだけではなくて、実はそれに伴う機会費用があって、もう一つセカンドオプションがあって、これがどのぐらいの額になるのかということに応じて温暖化対策税制の額も変わってくる。
     それは何かというと、国際排出権取引の値段がどのぐらいになるか。アメリカは逃げましたし、ロシアがどうなるか必ずしもわかりませんが、入ればホットエアはきちんと出てくるはずですから、これがどのぐらいになるのかということがわからないと、そもそもどこまで温暖化税制でコントロールすべきなのかということが決まらないと、その結果、税率も決まらないということになりますので、できれば世界全体の温暖化対策に伴う限界、コストの問題になるんですけれども、これをラフでもいいからある程度試算してどのぐらいの額で、ここまで日本は国内対策をすれば国際排出権をどれだけ幾らで買えそうかということをシミュレーションをしないと、国民に対して説明責任を果たさないと思うんですね。かなり時間もかかるしいろいろな議論も出てくるところでしょうから、できるだけ早くここは詰めておかれた方がいいのではないかというふうに思います。
     森田先生に行くとすると非常にご迷惑なお仕事がまたもう一つ増えることになるのでそこのところはご配慮していただいて、ただ大事な話だと思いますので、もしお願いできればぜひよろしくお願いしたいと思います。

    ○佐和委員 今の排出権取引の話ですけれども、アメリカが離脱したことによって、ほとんどただ同然になるんじゃないかという気すらいたします。ですから、そういう意味では国内対策を何もやらなくてもいいということにもなりかねない。森田さん、そうですよね。アメリカがいたときでも森田さんが以前計算したの50ドルぐらいでしたっけ。50ドルぐらいだったのが、アメリカから見たらほとんど10分の1、つまりサプライヤーの方は全然変わらないわけですね。ディマンドの方がもう半減ないしというようなことでオーバーサプライのような状況になると思うんですね。
     それから、ちょっと僕は余り関連していないんですけれども、環境省にちょっとお伺いしたいんですが、要するに京都議定書の解釈の問題なんですけれども、アメリカが離脱した場合に、例の55%の条件というのはアメリカも含めて考えるんですか、それとも離脱すればという感じがするんです。その点はどういうふうに解釈なさっているんでしょうか、政府は。

    ○三好環境経済課長 条約は……。

    ○佐和委員 だけど、アネックスワンカントリーの排出量は55%超えるでしょうけれどもアネックスワンカントリーではなくなるわけでしょう。

    ○石飛地球局調整官 条約上のアネックスワンカントリーですから、アメリカは京都議定書は支持しないと言っておりますが、条約は批准しているわけですから、アネックスワンカントリーとしての立場はあるわけです。

    ○佐和委員 コミットメントした国のことをアネックスワンというんじゃないですか。つまり義務を負った国々のことを、そういう国々の集合のことをアネックスワンというわけではないわけですか。

    ○石飛地球局調整官 ですから、条約上の義務はアメリカは依然として負うということは立場は変わっていないわけです。

    ○森田委員 奥野先生のご質問にお答えいたしますけれども、実はどのくらい国民負担が生じるかということにつきましては、今までいろいろな経緯でかなり長く検討してまいりまして、佐和先生が委員長になられておりました温暖化経済システム検討会でも非常に長年にわたって3つぐらいのモデルで検討してきたんですね。その後もずっと先ほど申し上げました目標達成シナリオ小委員会では5つのモデルでそこのところを計算しまして、比較を出して、それを報告書にまとめておりまして、またIPCCでは各世界じゅうのモデルを分析した結果、特に日本についてはどのくらいのコストになるんだろうかということも計算した結果を出しているんですね。そういう形で時々でその総括は一応出しているんです。
     それは先生ご存じのように、やはりコストが時々によってだんだん違ってきている。大体、日本の場合はトン3万ぐらいあれば何とかいくんだなという方向に収束はしてきているんですけれども、そうとはいえ、やはり技術の進展とか、経済がどのぐらい上向くかということによって全然コストが変わってくるわけですね。特に技術については今から4、5年前は全く予想だにしなかったような新しい技術が先に進んでいるわけですね。そういうようなことで、その時その時でできるだけ新しい条件を入れたコスト分析の結果はまた出していくということが一番必要だと思います。多分日本のいろいろな研究者、国内の研究者も今さらにそれをリバイスをされていると思います。それはある時点でもう一度リバイスしたものをまとめるということも必要になってくると思います。
     それから先ほど佐和先生がおっしゃられたように、排出量取引についての価格も佐和先生の委員会のときからずっと長年やっておりまして、結局、最近アメリカの離脱によってどうも20以下になるんじゃないかというようなこともございます。ただし、これもあくまでモデルの世界でございまして、実際にはご存じのようにいろいろな原因の状況が生じておりまして、例えばオランダですと、オランダは京都メカニズムという削減量の半分をもってくるといったら、オランダ国内の二酸化炭素を下げるインセンティブが急激になくなっていくという状況が、これもまだ確認されたわけではないんですけれども、幾つか報告されていますし、またオプション市場をつくってそれを買ったらどうかというような提案もございましたり。そうしたらオプション価格がものすごく高くなるんではないだろうかと。それと、やはり国内の抑制対策をかなり進めていきながらCDMということによって着々と進めていって、幾ら排出量を買ってくるかということを公表しない方が結局は日本の国益にかなって、価格を安く抑えられるというようなあれもあったりしまして、そこのところがまさに奥野先生のご専門のご領域だと思います。
     そういう一般均衡モデルでは割と簡単にそれをはじきますが、そういったところを踏まえて幾つかご指導をお教えいただければ大変私どもありがたいと思っております。
     以上です。

    ○安原委員 まず、とり進め方にポイントを置いて考えますと、先ほど委員長がおっしゃいましたように6月中にも既存税制との関係を精力的に検討してある程度の方向性を出す必要があるというお話ですね。それをまずやるとして、その後、どういう作業をしていくべきかということになりますと、2002年から2004年の第1段階の間にできるだけ早期に第2ステップ以降に向けて、必要な場合に税制の導入が可能な状態に準備をするということが一番重要だろうと思うんですね。その場合に、こういう進め方もあると思うんですけれども、上流とか下流の議論はむしろ税の執行が容易であるかどうかということ、むしろできるだけ多くの方に対策の必要性を感じてもらって具体的な行動を取っていただくという意味では、むしろ下流課税の方が望ましいのは明らかですね。だけど、税の執行の面とのバランスでどう考えるかということですから、そう本質的な議論ではないと思うんですね。
    むしろ、いろいろな関係者の方が関心を持たれるのは、ほかに今オプションに即してそれぞれ考えるということですが、他の政策手段とどういう組み合わせを考えるのかとか、電力課税をどうするのか、税収の使途をどうするのか、原子力の扱いをどうするのかとか、国税、地方の関係をどうするかとか、そういった残されたファクターの方がよりみんなの関心が強く、重要な事項なんですね。ですから、それをいろいろな意見があるというままにして形式的なオプションの方に引っ張られて議論していってもたくさんの案ができて、なかなか収れんしていかないんじゃないかと思うんですね。だからむしろここに書かれている今の幾つかの要素について、意見を出してもらってできるだけ集約して、集約して仕切れないものは2案があるというような形で、一度そういう周辺の問題を整理した上でオプションに即してそれをうまく組み合わせるという方が審議の進め方としてはまとめやすいんではないかなという気がいたします。
     その上で、大体、実施可能な案というのが幾つかの案ができた場合に、そのそれぞれの案について対策効果がどうかとか、それからそれによる国民負担がどうなるのか、あるいは経済への影響がどうなるのか、それぞれに影響をいろいろ試算していただいてそれをどんどんオープンにしていく。そういう案をもとにしていろいろな影響もわかった上でみんなが議論すればおのずから国民的な合意、コンセンサスが得られる状況ができてくるんじゃないかと思うんですね。そういうのをできるだけ早くやるべきだと。それで必要な場合にはできるだけ早く導入することも可能な状態に持っていく、それが重要だというような気がいたします。この検討のスケジュールに即しての考え方でございますが。

    ○飯野委員長 ありがとうございます。天野先生、どうぞ。

    ○天野委員 上流でかけるのと下流でかけるのとが別々のオプションになっていますけれども、例えばハイブリッドみたいな形で一部は下流課税するけれども、それでカバーできないところは上流で別の方式で課税する。だから最初から全部上流でやってしまうというんでなくて、下流でカバーできない部分上流でカバーするというハイブリッドもあり得ると思うんです。それはこの中に入ってくるわけですか。

    ○飯野委員長 そういう組み合わせをこれから考えていこうということで、今日はいろいろな組み合わせの基本だけを示したわけで、安原先生がおっしゃるようにどれか1つを出せと言われるとちょっと皆さんこれからのコンセンサスは非常に難しいと思うので。もしここで皆さんのご意見がまとまれば、すぐそれは出させていただきたいと思うんですけれども。
     植田先生、どうぞ。

    ○植田先生 またまとまらない方向に発言するかもしれませんけれども。
     1つは最初に天野委員がおっしゃられたことと関係するんですけれども、税制改革の方向性との関連でこの議論を少し整理していくということでしたら、一番基本的なこととして、やはり税制の基本的な部分に環境配慮ということを入れ込むということがまず一番基本的なこととしてあるのではないか。それを要望するということがまず1つはっきりさせないといけないことではないかなというふうに思います。
     そのことに加えてもう一つは、今、基本的に温暖化対策税制の使途オプションですので、どうしても他の温暖化対策政策とかいうこととの関連で、ポリシーミックスの話もありますのでどういう税制を考えるかというのがそのこととの関連で当然議論しないといけないこういうことなんですが、私は特にここで取り進め方の2の[2]であります特定財源諸税の問題ということになると、その部分をむしろエネルギー政策とか公共事業をどういうふうにするかと、そういう問題との関連の方がむしろ大きい問題になっているという面があるんですね。ですので、これはヨーロッパの議論なんかは特にそういう面があると思いますが、政策を統合するという考え方がやはり非常に重要で、温暖化対策とエネルギー政策、温暖化対策と公共事業の改革問題、これをセットにした関連。ですので、例えば炭素エネルギー税というような議論も出てくると思うんですけれども、そういう考え方の政策統合の考え方から税のあり方をやはり提示するというような視点をやはり入れないと、この議論を進められないんじゃないかというような気がします。その点、ぜひご検討いただければと思います。

    ○飯野委員長 ありがとうございます。佐和先生、どうぞ。

    ○佐和委員 先ほど安原さんのご意見の中に「国民的負担」という言葉が出てまいりましたけれども、国民的負担とは何なのかということでもあるわけです。通常は、例えば10年先のGDPがそうでなかった場合に比べて1%とか2%要するに減りますよとかそういうふうなことで議論されることが多いわけですね。実際に税負担がどれだけかということではなくて、そうした場合、結局、単に上流にかけるか下流にかけるかということではなくて、そういうこともさることながら、やはり税収をどうするのかということ、どういう使い方をするのか。さっき委員長がおっしゃったように一般財源に繰り入れて、要するに財政赤字の削減にするということだけだったらこれはもう直感的に考えても当然成長率を下げる効果−−下げる効果というのは変ですけれども、下げ幅は一応戻ってくるだろうというふうにあります。
     しかしながら、今度これは実際にアメリカのDRIがやったシミュレーション結果なんですけれども、仮に財政赤字を削減してもそれによって資金市場が緩んで金利が下がって個人住宅投資とか資金間接投資が増えるから4、5年ぐらい先を見れば、何もやらなかった場合に比べて、炭素税を課した場合の方がかえってGDPが大きくなる、何もしなかった場合に、というような議論もあったり。ところが日本では、こんな低金利の国で財政赤字を縮めたからといってこれ以上資金市場が緩んでも仕方がないというふうな状況ですからこういう議論は通用しないわけですけれども。
     いずれにせよ、さっきどなたかおっしゃったみたいに個人所得税減税あるいは法人税減税という形で税収中立にするかどうかとか、あるいは温暖化対策にどのような使い方をするかというようなこと、あるいは特別会計というのも今や大変評判が悪いわけですけれども、温暖化対策特別会計的に、一般財源に入ってもそういう感じで温暖化対策に使ってもらうということにすれば、今度そこで歳出面での削減効果もあるというようなことで、その辺が結局GDPがどうなるのかということに影響すると思うので、言葉は悪いんですがやはり使途も含めて考えないと話がなかなかおもしろくならないというふうに思います。
     それからもう1点、これは環境省かあるいは森田さんに聞きたいんですけれども、ロシアが98、99年ごろには90年に比べて30%意図して削減をしているというふうに言われておりましたよね。ここ一両年、非常に経済が加熱ぎみぐらい非常に成長率も高くなっていると。どの程度CO2 の排出量が増えているんですか。
     何でこんなことをお伺いするかといったら、結局排出権の国際市場における価格というものに非常に影響があるからなんです。もしご存じだったら教えてください。

    ○石飛地球局調整官 エネルギー関係、それから経済動向については我々も第三者のデータは少し見ておるんですけれども、排出量のデータはまだ最近のデータが出ておりませんので、99年、2000年、2001年ぐらいのデータはまだちょっと我々も入手しておらないところでございます。

    ○森田委員 ロシアは一番今排出量取引マーケットで大きな変動要因を握っていますから、いろいろな形で感度分析をやっておるんですね。今のところ大体炭素換算2億トン前後のホットエアが出てくるんではないだろうかというふうになっているんです。それも、例えばそれがほとんど出てこない場合と、それから2億トン以上出てくる場合といろいろなケースで、ここでロシアの場合非常におもしろいのは、2億トンのホットエア以外に約2億トンぐらいのロシア自らがエネルギー効率を改善して2億トンぐらいさらにマーケットに出せるんじゃないかという予想なんですね。ですからホットエアが非常に不安定でも、残り2億トンをロシアが対策をやってお金をかけてエネルギー効率を改善させて、それでマーケットに出した方が得になる部分が2億トンぐらいあるんではないだろうかということで、思ったよりその部分がありますからマーケットは安定しているんではないかというような分析結果も出ているわけです。ただし、ホットエアについては非常に不安定だということですね。

    ○大塚委員 細かい話になって恐縮ですが、私もその辺のモデルのことはかなり関心があることはあるんですが、しかしモデル分析よくわからないのでお伺いということだけなんですけれども。
     ロシアがホットエアがたくさん出るかどうかという問題と、その後、国際的排出権取引のプレーヤーがどうなるかというのはかなりそれによって価格が変わってくるんじゃないかと思うんですけれども、ロシアが例えば国で一手に引き受けて売るというようなことになるとかなり独占的な地位を持つことになりますよね。そうすると、それが国際的な排出権取引にどういう影響を与えるかとか、日本で国際排出権取引をするときにプレーヤーが国だけにするか、あるいは民間事業者もできるというふうにするかによってそれももちろん影響しますので、その点が私はひょっとしたら価格にかなり影響してくるんじゃないかと思っているので、そうするとますます不確実なことばかり多くて本当に困った話でもあるんですけれども、もし森田先生、またお伺いして申しわけないんですけれども、その点はかなり重要なファクターになるんでしょうか、どういうふうにお考えですか。

    ○森田委員 これはむしろ私よりほかの方がお答えになられた方がいいと思うんですけれども、純粋に経済理論的に考えれば、幾ら独占をしてもかなり売った方が儲けがあるわけでございますから、それを売るというふうにモデルでは出てくるわけですね。だけれども、おっしゃるようにそこでそれを単純にロシアの利益だけではなくて国際政治のいろいろなところに絡めてやるとか、あるいは幾つかの変なマーケットを設計して、それによってかなり脅しの効果がきくような非常にイッキイッキ締めていくようなマーケットになってしまいますとこれは大変に価格が不安定になりまして、非常に問題になってくるわけです。
     やはりそれを回避するための国際排出権取引のマーケットの設定の仕方ということについてはかなり議論が進んできておりますので、そこのところはある程度回避できるんじゃないか。ただし、すべてがまだ不確実な状況でして、やはり日本が最初のバイヤーになるということは多分間違いないと皆さん見ておりますから、日本がそれに対してどういう戦略をもっていくかということについては一番しんどい話ですね。ですから、結局、日本の国益にとって一番いい戦略というのは何だろうかということを是非とも新しくこういう研究が奥野先生を中心としてお始めいただければ大変ありがたいなという感じがしております。

    ○飯野委員長 ほかにございませんでしょうか。
     ご意見がないようでしたら、本日の議論を踏まえてきょうの資料を見直し、この専門委員会としての報告案を次回提出させていただきたいと思います。
     第9回会合は6月6日木曜日の午後4時から、場所は九段会館でございます。詳しくは事務局から連絡をさせていただきます。
     また、本日言い足りなかったご意見等がございましたら、来週初めぐらいまでに事務局までメールないしはファクス等でお願いいたします。
     あと6月6日と13日の予定でございます。6月に2回で、13日に一応まとめさせていただきたいと思っております。

    ○事務局 13日でございますが、今のところ時刻は15時半ぐらいの午後の遅い時間を考えておりますが、正式に決まりましたらまたご連絡をさせていただきたいと思います。

    ○飯野委員長 13日が最終取りまとめということを考えております。
     ほかに何かご発言ございませんでしょうか。
     それでは、ちょっと時間より早いんですけれども、本日はこれで閉会したいと思いますどうもありがとうございました。

    午前11時40分閉会