■議事録一覧■

中央環境審議会 総合政策・地球環境合同部会
第1回地球温暖化対策税制専門委員会


  1. 日 時 : 平成13年10月17日(水)14:00〜16:00

  2. 場 所 : 環境省第1会議室

  3. 出席者  18委員
    飯野 靖四 委員長
    飯田 浩史 委員
    奥野 正寛 委員
    佐和 隆光 委員
    寺西 俊一 委員
    中里 実 委員
    森田 恒幸 委員
    安原 正 委員
    横山 裕道 委員
      天野 明弘 委員
      大塚 直 委員
      小幡 純子 委員
      土屋 俊康 委員
      鳥井 弘之 委員
      桝井 成夫 委員
      諸富 徹 委員
      横山 彰 委員
      和気 洋子 委員

  4. 議 題
    1. 地球温暖化対策をめぐる国内外の情勢について
    2. 環境税についての過去の検討経緯等について
    3. 検討の進め方について
    4. 討議

  5. 配布資料
    資料1委員名簿
    資料2中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会の専門委員会の設置について
    資料3中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会の専門委員会の運営方針について
    資料4地球温暖化をめぐる国内外の情勢について
    資料5中央環境審議会地球環境部会国内制度小委員会中間取りまとめ(概要)
    資料6環境税についての過去の検討経緯について
    資料6−1「環境政策における経済的手法活用検討会報告書」の概要
    資料6−2「地球温暖化防止のための税の論点報告書」の概要
    資料6−3環境税に関するその他の検討状況
    資料7既存のエネルギー関連税制について
    資料8検討の進め方について
    参考資料(メインテーブル上にのみ配布)
     1環境政策における経済的手法活用検討会(座長:石弘光一橋大学学長)報告書
     2地球温暖化防止のための税の論点(「地球温暖化防止のための税の在り方検討会(座長:飯野靖四慶應義塾大学教授)」報告書)

  6. 議 事

    午後 2時00分開会

    ○三好環境経済課長 それでは、まだお見えになっていない先生もおられますけれども、定刻となりましたので、ただいまから地球温暖化対策税制専門委員会第1回会合を開催させていただきたいと思います。
     委員会の開始に当たりまして中川総合環境政策局長よりごあいさつ申し上げます。

    ○中川総合環境政策局長 総合環境政策局長の中川でございます。地球温暖化対策税制専門委員会の開催に当たりましてごあいさつを申し上げます。
     まず、委員の皆様におかれましては、環境行政の推進に当たり平素より多大なご理解、ご協力を賜っておりまして、厚く御礼を申し上げます。また、このたびは大変ご多忙中にもかかわりませず本専門委員会委員へのご就任、そして本日ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
     環境に係る税制につきましては、これまで環境省におきましても、京都大学教授の佐和隆光先生、一橋大学学長の石弘光先生、慶應大学教授の飯野靖四先生を座長とする研究会を設けまして、特に有効性が指摘されている温暖化防止のための温暖化対策税を中心に検討を行ってまいりました。こうした検討の成果から、温暖化対策税は、価格を通じて市場メカニズムを機能させることにより、各経済主体が消費や投資等の行動を自主的に温室効果ガス排出の少ないものとするように促進する効率的な手法であると考えているわけでございます。
     また、平成12年7月の政府税制調査会の中期答申並びに昨年末の自民党税制調査会及び与党3党の税制改正大綱におきましても、「地球温暖化等の環境問題に対する税制の対応について検討を進めること」とされておりまして、そこでは環境施策全体の中での税制の具体的な位置づけ、既存税制との関係整理等についての検討を行うことが課題として掲げられております。環境省といたしましては、これらの課題についての議論を進展させ、我が国の実情を踏まえて考え得る温暖化対策税の制度面の論点を整理していくことが必要であると考えているところでございます。
     一方、地球温暖化問題への対応状況でございますが、現在、我が国といたしましては、京都議定書の2002年発効を目指して、COP7までに最終合意を達成すべく引き続き全力を尽くしております。同時に、京都議定書の目標を達成するための国内制度に総力で取り組んでおりまして、規制的措置、経済的措置、自主的取り組みなどについて総合的な検討を行っているところでございます。
     この検討におきまして温暖化対策税導入を京都議定書締結の前提として位置づけなければならないとは考えておりませんが、温暖化対策税を導入することによりより効率的に京都議定書の目標達成を実現できる可能性があると考えております。また、より長期的な温室効果ガス排出削減をも視野に入れまして、脱温暖化経済社会における新たな経済活動のルールを確立していく上でも、温暖化対策税制の議論を進めていくことが必要であると考えております。
     このようなことからも、先ほど申し上げましたとおり、温暖化対策税につきましては、今後わが国の実情に合った制度面の検討を進め、さらに国民の理解を得て、なるべく早期に導入されることが望ましいと考えております。もちろん現下の厳しい経済情勢のもとで温暖化税導入につきましては慎重に検討すべきとの議論があることも十分承知いたしておりますので、こうした点にも留意してまいりたいと考えております。
     中央環境審議会における温暖化対策の国内制度全体の検討は地球環境部会国内制度小委員会で行っていただいておりますが、本専門委員会では、専門家の方々にご参集いただきまして、申し上げましたような温暖化対策税制についての検討を行って、これを部会及び国内制度小委員会に報告いただくとともに、来年以降本格化することが見込まれます政府税制調査会における検討につないでいきたいと考えているところでございます。
     そうした意味におきまして、本専門委員会は、温暖化対策税制について広く国民の理解を高めるための先駆的な役割を担うものと考えているところでございます。委員の諸先生方におかれましては、ただいま申し上げましたような趣旨をご理解いただきまして、ご指導、ご支援のほどをよろしくお願い申し上げます。

    ○三好環境経済課長 冒頭のカメラ撮りをされておられますプレスの方、カメラ撮りはここまででございますので、よろしくお願いいたします。
     それでは、第1回目でございますので、まず本専門委員会設置の経緯につきまして事務局よりご説明し、その後、委員長にご進行をお願いいたしたいと思っております。
     中央環境審議会において地球温暖化防止のための税制の検討を行う趣旨につきましては、先ほど局長がご挨拶したとおりでございますけれども、検討を開始するに当たりまして中央環境審議会運営規則第4条第3項に基づきまして総合政策部会と地球環境部会の合同部会が設置されております。森嶌中央環境審議会会長がこの合同部会の部会長を兼任されております。合同部会の下に本専門委員会が設置されておるわけでございますけれども、設置に際しましては中央環境審議会運営規則第9条第1項に基づき、森嶌合同部会長から合同部会所属の全委員に対しましてこれをお諮りし、部会の了承が得られております。本専門委員会の委員長につきましては、同じく運営規則第9条第2項に基づきまして、部会長の指名に基づきまして飯野靖四慶應義塾大学教授にお願いいたしております。
     経緯については以上でございます。
     本日は第1回の会合ということでございますので、私の方から本日ご出席の委員と事務局につきまして簡単にご紹介させていただきたいと思います。
     正面に飯野委員長にお座りいただいておりますけれども、飯野委員長の右手、安原地球環境部会国内制度小委員会委員長でいらっしゃいます。
     あと順不同でございますけれども、五十音順で、飯野委員長の右手から、天野委員でいらっしゃいます。
     それから、飯田委員でいらっしゃいます。
     大塚委員でいらっしゃいます。
     奥野委員でいらっしゃいます。
     小幡委員は、少しおくれてお見えになるというご連絡が入っております。
     佐和委員でいらっしゃいます。
     土屋委員でいらっしゃいます。
     寺西委員も少しおくれてお見えになるというご連絡が入っております。
     鳥井委員でいらっしゃいます。
     それから、桝井委員でいらっしゃいます。
     森田委員でいらっしゃいます。
     諸富委員でいらっしゃいます。
     横山彰委員でいらっしゃいます。
     横山裕道委員でいらっしゃいます。
     和気委員でいらっしゃいます。
     それから、私ども事務局の方でございますけれども、先ほどごあいさついたしました中川総合環境政策局長の右手、炭谷地球環境局長です。
     小島官房審議官、地球環境局担当でございます。
     寺田地球環境局総務課長、おくれて参ります。
     竹内温暖化対策課長です。
     石飛地球環境局調整官です。
     小林官房秘書課長でございます。
     中川局長の左手、青山総合環境政策局総務課長でございます。
     私の左手、後藤総合環境政策局調査官でございます。
     申しおくれましたが、私、担当いたしております総合環境政策局環境経済課長でございます。
     それでは、飯野委員長に議長をお願いいたしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

    ○飯野委員長 ただいま委員長に指名されました飯野でございます。前回の論点整理の委員会の委員長をさせていただいた関係で多分この委員長を仰せつかったんだと思いますけれども、皆様のご協力によりまして一歩踏み込んだ立派な報告書ができたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
     それでは、議事に入らせていただきます。
     まず、私が出席できない場合に備えまして委員長代理を指名させていただきたいと思います。
     委員長代理につきましては、和気洋子先生にお願いしたいと考えております。この件につきましては、森嶌部会長及び和気先生のご内諾をいただいております。そういうことでよろしいでしょうか。
              (「異議なし」の声あり)

    ○飯野委員長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただいて、早速議事に入らせていただきます。
     本日は、議題にあるとおり、初回ということで、まず最初に地球温暖化対策をめぐる国内外の情勢についてご説明いただき、また環境税についての過去の検討経緯についてもご説明いただき、最後に検討の進め方について事務局からの説明を受けて、それについて議論していただくという順序でいきたいと思っております。本日の会合はおおむね16時までの予定でございますので、そのような予定でやらせていただきたいと思います。
     それでは、事務局の方から資料の確認をお願いいたします。

    ○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の黒いクリップでとじております資料一式をごらんいただければと思います。
     表紙を1枚おめくりいただきまして、議事次第と資料一覧がございます。その次のページが資料1でございまして、委員名簿でございます。次に資料2でございますが、事務的な手続の文書でありますが、「専門委員会の設置について」という部会決定でございます。同じく資料3もそうした文書でございますが、「総合政策・地球環境合同部会の専門委員会の運営方針について」でございます。おめくりいただきまして、資料4以降が本日ご説明させていただく資料でございますが、資料4、「地球温暖化防止対策の経過と今後の対応について」でございます。次に資料5でございますが、「中央環境審議会地球環境部会国内制度小委員会中間取りまとめ(概要)」でございます。次に、資料6は横向きの紙になってございますが、4つの資料からなっておりまして、一番上が資料6「環境税についての過去の検討経緯について」という表紙になっておりまして、これをおめくりいただきますと、資料6−1といたしまして「『環境政策における経済的手法活用検討会報告書』の概要」でございます。次に、資料6−2でございますが、『地球温暖化防止のための税の論点報告書』の概要」でございます。資料6−3でございますが、「環境税に関するその他の検討状況」でございます。次の資料7は、A3の大きな紙を折り畳んだものになっておりますが、「既存エネルギー関連税制について」というタイトルがついております。最後に、資料8でございますが、「検討の進め方」というものをおつけしております。
     以上が資料一式でございまして、あとメーンテーブルの方には、封筒の中にご紹介いたしました報告書2点そのものが入っております。何か不足している資料等がございましたら、お申しつけくださればと思います。
     よろしければ以上でございます。

    ○飯野委員長 ありがとうございました。資料、そろっておりますでしょうか。
     そろっておりましたら、早速議事に入らせていただきます。
     先ほども申し上げましたように、まず最初に事務局から資料について一通り説明していただこうと思います。そして、それらの後にまとめて質疑をさせていただきたいというふうに考えております。
     まず最初に、「地球温暖化対策をめぐる国内外の情勢について」、事務局から資料4及び5の説明をお願いいたします。

    ○竹内地球局温暖化対策課長 それでは、資料に沿いまして「地球温暖化防止対策の経過と今後の対応について」ということで、国際関係、国内関係、温暖化の現状という3点についてご説明申し上げます。
     まず1ページでございます。温暖化防止のための国際交渉ということでございますが、92年に気候変動枠組み条約が採択され、94年に発効しております。その内容は、主に先進国は90年代末までに温室効果ガス排出量を90年レベルまで戻すという努力目標でございます。2000年以降、法的拘束力のある数値目標を持った議定書をつくろうということで、97年12月に京都会議(COP3)で枠組み条約京都議定書が採択されました。そこでは、先進国に法的拘束力のある数値目標を設定ということでございまして、2008年から2012年において90年比で日本は−6、米国は−7、EUは−8などという内容でございます。
     右のページに参考1として京都議定書の要点がございます。まず上の方でございますけれども、対象ガスはこの6つのガスであるということ、吸収源として、森林等の吸収源による二酸化炭素吸収量を算入することができる。基準年は90年でございます、ただしHFCなど3ガスにつきましては95年としてもよいということでございます。目標期間、第1約束期間として2008年から2012年の5年間。数値目標は、先ほどあったわけでございますが、全体では少なくとも90年比5%削減を目指すということでございます。
     下にございますように、対策は基本的には国内で各国が削減策を講じることになるわけでありますが、国際的に協調してそれぞれの目標を達成するための仕組みもあわせて京都議定書の中で用意されておるわけでございまして、排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズムという3種類の仕組み、これを京都メカニズムと言うわけでございますが、それが用意されております。ただし、その具体的な運用ルールにつきましては、議定書の中では詳細に定められていませんから、京都以降、COP6を目指して議定書の運用ルールについての交渉が続けられてまいりました。
     また1ページの左の方に戻りますが、昨年11月にCOP6が開催されましたが、運用ルールについての合意に至らずということで、今年の7月に再開会合があったわけですが、その間、米国が京都議定書不支持という表明をしました。理由といたしましては、途上国に義務がない、米国経済に悪影響を及ぼすという理由でございます。
     そこで、2001年7月の再開会合で、運用ルールの中核的要素について基本的合意(ボン合意)が得られました。米国は合意には参加しておりません。残されたテキストの合意を目指すということで、今月の末からモロッコのマラケシュでCOP7が開催されるという流れになっております。
     3ページでございますが、COP6再開会合の成果でございます。運用ルールの中核的要素についての基本合意がなされたということで、とりわけ京都メカニズムにつきまして、国内対策に対し補足的なものである、定量的な制限がない。共同実施、CDM(クリーン開発メカニズム)のうち原子力により生じた排出枠を目標達成に利用することは控える。吸収源につきましては、森林管理の吸収分は国ごとに上限設定、炭素換算で日本は1,300万トンという上限設定がされたわけでございまして、これによって日本は基準年排出量の3.7%分が確保される見込みということでございます。
     残された課題といたしまして、下にございますような京都メカニズム、遵守、吸収源の詳細ルールの決定と法的文書化ということがCOP7においてなされるということでございます。
     4ページでございますが、こうした国際交渉などに関する我が国の方針でございますが、アメリカの不支持表明以降、国会におきましては、参議院、衆議院は、それぞれ政府が率先し、あるいは早期に京都議定書を批准すべきである、国際的なリーダーシップを発揮すべきだという決議がなされております。
     そこで、政府の基本方針といたしましては、3つございまして、京都議定書の2002年発効を目指して、COP7までに最終合意を達成すべく全力を尽くす。2点目は、京都議定書の目標を達成するための国内制度に総力で取り組む。3点目は、米国を含めた合意が形成されるよう日米ハイレベル協議等を通じ、引き続き最大限努力していく、ということでございます。
     次、5ページのCOP6再開会合評価と概要ということでございますが、評価のところにございますように、吸収源等につき我が国の主張が盛り込まれた合意ができたことを評価するという点でございます。
     6ページ、参考3でございますが、内閣総理大臣の談話、COP6再開会合直後の談話でございまして、今ありましたような基本的な合意が得られたことを歓迎する、2002年発効を目指してCOP7までに最終合意を達成するため全力を尽くす、目標を達成するための国内制度に総力で取り組む、日米ハイレベル協議等を通じて引き続き最大限努力する、ということが述べられております。
     7ページでございますが、一方、目を転じましてEUにおける京都議定書目標と温室効果ガス排出の状況でございますが、議定書におきます削減目標は、ご案内のようにEUが90年比−8%、日本が−6%でございますが、ボン合意に基づきます森林管理の吸収源の上限値を考慮いたしますと、EUは−8なのが−7.5、日本は−6なのが−2.1ということで、その差が拡大しているということでございます。
     2点目といたしましては、EU全体の排出量の約半分をドイツとイギリスが占めるわけでありますが、この上限値を考慮いたしましても、この両国に関しては削減目標の水準がほとんど変わっていないということでございます。
     次に、右側のページでございますが、EUにおける温室効果ガス排出の状況でございますが、99年時点、全体で見ますと順調で、99年現在−4%のレベルまで行っておりますが、個別の国で見ますと、むしろ目標達成が容易でない国の方が多いということで、この表にございますように、ドイツ、ルクセンブルグ、英国といったところが大きく削減しておりますが、そのほかの国はプラスのところが多いということでございます。そのうち、さっきもございましたが、全体の排出量の約半分を占めるドイツとイギリスでの排出削減が寄与しているということが大きな要因なわけでございますが、英国では2000年の排出量は前年より2%増、ドイツでも2000年、これはエネルギー起源のCO2だけでございますが、0.2%増ということで、両国におきましても今後の削減はそんなに容易なものではなくなってきているという状況だと思われます。9ページに両国におきます90年以降の排出量のグラフが出ております。
     それから、参考資料5、10ページでございますが、一方、アメリカにおきましては、京都議定書を支持しない、不支持声明を出されたわけでございますが、それ以降におきましても、例えば連邦議会には幾つかの法案が提案されております。
     次の11ページでございますが、州レベルでは、例えば一番上にございますように、米国ニューイングランド地方とカナダの東部地方の州知事が共同で温室効果ガスの削減に取り組むことに合意をしているなど、州レベルの動きがございます。
     12ページでは、大きな企業を中心にして排出量取引への取り組みなどが進められています。
     13ページ、参考でございますが、これは温暖化に関します有力なシンクタンクの提案でございますが、アメリカの国内において、例えば1番にございますような温室効果ガスの排出量把握と報告といったものから、技術開発、右の方へ移りまして、例えば協定の締結、自主的な削減目標の設定、それが達成できない場合には規制的措置を導入することが条件といったような国内での対策の提案もされているという状況でございます。
     次、15ページ、参考6でございますが、日米首脳会議に基づきまして閣僚レベルの協議もございますが、さらに事務レベルの協議も行われております。先般9月末から10月初めにかけて、この3つの分野におきまして事務レベルの協議がなされました。一番下にございますように、今後とも日米両国で市場メカニズムの活用を含む効率的・効果的な気候変動対策のあり方について情報交換を行うこと、具体的な国内での対策についても両国で情報交換を行っていこうということになっております。
     そこで、2002年発効に向けた我が国の今後の取り組み予定でございますが、左側に国際交渉の流れがございまして、右側に国内関係がございますが、特に来年の通常国会に向けて、京都議定書の担保措置の整備と、議定書締結の国会承認ということに向けまして、COP7での合意を前提にして準備が進められているということでございます。我が国として、京都議定書が締結されますと、左のところにございますように、来年の9月に南アフリカ・ヨハネスブルグにおきまして持続可能な開発に関する世界サミットがございますが、そこで一番下にありますような条件が満たされるように各国が批准をしてくるということになりますと、この要件を満たした90日後から京都議定書が発効するという段取りになるわけでございます。
     17ページでございますが、国内制度、今後全力を尽くして整備していくということでございますが、既に2年前から温暖化対策推進法というのが施行されております。これにつきましては、真ん中辺にございますが、基本方針というものを政府が閣議で決定いたしまして、それに基づいて温暖化対策を進めていくということでございますが、主に、下に丸が3つございますが、国自らの事務事業に対して実行計画を策定して実施していく、地方公共団体も同じように策定して実施していくという義務が課されております。それから、相当量の排出量の事業者についてもそういった計画をつくりましょうという努力が続けられている、ということでございます。
     18ページでございますが、次の19ページ、20ページにございますように、中央環境審議会地球環境部会目標達成シナリオ小委員会におきまして、主に技術的な観点から、2010年の目標達成に向けて100近くの対策技術について導入可能性とコスト評価をやってまいりました。
     18ページの図でございますが、左の一番上に8%とございますが、これは確実な対策を着実に進めていった場合、2010年では90年比+8%の排出量になるということですが、さらに下げなくてはいけない。どこまで下げるかということでございますが、ここでは、左の下にございますように、90年比−2.3%にする。これは吸収分を3.7と見まして−2.3、+8から−2.3まで下げるわけですが、100近くの対策のコスト評価をいたしますと、このように分類できるのではないかということでございまして、枠の一番上にございますのは、公共交通機関とか、共同輸送とか、食品廃棄物リサイクルとか、ほかの政策目的から実施する対策で温室効果ガスも結果として間接的に下がるといったものは、直接の温暖化対策のコストではないだろうということで一番上に持ってきたわけでございますが、それが90年排出量の中の2.3%分程度ある。
     次の枠のところでございますが、炭素1トン当たりの削減コストが0円以下の対策、28ぐらいありますが、それが90年の排出量の約3.7%分程度ある。
     これらはノンリグレット対策ということで、実施しても経済的に損をすることはないという分野だと言えると思いますが、対策はほかにもあるわけでありますが、それらについては、例えば0円〜5,000円の範囲内に入るもの、5,000円から1万円の範囲内に入るもの、1万円から5万円あるいは5万円以上、10万円以上、ずっと続いていくわけでありますが、−2.3%までするにはここでは1万円〜5万円の間の対策までやっていく必要があるということでございます。
     黒い枠のノンリグレット対策の方は、経済的な負担がなくできていくものだというふうに理解できると思いますが、さらに追加的なコストが必要な部分につきましては、右の矢印のところにございますように、2008年から導入が前提になっております国際排出量取引などによって国内対策のコストと国際的な排出枠価格を比較することによって安い方を採用できるということで、全体として費用対効果の高い方法で目標達成するにはこのようなシナリオかなということでございます。
     そこで、上の方の3つ目の丸のところにございますが、温暖化対策税の課税もこれらの導入の後押しをするための有効な政策手段の一つであろう。これによって、1つは、2つ目の枠にありますような0円以下の対策のより一層の導入を促進するのではないだろうか。さらに、0円以上の対策につきましても価格インセンディブを付与することになりまして、導入が促進されるという可能性が期待できるということがいえるかと思います。
     21ページでございますが、我が国におきます温室効果ガス排出量の部門別とガス別に見たものでございます。矢印の真ん中よりすぐ下で、基準年のところで334、3億3,400万トンとございますが、これが基準年のトータル排出量でございまして、99年実績でいきますと、それが3億5,700万トン、+6.8%に増加しております。温暖化推進大綱というのが98年にできているわけですが、そこでの目標は3億3,300万トンということで、国内で基準年比−0.5%まで下げることが必要ですが、現状からすると、まだまだ下げなくてはいけない。あとは、それが部門別、ガス別に記載されております。
     次は参考9でございますけれども、それぞれの事業者あるいは国民に取り組みが必要なわけでありますが、例にございますように、例えば自動車会社という事業者をとってみましても、自動車の製造工場における対策は製造業としての産業部門、社屋を省エネ設計にする対策は、これまでの分類では業務関係、オフィスということで民生部門、燃費のよい自動車の開発や市場への提供は運輸部門の対策ということで、一つの事業者におきましてもその対策は各部門にわたるということでございます。
     次に、参考10でございますが、家庭でどういう取り組みをするとどのくらいの効果があるのだろうかということでございますが、先般の内閣府の世論調査におきましても、約80%の人が具体的に家庭の中でも取り組んでいきたいというわけですが、一体どういう取り組みをしたらよいかということでございまして、1から10の取り組み例を挙げておりますが、それぞれこれだけやりますと削減効果がこのくらいございます、仮に全部やりますと年間世帯当たり4万1,000円の節約効果があります、ということでございます。これも税金を導入することによってその節約効果も上がるというインセンティブもあるのではないかと思われます。
     次に、地球温暖化に関する最新の科学的知見ということで、先般、IPCCの第3次評価報告書が取りまとめられておりますが、3つございまして、まず気候の変化につきましては、21世紀末までに90年と比べますと平均気温が最大5.8度上昇などという予測がされております。影響につきましても、40センチの海面上昇で世界の浸水被害が7,500万人から2億人増加するなどという予測もされております。緩和対策ということで、対策技術が大きく進展することで、全世界の排出レベルを2010年〜2020年において2000年の水準以下にすることが、こういった対策技術の貢献によって可能であろうということでございます。排出量取引を導入することによりまして、先進国の2010年におけるGDPの損失を半減させることが可能になるのではないかという指摘がされております。
     次に、25ページ以降は我が国の99年度の温室効果ガス排出量でございますが、総排出量を見ますと、先ほどございましたように、90年比99年度は+6.8%となっております。それをガス別に見てまいりますと、26ページに二酸化炭素がございまして、二酸化炭素は90年度と比べまして排出量で9%の増加ということでございます。
     それを部門別に見ますと、30ページでございますが、二酸化炭素の部門別排出量の推移ということで、産業、運輸、民生(家庭)、民生(業務)、エネルギー転換等々、それぞれの分野におけます90年からの排出量の増減が示されております。
     また戻りますが、27ページ、メタンにつきましては、90年度と比べますと11.2%減少しております。
     一酸化二窒素、これも90年度と比べますと20.4%の減少になっております。
     HFCは基準年度比で2.7%減少、PFCが3.4%減少、SF6が50.1%減少ということになっております。
     29ページ、参考でございますが、二酸化炭素排出量の部門別内訳ということで、2つの丸い枠がございますが、外側の方は、電力を各需要分野ごと、産業分野、民生分野などに分けたもので、電力を家庭で使った場合、家庭からCO2が排出されたという前提でとらえたシェアでございます。内側の方は、電力は発電所が出しているところを全部カウントしたもので、それのシェアでございます。
     一番最後の31ページは、世界の温室効果ガス排出の状況ということで、各国の二酸化炭素排出量の97年のシェアでございます。米国が23.6%、我が国が5%ということでございます。
     引き続きまして、資料5でございますが、本審議会地球環境部会国内制度小委員会で7月上旬に中間取りまとめがなされました。
     これの概要でございますが、まず現行施策の評価と課題というところでございますが、先ほど来出てまいりました地球温暖化対策推進大綱が98年6月に策定されておりまして、これに基づいてさまざまな対策が進められておるわけでございますが、(2)にございますように、現行の対策のうち確実性の高いものを実施した場合でも、先ほどの図にもございましたが、2010年度の温室効果ガスの排出量は基準年比8%の増という見通しでございます。したがいまして、目標の達成にはさらなる追加的な対策が必要ということでございまして、どのような対策の制度をつくっていったらよいのだろうかということでありまして、4/9ページでございますが、ここで目標達成のための制度の全体像が示されております。
     目標達成に向かいまして、まず温暖化対策の計画的推進ということで、とりわけ国の計画の中で目標達成を確実にできるように対策の定量的な量だとか、あるいはそれの推進方策だとか、横断的な方策についての工程表だとか、そういったものを国の計画として策定し、一番下にございますように、それをフォローアップして、常に目標達成に向けて対策を強化していくという仕組みが必要だろうということが一つございます。
     それから、国内の温室効果ガスの排出に関する制度的措置ということで、1つは、各主体の排出量の自主管理のための制度といったものを事業者や家庭のために導入する手法が必要だろう。部門横断的な排出削減のための仕組みといたしまして、協定ないし実行計画制度と国内排出量取引制度といったものの組み合わせ、さらに温室効果ガス税ないしは課徴金といったものについての組み合わせという取り組み手法があるのではないか。あと、個別分野ごとの主な制度といたしまして、下にありますような交通体系でありますとかライフスタイル、それぞれの手法が必要だろうということで、中間取りまとめにおきましては、さまざまな制度を網羅的に提案していただいているところでございます。
     以上でございます。

    ○飯野委員長 どうもありがとうございました。
     続きまして、「環境税についての過去の検討経緯等について」、事務局から資料6及び資料7の説明をお願いしたいと思います。

    ○三好環境経済課長 それでは、私から資料6−1から3まで、3つの資料でございますけれども、ご説明させていただきます。
     まず、資料6−1、「『環境政策における経済的手法活用検討会報告書』の概要」でございます。これは先ほど冒頭、局長からごあいさつ申し上げましたが、環境庁の時代から佐和先生、石先生、飯野先生にそれぞれ座長をお願いいたしまして環境税につきましては検討を進めてまいったわけでございますが、本日はその中で昨年と今年度まとまったものについてご紹介させていただきたいということで、この検討会の報告書は石一橋大学学長に座長をお願いしたものでございます。先ほど申し上げましたが、これからご紹介いたします2つの報告書につきましては、それぞれお手元に報告書本体を置かせていただいておりますので、後ほどご参照いただければというふうに思っております。
     この検討会の報告書でございますけれども、平成12年5月に報告書としておまとめいただいておりますが、委員会としては平成10年3月に設置されたものでございまして、おおむね2年間のご検討ということでございました。タイトルといたしましては「環境政策における経済的手法活用」ということでございますけれども、本報告書では、地球温暖化防止のための税に焦点を当てたということと、内外の取り組みの状況を整理したこと、我が国において二酸化炭素排出量を削減するために必要なものについて試算を行うとともに、排出量取引などの他の施策との組み合わせ、いわゆるポリシーミックスというものでございますが、効果等について検討したというふうにされているところでございます。
     内容でございますけれども、「まとめと概要」という2ページの方でございますが、そういう観点からのご検討ということでございまして、ポリシーミックスの利点といたしまして3点挙げております。
     1点目は、税のみの導入と、税と排出量取引の組み合わせ、あるいは税と省エネルギー投資への補助金の組み合わせをシミュレーションにより比較されておりまして、ポリシーミックスのもとではより少額の炭素税でより高いCO2排出抑制効果が得られるということと、経済全体や各経済部門への影響を抑えることが可能であるということが挙げられております。
     2点目といたしまして、税収の経済への還流方法によっても環境や経済へ与える影響は変化することが判明したことが挙げられております。
     それから、ポリシーミックスや税収の還流方法を考慮することで環境保全型の新しい形の経済へ誘導を図ることが可能であるというふうな結論になっております。
     3ページに、今、申し上げましたポリシーミックスということで幾つか具体的なシミュレーションがあるわけでございます。この図の中ほどのところでございますが、炭素トン当たり3万円から4万円の炭素税のケース、炭素トン当たり2万5,000円の炭素税のケースに上限付排出量取引が組み合わさったケース、それから炭素トン当たり3,000円程度の炭素税と省エネ投資への補助金とのポリシーミックス、炭素トン当たり1,500円程度のものと排出量取引とのポリシーミックスというものについてそれぞれシミュレーションを行っておられまして、いずれも削減のケースといいますか、削減の目標は、二酸化炭素につきまして90年比2%削減ということを仮置きした場合に具体的な税額はどうなるだろうかということについて、今申し上げましたような分析がなされたわけでございます。
     戻りまして恐縮でございますけれども、「まとめと概要」の2つ目の黒丸でございますが、そういう結論を踏まえて、低額の税をも有効に活用し得るポリシーミックスも含めた各種ポリシーミックスの具体的な検討開始が最も重要である、というのがこの時点での検討会の報告でございます。
     先回りしますけれども、時系列的には、資料6−3の表紙だけごらんいただければと思います。後ほど簡単に触れさせていただきますが、その後、中央環境審議会企画政策部会地球温暖化防止対策の在り方の検討に係る小委員会でご報告をおまとめいただいておりまして、これがそういう意味ではポリシーミックスについての検討を深めていただいたものと位置づけられております。
     資料6−2にお戻りいただきたいと思います。表紙にございます「『地球温暖化防止のための税の論点報告書』の概要」ということでございまして、これは本専門委員会の委員長をお務めいただいております飯野先生に座長をお願いいたしまして、具体的な税の論点についてもう少し掘り下げた検討をしようということでお願いしたものでございます。
     1枚おめくりいただきまして2ページでございますけれども、論点といたしまして、ここに8つ挙げられております。大きなくくりといたしまして、温暖化対策税のメリットとか効果についてどういう論点があるだろうか。国民・事業者の費用負担の問題についてどういう論点があるだろうか、これにつきましては、この報告書の中では税特有のということではなくて、税以外のどのような対策手法をとったとしても、共通の論点として出るのではないかというような大きなまとめがなされておりますけれども、ここに掲げております4つの論点。それから、右の丸になりますが、実際に温暖化対策税を導入する際の論点としてどういうものがあるだろうか、以上8つの論点について検討を進めていただきました。
     3ページでございます。論点1といたしまして温暖化対策税の趣旨ということでございますが、報告書におきましては、地球温暖化を防ぐためのCO2排出削減対策として、なぜ税の活用が注目されるのか、あるいは他の政策と比較したメリットは何かというような論点として掲げておりまして、ここに掲げたとおりでございますけれども、運輸・民生部門を含めた排出部門を広く対象範囲とし、その削減努力を促すように設計することが可能であり、また排出量に応じた形で税負担が行われるという意味で公平性があるということでありますとか、あるいは市場原理による削減コストが最小化されるメリットがあるというふうな要約がなされているところでございます。
     続きまして、論点2の環境保全効果でございます。これも同じく報告書におきましては、温暖化対策税を導入するとどのくらいのCO2排出量が減少するのか、また今まで温暖化対策税を導入した国で、その効果としてCO2が減った国があるのだろうかということを論点として挙げられております。2点にまとめておりますけれども、化石燃料の価格弾力性を用いて試算されておりまして、1)2)で掲げさせていただいておりますが、既存の石油関連諸税を10%アップした場合に約210万炭素トン、炭素トン当たり3,000円の炭素税を上乗せした場合には約830万炭素トンの排出抑制効果が見込めるという結論を取りまとめております。
     環境保全効果の中では、報告書においてはそれ以外に地球環境部会目標達成シナリオ小委員会の中間取りまとめも紹介されております。ここにはまとめておりませんけれども、シミュレーションモデルを活用した環境保全効果の試算と、税収の還元方法に関連して補助金でありますとか、排出量取引等の政策手法との組み合わせについて、シナリオ小委の中間取りまとめの結果のご紹介があわせてなされているところであります。
     それから、諸外国につきましては、後ほどご説明いたします今後の予定と関係してまいりますが、次回詳しくご報告させていただきたいと思っておりますけれども、この報告書におきまして、現実に温暖化対策税が何らかの形で導入されています欧州におきましては、ある程度CO2の排出削減効果があったという事後評価がなされている結果が紹介されているところでございます。
     駆け足で恐縮でございますけれども、4ページ、論点3といたしまして、経済への影響ということでございます。先ほど申し上げましたように、税以外の対策手法をとっても、何らかの意味で経済への影響あるいは経済の姿を変える効果を持つだろうという前提ではございますが、温暖化対策税が導入されるとGDPが下がるのかというような論点が挙げられておりまして、ここにございますように、例えばマイナスの影響といたしましては、「温暖化対策税等の対策の導入によるマイナスの影響」という要約がなされておるわけでございますけれども、エネルギー価格の上昇や新たな設備投資に伴うコスト増でありますとか、特にエネルギー多消費産業への影響があるということ、エネルギー価格の上昇に伴ってさらにマイナスの影響があるということが整理されております。
     他方、プラスの影響というものも検討されておりまして、例えばエネルギー効率が改善する、あるいは超長期に見るとエネルギーコストの上昇を緩和することができるのではないかという分析がなされているところでございますし、また温暖化対策技術を導入するという意味で技術面での効果もある、という分析がなされているところでございます。
     それを各種数量モデルを用いた試算によるということで、これも先ほど申し上げました目標達成シナリオ小委員会の主なモデルを用いた結果をご紹介するという形でございますけれども、ここに掲げておりますが、2010年に1990年比で2%削減を達成するために必要とされた炭素税額は、炭素トン当たり1万3,000円から3万5,000円の幅ということでございまして、その場合のGDPの損失は、これも幾つかのモデルの数値の上限と下限をとるということで0.06%〜0.72%というふうなモデルでの試算があるという結果がご紹介されております。
     一方、先ほど来申し上げておりますCO2排出削減技術への投資でありますとか、排出量取引との組み合わせによりマイナスの影響を緩和することは可能ではないかという結論も出されておりまして、これもAIMモデルによる試算で、税収をそのような財源とするならば、3,000円炭素トンで同様の効果が得られる。同様の効果といいますのは、90年比、2010年でCO2排出量が2%削減するという場合でございますが、そのような結論が取りまとめられているところでございます。
     続きまして5ページに参りまして、論点4、物価への影響という論点が掲げられております。温暖化対策税が導入されると物価が高くなるのかということでございますけれども、先ほど幾つかの数値があったわけでございますが、例えば炭素トン当たり3,000円程度の低税率であれば、エネルギー価格の変動よりも影響は小さいだろうということでございますが、一方で逆進性の問題もございます。税という手法を採用するか否かにかかわらず、燃料という生活必需品の使用について何らかの意味でセーブをかける場合には逆進性というのが避けられないという記述がございますが、諸外国の例といたしまして、低所得者に対する配慮を行っている例も見られるということで、ここにございますドイツ、オランダの例を整理いただいているところでございます。
     続きまして、同じページの論点5、国際競争力への影響ということでございます。これは温暖化対策税が導入されると企業の国際競争力へ影響があるのではないかという論点でございまして、国際競争力との関係では、この報告書におきましても、「為替レートの変動など他の要因によるものが大きいために、具体的な影響の実態を分析することは必ずしも明らかでないが」というふうにお断りがあった上で、先ほど来申し上げておりますが、温暖化対策というのは、税特有ではなくて、どのような政策手段をとってもCO2排出と関連のある企業活動には何らかの影響があるだろう、ということをまず前提として述べられているところでございます。
     ただし、環境保全効果が高く、経済へのマイナス影響の小さい制度設計は可能であるとして、例えば影響の大きい産業分野への減免措置の導入等、幾つかのことを考慮した制度設計が可能ではないかというふうな取りまとめが行われているところでございます。
     続きまして、6ページの論点6でございます。炭素リーケージという論点が書かれております。炭素リーケージといいますのは、温暖化対策が導入された場合、生産費用を削減するために企業が温暖化対策が十分行われていない途上国へ移転してしまい、結果としてCO2排出量がふえる可能性はないのかというような論点であるというふうに整理されておりまして、ここにございます炭素リーケージの主な発生メカニズムを整理されたわけでございますが、結論といたしましては、IPCC第3次評価報告書を引いておりまして、炭素リーケージの可能性はあるものの、先進国の削減努力の意味をなくすほどのものではない、というふうな結論になっているところでございます。
     続きまして、論点7、既存エネルギー税との関連でございます。これは、報告書の中では、現在もガソリンや軽油にはかなりの税がかかっているけれども、これも温暖化対策税と言えるか、あるいはこれらの税についても検討を行っていく必要があるのかというような論点として整理されておりまして、結論といたしましては、温暖化対策税導入の検討には既存エネルギー税との関係整理が重要であるということで、「幾つかのパターンを検討の上、関係整理していくことが重要であるが」というふうにされた上で、既存エネルギー税の役割、意義を踏まえた上での課税対象・税率の検討がなされているわけでございます。あわせて諸外国の温暖化対策税の導入形態といたしまして、既存エネルギー税への単純な上乗せ、既存エネルギー税の非課税対象分野に導入、あるいは既存エネルギー税の税率調整を伴う補完的な課税という導入形態の整理がなされております。なお、既存エネルギー税につきましては、後ほど資料7でもう少しご説明させていただきたいというふうに考えております。
     それから、先ほど申し上げましたが、諸外国の温暖化対策税と言われるものの実態につきましては、できれば次回にご報告させていただきたいと考えているところでございます。
     論点8の税収の使途ということでございますけれども、これは温暖化対策税により得られた税収がどのように活用されるかという論点でございまして、導入されております諸外国の状況として、一般財源に組み入れる場合が多いという例がご紹介されておりますが、それ以外にオプションといたしまして、温暖化対策の中でのオプションということで、先ほど来何度か申し上げておりますCO2排出削減技術への助成でありますとか、CDM、国際排出量取引の財源というような考えがオプションとして挙げられております。結論的には、「資本形成を促進するような還元方法を採用し、長期的な経済影響を小さくすることが望ましい」という結論が得られているところでございます。
     以上が資料6−2のご説明でございまして、最後に資料6−3といたしまして「環境税に関するその他の検討状況」、先ほど一番上の中央環境審議会の報告書のところだけ触れさせていただきましたけれども、ここには目次にございますような幾つかの関連のあります報告書でありますとか、動きをご紹介させていただいております。
     これは簡単に項目だけ触れさせていただくにとどめますけれども、まず資料2ページは中央環境審議会における検討でございます。先ほど申し上げましたような政策パッケージのモデルということで平成12年12月に報告としておまとめいただいたわけでございますが、[1]から[5]のモデルが示されております。ここにございますように、[3][4]におきまして環境税モデルあるいは環境税と大規模管理モデルの組み合わせという税、環境税を加えた形でのモデルも提示がされているところでございます。具体的なイメージといたしましては、3ページ以降に5つの政策パッケージ・モデルの概念図がございます。先ほど申し上げました環境税モデルは5ページ、環境税と大規模管理モデルの組み合わせは6ページでございます。時間の関係もございますので、説明は省略させていただきます。
     それから、2つ目のものといたしましては9ページに政府税制調査会の関係のものがございます。政府税制調査会におきましては、「我が国税制の現状と課題」ということで、平成12年、昨年7月に答申が出ておりまして、その中で環境問題への対応ということで、ここに整理いたしました項目が挙げられております。
     税を含む経済的手法の有効性が指摘されるとした上で、まず環境政策全体の中での税制の位置づけが明確にされる必要があるということと、地球温暖化対策を例にとると、全体の具体的内容が検討される中で、税制以外の各種手法の活用に加えて、税制の活用の必要性について十分な議論が求められる、というふうにされております。
     それから、先ほど少しご説明いたしました既存エネルギー関係諸税との関係についてどう考えるかという議論が必要だということと、特定財源として活用することについては税の基本的な考え方からすれば好ましくないという一方、環境施策の財源調達手段として検討すべきとか、あるいは地方公共団体の役割に留意すべきとの意見があったということのご紹介がされておりまして、最終的には、国内外における議論の進展を注視しつつ、PPP(汚染者負担)の原則に立って引き続き幅広い観点からの検討を行っていきたいと考えます、というふうなまとめがなされているところでございます。
     あわせまして、自由民主党及び与党3党の平成13年度税制改正大綱、すなわち平成12年の年末に取りまとめられました税制改正大綱におきましても関連する記述がございまして、環境問題全般に配慮した実効性のある施策について幅広い観点から検討を進める、というふうに取りまとめられているところでございます。
     以降、最初の2つは経済産業省の「経済活性化のための税制基本問題検討会」あるいは総合資源エネルギー調査会の報告、それから運輸政策審議会の最終報告を整理してまとめております。
     11ページからが経済産業省の「「経済活性化のための税制基本問題検討会」における検討」ということで、12ページ以降ずっとございまして、この項目に掲げられておりますとおり、エネルギー政策と税制でありますとか、エネルギーと環境関連税制としての一体的扱いというような論点でありますとか、12ページにおきましては国際的動向、政策の必要性等々が整理されているところでございます。
     13ページは「地球温暖化防止対策のためのエネルギー・環境関連税制について」ということで、これは先ほど申し上げました総合資源エネルギー調査会の「今後のエネルギー政策について」、参考4というところにエネルギー・環境関連税制についての整理がなされているものを要約させていただいたものでございます。
     税制に関する論点といたしまして、効果、公平性、経済への影響、対象にすべき範囲、自由化・効率化との関係、エネルギーの安定供給との関係等が挙げられた上で、検討の方向といたしまして、14ページの下の方でございますけれども、エネルギー特別会計の歳出グリーン化ということとエネルギー・環境関連税制のあり方という2点がございまして、エネルギー・環境関連税制のあり方につきましては、エネルギー価格の動向等を含む国際的エネルギー状況、国内における今後の経済情勢等を考慮して検討を進めることが必要である、というふうな整理がなされているところでございます。
     次の15ページは、今ご説明いたしました報告書の参考資料としてつけられているものをそのままつけさせていただいたものでございまして、炭素税から始まりまして一般炭への課税、電源開発促進税の組みかえというものにつきましてメリット・デメリットについて評価がなされているものでございます。
     16ページは、運輸政策審議会総合部会環境小委員会での検討ということでございます。平成12年9月に取りまとめられたものでございまして、アンダーラインは環境省の方でさせていただいたものでございます。環境税につきましては、今後持続可能な社会の発展、汚染者負担の原則(PPP)等の観点を踏まえて、導入に向けた検討を進めることが必要ということと、税収の使途や特定の分野、業種にのみ負担を求める制度とならないよう配慮すべき、ということが掲げられているところでございます。
     それから、18ページに参りまして、環境税に対する経済団体連合会の意見ということで、これは先ほど来何度か出ておりますけれども、国内制度小委員会でご議論がなされているわけでございますが、その中での取りまとめに対する意見ということで出されたものと、「地球環境問題への我が国の対応と環境自主行動計画の一層の透明性確保に向けた取り組み」ということで、9月に経団連の環境安全委員会資料としてまとめられたものを私どもの方で抜粋して提出させていただいております。下の方でございますけれども、今後、環境税の導入などさらなる対策を産業界に求めるとすれば環境コストの上昇により国際競争力が失われ、国内の雇用が減少し、さらには国際経済においても大きなゆがみが生じることを懸念せざるを得ないということで、温暖化対策が雇用にさらなる悪影響を及ぼすことのないよう慎重に議論を進める必要がある、ということが挙げられております。
     最後、OECDにおける検討、これは次回に予定いたしております諸外国のものとあわせてご報告した方がいいのかもしれませんが、OECDレベルにおきましても、本年5月にかなり大きな動きがございまして、閣僚理事会コミュニケというものがまとめられております。閣僚理事会レベル、これは従来経済担当、財政担当の閣僚が参加しておったわけでございますが、環境担当レベルも参加したという意味では初めてでございますし、経済的手法の活用が勧告されたという意味でも初めてでございます。そのコミュニケにおきましては、排出量取引、環境関連税、環境に悪影響のある助成制度の廃止という市場機能を活用した政策手法の利用の拡大が勧告されているところでございます。
     同じときに「持続可能な開発の政策リポート」と、環境政策委員会の「21世紀の最初の10年間の環境戦略」というものがまとめられておりまして、その中でも環境関連税につきましての言及がございます。
     最後でございますけれども、OECDの租税、環境合同委員会におきまして、OECD加盟国における環境関連税について検討が進められておりまして、ことしの9月に公表されたところでございまして、OECD加盟国の環境関連税の導入状況について、炭素税、自動車燃料税などの項目ごとに横断的に紹介しているところでございます。
     資料6関連につきましては以上でございます。

    ○後藤総政局調査官 もうしばらくご辛抱いただけますか。引き続きまして資料7でございます。二つ折りのA3の大きな資料でございます
     先ほど説明いたしましたとおり、飯野先生を座長に検討いただいた検討会の論点7、また政府税調での昨年の中期答申においても既存の税制との調整といったものが大きな課題になっている、また諸外国の実際の温暖化対策に関しての税制につきましても、既存の税制を調整することによって対応している国もあるということから、ここで制度的なご検討をいただくに当たっての出発点として、我が国の関連した税制がどうなっているのかが必要になろうということでご用意したペーパーでございます。
     開いていただきまして、最初の「我が国の既存エネルギー関係税制」の図でございますけれども、ここでご留意いただきたいのは、現在のエネルギー関連税制といったものは、輸入の段階、保税倉庫からの引き取り、また製品に加工されて最終的に消費されていく、こういった流通の段階、加工の段階のそれぞれに課税のポイントを設置して、なされているということでございます。
     具体的に申しますと、輸入の原油が入ってきたところで、まず原油等関税がかかっている。さらに、右側の黒い網かけの部分になりますと、国内の制度としまして、引き取り段階での石油税、これは原油、輸入石油製品、輸入LNG・天然ガスといったようなものにかかっているということでございます。このあたりまではいわば上流で課税されているということでございます。そして、それぞれの石油製品に加工されて、LPガス、ガソリン、軽油、ジェット燃料(航空機燃料)、また化学製品として原材料で使われているようなもの等々に分かれていくわけでございますが、燃料に関しましては、ここにございますように、右側の石油ガス税、揮発油税・地方道路税、軽油引取税、航空機燃料税といった燃料の種別ごとに課税されている、このあたりの税目はいわば下流でかけられている税ということがいえるかと思います。
     また、燃料としまして課税される以外に、エネルギーでどうなっているのかということがございますけれども、電気に関しては、一番下にございますように、電源開発促進税というものが電気を課税標準として課税されています。
     全体としてはこのような流れになっているということを覚えていただければと思います。
     そして、2番目の資料でございますが、「我が国の既存エネルギー関係税の収入と使途」ということでございます。税目を今度は左側に縦に並べて、税率がそれぞれ示されておりますけれども、このほかに地方税で核燃料税といったようなものもございます。そして、税収としては、全体として5兆4,422億、平成13年度予算ベースではこのぐらいの規模になっている。そして、それぞれ使途は目的税化されているものがほとんどで、石炭対策、石油対策、省エネや新しいエネルギー開発といったものに使われるようなエネルギー需給構造高度化対策、道路整備、空港整備、電源立地といったようなそれぞれの行政施策に使われているということになっているところでございます。
     以上のような税目についてそれぞれ課税標準はどうなっているのか、税率はどうなっているのか、課税対象はどうなっているのか、国税、地方税はどういう形になっているのか、というものをやや詳しくつけたのが3番の表でございます。この中には、軽油引取税などは地方税として課されているということがございます。
     先ほどのエネルギーの流れの中でございませんでしたけれども、この表の中で石炭といったところが課税対象の最初に出てきておりますが、国内において税目の対象にはなっていないということがお気づきになられるかと思います。
     また、税率の項目でごらんいただきますと、基本税率がそれぞれ張られていますけれども、暫定税率の欄をごらんいただきますと、ガソリン税、これは揮発油税と地方道路税の総称でございますが、ここでの部分と軽油引取税に関して、道路5計との関連で特定財源として暫定税率が平成15年3月31日という期限つきで設定されている、ということでございます。
     その次のページ、続きの形になって4ページ目でございますけれども、ここでご留意いただきたいのは、それぞれの税目が広くかけられている反面、二重課税を防止するでありますとか、特定の行政目的を達するため、また製造に回ったものについては、そもそも課税の趣旨にそぐわないということから、特定用途の減免税措置がとられているということでございます。そのほか納税猶予などの措置も講ぜられているということであります。先ほどの論点で示された幾つかのきめ細かな課題に対応していくという意味で、こうした減免措置についてどのように検討していくのか、これからここで考えていくような制度について大きな示唆を与えているものだと思いますので、そういった意味でごらんいただければと思います。
     そして、最後につけてございますのは、参考でございますが、既存の税制というより、既に廃止されたものでございまして、昭和63年度をもって、消費税が導入されたときに廃止された電気税とガス税。これらは市町村税ということであります。イギリスの新しく入った制度などは、電気課税、ガス課税という形で気候変動税が入っていることもあり、類似の制度を日本としてやったことがあるのかといったときの一つの参考資料としてここへ掲げてございます。料金を課税標準として使用者に課されていた、普通税であった、製造用の電気に関しては特定の税率が張られていた、といった点をお気付きいただければと思います。
     簡単ではございますけれども、資料7は以上でございます。

    ○飯野委員長 ありがとうございました。
     続きまして、これからの検討の進め方について事務局から資料8のご説明をお願いいたします。

    ○三好環境経済課長 資料8でございますが、「検討の進め方(案)」ということです。
     先ほど私の説明の中で先回りしてしまったわけでございますけれども、本日、環境税についての過去の検討経緯等をご紹介して、この後、自由討議をしていただきたいと思います。次回は、諸外国で既に先行的に導入されております事例をご説明申し上げまして、自由討議と、論点の整理をしていただきたいと思います。第3回・第4回として、2回ほど関係者からのヒアリングにさせていただければというふうに思っておりまして、第1回、第2回の議論を踏まえた論点に沿って意見を提示していただくということで、例えば経済団体、経団連さんでありますとか、連合さんの方でも論点の整理をされておられるということでございますし、幾つか具体的な提案をなされておりますNGOの方もおられますので、そういったところからのヒアリングを考えていきたいと考えております。あと、年内に意見集約ということで2度ほど専門委員会を持たせていただければというふうに考えております。
     なお、ここでの意見の集約につきましては、先ほど冒頭、局長のあいさつでも申し上げましたけれども、国内制度小委員会あるいは部会の方にご報告させていただくということも考えておりますし、また小委員会の方の議論との関連ということでは、安原小委員長に本専門委員会に加わっていただいておりますので、そういうあたりで十分な連携を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
     簡単でございますけれども、以上でございます。

    ○飯野委員長 ありがとうございました。
     それでは、今までご説明いただいた資料についての討議を始めたいと思います。
     まず最初に、地球温暖化をめぐる国内外の情勢についてのご質問等がございましたら、どうぞお願いいたします。
     ございませんでしょうか。

    ○鳥井委員 余り本筋とは関係ないかもしれませんが、マラケシュの会議というのは予定どおり必ずできるんでしょうか。

    ○小島審議官 現在そのように考えておりまして、政府内でも対応するという準備をしております。

    ○小幡委員 後で税収の使途のところで問題になってくることではないかと思いますが、国際的な排出権取引については議論がどの程度固まっているのか、そういうふうなところへ税収を回せる状況にあるかということをちょっとお伺いしたいんですが。

    ○小島審議官 国際的な排出量取引は、京都議定書で付属書I国、義務のかかっている国同士の制度でございますが、これは議定書が発効してからの話ですから、批准しようとしている国、EUにおいても2008年から義務がかかってくるわけですから、国際的な議論は2008年から12年の間のことで、それまでまだ6年強ありますけれども、それはそれぞれの域内における準備段階です。ですから、議定書に基づく排出量取引は議定書が発効する期間ということですから、EUの域内は国内での排出量取引をどういうふうにつくっていくか。そういうトレーニングを積んで、議定書に基づく国際的な排出量取引にどういうふうにシフトしていくか、そういう準備段階だろうと思っております。日本においてはまだ検討ということでございますけれども、そういう関係にあるということだと思います。

    ○飯野委員長 ほかにございませんでしょうか。
     ないようでしたら次へ進みまして、資料6、7の環境税についての過去の検討経緯等についてご質問、ご討議がございましたら、どうぞお願いいたします。

    ○天野委員 資料6−2、論点報告書ですが、非常にたくさんの論点をカバーされまして、特に最近の理論とか実証とか、あるいは国際的な調査を十分されて、非常によく整理していただいたと思います。私もこれから十分勉強させていただきたいと思いますが、きょうは5つほど気がついた点を簡単に申し上げたいと思います。
     まず、3ページの論点1ですが、ここで公平性というのが取り上げられておりまして、私はこれは大変重要な視点だと思います。ご承知とのおり、公平性というのはいろんな基準がありまして、ここでは広い範囲の人たちが負担する、CO2排出量に応じた税負担をするということがあるわけですが、これが満たされていれば公平と言い切れるのかといいますと、CO2に比例してそれぞれが公平に負担するというのはいいんですけれども、例えば十分に環境悪化を防げない低い水準でみんなが公平に負担しているという場合には、将来の世代に対して非常に不公平なことになってしまいます。したがって、これだから公平だと言ってしまうと、ほかの基準の不公平性というものとの関連が無視されるようなきらいがありますので、公平性の議論をする場合には、どういう基準で、どういう観点から公平であるけれども、別の観点からすれば不公平であるというふうなことをきちっと整理する必要があるのではないか、これが1つの点です。
     2つ目の点ですが、4ページで、いろんなプラス・マイナスの影響があります。その中で、特に技術面で温暖化対策することによってプラスの効果が出るということがあります。これは従来からも言われておりますけれども、必ずしも実証的にどれぐらいの規模の効果が出てくるのかというのが十分に行われているとはいえませんで、ごく最近ですが、技術進歩あるいは技術革新というのは経済のシステムの中で内生的に出てくるもので、そういうものを考えたときにもっと大きくなるんじゃないかという議論もありますし、それを十分考えた上でもそんなに大きくないんだという議論もありますが、そのあたりの数量的な大きさ等も一緒に取り上げていただけたらというふうに思います。
     それから、これは先ほどの議論とちょっとかかわりがあるんですが、物価に与える影響があって、例えば低所得者層に逆進的な影響があるというご議論がありましたが、これも数量的な評価がありまして、外国ではそれほど強くない、逆に累進的になっている面もあるという調査があります。日本で数字を余り見たことがないですが、東京大学の後藤則行先生の研究室で数量的な研究をされて、若干だけれども、日本の場合には逆進性があるんだという研究もありますので、その辺もご紹介いただけたらというふうに思います。
     それから、5ページのところで、減免税というのは、環境税を導入した場合、特に影響の大きい産業に対して必要になるだろう、私もそう思いますけれども、排出取引をオークションでやらないで、グランドファザリングでやる、無償で枠を与える、これも一種の助成措置なわけです。免税にしてしまうのと、同じ金額の税額に当たるようなものを排出取引として無償で与えるのは、助成の効果は一緒ですが、減税にしてしまいますと環境保全の効果が一緒になくなってしまうんですね。しかし、グランドファザリングで与えますと環境保全の効果はきちっと残って金額的な負担だけが助成できる、こういう違いがありますので、税にするか排出取引にするか、こういう制度の設計を考えるときには、そういう点があるんだということをぜひ強くご指摘いただけたらというふうに思います。つまり、環境保全の効率性を下げるような助成はOECD等でも廃止すべきだとか漸減すべきだというのがありますけれども、効率を下げない助成措置というのは別になくせと言っていないわけですので、その辺の区別をきちっとしていただきたい。
     最後の5番目の点は、6ページで、既存の税制との関連は整理しなきゃいかん、これは私も前からそう思っておりました。既存税制というのは、それなりの目的があって、副次的な効果として温室効果ガスの排出を減らすということがあるわけですが、それはそのとおりだと思います。ただ、既存税制というのは、導入されて既に一定の効果を持っていて、温室効果ガスを下げる効果は既に出ているわけですから、これからその効果が発生するわけでは決してないわけです。ですから、そういう意味で、仮に副次効果があっても、それはあらわれているわけですから、それを追加の効果として計算することはおかしいと思いますので、そういう点の区別をきちっととっていただきたいということです。
     以上です。

    ○飯野委員長 何かお答えされることはありますか。

    ○三好環境経済課長 今のは宿題というふうに受けとめさせていただきたいと思います。むしろこの場でのご議論といたしましては、きょういろいろご紹介したわけですけれども、それも含めましてもう少し先生方の幅広い温暖化対策につきましてのお考えなどをお聞かせいただければと思います。

    ○青山総政局総務課長 天野先生ご指摘の点、世代間の公平性あるいはその効果云々、次回、ご報告かたがたご議論させていただきたいと思います。

    ○天野委員 ここで議論するというよりも、そういう点を含めて制度をつくってほしい。

    ○飯野委員長 横山さん、どうぞ。

    ○横山(彰)委員 資料7のところの確認ですが、この委員会の前提をどういうふうに考えたらいいかということでお尋ねさせていただきたいと思います。
     2点ございまして、既存のエネルギー関係税とした場合、潜在的炭素税という理解でいった場合には取り扱いがされなくてもしかるべきだと思うのでございますが、将来的に核燃料税等の原発関連の地方ですが、法定外普通税として入っている核燃料税をバランス上どういうふうに考えるのか。炭素税的なものを入れた場合に、相対価格比でより有利な原発への誘導という形にもなりかねない。こういうところの核燃料税の取り扱い、あるいは青森県でやっているような核燃料物質等取扱税ですか、そういうものの取り扱いをこの委員会ではどういうふうに考えるのかということが1点です。
     それから、2番目は、道路特定財源の見直しということが小泉政権でかなり強く言われ出している。そうすると、今の道路特定財源の見直しとの関連で、全くそのことは考えずに議論をしていくのかどうか。
     この2点、この委員会としてどういうような前提のもとで議論するのかということのご確認をさせていただけたらなと思います。

    ○中川総合環境政策局長 どういう状況で環境税の議論が今後進んでいくのかということについては非常に不明確でございます。政府税制調査会におきましては、揮発油税等の暫定税率が平成15年3月末で切れますので、今、先生がおっしゃった道路特定財源との関連も含めて環境税の議論が当然なされるだろうというふうに私ども思っておるわけでございます。
     ただ、それがどういうふうに進むのかにつきましては、この専門委員会にも政府税調の先生に5名ほどお入りいただいていますけれども、今の時点では非常に不明確なものですから、この専門委員会としてどういう方向でいくのかということは、この年末までにはなかなか出し切れないだろうと思います。そういう意味では、いろいろなケースに備えて私どもとしては勉強していきまして、それで来年の本格的な議論に備えて準備しておきたいということでございますので、今、先生の問題点、2つございましたが、それについてどういうふうな方向で進んだ場合にはこういう準備をしておいた方がいいのではないか、ということで整理していただければと思っております。

    ○飯野委員長 そのほかにご質問……。寺西さん、どうぞ。

    ○寺西委員 環境税の検討経過についての資料、議論が初期の段階から随分詰まってきて、かなり論点が整理されて、私、非常に勉強になりました。
     先ほど横山委員からご質問があったことと関連するんですが、私が最近、幾つか地方の自治体関係の委員会なんかに出まして、地方環境税の議論が一方で随分起こっているんですね。他方で、国の税制との関係をどう見たらいいかということで様子見みたいなところがあって、ここの委員会は、環境税の導入なり活用なり税制制度の方向を考えるときに、国と地方の間の税制の振り分けられているところをどういうふうに検討していこうとしているか。ここは国の課税主体に関するものだけを扱って、地方のものは地方分権化の時代だから地方にお任せして触れないという話なのか、それも包括的に考えるのか。先ほどの資料7についても国税なのか地方税なのかという欄も入れておいていただいて、そこの調整問題あるいは地方環境税として期待される課題はどこにあるかみたいなことも議論のマターに入れていくか入れていかないか、その辺を事務局として、あるいは委員長の方でご検討いただければということです。

    ○中川総合環境政策局長 環境税という場合にはいろいろな定義がございまして、特に地方税として議論されています産廃税とか、あるいはもう少し広くいうと水源税とか、そういったものも含めて広い意味で環境税という場合もあるようでございますが、この専門委員会でご議論いただきますのは、この委員会の名前が温暖化対策税制の専門委員会、こういうふうにしておりますように、中心といたしましては、京都議定書の発効に向けて、あるいはそれを実効あらしめるための温暖化対策の税ということでとらえていただきたいと思います。したがいまして、そういう流れの中で地方税というものが考えられるのであれば、もちろんそういう点についてもご議論いただきたいと思うわけでございますが、恐らく中心的には国税を念頭に置いているということだと思います。

    ○飯田委員 言葉じりをとらえるようで申しわけありませんが、論点2の効果、最後の行にヨーロッパではある程度効果があったと事後評価されている、ある程度というのはどの程度のものなのか。税問題というのは、一番肝心なことは効果なんです。効果がないものを我々が審議しても意味がないので、はっきりこれだけの効果があるんだということをまず、それはもちろん予測で結構ですが、ある程度では納得しない人が多いと思います。例えば、サマータイムが温暖化防止に効果があるという人とないという人がいて、効果がはっきりわからないからなかなか導入まではいかない、税制の問題もそうではないかという気がいたします。

    ○三好環境経済課長 本日はかなりはしょって要約して御報告したわけでございますけれども、お配りいたしております『税の論点報告書』に、諸外国の評価事例ということで、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドの具体的な数値、それぞれの国で実施されている場合のものも含めまして整理しておりますので、次回、諸外国の取り組み事例をご報告する中でそのあたりにつきましても具体的にご説明させていただきたいと思っております。

    ○飯野委員長 佐和先生、どうぞ。

    ○佐和委員 中座しなければなりませんので早目に発言させていただきます。
     やはり論点といいますか、資料6−2に関連してでございますが、天野先生がさっき公平性のことについて言及されまして、将来世代のことをも視野に入れるというのは大変よくわかるんですが、それもさることながら、現世代の中でも、一言でいえば、こういう課税をすることによって産業はウイナーインダストリーとルーザーインダストリーに分かれる、同じ産業の中でもウイナーカンパニーとルーザーカンパニーに分かれる、自動車会社なんかそうですよね。ですから、政府が人為的に化石燃料の値段を上げることによって、そういう効果を及ぼすことをどう考えればいいのか。これは私自身もよくわからないので、いろいろ議論していただきたいと思います。
     それから、論点2の効果についてですけれども、今、飯田委員からご質問があったように、これ、おかしいんじゃないかと思うのは、2)のところにトンカーボン当たり3,000円の炭素税をかければ炭素換算で830万トンのCO2排出削減ができるとありますが、830万トンといったら3.8%ぐらいになりますよね、これはちょっとおかしいんじゃないか。3,000円で、価格弾力性だけでこんなに削減することはあり得ないと思うので、3万円なのか、あるいは830万トンが83万トンぐらいかなという感じがします。
     それから、論点3の経済への影響というところですが、これも誤ったことが書かれているんじゃないでしょうか。「上記のエネルギー価格上昇等によるマイナスの影響」のところで、貯蓄の減少によって資本蓄積率が低下するとありますね。貯蓄というのは所得のうち消費しなかった分をいうわけですから、税金に納めたのも貯蓄なんですね。「資本蓄積率が低下し……」云々ということはおかしいんじゃないかという気がします。
     それから、論点8のところで、事務局は多分ご存知だと思いますが、質問ですけれども、諸外国の状況で、省エネルギー・再生可能エネルギー開発投資の助成を使っているところがある、つまり炭素税を目的税にしている国があるんですか。私はないんじゃないかと思って、むしろ社会保険負担の軽減とか、所得税減税とか、そういうことで増減税を同額にしている国が多いか、あるいは一般財源に入れるということで、目的税というのは余り例がないんじゃないかと思うんですが、こうお書きになっているからには何かあるんだったら、それを教えていただければと思います。
     以上です。

    ○三好環境経済課長 目的税とか特定の財源という考え方は、確かに先生がおっしゃるようにないようですけれども、事実上、温暖化対策の中でこの分野に振り向けるということで税収が還流されているという事例はあるようでございますので、次回きちっと整理してご報告したいと思います。

    ○大塚委員 先ほどから出ていることに関連することで、確認しておきたい質問ですけれども、簡単に申しますと、資料6−3の2ページにあるような[1]から[5]、特に[3]と[4]を強調してご説明いただいたと思いますが、2つのモデルがあって、2つ目については排出量取引あるいは総量規制を導入するということも入っているわけです。[3]と[4]では税について検討するときに大分違ってくるのではないかというふうに思いますし、もとに戻ってしまって恐縮ですが、資料5の6ページあたりに出ているイギリスのような協定を導入したときは減税をするという制度を導入した場合と、税だけを導入するという場合とでは大分違った効果があり得ると思います。もちろん今すぐ決めて検討できるわけではないという話もわかっているんですが、この辺について検討の前提のところを確認させていただきたくて質問させていただきました。

    ○三好環境経済課長 政策のパッケージ自身はまさしく地球環境部会の中の小委員会なりでご議論されることというふうに考えておりますが、大塚先生がまさしくおっしゃるとおりで、今、こういう前提でとか、そういう議論がなかなかしにくい状況でございますので、前提を置かずにといいますか、そういう意味も含めて論点として年内は整理をさせていただければというふうに考えております。あいまいなことで申しわけございません。

    ○小幡委員 先ほど私が伺った質問との関連ですが、先ほど佐和委員からもございましたように、論点2「環境保全効果」という効果のところでの数字は、論点8のオプションの国際排出量取引の財源とか、税収の使途のところでオプションとしてポリシーミックスにするということを考えないで、単純な効果として環境保全効果がこのぐらいという数字でしょうか、その確認をまずお願いします。
     それから、先ほど目的税という可能性があるかというお話がございましたが、それは難しいというところはあろうかと思いますが、国民に対しての税導入の受容性ということを考えますと、CO2の削減のために使うんだというのはある程度理解が得やすい部分もあるかと思います。
     道路プライシングの方に若干関わっておりますが、人間の行動というのは、例えばTDM(交通需要マネジメント)にしても、課徴金のようなものを課して、実際に車で入ろうとする行動を変えるために一体幾らぐらいお金を課せばよいかというふうにアンケート等で試算しますと、かなりの額を課徴金として付さないと効果が上がらない。つまり、人間の行動を変えるインセンティブになかなかならないんですね。今回お考えになっているのは、広く薄くという感じになろうかと思います。そうすると、ポリシーミックスを使わないで環境保全効果がこんなに上がるのかなというのは、私も佐和委員と同じように多少疑問に思うところでございます。そうすると、具体的なポリシーミックスにあるように、多少目的税的に税収を使うことによって初めて十分な効果が上がるのではないかという感じがします。
     以上です。

    ○森田委員 その点については、この分析自体は私、関与しておりませんが、この委員会に関与した者として、分析された方の名誉に関することでございますので……。
     佐和委員はもう退席されておりますが、これは植田委員及びそのお仲間がおやりになられた分析結果でございまして、要するに、統計的な方法で弾性値を見積もられまして、ポリシーパッケージがなくても3,000円でこの程度はいくだろうという分析結果です。それは割とリーズナブルな数字なんですね。というのは、京都議定書達成のために大体8,000万トン削減するとして、それで3万円か3万5,000円というような形が想定できるような弾性値でしたので、10分の1ぐらいの税率をかけると10分の1ぐらいは計算として出るだろうということです。
     ただし、効果として3万円ぐらいだったら、みんなドキッとして控えたり、あるいは省エネ型の機械を買ったりするし、物すごく薄い場合には使わなかったというような心理的効果がこの中であらわれているかというと、どうもそこは十分あらわれていない。すなわち、それはあくまでも非常に統計的に扱った数字であると思うわけです。だけれども、今までのデータを見れば、薄い税であってもこの程度の効果は計算上いくだろうという数字だとお考えになられた方がいいと思います。

    ○天野委員 私も今の点をフォローしたいんですが、『地球温暖化防止のための税の論点報告書』の1−7ページに表がありまして、ここの部分ですね。ここで3,000円で830万トンカーボン/年というふうに出ていますが、前提の数字を見ますと、決して高い数字じゃないと思います。私もこういう推定をやったことがありますけれども、これよりもうちょっと高い0.2から0.3ぐらいじゃないかと思います。そうなると、ここに上がっている数字よりもっと大きい数字が出てもおかしくないと思います。
     私、もとのペーパーをまだ拝見していませんので、どのぐらいの時間シェアで計算しているかを確認しないといけませんが、私の場合は非常に長い期間にわたって効果がずっと持続した場合には0.2とか0.3という弾性値が出てくるということで、私、この数字自体は決して大き過ぎるものだと思いません。先ほど言いました後藤先生が推定された値でもこれよりちょっと高目の数字が出ていますから、弾力値自体はそんなにおかしい数字ではないと思います。

    ○飯野委員長 横山さん、どうぞ。

    ○横山(彰)委員 当事者なのでお答えします。
     私と植田さんと藤川さんが2000年の英文の論文でやったのは、上乗せすることのシミュレーションをやったわけではない。現行の潜在的炭素税というのは、CO2への効果に関して全然考えない税率なわけです。先ほどお話もあったように、石炭にはかかっていなかったり、重油には非常に低かったりしているわけです。ガソリンだけ非常に高い。そうではなくて、今の潜在的炭素税と言われているものをレベニュー・ニュートラルにして、すなわち税収総額を変えずに、それを純粋に炭素に応じた税率に全部組みかえた場合にどれくらい減るかということをやったのが2000年の論文です。
     それに対して、既存の潜在的炭素税と言われている石油関連税制に3,000円上乗せしたこの推計には私は関与していません。ただ、そのとき使われていた価格弾力性については、私どものペーパー、表の1−2と書いているものを使って事務局の方で計算なさったのだろう、こういうことでございます。だから、2000年で上がっているペーパーについては、こうした上乗せのではなくて、既存の潜在的炭素税と言われているものを全部組みかえた場合のCO2の削減量を計算しているペーパーで、そこがちょっと違います。
     以上です。

    ○飯野委員長 ありがとうございます。この点はまたおいおい再検討するといたしまして、時間が大分迫ってまいりましたから、最後に資料8の検討の進め方についてご意見等がございましたら、どうぞ。
     ございませんようでしたら、全部合わせまして何でも結構ですけれども、今日言っておきたいということがあったら、どうぞご発言ください。
     どうぞ、横山さん。

    ○横山(彰)委員 一点だけちょっと確認させていただきたいんですけれども、税制によってどの程度の削減を予定されるかということによってかなり違うと思います。
     それから、吸収源の3.7なり3.9というもののフィージビリティーをどういうふうに考えたらいいのか。これは人為的な活動を森林管理についてやったということですけれども、恐らくボンで合意されたのは、伐採したものについてはマイナスにカウントされてしまったり、いろいろなことで3.7も森林のマネジメント、人為的なところでほんとに国際的に認められるのかどうか、この辺のところを踏まえておかないと、どの程度ここの税制で大体のターゲティングにするのか。パブリックアクセプタンスがございますから、税制だけでは対応できない、ミクスチャーでしょうけれども、そういうことについては今後また検討でございますか、どういうふうに考えたらよろしいんでしょうか。

    ○小島審議官 吸収源の3.9はご存知のとおりCDMも含めた数字ですから、国内は3.7ということです。3.7について何もしないでカウントできるわけではないというのはおっしゃるとおりで、人為的な管理をしっかりやって、枠として今考えております国内の3.7をしっかりやっていく。努力して3.7をやるということで、せっかく交渉で合意に達したわけですから、それはそれで目標を達成するべく努力する、こういうことでございます。

    ○中川総合環境政策局長 それから、もう一つの点でございますけれども、私どもとして、現時点において環境税導入によってこのくらいの削減まで目指したいというものは実は考えていないわけでございます。京都議定書の発効に向けて国内での対策を今、検討しているわけでございますが、今の時点におきましては、環境税の導入というものはその前提に考えておりません。
     先ほど竹内課長の方からご説明いたしましたいろいろな対策につきまして、様々なコストのものがあるわけで、そういう意味では環境税が導入されれば、より低いコストで同じ効果が得られる可能性があるということで、なるべく早く環境税が国民の合意を得て導入されることが望ましいと考えているわけですけれども、環境税導入ということにつきましては、これだけの部分を環境税で、というふうに考えていても、そういう形で入るとは限らないので、政治的ないろいろな状況によってどういうふうなレベルまで入れていただけるのか、あるいは時期につきましても非常に不明確でございますので、この専門委員会では、いろいろなケースを想定しながら準備をしておく、こういうことにとどまらざるを得ないのではないかと考えております。

    ○飯野委員長 よろしいでしょうか。

    ○横山(彰)委員 ありがとうございます。

    ○飯野委員長 どうぞ。

    ○天野委員 今のご説明、私にはちょっとわかりにくいです。といいますのは、一般の人が聞いて非常によくわかるのは、ある政策をとったときのコストはこれだけかかります、炭素税とか環境税、温暖化防止税を導入したときのコストはこのぐらいかかって、こちらの方が低いからというのであればよくわかりますが、そういう議論をするためには、温暖化防止税以外のことをやるとどれだけのコストがかかりますかということをまずやらなきゃいけないので、そのあたりを議論しなければいけないということでしょうか。

    ○小島審議官 時間の概念があるんですが、京都議定書が発効していくプロセスは、一番最初にご質問がありましたが、来週末に出かけることになると思いますが、マラケシュでのCOP7でボンでの政治的な合意をちゃんとしたドキュメントとして200ページぐらいのものに落としていかなきゃいけないわけですが、それがまとまるということが第一の条件です。それがまとまって京都議定書本体とパッケージで国会の承認を求めるものができる、それができないと批准という議論にもなりませんので、まずそういうものがまとまるということが大前提で、これが第1の条件です。
     第2の条件は、日本における6%削減という目標は確実に達成できるのか、こういう議論をまた国会でご審議される。これは来年ということになりますと2002年で、2008年から2012年という将来の5年間、準備期間がまだ6年あるわけです。将来の5年間における6%削減が確実にできますよということを2002年に言うわけですから、その間の6年間をどういうふうに使っていくかが各国の課題なわけです。先ほどお答えしましたように、例えば排出量取引、国際的なやりとりは2008年ですから、その間にどういう準備をしていくと最もスムーズに国際排出量取引をその国が使えるようになるかということで、EUはEU、イギリスはイギリス、いろいろ考えているわけです。
     環境税も、そういう意味では2002年に6%削減ということでカウントしなければいけないか、あるいは2002年の段階ではそれはカウントしないけれども、6%削減のそれぞれの削減量と対策をよりコストエフェクティブに実行できる、そのために環境税は有用である、こういうことになればその6年の間に施行のリードタイムとか効果が上がっていく習熟の度合い、そういうものを考えて国民的な理解が得られた段階で導入する、そういうことが考えられるわけです。そういう意味では、最初に局長が申し上げましたように、2002年の段階で必ず環境税でこれだけカウントすることが必須なわけではないということです。

    ○天野委員 わかりました。

    ○飯野委員長 今言われたような状況ですので、それを踏まえまして、これからの検討をここでやっていきたいと思います。
     順序としては、そういう国際的な動きとは別に環境税の検討をやっていくべきだと思っておりまして、まず、どのような環境税が考えられるかということを検討してみたい。例えば、上流で課税するのか下流で課税するのか、あるいは課税標準をどういうところに設けるのか、納税者としてだれを想定するのか、といったような整理をまず行いたい。そして、その上で温室効果ガスの削減効果がそういう税制によってどれくらいあるのか、ほんとに国際競争力に影響があるのかないのか、あるいは逆進性といったものがあるのかないのかといったことについても整理して、もしマイナスの効果があるとしたら、それを緩和するにはどのような政策措置があるのかということを検討しておけば、いざとなったときに準備ができているということで、そういうパターンをまず考えていきたいというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか。
     そういったことを含めまして、きょういただいたご意見も考慮に入れて、事務局にいろいろまとめていただいて、次回、それについて検討していきたいと思います。次回は、そこにございますように10月30日火曜日10時、場所は、環境省ではなくて、今度は虎ノ門パストラルでございますので、間違えないようにそちらへお集まりいただければありがたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

    午後 4時00分閉会