環境省独立行政法人評価委員会第31回国立環境研究所部会 会議録

1.日時

平成25年8月21日(月)9:58~11:30

2.場所

全日通霞ヶ関ビル8階 大会議室B

3.議題

  1.   (1)平成24年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価について
  2.   (2)独立行政法人国立環境研究所の財務諸表の承認について
  3.   (3)その他

4.配付資料

  •    資料1   独立行政法人国立環境研究所の業務・マネジメント等に関する意見募集の結果について
  •    資料2   平成24年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績に係る各委員の評価結果一覧
  •    資料3   平成24年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価書(案)
  •    資料4   総合評価に係る評価比率について
  •    資料5   平成24年度政策評価・独立行政法人評価委員会指摘事項への対応状況評価(案)
  •    資料6   平成24年度財務諸表
  •    参考資料 環境報告書2013

5.出席者

  •    委員:          小池勲夫部会長、泉 淳一委員、大久保規子委員、沖 陽子委員、
                    西間三馨委員、花木啓祐委員、
  •    臨時委員:        萩原なつ子委員
  •    環境省 大臣官房     鎌形審議官
  •    総合環境政策局      上田総務課長
  •                 吉川環境研究技術室長
  •                 小林環境研究技術室長補佐
  •    国立環境研究所      住理事長
  •                 原澤理事
  •                 德田理事
  •                 村上審議役
  •                 石飛企画部長
  •                 高木総務部長
  •                 岸部環境情報部長

6.議事

【吉川環境研究技術室長】 ちょっと早いですが、皆様おそろいですので、ただいまより環境省独立行政法人評価委員会第31回国立環境研究所部会を開催させていただきます。

 本日は委員7名、皆様のご出席をいただいており、定足数を満たしております。お忙しい中、ありがとうございます。

 また、本日の会議は、公開で開催させていただきますのでよろしくお願いいたします。

 議事に入ります前に、鎌形審議官より挨拶を述べさせていただきます。

【鎌形大臣官房審議官】 おはようございます。環境省の鎌形でございます。ご多忙の中、お集まりいただきまして大変ありがとうございます。

 会議の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。

まず、今日の会議は国立環境研究所の評価ということでございますが、その前段で先生方に評価作業、大変大部な資料についてお取り組みいただきまして、ありがとうございます。この場をおかりしてお礼申し上げたいと思います。

今日は、午後も独立行政法人評価委員会、続いて環境再生保全機構部会、非常に長丁場になっており、大変恐縮でございますけれども、よろしくお願いできればと思います。

この国立環境研究所部会では、さきの部会で研究所より24年度の業務実績に関して報告をいたしました。それについて、先生方から評価いただいた作業を踏まえてご議論いただき、今日のこの会議で結論をいただきたいと考えているところでございます。

ご承知のとおり、昨年は国立環境研究所では、東日本大震災を受けて汚染廃棄物の処理でありますとか、放射性物質の環境中の動態解明とか、いわゆる放射線に関する研究というものに本格的に取り組み始めたというようなところでございます。それから、今後、福島県に設置される福島県環境創造センター、こういったものに対する取組ということも今後期待される役割ということでございます。

こういったことも踏まえまして、今後の研究所の業務運営というのはどうあるべきか、ということを見据えながら、いろいろご審議をいただければと、こういうふうに考えているところでございます。

簡単ではございますが、開会に当たりましての挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【吉川環境研究技術室長】 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。(配付資料確認)

それでは、これ以降の議事につきまして、小池部会長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【小池部会長】 それでは、議事に入ります。

 最初の議題は、平成24年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価についてです。前回の第30回の部会で国立環境研究所より業務実績の報告があり、それを踏まえて各委員の皆様に評価をお願いし、部会長案を作成しました。評価書の部会長案について、事務局から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【吉川環境研究技術室長】 それでは、お手元の資料をご覧ください。

初めに資料1の説明をさせていただきます。これは評価そのものではないのですが、評価に当たりまして一般の国民の方からの意見募集をさせていただきました。意見の堤出がございましたので、その説明をさせていただきます。

もともと独立行政法人の整理合理化計画、平成19年12月に閣議決定されていますが、この中で評価を行う際には国民の意見募集を行うこととなっております。ということで、今回7月8日~19日の間、意見募集をさせていただきました。実は、昨年も一昨年もやっているのですが、今回初めて国環研の業務・マネジメントにつきましてご意見をいただいております。資料1の2ポツに出ておりますとおり2件いただいておりまして、意見堤出団体、動物愛好あるいは動物実験関係のNGOの方々でございます。

内容は、国立環境研究所の動物実験に関する情報公開が行われていないということで、この自己点検結果を掲載すべき、あるいは情報公開を行うことという指摘でございます。

これに関しての事実関係でございますが、資料1の下半分、補足事項のところに書かせていただいております。

まず、ご指摘については、確かにホームページなどで動物実験に関し、全体を整理した情報公開というのは行っておりません。個々の研究については個々の論文を通じて、こういう動物実験をやっておりますということは公開しているわけですけれども、全体を整理したような情報公開というのは確かにしておりません。

これについては情報公開規程というのを国環研の独自では設けておりませんでした。では、これについて法律などの整備はどうなのかということで申しますと、動物愛護法に基づきまして環境省が実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準というのを出しておりますが、現在の基準では、これに情報公開の規程というのはないところではあります。

ただ、文部科学省、それから厚生労働省などでは、それぞれの省の所管する研究機関で行う動物実験に関する基本指針というものを出しており、その中で情報公開の規程を設けておりまして、文科省や厚労省の関係の研究機関では情報公開を行っております。また、日本学術会議もガイドラインを出しておりまして、情報公開に関する規程を設けている。これは強制的なものではございませんが、こういう流れにございます。

こういうことを踏まえますと、今回いただいた意見につきましては、まず、国立環境研究所の今後の運営あるいはこういった時々の評価の参考にさせていただくということになるかと思いますし、また、国立環境研究所にもこの意見をお伝えしまして、そういったこと全てをホームページで、こういう意見に対してこういう対応をさせていただきましたということを公開したいと思っております。

また、義務という形に従来なっていなかったわけですが、情報公開はやっぱりしていくべきであろうと、私ども、考えております。動物愛護法につきましては、昨年9月に改正されまして、先ほど言及しました環境省の基準というのも、今、改定の作業をしております。今年の9月1日から改正法が施行されますので、それに同じタイミングあるいは遅滞なく基準も改定されますが、その中では情報公開規程をちゃんと置こうという方向で議論を進めております。ということで、国立環境研究所の実験動物の扱いにつきましても、今後速やかに情報公開をしていくということになるかと考えております。

このあたりの対応状況につきまして、国環研のほうからもご説明をお願いいたします。

【石飛国立環境研究所企画部長】 それでは、私のほうからご説明申し上げます。

 今、環境省の吉川室長からご説明があったとおりでございまして、私ども、さまざまな動物実験をやっております。もちろん、現在あります動物愛護管理法、また、法律に基づく実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減等に関する基準、こういうものには確実に遵守して、しかも私ども独自の動物実験倫理指針により、動物実験を実施する場合の手続を定めております。そういうことを通じて科学的な手続や手法はもちろん、動物愛護の観点からも適正な動物実験を実施するように努めてきたと考えております。

 これも今ご説明があったとおり、動物愛護管理法が昨年改正されて、これに基づく動物実験の飼養、保管、苦痛の軽減等に関する基準が、今般改正されるということで、パブコメも行われておりますので、私どもの動物実験についてもこの中に含まれております自己点検、それから情報公開、こういうものが今回の新しい基準には盛り込まれるということに沿いまして、私どもの指針を抜本的に見直しまして、新しく動物実験の実施規程というものを定めるべく、現在最終的な準備をしているところでございます。

 先ほど、環境省の基準が9月1日に施行される予定と聞いておりますので、私どももそれに間に合うようにこの規程を定めるべく手続をしておりますので、その後は動物実験の自己点検、情報公開は必ず行うというプロセスが国環研でもなされるということになろうと思っています。

 以上でございます。

【小池部会長】 よろしいですか。ただいまのご説明に関して何か質問、コメントございますか。

【大久保委員】 細かい話ですが、情報公開が行われていないということなのですけれども、当然、独法等情報公開法の適用があり、情報公開請求があった場合には開示をしないということではないので、ここでおっしゃっている趣旨は広い意味での情報公開、もう少し正確に言うと、積極的な情報の公表を行っていなかったということだと思います。このご意見に対する見解を書く場合には、そこは情報公開していなかったということではないと思いますので、ちょっと区別してお書きになられたほうがいいかなと思います。

【吉川環境研究技術室長】 ありがとうございます。

【小池部会長】 ほかに何かございますか。

 私のほうから一つ、今、法律が改正されている途中だというお話ですけれども、元の法律に基づき、ここに書いてあるように、文部科学省とか厚生労働省に関しては、自分の省の関係する機関に関しては、そういう情報公開規程をつくっていたわけですね。それで、そのときはまだ環境省としては、そういう規程はつくっていなかったということです。それを今度、法律の改正とあわせてつくると。

【吉川環境研究技術室長】 国環研だけじゃなくて、環境省全体として、法律に係る相手みんなに対応するような基準ということになっております。としますと、文科省や厚労省がつくっているように、環境省としての自分たちに対する基準、これもあるべきじゃないかという考えもあるかと思います。ただ、私どもが直接連携をしているのは国環研だけですので、ちょっと相談しながら、効率よくちゃんとルールはつくってというふうに考えていますので、独立したものをつくるかどうかというのは、これから考えたいと思っています。

【小池部会長】 ほかによろしいですか。

(なし)

【小池部会長】 それで、ほかになければ、今回の評価の審議に当たりまして国立環境研究所の役員の方々には、まず一旦退席していただくことになりますけれども、その前に何か審査を行っていただいた過程で、役員の方々に聞いておくべきことがありましたら、退席される前にお願いしたいと思いますので、いかがでしょうか。よろしいですか。

(なし)

【小池部会長】 それでは、ないようですので、国環研の方には退席していただいて、評価書の審議に入りたいと思います。よろしくお願いします。

(国立環境研究所役員 退室)

【小池部会長】 それでは、改めて事務局から説明をお願いいたします。

【吉川環境研究技術室長】 それでは説明させていただきます。資料2から資料5が関係する資料になります。

最初に、簡単にそれぞれの資料の性格を申し上げます。資料2は、委員の皆様にコメントを項目ごとにいただいたものを整理したものでございます。見ていただきますと、黒い字と赤い字で書いたものがあるかと思いますが、赤いところのコメントを使って評価書の案を組み立てさせていただきました。先生方、お忙しいところをかなり詳細に見ていただきまして、詳細なご指摘をいただいたわけですが、全てを評価書に盛り込むと非常に大部になりますので、事務局で一旦主要なご意見、あるいは、これは大切なご指摘というところを拾わせていただきました。資料2で申しますと、例えば2ページの一番上のところに、枠囲みになりますが、このような形で各委員からのご指摘から赤い文字のところを拾って、評価の文案というのをつくっていっています。これを項目ごとに行いまして、それを束ねたものが資料3の5ページ目以降の事項別評価になります。事項別評価全体を見まして、総評をつくって、それが資料3の1ページから4ページの部分になると、そういう構成になります。

この作成の過程におきましては、先生方にフィードバックをさせていただきまして、また、全体に対してご意見をいただいて、それを反映させるといった作業をこれまでさせていただいております。

なお、資料4でございますが、これは前回、評価の細分の仕方とか点数配分についてご承認いただきました。それをベースにして、今回計算をして総合評価のS、A、B、Cの計算を行った評価の表でございます。

資料5は、この評価とは別に政独委からいただいている指摘事項に対して、これは内部統制についてご指摘をいただいています。これに対して、この部会としてのコメントを先生方からいただき、取りまとめましたので、これも後ほどご意見をいただければと思っております。

では、資料につきましては、ポイントであります資料3を中心に説明いたします。資料3の中で先生方、個々のご意見がどういうふうに出て、どう反映されているかというのは資料2のほうを見ていただくと、各先生の自分が何を言っていただいたかというのはわかるようになっておりますので、これを見ながらご確認をいただきまして、またご意見を後ほどいただければと思っております。

それでは資料3でございますが、まず、総合評価については最終的に個々の評価がSからA、Bまでそれぞれいただいたのがあるのですが、平均していきますと、各分野Aになりまして、結果、総合評価の評点はAになっております。昨年と同様の評点になっています。

概評でございますが、1ページ、2ページにございますように、これまでの経緯といったものを整理いただきまして、全体で見ると、中期計画に定めた諸計画を滞りなく適切に進めたと評価するといただいています。

特に放射線関係など新しい課題が出てきていますので、我が国の環境科学分野において牽引的な役割を担い続け、環境政策の決定において有効な科学的知見を提示し、科学的側面からリーダーシップを発揮することが期待されているというご指摘をいただいております。

2ページ目以降ですが、研究の内容についても、業務の運営についてもよい評価をいただいております。他の公的研究機関の業務運営も参考にしながら、一層のレベルアップをすることといった評価をいただいております。

個別のところにつきましては、2ページから3ページにかけて、まず研究に関しましては、適切な研究体制のもと、予定されたプログラムが着実・適正に進めてられていると。また大震災対応の放射線等の研究についてもすぐれた対応をとられているという評価をいただいております。

環境情報の収集・成果の発信、社会貢献等につきましても、よい評価をいただいています。

業務運営につきまして、全体的に業務運営の改善に取り組んで改善が図られているということをいただいています。

それから4ページ目、結論といたしまして、冒頭申しましたが、項目ごとの評点をもとに計算いたしますと、総合評価はAということになっております。

5ページ目以降が事項別評価でございます。

第1、これがまさに本来業務でございます環境研究の成果、それから社会還元といったところについての評価でございます。評価Aをいただいております。

まず、1.(1)環境研究の戦略的な推進、これについては着実に研究を推進したと。国外の国際機関との協働等も行い、中核的な環境研究の研究機関として機能を果たしていると。政策への貢献事例も多いと。一方ということで、こういった新たな業務というものは、さらに現実の社会の課題に対して答えを出さなければいけないものであるということで、政策提案型の研究機関として、環境省の枠を超えた行動を今後は期待したいという提言をいただいております。

(2)研究の構成、国環研は八つの研究分野を持ち、また、課題対応型の研究プログラムが横断的なものとしてありますが、それにつきまして①、それから6ページの②というところで評価をいただいたところです。

特に②の課題対応の研究プログラムにつきましては、よい評価もいただいているのですが、後半でございますように、化学物質評価・管理イノベーション研究プログラムや流域圏生態系研究プログラムなどにつきましては、いまだ本格的な研究まで醸成しないプログラムも見受けられ、今後の発展が期待されると。全体として重要課題や次世代課題として絞りきれていない感もあるので、第4期の計画に向けてはプログラムの立て方等について再検討が望まれるというご指摘もいただいたところです。

それから、計画の基盤的な話です。観測ですとか、測定関連のところでございますが、これについて、よい外部評価をいただいているということに言及いただいています。エコチル調査ですとか、地球環境モニタリングにつきまして評価いただいている。それから研究成果の7ページですが、評価、外部評価委員会の評価がきちんとされているというところが示されています。また、今後について、国内での評価ですと、環境分野の先生方が国環研を見るということにどうしてもなりがちということで、限られた同業者の評価になってしまうので、第3期の終了時には海外からの評価も受けることが望ましいというご提言をいただいております。

7ページ真ん中、今度は情報発信のほうでございますが、環境情報の収集・整理・提供につきまして、これはよくやっていると。特にPM2.5など、新たな国民の環境情報ニーズがあるので、これに対しての取組が期待されるという提言をいただいています。

3.情報発信につきまして、研究論文数についてはよい状況にあると。社会へのフィードバックについても、論文、シンポジウム、インターネット等でやっていると。勉強会も行っていると。このあたりについても評価をいただいています。

研究成果の活用促進という観点でございますが、標準物質をつくったり、微生物の保存株をつくって提供したりと、こういった基礎的な業務というものについて、きちんと評価をいただいています。知財につきまして、利活用について、共同出願先との連携をして利活用していくようにというご指摘をいただいています。

社会貢献活動の推進につきまして、これもいろいろな取組をしておりまして、それについてよい評価をいただいております。

9ページ以降が、今度は研究の周辺的な基盤といたしまして、まず、業務運営に関する事項です。

研究所の運営・支援体制につきまして、これも評価をいただいております。特に震災以降の対応につきまして、理事長以下きちんと対応したと。社会ニーズにちゃんと対応したということを高く評価いただいております。

人材活用につきまして、これは国環研の課題としまして非常勤研究者の比率が非常に高いという、そういうなかなか改善しがたいものをいただきまして、努力をしているというところは評価をいただいております。増員が25名あったということで、その効果をチェックしながら、既存の8分野の研究や災害環境研究のバランスがちゃんととれるような形で連携を図りながら、人材を活用していくということが必要だといった意見をいただいています。財務につきまして、これについては運営について、よしというか、適切であるという指摘はいただいておりますが、契約に関しましては、研究分野の特殊性を考慮して適切な相手方を選定するよう、またNPOや地域団体との連携が必要な分野というのがございますので、環境教育等促進法の理念に留意して、価格だけじゃなくて、そういった多様な要素を考慮した協働取組が可能になるような契約の仕方というのを検討し、また、それを取り入れていくということが期待されるというご指摘をいただいております。

施設運用につきまして、これについても評価いただいております。

それから5.業務の効率化につきまして、特にIT技術などを使った効率化につきましてですが、これについてもちゃんとやっていると。情報セキュリティー対策について引き続きしっかりやるようご指摘をいただいています。

それから、6.業務における環境配慮です。これについては、きちんとやって、電力、CO2排出削減、水の使用量の削減など取り組んでいるということで、これは評価ができるといただいています。

内部統制でございますが、これもコンプライアンス体制をちゃんとつくって、リスク管理をしていると。監事監査、内部監査もやっていると、これはやっているという評価をいただいています。

安全管理につきまして、これもカウンセリング体制の強化などをやっていると。それから震災対策というか、放射線を扱う研究業務が入ったということで、このあたりの対応もしているとご指摘いただきました。

それから、第3は飛ばしまして、第4、その他業務運営に関する重要事項として、施設整備に関して、これは震災で被災を、研究所施設も受けましたが、復旧事業も含めて計画どおり進展しているということでございます。

最後、12ページ、人事関係でございますが、任期付研究員を常勤研究員への採用に持っていくといったような若手研究者の確保に力を入れている。また、一時預かり保育所の設置など、女性研究者等の支援体制の整備をしていると、ここらの辺の取組は評価いただいています。一方、依然として任期付き契約職員の数が多いというところがありますので、どういうふうに人材を確保・活用していくかということは大きな課題としてあるとの指摘をいただいたところです。

こういった形で各先生のご意見を、評価書としてまとめさせていただきました。

資料の4ですが、これはもう何度か前後して言及してしまいましたが、各先生の評価、Aが多いのですが、Sもあり、Bもありということで、結局平均していくと、各項目ともみんなAになりました。ですので、全部を重みつけ平均をしても、結局評価5点満点で4になってAということになっています。

それから、最後は資料5でございます。これは前回のとき説明させていただきました、一番右の国立環境研究所部会委員の評価というのが新たに皆様からコメントいただいたものを整理したところでございます。

内部統制につきまして、特に取組を増やしてくれと。例えば、監事からの監査をうまく活用すべきであると。例えば、こういった評価委員会でも監事の意見を直接聴取するということもできるであろうし、監事監査報告などを組織評価にうまく使ってほしいということを指摘いただきました。国環研からは、これについては、監事は毎月の理事会にも出席いただいて、きちんとご意見をいただき、そういった機会をちゃんと持っていっているということでお答えをいただいたところです。

先生皆様のいただいたコメントをまとめた結果ですが、内部統制に関しては、理事長のマネジメントを伝える審査組織が適切に機能しているように思われる。

一方で、内部監査、監事等の意見が研究所の業務運営にどのように反映されているか具体的な事例が示されれば理解しやすいというご指摘、全体としてまとめられるのかなと思って、これでよろしければ部会の評価としていただければと思っています。

また、この意見をいただきましたら当然、国環研と今後、こういう形で内部監査や監事意見をどう意見をいただいて、どう活用したかというものを、今後この場で毎年ご報告するのかなと思っております。

資料は以上でございます。なお、今回作業をしていく中で、幾つかご意見をいただいたことがありまして、今年は終わってしまいましたが、来年度以降の作業を改善できるかなと思っているところがあります。一つは、先生方に書いていただいたコメントをエクセルの評価シートに書いていたのですが、これは作業が非常にしづらいというご指摘をいただきましたので、来年以降は先生方の負担がないように、もっと書きやすいような記入フォームをつくり直してと思っております。

もう一つは、今、資料2につきまして、先生方のお手元には委員長以外にはご自分のご意見以外の委員の先生の名前は多分入っていないものが行っているかと思うのですが、これもどこまでそういう形で匿名みたいな形でこの資料をつくるのが必要なのかなという気も改めてしましたので、これも先生方のご意見をいただきながら、来年はそれぞれの先生のご意見がお互いに参照できてもいいのかなとも思っております。この辺も来年のやり方を今後ご意見いただいて変えていく必要があるかなと思っております。

私からは以上でございます。

【小池部会長】 ありがとうございました。ただいまのところまで、資料3と資料5に基づいて、特に資料3の国立環境研究所の業務実績の評価書に基づいてご説明いただきましたけれども、初めに平成24年度の独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価書、資料3の各項目の評点、それから評価書の記載事項について、それぞれ各委員からご意見をお伺いしていきたいというふうに思います。

それで、ちょっと資料3は長いので、三つに分けて議論していきたいと思います。初めは資料3の5ページから8ページまで、事項別評価の1のところです。国民に対して提供するサービス及びその他の業務の質の向上に関する事項のところに関してご意見、コメントをいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。5ページのところの(1)の環境研究の戦略的な推進の最後のところに、先ほど室長のほうからもありましたけれども、一方、これらの業務が加わることによって、国立環境研究所の業務は、現実の社会により直面しなければならない状況になっている。政策提言型の研究機関として、環境省の枠を超えた行動を今後は期待したいというふうに書かれていますけれども、環境省の枠を超えた行動を期待してよろしいかどうかということなのですけれども。環境省のほうは別にこれはこれでも構わないわけですね。

【花木委員】 具体的には、枠を超えた行動というのは何を意味するのですか。研究をやるというだけじゃなくて、具体的に提言をほかの省庁あるいは政府に向けて出していくということでしょうか。

【鎌形大臣官房審議官】 もちろん国環研の役割は環境の保全に関する研究というのがまさにそのミッションなわけですので、その中心である環境省がいろいろお願いもするし、環境省に対していろいろ研究成果を提供いただく、あるいは提言いただくというのは、通常やってきたわけですけれども、環境保全に係る取組というのは、もちろん環境省にとどまるものじゃないと思います。

 そういう意味で、いろんなところに向けての発信をしていくと、提言していくということは当然あっていいことだとは思っております。そういう意味で受けとめてよろしいのでしょうか。

【小池部会長】 今の行動というのがちょっとはっきりしない意味で、政策提言の研究機関として、と断っていますので、いろいろな提言という意味での行動、ということですね。よろしいでしょうか。

 ほかに何かございますか。今、8ページの社会貢献活動の推進のところまでで、あと、今回は全部がAという評価になってしまって、前のようにSがあったりBがあったりということがない、非常にフラットな評価、フラットというか、ある意味ではいい評価になったのですけれども。

【沖委員】 私も、今、部会長が言われたとおりにAにかなり集約されていると思います。やはり評価というのはいろいろな意見があってしかるべきであるというふうには思ってはいるのですが、私もほとんどがAになってしまったというところです。それで、もう一度原点に戻って、Sというのは何なのだろうかというところで、Sというものの定義がちょっと曖昧になってしまっている。特にすぐれたもの、これは何か客観的な基準が必要で、今後、この辺のところは、評価方法として、我々のほうで練らないといけないのではないかと思い始めています。

逆に、後半になりますと、財務関係とかに、ちょっとBが出てきますね。Bというのは、やはり少し欠けているという、このところは大体共通事項として、皆さんが納得できるところなのですが、Sに対しては、もう少し慎重に考えたいなと思っておりますが、いかがでしょうか。

【小池部会長】 今まで何年間かやってきて、Sがついた一つはある程度数値目標が出されていました。その数値目標をはるかに超えた成果が得られているという場合は、Sがつけやすいというか、判断の材料なのですけれども、今言われたように、数値目標がない場合のSというのは、なかなか難しいですね。

ただ、これ全てに数値目標を置くというのは、とてもこういう評価の場合、難しいので、例えば、研究の場合、外部評価委員会がそれぞれ評価を下しておりますので、それが非常に全部そろっていい場合は、やはりそれを評価のほうに反映させるということはできると思いますけれども。

ほかに何かございますか。

 そうしますと、第1の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項のところは、この評価及び評価の理由に関しては、これでよろしいということですね。

 それでは、次の第2の業務運営の効率化に関する事項、それから第3の財務内容の改善に関する事項、第4のその他業務運営に関する事項、資料3の9ページから12ページまでですけれども、これに関して何かコメントがありましたら、お願いいたします。

【花木委員】 二つあります。一つ目は先ほどのS、A、Bとの関係とも関係するのですが、9ページの2の人材の効率的な活用のところです。去年Bにしました。Bにしたのは、国立環境研が努力していないという理由ではなくて、あえてBにしたのですよね。それは日本の政府全体の方針として常勤の職員がこういう研究所になかなか配置できないということに対して、国立環境研は努力しているけれども、できない、できていないという意味でBを出しました。

今度は私も含めてAをつけているのですが、そのときの背景としては、福島の部分の25名というのがついたからBからAになった。だから国としても、こういう25名をつけるというので、多少改善の方向に進んだからBをAにしたという気持ちでつけたのですが、その辺ですね、皆さん多分同じ感じだと思いますが、福島の問題を別とすると基本的な、国として研究所に対する人員を非常勤で賄えという方針は変わっていないですよね。そういう意味で国の方針が改善されていないけれどBからAにしていいものかなと、ちょっとそういう悩みもありながらAをつけたという、まずそこが一つです。

それから、ポイントだけ続けて申し上げますが、二つ目はもっと個別です。10ページの5番のところですが、これは多分、沖委員が書かれたのか、あるいはご専門だと思うのですが、電子ジャーナルのところです。電子ジャーナルについては、「タイトル維持が難しくなるので、抜本的な低コスト購読システムを検討する」と書いてあるのですが、一つは「タイトル維持が難しくなる」というのが一般的にはちょっとわからない表現だというのと、それから、こういう低コストの購読システムというのがあり得るのか、ないものを検討しろといってもそれは無理なので、ちょっとそのあたり気になってご質問申し上げる次第です。

【小池部会長】 今言われたように、9ページ目の人材の効率的なところというのは、ずっとというか、何年かここでBという評価で、それで、これはもう国立環境研究所の責任ではないけれども、いわゆる安定的な人材の維持が非常に難しくなっているということに対して、こちらの評価委員会としては警告的な意味でBをつけたということで、おっしゃるように、国の政策は変わっていなくて、たまたまこれは今回のことで国立環境研究所には25人がプラスになったと。一応それを評価してAとつけたわけですけれども、おっしゃるように、大もとは変わっていないわけですね。ただ、それをここに書いてBにするかというのも、なかなか難しいですね。

【花木委員】 迷ってAにしたのですが、多分みんなと同じ感じかなと。

【小池部会長】 これに関してはいかがでしょうか。

前の書き方は、やはり国立環境研だけの問題ではなくて、日本のいわゆる研究独法全体の問題であるというような書き方でBにしたというふうに思いましたけれども。

【萩原委員】 私も25名というところでAにしているのですけれども、労働契約法が変わりましたよね。4月から非常勤の方が5年たつというので、今、大学もいろいろそれで訴訟問題とかって起きているんですが、そういう問題がこれからここも起きてくるのかなというのもあり、その点も含めて、この非常勤職員について、職員というか研究者について、どのように対応していくのかというのは大きな課題になってくると思うのですよね。そのあたりをここで入れるのかどうかというのは、私もちょっと悩むところではありますけれども。研究者全体の問題が入ってくると思います。

【小池部会長】 ほかに。

【沖委員】 私は決して25名の人員増でAとしたわけではございません。要するに、昨年、私、ここで発言させていただきましたけれども、研究職というのがやはり常勤職員で支えられない状況にあり、これは環境研究所だけの話ではなく、周りの状況を考えながら動いていく必要があるということでBにしたと、私は覚えております。

 ただ今回拝見させていただきまして、25人増というのは非常にラッキーなことだったのですが、それ以外のことでもかなりダイバーシティに力を入れられ、その中で苦労されているということを読み取りましたので、その辺を評価したというところです。

【花木委員】 基本的に何に対するAか、何に対するBかというところが両方の気持ちがあって、去年のBのときも国環研は一生懸命やっているんだけれどもBだとつけた。今度は確かに改めて見ると、非常にますます限られた中でいろいろなことをやっているので、どっちかというと、国環研の努力はSに近いというのもあって、全体としてAという気持ちも確かにございました。

【小池部会長】 これは評価の継続性とか、それから、あと、前年度とのポイントがずれていないかどうかというような点もある程度大事だと思いますけれども、今のお話ですと、大きな変化はやはり25名の人員増が認められたというのは非常に大きな、今まで言っていた国環研の中として、非常に安定的な職がどんどんなくなってきているということに関するプラスであるということと、あとは今、沖委員が言われたような、さまざまな努力をされて、人材の有効的な活用という点では、非常に研究所としては評価できるという点があると思います。

 ここは、今回はこういう形でA評価ということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

【大久保委員】 A評価はそれで結構だと思うのですけれども、もし、そういう趣旨で文章を少し修文するとすれば、3行目から4行目にかけてですけれども、「研究の継続性を担保する上で国立環境研究所の大きな課題であることに変わりはないが」とするのがよろしいかと。

【小池部会長】 今のは、なかなか良いご意見だと思います。そうすると、今まで、昨年まで言ってきたこと、大きな課題は依然として残っていると、ただ、今回の震災対応で25名増加したことは非常に大きいということですね。

 そこのところを今は言われたように、「依然として大きな課題であるが」という形に修文することはよろしいでしょうか。

(はい)

【小池部会長】 ありがとうございました。

 それでは、10ページ目の電子ジャーナルの話に行きたいと思いますけれども、今のご意見では、タイトル維持が難しいという表現が少しわかりにくいというのと抜本的な低コスト購読システムというのがあり得るかということに関して、何かご意見いただければと思います。

【沖委員】 ご推測のとおり私の意見でございます。今、大学のほうでは、大変な問題になっておりまして、特に研究機関ならば、やはり電子ジャーナルというものをきっちりと長期に向けて継続契約できる形が必要というのは、もう常識のことなのですけれども、特に環境関係に関しましては、やはり国立環境研究所が牽引役になっているわけです。

国立大学図書館協会で、いろいろ話題に上がっております。毎年上がっていく契約料と、それから今円安で大変なことになっている、このダブルパンチで、今まで契約していたジャーナルをストップしないといけないという状況になっています。

ですから、やはり産官学が連携をしながら、特に環境分野については環境研究所が旗を振っていただいて、うまく電子ジャーナルの契約が維持できる形をこれから少し考えていってもらいたいなという意味合いがあって、タイトル維持という、ちょっとややこしい言い方をしました。契約維持と考えていただいたらよいですが、これを望みたいということです。おっしゃるとおり、抜本的な低コスト購読システムを希望しますが、どこまでできるかわかりません。ただ、要するに出版社側と上手に今後のことを、契約等を相談できる一つのシステムをつくっていただきたい、その核になっていただきたいという希望も込めてなんですが、あまり詳しく書きますと大変ですので、こういう曖昧な方向で書かせていただいたということです。

【小池部会長】 私も大学におりますので、この辺のところはよくわかっているんですけれども、抜本的な低コスト購読システムが、国環研が中心となって環境関係のタイトルをみんな集めたような日本のコアとなって値引き競争ができるかどうかというところですね、これは。なかなか難しい、どこの大学も皆さん困っていて、どうしようかと、今みんな悩んでいるところですけれども。

【沖委員】 今、心配していますのは、旧帝大でも大きな電子ジャーナルをもうやめるという方向を出して、研究者といいますか、教員が非常に困っている状況です。国立環境研究所とどこまでご一緒できるかわかりませんけれども、やはり、その状況は知っておいていただきたいということもあるのですが。

【小池部会長】 いかがですか、この書き方。

【花木委員】 私が懸念したのは、国環研でこれを受けとめられて、誰がこのシステムの検討というのをできるかというあたりなんですよね。全体の電子ジャーナルの低コスト化に向けての協調というのであれば、いろいろな大学と協調して値引き交渉というのはあると思うのですが、システムを検討するって、何か新しくシステムをつくるようにちょっと読めるので、そのあたりが気になってご質問したのですが。これは新しいシステムをつくるということではない。

【沖委員】 そうですね。要するに、連携をしながら何かいい方策を考えるということになりましょうね。ですから、そういう形にちょっと表現を書き換える

【花木委員】 この書き方では負担がちょっと重いかと思うのです。こう書かれると、何かシステムをつくらなきゃいけないというふうに思われる。

【小池部会長】 そうすると、この抜本的な低コスト購読システムというのが、何か新たなそういうシステムを国環研が中心になってつくるということを国環研のほうに要求しているというような意味にとられると、ちょっと負担が大きいと。

【花木委員】 抜本的な低コスト購読の方法とか、そういう表現であれば。最初のように抜本的な低コスト購読システムというと、何かつくるというふうに思われる。

【小池部会長】 そうですね。

【花木委員】 方策とかですね。

【小池部会長】 購読の。それでは「抜本的な低コスト購読の方法を検討する」。抜本的なというのも、なかなか。抜本的もちょっと。抜本的なと言ってしまうとやっぱり、非常にがらっと今までのシステムを変えるという。ただ、今はほとんどの場合、電子ジャーナルが売り手市場になってしまって、買うほうの力が非常に弱くなっていますので、なかなか難しいので、「抜本的な」を切って「低コスト購読の方策」、「方法」ですかね、「方法を検討する」。そのときに、ほかの例えば関連の大学とかと共同してという言葉は入ったほうがいいですか。

【沖委員】 その言葉は必要だと思いますね。

【小池部会長】 じゃあ「抜本的な」はやめてしまって、他の関連ですね、他の関連分野の……。

【花木委員】 他の機関。

【小池部会長】 「機関と連携して低コスト購読の方法を検討することが必要となる」ということにしましょうか。

【花木委員】 その前のタイトル維持のところは、タイトルという4文字を抜いても通じますか。値上げ等で維持が難しくなるので。

【沖委員】 そうですね。抜いていただいて大丈夫です。

【花木委員】 多分、タイトルというと、直観的にわからないかもしれない。

【小池部会長】 わかりました。点とタイトルですかね。読点とタイトルを抜くと。では、今のようにここは修文するということにいたしたいと思います。

 ほかにございますか。

 私が一つ気付いたのは、12ページの人事に係るところで、最後のところですけれども、「一方、依然として任期付きの契約研究員の数は多く、これらの人材をどのようにこの分野として役立てていくかは依然として大きな課題である」と、「依然として」が二つ重なってしまっているので、どちらかを整理したい。両方とも「依然として」なんですけれども。ちょっと同じ文章の中に「依然として」が二つ出てくるのは……。

【鎌形大臣官房審議官】 後ろのほう削っておきますか。

【小池部会長】 後ろをとりますか。

【鎌形大臣官房審議官】 「引き続き大きな課題である」と、同じ意味だと思います。

【小池部会長】 そうしますと、「引き続き大きな課題である」ということにいたしましょう。ありがとうございました。

 それでは、ほかに12ページまでのところでございませんでしょうか。よろしいですか。

 それでは、次が最後の総合評価のところです。最後というか、資料3としては最初の1ページから4ページまで、総合評価のところをご覧ください。前文、それから、それぞれ環境研究、情報収集、成果、業務運営、結論とございますけれども、この書きぶりはいかがでしょうか。

 これは昨年の書き方とあまり大きな変化はないですね。1~4ページまでよろしいですか。

 それでは、資料3全部見ていただきましたので、ただいま修文したところがありましたけれども、これに関しては、どうしましょうか、もう一度事務局のほうから修文したところだけ、修文した内容を確認していただけますか。それで、これで確定ということにしたいと思いますけれども。

【吉川環境技術室長】 わかりました。資料3、冒頭から。

【小池部会長】 資料3のところでお願いします。

【吉川環境技術室長】 今、タイプミスを見つけたのですが、資料3、1ページ目の5行目のところ、「第3期中期計画の見直し」を「行っている」の、「を」が抜けています。

 続きまして、総合評価のページはオーケーで、ずっと抜けまして9ページ真ん中あたり、2ポツのところの4行目ですが、「研究の継続性を担保する上で国立環境研究所の大きな課題で」以下「あることに変わりはないが、震災対応で25名の人員増が認められたことは重要である」という修正。

 それから、めくりまして10ページ、5ポツの4行目、「一方、電子ジャーナルについては、円安の影響と毎年の値上げ等で」、「タイトル」を落としまして、「維持が難しくなるので、他の関連分野の機関と連携して低コスト購読の方法を検討することが必要となる」と修正。

 それから、12ページ、最後の行ですが、「役立てていくかは引き続き大きな課題である」。以上のご修正のご指摘をいただきました。

【小池部会長】 以上の箇所を修正した上で、この評価書を確定したいというふうに思いますけれども、よろしいでしょうか。

(はい)

【小池部会長】 ありがとうございました。それでは、この評価書に関しては、これで確定ということにいたします。

 続きまして、平成24年度の政策評価・独立行政法人評価委員会指摘事項についての対応状況の評価の記載事項について各委員からのご意見をお願いいたします。資料5です。

 先ほど内部統制のところで話がありましたけれども、内部監査、それから監事等の意見の研究所の業務運営の反映について、たしか文部科学省というか、国立大学法人の評価が中間評価はこの間あったのですけれども、そこのところでは共通で書かなければいけない事項として、内部監査、それから、あと監事の意見を実際の業務にどういうふうに反映したか実例を挙げて、それについて対応を書けという事項が入ってきて、大分皆さん苦労されたのですけれども、恐らく似たようなことが独立行政法人の研究独法に関しても出てくると思います。ですから、この辺をどういうふうに対応するかというのは、かなり今後、考えなければいけないことになると思いますけれども、その意味で、監事等の意見が研究所の業務運営にどのように反映されているか具体的な事例が示されれば理解しやすいということで、実際に事例を出していただければ、それがちゃんと反映されているということの一つのエビデンスにはなるということだと思います。

 この辺の書きぶりに関してはいかがでしょうか。それと、あと……。

【西間委員】 いいですか。

【小池部会長】 はい、どうぞ。

【西間委員】 資料5の表の部分について、理事長のマネジメントを支える支援組織、この表現はよくわかりません。隣の左を見るとよくわかるのですけれども、これは書き方を変えたほうがいいと思います。これだけを見ると意味がわかりません。

【小池部会長】 ここの真ん中の国立環境研究所が講じた措置に関して書いているのをそのままこちらに書けばわかる。

【西間委員】 それは何か能がない感じがします。何て書けばいいかといったらわからないですけれども。支援組織という表現はないと思います。

【小池部会長】 支援組織はね。

【花木委員】 システムですかね。

【小池部会長】 何かありますか。

【花木委員】 支援。

【沖委員】 サポート体制。

【小池部会長】 サポート体制、支援体制のほうがわかりやすい。

【大久保委員】 これはむしろサポートというか、コンプライアンスという、そういう意味での客観的な委員会が機能しているということだと思いますので、支援組織じゃなくても、コンプライアンス委員会とか……。

【小池部会長】 じゃあこうしましょうか。理事長のマネジメントを支える――先ほど能がないと言われましたけれども、「コンプライアンス委員会などの組織が適切に」と。

【小池部会長】 そうですね、コンプライアンス委員会というのは、マネジメントを支える支援ではなくて、もうちょっと独立なものですよね。ですから、マネジメントを支える……、支えるのでいいのか。難しいな。今のところは「理事長のマネジメントを」から「支える支援組織」というところに何か適切な言葉を入れていくということになると思いますけれども、そこに「コンプライアンス委員会等」という言葉を入れて、だから、むしろマネジメント。コンプライアンス委員会というのは、統制の意味が強いわけですよね。それといろいろな支援する組織、体制とはまた別なので。

【沖委員】 左の文から行きますと、「コンプライアンス委員会を含めた所内各層での体制」というのが重要ですよね。これを支援組織というふうに書き換えているというような気がするのですが。

【小池部会長】 これは支援組織だけではないわけですよね。

【沖委員】 そういうことですよね。

【小池部会長】 能がないかもしれませんけれども、これは真ん中の文章をそのまま持ってきたほうが、いろいろ考えているよりは間違えなくていいような気がしますけれども。環境研究所としては、これはまずいですか。

【吉川環境技術室長】 大丈夫だと思います。

【大久保委員】 理事長のマネジメントという言葉がなくてもいい、とったほうがすっきりするんじゃないですか。内部統制に関しては、コンプライアンス委員会等の体制が適切に機能しているように思われるとか、そういうふうにシンプルにしたほうが。

【小池部会長】 そうですね。頭に「内部統制に関しては」と、もう既にありますので、内部統制に関しては「コンプライアンス委員会を含めた所内各層での体制が適切に機能しているように思われる」と。というのは、やはり真ん中の文章を引っ張ってきてしまっていますけれども。それでいかがでしょうか。

【花木委員】 下から3行目、ミスタイプが。「どのように」が「どうのように」となっています。

【大久保委員】 すみません。今の文章ですけれども、真ん中の国環研のほうを読みますと、要するに、監査で「業務の執行に関し、法令に違反する重大な事実は認められません」という、シンプルな報告なんですかね。そうだとすると、それを反映しようがないというか、特に具体的な内容が含まれていないとすると、ちょっと難しいなと思うのですけれども。これ、実際はどうだったのでしょうか。

【吉川環境技術室長】 現物が今ないかもしれませんけれども、多分、年度ごとの監査結果なので、報告の本文自体は本当にこのくらいのことしか書いていないと思います。それに附帯する記述があるのか、ちょっとわかりません。

【小池部会長】 この真ん中のところの最後に書かれています、平成24度においては「業務の執行に関し、法令等に違反する重大な事実は認められません」との監査報告が出されているというのは、これは多分非常に短い1枚物の監査報告ですね。ですから、あまり内容がない。重大な法令に違反したことはないですよと言っているだけで。

【大久保委員】 ですので、むしろ、もしそれしか言っていないとすると、監査がきちんと機能しているのかということを逆に問われるような感じですよね。法令に違反する重大な事実があったら大変で、それだけチェックするのかという話になるところが、やや……。

【小池部会長】 ただ、二つ目のパラグラフに、監事が毎月の理事会に出席して運営全体に対するモニタリング、意見等を求めているところでありということが書かれていますので、日常的なそういうことはやられているというふうに、これは書いてあるわけです。その最後のまとめとして、24年度にはそうであったということですので。

【上田総務課長】 事実関係だけ、今、確認をしたのですが、表の中に業務実績報告書59-60ページと書いてあり、そこに監査の結果を書いて、監査の結果は本当に1枚の紙だけ、以上特に問題ありませんというような書き方が4項目書いてあるだけで、その中は何も書いていないので、反映のしようがないと。ただ、一番右端のところに、「一方で」のあるところに、監事等の意見というのがまさに監査に当たるようなんですけれども、内部監査、組織の内部でやっているところは、監事が監査するときの基礎資料になると。そこでいろんな指摘があって、業務実績報告書の59ページより前のところにあって、そこには幾つか指摘があるということなので、監事の意見、監査の意見は反映のしようがない、たまたま何もなかったのですが、システム全体で見れば、内部監査の中で幾つか指摘事項はあって、それがどう反映されているのかというのがわからないという点では、この指摘は当たっているというのは。とりあえず事実関係だけ、そうなっております。報告します。

【小池部会長】 依然として、その前の内部統制に関しては、文章がまだ残ってしまっているのですけれども。これは、内部監査は、いわゆる研究所の中の組織で、監事は外です。ですから、上の内部統制に関してコンプライアンス委員会を含めた所内各層での体制が適切に機能しているというのは、内部監査までも含めているというふうに、この場合はとれるわけですね。所内各層での体制、だから内部統制に関してはコンプライアンス委員会、内部監査を含めた所内各層での体制が適切に機能しているというふうにして、一方で内部監査、監事等の意見がというのは、そこは残しておくと。というのは、こういう意見が出たというのはあっても、それがどういうふうに反映されたかということに関しては、まだ記載がないわけですね、先ほどのお話ですと。

【上田総務課長】 強いて言えば、監査の結果――内部監査ではなくて、監事の結果は結局、重大な事実は認められませんと、紙1枚なので、反映のしようがないということであれば、具体的にどう反映させるかという意見を出すのも、その紙に対して反映させろと書くのも難しいので、書くとすれば、内部監査のほうだけ残るのかなと。

【小池部会長】 ただ、真ん中のところからの中段に書かれていますように、毎月の理事会では監事が発言して、それで業務に関してやられているわけですよね。ですから、そこで具体的に指摘事項があって、それを研究所としてどういうふうに対応したかということがあれば、この最後のところは1枚目の年度の締めですので、そこに書くことはないけれども、途中のやりとりはあったということを出していただければ理解しやすいということだと思いますので。

 そうしますと、私の修正案とすると、「内部統制に関しては」と書いて、「理事長のマネジメントされる」を取ってしまって、「コンプライアンス委員会や内部監査を含めた所内各層での体制が適切に機能しているように思われる」というふうに修文するということにしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。多少真ん中とは変わりましたけれども。

【大久保委員】 もし、もうちょっと変えるとすれば、各層でのセルフチェックが有効に機能している、とする。

【小池部会長】 「各層での」、もう一度お願いします。

【大久保委員】 今の最後のところだけ、各層でのセルフチェックが。

【小池部会長】 セルフチェックですか。

【大久保委員】 はい。有効に機能しているように思われると。

【小池部会長】 体制を変えてセルフチェックという言葉にかえるということですね。

 それでは、そういう形で修文したいと思いますけれども、よろしいですか、今ので。

【西間委員】 いいです。

【小池部会長】 いいですか。

 それで、ほかに。あとは後ろの保有資産の見直し、それから評価指標の統制ですね。

 それでは、今、内部統制の充実強化のところで修文いたしましたけれども、それを踏まえた上で、この案として確定したいと思います。ちょっともう一度、今のところお願いできますか。

【吉川環境技術室長】 内部統制に関しては、コンプライアンス委員会や内部監査を含めた所内各層でのセルフチェックが適切に機能しているように思われる。

【小池部会長】では、そういうふうに修正いたします。

 それでは、今、ご検討いただきました対応状況評価に関しては、以上のことで確定したいと思います。

 この評価結果につきましては、独立行政法人通則法の第32条第3項に基づいて、独立行政法人国立環境研究所及び総務省に置かれている政策評価独立行政法人評価委員会に対して通知することとされていますので、事務局に必要な手続をとっていただきたいと思います。

 それと、先ほど、事務局のほうから、やり方に関しての少しご提案がありましたけれども、それに関してはどうしましょうか、

【吉川環境技術室長】 来年への反映ですが。

【小池部会長】 戻ってこられる前に少し議論したほうがよろしいですか。来年度の評価の、先ほどのそれぞれの個別評価の各委員からの書き方、その他。

【吉川環境技術室長】 評価の仕方ですので、国環研が入る前に1回簡単にご意見をいただければと思いますが。先ほど申しましたように、多分、今、資料2のところですが、委員長以外の各先生のお手元にはご自分のご意見がどれであるかというのは書いてありますが、他の先生のご意見は、どの先生がどれを言ったかが伏せてある形になっています。去年までずっとそうだったのですが、実際こうやってご議論いただくときに、必ずしもそうする必要はないんじゃないかなというふうにも思いまして、もしよろしければ……。

【小池部会長】 ということは、ここのところの委員の名前も出した上で見ていただくと、国環研に。

【吉川環境技術室長】 一方で、これは公開でありますので、従来そういうことも考えて伏せてはあるのですが、ただ、ご議論されると、あまりそれも必要ない作業かなと思ったんですね。ですので、全委員の名前が入った形で各先生に資料を来年度はご提示させていただくというのでどうかと思います。

【小池部会長】 それでよろしいでしょうか。

(はい)

【小池部会長】 よろしいですね。それでは来年から各委員の名前が入った形で提示する。これは環境研究所にはまとめた形でしかいかない。各委員のコメントは行かないのですか。

【小林環境技術室長補佐】 資料といたしましては、今、配付しているものは、すべからく委員の名前を伏せたもので配付をしております。

【小池部会長】 じゃあ委員の名前は伏せているけれども、各委員の書いていただいたコメントは全部国立環境研究所のほうに。

【小林環境技術室長補佐】 資料は2のほうを配付しておりますので。

【小池部会長】 わかりました。

【西間委員】 思い出しました。これは名前を伏せた経緯があると思います、過去に。名前がはっきりわかると、個別の攻略があるので、よろしくないと。事前説得があるのでよろしくないのではないかということです。この委員はこういうふうな考え方なので、この辺についてはよく説明しようとか。見方によっては、よく説明しようともなるんですけれども、そういう個別の当たりがあるので、全般的にわからないようにしようという経過があったと思います。これ全部名前が出ると、A委員はアンチである、B委員は支援団体であるというか、そういう色分けをどうしても研究所側がやるというのは、これは避けられない。それでこういうふうにぼかした、たしか何年も前にあったと思います。だから、それをひっくり返すかどうかですね。

【小池部会長】 今の提案は、研究所に提示するのに関しては無記名、それでこの委員の中だけで名前を出してお互いにどういう意見であるかということが了解できるようにするというご提案だと思いますが、そうですね。

【西間委員】 この資料は公開ですけれども、参加の方々には配布していないんですか。資料は当然提示してもいいわけですよね、公開ということは、この資料をくれと言えば出せるわけでしょう。

【鎌形大臣官房審議官】 公開の場合には基本的には資料も公開ですが、扱いによっては卓上配付のみというようなこともあり得ますよね。例えば、卓上配付のものは名前を全部書いてあるとかというような扱いをここでお決めいただければ、そうできるという話だと思います。

【小池部会長】 そうしますと、私は今の事務局のご提案は、卓上配付というか、委員に関してはお互いにどういうご意見かということがわかるように名前を出すと。研究所に出すほうに関しては、名前は伏せるという形で出すと。そうすると、今言われたように、卓上配付という形で委員だけに、委員というか、ここのメンバーだけには名前の入ったものが配られるという形になるということでよろしいですか。そういう理解で。

【吉川環境技術室長】 はい。

【西間委員】 国環研がこれで決まると、環境再生保全機構のほうも横並びになるわけですよ。機構の性格と研究所の性格というのは、かなり違い、機構にも大きく影響しますので、同じ並びになると、かなり紛糾するのではないかと危惧します。

【上田総務課長】 今、ちょっと聞いたら、機構部会は全部記名で、もう既にやっているということで、今回それに合わせたということ。なぜ今回記名にしたかというと、機構に合わせたということらしいです。

【西間委員】 わかりました。そうしたら前言撤回します。

【吉川環境技術室長】 もちろん、これは各部会の裁量に任せられております、こういうやり方は。だから国環研の性格と機構の性格は違うと。研究者と研究機関との間の関係というのがあるという西間先生のご指摘もあるので、ここは決め事だとは思います。ただ、そういう趣旨でございます。

【上田総務課長】 すみません。今日結論出さなくてもと思うんですが、一つあったのは、機構と研究所って形態が大分違うのですけれども、環境省の中だけを見ると、独立行政法人はこの二つしかない。けれども、ほかの省にも研究型の独立行政法人があって、そこでは行政評価されているので、そこでも扱いを参考にしながら、大体全体の相場が公開のほうに向かったら公開するということで、一度、他の独立行政法人を調べさせていただくということでいかがでしょうか。

【小池部会長】 ただ、今日議論されているのは、この委員会の中での各委員の間でのコメントの、誰がこういうコメントをしているかということの話ですので、名前を含めて公開するかどうかの議論は、ここではしていません。ですから、それは今までどおり国環研にも無記名で出すということは、オープンにする場合は無記名ということになると思いますけれども、そういう了解でよろしいですね。

 それでは、国立環境研究所の役員の方々に席にお戻りいただきたいと思います。よろしくお願いします。

(国立環境研究所役員 入室)

【小池部会長】 それでは、慎重に審議いたしました結果、平成24年度の独立行政法人国立環境研究所の業務に関しては、適切に成果を上げられていると判断しまして、総合評価はAといたします。ただ、国立環境研究所に対する期待は非常に大きいものがあり、研究業務、情報業務及び業務運営の各般にわたって、一層のレベルアップが求められているところでありまして、積極的な検討・対応がなされるよう、よろしくお願いいたします。

 以上です。

【住理事長】 評価委員の皆様、ありがとうございます。今、小池部会長が言われたように、我々も心して頑張っていきたいなと思っております。特に時代の変わり目ですし、やはり、福島のことが大きいなと、思っております。日本の研究者としては、福島を何もせずに、外へ行って、ああだこうだといったって、全然通らないなと思っております。環境研としては、どこまでできるかというのは、これから見ていただければいいと思いますが、頑張って全所一丸となってやっていきますので、今後ともご支援をお願いします。

 どうも今日はありがとうございました。

【小池部会長】 ありがとうございました。

それでは、次の議題であります平成24年度独立行政法人国立環境研究所財務諸表の承認についてに移りたいと思います

これは主務大臣が承認するに当たり、あらかじめ部会の意見を聞かなければならないということとされており、前回の部会において国立環境研究所の高木総務部長より説明を既にいただいているところです。何かご意見があったらお願いいたします。

財務諸表に関しては、特に意見がなしということでよろしいでしょうか。どうですか。

【泉委員】 ありません。

【小池部会長】 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。

その他ですけれども、何かございませんでしょうか。

【吉川環境技術室長】 ございません。

【小池部会長】 それでは、以上で今日の部会の議事は終了いたしましたので、独立行政法人環境研究所部会をこれで終了したいと思います。ご出席、どうもありがとうございました。

 午後1時からは評価委員会があるので、引き続きよろしくお願いいたします。

 以上です。