環境省独立行政法人評価委員会 第27回国立環境研究所部会会議録

日時

平成24年7月5日(木)13:00~14:40

場所

中央合同庁舎4号館12階1214号室会議室

議題

(1)
平成23年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価等について
(2)
その他

配付資料

出席者

委員

小池勲夫部会長、泉 淳一委員、沖 陽子委員、佐和隆光委員、
西間三馨委員、花木啓祐委員、松尾友矩委員

環境省

大臣官房
三好審議官
総合環境政策局 
中井総務課長
長坂環境研究技術室長
国立環境研究所
大垣理事長
鏑木理事
德田企画部長
笠井総務部長
岸部環境情報部長

議事

【長坂環境研究技術室長】 皆様、委員の先生が全員おそろいになられておりますので、少し早いですけれども、環境省独立行政法人評価委員会の第27回国立環境研究所部会を、これから開催させていただきたいと思います。
 本日は、委員9名のうち、7名の方がご出席になっておられますので、環境省独立行政法人評価委員会令第6条第1項の規定により、定足数を満たしておりますことをご報告申し上げます。
 議事に入ります前に、大臣官房審議官の三好よりごあいさつをさせていただきたいと思います。

【三好大臣官房審議官】 審議官の三好でございます。
 本日は、ご多忙の中、ご参集いただきまして、ありがとうございます。
 特に午前の機構部会から引き続きで、委員の先生方にはご苦労様でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 国立環境研究所は、委員の先生方にはご案内のとおりで、平成23年度より第3期の中期目標期間に入っておりまして、ということで、本日は第3期中期の初年度に当たります平成23年度の業務実績につきまして、報告書などにつきましてご説明させていただきまして、評価をお願いしたいというふうに考えているところでございます。
 国立環境研究所は、もちろん従来からの研究に力を入れてまいりましたけれども、特に、昨年度に関しましては、東日本大震災を受けまして、災害廃棄物の処理のためのさまざまな助言を行うということでございますとか、あるいは放射性物質の環境中の動態解明など、放射性物質に関する研究を開始したというところでございます。国立環境研究所は日本の中で環境研究を担う機関の研究所として期待は高まっているものというふうに考えております。我々としてもしっかりやっていかなければならないというふうに考えております。
 それから、独立行政法人制度全般に関しましては、これも委員の先生方にはご案内のとおりですけれども、行政刷新会議におきまして検討が進められておりまして、今年の5月に、国会に提出されております独立行政法人制度改革法案におきましては、いわゆる独立行政法人という制度は廃止されまして、行政法人制度を創設するということで、事業の中身とか特性とか、あるいは国の関与のあり方に関して、それぞれの仕事の中身に応じて細かく分類していこうということでございます。
 この国立環境研究所につきましては、公益に資する研究開発に係る事務及び事業の最大限の成果を得ることを目的としております国立研究開発行政法人ということに位置づけられるものというふうに考えているところでございます。
 そのようなこともございますけれども、委員の先生方におかれましては、国環研の業務の運営や実績の評価などにつきまして、活発にご意見をいただくとともに、ご審議をいただければというふうに考えているところでございます。
 簡単でございますけれども、ごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。

【長坂環境研究技術室長】 それでは、まず配付資料の確認をさせていただきたいと思います。(配付資料確認)
(出席者紹介)
 それでは、以降の議事進行につきましては小池部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【小池部会長】 それでは、議事に入らせていただきます。
 最初の議題は、平成23年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価等についてです。事務局からご説明を、先にお願いします。

【長坂環境研究技術室長】 それでは、説明させていただきます。
 本日の議題といたしましては、23年度の国立環境研究所の業務実績の評価ということでございまして、資料といたしましては、先ほどご説明した、まず1のシリーズ。
 1のシリーズは、政府の政独委と言われている政策評価・独立行政法人評価委員会から指摘された事項について、国環研がどのように対応しているかという、ある意味、評価に当たっての参考資料でございますが、これが資料1のシリーズでございまして、資料2のシリーズが、国立環境研究所の23年度の業務実績を評価するための、まさに国立環境研究所の報告書でございます。
 資料3につきましては、評価に当たっての評価比率についての案となってございまして、そして、資料4シリーズが、実際に委員の先生の皆様方に、その資料4を使って評価していただくというもの。そして、最後に今後の予定という構成になってございます。
 まず最初に、資料1につきまして、私の方からご説明させていただきます。
 この資料1でございますが、政策評価・独立行政法人評価委員会等からいろいろな指摘を受けておりまして、その政独委からの指摘事項についての対応状況でございます。
 1の(1)でございますが、こちらは、22年度に国環研が講じた措置について、指摘された部会の評価に対する国環研が23年度に講じた措置と、非常に長いタイトルになってございますが、1枚めくってみていただきますと、1の(1)でございます。こちらは、実は、昨年度、22年度の実績評価をこの部会で行いまして、このカラムが全部で五つございますが、四つ目までの部分を、昨年のこの部会の評価の成果として、政独委の方に提出したものでございます。
 それに対して、平成23年度に国環研がどのように対応したかということをまとめた表でございます。
 いろいろな指摘がございますので、全部のご説明は省略させていただきますが、どういうことになっているかといいますと、1ページ目の2.知的財産に関する評価結果の四つ目のカラムに下線が引いてございますが、「早急な規定化と具体的な実行が求められる。また、評価にあたっては申請効率の見地からの点検、さらに、保有の必要性からの点検について評価が必要である。今後は、当部会へこれらの詳細なデータの提示が求められる。」
 実は、このような記述が多くございまして、この国環研部会で評価するには、やはり国環研から、ある程度、評価するために必要な詳細なデータを出してくださいというような指摘が、昨年の部会で結構ございまして、そういった資料になったわけでございますが、それに対して、例えば、同じ5番目のカラムの右下ですが、この「詳細なデータを資料31に提示した」というような形で、国環研が対応しています。
 このようなことをまとめた資料でございます。これは評価の際のご参考にしていただける資料という扱いで考えてございます。
 何枚かめくっていただきますと、1の(2)というのがございます。こちらは「平成22年度における国環研業務の実績に関する評価の結果についての意見」というふうに書いてございまして、この左から二つのカラムの内容が、政独委が、国環研の22年度評価を見て指摘してきた内容でございます。この内容に対して、国環研がどのように対応したかということをまとめてございます。
 こちらは平成22年度、つまり、前年度の評価に対する政独委の指摘でございますので、これについてどのように対応したかについては、後ほど資料4でご説明しますが、この委員会で評価していただこうと考えているものになります。
 さらに1枚めくりますと、(3)になります。こちらについては、ほとんどご参考でございますが、いろいろ政独委からの指摘がダブってございまして、それについてもちゃんと対応しているということが書いてある資料でございます。
 さらに、4、5枚めくっていただきまして、網掛けが全然ない、2.「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」の措置状況というものがございます。
 こちらもご参考にしていただければと思うのですが、この裏の面に、「5不要資産の国庫返納」というのがございまして、生態系研究フィールドⅡというものを、事業終了後次第、速やかに国庫に納付するというような指摘を、平成22年12月7日の閣議決定の中でしてございますので、こういったことに対応する必要があるということで、参考資料としてこちらにつけさせていただいております。
 最後に、3.として総務省研究会報告書というもので、内部統制と評価について「こういうことを評価しなさい」ということが書いてございますので、それにどのように対応したかということをまとめた表になってございます。
 この資料1のシリーズでございますが、基本的には、この23年度評価をしていただくに当たりまして、参考としていただく資料だというふうに考えてございまして、これ以上詳しいご説明は省略させていただきますが、適宜ご覧いただければというものでございます。
 資料1については以上でございます。

【小池部会長】 ありがとうございました。これに関しての質問は、もしあればでよろしいですね。

【長坂環境研究技術室長】 もし、あれば。

【小池部会長】 よろしいですか。

(なし)

【小池部会長】 それでは、引き続き国立環境研究所よりご説明をお願いいたします。

【大垣理事長】 理事長を務めております大垣でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方から、まずごあいさつを申し上げますと、三好審議官からのごあいさつにもありましたような、独法をめぐるさまざまな状況が動いております中で活動しておりますけれども、加えて、少し内部の状況を申し上げますと、例えば、運営費交付金が引き続き削減され続けているとか、ご存じのように給与削減について、理事長の判断で実施しなくてはいけないのですが、実質は国の方針に従って実施しなければいけませんし、そのようにいたしました。
 それから震災はもちろんでございますが、具体的な現場を取り巻く状況というのは、非常に厳しいものがございますが、その中で、後ほどご説明いたしますが、震災研究とあわせて鋭意、研究を続けているところでございます。
 本日、実は、こちらに研究担当理事がいない形になっておりますけれども、6月末まで務めておりました佐藤洋理事が、食品安全委員会委員に就任されまして、6月21日の国会同意人事で決定されて、7月1日からあちらの方に勤めていらっしゃるということであります。
 国会同意人事でありますので、6月21日に確定するまで、理事が空席になるかどうかというのは私どもで確定できませんで、その後、正式に次の理事の選考に入ったという形でございます。現在、さまざまな手続をしている最中でございまして、2、3ケ月のうちに研究担当理事を任命する予定でございます。という状況でございますので、今日は、研究担当理事が担当する部分の説明に関しましては私がご説明し、日常の業務に関しましては、空席の間は総務担当理事の鏑木が研究担当理事も務めるという形で運営していく予定でございます。
 それでは、スクリーンを使いますので、座って説明をさせていただきます。
 お手元にパワーポイントのコピーがございますが、それとスクリーンは同じでございますので、どちらでもご覧いただきたいと思います。15分弱で、私の方からこれに沿って説明させていただきます。
 内容でありますが、研究所の概要とそれから研究成果の外部評価というものをご説明します。
 最初に、まず研究体制の復習になるような感じでございますが、説明させていただきます。
 まず、これは国立環境研究所の沿革と、社会といいますか、周りの関係でございますが、創立38年になります。ご存じのように、国立公害研究所として発足して、それから社会的な課題解決、環境に関する社会的な課題解決を担ってきたという形でございます。
 右の方にあります2011年に東日本大震災が起き、現在がこの2012年でありまして、先ほど三好審議官から説明がありましたように、本日の評価は第3期中期計画の第1年度目というところに当たります。
 その下の方にありますのは、国際的な条約等の動きで、気候変動枠組み条約、あるいは生物多様性条約等に関しましては、直接的に我々の研究活動に関係があります。
 次が現在の組織図でございます。この新しい中期計画、すなわち今回、評価をいただくこの年度から組織を少し変えまして、研究実施部門が八つのセンターで実施する体制にしたわけであります。その最初の評価をいただくということになります。
 次が、研究の全体構成の図であります。組織図的には八つのセンターでありますが、それぞれが環境に関する重要な8分野を担っているという考え方で、このような八角形の絵を描きまして、ただし、その分野分野とは別に、重点的な研究トピックス、あるいは先導的な研究トピックスというものがありますので、それを所内でプログラムを組み、かつ予算をつけて実施していると、こういう体制であるということを表す絵でございます。
 次が、職員の構成でございますが、右上に書いてありますように、人員として約820名でありますが、そのうち、いわゆるパーマネント職員は、ピンク色の上の方にある、画面だと紫色ですが、200名ほどが研究系の常勤職員。それから、左下の行政系職員60名というのが、常勤の行政系の職員というふうになります。
 250名ほどが常勤であり、残りが契約職員等になります。契約職員のうち、中央のところにあります研究系契約職員というのが149名ほどおりますけれども、これはポスドク等を含む研究スタッフという形になっております。大変契約職員の比率が高いという形になっております。
 続きまして、次の競争的外部資金でございますが、予算全体は、後ほど資料等にもありますけれども150億ほどでありますが、競争的外部資金は、ここに示しますように22から23億というところでございます。その中で、地球環境研究総合推進費の比率がやや大きいという状況の中で競争資金を獲得しているということでございます。
 これが現在の体制であります。
 次に、研究の内容をご説明いたしますが、八つのセンター並びに災害環境研究に関しましてご説明いたします。
 まず最初が、地球環境研究センターでありまして、そこにありますように地球温暖化研究プログラムを主要なプログラムとして動かしておりますし、それから、戦略的モニタリングということで、炭酸ガスを初め、さまざまな気候変動に関連する情報を大気圏、海洋、生物圏を含めてモニタリング事業を行っております。
 それから、各センターはいろいろなことをやっておりますけれども、ここではセンターの紹介だけになります。
 次が、資源循環・廃棄物研究センターでございます。
 左側にありますように、循環型社会研究プログラムということで、アジア圏の廃棄物の動きに関してプログラムを推進しておりますし、左下の政策対応型廃棄物管理研究も行っています。それから、さらに右側にありますが、災害・放射能汚染廃棄物研究に関しましては、国の政策を決めるための基本的なデータの収集、技術開発を行っております。これは後ほど詳しくご説明いたします。
 次が、環境リスク研究センターでございます。
 これは化学物質の管理に関連する、あるいは、それがどのように広がり、毒性を持つかということを生態系への影響、あるいは試験法の確立等を行っております。また、右上の日本地図にありますような、大規模なリスクの広がりの予測、モデリング等も行っているところでございます。
 次が、地域環境研究センターでございます。
 この軸のように、アジア広域から都市、横軸はそうです。縦軸は、現象解明から技術開発まで、さまざまな地域というある空間的な範囲を取りまとめて、環境全体をホリスティックにというか、全体を把握しようというものでございます。
 画面と印刷の色が違いますが、東アジア広域はピンク色、それから、緑のコベネ型環境技術、それから流域圏生態系というようなものをやっておりますが、加えて上の黄色の災害環境研究というものが重要なテーマとして、現在、実施しているところでございます。
 それから、次のページは、生物・生態系環境研究センターでございまして、流域圏の生態研究プログラム、生物多様性研究プログラムを走らせておりますし、さまざまな長期的なモニタリング、保存、生物の調査等を行っておりますし、右側に書いてございますが、震災対応研究も重要なテーマになってきております。
 次が、環境健康研究センターでございまして、人と環境の関係を調べる研究を実施してきておりますが、特に現在は、上から3番目のピンク色の箱に書いてございますが、子どもの健康と環境に関する全国調査という、10万組の親子に関する大規模なエコチル調査が本格化しておりまして、現在、3万人の母親の同意者数が得られております。これも、このセンターの重要な仕事になっております。
 次が、社会環境システム研究センターでございまして、ここにありますように、環境都市システムの設計、あるいは持続可能社会の設計というものに研究焦点がございますが、それを支える、真ん中に書いてございますが、さまざまな統合評価モデル、経済モデル、地理情報システム等の開発、あるいは設計を続けているところでございます。
 次が、環境計測研究センターでありまして、環境の把握のためには計測が一番重要でございますが、そのための基本的な信頼性の確保、あるいは手法の開発、予測シミュレーション等を、さまざまなテーマに関してやっております。当然、震災の放射線もここで扱っているということでございます。
 以上が、8研究センターの概要といいますか、ごくごく簡単なご紹介でございますが、ここから、震災に関する研究を簡単にご紹介いたします。
 まず、これは放射性物質の多媒体モデリングと長期モニタリングのごく一例でございますが、今日も後ろにおりますけれども、大原センター長を中心に解析しているものでありまして、一番左が、セシウム137の地球表面への沈着量のシミュレーションモデルの結果でありますが、真ん中は文科省の実測値でありまして、非常によく合っていると、こういう左側の成果を早い段階で世の中に出しております。
 そのシミュレーションモデルの結果から、地域別の沈着量を見せたのが右側の棒グラフでございまして、当然、福島県が非常に大きいというのも出てくるわけでございます。
 こういう研究により、環境中の様々な媒体の中でのセシウム等の動きを明らかにしてきております。
 次は、廃棄物に関係することでありまして、このスライドは、海水を被った木材の焼却実験でございます。
 海水の塩素によって、焼却によりダイオキシン等が発生したりしますと対応が難しいということで、その燃焼の方法、あるいは安全性の確認等を進めているものでございます。これはまさに、ダイオキシン等で技術開発したものが、今回の津波の被害においても、直接役立っているという例でございます。
 次のスライドは、焼却灰への放射性セシウムの濃縮と安全な処理処分であります。これは、新聞紙上で盛んに取り上げられた件でございますが、右上のグラフのように、主灰のセシウムは溶け出にくいわけでありますが、飛灰、煙の方に入ったセシウムは水で溶出しやすいというようなことから、技術的な対策をきちんと打ち出したという意味で、国立環境研究所の研究成果での貢献ではなかったかと思います。
 これを受けて、環境省のさまざまなガイドラインが決まってきているわけであります。この担当の大迫センター長も後ろにおりますので、もし何かありましたらご質問をいただければと思います。
 続いて、次の件は、避難所等付近の大気浮遊粉塵濃度でございます。
 これは、地震や津波で特殊な環境になりますから、その中で避難生活をしている方々の健康にも、大気浮遊物質が影響を及ぼすのではないかということで、それを避難所等周辺方々で実測して、使うべきマスクへのガイドライン等に反映してもらったものでございます。
 このようなデータを早い段階から観測し、かつ提案してきているところでございます。
 次のスライドは、これは災害環境研究の俯瞰というものでありまして、実は、でき上がったのはこの4月になってからでありますから、昨年度中の成果ではないのですが、昨年度中から作業いたしまして、我々の研究所でやっている災害に関連する研究を、全体が見えやすいようにして、国民の方々にわかりやすく説明できるよう、また、別の分野の研究者と共同研究ができるようにということで、つくったものでございます。お手元にお配りしたとおりでございます。
 それから、次が研究成果と外部評価について、簡単にご説明を申し上げます。
 誌上発表件数という、資料24をグラフ化したものでございますが、このような形で平成23年度だけ見ますと、22年度から少し発表論文が減っているかのようにご覧になるかと思いますけれども、これは長期的なのものを見ていただきたいと思いまして、次のグラフを見ていただきますと、これは第1期中期、第2期中期の後の間の論文の推移の状況でございまして、上の黒い四角が査読付論文数であります。
 このように、微分的には変動があるかもしれませんが、全体として伸びてきているということでございます。
 それから、実は同時に、先ほど申し上げました研究系契約職員、黒三角ですが、それから研究系常勤職員を、白三角ですが、ご覧いただきますと、常勤の職員が確実に減っていて、それから研究系契約職員は増えてきたのですが、実は、昨年度は中期計画の切りかえ時期でございまして、少しスリム化して契約数を減らしたということもありまして、減っているということでございます。
 こういう中で、研究成果を上げているということであります。
 そうしますと、次のスライド25ページでございますが、これは資料24に入っているものでございます。研究者1人あたりの年平均発表件数というものが、よくいろんな指標で出てまいりますが、中期計画全体の平均値と平成23年度だけを見ますと増えているという計算になる。1年ごとの変動を見てもしようがないところもありますが、こういう状況にございます。
 これは、実は、諸外国の表向きの研究者の人数と論文数を比較しても、そう小さいものではない。似たような研究所と比較しても小さいものではないというふうに考えています。これで十分とは、もちろん申し上げませんが。
 それから、次が研究の評価の体制でございます。これは、もう十分ご存じのところでございますけれども、研究に関しましては外部研究評価委員会という、緑色で書きました真ん中のところで評価して、その成績を業務実績報告書にご報告するという形をとっています。
 なお、この右の方に小さく点線で、国際的有識者による評価・助言というのを書きましたのは、ここでのご指摘もございまして、国際的な評価もしてはということで、実は一工夫したものがございますので、ご説明を申し上げます。
 それが、次の27ぺージでございまして、報告書の中にはこういうことを計画予定しているというふうに23年度の報告書でそう書いておりますが、実質的に24年度からスタートしておりまして、例えば、ここの表の一番上の方は、ジョンズ・ホプキンス大学のシルバーゲルド教授でございますが、毒性学の専門家でございます。この方に5月28日に来ていただいて、見学と若手研究者とのディスカッション、それから役員、理事長の私も含めてディスカッションをしまして、助言、アドバイスをいただくということを始めております。
 例えば、このような、国環研のようなハードからソフトまで、それから、いろんな環境に関する広い分野を持っている研究所というのは世界で珍しいので、分野間のブリッジングというのを積極的にもっと推進すべきである、その核になるべきであるとか、あるいは、ディスカバリートキシコロジーというような分野がこれから重要なので、環境研でもやったらどうかというような、いろいろと重要なご指摘を受けました。
 現在、計画しておりますのは、タイのアジア工科大学の教授である2番目の方、それから、3番目のEPAのチーフ研究者であるラウ博士等を現在、既に予定を組んでおりまして、今後、続けて実施していく予定でございまして、年間10名程度の幅広い分野からご助言、ご評価をいただきたいと、こういうことを考えております。
 次が、一番最後のスライドでございますが、28ページでございます。これが、先ほどの外部研究評価委員会による評価結果でございます。
 昨年、2011年の12月16日に開催した委員会での結果でございまして、5点満点で、全体平均として評価結果は4.1をいただいております。その下に枝で分かれているところは、(1)課題対応型研究プログラムの平均点、それから(2)環境研究の基盤整備に関する点数です。それから(3)は各研究分野の研究活動ですが、そこに書いてありますようにプログラムや主要な基盤整備以外のものに関する結果です。こういう形で評価をいただいて、概ねよろしいという結果かと理解しております。
 以上でございます。ありがとうございました。

【小池部会長】 ありがとうございました。ただいまのご説明に対して、何かご質問、あるいはご意見がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。

【花木委員】 かなりの時間を割いて震災の対応のことをお話いただいたのですけれども、この震災の対応のために、予算の中での配分を変える、あるいは人員を一時的に割くというようなことは、かなりされたのでしょうか。

【大垣理事長】 予算には2種類あるかと思うのですが、今回に関連して環境省、あるいはいろんなところから、外部から業務としてきた予算がございます。それを使うということと、それから、内部的には、もちろん運営交付金のうちの内部の運営のさまざまな支援をしないといけませんので、そこに使うということをやっております。
 人員に関しましては、グラフに書きましたように、直接人員を増やすことはできないのですが、ただ、契約職員を一部増やしたり、あるいは廃棄物関係では民間の専門の技術者の方に、身分を一部契約職員に移していただくというような、人数的には余り多くないのですが、そのようなことをやっております。
 あと、先ほどここに示しましたが、こういう災害環境研究として所内でグループ化して、エフォートの一部を災害環境に割くという形で実行しているという、そういう形です。

【鏑木理事】 補足でございますが、この報告書の7ページの右下のところをご覧いただきたいのでございますが、7ページの右下のところに(5)ということで、体制をどのようにしたかということを書かせていただいております。
 理事長を本部長といたします東日本大震災復旧・復興貢献本部というのをつくっておりますが、それのもとに二つのグループをつくりました。災害廃棄物や放射性物質汚染廃棄物の処理についての研究をするグループと、それから、環境中の多媒体での放射性物質の実態把握・動態解明に関する調査研究をするグループをつくりました。
 これはセンターを横断的に、すべての人材を、「やりたい」あるいは「やる」という方について参画していただくという仕組みでして、そこに研究費を使わせていただくというようなことをいたしました。
 そのために、年度当初に、各センターに「一応貼りつけるぞ」と言っておりましたお金を少しずついただきまして再配分をするというような、少々乱暴ではございますけれども震災対策を強力に進めるような体制をつくって進めさせていただきました。

【花木委員】 かなり機動的に、その辺は動いて、力を入れて成果が出たというふうに理解してよろしいのでしょうか。

【大垣理事長】 はい。ありがとうございます。そのとおりです。

【佐和委員】 今との関連で言いますと、23ページに査読付論文が約1割程度減っているわけですね。500から450。

【大垣理事長】 はい。

【佐和委員】 これは、いろんな理由があるかと思うのですけれども、研究者の数、人数が減ったという点はさっきご指摘になられたわけですが、こういう震災対応というようなことで、そういう極めて現実的といいますか、「政策オリエンテッド」という表現が的確かどうかわかりませんが、政策オリエンテッドな研究に人員を割り振るというようなことになれば、結果として、いわゆるアカデミックなペーパーの数というのは減るということですね、当然予想されるのですが、そういう点についてはいかがでしょうか。

【大垣理事長】 1点は、ここの23年度の数が減ったことは、多分、直接的に震災が影響したかどうかはクリアでなくて、論文発表が出るのに時間的ラグがありますので、直接これが理由かどうかは明らかでありませんということが客観的にはあるかと思うのです。
 それから、後のご指摘で、エフォートをそういう政策的なことに割くことによって、研究員の時間が割かれることによる減少ということはあると思いますけれども、その一方で、この東日本大震災のような大きな環境変動が起きたところというのは、非常に、世界的に研究テーマや内容が注目されていますので、これに関する研究を発表すれば非常に注目を浴びる論文になるという部分もあると思います。
 政策にシフトして時間を使っても、それによってまた生まれる研究もあるのではないかと私は思っています。

【佐和委員】 2、3年ぐらいのタームで見れば、これは十分両立可能であると推測される研究と、いわゆるアカデミックな研究とは両立可能であるということですよね。
 あるいは、政策的な研究がいわばベースになって、理論的といいますか、いわゆる狭い意味でのアカデミックなペーパーも増えることが予想されるということですね。

【大垣理事長】 行政的に貢献するというのが非常に重要で、特にこの震災を受けて、日本の国民のために動くということも重要であります。
 もちろん、ただ、その中で、同じぐらいの重さで、実は科学研究の新しい知識を生み出してくるのではないかということを期待、そういう意味で論文になるのではないかということでございます。

【佐和委員】 それから、もう一点ですけれども、この資料で言いますと、ページ数は6ですか、研究系の常勤が197名で、契約研究員が149人という数字がございますが、この契約研究員というのは、どちらかといえばアシスタント的な役割を果たす若手研究者が多いのでしょうか。それとも、一人前の研究者だけれども、今の研究者の需給ギャップという面から、こういう契約研究員であっても、どっと希望者を募集するということなのでしょうか。

【大垣理事長】 どちらかというと、雇いたいのですが雇えないという状況かと思います。
 これは、ほとんどがドクターをとっている方々でございまして、特別研究員というのはポスドクのこと、ポストドクターでありまして、十分研究能力とか研究者として自立した研究者だと思います、能力的には。ただし、雇用形態として契約職員である。
 ただ、いろんな予算、外部研究資金等は限られた期間での資金になりますので、その場合の研究者は契約職員の形をとるということになります。

【佐和委員】 もう1点ですけれども、27ページに、3名の外国人研究者に活動評価と助言を受けたと。

【大垣理事長】 まだ二人は予定です。それも、今年度に入ってからの話です。

【佐和委員】 そうですね。3月末までに実施、または、実施予定のものなのですが、私は前に、提言というわけではないですけれども、指摘した点の一つですけれども、いわゆる、外部研究評価委員会に外国人を入れたらいかがなものかということを申し上げたような気がするのですけども、そういう形は、今のところお考えはないのでしょうか。

【大垣理事長】 それについては、実は中で十分検討いたしました。
 外部研究評価委員会は、現在のところ全員が日本人なのですが、そこに日本語ができる外国人の方なら同じでいいのですけれども、英語で文章をすべて用意するとなると、その準備等で、本来、日本語で十分な評価をいただくべき機会を失うことになりかねないので、全部英語化すれば別ですけれども、別に英語の評価委員会を設定することも考えたのですけれども、現実には、私どもの研究所は非常に広い範囲で、この毒性学から地球炭酸ガスの気候変動まで全部やっておりまして、ここに最適な研究者を少数呼んで評価委員会を組んでも、そこから得られる成果は、なかなかそう明快にはならないのではないかということで、今回工夫をしたのは、いろんな分野の方に来ていただいて、専門分野と、それから私、理事長ともディスカッションしていただいて、この環境全体の研究が、我が研究所がどういう位置にあるかということを見ていただくのはいかがかと。
 分野と、それから世界、アジアもアメリカもヨーロッパもありますけれども、そのマトリックスの中で毎年10名ぐらいをお願いして、それが1年、2年、3年と積み重なってくると、いい評価になるのではないかと。
 ですから、一般的な意味の評価よりは、やや助言あるいは我々の考え方の広報の一環も含む形かなと思っています。

【小池部会長】 私から、今のことに関連して。
 これは結局一人ひとり来られて話をされていくのですけれども、どういう形でこれをまとめられて、一つは所内、あるいは外に対して、環境研の評価というのはこういうものですよというのを出される予定なのか。それはどうでしょうか。

【大垣理事長】 これに関しましては、それぞれのご助言、あるいは評価のコメントを整理して、当日、テープでとって、国際室が取りまとめている。例えば、実施しました5月28日はもうレポートがほぼでき上がっております。そういうものの要点をホームページに載せていこうかと思っております。
 それから、年度の終わりというか、ひと段落、何人かまとまった段階で、そこから得られる全体の評価に関する内容を取りまとめて、出していきたいと思います。その中身に関しては、それぞれの方に見ていただいてチェックをいただくという形をとりたいと思います。

【小池部会長】 あと、もう一つ、先ほど震災関係で非常に色々なことを、行政対応のことも含めてやられているというのですけれども、やられたことがどういう形で実際の、いわゆる現場での活動につながっていくのか。
 今は、いろんな震災の対応がなかなか進まないという話が色々なところで言われていて、一方で環境研ではこんなことまでやっているのだけれどもというところが、多分そちらでもあると思うのですけれども、その辺はどういう形で、これが実際の現場でのいろんなことにつながっていくのか。それはどうでしょうか。

【大垣理事長】 実は、今のような感じというか感想は、私自身は持っておりませんで、例えば、廃棄物関係が一番わかりやすいのですが、先ほど焼却灰の技術的な濃縮と、安全な処分の話を申し上げました。
 この研究成果をもとに即座に環境省のガイドラインが定められて、埋め立てや何かに活かされ、これをもとに政府も安全であるということを説明しています。例えば、いわゆる広域焼却処分の問題が随分新聞の話題になっていますが、ああいうものの安全性の根拠はこういうところから出てきていて、非常に直接活かされている好例ではないかと思います。
 そのほか、除染等に関係して、自然界でどうセシウムが動くかというようなことに関しましては、研究成果が直接いろんなところに反映されますが、少し時間がかかる分野もあるかと思います。

【鏑木理事】 少し補足させていただきますと、報告書の8ページをご覧いただきたいのでございますが、この8ページに、先ほど申しました二つのグループがそれぞれ出した成果について、どのように政策貢献したかということが簡単に書かれてございます。
 まず、8ページの一番上の1)でございますが、災害廃棄物関係。これは全国の専門家で構成される震災対応ネットワークというのを立ち上げて、技術情報の作成提供、それから、海水を被ったがれき処理や、仮置場の火災防止等に関する緊急的な調査研究。これは研究データをとって環境省の通知などに反映していただいたり、あるいは現場を回って具体的な技術指導というようなことをしたり、あるいは、この下の方にございます放射性物質の汚染廃棄物等への対応としまして、廃棄物中の放射性物質の挙動、焼却や埋立処分などの処理処分過程での安全性評価など、これを法律に基づく基準やガイドラインの策定に反映したということがございます。
 それから、多媒体の方でございますけれども、この多媒体の方は、これの5行目ぐらいのところにございますが放射性物質の大気輸送沈着シミュレーションの結果を、厚生労働省の「水道水における放射性物質対策検討会」の水道水中の放射性物質対策の検討、あるいは食品に関する検討、これに活用していただいたりしております。
 これらの詳しい行政対応、政策貢献につきましては、別冊の資料11というのが43ページにございます。
 別冊の資料2-2という分厚い本でございます。
これの44ページをご覧いただきますと、44ページが資源循環廃棄物研究センターの部分でございます。これの一番下の⑤でございますけれども、こういうところに政策貢献として、こういう使い方をしたというようなことをまとめております。
 多媒体の方につきましては、45ページの地域環境研究センターの一番上なのでございますけれども、先ほど申し上げたようなことを書いてございまして、研究の成果を貯めておいてというのではなく、すぐに出せるものについては出して、行政対応していただいている。あるいは、行政からのニーズに対して、すぐに答える。
 がれきの処理の考え方は、まさにそうでございまして、海水を被ったものを燃やしてよいか、大丈夫かどうかみたいなことについて、すぐ答えを出すというようなことを、国環研だけでございませんが、研究者のネットワークでやっております。

【小池部会長】 ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。

【松尾委員】 ここの災害研究に関する俯瞰図ですが、検討項目が非常にたくさん挙げられていると思うのですが、一人が幾つか分担するのですか。190何人、総数では300人くらいおられて、どうしてこれができるのか。このうちで選ぶのか。俯瞰図と、実際の人員との関係はどんなふうに考えておられるのか。

【大垣理事長】 これは、印が小さくてご覧になりにくいのですが、こちらの冊子の中にこれの拡大版がありますので、ご覧いただくとわかるのですが、やっているものとやっていないものと、これから共同でやるものという印がついております。凡例のところに。
 どのページもそうですが、6ページでも7ページでも、左の方にあるのが凡例で、例えば6ページの左の下についていて、顔のマークがついたりなんかしております。
 先ほどの特別研究員等もその人数に入れますと、300人ぐらいの研究者がいるということにはなります。
 それから、テーマは、これは俯瞰ですので、こういう研究をしなければいけない、こういうことですので項目は挙がっていますが、一人の研究者が二つ三つ調査すれば、同時に行うことになるというようなものも含まれていますので、一番下の具体的なテーマになりますと、いろんな分野分野でレベルがあります。
 ただ、逆に、このぐらいの人数、300人ぐらいの人数で、これだけ広範囲にわたって手を染めているというか、関係があるというあたりが、実は、逆に言いますと災害環境という問題の難しさがあるかなというふうに思っております。

【小池部会長】 これは、全部何らかの格好でやっぱりお互いに関係していますよね。ですから、どうやってこれをうまくまとめていくかというのが、これから大変だと思うのですけれども、それは理事長のもとでまとめていくという形をとられるのですか。

【大垣理事長】 鏑木理事が先ほど説明をいたしましたように、二つの大きなグループで、後ろにグループ長が二人、大原センター長と大迫センター長にグループ長をお願いしていますが、そこでまず取りまとめてということです。
 より小さいところでは、現在の組織でまとめたりとか、グループという形をとっております。
 例えば、福島に試料を取りに行くというような作業は、場合によっては中間のところでストックしたりしなければいけませんし、そういう放射性が含まれるような物質をどう取り扱うかというのは、研究所全体でルールをつくって安全確認するというような体制を組んでおります。そういうのはもちろん一緒にやっているところです。

【小池部会長】 よろしいですか。

【佐和委員】 これは質問なのですけれども、ついこの間まで、あるいは福島の事故があるまでは、放射性廃棄物というのは、いわゆる環境省の廃棄物行政の圏外に置かれたわけです。あるいは、それには触れてはならない。
 ところが、環境省のもとに原子力規制庁ができるというようなことになって様子が変わってきた。そういう行政面でのテリトリーみたいなものがもともとあったわけですが、それと、国立環境研究所は環境省の所管であるということで、少なくとも過去においては、そういう事例がなかったといえばそれまでのことなのですけれども、仮に同じような福島のような事故が起きたときに、やはり研究面でもこういった研究というのは、すぐさま行うことはできなかったのでしょうか。
 あるいは、つまり、原子力規制庁が環境省のもとに設けられるということが、まだその法案が通っていなくても、そういう見通しになったときに初めて解禁されて、研究面でも真正面から取り組みを始められたのか。その辺がよくわからない点があるのです、ご説明いただければと思います。

【三好大臣官房審議官】 先に制度面をご説明いたします。
 今、佐和委員の方からご指摘がございましたとおり、従来、法制的に申し上げますと、環境基本法と循環型社会形成推進基本法というのがこの分野の二つの基本法でございまして、それより若干法律上の規定は違うのでございますけれども、放射性物質による環境の汚染というのは、そういうような基本法の体系から除かれているということを前提に、法律上そういう仕切りがございました。
 したがいまして、これまでの環境行政は、直接的には放射性物質による環境の汚染についてはターゲットにしてこなかったという、これは実際にそういう経緯がございます。
 他方で、今回、福島の事故が起きましたときに、実態問題といたしまして、放射性物質による、例えば環境汚染、私どもは「除染」と呼んでおりますけれども、今も理事長の説明の中に出てまいりましたけれども、除染というのは実際に、最大の環境問題であるという認識のもとに、実際に環境省の中で行政の取り組みとして進んできているということがございまして、後ほどございますけれども、国立環境研究所の研究も、実はその分野についてはそういうことで、現実に、全体の仕切りがどうなるかということについては別にして進んでいた。
 それで、私が冒頭申し上げましたの基本法上の整理につきましては、今回、政府提案は規制庁法案ですけれども、国会修正で規制委員会法案になりましたけれども、その中で、今申し上げました「環境の体系から除く」という規定を削除するということで、逆に言いますと、環境の体系に取り込むということが、法制上、整理されましたので、これから、さらにその面での取り組みをしていくということになるというのが、これからの状況でございます。
 それから、原子力関係では既に研究機関がございまして、それにつきましても、この規制委員会法案の中で部分的に共管するでありますとか、ということが環境省のもとに置かれます3条委員会のもとに来るというようなことがございますので、そういう面で、今後は、さらに融合といいますか、連携というのは進んでいくだろうというのが現状かというふうに思います。

【大垣国環研理事長】 今の法令面に加えて科学技術の面から見ますと、例えばゲルマニウム検出器は、既に研究所は持っておりました。それはRIの研究をするからでした。
 ただ、国全体としては、原子力発電所の外の部分は、RIとして管理されている以外のものに放射性物質のないことが前提で世の中は動いていましたから、すべて、そこの法律で動いているわけで、今回のような自然界に大量な放射性物質があるという状況は想定しない形です。
 ただ、環境の研究という科学技術の面から見ますと、人間の健康に影響するようなものが環境に存在して、かつ、それが動いて、濃縮されたり、広がったりという過程がある以上、国立環境研究所の環境の研究をするという立場では研究せざるを得ないという、科学的な意味では、サイエンティックな意味では、私自身は考えております。

【小池部会長】 よろしいですか。それでは、引き続きご説明をお願いしたいと思います。

【鏑木国環研理事】 それでは、引き続き、ご説明をさせていただきます。
 私からは、今、理事長が説明させていただきました研究の内容を支えるといいますか、その周辺の部分と、それから環境情報の収集・整理、提供というのが国環研の一つの大きな業務でございますので、それについてまずご説明させていただきます。
 報告書、資料2でございますが、これの18ページに、環境情報の収集、整理及び提供に関する業務というのがございます。これが国環研の一つの大きな業務でございます。
 これにつきましては、四角の中に囲ってありますのが年度計画なのですけれど、平成23年度は新たに2,000件のメタデータを収集・整理し、提供することを目指すという数値的な目標を書かせていただいております。
 これは、結果を申しますと、19ページの2番というところでありますが、新たに2,702件のメタデータを収集・整理し、提供したということで目標達成しております。
 また、昨年度、環境展望台というのが、19ページのところに絵がございますけれども、この環境展望台がなぜかアクセスが減ったということをご報告させていただいて、昨年度のご評価は余りよろしくなかったのでございますけれども、これは、おかげさまで回復いたしました。
 一つは、19ページの3番に書いてございますウエブアンケートを実施して、利用者ニーズを把握したというようなことがございます。
 お手元にございます環境展望台の緑色のパンフレットでありますが、このパンフレットもつくり直しまして、ページも見やすくしましたというようなことですとか、それから、このパンフレットを開いていただいたところにありますフロントページが報告書の方にもございますけれども、このレイアウトといいますかデザインを変えて、求める情報にすぐにたどり着けるようにするというようなことを改善いたしました。これは、ウエブアンケートの内容の解析によりまして改善していったというようなことでございます。
 そのような努力によりまして、21ページに参りますが、非常にうまくいったというふうに自己評価しております。
 自己評価と今後の対応というのがⅡでありますけれども、環境展望台の利用者への利便性に配慮しまして、ウエブアンケートの結果に基づくトップページのリニューアル、あるいはコンテンツの改善等を行いましたのと、それから、メタ情報の件数、2,702件を新たに提供したというようなことで、非常にうまくいったかなというふうに考えております。
 大きな本の方の209ページの下のところにグラフがございまして、いろんな色の線がございますけれども、これの小さな丸を紫色の線で結んだ線が平成23年度の環境展望台の利用件数でございまして、9月ぐらいから見る見るうちに件数が増えてきたというようなことでございます。なかなか改善が功を奏したかなというふうに思っております。
 これが環境情報の収集・整理、提供という業務でございます。
 報告書に戻らせていただきます。
 資料2の24ページでありますが、マスメディアを通じた研究成果等の普及というのがございまして、これも四角の中でありますが、平成23年度のプレスリリース件数の合計数を第2期の年平均数を上回ることを目指すとか、あるいは内容をよくするというようなことがございまして、プレスリリースにつきましては、その四角の下の4行目ぐらいですが、第2期中期目標期間の年間平均件数36件に対しまして、平成23年度の実績は35件、うち、研究成果に関する発表件数は、2期の平均12件に対して、平成23年度が15件ということで、年度目標を概ね達成したということでございます。
 それから、インターネットの方も、25ページにありますけれども、これは非常に重要な手段であるという認識のもとに、頑張ってホームページの充実、あるいは改善に努めまして、26ページの(7)で、ホームページの利用件数を示しております。
 平成23年度における国環研のホームページの利用件数は3,554万件でございまして、平成22年度の3,172万件に比べると12%増加というような成果が出ております。
 一方で、27ページでありますが、(2)独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針等において、刊行物の発行部数を減らすとか、あるいは配布先を見直すとかという合理化を求められております。それに応じまして、発行部数は10%から30%削減するというようなこと、あるいは配布先の見直しをいたしました。
 そのかわりということではないのですが、ホームページを充実するということでございますが、紙で出すかわりにホームページを充実し、その成果もあってホームページの閲覧件数が増えたのかなというふうに、うまく回っているかなというふうに考えております。引き続き、これは努力してまいりたいと思っております。
 それから、29ページに研究成果の利用促進についてのところがございます。
 国立環境研究所は、非常に重要なモニタリングを継続してやってきておりまして、この29ページのⅠ番の、業務の実績の1番にございますが、研究基盤としてのさまざまなデータベース、地球環境モニタリング観測データでありますとか、温室効果ガス排出量ですとか、化学物質の安全情報や測定法とか、こういったさまざまな国立環境研究所ならではの長期的なモニタリング、あるいは長期的な数値を使ってのデータベース、こういうものを作成し提供するというようなことをしております。
 それから、2番ですが、教育、研究開発のリソースとして、23年度には、環境計測研究センターでは環境標準物質を国内66件、国外37件提供するとか、こういう基盤的な研究基盤を提供するような事業をやっておりまして、これはまたこれで結構うまく、震災の混乱の中でも進めることができたのではないかというふうに考えているところでございます。
 特許につきまして、知的財産については4番でございますけれども、23年度は1件の発明を職務発明に認定し、3件の特許等を登録したというようなことになってございます。
 これも、先ほど国環研でどのように特許を扱っているのかというデータが必要というお話がございましたので、資料31、これは分厚い方の資料でございますけれども、233ページでございます。
 233ページに、資料31としてまとめました「登録知的財産権一覧」というものがございます。期間満了したものとか、一番右の備考のところでございますけれども、消滅したものとか、そういったものをそれぞれまとめておりますが、これだけの件数のものがある。それと、共同出願したものも、かなりの数のものがあるということでございますけれども、国立環境研究所の知的財産として、その研究成果を利用促進するといった場合に、そのような特許もさることながら、さっきの資料2でございますが、29ページの一番上にありますようなデータベースでモニタリングなどを継続して行い、そのデータを研究基盤として提供していく、こういうことを継続して強化していく必要があるというふうに考えております。
 それから、この報告書の資料2でございますが、31ページに参りまして、社会貢献活動の推進であります。
 社会貢献活動としましては、誰にもわかりやすく、環境研究の成果を出していく、普及していく、そういうことが必要であるということで、毎年度、シンポジウムを公開でやっております。
 31ページの1(1)の3行目ぐらいのところに人数が書いてございます。東京で546人、京都で224人という参加者を得まして、公開シンポジウムをやりました。32ページにそのときの写真がございます。
 また、一般公開でございますが、32ページの3行目のところであります。
 来訪者数が3,811人、「夏の大公開」に来ていただきました。この人数は、その前年の人数よりもやや多いぐらいでございますけれども、大体、毎年度、この4,000人にちょっとかけるぐらいの人数に来ていただいているところでございます。
 この「夏の大公開」につきましては、特に小学生と小学生の親がよく来てくださるのですが、意外に中学生が来てくださらないという現象がございましたので、平成24年度はその反省に立って、中学生に来ていただくべく絵画コンクールなどをいたしまして、中学生にも来てもらえるようにしようという工夫をしておりますので、また、来年度はそのご報告もできるかと思います。
 それから、33ページに参りまして、そのほかのイベントプログラム、いろんなことをやっておりますが、平成23年度の特筆すべきものとしては、表の中にございます二つ目の「つくば市節電大会」というのがございます。
 このつくば市節電大会は、つくば市が主催をしたイベントでございます。各家庭もさることながら、つくば市には研究機関がたくさんあるものですから、研究機関が節電についてどのように取り組んで頑張っていくのかということについて、市民に具体的にアピールしてほしいというような話もありまして、うちの理事長が、つくば市の中の研究機関の代表として出席いたしまして節電宣言をしたというようなイベントでございました。つくば市全体として節電が進むことに貢献したということでございます。
 それから、34ページでありますが、研究所の視察者・見学者への対応ということでございます。
 (1)は、国内で50件、804人、国外は29件、371人と、相変わらずたくさんの方に来ていただくようなことになってございます。
 しかし、これをやるには研究者の負担もそれなりにございますものですから、基本的な見学コースを設定いたしますとか、あるいは企画部門のスタッフで説明できるところは説明するとか、あるいはパネル等を準備して展示する、さらにそういうスペースをつくって、研究所に来られた、例えば高校生の皆さんなどをそこにお通しすることで、研究所の内容をパネルで一覧して説明ができるようにする工夫をしております。
 それから、35ページでございますが、サイエンスキャンプ、あるいは講師派遣、これも例年どおりにやりました。
 続きまして、第2の大きな塊ですが、業務運営の効率化に関する目標を達成するために取るべき措置、37ページでございます。
 これは、第3期に8センターにしておりますというのは先ほど理事長から申し上げたとおりでございます。
 一方、37ページの一番下でございますが、震災を契機とした震災放射線研究につきまして、理事長を長とする放射性物質災害環境研究チームというのを設けました。これが、先ほど申した二つのグループから成るチームでございます。
 本部制をとったのは、本部が決めて動くというトップダウンで素早く動けるようにする。そのことによって、いろんな規程をどういうふうにいじったらいいのか、みたいなことを考えずに、すぐにやりたいこと、やらなければならないことができるようにするという、スピードを重視したものでございます。
 このようなチームをつくりまして、事務局はうちの企画部と総務部、それから多媒体のグループ、廃棄物グループ、それぞれ研究者に全センターから来ていただいてやるというようなことをやっております。
 情報センターにつきましては、23年度から環境情報部として、企画部、総務部と同じ管理部門に統合して運営の効率化と研究支援の強化を図ったのでございますが、もう一つ、研究連携部門というのをスクラップ・アンド・ビルドでつくりまして、広報室と国際室が一緒になっていたものを、広報と国際とを分離しまして、国際室を独立させて海外との連携強化、それと広報室についても広報委員会のもとで戦略を立てて進んでいくという、広報と国際を両方強化するというようなことをいたしました。
 人材の効率的な活用というところでございますけれども、これは理事長からご紹介させていただきましたように、8センター、つまり研究部門の人員構成でございますが、常勤の職員は204人、契約職員は、研究系が149人と、その他が342人というぐらいの規模であるということでございまして、これだけの人数で多くのことをやらねばならぬという状況にございます。
 43ページでありますが、財務の効率化でございます。
 財務の効率化の四角の中、これは年度計画でありますが、業務の効率化を進めて、運営費交付金に係る業務費のうち、業務経費については1%以上、一般管理費については3%以上の削減を目指すということになってございますのが一つ。
 それから、給与水準について、国家公務員の給与水準も十分考慮して、国家公務員に準拠した給与規程の改正を行っていくというのが二つ目。
 それから、総人件費についても、平成18年度から5年間で5%以上を基本とする削減をするという取り組みを、平成23年度も引き続き着実に実施ということで1%の削減。
 この三つのお話がございました。
 業務費の削減はなかなか苦戦しておりましたが、43ページの下のところでございますけれども、定期購読していた刊行物を徹底して見直して削減するとかというようなきめ細かな削減策をする。
 一方で、東日本大震災に対して対応するときに、一々、環境試料を福島からつくばに持ってくるというようなことでは、放射線研究がおくれてしまうというようなことだとか、限られた人数を有効に使えないというようなこともあって、研究者が有効に動けるように仮の足場を福島につくりたいという構想を平成23年度に進めようとしておりました。
 いまだに、なかなか実現していなくて、平成24年度にかかってまだやっているのでございますけれども、そんなわけで、若干これのためにほかを節約して留保していたお金がございまして、業務経費は、その関係もありまして前年度に比べまして4.2%の減、一般管理費は19.9%の減となっております。
 ただ、これは、そういうわけで福島の足場をつくるのがちょっとおくれたというようなことの影響でございますけれども、一見、見かけは非常に節約ができたような感じになってございます。
 それから、光熱水費でございますが、44ページの一番上でありますけれども、夏季の節電に、とにかく組織を挙げて強力に取り組みました。それによりまして、かなり電気の使用量が減ったのでございます。ピーク電力の20%削減というような目標を立てたのですが、実際には、さらに多くの節減をしました。25%というような削減もすることになったのでございます。
 そんなこともありまして、あるいは震災直後に電気がなかなか使えなかったということもありまして光熱水費が減っております。平成23年度の決算額は、前年度に比べて1.2%減少ということになってございます。
 給与水準の適正化につきましては、国家公務員並みの改定をいたしております。
 それから、自己収入につきましても、増やす努力をしました。特に環境省からお金をちょうだいしまして、44ページの下から5行目でございますが、平成23年度の第3次補正で震災関連の研究委託業務2億800万円を新たに受けることができまして、研究に必要なお金を賄わせていただいております。
 それから、随意契約の見直しをするということにつきましては、これは契約監視委員会、次の45ページの4(1)の3行目から4行目にかけてでございますが、外部有識者と監事で構成される契約監視委員会を設置しまして、随意契約や一者応札等の点検見直しをしていただいております。特に問題はないという評価をいただいております。
 ちなみに、46ページに表がございまして、この表だけご覧いただいてしまうと、競争性のない随意契約のうちの、あらかじめ相手方が指定されているものというところの平成22年度と平成23年度の金額が大幅に増えております。競争性のない随意契約が大幅に増えたような印象を残してしまうのですが、これは、実はエコチル調査が2年目となって本格化いたしまして、環境省から所要の資金交付を受けて、うちの研究所から各地のユニットセンターに委託するお金が9億1,000万円ほど増えた。
 それと、同じくエコチル調査で、環境省が平成22年度に複数年を前提に契約されていたデータ管理システムの関係の契約、11億1,000万円ございますが、これが国環研に移管されたということもございまして、その二つを足すとこの差額といいますか、20億円ちょっとというようなお金になるということでございまして、この随意契約が増えたのは、そういう理由によります。
 一方、一般競争のところで、一番上のところの金額が、平成22年度に40億8,200万円だったのが平成23年度は21億7,300万円ということで、下の随意契約が増えたのと同じぐらいの金額が減っているように見えますけれども、これは、全然、無関係でございまして、一般競争の金額が減りましたのは、震災の影響で、やろうとしていた工事、平成22年度に契約した工事の進ちょくが遅延いたしまして、平成23年度に予定していた工事が後ろ倒しになってしまったのが10億円ほどあります。
 それから、平成22年度に契約した役務契約で複数年度契約が多かったのが7億円ほどありまして、そういう関係でこのようなことになっているわけでございまして、下の随意契約とは無関係でございます。
 それから、47ページの(6)で、関連公益法人等との契約というのがございます。国環研の関連公益法人等としては「財団法人地球・人間環境フォーラム」がございます。これは、国環研との取引にかかるフォーラム側のお金の割合が3分の1以上であるということから、関連公益法人等という扱いになるのでございますけれども、これはご承知かと思いますが、当方とは資金拠出の関係はございませんし、人事等の要件、役員が天下っているとか、そういうようなものではございません。フォーラム側の事業収入の3分の1以上がうちとの取引であるという経緯でございます。
 そのようなことで、契約監視委員会からも契約上の問題はないというご評価をちょうだいいたしております。
 それから、48ページ、49ページの効率的な施設運用でございますが、今回、この効率的な施設運用で特筆すべきことにつきましては、48ページの一番下の東日本大震災の復旧・復興に関する研究、震災放射線関連研究への取り組みが必要となったということでございます。
 うちの所員の中にも、さまざまな契約職員がいらっしゃいますし、必ずしも放射線に詳しい人ばかりではないということもありまして、身近な研究室で放射性物質に汚染されたものを扱うという話になりますと、いかがなものかというようなことがあるといけません。そのようなことも含めて、所内の規制をいたしまして、この震災放射線研究で放射性物質によって汚染された環境資料などを持ち込むような場所を特定しまして、その場所については特別の管理をするという体制をとりました。
 そういう場所をつくるために、既存の利用者に利用スペースを少しずつ譲っていただいたりしまして、何とか23年度はそれで賄うことができました。
 ただ、49ページでございますが、自己評価と今後の対応のところの二つ目の段落であります。
 災害環境研究、特に震災放射線関連研究につきましては、実はどんどん放射性物質によって汚染された環境資料をうちに持ち込みますと、いずれは保管する場所が足りなくなるなどのことになってまいります。
 そこで、福島県が整備するということになっております復興センター構想などと連携しながら、先ほど申しました研究の足場をつくっていくというような施策を講じていかなければならないのではないかと思っております。
 そのようなことが昨年度の大きな報告事項でございまして、あとは後ろの方に、内部統制の推進をやっておりますとか、安全・衛生管理の充実をしておりますとか、あるいは業務運営に関しまして、さまざまな日常の点検、あるいは被災した施設の復旧工事を進めておりますというようなことなどを書かせていただいております。
 これが全体の報告書についてのご説明でございます。長くなりまして、大変失礼いたしました。

【小池部会長】 続きまして、財務諸表の話を先にやっていただけますか。

【笠井国環研総務部長】 総務部長の笠井でございます。
 財務諸表等は、財務諸表と事業報告書と決算報告書の三つと監事及び会計監査人の意見と構成されております。
 それぞれルールがあって、若干、同じような名前で違うところがあるのですけれども、最初に、さきほど説明がありました資料2-2の63ページのところで、最近の執行状況などを示しておりますが、これは昨年もご説明しましたように、単年度ではなくて中期5年間で繰越とかを認めながらやっていって、余ったものは国庫に返すという形になっています。
 ここで出てきている数字は、資料2-5の決算報告書の方の区分に応じている形になっております。
 決算報告書を開けていただきますと、運営費交付金ということで135億円ぐらい入ってまいりまして、それが支出の方で業務経費や人件費等々になって出ていく形になっております。この中の人件費というのは、常勤職員の人件費でございます。研究系の契約職員及びアシスタントスタッフ等は、業務経費の中にその人件費が入っていることになります。
 施設整備費は、施設整備費補助金ということで入ってきまして、それが出ていくということになっております。さきほど理事からも説明があったように、執行が遅れている面がございます。
 財務諸表でございますが、まず、貸借対照表ですけれども、今年度は第3期の初年度ということで、第2期の中期の最終年度だった昨年度と若干違った感じになってくるわけなのですけれども、平成24年3月31日現在の資産、負債、純資産を記載したものであります。
 資産の部が資金の運用形態をあらわしたもので、現金ですとか、預金ですとか、未収金とか、そういうものが書かれておりまして、負債の部と、純資産の部が資金の調達、どこから持ってきたかということをあらわしております。
 資産の合計でございますが、約388億円でございます。これは毎年、減価償却費によって減っていく傾向になります。
 右側の負債の部の上の方の運営費交付金債務は、昨年度、22年度は中期目標の期間の最終年度であったために運営費交付金をすべてを収益化して計上していなかったのですけれども、23年度は14億円計上するという形になっております。
 これは、24年度にまたがった契約が1.9億円、外的要因による繰越や次年度の研究などを効率的に推進するということを目的として繰り越したものが12.3億円というようなことで、運営費交付金の収益が減って、ここに残っているということでございます。
 次に、預かり寄附金ですが、昨年度に比べて1,600万円ほど増えているのですけれども、震災の復旧・復興関連の研究奨励寄附金など新たに5件受けたりなどして、増えているものでございます。件数も、7件が18件ということになっております。
 最後に、純資産で、昨年度の貸借対照表ですとここが割と大きかったのですが、今年度は287億円で、減価償却費の影響や、中期の初年度であるために過年度からの積立金がないことというようなことで、昨年度に比べて23億円ほど少なくなっております。
 次のページが損益計算書でございます。一つの事業年度に属するすべての費用と、これに対応するすべての収益を記載しているものでございまして、ここの経常費用の研究業務費といっているのが主に8研究センター分で出ていったもの。一般管理費は、主に管理部門3部で出ていったお金ということで、役員の報酬から始まって同じような項目が並んでおります。
 経常経費の合計が昨年度に比べますと8.5億円ほど増えておりますが、これは主にエコチル調査関係の予算額が15億円増えたことが反映されております。
 下から二つ目に前中期目標期間繰越積立金取崩がございますが、これは2期の積立金残高のうち3期の財源として承認を受けたものが1億5,400万円ありまして、このうち、資産の減価償却費や繰越事業に充てるため7,900万円を取り崩したものです。
 最後に、当期総利益ですけれども、これが7,700万円ほどございますが、固定資産の減価償却費やファイナンスリース取引などによるもので、毎年、計算上出てくるようなものになっております。 次が、キャッシュフロー計算書でございます。
 これは、キャッシュの出入りの状況を、業務活動、投資活動、財務活動という区分毎に表示したもので、資金期末残高の42億607万円というのが貸借対照表の左側の一番上の現金及び預金に一致するものになっております。
 次が、行政サービス実施コスト計算書で、これは独立行政法人独自の計算書類ですが、損益計算書の項目の差し引きなどを行って、最終的には国民の負担に期すべきコストを集約する書類ということになっております。説明は省略させていただきます。
 続けて、重要なところだけ端折ってまいりますが、7ページ、10の2)のところで、22年度の処理なのですけれども、11億7,400万4,804円を国庫に納付いたしました。
 それ以外ですと、10ページで資産除去債務を説明しておりまして、アスベストの除去費用と放射性同位元素のRI区域内の処理の費用ですが、23年度のRI棟改修工事の実施により減少しております。
 理事からも説明がありました関連公益法人との関係は、14ページ、15ページにどういう状態かということが書いてございます。
 以上でございます。

【小池部会長】 ありがとうございました。
 今、二つご説明いただきましたけれども、合わせまして、これについてご質問をどうぞ。

【西間委員】 震災関連のことですけれども、資料2の48、49のところに当たりますけれども、研究所の中に震災関連の研究エリアというスペースをつくられて、かつ、今度は、次に福島県がやるであろう復興センター、そういう構造物の中にも何か足場になるような、国環研の出張所みたいなものを作ろうということでしょうか。
 そして、もしもそうであれば、どういう構想で、どういう関連で作ろうとされているのでしょうか。

【鏑木国環研理事】まず、所内でございますけれども、所内のスペースは、前処理をして、それをゲルマニウム半導体測定器に入れる、測定したものをまた持ち帰って保管する。それだけのエリアしか今はございません。
 もっと、例えば、葉っぱについているようなものを濃縮するために焙焼しなければいけないとか、あるいは、ねずみを解剖するとか、そういうようなことをやろうと思うと、若干、今の施設ではうまくいかないかもしれない、というか、一般エリアで持っている設備でやらないとうまくいかないというようなこともありまして、現地で解剖して、知りたいものだけをつくばに持って帰ってくるというようなことができるような場所があるといいなということで考えております。
 ただ、福島の復興センター構想と連携して書かせていただいておりますけれども、連携するといっても、その中に入る前提で今必要な足場をつくるということですと遅くなってしまうものですから、まず、今時点で使えるような場所を探して、そこで第一段階でやるという意味での足場を早急につくりたいということを進めようとしております。

【西間委員】 そうすると、放射線の関連で、この国環研にどのようなミッションを国として与えるかというところは、いまだにはっきりしていない。それは、国環研がかなり独自に研究費の中で動いているという状況ですか。それとも、はっきりと今後の道筋が、ほぼ立ちつつあるのでしょうか。

【鏑木国環研理事】これは、いささか走りながら考えるという面もあるかもしれませんけれども、運営費交付金で、新たに廃棄物の関係では3億円のお金をちょうだいしまして、これは、はっきり国環研でこういうミッションでやりなさいということで運営費交付金をちょうだいしたものでございます。
 それから、7億円の環境省からの研究委託費をちょうだいしておりまして、これは環境省で「これこれこのような研究をやる人はいないか」といって、国環研が受託したという、そういう形になっておりまして、解剖するような場所を福島に足場として設けて効率を上げようというのは、その研究の方になります。

【小池部会長】 ほかに、よろしいですか。
 今の関連で、ちょっとお伺いしたいのですけれども。
 こういう、今回のような放射線を持ったようなもののサンプルの処理とか、そういうことの場合、従来ですとRI施設で規制を受けたところでやるということになっていますね。
 今回の場合は環境研として自主的にやられているのですか。それとも、何かの法的な規制がもうかかっているのでしょうか。

【鏑木国環研理事】これは、RI法の規制がかかったエリアの外で震災放射線研究エリアというのをつくりまして、そこでRI法並みの管理を自主的にやっているという形で今は進めております。
 いざRI法で対象にするという話になったときに、何をやっていたんだみたいな話にならないようにということと、それから敷地内の汚染が、万が一にもあってはいけませんということから、環境の放射能も測って進めております。

【小池部会長】 しかし、これはなかなか大変ですね。
 ほかに、どうぞ。

【沖委員】 資料2の省エネルギー等の取り組み、52、53を拝見させていただいていて、非常に上手に、カットをなさっていらっしゃると感心しております。
 お聞きしたいのは、53ページのところに、平成22年度、平成23年度の実績では少し研究活動がとまったことが関係していると書いていらっしゃるのですけれども、この辺は非常に重要なところだと思うのです。ちょっとご説明いただければありがたいのですが。

【鏑木国環研理事】これは、平成22年度末、3月11日以降はしばらく、とにかく東京電力からの電気が来ないというようなタイミングがございました。
 さらにその後、所内の電気を通してよいかどうかというチェックをしなければならぬという期間がございました。
 さらにその後に、通してよいのだけれども、実際に電気を通してみても装置が動かない、壊れていたということで、それを交換しなければいけないとか、あるいは、建物そのものが被災しているために、その建物を使えなくしなければいけないというようなこともございました。
 そういったことのすべての合計でというような意味で書かせていただきまして、これの内訳がどれだけのキロワットかというのは、今、数字は持ち合わせていないのですけれども、研究というか、活動ができなかった時期があるという話でございます。

【大垣国環研理事長】 一つ象徴的なのが、例えば、スーパーコンピューターを真夏の間、一か月間とめたというようなことがございます。
 それは、どれだけ使うかわからないので、去年の夏は事前に対応しないといけませんでしたので、大口であるスパコンをとめる。そうすると、当然、その間、スパコンを使う研究はとまってしまう、そういうこともありました。

【沖委員】 そうすると、今後のことなのですが、省エネ対策というのは、平成22年、平成23年と違った形で考えざるを得ないというふうになるのでしょうか。

【鏑木国環研理事】今年度も、節電のアクションプランというのをつくりまして、取り組むことにいたしております。
 昨年度並みに努力をしよう、せっかく節電体質になったのならば、それを維持しようというようなことなのでございますけれども、スパコンは完全にとめてしまうとやや困るということが昨年度わかったものですから、それは完全にとめないで、ノードを落として、やれることはやろうというようなモディファイをした上で、やることにしております。

【小池部会長】 ほかに、いかがでしょうか。よろしいですか。
 はい、どうぞ。

【松尾委員】 財務諸表の中で、未収金というのと未払金とありますね。これは、なぜ、こんな大きな未払金を残しているのかとか、未収金というのはどういう種類のものなのか。
 環境研にとっての未収金になるのかというのは、これは誰かが払ってくれない、国が払ってくれないのですか。

【笠井国環研総務部長】 未収金は、相手方の精算払のため3月31日時点でお金が入ってこないというものです。

【松尾委員】 払う方は。

【国環研事務局】 払う・払わないという意志の働いている問題ではなくて、払う方については、3月末までに納入等がされていて、支払が先にあるというのは未払金になりまして、未収金の方は、部長から申し上げたとおり、環境省からの委託が主なのですけれども、3月末までに終わっていて、精算払が4月になるということで、年度末の3月31日時点で切ると未収や未払ということが生じるということです。

【笠井国環研総務部長】 債権債務が発生しているのですけれども、年度末の3月31日で切ると、お金が動いていないというのがこういう形で出てくるということです。

【松尾委員】 わかりました。

【小池部会長】 結局、これは、取りはぐれることはないわけですよね。

【笠井国環研総務部長】 国からの委託、請負等が主ですので、取りはぐれることはありません。

【小池部会長】 ほかに、よろしいでしょうか。

(はい)

【小池部会長】 それでは、ほかにご意見がなければ、業務実績報告書に関しての議事は、これでおしまいにしたいと思います。
 次に、総合評価の評価比率について、事務局からご説明をお願いいたします。

【長坂環境研究技術室長】 それでは、ご説明させていただきます。
 最初に、おわび申し上げますが、資料1別紙の説明を私が忘れてございまして、こちらも評価に際して参考にしていただく資料でございますが、こちらは平成22年度の業務実績評価、まさに、この部会で昨年やっていただいた評価が書いてございまして、それに対して国環研が平成23年度どのように対応したかということがまとめてある資料でございます。
 こちらの方も、これからやっていただく平成23年度評価の参考にしていただければと思います。どうも失礼いたしました。
 引き続きまして、資料3の説明をさせていただきますが、もう一つ、お手元にある参考資料1というものがございまして、資料6の後ろにあると思いますが「独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針」というものでございます。
 これにのっとって評価を実施していただくわけでございますが、この2ページのところに評価基準というのが書いてございまして、S、A、B、C、Dの5段階評価の考え方が書いてございます。
 そして、3ページの方に、評価項目ごとに重みづけをした総合評価の考え方というのが定められていまして、このイの部分に「評価比率は、各年度の事業実績評価を行う際に開催する最初の部会において決定する」というふうにされてございます。
 その案が、本日の資料3になります。
 資料3でございますが、こちらの評価比率を案として、今、提出させていただいておりますが、こちらは、考え方といたしましては、平成21年7月の時点で開催しています第18回国環研部会に、この総合評価をするに当たりまして、この比率を一度決定しておりまして、当時の考え方といたしまして、この第1の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項につきましては、国環研の大きな使命であるということから重きを置きまして70%としておりまして、その細目がございますが、それをめくっていただいて、3ページに第2がございます。
 第2の業務運営の効率化に関する事項につきましては、独法が設立された当初から業務運営に厳しい目が向けられているということから15%、さらに、ここでは財務の効率化というのが、実は後ろの第3にあるのですが、実は少し項目がダブっていますので、合わせまして25%としております。
 そして最後に、第4のその他の部分につきまして5%というふうに、これは平成21年の時点で決めた配分比率がございまして、毎年これと同じ比率でやらせていただいているというものでございます。
 今回の案も、前年度と同率ということで案をつくらせていただいてございますが、今回は、新たな第3期の中期目標、中期計画ということで、左側の柱立ての中身が若干変わってございますが、基本的には前年度と同じ考え方によってこの比率等の割り振りというのをさせていただいております。こちらにつきまして、内容の確定をしていただければと思います。よろしくお願いいたします。

【小池部会長】 ただいまご説明がありましたように、これは前に決めていただいた70%、25%、5%の比率を、今回も同じような比率でやりたいということですけれども、これに関していかがでしょうか。よろしければ、それをお認めいただきたいと思いますけれども。

(異議なし)

【小池部会長】 ありがとうございました。
 それでは、この評価基準は、資料3に書かれている原案どおりということにさせていただきたいと思います。
 続きまして、資料4の業務実績評価シート及び資料5の今後の予定について、事務局からご説明をお願いします。

【長坂環境研究技術室長】 それでは、資料4と資料4-2についてご説明させていただきます。
 こちらの資料4は、この業務実績評価シートが各委員の先生方に実際に作業していただくシートでございます。
 こちらは、1ページ目の一番上に項目を書いてございますが、一番左に中期目標が書いてありまして、その次に中期計画、そして平成23年度の年度計画。そして、次に評価項目及び評価の方法・視点等ということで、ここに項目としてあるのは、資料3に書いてある項目をそのまま書き写してございます。
 こういった項目ごとにつきまして、評価のS、A、B、C、Dと、その理由、根拠等のコメントを一番右の欄に書いていただくということで、そのカラムに少し色がついてございますが、この色がついている部分について、各委員にS、A、B、C、Dを入れていただき、それに対するコメントをつけていただくという構造の仕様になってございます。ちなみに、一番上にお名前を書く欄がございます。
 こちらにつきましては、別途、電子ファイルをお送りさせていただきますので、それに書き込んでいただくという形で作業をお願いしたいと考えております。基本的に、これは昨年やっていただいたものと全く同じものでございます。
 それから、資料4-2でございますが、こちらの資料4-2は、実は資料1-1の(2)に対応している資料でございます。昨年度、政独委がこの国環研部会の評価に対して行った評価に対して、今度、国環研がどのように措置を講じたかということをまとめたものでございます。
 項目としては、内部統制の充実・強化ということ、それから基本方針への対応ということ、それから裏面にいきまして震災関連でございまして、震災関連で国環研が行った業務は法人本来のミッションによるものなのかどうかということと、あと、その震災の影響で未達成となった業務と震災との関係ということを精査せよと。こういったことが政独委の方から、チェック項目のような形で、そういうことも評価してねということで昨年いただいておりますので、これに対して国環研の講じた措置がございますので、この評価委員会において評価して、政独委の方にこちらを報告したいと考えてございます。
 これは、昨年も同じように4-2というような資料をつくって、実は、これは明確に求められてやっているものではございませんが、政独委の指摘に対して、より正確に、誠実にお答えしようということでエクストラの評価シートとしてつくっているものでございます。こちらの方に評価のコメントを書いていただければと考えているところでございます。
 さらに、引き続きまして、これに関するスケジュールでございますが、資料5をご覧ください。
 資料5で、次回の国環研部会でございますが、8月20日に開催するということで予定してございまして、ここで平成23年度の評価の取りまとめを行いたいと思ってございます。
 その間のスケジュールが書いてございますが、評価に当たって、さらに追加の質問等がございましたら、これは五月雨でも構いませんので事務局にいただければ。なるべく7月15日までにいただければと考えております。
 質問等も踏まえまして、先ほどご説明した資料4と4-2につきましては、7月25日までにメールで送信いただければと考えております。
 そして、いただいた評価シートをもとに評価報告書の素案を事務局で作成いたしまして、一度、8月3日を目途にして委員の先生にお送りさせていただきたいと思います。
 そして、8月8日までに、それに対する意見をさらにいただいて、それをさらにまとめて、最終的に、8月20日の次回の国環研部会において、ここで評価の確定をしていただくということを考えております。

【佐和委員】 8月20日というのは、金曜日と書いてありますが、僕のカレンダーでは月曜日ですが。

【長坂環境研究技術室長】 失礼いたしました。8月20日の月曜日でお願いいたします。
 資料の説明は以上でございます。

【小池部会長】 よろしいですか。今ありましたように、資料4と資料4-2の評価票の提出は、7月25日までにお願いしたい。

【長坂環境研究技術室長】 メールでお願いいたします。

【小池部会長】 メールでお願いいたします。
 これは、ファイル化したものを送っていただけるのですか。

【長坂環境研究技術室長】 すぐに、各委員にお送りさせていただきます。

【松尾委員】 4-2の裏の方ですけれども、要するに、「震災対応が本来のミッションによるものか否かについて評価を行うことが必要である」。これに対する答えとして「環境大臣等には相談した」ということだけど、中期目標、中期計画まで、この震災対応のものがミッションの中に入ってくるのか。それと、別枠だけれども、大臣と直接話をして環境研のミッションになっているのだと、どういう位置づけで考えたら、これはいいのですか。

【長坂環境研究技術室長】 私ども環境省の理解としては、放射性物質であっても、先ほども説明がありましたが、環境汚染だということでございまして、その中期目標、中期計画に、具体的に放射線等は書いてございませんが、それを直さずとも、国環研のミッションとして、それは含まれているというふうに理解しております。

【松尾委員】 我々、部会の委員の評価というのは、特に、そのとおりだというのか、どういうことを書くことが期待されるのか。

【長坂環境研究技術室長】 もし、その理解がおかしいという理解をされる委員の先生がおられたら、そういうふうなのかもしれませんが。環境省の理解としては含まれている。

【小池部会長】 聞いていることが、本来のミッションであるか否かについて評価しろという書き方ですよね。

【長坂環境研究技術室長】 はい。

【小池部会長】 でも、本来のミッションだというふうに、もう考えるというふうに。

【松尾委員】 本来というのは、何ですか。

【小池部会長】 本来というのは。

【花木委員】 法律というよりは、理念から見てというのであればイエスなのでしょうけれども、法的に見るとどうかとか、何かその辺は難しい。

【小池部会長】 答えるのが難しいような気がする。

【大垣国環研理事長】 確かに、この読み方は別にして、年度計画には反映させました。大本の中期計画はそこまで遡りませんけれども、年度計画では、この震災を受けた後、震災対応を位置づけております。

【小池部会長】 ということは、環境研のミッションの中に、年度計画的にはもう入っていることをやったということになりますよね。そうすると、そういうふうに、こちらとしては判断して書けばいいと。
 これは、皆さんが書かなければいけないのですか、それぞれが。何か、みんな、これで言っていることが違ってくると、話がややこしくなるのですけれども。

【松尾委員】 この4-2については環境省の方で案を作成してもらって、評価委員の個人的評価というよりは統一見解でいった方がいいかもしれませんね。

【長坂環境研究技術室長】 そのようなやり方でよろしければ、事務局の方で原案を作成させていただいて、各委員にご覧いただくという方法でもよろしいかと思います。

【小池部会長】 そうですね。恐らく、これよりも前の4のところで、震災関連のいろんな環境研の活動に関しては評価がされると思うのです。先ほど、理事長が説明をいろいろとされましたので。
 ですから、ここでまたそれを取り上げていろんなことを書き始めると話がややこしくなるので、できたら、文案のようなものをつくっていただいて、それでよろしいかどうかを委員の先生に見ていただくという形でいかがでしょうか。それでよろしければ、そういう形をとりたいと思いますけれども。

【松尾委員】 それでいいと思うのですが、結局、この比率のところの2の研究の構成の中には、東日本大震災の復旧・復興関連の調査研究と入っていて、それが45%だけれども、従来に加えて何かが増えているとすれば、もしかしたら、これをもう少し増やしてもいいのかもしれないという、そういう感じも、さっきこの表を見ながら思っていたのですが。本来業務の中に入っているのであれば、それも含めた評価の中で。
 でも、震災という対応は、この中に出てこないのではないですか、細かいやつの中では。研究の構成のところには震災復興とあるけれども、各分野の20%と書いてあるこの辺についていうと、震災復興というのが項目として上がってこないことになっていますね。

【長坂環境研究技術室長】 そうですね。報告書の方の記述は、私もすべてチェックしているわけではないですが、例えば、資源循環・廃棄物研究分野のところに記述があると思います。というわけで、項目として、確かに特出しはされておりません。

【松尾委員】 これは、分野の活動の中で見なさいと、そういうことですか。

【長坂環境研究技術室長】 そうなります。

【小池部会長】 これは、最後の4-2は、評価ではなくてコメントみたいな形になるわけですよね。

【長坂環境研究技術室長】 そうです。これはコメントになります。

【小池部会長】 これは、SとかAとかというのはつけないものですので。

【長坂環境研究技術室長】 はい。

【小池部会長】 では、そういう形でやらせていただくということにします。
 それでは、その他が残っておりますけれども、資料6です。役員報酬規程の一部改訂で、これも事務局からお願いします。

【長坂環境研究技術室長】 資料6でございますが、役員報酬規程を平成24年3月30日に一部改正してございます。
 独法通則法第52条及び53条によりまして、役員報酬等の支給基準を改正したときは、環境大臣に届出、評価委員会に通知して、評価委員会は支給の基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうか、主務大臣に意見を申し出ることができるとなってございます。
 資料6でございますが、平成24年3月30日の一部改正というのは、この俸給の月額が、今回の公務員給与の改定と連動、同じように減額させていただいたと、こういう内容でございまして、こちらについて、もし何か意見があれば、当評価委員会から意見を言うことができるというものでございます。
 以上でございます。

【小池部会長】 これに関しては、よろしいでしょうか。

(はい)

【小池部会長】 よろしいですね。それでは、この役員報酬支給の基準については、これを認めるということにいたしたいと思います。
 ほかに、事務局からございますでしょうか。

【長坂環境研究技術室長】 次回は、8月20日の月曜日の午後でございます。詳細につきましては、追ってご連絡させていただきますので、ご多忙の中、誠に恐縮ではございますが、ご出席のほどよろしくお願いしたいと思います。
 なお、本日お配りいたしました会議資料ですが、大部でございますので、もしそのまま、委員の皆様のテーブルの上に置いていただければ、これは郵送させていただきたいと思います。
 以上でございます。

【小池部会長】 それでは、本日の会議はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。