第23回環境省独立行政法人評価委員会 環境再生保全機構部会 会議録

日時

平成23年8月23日(火)15:02~15:53

場所

環境省第1会議室

議題

  1. (1)独立行政法人環境再生保全機構の平成22事業年度に係る業務実績評価等について

配付資料

資料1 平成22年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績に係る各委員の評価結果一覧
資料2 平成22年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績の評価書(案)
資料3 平成22年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績評価表(案)
参考資料1 独立行政法人環境再生保全機構の業務実績評価に係る基本方針
参考資料2 平成22年度業務実績報告書
参考資料3 平成22年度決算概要
参考資料4 平成22事業年度財務諸表等
参考資料5 平成22事業年度事業報告書
参考資料6 独立行政法人環境再生保全機構の業務・マネジメント等に関する意見募集に際し、提出された意見に対する対応について

出席者

委員: 西間三馨部会長、有田芳子委員、泉 淳一委員、桑野園子委員、
高橋 滋委員、萩原なつ子委員、松尾友矩委員
環境省 大臣官房 加藤審議官
総合環境政策局 河本総務課調査官
馬場総務課長補佐
環境保健部 水野企画課調査官
環境再生保全機構 湊理事長
正木総務部長

議事

【西間部会長】 ただいまより環境省独立行政法人評価委員会、第23回環境再生保全機構部会を開催いたします。
 本日は委員8人のうち7名がご出席になっておられますので、環境省独立行政法人評価委員会令第6条第1項の規定により、定足数を満たしておりますので成立します。
 それでは、議事に入ります前に、事務局から事務的な内容につきまして説明をお願いします。

【河本調査官】 それでは、まず初めに、大臣官房審議官の加藤よりごあいさつを申し上げます。

【加藤審議官】 審議官の加藤でございます。本日は、お忙しい中、お暑い中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 委員の先生方におかれましては、本当にお忙しい中、機構の業務実績に対する評価を行っていただきましたこと、まずもって御礼を申し上げます。
 本日は、先生方からご提出をいただきました評価を踏まえて、機構の業務実績に対する評価についてご議論をいただくこととなっております。中期目標の達成に向けて、平成23年度以降の機構の業務運営も見据えていただきまして、いろいろご審議の程どうかよろしくお願いします。
 評価委員会からの引き続きで長時間の会議となってしまいますが、よろしくお願いいたします。簡単でございますが、冒頭一言、ごあいさつ申し上げます。

【河本調査官】 では、続きまして、お配りをしております配付資料につきまして確認をさせていただきたいと思います。
 一番上に議事次第がございます。続いて資料番号がそれぞれ右上の隅に打ってございますけれども、資料1というA3の横長の大きな紙がございます。それから資料2といたしましてA4判の縦長のものでございます。それから資料3といたしまして、A3の横長のものでございます。
 以上が資料でございます。あと参考資料が幾つかございまして、参考資料1として基本方針に関するものですが、A4判のものがございます。それから、参考資料2、これは冊子でございますけれども、業務実績報告書として、本編と資料編がございます。それから参考資料3といたしまして、平成22事業年度の決算概要、ホッチキスどめのものでございます。それから参考資料4、財務諸表、冊子でございます。それから参考資料5が事業報告書、これも冊子でございます。それから最後に、参考資料6といたしましてA4の1枚紙がございます。
 以上でございますが、配付漏れ等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。もし、何かございましたら、事務局のほうまでお申しつけいただければと思います。
 以上でございます。

【西間部会長】 それでは、議事に入ります。最初の議題は環境再生保全機構の平成22事業年度に係る業務実績評価等についてであります。
 これにつきましては、各委員からの評価シートを事務局で取りまとめまして、評価書として部会長案を作成いたしました。これについて各委員からのご意見を伺いたいと思います。
 それでは、評価書の部会長案について、事務局のほうから説明をお願いします。

【河本調査官】 それでは、最初に参考資料6についてご説明させていただきたいと思います。参考資料6でございますが、独立行政法人環境再生保全機構の業務・マネジメント等に関する意見募集に際して、提出された意見に対する対応についてというものでございます。
 独立行政法人整理合理化計画においては、独立行政法人の評価の際には、業務・マネジメント等に係る国民の意見募集を行うというふうにされており、機構の業務実績報告書を環境省のホームページに掲載し、7月19日から7月29日までの間、意見募集を行いましたところ、1件の意見が寄せられました。
 掲載及び結果につきましては、既に委員の皆様方にメールにてご連絡をさせていただいておりますので、説明につきましては省略をさせていただきます。
 それでは、まず、資料1をご覧ください。これは各委員よりご提出をいただきました評価シートを一覧の形で取りまとめをさせていただいたものでございます。この資料1につきましては、後ほど、転記による誤謬等がないか、各委員にご確認をいただきまして、必要がありましたら、事務局において訂正等をいたしまして、最終的に一覧として確定をさせたいと思います。
 それから、資料1の一番後ろのページには縦長になってございますけれども、各委員から提出をいただきました評価をまとめて整理したものがございます。これは参考資料1に機構の業務実績評価に係る基本方針がございますが、こちらに基づく総合評価における評価比率に基づいて整理をさせていただいたものでございます。
 それから、続きまして、資料2をご覧いただきたいと思います。こちらは平成22年度の独立行政法人環境再生保全機構の業務実績の評価につきまして、各委員から提出をいただきました評価シートを踏まえて、平成22年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績の評価書の案として作成したものでございます。
 それから、次の資料3でございますが、これにつきましては、資料2と同じ内容を、一番右側の評価という欄に記載しておりまして、これを中期目標、中期計画、22年度の業務実績と対比する形にしたものでございます。
 それでは、資料2に戻っていただきまして、ご説明をさせていただきたいと思います。
 資料2の一番上に案とございます。平成22年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績の評価書と書いたものでございます。
 まず、1ページから4ページについてでございますが、これは総合的な評価となりますので、最後にまとめてご審議をいただくことといたしまして、5ページ以降の事項別評価のところを読み上げる形でご説明をさせていただきまして、その後、ご審議をいただくということでお願いしたいと思います。
 それでは5ページでございますが、<1>の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項について、一通り通しで読み上げさせていただきたいと思います。
 事項評価は後ほど読ませていただきます。
 まず、公害健康被害補償業務、評価Aと書いたところでございます。
 1.汚染負荷量賦課金の徴収(評価A)。未申告督励、実地調査、委託事業者の指導等的確な徴収業務が行われ、99%以上の高い徴収率が維持されている。
 虚偽申告等の不適切な事案を未然に防止し、適正・公正な賦課金申告に資するため、昨年度より3事業所多い62事業所に対し実地調査を実施、適正な申告について指導し、成果を上げるなど、実地調査は的確に行われている。今後は、効果的な実地調査の実施に向けた取り組みがどのようにされているかについて、業務報告書等に明らかにされることが望まれる。
 徴収業務に係る委託費については、民間競争入札の活用等により、平成20年度比8.46%の削減を実現し、委託費削減の目標が超過達成されている。
 また、全国で納付義務者への説明会を開催し、申告書の作成や算定方法等の説明・指導が行われている。さらに、説明会におけるオンライン申告に関する説明を充実させるとともに、オンライン申告に関するホームページの機能を改善し納付義務者の利便性の向上を図るなど、オンライン申告の推進に努めた結果、オンライン申告の比率が全体の38%となっている。より一層の業務の効率化を図るためには、今後ともオンライン申告を強力に推進する必要がある。
 次のページでございます。2.都道府県等に対する納付金の納付(評価A)。都道府県に対する納付金の納付を確実に行うとともに、業務システムの改良、現地指導の強化、オンライン申請の推進等により、事務処理の効率化が図られている。特にオンライン申請については、中期計画に定めた70%を超えている。しかしながら、未導入の理由を詳細に分析し、全ての都道府県がオンライン申請を導入するようさらなる努力を期待する。また、昨年度に引き続き新型インフルエンザ予防接種について迅速に対応したことは評価できる。
 続きまして、公害健康被害予防事業でございます。評価A。
 1.収入の安定的な確保と事業の重点化(評価A)。運用環境が引き続き悪い中で、運用方針に基づき、有利かつ安定的な収入の確保が行われている。しかしながら、一部の金融商品については、特定の条件下では利息収入が得られないため、今後は金融商品の選定について見直す必要があると思われる。
 行政刷新会議の指摘を踏まえ、予防事業としての役割が減少した事業の一部廃止、ぜん息患者のニーズに基づく新たな事業の創設等、ぜん息患者・地域住民の健康の確保・回復に繋がる事業への重点化を行うことができている。
 2.ニーズの把握と事業内容の改善(評価B)。行政刷新会議の指摘を踏まえ、患者団体等へのヒアリング調査を実施し、最新のニーズの把握を行い、新たな事業が創設された。また、事業参加者へのアンケート調査等から患者等の満足度やニーズを的確に把握し、事業内容へ反映させ、事業の改善が図られている。しかしながら、研修事業など参加者の数は必ずしも十分に大きいとは言えず、事業参加者へのアンケート調査においては、特定の傾向を持つ調査結果に収れんする可能性が危惧され、参加者数の増加が必要である。
 次のページでございます。3.調査研究(評価A)。調査研究を公募により実施し、評価委員会の事後評価がなされており、適切に実施されていると思われるが、テーマの固定化等を排除する観点から事業実施における公開性の確保が重要である。
 平成21年度会計検査報告で指摘された調査研究に係る不適切な経理処理については、現地調査を実施するとともに、委託研究者を対象とした説明会において調査研究費制度の周知徹底を図るなど、様々な方法により適切な対応がとられている。
 調査研究の成果として保有している特許については、調査研究終了時に受託者が出願費用を負担して出願したために権利が発生したものであり、現在のところ直ちに収益化する見込みはないとのことであるが、引き続き収益化の可能性について確認する必要があると思われる。
 4.知識の普及及び情報提供(評価A)。パンフレットの作成、講演会の開催、ホームページの活用等により情報提供や知識の普及に努め、参加者へのアンケート調査では高く評価されている。また、行政刷新会議の指摘を受けてエコカーフェアー等の事業を廃止したことは評価できる。
 しかし、参加者数から見ると、未だ不十分であり、今後も参加者増加に対する対策が必要である。
 また、情報化の中で、広報等については、インターネット等の活用に重点を移行する等、最適な広報媒体の選択についての検討がされることが望まれる。
 5.研修の実施(評価A)。行政刷新会議の指摘を含め、適切に研修内容の改善等が図られており、受講者からの評価も比較的高いが、その受講者の数は必ずしも多くはない。受講者数の伸び悩みに対する対策は今後の重要な課題である。
 次のページにまいります。6.助成事業(評価A)。環境保健分野に係る助成事業については、健康相談事業、健康診査事業、機能訓練事業等地域住民のぜん息等の発症予防及び健康回復に直接つながる事業に重点化が図られている。また、大気環境の改善分野に係る助成事業については、行政刷新会議の指摘を踏まえ、予防事業としての役割が減少した最新規制適合車代替促進事業を廃止するなど、社会情勢を勘案しつつ事業の重点化が図られている。
 続きまして、地球環境基金業務でございます。評価A。
 1.助成事業に係る事項(評価A)。助成期間(原則3年)を厳守することにより助成先の固定化が防止された。地球温暖化防止・生物多様性保全等の国の政策に基づく重点分野に助成を行い、海外においてもアジア太平洋地域での助成活動に重点化されている。また、第三者委員会による事後評価結果を、助成金募集要領に反映させるとともに、評価結果がホームページで公表されている。さらに、申請書類の電子データをホームページ上で公開するなど申請者の利便性が高められている。
 今後とも、助成事業の重点化、事後評価結果の活用並びに事務処理の効率化による利便性向上が図られることを期待する。
 2.振興事業に係る事項(評価A)。当年度から3年計画で、環境NGO・NPOの活動を調査する事業を開始し、当年度は2,186件の団体情報を収集することができている。なお、昨年度収集したデータについては、ホームページ上で公開している。また、研修参加者からのアンケート調査により、研修ニーズの把握に努め、意見・要望を研修や講座に反映させ、参加者から高い評価が得られている。しかしながら、参加者数の少ないものもあり、今後とも、NGO・NPOの活動の調査結果及びアンケート調査を踏まえて研修内容を一層充実すべきである。
 次のページでございます。3.地球環境基金の運用等について(評価A)。基金の運営において、民間からの寄附総額の維持に努めており、その広報等を含めた努力は評価できる。しかしながら、昨年度と比較して寄附金額が減少しており、地球環境基金に相応しい寄附金等の獲得に今後も努める必要がある。額の拡大につながる具体策が、検討され実施されることが望まれる。
 続きまして、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金による助成業務でございます。評価A。助成業務を適正に実行し、助成金の交付状況がホームページで公表されている。また、昨年度の当委員会からの指摘に基づいたホームページの改善が着実に実施されており評価できる。
 続いて、維持管理積立金の管理業務(評価A)。資金運用を含め、積立金の管理を適正に行うとともに、積立者に対する運用利息額等の通知が適切に実施されている。
 続きまして、石綿健康被害救済業務でございます。評価A。
 1.救済制度の広報の充実、申請者等への相談の実施(評価A)。対象ごとに効果的な媒体が選択され、適切な形で広報がされている。また、指定疾病追加の政令改正施行日に向け集中的な広報が行われていることは評価できる。
 2.制度運営の円滑化等(評価A)。認定患者等のニーズをアンケート調査により的確に把握し、その結果により広報や申請・認定・給付手続を改善するなど、制度の運営改善に向けた努力、制度全体についての見直しの努力が適切にされている。また、認定状況をホームページで公表するなど、情報公開が積極的に行われている。
 また、3月11日に発生した東日本大震災に関して、被災地域に在住する認定者等の安否確認を行うとともに、認定者が書類を紛失した場合でも通常どおり受診できるよう関係者に通知するなど適切な対応がなされている。
 3.認定・支給の適正な実施(評価A)。新認定・給付システムが円滑に本格稼働となり、各事案の処理状況についてリアルタイムで把握することが可能になるなど、申請から認定・支給までの業務期間の短縮が図られている。また、石綿救済制度が発足してから5年が経過し、認定の更新時期を迎えたことから、申請漏れにより当該認定の更新を受けるべき者がその資格を失うことのないよう認定の更新時期等について周知徹底を図るとともに、申請書等の未提出者に対する督促を確実に実施したことにより、漏れなく更新手続が完了できている。
 4.安全かつ効率的な業務実施体制の構築(評価A)。新認定・給付システムが円滑に本格稼働となり、業務の効率化、個人情報の管理など情報セキュリティが向上するなど、情報管理システムが適切に運用されている。
 5.救済給付費用の徴収(評価A)。拠出金は、適正かつ円滑に徴収・収納されている。
 6.救済制度の見直しへの対応(評価A)。指定疾病の追加について、手引き改訂、保健所説明会の実施など適切に対応されている。
 ここで5ページに戻っていただきたいと思います。ここの事項の評価でございますが、<1>の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項についての評価でございます。
 以下に示すとおり、各業務において適正な運営が図られ、それぞれの業務について、適切に成果を上げていると判断し、A評価とする。
 <1>番については以上でございます。

【西間部会長】 ありがとうございました。それでは、<1>の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項につきまして、委員からご意見がございましたらお願いします。

【馬場課長補佐】 すみません。その前に、一点だけ時点修正が反映されていない箇所がありましたので訂正させていただきたいと思います。
 8ページでございます。地球環境基金業務の2番のところですけれども、一番頭のところに、「当年度から3年計画で」と書いているのですが、これは一昨年度、平成21年度から実施しておりますので、「当年度」のところを「平成21年度から3年計画で」ということで修正させていただければと思います。申し訳ございません。事務的ミスでございます。

【桑野委員】 調査研究の事後評価ですけれども、8ページの地球環境基金のほうでは、事後評価を行った結果を助成金募集要領に反映させる等々のご説明があるのですけれども、7ページのほうの調査研究のほうでは、ただ事後評価がなされているとだけ書かれております。ここは何か具体的に事後評価をどのように活用されているのか、入れたほうがいいのではないかと思いますが。

【馬場課長補佐】 参考資料の2番の業務実績報告書の、17ページの真ん中ぐらいのところ、(2)調査研究の評価、結果の公表というところに、[3]、平成21年度の調査研究成果を機構ホームページで公表するとともに、調査研究成果書を作成し、関係地方公共団体に配布したというのが、研究成果の一般への公表、活用になっておりますので、付記するとすれば、ここの言葉を一部引用してつけ加えるのがよろしいかと思いますが、いかがでございましょうか。

【西間部会長】 そうしましたら、どこの行に、どのようにつけ加えますか。

【馬場課長補佐】 7ページの3番のところ、評価委員会の事後評価がなされておりの後に、「研究成果を機構ホームページで公表するなど」を加え、適切に実施されていると思われるが、というような形にさせていただけたらいかがかと思います。

【西間部会長】 桑野委員、それでよろしいですか。
 それでは、ほかにはありますでしょうか。

(なし)

【西間部会長】 それでは、今の意見を取り入れて若干の追加をさせていただきまして、この<1>に関しましては、これで確定したいと思います。
 もう一つありますか。どうぞ。

【桑野委員】 字句のことなのですけれども、9ページの一番下の行と、それから下から3行目に、「また」、「また」と続いておりますので、二つ目の「また」はとってもいいのかもしれませんがいかがでしょうか。

【西間部会長】 では、「また」は一つにしましょう。
 それでは、<2>をお願いします。

【河本調査官】 それでは11ページからご覧いただきたいと思います。<2>の業務運営の効率化に関する事項でございます。
 1.組織運営の効率化(評価A)というところから読み上げさせていただきます。
 予防事業部において、ぜん息患者の健康管理等を環境保健事業に重点化を図る目的で組織の改編を行い1課削減したことは、組織の効率化の観点から評価できる。
 各部における共通した業務の一元化については、資金の管理・運用の一元化に向けた検討が進められている。
 内部統制については、以下に掲げる施策を実施し、適切に対応しているが、リスク管理等については、社会情勢の変化を踏まえた見直しを今後とも継続する必要がある。
 [1]内部統制を有効に機能させるため、新たに「内部統制基本方針」を策定し、研修等を通じて役職員に周知徹底を図るなど、理事長がリーダーシップを発揮できる環境を強化した。また、内部監査体制を強化するため監査室に専任の職員を配置した。
 [2]理事長は、理事会(理事、部長が出席)をはじめ、コンプライアンス推進委員会等の各種委員会及び内部監査等を通じて組織にとって重要な情報の把握に努めた。また、年度初め等の節目節目に全職員に対して法人のミッション等について訓示を行った。さらに、全職員を対象とした少人数の意見交換会を開催し、法人のミッション等の周知徹底を図るとともに、情報・伝達経路が正常に機能しているかの確認を行った。
 [3]「内部統制基本方針」に基づき、リスク管理委員会を新たに設置、組織で取り組むべき重要な課題(リスク)の見直しを実施するとともにリスクへの対応を検討した。
 [4]監事監査において、重要項目の一つとして内部統制に着目した監査を行い、監査の結果は監事所感により理事長へ報告された。
 次のページでございます。電子メール添付ファイルの暗号化が実施され、情報セキュリティ体制の強化が図られた。
 2.業務運営の効率化(評価A)。業務の効率化等の努力の結果として、一般管理費及び業務経費の削減率が超過達成となっている。引き続き事業の外部委託等、経費の削減に努力することが望まれる。また、随意契約の見直し等の努力についても評価できる。他方、人件費の対国家公務員比が依然として高く、是正への努力をこれまでよりも高める必要がある。
 3.業務における環境配慮(評価A)。電気使用量が計画以上に削減されたことにより、温室効果ガスも計画以上の削減が図られている。また、環境報告書を作成するなど、適切に実施されている。
 11ページの頭のほうに戻っていただきたいと思います。この事項についての評価でございます。
 <2>.業務運営の効率化に関する事項。以下に示すとおり、組織運営の効率化、業務運営の効率化、経費の効率化・削減及び業務における環境配慮について、適切に成果を上げていると判断し、A評価とする。
 <2>番については以上でございます。

【西間部会長】 それでは、<2>の事項につきまして、委員から何かご意見ございますでしょうか。特にございませんか。

(なし)

【西間部会長】 それでは、ご意見がないようですから、これをこのまま確定するということになります。
 では、続きまして<3>の財務内容の改善に関する事項です。

【河本調査官】 それでは13ページでございます。<3>.財務内容の改善に関する事項でございます。
 まず、1の財務の状況でございますが、評価A。平成22年度の総利益は16億円であり、その主な要因は、公害健康被害補償予防勘定における経費の削減等〔0.5億円〕と承継勘定における利息の収支差等〔15億円〕によるものである。
 利益剰余金は、前年度末の95億円に対して、平成22年度は、繰越積立金取崩額0.3億円、当期積立額16億円を計上し、当期末残高は111億円となっている。
 2.承継業務に係る債権・債務の適切な処理(評価A)。平成22年度末の正常債権以外の債権残高は、個別債権ごとの管理の強化により、349億円と前年度末に比べ33億円減少した。その主な要因は、回収が36億円、貸倒償却が10億円である。
 サービサーの新規委託については、当年度3億円の新たな委託を行い、中期目標に対する達成率は75%となっている。
 景気の悪化にもかかわらず、計画的な債権回収が進められており、サービサー等の利用も適切に行われている。今後とも個別債権管理を厳格に行い、回収を強力に推進すべきである。
 なお、東日本大震災に関しては、被災地に所在する債務者に対して現地調査を実施するなど現状把握に努めている。今後とも継続して現状把握に努め適切に対応する必要がある。
 3.短期借入金の限度額(評価A)。計画的かつ機動的な資金管理により、限度内での借入れを行い、財投借入金等の償還が円滑に実行されている。
 次のページでございます。4.重要な財産の処分等に関する計画(評価B)。戸塚宿舎の処分について、処分に向けた作業を進めていたが、東日本大震災の影響で中断している。期限までの処分に向けた適切な対応を期待する。
 13ページに戻っていただきまして、全体の事項評価でございます。<3>の財務内容の改善に関する事項についての評価でございますが、以下に示すとおり、財務の状況、承継業務に係る債権・債務の適切な処理、短期借入金の限度額について、適切に成果を上げていると判断し、A評価とする。
 <3>番については、以上でございます。

【西間部会長】 この<3>の事項について、委員の方々から何かご意見ございましょうか。

(なし)

【西間部会長】 ありませんか。では、確定させていただきます。
 では、続きまして<4>を、お願いします。

【河本調査官】 それでは、15ページでございます。<4>のその他業務運営に関する重要事項でございます。
 1.人事に関する計画(評価A)。事業管理部において事業分担等を見直すとともに職員1名が削減された。また、職員の資質向上のため階層別研修を新設するとともに、人事評価制度に基づく昇給・賞与額の決定等が行われている。
 常勤職員の削減目標を達成し、その他、適切な人事管理が行われている。
 2.積立金の処分に関する事項(評価A)。業務財源に必要な金額を積立金として承認を受け、承認に沿って執行されている。自己収入で取得した固定資産の減価償却はもともと予定された使途であるが、今後は計画に明記することが望まれる。
 これの評価でございます。
 以下に示すとおり、人事に関する計画、役職員の給与水準、その他の中期目標を達成するために必要な事項について、適切に成果を上げていると判断し、A評価とする。
 <4>番については、以上でございます。

【西間部会長】 この<4>の事項についてはいかがでしょうか。委員の方々、何かご意見ございますか。

(なし)

【西間部会長】 ございませんようでしたら、<4>もこれで確定させていただきます。

【河本調査官】 それでは、ここまでのところで、一度、ページ番号は入っていないですが、一番後ろの紙を見ていただきたいと思います。表が出ているかと思いますけれども、これまでご説明させていただきました評価に基づきまして評価比率を勘案した評価数値を示してございます。評価比率につきましては、小項目で設定をしておりますので、評価数値につきましては小項目からの積み上げたものというふうになります。
 その結果、合計の評価数値でございますが、一番下のところにありますように、3.85となります。ですので、総合評価としましてはAとしております。
 これをご確認いただきました上で、最後になりますが、評価書の冒頭の概評について読み上げをさせていただきたいと思います。1ページに戻ってくださいますようお願いいたします。
 総合評価Aでございます。
 概評。独立行政法人環境再生保全機構は、平成16年4月に旧公害健康被害補償予防協会と旧環境事業団を統合し、公害に係る健康被害の補償及び予防、環境の保全に関する民間団体の支援、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の円滑な実施の支援、維持管理積立金の管理等の業務を行うことにより、良好な環境の創出と環境の保全を図ることを目的として設立された。その後、石綿による健康被害の救済に関する法律の施行に伴い、平成18年3月から石綿健康被害救済業務が新たに追加された。
 平成22年度においては、年度計画に沿って、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上、業務運営の効率化、財務内容の改善、その他の業務運営に関する重要事項について、十分な成果を上げており、総合的にみて中期目標の達成に向け、適切な業務運営を行っているといえる。
 次のページでございます。業務の質の向上に関する事項。
 公害健康被害補償業務については、補償等に必要な汚染負荷量賦課金の徴収が計画どおり行われている。また、納付義務者や都道府県等に対する的確な指導、利便性の向上への取組及び事務処理の効率化が図られている。
 公害健康被害予防事業については、行政刷新会議をはじめとした外部からの指摘事項等に迅速に対応し、事業の効率的かつ効果的な実施が確保されている。また、事業参加者に対するアンケート調査に基づき満足度やニーズを把握し、事業内容に反映させ、事業の改善が進められている。しかしながら、研修事業においては、参加者の満足度は高いものの受講者数が少ないなど、事業内容の更なる精査が必要である。さらに社会情勢の変化を踏まえた予防事業のあり方についても検討すべきと思われる。
 地球環境基金業務については、国の政策目標等に沿った重点化への取組や、利用者の利便性向上のための努力が認められた。また、助成事業における事後評価が適切に実施されている。なお、募金活動を積極的に実施したことにより、寄附件数は基金創設以来最大となったが、金額は昨年度より減少しており、より一層の努力を期待する。
 ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金業務については、昨年度の評価委員会からの指摘に基づきホームページの改善を行うなど、適切に成果を上げている。
 維持管理積立金の管理業務については、資金の運用、積立金の管理、積立者への運用状況の報告等が、適正に実施されている。
 3ページでございます。
 石綿健康被害救済業務については、救済制度について確実かつ広範な広報活動を実施するとともに、被害者の認定について迅速な処理が行われている。また、指定疾病の追加に適切に対応するなど、着実な成果を上げている。
 続いて、機構の組織・業務の運営に関する事項でございます。
 平成22年度は、業務体制の効率化を行い予防事業において1課削減するなど業務体制の効率化が進められている。また、内部統制基本方針を策定し、理事長のリーダーシップが発揮できる環境整備の強化を実施するなど内部統制機能の強化に向けた取組を行うとともに、情報セキュリティ体制の強化が図られている。リスク管理等については、社会情勢の変化を踏まえた見直しを今後とも継続する必要がある。
 経費の効率化・削減については、一般管理費及び業務経費ともに目標を上回る削減を行うとともに、その増減内容が明らかにされている。今後も、事業の外部委託等、経費の削減に努力することが望まれる。
 「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて(平成21年11月17日閣議決定)」に基づき設置した契約監視委員会による、契約内容の点検が適切に実施されている。また、契約の透明性の確保・相互牽制の観点から契約担当部以外の職員を審査に加えるなど適正な契約事務に取り組んでいる。
 業務における環境配慮については、電気使用量の削減による温室効果ガスの排出削減等に取り組み前年度以上の成果を上げている。また、環境報告書が作成・公表されている。
 4ページでございます。財務内容の改善に関する事項。
 財務の状況については、平成22年度の総利益は、16億円であり、その主な要因は、公害健康被害補償予防勘定における経費の縮減等〔0.5億円〕と承継勘定における利息の収支差等〔15億円〕によるものである。
 資金運用については、資金運営委員会での決定事項を基に、各資金の運用方針を定め、これに基づき、安全かつ効率的な運用が行われている。
 また、承継業務に係る債権・債務の処理については、破産更生債権等の償却処理を迅速に実行するとともに、正常債権以外の債権回収についても目標を上回る実績を上げている。
 さらに、短期借入金については、資金管理を適正に行うことにより、財投借入金等の償還を円滑に行いつつ、その限度額を超えない運用が行われている。
 その他の業務運営に関する重要事項。
 人事評価制度による評価結果を昇給及び賞与に反映させるとともに、常勤職員数を削減するなど人事に関する中期計画の目標達成に向けて着実な取組がなされている。他方、人件費の対国家公務員比が依然として高く、是正への努力をこれまでよりも高める必要がある。
 以上でございます。

【西間部会長】 それでは、今、述べられました概評につきまして、委員からご意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

【高橋委員】 3ページですけれども、環境報告書の作成・公表があまりにもあっけなくて、何か当たり前のことしか書かれておりません。前のところを見ると、12ページですか、「環境報告書を作成するなど、適切に実施されている」、こっちのほうがまだいい表現なのかなと。環境報告書の作成・公表というのは当たり前のことなので、要するに、求められていることが着実に行われているというような表現にされたほうがよろしいかなと思います。ちょっと前にさかのぼってしまって、大変恐縮ではあるんですけれども、環境報告書の作成・公表など求められている作業が確実に実施されているというような表現で統一していただいたほうがいいのかなと思いました。

【馬場課長補佐】 12ページの3番の、業務における環境配慮のところの、「また」以下の部分と、3ページのところの「また」以下の部分を、今、高橋委員がおっしゃったような形で修正をかけて、統一させていただきます。

【高橋委員】 表現はお任せしますが。よろしくお願いします。

【西間部会長】 今の高橋委員のご意見については、そういう文言の修正をすることでよろしいですか。
 ありがとうございます。そのほか、ございますでしょうか。

【有田委員】 すみません。今の部分につきまして、どのように修正するのでしょうか。

【西間部会長】 先ほど高橋先生が、いい試案を述べられていましたが。
 たしか、「また、環境報告書を作成するなど業務は適切に実施されている。」何かそのような内容ですね。

【河本調査官】 どうもありがとうございます。今、おっしゃっていただいたとおりで、3ページの一番下の行、そこのところを、「また、環境報告書を作成するなど業務は適切に実施されている」という形で、訂正させていただければと思います。

【西間部会長】 よろしいですか。

【泉委員】 ちょっと形式的なところで恐縮ですが、12ページの「電子メール添付ファイルの暗号化が実施され」というところは、ここの文章の前に[5]と付くのではないかと思うのですけれども、ご確認いただけますか。前のページから[1]、[2]、[3]、[4]ときているので。監事監査と話が別ですから、ここは[5]となりますね。

【西間部会長】 つまり、これは[4]の項目か、それとも[5]として新たな項目かということですね。

【泉委員】 そうです。

【馬場課長補佐】 [1]から[4]のところは、上段の「内部統制については」というところのくくりになっていまして、ここのところの「電子メール添付ファイルの暗号化が実施され」というのは、どちらかというと、「内部統制については」と違う段落で、この内部統制の中に含まれない形で考えていたのですけれども、そこは内部統制の一部ではないかというご指摘であれば、[5]という形になるのかと。

【泉委員】 それが別だという話になると、内部統制というのと情報セキュリティ体制というのは並列だという考え方もあるかと思うんですけれども、世間一般的な内部統制の考え方からいうと、内部統制の中に情報セキュリティ体制というのも含まれるのではないかと思いますので、[5]のほうがしっくりいくのではないかと思います。

【馬場課長補佐】 わかりました。それでは[5]という形で、修正させていただきたいと思います。

【西間部会長】 では、そのような処理をよろしくお願いします。
 それでは、平成22年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績の評価書につきましては、若干の修正がございましたが、修正をいたしまして、評価書として確定いたしたいと思います。
 それでは、本日審議いただきました評価結果につきましては、独立行政法人通則法第32条第3項に基づきまして、独立行政法人環境再生保全機構及び総務省に置かれている政策評価独立行政法人評価委員会に対して通知することとされておりますので、評価確定後、事務局に適切な手続を行わせたいと思います。
 この後、機構の理事長が入ります。委員の間で理事長が来られる前に何か話しておきたいことはございましょうか。

【桑野委員】 評価するときに、データが全く提供されていないものについて評価を求められているところがあって、それはどうなりましたでしょうか。

【馬場課長補佐】 すみません。そこの部分は、資料の3で見ていただくと、16ページ、後ろから2枚目の、グレーで網かけがされている、施設及び設備に関する計画のところだと思います。事前に評価シートに色づけをし、評価不要とわかるようにしておけば良かったのですが、事務的なミスでございました。なお、ここの部分については、評価としては含まれておりません。

【西間部会長】 では、どうぞ。

(機構側 入室)

【西間部会長】 よろしいですか。
 評価結果につきましては、総合評価としてA評価ということになりました。しかしながら、公害健康被害予防事業のニーズの把握や、役職員の給与水準が高いことなどは、より一層強力な対策を行っていただきたいと思います。
 また、例年指摘しているところですけれども、私共委員が評価を行う上で具体的な数値の裏づけが必要ですので、次年度におきましては、業務実績報告書の記載内容について、さらに改善をお願いいたしたいと思います。
 以上です。

【湊機構理事長】 どうもありがとうございました。取りまとめいただきました評価書と、ただいまご指摘を受けました事項については、しっかりと受けとめまして、これからの機構の業務運営に生かしてまいりたく思います。
 委員の皆様には、これからも機構へのご指導をよろしくお願いしまして、御礼にかえたいと思います。どうもありがとうございます。

【西間部会長】 それでは、これで議事は終了いたしましたが、引き続き事務局から何かございますでしょうか。

【河本調査官】 どうもご審議ありがとうございました。本日、お配りをいたしました会議資料でございますけれども、そのままテーブルの上に置いていただきましたら、事務局のほうで後ほど郵送させていただきます。
 事務局からは以上でございます。

【西間部会長】 それでは、以上で本日の会議を終了いたします。どうもお疲れさまでございました。