第8回環境省独立行政法人評価委員会 環境再生保全機構部会 会議録

日時

平成18年1月26日(火)10:00~11:03

場所

環境省第一会議室

議題

(1)
独立行政法人環境再生保全機構役員の報酬等の支給基準改正について
(2)
石綿健康被害救済業務の追加について
(3)

その他

配付資料

資料1 独立行政法人環境再生保全機構役員の報酬等の支給基準
資料2-1 アスベスト問題に関する関係閣僚による会合(第5回)配付資料
資料2-2 石綿による健康被害の救済に関する法律案の概要
資料2-3 石綿健康被害救済業務の流れ
資料2-4 石綿健康被害救済制度実施体制(組織構成)
参考 石綿の健康被害の救済に関する法律

出席者

委員: 佐野角夫部会長
石井紫郎委員 西間三馨委員 有田芳子委員
環境省: 桜井大臣官房審議官
総合環境政策局 岸本調査官
木村課長補佐
環境保健部 平田調査官
水・大気環境局 内藤課長補佐
環境再生保全機構: 田中理事長
大坪理事
邊見理事
平井理事
太田総務部長

議事

【岸本調査官】 それでは、ほぼ定刻でございますので、ただいまより環境省独立行政法人評価委員会第8回環境再生保全機構部会を開催いたします。
 本日は委員6名のうち4名がご出席ですので、環境省独立行政法人評価委員会令第六条第一項の規定によりまして定足数を満たしております。
 それでは部会長、よろしくお願いいたします。

【佐野部会長】 おはようございます。それでは議事に入ります。
 最初の議題は、「独立行政法人環境再生保全機構業務の役員報酬等の支給基準の改正について」であります。
 この通知について、事務局よりご説明をお願いします。

【岸本調査官】 まず、資料の1、「独立行政法人環境再生保全機構役員の報酬等の支給基準」という資料でございます。最後の1枚に法律の抜粋がございますので、まずそこをご説明させて頂きます。
 役員報酬等の支給基準の改正につきましては、この通則法の第六十二条で準用いたします第五十二条第二項におきまして、「特定独立行政法人は、その役員に対する報酬等の支給の基準を定め、これを主務大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。」とされております。
 それから同法第五十三条第一項におきまして、「主務大臣は、前条第二項の規定による届出があったときは、その届出に係る報酬等の支給の基準を評価委員会に通知するものとする。」、同条第二項で、「評価委員会は、前項の規定による通知を受けたときは、その通知に係る報酬等の支給の基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、主務大臣に対し、意見を申し出ることができる。」とされております。そこで、平成17年11月18日付で独立行政法人環境再生保全機構から本件の届け出がございましたので、本日ご審議をお願いするものでございます。

【佐野部会長】 それでは、引き続きまして環境再生保全機構より改正の理由について説明をお願いいたします。

【大坪機構理事】 おはようございます。環境再生保全機構の総務担当理事の大坪でございます。
 今回の役員報酬の改正理由につきましてご説明申し上げます。
 ただいま、岸本調査官の方から通則法についてのご説明がございましたけれども、この資料の通則法の条文をもう一度ご覧頂きたいと思いますが、第五十二条の第三項でございますが、「前項の報酬等の支給の基準は、国家公務員の給与、民間企業の役員の報酬等、当該特定独立行政法人の業務の実績その他の事情を考慮して定められなければならない。」とされておりまして、これが第六十二条で特定独立行政法人以外の独立行政法人にも準用されているわけでございます。
 今回の改正でございますが、昨年の8月の人事院の勧告によりまして、国家公務員の給与改定、これがございまして、これに準じて私どもの機構の役員の支給基準を改正したものでございます。
 この人事院の勧告は、民間準拠を基本にしておりまして、昨年の8月の改定の内容でございますけれども、役員報酬の比較は国家公務員の指定職でございますけれども、この指定職の俸給表の中、本俸を0.3%引き下げ、期末手当は0.05カ月引き上げるという内容になっております。私どももこれに準拠いたしまして、同様の改正をするということでございまして、その内容は資料1の2枚目をご覧ください。独立行政法人環境再生保全機構役員の報酬等の支給基準新旧対照表がございます。右側が従来、左側が新しい基準でございまして、改善点は3点でございます。まず基本俸給の[1]の本俸、理事長、理事、監事の本俸を概ね0.3%引き下げるということにしてございます。概ねと申し上げましたのは、端数処理の関係で若干変わっておりまして、0.3から0.4%の範囲で引き下げを行いました。次のポイントは、[3]の期末手当、その真ん中あたりの6月支給の場合、12月支給の場合とございますけれども、12月支給の場合の基準額のところでございます。アンダーラインが引いてございますが、旧の方が基準額掛ける1.02カ月、新の方が基準額掛ける1.07カ月ということで、0.05カ月引き上げということでございます。(2)の業績給の方は変更はしておりません。
 裏のページにまいりまして、4.の非常勤役員手当の日額でございますけれども、これも概ね0.3%引き下げて3万7,000円を3万6,900円とするということでございます。
 以上、内容をご説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。

【佐野部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に対しまして、委員の皆さんからご意見等がございますでしょうか。

【石井委員】 附則を拝見しますと、12月1日にさかのぼって実施をなさるということと、それからなお書きの規定がございますが、これは具体的にどのような。「所要の調整措置」と書いてありますが、どういうことでございましょうか。

【佐野部会長】 では、機構の方から回答をお願いします。

【大坪機構理事】 12月1日からの実施のことでございます。

【石井委員】 それはわかります。なお書き。

【大坪機構理事】 これは昨年の4月から本俸につきましては4月にさかのぼって計算上は0.3%引き下げるということでございますけれども、既に12月段階では、4月から11月の分は支払われておりますので、その支払われた分については12月の期末手当の額で調整をして減額するということでございます。

【石井委員】 それは文字を読めばわかるので、具体的にこれがどういう数字、プラスになるのか、マイナスになるのか。そのようなことをちょっと伺っているのです。

【佐野部会長】 引き続き説明をお願いします。

【太田機構総務部長】 具体的には4月から11月の本俸に関しまして、100分の0.36を乗じた額を減額する。あとそれから6月に支払いましたボーナスの分で同じような率で減ずると。そういう既に支払った金額で4月からさかのぼって下がる格好になりますが、その分の金額を計算して減じて支給をすると、こういう規程でございます。条文上はそういう数字が入った文章が本文の方ではついてございます。

【佐野部会長】 よろしいですか。
 私も一つ簡単な件ですが、非常勤役員手当の項が4.にありますけれども、非常勤役員は何名いらっしゃるか。ちょっと教えて頂けますか。

【大坪機構理事】 1名でございます。

【佐野部会長】 1名ですか。どういうことを担当されているのですか。

【大坪機構理事】 非常勤の監事をやって頂いております。

【佐野部会長】 そうですか。はい、わかりました。

【石井委員】 そうすると、今、監事は常勤がお一人、非常勤がお一人、そういう構成だというふうに理解していいのですか。

【大坪機構理事】 はい。

【佐野部会長】 他に質問は。

( なし )

【佐野部会長】 それでは、他に特にご質問がないということですので、独立行政法人通則法第五十三条第二項に基づく意見は特になしということにさせて頂きます。
 次の議題であります「石綿健康被害救済業務の追加について」に移ります。この業務の追加について、事務局よりまず説明をお願いいたします。

【岸本調査官】 ただいまの通常国会にアスベスト関係の法律を提出しておるところでございます。この法律の中で環境再生保全機構が救済給付の支給のための基金を設けまして、救済給付にかかる業務を行うことが予定されております。今後、中期目標、中期計画、それから業務方法書の変更を行う必要がございますので、この場で法律の概要についてご説明させて頂きたいと思います。
 法律の概要と、それから環境再生保全機構の新たな組織につきまして、順次担当官からご説明させて頂きたいと思います。

【内藤課長補佐】 内藤と申します。
 それでは、「石綿による健康被害の救済に関する法律案」についてご説明をさせて頂きます。
 まず中身に入る前にですが、現在の動きといたしましては、先週の金曜日20日に予定どおり政府としてこの法案を閣議決定いたしまして、同日に衆議院に提出をしたところでございます。
 審議の予定につきましては、明日から衆議院の本会議で趣旨説明質疑が行われて、そのまま環境委員会での審議に移る予定となっております。来週の初めにはもう参議院の方に送られる予定となっております。
 それでは2、30分だと思いますが、資料の2-1、2-2、2-3を使いまして法律の概要についてご説明させて頂きたいと思います。
 まず、資料の2-1ですが、これは概要というよりも背景説明の資料となっております。よく皆さんご存知だと思いますけれども、去年の夏ぐらいにクボタが従業員さんに補償をというか見舞金を払い始めたことをきっかけに、アスベスト問題が大きな社会問題となり、それ以降、政府としては7月以来、毎月末に閣僚会合を開催しまして、政府における対策というものについて毎月毎月議論を重ねてきたところでございます。
 この資料2-1というのは、昨年末12月27日に開催されました第5回の関係閣僚会合の資料になってございます。第5回の一番最近の関係閣僚会合では、資料1のポンチ絵にございますように、健康被害者の救済に加えまして、予防をどうしていくのか、また不安の解消についてどうしていくのかということにつきまして総合的に対策を取りまとめたものになってございます。今回の法案はこの1の部分に位置づけられました健康被害者の救済ということで、新法を制定することによって迅速に被害者の救済を図るという部分に位置づけられた対策となっております。
 2-1の後ろについている資料2については、あとでお時間のあるときにご覧頂ければと思います。
 資料の後ろに別紙1、別紙2、制度案の概要、そのときの閣僚会合でまとめられた時点の資料が添付されておりますけれども、額などは法律の中には出ておりませんので、こちらの資料をご覧になった方がわかりやすいかもしれません。後ほどご覧ください。
 続きまして資料の2-2を使いまして簡単に法律の概要についてご説明させて頂きます。
 条文の方もお手元に配られているかと思いますので、適宜参照して頂ければと思います。
 まずI.の制度の目的のところでございます。石綿による健康被害である中皮腫や肺がんなどは、石綿に曝露してから発症するまで約30年から40年ぐらい潜伏期間が長いという特性がございます。それに加えまして、例えば自動車のブレーキパットですとか、駅の天井ですとか、石綿が有用な物質であるがゆえに社会のいろいろなところで広く使われてきたということがございますので、その両者が合わさってなかなか被害者の方が直接原因者を特定して因果関係を証明した上で裁判に訴え出るということができないままに、さらに悪いことには、肺がんですとか中皮腫を発症された方というのは、発症してからわずか1、2年で亡くなってしまう方がほとんどですので、何の補償も救済も受けられないままに亡くなってしまう方が多いという非常に悲惨な状況になっております。
 そのような特殊性に鑑みまして、今回この法律をつくりまして、このような被害者の方々、またご遺族の方々の迅速な救済を図るということを目的としております。
 次にII.の制度の概要のところに移らせて頂きます。
 給付の部分、(1)の指定疾病のところですが、どのような疾病を今回対象にするのかと申しますと、条文上中皮腫と肺がんについては第二条の定義のところに明記をしております。中皮腫、肺がん以外にも、例えば石綿肺や良性石綿胸水など、石綿によって引き起こされるような疾病も幾つかありますが、それらにつきましては大体が職業性のものであるということ、周辺住民に余り被害の実態がないということ、また、医学的な知見がまだ十分に集まっていないことなどを理由に法律の条文上は特に規定はしておりません。ただ、このような疾病につきまして、後で追加する必要性が出てきたときには適宜追加を行うために、政令で追加をできるよう条文上規定をされております。
 次にII.の(2)の救済給付の支給のところに移らせて頂きます。
 独立行政法人環境再生保全機構がまず石綿による指定疾病にかかっている旨につきまして認定を行い、その認定を受けた人、法律の中では被認定者と呼んでおりますけれども、その被認定者に対しまして、各種の救済給付を行うことになっております。
 救済給付の種類につきましては、大きく分けて二つございまして、一つが被認定者ご本人、現在も生存されている被認定者ご本人に対する給付ですね。もう1種類の方は、制度が施行される前に、いつでも構わないのですけれども、制度が施行される前に既に亡くなられている方のご遺族に対する給付の大きく分けて二つのグループに分かれております。最初の被認定者ご本人に対する給付といたしましては、医療費、療養手当、あと亡くなられたときに葬祭を行う人に対しての葬祭料が給付されることとなっております。医療費につきましては、原因者がなかなか特定できないという特性もございますので、保険優先の原則を取りまして、あくまで自己負担分をこの制度から支給をするということになっております。これは特に上限などはございませんので、かかった実費分のうちの自己負担分を常にお支払いをするということになっております。
 このページの注のところに書いてあるのですけれども、法律上、医療機関に対して被認定者の方がいちいち窓口でお金を払わなくてもいいように規定をしておりまして、医療機関が直接環境再生保全機構の方にかかった医療費について請求をする形にして、再生機構の方から医療機関にお金を直接お支払いすることによって本人に対して支給をしたこととみなすというような形を規定しております。このようにすることによって患者ご本人が窓口で一々負担をしなくていいような形を取ってございます。次の療養手当ですけれども、これは額につきましては政令で規定をする予定ですが、現在約10万円を予定しております。内容といたしましては、入通院に伴う諸経費ですね。例えば移動するのにかかるお金、病院に移動するためのお金ですとか、諸々の諸経費、それに加えまして肺がんですとか、中皮腫というのが非常に重篤な疾病であって、身の回りの方々ですとか、ご家族の方、いろいろな方に手助けをして頂かなければならないケースも多いでしょうから、介護費用的なものもこの中に要素として組み込まれてございます。あと葬祭料につきましては、約20万円を、これも政令で規定する予定でおります。これらは医薬品副作用救済制度ですとか、原爆の被爆者援護法ですとか、生活保護法など、他の救済制度における給付の額などに準じて定めようとしているところでございます。
 もう一つの大きなグループになります、制度施行前に既にお亡くなりになられている方のご遺族に対する給付といたしましては、特別遺族弔慰金と特別葬祭料というものを法律上規定しております。特別遺族弔慰金といいますのは、あくまで全体としては見舞金という形になっているのですけれども、亡くなられた被害者の方及びそのご遺族の方がかつてお支払いになったであろう医療費ですとか、医療にかかった諸々の諸経費などを勘案しまして、額としては280万円を政令で規定する予定となっております。葬祭料につきましては制度施行後に亡くなられる方と全く同額を予定しております。
 その他の救済給付調整金というところになりますが、救済給付調整金といいますのは、制度施行前、たとえ1日前であろうと、制度施行前に亡くなった遺族の方には280万一時金として支払われるのに対しまして、制度施行直後、例えば1カ月程度で亡くなられた方につきましては、例えば医療費10万円、療養手当10万円、葬祭料20万で40万円しかもらえないというような自体が生じ得ますので、そのような制度施行時の限界事例につきまして、不公平感を解消するために施行後2年間に限りましては、ご本人が亡くなられたときに実際に受け取られた医療費と療養手当の額の合計が280万円に満たない場合には、その差額についてご遺族の方にお支払いをするということを予定しております。それを救済給付調整金として条文上規定してございます。
 一番下の※のところですが、認定をするときに有効期間というものを定めることとなっております。これは政令で5年間を規定する予定ですが、中皮腫、肺がんにかかられる方というのは大体1、2年で亡くなられてしまう方が多いので、5年間も生存される方は余り多くはないと思われますが、がんですと早期に発見をして病変部を切除をした場合には切除をした時点で治癒したとはみなさず、5年間経過をみて、転移も再発もしていなければその時点で初めて治癒をしたと医学的にはみなすということがございますので、それらも踏まえて有効期間は5年間とする予定となっております。
 次のページにいって頂きまして、[2]の認定のところに入らせて頂きます。
 指定疾病、中皮腫と肺がんに石綿が原因でかかっている旨の認定を機構が行っていくわけですけれども、その認定基準につきましては、現在医学専門家による検討会において検討しておりまして、年度内にも結果をまとめて公表する予定となっております。
 二つ目の・になりますが、機構単体でかなり専門的かつ医学的な判定を毎回行うというのもなかなか難しいと思われますので、機構はこれらの認定を行うときには医学的判定を要する事項に関しまして、環境大臣に判定の申出というものを行って頂くことになっております。これは条文上ですと、例えば第十条や第二十四条に規定されていますけれども、環境大臣が機構から判定の申し出を受けた場合には、中央環境審議会に対して意見を聞いて、答申の結果についてまた機構にフィードバックをして、機構はそれを受けて認定を行うという流れになってございます。
 [3]のその他のところにいきますと、これは申請の受付の話になりますが、日本全国いろいろなところに患者さんがいらっしゃいますので、できるだけ身の回りで申請手続が行えるようにということで、全国の保健所に申請の窓口として受付の事務をやって頂けるように今自治体さんともご相談をさせて頂いているところでございます。
 次の・につきましては、全く別の話ですが、条文上ですと第二十五条に規定をされておりますが、この救済制度による給付を受ける以前に、仮に裁判や和解などで損害賠償を受け取られた方というのがいらっしゃる場合には、その限度においてこちらの制度による給付は行わないということを規定しております。ただ、今現在なかなか因果関係の証明が難しいという現状にございますので、このようなケースというのは今のところはございません。
 次に(3)の救済給付の費用のところに移らせて頂きます。
 これまでご説明しました給付の原資、費用負担をどのようにするのかというところですけれども、独立行政法人環境再生保全機構の中に石綿健康被害救済基金というものを設置しまして、その基金に対し、政府、地方公共団体及び事業者の三者からそれぞれ出資をするというような形をとってございます。
 二つ目の・は政府と地方公共団体について基金に対する出資についてご説明をしております。政府といたしましては、平成17年度の補正予算でこの救済給付のための費用といたしまして388億円補正予算で計上して国会で審議をして頂いているところでございます。
 事業者からの費用負担の部分、三つ目と四つ目の・ですが、事業者による費用負担の部分は大きく分けて二つの部分に分かれております。一つが一般拠出金、もう一つが特別拠出金となってございます。一般拠出金につきましては、石綿は社会全体で広く使われているものですから、石綿による利便性を通じて経済的な利得を得ている事業者さん、今回は260万の労災保険適用事業場を対象とする予定ですが、に薄く広く負担して頂く部分になります。もう一つの方の特別拠出金の方は、石綿の使用量や周辺での指定疾病の発生状況などを勘案しまして、政令でこれから要件を定める予定ですが、その要件を満たすような事業者さんに対して追加的に一般拠出金に加えて特別拠出金をお支払い頂くことを考えております。これらの要件や算定方法につきましては、今月中にでもまた有識者からなる検討会を開催いたしまして、できるだけ早いうちに内容を確定していきたいと考えております。
 それでは大きな2.の方に移らせて頂きます。
 今までお話ししておりました1.の部分は、主に周辺住民や労働者のご家族の方など、いわゆる労災補償制度からこぼれてしまう人を対象にしていた部分であるのに対しまして、2番の方につきましては、本来であれば労災補償制度の対象となっていた人たち、ただ潜伏期間が余りに長いがゆえにご本人や御遺族もそれが石綿に従事する仕事のためになったのだということを認識せずにいて、かつお医者さんの方もなかなか職業と疾病の関係についてなかなか認識ができず、そのうちに時効を迎えてしまうことにより労災補償の給付を受けられなくなってしまった人たち、そういう人たちに対して新法において新たに権利を付与するという部分になってございます。なので1.の部分はそもそも労災の枠外の世界の人を、2.の部分については労災を本来受けられたはずだったのに時効で受けられなくなってしまった人を対象にしております。
 (1)の対象者のところですが、これはご本人ではなくて遺族の方であって、本来であれば受けられた労災補償の中の遺族補償というものを、亡くなられた方が石綿による職業によってその病気になったのだということを認識しないままに5年間過ぎてしまって受けられなくなってしまった方を対象にしまして、(2)のところにございますような特別遺族給付金を給付することとなっております。法律上はこの特別遺族給付金というのは第三章に全部まとめて規定をされております。ちなみに1.の部分が法律の中では第2章に位置づけられております。労働者のご遺族の方に対する特別遺族給付金というのもまた内容が二つに分かれておりまして、一つは特別遺族年金、もう一つは特別遺族一時金というものに分かれてございます。
 特別遺族年金の方は、生計維持関係にあったご遺族、つまりもう亡くなられている労働者によって家計を支えられていたご遺族の方に対しまして、家族構成によっても異なりますが、年間約240万円とすることが今のところ予定されています。これはご遺族の方が亡くなられる、あるいは支給を停止するような事情が発生するまでは毎年毎年継続的に支払われていく年金となっております。年金を受け取られる方がいらっしゃらない場合には、もう少し外縁のご遺族の方に特別遺族一時金ということで、一時金の場合には1回お支払いして終わりになりますので、額としては今のところ1,200万円を予定しております。
 2.のところにつきましては、実は厚生労働省さんが担当されているところなのですけれども、それこそもとはと言えば労災による補償が受けられたはずの方々ということでございますので、費用につきましても労働保険料の一環としまして労災保険適用事業主から徴収をすることになっております。そういう意味でも1.の方の費用の負担のあり方と異なる構成になっております。
 3.の施行期日のところになりますが、去年の夏以来一刻も早く救済を開始せよということですので、かなり機構の方にも無理をして頂くことになるとは思うのですが、年度内の政令で定める日に施行をする予定となっております。ただし基金の部分につきましては公布日施行、あと事業者からの費用の徴収の部分につきましては、平成19年からの施行を予定しております。
 また、見直し規定ですが、5年以内に施行の状況について検討を加えて、その結果に基づいて必要な見直しを行うということが条文上も後ろの附則のところに規定をされております。今回スピード感、スピード感ということで、データや情報や確実な情報というものが完全にそろってから制度をつくったという形にはなかなかなってございませんので、そのような医学的知見や被害の発生状況など、こちらの給付の実績などが積み上がった時点で適宜適切に見直しを行うということが盛り込まれております。
 資料の2-2の一番後ろについているポンチ絵につきましては、今お話ししたようなことが一通り救済給付の部分だけですがついておりますので適宜ご参照頂ければと思います。
 最後に2-3ですが、これも今まで一通り全部ご説明してきたところですけれども、独立行政法人環境再生保全機構というものを中心として見ると、業務の全体的な図になっております。左側が徴収の部分で右側が患者さんや遺族の方に対する給付の部分になっておりまして、左は国、地方公共団体、事業者さんから基金に対してお金を支出なり拠出なりして頂きまして、右側の患者さんなりに支給していくと、そのような流れになっております。
 最後に本当に細かい話でが、左下の事業者さんからの拠出の部分は3種類ございまして、一般拠出金の中にも本来の労災保険の徴収システムを活用できる部分と活用できない部分が分かれており、徴収システムを使える部分は[1]のところなのですけれども、従来どおり労災保険の保険料と合わせて徴収をすることによって徴収コストを省くということを考えております。もともとの労災保険の徴収システムから外れている船舶所有者につきましては、数も少ないのですけれども、機構の方から直接徴収をすることを予定しております。
 あと特別拠出金の部分につきましては、対象事業者がまだ何社になるかということも決定はしていないのですけれども、これも数が少なくなると思われますので、この部分については機構が直接徴収を行うこととなっております。
 以上、簡単ですが、説明とさせて頂きます。

【平田調査官】 引き続きまして資料の2-4について説明させて頂きます。
 若干背景でございますが、この組織をつくるということに至るのにつきましては、昨年の7月、8月に関係閣僚会議開かれましたが、その中で、本来ならばこういう新しい基金をつくるという場合は、過去の例では今で言えば独立行政法人を新たにつくったりすることがよくあったのでございますが、今とてもそういうことが許される状況ではないということと、特に政府が掲げております小さな政府という中で、既存の組織をできるだけ使うという形で検討された結果、環境再生保全機構にこの業務をさせたらどうかという形で今日まで至っております。その他にも、例えば不服審査は当分出てきませんけれども、これについても既存の公害健康被害補償不服審査会というのがございますが、それを使うとか、そういう既存の組織をなるべく使うという形で検討された結果がこの組織表にあらわれております。ただこの組織表はあくまで仮の案でございまして、名称等についてはこれから検討することになると思います。大きく分けまして徴収業務と支給業務という中と、資金の管理という業務がありますが、それについてこれだけの組織で実際やっていけるのかわかりませんけれども、これだけの組織を考えております。特に徴収の業務につきましては、先ほど説明しましたけれども、労働災害の分につきましては約260万事業所、これは今の労災保険制度を活用して徴収した必要な金額を機構に交付するという形になっております。また、船員保険につきましては約6,000事業者がございますが、これにつきましてはかなり金額的にも少ない金額になりますけれども、直接独法が徴収するという形になります。こちらにはなるべく経費をかけないでどういう方法でやることができるかということで考えておりまして、実際の運用については、現在社会保険庁に船員保険の徴収システムがございますので、そちらと連絡を密にしながらやっていきたいと思っております。ですから徴収業務につきましては、船員保険の6,000事業者と、それから特別事業主からの特別拠出金、これはまだ何社になるかわかりませんけれども、それを徴収するという形の組織になっております。
 申請につきましては、現在補正予算で388億円を積んでおりますが、これは過去、いわゆる施行日前に亡くなった方を約1万人と想定しておりまして、この方々が大挙して申請に訪れるのではないかということを加味しまして、4月の当初から対応できるという形で組織上はつくっておりますが、実際にはこれは補正予算ということですので、当然年度内にできるだけ早く事務を行うということを言われております。ですから、機構につきましては各都道府県に置かれております保健所を活用しながら、実際には保健所との委託契約になると思いますけれども、そちらを使いながら独法の方で申請業務、支給業務を行っていくことになると思います。
 人数については特に何人という形が独法の方ではございませんけれども、現在こういう組織で1部4課体制という形を考えております。
 以上でございます。

【佐野部会長】 以上ですか、説明の方は。他には追加ありませんか。
 それでは、只今までに新しい救済業務についての法律的な面の説明、機構の方の新組織のあり方について説明がありましたが、これについてご質問等ございますでしょうか。

【有田委員】 内容はよく理解できましたけれども、例えば保健所にいろいろ相談の窓口も含めてつくられるということなのですけれども、偏りが出てくると思うのですね。全国の保健所がといっていても1万人を想定されても、例えば関西であるとか、関東であれば例えば神奈川とか、そういったときの機構からちょっと人数をふやしてというような予算は考えていらっしゃらない。

【佐野部会長】 説明をお願いします。

【平田調査官】 この組織は今先ほど申し上げましたように、委託業務という形でやっておりますが、これはそれぞれの自治体と機構との間で委託契約を結ぶわけでございますので、必ずしも保健所ということには限定されないかもしれませんけれども、私どもとしては保健所を想定しておりますが、全国に約600近い保健所がございますが、そこがなるべく開いて頂くという形で考えておりまして、特に大阪地区に多発しておりますので、そちらにつきましては、独法の中に置かれている大阪に支部がございますが、そちらを窓口にしても受けると。それから神奈川につきましては、川崎の本部で受けることができます。直接受け付けることも可能になっておりますので、そういう対応をしたいと思っております。また、環境省には今現在ブロック単位で七つの地方環境事務所がございまして、そちらについても受付事務という形で窓口を開かせて頂きたいと思っております。

【佐野部会長】 よろしいですか。他にご質問ございますか。

【石井委員】 幾つか質問したいのですが、まず質問の前に注文を申し上げさせて頂きますと、2-2の資料大変わかりやすくできているのですが、せっかくですから、それぞれの項目のところに法律の条文を示しておいて頂いた方が説明を伺うときに、私今これ横に置いてどこだろうななんて見ながら伺っていたものですから、そういうときにこの2-2の中に指定疾病と書いてあれば、その何条を見ればわかるというような資料のつくり方をお願いしたかったなというふうに思いますので、今後かようなケースではそういうご配慮をお願いしたい。まず申し上げさせて頂いてあとは質問です。
 この業務大事であるということはわかりますし、いろいろな状況から当機構が行うということも当然といいますか、致し方ないことだと思いますが、この業務追加の法的な形態といいますか、これはどういうことになるのでしょうか。中期計画とか中期目標を変更して業務を追加するのか。ただ、業務方法書の変更で済ませるのかという、そういうことが一つです。
 それから実施体制、最後にご説明のありました実施体制がつくられるわけですが、これは期限付きのものなのか。永続性を持ったものとしてつくり、どこかで必要がなくなったというときには廃止するというようなことになるのか。つまり最初から時限付きというものでやるのかどうかということです。
 それから3番目に大変細かく、ここでは参考資料としてしか示されていないので、これについて申し上げるのもどうかとは思うのですが、例えばざっと今お話を伺いながら関連条文を拝見している限りで気がついたところを言いますと、例えば第九条、「機構は、被認定者の指定疾病が治ったと認めるときは、~」これは普通法律の条文では「治癒した」というのではないのかなというようなこととか、それから第十三条、これは表現の問題というよりも実質的なことですが、第十三条の第一項の最後の文章、「~医療機関等に支払うことができる。」というふうになっている。先ほどのご説明では、「支払うものとする。」というふうな印象で伺っていたのですが、ここがどういうつもりでこういう書き方になっているのかということ。どうも大小様々で申しわけありませんが。それから第二十五条、2行目ですが、「~機構は、その価額の限度で救済給付を支給する義務を免れる。」とあるのですが、損害のテンポについて「価額」という言葉は余り使わないのではないか。「その額の限度において」というのが普通ではないかなと。それから第二十九条、租税効果禁止の条文ですが、「~金品を標準として、課することができない。」というのは、これはよくわからない言葉ですね。「金品を対象として」というのが普通なのではないかなと思いますが、その他詳しく見ればまだあるのかもしれないのですが、これはもう法律案として確定したものなのですか。

【内藤課長補佐】 閣議決定されたものです。

【石井委員】 もうされているわけ。いささかずさんなつくり方ではないかなと。感想を申し上げさせて頂きます。

【佐野部会長】 ありがとうございます。ではただいまの3点、この追加業務の法的形態以降、それから実施体制、期限付きか。それから条文についても皆様方の方で何かコメントがあればお願いいたします。

【岸本調査官】 中期目標と中期計画の関係でございますけれども、今日のところは法律についてお聞き頂いて、この後、恐らく次回近々また開催して頂きまして、中期目標と、それから中期計画についてご審議頂きたいと思っております。それで改めたいと思っております。

【平田調査官】 2番目のご質問の組織は時限なのかという話でございますが、これは最初から時限ということではございませんで、独法の組織は財務省のいわゆる予算の査定の段階で決められますので、当然縮小されればそれだけの人数も減っていくと。予算措置という形になると思います。最初から時限ではございません。

【佐野部会長】 他、条文については何か皆様方の方からありますか。

【内藤課長補佐】 残念ながらもう閣議決定をされているものなので変わることはないのですけれども、こちらの条文は、一条一条時間をかけて内閣法制局の方で審査を受けておりまして、今おっしゃっていたような文言の使い方につきましても一通り既存の法律の前例を全部調べ上げて書いておるものですので、この法律についてだけ勝手にオリジナルで書き下したというものでは全くございません。第九条の「治った」、「治癒した」というのも、私たちも法律用語なのだろうかと用例も調べましたが、公健法でも現に治ったという言葉を使っておりまして、さらに「なおった」とひらがなで使っておりまして、最近はもう漢字になっているとか、そのたぐいの細かい議論はずっと法制局でしてきました。第十三条の第一項の「支払うことができる」というところなのですけれども、機構から本人に対して支給を行うという原則を一旦条文上規定しておりますので、費用負担、窓口負担をしない場合も可能であるという例外的な規定をしているということで、これも似たような制度をとっているものとして原子爆弾被爆者援護法などがあるのですけれども、皆このような形で支払うことができるというような規定をしておりまして、それらの用例にならって今回も同じような書き方をしております。あとの「価額の限度」ですとか、公課の禁止のところなども、決まりきった書き方や用例がございますので、そこから逸脱しないような形で書いておりますので、ご勘弁頂ければと思います。

【佐野部会長】 ということで。では追加質問、よろしくお願いします。

【西間委員】 これは環境保全再生機構がとる仕事であろうと確かに思うのですね。しかしながら、公害ぜんそくのときに散々なめた辛酸をまた同じように恐らくこれはなめることになると思うのです。つまり、胸膜中皮腫であればもうこれはアスベストイコールで認定をどんどんしていって比較的機械的にいけるのではないかと思うのですけれども、肺がんが入っていますから、肺がんというのはこれは莫大な量の患者さんがいますし、これからも増える。治療も現在のところ的確なものはないという状況で、肺がんとアスベストによる被害というものの区別というのは極めて難しいと思うのです。ですから認定作業、そしてそれから認定に対する不服審査、さらには訴訟というところまで一連の非常に多くの仕事があると思うのですよね。ただ公害ぜんそくとは違って、この病気は確かに私たちの病院でもこのところ確実に増えてきて、でも手術例はほとんど全部死亡していっていますから、1年以内ぐらいに死亡していっていますから、期間、スパンとしては非常に短く次々のケースが出てくると思うけれども、アスベストの曝露のことから言えば、今後まだ15年、20年というようなずっと患者さんは発生し続けると思うのですね。ですから相当な仕事量になると思うのですけれども、この組織でどれぐらいの一体人間が必要になるのかという、その試算はされているのでしょうか。少なくとも今の機構のスタッフを振り向けるぐらいでは到底こなせない仕事量になると思うのですけれども、それはいかがなのでしょうか。

【佐野部会長】 説明の方をよろしくお願いします。

【平田調査官】 先ほどのご質問で大体患者の数ですけれども、死亡者が1万人と申し上げましたけれども、去年の例でいくと大体約1,000人近い方が中皮腫では亡くなっております。肺がんにつきましては亡くなった方が5万6,000人といわれておりますが、その中でこのアスベスト由来によるのが何人かというのは、今厚労省と環境省の方で専門家によります検討委員会を開いておりまして、認定基準というのをつくりまして、この中でどこまでであればアスベスト由来なのかということをある程度決めまして、その中から認定していくという形になりますので、かなり時間的にはかかるかもしれませんけれども、その手順を踏んでやっていきたいと思っております。ですから今私どもで想定されるのは、多分労災の方もかなり含まれておりまして、ただ労災の認定条件とこちらの認定とは若干違っておりまして、この救済法はどこに住んでいるとか、どこの曝露を受けたとかという要件は一切ございませんで、その診断上中皮腫なりアスベスト由来ということでの肺がんであれば、もうその時点で認定するという形になっております。なるべく簡易で早急に認定できる方法を取ろうと考えております。ですから最初の頃は労災の案件もかなりこちらに流れてくる可能性がございますので対応できる体制として今考えているのは40人近い人数を配置しようと考えております。

【佐野部会長】 追加質問ですか。

【西間委員】 しかしアスベストというのは僕らでも吸っているわけですね。例えば平均して1分間に1本ぐらいは吸っているわけですよ。ですから結局そのやり方というのは組織の中にアスベストが見つかったらそれはイコールすべてというと物すごい量になるわけですね。だからどういう診断基準をつくられるのかしれないけれども、どういうところで線を引いても必ず大きなトラブルがやっぱり周辺で出てくると思うのですね。既往歴というか、居住歴のことは一切無視するとなったら組織だけの話になりますから、簡単に胸膜組織は取れませんし、結構言うは易く、相当面倒な作業になると思うので、40人でいけるのでしょうかね。とっても何か不安な感じがするのですけどね。

【佐野部会長】 ではまた、説明よろしくお願いします。

【平田調査官】 この人数については多いか少ないかというのは折衝の中でかなり問題になったのですけれども、最低限度この組織でまずやって、本当に足りなければ来年再来年と追加していくという形になると思います。まだ実際にどれだけの方が申請してくるというのは全く未知の状態でございますので、とにかく救済措置を早く実施するという形で今回の補正予算に計上させて頂いたという経緯もございますので、まずはできるだけ早く立ち上げるという体制では、現在のところは約40人の体制で進めさせて頂きたいと考えております。

【佐野部会長】 よろしいですか。

【石井委員】 純粋な質問なのですが、一般拠出金、これは労災保険適用事業主等から徴収するということになっているわけですが、これは要するに従来から拠出している額に上積みをするという、そういう趣旨なのですか。その根拠というのか、拠出を求める法的な根拠というのは法律の改正をするのですか。つまり法律で決められた以上のことは拠出する義務が本来ないわけですから、どういうことになるのかなと思うのですよ。

【佐野部会長】 それではご説明、よろしくお願いします。

【内藤課長補佐】 拠出そのものの根拠につきましては、今回の石綿新法の中に書かれておりまして、条文で申しますと、第二章第二節の費用のところになりますけれども、その中の第二款、一般拠出金につきましては、条文第三十五条の一般拠出金を徴収するというところ、特別拠出金の根拠条文は第四十七条になります。便宜的にツールとして労災保険の徴収システムを使うということで、労災保険徴収法という法律が別途ございまして、その徴収法の準用規定と読替を第三十八条のところに置いて、かなり細かい規定になっているのでわかりにくいかとは思うのですけれども、労災保険の徴収システムに乗っかってこの第三十五条の一般拠出金を取る取り方について規定しております。

【石井委員】 徴収法の条文は知りませんけど、つまり何か根拠が示してあって、金額が書いてあるはず、あるいは率が決めてあると思うのですが、それをこの条文でもってかぶせて自動的に増やすという、そういう仕組みですか。

【内藤課長補佐】 いえ、取るという根拠は第三十五条、その額については第三十七条の規定になります。ですので、取る根拠や額、何の要件で取るというのはすべて新法の中で規定をされています。

【石井委員】 それはこの中に一応。

【内藤課長補佐】 はい、おっしゃるとおりです。額のところは第三十七条ですね。ただ技術的な取り方のところについてだけ、徴収法を準用する形で第三十八条で規定されているということになっています。

【石井委員】 そうですか。

【佐野部会長】 よろしいですか。
 ちょっと私の方からの質問で、事業者からの今後の徴収しようとしている金額というのは年間でどのぐらい予想されていますか。ラフでいいのですけれども。

【平田調査官】 これは19年度以降でございますが、約90億円を考えております。当然その中には機構が扱う事務費も含まれております。国からは毎年事務費用の2分の1相当を出すことになっております。

【佐野部会長】 なるほど。産業界からいろいろな抵抗といいましょうか、意見があったと思う。この辺はどういうふうな決着になったか、もしわかれば教えて頂けますか。

【平田調査官】 これは非常に大事な話だったものですから、昨年に精力的に各産業界に説明させて頂きまして、この法律をつくるのに5省庁が入っておりまして、経済産業省、厚生労働省、国土交通省、農林水産省、このそれぞれの担当者が出向き、経団連、日商などに説明して、拠出をして頂きたいということを申し上げて、拠出することについてはおおむね了解頂いたと考えております。実際に幾らにするかということは、今、今年度中に立ち上げようと思っておりますが、検討委員会を開いて、その中で拠出金率などについてどうするかということも含めて検討していくことになると思います。

【佐野部会長】 わかりました。ありがとうございました。
 その他ご質問はございますか。

【西間委員】 リスク比ですけど、起きるために一般的に言ってアスベスト吸ったときに疾病が中皮腫、肺がんが起きるというのは約5倍と言われていますよね。でもたばこの場合が10倍で、両方が並行していたら掛け算でリスクは50倍ぐらいになると大ざっぱな計算ができているわけですけど、ここで喫煙者に対しての補償を若干変化させるという議論は全然これにはなかったのですか。前の公害ぜんそくのときもずっとあっていた議論だったけど、肺がんとなるともろにそれが関係があるのだけど、その議論というのは全くなかったのですか。産業界からはあってもよさそうな。

【平田調査官】 これは当然そういう議論がありました、今まさに検討会が続いておりますけれども、専門家からの検討会の中で肺がんというのはたばこによるものが圧倒的に多いという中で、どこがアスベスト由来なのかということを含めて認定基準が非常に難しい作業になっておりますけれども、これを今鋭意つくっているところでございまして、これは来月の初旬には認定基準を創り、それでこれから運用していきたいと考えております。

【西間委員】 だからこれも先ほどと同じでどういうラインを引かれても必ず出ますね、クレームが。

【佐野部会長】 では、その辺を十分踏まえましてよろしくお願いいたします。
 他にご質問はありますか。

( なし )

【佐野部会長】 それでは、法律に関する説明は以上ということで、次に移ります。「その他」ということでありますので、事務局から何かありましたらご説明をお願いします。

【岸本調査官】 本日は「石綿による健康被害の救済に関する法律」などにつきましてご説明申し上げましたが、先ほどお話申し上げましたとおり、今後、環境再生保全機構の中期目標、それから中期計画、それから業務方法書の変更をさせて頂きたいと思っております。変更に当たりましては独立行政法人通則法の第二十八条、第二十九条、第三十条によりまして評価委員会の意見をお聞きすることとなっております。その日程につきましては事務局でまた調整させて頂きたいと存じますが、ご多忙の折ではございますけれども、何とぞご協力頂きますようによろしくお願い申し上げます。
 特にその他はございませんけれども、本日お配りいたしました会議資料につきましてはファイル綴じの法令綴りにつきましては事務局で回収させて頂きたいと思います。その他の資料につきましては、退席の際にもしもテーブルの上にそのまま置いておいて頂きましたならば、後日郵送させて頂きます。
 以上でございます。

【佐野部会長】 それでは以上で終了ということでよろしいですか。大分時間が余ってしまいましたが、スムーズに終わったということでしょうか。

【石井委員】 さっきご説明になった中期目標、中期計画の話を今日おやりになれば、また集めなくても、追加の説明をしてください。

【岸本調査官】 申し訳ありません。まだ準備が。

【佐野部会長】 ということは、その点についてはもう一度召集をかけるということですか。

【岸本調査官】 法律ができました段階で正式には動き出せるということになるのですけれども、また改めて恐縮でございますが会議をお願いしたいと思っております。

【佐野部会長】 私の方からきょうは法律の説明をしてほしいということを出したものですから、そのような方針で開いたと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。
 どうもありがとうございました。