第7回環境省独立行政法人評価委員会 環境再生保全機構部会

日時

平成17年8月23日(火)9:56~11:08

場所

合同庁舎5号館共用第6会議室

議題

(1) 独立行政法人環境再生保全機構に係る平成16事業年度業務実績評価について
(2) その他

配布資料

資料1-1 平成16年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績の評価書(案)
資料2-2 平成16年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績評価表(案)
資料2 平成16年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績に係る各委員の評価結果一覧
   
   

出席者

委員:  佐野角夫部会長 石井紫郎委員、桑野園子委員
 西間三馨委員、有田芳子委員、高木勇三委員
環境省:    桜井大臣官房審議官
   総合環境政策局  岸本調査官
 木村総務課課長補佐
   環境保健部  平田調査官
環境再生保全機構  田中理事長
 大坪理事
 邊見理事
 平井理事
 太田総務部長
            

議事

【岸本調査官】 それでは、若干時間が早いようですが、ほぼ定刻でございますので、ただいまより環境省独立行政法人評価委員会第7回環境再生保全機構部会を開催いたしたいと思います。
ご挨拶が遅れましたけれども、私、先日の人事異動によりまして環境省総合環境政策局総務課調査官となりました岸本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは議事に入らせていただきます。本日は委員6名全員がご出席になっておられますので、環境省独立行政法人評価委員会令第5条第1項の規定によりまして、定足数を満たしておりますことをご報告申し上げます。
それでは、議事進行につきまして、佐野部会長にお願い申し上げます。よろしくお願いします。

【佐野部会長】 皆さん、おはようございます。それでは議事に入ります。
  最初の議題は、「平成16年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績の評価結果書について」であります。
  評価に当たりましては、前回の部会において業務実績報告書について、環境再生保全機構より説明を受けまして、報告書に基づき各委員より評価シートを事務局に提出して頂きました。
  各委員からの評価シートを事務局で取りまとめまして、評価書として部会長案を作成し、これを各委員にお送りした上、ご意見を頂きまして修正をしたところであります。
  この評価書につきまして、事務局より順次簡略に説明をお願いします。

【岸本調査官】 それでは、評価書につきましてご説明申し上げます。
  平成16年度の独立行政法人環境再生保全機構の業務実績の評価結果につきましては、各委員の先生方からご提出頂きました評価シートを踏まえまして、佐野部会長によりまして部会長案を作成し、事務局から各委員の先生方にお送り申し上げました。
  そして、頂きましたご意見を踏まえまして、部会長より修正の上、資料1-1でございますけれども、平成16年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績評価書(案)を用意させていただいております。
  それから、資料1-2でございますけれども、大きな横長の表ですが、これは資料1-1と同じ内容を一番右側のコメントという欄に書いてございまして、それを中期目標、中期計画、16年度実績と対比する形にしたものでございます。
  それから、資料の2でございますけれども、これは各委員からご提出頂きました評価シートを一覧の形で取りまとめたものでございます。一番最後のページに半分の大きさの紙で、アルファベットの部分だけをまとめて、一覧表の形にしております。
  この資料の2につきましては、万一誤りなどございましたならば、ご指摘によりまして訂正させて頂きたいと思いますけれども、その上で一覧として確定させたいと思っております。
  この資料の2につきましては、この後の審議におきまして適宜ご参照頂きたいと思います。
  それでは、資料1-1に戻りまして、これをこの後ご審議頂くわけでございますけれども、これについてご説明させて頂きます。
  まず、資料1-1の1ページ目と2ページ目につきましては、これは総合的な評価でございますので、一番最後にまとめてご審議頂くとして、3ページ以降の事項別評価のところ、これを部分部分に区切りまして、読み上げる形でご説明し、その後ご審議頂くということにお願いしたいと思います。
  まず、3ページ目の事項別評価の1の業務運営の効率化に関する事項、ここを読み上げさせていただきます。
  以下に示すとおり、組織運営の効率化、経費の削減などについて成果をあげていると判断し、A評価とする。
  1.組織運営の効率化(評価:A)施設整備の一部終了に伴う組織の再編とともに人員配置の見直しを実施し、効率化が図られている。今後は、新たに導入される新人事評価制度を適切に運用し、職員の責任と役割分担の明確化により一層効率的に組織を運営することを期待する。
  2.業務運営の効率化(評価:B)外部の有識者による評価委員会の設置、自己点検、自己評価の実施、事務処理における電子化の推進等は、一応の成果であると認められるが、今後の評価委員会の活用や一層の電子化の推進により、更に業務運営の効率化が進められることを期待する。
  3.経費の効率化・削減(評価:A)一般管理費及び事業費ともに目標を上回る削減が行われている。今後は、これらの削減が事業の質に影響しないよう配慮することも必要である。
  4.業務における環境配慮(評価:B)環境物品等の調達の推進を図るための方針に従い、特定調達物品購入について目標を達成している。今後は、平成17年度「環境配慮のための実行計画」の実施による一層の環境配慮に期待する。
  以上でございます。

【佐野部会長】 ありがとうございました。ただいまの業務運営の効率化に関する事項につきまして、環境再生保全機構からの補足説明等がありますでしょうか。

【大坪機構理事】 総務担当の大坪でございます。ご評価頂きました諸点につきまして、簡単でございますけれども補足の説明を申し上げたいと思います。
  業務運営の効率化のうちの、まず第一の組織運営の効率化につきましては、今後の問題として、新人事評価制度の点をご指摘頂いておりますが、この新人事評価制度の定着化を図るべく、必要がありましたら内容の修正を施し、来年度の本格導入に向けて丁寧に準備を進めてまいりたいと思っております。
ただいまのところ、4月から試行期間としてスタートいたしまして、半期が終わりますのがちょうど9月末でございます。10月に第1回の評価が行われますので、その前後を中心にしまして来年に向けての準備を整えていきたいというふうに思っております。
  次の業務運営の効率化につきましては、ご指摘頂きましたとおり、外部の評価委員会の活用や電子化の一層の推進を図りたいと考えております。
  経費の削減につきましては、引き続き事業の質に配慮いたしまして、中期計画が達成できるような形で進めていきたいと考えております。
  最後に、業務における環境配慮につきましては、内部での周知徹底、これはかなりやっておるわけでございますけれども、平成17年度向けに立てました実行計画が確実に実施されますよう、組織内で重ねて徹底し、成果を上げていきたいと考えております。
  以上でございます。

【佐野部会長】 ありがとうございました。それでは、委員の皆様方からのご意見ございましたらお願いをいたします。

【石井委員】 記号を言葉で表した何か一覧表というのはどこかに、今日の資料にあるんでしょうか。

【岸本調査官】 事務局からご説明申し上げます。平成16年12月14日の基本方針というので決めて頂きましたものでございますが、S、A、B、C、Dと5段階になっておりまして、一番上位がS、これは中期目標の達成に向け特に優れた成果を上げている。Aが、中期目標の達成に向け適切に成果を上げている。Bは、中期目標の達成に向け概ね適切に成果を上げている。Cが、中期目標の達成に向け業務の進捗がやや遅れており、改善すべき点がある。最後のDが、中期目標の達成に向け大幅な改善が必要である。以上でございます。

【佐野部会長】 ご意見等はございませんということでいいですか。
【高木委員】 評価の方にも書かせて頂いたのですが、外部委員による業務評価委員会、私はこれの設置につきまして、中期計画の当初から余り賛同は覚えておらなかったのですが、少なくとも今後、この業務評価委員会をこのまま継続するということであるならば、私どものこの評価委員会は法に沿ったところで動くということは、ある意味役割というふうなことでありますけれども、こちらの業務評価委員会においては、必ずしも法に則って動くということは要請されておりませんので、いわゆる裁量の余地が十分にあるというところでありますので、こちらの方、評価委員会の方とは余り重なるような、屋上屋を架するようなものではなくて、より効果性のある、そういった意味では重点的なと申しますか、そのような形での運営を心がけて頂きたいというふうに強く思うところであります。
  なお、提言がどうもこの業務評価委員会においてあったようですが、どのような提言があったのかをちょっと簡単に教えていただければと思います。

【大坪機構理事】 ありがとうございます。ご指摘の点につきましては、私どももこの外部業務評価委員会の設置をいたしますときに、こちらの委員会との重複であるとか、まさにおっしゃいましたような屋上屋を架さないということに注意を払ったつもりでございます。まず、委員の選定でございますけれども、私ども機構にそれぞれ業務別にご承知のとおり委員会がございまして、公健業務全般につきましては公害健康被害補償予防業務評議員会というのがございます。それから予防業務、これは調査研究でございますけれども、調査研究評価委員会がございます。それから地球環境基金につきましては、地球環境基金助成事業評価専門委員会というのがございまして、これらの委員会ではそれぞれの業務につきましてご専門の先生方に定期的に業務の内容をいろいろとアドバイスして頂いたり、チェックして頂いたりしています。実はこの外部評価委員会、業務評価委員会と言っておりますけれども、こちらのメンバーはこのそれぞれの専門委員会の委員長若しくは委員をやっておられる方に来て頂くということで、むしろ私どもの日常の業務をやっている中から専門的なご意見を頂きながら、全体のアドバイスなり提言をして頂くということでお願いしているわけでございます。それからこれら委員に加えまして、経営に係る有識者ということで、民間の方に来て頂いているということでございます。
  それで提言でございますけれども、実は昨年度はこの委員会を設置したということに留まっておりまして、第1回を行いましたのが今年の6月でございます。業務評価委員会としましては初めての会合でございましたので、正直申し上げまして、どちらもまだ慣れないという点がございまして、提言は頂いたわけでございますけれども、主に私どもの業務内容の成果について、国民の関心や理解を高める努力、これをもっとやったらどうかというような提言がございました。
  それから、さらに助成事業につきまして、一部私どものディーゼル自動車の対策に係る助成事業をやっておりますわけでございますけれども、これが昨年度ちょっと低調でございまして、この辺についての改善案をかなり具体的な形で考えるようにという提言等を頂いております。
  全体につきましての経営の効率化の問題であるとか、中期計画への対応の問題であるとか、その辺はまだ実は第1回でございまして、議論が行き届いておりませんが、今後の問題として、そういったものも含めまして活用させて頂きたいというふうに考えております。
  以上でございます。

【佐野部会長】 私もその辺はちょっと理解をしておりませんで、具体的にどういう評価委員会があって、そのミッションは何で、どういう評価をしてというようなことをひとつまとめて、各委員の皆様方に環境省経由で用意して頂けませんでしょうか。

【大坪機構理事】 早速用意いたします。かしこまりました。

【石井委員】 独法の評価委員会と別に外部評価委員会を持っていらっしゃるということですが、例えば国環研もそうですが、方々にあるんですが、私がこういう仕事をやっているというのは、比較的研究教育機関に限られているからそういう印象にしかならないのかもしれないんですけれども、その委員会は、外部評価委員会というのはもっぱらサイエンス・メリットですね。それにつまりそれぞれの分野の研究者の立場から評価をなさる。独立行政法人の評価委員会というのはむろんその専門家の方を、例えば国環研の部会にはいらっしゃいますけれども、必ずしもそうでない、私なんかもそうですが、そういうその違いがあって、そしてやはり専門家でなければできない、片一方では非常に厳しい評価もあるだろうし、逆に言えば科学の、あるいはその分野における研究の進捗状況とか、あるいは水準度から言って、そこまで言うのは厳しいよと。必ずしも目標には達していないと言っても、それは研究所の責任では必ずしもないよというような理解が示される場合も少なくとも論理的にあり得るわけでありまして、そういうこの機能分担というのか、違う視覚で物を見るということですと、私は意義があるだろうと思うんですが。それから例えば、国立スポーツ科学センターみたいのが最近有名になってきた、西が丘の方にあるんですが、あれも一般的な評価委員会とは別に、スポーツ科学のやはり観点から評価する、研究者による委員会があると。だから、そういうところですと非常に分かりやすいわけですよね。それで、その意味も何となく分かったように書いている。その辺、どういう観点で、従って、どういう専門あるいはお仕事をしていらっしゃる委員をその委員に委嘱していらして、具体的に例えば評価はどういうふうにしているのか。我々は実績報告書とか財務諸表なんかを見ながら皆さんのご説明を伺っていくわけですけれども、科学者の場合ですと、論文を読んだり、いろんなそういう、まさにピュアレビューの仕事を積み重ねて評価をしていらっしゃるということですので、そういう幾つかのアイテムですね、そもそも委員会の設置の目的、性格、それから仕事のやり方、あるいは仕事の観点、そういうところを、要するに特徴を浮き彫りにするようなご説明をぜひ頂戴できればと、こういうふうに思います。

【佐野部会長】 では、ただいまの高木委員、石井委員、私もお願いしたとおりでありますので、よろしく、分かりやすく整理し、提示していただくようお願いします。
  それでは、この業務運営の効率化についての評価については、これで特にご意見もない、ご異論ないということで、確定ということで進めたいと思います。
  では続きまして、事務局から説明をお願いします。

【岸本調査官】 続きまして、3ページの下の方でございますが、II、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項というところについてご説明致します。
  総括的なところは2行でございますが、以下に示すとおり、各業務において適正な運営が図られ、それぞれの業務について相応の成果があげられていると判断し、A評価とする。
  あと幾つか業務がございますが、これは業務ごとにご審議頂きたいと思いますので、最初の一つ目だけを読み上げさせて頂きます。公害健康被害の補償及び予防業務(評価:A)
1.汚染負荷量賦課金の徴収(評価:A)納付義務者に対して効果的な指導がなされ、説明会の開催や相談・質問の対応なども適切に行われている。また、ホームページの改善や提出書類のオンライン化が順調に行われていることが評価できる。
  2.都道府県等に対する納付金の納付(評価:B)事務処理の効率化については目標を達成しているが、納付金の申請事務等の電子化を進めることにより更なる効率化を期待する。
  3.公害健康被害予防事業(評価:A)公害健康被害予防基金の運用及び事業の重点化効率化が順調に行われている。今後は、助成事業の対象の見直しなどの課題への適切な対応を期待する。
  以上です。

【佐野部会長】 ありがとうございます。ただいまの説明につきまして、環境保全機構からの補足説明等ございますか。

【平井機構理事】 特段ございませんが、都道府県等に対する納付金の納付、電子化を進めることにつきましては、更なる効率化に努めてまいりたいと思っております。以上でございます。

【佐野部会長】 それでは、委員の皆様からのご意見等ございますでしょうか。

【高木委員】 これも評価の方で書かせていただいたのですが、公害健康被害の(1)の[1]の実績報告書、27ページのところですか。ここで評価の指標として、徴収率なるものが掲げられて、これがあたかも評価のところに大きく採用されているようなことになっているのですが、この徴収率なるものの構造がどういうものかというふうなお伺いをしますと、これは機構の方のご尽力によるものが一部であって、ほとんど他によって決定されるというものというふうなことが言えるようですので、これを指標として掲げられるのは余り適切ではないだろうというふうに思っておるんですが。

【平井機構理事】 ご説明させて頂きます。基本的に、従来、制度発足時代から計画値というものがございまして、それの計画値に対する実際の徴収決定額というのをずっと30年間まず経緯的にやってきているという、一つの歴史的経緯がございます。
  それから、やはりあくまでも制度発足からいたしまして、まず計画があって、本当にそれだけの申告をして頂けるものかどうなのかという、ある程度指標がありませんと、さらにそれが実際に収納できたかどうかという、やはり2段階に分けて確認していかないと、やはり収納率だけだと少し目安としては足りないかなということで、この2段構えで徴収率、収納率を指標として使わせて頂いているところでございます。念には念を入れているというような位置づけでございます。

【高木委員】 参考的な意味合いで掲げられるのはまだ理解できるのですが、どうも直接的な評価指標になっているやに受け止められるところでして、それは適切でないだろうというふうにまず申し上げておきたいと思いますし、また、私の評価のところを見て頂ければと思うんですけれども、現在の徴収が適正あるいは公平であるかについて、徴収・収納率が示されるのが理解しがたいものでして、なぜ未申告者が限定されるのか、なぜ収納率が高いのか、商工会議所は徴収に関して機構の手足として動くというのはどういうことかについて、もっと積極的な説明があって、そこのところで収納率という数字の意味合いというのが初めて説明できると言えるかと思うのですね。そこのところでまた機構の方におかれていろいろなご努力がされているかと思うんですが、その辺のところが説明されませんと、この部分についての評価に対する説明にはならないと思いますので、私はむしろ徴収率をもっと記載を控え目にして頂いて、今申し上げたような点をきちんと書いて頂くような評価というようにお考え頂ければというふうに思いますので。

【平井機構理事】 検討させて頂きます。

【佐野部会長】 では、ただいまの点については今後の検討事項ということで、よろしくお願い致します。
  その他ご意見伺えますでしょうか。
( なし )
【佐野部会長】 よろしいですか。それでは、他にご意見がなければ、評価はこれで確定ということにさせて頂きます。
  引き続きまして、事務局より説明をお願いします。

【岸本調査官】 続きまして、4ページの中ほどでございます。地球環境基金業務(評価:B)
  4.助成事業に係る事項(評価:B)助成事業の固定化の回避や重点化については評価できるが、処理期間の短縮や利用者の利便性の向上について、更に努力する必要がある。
  5.振興事業に係る事項(評価:B)国の政策目標等に沿った課題に重点を置いた調査事業が実施され、研修事業も効果的に実施されているが、受講者からのアンケート調査の結果を踏まえ研修内容の一層の充実を期待する。
  6.地球環境基金の運用等について(評価:A)民間寄付金の受入れが前年度を上回る成果をあげている。この基金の存在を国民に知らせる活動が更に行われることを期待する。
  以上です。

【佐野部会長】 この点についての機構の方から補足説明等ございますか。

【平井機構理事】 ご説明させていただきます。A評価を頂いた基金の運用等につきましては、引き続き努力致します。また、各委員の先生方から種々ご指摘も頂いております助成事業及び振興事業につきましても、より一層、資料データ等の充実を図る等、一層の改善が図られるよう、引き続き努力を傾注してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。

【佐野部会長】 ありがとうございました。
  それでは、委員の皆様からのご意見等ございましたら、よろしくお願いします。

【高木委員】 私ばかり質問しているようで申しわけないんですが、ちょっと質問というようなことでお伺いしたいんですけれども、処理期間の短縮というところがございますけれども、これは大きな評価表でいきますと14ページですか、実績報告書の方を見ますと、申請処理により提出時期による団体間での不公平を回避するということで、今、業務処理がされているようなんですが、地方分権の時代ですので、申請処理の提出時期による地方自治体間の不公平というのは、これはあっても当然かというふうに思うんですが、このことを理由に交付までの処理日数が多くなっているとするならば、明らかに直された方がよろしいんじゃないかなというふうに思うんですが。

【平井機構理事】 地球環境基金担当の平井でございます。背景等私どものご説明にちょっと不手際があったのか、実はこの地球環境基金の助成金の交付というのは、NGOのそれぞれの方から申請を受けまして、年5回に分けてお支払いしている。これも清算払いという形で、各NGOがこういう事業にこういうお金がかかったという領収書を持って来て頂きまして、それを精査して、年5回に分けて払っている制度でございまして、地方分権とか都道府県とかというのとは余り関係のない手続になってございますので、この点ご理解いただきたいと思います。
  この処理期間と申しますのも、例えば4月1日からかかった領収書を全部持っていらっしゃいという形で8月1日に締め切りまして、それを振込日の8月31日に向けて、この領収書じゃだめだと、これならいいだろうという形で、およそ1月間やり取りを行います。支払に必要な資料がきちんと整っている団体もあれば、そうでない団体もあります。年間約200件の助成件数がございますので、その辺を調整して、できるだけ早く支払えるように処理期間を短縮するということでございまして、都道府県は一切ここには関与していないという制度でございますので、ご理解のほどよろしくお願い致します。

【高木委員】 都道府県が窓口になっている訳ではないのですか。

【平井機構理事】 そうでございます。直接私どもの機構がNGOの方々とやっております。

【有田委員】 その点については前回私も質問しまして、数値の出し方がちょっと表現が違うような気もするということでお話しましたら、回答いただきまして、実はここの、全体もそうなんですけれども、もっといい評価を私自身はしていたんですね。事前説明のときに非常にわかりやすいご回答をそれぞれに頂きましたので、もう一度よく読みなおして、初年度から余り評価をすると次から大変だということで、かなり厳しくまた見直したというところがありますので、そういう点については努力をされていると思っていますので、ちょっと付け加えますと、Bでも私はAに近い方のBを付けております。
【佐野部会長】 ありがとうございました。私も第1回の説明を聞いて、非常にスムーズに説明されたので、私はAとしましたが、いろいろ分かりにくいという点もあるかもしれませんので、なお一層ご努力をお願いしたいと思います。
  他にご質問ございますでしょうか。

【桑野委員】 もっと前にお聞きすべきことだったのかもしれませんけれども、5番目の調査事業で、この受講者というのはどういう方たちなんでしょうか。

【平井機構理事】 この振興事業の受講者でございますか。これはいろいろな講座、例えば基本的な領収書の書き方とか、そういった会計から始まりまして、いろいろなシンポジウム等ございますが、基本的には受講者というのはNGOの方々が大半でございます。一般の人ももちろん、企業の方もいろいろございますが。

【佐々木部長】 補足をさせていただきますが、この振興事業で行います研修は一般の市民の方に、NGOがどういう活動をしているのかというのを知って頂き、また参画をして頂こうという働きかけをするものと、それからNGO自身、活動されている団体のブラッシュアップを図るために行っているものがあります。その意味では広く一般の方を対象とするもの、それからNGOで経験を積んでおられる方を対象としているものに大別できますけれども、中には結構専門的な勉強をしたいということで受講される方もいらっしゃいます。このように広く一般の方あるいはNGOの方が対象であるとご理解を賜ればと思います。

【桑野委員】 すみません、アンケートの中でそれが有意義であったというパーセントで示されておりますけれども、内容についてのご希望等のご意見もいろいろたくさん出されているんでしょうか。

【平井機構理事】 具体的には、こういう行動はやってくれとか、こういうのが最近話題になっているからやってくれというような希望を出してもらっておりますが、私ども、事業報告の中で資料を入れておりませんでして、次回からはちゃんと報告の内容に入れるようにご指摘を受けておりますので、そうさせて頂きたいと思います。

【佐野部会長】 では、ぜひ次回からはそういう点、ご配慮をお願い致します。
  他にご質問、ご意見ございますでしょうか。

【西間委員】 この前も議論になったところなんですけれども、この心理社会的なところに対する調査研究事業について、その後、何か機構の方で議論されたんでしょうか、これからやる、やらない、どうするということについて。

【平井機構理事】 前回、西間委員からご指摘頂きました、このいわゆるモデル事業でございますが、これは予定の事業期間3カ年で、本年度で終了いたします。今後の扱いにつきましては、私どもで検討いたしますと同時に、また環境省さんのご判断も仰いでいきたいというふうに考えております。

【西間委員】 つまり、まだ何もあれ以上進歩していないという、ここで報告した以上は進歩していないということですか。

【平井機構理事】 少なくともこの事業につきましては本年度で終了でございますので、次年度以降のことは一切まだ検討しておりませんが、これはこれでもうご指摘のとおり終了ということでございます。

【佐野部会長】 ありがとうございました。
  他にご意見等はございませんか。
( なし )
【佐野部会長】 それでは、評価はここにあるとおりということで、次に進みたいと思います。事務局から引き続き説明をお願いします。

【岸本調査官】 続きまして、4ページの一番下のところでございますが、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金による助成業務(評価:B)助成金交付要綱・要領を策定し、ホームページで公表するとともに、採択した事業についても公表を行うなど透明性に配慮した事業の実施が図られているが、今後の事業の進め方を見ていきたい。
  もう一つお願いしたいと思いますが、5ページの上の方ですが、維持管理積立金の管理業務(評価:A)積立金の適正な管理を行うとともに、積立者に対して運用利息額等の通知を適切に行っている。
  以上でございます。

【佐野部会長】 わかりました。それでは、機構の方から補足説明がありましたら、よろしくお願いします。

【平井機構理事】 本件につきましては特にございませんが、引き続き努力してまいりたいと考えております。

【佐野部会長】 それでは、委員の皆様からのご意見ございますでしょうか。なお、このIIの国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項の全体評価についても併せてご意見等をお願い致したいと思います。
  ちょっと私からですが、このPCBの基金に係る助成業務ですが、既に昨年からPCBの回収処理をする会社が発足しているわけで、私もそこに若干関わっておりまして、やはり地域住民の皆様方のご了解のもとに工場を立ち上げているために、回収するPCBについての制約が非常に多いらしいのですね。私どもの業界からもそういう声が伝わっておりますし、何十年も経って腐食していたり、あるいは梱包が汚れたり、紙が汚染される、そういうものはなるべく引き取らないという方針のようで、できれば当初は良品のみにして欲しいというようなことでスタートしているようなので、この助成事業と言いましても大変限定されると思うんですね。皆様の努力だけではどうしようもない点もあると思うんですが、その点はどんな感じでしょうか。

【平井機構理事】 それでは、補足をさせていただきますが、ご承知のとおり、全国5カ所で今本格的に始まっておりますのは北九州だけでございます。やはりいろいろな企業の方、中小企業の方にPCB廃棄物を持って来て頂くということで、ある程度限定はございますが、かなり前向きに会社の方もできるものはどんどんやろうということで一生懸命やっているということを私ども把握しているわけでございます。実情更に現場の声を精緻に聞いてみたいと思いますが、ただ私どもの基本と致しましては、その助成案件に助成をするということで、具体的な会社の運営等につきましてできることは示唆程度でございまして、情報収集に引き続き努めますが、基本的には会社経営の責任で、要請があったものに対して助成をするという業務でございますので、ご指摘の点は更に情報収集には努めたいと思っております。具体的に機構側から申し上げる権能がございませんので、ご理解頂きたいと思います。

【佐野部会長】 わかりました。この点について、ご意見等ございますでしょうか。

【有田委員】 個別の委員の方の意見ということをお伺いしていいのか、全体評価もしているところなんですが、石井委員の評価をちょっと、16ページに載っているところで何かお伺いしたいなと思ったのですが。

【佐野部会長】 どういうご質問でしょうか。

【有田委員】 PCBの助成業務のところで、「型通りこなしている。という以上の印象を受けない」というふうにお書きになっているので。

【佐野部会長】 では、石井委員の方から。

【石井委員】 つまりBということで、先ほど定義を聞きましたけれども、概ね適切だと、こういう表現になっておりますので、何かBというと真ん中で、可もなし不可もなしというような印象を受けるんですが、定義から言うと適切だという方なんですよね。真ん中よりちょっと上だという。つまり中期目標に向かって概ね適切に進行しているということなので、私はそんなところかなということなんです。
  全体に事実認識、印象の持ち方は、私はそんなに他の先生方と違っていないんではないかと思うんですが、要するに定義にこだわっておりまして、そこそこいいじゃないのというときにはBにしているということでございます。高木委員とはまたちょっと違うかなと。

【佐野部会長】 かなり違うような。

【平井機構理事】 くどいようですけれども、このPCBの助成業務は、私は本当に評価が難しいと思いますね。さっきのご説明のとおり、PCBの事業会社は、最初は新品同様を持って来てくれという営業方針のようで、私どもも電力業界その他から要請があると聞いておりますが、なかなか早期回収割引制度を導入しても、会社の方がそういう営業でやっていますから、数的には集まりにくいし、そういう状況での助成業務なので、どう評価していいか私も非常に悩むところであります。

【田中機構理事長】 このPCBの助成業務ですけれども、これは環境事業団のときに、この処理と助成とを同じ事業団でやるということになっておりまして、まだそのときは事業が進んでおりませんでした。それで組織が分かれるときに、やはり同じところで中小企業の処理をやったらその金を自分のところで助成するのはやっぱりおかしいので、助成事業だけこちらの機構に持って来たという経緯があります。それで現在のシステムは、会社の方が中小企業のPCBを処理したら、その処理した量について会社が機構に助成の申請書を出しまして、我々の方がそれを厳密に審査をして、これで間違いないということであればその助成金を出すということで、あくまでも当方は受身になっておりまして、その処理の内容について詮索して、もっといろんなものをやれと、こういう立場にちょっとないものですから、またこれから研究いたしまして、会社の方とも相談いたしますけれども、システム的にそういう仕組みになっておりますので、そのような背景をご理解を頂きたいと思います。
【佐野部会長】 ありがとうございました。

【有田委員】 すみません、ちょっと突然なんですけれど。そういうところには専門委員会みたいなものは、専門と言うのですか、さっきの外部評価みたいな評価を行うものはないのですか。

【田中機構理事長】 当方の助成ですか。

【平井機構理事】 会計上の事務的な精査をやっているだけでございまして、そういった評価とか外部の委員の方に業務を点検してもらうという意味では、今のところ委員会等の設置は考えておりません。

【桜井大臣官房審議官】 今、部会長からご指摘のPCBの処理会社の方のいわば営業方針といいますか、運営方針になってまいりますので、私どもの方でもちょっと確認は致しますけれども、多分、北九州の処理が今本格化しているのと、近々愛知県の豊田の事業も稼動いたします。いずれにしても期間を区切って、国内にあるPCBを全部処理するという事業でございますので、若干その営業方針のぶれもあるのかもしれませんけれど、すべて処理するという方針ですので、その中で助成事業の対象になる中小企業とか、そういうものをこちらの機構の方で個別の審査をしながら助成をしていくということでございます。部会長のご指摘は、多分会社の方の営業方針そのものであると思いますが、私どもの方でもちょっと確認をさせていただきたいとは思います。

【佐野部会長】 ありがとうございました。

【石井委員】 先ほど有田委員の方からもご質問で、いささか横からだまろうとしたので、またまたお答えできなくて。これ、評価の仕事をしていまして気がつきましたのは、この中期目標、中期計画、年度計画、全て、少なくとも上の欄の問題は実質的な仕事の中身のことの問題ではないんですね、これは。つまり採択するとか、それについて審査する、評価すると、それが適切に行われているかどうかということを審査するのかと思ったら、そうではなくて、募集要綱であるとか、それをホームページに出すとか、決まった場合にはこれが採択されましたということだけ、結果だけ公表する。問題はその中身で、これがさっき部会長おっしゃった問題にも結局関わってくるんだろうと思うんですが、要するに、この項目に関する中期目標からずっと計画についての、これが何とも評価のしようもない、いや、確かにホームページに出ているのでしょうねと、では型通りやっていますねということで、やっぱりBでいいも悪いもないと。特に優れてやっているということも出ていないですし、適切に言っているところもないので、要するに型通りやっていらっしゃるということでBになったと、こういうことです。思い出しました。

【佐野部会長】 ありがとうございました。第1回のときに、非常に皆さん力を入れてプレゼンテーションしたので、プレゼンテーションはうまいなと思ったんですが、書面での説明はちょっと省略し過ぎていますね。読む側の立場に立って、皆さんのやったことをわかりやすくきちんともう少し入れていくということも必要な感じがします。
  ということで、この今までのIIの国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項の評価全体について、特に追加したご意見、ご質問はありませんでしょうか。
( なし )
【佐野部会長】 それでは、この点については、この案のとおりで確定させていただきます。
  引き続きまして事務局より説明をお願いします。

【岸本調査官】 5ページの上の方でございますが、ローマ数字のIII、財務内容の改善に関する事項。以下に示すとおり、債権の償却処理が迅速に実行され、債権回収についても着実に成果を上げていることから、A評価とする。
  1.承継業務に係る債権・債務の適切な処理(評価:A)破産更生債権等の償却処理が迅速に実行されるとともに、正常債権以外の債権回収についても、目標を上回る実績を上げている。
  以上です。

【佐野部会長】 ありがとうございました。ただいまの財務内容の改善に関する事項につきまして、環境再生保全機構からの補足説明ございますか。よろしくお願いします。

【邊見機構理事】 延滞債権の回収につきましては、ご承知のように相手にとっては企業の存亡に係る問題であります。また、その従業員の生活の基盤がなくなるかどうかというような問題でありますので、誠に困難な作業でありますが、我々も引き続き真剣に努力をしてまいる所存でございます。以上でございます。

【佐野部会長】 ありがとうございました。それでは、委員の皆様からのご質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
( なし )
【佐野部会長】 それでは、特にご意見もないということでありますので、これで確定ということにさせていただきます。
  引き続き事務局より説明お願いします。

【岸本調査官】 続きまして、5ページの中ほどのところでございます。事項別評価の最後のところでございますが、ローマ数字のIV、その他業務運営に関する重要事項。以下に示すとおり、着実に目標達成に向けた努力がなされていることから、A評価とする。
  1.人事に関する計画(評価:A)人事データの一元化や電子化を図り、職員の適正に応じた人事異動を実施し、適材適所の人材配置が行われ、常勤職員数について目標を上回る削減が図られている。今後は、新人事評価制度に基づき成果に応じた業績評価の取組みを進め、職員の意識の向上を図ることを期待する。
  2.その他業務運営に関すること(評価:A)予定された地区の譲渡事業の施設整備を適切に実施し、譲渡先への引き渡しを完了させた。
  以上です。

【佐野部会長】 ありがとうございました。この点についても機構の方から補足説明ございますか。

【大坪機構理事】 ありがとうございます。最初の人事に関する計画につきましては、冒頭、組織運営の効率化について申し上げたとおりでございまして、来年度の本格導入に向けまして今年度粛々と丁寧に準備を進めていきたいというふうに考えてございます。
  特に管理職に対する研修、それから評価を受ける側の方に対する研修、人事制度の内容をよく職員に理解してもらって、丁寧に進めていくということに力を注いでいきたいと思っております。
  それから、次の緑地事業でございますが、これは4事業のうち3事業が既に終了いたしまして、残り1事業につきましては、これも粛々と進めているということでございます。以上でございます。

【佐野部会長】 ありがとうございました。
  それでは、その他の業務運営に関する事項につきまして、委員の皆様方からご質問ございますでしょうか。

【石井委員】 一番最後のその他で、私一人だけBがついているのですが、これは要するにどういう観点でものを考えたら、つまり評価したらいいのかということが、私自身非常に迷いまして、この事業はたしかあれですよね、終了していくわけですよね。それに向かって、要するにここへ淡々と書きましたけれども、終了ということなので、何か著しく遅れていればともかく、それ以上いいとも悪いとも何か言い様のない形じゃないかなと思って、実は困ってBにしたということなんですが、ほかの委員の方々はどういうふうにお考えになったのかなと、教えていただきたいと思います。

【佐野部会長】 では、他の委員のご意見ありますか。

【有田委員】 私がここの評価をするに当たりましては、計画というか、中期計画と年度計画の中だけでの評価をする委員だというふうに考えて受けましたので、先ほども多少議論になって、外部評価と屋上屋を重ねるというご意見もあったんですけれども、そういうようなところで別途評価なりするようなところと、あと別のところの計画で出されるところかなというふうに思いましたので、例えば環境省の方で別途そういう計画を出されて、そこでここが受けるようなことを私たちがそれをどう考えるかという評価にしていかないと、評価委員会としての位置づけがちょっと違ってくるかなと思いましたので、希望はもちろんやめていくよりも広げていくという方が、私個人の意見としてはありますけれども、評価委員としてはちょっとそれが違うというふうに受け止めましたので、私は適切に事業が行われているということで、A評価にしました。

【佐野部会長】 ありがとうございました。他にこの点についてご意見ありますか。高木委員はどうですか。

【高木委員】 石井委員のおっしゃること、非常にごもっともだというふうに思います。私がAをつけたのは、それはかなり辛辣なことを申し上げるというところの反動みたいなところがありまして。

【佐野部会長】 他にご意見がないと思いますので、評価はこれで確定ということにさせて頂きます。
  引き続きまして、事務局より説明をお願いします。

【岸本調査官】 続きまして、資料の1ページに戻って頂きまして、全体の評価のところをご審議いただきたいと思います。読み上げます。
  総合評価:A、概評、独立行政法人環境再生保全機構は、平成16年4月に旧公害健康被害補償予防協会と旧環境事業団を統合し、公害に係る健康被害の補償及び予防、民間団体が行う環境の保全に関する活動の支援、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の円滑な実施の支援、維持管理積立金の管理等の業務を行うことにより、良好な環境の創出その他の環境の保全を図ることを目的として設立された。
  平成16年度は、統合に伴う多くの問題を克服し、その利点を生かしつつ、中期計画に沿って、業務運営の効率化、業務の質の向上、財務内容の改善その他の業務運営に関する事項について十分な成果を上げており、総合的にみて中期目標の達成に向けて適切な業務運営を行っている。
  機構の組織・業務の運営に関する事項。
  2つの組織を統合して設立した独立行政法人としての初年度であるが、平成16年度は、組織の一体化・融合化に努めるとともに、建設譲渡事業の施設整備の一部終了に伴い組織の見直しを図ったことについて評価できる。
  組織・業務運営の効率化や業務の質の向上を図るよう、自己点検・自己評価を行うための外部有識者による業務評価委員会の設置など事後評価体制の整備を行ったが、評価結果、提言等の反映が今後の課題である。
  事務処理の簡素化・迅速化については、一応の成果が見られる。外部委託の推進や契約に係る競争の推進は、初年度であり実績が十分であると判断しがたいが、前向きに取り組んでいるものと思われる。
  環境分野の業務を遂行する法人であることを考えれば、環境配慮への取組みは、初年度であることを勘案しても、更なる取組みを進めることが望まれる。
  計画以上の人員削減や新人事制度の構築を行ったことについては、高く評価できる。
  業務の質の向上に関する事項。
公害健康被害補償業務については、補償等に必要な汚染負荷量賦課金の徴収を計画どおり行うことができたこと及び納付義務者や都道府県等に対する的確な指導への取り組みや資料の改善を行ったことなどについて評価できる。
  公害健康被害予防事業については、一部未実施の事業もあったが、多くの事業で参加者等から高い満足度を得られ、適切な事業を行うことができたものと評価できる。
  地球環境基金業務については、国の重点分野等の政策目標にしたがった取り組みを行い、利用者の利便性向上のための努力が伺える。
  ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金業務については、助成制度に関する仕組みを整備した段階であることから、今後の助成業務の実績により評価したい。
  維持管理積立金の管理業務については、適切な管理ができたものと評価できる。
  以上です。

【佐野部会長】 ありがとうございました。それでは、委員の皆様からのご意見がありましたら、よろしくお願いします。

【石井委員】 この資料の22ページに、私の全体の評価についてのコメントが書いてございますが、こんなような感想を持ったということでございます。つまり、数値目標が掲げられているものについては、要するに結果が出ているのでAとしたと。ところが、本当に大事なことというのは、例えば先ほどホームページのアクセス数がどうであるかとか、電子化がどうのこうのとかということもさることながら、もっと大事なことはやはり、やっていらっしゃる事業の中身の質なんですね。これは結局研究機関の場合ですと、それがさっき言いましたように、外部評価委員会のピュアレビューで評価が出てきた。ですからこういうプロジェクトについての評価はAであるとかというような結果が出てきているわけで、それによってある程度研究調査の種目の中身について情報が我々独法委員会の方は得られる仕組みになっております。こういうお仕事の機構の場合ですと、なかなかそういうところにいっていないので、結局数値のところでいいということになると、やっぱりAになるなという、そういうことを書かせて頂いた訳ですが、最初に戻ってみますと、独立行政法人制度というのはそもそもそういうものかなと、外の評価委員会というのは何だか意味がある仕事をやっているのかな、よくわからないなと、自分で自分の仕事に疑問を持ちましたという次第でございます。

【佐野部会長】 ありがとうございました。他にご意見等ございますか。

【有田委員】 初めてお受けしまして、監査などは別のところで環境のことでは行ったことはあるんですけれども、なかなか数値と文章というか、こういうことだけで評価するというのは見えてこないものも多いのですけれど、委員長もおっしゃったように、前回のプレゼンというのは非常にわかりやすく、それが逆に言えば、この中に表現できていないことが少し、後で話を伺ったり質問をして回答を頂いたものについては納得ができたのでよかったのですが、この出されている資料だけを拝見させて頂いたときに、後でそれがどのようなことが具体的にというと、なかなかこれ以上厚いものを作るというのは、またそれはそれで見て頂けないので難しいとは思うんですけれど、何か少し残念だなというのがありましたので、評価をするに当たって、これ以上言うとね、それだけです。

【佐野部会長】 では、せっかくの機会なので、高木委員さんもどうぞ。

【高木委員】 今、有田委員がおっしゃられたような話、私も強く感じておりまして、業務実績報告書を読ませて頂いても、要は伝わってくるものが少ないんですね。本当に何をどの程度熱心に取り組まれておられるのかなというところが非常にわかりにくいんですね。これ、わかりにくいのはいろいろ中期計画の作り方とかいうところなどにも原因があるなというふうに改めては思ってはおるんですけれども、やはり書き手の心内というものがいかがだったのかなというふうに私正直感じるところでありますので、やはりここの独法の評価というのは、一つは自制的なものであるという訳でありますけれども、もう一つは国民に対する説明というところも一つ大きくございますので、やはりこの国民に対する説明という観点からも十分な実績報告書というものでないと、評価といったところではいい点は必ずしも出しがたいのではないかというふうに思いますので。

【佐野部会長】 高木委員は第1回を欠席していまして、余計困ったのではないかと思います。
  では一言、他の委員の皆さんよろしくお願いします。

【桑野委員】 この機構そのもののお役目という性質もあるのかもしれませんけれども、人員の削減だとか、予算の削減だとか、非常に結構なんですけれども、削減するだけじゃなくて、やはりもうちょっと将来に向けて何かポジティブなものが見えてくると嬉しいかなと感じました。感想です。

【佐野部会長】 ありがとうございました。

【西間委員】 私、国立病院機構、昨年からなって、身につまされる思いでこれをずっと見ていたんですけれど、業務運営とか財務内容、人事管理、これが数値として非常にわかりやすい形で出てくるので、やっぱりそっち側にかなりの場合エネルギーを費やして成績をよくしようと。実際の業務の質のところが非常に見えにくい形で出ているわけですね、いろいろ読んでも。前に、公健協会の仕事をさせていただいたこともあったので、その質的なものというのはある程度理解しているつもりだったんだけれど、今回、こういう評価委員会の中で見ても、質というのがやっぱり非常に見えにくいんですよね。だから、やっぱり評価する先生たちは易学者とかだったらわかりやすいと思うんですけれど、非常にわかりにくいんではないかと。そうなるからまたその業務運営とか財務内容とか人事管理、数値だけがざっと出て、そして中期目標のもう半分ぐらいいきましたということで、これは素晴らしい、Aとかいう形になるので、かわいそうだなというか、我々がまたこれを評価、自分たちのグループも評価されるときに、そっち側にエネルギーを費やして、肝心の質がわからない、枝を切り落としていって幹だけに残っていった先に何があるのかなとしみじみと思いながら、いい経験をさせていただきました。だからほとんどやっぱりAと付ける以外になかったというような感じです。

【佐野部会長】 委員の皆様から大変貴重な意見を頂きまして、機構の方で、ぜひこれを取り込んで、更によい成果を上げて頂きたいと思っております。
  それでは、特に意見もないと思いますので、これで確定ということでさせていただきます。
  それでは、平成16年度の独立行政法人環境再生保全機構業務実績の評価につきましては案のとおりとしまして、評価書として確定をいたします。
なお、本評価結果につきましては、独立行政法人通則法第32条第3項に基づきまして、独立行政法人環境再生保全機構及び総務省に置かれている政策評価・独立行政法人評価委員会に対して通知することとされておりますので、事務局において必要な手続きを行わせたいと思います。
さて、最後に、本日は再生機構の理事長が出席ですので、今までの評価結果についてのご感想、今後の対応、心構え等、お話を聞かせて頂ければと思います。

【田中機構理事長】 委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中、熱心にご審議を頂きましてありがとうございました。
  平成16年度は、機構が独立行政法人となりまして初めての事業期間でございましたし、2つの法人を統合いたしまして設立いたしたために、組織の融合、それから一体化を図るということで努力をいたしました。そういうこととともに、機構に承継をされました各業務につきまして、関係者、関係機関への周知・広報に努めてまいりました。
  平成16年度の業務実績につきましては、当機構が多岐にわたる事業を実施をしていることもございまして、限られた時間内に十分ご説明ができなかった点もあったかと思いますけれども、各委員の先生方におかれましては、環境再生保全機構の役割、機能、それから16年度の実績等を十分にご理解をして頂きまして、ご評価を頂けたものと受け止めております。
  お取りまとめを頂きました評価書あるいはこのご評価を頂く過程でいろいろなご指摘を賜りました。ご指摘のあった事項につきましては、私どもも真摯にこれを受け止めまして、引き続き役職員一体となって業務運営の効率化を推進をいたしますとともに、国民の皆様に質の高いサービスをできるように更に努力していかなければならないと思っております。
  今後とも委員の先生方におかれましては、当機構につきましてご指導、ご鞭撻を頂くようにお願いを申し上げます。本当に今日はありがとうございました。

【佐野部会長】 どうもありがとうございました。
  それでは次に、平成16年度独立行政法人環境保全機構の財務諸表についてご意見をお願いしたいと思います。
これは主務大臣が承認するに当たりまして、あらかじめ部会の意見を聴かなければならいとされており、前回の部会において、環境再生保全機構により説明を聞き、部会の場においては特にご質問・ご意見がございませんでした。また、追加の質問・ご意見があればということで、7月19日までに頂くこととしておりましたが、特段のご質問・ご意見はありませんでした。
  機構部会として「意見無し」ということでよろしいでしょうか。
( なし )
【佐野部会長】 それでは、委員会としては特に意見はなしとさせて頂きます。
  それでは、次の議題でありますその他でありますが、事務局からお願いします。

【岸本調査官】 特にございません。
  なお、本日お配りしております資料のうち、ファイル綴りのものにつきましては、今後も会議の都度使わせて頂きたいと思いますので、本日はその席にお残し頂きたいと思います。

【佐野部会長】 それでは、これで全て議事は終了しましたので、本日の会議は終了致します。
  本日は皆様ありがとうございました。