第2回環境省独立行政法人評価委員会 環境再生保全機構部会
日時
平成16年1月23日(金)10:00~12:06
場所
環境省第一会議室
議題
(1) | 独立行政法人環境再生保全機構に係る中期目標(案)・中期計画(案)について |
(2) | その他 |
配布資料
資料1 | 独立行政法人環境再生保全機構の概要 | |
資料2 | 中期目標・中期計画の位置付け | |
資料3 | 独立行政法人環境再生保全機構中期目標(案) | |
資料4 | 独立行政法人環境再生保全機構中期計画(案) | |
資料5 | 独立行政法人環境再生保全機構中期目標(案)中期計画(案)の概要 | |
資料6 | 独立行政法人環境再生保全機構の基礎データ | |
資料7 | 中期目標(案)、中期計画(案)に係る意見・質問票 | |
資料8 | 「独立行政法人環境再生保全機構」主要日程(案) | |
参考資料1 | 中期目標(案)及び中期計画(素案)に対する参与会議の指摘事項 (平成15年7月 特殊法人等改革推進本部参与会議) |
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参考資料2 | 中期目標及び中期計画案に対する参与会議の指摘事項 (平成15年9月 特殊法人等改革推進本部参与会議) |
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参考資料3 | 平成16年特殊法人等予算要求ヒアリングに関する参与会議の指摘事項 (平成15年11月 特殊法人等改革推進本部参与会議) |
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参考資料4 | 独立行政法人の中期目標等の策定指針 (平成15年4月18日 特殊法人等改革推進本部事務局) |
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参考資料5 | 新独立行政法人の中期目標等における削減・効率化目標について (平成15年10月7日 特殊法人等改革推進本部事務局) |
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参考資料6 | 特殊法人等整理合理化計画 (平成13年12月19日閣議決定(抜粋)) |
出席者
委員: | 石井紫郎部会長、北野大委員、桑野園子委員、佐野角夫委員 高木勇三委員、三橋規宏委員、鷲谷いづみ委員 |
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環境省: | 総合環境政策局 | 松本総合環境政策局長 苦瀬新機関設立推進室長 齊藤環境研究技術室長 渋谷環境教育推進室長 平田環境保健部調査官 |
公害健康被害補償予防協会 | 斉藤理事 村川総務部長 石川経理部長 |
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環境事業団 | 加納理事 鈴木総務部長 大久保経理部長 |
議事
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 それでは、本日御出席の委員の方でまだお見えでない先生もいらっしゃいますが、定刻でございますので、ただいまより第2回環境省独立行政法人評価委員会環境再生保全機構部会を開催させていただきます。
会議に入ります前に、総合環境政策局長の松本より御挨拶申し上げます。
【松本総合環境政策局長】 おはようございます。総合環境政策局長の松本でございます。本日は、御多忙の中、御出席をいただきまして本当にありがとうございます。
第2回の環境省独立行政法人評価委員会環境再生保全機構部会の開催に当たりまして、一言私の方からごあいさつを申し上げたいと思います。
特殊法人改革の一環といたしまして、平成13年12月19日に閣議決定されました特殊法人等整理合理化計画を受けまして、昨年の通常国会、5月に成立をいたしました独立行政法人環境再生保全機構法に基づきまして環境省所管の環境事業団と公害健康被害補償予防協会の二つの特殊法人を解散させまして、公害に係る健康被害の補償・予防、それと民間団体が行う環境保全に関する活動の支援などを行うという役割を持った機関といたしまして、新たに平成16年4月1日に独立行政法人環境再生保全機構を設立させる運びとなっているわけであります。この機構におきます平成16年度の環境省の予算案額につきましては、運営費交付金が約31億円、その他の補助金等を合計いたしますと約231億円ということになっております。本日の部会におきましては、この独立行政法人環境再生保全機構に係わります中期目標の案、そして、中期計画の案につきまして、私どもの方から御説明をさせていただくことになっております。
独立行政法人におきましては、3年以上5年以下の期間において中期目標を主務大臣が定めまして、そして、これを受けまして法人側で中期計画を決めて、それに沿って業務運営をしていくということになっております。業務運営もかなり弾力的に行え、自主性も出てくるということになるわけであります。反面、独立行政法人の運営につきましては、主務大臣は一般的に関与することはできるだけ排除をするということになっております。基本的には法人の長の裁量に委ねられているということからいたしますと、これまでの特殊法人よりは責任が重いということが言えるかと思います。この法人が所期の成果を挙げるためには、的確な中期目標の設定、そして中期計画の策定、そして、これを受けて実施される業務の実績に対する厳正な評価が重要であると考えております。
委員の皆様方には、今後、4月1日の独立行政法人環境再生保全機構設立に向けまして、独立行政法人の中期目標、中期計画の策定を初めとして、本日ではございませんけれども、さらには業務方法の要領を記しました業務方法書あるいは役員報酬等の支給基準等につきまして、いろいろと御意見を頂戴したいと思っておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。大変に難しい課題でありますけれども、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 それでは、議事に入ります前に、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。座席表、名簿を置いてあります下に、第2回環境省独立行政法人評価委員会環境再生保全機構部会という議事次第と資料一覧があるかと思います。それに沿って資料を重ねてあるかと思いますが、資料1は独立行政法人環境再生保全機構の概要、資料2が中期目標・中期計画の位置付け、資料3が独立行政法人環境再生保全機構中期目標(案)、資料4が独立行政法人環境再生保全機構中期計画(案)、資料5が独立行政法人環境再生保全機構中期目標(案)中期計画(案)の概要、資料6が独立行政法人環境再生保全機構の基礎データ、資料7が中期目標(案)、中期計画(案)に係る意見・質問票、そして資料8が「独立行政法人環境再生保全機構」主要日程(案)、こちらが資料でございます。
それからもう一つ、参考資料といたしまして、参考資料1が中期目標(案)及び中期計画(素案)に対する参与会議の指摘事項、参考資料の2が中期目標及び中期計画案に対する参与会議の指摘事項、これは15年9月のものでございます。それから、参考資料3が平成16年特殊法人等予算要求ヒアリングに関する参与会議の指摘事項、15年11月のものでございます。それから、参考資料4、独立行政法人の中期目標等の策定指針、平成15年4月のものでございます。参考資料5、新独立行政法人の中期目標等における削減・効率化目標について、平成15年10月のものでございます。そして、参考資料6、特殊法人等整理合理化計画、平成13年12月のものでございます。以上がお手元に配付してございます資料です。もし不備などございましたら、お申し出いただければと存じます。よろしいでしょうか。
それでは、本日は、部会の委員の先生方9名のうち、7名に御出席をいただいております。従いまして、環境省独立行政法人評価委員会令第6条第3項の規定による準用によりまして、同条第1項の規定により定足数を満たしておりますことを御報告申し上げます。
それでは、これ以降の議事進行につきましては、石井部会長にお願いいたします。
【石井部会長】 それでは、議事に入らさせていただきます。
まず、本日の議題の1、独立行政法人環境再生保全機構に係る中期目標(案)及び中期計画(案)についての審議、これが主たる本日の議題でございますが、これに入らせていただきます。
これは非常に大切であり、かつまた目標、計画ともに大分にわたるものでございまして、審議が大変重い仕事になるかと思います。というわけで、できる限り効率よく進行をさせていきたいと考えまして、事務局ともあらかじめ相談いたしまして、次のようなやり方でやらせていただいたらどうかと考えているところでございます。それは、まず本日は環境省及び現在ございます関係特殊法人の方から御説明をいただきまして、それについての確認的な御質問は是非していただきたいわけでございますが、本格的な議論は次回、2月16日に予定されております部会で御議論をいただくということで、基本的にはこのような段取りでお願い申し上げたいというのが原案でございます。その場合、お手元の配付資料の7にございますような「意見・質問票」に中期目標(案)、中期計画(案)に係るいろいろな御意見、御質問を御記入いただきまして、これを後日、事務局の方にお送りいただくというステップを間に挟みまして、意見・質問票の回答を踏まえ、また、もしかすると修正の必要が出てくるかもしれないので、そういうものを加えた上で、次回改めてその点についての説明を受け、そして、今申しましたように、議論をしたいと考えている次第でございます。
また、参考資料の中にも出てまいりますが、この特殊法人等改革推進本部参与会議という組織からさまざまな意見が出されておりますが、さらに、今後も同会議からいろいろな意見あるいは指摘等がなされる可能性もございますので、そのようなものも次回までの間にもしありましたならば、それも加えた形で多少の修正が加えられてくるのかもしれません。そういった可能性もございますので、まず本日はとりあえず説明を聞くことを主たる仕事にさせていただきたいというのが原案でございますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井部会長】 それでは、そのようにさせていただきます。
では、資料の7について、事務局から説明をお願いします。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 資料の7というのが、先ほど申しましたように、1枚の紙が資料の束の終わりから2枚目のところにございます。今、石井部会長から御説明いただきましたように、次回の審議に向けまして本日の我々の方からの御説明申し上げますところ、あるいは資料を御覧になって御意見、御質問があれば、これを出していただくということで、次回の審議をより実りあるものにできたらという趣旨でございます。この票によりましても、あるいはほかの方法でも結構でございますので、こちら、資料7の下に記載してあるような方法でお送りいただければと考えております。よろしくお願いいたします。
【石井部会長】 よろしゅうございましょうか。よろしくお願い申し上げます。
それでは、議事の中身に入らせていただきます。
まず、資料1を御覧いただきまして、独立行政法人環境再生保全機構の概要について、事務局及び予定されている法人側から御説明を伺います。よろしくお願いします。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 それでは、私と、それから、まだ環境再生保全機構は設立されておりませんが、その前身となる2法人からも今日出席をしていただいておりまして、こちらの方からも御説明申し上げるということで、法人からの出席者についてここで簡単に御紹介させていただきたいと思います。
私の隣から、公害健康被害補償予防協会の斉藤理事でございます。
その隣、環境事業団の加納理事でございます。
その隣が公害健康被害補償予防協会の村川総務部長でございます。
そして、環境事業団の鈴木総務部長でございます。
公害健康被害補償予防協会の石川経理部長でございます。
環境事業団の大久保経理部長でございます。
それでは、私の方から、資料1によりまして機構の概要を簡単に御説明申し上げます。
先ほどの局長からのあいさつにもございましたように、特殊法人改革ということで環境省所管の二つの特殊法人が解散し、新たに一つの独立行政法人が造られるということになります。そして、環境事業団の方につきましては、特殊会社に分かれるという部分もございまして、これらの経緯は前回の部会等でも御説明させていただいたとおりでございますが、再度簡単に申しますと、現在の特殊法人の環境事業団と公害健康被害補償予防協会が、本年の4月1日をもちまして独立行政法人環境再生保全機構というこの部会で御審議いただく独立行政法人と、それとは別に環境事業団の事業を引き継ぐ特殊会社の日本環境安全事業株式会社というものに分かれて新たに設立されるということになっております。
この資料1にございますように、昨年5月に成立いたしました環境再生保全機構法が根拠法でございまして、主務大臣はこの2に記載してございますように、環境大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣の4大臣となっております。設立予定年月日は平成16年4月1日ということで法律に定められております。事務所につきましては、川崎駅前に新たに造られましたミューザ川崎セントラルタワーというビルに置かれるという予定になっておりまして、公健協会の方が間もなく移転をしまして、環境事業団の方からもこの機構に承継される分については夏に移転が予定されております。
機構の目的につきましては、ここに記載されているとおり、これは法律に記載されているとおりでございます。公害に係る健康被害の補償及び予防業務は、公健協会から承継される業務でございます。それから、民間団体が行う環境の保全に関する活動の支援、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の円滑な実施の支援、維持管理積立金の管理等の業務は事業団からということでございます。これらの業務を行うことにより、良好な環境の創出、その他の環境の保全を図り、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに、人類の福祉に貢献することを目的とするとされております。
資本金と承継資産につきましては、すでに実態としてはあるものをどう承継するかということでございまして、特にこれから大きな変動があるということではございませんが、まだきちんとその数値を確定する段階に至っておりませんので、未定とさせていただいております。
それから、新しい機構の役員・職員の数ですが、役員6名と職員131名、合計137名で4月1日に発足することを予定いたしております。
あと、業務の概要でございますが、8に記載の項目でございまして、公害健康被害の補償に関する業務、それから、大気汚染による健康被害を予防するために必要な事業に係る業務というこの最初の二つは公健協会からの業務、それから、(3)(4)(5)は環境事業団の方からの業務でございますが、(3)が日本国内及び開発途上地域の環境保全に取り組む民間団体への助成業務、これは地球環境基金というものを設けてやっている業務でございます。それから、(4)ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理費用の助成等の業務、(5)廃棄物の最終処分場の維持管理に係る費用の管理業務、そして(6)良好な環境の創出その他の環境の保全に関する調査研究、情報の収集、整理及び提供並びに研修を行うことでございます。これが法律の本則にある業務でございまして、このほかに法律の附則で定められましたものとして、ここに記載はございませんけれども、環境事業団において既に着手されております緑地関係の建設譲渡事業と、それから、環境事業団から引き継ぐ債権債務の管理・回収といったようなことがございます。
この法人につきましての環境省の平成16年度の予算額でございますが、この下に参考として記載してございますように、環境省予算として平成16年度230億余りが既に閣議決定をされております。内訳として、運営費交付金の30億余りほか、そこに記載のとおりの金額というのがこの概要でございます。
これらの業務等の具体的あるいは詳細な内容につきましては、引き続き両法人の方から説明をするということにさせていただきたいと思います。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 それでは、私の方から新しい機構の業務の内容につきまして、説明をさせていただきたいと存じます。
機構につきましては、ただいま苦瀬室長の方から話がございましたように、お手元の資料1の8に掲げております(1)から(6)の業務、これを行うわけでございますが、この内容につきまして、お手元の資料6としまして独立行政法人環境再生保全機構の基礎データという資料がございますが、この資料の中に図がございますので、この図がわかりやすうございますので、こちらを参照しながら適宜御説明をさせていただきたいと存じます。そして、資料6につきましては、実は現行2法人の資料ということになっておりますので、機構という名前ではなくて協会もしくは事業団というふうになっておりますが、大変恐縮でございますが、機構というふうに読み替えて御覧いただければ幸いでございます。
それでは、まず、第1の大気汚染や水質汚濁の影響による健康被害の補償業務でございます。この業務につきましては、お手元の資料6の20ページのところに図をつけてございます。公害健康被害補償業務の概要ということでございます。これは公害健康被害補償制度の実施に係る業務を行うということでございますが、機構のミッションとしましては、ここの20ページのところに公害健康被害補償予防協会という名前になっておりますが、この業務を機構にそのまま移管をいたします。大気汚染の影響による認定患者さんの補償などに要する、この補償につきましては、医療費とか障害補償費とか遺族補償費、そのほかでございますが、こういう補償給付等に要する財源に充てるために、その原因者でございます固定発生源、ばい煙発生施設等設置者から汚染負荷量賦課金を寄与度に応じて徴収をするということをいたしておりまして、この徴収したお金を実際に患者さんの方に補償金を支給しますのは各都道府県、政令市、区となっておりますので、そちらの方のお金の財源に充当するために納付金を支給するということになっております。この汚染負荷量賦課金の納付義務者でございますけれども、一定以上のばい煙発生施設等を設置している工場、事業場、固定発生源でございまして、全国で約9,000の事業者がございます。各年度ごとにそれらの方々から硫黄酸化物の排出量、それから政令で定まります賦課料率、これから算定される金額を納付額といたしまして、その年度の初日から45日以内に協会の方に申告をしていただき、そして、納付をしていただくということでやっております。より申告しやすく利用しやすい制度運営というものを目指しまして、協会本部だけではなくて全国の商工会議所さんの方と150数団体と連携をいたしまして、納付義務者各位の協力を得るように努めております。14年度の賦課金徴収額は約548億円ということでございまして、ほぼ100%の収納実績となっております。また、徴収をいたしました汚染負荷量賦課金でございますが、移動発生源、いわゆる自動車負担分と合わせまして患者さんの方に8対2という割合でその原資を補給するということになりますので、自動車負担分としましては、徴収コストなんかも考慮しまして、別途国から自動車重量税として徴収しました分、このお金の交付を受けまして、この交付金と合わせまして患者さん方の支給実績に応じて年4回に分けまして、都道府県、政令市、区に補償給付費納付金として納付をいたしているという業務でございます。
【佐野委員】 すみません。もう少し簡単にわかりやすくまとめたものはないのですか。見ればわかるような表がないと、いきなりそのように言われても、なかなか……。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 なかなか複雑な制度でございますが、18ページから、実は今申しました中身につきまして、文章で御説明を申し上げております。18、19ページがこの公害補償の業務の内容ということでございます。
それから、第2の業務でございますが、大気汚染の健康被害を予防するために必要な事業に係る業務でございます。24ページを御覧いただきたいと思いますが、この業務は、この資料の真ん中に基金とございますが、機構、現協会に設けました基金の運用収入をもとに行う健康被害予防事業に係る業務でございます。この文章での説明はその前の22ページから23ページに書かれてございます。この業務は昭和63年の旧第一種地域の指定解除をいたしましたときに、それから、新規認定は行わないものの、地域住民の健康に大気の汚染の状況が何らかの影響を及ぼしているという可能性は否定できないということで、予防のための制度が必要ということで設けられたものでございます。
予防基金は、ここの図にございますように、大気汚染の原因者である事業者から拠出されます拠出金、それから、国からの出資金をもって構成されまして、その総額は約500億円ということでございます。基金はその運用益に基づきまして、協会が自ら行う事業、今後機構が直轄で行う事業といたしまして、1、2、3と下にございますように、調査研究、知識普及、それから研修ということで健康被害の予防に必要な事業をやりますとともに、地方団体が行う事業に対する助成事業といたしまして、1、計画の作成、2、健康相談、3、健康診査、4、機能訓練、5、施設等整備というような事業に対しまして資金の助成を行っております。近年は超低金利情勢が続いておりまして、基金の運用益が減少傾向にあるということで、この中でも地方団体の助成事業のうち、2と3と4、健康相談、健康診査、機能訓練、この事業で直接地域住民のぜん息等の発症予防、健康回復につながる事業に重点を置いて運営をいたしているところでございます。この14年度の実績でございますが、直轄事業が約6億円、助成事業で8億円となっております。
第3番目の業務でございますが、第3番目の業務はこの資料6の29ページの図を御覧いただきたいと思います。事業団と書いてございますが、機構に設けました地球環境基金により行う民間団体への環境保全活動に対する助成業務でございます。地球環境保全のためには民間の役割が不可欠で、特にNGOの役割が重要でございますが、我が国の現状としまして、NGOの活動基盤が概して脆弱であり、この活動を振興するということが大変重要であるということから、上の(2)にございますように、平成4年にブラジルのリオで開催されました地球サミットで、この支援の仕組みを整備するということを表明し、翌5年に環境事業団に地球環境基金が創設されたというものでございます。
地球環境基金は、政府の出資、それから、民間からの出えんをもって構成されまして、基金の総額は14年度末で約136億円となっております。地球環境基金では、その運用益などに基づきまして、活動としては二つございまして、一つは助成事業でございます。民間団体による環境保全活動です。ここにイとロとハとございますが、これに対しまして資金の助成を行います。一つは振興事業といたしまして民間の環境保全活動の振興に必要な調査研究、情報の提供、研修の事業を行っております。助成の実績でございますが、14年度末までの累計で1,966件、約70億円となっております。
第4の業務でございますが、32ページを御覧いただきたいと存じます。第4の業務はポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理費用の助成等の業務でございます。この真ん中の方にございますように、機構の中に設けましたPCB廃棄物処理基金、この基金の助成に寄りまして、中小企業者が保管をずっとしておりますPCBの高圧トランス等の処理に要する費用の軽減を図ることとしております。それから、PCB廃棄物処理をするに際しまして万全を期すために、環境状況監視・測定をしたり、安全性の確保に係る研修、研究等の促進を図るというものを実施しようというものでございます。助成対象としては、下にございますように、事業団から移行する特殊会社でございます日本環境安全事業株式会社の行いますPCB廃棄物処理事業と、それから、環境大臣が指定する処理業者等が行いますPCB廃棄物処理事業となっております。この基金でございますが、平成13年度以降、2の(3)にございますように、毎年度、国及び都道府県からの補助金並びに産業界等民間からの出えん金によって造成をされておりまして、平成16年1月末の基金造成額は合計で約85億円となっております。
それから、資料の34ページを御覧いただきたいと存じます。
これは廃棄物の最終処分場の維持管理に係る費用の管理業務でございます。この下の図の方にございますように、平成9年の廃棄物処理法に基づきまして、最終処分場は閉鎖をして日銭が入ってこなくても、水を処理するとか、ガスを処理するとか、環境に支障が生じないようにするためには、お金がかかってくるわけですが、そこに適正な費用がしっかり使われるようにということで、特定最終処分場の設置者が機構に維持管理積立金を積み立てて、後管理をするときにこれを取り戻して使うということになっております。具体的にはこの制度の概要2というところにございますように、特定の最終処分場の設置者は、埋め立てをしている期間中、各最終処分場を基に知事の方から一定の基準に算定をした額の金銭を維持管理費用積立金としまして、現在事業団でございますが、今後機構に積み立てをすることになります。これを機構が管理をしまして、特定の最終処分場の設置者は、埋め立てが終了しました後に維持管理を行う場合には、この積立金を取り崩すということでございます。平成14年度末現在の維持管理積立金の積み立て・取り戻しの累計は59件、約22億円となっております。
それから、資料1に戻っていただきますと、この中の8の(6)としまして「良好な環境の創出その他の環境の保全に関する調査研究、情報の収集、整理及び提供並びに研修を行うこと」というものが入っております。この業務は、機構としてこれまでの(1)から(5)の業務のほかに新たに開始するものでございまして、機構がこれまで蓄積してきました能力とかスキルなんかを活用いたしまして、地球温暖化対策、環境管理対策など幅広い分野で環境行政をサポートしていくという業務でございます。今回の統合によりまして、機構が、国環研を除きますと唯一の環境行政の実施機能をサポートする独法となってまいりますので、この使命をしっかり果たすべく、柔軟に環境行政のニーズに応えて積極的に業務に取り組んで貢献をしてまいりたいと考えているものでございます。
なお、以上の機構の本則で定める業務のほかに、先ほど室長の方から話がございましたように、既に実施しております緑地整備事業、このプロジェクトを引き続き機構として実施をするということのほかに、事業団の方の建設譲渡事業、貸付事業の債権債務の適切な回収とか管理ということにつきましても、業務を承継業務ということで行うこととなっております。
以上で機構の業務の概要の御説明を終わります。
【石井部会長】 一わたり概要については御説明を承ったということでよろしゅうございますか。
それでは、何か確認的な御質問がございましたらお願いします。一区切りですので、何かありましたらどうぞ。
先ほど佐野委員から御指摘ございましたけども、最初に話を伺いますと、なかなか頭に入りにくいところもありますので、今後はパワーポイントとか何かそういう御工夫をぜひお願いしたいと思います。
【佐野委員】 やはり独立行政法人になると、国民のサービスというのが主眼になりますので、もう当初から説明資料等をそういう視点で作っていただきたい。いきなりこのようなことを聞いても混乱するばかりで、何か1枚のチャートで、ここにある先ほどの14年度の予算との対比で、具体的にはこういう事業があって、金額はこうだというものを付ければ、ごたごたした説明よりもわかりやすいと思います。だから、このように非常に特殊な業務というのは、そうでもしてもらわないとちょっとついていけないなという感じを最初から私は持ってしまいましたので、よろしくお願いしたいと思います。
【石井部会長】 一つだけ質問したいのですが、出えんとか出えん金という言葉は、これは法律で使われていて、どうしようもない言葉なのですか。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 国からは出資で、民間からは出えんという、法律でそのような用語が使われております。
【石井部会長】 最初の20ページのところでは賦課金という言葉が使われていて、後の方で出えん金という言葉が使われています。それから、民間からの出えんというのは、これはおそらく善意の寄附を想定しているのだろうと思われますが、その後の産業界等からの出えん金というものも、これも言葉の上で言うと同じ言葉が使われておりますが、賦課金とは違うものであり別に悪いから出させるのではなくて、自発的な拠出を求めている趣旨の言葉なのですか。その辺の切り分けというのはどのような形でできているのですか。なぜこちらが賦課金であり、なぜこちらが出えん金なのか。つまり、原因をつくっていると想定される点では非常に似たところがあるのかと思うのですが、なぜ片方は出せという賦課金で、片方が出えんという非常にボランタリーな感じを受ける言葉を使っているのでしょうか。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 賦課金でございますが、汚染による健康被害と、それから、その汚染原因者との間に制度的には関係があるということで「賦課金」という言葉を使っておりまして、強制徴収権も最終的に付与されております。そういうことを背景に「賦課金」という言葉を使っております一方で、社会的責任として広い意味の関係は、ないわけではないけれども、任意でよくその趣旨に賛同して拠出していただくという趣旨で「出えん」という言葉を使っております。
【石井部会長】 PCBの方は、法律でそういう理解になっているわけですか。先ほど20ページで9,000の事業所から548億円の徴収があったということですが、この自動車重量税の方はどのぐらいになっていますか。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 お手元の資料1の中に公害健康被害補償納付財源交付金というのがございます。125億4,400万でございますが、これが重量税収から引き当てている分でございます。
【石井部会長】 物すごい額ですね。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 患者さんに要する費用の8割は固定から、移動からは2割分ということで、その必要経費の2割相当分を毎年政府から自動車分としていただいておるものでございます。
【石井部会長】 くどいようですが、32ページのPCBの出えん金は、この資料1で言うとどこになるのですか。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】出えん金の方ですね。出えん金は国からの予算ではございませんので、ここには産業界からのものは、国の予算としては入っておりません。しかし、その基金に国から出る分がこの産業廃棄物適正処理推進費補助金であります。
【石井部会長】 出えん金というのは、一遍国に入ってから予算措置されるというのではなくて、直接事業団へ来ているものなのですか。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 はい、そうです。
【佐野委員】 今のところで、このPCBは中小企業だけが、この対象となるのですか。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 処理の対象はすべてのところですが、この基金によって処理費用の負担軽減を図るというのは中小企業に対してということです。
【佐野委員】 今、問題になっている軽微なものがいろいろ騒がれていますが、PCBをどうしていいのか、量が含まれているトランスとかいろいろなものがありますが、それも全く同じようにこういう区分けになるわけですか。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 はい、そうでございます。PCB廃棄物ということで、薄いものもその基準以上のものは廃棄物という点では同じです。
【高木委員】 確認の意味でお尋ねするのですが、今、斉藤理事から御説明いただきました業務の概要でございますけれども、これは規定があってということではないということでございますか。法律上はあくまでも冒頭で御説明いただきました機構法の第3条のところが目的として掲げられており、それから、さらに環境大臣がお決めになられる中期目標があるというところでございますよね。私が確認させていただきたいのは、今、業務の概要ということで御説明いただきましたけども、法律的な構造から考えれば、この言葉の範疇に新たな独法の役割がとどまるわけではないということを確認したいということなのですが。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 機構のミッションとしては非常にいろいろ大きなものにつながるわけでございますが、個別のミッションとしては1~5があり、独立法人の大きなミッションに応えるために、先ほど申しました第6のような業務も入っておりまして、いろいろなものがございますが、この1から5はそれぞれ決められたルール等がございまして、それに基づきながら、効率的に業務を進めるということでございます。
【石井部会長】 資料には法律の条文はついていませんでしたが、1から5までは法律に列挙はされているのですか。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 補足をいたしますと、独立行政法人環境再生保全機構法の第10条に業務の範囲が定められておりますが、その中で、例えば、今の説明の最初の方にあった公害に係る健康被害の補償に関する業務というのは、その第10条の第1号に掲げられておりますけれども、これがそれぞれ法律の公害健康被害の補償等に関する法律というもので具体的な内容が定められている、その仕事をしなさいという形になっておりますので、その内容はそこによっているということでございます。ただ、法人全体としてはより広いミッションを持っているので、そのほかの部分も合わせて全体として広いミッションがあるということでございます。
【石井部会長】 法律の条文のコピーのようなものを今配ることは難しいですか。もし可能だったら、追加的にこの場でお願いできればと思いますが。それを見れば一番早いと思います。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 今、御用意いたします。
【三橋委員】 二つの組織を合わせたということなので、業務の対応も、例えば、1から6までのうち、3と6がありますが、ここの後ろの機構の組織図でいうと、例えば、6というのは環境緑地部というところが扱うのですか。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 6というのは、こちらにつきまして今回新たに始める業務でございます。後ろの機構図でございますと、緑地部は承継業務で、先ほど申しました現在、実施中の緑地整備事業を完成まで仕上げるというミッションでございますので、(6)につきましては、これまでの蓄積してきた能力やスキルを生かしながら、それぞれの能力を持っている職員を指名してプロジェクトを編成いたしまして、ここで言いますと、総務部の企画課が中心となってプロジェクトオフィスを組みながら、クライアントとなる環境省等と相談しながら実施していくという横割型のものです。図は軍隊型と申しますか、ライン型の組織でございますが、別途またプロジェクトに応じて適宜編成をしていくという形で運営することになるかと存じます。
【三橋委員】 凝縮された、やはり何をやるのかということが相当重要になってきますね。普通、そのように各分野に分けるというのに、総務部なんて入れたら相当違うわけだけど、ここだけ相当戦略的なものになるのだったら、ここで何をやるのかということも相当詰めていかないとと思いますね。
【石井部会長】 (6)についての中期目標、中期計画というのは後で御説明していただけると理解してよろしいのですか。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 第6につきましては、今私が申し上げましたように、機構が環境行政の一翼を担って貢献していくという抽象的な表現でございますが、内容に応じまして執行段階で受託費等もいただきながら、担当官とよく詰めさせていただきながらプロジェクトを編成し、実施していく形になりますので、今のところは抽象的に入っているにとどまっております。また、そこはそれぞれの執行段階、年度計画の段階で具体化してまいりたいと思います。
【石井部会長】 今もらいました条文によりますと、第10条の第2項で今の(6)が挙がっていると読んでいいわけですか。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 はい。
【石井部会長】 ですから、一応法律に根拠のある仕事だということで、勝手に後からつけ加えたのではないということはわかりました。
【佐野委員】 今の関連で、その二つの団体が一つになって、従業員的にはどのような推移になっているのですか。二つの団体は合計何名で、この機構へ何名移行して、新しい株式会社へ何名移行したとするものはありますか。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 職員数ですけれども、環境事業団の職員が159名、公害健康被害補償予防協会の職員が69名、合わせまして228名でございます。これに対しまして、独立行政法人環境再生保全機構の移行時、4月1日の予定が131名、日本環境安全事業株式会社の職員が75名、合わせまして206名。現在の特殊法人の合計の228名から新しい機構と特殊会社の合計206名を引きますと、22名ということで、職員22名を減らすということになっております。
【佐野委員】 それともう一つ、先ほどの質問があった企画課ですが、9名というのは非常に多いです。これを民間の会社から見ますと、やはり総務とか経理が非常に多い機構という感じがします。
【石井部会長】 恐縮ですが、確認的な御質問ということで、さっきの資料の7に御記入いただくとか、また次回にその辺をじっくり議論したいと思っております。
【鷲谷委員】 確認ということで、6番目のところの調査研究がございますが、国立環境研究所と役割分担というのがあるかと思うのですが、行政ニーズにより直接的に応えるような調査研究をなさるというような理解でよろしいのでしょうかということと、調査研究ですから、例えば、競争的な資金を取得して、それで調査研究をなさるというようなこともあるのでしょうか。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 国立環境研究所との関係でございますが、調査研究は新しい知恵を創造することを目指すということでございます。国立環境研究所は最先端の研究設備であり、これを使って世界のフロンティアを張って研究するということでございますが、私どもとしましては、そのようなタイプではなくて、現場でのいろいろな経営者の方が環境経営について試行されている、地元でライフスタイルについてNGOの方とか、患者さんとか生協とかいろいろな方が運動をされ、取組んでいる。そういう現場でいろいろ試行され蓄積されている知恵をネットワークで集めて、そういう中から編み出されてくるものを調査して、本省の方につなげたいと思っております。どちらかというと、国環研の試験研究、もしくは最先端というところよりは、現場と連携をしながら行政に生かせるものをより重点とするという形でやっていきたいという基本的な考えを持っております。
【石井部会長】 すみません、一応、そういう切り分けだということでよろしいでしょうか。
少し時間も押しておりますので、それでは、中期目標の御説明を承りたいと思います。よろしくお願いします。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 それでは、中期目標(案)及び中期計画(案)の御説明に入らせていただきます。中期目標(案)及び中期計画(案)ということですが、私の方からは中期目標ということを基本に御説明させていただきたいと思います。
中期目標(案)及び中期計画(案)は、現時点での環境省あるいは法人側の案ということでございます。今後、さらに詰めていく点と、先ほど石井先生の方からもお話がありましたように、関係方面、必要な協議等がございますので、今日は2月の部会での御審議に先立って現時点での案の御説明ということになります。
まず、資料2によりまして、資料2、A3の横長の1枚の表がございます。中期目標・中期計画の位置付けでございますが、これによりまして位置付けを簡単に御説明申し上げまして、その後、内容に入りたいと思います。
この資料2の一番左、独立行政法人通則法が書いてございますが、第29条が中期目標についての規定でございまして、「主務大臣は、三年以上五年以下の期間において独立行政法人が達成すべき業務運営に関する目標を定め、これを当該独立行政法人に指示するとともに、公表しなければならない。」と。第2項で中期目標に掲げる事項が5項目指定されております。中期目標の期間、業務運営の効率化に関する事項、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、財務内容の改善に関する事項、その他の業務運営に関する重要事項、この5項目が法定されておりますので、基本的にはこれに沿ってつくっていくということでございます。3項に評価委員会についての規定がございまして、これを定めようとするときには評価委員会の意見を聞かなければならないとされております。これによりまして本日以降の御審議をお願いしているということでございます。
それから、その下の中期計画第30条でございますが、「独立行政法人は、前項第一項の指示を受けたときは、中期目標に基づき、主務省令で定めるところにより、当該中期目標を達成するための計画を作成し、主務大臣の認可を受けなければならない。」ということでございまして、これが法人をスタートする際に同時に作っていかなければいけないということで、事実上、同時に準備をするというのが先例でもございまして、今回もそうさせていただいているというところでございます。
第2項が中期計画において定めるべき事項でございまして、1号から7号までございます。これも基本的にその線で中期計画(案)を作るようにということになっております。1号が業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置、2号が国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置、3号が予算、収支計画及び資金計画、4号が短期借入金の限度額、5号が重要な財産を譲渡し、または担保に供しようとするときは、その計画、6号は余剰金の使途、7号がその他主務省令で定める業務運営に関する事項ということでございます。
3項で評価委員会との関係の規定がございまして、主務大臣がこの中期計画を認可しようとするときに、あらかじめ評価委員会の意見を聞かなければならないということになっております。こちらも本日以後の御審議がそれに当たるということでございます。
あと、中ほどに省令がございまして、下段の3条のところでその中期計画に定めるべき業務運営に関する事項を記載してございます。
あと、右側に参与会議、先ほど来、参与会議と申し上げておりますが、これは内閣に置かれている特殊法人等改革推進本部というものであり、これは小泉総理をヘッド、本部長とした、大臣によって構成されているものですけれども、その推進本部に民間の有識者による参与会議というものが設けられておりまして、そこでこれまでもいろいろな議論がなされておりますし、これからもなされることになると思われますが、そこで指摘されたものの中から抜粋したものでございます。これは各法人に共通する指摘事項ということで、事業の移行に伴う効率化とか、統合に伴う効率化とか、そういったいろいろなことが指摘されているものを一部抜粋してございます。
位置づけは基本的にこの通則法によるということでございまして、中期目標案の本体の説明に入らせていただきたいと思いますが、目標案の本体は資料3ではございますが、資料4が中期計画(案)ということで、これらの全体を合わせた形で御覧いただいた方がよろしいかということで、資料5という大きなA3の紙で用意したものがございますので、資料5を御覧いただきたいと思います。資料5は、最初の3枚が概要として目標と計画を対比させたもの、これは項目的に概要を書いております。それで、4枚目から右下に改めてページを1ページから振ってありますけれども、4枚目からが目標(案)、計画(案)の本文全部を落として対比させ、さらに若干の参考ための備考を右側につけてあるというものでございます。
まず、全体の構造を見ていただくという意味で、ちょっと時間もあれですけれども、最初の3枚の方で概要を御説明したいと思います。
資料5の最初の方で、中期目標(案)及び中期計画(案)の概要ですが、この左が目標、右が計画と対比させてございます。中期目標期間が16年4月から21年3月までの5年間と考えております。それから、第2が業務運営の効率化に関する事項ということで、組織運営の効率化、業務運営の効率化、経費の削減、業務における環境配慮ということで、業務運営の効率化に関することの目標を定め、指示をするということです。それから、第3が国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項ということで、基本的な考え方として、その機構に与えられた環境保全上の実施部隊としてのミッションというか、大きな役割があった上で、法定で業務が定められておりますけれども、そういう役割を果たすために、情報の提供や関係者のニーズ把握を行いながら業務の改善・見直しを進め、業務の質の向上を図っていくという、基本的な考え方を示しまして、あと個別の業務ごとにその役割をきちんと果たしていくということでの目標を定めるという構成をとっております。
それから、2ページにまいりまして、2ページの下の方の第4のところで財務内容の改善に関する事項となりますが、ここでは予算、収支及び資金計画を作成してきちっとやりなさいということと、それから、(2)の方は承継業務という附則の業務の中で環境事業団から承継する債権債務の債権の回収並びにその管理を適正に行うということが、附則業務ではありますが、一つ重要なことでございますので、ここで目標を立てております。
それから、3ページでございますが、その他の業務運営に関する重要事項というところで人事に関する計画とその他業務運営に関することについての指示をするという構成でございます。業務運営の効率化に関する事項では、やはりその経費と並んで人員というのが一つの大きなポイントでございますので、ここで人員についての数値も考えるようにということで目標を立てております。
それから、その他の業務運営に関することでは、承継業務のうちのもう一つであります建設譲渡事業、緑地関係の建設譲渡事業だけ現在進行中のものが残っているわけですが、これの進行管理をきちっとするようにという目標を立てているという構造でございます。
目標の構造といたしましては以上のようなことですが、内容についての御説明をさらにもう少しさせていただきます。次の3段表になっている1ページというものがございます。
まず、根拠は先ほど申し上げたとおり、それから、期間5年間、中期目標の設立根拠等は申し上げたとおりで、あと、第1の中期目標の期間の5年間というのは、法定の3年から5年のうち決められるわけですけれども、5年が適当であろうということと、多くの法人も5年であるということがございます。
それから、第2の業務運営の効率化に関する事項でございますが、一つ目の組織運営の効率化のところは、「現行の組織運営体制を検証し、より機能的な組織体制の構築、人員配置の見直し等を行うことにより、組織運営の効率化を推進する。」という目標としております。ここは実は、備考にございますように、執行機関、内部組織については、任命権者の裁量事項であることから、体制構築に当たっての考え方についてのみ記述しております。これは目標、計画を通じてそういうことなのですが、なぜそういうことかと言いますと、その独立行政法人制度が自主性を重んじるということで、既に内部組織については、具体的に中期目標で定めてはいけませんということが定められております。これが平成12年の中央省庁等改革推進本部事務局からそのような資料が示されているということの関係で、ちょっとある意味、ここだけ見るとそういうことにも見えるかと思いますが、このような記述となっております。それから、(2)業務運営の効率化でございますが、業務に対する自己評価の実施をきちんとしなさいとなっております。それから、②その他ですけれども、業務運営全体を通じて情報化・電子化による効率化、それから外部への委託、その他簡素化・迅速化に取り組むようにということを言っております。
それから、2ページ、(3)経費の削減でございます。ここでは「業務運営の効率化を進め、経費について、平成15年度に対し、以下の削減を図る。」ということで、一般管理費については、15%の削減を5年間でしなさいという目標でございます。ただし、退職手当、公租公課費、移転経費、独法化準備経費というものは、その性格上、この率の計算の対象からは除いております。移転経費と、それから独法化準備経費というのは、この15年、16年にかけてだけのものであるということでありますのと、公租公課費というのは特にそれを法人側の努力で下げるというようなことができませんのと、あと、退職手当も非常に特殊な要因で変動があったりするものですから、そこは入れないという案でございます。それから、②の事業費でございますけれども、国からの運営費交付金というお金がございますが、これを充当して行う事業費について、中期目標期間の最終年度において特殊法人時の最終年度比で5%削減するということを目標に掲げております。
次に、3ページ、(4)ですが、業務における環境配慮ということで、これは環境系の法人であるということもありまして、環境配慮もきちんとやりましょうということでの目標を書いております。
それから、第3が国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項でございます。機構の目的が、先ほどお配りいたしました法律の最初のところにも書いてありますけれども、良好な環境の創出といったことを初めとして、環境の保全を図り、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献するというのが機構の目的になっておりまして、基本的なこのミッションを十分果たすようにしていくとしております。そのために広く情報提供を行い、関係者のニーズを十分に把握し、業務の改善・見直しを進め、業務の質の向上を図るものとするということを目標としております。それ以下にここの業務についての目標を定めているということです。
公害健康被害補償及び予防業務につきましては、先ほど斉藤理事の方から説明があったような業務が続くわけですけれども、そこにありますように、まず、この業務では汚染負荷量賦課金の徴収というところから始まって、いろいろ業務がございます。徴収の際には徴収がまずきちんと行われるようにということが重要でございますし、それから、それに伴うサービスもしっかりと相談を受けるとか、そういったことについても含めまして質を向上させていくということでございます。
それから、(2)の都道府県等に対する納付金の納付ということですが、これももうこういうことはきちんとやるということにほぼ尽きるのですが、それを効率化していきますし、電子化などによっても事務負担の軽減を図っていくということを目標としております。
それから、(3)の公害健康被害予防事業ですけれども、こちらにつきましては、公害健康被害予防基金の運用と事業の重点化という項目で、有利な運用と事業の重点化・効率化と。それから、②でニーズの把握と事業の改善と。これも効果的・効率的なものに改善をしていくという意味での目標。それから、③は調査研究事業について、やはりその課題を重点化とか透明化といったことを目標として掲げております。それから、④知識の普及及び情報提供の実施、6ページでございます。7ページの⑤が研修の実施についてですね。ここは地方公共団体が実際に予防事業を実施するということで、そのための研修もちゃんとやりましょうといったようなことなどです。それから、⑥は助成事業の効果的・効率的な実施ということで、ここはア、イと分かれてございますけれども、ニーズを反映し重点化を図るということと、イが負担軽減、効率化ということでございます。
それから、8ページ、地球環境基金業務、これは旧事業団からの業務でございまして、NGOに対する助成と、それから、それを振興するための事業という二つに分かれておりますが、(1)の助成事業に係る事項で、固定化を回避する、重点分野を設定する、処理期間を短縮する、第三者機関による評価を踏まえた対応をする、それから、利用者の利便性向上を図るといった目標を掲げております。ただ、(2)振興事業に関するものですが、これも事業団、今度の機構です、この法人の方が自ら行っていく調査ですけれども、これも重点化をしていくことになります。それから、次のページに移りまして、効果的な実施ということで受講者の評価も受けて、それに関する目標も定めてその達成を図っていこうということを掲げております。
それから、(3)地球環境基金の運用等についてですが、これは国民、事業者等からも理解を得て支援を得ることが必要でございますので、それについても広報に努めること。それから、基金の適正かつ効果的な運用も図っていくということを掲げております。
それから、次がポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金による助成業務ですけれども、これは基準及びこれに基づく事業の採択について、透明性・公平性を確保してきちんとやっていくということです。それと公表するということで、これを掲げております。それから、維持管理積立金の管理業務ですが、これもきちんとやっていくということでございますけれども、その積立者に対して運用状況等の情報提供を行う等、透明性の確保に努めるということを目標としております。
それから、第4に移りまして、財務内容の改善に関する事項ですが、(1)が予算、収支計画及び資金計画の作成等ということですが、自己収入の確保に努め、業務運営の効率化に関する事項で定める事項に配慮した中期計画の予算及び資金計画を作成し、当該予算による運営を行うということであります。
それから、(2)承継業務に係る債権・債務の適切な処理、これは環境事業団から承継する債権債務の問題でございまして、破産更正債権及びこれに準じる債権並びに貸倒懸念債権について、各年度における債務者の財務状況に照らして返済確実性があると認められるものを除き、迅速に償却処理を終了するとしております。
また、債権回収については、正常債権以外の債権から200億円を上回る回収を目標とするということでございます。これは既に環境事業団の時代に関係者と相談して、環境事業団、それから環境省が合意をしたその処理の方針というものに沿って今処理を進めているところでございまして、それを受けたものでございます。また、ここでなお書きでございますけれども、環境省としても必要な補助金をできる限り平準的な額となるように要求するということが前提で、このような法人に向けての目標と計画となるということでございます。
あと、11ページに飛びますけれども、11ページに目標としての最後の第5の項目が始まっておりますが、11ページの第5でその他業務運営に関する重要事項ということで、一つは人事に関する計画、ここは第2の業務運営の効率化に関する事項で定める事項に配慮し、人員の適正配置により業務運営の効率化を図り、中期目標期間中の人事計画を定めるということであります。これを計画の方で定めるということです。
それから、次の最後の12ページでその他業務運営に関することとして、緑地整備関係建設譲渡事業について、適切な実施と適切な進行管理ということを目標に掲げているということでございます。
以上が目標についてでございます。
【石井部会長】 ありがとうございました。
それでは、引き続き計画の方の御説明を承りたいと思いますが、恐縮ですが、少し時間が押していますので、目標と違うところというのか、目標をこのように具体化しているというポイントだけを御説明いただければと思います。
【村川公害健康被害補償予防協会総務部長】 わかりました。
それでは、中期計画でございますけども、資料4が中期計画の案でございます。1ページから11ページまでございまして、これが計画の全文でございますが、先ほど苦瀬室長が御説明なさった資料5の3段になっている表がございますけれども、この表の真ん中の列が中期計画ということになります。左側に中期目標がついておりますので、この横長の表で御説明いたしましょうか。
【石井部会長】 資料5でもいいです。
【村川公害健康被害補償予防協会総務部長】 では、資料5のこの横長の表で説明をさせていただきます。
私の方からは全般の部分と協会の事業に係る分について御説明を差し上げまして、事業団に係ります分につきましては、事業団の鈴木総務部長の方から途中でかわりながら御説明をさせていただきます。
まず、前文でございますけども、先ほど御説明がありましたように、平成16年4月1日付けをもちまして環境大臣から指示のございます中期目標を達成するため、次のとおり中期計画を定めるということにしてございます。
次が本文でございますが、まず、業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置でございます。組織運営の効率化、ここにつきましては、目標と余り変わってございませんが、職員の責任と役割分担を明確にした組織体制の整備ということをつけ加えております。それから、業務運営の効率化でございますけども、①といたしまして、業務に対する事後評価の実施ということです。これにつきましては、機構自ら業務の点検・評価を行うとともに、外部専門家、有識者からなります評価のための委員会を設けまして、業務全体に係る事後評価を行います。
②事務処理の簡素化、迅速化の推進でございます。機構は協会と事業団の統合に際しまして、総務・経理等共通する管理部門のスリム化を図ることとしております。具体的には右側の備考のところに数字が書いてございますが両法人合わせまして87人おります管理部門職員数を36人にまで削減をすることとしております。そして、この統合効果をさらに発揮すべく、業務運営全体を通じまして各業務に共通する事務処理の簡素化・迅速化、情報の共有化等を推進することとしております。
③外部委託の推進でございます。債権回収につきましては、早急に整理・回収を進める必要がある延滞債権等を債権回収専門会社(サービサー)に委託をすることにしております。また、機構の業務につきましても、自ら実施すべきなのか、委託をした方がいいのか精査をいたしまして、サービスの低下を招かず、低コストで入手できるものはアウトソーシングを積極的に活用することとしております。
④契約に係る競争の推進ですが、会計規定に基づきまして一定以上の契約につきましては、原則として競争に付することといたします。⑤電子化の推進でございます。機構全体に係る事務につきましては、内部ネットワークを統合・整備して共有システムの活用を促進させます。
【石井部会長】 すみません。そのページのところの頭が③、④が①、②になっていますね。①、②が③、④で、契約に係る競争の推進が④ですね。
【村川公害健康被害補償予防協会総務部長】 はい、そうです。間違っております。外部委託の推進が①となっておりますところが③で、その次の②が④でございます。申しわけございません。⑤が電子化の推進でございまして、イのところでございますが、後でまた詳しく申し上げますが、オンライン等電子申請を行っている業務につきましては、内部事務処理システムの活用を促進させます。また、オンラインが未整備のものにつきましては、対象となります主体の実情やニーズを踏まえた措置をとることとしております。会計システムにつきましては、予算、契約、支払い、会計等、一連の事務処理を一体的に行うシステムを導入することとしております。
次の(3)経費の削減でございます。ここにつきましては、目標と同じ数字を掲げてございます。説明は省略させていただきます。事務費につきましても同じでございまして、5%削減ということで同じ数字を掲げさせていただいております。
それでは、次でございますが、(4)業務における環境配慮でございます。これはいわゆるグリーン購入法に基づきまして毎年度方針を定めまして、調達目標を100%達成することを目標といたしております。また、日常の業務の遂行に当たりましても、実行計画を定めましてエネルギー及び資源の有効利用に努めることといたしております。
次の、2国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置でございます。最初のところが全般にかかわることでございますが、業務や事業等の関係者、それから関係機関に対しまして、機構が担います業務につきまして、ホームページで情報提供を行う等、確実かつ適切に周知・広報を行い、円滑な業務の遂行に努めることとしております。
また、機構に係ります者や対象団体・機関の関心、認知度を高めるよう、積極的に広報活動を実施することとしておりまして、ホームページのアクセス件数を平成16年度比で10%以上増加させることといたします。さらに、機構の有する能力等の有効活用を図り、他の業務の遂行に支障のない範囲で環境保全に関する業務を行う等、機構が環境行政の一翼を担う役割と責任を果たすことができるよう業務の改善・見直しを進め、業務の質の向上を図ることといたします。この部分が先ほど斉藤理事の方から御説明いたしました、法律の第10条第2項に該当する部分でございます。
続きまして、個別の業務について説明させていただきます。
最初が公害健康被害の補償及び予防の業務でございますが、(1)といたしまして汚染負荷量賦課金の徴収、これは全国の約9,000の納付義務者から毎年賦課金について申告をしていただきまして、その上でその金額を納付していただくというものでございます。集めております金額につきましては、その右隣の備考欄のところに数字がございますが、大体500数十億円という数字になっておるわけでございます。
まず、①の汚染負荷量賦課金の適正・公平な徴収でございます。汚染負荷量賦課金の徴収計画額に係ります徴収率、それから、申告額に係ります収納率につきましては、平成15年度実績の水準の維持を図ることといたします。これらの率の水準でございますが、15年度の実績はまだ確定しておりません。ちなみに、14年度におきましては、徴収率の方が100.7%でございます。それから、収納率の方は99.86%でございます。非常に高い数字になっておりますので、この高い水準を維持していきたいということでございます。
②納付義務者等に対する効果的な指導でございます。こちらにつきましては、適正かつ公平な徴収を図るために、全国156商工会議所に徴収業務の一部を委託しております。これを継続することといたしておりまして、的確な業務指導を実施することといたします。イといたしまして、この申告納付に先立ちまして、納付義務者に対しまして説明会を開催しておりますが、この説明会の出席事業者からの意見・要望をよく聞きまして、その説明資料、説明内容の改善を図ることといたしております。
それから、③でございますが、納付義務者に対するサービスの向上でございます。委託商工会議所が主催いたします説明会、これは全国約100カ所程度で開催されておりますが、協力要請に応じまして機構から説明員を派遣し、その相談、質問に的確に対応することとしております。納付義務者には申告の手引きとか、それからフロッピーディスクとかオンラインの申告に係りますマニュアルを配布しておりますが、これらにつきましては、納付義務者が誤りやすい事項につきまして注意点を記載するなど、内容の改善を図ってまいります。また、相談、質問に的確に対応が図れるよう、体制の整備を行ってまいります。それから、納付義務者専用のホームページというものをつくっておるわけですが、これも納付義務者のニーズ、質問に対応して改善を図ってまいります。
(2)都道府県等に対する納付金の納付でございます。①納付申請等に係ります事務処理の効率化でございます。これは都道府県の方から納付に係って作成いたします各種いろいろな提出書類があるわけでございますが、その作成要領につきましては、随時これを見直し、かつ担当者への周知徹底を図ってまいります。また、機構内部の事務処理の電子化の促進によりまして、納付申請等の事務処理日数を平成15年度実績以下となるようにいたします。イでございますが、都道府県等が行う手続の適正化を図るため、現地指導を実施いたします。ウでございますが、公害保健福祉事業、これは認定患者さんの健康を回復させるために都道府県市等が行っている事業でございますが、これの積極的な推進を支援するために、都道府県等の事業者、関係者から情報の収集に努めまして、これらをまとめてまた再び関係者へ情報提供を行うことといたします。
次の②でございますが、納付金の申請に係ります手続の電子化でございます。現在、都道府県からの納付に係る手続といたしましては、文書のほかにフロッピーディスクによります電子申請を導入しておりますが、その一層の促進を図りますとともに、より使いやすいシステムに改善してまいります。また、オンライン申請、これはまだ導入しておりませんけれども、これは都道府県の意向、実態を把握した上で検討をしてまいりたいと思っております。イ、都道府県等の事務負担の軽減を図りますために、返還納付金、年度末に余ったときに返還というのが生じますが、その返還に係ります提出書類の簡略化をしてまいります。
(3)公害健康被害予防事業でございます。これは大気汚染によります健康影響を予防するための各種事業でございまして、約500億円の基金を持っておりまして、この基金の運用益で毎年実施をしているものでございます。
①公害健康被害予防基金の運用と事業の重点化でございます。予防基金の運用につきましては、経済情勢が厳しい中でもその変動に対応して、安全かつ有利な運用を図ることといたします。また、金利の低下によりまして予防基金の運用収入が減少しました場合には、事業の重点化を図ることとしており、具体的には地域住民の方々のぜん息等の発症予防、健康回復、これらに直接つながる事業等に重点化をし、効率化を図ることとしております。
②ニーズの把握と事業の改善ですが、事業への参加者に対しましてアンケート調査を実施し、ぜん息等の患者さんの満足度、それからニーズ等を的確に把握しまして、その結果を事業内容に反映させることとしております。
③調査研究事業の実施及び評価でございます。まず、環境保健分野に係ります調査研究につきましては、地域住民のぜん息等の発症予防等に重点化をすることといたします。また、大気環境の改善分野に係ります調査研究につきましては、局地的な大気汚染地域の大気汚染の改善に係る課題に重点化を図ることとしております。これによりまして、今後5年間で調査研究費総額を20%以上削減することといたします。
なお、新規課題の採択につきましては、次に表が出てまいりますけども、その表のスケジュールによりまして公募制を導入し、透明性の確保を図ってまいります。また、公募の実施に当たっては、ホームページ等を活用いたしたいと思っております。
次のページに表が出ておりますが、上段の方が環境保健分野でございますが、この環境保健分野につきましては平成18年度分から、下段の大気環境の改善分野につきましては平成17年度分から公募を実施いたします。開始の時期がずれておりますのは、現在継続して実施されております研究課題の終了する時期がそれぞれ異なっているためでございます。次のイでございますが、各調査研究課題につきましては、年度ごと及びその課題の終了後に外部有識者によります事後評価を実施することといたします。また、その評価結果につきましては、研究者へフィードバックし、次年度の研究内容に反映させることとしております。また、研究成果につきましては、研究発表会等で公表するほか、ホームページで公開することとしております。
④知識の普及及び情報提供の実施でございます。ア、環境保健及び大気環境の改善に関しましては、知識の普及を積極的に行うこととしておりますが、作成いたしましたパンフレット、開催いたしました講演会につきまして、参加者、それから利用者にアンケート調査を実施いたしまして、回答者のうち80%以上の方々から5段階評価で上から2段階までの評価を得ることを目標といたします。また、既存のパンフレットで作成から5年以上経過したものにつきましては、アンケート調査を実施して見直しを図っていくこととしております。次のページでございます。機構におきましては、ホームページ等を活用し、各事業の実施を通じて得られました最新の知見、それから、情報を幅広く積極的に提供することとしております。そのため、最新情報の収集・整理を積極的に進めるほか、ホームページを利用した方々につきましてニーズの把握を行いまして、ホームページの年間アクセス件数が今後5年間に20%以上の増となることを目標といたします。
⑤研修の実施でございます。地方公共団体では健康相談事業等の事業を実施しておりますけども、これらの従事者を対象といたしまして、必要な知識及び技術の習得を目的に研修を実施することとしております。また、研修の受講者に対しましてはアンケート調査を実施し、有意義であったとの評価を有効回答者のうち70%以上の方々から得られるようにするとともに、次年度の内容に反映させることとしております。
⑥助成事業の効果的・効率的な実施でございます。ア、助成事業の重点化。まずⅰとして、環境保健分野に係ります助成事業につきましては、健康相談事業、健康診査事業、機能訓練事業等、地域住民の健康回復に直接つながる事業に重点化を図ってまいります。それから、大気環境の改善分野に係る助成事業につきましては、高い効果を見込めます局地的大気汚染の改善を中心とする事業で、かつ国、地方公共団体の施策を補完して必要性の高いものに重点化をしてまいります。
なお、従来行ってきました低公害車普及助成事業につきましては、平成16年度に必要な見直しを行うこととしております。
イでございますが、助成事業の手続のオンライン化でございますが、これも地方公共団体におきます電子化の進展状況を見て推進してまいることとしております。また、この場合、オンライン申請システムと内部事務処理システムを連動させることにより、助成金の交付決定に係ります事務処理日数を平成15年度実績以下となるようにすることとしております。
【鈴木環境事業団総務部長】 次に、地球環境基金業務でございます。これは環境NGOの活動を支援しようということで、まず、助成事業に係る事項でございます。まず、①で目標の方で助成の固定化の回避、例えば助成の継続年数について制限を設けるというようなことがうたわれております。これを受けまして計画の方では、一つの事業に対する助成継続年数は原則として3年間、特段の事情がある場合でも5年間というような形で具体化をしております。
②の重点分野を設定せよということにつきましては、分野としては国の方で環境基本計画等の政策目標が示されますので、これを受けての分野を重点とし、対象地域につきましては、開発途上地域のうちアセアン地域などのアジア太平洋地域を中心とするというようなことで重点化を図る予定でございます。
③の処理期間の短縮につきましては、目標の方で1件当たりの平均処理期間を10%短縮というふうに示されておりますので、これを達成すべく手続の効率化等を図るということを考えております。
④の第三者機関による評価を踏まえた対応につきましては、これも目標を踏まえまして、第三者による委員会等による審査方針の策定、あるいはその結果の公表を行い、助成した事業のその結果につきましても、成果について評価、あるいはその結果を公表し、さらにはそれを募集要項と審査方針に反映させるというようなことを考えております。
⑤の利用者の利便向上を図る措置につきましては、電子化等による利便の向上ということが目標で示されております。これにつきましては、三つ書いてございますが、まずは募集時期の早期化ということで、これは予算上も年度ごとの事業になりますが、なるべく年度の早い時期から利用できるようにということでの取組をしたいというのがアでございます。イは、募集案内あるいは各種申請書等の様式をホームページからダウンロードできるようにし、あるいはQ&Aを充実するというようなことで、助成先団体への利便性ということを図りたいと思っております。ウでは、助成先団体一覧、その他いろいろな活動事例等の情報をホームページでも紹介をしていくことを考えております。
次に、地球環境基金の大きな柱で、(2)振興事業に係る事項でございます。まず、①で調査事業の重点化ということが示されておりますので、これはもう目標どおりでございますが、重点施策等、国の政策目標、あるいは民間団体等のニーズに沿った課題に重点化を図ることとしております。次のページでございますが、②の研修事業の効果的な実施につきましては、この計画の中では具体的な数値として「有意義であった」というような評価を有効回答者のうち70%以上の者から得られるように努力をしたいということで数字を掲げております。
(3)地球環境基金の運用等につきましては、目標を受けまして、ホームページあるいは広報誌の充実により、積極的に募金等の活動を行いまして、広く理解を促し、寄附等の支援の拡大を図っていき、また、この基金の運用につきましては、安全確実な中でもより有利な利回りを追求するということを考えております。
次に、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金による助成業務でございます。目標の中で透明性あるいは公平性というようなことが示されておりますので、これを受けまして、具体的には審査基準等を明らかにし、それを助成対象の実施状況をホームページに公表するというようなことを考えております。
維持管理積立金の管理業務でございますが、これも目標の中で透明性というようなことをうたわれておりますので、運用状況等の情報提供、あるいは利息の通知というようなことをやっていく予定でございます。
【村川公害健康被害補償予防協会総務部長】 それでは、引き続きまして、3番目、予算、それから収支計画及び資金計画でございますが、(1)予算、(2)収支計画、(3)資金計画、それに運営費交付金算定ルールにつきましては、現在作成中でございまして、次回までに作成したいと考えております。
【鈴木環境事業団総務部長】 次に、その他と書いてございますが、目標の方を御覧いただきますと、承継業務に係る債権・債務の適切な処理という中で、迅速な償却処理、また、債権回収については200億円を上回る回収というような数字を示されております。これを受けまして、計画の中でございますが、まず①のところでございます。破産更正債権及びこれに準ずる債権並びに貸倒懸念債権のうち、会社更生法等の一定の手続に至ったものにつきまして、迅速に償却を行うということでございます。また、以下の方法、次のページに書いてございますが、具体的な取組を進めることによりまして、この期間中に正常債権以外の債権から200億円を上回る回収を目標といたしまして、目標に示されたものの実現を図りたいということでございます。若干ただし書きが書いてございますが、償却適状に至らない債権については、担保処分が困難となるので、経済情勢等によっては上記金額はある程度幅を持って考えるものとするということを書かせていただいております。
具体的な取組が次のページでございますが、大きくア、イ、ウと三つ書いてございます。アの返済慫慂でございますが、慫慂というのは債務者に対して返済を強く促すことということで、これにつきましては、債権回収の専門会社(サービサー)への外部委託も含めて厳正にあるいは強力に促進をしたいということでございます。
それから、イの法的処理でございます。これも破産更正債権等につきまして、法的処理が適当なものについては、期限の利益を喪失させる、資産の仮差押え、あるいは訴訟、競売申立てというような形で法的処理の推進をしたいというものでございます。
ウは債権分割でございます。これは私どもの事業の中でちょっと特殊なことでございますが、私ども、貸付の相手方あるいは融資の相手方が組合方式になっておりまして、債権の直接の相手方が組合で、その中に構成メンバー、組合員がいるということで、直接的には組合から返済をいただくわけですが、その構成メンバーである組合員の中でなかなか厳しい方、あるいは何とか返せる方というふうに差があった場合に、健全な組合員からの回収を早期に行うというようなことが有効な場合、それによって回収額を最大化できると認められる場合には、債権分割により回収を行うというようなことも考えております。その後に書いてございますのは、このような形での回収努力、あるいは経費削減等の自助努力を行った上で、なお不足する償却財源として貸倒引当補助金が各年度40億円交付されることを見込んでおります。
【村川公害健康被害補償予防協会総務部長】 それでは、②の自己収入の増加でございますが、国、地方公共団体、民間からの業務委託につきましては、これらを積極的に引き受けまして、中期目標期間中におきまして年5%の拡大を図ることとしております。
次に、4番目、短期借入金の限度額でございます。年度内におきます一時的な資金不足等に対応するために行います短期借入金の限度額につきましては、単年度245億円といたします。この根拠の内訳につきましては、右側の備考欄のとおりでございますが、各勘定ごとにおよそ2カ月分の費用を目安に算出しております。
それから、5番目、重要な財産の処分等に関する計画については、ございません。
それから、次のページでございますが、剰余金の使途でございます。まず、(1)が全勘定に共通する事項でございますが、職場環境の整備、情報通信技術関連機器の整備、人材育成、その他、それから広報、成果の発表等を予定しております。
(2)が各勘定の負担に帰すべき事項でございますが、中期計画の達成状況を見つつ、事業の改善、質の向上に資する業務の充実及び機器等の整備を図ることとしております。具体的には、公健勘定では予防事業の充実及びその推進に係る電子化機器整備、職員の資質の向上のための研修の実施等でございます。承継勘定では債権管理回収業務に係る経費でございます。基金勘定では、地球環境基金業務における助成事業・振興事業の充実、OA支援ツールの整備、過去資料の電子化、職員の資質の向上のための研修の実施等としております。
7番目、その他主務省令で定める業務運営に関する事項でございますが、(1)施設及び整備に関する計画につきましてはございません。
(2)人事に関する計画でございますが、ア、人員配置、職員の業績評価及び人材育成でございます。職員の適性を的確に把握し、適材適所に応じた人員配置を行います。また、各業務、事業ごとに定めます目標を達成するために、職員一人一人の意識の向上を図り、成果に応じた業績を適正に評価することとしております。また、業務上必要な各種の研修に職員を積極的に参加させ、職員の資質向上、能力の開発を図ることとしております。イとしまして、人事に関する指標でございますが、業務運営の効率化を図りますとともに、機構が十分な役割を果たすことができますよう業務の改善・見直しを進めまして、期末の常勤職員数を期初の8割といたします。具体的にはその下の参考1にございますように、期初の常勤職員数131人に対しまして、期末の常勤職員数を105人と見込んでおります。それから、ちょっとこの下の図がずれているのですが、参考2とちょっと右側にあるのですが、参考2は中期目標期間中の人件費総額の見込みでございますけども、これにつきましては、現在調整中でございまして、次回までに作成する予定でございます。
次のページでございますが、(3)積立金の処分に関する事項につきましては、ございません。
【鈴木環境事業団総務部長】 最後ですが、その他中期目標を達成するために必要な事項につきまして、目標の方に示されておりますのは、緑地整備関係建設譲渡事業については終了予定年度内に完了させるようにということでございます。これを受けまして、計画の中でも大気汚染対策あるいは温暖化対策の緑地施設整備を適切に実施していき、また、進行を適切に管理し、譲渡契約に基づき、終了予定年度(平成17年度)内に現在実施中の事業の施設整備を終了させることとしております。
【村川公害健康被害補償予防協会総務部長】 以上でございます。
【石井部会長】 大分急がせて申しわけございませんでしたが、手際よく御説明いただきまして、ありがとうございました。
それでは、最初に申し上げましたように、確認的な御質問をお願いします。
【桑野委員】 この参与会議とこの委員会との関係がよくわからないのですけれども、今御説明いただきました中期目標、中期計画の中には参与会議の御意見も入った形になっているのでしょうか。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 これまでの他法人に対する参与会議の指摘事項というのがありまして、他法人に対するといいますか、他法人の中期目標、中期計画を見つつ、全法人に対して指摘事項がありまして、それは一応受けたつもりの内容ということでございますが、この案そのものはまだそちらに提出をしておりませんので、それはこれからということでございます。
【北野委員】 質問だけに限定させていただきます。
資料5の右下3ページですが、汚染負荷量の賦課金ですか、これが年々減っていますが、それはどういうことが原因だと考えているのでしょうか。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 お答え申し上げます。一時公害健康被害補償制度の認定患者がどんどん増えていたのですが、硫黄酸化物の汚染が改善されたということで、63年に指定地域を解除いたしました。そこから新規認定はしておりません。しかし、もう認定した患者さんについては、原因者負担でずっと補償給付をしますということになっておりますので、患者さんがピークの11万人ぐらいから、今5万5,000ぐらいになっておりますので、患者さんが減った分に応じて必要額が減っているということでございまして、収納計画額は減っているのですが、徴収率は非常にいい水準を保っております。
【北野委員】 必要な額が減っているのですね。
【石井部会長】 ほかにございますでしょうか。
【高木委員】 幾つか質問させていただきたいのですけど、まず、先ほど協会の基金と、それから地球環境基金ですね、こちらにつきましては、運用益収入でもって運営を図るという御説明をいただきましたけれども、中期計画、目標の御説明を聞きながらいろいろほかの資料を見ておりますと、どうも果たしてそうなのかなというような疑問がありまして、特に予算などがありましたが、多分財務省との折衝のためにつくられた予算書だと思うのですけれども、その予算書を見ていますと、果たして先ほどの基金の運用収益で賄えるものかなというような疑問がわいたものですので、ちょっとその点を確認させていただきたいというのが1点目です。
あと、それから、目標の設定のされ方のところなのですけれども、特に国民の方に提供するサービスの質の向上というようなところでの書きぶりのところなのですけども、公害の補償と予防に関してまとめて記述されておりますが、先ほどの法のところで、あるいは資料1でも業務の説明のところでは区分された形で御説明いただいております。しかも、組織も区分されておるということで、なぜ一緒にされたのか。その辺のところについて教えていただければというのと、緑地の事業がありますが、建設事業ですね。あちらにつきましては、今申し上げた質の向上で取り上げていないということ、それから、第10条の第2項のところが、これまた同じサービスの質の向上というところで特段取り上げられていないこと。その辺のところについて、背景などを教えていただければということで質問させていただきたいと思います。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 私から申し上げます。
まず、資金面のところでございますが、御案内のように、運用益で賄っているのは予防基金です。500億円の基金については、運用収入でやっているのでございますが、地球環境基金については、基金の額等の制約がございまして、事業費について国庫から支援をいただいているという状況がございます。
それから、2番目でございますが、目標のところの書きぶりで補償と予防をなぜ一緒にしているのかということでございますが、実は区分経理をするということになっておりまして、補償と予防につきましては、公健勘定ということで他と区分をしながら経理をしなさいとなっておりまして、まとめておりますが、ここにつきましては、補償と予防についてはセグメントでまた管理をしたいと思っておりまして、業務としては別なのですが、一応、他の業務とはまとめて区分をすべき別の性格のものなので、患者さんの補償とか予防に支障がないように、他に流用されたり何かされたりしないようにということで区分経理が義務づけられておりますので、一緒にしているところがございます。
また、第4点目の第10条第2項のサービスの向上についてでございますが、これは機構になってから始めるという業務でございますので、ここにつきましては、ちょうど書き方としましては、御説明の中にもございましたが、3ページの2のところの「さらに」というところ、2の真ん中の欄の「さらに」というところで業務の質の向上を図るものとするということで、定性的な書きぶりにさせていただいております。ここにつきましては、機構がスタートしてから十分まとめて、もっともっと具体的なものに逐次してまいりたいと思っております。
緑地の取り上げているところにつきましては、環境事業団の方から説明いたします。
【鈴木環境事業団総務部長】 この計画の構成上は機構における業務を本則業務と附則業務に分けまして、緑地事業につきましては、現在実施中のものを予定の期限内に仕上げるというところが、法律上は附則の業務、経過措置として入っておりますので、そういう形で一番最後のところにその年度内に仕上げるというようなことを書かせていただいたということでございます。
【三橋委員】 これは質問というか情報入手のことで、一つは、全体にインターネットを通して情報を公開したり、そのアクセス数を増やしたりとか、インターネットを通した情報公開を重視しているわけですけれども、過去の実績はインターネットのアクセスとか利用の仕方というものはかなり効果的であったのかどうか。インターネットに広報すれば、それで終わりみたいな形の仕方というのは、やはりいろいろなセクションで多いのですが、必ずしもインターネットへのアクセスというものが多いわけでもない現状というのがあるので、その辺がやや気になります。アクセス数がどのぐらいあって、それをどのぐらい増やすとかということでも、非常にベースが低ければ余り意味がないような感じもするし、ちょっとその辺の疑問があるということと、それから、資料5の11ページの最後、人事に関する計画のところが一番最後の説明にありましたが、参考2というのはまだできていないということですけれども、ここでは常勤職員数の比較があるのだけど、実際に契約社員とか出向社員の数もあれば、あわせて現状がどうなっているかということを伺いたいです。
【村川公害健康被害補償予防協会総務部長】 それでは、最初のホームページによります情報公開につきまして、とりあえず今、手元にあります資料で概要だけ申し上げます。今、手元にある資料で見ますと、これは協会の部分だけでございますが、ぜん息の関係と、それから大気汚染の関係と大きく二つに分けていろいろな情報を公開させていただいております。その中ではぜん息を起こしたときにどういう治療をしたらいいのか、薬はどんなものがあるのか、そんなことまで含めていろいろ情報を提供しております。13年度にぜん息関係、約2万件のアクセスを得ておりますが、その後どんどん増えておりまして、14年度には約3万件、15年度は見込みとしては4万件ぐらいになるのではないかというふうに思っております。それから、大気汚染関係、こちらは大気汚染の構造とか仕組みとか、どうしてこんな汚染が起きるのか、汚染物質はどんなものがあるのか、対策としてどんなものをやっているのか、低公害車はどんな種類があってどうなっているのかというようなことを提供しておりまして、これはお子さんとか学生さんとかも結構アクセス数が多いわけですけれども、13年度で大体2万7,000件ぐらい、14年度に3万7,000件ぐらい、15年度は大体横ばいぐらいになるのではないかというふうに今考えております。
今、三橋委員の方から御指摘のあったとおりで、やはりホームページというのは一度載せただけでは、最初はアクセス件数が上がりますが、そのうちだんだん落ちてまいりますので、常にメンテナンスを行って新しい情報を入れていくことが必要です。それから、メールなどでいろいろ要望も入ってきますので、計画の中にも入っておりますように、それらの要望に細かく応えていくということを心がけていこうと思っております。今後もホームページのアクセス件数につきましては、中期計画に書いてありますように、どんどん上昇するように努力をしてまいりたいと思っております。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 三橋委員の2点目の御質問でございますが、公健協会におきましては、やはり定員74名ということでございますが、なかなかそれだけでは業務がこなせないということで、10名の非常勤もしくは派遣の方にサポートをしていただいております。この辺の将来計画については、まだちょっとあれなのですが、いずれにしろその業務をうまく区分いたしまして、そういう方の御支援を得られるところは極力そちらをしていくということで、機構においても努力をしていきたいと思っております。
【佐野委員】 簡単な質問ですけれども、4ページに商工会議所との連携のことが書いてありますけれども、商工会議所にこういう業務を一部委託するというのはどのような理由ですか、ネットワークが広いとか、事務処理が的確で迅速だとか、コストが安い、いろいろなことがあると思うのですけれども、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
【村川公害健康被害補償予防協会総務部長】 私ども協会は、法律ができました昭和49年に発足しておるのですが、その当初から商工会議所さんと協力をしてやってきております。理由は、私ども協会、職員数が今約70人しかおりません。ほとんどが東京におりまして、大阪に一部支部がございますが、こちらも数名でございます。これに対しまして、お金をいただきます納付義務者さん、事業者さんですが、これは全国9,000あるわけでございます。沖縄から北海道まで全国にあります。これらの方々に、その申告の際にいろいろ数字を自分で書いていただいて、いくらSO2を発生したか、またそれにその環境省で決めていただいた係数を掛けて、それに応じた金額を自分ではじき出して申告をしていただかなければなりません。この徴収率を上げていかないと、患者さんにお配りするお金がなくなるわけですから、そういったときにどうしても人数的にまず足りないという、あるいは地域的に手足がないということがまず一つでございます。それから、なぜ商工会議所さんかというと、商工会議所さんはそれぞれの地元の事業者さんと深いつながりがございますので、そういったつながりも利用させていただいて、我々のお金を集める趣旨というのを十分御理解いただいた上で申告をしていただいて、お金を納めていただくというようなことを目指しておるわけでございます。
【石井部会長】 商工会議所に反対給付というのは何かの形でしておるのですか、反対給付、謝礼というのはおかしいですけど、そういう仕事をお願いしているのですから。
【村川公害健康被害補償予防協会総務部長】 これについては、事務費の中のお金を使っておりまして、委託費として我々の方から商工会議所さんにその事務費をお支払いして、それで事業を行っていくということにしております。
【北野委員】 非常に細かいことで恐縮ですが、6ページの④のアンケート調査の目標ですが、80%以上のものから5段階評価で上から二つ目とか、それから、7ページに今度はアンケートで有効回答者の70%以上という、これはどの辺に置くかというのは非常に難しいことなのですが、何か研修ともちろん情報提供と内容は違うのですが、表現が片方は有効回答数、片方は上から2段階まで入れてという、その辺をあえて書き分けた意図がもしあれば御説明いただけますか。
【斉藤公害健康被害補償予防協会理事】 これはいろいろ他法人との関係とか、いろいろ見ながらあれなのですが、実は「大変有意義だった」というところで8割ぐらいというのがいろいろなパンフレットでの評価例なのですが、研修の場合には、実は地方団体のこのソフト3事業といいますか、健康相談とか健康診査とか機能訓練等をやっていただく職員さんを対象に研修するのですが、すごくまちまちでございまして、去年も聞いたけども今回も来ましたという人もあれば、異動がありまして初めて来たので、そもそもどういう事業なのかよくわからないという人もありまして、いろいろなニーズに人によりすごく差があるのですが、その中で一定の水準の研修をしますと、どうしても何か前に聞いたなという人も少しおりまして、なかなかパンフレットなんかと違いまして、80というのはちょっときついというのが現実にございまして、いろいろな私どもも試行的にやったところ、70ぐらいというところが大体いい評価がいただけるというか、目指すといいのではないかというふうに考えているところでございます。
【石井部会長】 まだおありかと思いますが、時間が予定を多少過ぎておりますので、何度も申し上げますけれども、資料7にございます紙に記入していただいて、御質問等も、それから、御意見はもちろんでございますが、事務局の方にお送りいただくということをお願いいたしまして、この議題は一応切り上げさせていただきます。
それでは、その他について、事務局よりお願いします。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 資料の8、1枚の紙が主要日程案ということでつけてございますが、関連する主な日程がその資料8にありますようなところになっております。この評価委員会の機構部会そのものについて申しますと、本日、1月23日に中期目標、中期計画(案)を最初に御説明をさせていただいたところですが、2月16日にその審議のための部会をまた開かせていただきたいと考えております。2月16日、月曜日の午後2時、こちらの会議室を予定いたしております。そして、3月11日にもう一度機構部会を開催させていただきまして、そこでは、中期目標、中期計画について最終段階での確認的なことがあろうかと思われますのと、あと、そのほかに法定の事項として、意見をお聞きするということになっておるものと、通知をするというものと、法律上微妙に扱いが違うものもございますが、業務方法書とか役員報酬の支給基準などがございますので、それらについての御審議等のために、また3月11日にお願いしたいと考えております。
概要は、以上でございます。
【石井部会長】 最後に一つ私からお願いをしたいのですが、中期計画についてです。目標というのは何をしろというWHATを指示しているわけですが、それをいかにして実現するかということでHOWを主とした内容とするものだと思いますので、その違いが一覧性を持ってわかるように、先ほどのこの資料の5でしたか6でしたか真ん中の中期計画の部分について、HOWの部分がここであるというふうにアンダーラインなりあるいはゴシックなり、ぱっと見たときに一見して目標をどうやるのだということが見えるような形で資料を改定したものを先生方にお送りいただくということをお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。
【苦瀬総政局新機関設立推進室長】 ちょっと今の御趣旨で検討させていただきたいと思います。
【石井部会長】 それでは、本日の議事はこれで終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
--了--