環境省独立行政法人評価委員会懇談会会議録
日時
平成15年8月26日(火)10:03~13:16
場所
環境省第二会議室23階
議題
(1) | 平成14年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価について |
(2) | その他 |
配布資料
資料1 | 平成14年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価結果一覧 |
資料2 | 平成14年度独立行政法人国立環境研究所業務実績評価書(構成案) |
参考資料1 | 環境省独立行政法人評価委員会名簿 |
参考資料2 | 環境省独立行政法人評価委員会の運営方針について |
参考資料3 | 独立行政法人国立環境研究所の業務実績に係る基本方針 |
参考資料4 | 独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価に係る質問事項について |
参考資料5 | 平成14年度業務実績報告書 |
参考資料6 |
平成14年度業務実績報告書資料編 |
参考資料7 | 平成14年度財務諸表等 |
参考資料8 | 平成13年度独立行政法人国立環境研究所業務実績評価書 |
参考資料9 | 環境省独立行政法人委員会令 |
参考資料10 | 独立行政法人通則法 |
出席者
委員: | 石井紫郎委員、櫻井治彦委員、佐野角夫委員 柘植綾夫委員、松野太郎委員、鷲谷いづみ委員 北野大臨時委員、高木勇三臨時委員 高月紘臨時委員、桝井成夫臨時委員 |
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環境省: | 大臣官房 | 竹本審議官 |
総合環境政策局 | 齊藤環境研究技術室長 山崎総務課長 |
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国立環境研究所 | 合志理事長 西岡理事 飯島理事 高木主任研究企画官 |
議事
【齊藤環境研究技術室長】 おはようございます。定刻となりましたので、まだご予定の委員のうち、桝井委員がちょっとお見えになっておりませんが、ただいまより環境省独立行政法人評価委員会懇談会を開催いたします。
本日は、会場が比較的小ぢんまりしているのと、ハンドマイク1本しかないという関係もありまして、マイクなしで進行を進めさせていただきたいと思いますので、何とぞご了承をいただきたいと思います。
まず、議事に入ります前に、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。
配付資料につきましては、懇談会と書いた、議題を書いた紙がございますけれども、そこに資料と参考資料ということで書いてあります。資料1がA3のものでございます。それから資料2というのが、実は資料2という型番号が振っていないと思いますが、このような平成14年度の評価書(案)ということで、様式を示したものが資料2でございます。
以上が資料でございまして、あと参考資料なのですけれども、お手元のいろいろございますが、参考資料1から10ということで、基本的には前回の委員会でお配りした資料類の中から若干抜粋をしたものを、お手元にそろえております。また、資料等、途中で足りないということにお気づきになりましたら、お申し出いただきたいと思います。参考資料につきましては、必要なければ、前回お配りしていますので、置いて帰っていただいても結構でございます。
ただいまより始めさせていただきますけれども、まず最初に、本日は大変急な設定にもかかわらずお集まりいただきまして、大変ありがとうございました。特に先週からいろいろ無理なお願いばかりさせていただきまして、それにもかかわらず非常に熱心に対応していただきまして、厚く御礼を申し上げます。
それでは、これ以降の議事進行につきましては、石井委員長にお願いをいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【石井委員長】 それでは懇談会を開かせていただきますが、実質的な議事に入る前に、本日の懇談会の取り扱いについて、ちょっと確認をしておきたいと思います。
既にご案内のとおり、次回の委員会は第10回でございますが、9月10日に開催するということで、既に正式の通知を委員の方々に差し上げたところでございます。それにもかかわらず、できるだけ早くこの評価結果をまとめたいという事情もございまして、急遽、本日、この懇談会を招集させていただいた次第でございます。これについては私からお話しするよりも、事務局の方から具体的な経緯を説明してもらい、その後で、取り扱いについてご協議いただきたいというふうに存じます。
その前に、きょうは竹本審議官が初めてご出席ですので、ごあいさつをお願いいたします。
【竹本審議官】 ただいまご紹介いただきました、大臣官房審議官竹本でございます。7月1日より拝命をいたしました。前回8月6日に、この委員会が開催されました。その場でごあいさつを申し上げたいと思っておりましたところ、急遽海外出張になりましたので、今回改めましてご紹介いただく機会を得ました。
先ほど委員長よりお話ございましたとおり、9月の中旬にこの会合を開きまして、評価の取りまとめをお願いをするように考えておりました。後ほどまた担当室長の方から詳しくご説明を申し上げますが、今月中の環境省における概算要求のタイミングとの関係もございまして、急遽、大変、各先生方にはご無理をお願いをいたしまして、本日懇談会という形で開催をさせていただく運びになりました。大変ご迷惑をおかけしておりますことを、私の方からもおわび申し上げたいと思います。
本日は限られた時間ではございますが、よろしくご審議のほど、お願いを申し上げまして、私のからのごあいさつにさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【齊藤環境研究技術室長】 それでは続きまして、経緯あるいはきょうの会議の取り扱いについてのご説明をさせていただきたいと思います。すみません、座ったままでやらせていただきます。
まず経緯などにつきましては、委員の方々に評価シートの提出をちょっと早めていただきたい等々のご連絡のときに個別に説明はしてきておりますが、その辺につきまして、ごく簡単ではございますが説明をいたしますと、国全体がそうなのですが、昨年度の初めての独法の評価ということにつきましては、大体遅いところで10月の下旬というような形でやっておりました。ただ、総務省の方からも、昨年度の評価結果をできれば次年度の予算の概算要求に反映させるように、8月末というのを一つの目標にやることを期待するというようなことが、昨年度の二次意見でも実は出ておりました。これにつきましても、各省とも受けとめ方それぞれではあったのですけれども、昨年よりはもっと早くやろうというところ、特に昨年一番遅かった省庁あたりが、かなり前倒しで進めてきたという実態もございます。
そんな中で、環境省としては非常に認識が甘かったのですが、9月中旬ぐらいですと昨年より少し早めだというぐらいの軽い気持ちで考えてはいたのですけれども、平成16年度概算要求に向けて、いわゆるシーリング等を決めるいろいろな事項を8月の閣議で了解したものがあるのですが、その中にも前年度実績について厳正な評価を行い、その結果を反映させたものを要求するようにせよというようなことが明記をされておりました。
さらに、独法の評価全体の責任を持つ総務省からも、できる限りその趣旨に沿ってやるようにということで、各省に状況の確認と、できれば8月中にという要望がありまして、実は各省ともそれぞれいろいろな工夫をして、かなり前倒しをしてきたということが、我々いろいろ担当ベースで調べてみてもわかってきまして、どうも、もしかすると環境省だけが9月の日付というようなことにもなりかねない。しかも、環境省は今のところ一つしか法人を持っていないという中で、もちろんこれは事務局の認識不足からすべて起こったことではありますが、形式的に評価委員会にも、何らかの形でご迷惑がかかるおされもあろうかということが懸念されるに至ったわけであります。
そこで、委員長とも緊急にご相談をいたしまして、もちろん可能であればなのですけれども、もし可能性があるならば、評価の仕事を少し早めに終えるよう努力すべきではないかということで、方針の転換をさせていただきまして、先日来お願いしているように評価シートの提出を、いきなり2週間ほど早めてお願いをしたり、急遽メールでの懇談会開催の通知をしたりと、委員の皆様に多大なご迷惑をおかけいたしました。
全体スケジュールの設定、急な懇談会の開催、その召集の仕方など、すべて事務局である環境省の不手際によるものでございます。無理なお願いとは存じながらも、8月中に評価を出していただくため、議論をきっちりやるということが前提ですので、本日、招集をさせていただいたというのが経緯でございます。
きょうの委員会につきましては、委員会ということではなく懇談会ということにさせていただきましたが、これは物理的に時間の関係というのが一つございます。環境省の独法の評価委員会は公開でということが原則となっておりまして、通常、開催の1週間ほど前にはプレスに情報を提供し、一般の傍聴希望者を募るといった、そういう情報公開の手続もありますので、それをとっている物理的な時間がなかったということもあります。したがって、そういったあたりを考慮しますと、会議自体は委員会ではなく懇談会というような形をとらせていただくということになり、結果としては非公開という形になります。
この会議の記録につきましては、もともと委員会の運営方針というのがありまして、これが今日の参考資料2にございます。この中で、会議を非公開とした場合の取り扱いというのが、下の方ですが3の(3)に書いてございます。非公開とした会議の会議録であっても、委員会が認めた場合は公開するものとする。会議録、要するに速記録に近いものですけれど、これを非公開としたときは議事要旨を作成して公開する。こういった委員会の規定がありますので、これに準じて、本日のご議論が終わった後で、最後にこの場で会議録の取り扱いについてお決めいただければというふうに考えております。
そういうことで、通例ではない、特殊な形にならざるを得なかったことをおわび申し上げますが、以上のようなことで、この会議についてご理解をいただければと思います。
以上でございます。
【石井委員長】 懇談会という形式にしましたのには、実は幾つか実質的な理由が今室長が言われたこと以外にもないわけではないわけで、例えば委員会の通知は既に9月10日で差し上げてしまっているので、これを差しかえるというのもなかなか大変だということでございます。それからもう一つ、定足数を満たし得るかどうかということが甚だ危ぶまれたわけでございまして、結果としては今既に9人――16分の9でございますのでクリアしておりますし、もうお一方いらっしゃいますので、そこのところは問題なくなったわけでございますけれども、とにかくこの会を開こうとした時点ではその辺が全く不透明であったというようなこともございました。ということで、懇談会にさせていただきました。
ただ一番大事な定足数との関係で、懇談会ですから定足数は要らないのですが、過半数の方がこの懇談会にご出席いただいたということは、実質的に見るとこの会議での議論が、非常に正当性を高く持ち得ることになったということを意味するわけでございまして、その点、お忙しい中お差し繰りいただいてご出席いただきました先生方に厚く御礼を、改めて私からも申し上げたいと思います。
ということで、懇談会でございますので、この公開の問題とか議事録の問題というのは、実はこの参考資料2の対象外でありまして、何もこれに則る必要はないわけなのです。懇談会ですから。しかし今申し上げましたように、過半数になっておりますし、いろいろな資料もきっちり、先生方にもう既にいろいろな形で評価シートのご提出もいただいておりますので、資料もきっちりそろっております。ということで、限りなく正式な委員会に近い形でこの懇談会が開かれました以上、外に向かってもそういうものとして示したいという気持ちがあるわけでございますので、最終的には会議の最後のところで改めてお諮りしたいと思いますけれども、非公開、しかも懇談会ではありますけれども、議事の内容については記録をきっちり公開するような方向で考えてみたらいかがであろうかということを、今のところ考えておりますので、その点何かご意見ございましたらば。
【佐野委員】 私なんか先週海外、そういうような場合にはフレックスで、年間スケジュールで、役員になると休みをとるものですから、もう去年からそういうのは組んであって、海外へ行ったりするわけですけれども、私は9月5日ということで評価書記載ということになっていたし、私は実はほかの、経済産業省の評価委員もやっていますが、そっちはもう6月で終わっているのですよ。7月初めに、もうファイナルとして。こんな遅いのでいいかなと思って、環境省というのはこの程度だということも一方ではあったし、この前も大丈夫かなと思っていたのですけれども、それでいいと言うものだからのんびりしていたら、もう秘書から電話なんかが入ってきて、大変なことだというので急遽帰ってきたのですけれども、こういうのは許されるものではないと思うのですな。公的な評価委員会のあり方として。
だから、我々が幾ら議論したって、これでは言ったことが実効性に結びつくかどうか。特にいろいろな面で各官庁との横の連携が必要な問題が多い時代ですから、心配です、正直言って。
【石井委員長】 わかりました。
【佐野委員】 こういうのは、私いろいろな会議に関与していますけれども、あり得ないですよ、普通。
【石井委員長】 そのとおり、異例ですから。
【佐野委員】 異例というか、許されないことですよ。私も社外取締役員を今何社かやっていまして、昨日もあったのですけれども、もうそういう場合だって、1週間以内に議案の説明から、民間の場合ですよ、入念に準備して、入るのです。特に社外の者は煙たいものですから、これでいいですかとか。会議というのはそういうことで公平性が保たれるし、透明性が保たれるし、内容が充実していくと思うのですよね。そう簡単に、これは公開でこうしたなんていうのはまやかしなのですよ、皆さんの手落ちを棚に上げた。
【石井委員長】 冒頭の懇談会を開くに至った経緯のところで、きっちりそこのところは書いて、それを公開する。
【佐野委員】 今コンプライアンスという問題が経営上は最も重要ですから、そういうことも含めた配慮が、やはり必要だと思います。
【石井委員長】 懇談会でございますので、文書の形でやることはもちろん望ましいといいますか、おそらく必須のものに近いぐらいに望ましい部分だと思いますけれども、文書による開催通知がないということで、それ自体が重大な瑕疵になるとも限らないだろうというふうに私は思っているのですが。
【佐野委員】 今は一般の、普通の考えが優先しますから、コモンセンス、良識というものが。だからこの評価委員会の目というのは、そういうものが私はベースにあるべきだと思うのですけれども。やはり何のために評価をするというと、国民の皆様方のために評価をしているので、会議のあり方もそういうのをベースにして決めるべきだと、私は思います。
【石井委員長】 この開催通知については、お一人お一人に電話ないしメールでご連絡したという理解でよろしいですか。
【齊藤環境研究技術室長】 今井さん、開催通知はいつ、どういう形で出したの。
【事務局(今井)】 メールで……。
【齊藤環境研究技術室長】 メールとかで。そのとおりです。
【石井委員長】 何日。確認だけしておいてください。
【事務局(今井)】 先週の……。
【齊藤環境研究技術室長】 先週のうちに、個別に連絡のとれた方から順次という形をとらせていただきました。
【石井委員長】 そうですか。
【松野委員】 21日に受け取っていますけれども、懇談会の通知を。
【石井委員長】 メールという、略式といいますか、正式の開催通知にかわるものが配信されたということで、辛うじてセーフかなというふうに解釈したいのですが、いかがでございましょうか。
【松野委員】 ちょっとすみません。逆に、正式な報告というのは何をもって、9月10日に委員会を開いて、正式のものをつくって、それから9月の……。
【石井委員長】 そこが、今日のご議論をいただいて、それから報告書をまとめる取り扱いを最終的に、最後のところでご議論いただきたいと思ったのですが、ただ佐野委員が途中でご退席ということですので、ちょっとここで順序を入れかえてご議論いただいた方がいいかなというふうに思いますが。私は、きちんとしたものとすればやはり9月10日付というのが正式のものであるべきだろうというふうに思いますが、先ほど室長が説明したのは、環境省だけが日付が9月にずれ込んだというものを出すということはいかがなものであろうかと、こういうことで、それが環境省の事務局の方の責任だけではなくて、委員会の委員長、委員の先生方は何をさぼっておったのかという話になるといけないからという説明もついていましたが、そのところちょっと忌憚のないご意見を伺いたいのです。
実質的な取りまとめは、9月10日以前にやってやれないことはないだろうというふうに思いますが。本来こういう懇談会と、あと実質的にはまた原案を取りまとめて委員の方々にお送りして、ご意見を承ってという、この往復運動はした上で、最終的な評価、先ほど室長が言われた評価書の案ですね、こういう形式のものにまとめていくということでございますので、これをいつ付けにするかということでございます。いかがでございましょう、佐野委員。
【佐野委員】 今、その資料が……。これですか。
【石井委員長】 お手元に参考資料8というのがあると思いますが、一番下の方。これが平成13年度のものでございまして、つまり先ほどの資料2という形式のもので、昨年のものはこういうものができ上がっているという参考資料です。これを取りまとめていく。問題は、ですから実質的にできるかどうかということではなくて、でき上がったものの日付をきっちり委員会の日付に合わせるのかどうかということが最終的に問題になるだろうと思います。
その点については、参考資料2というのをちょっとご覧いただきたいのでございます。
これは正式な委員会を開いた場合に関する規定でございますが、1の「会議の招集」というところの[2]に、「委員長は、事案の内容が軽微であり、やむを得ない理由により会議を開く時間的余裕がないと判断する場合は、会議の開催に代えて事案の内容を記載した書面を委員等に送付し、その意見を徴し、又は賛否を問い、その結果をもって会議の議決とすることができる。」と、こういう要するに持ち回り方式が可能であることにはなっております。問題は、「やむを得ない理由」というのはともかくといたしまして、「事案の内容が軽微であり」という要件であります。これを前提にして、なおかつこの1の[2]の方式でやることをお認めいただけるかどうかということでございます。
【松野委員】 この委員会の存在そのものの一番大事な作業になっていますから。
【松野委員】 これを適用するわけにはいかないです。むしろ、9月10日でなぜまずいかという問題があるのですね。何が非常に具体的にまずいのかというのが。実質的には出せるとは思いますけれども、日付が9月10日になるのかどうして問題なのか。
【齊藤環境研究技術室長】 仮に環境省だけが9月の日付になっていたとしたら、何をやっているのだという批判をまず受ける。これは当然事務局に責任があるわけですから、それはもう、いたし方ないとは思うのですけれども。
【石井委員長】 事務局がどうのこうのということではなくて、やはりこれは委員会の問題ということになりますので、委員会が怠慢でしたということを天下にさらすつもりで9月10日という方が、筋は通るだろうとは思うのですが。
【松野委員】 それが一番問題ないのではないですか。
【佐野委員】 内容が充実していればいいのではないですかね。フェアで、透明性があって。
【石井委員長】 やはりいろいろやりとりをやって、文書を一応実質的には今月中に固めるとしましても、9月10日の委員会でもう一度正式な確認をするというのが、やはり本当かなというふうには私も思いますけど。
【松野委員】 逆に、何でそんなにこだわるのかというところがわからないのですよね。役所というのは、何かそういう中身よりか形だけでそんな、それは何をやっているかという、そこが。
【齊藤環境研究技術室長】 形だけというのが今回の場合は大きいと考えています。
【松野委員】 それを破るのがやはり一番大事なことだと思います。
【齊藤環境研究技術室長】 もちろん……。
【松野委員】 研究は形ではないですし。これはたまたま研究所の。そうですね、物によっては違うかもしれないけれど。
【佐野委員】 でも、世間の常識は、そういうことを許しませんよね。私の場合でも秘書が絡んでいるし、何で日付がそうなるかということに対して、多分おやっと思うかもしれない。彼女のスケジュールにも、私と同じように何月何日環境省の評価委員会と入っていますから。だから、そういうのが今、一般企業の場合ですと、明確に外へ出てしまうのですよね。会議がインチキだとか形式的だとか。ガバナンスがないと、その会社の質が問われるということで、今どんどん追及を受けています。そういうので、すごく嫌なのですよ。「環境」という、非常にピュアな問題を扱っているこういう会議自体がそういうことにさらされるということに対して、ちょっとどうかなという気が非常に強くするものですから、しつこく申し上げているのですけれども。
【齊藤環境研究技術室長】 仮に持ち回りの形をとった場合につきましては、当然これはこの委員会の運用としてやることですので、この運営方針に書いてあるように議決録というのを調整をして、それをきっちりと公表するという手順はあります。黙ってやってしまうというわけではございません。
【石井委員長】 いや、だから問題は、ここの「事案の内容が軽微であ」る、と書いてあるのがひっかかるのですよ。なければないでいいのだけれども。書いてあってしまうと、もう……。
国環研の評価が軽微だなんて。
【竹本審議官】 委員長、よろしいでしょうか。おっしゃるとおり、この運営方針、「事案の内容が軽微であり」というのがどうしてもひっかかるところと。事務局の方としてもし発言ができるとすれば、先ほど委員長の方からお話ありましたとおり、本日緊急にお集まりをお願いをしまして、いわば懇談会ですので定足数というのはないわけですが、9名を超えるご参加をいただいていると。実質的にご議論をいただいて、かかる上で、さらに本日ご出席いただけなかった先生方にも別途個別にご相談を申し上げるというような、いわばあわせ技で、軽微でないというのは、もう明々白々なわけであります。評価そのものをしていただくということですから。
ただそのプロセスとして、今回懇談会ということで過半の委員の先生方にお集まりをいただいて、ご議論をいただく。これが一つのステップであります。そういったものも踏まえていただいて、ご参加できなかった先生方にもあわせて書面でいろいろご意見をいただくと。このあわせ技というのがあり得ないかどうかというのが、これは一つの考え方でありまして、どうしてもそれはだめだということになりますれば難しいのかもわからないのですけれども…
以上です。
【柘植委員】 私も余りそのあたり、法律のことはわからない者なのですけれども、きょうのお話も21日に懇談会の開催が来ておりまして、かなり、確かに齊藤室長の話を聞きますと、公式にはやはり不手際だったとも思うのですけれども、やむを得ないところもあるということを思いましたので、今の審議官のような処理ができないかなというふうに期待しますけれども。
【松野委員】 すみませんが、その前に9月10日ではなぜいけないのかというのが、一向にわからないのですけれども。実質的に、僕らはこうやってちゃんとしたものをつくって、どこか必要ならば原案というか素案という形で、必要なところには示せるものを仕上げられると思うのですよね、8月中に。最終的な公式なものが9月10日で出るというのが、どこがぐあいが悪いかと。当初の9月10日、17日、24日でしたっけ。あれのスケジュールはもう大変まずいというのはわかるのですけれども、それで10日とすれば、さらに実質的なものは先につくるというので。
【齊藤環境研究技術室長】 あくまでも9月の日付にこだわるのは、9月1日の概算要求前ということに尽きると思います。
【松野委員】 委員長からちゃんと何日付かで次のような素案を、難儀の末できましたと、あとは10日に開いて、これを国環研に伝えるばかりですと、そういうふうにしていただければ、それはそれでいいのではないの。
【石井委員長】 ぎりぎりの妥協案みたいなことで申しわけないのですが、要するにこの1の[2]の判断を私がして、この書面によるいわゆる持ち回り的なやり方で会議の議決とするということをしたということで、それを9月10日の委員会でご承認いただけるかどうかをお諮りすると。
【桝井委員】 概算要求の日付は急に決まったのですか。
【齊藤環境研究技術室長】 それは例年どおりで。
【桝井委員】 例年。では、何でその前にちゃんとならないの。蒸し返すようだけれども、9月だと前々に決まっているのならば。夏休みもあって、いろいろなスケジュールで……。
【齊藤環境研究技術室長】 冒頭で若干説明したのですが、総務省の昨年度の評価に対しても、次年度は概算要求へ反映させるべく8月末をめどに評価を行うように期待する、というのが出ておりました。それに対する、明らかに環境省のこの委員会の事務局の認識不足というのが原因でございます。
【桝井委員】 そういうことであったらどうしようもないから、今言ったような
形で、とりあえずやるしかないのではないかと。
【石井委員長】 「事案の内容が軽微であり」という要件に関しては、国環研の評価という事案が実質的に軽微であるというふうに理解するのではなくて、実質的にきっちりもう議論が固まっているのであるから、諸般の事情から日付はこの日付にするという、その点に限ってみれば、それは軽微と言えないこともないだろうというふうに理解したらいかがでしょうか。
【桝井委員】 余りその問題に深入りしない方がいいのではないですか。
【石井委員長】 ですから、もう一度繰り返しますが、1の[2]で「内容が軽微であり」という判断の対象は日付の問題のことで、実質的な評価中身の審議は遺漏なくできたというふうに委員長が判断して、この手続を用いて議決をお願いしたと。それについて、9月10日に改めて委員会のご承認をお願いする。承認をいただけなかったらどうするかというのはそのときの問題としまして、そういう手続で進めさせていただいてよろしゅうございますか。
【高月委員】 その場合、日付はいつになるのですか、8月の……。
【石井委員長】 8月29日ということになっております。
【高木委員】 すみません、よろしいですか。私、10日も出られないものですから、そのことを考慮させていただきたいというふうに思うのですけれども、本日ご欠席の委員の方のご理解、ご了解、そこのところはぜひとも得ていただきたいというように思うところです。
あと、意見として申し上げておきたいのですけれども、先ほど松野先生もおっしゃられたように、この実績評価というのが評価委員会の最大の職責であるわけです。その職責を果たすのに、当初の事務局の予定ですと、前回で概括的な説明をやって、10日の委員会をやって、それでおしまいにするというような手順かなというふうにも思うのですけれども、この実績評価というのは、「評価」というふうに言っていますけれども、検査とか監査とかと同質のものであるというふうに言えるわけでして、それをその程度のやり方で果たして適切と言えるのかどうかというところ、私、非常に大きな疑問を持っているところなのですね。説明が1回あったとしましても、その後委員会としての議論を、1回で終われば1回でいいと思うのですけれども、終わらない場合というのは十分考慮したところで、最初からスケジュールを組まれるべきではないかというように思うところですので、今回、ちょっとそういった意味で、事務局の方でお考えになられたスケジュールというものそれ自体について私は疑問を覚えたということは、意見として申し上げておきたいと思います。
【石井委員長】 昨年はどうでしたか。
【松野委員】 去年は本当のこれを形にするのが非常に慌ただしかったのですが、前に6月、7月ごろ、何回か国環研からの説明を聞いたりはしていました。具体的なこういう項目別のものを書くのは、割と遅かったように思いますけれど。話はいろいろ聞いていました。
【佐野委員】 今回、この前の説明で評価しろったって無理なのですよ、本音を言わせてもらうと。やはり私らは、会議というものは責任を持たなければいかんですから。皆さん国家公務員は首になりませんが。だから、あれで評価しろということ自体が非常に厳しいですよ。各テーマごとにそれこそインタビューして、本当はどうですかということを私なんかは聞きたい方ですから。皆さん方の、独立行政法人になって本当によかったかどうかということから始まって。ことしは非常に、そういう点は安易ですよ、皆様方のやり方が。
【石井委員長】 その点は、本日も国環研の方々が控えておりますから、呼び込みをいたします。
それでは、委員の方々からのご注文あるいはご叱正、きっちり受けとめて、委員長としても来年遺漏がないように、十分引き継ぎの心得とさせていただきます。
それでは、先ほど申し上げたようなやり方でやらせていただくということで、ご承認いただいたものとして扱わせていただきます。本日ご欠席の委員の方々には、事務局の方から十分ご説明をお願いします。
それでは、環境研の方々にお入りいただけますか。
(国環研職員入室)
【石井委員長】 議事は、言うまでもなく、実績の評価でございます。
それでは、本日準備された資料について、事務局から説明をお願いします。お待たせいたしました。
【齊藤環境研究技術室長】 それでは資料1について、個別の中身ということではなくて、こういう資料をご用意いたしましたという説明を、まずさせていただきたいと思います。
評価シートの提出状況をまず申し上げますと、委員長を含め16名の委員の方のうち、12名の方から昨日夜までにいただいております。残り4名の方々ですが、本日ご出席いただいている佐野委員あるいは桝井委員、このお二方に関しましては、実は先週ご連絡が全くとれなかったという状況がございます。申しわけございませんでした。それからあと、藤井委員と佐和委員のお二方なのですが、前々から25日をめどに作業をいただいているということではございましたけれども、昨日時点では届いておりません。若干おくれているという理解をいたしております。
ちょっと後先になりますが、ご提出いただいていない委員の方々からの評価シートにつきましても、従後に入手した段階で、全体とのそごがないか等々の確認をし、かつ、昨年度もそうでしたが、個別委員の評価のランクづけ及びコメントに関しましては、全体を取りまとめたものを資料として正式に最後確定をさせて、次回委員会等での公表資料といたしたいというふうに考えております。
以上が提出状況でございます。
ご用意いたしました資料1ですけれども、まず表紙は各ランクづけ部分だけのサマリーになっております。一部先生には途中段階ということで、大くくりの、例えば事項2の部分だけ出していただいた等々により、横の計は必ずしも合いません。ただ、11あるいは12の方々に何らかの採点をしていただいている。その中で、コメントとともに、採点不能あるいは保留という部分もありますので、その辺は備考に書かせていただきました。
きょうの資料の内容ですが、ここの事項別というのがあります。この事項ごとに1枚ずつ紙をつくっております。
一つ例を挙げて説明いたしますと、1枚めくっていただきまして、3ページをお開きいただきたいのですが、一応多少見にくいのですけれども、一番上には平成13年度の事項別評価の取りまとめた結果の文書を載せてあります。それからちょっと網かけをしてありますのは、そこで、今後に期待する、あるいは今後こういうことが必要であるというような、今後に向けての記述があったものについては、事務局の考えで網かけをさせていただいているというのが一番上の欄です。それから次の、各委員ごとのお名前とランクづけ、コメントについてはファクス等でお送りいただいたもの、ちょっと字が読みにくくて適当に解釈して書いてしまっている部分もあるかもしれませんが、できるだけ忠実に写したものを一覧として載せてあります。それから最後の欄、平成14年度業務実績の事項別評価につきましては、ここは13年度の一番上の欄のような文章を最終的にはつくっていくわけですけれども、ここはもちろんご議論があっての話ですので、空欄にしてあります。下に米印で幾つか書いてあるものは、これは前回委員会で報告のあった環境研究所からの報告の中に、この点についてはこういうふうに対応をしたという記述があったものを、そのままここに参考のために写しております。
そういうことで、事務局として議論を効率的にいただけるような配慮をしたつもりの資料ということで、ご理解をいただければと思います。
それからあと、そう数は多くないのですが、次のもう一枚めくっていただいて、5ページのところをちょっと見ていただきたいのですが、各委員のランクづけ、コメントと、一番下14年度の間に、個別聴取追加意見等というふうに書いてあります。これは本日ご出席いただけない委員の方のうち、事前にお会いをしてぜひこの点はこの懇談会の場で披露していただきたいということで、具体的には坂本委員と加藤委員から幾つか――全体で四つか五つでそう多くはないのですが――いただいたものをここに記載をさせている部分があります。それから一番最後、ひっくり返していただくと、これはあくまでも参考という意味ですけれども、これは昨年度のランクづけのところのサマリーだけです。昨年度の事項別のランクづけがどういうばらつきといいますか、分布になっていたかというのを、参考までに一番後ろのページにつけてございます。
以上が資料1の説明でございます。
【石井委員長】 大体、この資料の構成はおわかりいただけたと思います。何かご質問ございましょうか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 それではこの資料を見ながら、ご議論をいただきたいと思うわけでございますが、項目ごとに区切ってご議論をいただきまして、そして資料の一番下に総合評価という欄がございますが、これについてのご議論をいただくということにさせていただきますが、また各項目も、それぞれその下にサブディビジョンがございまして、小項目さらにその孫項目みたいなふうにどんどん細分化されているところがございますので、これも同じく個別的なところをずっと見ていって、総論的なところへ戻る。そしてまた、さらにそれを幾つか積み重ねて、より大きな項目に戻る。例えば1ページをごらんいただきますと、IIの国民に対するサービスの欄ですが、1というので環境研究に関する業務という、大きな項目がございます。
これはどういうふうにやるかというと、まずIについてやっていただくわけですが、まず(1)(2)といきまして、次に(3)に移るわけですが、(3)はアイウエを先に挙げて(3)に戻って、そして次に(4)へ行く。それから(5)に行く。この(5)も[1][2][3]の各論を先にやって、(5)に戻る。そして最終的に一番上の括弧なしの1.に戻る。IIもそれに準じてやると、こういうことになりますので、マトリョーシカ人形みたいな入れ子構造になっているのを小さい方から見ていって、大きなところへ戻ると、こういうやり方で進めたいというふうに思っております。
ということで、まずIの業務運営の効率化に関する事項の1.効率的な組織の編成というあたりからご議論をお願いしたいというふうに思います。できる限り各委員の採点は採点といたしまして、この委員会として全体として統一的な評点をつけるという方向へ向かって、ご議論がいただければありがたいわけでございます。
申しわけございませんが、2ページ目になるわけですが、私のコメント、大分誤植がありまして、意味が通らないと思うのですが、ざっと読みますと「効率化」です。「効率化に大きな努力が払われていることは、それ自体評価されるべきことである。ただし、その効率化は研究活動の質的向上と両立すべきものである」ということでございまして、効率と研究の質の向上というものをどうバランスをとっていくかということを常に心がけてほしいと、こういう意味のものでございます。
ほかに何か誤植がございましたら、ご指摘ください。
【松野委員】 今のは大きい、さっきおっしゃった小さいI-1ではなくて。
【石井委員長】 I-1です。
3ページのI-1です。高木委員、「採点不能」というコメントをつけていらっしゃいますが。
【高木委員】 はい。ここで書きましたとおりなのですが、私は送りましたやつがそっくりそのまま載るとは必ずしも予想しておらなかったのですが、これがコメントとして載せた全文でございまして、ここに書いてございますように、実績報告書の記述がなぜ組織面から見たときの効率化に結びついているかというところが、理解できるような記述になっていないのではないかというのが、私のこれを読んだときの感想なのでございます。ですので、私としては評価を保留せざるを得なかったというところなのですが、国立環境研究所のことをよくわかっていらっしゃる方は、この辺の記述を見て効率化に結びついているなというふうに理解できるのかもしれないのですが、私はちょっと忙しさにかまけて研究所の方も拝見できていないものですから、ちょっとわからないということで、保留させていただいたということです。
【石井委員長】 国環研の方で、何かご説明いただけますか。
【合志理事長】 どうも、中で暮らしているものですから、過去の状況から比べてどうだということを、直観的に感じている点をそのまま表現していただいているなという感じがいたしますけれども、具体的には効率化というときに、やはりマトリックス的な構成というのをかなり徹底したということ、従来ももちろんそういうコンセプトがなかったわけではありませんけれども、それがかなり実質的な機能を大分失っていたのですけれども、それを非常に徹底したということと、それから新しい組織というものをぱっとつくるというようなこと、特に臨時的な組織を既に二つ、都合四つほどでしょうか、発足させておりまして、こういうことは従来到底できなかったことであって、その辺についてはかなり即応できているのではないかなという、内部の者としては印象を持っているわけであります。
【高木委員】 マトリックス構造による組織の自立というのが効率性に結びつくというのは理解できるのですけれども、研究組織の独立そのものが効率性に結びつくかどうかというのは、必ずしも言えないのではないかと。私、これ読んでいますと、研究組織の独立が効率性にあたかも結びつくというように誤解されてしまっているのではないかなというような懸念を持つ次第です。確かに研究の充実には結びつくと思うのですけれども、効率化にはもしかしますと逆行する動きになる可能性がありますので、単に独立したからそれで評価できるよという話ではないというふうに言えるわけですね。それから内部監査について独立するというのは、これはもう、効率化とは全く別の話であって、組織として当たり前の話をやるだけですというふうな、組織本来の職務を果たすために行うというようなことだけですので、もう効率化とは、これ誤解されているようですけれども別な話だということを申し上げておきたいと思うのですが。
【合志理事長】 それはまさにおっしゃるとおりだと思います。効率化ということではなくて、組織の整備がきちんとしたということだろうと思います。
【松野委員】 ちょっとよろしいですか。ここに書かれていることは、おっしゃるように何かわかりにくいというお話だと思うのですが、多分理事長なんかがおっしゃっているのは、発足時に、あるいはもう発足前から大体できかかっていたと思うのですが、いろいろな構造をつくったと。それは非常にいいものだと、昨年度の我々の評価も適切だと言っているわけですけれど、そうお考えで、それをさらに別に路線を変えずに、ちゃんと、きちんと実行しておるということであれば、そういうふうに書いていただければ、我々もそれで納得できるわけでございますし、我々の記憶では、何かプレゼンテーションのときに西岡理事がいろいろ、ボクサーのような形で、ここのパンチがこうとか、左のフックとか、ああいう非常に考え方のいろいろ体制を整えられたと、そういうことを多分、私は大変よかったと思っていますし、皆さんもそうだと思うので、それをさらに充実するというか、間違いなく実行してというか。今おっしゃったことはそういうことではないのでしょうか。
【合志理事長】 何かすっかり新しいものということではないのでありまして、基本的な考えそのものについては、もちろんある程度あったわけであります。それが、しかし形式化して動かなくなっていった部分があったわけでありますので、それをはっきり解きほぐしたというところ。
【松野委員】 プレゼンテーションはきれいだったという話も、実践を伴っていなかったから、それをちゃんとやりましたという。
【合志理事長】 具体的に言えば、いわゆるプロジェクトにある意味で安住あるいは住みついている人は、もうそこから絶対に動かないというような固定化が生じていて、それは大変問題であるという指摘が既に出ておりました。それで今度は領域というものについて一応全部解きほぐしまして、それでゼロからどこに所属をするかというところまで取り直して、それで動かしたということでありました。
【高木委員】 それが一昨年度でしたっけね。
【合志理事長】 はい、一昨年度です。その後それをさらに毎年見直すようにしてやっておりました。
【高木委員】 よろしいですか。私の意見の方の一番最後に書かせていただいたのですけれども、一昨年度に関して昨年のこの委員会におきましては、組織の編成後の体制についてはよろしいのではないかということで、Aの評価をしたわけでございます。それで今年度といいますか昨年度に関しましては、ここに書きましたように環境変化が特段大きくないと。従前の組織体制をそのままさらに進展させているということであれば、私もAでよろしいのではないかなというふうに思うのです。そのように実績報告書の方にお書きいただければ、私も評価できたのですけれども。
【石井委員長】 わかりました。櫻井委員どうぞ。
【櫻井委員】 こういった国立の研究機関は、若手の研究者とベテランとの関係、指導体制と申しましょうか、そういうのはなかなかつくりにくいのではないかなと。個別に研究をやる傾向があるので非常に効率が悪くなる。研究を仕上げるためには多様な能力を1人で全部持っていないと、研究者として完成しない。その辺非常に難しいですよね。そこでこういう重点研究体制とどちらがいいかという話になりますね。従来の組織のみではなく重点研究体制を組むことは、研究を仕上げるという意味で効率化しているのだろうと私は解釈しているのですけれども、いかがでしょうか。
【合志理事長】 まさにそこが従来問題視されてきた部分でありまして、結局研究者としてのそれなりのトレーニングを受け、そしてそれの経験をし、でき上がっていくというプロセス、それがもしプロジェクトに専念するとなるとやはりちょっと無理が出てくるわけでありまして、基本的には領域というものでそれを見るし、またその点から評価をしていくということでありまして、それをはっきりさせたということはあります。ただ現実的にはプロジェクトが大いに働いてくれないと困るものでありますから、ここで特別重点プロジェクトという格好で動いているわけです。一応、その二つの仕分けは、研究者自体の反応は好意的に受けとめていると思います。
【櫻井委員】 要するに重点研究に特化して、グループをつくるということがコミュニケーションを改善し、活性化すると、そういう意味が多分あるのだろうと思います。
【合志理事長】 それはあります。
【櫻井委員】 ありますね。
【合志理事長】 十分あります。
【石井委員長】 鷲谷委員どうぞ。
【鷲谷委員】 質問というよりは、今の議論の意見のようなものなのですけれども、研究活動における効率化というのは、恐らく営利目的の企業などにおける効率化とは違う効率化の考え方をしないといけないように思うのです。ある一つの尺度だけで効率化が図れるものではなくて、幾つかの地区での効率化、例えば短期的な効率化と長期的な意味での効率化、そういうことが必要だと思いますので、何かバランスのとれた効率化というのを目指さないといけないと思うのですが、そういう面で今はかなりいいところに来ているように思うのです。余りだから一つのことだけを追及し過ぎないことを望みたいと思います。
【石井委員長】 ここに書いていらっしゃるのは、そういうご趣旨ですか。
【鷲谷委員】 そういう意味です。
【松野委員】 私自身は、この件に関しては、先ほど高木委員がおっしゃったと同じように、さっきお話にあった基本的な構造、これを引き続き続けていくというのは大変結構だと思うのです。それからもう一つ、全然、変な言い方ですけれども、これを最初に書いてあって、このことをかんかんがくがく議論すること自身が見当違いというか、これは何度も言いますけれども、通則法という全然別の作業・生産の、トラックで何かを運んだり橋をつくったり、そのための法律法で、いきなり最初にこれが書いてあるからであって、こんなのはもうそんなに議論するようなことではないと。
【石井委員長】 では、おおむね、総体的にはAの評価という方向でよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 では、次にI-2にまいります。人材の効率的な活用です。どちらかというと厳しい評価をしていらっしゃる委員にご発言いただくのがいいかなと思いますが。
【柘植委員】 柘植なのですけれども、私のコメントの[2]が、前に一度、ご説明がどうもまだよくわかっていなくて、[2]の趣旨は先ほどの重点プロジェクト要員と研究領域要員との併任の数が余りふえていないと。この点が前のご説明でもまだよくわかっていなくて、資料編の右下で、2ページ目の資料に、ユニット別の人員構成というのがありまして、二つ目の段落がユニット制、いわゆる研究領域、例えば13年度末ですと小計105名、併任が9名と書いてあります。
それから、プロジェクト制の小計が47名で併任が53名と、こう書いてある。これは14年度末で数字は余り動いていないわけなのですけれども、いずれにせよ常勤職員の合計が261名とか255名というところ。ですから、決してダブってカウントしていないということを考えますと、ちょっと併任というものが、私の理解は、併任というのは、これは企業とそれから国研とは違うと思いますけれども、やはりプロジェクトの深さあるいは多様性というものを質と考えますと、何らかの併任というのはやはりふえている方がヘルシーだというふうに思うわけなのですね。そういう面では数字が変わっていないというのは、その面ではもうちょっと工夫が要るのではないかなという発想でコメントを書いた。お答えがたしか先回、いやこれでいいのですというような形の結論だったと思うのですけれども、ちょっとその辺が十分理解していないところが私があるのかなということもありながら、このコメントを書いたのです。
【石井委員長】 国環研、いかがですか。
【合志理事長】 プロジェクト自体が組まれて、大体基本的には5年間のことで動いているものが大部分でありまして、そういう点で最初の2年間でその比率が大きく変わるというのはちょっと。もちろん、途中で組みかえるという事態が起これば別ですけれども、それほど大きい組みかえをやった部分はありませんですね。ナノ粒子ぐらいが立ち上がったというのでしょうか。余り大きい組みかえがないものですから、それで余り変わっておりませんけれども。
【柘植委員】 先ほど松野先生がおっしゃった効率化というのは、本当にこれを言う分には言葉が合わないわけですけれど、しかし現実問題、5年のプロジェクトをやっていくと、あのAさん、Bさんも巻き込んだ方がいいなというおのおの修正点というのが、実際の研究をやっていくと出てくるのですね。ですから5年の中で、最初の併任でいいのだというのがむしろ異例といいますか、国研である以上余計そういう、よく見えないものを5年間やっていく途中で、併任というのがもっと活発に行われていくように、私は思うのですね。企業の場合でも――営利目的の研究でもそういうのは大いにありまして、上から見ると、なぜ最初にAさんを巻き込んでおかなかったのかとかいう話で、結構トップダウンでどんどん人を動かしてしまうのですけれども、国研の場合は性格が違いますけれども、むしろ学術的にかなり見えないところがありますから、余計そういう面から出てきてもいいのではないかなと思うわけです。これはですから検討課題として受け取っていただければいいと思いますので、評価は変わりませんので。
【合志理事長】 もしその点であるとすれば、やはり我々がこういうマネージメントに対してのレスポンスの仕方がややのんびりしているのかもしれませんけれども、中途から協力関係が成立しているというようなことについては、これは非常にたくさんあるのですけれども、書き直すというところまで皆が意識して動くかどうか、そこが多分少しのんびりしていた点があるかもしれない。そういう状況を反映するような形で表現することは確かに必要だと思いますけれども。
【柘植委員】 評価は変わりませんので、今の議論で結構だと思います。
【石井委員長】 松野委員どうぞ。
【松野委員】 いいでしょうか。今回非常に時間が限られているので、今こういう質問をするのが適切かどうかわかりませんが、前回はもう大変最初だったから余りあれだったのですが、この人材の問題なのですが、独立行政法人になって、かつ公務員を減らすということで、いわゆる公務員型の定員を減らしつつあるのですね。それは減らしていって、一方で任期つきというのがふやしてきた。任期が何年かというのは、僕は余り今まで伺っていなかったのですが、任期つきとそれから任期つきでない人と、一体どういう処遇の違いがあるのか。それからNIESフェローとかNIESポスドクとか、そういうのもふえてきている。それから、さらにそれとまた違う非常勤というのがあるみたいですけれども、いろいろあるのですが、その辺全体が、将来どういう方向で公務員型のとは言いつつも、それが減ってくるという前提のもとでどういうふうにしていくのかと、どのぐらいの数をふやしていくのか、そういうグランドデザインがどう考えていらっしゃるか。その辺のことは、本当はこの点で大事なことだと思うのですが、今ここで質問してどれだけお答えいただけるかわからないのですが、もし何か大きな方針があるのでしたら。
【合志理事長】 これは大変ある意味で申し上げにくい部分があるのですが、やはり今ある定員という表現ではないにしても、積算の基礎になっている277名ということを念頭に置いて行動している限りは、もうどうにもならないという感じがいたしましたので、そのことをやはり外して考えるような形、これをやはり考えざるを得ないのではないかと思うのです。ツーステップあると思うのですけれども、最初のステップというのは現在の中で時限つき、その他いろいろな形がありますけれども、そういう形の雇用という部分をある程度大きくしていくという。それで余り時期を失しないうちにそれを従来のパーマネントの部分と全く同じように考えていくというふうに切りかえていく。そういう2段階をとらなければいけないと思いますけれども、いずれにしても今の277名ということをいつも念頭に置いているようでは大変まずいというふうに思っております。
【松野委員】 そうすると、いわゆる定員の中でも任期つきというのが今あるわけですね。
【合志理事長】 はい。
【松野委員】 その部分を、どのみちふえていくし、ふやしていかざるを得ない。そうすると、それとそうでないとの、この垣根をなるべくなくしていくと。いわゆる定員ではない、任期つき定員だけれども任期つきというのと、定員でなくて、しかしかなり長期間雇う人とはほとんど違いがなくなるようにしていくと、そういう大きな方針を持っていらっしゃると。
【合志理事長】 本当は任期というようなものがあるがゆえに、非常に高い利用度をつけるというようなやり方ももちろんあり得ると思いますし、それが正当だろうと思いますけれども、そこまではまだ立ち入って練っておりませんので。
【松野委員】 その垣根をなくす話ですけれども、ここも非常に細かい話をするけれども、国家公務員共済に入るとか入らないとか、あるいは退職金積み立てをできるとかできないとか、その辺はちゃんと名前だけで、あとは実質的に同じにできるものなのですか。あるいは今までよかった方を減らして同じにするのか。何か、そういうふうなことにまで考えてデザイン。
【合志理事長】 まだ、そこまで立ち入ってやってはおりません。ただ、その部分について何か差を残して進むのは、なかなか難しいと思います。
【松野委員】 それは当然ですね。
【合志理事長】 ですから、そういう点については全く同じにするという。
【松野委員】 同じにしようという考えで、それは考えておられると。その実行はまだこれからということですか。
【合志理事長】 はい。
【松野委員】 今度、それが一番大きな問題なのだと思うのですけれども。
【高月委員】 これ、余り時間をとってもあれなのですが、私もちょっと厳しい評価をつけた1人なのですが、確かに任期つきの研究者をふやすということは流動化につながることは評価するのですけれども、やはり研究者を送り出す側の大学として、例えば3年とか4年たってあとは知らないよといってそこへ行きなさいとは、なかなか、ちょっと言いにくいところもありまして、頑張ればそこでずっと研究が続けられるという条件がある程度整って、それが見えていれば頑張ってやりなさいということで送り出せるのですが、ちょっとその辺が見えにくいところがありまして、結構研究者志望の学生というのは安定志向もありまして、ずっと研究を続けたいというところもあるものですから、そういう優秀な人材でもちょっと先がわかりにくいところへ行きなさいというのが、なかなか言いにくいところがあるので、そこがちょっとうまく整理していただければいいかなというふうに思っております。
【石井委員長】 文科省系の某大研究所ですけれども、かなりライフサイエンス系やなんかで任期つきが非常に多いところが、外部評価をやりましたら、テニュア制を導入しないと長持ちしませんよという評価をもらったということを、そこのセンター長の方が言っていらっしゃいましたけれども、やはりその辺の問題だろうと思います。任期つきはいつも任期つきで、ずっといつも差別が続くということになると、インセンティブがないというのか。なかなか難しいところでございますが、一応ここも、全体としてはAということでいかがでございましょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 では、そうさせていただきます。
次のI-3でございます。支出の削減と自己収入の確保というところですが、一番厳しい桑野先生は、きょうはいらっしゃらない。ご専門である高木委員、いかがですか。
【高木委員】 自己収入の部分はかなり評価できるのではないかなというふうに思うのですが、今後ということでぜひともお願いしたいのですが、今骨太の方針等々に言われておりますABCなどをおやりになられて、収入とコストの対比です。ここのところを示していただくことが必要だというふうに考えております。自己収入をふやしましても、反対にコストがふえておりましたら、これ、何にも効率化に結びつきませんので、一見見てくれはよろしいのですけれども、そのような分析できるような形で、情報を報告書の方に記載していただくというふうにお願いしたいということであります。
あと、私いろいろ個別に書いてございますけれども、必ずしも評価に結びつくというような話ではない、あるいは情報不足だというところをずっとこの辺のところって申し上げているのですが、特にということで1点申し上げておきますと、特許権・実用新案権ですね。この登録・保有をふやすことが、財務の効率化に結びつくようなお考えというふうに見受けるのですけれども、むしろ保有コスト、取得コストの増加につながりますので、これが財務の効率化に結びつくかどうかというのは極めて疑問ということが言えますので、必ずしも特許権などを取って、それで特許権収入が得られるとも限らないわけです。企業においても、たしか1割程度しか収入に結びついていないというような状況でありますので、この戦略そのものについては、ちょっと見直すことが必要かなというふうに思いますので。
【北野委員】 実は私も全く同じことを22ページに申し上げているのですが、今回のデータからですと、特許収入がはっきりしていないところがあるのですが、私の個人的な感じとしては、特許権が侵害されたかどうかが明らかにわかるようなものについては特許化するのは結構だと思うのですけれども、それ以外のものについては、侵害されたかどうかわからないものを特許化しておくことについては、ちょっと私自身は疑問を持っているのですけれども、これはまた研究所の中でご相談いただきたい。要するに研究者としては特許申請したということが、一つの勲章になるのですが、それが果たして研究所にとっていいことなのかというのが若干、今までの経験から言いますと疑問がありました。
【合志理事長】 その辺は冷静に考えて、現状を。
【北野委員】 そうですね。あと、余計なことですが、寄附金の収入についてはほとんど今回は計画の中に入っていないようですが。競争的資金とかいろいろなお金を集めてきますが、海外のラボなんかだとかなり寄附という形で、そういうものを組織している例が結構あると思うのですが。その辺については特に考えていらっしゃらない面が、私自身読めなかったのですけれども。
【高木研究企画官】 この資料編の10ページのところの資料10の中の自己収入のところに表がございますが、下から5行目あたりのところに民間寄附収入ということで、13年度が420万円に対して14年度は1,745万円。
【北野委員】 そうですか。失礼しました。ちょっと……。
【高木研究企画官】 1件当たりは、一番多いのでも200万とかそれぐらいのものなのですが、件数がふえて、結構な額にはなってはきていると思います。
【北野委員】 失礼しました。私、ちょっとこれ、ミスしました。
【石井委員長】 評点をつけるとなるとなかなか悩ましいですが、数字だけをにらんでいますとAとBの間というか、Bの方に多少おもりがかかっているようにも見えますが、一応Bということでよろしゅうございますか。余計なことですが、私は逆に、自己資金というものを確保するのはいいことなのだけれども、それで余計な仕事をしょい込むというようなことになると、かえって問題があるかなということも心配したのですが、その辺はどうなのでしょうか。前回の会議のときに出た質問に対応したお答えを、我々いただきました。各領域でしたっけ、プロジェクトごとでしたっけ。何か収入のあれが出ていますけれども。
【齊藤環境研究技術室長】 きょう参考資料4に、お送りしたものと同じものを用意しておりまして、それの2ページのところからがいただいたところです。
【石井委員長】 そうですね、プロジェクトのところ。こういう請負とかなんとかというのが、ふえて一体本来の業務であるプロジェクトが大丈夫なのかという、全く単純、素朴に疑問を抱いたにすぎないのですが、どんな感じでしょうか。
【西岡理事】 今委託とおっしゃる分につきましては、例えば環境省から10億ぐらいの受託といったものが相当多いと思います。基本的に研究所としては、口幅ったいようですけれども、研究者がやはり大切だと思うことを自主的にやっていきたいという面から、競争的資金であるとか、それから交付金の方のお金をうまく使ってというのがベースになっていると思います。しかし受託の方も、これは国の方の要請が非常に強いということで、これも私どもの使命の一つですので、積極的に受けていくと。しかしながら、我々としてはなるべく前に、そういう話はあれかもしれませんけれども、我々の問題意識もよく委託者の方に十分伝えるような形として、研究に余りそごを来さないような形で引き受けるということをやろうとしております。
しかしながら、この前からも申し上げましたように、いろいろ砒素の話だとか、緊急なものが飛び込んでくると、これも我々の仕事としてやはりやむを得ないのではないかなという。国立研究所といたしまして。その辺のバランスについては十分よく考慮しながらやっていきたいというぐあいに思ってはおります。全体的に、今おっしゃるように、私としては競争的資金の獲得率が余り華々しくない。なぜかというと、どうもやはり受託でもってみんな疲れ果てているということがあるのではないかなという感じがするわけです。ここのところのバランスは、将来考えると非常に難しい問題だということ、今の状況はそんなところです。
【石井委員長】 櫻井委員どうぞ。
【櫻井委員】 一つお聞きしたい。委員長がおっしゃったように、研究費が多過ぎて疲れ果てるというのはよくあることですね。委託研究費は余りない方がむしろいい研究ができる場合もあります。ですから競争的資金に自分でアプライして取ってくる場合には効率が高いので、競争的資金がふえてくることはいい傾向だと思います。
【石井委員長】 松野委員どうぞ。
【松野委員】 具体的に今の受託というのはどれかということですけれども、いただいた資料ではない質問なのでしょうけれども、この実績報告書のところの40ページかなんかに、水質環境総合管理情報システムとか、大気汚染物質広域監視システム、大気生活云々だと、これは「環境省から次の3件の業務の委託・請負を受け」と書いてありますが、これなんかがそうなのですか。そのほかにもっとたくさんあるのですか。
【西岡理事】 今、きょうの答えの資料ですね。資料11……。
【高木研究企画官】 資料編の11です。資料11を見ていただきますと、環境省の業務の受託の一覧がございます。物すごい件数がございますが、環境省からの受託の方は研究所が受託するというよりも、研究者あるいは研究者グループの方にぜひやってほしいというようなことでございますので、それだけ、そういうのがたくさん来るというのは、ある意味では、そういう研究者がいるというような証左ではないかなというふうに思っております。
【松野委員】 僕が聞いたのは、競争的資金のいわゆるこういうのは振興調整費とか科学技術の推進費とすると、これはまあまあ普通の研究費で、業務委託というような種類なのでしょうか、ここに書いてある。業務委託と、これが仕事なわけですね、研究というよりは。
【高木研究企画官】 はい。できるだけ、余り単なる業務ではなくて、研究的な委託といいますか、業務をいただいているという理解ではおりますが。
【西岡理事】 ちょっと私の方で、参考資料4を今お手元にきょうの対応ということで出された資料の2ページ目に、各プロジェクトの研究資金の内容がございます。一番下の環境ホルモン・ダイオキシン研究プロジェクトというのを見ていただきますと、環境省受託あるいは請負の業務というのが1億8,991万円という、割と大きなお金になっていると。こういう仕事は特に今はもう緊急の仕事がありまして、ぜひやってくれということで来て、研究者の方もこういうことが今問題だということを打ち合わせしながら、これをやっていくということになります。そのほかそれぞれのプロジェクトでも競争的資金、あるいは交付金、あるいは受託をうまく組み合わせてやっているという状況になっております。
【石井委員長】 そうするとこれはBでよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 次にI-4、施設運用の効率性の問題ですが、スペース課金制度についての評価がいろいろ問題になっていると思いますが、高木委員いろいろ疑問を提起しておられますが。
【高木委員】 こういった皆様がいらっしゃる場でお伺いするということは必ずしも想定していなかったのですが、疑問の要諦だけ申し上げますと、平米当たり2万円という金額が、各ユニットに対してどれほどのプレッシャーになっているのかというところが必ずしもイメージできないので、ちょっと改めてその辺のところを、構図をうまく教えていただければというのが、私幾つか挙げた質問の趣旨ということなのですが。
【石井委員長】 私のコメントも、実は実質同じ話なのですが。
【合志理事長】 これは制度をぜひ導入すべきだと主張した者としてあれしたいと思いますけれども、やはり研究所でいろいろ動いておりますと、ほとんど使わなくなったところが何々研究室のものであるということで確保されてしまって、どうにも動きがとれないということがありまして、もう積年の問題ということになったわけでありますけれども、結局それを解消するための手段として、このスペース課金というのを導入したわけです。それで2万円ということが適切かどうかということは、これは大変議論が分かれるところなのですけれども、今のところお金を払って使わないで確保しておくのはかなわないということで放出が出るようになってきておりますので、まあそういう意味では働いているだろうと思います。というか、まあまあの金額であろうと思っております。むしろもう少し高くした方がいいのかもしれませんけれども。
それから戻すのだったらば、最初からとらなければいいだろうということになりますけれども、そうしますと手放さなくなってしまいます。要するに自分のところの課金が常に少ないと、そのぐらいだったら払っておけばいいということになりますので、結局かなり大きくとって、しかしそのお金が消えてしまうのではだれも納得いたしませんので、適切なところに投資する。そのお金として何に使われているかというと、例えば大型設備のいろいろな改修とか、共通的な設備の改修とか、そういったものに振り向けているということであります。全体として必ず研究費の方に還元をするよということで、このシステムを導入することについての合意をとった上で、節約すればそこの部分がプラスであると感じるようなふうにしたというのが趣旨であります。
【高木研究企画官】 結局、課金を受けるのは各研究者個人なのですね。ですから、自分の配分された研究費から払わなくてはいけないということで、その配分の少ない方は非常に苦しいですから、放出していくと。それで2万円で集めたものを今度はユニットに返すということで、ユニットの中ではそこら辺の全体のあきスペースとか、放出するスペースの中で少し調整できるようなお金として返してあげるということで、そこがちょっと違うところなのです。運用上のですね。それからあと、対象スペースが13年度より18%増加しているというのは、新しい棟が二つ今度動き出しましたので、多分その関係でスペースがふえているということでございます。
【鷲谷委員】 1点ほどよろしいでしょうか。スペースの問題というのは恐らく研究所だけでなくて、大学でも非常に深刻でして、新たな分野が発展しようとしているときも、もう既得権みたいなものでスペースというのは守られてしまうので、なかなか若い研究者を確保して研究ができないという事情があると思いますので、その解決に向けていろいろな工夫をしていくというのは、日本全国の研究の場で必要になってくると思うのですが、一応妙案をつくられて、今のところうまく行っているのではないかという印象を持って、読ませていただきました。もしかしたら、Sにしてもいいかもしれないと思ったのですけれども。
【合志理事長】 そうですか。
【石井委員長】 ただ、14年度になると余り再配分が行われていないみたいに見える。ということは、一遍やったから翌年は少なかったのだよという単純な理由なのか、それとも、課金を払ってでも、とにかくスペースだけは確保しておこうという傾向が出てきたのか、その辺分析はどうでしょうか。
【合志理事長】 そういう方がゼロとは言えません。お金持ちの部というのがありまして、そこへ。お金持ちのグループとか……。
【石井委員長】 いや、どんなシステムでも必ず裏というのがあるわけで、私はいいと思ってAはつけましたけれども、いつも裏側を見ておいてくださいねという、そういうことなのです。
【高木委員】 私も委員長がおっしゃったような疑問をちょっと、懸念を覚えまして、そういった意味であきスペースができた場合に、それは必ず配分されてしまうのですか。完全にあきとして残す場合はあるのですか。
【高木研究企画官】 それを中で交渉しまして、できるだけ要望を。
【高木委員】 それはわかるのですけれども、その後なのです。それでもだれも借り手がつかなかった場合。
【高木研究企画官】 それは特殊な実験施設とか、そういうので手放したようなやつはなかなか残ってしまいますが、居室みたいなのは大体皆さん不足している方がやはり多いので、ほとんど手を挙げて、どんどん埋まってしまうという形です。
【高木委員】 全体的に慢性的に不足ぎみであると。であるから、あきスペースができれば絶対足りないところが。
【高木研究企画官】 お金持ちの方で少し押さえておられる方はおられると思いますけれども、足りないという方も結構おられるということで、そこをどううまくやっていくかというのが今後の課題だと思うのですけれども。
【高木委員】 では、ニーズがないということはないということですか。
【高木研究企画官】 ないということですね。それはないです。
【高木委員】 あきスペースができれば、必ずどなたか応募されるということなのですね。
【高木研究企画官】 もう、みんな待っていますので。
【高木委員】 飛び地になってもいいわけですね。
【合志理事長】 もうそれは、やはり一等地とそうでないところと、そこに差をつけてやれとか、いろいろな細かい議論も出ていますけれども、今のところは特に差はつけていないです。
【石井委員長】 では、一応これもAにして、その実態をしっかりいつも見ておく必要があるというコメントを文章の中に入れるということで、次はI-5、環境配慮ですが、さてこれは5対5で評価が分かれていますが・・。
【高月委員】 コメントは少し厳しい方をつけたのですが、やはり環境研究所ということで、少なくとも環境絡みの研究をするところがやはりこうしたもとのところをちゃんとできないというのがちょっと残念だなと思うのですが、ただたくさん建物ができたり、人員がふえたりということで、そういうふえる要因があるということであろうかと思うのですけれども、やはりもうちょっと努力される必要があるのではないかなということで、Bという評価をつけましたですが。
【石井委員長】 環境研究所だから辛くなるという・・。
【高月委員】 そういうことなのですけれども。
【石井委員長】 5対5で、なかなか難しいところですな。昨年の指摘もかなりここのところは厳しいのですね。それに対して下のアステリスクの幾つかで対応が書かれておりますけれども、これを十分なものと見るかどうかということになるわけです。独断と偏見で申しわけないですが、ほかの委員の方々の評点が加わって、どちらかに比重がついた場合にはそちらにしますけれども、今のままで行くと一応辛い方のBでつけておいてよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 「環境研究所だから」というコメントはつけておくことにして、次はI-6は、これはいいのですね。
次がI-7です。これはなかなか難しい問題ですが、Bをおつけになった先生は、きょうはここにはいらっしゃらない。高木委員はいい点をつけておられますけれども。
【高木委員】 研究の方になってまいりますと、必ずしもよくわからないというところがありまして。
【石井委員長】 「個々の研究ごとに人間関係が入り組んでおり、公式・非公式のチーム活動とその中でのリーダーシップのあり方が明確でない場合がある点に注意を要する。」ということについて、下の欄は何にもないのですが、これについて松野委員ご説明頂けますか。
【松野委員】 私の記憶だと、具体的な名前を挙げて恐縮ですけれども、前回鈴木継美委員がおられて、前の所長をやったわけで、彼が言っていたこの表現が余り当たっていないのですね。何だったか、いろいろなさっきのマトリックス構造やなんかの関係で、彼は何の役であるかということは、それが何か明確になっていなくて、だれがだれの命令を聞くとか、何かそういうのが非常に込み入っている、それは余りよろしくないということで、そういった種類のお話だったように思っています。
【石井委員長】 マトリックス構造の問題だということですか。
【松野委員】 とか、そういうようなことに起因する共同研究のチームとかなんとかいうものが余りはっきりしないというのかな。わかりにくくなっていると。何かそういうご指摘だったように思っておりました。これですね。公式・非公式のチーム活動というと、これだと大分わかりやすいのですが、人間関係が入り組んでいるというような言い方だと、何かえらく変な感じがしたのですけれども、むしろ……。
【石井委員長】 グループへの帰属が交錯しているということですね。
【松野委員】 そういうようなコメントだったように思います。
【合志理事長】 これは序列的には、要するにプライマリーには領域長が評価をするということになっています。ただプロジェクトの方にどっぷりつかっている人については、そのプロジェクトのリーダーの意見を聴取してまとめるということになっておりますので、そういう点では領域長の方が強い立場にあるということになります。その点については、今のところしかし、プロジェクトリーダーと領域長がけんかをしてどうもまとまらなかったという話は、ないですね。特にそこまで行っている例はないと思います。
【石井委員長】 それでは、ここは一応Aでよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 それでは次は、最後にIに戻るわけで、2ページに戻っていただきます。
【高木委員】 ここの部分について、この効率性についての評価を全体的に行うに当たってなのですけれども、決算の方を拝見しますと、法44条3項の積み立てについての処分案が出ているというところ、それからあと、運営費交付金について、平成13年度交付のやつの一部が、依然としてまだ1億数千万繰り越されているという状況にあると。それからまた、利益として4億計上されているという状況なのですけれども、これ、一見効率性に結びついているような数字というふうに言えると思うのですけれども、今のような3点について簡単にご説明いただければというふうに思うのですが。まず44条3項の部分については、なぜ600万ほど……。600万でしたですよね。
【高木研究企画官】 ご意見いただくのは。
【高木委員】 600万ほどが44条3項としてお考えになられて積み立てるということになったのか。
【高木研究企画官】 その600万分は大気風洞の貸し付けによって得られた金額で、研究所としての貸し付けということは、単に施設を貸すだけではなくてノウハウも一緒に提供しておりますので、そういうことで得られた収入ではありますので、それを積立金として積み立てて、将来の施設の改善とか、そういったお金に使いたいということで、今回目的積立金を。
【高木委員】 賃貸に係る部分ということですか。
【高木研究企画官】 はい。
【高木委員】 その600万という金額はどうやって算定されたのですか。
【高木研究企画官】 一応、中で実施要領といいますかその貸付要領をつくりまして、ただちょっとその算定の方法、細かい中身については資料が手元にないのであれなのですが。
【高木委員】 いや、今さらこんなこと言うまでもないと思うのですけれども、44条4項にありますように、42条3項の積み立てがなされるときには、主務大臣は評価委員会の意見を聞かなければならないわけですよね。で、我々はこれについてコメントをしなければいけないという立場にあるのですけれども、その辺のところ何もご説明なしに評価委員会としてそれは適切ですというようには明らかに言えませんので、これはいつ事務局としてはおやりになる予定だったのですか。この44条3項の積み立てに対する44条4項の評価委員会の意見をまとめるという話については。
【齊藤環境研究技術室長】 承認の申請は特に上がっていないですよね。仮に国環研の方からそういう承認申請があった場合に、大臣が承認をする際に意見を聞くということですから、申請行為という。
【石井委員長】 今のは、案ですね。
【高木委員】 いえ、今回の財務諸表の4ページに利益の処分に関する書類案という形でまとめられているのですが。
【石井委員長】 案だから、それは実質的に申請だとみなさざるを得ないわけですね。
【高木委員】 はい。これが一つ効率性に係るポイントであるわけなのですが、
【石井委員長】 それでは、それはやはり後で。
【齊藤環境研究技術室長】 財務諸表については、次回の委員会で意見のあらましを議題として取り扱う予定にはしております。
【高木委員】 それ自体はいいと思うのですけれども、
【石井委員長】 財務諸表だけ……。
【高木委員】 いや、私が申し上げたいのは、この44条3項の積み立てというのは、いわゆる経営努力認定されて、という積み立てであるわけです。研究所の方では頑張ってこの700万弱の余剰を生んだのだという主張でもあるわけです。だからそこのところがこの効率性のところの評価に当たって、説明がされないというのは、私はちょっとバランスを欠くということになるのだと思うのですけれども。
それとあと、申し上げた2点目ですね。運営費交付金が13年度交付が1億数千万まで依然として残っていると。それから、14年度交付のやつがまたこれも数億残っていると。だからこの辺のところについては、ある意味では研究等の進捗がおくれているというふうな見方もできるかもしれませんですし、効率的に行われて余剰があるといいますか、収益化されない部分が、依然、結構出てきているというように言えるかもしれないわけなのですけれども。特に平成13年度の運営費交付金が、1億数千万収益化されないで残っているというところは、私としましては結構気になるところなのですが。
今申し上げていたのは、財務諸表で申しますと、10ページの一番下の(4)の明細でございます。これで(4)の1)の方です。平成13年度の交付分が14年度期首で5億残っていまして、そのうち約4億が収益等に振り替えられて、1億4,000万ほどがまだ収益等に振り替えられないで残っている。一方、平成14年度は、95億の運営費交付金がありまして、期末にその分のうち7億5,000万が残っているという状況であるわけですね。先ほど申しましたように、この辺のところというのは効率化云々というようなことを議論する上で、また実績評価そのもの全体を考える上で、端的にあらわれている一つの財務数値ですので、この辺のところの説明は、当然あってしかるべきだというふうに思うのですが。
【石井委員長】 これはI-3の問題なのですね、財務は。
【高木委員】 ある意味でそうです。
【高木研究企画官】 申しわけありませんが、これはきょう会計の者が会計検査の役に当たっているものですから、きょう来ておりませんので、ちょっと確認をさせていただければと思いますので。
【石井委員長】 今度の9月10日の委員会でやりますか。さっきの積立金の話は、一応それだけで、一つの議題としてやらなければならない。
【齊藤環境研究技術室長】 財務諸表等に対する意見というのはあります。
【石井委員長】 その処分案も財務諸表の中に形式上は含まれているのですか。
【齊藤環境研究技術室長】 いや、これは手続が別途要るはずです。
【石井委員長】 そうですか。
【松野委員】 ちょっとよろしいですか。理事長や理事なんか、こういうことはしょっちゅう気にしていらっしゃるのですか。運営交付金95億来て7億余ったなんていう、そういう観点で、いつも心配したりうれしかったり。
【合志理事長】 それは要するに研究上のスケジュールがいろいろ変わって、それに伴って起こっている繰り越しというのでしょうか、それはある意味ではやむを得ないけれども、そういうことをしたくないという気持ちはあるわけでありまして、そういうことで本当に合理的な、延ばさなくてはならないものについてはやむを得ないなという認識を持っているわけであります。その他の部分というのは、一応積算の根拠がありますので、それからずれて非常にプラスになったという部分は、余り私どもとしては意識をしていないわけであります。
といいますのは、例えば先ほどの高木委員の方から多分ご指摘があるのではないかと思うのですけれども、いろいろと競争入札をやって大分削減できたというような問題があるのですけれども、それは既にほとんどが大型設備の更新とか、そういったことに充てておりまして、そういう点での使い方といいますか、それは適切に行われているというふうに我々は考えております。そこで、残っているように見えるという部分については、多分きょうちょっと会計のあれをはっきりできないのが大変申しわけないのですが、例えば一部が工事にかかわる関係のものとか、それから退職金関係でちょっとでこぼこが起こっているとか、そのぐらいでありまして、そのほかの部分というのは私の記憶では多分ないと思います。要するに純粋にプラスになったという部分ですね。それはないと思いますけれども。いずれにしても、精査して。
【石井委員長】 申しわけございません。どうも時間が押していますので、財務諸表の問題、次回の委員会できっちりやるということで、問題はそれを抜いてこのI全体の評価ができるのかという話になりますが、ちょっと高木委員に伺いたいのですが、このコメントの中で「運用実績を評価でき得るものではなく」というのは、報告書の記述が足りないからわからないという意味なのか、報告書から見ると低くしか評価できないという意味なのか、どっちですか。
【高木委員】 委員長、それは前者でございます。
【石井委員長】 前者。
【高木委員】 ええ。記述が圧倒的に不足しているというふうに判断するところなのですよ。
【石井委員長】 それでは運用実績という意味、どなたか、今おわかりになる方おられますか。記述が足りないということでしたが。例えばどういうことが書かれているとよいのですか。
【高木委員】 一つは、世間一般に効率化につながるというやり方がございますね。それは必ずしも効率化につながるとは言い得ないという誤解が特に言われているということでありまして、きちんとした、こうだから効率化につながるという説明があって、初めて効率化というふうなことが言い得るというところですね。そのためには単にデータを示すだけでなくて、それ以外のところまで含めて、情報としてきちんとご提示していただかないと、これは評価はできないだろうと。
【石井委員長】 わかりました。一番最初におっしゃったこととちょっと関係するわけですね。
【高木委員】 そうでございます。これが第1章のところが、全体的に言い得ると。
【石井委員長】 はい。それでは、それを文章としてきっちり書き込むということにしまして、どうも申しわけないのですが、評点だけ一応決めさせていただくとAでよろしいですか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 次はIIでございます。
II-1、環境研究に関する業務、それがまず枝番のII-1-(1)へ行かなくてはいけないのですか。そうですね。12ページ。これ、何でしたっけ。学際的総合的研究の推進状況云々云々云々と、評価シートですとそういう項目が挙がっているところでございます。松野先生。
【松野委員】 これ1枚が何となく、何を評価しているのかわかりにくいことなものですから、むしろ先ほどのお話の個別のものの中の全体を通して何か問題があるかないかというような観点で見てみますと、この今回の報告等々には全然書いていないのですが、たまたま私、別の関係で、温室効果ガスの観測衛星を国立環境研で、今までオゾン層の観測していた部から拡張して行われるということに関して、大分いろいろな難しい問題なんかがあって、これはそれこそ非常に環境研として温暖化なんかのことを考えれば、非常に大きな長期的な見通しでそういう問題を考えているとか、そういうことがあれば、混乱ということもないですけれども、大分いろいろなことがあっているのをご存じと思いますが、そういうことをもう少しすっきり、もっときれいに処理できたのではないかと。そのためには、長い将来、国立環境研の地球全体の環境の問題とか、もちろん地域の問題、いろいろなものを見て、ある種の大きな見通しとか、そういうものを持っておられるということが必要なのではないかというように思ったわけです。ここのところ、学際的活動的な研究とか、こういうような、ちょっと非常に漠としたものがここに書いてあったものですから、それにひっかけてそういう私の意見をコメントした次第です。これはちょっとここにリファーしているように……。
【石井委員長】 2の方ですか。
【松野委員】 具体的にその次ですね。さっき石井先生おっしゃったように、非常に枝番の構造になっているものですから、その中で一番……。
【石井委員長】 そうか。こっちの方に書いてあるね。
【松野委員】 一般性のある問題を取り上げてきて、具体的には非常に細かいですけれども、衛星とか地上の観測とかそれをどういうふうに組み合わせるとか、そういうことを大きく持っていれば、ゴーサット問題なんかにもうちょっときちっと対応できたかなという。あるいは、将来は衛星がとても大事なことを前々から考えているとか、というようなことを非常に特殊な問題としては自分の身近で起きたものですから。今ここに書くのがいいのかどうかはわからなかったのですけれども。分散して1カ所でやろうかなと。非常に漠然としていますけれども。
【石井委員長】 この項目の意味がちょっとよくわからなかったという趣旨ですか。
【松野委員】 長期的な視点に立って、基盤的な研究云々かんぬんだとか、社会情勢やニーズの変化に即応した云々と、その辺の問題としてそこをこのようにしたのですけれども。さらにというのは長期的ベクトルというのを非常にきちんと言うというような、それに本当に即応して、それがすぐに技術的にフィズルか否かもよくわからないですね。あるいは、もっともっと具体的に言えば、環境省の本省のお役人の人が何年か前にそういうことを言って、それは技術的な背景がはっきりもしていないのに、そういうことを言って、それに何となく研究者が合わせてとか、いろいろな要素があったと思うのです。僕はたまたまそこでいろいろなのを見ていたものですから、そういったようなことはきちんとやっていくと。また、別の見方をすれば、研究問題に関しては研究者のリーダーシップというか、発言とかをもうちょっときちんとしなければいけないなということもあるのですけれども、そのためには大きな大局的な方針とか何かを持っているということが大事ではないかという、非常に一般的なことなのですけれども。
【合志理事長】 非常に大きな問題でありますので、ぱっと正確にはお答えするのが難しいのですけれども、いわゆる地球環境問題に対してのアプローチの一つとして、衛星からの観測というものを充実しなくてはいけないということは、もう疑う余地のないところでありまして、具体的にはその中でどんな方式をとっていくか、それからそれをどういう時期に実現するかという議論に結局なっていくと思うのですが、その点で我々の中で議論をし、かつ周囲の状況を反映しながら、今手探りをしているというところなのですけれども、世界でいろいろな方式が提案されているわけでありまして、上空から測定をする方法について。
これについて、我々がアプローチするものが世界じゅうでやっているものの中の5番目、6番目であるということは余り好ましくないと、実は思っております。世界じゅうでやってはいないけれども、1番目、2番目をとれるようなものであれば、それはそれなりに意味があるだろうと思っているわけであります。その辺がなかなか難しいところでありまして、やはり世界の大勢に従って6番目でもやった方がいいという議論もあるわけでありまして、その辺でいささかつらい思いをしているということはあると思います。
ただ、本来ですと、その衛星関係に関しては、すべての情報を総合するという立場で、ある種の役割分担といいましょうか、そういったことを明確にしてやっていくべきだろうなと思っておりますけれども、今のところは役割分担をどこで仕分けて、どういうふうにやっていくかということは、必ずしも世界的レベルでうまくオーガナイズされていないという感じがいたしますので、我々としては二つの方式をもとにしながら提案をして、可能なところまで何とか実現したいと思っているわけでございます。
【松野委員】 具体的には共同プロトコルというので、それが実施になると思うのです。そうすれば、それのモニターというか監視というのは必要になるだろうということは、そこは常識にたたたっとわかりますので、そのとき、ではそれはどうやってやるのだろうかといって、そうするとやはりそれは研究の局面があって、ではこれ大変だなとか、衛星でやったらどうだろうかとか、そういうのを共同プロトコルなんていうのができたころだったらもう考えるようなことなのではないかなという気がして。それは日本じゅうの中でだれが考えるかといったら、ほかにもあるけれども国立環境研なんかはやはり考えるべきことだったのではないかなというふうに思うのですが、それはどうなのですか。
【合志理事長】 当時からその議論はある程度していたけれども、大変問題なのは、これは我々のある種の、いわゆる国研群が持っている体質かもしれませんけれども、ある程度のミッションが明確にならないとなかなか動き出さないというところがあります。我々としてはぜひその点を、ミッションはかくあるべきだよということを言えるような状態を目指したいと思っています。そういう点で努力をしているというのが。
【松野委員】 それは逆に言うと、このこと自体、独立行政法人、特に研究所なんかのそのあり方そのものというのも、私は本当にもう、これは考えると腹が立つのですけれども、専門家でなければわからないことなので、それを何か形式的に環境大臣が目標を決めるとか、それで実際どうなのといったら、それは本省のところで何とかやるとか、そういうのは本当にこれはこの制度そのものの何ともたまらないところで、とりわけこういう先端的な研究の問題に関して、そういうどうしようもない矛盾があるので、それだけ今度は自主的に研究所で本当に自分が日本の中で一番よく知っているのだという、やらなければいけないのだという観点で議論をしていただかなければいけないのではないかと僕は思うのですが。というような意見です。
【石井委員長】 評価委員会も頑張らなくてはいけないと思いますが。申しわけございません、評点をお願いします。Aでよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 次はII-1-(2)で、今度は重点研究分野です。松野委員のは今お話を伺って。北野委員、どうですか。
【北野委員】 AとBとか……。大いに期待をしているというところで。頑張ってくださいという意味でBをつけたのですけれども。
【櫻井委員】 5年計画というのは、非常に難しいですね。実際は研究は2年ぐらいでまとめていかないといけないと思うのですが、それを中期計画の5年に合わせているので、単年度で評価するのが非常に困難だというふうには思います。ですから5年の研究終了時においてどの程度になっているかということを、その時点でまた十分評価しなければいけないとは感じておりますが。今の段階ではAでいいだろうというふうに私は思います。
【石井委員長】 中期計画とほとんど実質的に変わらないことが年度計画に書かれてありますが、その年度計画はこの委員会が承認したものでしたか。
【齊藤環境研究技術室長】 いや、年度計画自体は単に環境大臣に提出をされるだけです。
【石井委員長】 では、天に向かってつばを吐いたことにはならないわけですね。事業計画が具体性に乏しくなんて書いていいのかなと思ったのですが。それでは、一応これはAでよろしゅうございますか。期待を込めて。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 II-1-(3)。これは研究の構成。
【齊藤環境研究技術室長】 これは枝番がございます。
【石井委員長】 ああ、そうだ。アイウエと、こう行くのですね。それではアは問題ないと考えてよろしいですか。これ、A。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 では、イです。イが大分分かれております。さあ、どういたしましょう。
【齊藤環境研究技術室長】 昨年度もAと評価していただいた場合も、Bの方も何人もいらっしゃるという場合には、それを課題的に付記をした上で、ただし何とかを期待する等々の文章表現でその辺を表現しております。
【石井委員長】 はい。それではそういう形にするとして、形式上はといいますか、評点としてはAという扱いで。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 さて、次が基盤的調査・研究。
【鷲谷委員】 すみません。意見ですけれど、ちょっと余り具体的に書いてしまったので、心を言った方がいいと思いますので、どういう意図でこんなことを書いたかといいますと、研究所全体としての環境研究の質を高める上で何が課題かなというふうに考えたときに、ここでは上の方で、去年ですか、『Nature』に載るような論文と書いてあったのですが、そういうふうに傑出したスター分野をつくって、全体として上げるということもあるでしょうし、あと少しおくれている分野の底上げをしっかりするというやり方もあると思うのですが、環境研究所のミッションみたいなことを考えると、どの分野でもある程度の力を持っているようにするということが重要なような気がするのですね。それでいろいろな評価、外部評価の方のを見ても、分野による格差というのが意識されているのだと思うのですけれども、やや低く評価されるような分野を、どうやって底上げしていくかということが重要だと思うのですが、それはそういう外部評価を生かすということとか、あと学会などアカデミックサークルによる評価を意識するということが重要なのではないかと思います。それで、後者を考えるとこういうやり方もあるかなというので、ここに書かせていただきました。
【石井委員長】 英文か和文かの問題ではなくて、レフェリード・マガジンであるかどうかを基準に。
【鷲谷委員】 そうですね。だから専門家に評価されるような仕事をしているかどうかで、底上げをするということも重要なのではないかと。一部にスターがいることよりも、そっちの方をこの研究所としたら目指していただきたいような気がいたしました。
【石井委員長】 英文・和文という分類は、何か記載がありますか。
【西岡理事】 資料の方の44ページのところに英文・和文、それから査読あり・なしの、一応は書いてあります。
【鷲谷委員】 そうですか、すみません。
【西岡理事】 しかしながら、今おっしゃったように分野別にそれをちゃんとというのは、もとの資料は実はあるのですけれども、それが十分評価されていないということはあるかと思います。それから非常に難しいのは、受託で多いのですけれども、緊急を要するようなデータを集めてぱっと出すようなのは、なかなか論文にならない仕事がたくさんあるということです。所内でもどう評価するかというのは、ちょっと頭を悩ませているところであります。
【鷲谷委員】 そうですね。それは何か別の尺度が必要かもしれません。
【西岡理事】 ええ。しかしながら査読であるかどうかというのは、世界にどうチャレンジしていくかの一番あれだと思います。
【鷲谷委員】 これは基盤研究というところの項目だったので、そういうことを申し上げました。
【西岡理事】 そうですね、おっしゃるとおりです。
【鷲谷委員】 重点とか受託に関しては今おっしゃった評価でいいと思うのですけれども、基盤研究というところでは、ぜひそういうことを意識していただけたらと思います。
【西岡理事】 おっしゃるとおりだと思います。
【鷲谷委員】 あと、新しい血を入れるということとかも必要だと思うのですね。そういうふうに全体を底上げしていくためには。
【石井委員長】 昨年の評価の中で、やはり重点研究分野に比べてこの基盤的調査研究はちょっと重視されていないように受け取れるというふうに書いてありますが。何となく皆さんも似たような印象をお持ちになったのかなと思いました。そこで奨励研究とかなんとか、方向性とか競争的環境というのをつくるなど、努力なさったのだろうと思うのですが。今の鷲谷委員のお話ですと、競争的な環境というのとはちょっと違う、環境研究のセンター・オブ・エクセレンスとしての環境研は、やはり全体としてちゃんと店を張っておいてほしいという、そういうことなのだろうと思うのですね。そんなような趣旨を書くということ。一応これはAで扱わせていただきたいと思います。
次がエですが、さて研究基盤。柘植委員、何か。
【柘植委員】 これは先ほどのご発言の話は、数が多ければいいということの話ではない。ちょっとそれは別な議論もしないといかんと思うのですけれども、ちょっと偏っていないかなというのが、点検だけしてくださいという、申し送り事項で結構でございます。ですから、Aで結構でございます。
【石井委員長】 では、これはAということにいたします。
(「なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 次にこれは戻るのですね。
II-1-(3)、14ページ。総評です。一応Aということにさせていただいて、何かここで特にコメントする事項があれば、ご指摘いただきます。
(「なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 それでは便宜、先に進ませていただきます。
II-1-(4)、19ページです。研究課題。これは松野先生のご意見は、外部評価のことをもうちょっと詳しく紹介してほしいということですか。
【松野委員】 ええ、評価をどう言っているかというのがわからないので、何とも判断ができないということです。
【石井委員長】 わかりました。一応Aでよろしゅうございますか。今のコメント、外部評価の内容をもうちょっと詳しく、一般にわかるように紹介してほしいというコメントが必要です。
次はII-1-(5)です。
【齊藤環境研究技術室長】 枝番で21ページの方が。
【石井委員長】 これは枝番、まず研究成果の普及ですね。この項目の趣旨がよくわからなかった。
【柘植委員】 きょう桑野委員がおられないのですけれども、桑野委員のおっしゃっている被引用回数とか賞とか、これはぜひこれAという評価はいいと思うのですけれども、何か付記事項としてこういう面の定量的メジャーを運用されることは大事だと思うのです。これはぜひ付記された方がいいと思うのです。
【松野委員】 これは研究成果の普及ということで、そういうところに入っていまして、今もういろいろなところで問題になっているのは、大学やなんかでも研究成果をその論文発表がどうとか引用がどうとかいうことで、そういう数値目標を立てるということが非常に議論になっています。この評価委員会でも当初この目標をつくったときに、そういう論文を幾らとかいう話が出てきて、僕はもう絶対そういうことに反対なので、そういう何か研究を目方ではかるようなのは困るということで、そういうことがもし討論であったら私は委員長をやめますと言ったぐらい。そうしたら、非常に見事に成果の普及という、成果そのものではないのですね、これは。そこが……。
【石井委員長】 いや、だからこの普及って何だろうなという。去年の評価を見ると論文のことが書いてあるのですよね。
【松野委員】 普及という観点だと、出しているのかと、こういう逃げ道で、ではまあいいでしょうということにしたので、したがってこの引用回数なんていうことが出て、ちゃんと成果を論文にしていますよという、そういう観点で見ると、成果そのものの評価ではなくというのを。
【鷲谷委員】 よろしいですか。被引用回数なのですけれども、引用するのは専門家ということになりますね。そうすると、何回引用されるかは、その論文がどのぐらいすぐれているかというよりも、その分野の専門家がどのぐらいたくさんいるかということの影響の方を、強く受けてしまいますので、一見定量的に見えて落とし穴の大きい指標でもありますので、余りこれだけを追求するのはまずいかもしれません。たくさん研究者がいるところの分野はたくさん引用するし、新しい分野で、新しくニーズが出てきたところはまだ引用されないという。
【柘植委員】 私も松野先生、鷲谷先生のお話はもっともだと思うのですけれども、ですからこれだけでメジャーではないですけれども、やはり国立環境研究所にAさんという人がいるのだという、エベレストの頂上であって、エベレストの頂上だけで世界が成り立っているわけではないですけれども、何かやはりそういう面の一つのメジャーとしては、あってもいいのではないかなと思うのですけれども。確かに一長一短ありますので、よくわかります。
【鷲谷委員】 私は余りちゃんと勉強していないのですけれども、研究者の数などを反映させた指標も提案されていると聞いています。単に件数ではなくて。もし使うのだったら、そういう方がまだ。
【松野委員】 すみません、これさっき言ったような点で、これはうまいこと逃げていったと僕は思っていたのですが。
【石井委員長】 中期計画とか目標を見ますと、専門的知識を持たない人に対して云々と書いてあるので、学問的には引用の問題は大事なのですけれども、ここの問題とは違うものだというふうに思いますが。
【齊藤環境研究技術室長】 よろしいですか。その点につきましては、全体を見ていただくと、II-2-(3)のところに研究情報の提供業務の状況というような欄もありまして、必ずしも、両方にも書けますし、むしろ後者の方は一般をかなり意識したもの、それから前者の今ご議論いただいているものは、そういう要素も含みますけれども、どちらかというと専門性、専門分野というか、そちらの方を意識したものかなという理解を去年の評価なりを見ていて……。
【石井委員長】 私もそう思いますけれどもね。でも、この評価シートを見ると。
【齊藤環境研究技術室長】 ええ。ちょっとそこのところが区分が明確に、ちょっとばらけてしまっているという実態はございます。
【石井委員長】 わかりにくくて、私も迷ったのですけれども。
【松野委員】 タイトルは研究成果の普及。
【石井委員長】 普及ですからね。
【松野委員】 ですから、あくまでそういう観点で僕はやっていますし、その項目をつくったときにそれで。したがって研究成果を論文の目方ではかるということはしないということで皆が一致したのだと僕は理解しています。うまくこういうところでやって、余り書かないとどこかでまた文句を言う人がいるから。
【高木委員】 選考のところに共通して見られるというふうに言えると思うのですけれども、耳ざわりのいい目標は掲げられるのですけれども、何ゆえにそういった目標を掲げるのか、どこにやっていくべきなのかという方向性が余り示されない形で目標が出てしまっていますので、こういった評価というふうなことになりますと、非常に何か定まらないような報告であり、評価となってしまうのです。
【松野委員】 そのとおりだと思います。そういうものをつくったときに、これは自分たちでつくったはずなのですけれども、そのときに本当にじくじたる思いでして、もう何か5年間固定された。
【石井委員長】 では、大分議論はばらけていますけれども、一応これについてはAということで、努力を高く評価するという、大体そんなことなのでしょう。
次が活用促進ですね。さあ、これはBですかね。活用といってもなかなか難しいので、これも私は答えようがなくて留保してしまったのですけれど。知的所有権の獲得・実用化の促進。これはおおむね頑張っていますという趣旨で、Bということで。
次に[3]、広報、啓発。ここで私、「片手間意識をなくし」なんて、ちょっときついことを書いてしまいましたけれども、広報担当というのは、例えば見学者が来たときに案内はこの人がやるとかという、何か外国の研究機関へ行くと、割と研究所を案内して歩くのに生きがいを感じているような人がいたりなんかするのですが、そういう担当なのでしょうか、それとも、事務的に配置転換かなんかでぐるぐる回った広報担当部門みたいなものなのでしょうか。どういう運用をしていらっしゃいますか。
【高木研究企画官】 一般の見学者の方、いろいろな学校であるとか、そういうところから来る見学者につきましては、一応総務課の業務係というところに対応する部門がありまして、そこで受けております。そこの仕事もいろいろありまして、とても大変なものですから、少し体制を強化しなくてはいけないということで、非常勤の方を雇ったりとか、何かいろいろやってはいるのですが、なかなか居つかなかったりとか、なかなか難しいところがあります。
それからいろいろ、国会議員の方が来られるとか、大臣が来られるとか、VIPの方が来られるというときには、企画広報室というのがございますので、そちらの方が対応していると。それから国際的な外国からのお客さんにつきましては、国際室がございますので、そういう形で手分けしながらずっと対応しているというのが現状でございます。
OBやなんかでそういうのが好きな方がおられれば、大変ありがたいのですけれども、なかなか……。
【石井委員長】 ええ、そうですね。シルバーボランティアでも、おっしゃるとおりいいと思いますので。
【高月委員】 参考までに。たまたま私、今環境の学習センターみたいなのにかかわっているのですけれども、やはり今委員長がおっしゃったように、ボランティアの方にサポートしていただいて、そういうことを非常に専門的にやられるような人がいるのといないのとでは大分違うこともありますので、もしそういうことが可能であれば、そういう方を活用していただいたらと。かなり生きがいでやられる方がたくさんおられますので。
【石井委員長】 やはりここでやっていることはおもしろいのだよとか、すばらしいことなのだよという実感を持って案内するかどうかで、全然違うのですね。失礼ですが、総務課業務係というのはちょっと片手間なのではないかなと。
【高木研究企画官】 あと、研究部門の方でいろいろな研究棟やなんかの方も、広報経費というのを設けまして、そういういろいろなものをつくったりするのにお金を配分できるような仕組みを14年度からつくりましたら、いろいろ皆さん工夫していただいて、受け手側の方は大分よくなってきておりますが、案内する方の人材というのはやはりちょっと、なかなか。
【石井委員長】 そうすると、今そういう場合には、物理的にそこのところへ連れていって、そうするとそこで研究者が説明するというわけですか。
【高木研究企画官】 ケース・バイ・ケースでございますが、そういう場合と、もう案内している者がぱっと説明してしまう場合と、そのケース・バイ・ケースでございますが。
【西岡理事】 かなり見学コースというのは決まっておりまして、人気のあるところは研究者の負担も多くなるものですから、なるべくそこのところを、ある区分でもって簡単にパネルでやるもの、あるいはビデオでやるものと分けたりして、工夫はしております。
【石井委員長】 そうですか。
【西岡理事】 基本的にはなるべく研究者と言っているのですが、やはり研究者の方は余り時間をとりたくないという。
【石井委員長】 だから、やはり策が要るだろうと思うのですけれどもね。
【西岡理事】 おっしゃるように、業務係で回っているのでは、ちょっと内容の説明はできないところがあると思います。
【石井委員長】 一応これはAということで。
では、もとへ戻りまして……。
【齊藤環境研究技術室長】 まず20ページの方。
【石井委員長】 20ページに戻るわけね。
【齊藤環境研究技術室長】 はい。(5)のところに戻ります。
【石井委員長】 I-1-(5)Aでよろしいですね。
次がII-2ですか。
【齊藤環境研究技術室長】 すみません、II-1というのがまた今の(5)の終わった後で戻りますので、大もとへ戻るのです。
11ページに戻ります。
【石井委員長】 北野委員の「地検」って、これ、誤植ですよね。
【齊藤環境研究技術室長】 はい。その辺はちょっと精査をいたします。
【北野委員】 やはり、もちろん私はAで結構なのですけど、環境省の政策に環境研の成果がどのぐらい反映されているのかというのがちょっと見えづらかったものですから、こんな評価をさせていただきました。
【石井委員長】 そうですね。私もどこかに書いてある。Aで結構ですか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【齊藤環境研究技術室長】 次がII-2の枝番の方で、25ページ。
【石井委員長】 II-2-(1)ですね。ホームページ。Aですね。
次のGIS。これ、私のコメント中の「CCE」は、「COE」の誤植です。一応Aで、何かコメント、Bの方向からあるとすれば、どんなことでしょうか。松野先生はBだけど、積極的評価じゃないですか。もっと力を入れろということで。では、これは私と同じ趣旨だということで。それでは応援の意味を込めてということですね。
【松野委員】 はい。
【石井委員長】 北野委員も同じですね。
【北野委員】 ええ、同じです。
【石井委員長】 次がII-2-(3)。
【松野委員】 これは質問ですが、環境研のホームページ、非常にアクセスが多いということでございますが、これ何が載っていて、だれがどういうものをやって……。すごい数なのですね。1カ月350万。
【西岡理事】 これはヒット数というか、クリックするごとの数です。
【石井委員長】 これは当てにならないのですよ。このごろはリサーチエンジンが走り回っていますから。
【西岡理事】 ですけれども、疑問のコーナーなんていうのはたくさんのあれがありまして、割と最初にまず環境学習となると、うちの研究所にアクセスしてくれるといったところが多いですね。それからもう一つ、前から環境省の方のネットとリンクを張っているものですから、その関係から飛び込んでくるのがあります。毎月報告を受けているのですけれども、これだけあるのですけれども、見ていられないのですが。
【高木研究企画官】 夏がふえているのは、子どもたちが何か学習のためのものとか、1月ごろからふえてくるのはコンサルの方々とか、いろいろ要因はあるのですが、ちょっとそこはどういう方がどういうふうにアクセスされるのかは、十分にはわからないです。
【松野委員】 EICネットというのは何か異常があるって、それは余り関係ないことですけれども。また、6月と7月に異様なピークがある、これは……。
【高木研究企画官】 これは多分向こうが環境情報普及センターという、情報を専門にやっているところなので、いろいろとそういう考え方でつかまえる努力をしているのだと思うのですが、私どもの研究所の方はそこまでちょっとやっておりませんと思いますので、もし要因がわかれば、またご報告させていただきたいと思います。
【石井委員長】 では、これはAということで。戻るわけですね。
【齊藤環境研究技術室長】 はい。24ページの方です。
【石井委員長】 さて、昨年はBでございましたが。どうぞ。
【松野委員】 ちょっと質問してよろしいですか。「そらまめ君」というのはどういうふうに使っているのですか。たしか、大気汚染のあれは予測も含むのでしたっけ。実用。
【西岡理事】 実用だけです。
【松野委員】 それは実用的に使われているの。
【西岡理事】 ええ、現在のところ、今入ってきたものをどんどん毎日やっている。
【松野委員】 では、使っている人というのは。結局どういうふうな使われた方というか、みんなアプリシエートしているか否か、その辺のことはわからない。
【高木研究企画官】 うちの研究所の研究者も重宝して使っている方もいます。というのは現地で調査に行って、そのときのその地区の状況がどうなっているかというのはこれを見るとわかるようになっていますから、そういった面での使い方もしていますし、あとはコンサルの方とかNGOの方も使っているのではないかと思うのですが、どういう形でということは確認してみないと、ちょっとわからないです。
【松野委員】 たしか、環境とか、その他の大気物質やクオリティーの。
【高木研究企画官】 はい、リアルタイムで、ちょっとさかのぼってもやっていますので。
【松野委員】 やはりちょっと質問ということで、詳しくないのですけれども、この春たしかASAQという、トウソクサイエンスさんの「アプリケーションとエア・クオリティー」というシンポジウムがありまして、私もちょっとお話をさせていただいたのですが、そのときにアメリカのEPAだと思いますが、それとウェザー・サービスとのジョイント・プロジェクトで、そういうまさに我が地球フロンティアで秋元さんが科学天気予報と言っておられますが、ああいうことを2007年からは実施して、24時間やって、それである基準を超えるような状態があったらプロモーション・コントロールをすると、強制力を持った。何かそういうような話を聞いて、僕、非常にびっくりというか、そういうことなのかと思ったのですが。それこそ、さっきの話ではないですけれども、環境研で将来のそういうことの問題というのはどうとらえて、例えばこんなものを本当に今実際に使われているのだったらどういうふうに持っていくとか、そういうような方針とか考えとか、何かあるのでしょうか。
【西岡理事】 まだそこまで実は考えていないのですが、アメリカなんかですとロサンジェルスタイムスかなんかにも、「きょうの光化学スモッグ」というのはちゃんと、10年、20年前から出ているのです。環境省の方でも一度NHKを通じて朝の大気汚染予報を出したことがあるのですけれど、ちょっと下火になってしまったということもあります。我々、そこまでのプロモートまではまだちょっとできないのですが。
【松野委員】 評点的には、やはりコントロールが必要になるような時代が来るのか、あるいは結構おさまってきて、余りそこまでやらなくていいのか。
【西岡理事】 じわじわとまだ光化学スモッグが伸びておりますから、要注意であると。
【松野委員】 これはちょっと、この「そらまめ君」に関して。
【石井委員長】 これ総論ですが、AとBが7と5に分かれておりますけれども、大体このBに印をつけた方は、やはり一般向けというのでしょうか、いろいろな人にわかりやすくもうちょっと情報提供もしてほしいという、そういうことでほぼ共通しているように思われますので、これは一応Aとして、一般向けをもっと頑張ってほしいというコメントをつけていくということかなというふうに思います。ということで、その他。
【齊藤環境研究技術室長】 IIという大くくり全体に戻っていただきまして、10ページまで戻っていただきます。
【石井委員長】 数字的にはAでよろしゅうございますね。特に何か、ここの欄についてコメントすべきことがあればご指摘いただきたいと思います。
【松野委員】 非常に漠としたことですけれども、環境研はさっきのような環境情報の提供というのでしょうか、何かその環境に関することなら環境研に聞けばわかるというふうな、なるべくそういうようなイメージが持たれるようになる方がいいということですか。そういうように聞こえたのですが。
【石井委員長】 そうですね、そのことと、北野委員の政策にやはり結びついているというところが。
【西岡理事】 その気概はあるのですけれども。とは思っているのでありますが、手足がちょっと。手足まで血液が回らない状況で。
【石井委員長】 それでは、IIはこれで終わりといたしまして、次は。
【齊藤環境研究技術室長】 29ページでIV。
【石井委員長】 施設。これはAでよろしいですね。ここに桑野委員から「事後評価」というようなことが書いてありますが、これについては何かコメントは環境研の方からありますか。課金制度で今のところは。
【合志理事長】 あらわにそういう表現をしたことはございませんが、全然使っていないというようなことになったケースは、非常に昔、最初につくったころの装置でそういったことがあったやに聞いておりますけれども、最近は聞いておりませんので。
【西岡理事】 昨年、一昨年と大型施設等の評価をやり直しまして、そこでどれだけの成果が出たかというようなサーベイをしました。その中でも余り使われていないもので外に貸し出すとか、あるいはもうやめにするとかいう、一応いろいろなデシジョンをしたのですけれども、そういうことも明快に書いておけばいいかなと思っております。
【石井委員長】 あとこの高木委員のコメントで、「効率的な維持管理」というのがどういうわけか中期計画ではネグられているけれどもという。
【高木委員】 私も昨年のことは覚えていないのですけれども、改めて中期目標を見ますと、効率的な維持管理・メンテナンスについてというのを掲げられているのですが、中期計画でどうも特段取り上げられてないように読めてしまうのですが。したがって評価の視点にも入ってきていないというふうに言えるのですが、これはどうしてだったかなと。
【高木研究企画官】 ここは設備に関する計画ということで、維持管理の方は多分、ちょっと(1)の方の施設の効率的な施設運用ですか、そちらの方でということでは考えてはいると思いますので。
【高木委員】 ただあの記述自体、全然評価できないような記述でしたし、メンテの効率性云々というようなことが書かれていた記憶がないのですけれども。
【高木研究企画官】 この中期計画自身には、そういう書き方はなかったと思います。
【高木委員】 ただ、そうしますと、目標に対して何も答えていないというような話になってしまうと思うのですよね。委員会自体の目標に対しての評価を行っていないという話になってしまうなというふうに懸念するのですが。
【石井委員長】 中期計画はこの委員会がオーケーを出しているのですよ。ちょっとこれは、どう扱うのか難しいですね。
【高木委員】 嫌らしい問題だなと思いまして。
【合志理事長】 しかし、幾つかの努力は行われているので、それを表現していくこと自体はできると思います。例えば複数の施設を一つの請負先に任せて簡略化するとか、それからお掃除の回数を少し減らしたとかがあるのだそうです。そういった努力は幾つかありますので、またそれは、確かにお金としてあらわれていることではありません。
【石井委員長】 わかりました。それでは、一応Aということで。
次の30ページですか。6対5ですか。
【柘植委員】 柘植の書いたところ、さっきの繰り返しなのですけれども、研究領域ユニット所属員が重点プロジェクト員を併任している数が少ないし、ふえていないのです。重点プロジェクト員の併任というのは数としては結構多いので、多分流動研究員とかほかの方々が入っておられているけれども、問題はユニット所属員が、ちょっと言葉は悪いですけれども、タコつぼになっているのではないかという面では、まだもうちょっとそのあたりはマネージメントの面で工夫の要点があるのではないかなと思ってBになりまして。昨年Bでありまして、昨年とことしはAに変わるというのが、ちょっと具体的には見当たらないもので、気持ちとしてはやはりBにして、さらに工夫が要るのではないかなというふうに思いました。
【石井委員長】 なかなか難しいことですが。
【合志理事長】 私どもの率直な流れからいいますと、十分に働かせておりまして、これ以上負荷をかけるのかと言われるのが何ともいかんというようなところが正直なところなのです。領域の方で仕事がなくてやっているわけではありませんので、それなりの大きなプロジェクトではないけれども、小さいものを持ってやっておりますので、その点で。
【柘植委員】 ぜひここがもうこれでいいのだという、私も若干クエスチョン形で書いていますので、もうそれはマネージメントに任せます。
【高木研究企画官】 研究所の中の併任という数は、中で理事長から発令をしてやられた方が併任で、そのほかにプロジェクトやなんかで、何か特定の例えば計測だとか、そういった分野で実際協力していただいている方というのはまた別途いることはいるのですが、そこの数がはっきり私ども把握していませんですから、ちょっと何とも言えないのですが、全くこの専任の研究員と併任の研究員だけでプロジェクトがすべて運用されているということではないということだけは、ちょっとご理解いただきたいと思います。
【石井委員長】 少なくとも中期計画を見ると、何かその場しのぎをやるという項目だけが並んでいるのですよね、これ。
【松野委員】 そこで、たしか思い出したのは、これをつくったときに若手の養成というようなことが大事だという話があって、それはどこに入るかというので、ここに入れていただいたこの計画とか目標ですか、これのところだと一番最後のところにそういう項目があります。
【石井委員長】 はい。リサーチはしていたと。
【松野委員】 若手研究者の養成。それに関してうまく行っているかどうかというのは、ここの項目……。
【石井委員長】 そこは高月委員が評価していらっしゃるのですね。
【高月委員】 ええ、私はそう評価しています。若手は比較的元気にやっているなという評価ですけれども。
【北野委員】 私は偏見かもわからないのですけれども、高齢者が研究員として果たして能力を発揮できるのかという、管理職か何かになればまた別なのですけれど、これ研究所ですから人事異動もできないし、難しいのですよね。私が前にいたところですと、研究部門と現業部門とか、人事交流できるわけです。最初に私、このときの委員会で、例えば本省に回せないのかと余計なことを、研究職と行政職はできないのかということを申し上げたのですが、今回の年齢別の構成も、たしか資料としてはいただいていないと思うのですが、やはり若手をどんどん入れて流動化していくことは大変結構だと思うのですけれども、ある程度50を過ぎて管理職にもなれない、そうかといって主任研究官みたいな形で置いておくのがいいのかというのが、何か大変失礼ですけれど、その辺がちょっとすごく気になってしまったのです。それでBなんていう評価をしたのですが。研究とか難しいですね、なかなか。
【西岡理事】 これは職員の成果ということになると思うのですが、一応専門的な人については、しかも十分な実力を持っている人については、役職なしで「上席研究員」という名前で、専門職を一つ設けたということがあります。それからもう一つ、おっしゃるように行政等との転換につきましては、私の研究所でだめだからという言い方よりも、むしろうちの研究所みたいなところは、そういう行政的仕事が極めて重要であるという位置づけで、何人か今、例えば環境省の方にも、評価専門官がうちに来ておりますけれども、そういう形で育てていこうという方向ではあるのです。
【北野委員】 そうですか。
【西岡理事】 まだおっしゃるように、なかなか、おれはもっと研究をやらせてくれという人が多いことは事実であります。
【北野委員】 昔みたく、どんどん大学に出せるといいのですけれども、今はなかなか大学もね。受け入れられないので。失礼ですけれどもね。
【西岡理事】 厳しくなっていますから。
【北野委員】 ちょっとその辺が気になるのですけれども。
【松野委員】 先ほど、少し前にもコメントしたことですが、任期つきをふやすというようなことは、大きな方向性が初めに目標になり得ると思うのですけれども、その前提は特には書いていないのですね。大体任期つきの方があるパーセントまではそうする。さっきシニアという言葉が出ましたから、多分もちろん私もそう思いますが、どういうふうなのが将来像であって、それに近づけたらこの年はこのぐらいというような。本来はそうなって出てくる目標なのですよね。
【西岡理事】 正直言いますと、任期つきって中途半端でして。
【松野委員】 非常に難しいですね。
【西岡理事】 ええ。流動研究員と言われているポスドクのあたりから、いいのがいたらどんどんと上げていけばいいのではないかと思うぐらいのところはあります。なぜか、任期つきというのが国の方の方向になってしまって。
【松野委員】 それの目標がこう。
【西岡理事】 ええ。
【松野委員】 そのときに、国では何かそういうことを言っているかもしれないけれど、研究所としてはと、今おっしゃったようなことで大方針をつくっておいて、それで目標をつくるのが一番……。
【西岡理事】 現実にもう昨年、ことしになりますけれども、任期つきからパーマネントにしたというのは2人ぐらいおりまして、そういう任期つきの中でいいのをセレクションしていこうという方向ではあります。
【合志理事長】 タクティクスとストラテジーの問題がありまして、タクティクスとして任期つきと言えば、比較的人件費にしても見られやすいということもあるので、そういう処理に持ってくるという部分もあるわけでございます。それは、しかしあくまでもタクティクスの部分でありまして、長期的にはもちろん落ちついて働ける状況を考えなければいけませんので。
【石井委員長】 何か任期つきをふやせばいいみたいな風潮が一つありますね。それから、さっき合志理事長がみんなちゃんと働かせているとおっしゃったのですけれども、働かせ過ぎていたら人事計画がおかしいということになりかねないので、ここは計画なのですよね。どういう全体のデザインを持ってやるのか、その一つに任期つきとパーマネントのあれとの割合とか、高齢者をどうするかとか、さまざまなイシューがあると思うのですけれども、全体としてそれはまだよく見えていないなという感じはするのですけれども。
これは、えいやっと行かざるを得ないのでして、一応Aということでさまざまなコメントをしっかりここに書くということでございます。殊に、今申し上げましたようなイシューについては、必ず何か書き込むということだろうと思います。
さて、改善すべき事項の項というのは……。
【齊藤環境研究技術室長】 28ページのIVのくくりをお願いしたいと思います。
【石井委員長】 総論に戻るわけね。では、これはAでよろしいですね。
ということで、それこそ最後に一番でかいやつでございます。総評。昨年と同じAでよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 それでは、一応この資料1については上げたということでございまして、どうぞ。
【高木委員】 この資料1の31ページのところにちょっと総括的な形で記させていただいたのですけれども、先ほど個別のところでもちょっと申し上げておきましたが、そもそも中期目標とか中期計画のところが、その設定が不適切というふうなことが、特に研究のところでは、研究ですとか広報とか、この辺のところについて感じますのです、改めて見ていますと。ですので、この辺のところ、できれば目標・計画の中期の期間中の修正ということを検討されるのはいかがかというふうな話が一つです。
それから「効率」という言葉について、どうもよく理解がされていないのではないかということが感じますので、そこのところを改めてお考えいただきたいというのと、あと仕事の仕方の改善について、もっと取り組まれるべきではないか。実績報告書を見ますと、契約依頼手続といいますか、一括発注のところに関しての話だけなのです。もっといろいろおやりになられているのであるならば、その辺のところをお書きいただかないと、評価というのは適切には難しいと思いますので、その辺のところを次年度以降留意していただきたいというふうに思いますのですが。
【石井委員長】 どうもありがとうございました。
中期目標というのは、もちろん変更はできる。
【高木委員】 可能です。
【石井委員長】 可能ですけれども、
【高木委員】 大臣の。という話ですね。
【石井委員長】 中期計画をもうちょっとブレークダウンするとかいう、そういうことはちゃんと。
【高木委員】 現実的にはそうかなと思います。
【石井委員長】 もし何か具体的な、例えばこんなものというようなのがあったら、後でコメントして送っていただければと思います。
そのほか、特にございませんでしょうか。総評のところのこれは33ページに、私はわざと記載しなかったのですけれども、Aで結構でございます。
それでは……。
【松野委員】 ちょっとよろしいですか。これは、これとは直接関係ありません。去年は事務的な煩雑さの問題があって、推進費というんですか、あれが委託を受けた受託とかの関係で、以前に比べて大変面倒になるということが、割と早い5月とかそのころのこのタイムスケジュールが出まして、それが功を奏したのかどうか本省の方で手続を簡略化されて、それ以後多分問題はなくなったということで、したがって、それをコメントはしなかったわけですが、その状況が今も続いていて、もうあれは改良されて、そういった種類の問題というのは、特にはありませんですか。
【高木研究企画官】 非常に柔軟な形にしていただきまして、それ以外は特段大きな問題は生じておりません。
【松野委員】 その問題はそれでいいということですね。それに似たようなことで、あのときは結局最後までは残らなかったから、最後のこの報告書というか、評価報告書に何もコメントしませんでしたけれども、もしそれが続くようだったら何かコメントしようと、みんなで委員会で言っていたわけです。そういうような問題があれば、やはり取り上げるべきかなと思っているのですが、特にそういう……。
【高木研究企画官】 それはございませんし、あとはなれてきたということもあって、そこら辺は余り最近議論になってはおりません。それでもまだ、いろいろ不満のある方もおられるかもしれませんけれども、基本的にはもう改善されたと。
【松野委員】 それの問題で、一般的にそういうルールやなんかが変に官僚的で狭くてどうとかというのが、本来独立行政法人というのは非常にフレキシブルというのが特色なはずなわけですから。というふうな……。
【合志理事長】 評価をしていただいている状況の中で申し上げるのはあれですけれども、やはり例えば会計検査とそれから一般的な民間としての会計事務所からのあれと、両方の面があるというようなこととか、どっちかにお一つになっていれば随分いいと思うのですけれども、ですからいろいろ評価関係についてもここでしていただくということと、それから内部でいろいろな評価をする、それから外部で学術的な評価をするということで、今のところミニマムで押さえられていると思いますけれども、これが拡大すると、もう本当に評価疲れといいましょうか、その評価の準備のために研究生活を送っているみたいになってしまいますので、これはなるべく将来ともふえないようにできればというふうに思っております。要するに、むだがあって余力があるときには管理を強化すれば効率は上がるのですけれども、今は少なくとも我々の分野の場合にはもうぎりぎりで動いているというのが正確なところでありまして、そこに管理業務が二重三重に入ると、恐らく全体の効率としては低下せざるを得ないというようなところがございますので。
【石井委員長】 ありがとうございました。
それでは次の議題ですが、これは資料2です。こういう様式で評価書をつくると、これは昨年と基本的に同じ形式でございますが、これでお認めいただけますでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 それでは、お認めいただいたものとさせていただきます。
そこで、この評価書の作成のプロセスでございますが、基本的には一番最初にご議論いただき、そしてお認めいただいた方式でこれから粛々と進めていくわけでございますが、まず一番最初の段階でこの評価書の案をつくらなければなりません。ということで、これはきょうのご議論を踏まえまして、委員長である私と、それから昨年の委員長をやってくださいました松野委員にお手伝いいただきまして、何とか原案をつくって、委員の方々にお送りし、ご意見をちょうだいすると。そして、それを踏まえて修正を施すという形で評価書を作成していくと。手続的には先ほど申しましたような持ち回りの条項を活用したいと思いますが、いかがでございましょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井委員長】 ありがとうございました。
私の不手際で時間をオーバーいたしました。大変熱心なご議論をいただきまして、少なくとも実質的には恥ずかしくないといいますか、胸を張って出せる評価をつくる素材といいますか、そのもとになるご議論がいただけたものというふうに私は思っております。
ということで、これから評価書をつくっていくわけでございますが、そのところで忌憚のないご意見をまたお寄せいただければと思います。これでよろしいですかね。
【齊藤環境研究技術室長】 あと、冒頭の、ちょっと大分委員の方も減っておりますけれども、本日の会議の会議録をどのような形にするか。
【石井委員長】 会議録はきっちり、やはりやりましょう。できる限り、限りなく委員会に近づけた形を整えておくという。それでは、どうもありがとうございました。環境研の皆さん、ご苦労さまでございました。