第33回環境省独立行政法人評価委員会会議録

日時

平成26年6月27日(金)15:30~16:55

場所

虎ノ門SQUARE 4階会議室

議題

  1. (1) 独立行政法人環境再生保全機構の第二期中期目標期間における業績評価シート
  2. (2) その他

配付資料

  • 資料1 独立行政法人環境再生保全機構の業務実績評価に係る基本方針
  • 資料2 独立行政法人環境再生保全機構の業務実績評価に係る基本方針評価比率
  • 資料3 独立行政法人環境再生保全機構の第二期中期目標期間における業績評価シート
  • 資料4 独立行政法人環境再生保全機構の第二期中期目標期間業務実績報告書
  • 資料5 平成26年度環境省独立行政法人評価委員会開催スケジュール
  • 参考資料1 独立行政法人環境再生保全機構の各年度の業務実績評価一覧(平成21年度~平成24年度)
  • 参考資料2 独立行政法人評価分科会における平成26年度の取組について
  • 参考資料3 独立行政法人環境再生保全機構の第三期中期目標
  • 参考資料4 独立行政法人環境再生保全機構の第三期中期計画
  • 参考資料5 第二期中期目標期間における業務実績評価等の指摘事項への対応状況

出席者

委員

西間三馨委員長、有田芳子委員、泉 淳一委員、沖 陽子委員、小池勲夫委員、萩原なつ子委員、花木啓祐委員

環境省

総合環境政策局 清水総合環境政策局長、上田総務課長、坂口総務課調査官、林総務課課長補佐

環境保健部 船坂企画課調査官

環境再生保全機構 福井理事長、武川理事、佐野理事、藏重理事、野口監事、沼野監事、矢野上席審議役、吉田総務部長

議事録

【西間部会長】 それでは、定刻とほぼなりましたので、ただいまより第33回の環境省独立行政法人評価委員会を開催いたします。

 本日は委員9人のうち7名がご出席になっておられますので、環境省独立行政法人評価委員会令第6条第1項の規定により、定足数を満たしております。

 では、議事に入ります前に、事務局から事務的な内容につきまして説明をお願いします。

【坂口調査官】 初めに、総合環境政策局長の清水よりご挨拶申し上げます。

【清水総合環境政策局長】 総合環境政策局長の清水でございます。

 本日は、雨の中、大変足元がお悪い中、委員の皆様にはお集まりいただきまして、大変感謝いたします。また、日ごろからの環境行政につき、ご指導、ご鞭撻をいただき、改めて感謝いたしたいと思います。

 本日は、33回の環境省独立行政法人評価委員会ということであります。当然のことでありますが、この評価委員会は、独立行政法人制度における大変重要な機関でございまして、業務実績の評価をいただくとともに、中期目標、あるいは中期計画の策定など、さまざまなご審議をいただいております。

 本日ご議論いただきますのは、昨年度で第二期中期目標期間が終了いたしました環境再生保全機構の中期目標期間、5年間において、どうであったかという実績報告でございます。独立行政法人通則法第33条に基づいて、法人は中期目標期間終了後3カ月以内に事業報告を主務大臣に提出するとされております。お手元に、業務実績報告書というような形で提出されております。この実績について、同法34条に基づいて、法人の中期目標期間における業務実績について、評価委員会の評価を受けなければならないと、そういうふうになっておりますので、5年間、環境再生保全機構がどういう形で事業を行ってきたか、それをこれから、8月ぐらいまでの長いプロセスになりますが、今日は事業の報告をしていただき、その後、先生方に評価していただくという、そういうプロセスが始まるわけでございます。

 私も独立行政法人に在籍したことがありますのでよくわかるのですが、この独法評価委員会というのは、独立行政法人にとって大変緊張する場で、それぞれ年度でありましたらば1年の総決算、あるいは、今回5年ということでありますので、5年間の成績というものが評価されるということで、理事長、理事の方々以下、大変緊張した面持ちで臨んでいるのではないかと思います。

 この独立行政法人環境再生保全機構は、環境省の二つの独立行政法人の一つで、環境行政の一翼を担う大変重要な機関でございます。この実績が、この5年間どうであったかということを、先生方から忌憚ないご意見をいただき、今後の機構の発展にも資するような形で評価をいただければ大変ありがたいと思っております。

 最後になりますが、昨年度におきましては、この評価委員会及びその下の部会におきまして、機構の中期目標について策定指示していただき、それから機構のほうで中期計画を策定して、それを認可したということであります。これも皆様方の昨年のご審議のたまものであり、このことについて改めて御礼申し上げます。

 簡単ではありますが、以上、私からのご挨拶とさせていただきます。

 それでは、審議のほうをよろしくお願いいたします。

【坂口調査官】 続きまして、お配りしています資料について、ご確認をお願いいたします。

 議事次第をおめくりいただきますと、資料1としまして、業務実績評価に係る基本方針でございます。資料2につきましては、業務実績評価に係る基本方針の評価比率でございます。資料3につきましては、具体的にご記入いただく評価シートになります。資料4が、今日、報告があります業務実績報告書でございます。資料5につきましては、評価委員会の開催スケジュールをまとめたものでございます。

 参考資料1としまして、各年度の業務実績の評価を一つにまとめた資料でございます。参考資料2につきましては、総務省政独委がまとめた独法評価分科会における平成26年度の取組についてまとめた資料でございます。参考資料3が、本年2月に指示した中期目標の内容でございます。参考資料4が、本年3月に認可した中期計画の内容でございます。参考資料5が、第二期中期目標期間中の各年度の業務実績評価の指摘事項について、どのような対応をしたのかというのをまとめた資料でございます。

 以上でございます。欠損等がありましたら、ご指摘いただければと思います。

【西間委員長】 資料はよろしいでしょうか。

(はい)

【西間委員長】 それでは、議事に入ります。

 最初の議題は、独立行政法人環境再生保全機構の第二期中期目標期間における業務実績報告についてです。

 それでは、事務局より説明をお願いします。

【坂口調査官】 まず、資料1でございます。業務実績評価に関する基本方針として中期目標期間の評価をどのようにするかということが、まとめられてございます。この資料自体は、各年度の評価と中期目標期間中の評価が書いてございますけれども、資料を1枚めくっていただいて、2ページ以降、(2)の「中期目標に係る業務の実績に関する評価」というところを見ていただければと思います。

 中期目標期間についても、それぞれ環境再生保全機構の業務の事項ごとに評価を行うということが①に書かれておりまして、その評価基準につきましては、S、A、B、C、Dにまとめていただくということでございます。

 それぞれの業務のくくりでありますとか、もうちょっと大きなくくりの部分につきましては総合評価をするということで、評価比率をそれぞれ決めて、それで最終的な法人の評価にまとめるということがここに書かれてございます。

 資料2でございますけれども、これがそれぞれの評価をいただく項目ごとに評価をした上で、業務の大くくりな部分、それからもっと最終的な法人の評価をどのように決めるかというのを、比率をまとめたものでございまして、これにつきましては、先ほどの部会でご審議いただいて決めた内容と同じものでございます。

 資料3でございますが、これが具体的にご記入いただく評価シートになります。中期目標と中期計画が、それぞれの項目ごとに書かせていただいてございまして、それぞれの評価の視点をまとめた上で、実際の評価を一番右側に書いていただくことになります。ちなみに、各年度の評価結果が、平成21年度~24年度まで、既にこちらのほうで記入させていただいていますので、25年の部分にご記入をいただくという形になります。実際に書くのは、中期目標評価のところにS・A・B・C・Dと書いていますので、そこに丸をつけていただければと思います。

 以上でございます。

【西間委員長】 ただいまの説明で、何かご質問ありますか。よろしいですか。

(なし)

【西間委員長】 それでは、早速、独立行政法人環境再生保全機構の第二期中期目標期間における業務実績について、報告を受けたいと思います。

 今般、第二期中期目標期間における業務の実績についての報告書の提出がありましたので環境再生保全機構のほうから説明をお願いします。

【福井機構理事長】 環境再生保全機構の福井でございます。

 先ほど、機構部会の冒頭でもご挨拶させていただきましたけれども、評価委員会からご出席の先生方もいらっしゃいますので、改めて、一言ご挨拶させていただきます。

 委員の皆様方には日ごろからご指導を賜りまして、誠にありがとうございます。これから、第二期中期目標期間の機構が実施いたしました業務の実績について、ご報告させていただきます。詳細につきましては、後ほど各担当理事から報告させていただきますけれども、私のほうからは、運営に当たりまして特に留意してきたこと及び主な成果について、簡潔にご報告させていただきたいと思います。

 先ほどの機構部会でも申し上げたのですけれども、運営に当たりましては、特に3点、留意点がございました。1点目がトップダウンとボトムアップの融合、2点目が横の連携、横串機能の強化、3点目がリーダー職のマネジメント力の強化、の3点が強化事項でございました。

 1点目のトップダウンとボトムアップの融合としましては、部門の垣根を越えまして、地球環境基金や、あるいは予防事業の今後のあり方を考えるプロジェクトチームを設置、運営し、また、私と全職員が相互に意見交換をする場を設けまして、それぞれの職員の課題や意見、提言というのをまとめまして、それを施策に反映していくということで、職員のボトムアップと自発的な行動の促進というのを図ってきたつもりでございます。

 2点目の横の連携、横串機能の強化に関しましては、個々に実施していた契約事務につきまして、機構全体で標準化、統一化するということで、契約手続審査委員会を設置いたしました。また、役員の意見を自由に交換しようということで、役員間で自由に課題を設定して、自由に議論をする役員懇談会というのを定例的に設置いたしまして、事業の部門間での連携とか、あるいは整合性を確保するとともに内部統制の強化というのを図ってまいりました。それとともに、各部が所掌しておりました資金の管理、運用について、経理部に一元化するなど、業務の一元化や業務運営の効率化についても推進してまいりました。

 最後のリーダーシップのマネジメント力の強化でございますが、課長を対象といたしましたPDCA手法による、課長と全役員が直接対面し、プレゼンテーションをし、そして質疑応答を行うという形式の新しい年間の研修を実施いたしました。その他、各階層にわたる、多岐にわたる研修を実施するなど、人材の育成に努め、機構内のコミュニケーションの向上に努めてまいりました。

 こうした取組を通じまして、内部統制、ガバナンスの強化、組織強化等を図りまして、全体としては概ね計画を上回るような実績成果を上げることができたのではないかと考えております。

 第三期中期目標期間では、今申し上げましたように、留意点につけ加えまして、情報発信の強化、人材育成の強化を図りつつ、国民のニーズに応え、的確に対応しながら、中期目標、中期計画の達成に全力を挙げてまいりたいと考えております。

 それでは、これより第二期中期目標期間の業務実績の内容についてご報告させていただきます。よろしくご審議のほど、お願いいたします。

【藏重機構理事】 今年の4月より、補償業務及び予防事業を担当しております藏重でございます。

 お手元の資料4、第二期中期目標期間業務実績報告書に基づき、失礼して着席してご説明させていただきます。

 最初に公害健康被害補償業務の業務実績についてですが、この資料4の1ページに、公害健康被害補償業務に係る中期目標及び中期計画の概要を載せております。

 公害健康被害補償業務は、法律に基づき、認定患者さんへの補償給付、あるいは公害保健福祉事業に必要な費用を、原因者であるばい煙発生施設などの設置者から、汚染負荷量賦課金として徴収するとともに、徴収したお金を、認定支給などの業務を行っております公害健康被害発生地域の都道府県などに納付する業務を行うものでございます。

 業務実績については2ページ目から記載しており、最初に、1.汚染負荷量賦課金の徴収につきましては、まず(1)として、東日本大震災の影響により、平成23年度は収納率の低下が懸念されたところでございますが、納付義務者からの相談、質問事項などに的確に対応することにより、全ての年度において、中期計画としていた収納率99%を維持できたところでございます。

 次に、(2)として、汚染負荷量賦課金の適正な申告に向けて、一定規模以上の主要業種の工場・事業場に対しての実地調査を、中期計画としていた平成20年度実績38件の50%増である件数57件を上回る実地調査を全ての年度において実施しております。

 また、(3)として、汚染負荷量賦課金徴収業務の効率的実施の観点から、徴収業務については、民間競争契約入札を活用した契約により、平成20年度実績に比べ、7%以上の削減を図るとの中期計画に対しましても、民間競争契約入札により日本商工会議所と委託契約を締結し、計画を達成しており、あわせて、(4)として、当該契約により申告書などの点検事務等にかかる人員について1名削減するとの計画も達成しております。

 なお、徴収業務全体に係る経費に関しましても、平成20年度実績に比べて、平成25年度は12.3%の削減が図られております。

 さらに、一番下の(5)として、汚染負荷量賦課金の事務処理の効率化を図るために、さまざまな機会を活用して、汚染負荷量賦課金のオンライン申告を促進した結果、オンライン申告率は、平成21年度において29.9%であったものが、平成25年度においては、54.5%となったところでございます。

 2ページの下の表に、平成21年度から25年度までのオンライン申告率を、また、3ページの一番上の表に、24年度と25年度の申告方式別の件数、金額を載せております。ちなみに、この報告書には記載されておりませんが、平成26年申告におけるオンライン申告の構成比は、6月23日時点で59.1%と、平成25年度に比べて4.6ポイントの増となっております。

 続きまして、3ページ中ほどの2.都道府県等に対する納付金の納付については、都道府県等が行います補償給付の支給に要する費用の全額及び公害保健福祉事業に要する費用の4分の3に相当する金額を機構が納付金として納付をしており、下の(2)の納付金の納付実績の表になりますが、平成21年度から25年度の5年間で、補償給付費及び福祉事業費、合わせて約2,334億円の納付金を都道府県等に納付し、このお金が患者さんやご遺族の方の補償や福祉事業に使われております。

 話がちょっと前後しますが、(2)の上の(1)に記載のとおり、都道府県などからの納付申請などに係る事務処理の効率化の観点から、計画では、平成25年度までにオンライン申請の比率を70%以上とするとしておりましたが、さまざまな働きかけにより、納付金のオンライン申請の推進を行った結果、平成23年度に、全ての都道府県などがオンライン申請に移行しております。

 4ページに入りまして、自己評価ですが、中期計画については、数値的目標を含めて実施できたと考えております。平成26年度からの第三期中期計画期間においても、補償業務に関しては、特に汚染負荷量賦課金の適正・公平な徴収に引き続き努めるとともに、オンライン申告の一層の促進を図ってまいります。

 次に、5ページから6ページに、公害健康被害予防事業に係る中期目標及び中期計画の概要を載せております。

 公害健康被害予防事業は、大気汚染の影響による健康被害の予防に寄与するために、国や地方公共団体が行ってきているぜん息等や大気汚染の改善に関する施策を補完し、地域住民の健康の確保を図ることを目的として実施しているものであり、公害健康被害予防事業の実施に必要な費用は、事業者などから拠出されている拠出金及び国からの出資金により造成された予防基金の運用益により賄うこととされております。

 業務実績については、7ページの「1.収入の安定的な確保と事業の重点化」から記載しており、予防基金について、安全で有利な運用に努めるとともに、環境省からの自立支援型補助金も活用して、収入の安定的な確保に努めたところでありますが、低金利の厳しい情勢の中、運用収入がどうしても減少するという傾向に鑑みまして、地域住民のぜん息等の発症予防及び健康回復に直接つながる健康相談、健康診査及び機能訓練事業、これらの三つの事業をソフト3事業と言っておりますが、このソフト3事業を優先的に採択したところでございます。

 また、平成22年12月7日に閣議決定されました「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」を踏まえ、事業の見直しを図りました。7ページの下の表に、見直しの基本方針に対する措置内容を載せております。

 次に、8ページに入りますが、基金の運用収入の減少や予防事業を取り巻く環境の変化などを踏まえ、今後の予防事業のあり方の検討を行うプロジェクトチームを機構内に設置し、有識者などからのご意見などを参考にして、今後の予防事業のあり方を、8ページに①~⑤の5つの基本戦略として記載のとおり、①事業の選択と集中の促進、②事業のイノベーション化、③事業実施基盤の強化・拡充、④事業アセスメントの整備・強化、そしてこれらの相乗効果として⑤予防事業の事業価値の向上、を取りまとめたところでございます。これらの5つの基本戦略については、平成26年度以降の第三期中期計画期間において具現化して実行していくこととしております。

 続きまして、8ページ下段の2.ニーズの把握と事業内容の改善についてですが、知識の普及事業、研修事業参加者へのアンケート調査を実施し、各事業の満足度及び意見などを収集し、得られた意見などを事業への改善に反映させるとともに、見直しの基本方針を踏まえ、環境省が実施しました「そらプロジェクト」の調査結果や患者のニーズ、ソフト3事業の事業実施効果の的確な把握・評価結果などに基づいて事業内容を改善いたしました。

 9ページの上の表に、患者などのニーズに基づき実施した事業を載せております。なお、ソフト3事業の先進的な取組をまとめたソフト3事業事例集の作成を行い、助成対象地方公共団体に情報提供を行ったところでございます。また、事業実施効果把握のためのアンケート結果について、事業の評価・分析が地方公共団体において直接行うことができ、あわせて、機構において、事業全体の評価・分析も可能となる「集計・分析システム」を構築し、平成26年度から運用を開始することとしております。

 9ページ下段、「3.調査研究」でございますが、環境保健分野、大気の環境改善分野、ともに、全ての課題の採択に当たっては公募制を導入し、機構ホームページや関連学会、関連機関などを活用して、広範な周知を図り、外部有識者である評価委員による評価を行った上で、公募の締め切り日から60日以内に採択するという中期計画を達成しております。

 研究の成果につきましては、調査研究発表会を開催し、評価委員による評価を行い、次年度への調査研究内容へフィードバックを行うとともに、成果集についてはホームページなどで広く公開しております。また、研究成果をマニュアルやパンフレットなどに取りまとめ、事業への活用を図っているところでございます。

 10ページに入りまして、4.知識の普及及び情報提供の実施についてですが、上のほうの表にありますように、講演会・講習会などへの参加者、延べ3万2,002人の評価ですが、回答者の80%以上の方から、5段階評価で、上から2段階までの評価を得るとの中期計画を各年度とも達成しております。また、ホームページの全面改訂や、新たに作成するパンフレットなどについては、webコンテンツもあわせて作成し、閲覧者の利便性や興味・関心を高める工夫を行うなどした結果、サイトの年間アクセス件数を5年間で20%以上の増となることを目標とした中期計画を達成しております。

 10ページの下、5.研修の実施ですが、一番下の表にありますように、5年間で延べ2,239人の受講者の評価ですが、回答者の80%以上の者から、5段階評価で、上から2段階までの評価を得るとの中期計画を各年度とも達成しております。また、ホームページ上において、研修に参加できなかった事業従事者の方へ、ぜん息に係る知識などを習得する機会の提供をするとともに、研修参加終了後の復習を促進するために、環境保健調査研究で開発した「eラーニング学習システム」の運用を、平成25年6月から開始しております。

 11ページに入りまして、6.助成事業でございますが、環境保健分野においては、地域住民のぜん息等の発症予防及び健康回復に直接つながる効果が見込まれるソフト3事業を優先的に採択するとともに、地方公共団体に対して、指導調査、実務連絡者会議、ヒアリングなどの場を通じて、助成事業の重点的推進事項について働きかけたほか、情報交換や意見交換を行ったところでございます。

 また、ソフト3事業の事業効果や効率性の高い事業の事例などを整理し、ソフト3事業事例集を作成し、地方公共団体に情報提供を行ったところでございます。

 なお、11ページの中ほどの表に、助成事業費全体に占めるソフト3事業に係る経費の割合の推移を載せております。

 11ページ~12ページにかけての「自己評価」ですが、中期計画については、数値的目標を含めて実施できたと考えております。平成26年度からの第三期中期目標期間においては、特に、平成25年度に、「今後の予防事業のあり方の検討」として取りまとめた5つの基本戦略について具現化して実行していく所存でございます。

 簡単ではございますが、以上で、補償業務及び予防事業に関わる説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

【佐野機構理事】 続きまして、ご説明をさせていただきます。本年4月に着任をいたしました、理事の佐野郁夫と申します。

 私のほうからは、地球環境基金の関係の業務と石綿健康被害の救済に関する業務について、ご説明を申し上げます。以下、着席させていただきまして、失礼します。

 機構部会にご所属の委員におかれましては、一部説明に重複があるかと存じますが、どうかご容赦いただきたいと存じます。

 地球環境基金の関係の業務につきましては、資料の13ページに、中期目標と中期計画の概要が掲げられております。以下、この各項に沿いまして、その実施状況につきましてご報告を申し上げます。

 まず、環境保全活動を行う民間団体に対します助成事業でございます。資料の14ページでございますけれども、期間中、3年を超えて継続する同じ案件に助成をするというケースはございませんでした。また、入門助成というジャンルを設けまして、これまでに助成を受けたことがない団体に対しまして、5年間で184件、助成をいたしております。東日本大震災が発生しました平成23年度には、震災に関連する環境保全活動につきまして、追加募集を行いまして、助成を行っております。この震災復興関係というものは、24、25年度も継続して行っております。

 助成の対象分野、(3)でございますが、対象の地域としては、アジア太平洋地域、あるいは、対象とする分野については、地球温暖化防止、循環型社会の形成等に重点化をすることといたしまして、各年度とも70%以上をこれに合致するものにするという目標は達成しております。

 それから、採択された団体から、活動を実施したので助成金を支払っていただきたいという申請が参りますが、この申請の処理期間につきましては、各年度とも4週間以内に処理をすると。平均で4週間以内に処理するという目標を達成しておりまして、全計画期間より若干短縮しております。

 計画にございます第三者機関の活用に関しましては、資料の14ページの(5)、(6)辺りにございますように、助成団体の採択に当たりまして、助成専門委員会で審査を行いますほか、募集要領や審査の方針につきましてもご意見を伺いまして、あるいは、その結果は公表いたしております。

 また、選定された助成団体の活動につきましては、抽出いたしました団体に対して、評価専門委員会、これも有識者の方に入っていただいた委員会で評価を行っていただきまして、その成果は、この表にございますように、募集要項等に反映させるというふうにいたしてございます。

 資料15ページに参りまして、(7)にございますように、募集案内の公表、あるいは助成案件の内定、交付決定等をなるべく早くすると。そうすると、その団体の方々は年度早々から活動に入れるわけでございますが、これも極力早期化に努めておりまして、目標の期日は達成しております。

 それから、助成団体の便宜を図るためには、申請書を作成するためのExcelファイルを作成いたしまして、提供をいたしております。また、募集案内の記載内容等々も、なるべくわかりやすいように改善に努めております。また、応募する団体の掘り起こしのために、これまでなるべく、あまり応募のなかった地域を中心に各地で説明会等を開催いたしました。

 15ページの下半分でございます振興事業、NGOの活動を振興するための事業でございますが、調査・研究として、我が国の環境NGOのデータベースの更新を行っておりますほか、震災発生後は、震災によります洋上漂流物に関しまして、日米のNGOが連携して調査を行うと、こういったものを実施しております。また、NGO活動の運営、あるいは環境に関する専門知識等々に関します各種の研修を実施しておりますが、その全てにおいて、参加者からの評価は、「有意義であった」としたもの、80%以上という目標を達成してございます。

 16ページに参りまして、地球環境基金の募金に関してでございますが、この資料の16ページのポツに並んでおりますように、例えばインターネット銀行を募金の受け入れ先として追加をするであるとか、クレジットカードのポイントを寄附していただく仕組みであるとか、古本や中古家電を提供していただいて、これを、リサイクル販売をした買い取り代金を寄附していただく、こういった仕組みを導入する等、いろんな工夫に努めております。これらがありまして、募金総額は、前々中期計画期間を上回るという前中期計画期間の目標を達成しております。また、いただいた基金につきましては、債券を中心に、安全で極力有利な運用に努めております。

 ただ、この資料16ページの表にございますように、長期トレンドで見ますと、募金額というのはやはり減少傾向にございます。これは近年になりまして大口寄附をいただいていた企業が撤退をしたというようなこともございまして、ちょっと長期なトレンドでは減少傾向にあるということが課題になっております。

 4番目に、資料の16ページの中ごろから下にございますように、昨年、平成25年に地球環境基金発足20周年を迎えたのを機に、NGO関係者や有識者の方々の意見も伺いつつ、今後の地球環境基金事業のあり方につきまして、機構内にプロジェクトチームを設けまして、検討を行いました。これらの検討によりまして、地球環境基金のビジョン、ミッションといったようなものについて、改めて明確化をいたしまして、これに基づきまして、主な四つのポイントの改革を行っております。

 一つは、助成事業のジャンルといたしまして、今後の社会活動のモデルとなるような形の、新しい形の活動を助成するフロントランナー助成。それから、国際会議等におきまして、日本のNGOが連携をして主体的な役割が果たせるため、こういったものに当てるためのプラットフォーム助成。それから、東日本大震災の震災地に基盤を置く団体に対します復興支援助成。こういった新しいジャンルを設けました。

 2番目に、特にこういった民間団体のプロジェクトに当たっていただきます人材を養成しますためのOJTのトレーニングを受ける若手の職員の人件費を補助する、あわせて機構においても検証を実施するという、人材育成のための新たな枠組みを設けております。また、採択された活動に対します評価については、事後の評価だけではなく、中間年度から評価を行う等々のシステムを設けました。また、環境省の環境パートナーオフィスなどなど、多様な主体との連携を図っていくと、こういったものを掲げまして、26年度の助成から改善を図っております。

 これらの結果、17ページの中段にございますように、自己評価としては、助成先に関する目標については、申し上げましたとおり、概ね達成をいたしております。また、助成団体の利便性に関しましても、幾つかの改善を行いまして、事務の効率化に寄与することができたと考えております。

 振興事業に関しましては、環境NGOのデータベースの整備を行いましたほか、研修活動については、参加者からの評価に関する目標を達成することができました。

 また、基金に関しましても、募金額に関する目標は達成することができまして、安全有利な運用に努めております。

 このほか、地球環境基金関係の私どもの担当におきましては、二つの業務、資料の18ページからでございますが、実施をいたしております。

 一つは、ポリ塩化ビフェニル、PCB廃棄物の処理基金の業務、もう一つが、廃棄物の最終処分場維持管理積立金の管理の業務でございます。これらはどちらも、制度に沿いまして、所定の額を納付いただいて、これを適切に管理をして、所定の制度に沿いまして払い出すという性質の業務でございまして、いずれも適正に実施ができたと考えております。

 ポリ塩化ビフェニル、PCB廃棄物の処理基金と申しますのは、資料の18ページにございますように、国・都道府県、民間からの拠出を受けまして、処理事業者、これは日本環境安全事業株式会社でございますが、これが、中小企業者の保管をするPCB廃棄物を処理いたしましたときに、大変処理費用がかかるということで、中小企業者の分につきましては、その費用の一部を助成するというものでございまして、中期計画の期間を通じまして、該当のもの約4万6,000台の処理に対しまして、約90億円を助成いたしております。また、調査研究等の事業につきまして、同じく2億6,000万円を助成いたしております。

 また、廃棄物の維持管理積立金業務と申しますのは、廃掃法に基づきまして、廃棄物最終処分場の設置者に対しまして、埋め立て終了した後に、実は廃棄物の処分場というのは、埋立が終了した後にも出てくる排水等の処理にお金がかかるという性質がありますので、そのための費用をあらかじめ積み立てておくというものでございます。本業務に関しましては、19ページに表がございますが、左上の平成10~20年度というところと、それから下の累計額という欄の、いわばこの差に当たります部分が、今中期計画の期間に積み立てられたものでございまして、この期間中に、延べ4,253件、401億円の積み立てを受け入れ、一方、262件、40億円を払い戻しております。平成25年度末の残高、約792億円となっております。

 これらの業務に関します自己評価といたしまして、資金の出納や基金の管理は適切に行うことができたとともに、実施状況の情報公開、設置者に対する通知なども適正に行われたと考えております。

 次に、石綿健康被害の救済関係の業務につきましてご説明をさせていただきます。資料は20ページからでございます。

 石綿健康被害の救済業務に関しましては、中期計画におきましては、大項目で、救済制度の広報、相談、制度運営の円滑化、認定・支給の適正な実施、安全かつ効率的な業務実施体制、費用の徴収、救済制度の見直しへの対応、という6項目が掲げられております。以下、この項目に沿いましてご説明をさせていただきます。

 1.の広報に関しましては、資料の21ページ~22ページにかけて、どういうことをやったかというのがありますが、新聞広告、あるいはインターネット、それから健康雑誌、あるいは石綿を扱うような業界の業界誌と、こういったところに広告を載せる等を、年にもよって、いろいろ組み合わせて実施をいたしております。

 認定された方にアンケートをとりますと、「この制度を何で知りましたか」というと、「医療機関で紹介をされた」という方がやはり多くなっておりますので、医療機関向けの広報に力を入れております。特に、お医者さんを初めとします医療関係者につきましては、一つには、なるべく適切な診断を行っていただいて、適切な医学的資料を出していただくと、これが円滑・迅速に認定をしますのに非常に有効でございますから、そういったものの意味合いも兼ねまして、例えば学会、石綿に関係ありますというと、呼吸器科の先生が集まられる学会、そういったものの場をお借りしまして、セミナーを実施して、この制度の説明をすると、こういったものに努めております。一方では、例えばご遺族の方が申請するという場合は、ご遺族の方は自分で病院に行くわけではございませんので、一般の方向けの、一般紙のような、こういった媒体での広告というのも必要ではないかということで、この両者向けの手段を組み合わせるように努めております。

 また、資料の22ページの下段にございますように、もちろん機構のホームページであるとか、あるいは、フリーダイヤルを設けまして相談を受け付けるということを実施いたしております。

 23ページの上段に、2.の制度運営の円滑化という項目でございますが、認定された方や、医療関係者、今申しましたようなところにアンケートをお願いしまして、その結果を踏まえまして、医療機関向けの申請手続の周知、あるいは医療関係者向けのセミナーといったようなものに努めております。また、制度の実施状況の情報公開に努めております。

 3.の認定支給の状況でございますが、資料23ページにございます中ごろの表のように、中期計画中の5年間で5,830件、年平均1,200件弱の申請を受け付けております。これは実は、前回期間中、前中期計画期間中の年平均約1,870件に比べてやや減少をいたしました。これらの方々、それから、その前中期計画から繰り越しておりました申請が1,000件ほどございますが、これに対しまして、24ページの上段にございますように、この5年間で6,080件の処分、つまり認定、あるいは不認定という決定をいたしております。ということで、若干、前の中期計画から繰り越してこられた方より、次に繰り越した方のほうを減らすということができております。

 決定の内訳は、認定をされた方が約5,000人、不認定になった方が約1,000人と、概ね5対1くらいの比率になります。疾病の種類では、ほぼ8割以上の方が中皮腫となっております。

 24ページの上段の表の2段書きになっておりますところ、表の括弧がついておりますところの段のトータルが942人というのは、これが、平成20年に私どもの機構、平成23年に厚労省が、それぞれ死亡診断書に死因が中皮腫と書いてあるという方のご遺族に対しまして、申請されたらいかがですかというご連絡を差し上げるという掘り起こしを行っているのですが、そのために、21年度とか、24年度とかの申請が多くなる、認定が多くなるのですが、その結果申請された方というふうに考えられまして、今後は、この結果というのはだんだん一巡してくるものと考えられます。

 申請がありました方の処分までに要する期間、これが資料24ページの下段のほうにあります表でございます。大体、中期計画の期間を通じまして減少してきておると。早くお返事が返せるようになっているということでございます。ただ、この何段かあります真ん中の段の施行前死亡者、この制度の施行前に亡くなられた方のご遺族から申請があった方の、この処理期間が、5年間の平均でも324日というふうにちょっと長くなっておりますが、これは、労災保険のほうが給付が有利になりますために、労災のほうの結果が出るのを待っていたというようなことが原因になっております。ただ、実はこの施行前に死亡された方のご遺族というのは、この上の段の表ですと、これも括弧のある欄の1,159名と、それから不認定になった方146名の合計1,304名がこの欄に当たるわけでございますが、このうちの大半は、括弧の中、この表の欄外に注記がございますが、死亡診断書にもう中皮腫と書いてあるという等の理由で、環境省の医学的判定を経ずに認定をされる方でございまして、そのような方は、この下段のほうの表の括弧にございますように、平均で90日、最近ですともう60日で認定処分が出るということになっておりまして、実はこの324日かかっているというのは、対象が167名という、本当に平均300日かかっている方はそれほどはいらっしゃらない状況でございます。

 このような例外を除きまして、処理日数を何とか短縮するというためには、一つは事務処理を迅速に行う。もう一つは、環境省のほうに医学的判定をお願いしますが、この際に、医学的資料が不十分だという理由で、いわば差し戻し、資料を集めてくださいということになってしまいますと時間がかかりますため、なるべく十分な医学的資料をそろえてご判断をいただくということがございます。この両面で迅速化に努めました結果、近年では、処理ケースの約6割が1回の医学的判定で済むようになっておりまして、その8割以上が3カ月以内に結果が出るというふうになってまいっております。

 給付の状況につきましては、資料の25ページにございますように、計画期間中に延べ9万2,000件、178億9,000万円の給付を行っております。その内訳は、療養中の方、言い換えると、ご存命の方でございますが、に対する給付が約100億円、ご遺族の方への給付が78億円と、前者のほうがやや多い状況でございます。

 これらの支払いに関します処理期間は、25ページの下の表でございまして、計画期間中、概ね減少する。だんだんお支払いまでの期間が早くなるという傾向でございますが、近年ちょっと、やや限界かなという状況ができてございます。

 また、資料の26ページに参りまして、制度の施行後5年が経過しまして、認定を受けられてから5年たつと、認定を更新して、また給付をお支払いするということになるわけでございますが、この事務が生じてきております。対象になります方は、運転免許の書き換えみたいなもので、期限が来ます数カ月前から、そろそろ更新ですので書類を出してくださいというご案内を差し上げるというようなことをしまして、適切な実施に努めております。

 4.にございます、安全かつ効率的な業務処理体制の整備のためですが、これらの事務処理を行いますシステムの整備・改修を行いましたのと、特に個人情報を扱う業務でございますので、担当となりました職員にセキュリティ研修を行うなどのセキュリティ対策の徹底を図っております。

 それから、5.の費用の徴収に関しましては、これも26ページの下のほうの段にある表でございますが、特別拠出金の対象となる、これは多数の被害者の方を出してしまったと思われる4社でございますが、この計画期間中、所定額の徴収を行っております。

 それからまた、平成21年度までは、船舶の所有者の方に、労災の掛金見合いの拠出金をいただいておりまして、これが未納な方の督促に努めております。

 27ページに移りまして、6.の「救済制度の見直しへの対応」といたしまして、平成23年に、この石綿健康被害救済法の改正がございまして、この施行前に死亡された方への給付の請求期限の延長ということがございました。これにつきまして、保健所等を通じまして周知を図りました。また、環境省と他の機関との連携を密にしまして、中皮腫の登録事業、あるいは労災保険との連携等々を図っております。これらを通じまして、資料の27ページでございますが、効率的な広報、制度の周知の実施、申請の適正な処理と処理期間の短縮、給付の適正なお支払い、認定更新事務の適切な実施等々が確保できたものと考えております。

 以上でございます。

【西間委員長】 ただいまのところまでのご説明に対して、何かご質問はございますでしょうか。

(なし)

【西間委員長】 それでは、引き続きお願いします。

【武川機構理事】 管理部門担当の武川でございます。よろしくお願いします。

 では、失礼ですけど、着席してご説明させていただきます。

 私のほうからは、業務運営、財務、人事等についてご説明させていただきます。

 28ページをお開きください。業務運営の効率化に関する事項でございますが、真ん中下の「中期計画の概要」ですが、組織運営、業務の効率化、環境配慮でございますが、重複いたしますので、実績の中でご説明させていただきます。

 それでは、右、29ページ、一番上の(1)の組織運営の強化についてでございますが、業務をより着実かつ効率的に推進することを目的に、中期計画に定めた体制の見直しや内部統制の強化に加えて、以下の取組を進め、組織の強化を図りました。

 まず、①でございます。トップダウンとボトムアップの融合につきましては、地球環境基金と予防事業におきまして、あり方を検討するために、他の部の部員も含めた組織横断的なプロジェクトチームを設置し、議論と検討を進めました。結果、そういった形で計画を立案いたしております。

 その下の二つ目のポツでございますけども、理事長は課長以下の全職員と意見交換を行いまして、情報伝達徹底の指示を行うなどガバナンスの強化を行っております。

 その下、②の横の連携の強化でございますが、一つ目のポツの契約手続審査委員会を設置いたしまして、契約に関する事務の標準化・統一化を図りました。また、二つ目のポツの役員懇談会でございますが、月に2回開催いたしまして、機構の課題解決のため検討を行いまして、可能なものから実施しております。

 その下の③、リーダー職のマネジメント力の強化につきましては、役員懇談会の検討のもと、職場のコミュニケーションのキーマンとなる課長を対象に、PDCA手法による個々の部門の目標管理、課題解決能力を向上させるということで、全役員へ、プレゼンテーション方式で、年間を通して研修を行いました。

 続いて、(2)組織体制と人員の合理化につきましては、まず人員につきましては、管理職員数を4名削減しております。②の組織体制は、イとウにありますように、予防事業部、補償業務部、地球環境基金部、事業管理部の各部におきまして、課の削減が実現できております。

 ページを開いていただきまして、③の業務の一元化につきましては、23年7月に、これまで各部で行っておりました資金の管理・運用につきまして経理部に一元化しております。

 続いて、(3)内部統制の強化につきましては、コンプライアンス研修を毎年、全役職員に行っております。それから、25年4月からは、監査室を独立させまして、室員4名を専任といたしました。

 次に③、ガバナンスの強化につきましては、毎年、理事長が全職員と意見交換を行うとともに、年3回、訓示を行っております。

 リスク管理につきましては、イに記載のとおり、全業務を対象に600余のリスクを洗い出しまして、対応すべきリスクを特定し、毎年度、自己点検を実施いたしております。

 その下の⑤、情報セキュリティ体制の強化でございますけども、最高セキュリティアドバイザーを専門家に委嘱いたしまして、毎月1回定例会議を実施し、セキュリティレベルの維持、向上を図っております。

 その下、イでございますけども、全システムにつきまして、侵入防止制御装置及び暗号化機器の導入を行いまして、重要なバックアップデータについては外部保管運用に切りかえております。また、重要なネットワーク機器は二重化の実施をいたしております。

 これに加えまして、補償業務部及び石綿業務部につきましては、サーバをデータセンターに設置し、セキュリティと可用性を強化いたしております。

 また、一番下のエでございますけども、24年12月に「情報取扱手順書」及び「情報セキュリティ実施手順書」を作成いたしまして、毎年自己点検を行うようにしております。

 31ページ、右側でございますね。(4)大阪支部につきましては、昨年の6月、廃止済みでございます。

 続いて、2.業務運営の効率化でございますが、(1)経費につきましては、①一般管理費は、下の表のとおり、中期計画の15%以上の削減を上回る実績となっております。その下の業務経費につきましても、表のとおり、各勘定とも計画の5%の削減を大きく上回った実績となっております。

 ページを開いていただきまして、32ページ、(2)随意契約の見直しでございますけども、下の表のとおり、25年度では2件となっておりまして、20年度の25件から大幅に減少しております。その下の表においても、競争性のある契約は、20年度比13ポイント増加。随意契約につきましては13ポイント減少しております。続きまして、一者応札・応募の件数については、表のとおり、25年度では1件のみとなっております。

 右、33ページ、②契約に係る審査体制でございますけども、アの外部の契約監視委員会による審査ですが、新規の随意契約の事前聴取、いわゆるヒアリングや、2年連続の一者応札・応募については、要因を分析し、報告をいたしまして、点検を受けております。

 また、イの機構内の審査体制につきましては、3ポツ目、予定価格1,000万円以上の案件につきましては、経理担当理事を含めたダブルチェックを行っております。また、100万円以上の案件につきましては、毎月理事会に報告して、ホームページに公表させていただいております。

 その下のウでございますけども、25年度より、何回もお話ししておりますが、契約手続審査委員会を設置し、事前審査機能を強化しております。

 続いて、(3)資金管理の一元化でございますが、運用の効率化を目指しまして、23年7月から実施しております。

 実績といたしましては、34ページの表でございますけれども、34ページの表にありますように、その表の中のA、普通預金の平均残高を見ていただきますと、23年度、7.23%であったものが、25年度では2.69まで効率化されております。それに伴いまして、運用額計の運用比率も、92.77%から97.31%まで上がっております。

 続きまして、右、35ページ、(6)外部委託の推進につきましては、ホームページのサーバ管理等を外部機関に委託しております。

 その下、(7)人件費・給与水準の適正化につきましては、下の表のとおり、ラスパイレス指数も順調に低下しており、目標は超過達成しております。

 続きまして、3.環境配慮でございます。

 まず、(1)の環境報告書につきましては、毎年6月末にホームページで公表をさせていただいております。また、(2)の電気の使用量。温室効果ガスにつきましては、下の表のとおり、大幅に削減ができております。

 ページを開いていただきまして、36ページ、自己評価でございます。これまでご説明させていただいたとおり、組織運営につきましては、人員の合理化、内部統制の強化など、記載のとおり、良好な水準だと考えております。

 また、右、37ページの業務運営の効率化につきましても、各項目、計画以上の成果が出ております。

 続きまして、38ページ、予算、収支につきましてご説明させていただきます。

 右側の39ページ、総計はわかりにくいと思いますので、各勘定別にご説明させていただきます。

 40ページをお開きください。まず上の公健勘定でございますが、4行目、業務収入でございます。認定患者さんの減少によりまして、賦課金収入も減少し、計画比、マイナス166億円と。これに伴いまして、支出欄でございますが、業務経費もマイナス184億円となっております。

 その下、石綿勘定でございます。一番上の交付金が、計画対比、実績が上回っておりますが、これは労災保険の収入に一定率を掛けたものか交付されるため、計画対比で増加しているものでございます。また、支出の業務経費の差額、258億円でございますけども、これは患者さんの数が、見込み対比で少なかったためでございます。

 右ページ、基金勘定でございます。2行目、3行目、補助金の差額でございますけども、PCBの補助金の減額によるものでございます。また、支出の295億円強のマイナスにつきましては、5年間の処理計画対比で処理件数が届かなかったということでございます。

 その下、承継勘定でございます。5行目、業務収入が122億円超過してございますが、これにつきましては、回収水準が非常に良好であったということでございます。したがいまして、補助金、借入金、債券などの調達が抑えられまして、各項目に差額が出ております。また、支出の部、3行目、借入金の償還、マイナス164億円につきましては、借り入れ調達が減ったため償還がなかったということでございます。

 続きまして、42ページ以降の収支計画と実績につきましては、今ご説明したことと重複いたしますので、50ページ、財務の状況に移らせていただきます。よろしいでしょうか。

 まず、(1)各勘定の中期目標期間の総利益は、業務運営費交付金の精算収益化を行っておりますので、下の数字になっております。計画と大幅に異なる要因につきましては、承継勘定の利息収支差が大きかったということでございます。

 続いて、(2)各勘定の利益剰余金につきましては、下の表のとおりでございまして、このうち、公健勘定で6億7,400万円、承継勘定で172億1,000万円について、次期中期目標期間への繰り越し手続を今行っております。

 その下、(3)でございますけども、運営費交付金債務につきましては、最終年度でございまして、精算収益化したため、存在しておりません。下の表につきましては、その残高推移でございます。25年度の数字で精算収益化してございます。

 その下、(4)基金の運用につきましては、表のとおりでございますが、予防基金は、高金利の運用が続々と満期になってきておりまして、減少しておりますが、ここ3年間は何とか効率的な運用で減少をカバーしてきております。なお、地球環境基金につきましては、寄附による残高の増加と効率運用で水準維持を図っております。

 続きまして、右、51ページ、2.承継業務でございますが、表の一番上、いわゆる債権残高Aというところでございますけども、これにつきましては、いわゆる不良債権でございます。これは、回収の欄の一番右側を見ていただきますと、約200億円の回収ができ、中期目標の300億円を大幅に上回り、218億円になっております。

 次、(2)、下でございます。サービサーの新規委託につきましても、表のとおり中期目標の28億円はクリアしております。

 その下、(3)の補助金でございますが、回収努力によりまして、24年度6,700万円、25年度では、表のとおり不要となっております。

 3.の短期借入金につきましては、計画期間中の最高額が49億円ということで、限度額168億円の範囲内でございました。

 ページ、開いていただいて52ページでございます。4.の戸塚宿舎につきましては、25年9月に国庫納付いたしました。

 その下の自己評価につきましては、今ご説明したことと重複いたしますので省略させていただきます。

 最後、53ページ、その他の業務運営でございますけども、真ん中下の業務実績、(1)の人員削減につきましては、下の表のとおり、足し算していただきますと、6名の削減ができております。したがいまして、中期目標は達成できたということでございます。

 その下、(2)研修につきましては、階層別研修、eラーニング等を実施するとともに、外部研修にも積極的に派遣いたしております。

 実績としては、ページ開いていただきまして、54ページ、一番上の表のとおりでございます。25年度は、延べ660名が受講しておりまして、総人員140名強の組織としてはまずまずの水準ではないかなと思っております。

 次に、(3)人事評価制度の適正な運用でございますけども、毎年、業績評価と発揮能力評価を行いまして、昇給、昇格及び賞与に反映させております。なお、評価につきましては、適宜ブラッシュアップさせておりまして、加えて計画策定及び評価のフィードバックにつきましては、最低30分以上の評価者の面談を実施するなどを行っております。

 その下の2.積立金の処分でございますけども、期間中は公健勘定で減価償却見合いで1億8,300万円の処分がございました。

 その下、自己評価につきましては、ご説明したとおりでございますので省略させていただきます。

 以上、ありがとうございました。

【西間委員長】 ありがとうございました。

 それでは、昨年度から当委員会に独立行政法人環境再生保全機構の監事にもご出席いただいております。

 それでは、監事のほうから、統制環境等の状況についてご報告をお願いしたいと思います。

【野口機構監事】 監事の野口でございます。こちらは沼野監事でございます。よろしくお願いします。

  先ほど、私は部会のほうで、24年度には準備が、いろいろな内部統制、また機構の改革の準備が進み、25年から着実に動き出したというお話を申し上げました。ここの評価委員会では、もう少し長いスパンで、私自身が監事としてどういうふうにこの組織を見ているかをお話しします。その中に多分、内部統制ですとか機構の改革のあり方があるのかなと思っております。

 先ほどから理事長がご挨拶の中で、横の連携ということをおっしゃった。実は、理事長は、機構の中で毎日のように、横串を通せ、横串を通せと発言なさっておられます。そんなに横の串を通して何を焼くのだろうか、イカの松風焼きでもつくるのかしらというぐらい、もう日ごと夜ごとおっしゃっています。ここにポイントがあります。

 皆さん、ご承知のとおり、この組織は10年前にできました。二つの組織が合併し、かつ、幾つかの全然違うミッションを束ねてやる組織としてでき上がりました。こういう場合、準備期間も短かったですし、その建てつけを見ますと、やっぱり縦割りなんですね。つまり、どうやって組織を短い時間で立ち上げるかというと、どうしてもミッションごとにきっちりコントロールする、規律を通すという立て方をするのだと思います。私が5年前に来てみまして感じたのは、ちょっと縦割りはきつ過ぎるなということでした。組織の効率ということを考えますと、もうご存じのとおりの、例の縦割りによる弊害は合成の誤謬であります。一つ一つの仕事では合理的なんだけど、合わせてみると、どうも全体としてはつじつまが合わない、そういうことだったろうと思います。

 この5年間、民間から理事長もお見えになりましたし、役員も入られまして、その目から見て、縦割りは縦割りでそれなりの規律が通るわけですが、やはり効率性ということでいえば、横に軸を通して、そこでの比較をしなければいけないということだったと思います。それが着実にできればよかったんですけど、ご案内のとおり、総務省のほうは、あれは平成21年ですか、独法の内部統制の委員会をつくったり、役所のほうから新しい指示があったり、いろいろなことがありました。また、当機構は、途中で石綿の組織も新しくできましたので、そちらの対応にも追われ、どうしても横の連携ということと内部統制ということがうまく絡み合わないような状況があったのだろうと思います。やっとこの二、三年でその面への対応が始まったと思います。

 監事としては、これまでの努力についてそれなりの評価をしておりますが、常に我々が気をつけなければいけないのは、一つ一つの縦の仕事を、一つ一つ丁寧にほぐして、横に、同じ業務があれば、それをどう連携させていくかということであって、これがうまくいくかどうかが、この組織がこれから規律を保ち、効率的に、よりレベルの高い組織に成長するかという課題の要だろうと思っております。

 そういう意味では、理事長にはもっともっと大きな声で横串を通せと言い続けていただきたいと思っております。

 以上でございます。

【西間委員長】 わかりました。ありがとうございました。

 それでは、ここまでの機構からの説明全てに、何かご質問などございましたらお願いします。

 特に、前に部会が2時間半ありまして、部会に参加された委員はほとんど質問もそこでしましたので、ないと思いますが、小池委員と沖委員は今度が初めてですので、ぜひ、評価するときに、これをよく聞いておこうというところがありましたら、我々も参考になりますので、何かご質問をお願いします。

 どうでしょうか。

【小池委員】 それでは、二、三質問をさせていただきます。

 全般的に、公害健康被害補償にしろ、石綿にしろ、だんだんいろんな事業が少しずつ縮小されていく方向にはいくと思うんですね。被害者などいろんな形で減っていっていますよね。これを5年間で今見ているんですけど、次の5年間もだんだんそうなっていったときに、機構全体として、これをどういうふうにしていくのかと、先ほどの横串の話と、どういうふうにそれがつながってくるのでしょうか。 それから例えば地球環境基金にしろ、寄付を集めて、頑張られていますけれども、初めはどんどんお金が集ってきますよね。新しい試みをすれば、そのときはちょっと増えるんだけど、またそれが続かない。それに対して、一体どういうふうにされるつもりなのか。

 その二つをお聞かせいただきたいと思います。

【武川機構理事】 まず補償のほうでございますけども、ピーク11万人から、今、3万七、八千人ということなのですが、実はこの3万7,000人の方々が、じゃあどのぐらいかというと、恐らく今一番お若い方で二十五、六の方がまだお見えになるということで、よくよく考えると、この方が完治するか、このままで行くとまだまだ時間はかかるなというのが現実でございます。

 ただ、そういう中で、どういった格好で収束していくかとか、現実的に言えば、この賦課金で成り立っている各企業からも頑張って出していただいている部分が、どこまでご理解いただけるかという部分もございますけども、我々のほうは執行機関でございますので、その辺は環境省さんのほうでいろいろとご議論いただくということで、我々のほうは、実態上のきちっとした数字を、きちっとしたご報告をするということと、国民サービスの中で、賦課金納付業者さんもさることながら、患者さんの声をきちっとお伝えしていくということで行くのではないかなと思っています。

 石綿につきましては、これはちょっとまだわからないところがございまして、実はアスベストの輸入量というのは、一時ぼんと増えて、これが20年後に発症してくるということなので、これはまだどっちに転ぶかというのはよくわからないところがございますので、開始して五、六年なものですから、このままで行くのかなという部分もございますけども、とはいえ、アスベストの基金もそれなりに積み上がりましたので、環境省さんのほうでご判断をいただきまして、今年度からは労災の掛金率も減って、かなり実態に沿った業務費になってきているのではないかと思っております。

 それから、寄附金につきましては、実はこれはかなり減ってきている部分があります。これにつきまして、原因は大口の寄附金のところが、実は我々の寄附した額については我々の指示どおり使ってもらえないかというお話がございまして、それはちょっと難しいなということで、ちょっと意見が合わないのかなということで、約4,000万強の寄附金が減ったわけなんですけど、ただ、これもやっぱり地球のあり方検討会というのを去年、前年度、理事長のご指示や何かでプロジェクトチームをつくって、どうやっていくべきかとみんなで議論して、それで、今年度からは、いわゆる募金委員会などを機構内でつくりまして、どういった格好で皆さんの心をつかんでいくのだろうかとか、募金をいただくのだろうかということを、今、一生懸命検討して、募金のあり方自体も、理事長以下で今議論しているところでございます。

【福井理事長】 若干補足をよろしいでしょうか。

 募金のほうは、やはり先ほどの機構部会でも出ていたのですけれども、ある企業さんとか、いろいろニーズを聞きますと、自分たちのこういうプロジェクトに、自分たちの名前を出して寄附したいというご意見が強くて、今の私どもの募金の制度ですと、それができないものですから、その辺もある程度できるように検討をしていかなければいけないなということで、今、検討もしているところでございます。企業様のお名前を出すとか、あるいは、目的寄附というようなことができないだろうかという議論もしているところでございます。

 あと、もう少し全体のことで言いますと、公害の健康被害の補償の辺りの事業がやはり徐々に、徐々に減っていくわけでございますし、不良債権の処理というのもどんどん減っておるわけで、その組織とか要員の見直しというのもしなければいけないわけなのですが、全体として、じゃあ、機構をどうしていくのかということですと、第三期中期目標の中でもご議論いただいて、前文の中に書かれているところだと思うのですけども、そのいわゆる機構に対して、環境省の業務のアウトソーシングという視点で、今後どういう業務範囲というようなことが考えられるのかというのは、これは環境省の基本的な考え方のところですけども、一緒に議論をしながら検討をしていきたいとは思っております。

【沖委員】 岡山大学の沖でございます。よろしくお願いいたします。

 お話を伺っておりまして、非常に興味を持ったというと失礼な言い方ですけれども、ちょっとお話を聞かせていただきたいと思う点がございます。ページ数でいきますと29ページで、組織運営、組織運営強化の点でございます。先ほどからお話を伺って、理事長のご指導のもとに、横串と縦串が、うまくかみ合っていらっしゃって非常にうらやましい状況です。今、大学改革で、ガバナンス強化ということで、どういうふうに組織を動かせばいいのか検討しているところでございますので、少しお話を聞かせていただきたいのですが、トップダウンとボトムアップの融合という、これは非常に難しいところではないかと。そこに、③のリーダー職のマネジメント力強化で、ちょうど課長がキーマンで、一番負担がかかるところであって、縦と横の交通整理というところだと思いますが、このボトムアップを上手にトップダウンと融合させる一つの観点といいますか、どの辺を中心に動かしていらっしゃるのかということが1点。それから、我々も実施しているのですが、部局長のプレゼンを執行部が聞いて、そして、これからどう持っていくかということを考えるスタイルで我々も動いてはいるのですが、なかなかそこがうまく融合しない。お互いに言いっ放しで、アウトカムが上手に整理できていないということがございます。その辺のところをどのように動かしていらっしゃるのか、お聞きしたいところでございます。

【福井機構理事長】 それほど100%うまくいっているわけではないので、おこがましいので、非常に初歩的なところの話で非常に恥ずかしいのですけれども、2年3カ月前に来まして、半年ほど見ていまして、私もいろいろなほかの独法の非常勤の監事とか、企業の監査役とかもやっていたものですから、そういう面から見ますと、当機構は割とガバナンスとかマネジメントの部分はよくできているなとは思いました。

 ただ、先ほど言いました幾つか問題点があって、一つが、やっぱりボトムアップが弱いと思いました。例えば、地球環境基金の20周年、そういうときに見直しをしなければいけないときに、それを黙っていてもボトムアップは出てきませんので、じゃあそれを検討しようというプロジェクトチームをつくってしまう。部横断でメンバーを集めて、もちろん地球環境基金部というところが中心になるのですが、部横断でつくってしまって、任命書を出して、責任と権限を持たせるということですね。

 それからもう一つは、それだけですと通常の業務を持っているメンバーだけですとなかなか動きませんので、専従職員を2人つくりました。ほかの仕事は一切外して、その仕事だけ半年間やりなさいという形で追い込むということですね。それでやっていただいて、あとはお任せではなくて、スケジュールから何まで全部報告をさせて、基本的に月何回も、ワーキンググループが十幾つできたのですけど、その議論をしていただくのですけど、それを月に1回か2回、必ず全体会議ということで報告をいただくと。そこに、理事長以下、理事も全員出て、全員で議論をするという形で、しかもそれを、若手は、1年生、2年生の方から報告をしていただくと。それが最高の勉強なので、報告をしていただいて、そのワーキンググループを取りまとめいくと。そこに、お任せじゃなくて、理事長も理事も全部意見を言っていくという形で、全員攻撃という形でやったというところが一つのいい試みであったかなとは思っています。

 縦にしても、横にしても、結節点は各課の課長だと思いますので、この課長がどれだけ強くなって自主的にどんどんやっていけるかということが全ての勝負だと思っていまして、それはまだこれからだと思っていますので、もう少し頑張りたいと思っています。

【沖委員】 すみません、ちょっとお聞きしたいのですが、その課長クラスの皆さんというのは、どれぐらいの世代の方でいらっしゃるのですか。

【福井機構理事長】 当機構は、課長クラスというと結構年齢が行っておりまして、四十四、五~五十四、五ぐらいの方が多いですね。民間企業ですともう少し若くて、三十七、八~四十五ぐらいなのですけども、当機構は比較的年齢的にはもう少し上になっております。

【沖委員】 なるほど。わかりました。ありがとうございました。

 もう一つ気になりましたのが、人材育成の視点ですね。ここで、若手プロジェクトリーダーの育成というのが、今のお話にも通じると思いますが、「助成事業により活動推進費を助成するとともに」ということは、やはりそこで責任を持たせて、働かせるということになるかと思います。言われたことはやれても、自からの発想のもとで動いていける方というのは、昔に比べれば少ないような気がしますが、この辺は何かお考えのところはございますか。

【福井機構理事長】 これは私の考えなのですけども、今の、先ほども出ていましたのは、助成事業の中で、あるいは研修事業の中で、日本のNPO、NGOの方の若手人材をどう育成するかという視点でございまして、やはり統計をとってみますと、20年前より、日本のNPO、NGOの従事者の方は年をとってしまっている。70ぐらいのえらい元気な方たちはたくさんいるのですけども、30代、20代の元気なプロジェクトリーダーというのが減っているのではないかという観点から、じゃあどうしようかと。

 NPO、NGOの方のニーズとしては、人件費を出してくれるというのが強くあるのですけど、ただ人件費を出してもしようがないだろうと。人件費を出すのに、まず、こういうプロジェクトをやりたい、そのプロジェクトリーダーを育成したいというのを、そのNPO、NGOの代表の方、理事の方々から推薦して、コミットメントを出してもらう。推薦状を出していただいて、その六十何人の中から16人を我々は選んだということでございます。選んだ方については、3年間で、人件費を出すほかに、我々が決めた研修に参加していただくと。これは泊まり込みでやります。ということで、年何回かやって、宿題を出して、また集っていただくと。

 3年終わってもフォローしようという構想でして、一つは、勉強して、自主的に事業をやっていただいて、OJTで勉強していただくということと、もう一つは、彼らの横の仲間づくり、これをぜひNPO、NGOの世界に支援できないかなというのが今回の構想なのでございます。

 ちょっと夢は大きいのですけど、どこまでできるか、やってみたいなと思っております。

【沖委員】 どうもありがとうございました。

 伺えば伺うほど、非常に上手にやっておられると感心いたしました。ありがとうございました。

【西間委員長】  よろしいですか。大体時間がほぼ来ておりますので。

(はい)

【西間委員長】 それでは、この業務実績報告につきましては終了したいと思いますが、委員の皆様方におかれましては、業務実績報告書や、ただいまの説明を踏まえて、環境再生保全機構の第二期中期目標期間における業務の実績について、お配りしております資料3の評価シートにより評価をしていただきたいと思います。

 追加のご質問やご意見がありましたら、随時事務局宛てにファクスかメールでお願いいたします。

 なお、各委員の評価を踏まえて、次回の委員会で、委員会としての評価についての議論を行いたいと思います。評価シートの提出期限につきましては、表にありますように、7月24日木曜日までに事務局に提出してくださるようにお願いを申し上げます。

 それでは、長時間にわたりましたが、これで終了したいと思いますが、事務局から最後にお願いします。

【坂口調査官】 簡単ですが、2点ございます。

 1点目は、本機構は、今年度から新たな第三期の中期目標、中期計画に基づいて業務を進めております。昨年度の評価委員会の委員の皆様方には積極的なご審議をいただきまして、新しい、よい中期目標、中期計画で業務が始められたのではないかと思っておりますので、改めて御礼申し上げます。

 それから、次回の評価委員会ですけが、8月22日金曜日の午後を予定しております。詳細についてはまた改めてご案内したいと思います。

 資料については郵送をさせていただきますので、置いていただければと思います。

 ありがとうございました。

【西間委員長】 それでは、本日はこれにて終了といたします。お疲れさまでした。